JP2013055156A - 放熱基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な放熱性能を低コストにて得ること。
【解決手段】電気絶縁板5の少なくとも一面に金属箔が積層され、該金属箔をパターン化することにより動作によって発熱する電子デバイス2a〜2fを実装するための実装端子部3a〜3f、4a〜4fを含む回路を有する放熱基板1であって、前記実装端子部3a〜3f、4a〜4fに繋がる配線パターンの前記電子デバイスに覆われていない非実装領域配線部分に、前記金属箔を残したことによる金属放熱部を該非実装領域の略全面に設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、動作によって発熱する電子デバイスが実装される放熱基板に関する。
放熱性を高めた放熱基板としては、アルミ板に電気絶縁接着層を介して銅箔を張り合わせた積層基板の銅箔を化学エッチングして回路基板を形成してなるものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−185963号公報
しかしながら、特許文献1に示すようなアルミ板を用いたアルミ基板の場合には、銅箔を張り合わせた積層基板をアルミ板と接着する必要があるので、これらの張り合わせにコストがかかるとともに、これら接着層が伝熱阻害層となってしまい、動作によって発熱する電子デバイスが実装される積層基板側において発生した熱が、アルミ板側に良好に伝熱されないので、電子デバイスの温度を低くするための十分な放熱性能を得ることができないという問題があった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、低コストにて良好な放熱性能を得ることのできる放熱基板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の放熱基板は、
電気絶縁板の少なくとも一面に金属層を有し、該金属層をパターン化することにより動作によって発熱する電子デバイスを実装するための実装端子部を含む回路が形成された放熱基板であって、
前記電子デバイスが実装される実装面の該電子デバイスに覆われていない非実装領域の略全面に、前記実装端子部に繋がるように前記金属層を残したことによる金属放熱部を設けたことを特徴としている。
この特徴によれば、電子デバイスが実装される実装端子部に繋がる金属放熱部が、非実装領域の略全面を覆うように設けられているため、実装端子部に実装されている電子デバイスにて発生した熱が、従来の接着剤等の伝熱阻害層により伝熱が阻害されることなく、金属箔により電気的に接続されている金属放熱部に良好に伝搬されて該金属放熱部から放熱されるようになるので、電子デバイスの温度を効果的に放熱することができるとともに、これら放熱部を、予め積層されている金属層を残すことにより形成するので、低コストにて良好な放熱性能を得ることのできる放熱基板を提供できる。
本発明の請求項2に記載の放熱基板は、請求項1に記載の放熱基板であって、
前記金属箔が前記電気絶縁板の両面に積層され、前記電子デバイスが実装される実装面の反対面にも前記金属放熱部を設けるとともに、該反対面の金属放熱部と前記実装面の金属放熱部とを、前記電気絶縁板を貫通するスルーホールにて導通させたことを特徴としている。
この特徴によれば、金属放熱部の面積を著しく広げることができるとともに、これら反対面の金属放熱部と実装面の金属放熱部とをスルーホールにて導通させることで、反対面の金属放熱部へ実装面の金属放熱部の熱を良好に伝搬させることができるので、放熱性能を高めることができる。
本発明の請求項3に記載の放熱基板は、請求項1または2に記載の放熱基板であって、
前記金属放熱部の上面に、波長4〜15μmにおいて平均放射率70%以上を有する赤外線放射機能を有する電気絶縁性皮膜を設けたことを特徴としている。
この特徴によれば、通常の電気絶縁性皮膜を設けた場合には、金属放熱部の放熱性能を低下させてしまい、十分な放熱性能が得られなくなってしまうのに対し、波長4〜15μmにおいて平均放射率70%以上を有する赤外線放射機能を有する電気絶縁性皮膜を形成することで、金属放熱部の放熱性能を向上させつつ、基板表面の電気絶縁性を確保できる。
(a)は、LED素子が実装された実施例1の放熱基板であるアルミ基板1を示す図であり、(b)は、実施例1のアルミ基板1の実装面における配線パターンを示す図である。 本実施例の放熱基板であるアルミ基板の構成を示す断面図である。 (a)は、LED素子が実装された比較例である従来のアルミ基板1’を示す図であり、(b)は、アルミ基板1’の実装面の配線パターンを示す図である。 実施例1のアルミ基板1と従来のアルミ基板1’との比較を示すグラフである。 (a)は、実施例2のFR4放熱基板41の実装面の配線パターンを示す図であり、(b)は、FR4放熱基板41の非実装面(裏面)の配線パターンを示す図であり、(c)は、実施例2のFR4放熱基板41に設けられたスルホールを示す図である。 実施例2のFR4放熱基板41の構成を示す断面図である。 実施例2のFR4放熱基板41と、従来のアルミ基板1’との比較結果である。
本発明の実施例を以下に説明する。
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、先ず図1は、本発明の実施例1における放熱基板であるアルミ基板1を示す図である。
図1(a)は、本実施例1のアルミ基板1にLED素子2a〜2fを実装した状態を示す図であり、図1(b)は、アルミ基板1の実装面における配線パターンを示す図であり、図2は、アルミ基板1の構成を示す断面図であり、図3(a)は、従来のアルミ基板1’にLED素子2a〜2fを実装した状態を示す図であり、図3(b)は、アルミ基板1の実装面における配線パターンを示す図である。
本発明のアルミ基板1は、図1に示すように、表面実装型のLED素子2a〜2fを実装可能とされた円形の板状基板とされており、LED素子2a〜2fが実装される実装面の反対面(裏面)に放熱用のアルミ板7が積層されている(図2参照)。
アルミ基板1の実装面には、図3(a)に示す、比較対象とする従来のアルミ基板1’においてLED素子2a〜2fの下面両端に設けられたアノード電極21とカソード電極22がハンダ接続される実装電極パターン4a〜4fと同一の実装電極パターン4a〜4fが形成されており、それぞれの実装電極パターン4a〜4fの間に跨るように、LED素子2a〜2fが実装される。
尚、電極パターン4aと電極パターン4dが、比較的大きな面積を有しており、該電極パターン4aと電極パターン4dに直流電源が接続される。
よって、電極パターン4a〜電極パターン4d間に配置されるLED素子2a〜2cと、電極パターン4d〜電極パターン4a間に配置されるLED素子2d〜2fとは、アノード電極21とカソード電極22とが逆方向となるように実装されることで、LED素子2a〜2cによる直列回路とLED素子2d〜2fによる直列回路とが2系統形成されるようになっている。
これら実装電極パターン4a〜4f以外の実装面上の領域には、図3(a)に示すように、発熱によって高温となるLED素子2a〜2fのカソード電極に接続される放熱用電極3a〜3fが、ガラス−エポキシ積層基板5の表面に積層された銅箔を、パターン形成におけるエッチングにおいて残すことによって設けられており、該放熱用電極3a〜3fにLED素子2a〜2fの下面に設けられたカソード電極22がハンダ接続されて(図2参照)、実装面に固定されることで、該LED素子2a〜2fにおいて発生した熱が、該放熱用電極3a〜3fに伝熱して放熱されるようになっている。
尚、LED素子2a〜2fのカソード電極22は、各実装電極パターン4a〜4fの一方端にもハンダ接続されるので、これら実装電極パターン4a〜4fにもカソード電極22の熱が伝達されて該実装電極パターン4a〜4fからも放熱がなされる。
つまり、本実施例1の放熱用電極3a〜3fと実装電極パターン4a〜4fとにより、本発明の金属放熱部が構成されている。
また、従来のアルミ基板1’も、図3(a)に示すように、LED素子2a〜2fの下面に設けられたカソード電極22をアルミ基板1’の実装面にハンダ接続してLED素子2a〜2fの熱をアルミ基板1’に伝熱させるための伝熱用電極3a’〜3f’が、設けられており、各伝熱用電極3a’〜3f’の上部を覆うように、LED素子2a〜2fが表面実装される。
本実施例1のアルミ基板1並びに比較対象とする従来のアルミ基板1’の積層構造は、図2に示すように同一の積層構造とされており、表面に各電極となる銅箔(本実施例では1オンス;35μm)が積層された厚みの薄いガラス−エポキシ積層基板5の裏面に所定厚み(本実施例では1.5mm)のアルミ板7を接着剤層6にて積層した構成とされている。
尚、ガラス−エポキシ積層基板5の実装面の銅箔は、エッチングによりパターン化されて実装電極パターン4a〜4fや、放熱用電極3a〜3f或いは伝熱用電極3a’〜3f’が形成されているとともに、該銅箔の表面には銅箔を保護するとともにハンダ接続を容易とするためにハンダメッキが形成されており、後述するように、試験に応じて絶縁レジスト膜(本実施例ではLE−6000S;山栄化学株式会社製商品名)がスクリーン印刷にて形成されている。
これらアルミ基板1やアルミ基板1’に使用するガラス−エポキシ積層基板5や接着剤層6は、電気絶縁性を有するため熱伝導度が低く、LED素子2a〜2fで発生した熱がアルミ板7に伝搬することを阻害するので、これらガラス−エポキシ積層基板5や接着剤層6の厚みはできるだけ薄い方が好ましい。
尚、これら接着剤層6に使用する接着剤としては、熱伝導性フィラーを添加する等により、熱伝導度を高めた熱伝導接着剤を用いても良い。
また、積層における取り扱い時の強度や反り等の問題から、ガラス−エポキシ積層基板5の厚みを薄くできない場合には、ガラス−エポキシ積層基板5に、後述する実施例2に示すようなスルホールを形成して、LED素子2a〜2fで発生した熱がガラス−エポキシ積層基板5の裏面側に良好に伝達されるようにしても良い。
また、本実施例1のアルミ基板1やアルミ基板1’においては、図1や図3に示すように、各LED素子2a〜2f間の距離(LED素子2a〜2fの中心位置間の距離)が最も大きく且つほぼ等しくなるように配置できるように、実装電極パターン4a〜4fを形成することで、LED素子2a〜2f間の間隔をほぼ均等とすることができるようになり、これらLED素子2a〜2f間の間隔に露出する放熱用電極3a〜3fの面積を、ほぼ等しくすることが可能となり、一部のLED素子の温度が他のLED素子よりも極端に高くなってしまい、これら温度が高くなったLED素子の寿命が他のLED素子よりも大きく低下してしまうことを防止できるようになる。
尚、本実施例では、上記した観点から、放熱用電極3a〜3fの露出面積(LED素子2a〜2fに覆われていない部分の面積)がほぼ等しくなるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、実際には、LED素子2a〜2fの発熱は、固体差が非常に大きく、発熱が大きいLED素子もあれば発熱が小さいLED素子もあるので、これらの個体差を考慮して、露出面積が小さな放熱用電極と、露出面積が大きな放熱用電極のように、露出面積が異なる放熱用電極を、例えば、露出面積が段階的に大きくなるように設けておき、事前の動作テストにおいて各LED素子の発熱状態を把握し、発熱が小さなものから順次、面積が小さな放熱用電極を割り当てて実装することで、発熱が小さなLED素子を露出面積が小さな放熱用電極に実装し、発熱が大きなLED素子を露出面積が大きな放熱用電極に実装することで、個々のLED素子の温度を、無駄なく効果的に低下できるようにしても良い。
また、本実施例1のアルミ基板1の実装面は、図1(b)に示すように、アルミ基板1の実装面においてLED素子2a〜2fに覆われていない非実装領域の略全面に、金属放熱部となる放熱用電極3a〜3f並びに実装電極パターン4a〜4fを設けているが、これら非実装領域に占める放熱用電極3a〜3fや実装電極パターン4a〜4fの面積割合は、可能な限り大きくすること、つまり100%に近いものとすることが放熱の観点から好ましいが、各種パターンを絶縁するための間隙や基板周囲を絶縁するための非パターン領域を設ける必要があるので、これら必要な非パターン領域を除いた面積割合とすれば良い。
具体的には、実装面の面積に占めるLED素子2a〜2fの面積にも依るが、通常においては、基板の大きさが大きくなるとコスト増に繋がることから、これら基板の大きさは最小限の大きさとされているので、これら最小限とされた通常の基板においては、これらの非実装領域に占める放熱用電極3a〜3fの面積割合が80%未満になると、良好な放熱が得られなくなってしまうので、非実装領域に占める放熱用電極3a〜3fの面積割合が80%以上、非パターン領域に必要な面積を確保できる場合には、好ましくは85%以上とすれば良く、本実施例1のアルミ基板1のパターンについては、約90%となっている。
このようにして作製した本実施例1のアルミ基板1とアルミ基板1’に通電したときにおけるアルミ基板1とアルミ基板1’の温度変化を図4に示す。尚、温度の測定位置は、各種基板の同一位置に実装されている1のLED素子のカソード電極が接続された実装電極に、温度センサ(熱電対)を設けて測定した。
尚、アルミ基板1とアルミ基板1’に搭載したLED素子2a〜2fは、発熱の個体差を無くすために、実装したLED素子2a〜2fを、ハンダ付けを外して基板から取外して再度実装することで、同一のLED素子2a〜2fを使用し、同一の電力(電圧9.5V、電流590mA)を通電して動作させた。また、各基板は、開始温度25℃の雰囲気とされた容積18000立方センチメートルの箱体内部に載置して測定した。
また、図4においては、実装面にレジスト膜を形成したものと、レジスト膜を形成していないものについても比較を実施した。
図4に示すように、アルミ基板1’でレジスト有り、つまり従来から利用されているアルミ基板と同一の仕様では、最も温度が高くなっているのに対し、放熱用電極3a〜3fを有するアルミ基板1では、アルミ基板1’に比較して温度が大きく低下しており、放熱が良好になされていることが解る。
また、アルミ基板1’でレジスト無しの結果、並びにアルミ基板1でレジスト無しの結果を、レジスト有りの結果と比較すると、レジスト膜を設けない場合には、レジスト膜を設けた場合よりも著しく温度が低下していることが解り、これら放熱用電極3a〜3fを設けた効果が、これらレジスト膜を設けることで著しく低下してしまうことが解る。
よって、これら放熱用電極3a〜3fからの放熱を妨げることなく、実装面を絶縁保護できる放熱性レジスト膜を設けることが非常に重要となる。そこで、後述する放熱性レジストインクを作製し、これら通常のレジスト膜に代えて、本発明の赤外線放射機能を有する放熱性レジスト膜を設けた結果、図4に示すように、レジスト膜とは逆に、レジスト膜を設けない場合よりもさらに温度が低下していることが解り、これら放熱用電極3a〜3fを設けた効果をより大きくすることができることが解る。
これら放熱性レジスト膜としては、放熱用電極3a〜3fの熱を赤外線として空間に放射することで、放熱用電極3a〜3fの熱を効率良く放熱するもの、つまり、赤外線の放射率が高いものが好ましいが、具体的には、波長4〜15μmにおいて平均放射率70%以上を有するものを好適に使用することができる。
以上のように、放熱用電極3a〜3fを設けることで、従来のアルミ基板の通常仕様であるアルミ基板1’よりも、高い放熱性能を有するアルミ基板1を得ることができるとともに、これらアルミ基板1に、後述する放熱性レジストインクによる放熱性レジスト膜を設けることで、より一層高い放熱性能を有するアルミ基板1を得ることができる。
ここで、放熱性レジスト膜を形成するための放熱性レジストインクについて、以下に説明する。
放熱性レジストインクは、大きくは、水溶性エマルジョン型の放熱性レジストインク1と、溶剤溶解型の放熱性レジストインク2並びに放熱性レジストインク3とが例示される。
放熱性レジストインク1は、シリコーン樹脂エマルジョンと特定の金属酸化物とを含む水性液状組成物である。シリコーン樹脂エマルジョンは非水溶性のシリコーン樹脂を主として水に分散させたエマルジョン状態のものであり、例えば、以下に示す方法で得ることができる。
(1)アルキルシリケート化合物またはその部分加水分解・縮合物を各種界面活性剤を用いて乳化し、水性エマルジョンとする方法(特開昭58−213046号、特開昭62−197369号、特開平3−115485号、特開平3−200793号公報)。さらにこのエマルジョンに、重合性ビニルモノマーを乳化重合したエマルジョンを混合する方法 (特開平6−344665号公報)。
(2)界面活性剤を使用せずにアルキルシリケート化合物を水中で加水分解して得られる水溶性ポリマーの存在下、ラジカル重合可能なビニルモノマーを乳化重合する方法(特開平8−60098号公報)。
(3)ビニル重合性アルキルシリケートを含有するアルキルシリケート混合物を加水分解・縮合することにより、固形のシリコーン樹脂を含む水性エマルジョンとし、さらにラジカル重合既ビニルモノマーを加え、乳化重合することにより、グラフト共重合体微粒子(固形)エマルジョンを得る方法(特開平5−209149号、特開平7−196750号公報)。
(4)ラジカル重合性官能基を乳化重合したエマルジョンにアルキルシリケート化合物を添加し、加水分解・縮合させ、エマルジョン粒子中にシリコーン樹脂を導入する方法(特開平3−45628号、特開平8−3409号公報)
(5)ビニル重合性官能基含有アルキルシリケートを、ラジカル重合性ビニルモノマーと共に乳化重合し、エマルジョンを作成する方法(特開昭61−9463号、特開平8−27347号公報)。
特定の金属酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン及びカオリンのうち少なくとも1種以上を含有するものである。金属酸化物として、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、カオリンを含有することが好ましい。
金属酸化物の添加時の形状は、特に限定されないが、粉末、好ましくは微粉末の形状で用いることが好ましい。微粉末を用いる場合、得られる塗膜の緻密性が向上し、塗膜の耐熱性、放熱性、機械的強度をより一層向上させることができるからである。
金属酸化物の微粉末の粒子径としては、平均粒子径で80nm〜30μmの範囲であることが好ましく、200nm〜10μmの範囲であることがより好ましい。
シリコーン樹脂エマルジョンから形成される乾燥塗膜の表面硬度は、長期使用時の安定性を考慮すると、鉛筆硬度で5B以上であることが好ましい。放熱性レジストインクは、シリコーン樹脂エマルジョン30〜70重量%、金属酸化物70〜30重量%含有することが好ましく、シリコーン樹脂エマルジョン40〜70重量%、金属酸化物60〜30重量%含有することがより好ましく、シリコーン樹脂エマルジョン45〜55重量%、金属酸化物55〜45重量%含有することが特に好ましい。
シリコーン樹脂エマルジョンの樹脂濃度は40%以上が好ましい。
尚、ゴムラテックスなどのラテックス類を少量添加して、塗膜の安定性を改善することも出来る。
シリコーン樹脂エマルジョンと特定の金属酸化物粉末や微粉末の混合の方法は、シリコーン樹脂エマルジョンに特定の金属酸化物粉末や微粉末を添加し、プロペラ型又は櫂型の回転翼を有する撹拌層でこれら粉末や微粉末と液体とが充分に均一状態となり、更に粉末や微粉末が充分に分散されるように撹拌混合する。尚、この方式以外の撹拌方式を使用することも出来る。
この時の混合温度は40℃以下が好ましい。40℃を超えると、混合液に皮張り(塗料の表面に生成する薄い膜状のもの)等が発生しやすくなり好ましくない。
放熱塗膜の厚さは乾燥後の固形物として10〜150μm、好ましくは20〜120μmである。
放熱塗膜の形成方法としては、スクリーン印刷、吹付け、ロールコート等の方式で塗工後、常温又は乾燥炉によって加熱乾燥させてもよく、ドライヤ等の熱風によって乾燥させることもできる。
放熱性レジストインク2は、アクリルシリコーン樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂)液状物と硬化触媒と特定の金属酸化物とを含む、有機溶剤液状組成物である。尚、硬化塗膜の基材との密着性向上の目的で、アミノシランを上記の有機溶剤液状組成物を添加してもよい。
アクリルシリコーン樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂)は、(メタ)アクリル酸エステルモノマーとアルコキシシリル基を持つ(メタ)アクリル酸エステルモノマーの共重合物である。
これらモノマー類の共重合は、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、酢酸エチルそれに酢酸ブチルなどの有機溶剤中で加熱しラジカル重合で行う。
好適に使用される(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、アルキル基がたとえばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ヘキシル、オクチルまたは2−エチルヘキシルの各基であるアルキル(メタ)アクリレート、およびシクロヘキシル(メタ)アクリレートで代表されるシクロアルキル(メタ)アクリレートである。またこれらのエステルと少量併用できるその他の共重合可能なビニル系単量体には、スチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどがある。
好適に使用されるアルコキシシリル基を持つ(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランである。(メタ)アクリル酸エステルモノマー(A)とアルコキシシリル基を持つ(メタ)アクリル酸エステルモノマー(B)の共重合比は、モル比で(B)/(A)=5/95〜55/45であり、(B)/(A)=10/90〜50/50が好ましい。
共重合物の分子量は、数平均分子量で6,000〜30,000であり、8,000〜22,000が好ましい。
共重合物は、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、酢酸エチル、乳酸ブチルそれに酢酸ブチル等の単独溶剤あるいは混合溶剤の溶液として使用する。
使用時の共重合物溶液中の共重合物の濃度は30〜60重量%が望ましい。
硬化触媒は、有機スズ化合物や有機チタン化合物などである。有機スズ化合物としては、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオレート、ジブチルスズジアセテート、オクタン酸第一スズなどの単独あるいは混合物である。有機チタン化合物はテトラブトキシチタン、テトラプロポキシチタンならびにこれらの重合物などの単独あるいは混合物である。
硬化触媒の添加量は、アクリルシリコーン樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂)100重量部に対して、0.1〜1.0重量部で使用することが好ましい。
硬化触媒は、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルアルコールなどの単独溶剤あるいは混合溶剤の溶液として使用する。使用時の溶液中の硬化触媒の濃度は、3.0〜12.0重量%が好ましい。
アミノシランは、3-アミノプロピルトリエトキシシランや3-アミノプロピルトリメトキシシランなどである。また上記のシラン類を縮合反応させたシランオリゴマーでもよい。
アミノシランは、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルアルコールなどの単独溶剤あるいは混合溶剤の溶液として使用する。使用時の溶液中のアミノシランの濃度は、8.0〜22.0重量%が好ましい。
アミノシランの添加量は、アクリルシリコーン樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂)100重量部に対して、0.3〜3.0重量部で使用することが好ましい。
特定の金属酸化物は、ゼオライト粉末、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン及びカオリンのうち単体若しくは2以上の混合物などである。
ゼオライト粉末としては、天然ゼオライト粉末と合成ゼオライト粉末が使用でき、その粒径としては、放熱を目的とする塗膜では最大粒径100μmの粉末まで使用できるが、好ましくは、平均粒径5μm以下、最大粒径が25μmの粉末が良い。
またカオリン粉末は、平均粒径が5μm以下、最大粒径が25μm以下の粉末であり、付着水分は0.8重量%以下のものが好ましい。粒径がこれらの数値より大きくなると塗膜に斑が生じやすくなり、均一性に欠けるようになるので適さない。付着水分が0.8重量%を超えると、塗膜の鉛筆硬度が極端に小さくなり適さない。
また酸化アルミニウム粉末は、平均粒径が5μm以下、最大粒径が25μm以下のものが好ましく、酸化ナトリウム(NaO)が0.06重量%以下の粉末が好適に使用できる。粒径がこれらの数値より大きくなると、塗膜に斑が生じやすくなり、均一な塗膜が得られないので適さない。酸化ナトリウム(NaO)の量が0.06重量%を超えると、液状組成物の硬化を阻害するので適さない。
尚、酸化アルミニウム粉末を配合する事により、塗膜の鉛筆硬度を向上できるとともに、高い電気絶縁性を得る事が出来る。
また、カップリング剤処理水酸化アルミニウム粉末は、平均粒径が3μm以下、最大粒径が25μm以下のものが好ましく、可溶性酸化ナトリウムは0.06重量%以下のものが好ましい。更に、エポキシシラン系やチタネート系カップリング剤で表面コーティングしたものが好適に使用できる。
エポキシシラン系カップリング剤で表面コーティングしたものが、銅との密着性で優れている。
粒径や可溶性酸化ナトリウム(Na2O)に対する数値の制限は酸化アルミニウム粉末の場合と同じ理由である。
また、カップリング処理剤で表面コーティングしないと、塗膜にはじきが出て適さない。
尚、ゼオライト粉末、カオリン粉末、酸化アルミニウム粉末、カップリング剤処理水酸化アルミニウム粉末を配合することにより、塗膜の鉛筆硬度を向上できるとともに、高い電気絶縁性を得ることができる。
次に、これら放熱用金属酸化物の粉末の添加量であるが、アクリルシリコーン樹脂15〜35重量%、金属酸化物85〜65重量%を含有する事が好ましい。
その添加量の上限は塗膜のチョウキング(粉末が塗膜表面に露出している現象)が発生しない範囲で、適宜に添加することができる。
これら放熱用粉末の添加により、放熱性の付与とともに、凹凸のある被覆体表面上に厚い塗膜を形成することができるとともに、ムラのない塗膜を形成することができる効果がある。
また、より高い放熱特性を得たい場合には、これら放熱用粉末に加えて黒鉛粉末を配合すれば良く、これら黒鉛粉末としては、天然黒鉛としての土状黒鉛、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、人造黒鉛が使用できるが、均一なコーティング膜形成の容易さからは土状黒鉛、鱗状黒鉛、人造黒鉛が好ましい。
これら黒鉛粉末の大きさとしては、塗膜の厚さから、平均粒径が5μm以下、最大粒径が25μm以下が好ましい。
また、黒鉛粉末の乾燥硬化後の塗膜に占める体積の割合としては、3.0%未満では輻射による放熱特性の向上がほぼ見られなくなり、10.0%を超えると塗膜下の基材との密着性が低下したり、鉛筆硬度などの塗膜強度が低下するとともに、輻射による放熱特性も低下してしまうので、内割りで3.0〜10.0%の範囲とすれば良い。尚、これら黒鉛粉末とともに、カーボンブラックを配合しても良い。
アクリルシリコーン樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂)の溶液、硬化触媒の溶液、アミノシランの溶液それに特定の金属酸化物粉末や微粉末の混合方法は、第一液と第二液と第三液とからなる三液混合型の混合方法とする。
第一液は、アクリルシリコーン樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂)の溶液と特定の金属酸化物粉末や微粉末の混合液であり、第二液は硬化触媒の溶液、第三液はアミノシランの溶液である。
これらの三液を使用直前に所定の割合で混合して使用する。
第一液は、アクリルシリコーン樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂)の溶液に特定の
金属酸化物粉末や微粉末を添加して、プロペラ型又は櫂型の回転翼を有する撹拌槽でこれら粉末や微粉末と液体とが充分に均一状態となるように撹拌混合する。尚、この方式以外の撹拌方式を使用することもできる。
この時の混合温度は40℃以下が好ましい。40℃を超えると、混合液に皮張り(塗料の表面に生成する薄い膜状のもの)等が発生しやすくなり好ましくない。更に、必要に応じて、混合液をボールミルや3本ロール等に移し、粉末や微粉末が充分に分散するまで混合、混練する。この際、前述と同じ理由で、混合、混練時の液温は40℃以下が好ましい。
第二液と第三液は、硬化触媒やアミノシランに有機溶剤を添加し、プロペラ型回転翼などを有する撹拌槽で均一に混合されるまで撹拌混合する。
使用直前に、第一液、第二液、第三液を所定の割合で混合して、プロペラ型回転翼などを有する撹拌槽で10〜30分間撹拌混合する。
放熱塗膜の厚さは、8.0〜80μm、好ましくは、12〜60μmである。
塗料の塗工・乾燥の方法は、公知の方法、即ち、スクリーン印刷、吹付け、ロールコートそれにカーテンフローコート等の方式で塗工し、その後乾燥炉内で乾燥して塗膜形成される。
放熱性レジストインク3は、アルコキシシラン化合物の部分加水分解物とアルコキシチタンとエチルセルロースと特定の金属酸化物とを含む有機溶剤液状組成物である。
より詳しくは、アルコキシシラン化合物の部分加水分解物と有機溶剤とを含む第一液と、アルコキシチタンと有機溶剤とを含む第二液とを混合し硬化させる二液型の液状組成物において、前記第一液または前記第2液の少なくともいずれか一方にエチルセルロースと特定の金属酸化物とを含むとともに、前記部分加水分解物が、アルコキシシラン化合物中のアルコキシ基を完全に加水分解するのに必要な水の量の10〜60%を添加して得られる部分加水分解物である。
エチルセルロースは、前記アルコキシシラン化合物の部分加水分解物100重量部に対して、1.9重量部〜7.5重量部の範囲で含み、アルコキシチタンは、アルコキシチタン中のチタン元素(A)と前記アルコキシシラン化合物の部分加水分解物中に残留しているアルコキシ基(B)の割合が(A)/(B)=6/1000〜20/1000の範囲で含む。また前記第一液または前記第二液の少なくともいずれか一方に、表面疎水化処理をしたフュームドシリカ粉末が添加されていると液状組成物の粘度やチキソトロピー特性を適時調整する事が出来るばかりでなく、得られる塗膜の放熱性を向上できる。
表面疎水化処理をしたフュームドシリカ粉末は、前記アルコキシシラン化合物の部分加水分解物100重量部に対して19重量部以下がよい。
アルコキシシラン化合物の部分加水分解物について説明すると、本発明に使用されるアルコキシシラン化合物は、一般化学式1で表せるアルコキシシラン化合物を部分的に加水分解、縮合して得られるオリゴマーである。化学式1におけるRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミノエチル基、グリシジルプロピル基(化学式2参照)等を例示することができる。また、Rはメチル基とエチル基である。ここで、nは0〜3の整数である。
(化1)
Si(OR)4−n
(化2)
CH−CH−CH−O−(CH)
\ /
これらアルコキシシラン化合物として、上記化学式1で表される物質の中から、少なくとも一種を適宜選択して使用する。通常二種ないし三種の化合物を混合使用する。そして、図1に示すように、これらのアルコキシシラン化合物を酸触媒やアルカリ触媒と純水の存在下で、アルコキシシランを完全に加水分解するに要する水の量(計算値)よりも少ない量の水と混合して、反応させることにより部分加水分解物を得ることができる。
この水の量は、アルコキシシランを完全に加水分解するに要する水の量(計算値)の10%未満になると分子量が小さくなり塗工性能が低下することや架橋剤として添加しているアルコキシチタンによる架橋硬化時に揮発分が多くなってしまうことから好ましくないとともに、添加する水の量が60%を越すと反応中にゲル化しやすくなり、安定して部分加水分解物を得られない場合があるので、アルコキシシラン化合物中のアルコキシ基を完全に加水分解する水の量(計算値)の10〜60%とすれば良い。
また、反応触媒としては、酸系として塩酸、硫酸、リン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、酢酸などを使用できる。アルカリ系として苛性ソーダ、苛性カリなどを使用できる。塗膜を鉄や銅などの金属上に形成する場合は腐食の点からリン酸や酢酸が好ましい。
反応触媒がリン酸の場合は、反応終了後炭酸カルシウムやアンモニアガスで中和することが好ましい。
このようにして得られる部分加水分解物中にトリアルコキシシランやテトラアルコキシシランが存在すると、塗料の硬化によって得られる塗膜は、3次元構造を有するものとなる。
部分加水分解の反応は、環流反応で行う。環流状態になる温度より低い温度で反応しても良い。
部分加水分解により発生するメタノール及び/又はエタノールの一部あるいは全てを脱溶剤する。脱溶剤は、減圧下で行う。脱溶剤の量は、使用するアルコキシシラン化合物の種類やそれらの種類の混合割合から決する部分加水分解の程度、更に後添加する有機溶剤の種類や量、それに添加するエチルセルロース等の配合物の添加量により変わるので、塗工・乾燥時の指触乾燥の時間等で決定すれば良い。
このようにして得られるアルコキシシラン化合物の部分加水分解物は、有機溶剤を添加して使用する。この有機溶剤は、最終的には、第一液と第二液とが混合されるので、第二液の有機溶剤と同一であっても良く、メタノール、エタノール以外でかつ沸点が200℃以下の下記溶剤を使用することができる。
具体的には、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、ジアセトンアルコール、酢酸ブチル、酪酸ブチル、プロピレングルコールモノメチルエーテル、ジアセトンアルコール、乳酸ブチル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート等の溶剤である。しかしメタノール、エタノール以外の溶剤であればこれらの溶剤に限定されるものでないし、また、溶剤は1種類又は2種類以上を混合使用することもできる。
そして、これら第一液と第二液に使用する有機溶剤の配合比率は、特に限定されるものでないが、得られる液状組成物の液全量に対し、有機溶剤の配合量が30重量%以下になると、第一液と第二液とを混合した液状組成物の硬化時間が短くなり、迅速に使用することが要求されるので、取り扱いが難しく、使用上好ましくない。また有機溶剤の配合量が非常に多い、例えば、液状組成物の液全量に対して55重量%以上になると、塗工により得られる塗膜が薄くなり、安定した塗膜の形成が困難になる。
次に、アルコキシチタンについて説明すると、アルコキシチタンは、化学式3で表されるものである。式中のRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等を例示することができる。反応速度から、Rとして、プロピル基、ブチル基のものが好適に使用できる。
(化3)
Ti(OR)
アルコキシチタンは有機溶剤で希釈して使用する。即ち、第二液は、少なくとも、アルコキシチタンと有機溶剤とを混合した状態で使用する。これは、第一液との混合を均一に行うためにも、また、エチルセルロース等の配合物等を均一に混合するためにも好ましい。アルコキシチタンの有機溶剤としては、アルコキシチタンを安定に保持し得るものであればよく、上述した第一液の有機溶剤と同じ溶剤を使用できる。
このアルコキシチタンの使用量は、アルコキシシラン化合物の部分加水分解物100重量部に対して、5重量部から30重量部使用することにより、良好な塗膜性能を得ることができる。5重量部未満では、塗膜の鉛筆硬度等が低くなり実用に耐えないものとなり、30重量部を超えると耐熱性が低下し実用に耐えないものとなる。ここでの使用量はあくまでも、有機溶剤を含まない、特定のアルコキシシラン化合物の部分加水分解物、アルコキシチタンをベースにおいている。アルコキシチタンの実際の添加量は、使用するアルコキシチタン化合物の種類(例えば、チタンテトラブトキシドであるかチタンテトラプロポキシドであるか等)、特定のアルコキシシラン化合物の種類とその使用量(特に、トリアルコキシシランの使用量)によって異なる。アルコキシシランのうち、トリアルコキシシランの使用量が多いと、アルコキシチタンの添加量は、少なくてよい。また、チタンテトラブトキシドはその分子量が大きいので、添加量はチタンテトラプロポキシドよりは多めに添加することになる。
より好ましくは、アルコキシチタンの添加量は、アルコキシチタン中のチタン元素(A)とアルコキシシラン化合物の部分加水分解物中に残留しているアルコキシ基(B)の割合(A)/(B)が、6/1000未満となると、網目構造の硬化物、塗膜の形成が困難となってしまう一方、20/1000以上となると、液状組成物の硬化速度が速すぎたり、形成した硬化物や塗膜の性能が十分でなく、例えば、可撓性が低下してしまうことから、これら6/1000〜20/1000の範囲とすれば良い。
アルコキシシラン化合物の部分加水分解物を含む第一液と、アルコキシチタンを含む第二液とを混合すると、直ちに反応を開始し硬化を始めるので、液状組成物(塗料)は使用直前によく混合した上で使用するのがよい。そして、第一液と第二液とは混合した後は、使い切り、長時間混合した状態で放置しないことが奨められる。また、第一液と第二液とを混合した後は、高温度に曝すことなく、できるだけ低温度に保持するのがよい。
第一液と第二液とを混合すると、アルコキシシラン化合物の部分加水分解物とアルコキシチタンとが反応し、硬化する。これは、アルコキシシラン化合物の部分加水分解物とアルコキシチタンとが反応する際に、脱アルコールして、Si−O−Ti結合ないしSi−O−Si結合が生じ、三次元網目構造の重合体になるからである。そして、形成された重合体、即ち、硬化物ないし塗膜は実質的に無機系物質から構成される。硬化物ないし塗膜は、重量で80%以上が無機物から構成される。放熱塗膜における有機基は、珪素原子及びチタン原子に結合していたアルコキシ基(アルコール成分)及び珪素原子に直接結合しているアルキル基などの有機基であるが、アルコキシ基はアルコキシシラン化合物の部分加水分解物とアルコキシチタンとが反応する際に、Si−O−Ti結合ないしSi−O−Si結合が生じ、アルコキシ基のアルコール成分が脱離する。但し、珪素原子に直結するアルキル基などの有機基はそのまま残存する。
エチルセルロースについて説明すると、例えば、米国ハーキュレス社のN―タイプ(無水グルコース一単位当たりのエトキシル基置換度2.41から2.51のもの)やK−タイプ(無水グルコース一単位当たりのエトキシル基置換度2.3から2.4のもの)を好適に使用することができる。粘度別グレードでは、K−タイプでK−50、N−タイプではN―50、N―100、N−200が溶解性と塗膜品質のバランスの観点から好ましい。尚、エチルセルロースの一部をプロピルセルロース、ブチルセルロースに代えて使用しても良い。
これら第一液または第二液の少なくともいずれか一方に配合される繊維質粉体としては、後述する比較例に示すように、エチルセルロース以外の繊維質粉体であるヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロースの配合について試験を実施したが、これらの繊維質粉体においては、いずれも、良好な塗膜を形成できず、本発明のように、アルコキシシラン化合物の部分加水分解物を含有する液状組成物に配合する繊維質粉体としては、不適である。
これに対し、チタン酸カリウム繊維は、塗膜形成性や耐熱性が良好であるものの、塗膜が可撓性に乏しく、特にクロスカット試験において、前述の剥離やクラックが発生してしまうが、上述のエチルセルロースを用いたものは、前述の表面疎水化処理されたフュームドシリカ粉末や特定の金属酸化物や黒鉛等を添加しても、クロスカット試験や耐屈曲試験において、剥離やクラックが発生せず、良好な可撓性を有する塗膜を得る事が出来る。
これらエチルセルロースのアルコキシシラン化合物の部分加水分解物に対する割合としては、1.9重量部より少ないと、良好な可撓性が得られず、可撓性基材であるフイルムに塗布した場合等において、クラック等を生じやすくなってしまう一方、7.5重量部よりも多いと、塗膜はくりや基材との密着性低下が発生してしまうこととなってしまうことから、アルコキシシラン化合物の部分加水分解物100重量部に対して1.9重量部〜7.5重量部の範囲とすれば良い。
尚、これらエチルセルロースを配合する事は、上述したように、得られる塗膜の可撓性を向上できる。
更に、エチルセルロースに加えて、表面疎水化処理されたフュームドシリカ粉末を添加配合することにより、放熱性を向上できるとともに、表面疎水化されていないシリカ粉末のように、硬度低下等の塗膜の特性悪化がない。
この表面疎水化処理されたフュームドシリカ粉末としては、一次粒子の平均径が20nm以下のものが好ましい。ジメチルジクロロシランやヘキサメチルジシラザン等で表面の疎水化処理を行ったものが好適に使用できる。特に、ヘキサメチルジシラザン処理品が、第一液と第二液の混合液(液状組成物)の増粘に効果がある。表面疎水化処理されないと液状組成物の増粘効果が非常に少ないので、配合量が多くなり適さない。また一次粒子の平均径が20nmを超えると、硬化後の塗膜上に円形突起が生じ好ましくない。
これら表面疎水化処理されたフュームドシリカ粉末は、エチルセルロースと同様に、最終的に第一液と第二液の混合液中に存在すれば良いので、第一液のみに添加しても良いし、第二液のみに添加しても良いし、第一液と第二液の両者に添加しても良く、この際、エチルセルロースの配合の有無はどちらであっても良い。
これら表面疎水化処理されたフュームドシリカ粉末の配合量としては、アルコキシシラン化合物の部分加水分解物100重量部に対して19重量部を超えると、第二液と混合した混合液の貯蔵中の粘度上昇が速くなったり、塗膜に小径の粒が発生しやすくなることから、これら19重量部以下とすれば良く、例えば、ビーズ分散機による分散等によって混合すれば良い。
このように、表面疎水化処理されたフュームドシリカ粉末を添加することにより、第一液と第二液と混合した後の放熱塗膜の粘度を、得られる塗膜の特性を低下させることなく増粘することができ、得られる液状組成物のスクリーン印刷やフレキソ印刷の印刷性を向上させることができる。また、第一液及び/又は第二液に後述するように、放熱用粉末を含む場合においては、これら放熱用粉末の沈降を防止するという効果が認められた。
特定の金属酸化物は、ゼオライト粉末、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン及びカオリンのうち単体若しくは2以上の混合物などである。
ゼオライト粉末としては、天然ゼオライト粉末と合成ゼオライト粉末が使用でき、その粒径としては、放熱を目的とする塗膜では最大粒径100μmの粉末まで使用できるが、好ましくは、平均粒径5μm以下、最大粒径が25μmの粉末が良い。
またカオリン粉末は、平均粒径が5μm以下、最大粒径が25μm以下の粉末であり、付着水分は0.8重量%以下のものが好ましい。粒径がこれらの数値より大きくなると塗膜に斑が生じやすくなり、均一性に欠けるようになるので適さない。付着水分が0.8重量%を超えると、塗膜の鉛筆硬度が極端に小さくなり適さない。
また酸化アルミニウム粉末は、平均粒径が5μm以下、最大粒径が25μm以下のものが好ましく、酸化ナトリウム(NaO)が0.06重量%以下の粉末が好適に使用できる。粒径がこれらの数値より大きくなると、塗膜に斑が生じやすくなり、均一な塗膜が得られないので適さない。酸化ナトリウム(NaO)の量が0.06重量%を超えると、液状組成物の硬化を阻害するので適さない。
尚、酸化アルミニウム粉末を配合することにより、塗膜の鉛筆硬度を向上できるとともに、高い電気絶縁性を得る事が出来る。
また、カップリング剤処理水酸化アルミニウム粉末は、平均粒径が3μm以下、最大粒径が25μm以下のものが好ましく、可溶性酸化ナトリウムは0.06重量%以下のものが好ましい。更に、エポキシシラン系やチタネート系カップリング剤で表面コーティングしたものが好適に使用できる。
エポキシシラン系カップリング剤で表面コーティングしたものが銅との密着性で優れている。粒径や可溶性酸化ナトリウム(Na2O)に対する数値の制限は酸化アルミニウム粉末の場合と同じ理由である。
また、カップリング処理剤で表面コーティングしないと塗膜にはじきがでて適さない。
尚、ゼオライト粉末、カオリン粉末、酸化アルミニウム粉末、カップリング剤処理水酸化アルミニウム粉末を配合することにより、塗膜の鉛筆硬度を向上できるとともに、高い電気絶縁性を得ることができる。
次に、これら放熱用金属酸化物粉末の添加量であるが、アルコキシシラン化合物の部分加水分解物25〜45重量%、金属酸化物75〜55重量%を含有する事が好ましい。
その添加量の上限は塗膜のチョウキング(粉末が塗膜表面に露出している現象)が発生しない範囲で、適宜に添加することができる。
これら放熱用粉末の添加により、放熱性の付与とともに、凹凸のある被覆体表面上に厚い塗膜を形成することができるとともに、ムラのない塗膜を形成することができる効果がある。
また、より高い放熱特性を得たい場合には、これら放熱用粉末に加えて黒鉛粉末を配合すれば良く、これら黒鉛粉末としては、天然黒鉛としての土状黒鉛、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、人造黒鉛が使用できるが、均一なコーティング膜形成の容易さからは土状黒鉛、鱗状黒鉛、人造黒鉛が好ましい。
これら黒鉛粉末の大きさとしては、塗膜の厚さから、平均粒径が5μm以下、最大粒径が25μm以下が好ましい。
また、黒鉛粉末の乾燥硬化後の塗膜に占める体積の割合としては、3.0%未満では輻射による放熱特性の向上がほぼ見られなくなり、10.0%を超えると塗膜下の基材との密着性が低下したり、鉛筆硬度などの塗膜強度が低下するとともに、輻射による放熱特性も低下してしまうので、内割りで3.0〜10.0%の範囲とすれば良い。尚、これら黒鉛粉末とともに、カーボンブラックを配合しても良い。
次に、第一液と第二液とを混合して本発明の液状組成物から成る塗料を調製し、この塗料を金属箔やフッ素系樹脂フイルムやキャリア材料フイルムの上に塗膜形成する手順について説明する。アルコキシシラン化合物の部分加水分解物からメタノール及び/又はエタノールを除いた後、有機溶剤を加えた溶液にエチルセルロースを添加し、溶解する。放熱粉体である、ゼオライト粉末、カオリン粉末、酸化アルミニウム粉末、カップリング剤処理水酸化アルミニウム粉末などを添加し、そして必要に応じて、更に、表面疎水化処理されたフュームドシリカ粉末や黒鉛を添加して、プロペラ型又は櫂型の回転翼を有する撹拌槽で、これら繊維や粉末と液体とが十分に均一状態となるように撹拌混合する。尚、この方式以外の撹拌方式を使用することもできる。
この時の混合温度は40℃以下が好ましい。40℃を越えると、混合液に皮張り(塗料の表面に生成する薄い膜状のもの)等が発生しやすくなり好ましくない。更に、必要に応じて、混合液をボールミルや3本ロール等に移し、粉末や繊維が充分に分散するまで混合、混練する。この際、前述と同じ理由で、混合、混練時の液温は40℃以下が好ましい。このようにして、第一液が得られる。
一方、アルコキシチタンを有機溶剤に溶解した第二液を準備する。前記の第一液と第二液とをプロペラ型あるいは櫂型の回転翼を有する撹拌槽で、両方の液が充分に混合されるまで、一般に10分間以上撹拌する。この時の撹拌液温度は30℃以下が好ましい。30℃を越えると被膜外観に不均一な斑点等が発生し好ましくない。前記の第一液と第二液を充分撹拌した後、脱泡すると塗工乾燥された塗膜にボイドが残りにくくなることから好ましい。また自転公転タイプの混合脱泡装置で脱泡すると、このボイド残り量が激減し、より好ましい。
塗料の調製に当たっては、第一液及び第二液の粘度を混合直前に互いにほぼ同じ粘度とするのが好ましい。また、塗料の調製時、不十分な混合による局部的な反応の進行を防止するために、アルコキシシラン化合物の部分加水分解物からメタノール及び/又はエタノールを除いた後、有機溶剤を加えた溶液に添加するエチルセルロース、表面疎水化処理されたフュームドシリカ粉末、ゼオライト粉末、カオリン粉末、酸化アルミニウム粉末、カップリング剤処理水酸化アルミニウム粉末や黒鉛等の一部をアルコキシチタンの有機溶剤溶液に添加し、ボールミルや3本ロールで充分混合、混練してもよい。この場合の混合、混練時の液温も、前述と同じ理由で40℃以下が好ましい。また、第一液と第二液は混合すると、直ちに反応し硬化を始めるので、第一液と第二液とを混合した後は、長時間放置することなく、速やかに対象物に塗工するのがよい。また、第一液と第二液とを混合した塗料は、残さずに使い切るのがよい。塗料が残った場合は、廃棄し再使用しないことが奨められる。塗料は、第一液と第二液とを別々に調製しておき、二者を混合して得ることもできるし、特定のアルコキシシラン化合物の部分加水分解物からメタノール及び/又はエタノールを除いた後有機溶剤を加えた溶液に、エチルセルロース、表面疎水化処理されたフュームドシリカ粉末、ゼオライト粉末、カオリン粉末、酸化アルミニウム粉末、カップリング剤処理水酸化アルミニウム粉末や黒鉛を混合し、しかる後にアルコキシチタンの有機溶剤溶液を混合することによっても得ることもできる。
放熱塗膜の厚さは、8.0〜80μm、好ましくは、12〜60μmである。
塗料の塗工・乾燥の方法は、公知の方法、即ち、スクリーン印刷、吹付け、ロールコートそれにカーテンフローコート等の方式で塗工し、その後乾燥炉内で乾燥して塗膜形成される。
次に、実施例2に係る放熱基板につき、図5、図6を参照して説明する。なお、上記実施形態と同一構成で重複する構成を省略する。
図5は、実施例2における放熱基板であるFR4放熱基板41を示す図である。前述した実施例1ではアルミ基板1に本発明を適用した形態を例示したが、本実施例2の放熱基板は、アルミ基板ではなく、従来、放熱効果が劣り利用できなかった通常のFR4基板を、アルミ基板と同等の放熱性を有するものとしたことを特徴としている。
本実施例2のFR4放熱基板41は、図5(a)に示すように、実装面の外観は、アルミ基板1とほぼ同一である。つまり、実装面に形成されているパターンはアルミ基板1と同一とされている。
よって、実装面には、アルミ基板1と同様に、LED素子2a〜2fの下面両端に設けられたアノード電極21とカソード電極22がハンダ接続される実装電極パターン44a〜44fと、カソード電極22にハンダ接続される放熱用電極43a〜43fとが形成され、それぞれの実装電極パターン44a〜44fの間に跨るように、LED素子2a〜2fが実装される(図5(a)の波線参照)。
また、FR4放熱基板41の裏面(実装面の反対面)にも、実装面と同様に銅箔が積層されており(図6参照)、該銅箔をエッチングによってパターンニングすることにより、図5(b)に示すように、6つの領域に区分けされた各放熱用電極43a〜43fに対応する裏面放熱用電極45a〜45fが、裏面の略全面に渡って形成されている。
これら放熱用電極43a〜43fの面積割合は、実装面と同じく、可能な限り大きくすること、つまり100%に近いものとすることが放熱の観点から好ましいが、各種パターンを絶縁するための間隙や基板周囲を絶縁するための非パターン領域を設ける必要があるので、これら必要な非パターン領域を除いた面積割合とすれば良いが、これらの面積割合としては、実装面の面積割合よりも低くても良い。
尚、本実施例2では、裏面放熱用電極45a〜45fの形状を、放熱用電極43a〜43fの形状に類似する形状としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの形状を全くことなる形状としても良い。
また、裏面放熱用電極45a〜45fは、図5(c)に示す、内部が電気メッキされたスルーホール46(φ=0.3mm)にて放熱用電極43a〜43fと導通接続されており、放熱用電極43a〜43fの熱が該スルーホール46を通じて裏面放熱用電極45a〜45fに伝達されるようになっている。
これらスルーホール46は、図5(c)に示すように、実装されるLED素子2a〜2fの中心位置から8方向に放射状に穿設されており、このようにすることで、これらスルーホール46が配列された放射方向位置においては、放熱用電極43a〜43fとほぼ同様の形状とされた裏面放熱用電極45a〜45fに熱が裏面に効率良く伝熱されて該裏面放熱用電極45a〜45fから熱が放射されるとともに、スルーホール46が配列されてないスルーホール列の間の領域においては、熱が裏面放熱用電極45a〜45fに伝わり難いことで放熱用電極43a〜43f上を伝熱し、熱が放熱用電極43a〜43f上に良好に広がることで、LED素子2a〜2fの中心位置から離れた位置の放熱用電極43a〜43fにおいても、放熱が良好に行われるようになる。
つまり、これらスルーホール46を放射状に設けることで、LED素子2a〜2fの熱が、放熱用電極43a〜43fまたは裏面放熱用電極45a〜45fの一方にのみ偏って伝熱されてしまうことを解消することができるようになることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらスルーホール46の配置位置や配置形状等は、使用するLED素子2a〜2fの形状等により適宜に決定すれば良い。
本実施例2の放熱用電極43a〜43fと裏面放熱用電極45a〜45fの表面には、実施例1と同様にハンダメッキが形成されているとともに、該ハンダメッキ上に実施例1に示した放熱性レジストインク1〜3に基づく放熱性レジスト膜51,52が形成されている。
尚、図6に示す断面図中の50は、FR4放熱基板41の基材となるガラス−エポキシ板層であり、本実施例では、一般的なFR4基板の厚みである1.6mmのガラス−エポキシ板層とした。但し、これらガラス−エポキシ板層の厚みは適宜に選択すれば良い。
また、本実施例2では、基材としてガラス−エポキシ板を使用した形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら基材として他の基板材料、例えば、紙フェノール基板や、セラミック基板やガラス基板であっても良い。
このようにして作成した本実施例2のFR4放熱基板41と、実施例1のアルミ基板1’との比較結果を図7に示す。
放熱と発熱とが平行して温度変化がほほ一定となる時間である30分が経過した時点からの60秒間における平均温度は、図7に示すように、アルミ基板1’が93.5℃、FR4放熱基板41が93.9℃となり、両者でほぼ同じ温度となった。
つまり、実装面に放熱用電極43a〜43fを設けるとともに、裏面放熱用電極45a〜45fを設け、更に、これら放熱用電極43a〜43f並びに裏面放熱用電極45a〜45fからの放熱を促進させる放熱性レジスト膜51、52を設けることで、通常のFR4基板であっても、従来のアルミ基板1’と同等の放熱性能を得ることができるようになり、これらアルミ基板1’における、アルミ板7を不要にできるとともに、アルミ板7との積層等の工程を削減でき、且つ基板の厚みも薄くできることから、低コストで、省スペースの放熱基板を得ることができる。
つまり、従来の放熱用のアルミ基板1’ように、アルミ板7を張り合わせる必要がないので、同等の放熱性能を有する放熱基板を低コストにて得ることができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、上記実施例では、基板に実装する発熱デバイスとしてLED素子を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらLED素子以外の発熱デバイスを実装するものであっても良い。
また、前記実施例では、LED素子として表面実装型のものを使用した形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら表面実装型以外のLED素子を使用しても良い。
また、前記実施例では、基板の外形形状を円形とした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら基板の外形形状は、該基板が装着される製品等の仕様により、適宜に決定すれば良い。
また、前記実施例では、ガラス−エポキシ基板に積層されている金属箔として銅箔が積層されているものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、銅以外の金属箔、例えば、アルミ箔やニッケル箔やスズ箔等であっても良い。
また、これら箔の厚みは適宜に決定すれば良く、箔ではなく、蒸着やメッキ等にてガラス基板やセラミック基板の絶縁基板の表面に積層した金属層であっても良い。
また、前記スルーホールの径や形状等は、前記実施例のものに限定されるものではなく、これらのスルーホールの径や形状、数等は、使用する発熱デバイスの大きさや放熱用電極の大きさ等から適宜に決定すれば良い。
1 アルミ基板
1’ アルミ基板
2a〜2f LED素子
3a〜3f 放熱用電極
4a〜4f 実装電極パターン
5 ガラス−エポキシ積層基板(絶縁層)
6 接着剤層
7 アルミ板
21 アノード電極
22 カソード電極
41 FR4放熱基板
43a〜43f 放熱用電極
44a〜44f 実装電極パターン
50 ガラス−エポキシ板層
51、52 放熱性レジスト膜

Claims (3)

  1. 電気絶縁板の少なくとも一面に金属層を有し、該金属層をパターン化することにより動作によって発熱する電子デバイスを実装するための実装端子部を含む回路が形成された放熱基板であって、
    前記電子デバイスが実装される実装面の該電子デバイスに覆われていない非実装領域の略全面に、前記実装端子部に繋がるように前記金属層を残したことによる金属放熱部を設けたことを特徴とする放熱基板。
  2. 前記金属層が前記電気絶縁板の両面に積層され、前記電子デバイスが実装される実装面の反対面にも前記金属放熱部を設けるとともに、該反対面の金属放熱部と前記実装面の金属放熱部とを、前記電気絶縁板を貫通するスルーホールにて導通させたことを特徴とする請求項1に記載の放熱基板。
  3. 前記金属放熱部の上面に、波長4〜15μmにおいて平均放射率70%以上を有する赤外線放射機能を有する電気絶縁性皮膜を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の放熱基板。
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