JPWO2008016157A1 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、芳香族ポリカーボネート樹脂を含有し、外観、衝撃強度、熱安定性、耐加水分解性、難燃性に優れた樹脂組成物を提供することにある。本発明は、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)75〜99.98重量%、(B)ポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体とからなる混合体(B成分)0.01〜5重量%、および(C)難燃剤(C成分)0.01〜20重量%を含有し、B成分のナトリウム金属イオン含有量(ただし、ポリテトラフルオロエチレン粒子中のナトリウム金属イオンは除く)が10ppm以下であることを特徴とする樹脂組成物およびその成形体である。

Description

本発明は、芳香族ポリカーボネートを含有する樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、外観、衝撃強度、熱安定性、耐加水分解性に優れた樹脂組成物に関する。
芳香族ポリカーボネート樹脂は、透明性を有し、かつ優れた難燃性、耐熱性および強度を有することから、広い分野で使用されている。しかし、近年、電子・電気機器部品、OA関連部品は、薄肉化の傾向がありこれらの分野に芳香族ポリカーボネート樹脂を用いるにはその難燃性をさらに向上させる必要がある。最近ではこれらの分野に用いる樹脂にUL規格(米国アンダーライターズラボラトリー規格)−94においてV−0に適合するような高度な難燃性が要求されることが多い。また、高度な難燃性を得るためには燃焼時の樹脂の滴下(ドリップ)が起こらないことが重要である。
一般的にドリップ抑制剤としてポリテトラフルオロエチレン(PTFEということがある)が知られている。しかし、PTFEは、静電気などの影響により二次凝集しやすいので、芳香族ポリカーボネート樹脂に配合すると、押出機シリンダーへのフィード性不良が発生しやすい。また分散性悪化に伴い、得られる樹脂組成物の外観を悪化させ、衝撃強度を低下させるという欠点がある。PTFEの分散性を向上させるため、PTFEと有機系重合体を混合する方法が各種提案されている(特許文献1〜4参照)。
一方、成形条件も厳しくなる傾向がある。例えば、射出速度は高速化し、成形温度も高くなりつつある。よって、厳しい成形条件にも耐える熱安定性を有する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が求められている。即ち、成形時の熱履歴により成形体の変色のような不良現象が、厳しい成形条件においても生じないことが求められている。また同時に、電子・電気機器部品、OA関連部品などでは、製品の耐久性を高めるという観点から優れた耐加水分解性も求められている。
そのため、芳香族ポリカーボネート樹脂中のPTFEの分散性を向上させ、良好な外観、耐衝撃性、熱安定性、耐加水分解性を有し、ドリップが発生しない樹脂組成物が望まれている。
特許文献1では、PTFEを有機系重合体と混合することにより、PTFEの分散性を向上させることが提案されている。しかし、樹脂組成物の熱安定性および耐加水分解性については満足できるものではい。また特許文献2〜4においても、同様の方法でPTFEの分散性を向上させているが、樹脂組成物の耐加水分解性については満足できるものとは言えず、さらに衝撃強度に関しても十分であるとはいえない。
また、芳香族ポリカーボネート樹脂にリン系、フェノール系、硫黄系の熱安定剤を添加すると、熱安定性が向上することは知られている。しかしながら、これらの熱安定剤を添加すると、樹脂組成物の耐加水分解性が著しく低下するという欠点がある。
特許第3,469,391号公報 特開2000−297220号公報 特許第3,066,012号公報 特開2005−263908号公報
本発明の目的は、芳香族ポリカーボネート樹脂を含有し、外観、衝撃強度、熱安定性、耐加水分解性、難燃性に優れた樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、芳香族ポリカーボネート樹脂中に、PTFEと有機系重合体との混合体を含有する樹脂組成物において、樹脂組成物の熱安定性および耐加水分解性を向上させる方法について検討した。その結果、該混合体中に含まれるナトリウム金属イオンが、樹脂組成物の熱安定性および耐加水分解性に大きく影響を与えていることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)75〜99.98重量%、(B)ポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体とからなる混合体(B成分)0.01〜5重量%、および(C)難燃剤(C成分)0.01〜20重量%を含有し、B成分のナトリウム金属イオン含有量(ただし、ポリテトラフルオロエチレン粒子中のナトリウム金属イオンは除く)が10ppm以下であることを特徴とする樹脂組成物である。また本発明は、該樹脂組成物からなる成形体である。
以下、本発明の詳細について説明する。
(A成分:芳香族ポリカーボネート樹脂)
本発明でA成分として使用される芳香族ポリカーボネート樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを反応させて得られるものである。反応方法の一例として界面重合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステル交換法、および環状カーボネート化合物の開環重合法などを挙げることができる。
ここで使用される二価フェノールの代表的な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ビフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンおよび9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンなどが挙げられる。好ましい二価フェノールは、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンであり、なかでも耐衝撃性の点からビスフェノールAが特に好ましく、汎用されている。
本発明では、汎用の芳香族ポリカーボネートであるビスフェノールA(BPA)を二価フェノールとする芳香族ポリカーボネート以外にも、他の2価フェノール類を用いて製造した特殊な芳香族ポリカーボネートをA成分として使用することが可能である。
例えば、2価フェノール成分の一部または全部として、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(以下“BPM”と略称することがある)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(以下“Bis−TMC”と略称することがある)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンおよび9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(以下“BCF”と略称することがある)を用いることができる。この芳香族ポリカーボネート(単独重合体または共重合体)は、吸水による寸法変化や形態安定性の要求が特に厳しい用途に適当である。これらのBPA以外の2価フェノールは、芳香族ポリカーボネートを構成する2価フェノール成分全体の5モル%以上、特に10モル%以上、使用するのが好ましい。
殊に、高剛性かつより良好な耐加水分解性が要求される場合には、樹脂組成物を構成するA成分が次の(1)〜(3)の共重合ポリカーボネートであることが好ましい。
(1)芳香族ポリカーボネートを構成する2価フェノール成分100モル%中、BPMが20〜80モル%(より好適には40〜75モル%、さらに好適には45〜65モル%)であり、かつBCFが20〜80モル%(より好適には25〜60モル%、さらに好適には35〜55モル%)である共重合ポリカーボネート。
(2)芳香族ポリカーボネートを構成する2価フェノール成分100モル%中、BPAが10〜95モル%(より好適には50〜90モル%、さらに好適には60〜85モル%)であり、かつBCFが5〜90モル%(より好適には10〜50モル%、さらに好適には15〜40モル%)である共重合ポリカーボネート。
(3)芳香族ポリカーボネートを構成する2価フェノール成分100モル%中、BPMが20〜80モル%(より好適には40〜75モル%、さらに好適には45〜65モル%)であり、かつBis−TMCが20〜80モル%(より好適には25〜60モル%、さらに好適には35〜55モル%)である共重合ポリカーボネート。
これらの特殊な芳香族ポリカーボネートは、単独で用いてもよく、2種以上を適宜混合して使用してもよい。また、これらを汎用されているビスフェノールA型の芳香族ポリカーボネートと混合して使用することもできる。
これらの特殊な芳香族ポリカーボネートの製法および特性については、例えば、特開平6−172508号公報、特開平8−27370号公報、特開2001−55435号公報および特開2002−117580号公報等に詳しく記載されている。
なお、上述した各種の芳香族ポリカーボネートの中でも、共重合組成等を調整して、吸水率およびTg(ガラス転移温度)を下記の範囲内にしたものは、ポリマー自体の耐加水分解性が良好で、かつ成形後の低反り性においても格段に優れているため、形態安定性が要求される分野では特に好適である。
(i)吸水率が0.05〜0.15%、好ましくは0.06〜0.13%であり、かつTgが120〜180℃である芳香族ポリカーボネート、あるいは
(ii)Tgが160〜250℃、好ましくは170〜230℃であり、かつ吸水率が0.10〜0.30%、好ましくは0.13〜0.30%、より好ましくは0.14〜0.27%である芳香族ポリカーボネート。
ここで、芳香族ポリカーボネートの吸水率は、直径45mm、厚み3.0mmの円板状試験片を用い、ISO62−1980に準拠して23℃の水中に24時間浸漬した後の水分率を測定した値である。また、Tg(ガラス転移温度)は、JIS K7121に準拠した示差走査熱量計(DSC)測定により求められる値である。
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、炭酸ジエステルまたはハロホルメートなどが使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメートなどが挙げられる。
二価フェノールとカーボネート前駆体を界面重合法によって芳香族ポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールが酸化するのを防止するための酸化防止剤などを使用してもよい。本発明において、芳香族ポリカーボネート樹脂は、三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐芳香族ポリカーボネート樹脂、芳香族または脂肪族(脂環式を含む)の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂、二官能性アルコール(脂環式を含む)を共重合した共重合ポリカーボネート樹脂、並びにかかる二官能性カルボン酸および二官能性アルコールを共に共重合したポリエステルカーボネート樹脂を含む。また、得られた芳香族ポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
分岐ポリカーボネート樹脂は、本発明の樹脂組成物に、ドリップ防止性能などを付与できる。かかる分岐ポリカーボネート樹脂に使用される二官能以上の多官能性化合物としては、フロログルシン、フロログルシド、または4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、2,4,6−トリメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、4−{4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン}−α,α−ジメチルベンジルフェノール等のトリスフェノール、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)ケトン、1,4−ビス(4,4−ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン、またはトリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸およびこれらの酸クロライド等が挙げられる。なかでも、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましく、特に1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。
分岐ポリカーボネートにおける多官能性化合物から誘導される構成単位は、2価フェノールから誘導される構成単位とかかる多官能性化合物から誘導される構成単位との合計100モル%中、0.01〜1モル%、好ましくは0.05〜0.9モル%、特に好ましくは0.05〜0.8モル%である。
また、特に溶融エステル交換法の場合、副反応として分岐構造単位が生ずる場合があるが、かかる分岐構造単位量についても、2価フェノールから誘導される構成単位との合計100モル%中、0.001〜1モル%、好ましくは0.005〜0.9モル%、特に好ましくは0.01〜0.8モル%であるものが好ましい。なお、かかる分岐構造の割合についてはH−NMR測定により算出することが可能である。
脂肪族の二官能性のカルボン酸は、α,ω−ジカルボン酸が好ましい。脂肪族の二官能性のカルボン酸としては例えば、セバシン酸(デカン二酸)、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、オクタデカン二酸、イコサン二酸などの直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸、並びにシクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸が好ましく挙げられる。二官能性アルコールとしては脂環族ジオールがより好適であり、例えばシクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、およびトリシクロデカンジメタノールなどが例示される。
さらにポリオルガノシロキサン単位を共重合した、芳香族ポリカーボネートポリオルガノシロキサン共重合体の使用も可能である。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法である界面重合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマー固相エステル交換法、および環状カーボネート化合物の開環重合法などの反応形式は、各種の文献および特許公報などで良く知られている方法である。
本発明の樹脂組成物を製造するにあたり、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)の粘度平均分子量(M)は、特に限定されないが、好ましくは10,000〜50,000であり、より好ましくは14,000〜30,000であり、さらに好ましくは14,000〜24,000である。
粘度平均分子量が10,000未満の芳香族ポリカーボネート樹脂では、機械的特性が低くなる場合がある。一方、粘度平均分子量が50,000を超える芳香族ポリカーボネート樹脂から得られる樹脂組成物は、射出成形時の流動性に劣る場合がある。
なお、芳香族ポリカーボネート樹脂は、その粘度平均分子量が前記範囲外のものを混合して得られたものであってもよい。殊に、前記範囲(50,000)を超える粘度平均分子量を有する芳香族ポリカーボネート樹脂は、樹脂のエントロピー弾性が向上する。その結果、強化樹脂材料を構造部材に成形する際に使用されることのあるガスアシスト成形、および発泡成形において、良好な成形加工性を発現する。かかる成形加工性の改善は前記分岐ポリカーボネートよりもさらに良好である。より好適な態様としては、A成分が粘度平均分子量70,000〜300,000の芳香族ポリカーボネート樹脂(A−1−1成分)、および粘度平均分子量10,000〜30,000の芳香族ポリカーボネート樹脂(A−1−2成分)からなり、その粘度平均分子量が16,000〜35,000である芳香族ポリカーボネート樹脂(A−1成分)(以下、“高分子量成分含有芳香族ポリカーボネート樹脂”と称することがある)も使用できる。
芳香族ポリカーボネート樹脂(A−1成分)において、A−1−1成分の分子量は70,000〜200,000が好ましく、より好ましくは80,000〜200,000、さらに好ましくは100,000〜200,000、特に好ましくは100,000〜160,000である。またA−1−2成分の分子量は10,000〜25,000が好ましく、より好ましくは11,000〜24,000、さらに好ましくは12,000〜24,000、特に好ましくは12,000〜23,000である。
芳香族ポリカーボネート樹脂(A−1成分)は、A−1−1成分とA−1−2成分を種々の割合で混合し、所定の分子量範囲を満足するよう調整して得ることができる。好ましくは、A−1成分100重量%中、A−1−1成分が2〜40重量%の場合であり、より好ましくはA−1−1成分が3〜30重量%であり、さらに好ましくはA−1−1成分が4〜20重量%であり、特に好ましくはA−1−1成分が5〜20重量%である。
また、A−1成分の調製方法としては、(1)A−1−1成分とA−1−2成分とを、それぞれ独立に重合しこれらを混合する方法、(2)特開平5−306336号公報に示される方法に代表される、GPC法による分子量分布チャートにおいて複数のポリマーピークを示す芳香族ポリカーボネート樹脂を同一系内において製造する方法を用い、かかる芳香族ポリカーボネート樹脂を本発明のA−1成分の条件を満足するよう製造する方法、および(3)かかる製造方法((2)の製造法)により得られた芳香族ポリカーボネート樹脂と、別途製造されたA−1−1成分および/またはA−1−2成分とを混合する方法などを挙げることができる。
本発明でいう粘度平均分子量は、まず、次式にて算出される比粘度(ηSP)を20℃で塩化メチレン100mlに芳香族ポリカーボネート0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求め、
比粘度(ηSP)=(t−t)/t
[tは塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
求められた比粘度(ηSP)から次の数式により粘度平均分子量Mを算出する。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−40.83
c=0.7
尚、本発明の樹脂組成物における芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量の算出は次の要領で行なわれる。すなわち、該組成物を、その20〜30倍重量の塩化メチレンと混合し、組成物中の可溶分を溶解させる。かかる可溶分をセライト濾過により採取する。その後得られた溶液中の溶媒を除去する。溶媒除去後の固体を十分に乾燥し、塩化メチレンに溶解する成分の固体を得る。かかる固体0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液から、上記と同様にして20℃における比粘度を求め、該比粘度から上記と同様にして粘度平均分子量(M)を算出する。
(B成分:ポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体とからなる混合体)
混合体(B成分)は、ポリテトラフルオロエチレン粒子および有機系重合体を含有する。混合体(B成分)は、ポリテトラフルオロエチレン粒子の存在下で、有機系単量体を重合させて得られる混合体である。従って、有機系重合体がポリテトラフルオロエチレン粒子の表面を被覆している。
(ポリテトラフルオロエチレン)
ポリテトラフルオロエチレンは粒子状であり、直径は好ましくは0.1〜0.6μm、より好ましくは0.3〜0.5μm、さらに好ましくは0.3〜0.4μmである。0.1μmより粒子径が小さい場合には成形体の表面外観に優れる。しかし、0.1μmより小さい直径を有するポリテトラフルオロエチレンを商業的に入手することは難しい。また0.6μmより直径が大きい場合には成形体の表面外観が悪くなる。なお、この直径は粒子分散液を水で希釈したものを試料液として、動的光散乱法(大塚電子(株)製ELS800、温度25℃、散乱角90度)により測定した。
本発明に使用されるポリテトラフルオロエチレンの数平均分子量は、好ましくは1×10〜1×10、より好ましくは2×10〜9×10である。一般的に高い分子量のポリテトラフルオロエチレンが安定性の側面においてより好ましい。粉末または分散液の形態いずれも使用され得る。また本発明の混合体(B成分)には、難燃補助剤として使用され得る変形したポリテトラフルオロエチレンも含まれる。ポリテトラフルオロエチレン粒子の直径が0.1〜0.6μmであり、数平均分子量が1×10〜1×10であることが好ましい。
ポリテトラフルオロエチレンは、分子量によって粉末または分散液の形態で多様に市販されている。本発明における混合体(B成分)に使用されるポリテトラフルオロエチレン粉末として、テフロン(登録商標)6J(Mistui−Dupont fluoro chemicals Co.,Ltd)、ポリフロンMPA500およびF−201L(Daikin Industries,Ltd)が挙げられる。混合体(B成分)に使用されるポリテトラフルオロエチレン分散液として、フロンAD−1、AD−936(Asahi−ICI Fluoropolymers Co.,Ltd)、ポリフロンD−1、ポリフロンD−2(Daikin Industries,Ltd)、テフロン(登録商標)30J(Mistui−Dupont fluoro chemicals Co.,Ltd)、FR302(3F Co.)、JF4DC(Juseng fluoro chemicals Co.,Ltd)等が挙げられる。ポリテトラフルオロエチレン粉末または分散液は、単独でまたは2以上の種類を混合して使用することができる。
混合体(B成分)のポリテトラフルオロエチレンの含有量は、混合体(B成分)の総重量100重量部に対して、好ましくは20〜60重量部、より好ましくは40〜55重量部、さらに好ましくは47〜53重量部であり、さらにより好ましくは48〜52重量部、最も好ましくは49〜51重量部である。ポリテトラフルオロエチレンの割合がかかる範囲にある場合は、ポリテトラフルオロエチレンの良好な分散性を達成することができる。
(有機系重合体)
有機系重合体は、スチレン系単量体および/またはアクリル系単量体由来の重合体であることが好ましい。
有機系重合体が、スチレン−アクリル系重合体であることが好ましい。スチレン−アクリル系重合体は、スチレン系単量体(i)並びにアクリル系単量体(ii)からなる重合体であり、スチレン系単量体(i)は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基およびハロゲン原子からなる群より選ばれる少なくとも1つの基により置換されてもよく、アクリル系単量体(ii)は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、アリール基およびグリシジル基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基により置換されてもよい(メタ)アクリレート誘導体を含むことが好ましい。
スチレン系単量体(i)としては、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基およびハロゲン原子からなる群より選ばれる少なくとも1つの基で置換されてもよいスチレンが挙げられる。炭素数1〜6のアルキル基として、メチル基、エチル基、ブチル基等が挙げられる。炭素数1〜6のアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。ハロゲン原子として、フッ素原子、臭素原子等が挙げられる。スチレン系単量体(i)として、オルト−メチルスチレン、メタ−メチルスチレン、パラ−メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチル−スチレン、パラ−tert−ブチルスチレン、メトキシスチレン、フルオロスチレン、モノブロモスチレン、ジブロモスチレン、およびトリブロモスチレン、ビニルキシレン、ビニルナフタレンが例示される。スチレン系単量体(i)は単独または2つ以上の種類を混合して使用することができる。
アクリル系単量体(ii)は、置換されてもよい(メタ)アクリレート誘導体を含む。アクリル系単量体(ii)としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、アリール基、およびグリシジル基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基により置換されてもよい(メタ)アクリレート誘導体が挙げられる。炭素数1〜20のアルキル基として、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル等が挙げられる。炭素数3〜8のシクロアルキル基として、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。アリール基として、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。アクリル系単量体(ii)として、(メタ)アクリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートおよびグリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基により置換されてもよいマレイミド、例えば、マレイミド、N−メチル−マレイミドおよびN−フェニル−マレイミド、マレイン酸、フタル酸およびイタコン酸が挙げられる。アクリル系単量体(ii)は単独または2つ以上の種類を混合して使用することができる。これらの中でも(メタ)アクリロニトリルが好ましい。
アクリル系単量体(ii)の量は、スチレン系単量体(i)100重量部に対して8〜11重量部、好ましくは8〜10重量部、より好ましくは8〜9重量部である。アクリル系単量体(ii)が8重量部より少ないとコーティング強度が低下することがあり、11重量部より多いと成形体の表面外観が悪くなり得る。
混合体(B成分)は、ポリテトラフルオロエチレン粒子の存在下で、有機系単量体を重合させ、ラテックスを形成すること無く得られる混合体であることが好ましい。
混合体(B成分)は、残存水分含量が0.5重量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.2〜0.4重量%、さらに好ましくは0.1〜0.3重量%である。残存水分量が0.5重量%より多いと難燃性に悪影響を与えることがある。
混合体(B成分)は、開始剤の存在下でスチレン系単量体(i)およびアクリル系単量体(ii)からなるグループより選ばれた1つ以上の単量体を含むコーティング層をポリテトラフルオロエチレンの外部に形成するステップが含まれる。さらに、コーティング層を形成した後に、残存水分含量を0.5重量%以下、好ましくは0.2〜0.4重量%、より好ましくは0.1〜0.3重量%となるように乾燥させるステップを含むことが好ましい。乾燥のステップは、例えば、熱風乾燥または真空乾燥方法のような当業界に公知にされた方法を用いて行なうことができる。
混合体(B成分)に使用される開始剤は、スチレン系単量体(i)および/またはアクリル系単量体(ii)の重合反応に使用されるものであれば制限なく使用され得る。開始剤として、クミルハイドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ハイドロゲンパーオキサイド、およびポタシウムパーオキサイドが例示される。混合体(B成分)には、反応条件に応じて開始剤を1種以上使用することができる。開始剤の量は、ポリテトラフルオロエチレンの量および単量体の種類/量を考慮して使用される範囲内で自由に選択され、全組成物の量を基準として0.15〜0.25重量%使用することが好ましい。
(ナトリウム金属イオンおよびカリウム金属イオン)
混合体(B成分)のナトリウム金属イオン(ただし、ポリテトラフルオロエチレン中のナトリウム金属イオンは除く)含有量は、10ppm以下であり、好ましくは8ppm以下、さらに好ましくは5ppm以下である。また、混合体(B成分)のカリウム金属イオン(ただし、ポリテトラフルオロエチレン中のカリウム金属イオンは除く)含有量は、好ましくは15ppm以下であり、より好ましくは10ppm以下、さらに好ましくは5ppm以下である。これら金属元素の含有量が規定値よりも多くなると、押出時、成形時などに発生する熱および/または水分などにより、芳香族ポリカーボネート樹脂の分解を促進する触媒効果が発現するため、混合体(B成分)を配合した樹脂組成物の熱安定性および加水分解性が悪化する。
混合体(B成分)のナトリウム金属イオンおよびカリウム金属イオン含有量は下記の方法により測定することができる。
まず、混合体(B成分)を約0.1g石英製容器に量りとり硝酸5mlを入れて密閉し、マイクロ波照射(Anton Paar製MULTIWAVE型)による分解を行う。その際、ポリテトラフルオロエチレンは分解されない。分解後、ポリテトラフルオロエチレンを取り出して超純水で水洗し、水洗した液に分解液を加え、超純水にて50mlに定溶する。その定溶した溶液を希釈して検液とする。そして、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS法)(横河アナリティシステムズ製Agilent7500cs型)により検液中のナトリウム金属イオン、カリウム金属イオンについて定量分析を行い、試料重量当たりの濃度に換算する。
(混合体(B成分)の製造)
ナトリウム金属イオン、カリウム金属イオンを低減した混合体(B成分)は、懸濁重合法により製造することができる。
懸濁重合法は、下記の手順で行なうことができる。まず、反応器中に水およびポリテトラフルオロエチレンディスパージョン(固形濃度:60%、ポリテトラフルオロエチレン粒子径:0.15〜0.3μm)を入れた後、攪拌しながらアクリルモノマー、スチレンモノマーおよび水溶性開始剤としてクメンハイドロパーオキサイドを添加し80〜90℃にて9時間反応を行う。反応終了後、遠心分離機にて30分間遠心分離を行うことにより水分を除去し、ペースト状の生成物を得る。その後、生成物のペーストを熱風乾燥機にて80〜100℃にて8時間乾燥する。その後、乾燥した生成物の粉砕を行い、混合体を得る。
懸濁重合法は、特許3,469,391号公報などに例示される乳化重合法における乳化分散による重合工程を必要としないため、乳化剤および重合後のラテックスを凝固沈殿するための電解質塩類を必要としない。また乳化重合法で製造された混合体は、混合体中に乳化剤および電解質塩類が混在しやすく取り除きにくくなるため、乳化剤や電解質塩類由来のナトリウム金属イオン、カリウム金属イオンを低減することは難しい。本発明で使用する混合体(B成分)は、懸濁重合法で製造されているため、かかる乳化剤、電解質塩類を使用しないので、混合体(B成分)のナトリウム金属イオン、カリウム金属イオン含有量は小さく、樹脂組成物の熱安定性および耐加水分解性を向上させることができる。
(C成分:難燃剤)
本発明の樹脂組成物は難燃剤(C成分)を含有する。C成分は、芳香族ポリカーボネート樹脂の難燃剤として知られる各種の化合物である。C成分を含有することにより樹脂組成物の難燃性は向上するが、それ以外にも各化合物の性質に基づき、例えば帯電防止性、流動性、剛性、および熱安定性の向上などがもたらされる。かかる難燃剤としては、(i)有機金属塩系難燃剤(例えば有機スルホン酸アルカリ(土類)金属塩、ホウ酸金属塩系難燃剤、および錫酸金属塩系難燃剤など)、(ii)有機リン系難燃剤(例えば、モノホスフェート化合物、ホスフェートオリゴマー化合物、ホスホネートオリゴマー化合物、ホスホニトリルオリゴマー化合物、およびホスホン酸アミド化合物など)、(iii)シリコーン化合物からなるシリコーン系難燃剤が挙げられる。その中でも有機金属塩系難燃剤が好ましい。
(i)有機金属塩系難燃剤
本発明における有機金属塩化合物は炭素原子数1〜50、好ましくは1〜40の有機スルホン酸アルカリ(土類)金属塩であることが好ましい。この有機スルホン酸アルカリ(土類)金属塩には、炭素原子数1〜10、好ましくは2〜8のパーフルオロアルキルスルホン酸とアルカリ金属またはアルカリ土類金属との金属塩の如きフッ素置換アルキルスルホン酸の金属塩が含まれる。また、炭素原子数7〜50、好ましくは7〜40の芳香族スルホン酸とアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩との金属塩が含まれる。
金属塩を構成するアルカリ金属としてはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムが挙げられ、アルカリ土類金属としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウムが挙げられる。より好適にはアルカリ金属である。かかるアルカリ金属の中でも、透明性の要求がより高い場合にはイオン半径のより大きいルビジウムおよびセシウムが好適である一方、これらは汎用的でなくまた精製もし難いことから、結果的にコストの点で不利となる場合がある。一方、リチウムおよびナトリウムなどのより小さいイオン半径の金属は逆に難燃性の点で不利な場合がある。これらを勘案してスルホン酸アルカリ金属塩中のアルカリ金属を使い分けることができるが、いずれの点においても特性のバランスに優れたスルホン酸カリウム塩が最も好適である。かかるカリウム塩と他のアルカリ金属からなるスルホン酸アルカリ金属塩とを併用することもできる。
有機金属塩系難燃剤として、パーフルオロアルキルスルホン酸アルカリ金属塩のような含フッ素有機金属塩系難燃剤が好ましい。
パーフルオロアルキルスルホン酸アルカリ金属塩の具体例としては、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム、パーフルオロヘキサンスルホン酸カリウム、パーフルオロオクタンスルホン酸カリウム、ペンタフルオロエタンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロオクタンスルホン酸ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、パーフルオロブタンスルホン酸リチウム、パーフルオロヘプタンスルホン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸セシウム、パーフルオロブタンスルホン酸セシウム、パーフルオロオクタンスルホン酸セシウム、パーフルオロヘキサンスルホン酸セシウム、パーフルオロブタンスルホン酸ルビジウム、およびパーフルオロヘキサンスルホン酸ルビジウム等が挙げられる。これらは1種もしくは2種以上を併用して使用することができる。ここでパーフルオロアルキル基の炭素数は、1〜18の範囲が好ましく、1〜10の範囲がより好ましく、さらに好ましくは1〜8の範囲である。これらの中で特にパーフルオロブタンスルホン酸カリウムが好ましい。
アルカリ金属からなるパーフルオロアルキルスルホン酸アルカリ(土類)金属塩中には、通常少なからず弗化物イオン(F)が混入する。かかる弗化物イオンの存在は難燃性を低下させる要因となり得るので、できる限り低減されることが好ましい。弗化物イオンの割合はイオンクロマトグラフィー法により測定できる。弗化物イオンの含有量は、100ppm以下が好ましく、40ppm以下がさらに好ましく、10ppm以下が特に好ましい。また製造効率的に0.2ppm以上であることが好適である。
弗化物イオン量の低減されたパーフルオロアルキルスルホン酸アルカリ(土類)金属塩は、公知の法で製造することができる。例えば、含フッ素有機金属塩を製造する際の原料中に含有される弗化物イオンの量を低減する方法、反応により得られた弗化水素などを反応時に発生するガスや加熱によって除去する方法、並びに含フッ素有機金属塩を製造に再結晶および再沈殿等の精製方法を用いて弗化物イオンの量を低減する方法などによって製造することができる。特にC成分は比較的、水に溶けやすいことから、イオン交換水、特に電気抵抗値が18MΩ・cm以上、すなわち電気伝導度が約0.55μS/cm以下を満足する水を用い、かつ常温よりも高い温度で溶解させて洗浄を行い、その後冷却させて再結晶化させる工程により製造することが好ましい。
芳香族スルホン酸アルカリ(土類)金属塩の具体例としては、例えばジフェニルサルファイド−4,4’−ジスルホン酸ジナトリウム、ジフェニルサルファイド−4,4’−ジスルホン酸ジカリウム、5−スルホイソフタル酸カリウム、5−スルホイソフタル酸ナトリウム、ポリエチレンテレフタル酸ポリスルホン酸ポリナトリウム、1−メトキシナフタレン−4−スルホン酸カルシウム、4−ドデシルフェニルエーテルジスルホン酸ジナトリウム、ポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキシド)ポリスルホン酸ポリナトリウム、ポリ(1,3−フェニレンオキシド)ポリスルホン酸ポリナトリウム、ポリ(1,4−フェニレンオキシド)ポリスルホン酸ポリナトリウム、ポリ(2,6−ジフェニルフェニレンオキシド)ポリスルホン酸ポリカリウム、ポリ(2−フルオロ−6−ブチルフェニレンオキシド)ポリスルホン酸リチウム、ベンゼンスルホネートのスルホン酸カリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ストロンチウム、ベンゼンスルホン酸マグネシウム、p−ベンゼンジスルホン酸ジカリウム、ナフタレン−2,6−ジスルホン酸ジカリウム、ビフェニル−3,3’−ジスルホン酸カルシウム、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸ナトリウム、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウム、ジフェニルスルホン−3,4’−ジスルホン酸ジカリウム、α,α,α−トリフルオロアセトフェノン−4−スルホン酸ナトリウム、ベンゾフェノン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウム、チオフェン−2,5−ジスルホン酸ジナトリウム、チオフェン−2,5−ジスルホン酸ジカリウム、チオフェン−2,5−ジスルホン酸カルシウム、ベンゾチオフェンスルホン酸ナトリウム、ジフェニルスルホキサイド−4−スルホン酸カリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、およびアントラセンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物などを挙げることができる。これら芳香族スルホン酸アルカリ(土類)金属塩では、特にカリウム塩が好適である。これらの芳香族スルホン酸アルカリ(土類)金属塩の中でも、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、およびジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウムが好適であり、特にこれらの混合物(前者と後者の重量比が15/85〜30/70)が好適である。
スルホン酸アルカリ(土類)金属塩以外の有機金属塩としては、硫酸エステルのアルカリ(土類)金属塩および芳香族スルホンアミドのアルカリ(土類)金属塩などが好適に例示される。硫酸エステルのアルカリ(土類)金属塩としては、特に一価および/または多価アルコール類の硫酸エステルのアルカリ(土類)金属塩を挙げることができ、かかる一価および/または多価アルコール類の硫酸エステルとしては、メチル硫酸エステル、エチル硫酸エステル、ラウリル硫酸エステル、ヘキサデシル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル、ペンタエリスリトールのモノ、ジ、トリ、テトラ硫酸エステル、ラウリン酸モノグリセライドの硫酸エステル、パルミチン酸モノグリセライドの硫酸エステル、およびステアリン酸モノグリセライドの硫酸エステルなどを挙げることができる。これらの硫酸エステルのアルカリ(土類)金属塩として、ラウリル硫酸エステルのアルカリ(土類)金属塩が挙げられる。
芳香族スルホンアミドのアルカリ(土類)金属塩としては、例えばサッカリン、N−(p−トリルスルホニル)−p−トルエンスルホイミド、N−(N’−ベンジルアミノカルボニル)スルファニルイミド、およびN−(フェニルカルボキシル)スルファニルイミドのアルカリ(土類)金属塩などが挙げられる。
有機金属塩系難燃剤(C成分)の含有量は、A成分、B成分およびC成分の合計100重量部に対し、0.01〜20重量部、好ましくは0.03〜10重量部、より好ましくは0.05〜5重量部である。
(ii)有機リン系難燃剤
有機リン系難燃剤としては、アリールホスフェート化合物が好適である。かかるホスフェート化合物は概して色相に優れるためである。またホスフェート化合物は可塑化効果があるため本発明の樹脂組成物の成形加工性を高められる点で有利である。かかるホスフェート化合物は、従来、難燃剤として公知の各種ホスフェート化合物が使用できるが、より好適には下記一般式(i)で表される1種または2種以上のホスフェート化合物を挙げることができる。
Figure 2008016157
但し、前記式中のXは、二価フェノールから誘導される二価の有機基を表し、R、R、R、およびRはそれぞれ独立に一価フェノールから誘導される一価の有機基を表す。j、k、lおよびmはそれぞれ独立して0または1であり、nは0〜5の整数であり、重合度nの異なるリン酸エステルの混合物の場合はnはその平均値を表し、0〜5の値である。
前記式のホスフェート化合物は、異なるn数を有する化合物の混合物であってもよく、かかる混合物の場合、平均のn数は好ましくは0.5〜1.5、より好ましくは0.8〜1.2、さらに好ましくは0.95〜1.15、特に好ましくは1〜1.14の範囲である。
上記Xを誘導する二価フェノールの好適な具体例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メタン、ビスフェノールA、ジヒドロキシジフェニル、ジヒドロキシナフタレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトンおよびビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイドからなる群から選ばれたジヒドロキシ化合物の2個の水酸基を除去して得られる二価の基が挙げられる。R、R、R、およびRの具体例としては、それぞれ独立して1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよいフェノール、クレゾール、キシレノール、イソプロピルフェノール、ブチルフェノールおよびp−クミルフェノールからなる群から選ばれたモノヒドロキシ化合物の1個の水酸基を除去して得られる一価の基が挙げられる。
上記R、R、R、およびRを誘導する一価フェノールの好適な具体例としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、およびp−クミルフェノールが例示され、中でも好ましくはフェノール、および2,6−ジメチルフェノールである。
尚、かかる一価フェノールはハロゲン原子で置換されてもよく、該一価フェノールから誘導される基を有するホスフェート化合物の具体例としては、トリス(2,4,6−トリブロモフェニル)ホスフェートおよびトリス(2,4−ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(4−ブロモフェニル)ホスフェートなどが例示される。
一方、ハロゲン原子で置換されていないホスフェート化合物の具体例としては、トリフェニルホスフェートおよびトリ(2,6−キシリル)ホスフェートなどのモノホスフェート化合物、並びにレゾルシノールビスジ(2,6−キシリル)ホスフェート)を主体とするホスフェートオリゴマー、4,4−ジヒドロキシジフェニルビス(ジフェニルホスフェート)を主体とするホスフェートオリゴマー、およびビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)を主体とするリン酸エステルオリゴマーが好適である(ここで主体とするとは、重合度の異なる他の成分を少量含んでよいことを示し、より好適には前記式(1)におけるn=1の成分が80重量%以上、より好ましくは85重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上含有されることを示す。)。
有機リン系難燃剤(C成分)の含有量は、A成分、B成分およびC成分の合計100重量部に対し、0.01〜20重量部、好ましくは2〜10重量部、より好ましくは2〜7重量部である。
(iii)シリコーン系難燃剤
シリコーン系難燃剤として使用されるシリコーン化合物は、燃焼時の化学反応によって難燃性を向上させるものである。該化合物として、芳香族ポリカーボート樹脂の難燃剤として提案されている各種の化合物を使用することができる。シリコーン化合物はその燃焼時にそれ自体が結合してまたは樹脂に由来する成分と結合してストラクチャーを形成することにより、または該ストラクチャー形成時の還元反応により、芳香族ポリカーボネート樹脂に難燃効果を付与するものと考えられている。したがってかかる反応における活性の高い基を含んでいることが好ましく、より具体的にはアルコキシ基およびハイドロジェン(即ちSi−H基)から選択された少なくとも1種の基を所定量含んでいることが好ましい。かかる基(アルコキシ基、Si−H基)の含有割合としては、0.1〜1.2mol/100gの範囲が好ましく、0.12〜1mol/100gの範囲がより好ましく、0.15〜0.6mol/100gの範囲がさらに好ましい。かかる割合はアルカリ分解法より、シリコーン化合物の単位重量当たりに発生した水素またはアルコールの量を測定することにより求められる。尚、アルコキシ基は炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、特にメトキシ基が好適である。
一般的にシリコーン化合物の構造は、以下に示す4種類のシロキサン単位を任意に組み合わせることによって構成される。すなわち、
M単位:(CHSiO1/2、H(CHSiO1/2、H(CH)SiO1/2、(CH(CH=CH)SiO1/2、(CH(C)SiO1/2、(CH)(C)(CH=CH)SiO1/2等の1官能性シロキサン単位、
D単位:(CHSiO、H(CH)SiO、HSiO、H(C)SiO、(CH)(CH=CH)SiO、(CSiO等の2官能性シロキサン単位、
T単位:(CH)SiO3/2、(C)SiO3/2、HSiO3/2、(CH=CH)SiO3/2、(C)SiO3/2等の3官能性シロキサン単位、
Q単位:SiOで示される4官能性シロキサン単位である。
シリコーン系難燃剤に使用されるシリコーン化合物の構造は、具体的には、示性式としてD、T、M、M、M、M、M、M、M、D、D、Dが挙げられる。この中で好ましいシリコーン化合物の構造は、M、M、M、Mであり、さらに好ましい構造は、MまたはMである。
ここで、前記示性式中の係数m、n、p、qは各シロキサン単位の重合度を表す1以上の整数であり、各示性式における係数の合計がシリコーン化合物の平均重合度となる。この平均重合度は好ましくは3〜150の範囲、より好ましくは3〜80の範囲、さらに好ましくは3〜60の範囲、特に好ましくは4〜40の範囲である。かかる好適な範囲であるほど難燃性において優れるようになる。さらに後述するように芳香族基を所定量含むシリコーン化合物においては透明性や色相にも優れる。その結果良好な反射光が得られる。
またm、n、p、qのいずれかが2以上の数値である場合、その係数の付いたシロキサン単位は、結合する水素原子や有機残基が異なる2種以上のシロキサン単位とすることができる。
シリコーン化合物は、直鎖状であっても分岐構造を持つものであってもよい。またシリコン原子に結合する有機残基は炭素数1〜30、より好ましくは1〜20の有機残基であることが好ましい。かかる有機残基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、およびデシル基などのアルキル基、シクロヘキシル基の如きシクロアルキル基、フェニル基の如きアリール基、並びにトリル基の如きアラルキル基を挙げることがでる。さらに好ましくは炭素数1〜8のアルキル基、アルケニル基またはアリール基である。アルキル基としては、特にはメチル基、エチル基、およびプロピル基等の炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
さらにシリコーン系難燃剤として使用されるシリコーン化合物はアリール基を含有することが好ましい。一方、二酸化チタン顔料の有機表面処理剤としてのシラン化合物およびシロキサン化合物は、アリール基を含有しない方が好ましい効果が得られる点で、シリコーン系難燃剤とはその好適な態様において明確に区別される。より好適なシリコーン系難燃剤は、下記一般式(ii)で示される芳香族基が含まれる割合(芳香族基量)が10〜70重量%(より好適には15〜60重量%)のシリコーン化合物である。
Figure 2008016157
式(ii)中、Xはそれぞれ独立にOH基、炭素数1〜20の一価の有機残基を示す。nは0〜5の整数を表わす。さらに式(ii)中においてnが2以上の場合、Xはそれぞれ互いに異なっていてもよい。
シリコーン系難燃剤として使用されるシリコーン化合物は、前記Si−H基およびアルコキシ基以外にも反応基を含有していてもよく、かかる反応基としては例えば、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、ビニル基、メルカプト基、およびメタクリロキシ基などが例示される。
Si−H基を有するシリコーン化合物としては、下記一般式(iii)および(iv)で示される構成単位の少なくとも一種以上を含むシリコーン化合物が好適に例示される。
Figure 2008016157
式(iii)および式(iv)中、Z〜Zはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の一価の有機残基、または下記一般式(v)で示される化合物を示す。α1〜α3はそれぞれ独立に0または1を表わす。m1は0もしくは1以上の整数を表わす。さらに式(iii)中においてm1が2以上の場合、繰返し単位はそれぞれ互いに異なっていてもよい。
Figure 2008016157
式(v)中、Z〜Zはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の一価の有機残基を示す。α4〜α8はそれぞれ独立に0または1を表わす。m2は0もしくは1以上の整数を表わす。さらに式(v)中においてm2が2以上の場合、繰返し単位はそれぞれ互いに異なっていてもよい。
シリコーン系難燃剤に使用されるシリコーン化合物において、アルコキシ基を有するシリコーン化合物としては、例えば一般式(vi)および一般式(vii)に示される化合物から選択される少なくとも1種の化合物が挙げられる。
Figure 2008016157
式(vi)中、βはビニル基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、並びに炭素数6〜12のアリール基およびアラルキル基を示す。γ、γ、γ、γ、γ、およびγは炭素数1〜6のアルキル基およびシクロアルキル基、並びに炭素数6〜12のアリール基およびアラルキル基を示し、少なくとも1つの基がアリール基またはアラルキル基である。δ、δ、およびδは炭素数1〜4のアルコキシ基を示す。
Figure 2008016157
式(vii)中、βおよびβはビニル基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、並びに炭素数6〜12のアリール基およびアラルキル基を示す。γ、γ、γ、γ10、γ11、γ12、γ13およびγ14は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、並びに炭素数6〜12のアリール基およびアラルキル基を示し、少なくとも1つの基がアリール基またはアラルキルである。δ、δ、δ、およびδは炭素数1〜4のアルコキシ基を示す。
シリコーン系難燃剤(C成分)の含有量は、A成分、B成分およびC成分の合計100重量部に対し、0.01〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部、より好ましくは1〜5重量部である。
(D成分:強化充填材)
本発明の樹脂組成物には強化充填材として板状無機充填材(D−1成分)および繊維状無機充填材(D−2成分)からなる群より選ばれる少なくとも1種の強化充填材(D成分)を含有することが好ましい。しかしながら本発明の樹脂組成物は外観が求められるため、強化充填材としては形状の小さい珪酸塩鉱物系充填材もしくはガラス系充填材が好ましい。かかる珪酸塩鉱物系充填材としてはタルク、マスコバイトマイカ、合成フッ素マイカ、スメクタイト、およびワラストナイトが好適に例示される。ガラス系充填材としてはガラス繊維、ガラスフレーク、およびガラスミルドファイバーなどが例示される。
従って、D−1成分はタルクであることが好ましい。またD−2成分は、ガラス繊維およびガラス短繊維からなる群より選ばれる少なくとも一種の繊維状無機充填材であることが好ましい。
珪酸塩鉱物系フィラーおよびガラス系フィラーは、これらの表面に酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、および酸化ケイ素などの金属酸化物コートされた充填材も利用できる。
強化充填材は、予め各種の表面処理剤で表面処理されていてもよい。かかる表面処理剤としては、シランカップリング剤(アルキルアルコキシシランやポリオルガノハイドロジエンシロキサンなどを含む)、高級脂肪酸エステル、酸化合物(例えば、亜リン酸、リン酸、カルボン酸、およびカルボン酸無水物など)並びにワックスなどの各種表面処理剤が挙げられる。さらに各種樹脂、高級脂肪酸エステル、およびワックスなどの集束剤で造粒し顆粒状とされていてもよい。
強化充填材(D成分)の含有量は、A成分、B成分およびC成分の合計100重量部に対し好ましくは1〜50重量部、より好ましくは1〜30重量部、さらに好ましくは5〜20重量部である。
(その他の添加剤について)
本発明の樹脂組成物には、A成分〜C成分以外にも、通常、芳香族ポリカーボネート樹脂に配合される各種の添加剤を含有していていもよい。
(i)リン系安定剤
本発明の樹脂組成物には、加水分解性を促進させない程度において、リン系安定剤が配合されることが好ましい。かかるリン系安定剤は製造時または成形加工時の熱安定性を向上させ、機械的特性、色相、および成形安定性を向上させる。リン系安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステル、並びに第3級ホスフィンなどが例示される。
具体的にはホスファイト化合物としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(ジエチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−iso−プロピルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−n−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジシクロヘキシルペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられる。
さらに他のホスファイト化合物としては二価フェノール類と反応し環状構造を有するものも使用できる。例えば、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイトなどを挙げることができる。
ホスフェート化合物としては、トリブチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクロルフェニルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルクレジルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェートなどを挙げることができる。好ましくはトリフェニルホスフェート、トリメチルホスフェートである。
ホスホナイト化合物としては、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト等が挙げられる。テトラキス(ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトが好ましい。テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトがより好ましい。かかるホスホナイト化合物は上記アルキル基が2以上置換したアリール基を有するホスファイト化合物との併用可能であり好ましい。
ホスホネイト化合物としては、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、およびベンゼンホスホン酸ジプロピル等が挙げられる。
第3級ホスフィンとしては、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリアミルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン、ジフェニルオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリナフチルホスフィン、およびジフェニルベンジルホスフィンなどが例示される。特に好ましい第3級ホスフィンは、トリフェニルホスフィンである。
上記リン系安定剤は、1種のみならず2種以上を混合して用いることができる。上記リン系安定剤の中でもトリメチルホスフェートに代表されるアルキルホスフェート化合物が配合されることが好ましい。またかかるアルキルホスフェート化合物と、ホスファイト化合物および/またはホスホナイト化合物との併用も好ましい態様である。
(ii)ヒンダードフェノール系安定剤
本発明の樹脂組成物には、さらにヒンダードフェノール系安定剤を含有することができる。かかる安定剤は、成形加工時の色相悪化や長期間の使用における色相の悪化などを抑制することができる。ヒンダードフェノール系安定剤として、α−トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン、シナピルアルコール、ビタミンE、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェル)プロピオネート、2−tert−ブチル−6−(3’−tert−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネートジエチルエステル、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−ジメチレン−ビス(6−α−メチル−ベンジル−p−クレゾール)、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−ブチリデン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−N−ビス−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[2−tert−ブチル−4−メチル6−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフタレート、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1,−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、4,4’−ジ−チオビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−トリ−チオビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2−チオジエチレンビス−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、N,N’−ヘキサメチレンビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス2[3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチルイソシアヌレート、およびテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどが例示される。これらはいずれも入手容易である。上記ヒンダードフェノール系安定剤は、単独でまたは2種以上を組合せて使用することができる。
リン系安定剤およびヒンダードフェノール系安定剤の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対し、好ましくは0.0001〜1重量部、より好ましくは0.001〜0.5重量部、さらに好ましくは0.005〜0.3重量部である。
(iii)前記以外の熱安定剤
本発明の樹脂組成物は、前記リン系安定剤およびヒンダードフェノール系安定剤以外の他の熱安定剤を含有してもよい。他の熱安定剤としては、例えば、3−ヒドロキシ−5,7−ジ−tert−ブチル−フラン−2−オンとo−キシレンとの反応生成物に代表されるラクトン系安定剤が好適に例示される。かかる安定剤の詳細は特開平7−233160号公報に記載されている。かかる化合物はIrganox HP−136(登録商標、CIBA SPECIALTY CHEMICALS社製)として市販されている。さらに該化合物と各種のホスファイト化合物およびヒンダードフェノール化合物を混合した安定剤が市販されている。例えば、Irganox HP−2921が好適に例示される。ラクトン系安定剤の含有量は、A成分100重量部に対して好ましくは0.0005〜0.05重量部、より好ましくは0.001〜0.03重量部である。
またその他の安定剤としては、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、およびグリセロール−3−ステアリルチオプロピオネートなどのイオウ含有安定剤が例示される。イオウ含有安定剤の含有量は、A成分100重量部に対して好ましくは0.001〜0.1重量部、より好ましくは0.01〜0.08重量部である。
(iv)紫外線吸収剤
本発明の樹脂組成物は、耐光性を付与するため、紫外線吸収剤を含有していてもよい。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ヒドロキシフェニルトリアジン系、環状イミノエステル系、シアノアクリレート系等が挙げられる。
ベンゾフェノン系では、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシトリハイドライドレイトベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−ソジウムスルホキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンソフェノン、および2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノンなどが例示される。
ベンゾトリアゾール系では、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2,2’−メチレンビス(4−クミル−6−ベンゾトリアゾールフェニル)、2,2’−p−フェニレンビス(1,3−ベンゾオキサジン−4−オン)、および2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾ−ル、並びに2−(2’−ヒドロキシ−5−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールと該モノマーと共重合可能なビニル系モノマーとの共重合体や2−(2’−ヒドロキシ−5−アクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールと該モノマーと共重合可能なビニル系モノマーとの共重合体などの2−ヒドロキシフェニル−2H−ベンゾトリアゾール骨格を有する重合体などが例示される。
ヒドロキシフェニルトリアジン系では、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−メチルオキシフェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−エチルオキシフェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−プロピルオキシフェノール、および2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ブチルオキシフェノールなどが例示される。さらに2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノールなど、上記例示化合物のフェニル基が2,4−ジメチルフェニル基となった化合物が例示される。
環状イミノエステル系では、例えば2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−m−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、および2,2’−p,p’−ジフェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)などが例示される。
シアノアクリレート系では、例えば1,3−ビス−[(2’−シアノ−3’,3’−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス[(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル)プロパン、および1,3−ビス−[(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]ベンゼンなどが例示される。
さらに紫外線吸収剤は、ラジカル重合が可能な単量体化合物の構造をとることにより、かかる紫外線吸収性単量体および/または光安定性単量体と、アルキル(メタ)アクリレートなどの単量体とを共重合したポリマー型の紫外線吸収剤であってもよい。前記紫外線吸収性単量体としては、(メタ)アクリル酸エステルのエステル置換基中にベンゾトリアゾール骨格、ベンゾフェノン骨格、トリアジン骨格、環状イミノエステル骨格、およびシアノアクリレート骨格を含有する化合物が好適に例示される。
紫外線吸収能の点においてはベンゾトリアゾール系およびヒドロキシフェニルトリアジン系が好ましく、耐熱性や色相の点では、環状イミノエステル系およびシアノアクリレート系が好ましい。前記紫外線吸収剤は単独であるいは2種以上の混合物で用いてもよい。
紫外線吸収剤の含有量は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対して好ましくは0.01〜2重量部、より好ましくは0.03〜2重量部、さらに好ましくは0.02〜1重量部、特に好ましくは0.05〜0.5重量部である。
(v)他の樹脂やエラストマー
本発明の樹脂組成物には、A成分の芳香族ポリカーボネート樹脂の一部に代えて、他の熱可塑性樹脂(E成分)を本発明の効果を発揮する範囲において、少割合使用することもできる。他の熱可塑性樹脂(E成分)の含有量は、A成分とE成分の合計100重量部に対し、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは1〜20重量部、さらに好ましくは1〜10重量部、特に好ましくは1〜5重量部である。
熱可塑性樹脂(E成分)としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリメタクリレート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂(E成分)としては、例えばイソブチレン/イソプレンゴム、スチレン/ブタジエンゴム、エチレン/プロピレンゴム、アクリル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、コアシェル型のエラストマーであるMBS(メタクリル酸メチル/ステレン/ブタジエン)ゴム、MAS(メタクリル酸メチル/アクリロニトリル/スチレン)ゴム等が挙げられる。E成分が、ポリエステル樹脂および/またはABS樹脂であることが好ましい。
(vi)上記以外の他の成分
本発明の樹脂組成物には、上記以外にも成形体に種々の機能の付与や特性改善のために、それ自体知られた添加物を少割合配合することができる。これら添加物は本発明の目的を損なわない限り、通常の配合量である。
かかる添加剤として、摺動剤(例えばPTFE粒子)、着色剤(例えばカーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、染料)、光拡散剤(例えばアクリル架橋粒子、シリコーン架橋粒子、炭酸カルシウム粒子)、蛍光染料、蛍光増白剤、光安定剤(ヒンダードアミン化合物に代表される)、無機系蛍光体(例えばアルミン酸塩を母結晶とする蛍光体)、帯電防止剤、結晶核剤、無機および有機の抗菌剤、光触媒系防汚剤(例えば微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛)、離型剤、流動改質剤、ラジカル発生剤、赤外線吸収剤(熱線吸収剤)、並びにフォトクロミック剤などが挙げられる。
<樹脂組成物の製造方法>
本発明の樹脂組成物は、二軸押出機の如き多軸押出機を用いて各成分を溶融混練することにより製造することができる。
二軸押出機の代表的な例としては、ZSK(Werner & Pfleiderer社製、商品名)を挙げることができる。同様のタイプの具体例としてはTEX((株)日本製鋼所製、商品名)、TEM(東芝機械(株)製、商品名)、KTX((株)神戸製鋼所製、商品名)などを挙げることができる。その他、FCM(Farrel社製、商品名)、Ko−Kneader(Buss社製、商品名)、およびDSM(Krauss−Maffei社製、商品名)などの溶融混練機も具体例として挙げることができる。上記の中でもZSKに代表されるタイプがより好ましい。かかるZSKタイプの二軸押出機においてそのスクリューは、完全噛合い型であり、スクリューは長さとピッチの異なる各種のスクリューセグメント、および幅の異なる各種のニーディングディスク(またそれに相当する混練用セグメント)からなるものである。
二軸押出機においてより好ましい態様は次の通りである。スクリュー形状は1条、2条、および3条のネジスクリューを使用することができ、特に溶融樹脂の搬送能力やせん断混練能力の両方の適用範囲が広い2条ネジスクリューが好ましく使用できる。二軸押出機におけるスクリューの長さ(L)と直径(D)との比(L/D)は、20〜45が好ましく、さらに28〜42が好ましい。L/Dが大きい方が均質な分散が達成されやすい一方、大きすぎる場合には熱劣化により樹脂の分解が起こりやすい。スクリューには混練性を上げるためのニーディングディスクセグメント(またはそれに相当する混練セグメント)から構成された混練ゾーンを1個所以上有することが必要であり、1〜3個所有することが好ましい。
さらに押出機としては、原料中の水分や、溶融混練樹脂から発生する揮発ガスを脱気できるベントを有するものが好ましく使用できる。ベントからは発生水分や揮発ガスを効率よく押出機外部へ排出するための真空ポンプが好ましく設置される。また押出原料中に混入した異物などを除去するためのスクリーンを押出機ダイス部前のゾーンに設置し、異物を樹脂組成物から取り除くことも可能である。かかるスクリーンとしては金網、スクリーンチェンジャー、焼結金属プレート(ディスクフィルターなど)などを挙げることができる。
B成分およびその他添加剤(以下の例示において単に“添加剤”と称する)の押出機への供給方法は特に限定されないが、以下の方法が代表的に例示される。(i)添加剤を芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)とは独立して押出機中に供給する方法。(ii)添加剤と芳香族ポリカーボネート樹脂粉末とをスーパーミキサーなどの混合機を用いて予備混合した後、押出機に供給する方法。(iii)添加剤と芳香族ポリカーボネート樹脂とを予め溶融混練してマスターペレット化する方法。
上記方法(ii)の1つは、必要な原材料を全て予備混合して押出機に供給する方法である。また他の方法は、添加剤が高濃度に配合されたマスター剤を作成し、マスター剤を独立にまたは残りの芳香族ポリカーボネート樹脂とさらに予備混合した後、押出機に供給する方法である。尚、マスター剤は、粉末形態および粉末を圧縮造粒などした形態のいずれも選択できる。また他の予備混合の手段は、例えばナウターミキサー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、メカノケミカル装置、および押出混合機などがあるが、スーパーミキサーのような高速撹拌型の混合機が好ましい。さらに他の予備混合の方法は、例えば芳香族ポリカーボネート樹脂と添加剤を溶媒中に均一分散させた溶液とした後、溶媒を除去する方法である。
押出機より押出された樹脂は、直接切断してペレット化するか、またはストランドを形成した後かかるストランドをペレタイザーで切断してペレット化される。さらに外部の埃などの影響を低減する必要がある場合には、押出機周囲の雰囲気を清浄化することが好ましい。さらにかかるペレットの製造においては、光学ディスク用芳香族ポリカーボネート樹脂において既に提案されている様々な方法を用いて、ペレットの形状分布の狭小化、ミスカット物の低減、運送または輸送時に発生する微小粉の低減、並びにストランドやペレット内部に発生する気泡(真空気泡)の低減を行うことができる。これらの処方により成形のハイサイクル化、およびシルバーの如き不良発生割合の低減を行うことができる。またペレットの形状は、円柱、角柱、および球状など一般的な形状を取り得るが、より好適には円柱である。かかる円柱の直径は好ましくは1〜5mm、より好ましくは1.5〜4mm、さらに好ましくは2〜3.3mmである。一方、円柱の長さは好ましくは1〜30mm、より好ましくは2〜5mm、さらに好ましくは2.5〜3.5mmである。
<成形体>
本発明の樹脂組成物は、通常,ペレットの形態で射出成形の原料として用いられ成形される。またペレットを経由することなく、押出機で溶融混練された樹脂組成物を直接シート、フィルム、異型押出成形体、ダイレクトブロー成形体、および射出成形体にすることも可能である。
かかる射出成形においては、通常の成形方法だけでなく、適宜目的に応じて、射出圧縮成形、射出プレス成形、ガスアシスト射出成形、発泡成形(超臨界流体の注入によるものを含む)、インサート成形、インモールドコーティング成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形、二色成形、サンドイッチ成形、および超高速射出成形などの射出成形法を用いて成形体を得ることができる。これら各種成形法の利点は既に広く知られるところである。また成形はコールドランナー方式およびホットランナー方式のいずれも選択することができる。
また本発明の樹脂組成物は、押出成形により各種成形体、シートおよびフィルムなどに成形することもできる。またシート、フィルムの成形にはインフレーション法や、カレンダー法、キャスティング法なども使用可能である。さらに特定の延伸操作をかけることにより熱収縮チューブとして成形することも可能である。また本発明の樹脂組成物を回転成形やブロー成形などにより成形体とすることも可能である。
さらに本発明の樹脂組成物からなる成形体には、各種の表面処理を行うことが可能である。ここでいう表面処理とは、蒸着(物理蒸着、化学蒸着など)、メッキ(電気メッキ、無電解メッキ、溶融メッキなど)、塗装、コーティング、印刷などの樹脂成形体の表層上に新たな層を形成させるものであり、通常の芳香族ポリカーボネート樹脂に用いられる方法が適用できる。表面処理としては、具体的には、ハードコート、撥水・撥油コート、紫外線吸収コート、赤外線吸収コート、並びにメタライジング(蒸着など)などの各種の表面処理が例示される。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明する。なお、評価は下記の方法によった。
(1)難燃性
UL規格94の垂直燃焼試験を、厚み1.6mmおよび2.4mmで行いその等級を評価した。
(2)外観評価
評価は得られたペレットを120℃で6時間、熱風乾燥機により乾燥した後、射出成形機(住友重機械工業(株)SG−150U)を用いてシリンダー温度290℃(実施例54、55、および比較例28は240℃)、金型温度80℃(実施例54、55、および比較例28は60℃)で厚さ2mmの成形板(長さ40mm×幅50mm)を成形した。評価はパージ直後から10ショット目までを廃棄し、11ショット目を色相および表面状態(表面のスジ発生有無)評価用に使用した。なお評価は下記の基準に従って実施した。○:スジ発生無 △:ややスジ発生有 ×:スジ発生有
(3)衝撃強度
(i)シャルピー衝撃強度の測定
評価は射出成形により衝撃試験片を作成し、ISO 179に準じてノッチ付きシャルピー衝撃強度の測定を行った。
(ii)高速面衝撃の測定:
評価は得られたペレットを120℃で6時間、熱風乾燥機により乾燥した後、射出成形機(住友重機械工業(株)製SG−150U)を用いてシリンダー温度290℃(実施例54、55、および比較例28は240℃)、金型温度80℃(実施例54、55、および比較例28は60℃)で厚さ2mmの成形板(長さ150mm×幅150mm)を作成し、高速面衝撃試験(島津製作所(株)製ハイドロショットMTH−1、支持台半径:12.8mm、撃芯半径:6.4mm)を行い、破断エネルギーを測定した。かかる評価においては破断エネルギーが大きいほど好ましい。
(4)熱安定性
(i)分子量低下量(ΔMv)の測定
得られたペレット粘度平均分子量(M)を本文記載の方法により測定した。
次に、ペレットを120℃で6時間、熱風乾燥機により乾燥した後、射出成形機(住友重機械工業(株)製SG−150U)を用いてシリンダー温度290℃(実施例54、55、および比較例28は240℃)、金型温度80℃(実施例54、55、および比較例28は60℃)で厚さ2mmの成形板(長さ40mm×幅50mm)を作成した。かかる成形板を20ショット連続成形した後、計量が完了した状態で射出シリンダーを後退させてシリンダー内で溶融樹脂を10分間滞留させた。かかる滞留後に再度同様の条件で4ショットの成形を行った。かかる成形によりシリンダー内で滞留された樹脂組成物の成形板を作成し、粘度平均分子量(M10)を本文記載の方法により測定した。
ペレットの分子量(M)から滞留後の分子量(M10)を差し引いた値をΔMvとして評価した。かかるΔMvが少ないほど熱安定性が良好といえる。
(ii)変色評価(b値)
得られたペレットを120℃で6時間、熱風乾燥機により乾燥した後、射出成形機(住友重機械工業(株)製SG−150U)を用いてシリンダー温度290℃(実施例54、55、および比較例28は240℃)、金型温度80℃(実施例54、55、および比較例28は60℃)で厚さ2mmの成形板(長さ40mm×幅50mm)を作成した。評価はパージ直後から10ショット目までを廃棄し、11ショット目を色相評価用に使用した。色相はカラーコンピュータ(TC−1800MK−11:東京電色(株)製)を用いて、厚さ2mmの成形板の部分におけるb値を測定した。尚、b値が大きくなるほど黄色味が高くなることから、成形体は目視観察においてより強い変色感を有する。したがって、かかる評価においてはb値は小さいほど好ましい。
(5)耐加水分解性(ΔMv)
得られたペレットを120℃で6時間熱風乾燥機により乾燥した後、射出成形機(住友重機械工業(株)製SG−150U)を用いてシリンダー温度290℃(実施例54、55、および比較例28は240℃)、金型温度80℃(実施例54、55、および比較例28は60℃)で厚さ2mmの成形板(長さ40mm×幅50mm)を作成した。評価はパージ直後から10ショット目までを廃棄し、11ショット目の成形体を耐加水分解性評価用に使用した。耐加水分解性は、プレッシャークッカー(平山製作所プレッシャークッカーpc−305III/V)を用いて、特定処理条件下(処理温度:120℃、処理湿度:100%、処理時間:48時間(実施例54、55、および比較例28は24時間))で試験を行い、処理後の成形体の粘度平均分子量(M)を本文記載の方法により測定した。一方、処理前の成形体の粘度平均分子量(M)も同様に測定した。かかる処理前の分子量から処理後の分子量を差し引いた値(M−M)をΔMvとして評価した。かかるΔMvが少ないほど耐加水分解性が良好といえる。
(6)混合体(B成分)中の金属イオン測定
混合体(B成分)を約0.1g石英製容器に量りとり硝酸5mlを入れて密閉し、マイクロ波照射(Anton Paar製MULTIWAVE型)による分解を行った(ポリテトラフルオロエチレンは分解されなかった)。分解後、ポリテトラフルオロエチレンを取り出して超純水で水洗し、水洗した液に分解液を加え、超純水にて50mlに定溶した。定溶した溶液を適宜希釈して検液とした。誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS法)(横河アナリティシステムズ製Agilent7500cs型)により検液中のナトリウム金属イオン、カリウム金属イオンについて定量分析を行い、試料重量当たりの濃度に換算した。
実施例1〜56、および比較例1〜29
ビスフェノールAとホスゲンから界面縮重合法により製造された芳香族ポリカーボネート樹脂パウダーに、表1〜表7記載の各種添加剤および熱可塑性樹脂を各配合量で配合し、ブレンダーにて混合した後、ベント式二軸押出機((株)日本製鋼所製:TEX30α(完全かみ合い、同方向回転、2条ネジスクリュー))を用いて溶融混練しペレットを得た。添加剤はそれぞれ配合量の10倍の濃度で予め芳香族ポリカーボネート樹脂パウダーとの予備混合物をヘンシェルミキサーを用いて作成した後、ブレンダーによる全体の混合を行った。押出条件は吐出量20kg/h、スクリュー回転数150rpm、ベントの真空度3kPaであり、また押出温度は第1供給口からダイス部分まで260℃(実施例54、55、および比較例28は250℃)とした。
得られたペレットを120℃で6時間、熱風循環式乾燥機にて乾燥した後、射出成形機を用いて、シリンダー温度290℃(実施例54、55、および比較例28は240℃)および金型温度80℃(実施例54、55、および比較例28は60℃)、並びに射速50mm/secの条件で、長さ40mmおよび幅50mmかつ厚さが2mmの試験片および衝撃試験片を同時に成形した。射出成形機(住友重機械工業(株)製:SG−150U)を使用した。得られた成形板の各評価結果を表1〜表7に示した。
なお、表1〜表7中記号表記の各成分の内容は下記の通りである。
(A成分)
PC−1:ビスフェノールA、末端停止剤としてp−tert−ブチルフェノール、およびホスゲンから界面重縮合法で合成した直鎖状芳香族ポリカーボネート樹脂パウダー(帝人化成(株)製:パンライトL−1225WP(商品名)、粘度平均分子量22,400)
PC−2:ビスフェノールA、末端停止剤としてp−tert−ブチルフェノール、およびホスゲンから界面重縮合法で合成した直鎖状芳香族ポリカーボネート樹脂パウダー(帝人化成(株)製:L−1225WX(商品名)、粘度平均分子量19,700)
PC−3:ビスフェノールAとジフェニルカーボネートの溶融エステル交換反応により得られ、分岐結合成分が全繰返し単位中約0.1モル%である芳香族ポリカーボネート樹脂ペレット(粘度平均分子量22,500、尚、かかる分岐結合成分の割合は、H−NMRの測定より算出し、同様に測定されたPC−1の芳香族ポリカーボネート樹脂では0モル%(該当ピークなし)であった)。
PC−4:ビスフェノールA、末端停止剤としてp−tert−ブチルフェノール、およびホスゲンから界面重縮合法で合成した直鎖状芳香族ポリカーボネート樹脂パウダー(帝人化成(株)製:CM−1000(商品名)、粘度平均分子量16,000)
(B成分)
B−1:POLY TS AD001(商品名)(PIC社製、懸濁重合にて製造されたポリテトラフルオロエチレン粒子とスチレン−アクリロニトリル共重合体粒子との混合体(ポリテトラフルオロエチレン含有量50重量%))(ナトリウム金属イオン:3.5ppm、カリウム金属イオン:2.6ppm)
(B成分の比較用)
B−2:Blendex449(商品名)(Cronpton製、乳化重合にて製造されたポリテトラフルオロエチレン粒子とスチレン−アクリロニトリル共重合体粒子からなる混合体(ポリテトラフルオロエチレン含有量50重量%))(ナトリウム金属イオン:19ppm、カリウム金属イオン:31ppm)
B−3:ポリフロンMPA FA500(商品名)(ダイキン工業(株)製、ポリテトラフルオロエチレン)(ナトリウム金属イオン:0.1ppm以下、カリウム金属イオン:0.1ppm以下)
(C成分)
C−1:メガファックF−114P(商品名)(大日本インキ化学(株)製 パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩)
C−2:ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)を主成分とするリン酸エステル(大八化学工業(株)製:CR−741(商品名))
C−3:ハロゲン系難燃剤(テトラブロモビスフェノールAからの芳香族ポリカーボネートリゴマー)(帝人化成(株)製:ファイヤガードFG−7000(商品名))
(D成分)
D−1:ECS−03T−511(商品名)(日本電気硝子(株)製ガラスファイバー、直径13μm、カット長3mm)
D−2:PEF−301S(商品名)(日東紡(株)製ガラスミルドファイバー、直径9μm、数平均繊維長30μm)
D−3:Upn HS−T0.8(商品名)(林化成工業(株)製タルク、板状、平均粒子径2μm)
(E成分)
E−1:SXH330(商品名)(日本A&L(株)製 ABS樹脂 ブタジエンゴム成分約18重量%、乳化重合品)
E−2:AT−08(商品名)(日本A&L(株)製 ABS樹脂 ブタジエンゴム成分約18重量%、塊状重合品)
E−3:700FP(商品名)(ウインテックポリマー(株)製 ポリブチレンテレフタレート樹脂)
E−4:TR8580(商品名)(帝人(株)製 ポリエチレンテレフタレート樹脂)
E−5:コア−シェルグラフト共重合体(三菱レイヨン(株)製:メタブレンC−223A(商品名);コアがポリブタジエン70重量%、シェルがスチレンおよびメチルメタクリレートであるグラフト共重合体、平均ゴム粒子径が270nm)
(その他)
SL:リケマールSL900(商品名)(理研ビタミン(株)製飽和脂肪酸エステル系離型剤)
EW:リケスターEW−400(商品名)(理研ビタミン(株)製ペンタエリスリトールテトラステアレートを主成分とする脂肪酸エステル系離型剤)
TMP:TMP(商品名)(大八化学工業(株)製リン系安定剤)
AY:AY43−048(商品名)(東レ・ダウ・コーニング(株)製イソブチルトリメトキシシラン)
IRGX:フェノール系熱安定剤(Ciba Specialty Chemicals K.K.製;IRGANOX1076(商品名))
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表1〜表7から明らかなように、本発明の樹脂組成物は難燃性、外観および衝撃強度に優れ、さらに優れた熱安定性と耐加水分解性とを有する。本発明の樹脂組成物は、耐加水分解性評価におけるΔMvが、強化充填材を含まない樹脂組成物の場合、好ましくは1000以下、特に好ましくは900以下であり、強化充填材を含む樹脂組成物の場合、好ましくは1400以下、特に好ましくは1200以下である外観の良好な樹脂組成物である。
発明の効果
本発明の樹脂組成物は、難燃性、外観および衝撃強度に優れる。さらに本発明の樹脂組成物は、熱安定性および耐加水分解性に優れる。
本発明の樹脂組成物は、各種電子・電気機器、OA機器、車両部品、機械部品、その他農業資材、搬送容器、遊戯具および雑貨などの各種用途に有用である。

Claims (18)

  1. (A)芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)75〜99.98重量%、
    (B)ポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体とからなる混合体(B成分)0.01〜5重量%、および
    (C)難燃剤(C成分)0.01〜20重量%を含有し、
    B成分のナトリウム金属イオン含有量(ただし、ポリテトラフルオロエチレン粒子中のナトリウム金属イオンは除く)が10ppm以下であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. B成分のカリウム金属イオン含有量(ただし、ポリテトラフルオロエチレン粒子中のカリウム金属イオンは除く)が15ppm以下である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. B成分は、懸濁重合により製造される請求項1記載の樹脂組成物。
  4. B成分は、ポリテトラフルオロエチレン粒子の存在下で、有機系単量体を重合させ、ラテックスを形成すること無く得られる混合体である請求項1記載の樹脂組成物。
  5. ポリテトラフルオロエチレン粒子の直径が0.1〜0.6μm、数平均分子量が1×10〜1×10である請求項1記載の樹脂組成物。
  6. 有機系重合体が、スチレン系単量体および/またはアクリル系単量体由来の重合体である請求項1記載の樹脂組成物。
  7. 有機系重合体が、スチレン−アクリル系重合体である請求項1記載の樹脂組成物。
  8. スチレン−アクリル系重合体が、スチレン系単量体(i)並びにアクリル系単量体(ii)からなる重合体であり、スチレン系単量体(i)は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基およびハロゲン原子からなる群より選ばれる少なくとも1つの基により置換されてもよく、アクリル系単量体(ii)は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、アリール基およびグリシジル基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基により置換されてもよい(メタ)アクリレート誘導体を含む、請求項7記載の樹脂組成物。
  9. C成分は、有機金属塩系難燃剤である請求項1記載の樹脂組成物。
  10. 有機金属塩系難燃剤が有機スルホン酸アルカリ(土類)金属塩である請求項9記載の樹脂組成物。
  11. C成分が、含フッ素有機金属塩系難燃剤である請求項1記載の樹脂組成物。
  12. 含フッ素有機金属塩系難燃剤がパーフルオロアルキルスルホン酸金属塩である請求項11記載の樹脂組成物。
  13. A成分、B成分およびC成分の合計100重量部に対し、板状無機充填材(D−1成分)および繊維状無機充填材(D−2成分)からなる群より選ばれる少なくとも一種の強化充填材(D成分)1〜50重量部を含有する請求項1記載の樹脂組成物。
  14. D−1成分が、タルクである請求項13記載の樹脂組成物。
  15. D−2成分が、ガラス繊維およびガラス短繊維からなる群より選ばれる少なくとも一種の繊維状無機充填材である請求項13記載の樹脂組成物。
  16. 他の熱可塑性樹脂(E成分)を、A成分とE成分の合計100重量部に対し、1〜50重量部含有する請求項1記載の樹脂組成物。
  17. E成分が、ポリエステル樹脂および/またはABS樹脂である請求項16記載の樹脂組成物。
  18. 請求項1記載の樹脂組成物からなる成形体。
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