JP5905704B2 - 離型フィルムおよび離型フィルムの製造方法並びに離型コート剤 - Google Patents

離型フィルムおよび離型フィルムの製造方法並びに離型コート剤 Download PDF

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この発明は、フィルム状の基材の少なくとも一方の主面に離型層が積層された離型フィルムおよび離型フィルムの製造方法、並びに、フィルム状の基材の少なくとも一方の主面に積層されることにより離型フィルムの離型層を形成する離型コート剤に関する。
近年、プリント配線基板、インターポーザ基板、セラミック配線基板、セラミック積層部品、ゴムシート、偏光板や異方性導電フィルム等の各種フィルムなどの成型体の製造工程おいて使用されたり、接着フィルムや粘着フィルムの粘着面を保護する保護フィルムとして使用される離型フィルムの重要性が高まっている。離型フィルムは、ポリエステルなどの樹脂フィルムや紙などにより形成されるフィルム状の基材の少なくとも一方の主面に離型層が積層されたものが知られており、離型層は、シリコーンやフッ素樹脂、ポリオレフィンなどの離型性の高い材質により形成される。
また、離型層を形成する材質は、離型フィルムの使用目的に応じて最適なものが選択されるが、優れた離型性および耐熱性を有すると共に安価であることから、離型層を形成するのにオルガノシランであるアルキルシランから生成されるシリコーンが多用されており、シリコーンを主成分とする離型コート剤がフィルム状の基材の少なくとも一方の主面に積層されることにより形成された離型層を有する種々の離型フィルムが提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
特開昭63−251465号公報 特開2009−12317号公報 特開2010−17931号公報 特開2010−143037号公報 特開2007−237497号公報
ところで、シリコーンは優れた離型性を有するが、離型フィルムを成型体から剥離したときに、低分子量のシリコーンなどにより被離型面が汚染されることが問題となっている。すなわち、離型フィルムが使用された成型体の被離型面に、離型層を形成する低分子量のオルガノシランであるアルキルシランや低分子量の環状シロキサンが転写されることにより、被離型面に離型性が生じ、被離型面にさらに他の部材を積層するときの接着性に問題が生じるおそれがある。
また、フィルム状の基材に離型層を積層するときに用いられる離型コート剤に含まれる触媒や添加物、または、離型コート剤の溶剤に含まれるその他の不純物が成型体の被離型面に転写されることにより、被離型面が不純物により汚染されたり、被離型面の反応性が低下するなどの問題が生じるおそれがある。また、成型体の被離型面に転写されて残存した低分子量のオルガノシランや低分子量の環状シロキサンは高沸点物質だが揮発性が高いため、沸点以下の室温付近でも蒸気となって大気中へ拡散することにより、離型フィルムが用いられる配線基板等の製造工程において、蒸気が電気回路やリレー接点などの表面において電流による熱で分解され、絶縁性のシリカが析出し、接点不良が発生するおそれがあり問題となっていた。
本発明は、上記した課題に鑑みてなされたものであり、オルガノシランであるアルコキシシロキサンの中でも揮発性が非常に小さいポリアルコキシシロキサンが加水分解して縮合反応することにより得られるシリカを主成分とする離型層が形成されることにより、被離型面が汚染されるのを抑制することができる離型フィルムおよび離型フィルムの製造方法を提供すると共に、フィルム状の基材に積層されることにより当該離型層を形成する離型コート剤を提供することを目的とする。
発明の離型フィルムの製造方法は、少なくとも一方の主面の全面に渡って複数の水酸基を有するフィルム状の基材の、当該複数の水酸基を有する少なくとも一方の主面に、溶媒にポリアルコキシシロキサンを主成分とし、塩素、硫黄、リン、アルミニウムを含まない縮合反応促進触媒を含む溶質が溶解されて形成される離型コート剤を塗布し、加熱して乾燥させることにより、離型層を、水素結合および/または前記水素結合が縮合反応することによる共有結合より前記フィルム状の基材に積層し、前記フィルム状の基材は、少なくとも一つの水酸基を有するビニルモノマーの重合体またはセルロース類から成るポリマーフィルムであることを特徴としている。
また、前記縮合反応促進触媒は、少なくも、イソシアネート基またはイソシアヌレート基を含む化合物、1−4級アミンのカルボン酸、炭酸塩およびチタン系有機金属化合物のいずれか1つを含むとよい。
また、前記溶媒には、複数の無機粒子がさらに添加されているとよい。
請求項の発明によれば、少なくとも一方の主面の全面に渡って複数の水酸基を有するフィルム状の基材の、当該複数の水酸基を有する少なくとも一方の主面に、溶媒にポリアルコキシシロキサンを主成分とし、塩素、硫黄、リン、アルミニウムを含まない縮合反応促進触媒を含む溶質が溶解されて成る離型コート剤を塗布が塗布される。そして、塗布された離型コート剤が、加熱されて乾燥することにより、オルガノシランであるアルコキシシロキサンの中でも揮発性が非常に小さいポリアルコキシシロキサンが加水分解して縮合反応することにより得られるシリカを主成分とする離型層が、水素結合および/または前記水素結合が縮合反応することによる共有結合よりフィルム状の基材に積層される。したがって、従来の離型フィルムのように、低分子量のオルガノシランであるアルキルシランや低分子量の環状シロキサンが転写されることにより成型体の被離型面が汚染されるおそれがなく、被離型面が汚染されるのを抑制することができる離型フィルムを製造することができる。
請求項の発明によれば、少なくも、イソシアネート基またはイソシアヌレート基を含む化合物、1−4級アミンのカルボン酸、炭酸塩およびチタン系有機金属化合物のいずれか1つを含む縮合反応促進触媒が用いられることにより、離型性を損なうことが無く、成型体の被離型面に縮合反応促進触媒を形成する物質が転写することにより被離型面が汚染するのを抑制することができる離型層をフィルム状の基材に形成することができる。
前述のように塩素、硫酸、硝酸、リン酸、アルミニウム等のイオン性等の不純物は、各種配線基板や半導体に設けられたアルミニウムや銅配線の腐食、エレクトロマイグレーション等の不良を引き起こすことが知られており、これらを含まない縮合反応促進触媒としては、各種アミン、チタン系有機金属化合物等が知られている。しかし各種アミンは非常に活性の高い触媒であることから、各種アミンを配合した離型コート剤は常温でも反応が進むため離型コート剤の保存安定性に欠ける。
各種アミンをカルボン酸、炭酸塩とすると、温度をかけないとカルボン酸や炭酸が外れないため常温では反応活性の低いアミン触媒を得ることができる。さらに、イソシアネート基またはイソシアヌレート基を含む化合物は、空気中の水分と反応することによりアミンを発生することができるため、離型コート剤中に水分を含まなければ保存安定性のある縮合反応促進触媒を提供することができる。
請求項の発明によれば、離型コート剤を形成する溶媒には、複数の無機粒子がさらに添加されているため、複数の無機粒子を含み、表面に複数の無機粒子による凹凸が形成された離型層をフィルム状の基材に容易に形成することができる。
本発明の離型フィルムの第1実施形態を示す断面図である。 本発明の離型フィルムの第2実施形態を示す断面図である。 本発明の離型フィルムの一例を示す図である。 本発明の離型フィルムの一例を示す図である。
<第1実施形態>
本発明の離型フィルムの第1実施形態について図1を参照して説明する。図1は本発明の離型フィルムの第1実施形態を示す図である。
図1に示すように、本発明の離型フィルム1は、フィルム状の基材2と、フィルム状の基材2に積層された離型層3とを備え、a)積層板やインターポーザなどの配線板、b)セラミックコンデンサー用グリーンシートを形成する際に使用されたり、c)半導体を製造する際に使用されるフィルム状の異方性導電フィルムやダイボンドフィルム等の剥離フィルムとして使用されたり、d)CFRP(炭素繊維強化プラスチック)の離型フィルムとして使用される。
離型フィルム1は、少なくとも一方の主面の全面に渡って複数の水酸基を有するフィルム状の基材2の、当該複数の水酸基を有する少なくとも一方の主面に、離型コート剤が塗布され、塗布された離型コート剤がオーブン炉等により加熱されて乾燥することにより、水素結合および/または水素結合が縮合反応することによる共有結合より基材2に離型層3が積層されて形成される。
基材2は、少なくとも一方の主面の前面に渡って複数の水酸基を有している。具体的には、フィルム状の基材2は、少なくとも一つの水酸基を有するビニルモノマーの重合体から成るポリマーフィルムであって、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル部分ケン化物(ビニルアルコール酢酸ビニル共重合体)、エチレンビニルアルコール、ビニルアルコール共重合体、例えば特開2006−124682号公報に開示されている1,2−ジオール構造単位を側鎖に含有するポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルブチラ―ル等、またはセルロース(セロハン紙)、部分変性セルロース、紙等のセルロース類、もしくはこれら水酸基を有するポリマーを片面または両面にコートしたフィルムにより形成される。
また、基材2は、ポリマーフィルムの表面にコロナ放電処理、プラズマ処理、ナトリウム/ナフタレン錯体溶液による親水化処理により少なくとも一方の主面に水酸基が形成されたポリマーフィルムであってもよい。
離型層3は、塩素、硫黄、リン、アルミニウムを含まない縮合反応促進触媒が用いられてポリアルコキシシロキサンが加水分解して縮合反応することにより得られるシリカを主成分とし、複数の水酸基を有する基材2の一方の主面に水素結合および/または前記水素結合が縮合反応することによる共有結合により積層されている。
フィルム状の基材2の少なくとも一方の主面に積層されることにより離型フィルム1の離型層3を形成する離型コート剤は、溶媒にポリアルコキシシロキサンを主成分とし、塩素、硫黄、リン、アルミニウムを含まない縮合反応促進触媒を含む溶質が溶解されて形成される。
溶媒は、エタノールや2−プロパノールのようなアルコール系を用いることができる。また、離型コート剤を保管するときの安全性を考慮して、引火点が20℃未満にならないエーテル系やケトン系のような極性溶媒を用いてもよい。
具体的には、アルコール系溶媒としては、1−プロパノール、ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、n−ブトキシエタノール、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチルエーテルなどが例示される。また、離型コート剤を保管するときの安全性を考慮して、混合溶媒の引火点が20℃ 未満にならない範囲であれば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの低引火性アルコールを配合してもよい。
また、ケトン系溶媒としては、メチル−n−ブチルケトン、メチルペンチルケトン、ジイソブチルケトンなどが例示される。また、エーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテートなどが例示される。
縮合反応促進触媒は、少なくも、イソシアネート基またはイソシアヌレート基を含む化合物、1−4級アミンのカルボン酸、炭酸塩およびチタン系有機金属化合物のいずれか1つを含んでいる。
イソシアネート基を含む化合物とは、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2―メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、2―アクリロイルオキシエチルイソシアナート等が例示される。
またイソシアネートをブロック化したイソシアネートブロック体は、加熱すると脱ブロックしてイソシアネートを再生させるものであり、加熱して離型層を硬化させる本発明には特に有効である。イソシアネートブロック体としては、例えばピラゾールブロックイソシアネート基をブロック剤とする2−[(3,5―ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート等、メチルエチルケトキシム基をブロック剤とするメタクリル酸 2−(0−[1'−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル等があり、その他のブロック剤としてはジエチルマロネート、カプロラクタム等が例示される。
またイソシアヌレート基を含む化合物とは、旭化成ケミカルズのデュラネートTSA−100,TSS−100,TSE−100等、日華化学のNKアシストNY等が例示される。イソシアヌレート基は、イソシアネート基の3量体であり、同様に水と反応してアミンを生成することが知られている。
1−4級アミンのカルボン酸、炭酸塩とは、まず高分子型のアミンを含む1―3級アミンにカルボン酸または炭酸を反応させて得られる塩をいう。カルボン酸にはアンモニア、酢酸等が例示されるが、酢酸が1−3級アミンと反応すると1−3級アミンの酢酸塩が得られる。また4級アミンのカルボン酸、炭酸塩は4級アンモニウム塩のアニオン交換により得られる。1級アミンとしてはエチレンジアミン、2−アミノエタノール、ヘキサメチレンジアミン、アニリン、アミノシラン等、2級アミンとしてはジエチルアミン、3級アミンとしてはN,N-ジメチル-2-プロパンアミン、テトラメチルエチレンジアミン、トリエタノールアミン、高分子型のアミンとしてはポリエチレンイミン、ポリエチレンジアミン、ポリアリルアミン等が例示される。
一般的にオルガノシラン(アルキルシランとアルコキシシラン)の縮合反応促進触媒には、塩酸、硫酸、リン酸のような無機酸が使用される。また、カルボン酸、スルホン酸、有機リン酸等の有機酸や各種アミン、さらにチタンやアルミニウム系の有機金属化合物も使用することができる。縮合反応促進触媒は、シラノール、アルコキシ基の縮合を促進するものであれば特に限定はされないが、縮合反応促進触媒としては、特に、無機酸、アミン、チタン系触媒が、硬化速度や塗膜の強度の点で好ましい。
ところが、離型フィルム1の基材2および離型層3からの低分子量物質やイオン性化合物等が成型体の被離型面に移行したり転写したりすることによる被離型面の汚染を考えると、塩酸、硫酸、リン酸のような無機酸、スルホン酸、有機リン酸等の有機酸、アルミニウム系の有機金属化合物を縮合反応促進触媒に使用することは適当ではなく、また、アルミニウム系の有機金属化合物を縮合反応促進触媒に使用すると、離型層3の離型性が非常に小さく、アルミニウム系の有機金属化合物を縮合反応促進触媒に使用することは適当ではない。
したがって、離型コート剤(離型層3)から物質が成型体の被離型面に移行または転写することによる被離型面の成型物の汚染を考慮すると、縮合反応促進触媒として各種アミン系の触媒が使用するのが最適であるが、アミン系の触媒は室温での反応活性が高いため、離型コート剤を保管するときの安定性に欠け不適当である。
これを解決するために、本発明者は種々の実験を繰り返すことにより、微アルカリ性から微酸性になるように、各種アミンに150℃以下の沸点を有する炭酸またはカルボン酸を添加することで、各種アミンの室温での反応活性を抑制し、保存安定性に優れた離型コート剤を得ることができた。
カルボン酸としてはギ酸、酢酸、プロピオン酸が例示され特に酢酸が好ましい。各種アミンに関しては、1つ以上のアミノ基を有する低分子化合物から高分子化合物まで広範な化合物が使用することができるが、離型層3(離型コート剤)から成型体の被離型面へ物質が移行または転写することによる被離型面の汚染を考慮すると、1つ以上のアミノ基を有する高分子化合物が最適である。1つ以上のアミノ基を有する高分子化合物としては、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等、またはこれらのモノマーとビニルアルコールの共重合体が例示される。
また、1つ以上のアミノ基を有する化合物としては、ポリアルコキシシロキサンと反応することにより、離型層3から成型体の被離型面に物質が移行または転写することができるので、アミノシランや1つ以上の水酸基およびアミノ基を含む化合物も最適である。アミノシランとしては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等が例示される。また、1つ以上の水酸基およびアミノ基を含む化合物としては、2−アミノエタノール、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、あるいは、カナマイシン等のアミノグルコキシド類等が例示される。
また、イソシアネート基を含む化合物は水と反応して、二酸化炭素とアミノ基に変換することが一般的に知られている。この反応を利用して室温での反応活性の低い縮合反応促進触媒を提供することができる。離型コート剤の溶媒および溶質の水含量を極度に制限することにより、離型コート剤の液中では水が存在しなければ、イソシアネート基を含む化合物はアミノ基に変換されない。ところが、フィルム状の基材2に離型コート剤を塗布することにより離型フィルム1を製造する際に、環境中の雰囲気(空気)の湿度から水を得ることによりイソシアネート基がアミノ基に変換反応することで、ポリアルコキシシロキサンの縮合反応促進触媒として機能する。したがって、水と反応してアミノ基に変換されるイソシアネート基を含む化合物、さらには前記化合物にブロック剤を添加して、高温でのみそのブロック剤がイソシアネート基から解離することにより反応性を制御する方法も本発明の縮合反応触媒として使用することができる。
また、イソシアネート基を含む化合物は、 イソシアネート基を含む化合物とは、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2―メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、2―アクリロイルオキシエチルイソシアナート等が例示される。
またイソシアネートをブロック化したイソシアネートブロック体は、加熱すると脱ブロックしてイソシアネートを再生させるものであり、加熱して離型層を硬化させる本発明には特に有効である。イソシアネートブロック体としては、例えばピラゾールブロックイソシアネート基をブロック剤とする2−[(3,5―ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート等、メチルエチルケトキシム基をブロック剤とするメタクリル酸 2−(0−[1'−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル等があり、その他のブロック剤としてはジエチルマロネート、カプロラクタム等が例示される。
またイソシアヌレート基を含む化合物とは、旭化成ケミカルズのデュラネートTSA−100,TSS−100,TSE−100等、日華化学のNKアシストNY等が例示される。イソシアヌレート基は、イソシアネート基の3量体であり、同様に水と反応してアミンを生成することが知られている。
1−4級アミンのカルボン酸、炭酸塩とは、まず高分子型のアミンを含む1―3級アミンにカルボン酸または炭酸を反応させて得られる塩をいう。カルボン酸にはアンモニア、酢酸等が例示されるが、酢酸が1−3級アミンと反応すると1−3級アミンの酢酸塩が得られる。また4級アミンのカルボン酸、炭酸塩は4級アンモニウム塩のアニオン交換により得られる。1級アミンとしてはエチレンジアミン、2−アミノエタノール、ヘキサメチレンジアミン、アニリン、アミノシラン等、2級アミンとしてはジエチルアミン、3級アミンとしてはN,N-ジメチル-2-プロパンアミン、テトラメチルエチレンジアミン、トリエタノールアミン、高分子型のアミンとしてはポリエチレンイミン、ポリエチレンジアミン、ポリアリルアミン等が例示される。
また、本発明者による鋭意検討の結果、用途によってはイオン性化合物の被離型面への移行、転写が問題となる場合があるが、チタン系有機金属触媒を用いた場合の離型層3の離型性の発現が良好であることから、チタン系有機金属触媒も、本発明の縮合反応促進触媒として用いることができる。
チタン系有機金属触媒としては、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトライソプロピルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、ジイソプロポキシチタンビス(アセチルアセトネート)、イソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)等が例示される。
なお、縮合反応促進触媒の含有量は、触媒量であり、通常、ポリアルコキシシロキサン等の固形分の合計100質量部に対して、0.1〜20質量部であるとよい。
また、離型コート剤をフィルムに塗布する方法としては、例えば、原崎勇次著、「コーティング方式」(槙書店、1979年発行)に記載されている周知の塗布技術を用いることができる。具体的には、エアドクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、含浸コーター、リバースロールコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、キスロールコーター、キャストコーター、スプレイコーター、カーテンコーター、カレンダコーター、押出コーター、バーコーター等のような塗布技術が例示される。
また、離型コート剤層の膜厚は、最終的なコート膜として、通常、0.001〜1.0ミクロン、好ましくは0.001〜0.05ミクロンである。離型コート剤層の膜厚が0.001ミクロン未満の場合は、離型層3の十分な離型性が得られない恐れがあり、1.0ミクロンを超える離型コート剤の膜厚では、離型層3表面の鏡面性劣化や、離型フィルム1の製造コストの増大を招くため好ましくない。
以上のように、上記した実施形態では、少なくとも一方の主面の全面に渡って複数の水酸基を有するフィルム状の基材2の少なくとも一方の主面に、塩素、硫黄、リン、アルミニウムを含まない縮合反応促進触媒が用いられてポリアルコキシシロキサンが加水分解して縮合反応することにより得られるシリカを主成分とする離型層3が、水素結合および/または水素結合が縮合反応することによる共有結合により積層されている。したがって、オルガノシランであるアルコキシシロキサンの中でも揮発性が非常に小さいポリアルコキシシロキサンが加水分解して縮合反応することにより得られるシリカを主成分とする離型層3がフィルム状の基材2に形成されているため、従来の離型フィルムのように、低分子量のオルガノシランであるアルキルシランや低分子量の環状シロキサンが転写されることにより成型体の被離型面が汚染されるおそれがなく、被離型が汚染されるのを抑制することができる離型フィルムを提供することができる。
また、OH基を有するシリカを主成分とする離型層3は、フィルム状の基材2に水素結合および/または水素結合が縮合反応することによる共有結合により直接接着されて積層されている。したがって、離型層3をフィルム状の基材2に接着するための接着層(アンカーコート層)が必要なく、従来のように、接着層を形成する物質が成型体の被離型面に転写することにより被離型面が汚染されるおそれがない離型フィルムを提供することができる。
また、離型層3は、塩素、硫黄、リン、アルミニウムを含まない縮合反応促進触媒が用いられてポリアルコキシシロキサンが加水分解して縮合反応することにより得られるシリカを主成分として形成されている。したがって、縮合反応促進触媒として、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸や、スルホン酸、有機リン酸などの有機酸が使用されていないため、低分子量物質やイオン性化合物などが成型体の被離型面に転写することにより被離型面が汚染されるおそれがない離型フィルム1を提供することができる。また、縮合反応促進触媒として、アルミニウム系の有機金属化合物が使用されていないため、離型層3の離型性が低下するおそれがなく、優れた離型性を有する離型フィルム1を提供することができる。
また、フィルム状の基材2の少なくとも一方の主面に水酸基が形成されているため、ポリアルコキシシロキサンが加水分解して縮合反応することにより得られるシリカを主成分とする離型層3が、水素結合および/または水素結合が縮合反応することによる共有結合によりフィルム状の基材2に確実に結合された離型フィルム1を提供することができる。
また、少なくとも一方の主面の全面に渡って複数の水酸基を有するフィルム状の基材2の、当該複数の水酸基を有する少なくとも一方の主面に、溶媒にポリアルコキシシロキサンを主成分とし、塩素、硫黄、リン、アルミニウムを含まない縮合反応促進触媒を含む溶質が溶解されて成る離型コート剤を塗布が塗布される。そして、塗布された離型コート剤が、加熱されて乾燥することにより、オルガノシランであるアルコキシシロキサンの中でも揮発性が非常に小さいポリアルコキシシロキサンが加水分解して縮合反応することにより得られるシリカを主成分とする離型層3が、水素結合および/または前記水素結合が縮合反応することによる共有結合よりフィルム状の基材2に積層される。したがって、従来の離型フィルムのように、低分子量のオルガノシランであるアルキルシランや低分子量の環状シロキサンが転写されることにより成型体の被離型面が汚染されるおそれがなく、被離型面が汚染されるのを抑制することができる離型フィルム1を容易に製造することができる。
また、少なくも、イソシアネート基またはイソシアヌレート基を含む化合物、1−4級アミンのカルボン酸、炭酸塩およびチタン系有機金属化合物のいずれか1つを含む縮合反応促進触媒が用いられることにより、離型性を損なうことが無く、成型体の被離型面に縮合反応促進触媒を形成する物質が転写することにより成型体の被離型面が汚染するのを抑制することができる離型層3をフィルム状の基材2に形成することができる。
また、アルコール系、エーテル系およびケトン系のいずれかの溶媒を用いて離型コート剤を形成することにより、実用的な構成の離型コート剤を提供することができる。
また、離型コート剤の溶媒には、ポリアルキルシランがポリアルコキシシロキサン100重量部に対して1から100重量部がさらに溶解されていてもよい。このようにすると、離型コート剤がフィルム状の基材2に積層されることにより形成される離型層3の離型性を向上することができる。
また、セラミックコンデンサー用のグリーンシート形成用途等に用いられる離型フィルム1は、一般的に、表面抵抗値を約9×1012Ω/□以下にしないと、半硬化したグリーンシートを離型フィルム1から剥離するときに静電気による不具合が生じることが知られている。しかしながら、ビニルアルコールを含むポリマーフィルムはフィルム自体が帯電防止性能(1010Ω/□程度)を有するため、帯電防止剤を添加する必要がない離型フィルム1を提供することができる。
<第2実施形態>
本発明の離型フィルムの第2実施形態について図2を参照して説明する。図2は本発明の離型フィルムの第2実施形態を示す図である。
この実施形態が上記した第1実施形態と異なるのは、図2に示すように、離型層3が、複数の無機粒子4をさらに含み、離型層3の表面に複数の無機粒子4による凹凸が形成されている点である。その他の構成は上記した第1実施形態と同一であるため、その構成の説明については説明を省略する。
離型フィルム10は、少なくとも一方の主面の全面に渡って複数の水酸基を有するフィルム状の基材2の、当該複数の水酸基を有する少なくとも一方の主面に、離型コート剤が塗布され、塗布された離型コート剤が加熱されて乾燥することにより、水素結合および/または水素結合が縮合反応することによる共有結合より基材2に離型層3が積層されて形成される。このとき、この実施形態の離型コート剤には、複数の無機粒子4がさらに添加されている。
無機粒子4は、1nmから100ミクロンまでの粒子が好ましいが、粒子の大きさは特に限定されるものではない。また、各種のフィルム状の基材2および離型コート剤に含まれる他の物質との密着性のよい粒子を選択することが好ましい。したがって、水素結合を作る表面官能基であるOH基を有する無機粒子であるタルク、ベントナイト、シリカ等の粒子を溶媒に添加するとよい。また、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を成型する際に生成されるガスや液体を吸収する粒子を選択することにより、前記ガスや液体を吸収することができるので好ましい。
具体的には、無機粒子4は、タルク(一般式[MgSi10(OH)]で表わされる含水珪酸マグネシウム)、カオリン(一般式[AlSi(OH)]で表わされる含水珪酸アルミニウム)、ベントナイト、マイカ、クレー(白色粘土)等の天然鉱物および類似の合成鉱物の粒子で構成することができる。
また、無機粒子4は、シリカ(一般式[SiO]で表わされる二酸化ケイ素)、ガラス、アルミナ(一般式[Al]で表わされる酸化アルミニウム)、水酸化アルミ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、窒化アルミ、窒化ケイ素、窒化ホウ素、塩化カルシウム、塩化アルミニウム等の酸化ケイ素、酸化金属、炭酸金属、塩化金属化合物の粒子で構成することができる。また、無機粒子4は、カーボンブラック、グラファイトまたはカーボンナノチューブ等の炭素化合物の粒子で構成することができる。
このように構成すると、離型層3は、複数の無機粒子4をさらに含み、表面に複数の無機粒子4による凹凸が形成されているため、例えば、積層板等を形成する熱硬化性樹脂を成型する際に、成型体である熱硬化性樹脂の被離型面に凹凸が形成されるため、アンカー効果により、被離型面に熱硬化性樹脂をさらに積層するときに接着面の接着強度を向上することができる。また、被離型面に塗装をする場合の塗装面の被離型面に対する接着強度を向上することができる。また、例えば、接着剤や粘着剤の保護フィルムとして離型フィルムが使用される際に、離型層3に凹凸が形成されているため、接着剤や粘着剤と離型層3との接触部分の面積が減少するので、より剥がし易い離型フィルム10を提供することができる。
また、離型コート剤を形成する溶媒に、複数の無機粒子4がさらに添加されることにより、複数の無機粒子4を含み、表面に複数の無機粒子4による凹凸が形成された離型層3をフィルム状の基材2に容易に形成することができる。
なお、上記したように、離型コート剤層の膜厚は、最終的なコート膜として、通常、0.001〜1.0ミクロン、好ましくは0.001〜0.05ミクロンとするのが好ましい。しかしながら、この第2実施形態のように、離型層3が、複数の無機粒子4をさらに含むことにより、離型層3の表面に無機粒子4による凹凸が形成されている場合には、離型層3の膜厚は上記した膜厚に制限されるものではなく、無機粒子4の形状や大きさに応じて、離型層3の膜厚を適宜設定すればよい。
具体的な実施例について、図3および図4を参照して説明する。図3および図4は本発明の離型フィルムの一例を示す図である。なお、本発明は後述する実施例に限定されるものではない。
A.エポキシ接着剤に対する離型性(配線板、CFRP等)
(1)離型フィルム
図3中の実施例1〜11に示す離型フィルムを以下のようにして作成した。各離型コート剤の調整は、ポリアルコキシシランであるシリケート45またはシリケート51を5g(必要に応じてKR500を添加)と、各触媒をシリケートに対して重量で1%から5%を溶媒のIPA(イソプロピルアルコール)またはMEK(メチルエチルケトン)の95gに添加して、室温で撹拌させることにより各離型コート剤を得た。得られた離型コート剤は常温で1カ月放置し、各離型コート液の安定性を確認した。
得られた各離型コート剤をバーコーターで厚み12μmのボブロンフィルム(ポリビニルアルコール(PVA):日本合成化学工業(株)製)または厚み21μmのセロハンフィルム(フタムラ化学(株)製)にウエット膜厚で約10μm塗布(コート)し、各所定の温度で5分間加熱処理後、室温で1日乾燥固化させることにより各離型フィルムを得た。なお、図3中の実施例11の無機粒子であるタルクを添加する場合には、シリケート51を5g、タルクSG95を2.5g、触媒をシリケートに対して重量で5%、分散剤を0.2gを溶媒のIPA(イソプロピルアルコール)25gに添加して、室温で撹拌させて離型コート剤を得た。
(2)エポキシ接着剤に対する離型性の確認
図3中の実施例1〜11に示すように、各離型コート剤により作成された各離型フィルムに各種硬化性エポキシ樹脂を塗布し当該エポキシ樹脂の剥離性を確認した。ボブロンフィルムおよびセロハンフィルムにおける各種エポキシ樹脂の剥離性結果は同様であった。なお、同図中に示す「剥離性」において、”○”は剥製性が良好であった場合を示し、”×”は剥離性が不良であった場合を示す。また、同図中に示す「常温安定性」において、”○”は安定性が良好であった場合を示し、”×”は安定性が不良であった場合を示す。
硬化性エポキシ樹脂Aは、ビスフェノールAエポキシ樹脂JER827[ジャパンエポキシレジン(株)製;商品名(JERは登録商標):エポキシ当量180](BISAEP)を5g、無水フタル酸NH2000[日立化成工業(株)製:3or4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸]を4.5g、さらに2−エチル−4−メチルイミダゾールを0.05g混ぜ合わせて得たものを、各離型フィルムの上に150℃で3時間硬化後、剥離性を確認した結果を示す。
硬化性エポキシ樹脂Bは、脂肪族環状エポキシ(ダイセル化学、セロキサイド2021)5gとエーテル系ポリオール(保土ケ谷化学製PTG1000)5gにジアミノジフェニルメタン0.15gを混ぜ合わせて得たものを、各離型フィルムの上に150℃で1時間硬化後、剥離性を確認した結果を示す。
硬化性エポキシ樹脂Cは、脂肪族環状エポキシ(ダイセル化学、セロキサイド2021)5gとエーテル系ポリオール(保土ケ谷化学製PTG1000)5gにカチオン重合開始剤(三新化学工業、サイエイドSI−60L)0.15gを混ぜ合わせて得たものを、各離型フィルムの上に110℃で1時間硬化後、剥離性を確認した結果を示す。
また、図3中の各実施例1〜11では、シリケー45:多摩化学工業(株)製、シリケート51:扶桑化学工業(株)製、KR500:信越化学工業(株)製、エチレンジアミン:東京化成工業製、2−アミノエタノール:東京化成工業製、ポリエチレンジアミン:東京化成工業製、イソシアネート系(NKアシストIS100N):日華化学(株)製、イソシアヌレート系(NKアシストNY):日華化学(株)製、リン酸系(X40−2309A):信越化学工業(株)製、アルミ系(DX9740):信越化学工業(株)製、チタン系(D25):信越化学工業(株)製、タルクSG95(2μ品):日本タルク(株)製が使用されている。
(3)離型フィルムの特性
エポキシは、プリント基板およびCFRP(炭素繊維)において主に使用されている接着剤であり、他の接着剤であるポリエステルやポリイミド等に比べてより強い接着強度を発現する。エポキシ樹脂は、エポキシおよび硬化剤を含んでいるが、エポキシは、ビスフェノールA系の芳香族エポキシと脂肪族環状エポキシに分別され、硬化剤は、酸無水物、アミン、カチオン重合剤に分別される。そして、用途に応じて、これらが組み合わされることにより、所定の特性を有するエポキシ樹脂が形成される。一般的には芳香族エポキシと酸無水物の組み合わせが、最も用途が広く、離型しにくいエポキシ樹脂となる。
一般的にエポキシは水酸基と反応するが、本発明の離型コート剤のうち、リン系およびアルミ系の縮合反応促進触媒が用いられて離型層が形成された離型フィルムは、芳香族エポキシと酸無水物の組み合わせにおいて離型性に問題が生じている。これは、縮合反応促進触媒の種類により、離型層(シリカ層)の表面状態が異なっていることを示唆しており、アミン系、イソシアネート系、イソシヌアレート系、チタン系の縮合反応促進触媒が用いられて離型層が形成された離型フィルムでは、離型層(シリカ層)表面に水酸基に生成されるのが抑制されていると考えられる。
また、図3中の実施例11に示すように、離型層が無機粒子であるタルクを含む場合であっても、離型層は良好な離型性を有している。
B.セラミックシートの離型フィルム
(1)離型フィルム
図4中の実施例12〜17に示す離型フィルムを以下のようにして作成した。各離型コート剤の調整は、ポリアルコキシシランであるシリケート45またはシリケート51を5g(必要に応じてKR500を添加)と、各触媒をシリケートに対して重量で1%から5%を溶媒のIPA(イソプロピルアルコール)またはMEK(メチルエチルケトン)の95gに添加して、室温で撹拌させて各離型コート剤を得た。
得られた離型コート剤を、厚み12μmのポリエステル(PET)フィルム(ルミラーS10、東レ製)にコロナ放電処理に親水化処理を施し、その処理面にバーコーターによりウエット膜厚で約10μm塗布(コート)し、150℃で5分間の加熱処理後、室温で1日乾燥固化させることにより離型フィルムを得た。また、厚み12μのボブロンフィルム(ポリビニルアルコール(PVA):日本合成化学工業(株)製)については、コロナ放電処理なしで離型コート剤をバーコーターによりウエット膜厚で約10μm塗布し、150℃で5分間の加熱処理後、室温で1日乾燥固化させることにより離型フィルムを得た。なお、得られた各離型フィルムの表面抵抗値を測定したところ1011Ω/□以下であったので、ボブロンフィルムに関してはセラミックシートの離型フィルムに必要な帯電防止処理を行う必要がない。
(2)セラミックシートに対する離型性の確認
各離型コート剤により作成された各離型フィルムの離型層上に、チタン酸バリウム:100重量部、水分散性酢酸ビニル樹脂:10重量部、ポリカルボン酸:1重量部、水:20重量部の組成の水系セラミックスラリーをドクターブレード法にてコートし、乾燥固化させたのち、セラミックシートを剥離し、厚さ50μmのセラミックシートを得たときの、セラミックシートの剥離性を確認した。
図4中の実施例12〜17に示すように、各離型シートは、良好な剥離性を有している。なお、同図中に示す「剥離性」において、”◎”は剥離性が非常に良好であった場合を示し、”○”は剥製性が良好であった場合を示し、”×”は剥離性が不良であった場合を示す。また、同図中に示す「コート性」において、”○”は離型フィルムの離型層を水系セラミックスラリーで良好にコートできたことを示す。
なお、本発明は上記した各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上記したもの以外に種々の変更を行なうことが可能であり、フィルム状の基材の両面に離型層を形成してもよい。
1,10 離型フィルム
2 フィルム状の基材
3 離型層
4 無機粒子

Claims (3)

  1. 少なくとも一方の主面の全面に渡って複数の水酸基を有するフィルム状の基材の、当該複数の水酸基を有する少なくとも一方の主面に、溶媒にポリアルコキシシロキサンを主成分とし、塩素、硫黄、リン、アルミニウムを含まない縮合反応促進触媒を含む溶質が溶解されて形成される離型コート剤を塗布し、加熱して乾燥させることにより、離型層を、水素結合および/または前記水素結合が縮合反応することによる共有結合より前記フィルム状の基材に積層し、
    前記フィルム状の基材は、少なくとも一つの水酸基を有するビニルモノマーの重合体またはセルロース類から成るポリマーフィルムであることを特徴とする離型フィルムの製造方法。
  2. 前記縮合反応促進触媒は、少なくも、イソシアネート基またはイソシアヌレート基を含む化合物、1−4級アミンのカルボン酸、炭酸塩およびチタン系有機金属化合物のいずれか1つを含むことを特徴とする請求項に記載の離型フィルムの製造方法。
  3. 前記溶媒には、複数の無機粒子がさらに添加されていることを特徴とする請求項またはに記載の離型フィルムの製造方法。
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