JPWO2009037953A1 - アルコールの製造方法および酸処理ラネー触媒 - Google Patents

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Abstract

アセトン等のケトンと水素とを反応させてなるイソプロピルアルコール等のアルコールの製造方法において、不純物副生の少ない高純度アルコールの製造方法を提供することを目的とする。本発明のアルコールの製造方法は、ケトンを触媒の存在下で、接触水素化反応を行うことにより、アルコールに変換する反応において、前記触媒が、ラネー触媒を酸で接触処理することにより得られる酸処理ラネー触媒であることを特徴とする。

Description

本発明はアルコールの製造方法および酸処理ラネー触媒に関し、詳しくは、ケトンと水素とを反応させる、不純物の副生を抑制した高純度アルコールの製造方法および該製造方法に用いる酸処理ラネー触媒に関する。
アルコール類は有機合成の重要な中間体や工業上重要な溶媒に使用されるものであり、その用途は幅広く、用途によっては高純度のアルコールが必要とされる。
一般に高純度のアルコール製造方法においては蒸留操作を行うが、多くのエネルギーを必要とする。また用途によって許容される不純物の種類や量は異なり、用途によっては、蒸留操作では、充分に不純物を低減した高純度のアルコールの製造が困難な場合もある。
このため、アルコールを製造する際の反応工程において副生される不純物を低減することは、高純度のアルコールを得るための有効な方法の一つである。
アルコールの製造方法として、オレフィンを水和する方法とケトンのカルボニル基を水添する方法が知られている。
オレフィンを水和する方法としては、例えばイソプロピルアルコールを製造する方法として、濃硫酸によりプロピレンをエステル化した後に加水分解する間接水和法や、ヘテロポリ酸等を触媒としてプロピレンを直接水和する直接水和法が広く利用されている。この場合には触媒である硫酸やヘテロポリ酸による装置の腐食という問題が起こる。また、これらプロピレン水和法では、n−プロピルアルコール、tert−ブチルアルコール、2―メチル―2−ペンテン、2―メチル―1−ペンテン等の不純物が副生する。
ケトンのカルボニル基を水添する方法としては、例えば、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム等の試薬を用いた還元方法、あるいは水素ガスを用いた接触還元法がある。
水素ガスを用いる方法としては、例えばイソプロピルアルコールを製造する方法として、触媒として塊状のラネーニッケルを用いる方法(特許文献1参照)、気・液・固の3相からなるトリクルベッド方式で行う方法(特許文献2参照)、また、反応収率向上の為に反応混合物の一部を循環する方法(特許文献3参照)が提案されている。
しかし、これらの方法はいずれも反応成績向上のための方法を提供するものであり、生成したイソプロピルアルコールの品質向上には言及されていない。
さらに水素ガスを用いる方法としては、粗アセトンを原料としても高純度のイソプロピルアルコールが製造できる方法(特許文献4参照)が提案されている。この方法は原料アセトンに含まれる不純物を特定し、該不純物の含有量を規定することを特徴とする方法である。
特開平3−141235号公報 特開平2−270829号公報 特開平3−133941号公報 特開2002−121160号公報
本発明は上記従来技術の有する課題を鑑みてされたものであり、イソプロピルアルコール等のアルコールを高純度で得ることができる、ケトンと水素とを反応させてなる不純物副生の少ない高純度のアルコールの製造方法および該製造方法に用いる酸処理ラネー触媒を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、接触水素化反応の際の触媒として、ラネー触媒を酸で接触処理することにより得られる酸処理ラネー触媒を用いることにより前課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、以下の通りである。
[1] 下記式(1)で表されるケトンを触媒の存在下で、接触水素化反応を行うことにより、下記式(2)で表されるアルコールに変換する反応において、
前記触媒が、ラネー触媒を酸で接触処理することにより得られる酸処理ラネー触媒であることを特徴とするアルコールの製造方法。
Figure 2009037953
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
Figure 2009037953
(式中、R1およびR2はそれぞれ式(1)のR1およびR2と同様の基を示す。)
[2] 前記酸処理ラネー触媒が、ラネー触媒を酸性水溶液で接触処理することにより得られる酸処理ラネー触媒であることを特徴とする[1]に記載のアルコールの製造方法。
[3] 前記酸性水溶液のpHが2.5以上7未満であることを特徴とする[2]に記載のアルコールの製造方法。
[4] 前記酸性水溶液が酢酸水溶液であることを特徴とする[2]または[3]に記載のアルコールの製造方法。
[5] 前記ラネー触媒が、ラネーニッケルおよびラネーコバルトからなる群から選択させる少なくとも1種のラネー触媒であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のアルコールの製造方法。
[6] 前記式(1)および(2)において、R1およびR2はそれぞれ独立にメチル基、エチル基、n‐プロピル基、i‐プロピル基またはi‐ブチル基であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載のアルコールの製造方法。
[7] 前記式(1)で表されるケトンがアセトンであり、式(2)で表されるアルコールがイソプロピルアルコールであることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載のアルコールの製造方法。
[8] ラネー触媒を酸で接触処理することにより得られることを特徴とする酸処理ラネー触媒。
[9] ラネー触媒を酸性水溶液で接触処理することにより得られることを特徴とする[8]に記載の酸処理ラネー触媒。
[10] 前記酸性水溶液のpHが2.5以上7未満であることを特徴とする[9]に記載の酸処理ラネー触媒。
[11] 前記酸性水溶液が酢酸水溶液であることを特徴とする[9]または[10]に記載の酸処理ラネー触媒。
[12] 前記ラネー触媒が、ラネーニッケルおよびラネーコバルトからなる群から選択させる少なくとも1種のラネー触媒であることを特徴とする[8]〜[11]のいずれかに記載の酸処理ラネー触媒。
本発明のアルコールの製造方法は、触媒としてラネー触媒を酸で接触処理することにより得られる酸処理ラネー触媒を用いることにより、不純物副生の少ない高純度なアルコールを製造することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
〔アルコールの製造方法〕
本発明のアルコールの製造方法は、下記式(1)で表されるケトンを触媒の存在下で、接触水素化反応を行うことにより、下記式(2)で表されるアルコールに変換する反応において、前記触媒が、ラネー触媒を酸で接触処理することにより得られる酸処理ラネー触媒であることを特徴とする。
Figure 2009037953
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
Figure 2009037953
(式中、R1およびR2はそれぞれ式(1)のR1およびR2と同様の基を示す。)
上記式(1)および(2)で表される化合物中のR1、R2における炭素数1〜6のアルキル基とは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i‐プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、n−ペンチル基およびn−ヘキシル基等を表し、R1とR2とは各々同一であってもよいし、異なっていてもよい。
中でも上記式(1)および(2)において、R1およびR2はそれぞれ独立にメチル基、エチル基、n‐プロピル基、i‐プロピル基またはi‐ブチル基であることが工業的用途の幅が広い点で好ましい。
上記式(1)で表されるケトンとしては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられるが、中でもアセトンが好ましい。
本発明のアルコールの製造方法では、これらのケトンから上記式(2)で表されるアルコールを製造することができる。例えばアセトンからイソプロピルアルコール、メチルエチルケトンから2−ブタノール、メチルイソプロピルケトンから3−メチル−2−ブタノール、メチルイソブチルケトンから4―メチル―2−ペンタノールが得られる。
本発明のアルコールの製造方法は、工業的用途の幅が広いイソプロピルアルコールをアセトンから好適に製造することができる。
本発明で用いる触媒は、酸処理ラネー触媒であり、酸処理ラネー触媒とは、ラネー触媒を酸で接触処理することにより得られる触媒である。
なお、本発明においてラネー触媒とは、ニッケル、コバルトのようなアルカリまたは酸に不溶(難溶)な金属とアルミニウム、シリコン、亜鉛、マグネシウムなどのようなアルカリまたは酸に可溶な金属との合金を製造した後、この合金からアルカリまたは酸に可溶な金属を溶出して得られる金属触媒である。
前記ラネー触媒としては、例えばラネーニッケル、ラネーコバルト、ラネー銅、ラネー鉄等が挙げられるが、反応収率の点でラネーニッケルおよびラネーコバルトからなる群から選択させる少なくとも1種のラネー触媒を用いることが好ましい。
なお、ラネーニッケル、ラネーコバルト、ラネー銅、およびラネー鉄とは、アルカリまたは酸に不溶(難溶)な金属組成の主体がそれぞれニッケル、コバルト、銅および鉄であるラネー触媒である。
本発明のアルコールの製造方法は、接触水素化反応前に、前記ラネー触媒を酸で接触処理する。接触処理の時期としては、接触水素化反応前であれば特に限定は無いが、触媒の長期放置による劣化を避けるとの観点から、1日前〜反応直前が好ましい。
また、接触処理後のラネー触媒、すなわち酸処理ラネー触媒は、発火の恐れ等があり安全上の観点から必要に応じ水中に保存することが好ましい。
本発明においてラネー触媒の接触処理に用いる酸としては、触媒を劣化させないものであれば制限はない。
酸としては例えば、有機酸や無機酸を使用することができるが、有機酸が好ましい。前記酸は一種単独でもよく、二種以上が含まれていてもよい。
また酸は、通常液体状態で接触処理に用いられ、液体状態の酸としては、液体の酸を用いてもよく、酸を溶媒に溶解して得られる酸性溶液を用いてもよい。酸性溶液としては、酸を水に溶解して得られる酸性水溶液が、コスト、触媒を劣化させないための酸強度の調整が容易であるという点で好ましい。
有機酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸等を挙げることができるが、中でも酢酸が安価に得られるため経済性の点で好ましい。
無機酸としては、塩化水素、硫酸、リン酸、硝酸等を例示することができる。
本発明において、接触処理の具体的な方法としては、ラネー触媒と酸とが接触すればよく、例えば、(I)ラネー触媒を入れた籠を、酸性水溶液等の液体状態の酸が入った攪拌機付容器に固定し、穏やかな攪拌条件下でラネー触媒を酸で接触処理する方法、(II)前記(I)をラネー触媒が劣化しない程度に繰返し行なう方法、(III)ラネー触媒を接触水素化反応に使用する反応器に充填し、反応器に触媒を劣化させない量の、酸性水溶液等の液体状態の酸を供給しラネー触媒を連続的に接触処理する方法等が挙げられる。
これら接触処理の方法の中でも、酸処理ラネー触媒を効率よく得ることができ、操作性にも優れる(III)ラネー触媒を接触水素化反応に使用する反応器に充填し、反応器に触媒を劣化させない量の、酸性水溶液等の液体状態の酸を供給しラネー触媒を連続的に接触処理する方法が好ましい。
本発明において、酸処理ラネー触媒は、ラネー触媒を酸で接触処理することにより得られるが、前述のようにラネー触媒を酸性水溶液で接触処理することが好ましい。
接触処理に用いる酸性水溶液のpHとしては、pHが7未満であればよいが、触媒の劣化や装置の腐食等を避けるとの観点から、pHが2.5以上7未満の酸性水溶液を使用することが好ましく、pHが2.5〜4の酸性水溶液を使用することがより好ましい。
本発明において接触処理に用いる酸性水溶液の濃度としては通常、酸の濃度が0.001〜10mol/Lのものが用いられるが、好ましくは、0.01〜5mol/Lである。
本発明において接触処理に用いる酸性水溶液の量としては、触媒を劣化させない量であれば制限はないが、使用する触媒の体積に対して5〜200倍の体積量が好ましい。更に好ましくは、50〜100倍の体積量である。
本発明において、ラネー触媒を酸性水溶液で接触処理する際の溶液温度としては、酸性水溶液の凝固点をこえ、沸点未満であり、触媒を劣化させない温度であれば特に制限はないが、通常、−10℃〜150℃、好ましくは10℃〜80℃で行う。中でも、エネルギー効率の観点からは室温であることが好ましい。
本発明において、酸による式(1)で表されるケトンの分解防止の観点および、酸自体が得られるアルコールの不純物になることを避ける観点から、ラネー触媒を酸で接触処理し、酸処理ラネー触媒を得た後に、接触水素化反応の前に、さらに酸処理ラネー触媒を水で洗浄することが好ましい。
前記水の量としては、特に限定は無いが、使用する酸処理ラネー触媒の体積に対して5〜200倍の体積量が好ましい。更に好ましくは、50〜100倍の体積量である。
また、水による洗浄の温度に関しては、特に限定は無いが通常、10℃〜80℃で行う。中でも、エネルギー効率の観点からは室温であることが好ましい。
なお、水を用いて洗浄を行う際の洗浄方法としては、(A)酸処理ラネー触媒を入れた籠を、水が入った攪拌機付容器に固定し、穏やかな攪拌条件下で酸処理ラネー触媒を水で洗浄する方法、(B)前記(A)を複数回繰返し行なう方法、(C)酸処理ラネー触媒が充填された接触水素化反応に使用する反応器に、水を供給し酸処理ラネー触媒を連続的に洗浄する方法等が挙げられる。
本発明において、接触水素化反応に使用される反応器としては充填反応器、トリクルベッド方式の反応器、多管式反応器、移動床反応器、懸濁気泡塔反応器、攪拌槽式反応器等が挙げられる。接触水素化反応自体の条件としては、従来と同様の条件で行うことができる。
本発明において、接触水素化反応における反応温度及び反応圧力は、特に制限はないが一般的には反応器の雰囲気により異なり、例えば、液相反応においては通常、130℃以下、0.5〜4MPa−Gであり、気相反応では通常、60〜200℃、1MPa−G以下の条件で行われる。
本発明において、接触水素化反応に用いるケトンと水素とのモル比(ケトン:水素)は特に限定はないが、通常は1:1〜1:10である。また、本発明において、接触水素化反応に用いる酸処理ラネー触媒の使用量は、通常はケトンに対して0.1〜4倍の体積量である。
液相反応によってアルコールを製造する場合には、反応溶媒を用いることが反応の収率の観点から好ましい。反応溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール類、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジグライム、トリグライム等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロペンタン等の炭化水素類、水などが挙げられる。これらは、一種単独でも、二種以上を混合して用いてもよい。中でもケトンとしてアセトンを用いる場合には、得られるアルコールであるイソプロピルアルコールを溶媒として用いると、アルコール製造後の精製が容易であり好ましい。
上述した条件の下、ケトンと水素とを原料とした本発明の方法によれば、不純物が低減された高純度のアルコールを製造できる。
本発明のアルコールの製造方法が、従来の製造方法に比べて不純物が低減する理由は、接触水素化反応前にラネー触媒を酸で接触処理することによって、ラネー触媒に付着する微量な不純物が減少するためと本発明者らは推定した。
本発明において低減される不純物としては、例えばケトンとしてアセトンを用いた、イソプロピルアルコールの製造においては、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、4―ヒドロキシ―4―メチル―2−ペンタノン、4―メチル―2−ペンタノン及び4―メチル―2−ペンタノール等である。
〔酸処理ラネー触媒〕
本発明の酸処理ラネー触媒は、ラネー触媒を酸で接触処理することにより得られる。酸処理ラネー触媒としては、前述の〔アルコールの製造方法〕で述べたものが挙げられる。本発明の酸処理ラネー触媒は、接触処理を行わない従来のラネー触媒と比べ、活性が高いため、好適な水素化触媒として用いることができる。具体的には、上述のケトンの接触水素化によるアルコールの製造以外にも、α−メチルスチレンの接触水素化によるクメンの製造や、メシチルオキシドの接触水素化によるメチルイソブチルケトンの製造等の様々な用途に用いることができる。
次に本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
[実施例1]
(触媒の洗浄)
ラネーニッケル触媒(日興リカ製、R−200L)20mLをガラスカラムに充填し、室温にて酢酸濃度0.1mol/Lの酢酸水溶液(pH:2.9)を500mL/Hrの速度で3時間、ガラスカラムに上向流で供給することにより、塊状のラネーニッケル触媒を酢酸水溶液で接触処理し、酸処理ラネーニッケル触媒を得た。
次に、室温にて水を500mL/Hrの速度で3時間、ガラスカラムに上向流で供給し酸処理ラネーニッケル触媒を洗浄した。
(ケトンの接触水素化反応)
容積150mLのステンレス製反応器に上述の水で洗浄後の酸処理ラネーニッケル触媒20mLを充填し、アセトン50mL、イソプロピルアルコール(IPA)50mL、水2mLを装入した。窒素置換した後に水素置換を行い、水素雰囲気下、圧力0.8MPa、温度110℃で1.5時間反応させた。反応後に反応液をガスクロマトグラフィーで分析した。このときのアセトン転化率は15.8%であった。
[比較例1]
ラネーニッケル触媒(日興リカ製、R−200L)の酢酸水溶液による接触処理を行わなかった以外は、実施例1と同様に行った。このときのアセトン転化率は13.3%であった。
実施例1および比較例1で得られた反応液中のイソプロピルアルコール、アセトン、水以外の不純物の含有量を以下に示す。
Figure 2009037953
本発明は、ケトンと水素とを反応させてなるアルコールの製造方法に関し、不純物副生の少ない高純度のアルコールの製造方法および水素化触媒として活性の高い酸処理ラネー触媒を提供することが可能であり、産業上の利用価値が高い。

Claims (12)

  1. 下記式(1)で表されるケトンを触媒の存在下で、接触水素化反応を行うことにより、下記式(2)で表されるアルコールに変換する反応において、
    前記触媒が、ラネー触媒を酸で接触処理することにより得られる酸処理ラネー触媒であることを特徴とするアルコールの製造方法。
    Figure 2009037953
    (式中、R1およびR2はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
    Figure 2009037953
    (式中、R1およびR2はそれぞれ式(1)のR1およびR2と同様の基を示す。)
  2. 前記酸処理ラネー触媒が、ラネー触媒を酸性水溶液で接触処理することにより得られる酸処理ラネー触媒であることを特徴とする請求項1に記載のアルコールの製造方法。
  3. 前記酸性水溶液のpHが2.5以上7未満であることを特徴とする請求項2に記載のアルコールの製造方法。
  4. 前記酸性水溶液が酢酸水溶液であることを特徴とする請求項2または3に記載のアルコールの製造方法。
  5. 前記ラネー触媒が、ラネーニッケルおよびラネーコバルトからなる群から選択させる少なくとも1種のラネー触媒であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアルコールの製造方法。
  6. 前記式(1)および(2)において、R1およびR2はそれぞれ独立にメチル基、エチル基、n‐プロピル基、i‐プロピル基またはi‐ブチル基であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のアルコールの製造方法。
  7. 前記式(1)で表されるケトンがアセトンであり、式(2)で表されるアルコールがイソプロピルアルコールであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のアルコールの製造方法。
  8. ラネー触媒を酸で接触処理することにより得られることを特徴とする酸処理ラネー触媒。
  9. ラネー触媒を酸性水溶液で接触処理することにより得られることを特徴とする請求項8に記載の酸処理ラネー触媒。
  10. 前記酸性水溶液のpHが2.5以上7未満であることを特徴とする請求項9に記載の酸処理ラネー触媒。
  11. 前記酸性水溶液が酢酸水溶液であることを特徴とする請求項9または10に記載の酸処理ラネー触媒。
  12. 前記ラネー触媒が、ラネーニッケルおよびラネーコバルトからなる群から選択させる少なくとも1種のラネー触媒であることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の酸処理ラネー触媒。
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