JPWO2008142794A1 - コーティング用組成物、硬化物、電気絶縁用コーティング膜、放熱用コーティング膜、およびフレキシブルプリント配線板 - Google Patents

コーティング用組成物、硬化物、電気絶縁用コーティング膜、放熱用コーティング膜、およびフレキシブルプリント配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】 鉛フリー半田による高温実装にも耐える高耐熱性と高難燃性とを有しつつ、曲げ加工や切断に耐え得る可撓性を有するコーティング用組成物を提供する。【解決手段】アルコキシシラン化合物の部分加水分解物と有機溶剤とを含む第一液と、アルコキシチタンと有機溶剤とを含む第二液とを混合し硬化させる二液型のコーティング用組成物において、前記第一液または前記第二液の少なくともいずれか一方にエチルセルロースを含むコーティング用組成物とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、ハンダ耐熱等の耐熱性に優れるとともに、可撓性に優れた硬化被膜を形成することのできるコーティング用組成物、硬化物、電気絶縁用コーティング膜、放熱用コーティング膜、およびフレキシブルプリント配線板に関する。
近年、鉛による環境への影響を考慮した鉛フリー半田が普及してきており、これら鉛フリー半田は、従来の鉛を含有する半田に比較して、高い半田付け温度が要求されるので、半田付けにより電子デバイスが搭載されるプリント配線板表面に形成されるソルダーレジスト被膜等も、より高い耐熱性が要求されるようになってきており、これら鉛フリー半田による半田付け温度において良好な耐熱性を有するソルダーレジスト塗料が提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第WO2006/038262号パンフレット
上記した特許文献1のソルダーレジスト塗料は、鉛フリー半田の使用温度においても良好な耐熱性を有するものの、得られる被膜が比較的硬く、プリント配線板の切断時等に被膜が剥離してしまう場合があるという問題があるとともに、プリント配線板を曲げ加工するような用途には使用できないという問題があった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、高い耐熱性を持ちながら曲げ加工や切断に耐え得る可撓性を有するコーティング用組成物、硬化物、電気絶縁用コーティング膜、放熱用コーティング膜、およびフレキシブルプリント配線板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のコーティング用組成物は、
アルコキシシラン化合物の部分加水分解物と有機溶剤とを含む第一液と、アルコキシチタンと有機溶剤とを含む第二液とを混合し硬化させる二液型のコーテイング用組成物において、前記第一液または前記第二液の少なくともいずれか一方にエチルセルロースを含むことを特徴としている。
この特徴によれば、コーティング用組成物により形成される被膜中に、エチルセルロースが含まれることにより、良好な可撓性を被膜に付与でき、よって、曲げ加工や切断に耐え得る可撓性を有する被膜を形成することができる。
本発明の請求項2に記載のコーティング用組成物は、請求項1に記載のコーティング用組成物であって、
前記アルコキシシラン化合物の部分加水分解物100重量部に対して、前記エチルセルロースを1.9重量部〜7.5重量部の範囲において含むとともに、前記アルコキシチタン中のチタン元素(A)と前記アルコキシシラン化合物の部分加水分解物中に残留しているアルコキシ基(B)の割合(A)/(B)が6/1000〜20/1000の範囲であることを特徴としている。
この特徴によれば、コーティング対象の基材が、非可撓性基材であっても可撓性基材であっても、良好な被膜を形成することができる。
本発明の請求項3に記載のコーティング用組成物は、請求項1または2に記載のコーティング用組成物であって、
前記第一液または前記第二液の少なくともいずれか一方に、表面疎水化処理をしたフュームドシリカ粉末を含むことを特徴としている。
この特徴によれば、表面疎水化処理をすることでフュームドシリカ粉末の分散性を向上できるとともに、コーティング用組成物の粘度やチキソトロピー特性を、得られる被膜の硬度等の特性を低下させることなく、適宜に調整することができるばかりか、得られる被膜の放熱特性を向上できる。
本発明の請求項4に記載のコーティング用組成物は、請求項1〜3のいずれかに記載のコーテイング用組成物であって、
前記第一液または前記第二液の少なくともいずれか一方に、ゼオライト粉末、カオリン粉末、アルミナ粉末及びカップリング剤処理水酸化アルミニウム粉末の少なくとも1つを含むことを特徴としている。
この特徴によれば、得られる被膜の放熱性を著しく向上できる。
本発明の請求項5に記載のコーティング用組成物は、請求項4に記載のコーティング用組成物であって、
前記第一液または前記第二液の少なくともいずれか一方に、さらに黒鉛粉末を含むことを特徴としている。
この特徴によれば、得られる被膜の放熱性をさらに向上できる。
本発明の請求項6に記載の硬化物は、
請求項1〜5のいずれか1項に記載のコーテイング用組成物が塗布、硬化されたことを特徴としている。
この特徴によれば、良好な耐熱性に加えて、曲げ加工や切断に耐え得る可撓性を有する被膜から成る硬化物を得ることができる。
本発明の請求項7に記載の電気絶縁用コーティング膜は、
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のコーティング用組成物による電気絶縁性を有する硬化被膜であることを特徴としている。
この特徴によれば、高い電気絶縁性と良好な耐熱性に加えて、曲げ加工や切断に耐え得る可撓性を有する電気絶縁用被膜を得ることができる。
本発明の請求項8に記載の放熱用コーティング膜は、
請求項3〜5のいずれか1項に記載のコーテイング用組成物を、塗布形成して硬化させたことを特徴としている。
この特徴によれば、良好な耐熱性とともに、曲げ加工や切断に耐え得る可撓性を有し、更に放熱性を有する放熱用コーティング膜を得ることができる。
本発明の請求項9に記載のフレキシブルプリント配線板は、
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のコーテイング用組成物によるソルダーレジスト塗料の硬化被膜を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、良好な耐熱性に加えて、曲げ加工や切断に耐え得る可撓性を有するソルダーレジスト硬化被膜を備えるフレキシブルプリント配線板を得ることができる。
尚、本発明のコーティング用組成物をソルダーレジスト塗料に使用すると、これらの硬化物、被膜は、耐熱性が高く、プリント配線板に種々の電子部品が実装される時に使用される半田の鉛フリー化に伴う実装温度の高温化に十分耐える高耐熱性を示し、実用上大きな利点がある。また、実質的に、アンチモンフリー、ハロゲンフリー、リンフリーであるので、従来の組成物に比較して、廃棄物の焼却によって人体や自然環境に悪影響を与えることなく、プリント配線板廃棄に伴う負担を低減できる。しかも、曲げ加工やコーティング膜の切断に耐え得る可撓性を有するので、フレキシブルプリント配線板用ソルダーレジストに好適に使用できる。
また本発明のコーティング用組成物は、優れた輻射による放熱性を有するので発熱の大きなロジック系集積回路、ダイオード、トランジスタそれに駆動系集積回路の冷却の為の放熱膜としても十分な実用性を備えており、更には、半導体基板の状態で放熱膜を形成して、その後ダイシングソーなどで半導体装置に切り出す製造方法には、その実用上の利用価値は特に大きい物である。
本発明の製造方法を示すフロー図である。
本発明のコーティング用組成物は、主に、アルコキシシラン化合物の部分加水分解物と有機溶剤とを含む第一液と、アルコキシチタンと有機溶剤とを含む第二液と、最終的に、これら第一液と第二液の混合液中に存在するように、これら第一液または第二液の少なくともいずれか一方に配合されるエチルセルロースとから構成されている。
つまり、エチルセルロースは、最終的に第一液と第二液の混合液中に存在すれば良いので、第一液のみに添加しても良いし、第二液のみに添加しても良いし、第一液と第二液の両者に添加しても良い。
まず、本発明の第一液に含まれるアルコキシシラン化合物の部分加水分解物について説明すると、本発明に使用されるアルコキシシラン化合物は、一般化学式1で表せるアルコキシシラン化合物を部分的に加水分解、縮合して得られるオリゴマーである。化学式1におけるRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミノエチル基、グリシジルプロピル基(化学式2参照)等を例示することができる。また、Rはメチル基とエチル基である。ここで、nは0〜3の整数である。
Figure 2008142794
Figure 2008142794
これらアルコキシシラン化合物として、上記化学式1で表される物質の中から、少なくとも一種を適宜選択して使用する。通常二種ないし三種の化合物を混合使用する。そして、図1に示すように、これらのアルコキシシラン化合物を酸触媒やアルカリ触媒と純水の存在下で、アルコキシシランを完全に加水分解するに要する水の量(計算値)よりも少ない量の水と混合して、反応させることにより部分加水分解物を得ることができる。
この水の量は、アルコキシシランを完全に加水分解するに要する水の量(計算値)の10%未満になると分子量が小さくなり塗工性能が低下することや架橋剤として添加しているアルコキシチタンによる架橋硬化時に揮発分が多くなってしまうことから好ましくないとともに、添加する水の量が60%を越すと反応中にゲル化しやすくなり、安定して部分加水分解物を得られない場合があるので、アルコキシシラン化合物中のアルコキシ基を完全に加水分解する水の量(計算値)の10〜60%とすれば良い。
また、反応触媒としては、酸系として塩酸、硫酸、リン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、酢酸などを使用できる。アルカリ系として苛性ソーダ、苛性カリなどを使用できる。被膜を鉄や銅などの金属上に形成する場合は腐食の点からリン酸や酢酸が好ましい。
反応触媒がリン酸の場合は、反応終了後炭酸カルシウムやアンモニアガスで中和することが好ましい。
このようにして得られる部分加水分解物中にトリアルコキシシランやテトラアルコキシシランが存在すると、塗料の硬化によって得られる被膜は、3次元構造を有するものとなる。
尚、部分加水分解の反応は、環流反応で行う。環流状態になる温度より低い温度で反応しても良い。
部分加水分解により発生するメタノール及び/又はエタノールの一部あるいは全てを脱溶剤する。脱溶剤は、減圧下で行う。脱溶剤の量は、使用するアルコキシシラン化合物の種類やそれらの種類の混合割合から決する部分加水分解の程度、更に後添加する有機溶剤の種類や量、それに添加するエチルセルロース等の配合物の添加量により変わるので、最終のコーティング用組成物の指触乾燥の時間等で決定すれば良い。
このようにして得られるアルコキシシラン化合物の部分加水分解物は、有機溶剤を添加して使用する。この有機溶剤は、最終的には、第一液と第二液とが混合されるので、第二液の有機溶剤と同一であっても良く、メタノール、エタノール以外でかつ沸点が200℃以下の下記溶剤を使用することができる。
具体的には、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、ジアセトンアルコール、酢酸ブチル、酪酸ブチル、プロピレングルコールモノメチルエーテル、ジアセトンアルコール、乳酸ブチル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート等の溶剤である。しかしメタノール、エタノール以外の溶剤であればこれらの溶剤に限定されるものでないし、また、溶剤は1種類又は2種類以上を混合使用することもできる。
そして、これら第一液と第二液に使用する有機溶剤の配合比率は、特に限定されるものでないが、得られるコーティング用組成物の液全量に対し、有機溶剤の配合量が30重量%以下になると、第一液と第二液とを混合したコーティング用組成物の硬化時間が短くなり、迅速に使用することが要求されるので、取り扱いが難しく、使用上好ましくない。また有機溶剤の配合量が非常に多い、例えば、コーティング用組成物の液全量に対して55重量%以上になると、塗工により得られる被膜が薄くなり、安定した被膜の形成が困難になる。
次に、本発明の第二液に含まれるアルコキシチタンについて説明すると、アルコキシチタンは、化学式3で表されるものである。式中のRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等を例示することができる。反応速度から、Rとして、プロピル基、ブチル基のものが好適に使用できる。
Figure 2008142794
アルコキシチタンは有機溶剤で希釈して使用する。即ち、第二液は、少なくとも、アルコキシチタンと有機溶剤とを混合した状態で使用する。これは、第一液との混合を均一に行うためにも、また、エチルセルロース等の配合物等を均一に混合するためにも好ましい。アルコキシチタンの有機溶剤としては、アルコキシチタンを安定に保持し得るものであればよく、上述した第一液の有機溶剤と同じ溶剤を使用できる。
このアルコキシチタンの使用量は、アルコキシシラン化合物の部分加水分解物100重量部に対して、5重量部から30重量部使用することにより、良好な被膜性能を得ることができる。5重量部未満では、被膜の鉛筆硬度等が低くなり実用に耐えないものとなり、30重量部を超えると例えば、260℃の半田槽でのフロート試験で被膜にクラック等が入りやすくなり実用に耐えないものとなる。ここでの使用量はあくまでも、有機溶剤を含まない、特定のアルコキシシラン化合物の部分加水分解物、アルコキシチタンをベースにおいている。アルコキシチタンの実際の添加量は、使用するアルコキシチタン化合物の種類(例えば、チタンテトラブトキシドであるかチタンテトラプロポキシドであるか等)、特定のアルコキシシラン化合物の種類とその使用量(特に、トリアルコキシシランの使用量)によって異なる。アルコキシシランのうち、トリアルコキシシランの使用量が多いと、アルコキシチタンの添加量は、少なくてよい。また、チタンテトラブトキシドはその分子量が大きいので、添加量はチタンテトラプロポキシドよりは多めに添加することになる。
より好ましくは、アルコキシチタンの添加量は、後述する実施例1に基づく表4−3の結果からも判るように、アルコキシチタン中のチタン元素(A)とアルコキシシラン化合物の部分加水分解物中に残留しているアルコキシ基(B)の割合(A)/(B)が、6/1000未満となると、網目構造の硬化物、被膜の形成が困難となってしまう一方、20/1000以上となると、コーティング用組成物の硬化速度が速すぎたり、形成した硬化物や被膜の性能が十分でなく、例えば、可撓性が低下してしまうことから、これら6/1000〜20/1000の範囲とすれば良い。
アルコキシシラン化合物の部分加水分解物を含む第一液と、アルコキシチタンを含む第二液とを混合すると、直ちに反応を開始し硬化を始めるので、コーティング用組成物(塗料)は使用直前によく混合した上で使用するのがよい。そして、第一液と第二液とは混合した後は、使い切り、長時間混合した状態で放置しないことが奨められる。また、第一液と第二液とを混合した後は、高温度に曝すことなく、できるだけ低温度に保持するのがよい。
第一液と第二液とを混合すると、アルコキシシラン化合物の部分加水分解物とアルコキシチタンとが反応し、硬化する。これは、アルコキシシラン化合物の部分加水分解物とアルコキシチタンとが反応する際に、脱アルコールして、Si−O−Ti結合ないしSi−O−Si結合が生じ、三次元網目構造の重合体になるからである。そして、形成された重合体、即ち、硬化物ないし被膜は実質的に無機系物質から構成される。硬化物ないし被膜は、重量で80%以上が無機物から構成される。本発明のコーティング用組成物における有機基は、珪素原子及びチタン原子に結合していたアルコキシ基(アルコール成分)及び珪素原子に直接結合しているアルキル基などの有機基であるが、アルコキシ基はアルコキシシラン化合物の部分加水分解物とアルコキシチタンとが反応する際に、Si−O−Ti結合ないしSi−O−Si結合が生じ、アルコキシ基のアルコール成分が脱離する。但し、珪素原子に直結するアルキル基などの有機基はそのまま残存する。
本発明のコーティング用組成物の第一液または第二液の少なくともいずれか一方に配合されるエチルセルロースとしては、例えば、米国ハーキュレス社のN―タイプ(無水グルコース一単位当たりのエトキシル基置換度2.41から2.51のもの)やK−タイプ(無水グルコース一単位当たりのエトキシル基置換度2.3から2.4のもの)を好適に使用することができる。粘度別グレードでは、K−タイプでK−50、N−タイプではN―50、N―100、N−200が溶解性と被膜品質のバランスの観点から好ましい。尚、エチルセルロースの一部をプロピルセルロース、ブチルセルロースに代えて使用しても良い。
これら第一液または第二液の少なくともいずれか一方に配合される繊維質粉体としては、後述する比較例に示すように、エチルセルロース以外の繊維質粉体、具体的には、アルミナシリカ繊維、ガラス繊維や、官能基の異なるセルロース繊維質粉体であるヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロースの配合について試験を実施したが、これらの繊維質粉体においては、いずれも、良好な被膜を形成できず、本発明のように、アルコキシシラン化合物の部分加水分解物を含有する組成物に配合する繊維質粉体としては、不適である。
これに対し、先行技術文献に示されるチタン酸カリウム繊維は、後述する比較例に示すように、被膜形成性や耐熱性が良好であるものの、被膜が可撓性に乏しく、特にクロスカット試験において、剥離やクラックが発生してしまうが、本発明のエチルセルロースを用いたものは、後述する表面疎水化処理されたフュームドシリカ粉末や各種放熱性材料や黒鉛等を添加しても、クロスカット試験や耐屈曲試験において、剥離やクラックが発生せず、良好な可撓性を有する被膜を得ることができる。
これらエチルセルロースのアルコキシシラン化合物の部分加水分解物に対する割合としては、後述する実施例1に基づく表4−3の結果からも判るように、1.9重量部より少ないと、良好な可撓性が得られず、可撓性基材であるフィルムに塗布した場合等において、クラック等を生じやすくなってしまう一方、7.5重量部よりも多いと、半田付け時に被膜はくりや基材との密着性低下が発生してしまうことから、アルコキシシラン化合物の部分加水分解物100重量部に対して1.9重量部〜7.5重量部の範囲とすれば良い。
尚、これらエチルセルロースを配合することは、上述したように、得られる被膜の可撓性を向上できることに加えて、これらコーティング用組成物をソルダーレジスト塗料として使用する場合にあっては、フレキシブルプリント配線板の製造加工時のワークボードからの外形打ち抜き性を改善することができる。
更に、本発明においては、これらエチルセルロースに加えて、表面疎水化処理されたフュームドシリカ粉末を配合することが、後述する実施例13における表12からも判るように、放熱性を向上できるとともに、後述する比較例4からも判るように、表面疎水化処理されていないシリカ粉末のように、硬度低下等の被膜の特性悪化がなく、且つ、被膜の透明性を維持できることから好ましく、この表面疎水化処理されたフュームドシリカ粉末としては、一次粒子の平均径が20nm以下のものが好ましい。ジメチルジクロロシランやヘキサメチルジシラザン等で表面の疎水化処理を行ったものが好適に使用できる。特に、ヘキサメチルジシラザン処理品が、第一液と第二液の混合液(コーティング用組成物)の増粘に効果がある。表面疎水化処理されないとコーティング用組成物の増粘効果が非常に少ないので、配合量が多くなり適さない。また一次粒子の平均径が20nmを超えると、硬化後の被膜上に円形突起が生じ好ましくない。
これら表面疎水化処理されたフュームドシリカ粉末は、エチルセルロースと同様に、最終的に第一液と第二液の混合液中に存在すれば良いので、第一液のみに添加しても良いし、第二液のみに添加しても良いし、第一液と第二液の両者に添加しても良く、この際、エチルセルロースの配合の有無はどちらであっても良い。
これら表面疎水化処理されたフュームドシリカ粉末の配合量としては、アルコキシシラン化合物の部分加水分解物100重量部に対して19重量部を超えると、第二液と混合した混合液の貯蔵中の粘度上昇が速くなったり、被膜に小径の粒が発生しやすくなることから、これらは19重量部以下とすれば良く、例えば、ビーズ分散機による分散等によって混合すれば良い。
このように、表面疎水化処理されたフュームドシリカ粉末を添加することにより、第一液と第二液と混合した後のコーティング用組成物の粘度を、得られる被膜の特性を低下させることなく増粘することができ、得られるコーティング用組成物のスクリーン印刷やフレキソ印刷の印刷性を向上させることができる。また、第一液及び/又は第二液に後述するように、放熱用粉末を含む場合においては、これら放熱用粉末の沈降を防止するという効果が認められた。
更に、これら表面疎水化処理されたフュームドシリカ粉末以外に、放熱性を付与するための放熱用粉末を配合しても良い。
尚、これら放熱用粉末も、最終的に第一液と第二液の混合液であるコーティング用組成物中に存在すれば良いので、第一液のみに添加しても良いし、第二液のみに添加しても良いし、第一液と第二液の両者に添加しても良い。
これら放熱用粉末としては、ゼオライト粉末、カオリン粉末、アルミナ粉末及び水酸化アルミニウム粉末の単体若しくは2以上の混合物を好適に使用することができる。
これら放熱用粉末の内、ゼオライト粉末としては、天然ゼオライト粉末と合成ゼオライト粉末が使用でき、その粒径としては、放熱を目的とする被膜では最大粒径100μmの粉末まで使用できるが、好ましくは、平均粒径5μm以下、最大粒径が25μmの粉末が良い。
尚、これらゼオライト粉末は、形成する被膜が、ソルダーレジスト被膜のように、ハンダリフロー炉やハンダフロート槽などで高温に曝される場合は、400℃以上で10時間以上焼成処理した後、自然冷却後、ボールミル等により焼成前の粒径になるまで充分粉砕して使用することが好ましい。
またカオリン粉末は、平均粒径が5μm以下、最大粒径が25μm以下の粉末であり、付着水分は0.8重量%以下のものが好ましい。粒径がこれらの数値より大きくなると被膜に斑が生じやすくなり、均一性に欠けるようになるので適さない。付着水分が0.8重量%を超えると、被膜の鉛筆硬度が極端に小さくなり適さない。
またアルミナ粉末は、平均粒径が5μm以下、最大粒径が25μm以下のものが好ましく、酸化ナトリウム(NaO)が0.06重量%以下の粉末が好適に使用できる。粒径がこれらの数値より大きくなると、被膜に斑が生じやすくなり、均一な被膜が得られないので適さない。酸化ナトリウム(NaO)の量が0.06重量%を超えると、コーティング用組成物の硬化を阻害するので適さない。
尚、アルミナ粉末を配合することにより、被膜の鉛筆硬度を向上できるとともに、高い電気絶縁性を得ることができる。
また、カップリング剤処理水酸化アルミニウム粉末は、平均粒径が3μm以下、最大粒径が25μm以下のものが好ましく、可溶性酸化ナトリウムは0.06重量%以下のものが好ましい。更に、エポキシシラン系やチタネート系カップリング剤で表面コーティングしたものが好適に使用できる。エポキシシラン系カップリング剤で表面コーティングしたものが、プリント配線板の回路銅との密着性で優れている。粒径や可溶性酸化ナトリウム(NaO)に対する数値の制限はアルミナ粉末の場合と同じ理由である。また、カップリング処理剤で表面コーティングしないと、被膜にはじきが出て適さない。
尚、ゼオライト粉末、カオリン粉末、アルミナ粉末、カップリング剤処理水酸化アルミニウム粉末を配合することにより、被膜の鉛筆硬度を向上できるとともに、高い電気絶縁性も得ることができる。
次に、これら放熱用粉末の添加量であるが、その添加量の上限は被膜のチョウキング(粉末が被膜表面に露出している現象)が発生しない範囲で、適宜に添加することができる。
これら放熱用粉末の添加により、放熱性の付与とともに、凹凸のある被覆体表面上に厚い被膜を形成することができるとともに、ムラのない被膜を形成することができる効果がある。
また、より高い放熱特性を得たい場合には、これら放熱用粉末に加えて黒鉛粉末を配合すれば良く、これら黒鉛粉末としては、天然黒鉛としての土状黒鉛、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、人造黒鉛が使用できるが、均一なコーティング膜形成の容易さからは土状黒鉛、鱗状黒鉛、人造黒鉛が好ましい。
これら黒鉛粉末の大きさとしては、被膜の厚さから、平均粒径が5μm以下、最大粒径が25μm以下が好ましい。
また、黒鉛粉末の乾燥硬化後の被膜に占める体積の割合としては、3.0%未満では輻射による放熱特性の向上がほぼ見られなくなり、10.0%を超えると被膜下の基材との密着性が低下したり、鉛筆硬度などの被膜強度が低下するとともに、輻射による放熱特性も低下してしまうので、内割りで3.0〜10.0%の範囲とすれば良い。尚、これら黒鉛粉末とともに、カーボンブラックを配合しても良い。
次に、第一液と第二液とを混合して本発明のコーティング用組成物から成るソルダーレジスト塗料を調製し、このソルダーレジスト塗料をフレキシブルプリント配線板等に塗布して硬化物ないし被膜を形成する手順について説明する。アルコキシシラン化合物の部分加水分解物からメタノール及び/又はエタノールを除いた後、有機溶剤を加えた溶液にエチルセルロースを添加し、溶解する。必要に応じて、更に、表面疎水化処理されたフュームドシリカ粉末、放熱粉体である、ゼオライト粉末、カオリン粉末、アルミナ粉末、カップリング剤処理水酸化アルミニウム粉末、更には、ハロゲン原子を含まない耐熱性顔料を添加し、プロペラ型又は櫂型の回転翼を有する撹拌槽で、これら繊維や粉末と液体とが十分に均一状態となるように撹拌混合する。尚、この方式以外の撹拌方式を使用することもできる。
この時の混合温度は40℃以下が好ましい。40℃を越えると、混合液に皮張り(ソルダーレジスト塗料の表面に生成する薄い膜状のもの)等が発生しやすくなり好ましくない。更に、必要に応じて、混合液をボールミルや3本ロール等に移し、粉末や繊維が充分に分散するまで混合、混練する。この際、前述と同じ理由で、混合、混練時の液温は40℃以下が好ましい。このようにして、第一液が得られる。
一方、アルコキシチタンを有機溶剤に溶解した第二液を準備する。前記の第一液と第二液とをプロペラ型あるいは櫂型の回転翼を有する撹拌槽で、両方の液が充分に混合されるまで、一般に10分間以上撹拌する。この時の撹拌液温度は30℃以下が好ましい。30℃を越えると被膜外観に不均一な斑点等が発生し好ましくない。前記の第一液と第二液を充分撹拌した後、脱泡すると塗工乾燥された被膜にボイドが残りにくくなることから好ましい。また自転公転タイプの混合脱泡装置で脱泡すると、このボイド残り量が激減し、より好ましい。
ソルダーレジスト塗料の調製に当たっては、第一液及び第二液の粘度を混合直前に互いにほぼ同じ粘度とするのが好ましい。また、ソルダーレジスト塗料の調製時、不十分な混合による局部的な反応の進行を防止するために、アルコキシシラン化合物の部分加水分解物からメタノール及び/又はエタノールを除いた後、有機溶剤を加えた溶液に添加するエチルセルロース、表面疎水化処理されたフュームドシリカ粉末、ゼオライト粉末、カオリン粉末、アルミナ粉末、カップリング剤処理水酸化アルミニウム粉末や耐熱顔料等の一部をアルコキシチタンの有機溶剤溶液に添加し、ボールミルや3本ロールで充分混合、混練してもよい。この場合の混合、混練時の液温も、前述と同じ理由で40℃以下が好ましい。また、第一液と第二液は混合すると、直ちに反応し硬化を始めるので、第一液と第二液とを混合した後は、長時間放置することなく、速やかに対象物に塗布するのがよい。また、第一液と第二液とを混合したソルダーレジスト塗料は、残さずに使い切るのがよい。ソルダーレジスト塗料が残った場合は、廃棄し再使用しないことが奨められる。ソルダーレジスト塗料は、第一液と第二液とを別々に調製しておき、二者を混合して得ることもできるし、特定のアルコキシシラン化合物の部分加水分解物からメタノール及び/又はエタノールを除いた後有機溶剤を加えた溶液に、エチルセルロース、表面疎水化処理されたフュームドシリカ粉末、ゼオライト粉末、カオリン粉末、アルミナ粉末、カップリング剤処理水酸化アルミニウム粉末や耐熱顔料を混合し、しかる後にアルコキシチタンの有機溶剤溶液を混合することによっても得ることもできる。
基板に被膜を形成するには、先に調製した第一液と第二液の混合液であるソルダーレジスト塗料を基板に塗布し、乾燥、熱処理する。基板は、回路がサブトラクテイブ法、セミアデテイブ法やアデテイブ法等で形成されたプリント配線板やフレキシブルプリント配線板等である。プリント配線板やフレキシブルプリント配線板の表面にソルダーレジスト塗料を塗工しパターンを形成する方法としては、公知のスクリーン印刷法やフレキソ印刷法を使用できる。部品実装の為のランド部の窓の精度から、スクリーン印刷が好ましい。
回路表面に塗工された被膜の乾燥加熱硬化は、最高到達温度で200℃で室温から徐々に昇温するプロファイルで行う。また硬化後の室温までの冷却は、急冷は避け、徐徐に冷却するプロファイルで行う。昇温や冷却のプロファイルは、プリント配線板やフレキシブルプリント配線板の厚さや回路の厚さ等により品質や生産性を考慮して決定する。最高到達温度が200℃を越えると、プリント配線板やフレキシブルプリント配線板の熱劣化や内部応力の発生により好ましくない。また、輻射による冷却効果を求める時は、被膜厚みとして20〜60μm程度が必要であるので、1回塗工乾燥に限定されることなく2回以上の複数回塗工乾燥を行っても良い。複数回塗工乾燥を行う際、1回目被膜の塗工乾燥条件は、2回目の被膜の乾燥条件を通過することも鑑み、短時間、低温度であっても良い。
硬化後の被膜の厚さは、電気絶縁特性上はプリント配線板上の回路のエッジ部で7μm以上が必要である。7μm未満では、長期使用時の回路の保護の劣化を起こし好ましくない。
これらの電気絶縁性としては、得られる被膜が使用される用途に応じて適宜に選択すれば良いが、好ましくは、その体積固有抵抗が、1×1013Ω・cm以上、若しくは、後述するJISC5012の試験方法における測定抵抗(表11の電気絶縁性)が、5×10Ω以上であることが好ましい。
また、発熱の大きなロジック系集積回路やシリコンダイオードやシリコントランジスタ、それに駆動系集積回路等の冷却の為の放熱材(発熱体に貼り合わせる放熱シートや直接塗工された被膜など)として被膜を形成する方法も上述のプリント配線板上に形成する方法に準じた方法でよい。
この場合、被膜の厚みは、20〜60μmである。20μm未満の被膜厚さも用途によっては利用できる。
発熱の大きな集積回路などに放熱材を形成する方法として最終使用単位としての一個(半導体装置)毎に形成してもよいし数百から数十個の集積回路をボード上に集合された状態(半導体基板)で形成しても良い。
特に後者の場合は、個々の集積回路に切り離す為のダイシングソー切断の切断時にクラックなどが発生しなく非常に好適に使用できる。
ジメチルジメトキシラン2000g、メチルトリメトキシシラン4000g及び化学式4で表されるエポキシ基を含むアルコキシシラン1000gからなるアルコキシシラン混合物を、純水1050gと正リン酸(89%)105gの混合液中に滴下し、環流反応させた。反応終了後、炭酸カルシウムで中和し、減圧下で脱溶剤する。その後メタノールとイソピロピルアルコールと乳酸ブチルを重量比でそれぞれ24部、6部、10部混合した混合溶剤を加え、アルコキシシラン化合物の部分加水分解物の濃度が60重量パーセントの溶液を得た。最後にこの溶液をフィルターで濾過して透明な溶液を得た。尚、本アルコキシシラン化合物の部分加水分解物中に残留しているアルコキシ基(この場合はメトキシ基)は22重量パーセントである。
Figure 2008142794
次いで、上記のアルコキシシラン化合物の部分加水分解物溶液1000gに、乳酸ブチル120gと1−ブタノール520gを加えた。この溶液中にアルコキシシラン化合物の部分加水分解物が36.66重量パーセント含まれることになる。更にこの溶液に対して、米国ハーキュレス社のN-50タイプのエチルセルロース粉末をそれぞれ8,11,28,45,78,130gになる割合で配合混合し、プロペラ型攪拌機で、65℃−90分間混合して、エチルセルロースの溶解した5種類の第一液を調整した。第二液として、テトラブトキシチタンの乳酸ブチルの50重量%溶液を調製した。5種類の第一液に対して第一表に示したマトリックスになるよう第一液に第二液を加えプロペラ型攪拌機で25℃で15分間混合し液状コーティング用組成物とした。
Figure 2008142794
そして、これら実施例1の液状コーティング用組成物から得られた被膜が、被膜の物理強度や耐熱性やそれに耐薬品性を有すること、また曲げや切断時のクラックや剥離に耐える可とう性を有することを確認する為に以下の2つの被膜形成を行った。
・(被膜形成1)
実施例1の液状コーティング用組成物を常法のサブトラクテイブ法によりパターン形成されたFR−4グレードの銅張積層板の銅箔上及び全面エッチングされたFR−4グレードの基板上にアプリケーター塗工し、最高温度180℃の温度プロファイルで徐々に昇温して全乾燥時間で120分間熱風乾燥し、その後60分間で徐々に室温まで冷却した。硬化(乾燥)後の被膜の厚さは20〜30μmになるようにした。
・(被膜形成2)
裏面に25μm厚さの粘着層と50μm厚さのポリエチレンテレフタラートフィルムを有する50μm厚さの硬質アルミニウム箔(合計厚さは125μmとなる)の表面に実施例1から実施例11の液状コーティング用組成物をアプリケータで塗工し、最高温度180℃の温度プロファイルで徐々に昇温して全乾燥時間で120分間熱風乾燥し、その後60分間で徐々に室温まで冷却した。硬化(乾燥)後の被膜の厚さは20〜30μmになるようにした。
そして、これら被膜形成1の性能試験結果を表4−1に、被膜形成2の性能試験結果を表4−2に、被膜形成1並びに被膜形成2の総合結果を表4−3に示す。
Figure 2008142794
Figure 2008142794
Figure 2008142794
実施例1のアルコキシシラン化合物の部分加水分解が36.66重量パーセントの溶液1640gに対して、それぞれ米国ハーキュレス社のN―200タイプのエチルセルロース粉末45g、K−50タイプのエチルセルロース粉末45gを配合混合し、プロペラ型攪拌機で65℃で120分間混合して2種類のエチルセルロースの溶解液を得た。第二液として、テトラブトキシチタンの乳酸ブチルの50重量%溶液を調製した。2種類の第一液に対して第二表に示したマトリックスになるように第一液に第二液を加え、プロペラ型攪拌機で25℃で15分間混合し、液状コーティング用組成物とした。
Figure 2008142794
そして、これら実施例2の液状コーティング用組成物から得られた被膜が、被膜の物理強度や耐熱性やそれに耐薬品性を有すること、また曲げや切断時のクラックや剥離に耐える可とう性を有することを確認する為に、実施例1と同様に、被膜形成1並びに被膜形成2の2つの被膜形成を行った。
そして、これら被膜形成1の性能試験結果を表5−1に、被膜形成2の性能試験結果を表5−2に、被膜形成1並びに被膜形成2の総合結果を表5−3に示す。
Figure 2008142794
Figure 2008142794
Figure 2008142794
実施例1のアルコキシシラン化合物の部分加水分解が36.66重量パーセントの溶液1640gに対して、米国ハーキュレス社のN-50タイプのエチルセルロース粉末45gを配合混合し、プロペラ型攪拌機で65℃−90分間混合してエチルセルロースの溶解液を得た。次いで、この溶液に、表面疎水化処理をしたフュームドシリカ粉末(一次粒子の平均径が7mmであってヘキサメチルジシラサンで表面処理されたもの)を30g, 60g, 110gになる割合で配合混合し、液温20℃から30℃で30分間プロペラ型回転翼を有する攪拌機で攪拌した。次いで、この混合液をビーズ分散機に移し、360分間混合した。混合時の液温が20℃から30℃になるように制御した。このようにして3種類の第一液を調製した。第二液として、テトラブトキシチタンの乳酸ブチルの50重量%溶液を調製した。3種類の第一液に対して第二表に示したマトリックスになるように第一液に第二液を加え、プロペラ型攪拌機で25℃−15分間混合し、液状コーティング用組成物とした。
Figure 2008142794
そして、これら実施例3の液状コーティング用組成物から得られた被膜が、被膜の物理強度や耐熱性やそれに耐薬品性を有すること、また曲げや切断時のクラックや剥離に耐える可とう性を有することを確認する為に、実施例1と同様に、被膜形成1並びに被膜形成2の2つの被膜形成を行った。
そして、これら被膜形成1の性能試験結果を表6−1に、被膜形成2の性能試験結果を表6−2に、被膜形成1並びに被膜形成2の総合結果を表6−3に示す。
Figure 2008142794
Figure 2008142794
Figure 2008142794
実施例1のアルコキシシラン化合物の部分加水分解が36.66重量パーセントの溶液1640gに対して米国ハーキュレス社のN―50タイプのエチルセルロース粉末45gを配合混合し、プロペラ型攪拌機で65℃―90分間混合してエチルセルロースの溶解液を得た。
次いで、この溶液に、表面疎水化処理をしたフュームドシリカ粉末(一次粒子の平均径が7nmで、ヘキサメチルジシラザンで表面処理されたもの)60gとカップリング剤処理した水酸化アルミニウム粉末(粉末の平均粒径が2.3μmのもので、可溶性酸化ナトリウムは0.05重量パーセントで、エポキシシラン系カップリング剤で表面コーティングしてあるもの)200gとアルミナ粉末(粉末の平均粒径が2.0μmのもので、酸化ナトリウムは0.03重量パーセントのもの)480gと黄色顔料(アントラキノンイエロー)5gと青色顔料(銅フタロニシアンブルー)5gとを加え、液温20℃から30℃で30分間プロペラ型回転翼を有する撹拌槽で撹拌した。次いでこの混合液をボールミルに移し、120分間混合した。混合時の液温が20℃から30℃になるように制御した。ボールミルの途中簡単に脱泡した。このようにして第一液を調製した。第二液として、テトラブトキシチタンの乳酸ブチルの50重量パーセント溶液を調整した。第一液2435gに第二液36gを加え、プロペラ型撹拌機で25℃―15分間混合し液状コーティング用組成物とした。
実施例1のアルコキシシラン化合物の部分加水分解が36.66重量パーセントの溶液1640gに対して米国ハーキュレス社のN―50タイプのエチルセルロース粉末45gを配合混合し、プロペラ型攪拌機で65℃―90分間混合してエチルセルロースの溶解液を得た。
次いで、この溶液に、表面疎水化処理をしたフュームドシリカ粉末(一次粒子の平均径が7nmで、ヘキサメチルジシラザンで表面処理されたもの)60gとカオリン粉末(粉末の平均粒径が3.0μmのもので、付着水分が0.6重量パーセントのもの)170gとアルミナ粉末(粉末の平均粒径が2.0μmのもので、酸化ナトリウムは0.03重量パーセントのもの)550gを加え、液温20℃から30℃で30分間プロペラ型回転翼を有する撹拌槽で撹拌した。次いでこの混合液をボールミルに移し、180分間混合した。混合時の液温が20℃から30℃になるように制御した。このようにして第一液を調製した。第二液として、テトラブトキシチタンの乳酸ブチルの50重量パーセント溶液を調整した。第一液2465gに第二液27gを加え、プロペラ型撹拌機で25℃―15分間混合し液状コーティング用組成物とした。
実施例1のアルコキシシラン化合物の部分加水分解が36.66重量パーセントの溶液1640gに対して米国ハーキュレス社のN―50タイプのエチルセルロース粉末45gを配合混合し、プロペラ型攪拌機で65℃―90分間混合してエチルセルロースの溶解液を得た。
次いで、この溶液に、表面疎水化処理をしたフュームドシリカ粉末(一次粒子の平均経が7nmで、ヘキサメチルジシラザンで表面処理されたもの)40gと天然ゼオライト粉末(モルデナイト系天然ゼオライトで、平均粒径が4.0μmのもの)540gと黒鉛粉末(鱗状黒鉛の天然黒鉛で、平均粒径が4.5μmのもの)70gとを加え、液温20℃から30℃で30分間プロペラ型回転翼を有する撹拌槽で撹拌した。次いでこの混合液をボールミルに移し、120分間混合した。混合時の液温が20℃から30℃になるように制御した。ボールミルの途中で簡単に脱泡した。このようにして第一液を調製した。第二液として、テトラブトキシチタンの乳酸ブチルの50重量パーセント溶液を調整した。第一液2335gに第二液27gを加え、プロペラ型撹拌機で25℃―15分間混合し液状コーティング用組成物とした。
実施例1のアルコキシシラン化合物の部分加水分解が36.66重量パーセントの溶液1640gに対して米国ハーキュレス社のN―50タイプのエチルセルロース粉末45gを配合混合し、プロペラ型攪拌機で65℃―90分間混合してエチルセルロースの溶解液を得た。
次いで、この溶液に、表面疎水化処理をしたフュームドシリカ粉末(一次粒子の平均経が7nmで、ヘキサメチルジシラザンで表面処理されたもの)40gと天然ゼオライト粉末(モルデナイト系天然ゼオライトで平均粒径が4.0μmのもの)を600℃で10時間焼成したもの300gとアルミナ粉末(粉末の平均粒径が2.0μmのもので、酸化ナトリウムは0.03重量パーセントのもの)200gを加え、液温20℃から30℃で30分間プロペラ型回転翼を有する撹拌槽で撹拌した。次いでこの混合液をボールミルに移し、120分間混合した。混合時の液温が20℃から30℃になるように制御した。ボールミルの途中で簡単に脱泡した。このようにして第一液を調製した。第二液として、テトラブトキシチタンの乳酸ブチルの50重量パーセント溶液を調整した。第一液2225gに第二液27gを加え、プロペラ型撹拌機で25℃―15分間混合し液状コーティング用組成物とした。
実施例1のアルコキシシラン化合物の部分加水分解が36.66重量パーセントの溶液1640gに対して米国ハーキュレス社のN―50タイプのエチルセルロース粉末45gを配合混合し、プロペラ型攪拌機で65℃―90分間混合してエチルセルロースの溶解液を得た。
次いで、この溶液に、表面疎水化処理をしたフュームドシリカ粉末(一次粒子の平均経が7nmで、ヘキサメチルジシラザンで表面処理されたもの)40gと天然ゼオライト粉末(モルデナイト系天然ゼオライトで、平均粒径が4.0μmのもの)を600℃で10時間焼成したもの540gと黒鉛粉末(土状黒鉛の天然黒鉛で、平均粒径が4.5μmのもの)70gとを加え、液温20℃から30℃で30分間プロペラ型回転翼を有する撹拌槽で撹拌した。次いでこの混合液をボールミルに移し、120分間混合した。混合時の液温が20℃から30℃になるように制御した。ボールミルの途中で簡単に脱泡した。このようにして第一液を調製した。第二液として、テトラブトキシチタンの乳酸ブチルの50重量パーセント溶液を調整した。第一液2335gに第二液27gを加え、プロペラ型撹拌機で25℃で15分間混合し液状コーティング用組成物とした。
そして、これら実施例4〜8にて作製した液状コーティング用組成物から得られた被膜が、被膜の物理強度や耐熱性やそれに耐薬品性を有すること、また曲げや切断時のクラックや剥離に耐える可とう性を有することを確認する為に、実施例1と同様に、被膜形成1並びに被膜形成2の2つの被膜形成を行い、その性能試験結果を表7に示す。
Figure 2008142794
ジメチルジメトキシシラン2000g、メチルトリメトキシシラン4576gからなるアルコキシシラン混合物を、純水1050gと正リン酸(89%)105gの混合液中に滴下し、環流反応させた。反応終了後、炭酸カルシウムで中和し、減圧下で脱溶剤する。
その後、メタノールとイソピロピルアルコールと乳酸ブチルを重量比でそれぞれ24部、6部、10部混合した混合溶剤を加え、アルコキシシラン化合物の部分加水分解物の濃度が60重量パーセントの溶液を得た。最後にこの溶液をフィルターで濾過して透明な溶液を得た。
尚、本アルコキシシラン化合物の部分加水分解物中に残留しているアルコキシ基(この場合はメトキシ基)は20.9重量パーセントである。
次いで、上記のアルコキシシラン化合物の部分加水分解物溶液1000gに、乳酸ブチル120gと1−ブタノール520gを加えた。この溶液中に、アルコキシシラン化合物の部分加水分解物が36.66重量パーセント含まれていることになる。
この溶液に対して、米国ハーキュレス社のN−50タイプのエチルセルロース粉末45gと、化学式4で表されるエポキシ基を含むアルコキシシラン6g配合混合し、プロペラ型攪拌機で65℃―90分間混合して、エチルセルロースとアルコキシシランの溶解した第一液を調整した。
第二液として、テトラブトキシチタンの乳酸ブチルの50重量パーセント溶液を調整した。
この第一液1691gに、第二液を17.1(3.73/1000)、25.7(5.59/1000)、34.2(7.46/1000)、57(12.43)、95(20.72/1000)、142.5(31.08/1000)gになる割合で加え、プロペラ型攪拌機で25℃で15分間混合し液状コーティング用組成物とした。尚、第二液の括弧内の数値は本発明の請求項2における(A)/(B)の値を示している。
そして、これら実施例9にて作製した液状コーティング用組成物から得られた被膜が、被膜の物理強度や耐熱性やそれに耐薬品性を有すること、また曲げや切断時のクラックや剥離に耐える可とう性を有することを確認する為に、実施例1と同様に、被膜形成1並びに被膜形成2の2つの被膜形成を行い、その性能試験結果を表8に示す。
Figure 2008142794
ジメチルジメトキシシラン2000g、メチルトリメトキシシラン3424g及び化学式4で表されるエポキシ基を含むアルコキシシラン2000gからなるアルコキシシラン混合物を、純水1050gと正リン酸(89%)105gの混合液中に滴下し、環流反応させた。反応終了後、炭酸カルシウムで中和し、減圧下で脱溶剤する。
その後、メタノールとイソピロピルアルコールと乳酸ブチルを重量比でそれぞれ24部、6部、10部混合した混合溶剤を加え、アルコキシシラン化合物の部分加水分解物の濃度が60重量パーセントの溶液を得た。最後にこの溶液をフィルターで濾過して透明な溶液を得た。
尚、本アルコキシシラン化合物の部分加水分解物中に残留しているアルコキシ基(この場合はメトキシ基)は23.4重量パーセントである。
次いで、上記のアルコキシシラン化合物の部分加水分解物溶液1000gに乳酸ブチル120gと1−ブタノール520gを加えた。この溶液中に、アルコキシシラン化合物の部分加水分解物が36.66重量パーセント含まれていることになる。この溶液に対して、米国ハーキュレス社のN−50タイプのエチルセルロース粉末45gを配合混合し、プロペラ型攪拌機で65℃―90分間混合して、エチルセルロースの溶解した第一液を調整した。
第二液として、テトラブトキシチタンの乳酸ブチルの50重量パーセント溶液を調整した。この第一液1685gに第二液を19.1(3.73/1000)、28.7(5.59/1000)、38.3(7.46/1000)、63.8(12.43/1000)、106.4(20.72/1000)、159.5(31.08/1000)gになる割合で加え、プロペラ型攪拌機で25℃―15分間混合し、液状コーティング用組成物とした。尚、第二液の括弧内の数値は本発明の請求項2における(A)/(B)の値を示している。
そして、これら実施例10にて作製した液状コーティング用組成物から得られた被膜が、被膜の物理強度や耐熱性やそれに耐薬品性を有すること、また曲げや切断時のクラックや剥離に耐える可とう性を有することを確認する為に、実施例1と同様に、被膜形成1並びに被膜形成2の2つの被膜形成を行い、その性能試験結果を表9に示す。
Figure 2008142794
ジメチルジメトキシシラン2000g、メチルトリメトキシシラン4000g及び化学式4で表されるエポキシ基を含むアルコキシシラン1000gからなるアルコキシシラン混合物を、純水1000gと酢酸100gの混合液中に滴下し、室温で反応させた。反応は発熱を伴って進行し、数十分間で終了した。反応終了後、減圧下で脱溶剤する。
その後、メタノールとイソピロピルアルコールと乳酸ブチルを重量比でそれぞれ24部、6部、10部混合した混合溶剤を加え、アルコキシシラン化合物の部分加水分解物の濃度が60重量パーセントの溶液を得た。
尚、本アルコキシシラン化合物の部分加水分解物中に残留しているアルコキシ基(この場合はメトキシ基)は18.6重量パーセントである。
次いで、上記のアルコキシシラン化合物の部分加水分解物溶液1000gに、乳酸ブチル120gと1−ブタノール520gを加えた。この溶液中に、アルコキシシラン化合物の部分加水分解物が36.66重量パーセント含まれていることになる。
この溶液に対して、米国ハーキュレス社のN−50タイプのエチルセルロース粉末45gを配合混合し、プロペラ型攪拌機で65℃―90分間混合して、エチルセルロースの溶解した第一液を調整した。
第二液として、テトラブトキシチタンの乳酸ブチルの50重量パーセント溶液を調整した。
この第一液1685gに、第二液を15.2(3.73/1000)、22.8(5.59/1000)、30.4(7.46/1000)、50.7(12.43/1000)、84.5(20.72/1000)、126.8(31.08/1000)gになる割合で加え、プロペラ型攪拌機で25℃―15分間混合し、液状コーティング用組成物とした。尚、第二液の括弧内の数値は本発明の請求項2における(A)/(B)の値を示している。
そして、これら実施例11にて作製した液状コーティング用組成物から得られた被膜が、被膜の物理強度や耐熱性やそれに耐薬品性を有すること、また曲げや切断時のクラックや剥離に耐える可とう性を有することを確認する為に、実施例1と同様に、被膜形成1並びに被膜形成2の2つの被膜形成を行い、その性能試験結果を表10に示す。
Figure 2008142794
実施例4、実施例5、実施例7の3種類の液状コーティング用組成物(ソルダーレジスト塗料)を、常法のサブトラクテイブ法によりパターン形成された50μm厚さのポリイミドフィルムベース片面銅張シート(銅箔厚さ25μm)のフレキシブル銅回路板の上にスクリーン印刷し、最高温度180℃の温度プロファイルで徐々に昇温し全乾燥時間で120分間熱風乾燥し、その後60分間で徐々に室温まで冷却した。尚、硬化(乾燥)後の被膜の厚さは銅回路のエッジ部で10μmになるようにした。
これら3種類のソルダーレジスト硬化物(被膜)について、プリント配線板としての性能試験を行った結果を表11に示す。また、表中の各性能試験評価方法は、別途示した通りである。
Figure 2008142794
実施例5、実施例7、実施例8、実施例3の第一液中の表面疎水化処理をしたフュームドシリカ粉末量110gの第一液1795gと第二液量36gとを混合した物、実施例1の第一液中のエチルセルロース量45gとされた第一液1685gと第二液量36gとを混合した物、5種類の液状コーティング用組成物(放熱用コーティング用液)を裏面に25μm厚さの粘着層と50μm厚さのポリエチレンテレフタラートフィルムを有する50μm厚さの硬質アルミニウム箔(合計厚さは125μmとなる)の表面にスクリーン印刷で全面被覆し、最高温度180℃の温度プロファイルで徐々に昇温して全乾燥時間で120分間熱風乾燥し、その後60分間で徐々に室温まで冷却した。
尚、硬化(乾燥)後の被膜の厚さは25〜30μmになるようにした。これらの5種類の放熱用コーティング液の硬化物(被膜)について、50μmアルミ箔単独の物との比較で放熱試験を行った結果を表12に示す。また表中の性能試験の評価方法は別途示した通りである。
Figure 2008142794
実施例6で、第一液中の黒鉛粉末のないもの、実施例8で第一液中の黒鉛粉末のないものの2種類の液状コーティング用組成物(ソルダーレジスト塗料)を、常法のサブトラクトティブ法によりパターン形成されたF-5グレードガラスエポキシ銅張積層板(ガラス転移点が170℃のもの)の銅箔上及び全面エッチングされたFR-5グレードの基板上にスクリーン印刷し最高温度180℃の温度プロファイルで徐々に昇温して全乾燥時間で120分間熱風乾燥し、その後60分間で徐々に室温まで冷却した。
尚、硬化(乾燥)後の被膜厚さは銅回路のエッジ部で10μmになるようにした。
これら2種類のソルダーレジスト硬化物(被膜)について、半田耐熱性の2回繰り返し試験を行った結果を表13に示す。また、試験の方法は、別途示したとおりである。
Figure 2008142794
以上のように、実施例1の表4−3は、エチルセルロース量とテトラブトキシチタン量をマトリックスに配合した液状組成物をFR−4グレード銅張積層板上と硬質アルミニウム箔上とに塗工し、その被膜の品質特性が共に目標とする値になっている範囲を示している。
また、エチルセルロース量は、アルコキシシラン化合物の部分加水分解物100重量部に対して1.9から7.5重量部である。
また、アルコキシチタン中のチタン元素(A)とアルコキシシラン化合物の部分加水分解物中に残留しているアルコキシ基(B)の割合が(A)/(B)=6/1000から20/1000である。
また、実施例2の表5−3はエチルセルロースの種類とテトラブトキシチタン量をマトリックスに配合した液状組成物をFR−4グレード銅張積層板上と硬質アルミニウム箔上とに塗工し、その被膜の品質特性を示している。
また、エチルセルロースはN−200、K−50共に前述の(A)/(B)の割合が請求項2の範囲で良好である。
また、実施例3の表6−3は、表面疎水化処理をしたフュームドシリカ粉末量とテトラブトキシチタン量をマトリックスに配合した液状組成物をFR−4グレード銅張積層板上と硬質アルミニウム箔上とに塗工し、その被膜の品質特性を示している。
表面疎水化処理をしたフュームドシリカ粉末が30から110gの範囲で、前述の(A)/(B)の割合が請求項2の範囲で良好である。
また、実施例4は添加物としてエチルセルロース、表面疎水化処理をしたフュームドシリカ粉末の他にカップリング剤処理水酸化アルミニウム粉末、アルミナ粉末、黄色、青色顔料を添加したものである。
また、実施例5は添加物としてエチルセルロース、表面疎水化処理をしたフュームドシリカ粉末の他にカオリン粉末、アルミナ粉末を添加したものである。
また、実施例6は添加物としてエチルセルロース、表面疎水化処理をしたフュームドシリカ粉末の他に天然ゼオライト粉末、黒鉛粉末を添加したものである。
また、実施例7は添加物としてエチルセルロース、表面疎水化処理をしたフュームドシリカ粉末の他に600℃×10時間焼成天然ゼオライト粉末、アルミナ粉末を添加したものである。
また、実施例8は添加物としてエチルセルロース、表面疎水化処理をしたフュームドシリカ粉末の他に600℃×10時間焼成天然ゼオライト粉末、黒鉛粉末を添加したものであり、これら実施例4〜8の液状組成物をFR−4グレード銅張積層板上と硬質アルミニウム箔上とに塗工し、その被膜の特性の評価結果が表7であり、実施例4から実施例8まで全て目標とする品質が得られている。
また、実施例9における表8はエポキシ基を含むアルコキシシラン(化学式4参照)を含まないアルコキシシラン化合物の部分加水分解物にエチルセルロースを配合したものにテトラブトキシチタンをマトリックスに配合した液状組成物をFR−4グレード銅張積層板上と硬質アルミニウム箔上とに塗工し、その被膜の品質特性を示しており、前述の(A)/(B)の割合が請求項2の範囲で品質が良好である。
また、実施例10における表9、実施例11における表10においても、共に実施例9における表8と同様に、アルコキシシラン化合物の部分加水分解物の組成や使用触媒が異なっているものであり、このように異なっていても、実施例1の部分加水分解物と同じ良好なる結果である。
また、実施例12は3種類の液状組成物をフレキシブルプリント配線板用ソルダーレジストに適用した場合である。いずれの系の被膜も、表11に示したように、表面外観、表面硬度、半田耐熱性、耐酸性、耐煮沸性、耐冷熱衝撃性、電気絶縁性、電気耐電圧性、耐塩水噴霧性、難燃性等に問題なくまたハロゲン、アンチモンやリンの含有量の少ないものであった。
また、実施例13は5種類の液状組成物を硬質アルミニウム箔上に塗工し、放熱被膜としたものである。表12に示したように、表面疎水化処理をしたフュームドシリカ粉末が添加された実施例3は、アルミニウム箔単独の放熱効率よりも放熱効率は高い。カオリン粉末、アルミナ粉末、天然ゼオライト粉末、黒鉛粉末が添加された実施例5、実施例7、実施例8は特に放熱効率が高い。中でも黒鉛粉末の入った実施例8は、更に放熱効率が高い、即ち発熱体を冷却する能力が高い。表面疎水化処理をしたフュームドシリカ粉末の入った実施例3の被膜は透明であり、特に利用範囲が広い。尚、これら液状組成物からの被膜を有する場合の放熱は、主に輻射による放熱である。
また、実施例14は添加されている天然ゼオライト粉末が天然のものと焼成されたもの(この場合は、600℃で10時間焼成したもの)とを比較したものである。表13に示したように天然ゼオライト粉末そのものの場合は、半田耐熱1回フロートに充分耐えるが、2回フロートでふくれ(はくり)が発生する。一方、焼成されたものは、半田耐熱2回フロートにも充分耐える。焼成処理された天然ゼオライト粉末は被膜の耐熱性が向上する事がわかる。
≪比較例1≫
第一液として、実施例1のアルコキシシラン化合物の部分加水分解物溶液1000g(部分加水分解物の濃度は60重量パーセント)と実施例9のアルコキシシラン化合物の部分加水分解物溶液1000g(部分加水分解物の濃度は60重量パーセント)と実施例10のアルコキシシラン化合物の部分加水分解物溶液1000g(部分加水分解物の濃度は60重量パーセント)と実施例11のアルコキシシラン化合物の部分加水分解物溶液1000g(部分加水分解物の濃度は60重量パーセント)とに第二液としてテトラブトキシチタンの乳酸ブチルの50重量パーセント溶液をそれぞれ、36、34.2、38.2、30.6gを加え、プロペラ型攪拌機で25℃―15分間混合し、液状コーティング用組成物とした。
これら4種類の液状コーティング用組成物の被膜を実施例1における(被膜形成1)、(被膜形成2)により形成し、性能試験を行った結果を表14に示す。
Figure 2008142794
≪比較例2≫
第一液として、実施例4の米国ハーキュレス社のN−50タイプのエチルセルロース粉末が溶解されていないもの2390g、実施例5の米国ハーキュレス社のN−50タイプのエチルセルロース粉末が溶解されていないもの2420g、実施例8の米国ハーキュレス社のN−50タイプのエチルセルロース粉末が溶解されていないもの2290g、の3種類を調整した。
第二液として、テトラブトキシチタンの乳酸ブチルの50重量パーセント溶液を3種類の第一液のそれぞれの種類のそれぞれの量に対して、36gを加え、プロペラ型攪拌機で25℃で15分間混合し、液状コーティング用組成物とした。
これら3種類の液状コーティング用組成物の被膜を実施例1における(被膜形成1)、(被膜形成2)により形成し、性能試験を行った結果を表15に示す。
Figure 2008142794
≪比較例3≫
実施例1のアルコキシシラン化合物の部分加水分解が36.66重量パーセントの溶液1640gに対して、それぞれ六チタン酸カリウム繊維(繊維の平均直径が0.5μmのもので、平均長さが15μmのもの)138g、アルミナシリカ繊維(シリカ52%、アルミナ48%、繊維の平均直径が3μm、平均長さが20μmのもの)150g、ガラス繊維(繊維の平均直径が10μm、平均長さが20μmのもの)140gを配合混合し、プロペラ型攪拌機で液温20℃から30℃で30分間攪拌した。次いで、この混合液をボールミルに移し、120分間混合した。混合時の液温が20℃30℃になるように制御した。ボールミルの途中簡単に脱泡して、3種類の第一液を得た。
また、実施例1のアルコキシシラン化合物の部分加水分解物が36.66重量パーセントの溶液1640gに対して、それぞれヒドロキシエチルセルロース(ダイセル社のSP600)45g、ヒドロキシプロピルセルロース(日本遭達社のセルニーM微粉)45g、
メチルセルロース(松本油脂製薬社のマーポローズM2000)45g、を混合配合し、プロペラ型攪拌機で65℃で90分間混合して、3種類の第一液を得た。両方合わせると6種類の第一液を得た。
第二液として、テトラブトキシチタンの乳酸ブチルの50重量パーセント溶液を調整した。6種類のそれぞれの第一液、1778、1790、1780、1685、1685g、1685gに第二液36gを加え、プロペラ型攪拌機で25℃で15分間混合し、液状コーティング用組成物とした。
これら6種類の液状コーティング用組成物の被膜を実施例1における(被膜形成1)、(被膜形成2)により形成し、性能試験を行った結果を表16に示す。
Figure 2008142794
≪比較例4≫
実施例1のアルコキシシラン化合物の部分加水分解が36.66重量パーセントの溶液1640gに対して米国ハーキュレス社のN-50タイプのエチルセルロース粉末45gを配合混合し、プロペラ型攪拌機で、65℃で90分間混合してエチルセルロースの溶解液を得た。
次いでこの溶液に、表面疎水化処理をしたフュームドシリカ粉末(一次粒子の平均径が7nmで、ヘキサメチルジシラザンで表面処理されたもの)60gとそれぞれシリカ粉末(粉末の平均粒径が4.8μmのもの)510g、カオリン粉末(粉末の平均粒径が2.3μmのもので、付着水分が0.9重量パーセントのもの)390gの2種類の粉末を加えたものを液温20℃から30℃で30分間プロペラ型回転翼を有する攪拌槽で攪拌した。次いで、この混合液をボールミルに移し、120分間混合した。混合時の液温が20℃から30℃になるように制御した。ボールミルの途中簡単に脱泡した。このようにして2種類の第一液を調製した。第二液としてテトラブトキシチタンの乳酸ブチルの50重量パーセント溶液を調製した。
この2種類の第一液2255g、2135gにそれぞれ第二液36gを加え、プロペラ型攪拌機で25℃で15分間混合し液状コーティング用組成物とした。これらの液状コーティング用組成物を常法のサブトラクティブ法によりパターン形成されたFR-4グレードの銅張積層板の銅箔上及び全面エッチングされたFR-4グレードの基板上にアプリケーター塗工し、最高温度180℃の温度プロファイルで徐々に昇温して全乾燥時間で120分間熱風乾燥し、その後60分間で徐々に室温まで冷却した。
硬化(乾燥)後の被膜の厚さは20〜30μmになるようにし、被膜の鉛筆硬度試験を行った結果を表17に示す。
Figure 2008142794
つまり、比較例1においては、エチルセルロースの添加されていない4種類のアルコキシ化合物の部分加水分解物にテトラブトキシチタンを配合した液状組成物をFR−4グレード銅張積層板上と硬質アルミニウム箔上とに塗工し、その被膜の品質特性を表14に示したものであり、この結果からエチルセルロースが添加されないといずれの部分加水分解物も半田耐熱、可撓性で目標とする品質が得られない。
また、比較例2においては、エチルセルロースの添加されていない3種類の表面疎水化処理をしたフェームドシリカ粉末、カップリング剤処理水酸化アルミニウム粉末、アルミナ粉末、カオリン粉末、天然ゼオライト粉末、黄色・青色顔料、それに黒鉛粉末を配合した液状組成物をFR−4グレード銅張積層板上と硬質アルミニウム箔上とに塗工し、その被膜の品質特性を表15に示したものであり、この結果からエチルセルロースが添加されないといずれの配合液も良好な均一被膜が得られないしまた、可撓性としてのクロスカット性(切断性)で良好な品質が得られない。
また、比較例3においては、エチルセルロースの代わりに各種繊維を添加した液状組成物についての例である。表16に示した結果から、無機繊維としての、六チタン酸カリウム繊維は銅張積層板上の銅箔上、基板上の被膜は共に小さな剥離が発生し、また硬質アルミニウム箔上の被膜の可とう性としてのクロスカット性(切断性)で小さなクラックが発生し、高度なクロスカット性を要求される場合はやや不十分である。
また、アルミナシリカ繊維やガラス繊維は、被膜外観で均一な被膜にならず目標とするものにならない。
また、有機繊維としての、セルロース誘導体であるヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロースは、架橋剤であるテトラブトキシチタンを配合すると60分程度でゲル化し、スクリーン印刷などの作業性が悪い、また液状組成物の弾きによる網目状の凹凸被膜となり均一な膜厚にならない。即ち、目標とする被膜は得られない。
また、比較例4においては、無機粉体として、シリカ粉末、付着水分が0.9%のカオリン粉末を添加した液状組成物についての例である。
表17に示した結果から、シリカ粉末、付着水分の多いカオリン粉末では、鉛筆硬度が2B以下やBであり、目標とする被膜は得られない。
尚、上述した各性能試験の、試験方法は以下の通りである。
<鉛筆硬度>
JISK5600の試験方法に従い、評価は被膜の破れで評価する。評価する場所は銅回路上と銅回路の無い基板上で行う。
<半田耐熱性>
JISC5012の試験方法で行う。260℃の半田槽に20秒間フロートさせ、被膜のクラックの有無や被膜と基材ならびに銅回路との間の剥離の有無を目視で観察する。また260℃の20秒フロート試験を2回繰り返して行った後、目視観察する試験もある。
<耐酸性>
試験片を0.5%硫酸水溶液に30℃で10分間浸漬し、水洗後120℃で120分間乾燥し、室温まで放冷後前述の鉛筆硬度試験と目視による被膜のクラックや剥離を観察する。
<耐煮沸性>
試験片を純水の沸騰水中に2時間浸漬し、その後室温で22時間放置する。この処理を4サイクル繰り返して行った後、前述の鉛筆硬度試験と目視による被膜のクラックや剥離を観察する。
<クロスカット性(切断性)>
JISK5400のクロスカット試験に準じた方法でクロスカット性(切断性)試験を行う。被膜形成した試験片の銅箔上と基板上に剃刃(フェザー安全剃刃 0.245mm刃厚 片刃)で、幅3mmで4本の切断を入れる。次いでこの切断に直行する方向で、同じように切断を入れ、3mm角の9ますを作る。10〜50倍のルーペで刃による切断個所の被膜のクラックによる被膜の飛び散りや浮きを観察する。
<耐冷熱衝撃性>
試験片を−65℃で30分間、次いで125℃で30分間気相放置する。これを200サイクル処理した後、室温まで放冷後、目視による被膜のクラックや剥離の観察とセロハンテープによる被膜の剥離を観察する。また、回路間絶縁抵抗を測定する。試験片の回路はライン/スペース=100μm/100μmとした。
<電気絶縁性>
JISC5012の試験方法で行う。試験片を60℃/90%RH/DC30V/1000時間処理後の回路間絶縁抵抗を測定する。試験片の回路はライン/スペース=100μm/100μmとした。
<電気耐電圧性>
JISC5012の試験方法で行う。回路のライン/スペース=100μm/100μmの回路間に250V、1分間印加し、漏れ電流0.5mA以下を合格とする。
<耐塩水噴霧性>
JISK5600の試験方法で行い、5%食塩水で35℃で96時間噴霧し、水洗乾燥した後目視による被膜のクラックや剥離の観察とセロハンテープによる被膜の剥離を観察する。また、回路間絶縁抵抗を測定する。試験片の回路はライン/スペース=100μm/100μmとした。
<耐燃性>
米国の難燃性試験規格UL94の試験方法で行う。1.6mm厚さのFR-4グレードガラスエポキシ銅張積層板(UL94でV-0グレードに認定されている品種)の全面エッチングされた基板の両面に、硬化(乾燥)後の厚さで約20μmの被膜を形成したもので、垂直法で耐燃焼試験を行い、V-0に合格するかどうかを判定する。アンチモン、ハロゲン、リン含有量:アンチモンは原子吸光法、ハロゲンはイオンクロマト法、リンは吸光光度法による。
<可とう性としての耐屈曲性>
JISK5600‐5‐1(円筒形マンドレル法)に準じた方法で耐屈曲性試験を行う。直径10mmのガラス棒に、幅50mm、長さ50mmの被膜を有するアルミニウム箔試験片を内曲げ(被膜を内側に)で巻き付け、その後巻き戻して、次いで外曲げ(被膜を外曲げに)で巻き付け、巻き戻して、10〜50倍ルーペで発生するクラック、剥離を観察する。観察する部分は幅50mmの中央部分30mmとして、両端10mmの部分は評価しない。(この部分にクラックや剥離が発生しても有りとはしない)
<可とう性としてのクロスカット性(切断性)>
JISK5400のクロスカット試験に準じた方法でクロスカット性(切断性)試験を行う。被膜を形成したアルミニウム箔の裏面にある50μm厚さのポリエチレンテレフタラートフィルムを剥離した後、裏面にある25μmの粘着層で、ガラスエポキシ板の上に被膜のあるアルミニウム箔を貼る。この試験片に剃刃(フェザー安全剃刃 0.245mm刃厚 片刃)で、幅3mmで4本の切断を入れる。次いでこの切断に直行する方向で、同じように切断を入れ、3mm角の9ますを作る。10〜50倍のルーペで刃による切断個所の被膜のクラックによる被膜の飛び散りや浮きを観察する。
<放熱性>
発熱体としてショットキーバリヤーダイオード(新電元工業製D10SC6M、 縦30mm、横10mmのもの)を使用して、この発熱体の片側に12mm×21mmの試験片を貼る。(ブランクとしてはなにも貼らないもの)試験片は裏面にある50μm厚さのポリエチレンテレフタラートフィルムを剥離した後、25μm厚さの粘着層で発熱体に貼り合わせる。試験は40℃の恒温槽内で行い、更に試験片周辺の空気の対流を少なくする為、77mm×52mm×30mmの透明プラスチックスの箱内に試験片を置いて行う。発熱体の表面温度変化で放熱性の良し悪しを求める事とし、試験片を貼ってある発熱体の面と反対の面に熱電対を貼り付けてその表面温度で比較する。放熱性は、発熱体の表面温度の変化(表面温度が試験片を貼っていないブランク温度より低いと放熱性に優れている)と放熱効率で求める。放熱効率は数式−1による。
Figure 2008142794
以上詳述したように、本発明の二液タイプのコーティング用組成物をソルダーレジスト塗料に使用すると、その硬化物である被膜を備えたプリント配線板の被膜は、重量で8割以上の成分が無機物であることにより、その耐熱性が高く、プリント配線板に種々の電子部品の実装時に使用される半田の鉛フリー化に伴う実装温度の高温化に十分耐えるものとなる。さらに、アンチモン化合物、ハロゲン化合物やリン化合物を実質的に含まないので、それ自体高い難燃性を有すると共に、従来のソルダーレジスト硬化物、被膜に比較して廃棄物の焼却によって人体や自然環境に与える悪影響が少ないことから、これらは環境対応型の耐熱性組成物としても利用できる可能性を有する。
更には、曲げ加工やコーティング膜の切断に耐え得る可撓性を有するので、フレキシブルプリント配線板用ソルダーレジストに好適に使用できる。、すなわち可撓性の基材にも使用できるとともに、可撓性の耐熱性組成物としても利用できる可能性がある。
また本発明のコーティング用組成物は、優れた輻射による放熱性を有するので発熱の大きなロジック系集積回路、ダイオード、トランジスタそれに駆動系集積回路の冷却の為の放熱膜として十分な実用性を備えており、更には、前述したように、良好な可撓性を有するので、ダイシングソーなどによる集積回路や半導体デバイスの切り出しにおいても、良好な切断性を備えることから、切り出し前のウエハー等の半導体基板に放熱膜を形成した後に切り出しを行うことで、効率良く放熱膜を形成するためのコーティング用組成物としても利用できる可能性がある。
このように、本発明のコーティング用組成物は前述した多くの特徴を有することにより、上述したフレキシブルプリント配線板や集積回路(半導体装置)等の用途のみならず、これらフレキシブルプリント配線板や集積回路(半導体装置)等を多量に使用する電子機器産業や自動車産業などの広い産業分野で、有効に利用できる。可能性を有する。

Claims (9)

  1. アルコキシシラン化合物の部分加水分解物と有機溶剤とを含む第一液と、アルコキシチタンと有機溶剤とを含む第二液とを混合し硬化させる二液型のコーテイング用組成物において、前記第一液または前記第二液の少なくともいずれか一方にエチルセルロースを含むことを特徴とするコーテイング用組成物。
  2. 前記アルコキシシラン化合物の部分加水分解物100重量部に対して、前記エチルセルロースを1.9重量部〜7.5重量部の範囲において含むとともに、前記アルコキシチタン中のチタン元素(A)と前記アルコキシシラン化合物の部分加水分解物中に残留しているアルコキシ基(B)の割合(A)/(B)が6/1000〜20/1000の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のコーテイング用組成物。
  3. 前記第一液または前記第二液の少なくともいずれか一方に、表面疎水化処理をしたフュームドシリカ粉末を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のコーテイング用組成物。
  4. 前記第一液または前記第二液の少なくともいずれか一方に、ゼオライト粉末、カオリン粉末、アルミナ粉末及びカップリング剤処理水酸化アルミニウム粉末の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコーテイング用組成物。
  5. 前記第一液または前記第二液の少なくともいずれか一方に、さらに黒鉛粉末を含むことを特徴とする請求項4に記載のコーテイング用組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のコーテイング用組成物が塗布、硬化されたことを特徴とする硬化物。
  7. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のコーティング用組成物による電気絶縁性を有する硬化被膜であることを特徴とする電気絶縁用コーテイング膜。
  8. 請求項3〜5のいずれか1項に記載のコーテイング用組成物を、塗布形成して硬化させたことを特徴とする放熱用コーテイング膜。
  9. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のコーテイング用組成物によるソルダーレジスト塗料の硬化被膜を備えることを特徴とするフレキシブルプリント配線板。
JP2009515061A 2007-05-24 2007-05-24 コーティング用組成物、硬化物、電気絶縁用コーティング膜、放熱用コーティング膜、およびフレキシブルプリント配線板 Pending JPWO2008142794A1 (ja)

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