JPWO2007055361A1 - バイオマス由来の炭素を含むプロピレンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

通常のバイオマス資源から得られるエタノールは、水以外に、不純物を含んでおり、脱水反応でエチレンを得る際に不純物自体又はその分解物がエチレンに混入し、メタセシス触媒の活性へ悪影響を与える。本発明のプロピレンの製造方法は、かかるバイオマスから得られるエタノールを、脱水反応によりエチレンへ変換し、該エチレンと生成水とを分離した後に、吸着剤を充填した吸着塔で該分離エチレンを吸着精製し、n−ブテンを含有する原料とともにメタセシス反応を行うことを特徴とする。本発明により、バイオマス由来の炭素を含有する環境負荷が低減されたプロピレンを、触媒活性を低下させることなく効率的に製造することが可能となる。

Description

本発明は、とうもろこしやサトウキビなどのバイオマス由来のエタノールから得られるエチレンと、n−ブテンをメタセシス反応させることによりバイオマス由来の炭素を少なくとも1/3含有するプロピレンを得る方法に関するものである。
地球温暖化の原因の一つである二酸化炭素を削減する方法として、化石原料からバイオマス資源原料への転換が望まれている。具体的には、(1)バイオマス資源の高温ガス化により得られるメタノールを原料として得られるエチレン、又は(2)バイオマス資源の醗酵により得られるエタノールを原料としその脱水反応により得られるエチレンを、ナフサクラッカーにより得られるエチレンの代替にする検討がなされている。
一方、ナフサクラッカーから得られるもう1つの重要な石油化学基礎原料がプロピレンであるが、メタノール又はエタノールから直接プロピレンを得るためには通常何らかの化学反応による変換が必要である。ここで、同種または異種のオレフィン同士が反応して異なる構造のオレフィンを与えるメタセシス反応は、エチレンを2−ブテンと反応させることによりプロピレンへ変換することができるので極めて有用な反応である。
ところが、メタセシス反応で用いられる触媒は通常、水、含酸素化合物、含窒素化合物に極めて敏感で、これらの不純物を含有する原料を用いるとただちに劣化が進行する。たとえば、US4,575,575(特許文献1)やJounal of Molecular Catalysis 28巻117ページ(1985年)(非特許文献1)に開示されている固定床反応で用いる際の代表的なメタセシス触媒である酸化タングステン触媒は、原料中の水により大きく被毒される。そのため原料のうちブテンはアルミナを吸着剤とする精製が必要とされている。
もう一方の原料であるエチレンは通常はナフサクラッカーで生産されており、より具体的には、原料ナフサ中に含まれる窒素・硫黄系の不純物をナフサクラッカーの前で除去したのちにナフサクラッカーへ導入され、さらにナフサクラッカーから得られた高温の分解ガスは、直後に冷却・アルカリ洗浄・吸着精製されたのち各成分の精留塔で分離される。したがって、ナフサクラッカーで得られるエチレンはメタセシス反応に用いる際に必ずしも吸着精製する必要はない。
ところが、バイオマス資源から得られるエタノールは、水以外に、発酵工程の不純物であるカルボニル化合物や酵素の分解物・きょう雑物である含窒素化合物を含んでおり、脱水反応でエチレンを得る際に化合物自体又はその分解物がエチレンに混入し、メタセシス触媒の活性へ悪影響を与えるため、その精製法の開発が望まれていた。
US4,575,575 Jounal of Molecular Catalysis 28巻117ページ(1985年)
本発明は、バイオマス由来のエタノールから得られるエチレンを生成水と分離した後に吸着精製することにより効率よくメタセシス反応を進行させることによるプロピレンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、バイオマス資源から得られるエタノールを、脱水反応によりエチレンへ変換し、生成水と分離した後にアルミナ、ゼオライト、MgOのうち少なくとも1種類の吸着剤を充填した吸着塔で精製することにより、n−ブテンとともに行うメタセシス反応の活性を阻害することなく効率よくプロピレンが得られることを見出した。
より具体的には、バイオマス資源から得られるエタノールから得られるエチレンを吸着精製することにより、n−ブテンとともに行うメタセシス反応の初期活性の向上すなわちプロピレン収率の向上、及び活性劣化の抑制すなわちライフの延長効果を見出し、工業的に価値の高い本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下のとおりである。
[1]バイオマス資源から得られるエタノールを、脱水反応によりエチレンへ変換し、該エチレンと生成水等とを分離した後に、該分離エチレンを吸着精製し、n−ブテンを含有する原料とともにメタセシス反応を行うことを特徴とする、バイオマス由来の炭素を含有するプロピレンの製造方法。
[2]前記バイオマス由来の炭素が全炭素の1/3以上であることを特徴とする[1]記載のプロピレンの製造方法。
[3]前記分離エチレンを吸着精製するに際して、アルミナ、酸化マグネシウムまたはその混合物、及びゼオライトから選ばれる少なくとも1種類を含有する吸着剤を用いることを特徴とする[1]記載のプロピレンの製造方法。
[4]前記分離エチレンを吸着精製するに際して、アルミナ、酸化マグネシウムまたはその混合物、及びゼオライトのうち2種以上を含有する吸着剤を用いることを特徴とする[3]記載のプロピレンの製造方法。
[5]メタセシス反応が、タングステン、モリブデン、レニウム、ニオブ、タンタル、バナジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、オスミウムのうち、少なくとも1種の金属元素を含む触媒の存在下に行う[1]記載のプロピレンの製造方法。
[6]メタセシス反応に用いる触媒と共に、Ia族(アルカリ金属)、IIa族(アルカリ土類金属)、IIb族、IIIa族の金属のうち少なくとも1種の金属元素を含む塩基性化合物を助触媒として用いる[5]記載のプロピレンの製造方法。
[7]メタセシス反応に用いる助触媒が、Ia族(アルカリ金属)、IIa族(アルカリ土類金属)、IIb族、IIIa族の金属のうち少なくとも1種の金属元素を含む塩基性化合物が、高表面積担体に担持された構造である[6]記載のプロピレンの製造方法。
[8]メタセシス反応に用いる助触媒に含まれる金属元素の少なくとも1種がリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、イットリウムまたは亜鉛である[6]記載のプロピレンの製造方法。
[9]メタセシス反応に用いる助触媒に含まれる金属元素の少なくとも1種がリチウム、ナトリウムまたはカリウムである[8]記載のプロピレンの製造方法
[10]メタセシス反応に用いる助触媒を担持する担体が、アルミナまたはジルコニアである[7]記載のプロピレンの製造方法。
[11]メタセシス反応に用いる触媒が、タングステン、モリブデン、レニウム、ニオブ、タンタル、バナジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、オスミウムのうち少なくとも1種の金属元素を含む化合物が高表面積担体に担持された構造である[5]記載のプロピレンの製造方法。
[12]メタセシス反応に用いる触媒を担持する担体が、シリカ、アルミナ、またはジルコニアである[11]記載のプロピレンの製造方法。
[13]メタセシス反応に用いる触媒に含まれる金属元素の少なくとも1種がタングステンである[12]記載のプロピレンの製造方法。
[14]メタセシス反応を行うに際して、水素ガスを共存させることを特徴とする[1]記載のプロピレンの製造方法。
[15]メタセシス反応において、下記(1)〜(4)のいずれか1のn−ブテンを用いることを特徴とする[1]記載のプロピレンの製造方法。
(1)ナフサクラッカー及び/又はFCCによって得られるバイオマス資源由来の炭素を含まないn−ブテン。
(2)バイオマス由来のエタノールから得られるエチレンを2量化して得られるn−ブテン。
(3)バイオマス由来のエタノールを脱水2量化して得られる1―ブタノールを脱水反応して得られるn−ブテン。
(4)バイオマス資源から得られるブタノール混合物から脱水反応により得られるn−ブテン。
[16]メタセシス反応において、前記(1)〜(3)のn−ブテンのうち2種以上を混合して用いる[15]記載のプロピレンの製造方法。
[17]メタセシス反応において、前記(2)又は(3)のn−ブテンをさらに吸着精製して用いることを特徴とする[15]記載のプロピレンの製造方法。
[18]前記n−ブテンを吸着精製するに際して、アルミナ、酸化マグネシウムまたはその混合物、及びゼオライトから選ばれる少なくとも1種類を含有する吸着剤を用いることを特徴とする[17]記載のプロピレンの製造方法。
[19]バイオマスから得られるエタノール起因の不純物を実質的に含有しない、バイオマス由来の炭素を少なくとも1/3含有する高純度プロピレン。
[20]ポリマー原料用であることを特徴とする[19]記載の高純度プロピレン。
[21]バイオマス由来の炭素を含むプロピレンを、構成単位として1以上含有するプロピレン重合体又は共重合体。
[22][21]記載の重合体又は共重合体を含む樹脂組成物からなる成形品。
[23][1]記載のプロピレンの製造方法において、
1)バイオマスから得られるエタノールを脱水反応器により脱水する工程、
2)脱水反応器により得られたエチレン中の水、未反応エタノール及び副生物を分離除去する工程、
3)得られた粗エチレンを吸着塔に通し、粗エチレン中の不純物を吸着除去する工程、及び
4)精製エチレンとn−ブテンをメタセシス反応器に導入する工程、
を含むこと(但し、工程は、1)〜4)の順)を特徴とする、バイオマス由来の炭素を含有するプロピレンの連続製造方法。
[24]メタセシス反応器から得られるプロピレンについて、さらに、
5)脱エチレン塔に導入し、エチレンを主成分とする低沸分を除去する工程、及び
6)脱低沸分プロピレンを脱プロピレン塔に導入し、高沸分を除去する工程、
を含むこと(但し、工程は、5)、6)の順)を特徴とする、[23]記載のプロピレンの連続製造方法。
[25]さらに、
7)脱エチレン塔からの低沸オフガスをメタセシス反応器に還す工程、及び
8)脱プロピレン塔からの高沸分オフガス中のn−ブテン成分をメタセシス反応器に還す工程、
を含むこと(但し、工程は、7)、8)の順)を特徴とする、[24]記載のプロピレンの連続製造方法。
[26] メタセシス反応に供されるn−ブテンが、
a)ブタノールを脱水反応器により脱水する工程、
b)脱水反応器により得られたn−ブテン中の水、未反応のブタノールおよび副生物を分離除去する工程、及び
c)吸着塔により吸着精製する工程
を含むこと(但し、工程は、a)〜c)の順)を特徴とする[23]記載のプロピレンの連続製造方法。
[27]ブタノールがバイオマス由来のブタノールであって、かつ、吸着精製後のn−ブテンをメタセシス反応後であって低沸分精製前の段階に導入することを特徴とする、[26]記載のプロピレンの連続製造方法。
本発明の方法によれば、バイオマス由来のエタノールを原料としてもメタセシス反応触媒の劣化を抑制でき、そのため反応器の切り替え頻度を低減し、さらに収率もよく、プロセス上および経済上著しく優位に高品質のプロピレンを生産することが出来る。該プロピレンは環境中の二酸化炭素収支上極めて有用であり、その誘導体又は重合体としても地球環境への寄与は絶大である。
以下に本発明を詳しく説明する。
本発明においてバイオマス資源から得られるエタノールとは、エタノールに変換しうる植物より得られる炭素源を含む培養液にエタノールを生産する微生物またはその破砕物由来産物を接触させ、生産した後、精製されたエタノールを指す。
炭素源としては植物から得られる炭素源で、微生物が代謝し、エタノールに変換しうるものであれば特に限定はされないが、一般的なものとしてデンプン、グルコース、フルクトース、シュークロース、キシロース、アラビノースまたはこれらの成分を多く含む草木質分解産物やセルロース加水分解物、さとうきび、ビート等のジュースなどが例示できる。
培養液にはリン酸、窒素減となるアンモニウム塩等の無機塩類、コーンスティープリカー、ペプトン、酵母エキス等の天然の窒素源、ビタミン等を必要であれば加えても良い。
また、エタノールを生産する微生物としては、エタノールを生産すれば特に限定はされないが、一般的なものとしてサッカロマイセス・セルビッシェ(Saccharomyces cerevisiae)、ザイモモナス・モビルス(Zymomonas mobilis)などが例示でき、これらに耐熱性、耐酸性、耐塩性、凝集性、アルコール耐性のいずれか一種以上の性質が変異、または遺伝子組換え技術等を利用して付与されていればさらに好ましい。
以上のようにして得られたエタノールを含む培養液から、エタノールを得るには、蒸留、膜分離、抽出等、従来知られている技術により精製することが出来るが、ベンゼン、シクロヘキサン等を添加し、共沸させるか、または膜分離等により水分を除去する等の方法が挙げられる。このようなエタノールは、例えば日本アルコール販売株式会社より発酵エタノール99度1級として、また、ペトロブラス社製発酵エタノールとして購入することも出来る。
本発明のプロピレンを得るために、この段階でさらに高度な精製(例えば、エタノール中の不純物総量が1ppm以下)を行うことは、工業的には効率がよいと言えないが、これを否定するものではない。
次いで、発酵法により得られたエタノールを脱水反応によりエチレンを得る際には通常触媒が用いられるが、この触媒はとくに限定はなく公知の触媒を用いることができる。プロセス上有利なのは、触媒と生成物の分離が容易な固定床流通反応であり、たとえばγ―アルミナなどが望ましいが他の公知の触媒でもかまわない。この反応は脱水反応であり通常加熱条件で行う。商業的に有用な反応速度で反応が進行すればとくに限定はないが、100℃以上の温度が好ましい。反応圧力もとくに制限はないが、後続の気液分離を容易にするため常圧以上の圧力が好ましい。工業的には触媒の分離の容易な固定床流通反応が好適であるが、液相懸濁床、流動床などでも差し支えない。特に固体触媒を用いて脱水反応を行う場合には、エタノール中に水が含まれていても大きな問題とならないので、工業的に有利である。許容される水の含有量の範囲は50重量%以下であり、好ましくは30%以下である。
このようにしてエタノールの脱水反応を行うことによりエチレン、水および少量の未反応エタノールの混合部が得られるが、常温において約5MPa以下ではエチレンは気体であるため、これら混合部から気液分離により水やエタノールを除きエチレンを得ることができる。この方法は公知の方法で行えばよい。
気液分離により得られたエチレンはさらに蒸留され、このときの操作圧力が常圧以上であること以外、蒸留方法・操作温度・滞留時間など特に制約はない。
得られたエチレンは、エタノール発酵工程で混入した不純物であるケトン、アルデヒド、エステルなどのカルボニル化合物及びその分解物である炭酸ガスや、酵素の分解物・きょう雑物であるアミン、アミノ酸など含窒素化合物及びその分解物であるアンモニアなどが極微量含まれる。メタセシス反応はこれら不純物に対して極めて敏感で触媒の活性劣化を招く為、これら極微量の不純物を完全に除去する必要があり、好ましくは含酸素、含窒素及び含硫黄不純物の総量が10ppm以下、より好ましくは1ppm以下のレベルが必要である。なお、このレベルでは現在の機器分析においては検出できない場合が多く、その場合、不純物の存否は触媒の活性持続時間で判断せざるを得ない。
その最も好適な精製操作として吸着精製法をあげることができる。用いる吸着剤は表面積10m2/g以上、好ましくは50m2/g以上の高表面積の材料が好ましい。
最も好適に用いることのできる吸着剤はγ―アルミナであり、特に水やアルコールなどの中性の極性物質の除去にてきしている。また酸化マグネシウムまたは酸化マグネシウムと他の吸着剤の混合物、またはγ―アルミナなどの高表面積担体に酸化マグネシウムを担持させた吸着剤は、水などの中性の極性物質のみならず、炭酸ガスや有機酸などの酸性物質の除去に適している。またゼオライト化合物、たとえばモレキュラーシーブ4A、5Aなどは、水などの中性の極性物質の吸着に優れているだけでなく、ゼオライトの交換金属をプロトン、若しくはCaなどの2価の金属に変えることにより酸性が発現するため、塩基性化合物の吸着にも大きな能力を発揮する。このように用いるゼオライトの骨格の好適な例としては、A型、X型、Y型、USY型、ZSM−5型などが挙げられるとくにこれらに限定はされない。
これら吸着剤は固定床・懸濁床・移動床いずれの方法でも用いることができるので、その形状は数cmの粒子状からミクロンオーダーの微粉状まで適宜選択すればよい。
このように吸着剤の種類は、バイオマス由来のエタノールの脱水反応により得られるエチレン中の不純物の種類・量に応じて選択され、場合により2種類以上の吸着剤を併用することが好ましい場合が有る。また、上記以外の吸着剤(例えば、酸化銅/酸化アルミニウム等の脱酸素剤、など)を混合又は単独で連結しても差し支えない。
固定床の場合には、炭酸ガスなどの酸性物質、水などの中性物質、アンモニアなどの塩基性物質の量に応じて吸着剤の量を選択できるので吸着塔の設計には都合がよい。特に2種以上の吸着剤を固定床に充填する場合、吸着剤を混合して充填してもよいが、層状に充填し内部の温度を監視することにより、吸着剤への各被毒物質の吸着の様子を推定することができる。
また吸着操作温度に特に制限は無いが、吸着と脱着が平衡の場合には低温のほうが好ましいので、一般に100℃以下の温度が好ましい。また吸着時の圧力も特に制限はなく、常圧以上であればかまわない。エチレンの吸着処理でもちいた吸着塔を再生するには、200℃以上の高温の不活性ガスを通じて吸着物を脱着させる方法や、300℃以上の高温の空気を通じ燃焼・焼成し、その後不活性ガスで置換する方法などが挙げられ、これらは吸着塔の吸着物の蓄積量に応じて選べばよい。
特に複数の吸着塔を並列に設置しておけば、ある1塔で吸着処理を行い、その間に他の塔の再生操作を行い、使用中の吸着塔の能力が低下した場合にただちに再生の終了した吸着塔へ切り替えることにより、連続的な吸着が可能であり、工業的に大変有用な方法となる。さらに3塔以上の吸着塔を備えていれば、長期間の運転により当初の吸着能力が失われた吸着剤を交換することもでき、さらに運転安定性への寄与が増大する。
この段階でエチレンの吸着精製を行うことは、同程度の純度のエチレンを得るためにエタノールの段階でより高度な精製を行うよりも、工業的にみて格段に効率がよい。また、エタノールでの高度な精製の存否にかかわらず、この段階で精製を行えばメタセシス反応に悪影響を及ぼす不純物は十分に除去することができる。
なお、エチレン中の不純物の精製方法として苛性水処理を併用しても差し支えない。苛性水処理をする場合は、吸着精製前に行うことが望ましい。その場合、苛性処理後、吸着精製前に水分除去処理を施す必要がある。
一方、エチレンと合一して原料とするブテンは、n−ブテン、すなわち1-ブテン、trans−2-ブテン、cis−2−ブテンの各々の単一物または混合物いずれでもよく、1−ペンテン、2−ペンテン、1-へキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセンなどの直鎖オレフィンを含有していてもメタセシス反応の原料とすることができる。さらにメタセシス反応によりプロピレンとはならないがイソブテンやイソペンテンなどの分岐のオレフィンが含まれていてもメタセシス反応の妨げとはならない。さらにn−ブタン、isoブタン、ペンタンなどの飽和炭化水素や窒素などの不活性ガスが混入していても良い。
メタセシス反応に用いるn−ブテンは以下のいずれの方法でえられたものでも良い。最も簡便なのはナフサを熱分解してエチレン、プロピレンを製造するいわゆるナフサクラッカーや重油をゼオライトなどの触媒により熱分解するいわゆるFCCなどから得られるC4留分である。このC4留分は通常、1−ブテン、2−ブテン以外にイソブテン、n−ブタン、イソブタンなどを含んでいるが特に問題はない。また1−ペンテン、2−ペンテンなどを含有していてもメタセシス反応の原料となるので差し支えない。ただし、ブタジエンやシクロヘペンタジエンなどの共役ジエン類はメタセシス触媒の活性を大きく損なうため、吸着・蒸留・抽出などの公知の方法で除去するか、または予め選択水添でモノオレフィンヘ変換する必要がある。
次いで挙げられるのが、バイオマス由来エタノールより得られるエチレンを2量化してn−ブテンとする方法であり、これは既知の方法のいずれによってもかまわない。固定床触媒であればシリカゲルへNiSO4を担持した触媒や、均一系触媒であればNiCl2(PPh32とEt3Alを組み合わせた触媒などが挙げられる。
また、特開平11−217343や特開99−038822に記載されているバイオマス由来のエタノールを遷移金属含有ヒドロキシアパタイト触媒と接触させて得られる1−ブタノール、1,3−ブタジエン混合物を脱水反応、及びジエンをモノエンへ選択水添して得たn−ブテンを用いることができる。
さらに、バイオマス資源を醗酵させて得られる1−ブタノールを脱水して得られるn−ブテンを用いることも可能である。バイオマス資源を醗酵させて得られる1−ブタノールとは、ブタノールに変換しうるバイオマス由来の炭素源を含む培養液にブタノールを生産する微生物を接触させ、得られるブタノールを指す。一般的にはアセトンやエタノールが併産される。炭素源としてはバイオマス由来であり、微生物が代謝し、ブタノールに変換しうるものであれば特に限定はされないが、一般的なものとしてデンプン、グルコース、フルクトース、シュークロース、キシロース、アラビノースまたはこれらの成分を多く含む草木質分解産物やセルロース加水分解物、さとうきび、ビート等のジュースなどが例示できる。
培養液にはリン酸、窒素減となるアンモニウム塩等の無機塩類、コーンスティープリカー、ペプトン、酵母エキス等の天然の窒素源、ビタミン等を必要であれば加えても良い。
ブタノールを生産する微生物としては、ブタノールを生産すれば特に限定はされないが、一般的なものとしてエンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)、クロストリジウム・ブチリカム(Clostridium butylicum)、クロストリジウム・ベイジェリンキイ(Clostridium beijerinckii)、クロストリジウム・サッカロペルブチルアセトニカム(Clostridium saccharoper−butylacetonicum)などが例示でき、これらに耐熱性、耐酸性、耐塩性、凝集性、アルコール・アセトン耐性のいずれか一種以上の性質が変異、または遺伝子組換え技術等を利用して付与されていればさらに好ましい。以上のようにして得られたブタノールを含む培養液から、ブタノールを精製するには、蒸留、膜分離、抽出等、従来知られている技術により精製することが出来る。
メタセシス反応に用いる前に、n−ブテンは水や極性物質を除去する必要があり、公知の蒸留・吸着・抽出・洗浄などの方法で行うことができる。特に、植物由来の炭素を含むn−ブテンの場合は、バイオマス由来エタノールから得られるエチレンの場合と同様に、メタセシス反応に悪影響を及ぼす不純物を極微量含んでいる。そのため、エチレンでの精製方法を準用することが好ましい。
エチレンとn−ブテンを用いてメタセシス反応を行う場合、反応器内のモル比は任意の値でよいが、通常はエチレンを過剰とすることが好ましく、n−ブテンに対するエチレンの量比は0.1〜50が好ましく、更に好ましくは0.5〜5程度である。エチレンの量比が少ないとブテン同士の好ましくない反応が併発し、また量比が高すぎると未反応エチレン回収のエネルギーが増大するのと反応器自身の大型化を招く。エチレンとn−ブテンは、量比が大きいオレフィンを同時に全量加えても良いし、反応器の入り口と他に反応器中段等にフィード口を設け、分割して供給しても良い。
本発明で用いるメタセシス触媒は、公知のタングステン、モリブデン、レニウム、ニオブ、タンタル、バナジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、オスミウム、ニッケルなどの金属元素を少なくとも1種以上含むもので、活性が高いのはタングステン、モリブデン、レニウムであり、その中でも特にタングステンが好ましい。
その構造は各々の金属の酸化物、硫化物、水酸化物等を組成とする固体状態の単体でも良いし、若しくはこれらの金属の酸化物、硫化物、水酸化物等を、担体とよばれる高い表面積をもつ無機化合物に担持したものでも良い。固定床流通反応で用いる場合、劣化後に空気で焼成し再生することから酸化物の形態が好ましい。
また、担体の酸性質はオレフィンのオリゴマー化など好ましくない副反応を引き起こすため、酸性を有さないものであればいずれのものも用いることができる。より詳細には表面積が10m2/g以上の担体が好ましく、シリカ、γ―アルミナ、チタニアなどが好ましい例として挙げられ、特に表面積が高いことからシリカが好適な担体として選ばれる。この場合、担体に対する金属の担持量は、酸化物換算で、0.01%〜50%の範囲であれば良く、さらに好ましくは0.1%〜20%の範囲が良い。
上記の金属化合物のうち酸化物を担体に担持する方法は公知の方法のいずれでもよく、金属の硝酸塩や水酸化物、タングステン、モリブデン、レニウムの場合はそのポリ酸、イソポリ酸およびポリ酸のアンモニウム塩、イソポリ酸のアンモニウム塩を出発物質として、それらの水溶液に担体を含漬または蒸発乾固させ、空気雰囲気下で300℃以上の温度で焼成することにより得ることができる。
担体は市販のものをそのまま用いることもできるが、公知の方法により対応する金属塩を塩基性にすることにより得られた水酸化物を焼成して酸化物として担体を得てもかまわない。また、担体を対応する金属塩から得る際に、触媒となる金属塩を共存させて、担体合成と金属の担持を同時に行う共沈法を採用することもできる。
担体の形状は特に制限は無く、球状・円柱状・押し出し状・破砕状いずれでもよく、またその粒子の大きさも、0.01mm〜100mmの範囲のもので反応器の大きさに応じ選定すればよい。
また、タングステン、モリブデン、レニウム、ニオブ、タンタル、バナジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、オスミウム、ニッケルなどの金属元素化合物を有機溶媒に可溶にするために、配位子とよばれる有機分子を結合させた錯体触媒でもよい。またこれらを、回収を容易にするために、担体へ担持したものでも良い。
特にこのメタセシス反応は助触媒を併用すると活性があがり好適である。助触媒の具体例としては、Ia族(アルカリ金属)、IIa族(アルカリ土類金属)、IIb族、IIIa族の金属のうち少なくとも1種の金属元素を含むものであり、具体的な金属元素の種類として、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、イットリウム等が挙げられる。
Phillips社のUS4,575,575、US4,754,098、US4,88,760では、いずれも酸化マグネシウムを必須用件として含む助触媒が記載されているが、本発明では酸化マグネシウムは必ずしも必要でなく、活性の点からリチウム、ナトリウム、カリウムがより好ましい例として挙げられる。
これらの化合物は酸化物、水酸化物、硝酸塩、酢酸塩等の組成をもつ固体状態の単体でも良いし、これらの金属化合物がさらに他の金属化合物を含有するもの、すなわちアルミニウムとマグネシウムが各々の酸化物として層状化合物となったハイドロタルサイトや酸化アルミニウムと酸化マグネシウムの固溶体のような複合酸化物でもよい。若しくはこれらの金属の酸化物、複合酸化物、水酸化物、硝酸塩、酢酸塩等を、担体とよばれる高い表面積をもつ無機化合物に担持したものでも良い。
担体の酸性質はオレフィンのオリゴマー化など好ましくない副反応を引き起こすため、Ia族(アルカリ金属)、IIa族(アルカリ土類金属)、IIb族、IIIa族の金属元素を担持した後も酸性を有さないものであれば、いずれのものを用いることができる。より詳細には表面積が10m2/g以上の担体が好ましく、γ−アルミナ、ジルコニア、チタニア、などが好ましい例として挙げられ、また表面積が高いことから酸化マグネシウム自身も担体として用いることができる。特に化学的な安定性から、γーアルミナが好ましい担体である。この場合、担体に対する金属の担持量は、酸化物換算で、0.01%〜50%の範囲であれば良く、さらに好ましくは0.1%〜20%の範囲が良い。
担体は市販のものをそのまま用いることもできるが、公知の方法により対応する金属塩を塩基性にすることにより得られた水酸化物を焼成して酸化物として担体を得てもかまわない。
上記の金属化合物のうち酸化物を担体に担持する方法は公知の方法のいずれでもよく、金属の硝酸塩や水酸化物の水溶液、若しくは酸化物の水懸濁液に担体を含漬または蒸発乾固させ、空気雰囲気下で300℃以上の温度で焼成することにより得ることができる。
また、担体を対応する金属塩から得る際に、触媒となる金属塩を共存させて、担体合成と金属の担持を同時に行う共沈法を採用することもできる。
担体の形状は特に制限は無く、球状・円柱状・押し出し状・破砕状いずれでもよく、またその粒子の大きさも、0.01mm〜100mmの範囲のもので反応器の大きさに応じ選定すればよい。
さらにタングステン等の金属元素を担体へ担持した触媒と、ナトリウム、マグネシウム等の金属元素を担体へ担持した触媒を組み合わせて用いる場合、1種類の担体にタングステン等の金属元素とナトリウム、マグネシウム等の金属元素を同時に担持しても構わない。
触媒に対する助触媒の量は、0.1〜20の間の任意の量で構わないが、少なすぎると水素添加の効果が発現できず、また多すぎると触媒の割合が減るために触媒と助触媒を併せた量に対する活性が低下するので好ましくない。また、固定床流通装置で触媒を充填する場合、Jounal of Molecular Catalysis 28巻117ページ(1985年)に記載されているように、触媒と助触媒を物理的に混合して充填しても良いし、原料供給方向に近いほうから、助触媒、触媒の順で充填しても良い。さらに、これらを組み合わせた方法などを挙げることができる。
さらにこのメタセシス反応は水素ガスを共存させて行うことによりその活性をさらに向上せしめることが可能である。水素は通常ガス状で連続的に供給するが、この方法に特に限定されるものではなく、反応開始時に水素ガスを添加した後反応中供給を停止し、ある一定時間後に再度供給する間欠的な供給でもよいし、液相反応の場合溶媒に水素ガスを溶解させて供給してもかまわない。また、リサイクルプロセスでは軽沸留分とともに塔頂から回収される水素ガスを供給しても良い。すくなくとも、触媒の還元処理に用いた水素ガスを窒素置換した際の残留水素が反応器へ導入されたとしても、ごく初期には水素添加効果はみられるであろうが、新たな水素の供給が無いために活性は次第に低下し、遂には水素ガスを添加しない場合の反応成績に等しくなるので、本発明のような持続的効果は得られない。
添加する水素の圧力は、反応器の圧力と同等であることが一般的であるが、水素の供給方法に応じ適宜変更させればよい。
添加する水素ガスの量は、反応器に供給される原料をガスに換算した場合、全体のガスのうち0.1〜80vol%、好ましくは0.2〜50vol%に対する割合であるが、これよりも少ないと添加効果が発現できず、また多すぎると原料オレフィンの分圧を低下させ、またオレフィンの水添反応が併発するので好ましくない。
メタセシス反応の反応温度についても本発明では特に限定されることはないが、好ましくは100〜500℃、更に好ましくは130〜350℃の範囲である。反応温度が極端に低すぎると反応速度が低下し、反応生成物の生産性が低下する。一方、反応温度が極端に高すぎると好ましからざる副反応等が進行し、副成生物の増大や触媒の劣化が促進され経済的でない。
メタセシス反応の反応は減圧、加圧、および常圧のいずれの状態で実施することも可能である。反応効率(単位体積当たりの反応効率)の観点から、余りに低い圧力で実施することは好ましくはない。通常好ましい実施圧力範囲は、0.1〜200気圧であり、更に好ましくは0.5〜100気圧である。無論、本発明はこれらの圧力範囲に限定されない。
メタセシス反応を実施するに際し、使用する触媒量は特に限定されないが、例えば、反応を固定床流通装置を用いて行う場合、原料の時間あたりの供給量(重量)を助触媒を含まないタングステン等を含む触媒のみの重量で割った値、即ちWHSVで示すと、1〜2000/hの範囲であることが望ましく、より好ましくは2〜1000/hの範囲が好適である。WHSVが低すぎると生成した目的とするオレフィンが逐次的なメタセシス反応を起し、好ましくない副生物を与え、またWHSVが高すぎると充分な反応転化率を得ることが出来ない。
本発明を実施するにあたり、反応系内に触媒および反応試剤に対して不活性な溶媒もしくは気体を添加して、希釈した状態で行うことも可能である。具体的には、前述のメタン、エタン、プロパン、ブタン等のアルカンや、窒素、ヘリウム等の不活性気体を希釈剤として使用することもできる。
メタセシス反応を実施するに際して、その方法はバッチ式、セミバッチ式、または連続流通式のいずれの方法においても実施することが可能である。液相、気相、気−液混合相の、いずれの形態においても実施することが可能である。好ましくは反応効率的な観点から、気相反応で実施することが推奨される。触媒の充填方式としては、固定床、流動床、懸濁床、棚段固定床等種々の方式が採用され、いずれの方式で実施しても差し支えない。
メタセシス反応の後、目的とするプロピレンを前記触媒等から公知の分離方法によって、分離回収することができる。また生成したプロピレンを含有する反応混合物は、蒸留・抽出・吸着などの公知の方法によって分離され、また、未反応のエチレン、n−ブテンは回収して、再び反応系へリサイクルして原料として使用することもできる。
メタセシス反応を実施する際には、触媒及び助触媒を公知の方法で脱水することが望ましい。固定床反応方式の場合には、触媒及び助触媒を充填した反応器へ窒素、ヘリウムなどの不活性ガスを流通させながら、300℃以上の温度に、10分以上保持すればよい。特に、触媒が含有する金属元素がタングステンやモリブデンの場合にはこのあと、一酸化炭素や水素のような還元性ガスを300℃以上の温度において、10分以上流通する還元処理を行い、再度不活性ガスを300℃以上の温度に、10分以上流通し、所定の反応温度へ設定すればよい。本反応は水素を共存させることを特徴とするので、還元処理に水素を用いた場合、それが残留していても差し支えない。ある経過時間において触媒活性が低下する場合に、再生を行い触媒の活性を回復することができる。一般的には窒素ガスで吸着したオレフィンをパージし、その後300℃以上の温度において空気または窒素希釈空気で酸化し、金属がタングステンやモリブデンの場合さらにこのあと水素や一酸化炭素などの還元性ガスで還元処理をおこなったのち、再度使用することができる。
メタセシス反応によりオレフィンの生産量を維持するために、反応器を2つまたは3つ並列に並べ、一つの反応器が再生している間に、残った1つまたは2つの反応器でメタセシス反応を実施するメリーゴーランド方式をとっても構わない。さらに反応器が3つある場合、他の反応器2つを直列につなぎ、生産量の変動を少なくする方法をとっても良い。また流動床流通反応方式や移動床反応方式で実施する場合には、反応器から連続的または断続的に、一部またはすべての触媒を抜き出し、相当する分を補充することにより一定の活性を維持することが可能である。同様に、バッチまたは連続反応において懸濁床方式であれば同様に触媒を分離、回収し、必要であるならば再生して使用することができる。
また、バイオマス由来のブタノールは、主要不純物としてアセトン、エタノールを含有している。それらの不純物は、脱水反応、吸着精製を経た後、それぞれプロピレン、エチレンとなる。これらのオレフィンは、メタセシス反応における原料及び生成物のため、脱水・精製後のオフガスを、メタセシス反応後であって原料・プロピレン混合物の精製前の段階に導入することができる。
リサイクル系を含むプロピレンの連続製造の場合、原料組成を調整することが必要となるため、リサイクル前の各段階に貯槽を設けることが好ましい。
本発明の方法で得られたプロピレンは、バイオマス由来の不純物量が極めて少なく、高純度が要求されるポリマー原料としても石油資源由来のプロピレンと同等に使用することができる。
本発明の方法で得られたプロピレンからなるプロピレン重合体及び共重合体は、植物由来の炭素を含むポリマーであり、ナフサ由来のプロピレンからなるポリマーに比べて、物質循環における環境負荷が極めて低いにもかかわらず、従来のナフサ由来のポリマーと同等の物性を有しており、非常に有用である。プロピレン重合体又は共重合体としては、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、プロピレン−αオレフィン共重合体、プロピレン系エラストマー、プロピレン系ゴム等が挙げられる。これらは、さらに変性されていても良い。
また、本発明の方法で得られたプロピレンから製造されたプロピレンオキサイドを出発原料とするポリオール、ポリウレタンも、同様に、物質循環における環境負荷が極めて低いにもかかわらず、従来のナフサ由来の原料からなるポリマーと同等の物性を有しており、非常に有用である。
これらプロピレン重合体及び共重合体並びにポリウレタン及びポリオールは、単独でも他の熱可塑性重合体、例えば、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアクリル酸共重合体等と混合して使用することができる。特に、バイオマス由来のアルコールを原料としたエチレンからなるエチレン重合体又は共重合体と併用は、環境負荷のうえでも有用である。さらに、上記重合体及び共重合体には、従来公知の添加剤、例えば、可塑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、滑剤、安定剤、無機フィラー等を添加しても良い。
本発明の方法で得られたプロピレンからなるプロピレン重合体又は共重合体を含む組成物は、従来のナフサ由来のプロピレンからなるプロピレン重合体又は共重合体を含む組成物と同様に、様々な成形品、例えば、射出成形品、押出成形品、ブロー成形品、圧縮成形品等に加工することが可能であり、それら成形品の物性は、従来品と同等である。また、これらの成形品は、従来品と同様にリサイクル使用することが可能である。
本発明の方法で得られたプロピレン、またはプロピレンを原料として製造されたポリプロピレン等のポリマーがバイオマス原料を利用していることは、質量数14の炭素の含有量及び質量数12または質量数13の炭素の含有量を測定することにより判別することができる。
具体的には、ASTM(米国標準検査法) D6866 04 (Standard Test Method for Determining the Biobased Content of Natural Range Materials Using Radiocarbon and Isotope Ratio Mass Spectrometry Analysis)に記載されているように、サンプルを燃焼してCO2とし、正確に定量したCO2ガスをAMS(Accelerated Mass Spectrometry)装置に入れて質量数14、及び質量数12または質量数13の炭素量を計測し、大気中や石油化学品中に存在する質量数14の炭素の存在率と比較することにより判別できる。
また、サンプルを燃焼し、得られたCO2をCO2吸収剤で吸収するか、ベンゼンに変換し、液体シンチレーションカウンターにより質量数14の炭素量を測定し、石油由来のものと比較することにより判別することもできる。
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
バイオマス由来エチレンの合成
住友化学活性アルミナ(NKHD24)100mlを外径20mm、長さ80cmの加圧流通装置のSUS製反応器の中心へ充填し、常圧窒素ガス200ml/minを反応器上部から500℃にて2時間流通したのち、350℃へ降温した。ここへペトロブラス社製バイオマス由来のエタノール(エタノール含量92%)を反応器上部から20g/hの速度で送液した。反応器下部の出口ラインはSUS製のトラップ(容量500ml)を経て0.5MPaに設定した背圧弁につながっており、反応中はsus製トラップを外部から氷冷することにより反応により生成した水と未反応エタノールを捕集し、生成したエチレンは気体状態で背圧弁を経たのち圧縮機により5MPaへ圧縮し液化エチレンとして液化ガス容器へ捕集した。10時間後、液化ガス容器に捕集されたエチレンの重量は119gであり、転化率99%以上、収率は99%であった。
バイオマス由来プロピレンの合成
外径12mm、長さ40cmのSUS製反応器へ下から順に、5gのハイドロタルサイト(協和化学社製、キョーワード500、500μ)、5gのγ−アルミナ(住友化学活性アルミナ)、5gのHZSM−5ゼオライト(Sud社製)を充填し、上下をα―アルミナボールで充填したものをエチレン精製塔とした。メタタングステン酸アンモニウム(Aldrich社)0.83gを蒸留水100mlに溶解させ、富士シリシア社製シリカゲルQ-10(表面積300m2/g、細孔容積1ml/g、150〜500μ)5gを懸濁させ、室温で30分攪拌した後、エバポレーターで水を留去した。得られた白色固体を空気雰囲気下550℃で6h焼成した。この触媒をWQ−10とする。5gのWQ-10と10gのハイドロタルサイト(協和化学社製、キョーワード500、500μ)を物理的に混合し、外径18mm、長さ400mmのSUS製反応器へ充填し、上下をα-アルミナボールで充填したものをブテン精製塔とした。次に、0.5gのWQ−10と2.4gのハイドロタルサイトを物理的に混合し、外径18mm、長さ400mmのSUS製反応器の中心へ充填し、上下をα-アルミナボールで充填したものを反応器とした。
反応器上部から常圧窒素ガス100ml/minを流通し、下部からでたガスを、ブテン精製塔の下部から上部へ流し、さらにエチレン精製塔の下部から上部へ流し、反応器、ブテン精製塔、エチレン精製塔ともに500℃へ昇温し1時間保持した。ついで、常圧水素ガス100ml/minを同温度で120分流通させた。常圧窒素ガス50ml/min及び常圧水素ガス50ml/minを流しながら、反応器を200℃へ、ブテン精製塔とエチレン精製塔を50℃へ、降温した。
使用前にγ−アルミナ(住友化学社製NKHD−32)上へ蒸留した液化トランス−2−ブテン(純度99%、高千穂化学工業製)をプランジャーポンプを用いて0.10g/minの割合でブテン精製塔の下部から流通させ上部から得られた液化精製トランス−2−ブテンと、液化ガス容器の出口で3.5MPaに圧力を調整した後64.5ml/minの割合でエチレン精製塔の下部から供給され上部からガス状で得られる精製エチレンと、及び同じく3.5MPaに加圧された7.0ml/minの割合で供給される水素を合一し、200℃に加熱した予熱層を通した後に、反応器の上部からガス状で供給した。反応器下部から得られる混合ガスが背圧弁を経て常圧となった状態で、ガスクロマトグラフィーでオンライン分析を行った。反応開始10時間後の組成より、供給したトランス−2−ブテンの量から、出口ガス中のトランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、及び1−ブテンを合計した量を差し引いたブテン転化率は、71%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は90%で、他に少量のペンテンおよびヘキセンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.01であった。さらにこの後12時間反応を継続したが、ブテン転化率の低下は見られなかった。
[参考例1]
N分、S分の定量
(エタノール試料の分析方法)
N分の定量:試料中に含まれる全N分を微量全窒素分析装置にて定量した。
[装置]微量全窒素分析装置:TN−10(三菱化成製)
S分の定量:試料をAr/O2雰囲気下にて900℃で分解し、発生したガスを吸収液に吸収させて検液とした。検液中のSO4イオン成分をイオンクロマトグラフで定量し、S分に換算した。
[装置]イオンクロマトグラフ:DX−500(Dionex製)
(分析結果)
バイオマス由来エタノール(ペトロブラス社92%品) N分 1.5ppm、S分 4ppm
バイオマス由来エタノール(ペトロブラス社99%品) N分 2.3ppm、S分 4ppm
試薬エタノール N分 <1ppm、S分 <2ppm
バイオマス由来エタノール(ペトロブラス社92%品)、バイオマス由来エタノール(ペトロブラス社99%品)を実施例1に準じて脱水反応、吸着精製を行い、各工程後のサンプルについて分析した結果、吸着精製後のエチレンガス中のN分及びS分はそれぞれ検出限界以下だった。
[参考例2]
実施例1の最終オフガス組成
実施例1のメタセシス反応後のオフガス組成は、以下のとおりであった。
プロピレン:51.2vol%
エチレン :36.1vol%
ブテン :11.6vol%
その他 :12.7vol%
実施例1において、バイオマス由来のエタノールを日本アルコール販売株式会社より購入したバイオマス由来のエタノール(99度1級)を使用した以外は、実施例1と同様に脱水反応、エチレン吸着精製及びメタセシス反応を行った。10時間後、液化ガス容器に補修されたエチレン重量は109gであり、エチレン転化率は95%、エチレン収率は90%だった。また、メタセシス反応における、反応開始1時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、71%であった。また、触媒活性持続時間は実施例1と同等であった。
実施例2において反応器、ブテン精製塔、エチレン精製塔とも同様に前処理・還元処理を行った後、窒素100ml/minで反応器を250℃に、またブテン精製塔とエチレン精製塔を50℃に降温し、反応器に水素を流通させずにエチレンとトランス-2-ブテンを実施例1と同じ割合で供給した。反応開始1時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、71%であった。また、触媒活性持続時間は実施例1と同等であった。
実施例2のバイオマス由来プロピレン製造の項で、エチレン精製塔の吸着剤を25gのγ―アルミナとした以外は同様にメタセシス反応を行った。反応開始1時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、71%であった。また、触媒活性持続時間は実施例1と同等であった。
実施例2のバイオマス由来プロピレン製造の項で、エチレン精製塔の吸着剤を25gのハイドロタルサイトとした以外は同様にメタセシス反応を行った。反応開始1時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、70%であった。また、触媒活性持続時間は実施例1と同等であった。
実施例2のバイオマス由来プロピレン製造の項で、エチレン精製塔の吸着剤を12gのH−ZSM―5ゼオライトと12gのMS4Aモレキュラーシーブとした以外は同様にメタセシス反応を行った。反応開始1時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、70%であった。また、触媒活性持続時間は実施例1と同等であった。
γ−アルミナ(住友化学社製NKHD−32、表面積250m2/g)15gを、水酸化ナトリウム(和光純薬)0.08gを蒸留水500mlに溶解させた溶液へ懸濁させ、室温で30分攪拌した後、エバポレーターで水を留去した。得られた白色固体を、空気雰囲気下550℃で6h焼成した。得られた固体2.4gをハイドロタルサイトの替わりに用い,反応温度を175℃とした以外は実施例1と同様の方法で反応を行った。反応開始10時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、69%であった。また,プロピレン選択率は94%であった。他に少量のペンテンおよびヘキセンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.0066であった。さらにこの後12時間反応を継続したが、ブテン転化率の低下は見られなかった。
クロストリジウム・ベイジェリンキイによるアセトン−ブタノール−エタノール生産
滅菌した試験管に滅菌した前培養液(1%トリプトン(Difco)、0.5%酵母エキス(Difco)、0.5%グルコース)10ml添加し、クロストリジウム・ベイジェリンキイ(ATCC10132)を1白金耳植菌した後、2日間37℃で静置し、前培養を行った。得られた前培養液を滅菌した7Lの[表1]に示す本培養液を入れたバイオット社製BMS−10型ステンレス製培養槽に移液した。その後、無菌窒素により培養槽内をパージした後、無菌窒素により内圧を0.005MPa大気圧より加圧した状態に圧力調整弁により圧力調整を行い、攪拌速度150rpm、培養温度35℃で3日間培養を行った。
培養終了後、遠心分離により菌体を除き、6.5Lの培養上清を得た。得られた培養上清を蒸留装置により蒸留分離し、アセトン、エタノール、水、ブタノールのそれぞれの画分に分け、さらに各画分をそれぞれ蒸留し、粗ブタノールを63g、粗アセトンを31g、粗エタノールを6g得た。
なお、クロストリジウム・ベイジェリンキイ(ATCC10132)はアメリカン・タイブ・カルチャー・コレクションよりATCC10132として入手できる。
Figure 2007055361
バイオマス由来n−ブテンの合成
住友化学活性アルミナ(NKHD24)100mlを外径20mm、長さ80cmの加圧流通装置のSUS製反応器の中心へ充填し、常圧窒素ガス200ml/minを反応器上部から500℃にて2時間流通したのち、350℃へ降温した。ここへ上述の得られた粗ブタノールを反応器上部から10g/hの速度で送液した。反応器下部の出口ラインはSUS製のトラップ(容量500ml)を経て0.15MPaに設定した背圧弁につながっており、反応中はsus製トラップを外部から氷冷することにより反応により生成した水と未反応ブタノールを捕集し、生成したn−ブテンは気体状態で背圧弁を経たのちドライアイス温度に冷却した液化ガス容器に捕集した。20時間後、液化ガス容器に捕集されたn−ブテンの重量は42gであり収率は88%であった。
バイオマス由来プロピレンの合成
実施例1でバイオマス由来エチレンの精製に用いた吸着塔と同じものをもう1本用意し、これを用いて上述の得られたバイオマス由来n−ブテンの精製を行った以外は、実施例2と同様にメタセシス反応を行った。反応開始1時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、71%であった。また、触媒活性持続時間は実施例1と同等であった。
バイオマス由来エタノールからのn−ブテンの合成
実施例1で用いたバイオマス由来エタノールを、J.Mol.Catal.,251(2003)337に記載の条件で2量化反応を行いバイオマス由来n−ブタノールを得た。転化率は48%、収率は19%であった。得られたバイオマス由来n−ブタノールを用いた以外は実施例8と同様に脱水反応を行った。液化ガス容器に捕集されたn−ブテンの重量は、40gであり収率は84%であった。
バイオマス由来プロピレンの合成
実施例1でバイオマス由来エチレンの精製に用いた吸着塔と同じものをもう1本用意し、これを用いて上述の得られたバイオマス由来n−ブテンの精製を行った以外は、実施例2と同様にメタセシス反応を行った。反応開始1時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、71%であった。また、触媒活性持続時間は実施例1と同等であった。
[比較例1]
実施例1において、バイオマス由来エタノールから得られたエチレンのかわりに、市販の高純度液化エチレンボンベから得られるエチレンをエチレン精製塔を通さずに直接反応器へ導入した以外は実施例1と同様にメタセシス反応を行った。反応開始10時間後の出口の組成から算出したブテン転化率は、71%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は90%で、他に少量のペンテンおよびヘキセンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.01であった。さらにこの後12時間反応を継続したが、ブテン転化率の低下は見られなかった。
[比較例2]
実施例2のバイオマスプロピレン製造の項で、バイオマス由来エチレンを、何ら吸着精製を施すことなく直接メタセシス反応器へ導入して反応を行った。反応開始1時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率はわずかに8%であった。
[比較例3]
日本アルコール販売株式会社より購入したバイオマス由来エタノール(99度1級)を、モレキュラーシーブを充填した還流装置にて1時間還流し、室温に降温した後、シリカゲルろ過及び活性炭ろ過を施した精製エタノールを使用する以外は、比較例2と同様な操作を行った。反応開始1時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率はわずかに10%であった。
実施例1〜9を行うことにより得られた生成物は、背中圧弁から出た後すべてドライアイスにより冷却したトラップで捕集することにより、プロピレン、ブテン類を液化ガスとして捕集できる。累計の捕集して得られた液化ガス420gを加圧下、プロピレンを得るための蒸留を行い、バイオマス由来プロピレンガス200gを得た。SUS製反応器(12mm×400mm)へγ―アルミナ20gを充填したプロピレン精製塔を550℃で5h窒素気流下焼成し、常温へ降温したのちバイオマス由来プロピレンを通じ以下の重合操作に用いた。
固体状チタン触媒成分(A)の調製
無水塩化マグネシウム95.2g、デカン442mlおよび2−エチルヘキシルアルコール390.6gを130℃で2時間加熱して均一溶液とした。この溶液中に、無水フタル酸21.3gを添加し、さらに130℃にて1時間攪拌混合して溶解させた。
このようにして得られた均一溶液を室温まで冷却した後、この均一溶液の30mlを、−20℃に保持された四塩化チタン(TiCl4)80ml中に1時間にわたって滴下装入した。得られた混合液の温度を4時間かけて110℃に昇温し、110℃に達したところでフタル酸ジイソブチル(DIBP)を2.1g添加し、これより2時間同温度にて攪拌保持した。反応終了後、熱濾過にて固体部を採取し、この固体部を110mlのTiCl4に再懸濁させた後、得られた懸濁液を再び110℃で2時間加熱した。反応終了後、再び熱濾過にて固形部を採取し、110℃デカンおよびヘキサンを用いて、洗浄液中に遊離のチタン化合物が検出されなくなるまで十分洗浄した。上記のようにして得られた固体状チタン触媒成分をヘキサンスラリーとして保存した。固体状チタン触媒成分ヘキサンスラリーの一部を採取して乾燥させて、この触媒成分の組成を分析した。固体状チタン触媒成分(A)は、チタンを2.2重量%、マグネシウムを19.0重量%、塩素を59.0重量%、DIBPを19.8重量%含有していた。
予備重合触媒成分(1)の調製
200mlの攪拌機付き四ツ口ガラス製反応器に、窒素雰囲気下、精製ヘキサン100ml、トリエチルアルミニウム3ミリモル上記で得られた固体状チタン触媒成分(A)をチタン原子換算で1.0ミリモル添加した後、20℃でプロピレンを3.2Nl/hの割合で1時間供給した。
プロピレンの供給が終了したところで反応器内を窒素で置換し、上澄み液の除去および精製ヘキサンの添加からなる洗浄操作を2回行った後、得られた予備重合触媒成分(1)を精製ヘキサンに再懸濁して触媒瓶に全量移液した。
重 合
窒素置換された1リットルのオートクレーブに、精製ヘプタン400mlを装入し、60℃、プロピレン雰囲気下、トリエチルアルミニウム(TEA)を0.4ミリモル、ジシクロペンチルジシメトキシシラン(DCPMS)を0.4ミリモル、および上記で得られた予備重合触媒(1)をチタン原子換算で0.008ミリモル装入した。
水素を100mlを導入し、70℃に昇温した後、この温度を1時間保持してプロピレンを重合させた。重合中の圧力は5kg/cm2Gに保った。重合終了後、生成固体を含むスラリーを濾過し、白色粉末と液相部に分離した後、白色粉末を10時間減圧乾燥して112gのバイオマス資源を1/3含有するポリプロピレンを得た。
本発明の製造方法により、バイオマス由来の炭素を1/3以上含むプロピレンの工業的生産が可能となる。該プロピレンは環境中の二酸化炭素収支上極めて有用であり、その誘導体又は重合体としても地球環境への寄与は絶大である。

Claims (27)

  1. バイオマスから得られるエタノールを、脱水反応によりエチレンへ変換し、該エチレンと生成水等とを分離した後に、該分離エチレンを吸着精製し、n−ブテンを含有する原料とともにメタセシス反応を行うことを特徴とする、バイオマス由来の炭素を含有するプロピレンの製造方法。
  2. 前記バイオマス由来の炭素が全炭素の1/3以上であることを特徴とする請求項1記載のプロピレンの製造方法。
  3. 前記分離エチレンを吸着精製するに際して、アルミナ、酸化マグネシウムまたはその混合物、及びゼオライトから選ばれる少なくとも1種類を含有する吸着剤を用いることを特徴とする請求項1記載のプロピレンの製造方法。
  4. 前記分離エチレンを吸着精製するに際して、アルミナ、酸化マグネシウムまたはその混合物、及びゼオライトのうち2種以上を含有する吸着剤を用いることを特徴とする請求項3記載のプロピレンの製造方法。
  5. メタセシス反応が、タングステン、モリブデン、レニウム、ニオブ、タンタル、バナジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、オスミウムのうち、少なくとも1種の金属元素を含む触媒の存在下に行う請求項1記載のプロピレンの製造方法。
  6. メタセシス反応に用いる触媒と共に、Ia族(アルカリ金属)、IIa族(アルカリ土類金属)、IIb族、IIIa族の金属のうち少なくとも1種の金属元素を含む塩基性化合物を助触媒として用いる請求項5記載のプロピレンの製造方法。
  7. メタセシス反応に用いる助触媒が、Ia族(アルカリ金属)、IIa族(アルカリ土類金属)、IIb族、IIIa族の金属のうち少なくとも1種の金属元素を含む塩基性化合物が、高表面積担体に担持された構造である請求項6記載のプロピレンの製造方法。
  8. メタセシス反応に用いる助触媒に含まれる金属元素の少なくとも1種がリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、イットリウムまたは亜鉛である請求項6記載のプロピレンの製造方法。
  9. メタセシス反応に用いる助触媒に含まれる金属元素の少なくとも1種がリチウム、ナトリウムまたはカリウムである請求項8記載のプロピレンの製造方法
  10. メタセシス反応に用いる助触媒を担持する担体が、アルミナまたはジルコニアである請求項7記載のプロピレンの製造方法。
  11. メタセシス反応に用いる触媒が、タングステン、モリブデン、レニウム、ニオブ、タンタル、バナジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、オスミウムのうち少なくとも1種の金属元素を含む化合物が高表面積担体に担持された構造である請求項5記載のプロピレンの製造方法。
  12. メタセシス反応に用いる触媒を担持する担体が、シリカ、アルミナ、またはジルコニアである請求項11記載のプロピレンの製造方法。
  13. メタセシス反応に用いる触媒に含まれる金属元素の少なくとも1種がタングステンである請求項12記載のプロピレンの製造方法。
  14. メタセシス反応を行うに際して、水素ガスを共存させることを特徴とする請求項1記載のプロピレンの製造方法。
  15. メタセシス反応において、下記(1)〜(4)のいずれか1のn−ブテンを用いることを特徴とする請求項1記載のプロピレンの製造方法。
    (1)ナフサクラッカー及び/又はFCCによって得られるバイオマス資源由来の炭素を含まないn−ブテン。
    (2)バイオマス由来のエタノールから得られるエチレンを2量化して得られるn−ブテン。
    (3)バイオマス由来のエタノールを脱水2量化して得られる1―ブタノールを脱水反応して得られるn−ブテン。
    (4)バイオマス資源から得られるブタノール混合物から脱水反応により得られるn−ブテン。
  16. メタセシス反応において、前記(1)〜(3)のn−ブテンのうち2種以上を混合して用いる請求項15記載のプロピレンの製造方法。
  17. メタセシス反応において、前記(2)又は(3)のn−ブテンをさらに吸着精製して用いることを特徴とする請求項15記載のプロピレンの製造方法。
  18. 前記n−ブテンを吸着精製するに際して、アルミナ、酸化マグネシウムまたはその混合物、及びゼオライトから選ばれる少なくとも1種類を含有する吸着剤を用いることを特徴とする請求項17記載のプロピレンの製造方法。
  19. バイオマスから得られるエタノール起因の不純物を実質的に含有しない、バイオマス由来の炭素を少なくとも1/3含有する高純度プロピレン。
  20. ポリマー原料用であることを特徴とする請求項19記載の高純度プロピレン。
  21. バイオマス由来の炭素を含むプロピレンを、構成単位として1以上含有するプロピレン重合体又は共重合体。
  22. 請求項21記載の重合体又は共重合体を含む樹脂組成物からなる成形品。
  23. 請求項1記載のプロピレンの製造方法において、
    1)バイオマスから得られるエタノールを脱水反応器により脱水する工程、
    2)脱水反応器により得られたエチレン中の水、未反応エタノール及び副生物を分離除去する工程、
    3)得られた粗エチレンを吸着塔に通し、粗エチレン中の不純物を吸着除去する工程、及び
    4)精製エチレンとn−ブテンをメタセシス反応器に導入する工程、
    を含むこと(但し、工程は、1)〜4)の順)を特徴とする、バイオマス由来の炭素を含有するプロピレンの連続製造方法。
  24. メタセシス反応器から得られるプロピレンについて、さらに、
    5)脱エチレン塔に導入し、エチレンを主成分とする低沸分を除去する工程、及び
    6)脱低沸分プロピレンを脱プロピレン塔に導入し、高沸分を除去する工程、
    を含むこと(但し、工程は、5)、6)の順)を特徴とする、請求項23記載のプロピレンの連続製造方法。
  25. さらに、
    7)脱エチレン塔からの低沸オフガスをメタセシス反応器に還す工程、及び
    8)脱プロピレン塔からの高沸分オフガス中のn−ブテン成分をメタセシス反応器に還す工程、
    を含むこと(但し、工程は、7)、8)の順)を特徴とする、請求項24記載のプロピレンの連続製造方法。
  26. メタセシス反応に供されるn−ブテンが、
    a)ブタノールを脱水反応器により脱水する工程、
    b)脱水反応器により得られたn−ブテン中の水、未反応のブタノールおよび副生物を分離除去する工程、及び
    c)吸着塔により吸着精製する工程
    を含むこと(但し、工程は、a)〜c)の順)を特徴とする請求項23記載のプロピレンの連続製造方法。
  27. ブタノールがバイオマス由来のブタノールであって、かつ、吸着精製後のn−ブテンをメタセシス反応後であって低沸分精製前の段階に導入することを特徴とする、請求項26記載のプロピレンの連続製造方法。
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