JPWO2008013168A1 - 光情報記録媒体、光情報記録媒体再生装置、および光情報記録媒体再生方法 - Google Patents

光情報記録媒体、光情報記録媒体再生装置、および光情報記録媒体再生方法 Download PDF

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Abstract

光情報記録媒体(1)は、再生光(2)の入射面側から、透光層(10)または透明基板と、情報記録層(20)と、基板(30)とがこの順に積層され、情報記録層(20)に、少なくとも、再生光(2)の光源波長λにおける複素屈折率が熱により変化する再生膜(21)を含み、基板(30)に形成されたプリピット(31)のトラックピッチをTPとし、再生光(2)を上記光情報記録媒体上に集光させる対物レンズ(55)の開口数をNAとすると、0.67×(λ/NA)>TP>0.04×(λ/NA)となる関係が満たされている。

Description

本発明は、光ビームを照射することにより、情報を再生する光情報記録媒体、光記録媒体の再生装置、および光記録媒体の再生方法に関する。
近年の高度情報化、情報通信、マルチメディア技術の発展によって、光情報記録媒体の高密度化、大容量化の要求が、一般的に、高まっている。光情報記録媒体の記録密度の上限は、主に情報を再生する光ビームのスポット径によって制限される。
この光ビームのスポット径は、再生光の光源波長をλとし、光ビームのスポット径を形成するための対物レンズの開口数をNAとすると、おおよそλ/NAで表される。そして、光ビームのスポット径を縮小することにより、光情報記録媒体の記録密度を向上させることが可能である。
しかしながら、光学素子の吸収や、検出器の感度特性の制限によって、再生光の光源波長λを小さくすることは、紫外線領域の波長の大きさまでが限界であると考えられる。
また、NAの向上は、光記録媒体の傾きの許容量によっておおよそ制限される。このため、光ビームのスポット径を縮小することにより、光情報記録媒体の記録密度を向上させるには限界がある。
これら限界を超える技術として、超解像再生技術が、一般的に知られている。この超解像再生技術とは、再生装置が有する光学解像限界(マーク長で表すと、光スポット径の1/4である約λ/(4NA))より小さなマーク長の信号を再生する技術である。これにより、より小さなマーク長を使用した記録が可能となるため、光情報記録媒体の記録密度を向上させることが可能となる。
特許文献1には、Super−ROMとよばれる、情報の再生に寄与する凹凸形状のプリピットの超解像技術を用いた超解像光情報記録媒体が開示されている。現在のところ、この超解像光情報記録媒体の再生メカニズムの詳細は、解明されていない。
しかしながら、再生専用型ディスクの反射膜に、従来から用いられているAlや、Auの代わりに、Mo,W,Si,Ge等を用いることにより、従来の光学系では光学解像限界であった、小さな記録ピット長の信号の再生が可能となる。
特許文献2には、基板の凹凸により、書き換え不可な情報が記録されている再生専用光情報記録媒体の再生には利用できないが、書き換え可能な光磁気記録媒体に対応した超解像再生方法が開示されている。
この超解像再生方法により、記録保持層の上に再生層を設け、再生時に、再生する光ビームのスポット内である温度以上になった領域でのみ、記録保持層に記録された信号が再生層に転写される。このため、光学解像限界より小さな記録マーク長の信号の再生が可能となる。これにより、記録トラックの走査方向に沿った線記録密度と、走査方向に直交する方向の隣接トラック間隔(トラックピッチ)に応じたトラック密度との両者を改善することができる。
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術では、光学解像限界より小さな記録ピット長の信号の再生が可能となり、線記録密度は確かに改善されるが、線記録密度の改善には限界がある。
また、トラック密度の改善効果があれば、さらなる高密度化につながるが、トラック密度を主に決定付ける隣接記録トラックからの信号のもれ込み、すなわちクロストークの改善効果がないため、トラック密度の向上の効果がない。
さらに、超解像再生に寄与する層は、厚さが数十nmと薄く、再生耐久性に乏しい。しかしながら、この超解像再生に寄与する層は、薄い方が超解像再生の効果が大きい。このため、超解像再生の効果を大きくするために、超解像再生に寄与する層の厚さを薄くすると、より再生耐久性が乏しくなるという問題が生じる。
また、特許文献2に記載の従来技術では、線記録密度とトラック密度の両者を改善することはできるが、光磁気記録再生方式における超解像再生技術であるため、光磁気記録再生方式のみに有効な技術である。
このため、例えば、ドライブの普及に重要と考えられている、基板に凹凸が形成されていることにより記録情報の書き換えが不可能な再生専用光情報記録媒体など、他の方式の再生に、特許文献2の従来技術を使用することはできない。
また、再生膜自体が直接光を吸収し、熱を発生することにより、超解像再生を可能としているため、再生膜材料自体にかかる負担が大きくなりやすく、再生耐久性に乏しいという問題もある。
また、従来の超解像膜としては、他に相変化膜や色素膜等が考えられるが、ともに使用される超解像膜自体が直接光、または熱を吸収することにより、超解像膜自体が、組成変化や、相変化するため、超解像膜材料自体にかかる負担が大きくなりやすく、再生耐久性に乏しい。
また、相変化膜や色素膜は、通常光情報記録媒体に使用される膜材料に比べて高価であり、超解像媒体が、通常の光情報記録媒体より高価になるという問題もあった。
上記のように、従来の超解像再生技術には、多くの問題がある。
日本国公開特許公報「特開2001−250274号公報」(2001年9月14日公開) 日本国公開特許公報「特開平3−93058号公報」(1991年4月18日公開)
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、線記録密度およびトラック密度の両方を向上することにより、高密度な記録情報の再生が可能で、再生耐久性に優れた光情報記録媒体、光情報記録媒体の記録再生装置、および光情報記録媒体の再生方法を提供することである。
本発明の光情報記録媒体は、上記課題を解決するために、情報が記録されており、再生光が照射されることにより該記録された情報が再生される光情報記録媒体において、上記再生光の入射面側から、透光層または透明基板と、情報記録層と、基板とがこの順に積層され、上記情報記録層に、少なくとも、上記再生光の光源波長λにおける複素屈折率が熱により変化する再生膜を含み、上記基板に形成された記録トラックのトラックピッチをTPとし、上記再生光を上記光情報記録媒体上に集光させる対物レンズの開口数をNAとすると、0.67×(λ/NA)>TP>0.04×(λ/NA)となる関係が満たされていることを特徴としている。
これにより、再生光の光源波長λにおける複素屈折率が熱により変化する再生膜に再生光が入射すると、上記再生膜自身、または、例えば、光吸収膜などの上記再生膜に隣接する層が、再生光の一部を吸収し熱に変換する。
この熱により上記再生膜は加熱され、上記再生膜の光スポット内に温度分布が生じる。この温度分布に対応して上記再生膜の光学定数nおよびkが変化し、高温領域内の反射率が増加あるいは、減少することにより、擬似的に再生光スポットが縮小した状態となり、光学解像限界以下のマーク長の記録マークが再生できると考えられる。
従って、上記情報記録層に、再生光の光源波長λにおける複素屈折率が熱により変化する上記再生膜を含んでいることによって、線記録密度を上げることが可能であり、また、走査方向と垂直な方向に関しても上述したように、擬似的に再生光スポットが縮小した状態になっているためクロストークを改善することが可能である。
さらに、再生光の光源波長λにおける複素屈折率が熱により変化する上記再生膜を有する上記光情報記録媒体は、再生耐久性が向上していることが実証実験により確認された。このため、再生光の光源波長λにおける複素屈折率が熱により変化する上記再生膜により、再生耐久性に優れた光情報記録媒体が可能となる。
また、上記情報記録層に上記再生膜を含んでいることによりクロストークが改善されるため、トラック間隔を狭くすることができる。
具体的には、従来技術では限界であったトラックピッチを0.67×(λ/NA)より小さくすることにより、従来技術よりトラック間隔を狭くすることができる。それゆえ、特許文献1などの超解像媒体ではできなかったトラック密度を上げることができ、より高密度な光情報記録媒体が可能となる。
すなわち、線記録密度とともにトラック密度を上げることも可能となり、従来の超解像技術を用いた光情報記録媒体では達成できなかった高密度な記録容量を得ることができる。
また、光情報記録媒体が再生の際に回転しているために、上記擬似的に再生光スポットが縮小した状態での中心が、再生光スポットの中心とずれているためなどにより、上記光情報記録媒体の内周側の隣接記録トラックからのクロストークが改善される量と、上記光情報記録媒体の外周側の隣接記録トラックからのクロストークが改善される量とが異なる場合があり、上記のように、TP>0.04×(λ/NA)に設定されていることにより、記録トラックの内周側と、外周側とのそれぞれのクロストークが改善される量を等しくすることができる。これにより、よりクロストークが改善され、トラック密度を上げることができる。
また、本発明の光情報記録媒体は、情報が記録されており、再生光が照射されることにより該記録された情報が再生される光情報記録媒体において、上記再生光の入射面側から、透光層または透明基板と、情報記録層と、基板とがこの順に積層され、上記情報記録層に、少なくとも、主に金属酸化物からなる再生膜を含み、上記基板に形成された記録トラックのトラックピッチをTPとし、上記再生光を上記光情報記録媒体上に集光させる対物レンズの開口数をNAとすると、0.67×(λ/NA)>TP>0.04×(λ/NA)となる関係が満たされていることを特徴としている。
従って、上記情報記録層に、少なくとも、主に金属酸化物からなる再生膜を含んでいることによって、線記録密度を上げることが可能であり、また、走査方向と垂直な方向に関してもクロストークを改善することが可能であるため、トラック間隔を狭くすることができる。それゆえ、特許文献1などの超解像媒体ではできなかったトラック密度を上げることができ、より高密度な光情報記録媒体が可能となる。
すなわち、線記録密度とともにトラック密度を上げることも可能となり、従来の超解像技術を用いた光情報記録媒体では達成できなかった高密度な記録容量を得ることができる。
また、主に金属酸化物からなる上記再生膜を用いた上記光情報記録媒体は、金属酸化物は化学的に安定であり、再生光入射にともなう破壊をうけにくいことから、良い再生耐久性を示す。それゆえ、特許文献1及び特許文献2に開示されている光情報記録媒体と比較して、再生耐久性の向上した光情報記録媒体が可能となる。
さらに、主に金属酸化物からなる上記再生膜の成膜は、蒸着法やスパッタ法により作製可能であるため、比較的容易に形成出来るという効果も有する。
そして、金属酸化物は、還元処理により金属として回収が可能である。このため、光情報記録媒体のリサイクル効率が向上するという効果も有する。
また、本発明の光情報記録媒体を再生する光情報記録媒体再生装置は、上記再生光の中心を、上記記録トラックの中心から、0.02×(λ/NA)より大きく、TP/4より小さい量だけ、ずらして再生することを特徴としている。
これにより、上記光情報記録媒体を再生する際の内周側の隣接トラックからのクロストークと、上記光情報記録媒体の外周側の隣接トラックからのクロストークとを等しくすることが可能となるため、よりトラック密度を向上させることが可能となる。このため、高密度な光情報記録媒体の再生装置を提供することが可能となる。
また、本発明の光情報記録媒体を再生する光情報記録媒体再生方法は、上記再生光の中心を、上記記録トラックの中心から、0.02×(λ/NA)より大きく、TP/4より小さい量だけ、ずらして再生することを特徴としている。
これにより、上記光情報記録媒体を再生する際の内周側の隣接トラックからのクロストークと、上記光情報記録媒体の外周側の隣接トラックからのクロストークとを等しくすることが可能となるため、よりトラック密度を向上させることが可能となる。このため、高密度な光情報記録媒体の再生方法を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態にかかる光情報記録媒体の一部を示す断面図である。 本発明の一実施形態にかかる光情報記録媒体の基板の一部分を斜め上方から見た斜視図である。 本発明の一実施形態にかかる光情報記録媒体の実証例1−1、実証例1−2、および実証例1−3のそれぞれにおけるC/Nのマーク長依存性(OTF)を示す特性図である。 図4の(a)は、実証例2−1、実証例2−2および実証例2−3のそれぞれにおける内周側隣接記録トラックからのクロストーク量の再生光パワー依存性を示す特性図であり、図4の(b)は、実証例2−1、実証例2−2および実証例2−3のそれぞれにおける外周側隣接記録トラックからのクロストーク量の再生光パワー依存性を示す特性図である。 上記光情報記録媒体を再生可能な光情報記録媒体再生装置の概略構成を示すブロック図である。
符号の説明
1:光情報記録媒体
10:透光層
20:情報記録層
21:再生膜
22:光吸収膜
30:基板
31:プリピット
50:光情報記録媒体再生装置(再生装置)
51:半導体レーザ(レーザ光照射手段)
52:コリメートレンズ(集光光学手段)
53:ビーム整形プリズム(集光光学手段)
54:ビームスプリッタ(集光光学手段)
55:対物レンズ(集光光学手段)
56:検出光学系(光電変換手段)
57:スピンドルモータ
58:光学ヘッド
60:光情報記録媒体
〔実施の形態1〕
本発明の一実施の形態について、図1および図2に基づいて説明すると以下の通りである。
図1は、光情報記録媒体1の断面図である。
図1に示すように、光情報記録媒体1は、基板30の上に、情報記録層20が形成されており、この情報記録層20の上に透光層10が形成されている。また、情報記録層20は、光吸収膜22と、再生膜21とからなる。
また、本実施の形態に係る光情報記録媒体1に記録された情報を読み取るための再生光2が、透光層10側から照射される。すなわち、透光層10の表面側が光入射面となる。
透光層10の材料は、特に限定されるわけではなく、再生光2を十分に透過すればよい。さらに、透光層10を構成する層の数も限定されるわけではなく、例えば、ポリカーボネートフィルム、および透明粘着樹脂層の2層から構成されていてもよいし、紫外線硬化樹脂などの材料を用いて1層で構成されていてもよい。
そして、透光層10の表面側である光入射面に、ハードコートなどの保護膜を設けてもよく、さらに、透光層10は透明基板であってもよい。また、透光層10の膜厚は、再生光2を照射する光学系に依存し決定される。
次に、再生膜21について説明する。
再生膜21は、超解像効果を生ずる膜であり、再生光2の光源波長λにおける複素屈折率が熱により変化する。再生膜21は、このための材料を含んで構成されている。
再生膜21を構成する材料としては、耐久性に優れている点、比較的作製が容易である点等の効果を有することから金属酸化物であることが好ましい。この金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化すず、酸化インジウム、酸化ニッケル、酸化バナジウム、酸化チタン、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、酸化コバルト、酸化タンタル等が挙げられる。
特に、最も良い超解像特性が得られている点、耐久性が良い点、温度変化に対する複素屈折率変化の可逆性が良い点、比較的安価な材料である点、等の効果を有する酸化亜鉛により再生膜21が構成されることがより好ましい。
また、再生膜21の膜厚は特に限定されるものではなく、使用する材料により膜厚を調整することができるが、5〜800nm程度が適当である。
次に、光吸収膜22について説明する。
光吸収膜22は、再生光2を吸収して、光吸収膜22自体が昇温することで、その熱を再生膜21に伝えることにより、再生膜21の温度を上昇させるものである。
言い換えると、情報記録層20に照射された再生光2の光を、この光吸収膜22が主に吸収することにより熱に変換し、この変換した熱を効率的に再生膜に伝えることにより光吸収膜22を設けない場合と比較して、情報記録層20における再生光2の熱変換を効率的に行うことができる。
この光吸収膜22の材料としては、特に限定されるものではなく、再生膜21の温度を効率よく上昇させる材料を光吸収膜22として選択することにより、再生光2のパワーを低く抑えることができる。これにより、再生光2を照射し、光情報記録媒体1の情報を読み取るための再生装置の再生感度を向上させる効果を有することができる。
このため、Si膜、Ge膜などの半導体や半金属、相変化材料、光磁気記録材料、再生光2を吸収する色素等の材料により、光吸収膜22が構成されていることが好ましい。さらに、最も良い再生感度が得られる点、比較的作製が容易である点、比較的安価である点等からSi膜、およびGe膜から光吸収膜22が構成されていることがより好ましい。
また、光吸収膜22は、反射膜の役割も果たす。この反射膜の役割を果たす光吸収膜22が、後述するプリピット31上に成膜されていることにより、プリピット31による凹凸が、光情報記録媒体1に記録された情報として、再生光2を照射する上記再生装置で認識することができる。
また、情報記録層20は、再生膜21と、光吸収膜22とからなるが、再生膜21のみで構成することも可能である。しかし、再生膜21と、基板30との間に光吸収膜22を設けることが好ましい。この光吸収膜22により、主に再生膜21に熱が供給されるため、より良い超解像特性を得ることができる。
また、情報記録層20は、再生膜21と、光吸収膜22とが別々に積層されている。すなわち、超解像効果を生ずる膜であり再生光の光源波長λにおける複素屈折率が熱により変化する再生膜21と、光を吸収し熱に変換し供給する光吸収膜22とが別々に積層されている。
このため、特許文献1に記載の超解像再生に寄与する層や、特許文献2に記載の再生膜、またその他の超解像技術にて使用される色素膜や、相変化膜等の超解像膜自体が直接光や熱を吸収する膜よりも、優れた再生耐久性を示す。
次に、図2を用い、基板30、および基板30上に形成されたプリピット31について説明する。
図2は、基板30の光入射面側の一部を拡大した斜視図である。
図2に示すように、基板30上には、凹凸形状を有したプリピット31が形成されている。
基板30の材料は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、熱可塑型ポリイミド、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエーテルニトリル)、PES(ポリエーテルサルホン)等の熱可塑性透明樹脂(プラスチック);熱硬化型ポリイミド、紫外線硬化型アクリル樹脂等の熱硬化性透明樹脂、ガラス、およびそれらの組合せ等が挙げられる。
このプリピット31により、光情報記録媒体1は、いわゆる再生専用光情報記録媒体としての機能を有する。プリピット31は、光情報記録媒体1の図示しない回転軸を中心とし、同心円状あるいはスパイラル状に形成されている。
また、このプリピット31に対して、再生光2を照射することにより、光情報記録媒体1に記録されている情報を再生することができる。このプリピット31の列を記録トラックとよぶ。また、この記録トラックの走査方向に直交する方向の記録トラック間隔を、トラックピッチ(TP)とよぶ。
このトラックピッチは、再生光2の光源波長λ、光スポットを形成するための対物レンズの開口数NAを用いて
0.67×(λ/NA)>TP>0.04×(λ/NA)
を満たすように形成されている。
まず、TP<0.67×(λ/NA)とする理由について説明を行う。
後述するが、再生膜21を有さない従来の光情報記録媒体においては、TP=0.67×(λ/NA)とした場合に、上記再生装置に要求されるクロストーク量の限界に達する。このため、TP<0.67×(λ/NA)とすることが出来ない。
しかし、本実施の形態に係る光情報記録媒体1は、再生膜21を有するため、従来の光情報記録媒体と比較して、クロストークが改善される。
このため、TP<0.67×(λ/NA)としても、上記再生装置に要求されるクロストーク量を満たすことができ、記録トラックの密度を上げることで、記録容量の向上が可能となる。
次に、TP>0.04×(λ/NA)とする理由について説明する。
後述するが、本実施の形態に係る光情報記録媒体1は、再生膜21を有することにより、従来の光情報記録媒体と比較してクロストークが改善される。
しかし、内周側の隣接記録トラックからのクロストークが改善される量と、外周側の隣接記録トラックからのクロストークが改善される量とが異なる場合がある。
このため、再生光2の中心を、記録トラックの中心からずらすことにより、記録トラックの内周側と、外周側とのそれぞれのクロストークが改善される量を等しくする。これにより、よりクロストークが改善され、トラック密度を上げることができる。
このように、再生光2の中心を、内周側の隣接記録トラックからのクロストークの改善される量と、外周側の隣接記録トラックからのクロストークの改善される量とが等しくなる方向にずらすには、このずらす量の最小値を0.02×(λ/NA)とし、TP>0.04×(λ/NA)とする必要があるためである。
次に、本実施形態に係る光情報記録媒体1の製造方法の一例について説明を行う。
光情報記録媒体1は、基板30を作製した後、基板30上に光吸収膜22が形成され、光吸収膜22上に再生膜21が形成され、さらに再生膜21上に透光層10が形成されている。
本実施の形態において、光吸収膜22、および再生膜21は、スパッタリング法により成膜を行った。しかしながら、これらを成膜するための方法は、スパッタリング法に限定されない。例えば、蒸着法も使用することができ、基板30上に光吸収膜22、および再生膜21をこの順に平坦に成膜することができればよい。
そして、透光層10として、例えば、透明粘着樹脂層の上にポリカーボネートフィルムを、スパッタリング法またはスピンコート法等により、再生膜21上に積層する。
このようにして、光情報記録媒体1が形成される。
また、本実施の形態に係る光情報記録媒体1は、図1に示した構成に限定されるものではなく、基板30および再生膜21を必須の構成要件として、種々の構成に適用することが可能である。例えば、保護膜や熱調整膜等の他の膜を新たに付加しても良い。
また、本実施の形態に係る光情報記録媒体1は、再生専用光情報記録媒体に関して説明を行ったが、これに限定されるわけではなく、例えば、追記型光情報記録媒体や、書き換え型光情報記録媒体にも適用することが可能である。
例えば、追記型光情報記録媒体や、書き換え型光情報記録媒体へ適用する場合は、基板30において、案内溝として機能する溝部や土手部を形成することにより、該溝部や、該土手部が記録トラックとしての役割を有することも出来る。
また、情報記録層20においては、再生膜21を必須の構成として、少なくとも相変化膜や光磁気膜等の記録層が積層される必要がある。
(実証実験1)
光情報記録媒体1に、再生膜21が形成されていることによる、光情報記録媒体1の線記録密度の向上、およびトラック密度の向上、および再生膜21の再生耐久性について実証実験を行った。
〔1−1.線記録密度の向上の実証実験〕
最初に、光情報記録媒体1に再生膜21が形成されていることにより、光情報記録媒体1の線記録密度が向上する効果を実証するために、以下の3種類の光情報記録媒体を作成し評価を行った。
実証例1−1として従来技術の非超解像媒体、実証例1−2として特許文献1に記載の超解像媒体、実証例1−3として再生光2の光源波長λにおける複素屈折率が熱により変化する再生膜21を用いた超解像媒体を作成した。
また、上記3種の実証例1−1,1−2,1−3のそれぞれの構造は、光入射面側より以下の通りである。
実証例1−1:透光層10としてポリカーボネートフィルム(80μm)、および透明粘着樹脂層(20μm)、反射膜としてAu(50nm)、基板30としてポリオレフィン系樹脂基板。
実証例1−2:透光層10としてポリカーボネートフィルム(80μm)、および透明粘着樹脂層(20μm)、超解像再生に寄与する層としてGe(50nm)、基板30として、ポリオレフィン系樹脂基板。
実証例1−3:透光層10としてポリカーボネートフィルム(80μm)、および透明粘着樹脂層(20μm)、再生光2の光源波長λにおける複素屈折率が熱により変化する再生膜21として、酸化亜鉛(144nm)、光吸収膜22としてGe(50nm)、基板30としてポリオレフィン系樹脂基板。
なお、基板30には、情報に寄与する凹凸形状のプリピット31として、トラックピッチ0.32μmで、マーク長80nm〜140nmのモノトーンピットが形成されている。
続いて、実証例1−1、実証例1−2、実証例1−3の超解像特性の比較結果について説明する。
図3は、青色レーザ光の波長である波長406nm半導体レーザと、NA(開口数)0.85の光学系とを有するディスク測定機にて、上記実証例1−1、実証例1−2及び実証例1−3のそれぞれにおける、OTFを測定した結果である。
なお、本実施例において使用した上記ディスク測定機の理論的な光学解像限界は、マーク長で表すと約0.12μmである。
また、OTFとは、超解像性能を表す指標であり、信号品質を表す評価基準であるC/Nのマーク長依存性を表す。
さらに、本実証実験にて上記測定に使用した上記ディスク測定機で使用可能な再生光2の照射パワー範囲は、0mW〜2.0mWである。
そして、図3に示したデータを測定した再生光2は、実証例1−1、実証例1−2、実証例1−3のそれぞれで、光学解像限界以下のマーク長である0.12μm、0.10μmにおけるC/Nが最も良い照射パワーとした。
具体的には、それぞれ、実証例1−1:2.0mW、実証例1−2:0.75mW、実証例1−3:2.0mWとした。また、線速は、3.0m/sで測定を行った。
図3に示すように、実証例1−1では、ディスク測定機の理論的な光学解像限界であるマーク長0.12μmにおいて、C/Nが10dB以下であり、C/Nがほとんど確認されなかった。この結果から、実証例1−1が超解像効果を有していないことがわかる。
これに対し、実証例1−2では、理論的な光学解像限界以下のマーク長である0.12μm、および0.10μmのC/Nがそれぞれ、40dB、24dBであった。
また、実証例1−3では、理論的な光学解像限界以下のマーク長である0.12μm、0.10μm、および0.08μmのC/Nがそれぞれ、42dB、38dB、および22dBであった。
この結果より、実施例1−2、および実施例1−3はともに超解像効果を有していることがわかる。
仮に、信号の再生に必要なC/Nが35dBだとすると、実証例1−1は、0.14μm、実証例1−2は0.12μm、実証例1−3は0.10μmのマーク長まで再生が可能である。
また、仮に、信号の再生に必要なC/Nが20dBだとすると、実証例1−2は0.10μm、実証例1−3は0.08μmのマーク長まで再生が可能である。
この結果より、特許文献1に記載の超解像媒体、および、本実施の形態にかかる再生膜21を用いた超解像媒体は、従来の非超解像媒体と比較して、線記録密度を向上させる効果を有していることがわかる。さらに、本実施の形態にかかる再生膜21を用いた超解像媒体は、特許文献1に記載されている超解像媒体と比較しても、本実施の形態に係る再生膜21を用いた超解像媒体の方が、線記録密度の向上の効果が高いことがわかる。
〔1−2.トラック密度の向上効果の実証実験〕
次に、再生膜21により、本実施の形態に係る光情報記録媒体1のトラック密度が向上する効果の実証を行うために、以下の3種類の光情報記録媒体を作成し評価を行った。
実証例2−1として従来技術の非超解像媒体、実証例2−2として従来技術である特許文献1に記載の超解像媒体、実証例2−3として再生膜21を用いた超解像媒体を作成した。
また、上記3種の実証例2−1,2−2,2−3のそれぞれの構造は、光入射面側より以下の通りである。
実証例2−1:透光層10としてポリカーボネートフィルム(80μm)および透明粘着樹脂層(20μm)、反射膜としてAu(50nm)、基板30としてポリオレフィン系樹脂基板。
実証例2−2:透光層10としてポリカーボネートフィルム(80μm)および透明粘着樹脂層(20μm)、超解像再生に寄与する層としてGe(50nm)、基板30としてポリオレフィン系樹脂基板。
実証例2−3:透光層10としてポリカーボネートフィルム(80μm)および透明粘着樹脂層(20μm)、再生光の光源波長λにおける複素屈折率が熱により変化する再生膜21として酸化亜鉛(144nm)、光吸収膜22としてGe(50nm)、基板30としてポリオレフィン系樹脂基板。
基板30には、情報に寄与する凹凸形状のプリピットとして、トラックピッチ0.32μmで、記録トラック1周ごとにマーク長175nm、160nm、147nmのモノトーンピットが内周から順に繰り返し形成されている。
続いて、実証例2−1、実証例2−2、実証例2−3のクロストークの比較結果について説明する。
図4の(a)及び図4の(b)はそれぞれ、青色レーザ光の波長である波長406nm半導体レーザと、NA(開口数)0.85の光学系を有し、一般的に使用されているディスク測定機にて、実証例2−1、実証例2−2及び実証例2−3におけるクロストーク量の再生光2の照射パワーに対する依存性を測定した結果である。
図4の(a)は、内周隣接記録トラックからのクロストーク量の再生光2のパワーに対する依存性を測定した結果であり、図4の(b)は、外周隣接記録トラックからのクロストーク量の再生光2のパワーに対する依存性を測定した結果である。
本実施例においてクロストーク量とは、再生光2が走査している記録トラックのキャリアレベルの差であり、クロストーク量の値が大きいほど隣接する記録トラックからの信号のもれ込みが少ないことを示す。
本実施例においては、再生光2が走査している記録トラックのマーク長は160nmであり、記録トラックにおける内周側の隣接記録トラックがマーク長175nm、外周側の隣接記録トラックがマーク長147nmであり、キャリアレベルの差の単位はdBであらわす。
但し、このクロストーク量の定義では、再生光2が走査している記録トラックで再生光2の照射パワーを上昇させた場合に、再生膜21による超解像効果が生じることにより、C/Nが向上してしまうと、クロストーク量の値が大きくなり、隣接記録トラックからの信号のもれ込みを正当に評価できなくなる。
しかし、実証例2−1、実証例2−2、および実証例2−3のそれぞれにおいて、マーク長175nm、160nm、147nmのC/Nが再生光2の照射パワーで変化しないことは確認済みであるため、問題ない。また、測定した線速は、3.0m/sである。
すなわち、トラック密度は主に上記のように定義されるクロストーク量により決定される。このクロストーク量の値が大きいほど、隣接する記録トラックからの信号のもれ込みが少ないため、よりトラック密度を上げることが出来る。
図4の(a)に示されているように、非超解像媒体である実証例2−1と同様に、特許文献1に記載の超解像媒体である実証例2−2において、内周側隣接記録トラックからのクロストーク量は、再生光2の照射パワーに依存せずほぼ20dBである。
また、図4の(b)に示されているように、実証例2−1、および、実証例2−2の外周側隣接記録トラックからのクロストーク量は、再生光2の照射パワーに依存せずほぼ23dBである。
今、再生装置側の要請により、再生光2を照射する上記再生装置を安定して再生させるためのクロストーク量の値は、非超解像媒体である実証例2−1とほぼ同じ値が求められており、内周側隣接記録トラックからのクロストーク量は約20dB、外周側隣接記録トラックからのクロストーク量は約23dBが求められている。
一般に、トラック密度を上げることは、トラックピッチを狭くすることであり、このため、隣接記録トラックからの信号のもれ込みが大きくなり、クロストーク量は小さくなる。すなわち、実証例2−1および実証例2−2においては、今回測定に使用した上記ディスク測定機でトラックピッチを0.32μmより小さくすることはできない。
また、再生光2の光スポット径が変わると、上述したクロストーク量を満たすトラックピッチも変わる。このため、トラックピッチを再生光2の光スポット径である再生光2の光源波長λと、対物レンズの開口数NAとで表すと、実証例2−1及び実証例2−2では、トラックピッチを0.67×(λ/NA)より小さくすることはできない。
これに対し、図4の(a)および図4の(b)から、再生膜21を用いた超解像媒体である実証例2−3では、再生光2の照射パワーを上昇させると、クロストーク量が大きくなっていることがわかる。また、内周側隣接記録トラックからのクロストーク量、および外周側隣接記録トラックからのクロストーク量が、ともに、実証例2−1、および実証例2−2より大きく、クロストーク量が改善されていることがわかる。
例えば、再生光2の照射パワー1.25mWにおいて、内周側隣接記録トラックからのクロストーク量は25dB、外周側隣接記録トラックからのクロストーク量は約38dBである。
上述したように、一般にトラックピッチを小さくすると、クロストーク量も小さくなり、上記再生装置を安定して再生するための内周側隣接記録トラックからのクロストーク量:約20dB、および外周側隣接記録トラックからのクロストーク量:約23dBとなるまでトラックピッチを詰めることが可能である。
このため、再生膜21を用いた超解像媒体である実証例2−3では、トラックピッチを0.67×(λ/NA)より小さくすることができ、トラック密度を上げることが可能となる。
また、後に実施の形態2で説明するが、図4の(a)、図4の(b)に示すように、実証例2−3では内周側隣接記録トラックからのクロストーク量と、外周側隣接記録トラックからのクロストーク量とが大きく異なる場合がある。
このため、再生光2を照射するための上記再生装置で、再生光2の中心を、記録トラックの中心から外周側にずらすことにより、内周側隣接記録トラックからのクロストーク量と、外周側隣接記録トラックからのクロストーク量とを等しくすることで、よりクロストーク量が改善されることにより、よりトラック密度を上げることができる。
しかし、その外周側にずらすクロストーク量の最小値が0.02×(λ/NA)である。このため、再生光2の中心をTP(>0.04×(λ/NA))だけ外周側にずらさないと、実質的に外側にずらしたことにならない。すなわち、再生光2の中心を、記録トラックの中心から外周側にずらす効果が出ないことから、0.04×(λ/NA)より小さくトラックピッチを詰めることは出来ない。
以上のように、非超解像媒体である実証例2−1、および、図3に示したように、線記録密度の向上効果を有する特許文献1に記載の超解像媒体である実証例2−2においては、トラックピッチを0.67×(λ/NA)より小さくすることはできず、トラック密度を上げることはできない。
しかしながら、再生膜21を用いた超解像媒体である実証例2−3においては、0.67×(λ/NA)より小さく0.04×(λ/NA)より大きい範囲で、トラックピッチを小さくすることができ、これによりトラック密度を上げることができる。
〔1−3.再生膜21の再生耐久性の実証実験〕
次に、再生膜21による光情報記録媒体1の再生耐久性について説明する。
上記実証例1−2、および上記実証例1−3の光情報記録媒体において、マーク長0.10μmの再生信号の再生耐久性を比較した。すると、実証例1−3の方が優れており、すなわち、再生膜21が再生耐久性に優れていることがわかった。この点について、以下詳細に説明する。
図1に示す光情報記録媒体1の作製を行った、以下、これを第1実験媒体と称する。この第1実験媒体の作製、および評価の結果について説明する。
図1に示す光情報記録媒体1としての第1実験媒体は、透光層10としてポリカーボネートフィルム(80μm)および透明粘着樹脂層(20μm)、再生光2の光源波長λにおける複素屈折率が熱により変化する再生膜21として酸化亜鉛(144nm)、光吸収膜22としてGe(50nm)、基板30としてポリオレフィン系樹脂基板を備え、光入射面よりこの順に積層された構造となっている。
基板30には、情報に寄与する凹凸形状のプリピットとして、トラックピッチ0.30μm(0.67×(λ/NA)=約0.32μmより小さく、0.04×(λ/NA)=約0.02μmより大きい量に該当)で、マーク長94nmのモノトーンピットが形成されている。
第1実験媒体を青色レーザ光の波長である波長406nm半導体レーザと、NA(開口数)0.85の光学系を有するディスク測定機にて測定したところ、線速3.0m/s、再生光パワー1.5mWで、マーク長94nmのC/Nが27dBで、優れた再生耐久性があることを確認した。
このように、第1実験媒体は、再生専用光情報記録媒体にも使用可能で、線記録密度およびトラック密度の両方を向上することにより、より高密度な記録情報の再生が可能となり、さらに、再生耐久性に優れた光情報記録媒体であることが確認された。
〔実施の形態2〕
次に、第2の実施の形態として、再生光2の中心を記録トラックの中心から外周側にずらすことにより、内周側隣接記録トラックからのクロストーク量と、外周側隣接記録トラックからのクロストーク量とを等しくし、トラック密度を上げる方法について説明する。
図5に示すのは、再生光2を、光情報記録媒体60に照射するための再生装置50である。この光情報記録媒体60は、本実施の形態にかかる光情報記録媒体1にかかわらず、一般的に使用されている光情報記録媒体をさす。
再生装置50は、半導体レーザ51(レーザ光照射手段)、コリメートレンズ52(集光光学手段)、ビーム整形プリズム53(集光光学手段)、ビームスプリッタ54(集光光学手段)、対物レンズ55(集光光学手段)、検出光学系56(光電変換手段)からなる光学ヘッド58、およびスピンドルモータ57を備えている。
さらに、再生装置50は、図示しない、相対運動手段と、サーボ手段と、アドレス情報検出手段と、再生信号復調手段等を有する。
半導体レーザ51として、本実施の形態においては406nmの波長のものを使用する。
再生光2は、半導体レーザ51から照射されたレーザ光であり、コリメートレンズ52、対物レンズ55などの集光レンズ、および、ビーム整形プリズム53、ビームスプリッタ54などの光学部品によりビーム状となり、光情報記録媒体1上に集光される。
相対運動手段(不図示)は、集光光学手段と、光情報記録媒体60とを相対運動させるもので、図示しないリニアアクチュエータや、スイングアームなどからなる。この相対運動は、光情報記録媒体1の回転あるいは平行移動と、上記集光光学手段に含まれる集光レンズの光軸に直角方向の運動とのいずれか一方を含む。
検出光学系56は、光情報記録媒体60からの反射光レベルの高低を電気信号に変換するものである。また、サーボ手段(不図示)は、再生光2のオートフォーカス、および、トラッキングを行うものである。
そして、アドレス情報検出手段(不図示)は、光情報記録媒体60上に設けられたアドレス情報マークを再生することにより得られる電気信号から、アドレス情報を検出するものであり、再生信号復調手段(不図示)は、光情報記録媒体60の反射光により、光情報記録媒体60に記録された記録情報を再生するものである。
本実施の形態においては、光学ヘッド58内に、レーザ光照射手段、集光光学手段、光電変換手段、およびサーボ手段は収納されている。また、上記した相対運動手段により、光学ヘッド58は、光情報記録媒体60と相対運動を行う。しかしながら、レーザ光照射手段と、光電変換手段と、集光光学手段とは光学ヘッド58ではない別のケースに収めることも可能である。
また、再生装置50は、再生光2と、光情報記録媒体60とのなす角度を調節するための角度調節手段をさらに備えておくことが好ましい。これにより、再生光2と、光情報記録媒体60との収差の発生による光スポットの劣化を防止することができる。
本実施形態の再生装置50は、上記実施形態の光情報記録媒体1を再生することが可能である。
再生装置50は、まず、光源である半導体レーザ51からのレーザ光が、コリメートレンズ52によってほぼ平行光に変換され、さらに、ビーム整形プリズム53によって、光強度の分布がほぼ円形に整形される。
この光強度の分布がほぼ円形の平行光は、ビームスプリッタ54を透過した後、対物レンズ55によって再生光2として光情報記録媒体60に集光される。さらに、光情報記録媒体60からの反射光が、ビームスプリッタ54で分岐され、検出光学系56に導かれる。
また、スピンドルモータ57は、光情報記録媒体60を回転することにより、再生光2を光情報記録媒体60上で走査させる。
また、検出光学系56では、光情報記録媒体60からの反射光の偏光方向の変化や、反射光強度の変化などから光情報記録媒体60からの信号を識別し、光情報記録媒体60上に記録された記録マークを読み取る。
また、同時に、再生光2の光情報記録媒体60に対しての焦点ずれ信号と、光情報記録媒体60におけるトラック位置ずれ信号とを検出光学系56にて検出する。この焦点ずれ信号と、トラック位置ずれ信号とを対物レンズ55の位置にフィードバックすることにより、再生光2と、光情報記録媒体60との位置ずれを補正するように、光学ヘッド58を動作させる。本実施の形態においては、対物レンズ55の開口数(NA)は例えば0.85に設定する。
そして、光情報記録媒体60が、本実施の形態1にかかる光情報記録媒体1であると再生装置50が識別したときには、再生光2の中心を、記録トラックの中心から、0.02×(λ/NA)より大きく、TP/4より小さい量だけ、ずらして再生するように、光学ヘッド58を動作させる。
光情報記録媒体60が本実施の形態1にかかる光情報記録媒体1であるかの識別方法としては、あらかじめ光情報記録媒体1であるという情報を、例えばリードインエリアに埋め込んでおき、再生装置50が光情報記録媒体60のリードインエリアからの反射光を検出光学系で判断させる方法がある。
また、再生光2の中心を、記録トラックの中心から、0.02×(λ/NA)より大きく、TP/4より小さい量だけ、ずらして再生するように、光学ヘッド58を動作させる方法としては、トラック位置ずれ信号に電気的にオフセットをかけることで、再生光2の中心と、記録トラックの中心とのずらす量を制御する方法がある。
光情報記録媒体60は、図4の(a)および図4の(b)に示すように、内周側隣接記録トラックからのクロストーク量が、外周側隣接記録トラックからのクロストーク量より小さい。このため、光情報記録媒体60のトラックピッチをどこまで狭くできるかは、内周側隣接記録トラックのクロストーク量により支配的に決定される。
そこで、再生光2の中心を、記録トラックの中心から、外周側にずらして再生することにより、内周側隣接記録トラックからのクロストーク量と外周側隣接記録トラックからのクロストーク量とを等しくすることができる。
これにより、再生光2の中心と、記録トラックの中心とをずらさないで再生した場合と比較して、より光情報記録媒体60のトラックピッチを狭くすることができる。このため、光情報記録媒体60のトラック密度を上げることができる。この再生光2の中心を記録トラックの中心から外周側にずらす量は、以下のように決定される。
まず、一般的にトラッキングサーボは、安定に信号を再生するためには、そのぶれ量を0.02×(λ/NA)より小さく押さえ込む必要がある。
すなわち、再生光2の中心と、記録トラックの中心とを一致させて再生している場合にも、最大0.02×(λ/NA)だけ再生光2の中心と、記録トラックの中心とがずれて再生している可能性がある。
このため、再生光2の中心と、記録トラックの中心とを0.02×(λ/NA)より大きくずらすことにより、光情報記録媒体60でトラック密度を上げることができるという効果を有効に発揮することができる。
また、トラッキングサーボとして一般的なプッシュプル方式を用いた場合は、トラックピッチをTPとして表すと、再生光2の中心と、記録トラックの中心との位置ずれ信号に対して、電気的にオフセットをかけることで、再生光2の中心を記録トラックの中心からずらすことができる量の最大値は±(TP/4)である。
従って、光情報記録媒体60で、トラック密度を上げることができる効果を有効に発揮させるために、再生光2の中心を、記録トラックの中心からずらすことができる量の最大値は、(TP/4)となる。
このように、再生装置50にて光情報記録媒体60を再生する際に、再生光2の中心を記録トラックの中心から0.02×(λ/NA)より大きく、TP/4より小さい量だけずらして再生する。
これにより、再生光2の中心と、記録トラックの中心とをずらさないで再生した場合と比較し、より光情報記録媒体60のトラックピッチを狭くすることができる。このため、光情報記録媒体60のトラック密度を上げることができる。
なお、再生装置50にて、再生光2の中心を記録トラックの中心から0.02×(λ/NA)より大きく、TP/4より小さい量だけずらして再生する光情報記録媒体60は、本実施の形態1に係る光情報記録媒体1でなくとも、再生膜21を有する別の光情報記録媒体であってもよい。
この場合、トラック密度を上げることができる効果は望めないが、図4に示すように、再生光の光源波長λにおける複素屈折率が熱により変化する再生膜21は、クロストーク量を改善する効果がある。
しかし、内周側隣接記録トラックからのクロストーク量と、外周側隣接記録トラックからのクロストーク量とで大きな差を生じる。
このため、再生光2の中心を記録トラックの中心から0.02×(λ/NA)より大きく、TP/4より小さい量だけずらして再生することにより、内周側隣接記録トラックからのクロストーク量と、外周側隣接記録トラックからのクロストーク量とを等しくする。
これにより、内周側隣接記録トラックからのクロストーク量を大きくすることで、再生光2の中心と、記録トラックの中心とをずらさないで再生した場合と比較して、再生装置50側に要求される安定した再生を行うためのクロストーク量の値に余裕が生じる。このため、再生装置50のコストを抑えることができる。
また、再生装置50は、上述してきた構成に限定されるものではなく、例えば、光情報記録媒体1などの再生膜21を有する光情報記録媒体を再生する際に、再生光2の中心を記録トラックの中心から0.02×(λ/NA)より大きく、TP/4より小さい量だけずらして再生することができれば良い。
さらに、再生装置50には、再生または記録専用の装置の他、再生および記録の両方が可能な装置が含まれていてもよい。また使用形態においては、据え置き用、携帯用のいずれでもよい。
また、本実施の形態1に係る光情報記録媒体60の再生方法は、光情報記録媒体1または再生膜21を有する光情報記録媒体を再生する際に、再生光2の中心を記録トラックの中心から0.02×(λ/NA)より大きく、TP/4より小さい量だけずらして再生する再生方法である。
(実証実験2)
次に、光情報記録媒体1を作成し、再生装置50にて再生光2の中心と、記録トラックの中心とを0.02×(λ/NA)より大きく、TP/4より小さい量だけずらして再生し、この再生耐久性についての実証実験を行った。
図1に示す本実証実験に係る光情報記録媒体1は、透光層10としてポリカーボネートフィルム(80μm)および透明粘着樹脂層(20μm)、再生光2の光源波長λにおける複素屈折率が熱により変化する再生膜21として酸化亜鉛(144nm)、光吸収膜22としてGe(50nm)、基板30としてポリオレフィン系樹脂基板を備え、再生光2入射面よりこの順に積層された構造となっている。以後、本実証実験における光情報記録媒体を第2実験媒体と称する。
基板30には、情報に寄与する凹凸形状のプリピット31として、トラックピッチ0.28μmで、マーク長94nmのモノトーンピットが形成されている。このトラックピッチの間隔0.28μmは、0.67×(λ/NA)=約0.32μmより小さく、0.04×(λ/NA)=約0.02μmより大きい量に該当する。
第2実験媒体を青色レーザ光の波長である波長406nm半導体レーザと、NA(開口数)0.85の光学系とを有する再生装置50にて測定を行った。線速3.0m/s、再生光2の照射パワー1.5mWで、再生光2の中心を記録トラックの中心から20nm(0.02×(λ/NA)=約10nmより大きく、TP/4=70nmより小さい量に該当)外周側にずらして再生を行ったところ、マーク長94nmのC/Nが25dBで、優れた再生耐久性があることを確認した。
このように、本実施の形態に係る再生装置50は、よりトラック密度を上げることができるという効果があり、再生耐久性があることも確認された。
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で、種々の変更が可能である。すなわち、特許請求の範囲に示した範囲で、適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の光情報記録媒体は、以上のように、情報が記録されており、再生光が照射されることにより該記録された情報が再生される光情報記録媒体において、上記再生光の入射面側から、透光層または透明基板と、情報記録層と、基板とがこの順に積層され、上記情報記録層に、少なくとも、上記再生光の光源波長λにおける複素屈折率が熱により変化する再生膜を含み、上記基板に形成された記録トラックのトラックピッチをTPとし、上記再生光を上記光情報記録媒体上に集光させる対物レンズの開口数をNAとすると、0.67×(λ/NA)>TP>0.04×(λ/NA)となる関係が満たされていることを特徴としている。
これにより、再生光の光源波長λにおける複素屈折率が熱により変化する再生膜に再生光が入射すると、上記再生膜自身、または、例えば、光吸収膜などの上記再生膜に隣接する層が、再生光の一部を吸収し熱に変換する。
この熱により上記再生膜は加熱され、上記再生膜の光スポット内に温度分布が生じる。この温度分布に対応して上記再生膜の光学定数nおよびkが変化し、高温領域内の反射率が増加あるいは、減少することにより、擬似的に再生光スポットが縮小した状態となり、光学解像限界以下のマーク長の記録マークが再生できると考えられる。
従って、上記情報記録層に、再生光の光源波長λにおける複素屈折率が熱により変化する上記再生膜を含んでいることによって、線記録密度を上げることが可能であり、また、走査方向と垂直な方向に関しても上述したように、擬似的に再生光スポットが縮小した状態になっているためクロストークを改善することが可能である。
さらに、再生光の光源波長λにおける複素屈折率が熱により変化する上記再生膜を有する上記光情報記録媒体は、再生耐久性が向上していることが実証実験により確認された。このため、再生光の光源波長λにおける複素屈折率が熱により変化する上記再生膜により、再生耐久性に優れた光情報記録媒体が可能となる。
また、上記情報記録層に上記再生膜を含んでいることによりクロストークが改善されるため、トラック間隔を狭くすることができる。
具体的には、従来技術では限界であったトラックピッチを0.67×(λ/NA)より小さくすることにより、従来技術よりトラック間隔を狭くすることができる。それゆえ、特許文献1などの超解像媒体ではできなかったトラック密度を上げることができ、より高密度な光情報記録媒体が可能となる。
すなわち、線記録密度とともにトラック密度を上げることも可能となり、従来の超解像技術を用いた光情報記録媒体では達成できなかった高密度な記録容量を得ることができる。
また、光情報記録媒体が再生の際に回転しているために、上記擬似的に再生光スポットが縮小した状態での中心が、再生光スポットの中心とずれているためなどにより、上記光情報記録媒体の内周側の隣接記録トラックからのクロストークが改善される量と、上記光情報記録媒体の外周側の隣接記録トラックからのクロストークが改善される量とが異なる場合があり、上記のように、TP>0.04×(λ/NA)に設定されていることにより、記録トラックの内周側と、外周側とのそれぞれのクロストークが改善される量を等しくすることができる。これにより、よりクロストークが改善され、トラック密度を上げることができる。
また、本発明の光情報記録媒体は、情報が記録されており、再生光が照射されることにより該記録された情報が再生される光情報記録媒体において、上記再生光の入射面側から、透光層または透明基板と、情報記録層と、基板とがこの順に積層され、上記情報記録層に、少なくとも、主に金属酸化物からなる再生膜を含み、上記基板に形成された記録トラックのトラックピッチをTPとし、上記再生光を上記光情報記録媒体上に集光させる対物レンズの開口数をNAとすると、0.67×(λ/NA)>TP>0.04×(λ/NA)となる関係が満たされていることを特徴としている。
従って、上記情報記録層に、少なくとも、主に金属酸化物からなる再生膜を含んでいることによって、線記録密度を上げることが可能であり、また、走査方向と垂直な方向に関してもクロストークを改善することが可能であるため、トラック間隔を狭くすることができる。それゆえ、特許文献1などの超解像媒体ではできなかったトラック密度を上げることができ、より高密度な光情報記録媒体が可能となる。
すなわち、線記録密度とともにトラック密度を上げることも可能となり、従来の超解像技術を用いた光情報記録媒体では達成できなかった高密度な記録容量を得ることができる。
また、主に金属酸化物からなる上記再生膜を用いた上記光情報記録媒体は、金属酸化物は化学的に安定であり、再生光入射にともなう破壊をうけにくいことから、良い再生耐久性を示す。それゆえ、特許文献1及び特許文献2に開示されている光情報記録媒体と比較して、再生耐久性の向上した光情報記録媒体が可能となる。
さらに、主に金属酸化物からなる上記再生膜の成膜は、蒸着法やスパッタ法により作製可能であるため、比較的容易に形成出来るという効果も有する。
そして、金属酸化物は、還元処理により金属として回収が可能である。このため、光情報記録媒体のリサイクル効率が向上するという効果も有する。
また、本発明の光情報記録媒体においては、さらに、上記再生膜が、酸化亜鉛、または酸化亜鉛を主成分とする化合物であることが好ましい。
これにより、金属酸化物である酸化亜鉛は、化学的に安定物質であり、耐久性がよいため再生光入射時に融解することはなく、破壊を受けにくい。このため、より高い再生耐久性を有する光情報記録媒体が可能となる。
また、酸化亜鉛は安価であり、環境に負荷が少ない物質である。そのため、生産コストが抑えられ、環境調和型の光情報記録媒体を提供することができる。また、上述した本発明の光情報記録媒体を容易に実現することが出来るという効果を有する。
さらに、酸化亜鉛は色素膜より比較的安価であるため、色素膜を用いた超解像技術と比較してコストの低減が可能となる効果を有する。
また、相変化材料は管理が困難で管理コストがかかるが、酸化亜鉛は環境安定性が高く管理コストが安いという効果があるため、相変化膜を用いた超解像技術と比較してコストの低減が可能となる効果を有する。
また、本発明の光情報記録媒体を再生する光情報記録媒体再生装置は、上記再生光の中心を、上記記録トラックの中心から、0.02×(λ/NA)より大きく、TP/4より小さい量だけ、ずらして再生することを特徴としている。
これにより、上記光情報記録媒体を再生する際の内周側の隣接トラックからのクロストークと、上記光情報記録媒体の外周側の隣接トラックからのクロストークとを等しくすることが可能となるため、よりトラック密度を向上させることが可能となる。このため、高密度な光情報記録媒体の再生装置を提供することが可能となる。
また、本発明の光情報記録媒体を再生する光情報記録媒体再生方法は、上記再生光の中心を、上記記録トラックの中心から、0.02×(λ/NA)より大きく、TP/4より小さい量だけ、ずらして再生することを特徴としている。
これにより、上記光情報記録媒体を再生する際の内周側の隣接トラックからのクロストークと、上記光情報記録媒体の外周側の隣接トラックからのクロストークとを等しくすることが可能となるため、よりトラック密度を向上させることが可能となる。このため、高密度な光情報記録媒体の再生方法を提供することが可能となる。
本発明によれば、レーザ光により情報を再生する光情報記録媒体に利用することができるだけでなく、高密度記録媒体の再生、および高密度記録媒体の再生装置、および高密度記録媒体の再生方法にも利用できる。

Claims (5)

  1. 情報が記録されており、再生光が照射されることにより該記録された情報が再生される光情報記録媒体において、
    上記再生光の入射面側から、透光層または透明基板と、情報記録層と、基板とがこの順に積層され、
    上記情報記録層に、少なくとも、上記再生光の光源波長λにおける複素屈折率が熱により変化する再生膜を含み、
    上記基板に形成された記録トラックのトラックピッチをTPとし、上記再生光を上記光情報記録媒体上に集光させる対物レンズの開口数をNAとすると、
    0.67×(λ/NA)>TP>0.04×(λ/NA)となる関係が満たされていることを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 情報が記録されており、再生光が照射されることにより該記録された情報が再生される光情報記録媒体において、
    上記再生光の入射面側から、透光層または透明基板と、情報記録層と、基板とがこの順に積層され、
    上記情報記録層に、少なくとも、主に金属酸化物からなる再生膜を含み、
    上記基板に形成された記録トラックのトラックピッチをTPとし、上記再生光を上記光情報記録媒体上に集光させる対物レンズの開口数をNAとすると、
    0.67×(λ/NA)>TP>0.04×(λ/NA)となる関係が満たされていることを特徴とする光情報記録媒体。
  3. 請求項1または2に記載の光情報記録媒体であって、
    上記再生膜が、酸化亜鉛、または酸化亜鉛を主成分とする化合物であることを特徴とする光情報記録媒体。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の光情報記録媒体を再生する光情報記録媒体再生装置であって、
    上記再生光の中心を、上記記録トラックの中心から、0.02×(λ/NA)より大きく、TP/4より小さい量だけ、ずらして再生することを特徴とする光情報記録媒体再生装置。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の光情報記録媒体を再生する光情報記録媒体再生方法であって、
    上記再生光の中心を、上記記録トラックの中心から、0.02×(λ/NA)より大きく、TP/4より小さい量だけ、ずらして再生することを特徴とする光情報記録媒体再生方法。
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