JPWO2007129708A1 - かつら用クリップ - Google Patents
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Abstract
Description
上記反転部材は、好ましくは、複数の櫛歯を片持ち状に支持する支持片と、この支持片の両端部から同方向に突出した一対の脚片とを有するコ字状枠材と、このコ字状枠材の両脚片を内方に牽引して連結した連結片と、で反転可能に湾曲枠状に形成され、さらに支持片の外形がかつらベースの曲線状の外縁に沿うよう円弧状に形成されている。
上記支持片の円弧状の外形は、好ましくは、かつらベースの前額髪際隅部から側頭部側で揉み上げ方向に膨らむ曲線状の外縁と同程度の曲率で湾曲しており、好ましくは、曲率半径1.5cm〜4.5cmの円弧状に形成されている。連結片も、支持片の円弧状の外形と同形状に形成してもよい。
上記各脚片にはそれぞれ貫通孔が形成され、シートが各貫通孔に嵌着した連結具により反転部材の裏側に挟持されていて、このシートをかつらベースに取り付けようにしてもよい。または、この貫通孔に縫糸を通して、一対の脚片をかつらベース裏面に縫着することで、かつら用クリップをかつらベース裏面に固着してもよい。好ましくは、貫通孔は、各脚片の支持片寄りの位置に設けられている。
10 反転部材
11A 支持片
11B,11C 脚片
12 連結片
13 連結孔
14 対応連結孔
15 連結具
16 摩擦部材
18 連結孔
19 取付片
20 櫛歯
21 膨出部
30 かつらベース
31 前額髪際部
32 前額髪際隅部
32A 切り返し部
33 毛髪
35 シート
36 ワッシャー
37 連結具
40 測定器
41 測定装置
42 荷重感知部
43 延長棒
44 接触端子
45 ディスプレイ
50 土台
51,52 ゴム板
53 テープ
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係るかつら用クリップ1を示す図である。このかつら用クリップ1は、反転部材10と、この反転部材に取り付けた複数の線状の櫛歯20と、から構成されている。反転部材10は弾性変形可能な金属薄板で枠状に形成されており、櫛歯20は弾性変形可能な金属細線又は棒で形成されている。
コ字状枠材11の各脚片11B,11Cの先端部には連結孔13が開設されており、連結片12の両端部には各脚片11B,11Cの連結孔13に対応した対応連結孔14が開設されている。コ字状枠材11の連結孔13同士の間隔が連結片12の対応連結孔14同士の間隔よりも長くなるように、コ字状枠材11の支持片11Aの長さは連結片12の長さより若干長く形成されている。
コ字状枠材11と連結片12とは、コ字状枠材11の両脚片11B,11Cを内方に牽引して、支持片11Aを上下何れかの方向に湾曲させたうえで、コ字状枠材11の連結孔13と連結片12の対応連結孔14とに鳩目やリベットなどの連結具15を嵌着させて連結固定する。
先ず、櫛歯20について説明する。なお、櫛歯20の延出方向と直角をなす方向をかつら用クリップ1の「横方向」とし、その方向におけるかつら用クリップ1の長さを「横方向長さ」と称する。
図3に示すかつら用クリップ1Aは、例えば横方向長さが35mmであり、この横方向長さに対して櫛歯20が4本設けられている。この場合、装着者の自毛を挟持する面積が少なすぎるため、このかつら用クリップ1Aでは装着者の自毛を固定する十分な力を得ることができない。
図5に示すかつら用クリップ1Cにおいては、外枠である支持片11Aの曲率半径を1.5cmに設定したものである。支持片11Aの曲率半径を1.5cm以下に設定して湾曲の度合いをきつくした場合には、櫛歯同士の間隔が狭くなり、装着者の自毛を挟み難くなる。
一方、図6に示すかつら用クリップ1Dにおいては、外枠である支持片11Aの曲率半径を4.5cmに設定したものである。支持片11Aの曲率半径を4.5cm以上に設定して湾曲の度合いを緩くした場合には、図30に示す従来のかつら用クリップ100における直線状の外枠と実質的に同じになり、前額髪際隅部周辺に取り付けた場合に、従来のかつら用クリップ100と同様にかつらベース30がめくれ易くなるとの問題がある。
したがって、かつら用クリップ1における支持片11Aの外形は、曲率半径を1.5cm〜4.5cmに設定するのが良い。一般的な頭部形状の装着者の切り返し部32Aの曲率半径を測定した結果、3.0cm付近が多かったことから、好ましい曲率半径は3.0cmである。
図7のかつら用クリップ1Eでは、両端にある櫛歯20A,20Bの延長線20A’,20B’同士が交差する角度θを、20度に設定している。櫛歯20が中心線C側に傾く度合いを大きくすると、延長線20A’,20B’同士が交差する角度θは大きくなる。図8に示すかつら用クリップ1Fの櫛歯20A,20Bの延長線20A’,20B’同士が交差する角度を上記θ(=20度)よりも大きく、例えば40度程度にすると、櫛歯20の先端部同士の間隔が1.5mmよりも小さくなり、装着者の自毛を挟み難くなる。また、図9に示すように、各櫛歯20が中心線Cと平行である場合、櫛歯20の先端部の間隔が1.5mm〜3.0mmの範囲内にあるならば、図7に示すかつら用クリップ1Eと何ら変わりなく自毛を挟持することができるため、必ずしも、櫛歯先端部を中心線C側に向かうように櫛歯20を傾けて配設する必要はなく、中心線Cと平行になるように櫛歯20を配設しても良い。
また、図10のかつら用クリップ1Hでは、異なる長さの櫛歯20を支持片11Aの所定の位置に取り付ける必要があり、図1に示すかつら用クリップ1に比べて、作製することが困難である。
図12に示すかつら用クリップ1Mは、図1に示すかつら用クリップ1に比べて、反転部材11’の面積が大きいことから反転力も強くなり、装着者の手指で反転部材11’を反転させることが難しくなる。
反転部材11’と櫛歯20との接触面積が、枠状の反転部材11に比べて大きくなることから、反転部材11’と櫛歯20とによって挟持できる自毛の量が、図1に示すかつら用クリップ1に比べて多くなる。しかし、挟持する部分の面積が大きくなると自毛を挟持する力の分散が生じることによって自毛の挟持力が低下し、板状の反転部材11’から自毛が抜けやすくなってしまう。一方、図1に示すかつら用クリップ1では、反転部材11の中央部に開口が形成されており、この開口の大きさを変えることによって、かつら用クリップ1の反転力を調節することができる。
また、図1に示すかつら用クリップ1では、自毛を挟持する部分を連結片12に被着した摩擦部材16と櫛歯20との圧着する部分のみとすることによって、図12に示す板状の反転部材11’の使用時に発生した自毛を挟持する力の分散を無くして、しっかりと自毛を固定させることができる。したがって、かつら用クリップの反転部材としては、枠状のものを用いるのが良い。
かつら用クリップの横方向長さが長すぎる場合、例えば、図13のようにかつら用クリップ1Nの端部61(斜線部分)が、かつらベース30の外縁部からはみ出てしまったり、図14に示すように、かつらベース1Nが外縁部からはみ出さないようにすると、かつら用クリップ1Nの端部62(斜線部分)がかつらベース30の外縁部から離れた内側に配置されることになる。
図13の場合、かつら用クリップ1Nの端部61が外部から視認されて、かつらの露見につながってしまう。図14のように、かつら用クリップ1Nの端部62がかつらベース30の外縁部から離れた内側に配置される場合には、かつら用クリップ1Nの端部62の周辺63はかつらを装着するために自毛を挟持する必要が無い部位であり、また、かつら用クリップ1Nの湾曲形状とかつらベース30の湾曲形状とがかつら用クリップ1Nの端部62において合致していないことから、該端部62の周辺63の自毛をかつら用クリップ1Nで挟持すると、かつらベース30の形状に歪みが生じる。
よって、横方向の長さが長いかつら用クリップ1Nを使用できる部位は、例えば、図15のように前額髪際部31等のように、かつら用クリップ1Nがはみ出さないような広範囲に曲線形状を持つ部分が好ましい。
かつら用クリップの横方向長さが短くなるほど、反転力が強くなり、かつら装着時に片手で反転させることが難しくなる。かつら用クリップの横方向長さが短いと、自毛を挟持できる面積も小さくなるため、図16に示すように、切り返し部32Aの周囲にある自毛を挟持することができない範囲Yが発生する。範囲Yの自毛を挟持しないことにより、かつらベース30のめくれが発生し易くなる。自毛を挟持できる面積の減少によって自毛の挟持力が低下するため、かつら頭部に固定するために必要な挟持力が得られなくなる。
したがって、かつら用クリップとして適している横方向の長さは、横方向の両端を結ぶ直線距離にして3〜6cm程度であることが望ましい。
次に、本発明の第2の実施形態に係るかつら用クリップについて説明する。
図17は第2実施形態に係るかつら用クリップ2を示す図であり、本実施形態のかつら用クリップ2は、シートを介して、かつらベース30に取り付けられることを特徴としている。なお、第1の実施形態に係るかつら用クリップ1の構成部材と同じものには同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図17におけるかつら用クリップ2においては、貫通孔18が、脚片11B,11Cの連結片12寄りの位置に設けられている。図21は、図17に示すかつら用クリップ2をかつらベース30の裏面に取り付けた状態の模式的断面図である。
前述したように、シート35は、連結具37によってかつら用クリップ2に取り付けられている。具体的には、シート35は、2つの連結具37によってかつら用クリップ2の2つの貫通孔18の位置に対応した部位が固定されているが、かつら用クリップ2の2つの貫通孔以外の裏面はシート35に固定されてはいない。
したがって、かつら用クリップ2に固定したシート35を、接着層39を介してかつらベース30に取り付けた状態において、図21に示すように、かつら用クリップ2のかつらベース30の外縁側端部から連結部37までの領域S1においてシート35とかつら用クリップ2とが密着していないために隙間38が生じる。その結果、かつらベース30の外縁から連結部37までの領域S3のかつらベース30とシート35とがめくれ上がる可能性がある。
図22に示すかつら用クリップ2Aは、図17に示すかつら用クリップ2と同様に、貫通孔18の位置にワッシャー36を配置してシート35を挟み、貫通孔18及びワッシャー36に連結具37を嵌着させることで、かつら用クリップ裏面にシート35を取り付けることができる。シート35のかつらベース30との接着面に、両面テープを貼着し、或いは接着剤を塗布することで、かつらベース30の裏面にシート35を貼り付けることができる。
図23に示す取付状態において、シート35は、2つの連結具37によってかつら用クリップ2Aの2つの貫通孔18の位置に対応した部位が固定されているが、かつら用クリップ2Aの2つの貫通孔以外の裏面はシート35に固定されてはいない。したがって、図24に示すように、かつら用クリップ2Aに固定したシート35を、接着層39を介してかつらベース30に取り付けた状態において、かつら用クリップ2Aのかつらベース30の外縁側端部から連結部37までの領域S2において、シート35とかつら用クリップ2とは密着していないために隙間38が生じる。その結果、かつらベース30の外縁から連結部37までの領域S4のかつらベース30とシート35とがめくれ上がる可能性がある。この場合、かつら用クリップ2Aの貫通孔18が、前述のかつら用クリップ2の貫通孔18と比べて、支持片11A寄り、即ち櫛歯固定側に設けられているため、図23及び図24に示すように、かつらベース30の外縁から連結具37までの距離が、前述のかつら用クリップ2の場合よりも短くなる。即ち、領域S2が領域S1よりも小さくなる。これにより、かつら用クリップ2Aは、かつら用クリップ2に比べて、かつらベース30から浮き上がる事態を防止でき、かつらベース30のめくれが起こる範囲を狭くすることができる。
図25は、反転力測定に使用する測定器40の模式図であり、この測定器40は、測定装置41の荷重感知部42に延長棒43と接触端子44が取り付けられている。反転力測定に使用する測定器40は、デジタルフォースゲージDFG−1K(シンポ工業(株)製)を使用した。
図26は、かつら用クリップの反転力を測定するために使用する土台50の模式図であり、この土台50は、机などの平坦な場所に、厚さ約1cmの硬質のゴム板51,52を約2.5cmの間隔を持たせて並設する。かつら用クリップは、その両端部を各ゴム板51,52にテープ(図示省略)で固定して、2つの土台50に架け渡すように設置され、その状態で反転力が測定される。なお、測定時に、土台50の各ゴム板51,52がずれないように、ゴム板同士はテープ53で連結されている。
この表に示すように、図17及び図22に示すかつら用クリップ2,2Aは、連結孔18の位置が異なるにしても、両者の間に反転力の大きな相違は無い。
また、図30に示す従来のかつら用クリップ(ハード)と比較すると、図17及び図22に示すかつら用クリップ2,2Aの反転力は弱いが、従来のかつら用クリップ(ソフト)と比較すると、高い反転力を持っていることが分かる。よって、図17及び図22に示すかつら用クリップ2,2Aは、かつら装着具として使用するのに十分な毛髪挟持力を持っている。
次に、本発明の第2の実施形態の変形例に係るかつら用クリップについて説明する。
図29は第2実施形態の変形例に係るかつら用クリップ2Bを示す図であり、かつら用クリップ2Bでは、シート取付用の貫通孔18が、反転部材10の脚片11B、11Cから外方向に延出した取付片19に形成されている。なお、第2の実施形態のかつら用クリップ2,2Aの構成部材と同じものには同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
このかつら用クリップ2Bでは、シート35を用いずに、縫糸を貫通孔18に通してかつらベース30に直接縫着させて、取り付けるようにすることもできる。
図に示す例では、取付片19が、脚片11B。11Cの支持片11A寄りの位置に設けられているが、取付片19の位置は図示例に限らず、脚片11B,11Cの連結片12寄りの位置であってもよい。各取付片19は各脚片11B、11Cと一体に構成されたものに限らず、個別に作製した取付片19を各脚片11B、11Cに取り付けるようにしてもよい。
Claims (10)
- 枠状の反転部材とこの反転部材に取り付けた複数の櫛歯とから構成されているかつら用クリップであって、
上記反転部材の外形がかつらベースの曲線状の外縁に沿うよう円弧状に形成されていることを特徴とするかつら用クリップ。 - 前記反転部材が、複数の櫛歯を片持ち状に支持する支持片とこの支持片の両端部から同方向に突出した一対の脚片とを有するコ字状枠材と、このコ字状枠材の両脚片を内方に牽引した連結片と、で反転可能に湾曲枠状に形成され、
上記支持片の外形がかつらベースの曲線状の外縁に沿うよう円弧状に形成されていることを特徴とする、請求の範囲1に記載のかつら用クリップ。 - 前記支持片の外形が、かつらベースの前額髪際隅部から側頭部側に膨らむ曲線状の切り返し部の外縁と同程度の曲率で湾曲して形成されていることを特徴とする、請求の範囲2に記載のかつら用クリップ。
- 前記支持片の外形が曲率半径1.5cm〜4.5cmの円弧状に形成されていることを特徴とする、請求の範囲2又は3に記載のかつら用クリップ。
- 前記連結片の外形が、前記支持片の円弧状の外形と同形状に形成されていることを特徴とする、請求の範囲2に記載のかつら用クリップ。
- 前記各脚片にそれぞれ貫通孔が形成され、
シートが、各貫通孔に嵌着した連結具により前記反転部材の裏側に挟持されていて、このシートを前記かつらベースに取り付けることを特徴とする、請求の範囲2に記載のかつら用クリップ。 - 前記各脚片にそれぞれ貫通孔が形成され、
該各貫通孔に縫糸を通して、前記一対の脚片を前記かつらベース裏面に縫着することを特徴とする、請求の範囲2に記載のかつら用クリップ。 - 前記貫通孔が、前記各脚片の支持片寄りの位置に設けられていることを特徴とする、請求の範囲6又は7に記載のかつら用クリップ。
- かつら用クリップを備えたかつらにおいて、
上記かつら用クリップが、表裏に反転可能な枠状の反転部材とこの反転部材の一片から他片を超えて突出するよう上記一片に取り付けた複数の櫛歯とから構成され、
上記反転部材の上記一片の外形が、かつらベースの前額髪際隅部から側頭部側に膨らむ曲線状の外縁と同程度の曲率半径の円弧状に形成されており、
上記反転部材をかつらベースの上記曲線状の外縁に沿って該かつらベース裏面に取り付けたことを特徴とするかつら。 - 前記前額髪際隅部が、前記かつらベースの少なくとも左右何れか一側に形成されていることを特徴とする、請求の範囲9に記載のかつら。
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