JP4805252B2 - オレフィン類の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水素ガスを共存させることにより、触媒の反応性を改善したメタセシス反応によりオレフィンを製造する方法に関する。
同種または異種のオレフィン同士が反応し、異なる構造のオレフィンを与えるメタセシス反応は、ナフサクラッカーからある一定の割合で生産されるエチレン、プロピレン、ブテン類を相互に変換し、オレフィンの需要構造の変化に対応することができるので大きな利益をもたらす。
オレフィンのメタセシス反応は、1931年に725℃という高温度にて無触媒で進行することが見出されたが、工業的な価値が認められたのは、モリブデン、タングステン、レニウムなどの金属の酸化物を高表面積担体に担持した触媒が発見されてからである。触媒を用いるメタセシス反応の最初の例として、酸化モリブデンをγ―アルミナに担持した触媒を用い、プロピレン同士のメタセシス反応によりエチレンと2―ブテンとを得る方法が、Phillips社により1964年に開発された。
メタセシス反応は、可逆反応であるため平衡組成が存在する。エチレンと2−ブテンとからプロピレンを得る反応の平衡組成は、低温ほどプロピレン生成に有利となるので、触媒の改良による反応温度の低減が検討された。その中でPhillips社により、酸化タングステンをシリカに担持した触媒および酸化マグネシウムを共触媒として用いる方法が開発され、現在、Lummus社によりプロピレン製造プロセスとして完成されている。
より詳細には、US4,575,575(特許文献1)やJounal of Molecular Catalysis 28巻117ページ(1985年)(非特許文献1)に、シリカ担持酸化タングステン触媒のみでエチレンと2−ブテンとのメタセシス反応を固定床流通装置を用いて330℃にて行うとブテンの転化率は31%に過ぎないのに対し、酸化マグネシウムを共触媒として組み合わせて用いると転化率が67%に向上することが報告されている。
さらに、US4,754,098(特許文献2)には、同じ330℃におけるメタセシス反応で、酸化マグネシウムをγ−アルミナに担持した触媒を用いるとブテンの転化率が75%まで向上することが、また、US4,884,760(特許文献3)には、共触媒として酸化マグネシウムと水酸化リチウムとをγ―アルミナに担持したものを用いると、さらに低温度の270℃でもブテンの転化率を74%に維持できることが報告されている。実際に工業化プロセスでは270℃の反応温度を実現するには、加熱炉などの設備が必要であり、より簡便なスチーム加熱が可能な温度、たとえば200℃程度までの反応温度の低減が望まれる。
さらに低温の反応触媒の例として、IFP(アンスティテュ・フランセ・デュ・ペトロール)による、酸化レニウムをγ―アルミナに担持した触媒を挙げることができる。本触媒は、US4,795,734(特許文献4)に記載されるように室温付近の反応温度、すなわち加圧条件においては、液化したエチレンと2-ブテンとの混合物を原料としてメタセシス反応を進行させることができる。しかし、液化した原料および反応生成物は、触媒細孔内の拡散性が低く、気相反応に比べ触媒活性の劣化が激しい。また、劣化した触媒を再生するために反応器内の液化ガスを再生毎にパージすることは現実的ではないため、固定床反応装置の下部より触媒を連続的に抜き出し、連続的に再生することのできる移動床型反応装置が考案されている。しかし、本方法にしても設備的に複雑になり、運転安定性にも問題がある。
米国特許4,575,575号公報 米国特許4,754,098号公報 米国特許4,884,760号公報 米国特許4,795,734号公報 Jounal of Molecular Catalysis 28巻117ページ(1985年)
本発明は、従来法における上記の問題点を解決し、水素ガスを共存させることにより触媒の反応性を改善し、実用的な低温度領域でのメタセシス反応によるオレフィン類の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、従来公知のタングステン、モリブデン、レニウムなどの金属元素を含有する触媒を用いるオレフィンのメタセシス反応において、触媒と共にIa族(アルカリ金属)、IIa族(アルカリ土類金属)、IIb族、IIIa族の金属のうち少なくとも1種の金属元素を含む化合物を共触媒として用い、さらに反応原料に水素ガスを共存させることにより、実用的な低温度領域にて工業的に充分な反応速度でメタセシス反応が進行することを見出した。
より具体的には、エチレンと2−ブテンとの反応においては、目的とするプロピレン以外に生成するペンテンやヘキセンの副生を低減することが可能であることを見出し、工業的に価値の高い本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、タングステン、モリブデン、レニウム、ニオブ、タンタル、バナジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、オスミオム、ニッケルのうち少なくとも1種の金属元素を含む触媒を用いて、同種または異種のオレフィン同士が反応し異なる構造のオレフィンを与えるメタセシス反応を行うに際し、水素ガスと共にIa族(アルカリ金属)、IIa族(アルカリ土類金属)、IIb族、IIIa族の金属のうち少なくとも1種の金属元素を含む化合物を共触媒として用いるオレフィン類の製造方法である。
本発明の方法によれば、加熱炉などの特殊設備を必要としない低い反応温度において、メタセシス反応により高い収率および選択率にてオレフィン類を製造でき、さらにブタジエンを含有するブテンを原料として用いることができるため、安全上、プロセス上および経済上著しく優位にオレフィン類を生産することができる。
本発明で用いるメタセシス触媒は、公知のタングステン、モリブデン、レニウム、ニオブ、タンタル、バナジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、オスミオム、ニッケルなどの金属元素を少なくとも1種以上含むもので、活性が高いのはタングステン、モリブデン、レニウムであり、その中でも特にタングステンが好ましい。
該触媒の構造は、各々の金属の酸化物、硫化物、水酸化物などを組成とする固体状態の単体でもよいし、これらの金属の酸化物、硫化物、水酸化物などを担体とよばれる高い表面積を有する無機化合物に担持したものでもよい。また該触媒は、固定床流通反応で用いる場合、活性劣化後に空気で焼成して再生することから、酸化物の形態であることが好ましい。
また、担体の酸性質はオレフィンのオリゴマー化など好ましくない副反応を引き起こすため、酸性を有さないものであればいずれのものでも用いることができる。より詳細には、表面積が10m2/g以上の担体が好ましく、シリカ、γ―アルミナ、チタニアなどが好ましい例として挙げられ、特に表面積が高いことからシリカが好適な担体として選ばれる。この場合、担体に対する金属の担持量は、酸化物換算で、0.01%〜50%の範囲であればよく、さらに好ましくは0.1%〜20%の範囲である。
上記の金属化合物のうち酸化物を担体に担持する方法は、公知の方法のいずれでもよく、金属の硝酸塩や水酸化物、タングステン、モリブデン、レニウムの場合はそのポリ酸、イソポリ酸およびポリ酸のアンモニウム塩、イソポリ酸のアンモニウム塩を出発物質として、それらの水溶液に担体を含漬または蒸発乾固させ、空気雰囲気下で300℃以上の温度で焼成することにより得ることができる。
担体は市販のものをそのまま用いることもできるが、公知の方法により対応する金属塩を塩基で中和することにより得られる水酸化物を焼成し、酸化物として担体を得てもかまわない。
また、担体を対応する金属塩から得る際に、触媒となる金属塩を共存させて、担体合成と金属の担持を同時に行う共沈法を採用することもできる。
担体の形状には特に制限は無く、球状、円柱状、押し出し状、破砕状のいずれでもよく、また、その粒子の大きさも、0.01mm〜100mmの範囲のもので反応器の大きさに応じて選定すればよい。
また、タングステン、モリブデン、レニウム、ニオブ、タンタル、バナジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、オスミオムなどの金属元素化合物を有機溶媒に可溶とするために、配位子とよばれる有機分子を結合させた錯体触媒としてもよい。また、これらの回収を容易にするために、担体へ担持したものでもよい。
本発明で用いる共触媒は、Ia族(アルカリ金属)、IIa族(アルカリ土類金属)、IIb族、IIIa族の金属のうち少なくとも1種の金属元素を含むものであり、具体的な金属元素の種類として、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、イットリウムなどが挙げられる。
Phillips社のUS4,575,575、US4,754,098、US4,884,760には、いずれも酸化マグネシウムを含む共触媒が記載されているが、本発明では酸化マグネシウムは必ずしも必須ではなく、活性の点からリチウム、ナトリウム、カリウムがより好ましい例として挙げられる。
これらの共触媒として用いる金属化合物は、酸化物、水酸化物、硝酸塩、酢酸塩などの組成をもつ固体状態の単体でもよいし、これらの金属化合物がさらに他の金属化合物を含有するもの、すなわちアルミニウムとマグネシウムとが各々の酸化物として層状化合物となったハイドロタルサイトや酸化アルミニウムと酸化マグネシウムとの固溶体のような複合酸化物でもよい。または、これらの金属の酸化物、複合酸化物、水酸化物、硝酸塩、酢酸塩などを、担体とよばれる高い表面積を有する無機化合物に担持したものでもよい。
担体の酸性質は、オレフィンのオリゴマー化など好ましくない副反応を引き起こすため、Ia族(アルカリ金属)、IIa族(アルカリ土類金属)、IIb族、IIIa族の金属元素を担持した後も酸性を有さないものであれば、いずれのものでも用いることができる。より詳細には、表面積が10m2/g以上である担体が好ましく、γ―アルミナ、ジルコニア、チタニアなどが好ましい例として挙げられ、また表面積が高いことから酸化マグネシウム自身も担体として用いることができる。特に化学的な安定性から、γ―アルミナが好ましい担体である。また、γ−アルミナと酸化マグネシウムとを組み合わせて使用すること、さらには、アルミニウムとマグネシウムとの複合酸化物を使用することも好ましい。この場合、担体に対する金属の担持量は、酸化物換算で、0.01%〜50%の範囲であればよく、さらに好ましくは0.1%〜20%の範囲である。
担体は市販のものをそのまま用いることもできるが、公知の方法により対応する金属塩を塩基性にすることにより得られる水酸化物を焼成し、酸化物として担体を得てもかまわない。
上記の金属化合物のうち酸化物を担体に担持する方法は公知の方法のいずれでもよく、金属の硝酸塩や水酸化物の水溶液もしくは酸化物の水懸濁液に、担体を含漬または蒸発乾固させ、空気雰囲気下で300℃以上の温度で焼成することにより得ることができる。
また、担体を対応する金属塩から得る際に、触媒となる金属塩を共存させて、担体合成と金属の担持を同時に行う共沈法を採用することもできる。
担体の形状には特に制限は無く、球状、円柱状、押し出し状、破砕状のいずれでもよく、またその粒子の大きさも、0.01mm〜100mmの範囲のもので反応器の大きさに応じて選定すればよい。
さらにタングステンなどの金属元素を担体へ担持した触媒と、ナトリウム、マグネシウムなどの金属元素を担体へ担持した共触媒とを組み合わせて用いる場合、1種類の担体にタングステンなどの金属元素とナトリウム、マグネシウムなどの金属元素とを同時に担持してもかまわない。
触媒に対する共触媒の量は、0.1〜20の間の任意の量でかまわないが、少なすぎると水素添加の効果が発現せず、また多すぎると触媒の割合が減るために触媒と共触媒とを併せた量に対する活性が低下するので好ましくない。また、固定床流通装置で触媒を充填する場合、Jounal of Molecular Catalysis 28巻117ページ(1985年)に記載されるように、触媒と共触媒とを物理的に混合して充填してもよいし、原料供給方向に近いほうから、共触媒、触媒の順で充填してもよい。さらに、これらを組み合わせた方法などを挙げることもできる。
反応に添加する水素は、通常ガス状で連続的に供給するが、この方法に特に限定されるものではなく、反応開始時に水素ガスを添加した後、反応中供給を停止しある一定時間後に再度供給する間欠的な供給でもよいし、液相反応の場合、溶媒に水素ガスを溶解させて供給してもかまわない。また、リサイクルプロセスでは、軽沸点留分とともに塔頂から回収される水素ガスを供給してもよい。少なくとも、触媒の還元処理に用いた水素ガスが、窒素置換した際の残留水素として反応器へ導入されたとしても、ごく初期には水素添加効果はみられるであろうが、新たな水素の供給が無いために活性は次第に低下し、遂には水素ガスを添加しない場合の反応成績に等しくなるので、本発明のような持続的効果は得られない。
添加する水素の圧力は、反応器の圧力と同等であることが一般的であるが、水素の供給方法に応じ適宜変更すればよい。
添加する水素ガスの量は、反応器に供給される原料をガスに換算した場合、全体のガスのうち0.1〜80vol%、好ましくは0.2〜50vol%の割合であるが、これよりも少ないと添加効果が発現せず、また多すぎると原料オレフィンの分圧を低下させたりオレフィンの水添反応が併発したりするので好ましくない。
本発明で示すメタセシス反応に用いるオレフィンの構造に特に限定は無いが、ナフサクラッカーのオレフィンバランスを改善する目的で使用する場合には、低級オレフィンに対して適用される。原料として用いることのできるオレフィンと得られるオレフィンの例を挙げると、エチレンと2−ブテンとからプロピレン、エチレンと2−ペンテンとからプロピレンと1−ブテン、エチレンと2−ヘキセンとからプロピレンと1−ペンテン、エチレンと2−メチル−2−ブテンとからプロピレンとイソブテン、エチレンと4−メチル−1−ペンテンとからプロピレンと3−メチル−1−ブテンなどを挙げることができ、また可逆反応であるためこれら例示した反応の逆反応も有効である。
これら反応原料は、オレフィンのみから構成されるのが好ましいが、メタン、エタン、プロパン、n−ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサンなどのアルカンを含有していてもかまわない。また、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンなどの末端オレフィンは、塩基性の共触媒により内部オレフィンへ異性化するため、任意の量含有していてもよい。エチレンと2−ブテンとからプロピレンを得る場合に共存するイソブテンは、生成したプロピレンと反応し、2−メチル−2−ブテンを与えるので収率的には好ましくないが、反応自身を阻害するものではないので任意の量含有していてもかまわない。
本発明で使用するメタセシス触媒は、公知技術と同様、水分、炭酸ガス、メルカプト化合物、アルコール、カルボニル化合物によりその活性を著しく損なうので、これら原料中の不純物を除去する必要がある。これらの除去方法は、公知の蒸留、吸着、抽出、洗浄などいずれの方法でもかまわない。
2種類以上のオレフィンを原料として本発明を実施する場合、お互いのオレフィンの使用量(重量比)は特に限定されないが、片方がエチレンの場合、これを過剰とすることが好ましい。たとえば、エチレンと2−ブテンとからプロピレンを得る反応の場合、2−ブテンに対するエチレンの量比は0.1〜50が好ましく、さらに好ましくは0.5から5程度である。エチレンの量比が少ないとブテン同士の好ましくない反応が併発し、また量比が高すぎると未反応エチレン回収のエネルギーが増大すると共に反応器自身の大型化を招く。2種以上のオレフィンを用いる場合、量比が大きいオレフィンを同時に全量加えてもよいし、反応器の入り口の他に反応器中段などにフィード口を設け、分割して供給してもよい。
反応温度についても本発明では特に限定されることはないが、好ましくは100〜500℃、さらに好ましくは130〜350℃の範囲である。反応温度が極端に低すぎると反応速度が低下し、反応生成物の生産性が低下する。一方、反応温度が極端に高すぎると好ましからざる副反応などが進行し、副成生物の増大や触媒の劣化が促進され経済的でない。
反応は減圧、加圧および常圧のいずれの状態で実施することも可能である。反応効率(単位体積当たりの反応効率)の観点から、余り低い圧力で実施することは好ましくない。通常、好ましい圧力範囲は、0.1〜200気圧であり、さらに好ましくは0.5〜100気圧である。無論、本発明はこれらの圧力範囲に限定されない。
また本発明を実施するに際し、使用する触媒量は特に限定されないが、たとえば、反応を固定床流通装置を用いて行う場合、原料の時間あたりの供給量(重量)を、共触媒を含まないタングステンなどを含む触媒のみの重量で割った値、すなわちWHSVで示すと、1〜2000/hの範囲であることが望ましく、より好ましくは2〜1000/hの範囲が好適である。WHSVが低すぎると生成した目的とするオレフィンが逐次的なメタセシス反応を起し好ましくない副生物を与え、またWHSVが高すぎると充分な反応転化率を得ることができない。
本発明を実施するに当たり、反応系内に触媒および反応試剤に対して不活性な溶媒もしくは気体を添加して、希釈した状態で行うことも可能である。具体的には、前述のメタン、エタン、プロパン、ブタンなどのアルカンや、窒素、ヘリウムなどの不活性気体を希釈剤として使用することができる。
本発明を実施するに際して、その方法はバッチ式、セミバッチ式または連続流通式のいずれの方法においても実施することが可能である。また液相、気相、気−液混合相の、いずれの形態においても実施することが可能である。好ましくは反応効率の観点から、気相反応で実施することが推奨される。触媒の充填方式としては、固定床、流動床、懸濁床、棚段固定床など種々の方式が採用され、いずれの方式で実施しても差し支えない。
反応後、反応生成物を前記触媒などから公知の分離方法によって、分離回収することができる。目的生成物であるオレフィンは、反応混合物より蒸留、抽出、吸着などの公知の方法によって分離され、また、未反応原料は回収して、反応系へリサイクルして再使用することもできる。
本発明を実施する際には、触媒および共触媒を公知の方法にて脱水して用いることが望ましい。固定床反応方式の場合には、触媒および共触媒を充填した反応器へ窒素、ヘリウムなどの不活性ガスを流通させながら、300℃以上の温度にて10分以上保持すればよい。特に、触媒が含有する金属元素がタングステンやモリブデンの場合にはこの後、一酸化炭素や水素のような還元性ガスを300℃以上の温度において10分以上流通する還元処理を行い、再度不活性ガスを300℃以上の温度にて10分以上流通し、所定の反応温度に設定すればよい。本反応は水素を共存させることを特徴とするので、還元処理に水素を用いた場合、それが残留していても差し支えない。
ある経過時間において触媒活性が低下する場合に、再生を行って触媒の活性を回復することができる。一般的には、窒素ガスで吸着したオレフィンをパージし、その後300℃以上の温度において空気または窒素希釈空気で酸化し、金属がタングステンやモリブデンの場合、さらにこの後、水素や一酸化炭素などの還元性ガスで還元処理を行って再使用することができる。
オレフィンの生産量を維持するために、反応器を2つまたは3つ並列に並べ、一つの反応器が再生している間に、残った1つまたは2つの反応器でメタセシス反応を実施するメリーゴーランド方式をとってもかまわない。さらに反応器が3つある場合、他の反応器2つを直列につなぎ、生産量の変動を少なくする方法をとってもよい。また流動床流通反応方式や移動床反応方式にて実施する場合には、反応器から連続的または断続的に、一部またはすべての触媒を抜き出し、相当する分を補充することにより一定の活性を維持することが可能である。
バッチまたは連続反応において懸濁床方式であれば、同様に触媒を分離、回収し、必要であるならば再生して使用することができる。
メタタングステン酸アンモニウム(Aldrich社)0.83gを蒸留水100mlに溶解させ、富士シリシア社製シリカゲルQ−10(表面積300m2/g、細孔容積1ml/g、150〜500μm)5gを懸濁させ、室温で30分攪拌した後、エバポレーターで水を留去した。得られた白色固体を空気雰囲気下550℃で6時間焼成した。この触媒をWQ−10とする。2gのWQ−10と3.5gのハイドロタルサイト(協和化学社製、キョーワード500、500μm)とを物理的に混合し、外径12mm、長さ40cmのSUS製反応器へ充填し、上下をα−アルミナボールで充填したものをブテン精製塔とした。次に、0.1gのWQ−10と0.3gのハイドロタルサイトとを物理的に混合し、外径10mm、長さ30cmのSUS製反応器の中心へ充填し、上下をα−アルミナボールで充填したものを反応器とした。
反応器上部から常圧窒素ガス50ml/minを流通し、下部からでたガスを、ブテン精製塔の下部から上部へ流しながら、反応器、ブテン精製塔ともに550℃に昇温し、1時間保持した。次いで、常圧窒素ガス50ml/minに常圧水素ガス50ml/minを加えた混合ガスを同温度で30分流通させた。再度常圧窒素ガス50ml/minを流しながら、ブテン精製塔を50℃に、反応器を250℃に降温した。
使用前にγ−アルミナ(住友化学社製NKHD−32)上へ蒸留したトランス−2−ブテン(純度99%、高千穂化学工業製)ガスを、常圧で2.3ml/minの割合でブテン精製塔の下部から流通させ、上部から得られた精製トランス−2−ブテンを、常圧で6.1ml/minの割合で供給されるエチレンおよび常圧で20ml/minの割合で供給される水素と合一し、反応器の上部からガス状にて供給した。反応器下部から得られる混合ガスを、ガスクロマトグラフィーにてオンライン分析を行った。反応開始3時間後の組成より、供給したトランス−2−ブテンの量から、出口ガス中のトランス−2−ブテン、シス−2−ブテンおよび1−ブテンを合計した量を差し引いたブテン転化率は、75%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は97%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.085であった。さらに、この後12時間反応を継続したが、転化率の低下は見られなかった。
実施例1に記載の方法において、反応器へ供給する常圧水素ガスの量を5ml/minとしたこと以外は同様に反応を行った。反応開始3時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、75%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は98%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.0094であった。さらに、この後12時間反応を継続したが、転化率の低下は見られなかった。
実施例1に記載の方法において、反応器へ供給する常圧水素ガスの量を2ml/minとしたこと以外は同様に反応を行った。反応開始3時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、75%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は98%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.0063であった。さらに、この後12時間反応を継続したが、転化率の低下は見られなかった。
実施例3に記載の方法において、反応器の温度を200℃としたこと以外は同様に反応を行った。反応開始3時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、75%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は98%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.0032であった。さらに、この後12時間反応を継続したが、転化率の低下は見られなかった。
Figure 0004805252
実施例3に記載の方法において、反応器へ充填する共触媒の種類を酸化マグネシウム(協和化学 キョーワマグ150、圧縮成型後150〜500μmに分級)へ変えたこと以外は同様に反応を行った。反応開始3時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、78%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は98%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.011であった。さらに、この後12時間反応を継続したが、転化率の低下は見られなかった。
実施例5に記載の方法において、反応器の温度を200℃としたこと以外は同様に反応を行った。反応開始3時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、78%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は98%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.0069であった。さらに、この後12時間反応を継続したが、転化率の低下は見られなかった。
実施例3に記載の方法において、反応器へ充填する共触媒の種類を酸化カルシウム(和光純薬、圧縮成型後150〜500μmに分級)へ変えたこと以外は同様に反応を行った。反応開始1時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、78%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は98%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.020であった。
実施例7に記載の方法において、反応器の温度を200℃としたこと以外は同様に反応を行った。反応開始1時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、76%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は98%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.0093であった。
実施例3に記載の方法において、反応器へ充填する共触媒の種類を酸化イットリウム(硝酸イットリウムをアンモニア水へ加え、得られた沈殿を550℃にて焼成し、圧縮成型後、150〜500μmに分級)へ変えたこと以外は同様に反応を行った。反応開始3時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、77%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は98%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.0024であった。さらに、この後12時間反応を継続したが、転化率の低下は見られなかった。
実施例3に記載の方法において、反応器へ充填する共触媒の種類を酸化亜鉛(和光純薬、圧縮成型後、150〜500μmに分級)へ変え、さらに反応器の温度を200℃としたこと以外は同様に反応を行った。反応開始1時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、32%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は90%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.0013であった。
Figure 0004805252
γ−アルミナ(住友化学社製NKHD−32、表面積250m2/g)3gを、水酸化カルシウム(和光純薬)0.40gを蒸留水100mlに溶解させた溶液へ懸濁させ、室温にて30分攪拌した後、エバポレーターで水を留去した。得られた白色固体を、空気雰囲気下550℃で6時間焼成した。得られたγ−アルミナ担持CaOのうち0.3gを0.1gのWQ−10と物理的に混合し、外径10mm、長さ30cmのSUS製反応器の中心へ充填し、上下をα−アルミナボールで充填したものを反応器とした。
上記の反応器を用いたこと以外は、実施例4に記載と同様の方法で反応を行った。反応開始3時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、74%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は97%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.0018であった。さらに、この後12時間反応を継続したが、転化率の低下は見られなかった。
実施例11においてγ−アルミナへ担持する水酸化カルシウムの量を0.2gとしたこよ以外は同様に共触媒の調製を行い、それ以外は実施例4に記載と同様の方法で反応を行った。反応開始3時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、77%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は97%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.0025であった。さらに、この後12時間反応を継続したが、転化率の低下は見られなかった。
実施例11においてγ−アルミナへ担持する水酸化カルシウムの量を0.1gとしたこと以外は同様に共触媒の調製を行い、それ以外は実施例4に記載と同様の方法で反応を行った。反応開始3時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、75%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は96%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.0022であった。さらに、この後12時間反応を継続したが、転化率の低下は見られなかった。
実施例11においてγ−アルミナへ担持する化合物を硝酸マグネシウム(和光純薬)0.55gとしたこと以外は同様に共触媒の調製を行い、それ以外は実施例5に記載と同様の方法で反応を行った。反応開始3時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、16%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は87%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.0036であった。さらに、この後12時間反応を継続したが、転化率の低下は見られなかった。
実施例11においてγ−アルミナへ担持する化合物を硝酸亜鉛(和光純薬)0.35gとしたこと以外は同様に共触媒の調製を行い、それ以外は実施例4に記載と同様の方法で反応を行った。反応開始3時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、66%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は94%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.0016であった。さらに、この後12時間反応を継続したが、転化率の低下は見られなかった。
実施例11においてγ−アルミナへ担持する化合物を硝酸亜鉛(和光純薬)0.35gおよび水酸化ナトリウム(和光純薬)0.038gとしたこと以外は同様に共触媒の調製を行い、それ以外は実施例4に記載と同様の方法で反応を行った。反応開始3時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、76%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は95%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.0021であった。さらに、この後12時間反応を継続したが、転化率の低下は見られなかった。
実施例11においてγ−アルミナへ担持する化合物を水酸化ナトリウム(和光純薬)0.076gとしたこと以外は同様に共触媒の調製を行い、それ以外は実施例4に記載と同様の方法で反応を行った。反応開始1時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、75%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は98%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.0033であった。
実施例11においてγ−アルミナへ担持する化合物を水酸化ナトリウム(和光純薬)0.038gとしたこと以外は同様に共触媒の調製を行い、それ以外は実施例3に記載と同様の方法で反応を行った。反応開始3時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、76%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は97%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.001であった。さらに、この後12時間反応を継続したが、転化率の低下は見られなかった。
Figure 0004805252
実施例18において反応温度を200℃としたこと以外は同様に共触媒の調製を行い、それ以外は実施例4に記載と同様の方法で反応を行った。反応開始3時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、78%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は98%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.00081であった。さらに、この後12時間反応を継続したが、転化率の低下は見られなかった。
実施例18において反応温度を175℃としたこと以外は同様に共触媒の調製を行い、それ以外は実施例4に記載と同様の方法で反応を行った。反応開始3時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、74%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は97%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.00053であった。さらに、この後12時間反応を継続したが、転化率の低下は見られなかった。
実施例18において反応温度を150℃としたこと以外は同様に共触媒の調製を行い、それ以外は実施例4に記載と同様の方法で反応を行った。反応開始1時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、30%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は92%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.0029であった。
実施例11においてγ−アルミナへ担持する化合物を水酸化ナトリウム(和光純薬)0.019gとしたこと以外は同様に共触媒の調製を行い、それ以外は実施例4に記載と同様の方法で反応を行った。反応開始3時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、78%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は98%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.0067であった。さらに、この後12時間反応を継続したが、転化率の低下は見られなかった。
実施例19においてγ−アルミナに変えて、硝酸ジルコニウムをアンモニア水へ加えて得られたゲル状の水酸化ジルコニウムを水洗後、100℃にて乾燥して得られた水酸化ジルコニウムを用いたこと以外は同様に共触媒の調製を行い、得られたジルコニア担持Na20を共触媒として用いたこと以外は実施例4に記載と同様の方法で反応を行った。反応開始3時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、78%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は98%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.0045であった。さらに、この後12時間反応を継続したが、転化率の低下は見られなかった。
実施例23において反応温度を175℃としたこと以外は同様に共触媒の調製を行い、それ以外は実施例4に記載と同様の方法で反応を行った。反応開始1時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、58%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は94%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.0015であった。
Figure 0004805252
実施例11においてγ−アルミナへ担持する化合物を硝酸カリウム(和光純薬)0.064gとしたこと以外は同様に共触媒の調製を行い、それ以外は実施例3に記載と同様の方法で反応を行った。反応開始3時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、76%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は98%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.0020であった。さらに、この後12時間反応を継続したが、転化率の低下は見られなかった。
実施例25においてγ−アルミナへ担持する化合物の量を0.128gとしたこと以外は同様に共触媒の調製を行い、それ以外は実施例3に記載と同様の方法で反応を行った。反応開始3時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、77%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は96%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.00057であった。さらに、この後12時間反応を継続したが、転化率の低下は見られなかった。
実施例11においてγ−アルミナへ担持する化合物を硝酸セシウム(和光純薬)0.041gとしたこと以外は同様に共触媒の調製を行い、それ以外は実施例4に記載と同様の方法で反応を行った。反応開始3時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、76%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は98%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.00095であった。さらに、この後12時間反応を継続したが、転化率の低下は見られなかった。
実施例27においてγ−アルミナへ担持する化合物の量を0.082gとしたこと以外は同様に共触媒の調製を行い、それ以外は実施例4に記載と同様の方法で反応を行った。反応開始3時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、75%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は97%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.0013であった。さらに、この後12時間反応を継続したが、転化率の低下は見られなかった。
Figure 0004805252
実施例4において用いる反応原料をトランス−2−ブテンから1−ブテン(高千穂化学工業製、純度99.5%)に変えたこと以外は、同様の方法で反応を行った。反応開始3時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、76%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は98%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.0041であった。さらに、この後12時間反応を継続したが、転化率の低下は見られなかった。
Figure 0004805252
実施例3に示す方法で反応を行った。反応開始3時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、75%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は98%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.0063であった。反応開始3時間後に反応器へ水素の供給を停止し、そのまま反応を継続した。停止後1時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、48%に低下した。さらに、水素ガス供給停止後5時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、48%のままであった。再度反応器への水素ガスの供給を開始し、反応を継続した。水素ガス供給再開後3時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、72%へ向上した。さらに、水素ガス供給再開後8時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、74%であった。
Figure 0004805252
メタモリブデン酸アンモニウム(Aldrich社)0.49gを蒸留水100mlに溶解させ、富士シリシア社製シリカゲルQ−15(表面積200m2/g、細孔容積1ml/g、150〜500μm)5gを懸濁させ、室温で30分攪拌した後、エバポレーターで水を留去した。得られた白色固体を空気雰囲気下550℃にて6時間焼成した。この触媒をMoQ−15とする。2gのWQ−10と3.5gのハイドロタルサイト(協和化学社製、キョーワード500、500μm)とを物理的に混合し、外径12mm、長さ40cmのSUS製反応器へ充填し、上下をα−アルミナボールで充填したものをブテン精製塔とした。次に、0.1gのMoQ−15と0.3gのハイドロタルサイトとを物理的に混合し、外径10mm、長さ30cmのSUS製反応器の中心へ充填し、上下をα−アルミナボールで充填したものを反応器とした。
反応器の温度を300℃としたこと以外は、実施例3と同様に反応を行った。反応開始1時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、47%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は89%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.015であった。
実施例31において反応温度を350℃としたこと以外は、同様の方法で反応を行った。反応開始1時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、53%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は90%で、他に少量のペンテンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.0014であった。
Figure 0004805252
実施例1において、0.6gのWQ−10と2.4gのハイドロタルサイトとを物理的に混合し、外径18mm、長さ400mmのSUS製反応器の中心に充填し、上下をα−アルミナボールで充填したものを反応器とした。反応器上部から常圧窒素ガス100ml/minを流通し、下部からでたガスを、ブテン精製塔の下部から上部へ流しながら、反応器、ブテン精製塔ともに500℃へ昇温し、1時間保持した。ついで、常圧水素ガス100ml/minを同温度で120分流通させた。常圧窒素ガス50ml/minおよび常圧水素ガス50ml/minを流しながら、ブテン精製塔を50℃に、反応器を200℃に降温した。
使用前にγ−アルミナ(住友化学社製NKHD−32)上へ蒸留した液化トランス−2−ブテン(純度99%、高千穂化学工業製)を、プランジャーポンプを用いて0.10g/minの割合でブテン精製塔の下部へ流通させ、上部から得られた液化精製トランス−2−ブテンを、3.5MPaに加圧され64.5ml/minの割合で供給されるエチレンおよび3.5MPaに加圧され7.0ml/minの割合で供給される水素と合一し、200℃に加熱した予熱層を通した後に、反応器の上部からガス状で供給した。反応器下部から得られる混合ガスが背圧弁を経て常圧となった状態で、ガスクロマトグラフィーでオンライン分析を行った。反応開始10時間後の組成より、供給したトランス−2−ブテンの量から、出口ガス中のトランス−2−ブテン、シス−2−ブテンおよび1−ブテンを合計した量を差し引いたブテン転化率は、71%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は90%で、他に少量のペンテンおよびヘキセンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.01であった。さらに、この後12時間反応を継続したが、ブテン転化率の低下は見られなかった。
実施例33において反応器の温度を175℃としたこと以外は、同様の方法で反応を行った。反応開始10時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、61%であった。また、プロピレン選択率は92%であった。他に少量のペンテンおよびヘキセンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.01であった。さらに、この後12時間反応を継続したが、ブテン転化率の低下は見られなかった。
実施例33において、液化トランス−2−ブテンを1.0MPaに加圧されたエチレンおよび1.0MPaに加圧された水素に合一させたこと以外は、同様の方法で反応を行った。反応開始10時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、71%であった。また、プロピレン選択率は91%であった。他に少量のペンテンおよびヘキセンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.0026であった。さらに、この後12時間反応を継続したが、ブテン転化率の低下は見られなかった。
実施例33において、液化トランス−2−ブテンを0.5MPaに加圧されたエチレンおよび0.5MPaに加圧された水素に合一させたこと以外は同様の方法で反応を行った。反応開始10時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、72%であった。また、プロピレン選択率は92%であった。他に少量のペンテンおよびヘキセンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.0012であった。さらに、この後12時間反応を継続したが、ブテン転化率の低下は見られなかった。
Figure 0004805252
γ−アルミナ(住友化学社製NKHD−32、表面積250m2/g)15gを、水酸化ナトリウム(和光純薬)0.08gを蒸留水500mlに溶解させた溶液に懸濁させ、室温で30分攪拌した後、エバポレーターにて水を留去した。得られた白色固体を、空気雰囲気下550℃にて6時間焼成した。得られた固体2.4gをハイドロタルサイトに代えて用い、反応温度を175℃としたこと以外は実施例33と同様の方法で反応を行った。反応開始10時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、69%であった。また、プロピレン選択率は94%であった。他に少量のペンテンおよびヘキセンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.0066であった。さらに、この後12時間反応を継続したが、ブテン転化率の低下は見られなかった。
Figure 0004805252
実施例1に記載の触媒WQ−10を0.1gとハイドロタルサイト0.5gとを物理的に混合し、外径10mm、長さ30cmのSUS製反応器の中心へ充填し、上下をα−アルミナボールで充填したものを反応器とした。一方、2gのWQ−10と3.5gのハイドロタルサイト(協和化学社製、キョーワード500、500μm)とを物理的に混合し、外径12mm、長さ40cmのSUS製反応器へ充填し、上下をα−アルミナボールで充填したものをブテン精製塔とした。反応器上部から常圧窒素ガス50ml/minを流通し、下部からでたガスを、ブテン精製塔の下部から上部へ流しながら、反応器、ブテン精製塔ともに550℃に昇温し、1時間保持した。次いで、常圧窒素ガス50ml/minに常圧水素ガス50ml/minを加えた混合ガスを同温度で30分流通させた。再度常圧窒素ガス50ml/minを流しながら、ブテン精製塔を50℃に、反応器を200℃に降温した。
使用前にγ−アルミナ(住友化学社製NKHD−32)上へ蒸留した1−ブテン(純度99%、1,3−ブタジエンを230ppm含有、高千穂化学工業製)ガスを、常圧で8ml/minの割合でブテン精製塔の下部から流通させた。上部から得られた精製1−ブテン中の1,3−ブタジエン濃度は0ppmであった。このブタジエンを含有しない1−ブテンを、常圧で12ml/minの割合で供給されるエチレンおよび常圧で1ml/minの割合で供給される水素と合一し、反応器の上部からガス状で供給した。反応器下部から得られる混合ガスを、ガスクロマトグラフィーでオンライン分析を行った。反応開始2時間後の組成より、供給した1−ブテンの量から、出口ガス中のトランス−2−ブテン、シス−2−ブテンおよび1−ブテンを合計した量を差し引いたブテン転化率は、17.5%であった。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.00022であった。
実施例38において、反応温度を225℃としたこと以外は同様に反応を行った。反応開始3時間後の組成より、供給した1−ブテンの量から、出口ガス中のトランス−2−ブテン、シス−2−ブテンおよび1−ブテンを合計した量を差し引いたブテン転化率は、69%であった。また、プロピレン選択率は94%であった。他に少量のペンテンおよびヘキセンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.00047であった。さらに、この後12時間反応を継続したが、ブテン転化率の低下は見られなかった。
実施例38において、反応温度を250℃としたこと以外は同様に反応を行った。反応開始3時間後の組成より、供給した1−ブテンの量から、出口ガス中のトランス−2−ブテン、シス−2−ブテンおよび1−ブテンを合計した量を差し引いたブテン転化率は、69%であった。また、プロピレン選択率は94%であった。他に少量のペンテンおよびヘキセンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.00040であった。さらに、この後12時間反応を継続したが、ブテン転化率の低下は見られなかった。
実施例38においてブテン精製塔の吸着剤をγ―アルミナへ変更したこと以外は同様に反応を行った。このとき反応器へ供給される1−ブテンは、230ppmの1,3−ブタジエンを含有していた。反応開始3時間後の組成より、供給した1−ブテンの量から、出口ガス中のトランス−2−ブテン、シス−2−ブテンおよび1−ブテンを合計した量を差し引いたブテン転化率は、21%であった。
実施例41において反応温度を225℃としたこと以外は同様に反応を行った。反応開始3時間後の組成より、供給した1−ブテンの量から、出口ガス中のトランス−2−ブテン、シス−2−ブテンおよび1−ブテンを合計した量を差し引いたブテン転化率は、70%であった。また、プロピレン選択率は94%であった。他に少量のペンテンおよびヘキセンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.00036であった。
実施例41において反応温度を250℃としたこと以外は同様に反応を行った。反応開始3時間後の組成より、供給した1−ブテンの量から、出口ガス中のトランス−2−ブテン、シス−2−ブテンおよび1−ブテンを合計した量を差し引いたブテン転化率は、70%であった。また、プロピレン選択率は94%であった。他に少量のペンテンおよびヘキセンが生成していた。
Figure 0004805252
実施例38において反応器へ充填する触媒をWQ−10、0.1gおよび実施例18で調製したγ―アルミナ担持Na2O、0.5gに変えたこと以外は同様にして200℃にて反応を行った。反応開始3時間後の組成より、供給した1−ブテンの量から、出口ガス中のトランス−2−ブテン、シス−2−ブテンおよび1−ブテンを合計した量を差し引いたブテン転化率は、69%であった。また、プロピレン選択率は93%であった。他に少量のペンテンおよびヘキセンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.00021であった。
実施例44においてブテン精製塔の吸着剤をγ―アルミナに変更したこと以外は同様にして反応を行った。このとき反応器へ供給される1−ブテンは、230ppmの1,3−ブタジエンを含有していた。反応開始3時間後の組成より、供給した1−ブテンの量から、出口ガス中のトランス−2−ブテン、シス−2−ブテンおよび1−ブテンを合計した量を差し引いたブテン転化率は、69%であった。また、プロピレン選択率は93%であった。他に少量のペンテンおよびヘキセンが生成していた。また、プロピレンと同時にプロパンが生成しており、プロパン/プロピレン比は0.00019であった。
Figure 0004805252
実施例41において、200gの1−ブテンに2gの割合で1,3-ブタジエンを混合した原料を用いて、250℃にて反応を行ったこと以外は同様に反応を行った。このとき反応器へ供給される1−ブテンは、1.04%のブタジエンを含有していた。反応開始10時間後の組成より、供給した1−ブテンの量から、出口ガス中のトランス−2−ブテン、シス−2−ブテンおよび1−ブテンを合計した量を差し引いたブテン転化率は、67%であった。
実施例46において、275℃で反応を行ったこと以外は同様に反応を行った。反応開始5時間後の組成より、供給した1−ブテンの量から、出口ガス中のトランス−2−ブテン、シス−2−ブテンおよび1−ブテンを合計した量を差し引いたブテン転化率は、68%であった。
実施例46において、300℃で反応を行ったこと以外は同様に反応を行った。反応開始3時間後の組成より、供給した1−ブテンの量から、出口ガス中のトランス−2−ブテン、シス−2−ブテンおよび1−ブテンを合計した量を差し引いたブテン転化率は、68%であった。
実施例44において、200gの1−ブテンに2gの割合で1,3-ブタジエンを混合した原料を用いて、250℃で反応を行ったこと以外は同様に反応を行った。このとき反応器へ供給される1−ブテンは、1.04%のブタジエンを含有していた。反応開始20時間かけて最高活性へ到達したときの反応器出口の組成より、供給した1−ブテンの量から、出口ガス中のトランス−2−ブテン、シス−2−ブテンおよび1−ブテンを合計した量を差し引いたブテン転化率は、58%であった。このとき、またプロパンの生成は認められなかった。
実施例49において、275℃で反応を行ったこと以外は同様に反応を行った。反応開始15時間かけて最高活性へ到達したときの反応器出口の組成より、供給した1−ブテンの量から、出口ガス中のトランス−2−ブテン、シス−2−ブテンおよび1−ブテンを合計した量を差し引いたブテン転化率は、68%であった。このとき、またプロパンの生成は認められなかった。
実施例49において、300℃で反応を行ったこと以外は同様に反応を行った。反応開始2時間かけて最高活性へ到達したときの反応器出口の組成より、供給した1−ブテンの量から、出口ガス中のトランス−2−ブテン、シス−2−ブテンおよび1−ブテンを合計した量を差し引いたブテン転化率は、69%であった。このとき、またプロパンの生成は認められなかった。
Figure 0004805252
実施例1においてブテン精製塔の下から順に2gのWQ-10、次いで3.5gのハイドロタルサイト(協和化学社製、キョーワード500、500μm)を充填したこと以外は、実施例1と同様にしてブテン精製塔を製作した。次いで、反応器へ充填する触媒を、WQ−10とハイドロタルサイトとの混合物から、WQ−10と酸化マグネシウム15gと水酸化ナトリウム80mgとを200mlの水溶液に懸濁させたのち蒸発乾固、焼成(550℃×8時間)して得られるNa2O/マグネシアの混合物へ変えたこと以外は同様に充填し、反応器を作成した。次いで、反応器上部から常圧窒素ガス50ml/minを流通し、下部からでたガスを、ブテン精製塔の下部から上部へ流しながら、反応器、ブテン精製塔ともに550℃へ昇温し、1時間保持した。次いで、常圧窒素ガス50ml/minに常圧水素ガス50ml/minを加えた混合ガスを同温度で30分流通させた。再度常圧窒素ガス50ml/minを流しながら、ブテン精製塔を150℃に、反応器を175℃に降温した。
使用前にγ−アルミナ(住友化学社製NKHD−32)上へ蒸留した1−ブテン(純度99%、高千穂化学工業製)ガスを、常圧で12ml/minの割合でブテン精製塔の下部から流通させ、上部から得られた精製1−ブテンを、常圧で18ml/minの割合で供給されるエチレンおよび常圧で1.5ml/minの割合で供給される水素と合一し、反応器の上部からガス状で供給した。反応器下部から得られる混合ガスを、ガスクロマトグラフィーでオンライン分析を行った。反応開始3時間後の組成より、供給した1−ブテンの量から、出口ガス中のトランス−2−ブテン、シス−2−ブテンおよび1−ブテンを合計した量を差し引いたブテン転化率は、40%であった。
実施例52において、反応器へ充填する触媒を、WQ−10とハイドロタルサイトとの混合物から、WQ−10とハイドロタルサイト(協和化学、キョーワード500)15gと水酸化ナトリウム80mgとを200mlの水溶液に懸濁させたのち蒸発乾固、焼成(550℃×8時間)して得られるNa2O/ハイドロタルサイトの混合物へ変えたこと以外は同様にして反応を行った。反応器下部から得られる混合ガスを、ガスクロマトグラフィーでオンライン分析を行った。反応開始3時間後の組成より、供給した1−ブテンの量から、出口ガス中のトランス−2−ブテン、シス−2−ブテンおよび1−ブテンを合計した量を差し引いたブテン転化率は、52%であった。
実施例52において、反応器へ充填する触媒を、WQ−10とハイドロタルサイトとの混合物から、WQ−10とアルミナ・マグネシア固溶体(協和化学、キョーワード2000)15gと水酸化ナトリウム40mgとを200mlの水溶液に懸濁させたのち蒸発乾固、焼成(550℃×8時間)して得られるNa2O/アルミナ・マグネシアの混合物へ変えたこと以外は同様にして反応を行った。反応器下部から得られる混合ガスを、ガスクロマトグラフィーでオンライン分析を行った。反応開始3時間後の組成より、供給した1−ブテンの量から、出口ガス中のトランス−2−ブテン、シス−2−ブテンおよび1−ブテンを合計した量を差し引いたブテン転化率は、58%であった。
実施例52において、反応器へ充填する触媒を、WQ−10とハイドロタルサイトとの混合物から、WQ−10とアルミナ・マグネシア固溶体(協和化学、キョーワード2000)15gと硝酸カリウム40mgとを200mlの水溶液に懸濁させたのち蒸発乾固、焼成(550℃×8時間)して得られるK2O/アルミナ・マグネシアの混合物へ変えたこと以外は同様にして反応を行った。反応器下部から得られる混合ガスを、ガスクロマトグラフィーでオンライン分析を行った。反応開始3時間後の組成より、供給した1−ブテンの量から、出口ガス中のトランス−2−ブテン、シス−2−ブテンおよび1−ブテンを合計した量を差し引いたブテン転化率は、62%であった。
Figure 0004805252
[比較例1]
実施例1において反応器、ブテン精製塔とも同様に前処理、還元処理、窒素置換を行った後、反応器へ水素を流通させずにエチレンとトランス-2-ブテンとを実施例1と同じ割合で供給した。反応開始3時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、49%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は91%で、他に少量のペンテンが生成していた。
[比較例2]
実施例4において反応器、ブテン精製塔とも同様に前処理、還元処理、窒素置換を行った後、反応器へ水素を流通させずにエチレンとトランス-2-ブテンとを実施例1と同じ割合で供給した。反応開始3時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、1%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は89%で、他に少量のペンテンが生成していた。
[比較例3]
比較例2において反応器、ブテン精製塔とも同様に前処理、還元処理、窒素置換を行った後、反応器へ水素を流通させずにエチレンとトランス-2-ブテンとを実施例1と同じ割合で供給し、反応温度を300℃としたこと以外は、同様な操作を行った。反応開始3時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、74%であった。このときのブテン基準のプロピレン選択率は95%で、他に少量のペンテンが生成していた。
[比較例4]
実施例31において反応器、ブテン精製塔とも同様に前処理、還元処理、窒素置換を行った後、反応器へ水素を流通させずにエチレンとトランス-2-ブテンとを実施例1と同じ割合で供給した。反応開始1時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、8%であった。
[比較例5]
実施例32において反応器、ブテン精製塔とも同様に前処理、還元処理、窒素置換を行った後、反応器へ水素を流通させずにエチレンとトランス-2-ブテンとを実施例1と同じ割合で供給した。反応開始1時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、22%であった。
[比較例6]
実施例33において反応器、ブテン精製塔とも同様に前処理、還元処理、窒素置換を行った後、窒素流量100ml/minにてブテン精製塔を50℃、反応器を200℃に降温し、反応器へ水素を流通させずにエチレンとトランス-2-ブテンとを実施例34と同じ割合で供給した。反応開始10時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、7.8%であった。
[比較例7]
実施例33において反応器、ブテン精製塔とも同様に前処理、還元処理を行った後、窒素流量100ml/minにてブテン精製塔を50℃、反応器を250℃に降温し,反応器に水素を流通させずにエチレンとトランス-2-ブテンとを実施例34と同じ割合で供給した。反応開始1時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、71%であった。
Figure 0004805252
[比較例8]
実施例38において反応器、ブテン精製塔とも同様に前処理、還元処理を行った後、窒素流量100ml/minにてブテン精製塔を50℃、反応器を275℃に降温し、反応器に水素を流通させずにエチレンと1−ブテンとを実施例38と同じ割合で供給した。反応開始1時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、44%であった。
[比較例9]
比較例8においてブテン精製塔内の吸着剤をγ―アルミナに変えたこと以外は、同様に反応器へ水素を共存させること無く反応を行った。このとき反応器へ供給される1−ブテンは、230ppmのブタジエンを含有していた。反応開始1時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、38%であった。また、反応開始5時間から顕著な触媒劣化が見られた。
[比較例10]
比較例8において,反応温度を300℃としたこと以外は、同様に反応器へ水素を共存させること無く反応を行った。反応開始1時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、61%であった。
[比較例11]
比較例9において,反応温度を300℃としたこと以外は、同様に反応器へ水素を共存させること無く反応を行った。反応開始1時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、47%であった。また、反応開始5時間から顕著な触媒劣化が見られた。
[比較例12]
実施例46において反応温度を300℃とし、反応器へ水素ガスを供給しなかったこと以外は、同様にしてブタジエンを1.04%含有するブテンを原料として反応を行った。反応開始1時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、17%であった。
[比較例13]
比較例12において反応温度を350℃としたこと以外は、同様に反応器へ水素ガスを供給せずに反応を行った。反応開始1時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、68%であった。すなわち、1.04%のブタジエンを含有する原料を用いた場合には、ブタジエンを含有しない原料では比較例10に示したように300℃にて転化率が61%であるのに対し、本例で示すように350℃まで反応温度上げないと、転化率が60%を超えることが困難である。
Figure 0004805252
[参考例1]
実施例1において反応器、ブテン精製塔とも同様に前処理、還元処理を行い、窒素置換を行う際に、窒素ガスに代えて窒素/水素=1/1の混合ガスを用い、所定の温度まで降温した、反応器へ水素を流通させずにエチレンとトランス-2-ブテンとを実施例1と同じ割合で供給した。反応開始1時間後の出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、75%であった。反応開始5時間後出口ガスを分析することにより得られたブテン転化率は、48%であった。さらに、この後12時間反応を継続したが、転化率の変化は見られなかった。
このように、反応原料に水素ガスを共存させることにより、従来知られている反応よりも低温でメタセシス反応を進行させることができる。また、従来のような高圧を特に必要とせず低圧でも充分な反応速度を得ることができる。さらには、ブタジエンを含有するブテンを原料として用いた場合でも、従来のメタセシス触媒と比べ劣化が少ないという大きな特長を有する。特徴的であるのは、水素の供給による反応活性の向上には応答性がある、すなわち水素供給を一時遮断し再度供給を開始すると、水素添加による活性向上効果が復活することである。このような挙動は、工業的生産において、運転安定性に大きく寄与できるものである。また通例オレフィンと水素ガスを共存させるとパラフィンの副生が懸念されるが、予想に反しパラフィンの副生が少なく、特に共触媒をアルミナ担持酸化ナトリウムとした場合、パラフィンの副生は大幅に低減することができる。

Claims (10)

  1. 同種または異種のオレフィン同士が反応し、異なる構造のオレフィンを与えるメタセシス反応において、
    シリカに担持されたタングステン、モリブデンのうち少なくとも1種の金属元素を含む触媒および、
    Ia族(アルカリ金属)、IIa族(アルカリ土類金属)、IIb族、IIIa族の金属のうち少なくとも1種の金属元素を含む化合物を共触媒として用い、反応に水素ガスを共存させて行うオレフィン類の製造方法。
  2. 共触媒が、担体に担持された構造である請求項1に記載のオレフィン類の製造方法。
  3. 共触媒に含まれる金属元素の少なくとも1種がリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、イットリウム、亜鉛である請求項1または2に記載のオレフィン類の製造方法。
  4. 共触媒が、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化イットリウム、酸化亜鉛、ハイドロタルサイトおよび、酸化アルミニウムと酸化マグネシウムとの固溶体から選ばれる化合物である請求項1または2に記載のオレフィン類の製造方法。
  5. 共触媒に含まれる金属元素の少なくとも1種がリチウム、ナトリウムまたはカリウムである請求項1または2に記載のオレフィン類の製造方法。
  6. 共触媒を担持する担体が、アルミナまたはジルコニアである請求項〜5のいずれか一項に記載のオレフィン類の製造方法。
  7. 触媒に含まれる金属元素の少なくとも1種がタングステンである請求項1〜6のいずれか一項に記載のオレフィン類の製造方法。
  8. エチレンと1−ブテンまたは2−ブテンとを反応させてプロピレンを得る請求項1〜7のいずれか一項に記載のオレフィン類の製造方法。
  9. 反応器に供給される原料をガスに換算した場合、共存させる水素ガスの量が、全体のガス中の0.1〜80vol.%である請求項1〜8のいずれか1項に記載のオレフィン類の製造方法。
  10. 触媒に対する共触媒の量比が0.1〜20である請求項1〜9のいずれか一項に記載のオレフィン類の製造方法。
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