JPWO2007026756A1 - 環状部材の製造方法および脚付き環状部材 - Google Patents

環状部材の製造方法および脚付き環状部材 Download PDF

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靖之 高笠原
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Abstract

準備した粗材に対する1回のプレス加工により、孔23bと孔23bの周りの内壁部24bとを中央に有する円形の底部22bと底部22bの外周の脚部26bとこの脚部26bを連結する連結部27bとからなるスカート状の外壁部25bとから構成されるワーク部材20bを形成し、形成したワーク部材20bから連結部27bと内壁部24bを含む部分とを切り落とすことにより、孔23bを有する円形の底部22bと底部22bの外周の脚部26bとからなる脚付き環状部材を形成する。

Description

本発明は、環状部材の製造方法および脚付き環状部材に関し、詳しくは、環状の環状部とこの環状部の外周に略直角に少なくとも一つの脚が形成されてなる脚付き環状部材を製造する環状部材の製造方法および脚付き環状部材に関する。
従来、この種の環状部材の製造方法としては、円柱状の粗材を常温によるプレス加工と曲げ加工とにより遊星歯車機構に用いられるキャリアを製造する方法が提案されている。この方法では、円柱状の粗材をプレス加工により中心部とこの中心部から放射状に延びる4つの脚部とこの脚部間を連結する連結部とからなる円盤状のワーク部材を形成し、このワーク部材から連結部を取り除き、4つの脚部を90度折り曲げてキャリアを形成している。
また、この種の環状部材の製造方法としては、円板状のブランク(素材)を後方押し出し成形することにより底部と底部の一側面側の外周面に沿って幅(太さ)が異なる複数の脚部および各脚部間に延在する膜部とからなる有脚部材の粗形材を成形する粗形材成形工程と、粗形材成形工程で成形された粗形材の膜部と底部の中心部とをトリミングするトリミング工程と、を含む製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この製造方法では、粗形材成形工程において、他の脚部より幅が狭い脚部に隣接する膜部の厚さが他の脚部間の膜部よりも厚くなるよう後方押し出し成形を行なうことにより、幅の狭い脚部への材料流動の誘起を促進させ、幅の異なる脚部を同等の高さに形成している。
特開2001−105085号公報
上述の前者の環状部材の製造方法では、粗材の大きな塑性変形によるワーク部材のプレス加工の後に4つの脚部を90度曲げる大きな曲げ加工を施す必要から、プレス加工と曲げ加工の間に焼鈍を行なう必要があり、粗材に対する最初のプレス加工からキャリアの完成までに時間を要してしまう。また、上述の後者の環状部材の製造方法では、後方押し出し成形を行なう際に材料が円板状のブランクの外周方向にしか流動しないため、後方押し出し成形を行なう際に円板状のブランクに比較的大きな荷重を作用させる必要が生じる。
本発明の環状部材の製造方法は、粗材から環状部材を製造するまでの製造工程を少なくすることを目的の一つとする。また、本発明の環状部材の製造方法は、粗材から焼鈍を行なわずに環状部材を製造することを目的の一つとする。さらに、本発明の環状部材の製造方法は、粗材から環状部材を製造するまでに要する時間を短縮することを目的の一つとする。本発明の環状部材の製造方法は、該粗材に対するプレス加工を行なう際に要する荷重を低減させることを目的の一つとする。
本発明の環状部材の製造方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の環状部材の製造方法は、
環状の環状部と該環状部の外周に略直角に少なくとも一つの脚が形成されてなる脚付き環状部材を製造する環状部材の製造方法であって、
(a)環状の粗材を準備し、
(b)該粗材に対する1回のプレス加工により、中央に孔を有する円形の底部と、該底部の外周に前記脚を構成する脚部と該脚部を連結する連結部とからなるスカート状の外壁部と、からなるワーク部材を形成し、
(c)該形成したワーク部材から前記連結部を取り外して前記脚付き環状部材を形成する
ことを要旨とする。
この本発明の環状部材の製造方法では、準備した環状の粗材に対する1回のプレス加工により、中央に孔を有する円形の底部と底部の外周に脚部とこの脚部を連結する連結部とからなるスカート状の外壁部とからなるワーク部材を形成し、形成したワーク部材から連結部を取り外して脚付き環状部材を形成する。したがって、脚部における曲げ加工を行なう必要がない。この結果、環状の粗材から環状部材を製造するまでの製造工程を少なくすることができると共に粗材から環状部材を製造するまでに要する時間を短縮することができる。また、環状の粗材に対する1回のプレス加工により底部の中央の孔に沿って外壁部と同軸の円筒状の立壁部を有するワーク部材を形成するものとすれば、粗材(材料)の流動方向を増やすことができ、粗材に対するプレス加工を行なう際に要する荷重(圧力)をより低減することができる。
こうした本発明の環状部材の製造方法において、少なくとも前記工程(b)以降は冷間鍛造により行なわれることを特徴とするものとすることもできる。こうすれば、加熱する必要がないから、冷却に要する時間を短縮することができる。
また、本発明の環状部材の製造方法において、少なくとも前記工程(b)以降は焼鈍を行なわないことを特徴とすることもできる。こうすれば、粗材から焼鈍を行なわずに環状部材を製造することができる。この結果、焼鈍工程や焼鈍の後の冷却工程を不要とすることができ、粗材から環状部材を製造するまでに要する時間を短縮することができる。
さらに、本発明の環状部材の製造方法において、前記工程(b)は前記外壁部における前記連結部の外径が前記脚部の外径より大きくなるよう前記ワーク部材を形成する工程であり、前記工程(c)は前記外壁部における前記連結部が前記脚部から脚方向に作用する力により削ぎ落とされるよう該連結部を取り外す工程(c1)を含む工程であるものとすることもできる。こうすれば、連結部を容易に取り外すことができる。この場合、前記工程(b)は、前記外壁部における前記連結部の内径が前記脚部の内径より大きくなるよう前記ワーク部材を形成する工程であるものとすることもできる。また、前記工程(b)は、前記外壁部における前記連結部の内径が前記脚部の外径に略一致するようワーク部材を形成する工程であるものとすることもできる。さらに、前記工程(c1)は、前記連結部を取り外すと共に前記ワーク部材の底部の孔を含む部分を切り落とす工程であるものとすることもできる。こうすれば、連結部を取り外すのとワーク部材の底部の孔を含む部分を切り落とすのとを別々の工程で行なうものに比して工程数を少なくすることができ、粗材から環状部材を製造するまでに要する時間を短縮することができる。
あるいは、本発明の環状部材の製造方法において、前記工程(b)は、前記脚部と前記連結部との接続部分である接続部の肉厚が該脚部の肉厚および該連結部の肉厚よりも薄くなるよう前記ワーク部材を形成する工程であるものとすることもできる。こうすれば、接続部を含む部分(例えば、連結部の底部への付け根および接続部)に力を作用させて連結部を取り外す場合に、連結部を取り外すのに要する荷重をより低減することができる。
本発明の環状部材の製造方法において、前記工程(b)は、前記連結部の肉厚が前記脚部の肉厚よりも薄くなるよう前記ワーク部材を形成する工程であるものとすることもできる。こうすれば、連結部の肉厚と脚部の肉厚とを略同一にするものに比して、プレス加工を行なう際に連結部側に流動する粗材の量を少なくすることができる。この結果、粗材から環状部材を製造するまでにおける材料の無駄を少なくすることができる。また、前記工程(b)は、前記脚部の内側の前記底部への付け根が前記連結部の内側の前記底部への付け根に比して大きな半径をもって肉厚になるよう前記ワーク部材を形成する工程であるものとすることもできる。こうすれば、脚部の付け根の強度を高くすることができると共にプレス加工による塑性変形時に脚部の付け根にヒビが入るのを抑制することができる。
また、本発明の環状部材の製造方法において、前記工程(c)は前記形成したワーク部材から連結部を取り外した後に前記脚部の内径を広げる工程(c2)を含む工程であるものとすることもできるし、前記工程(c)は前記形成したワーク部材から連結部を取り外した後に前記脚部の前記連結部との連結部位のバリ取りを行なう工程(c3)を含む工程であるものとすることもできる。
本発明の環状部材の製造方法において、前記工程(c)は、前記形成したワーク部材から連結部を取り外した後に前記底部の少なくとも内側の面の粗さ又は平坦度の少なくとも一方を整える工程(c4)を含む工程であるものとすることもできる。この場合、前記工程(a)は表面に金属石けんを含む表面コーティングを施すボンデ処理が行なわれた粗材を準備する工程であり、前記工程(c4)は前記金属石けんを取り除く処理を施してから前記面の粗さ又は平坦度の少なくとも一方を整える工程であるものとすることもできる。こうすれば、底部の内側の面の粗さや平坦度を整えることができる。
また、本発明の環状部材の製造方法において、前記工程(b)は、前記底部の中央の孔に沿って前記外壁部と同軸の円筒状の立壁部を有する前記ワーク部材を形成する工程であるものとすることもできる。こうすれば、1回のプレス加工を行なう際の粗材の流動方向を増やすことができ、粗材に対するプレス加工を行なう際に要する荷重をより低減することができる。
この立壁部を有するワーク部材を形成する態様の本発明の環状部材の製造方法において、前記工程(b)は、前記連結部の肉厚を前記脚部からの距離に応じて変化させることにより前記立壁部の端部までの長さが調整されるよう前記ワーク部材を形成する工程であるものとすることもできる。こうすれば、立壁部の端部までの長さを調整することができる。この場合、前記工程(b)は、前記脚部からの距離が大きいほど前記連結部の肉厚が滑らかに大きくなるよう前記ワーク部材を形成する工程であるものとすることもできる。また、前記工程(b)は、前記立壁部の端部が該立壁部の周に沿って滑らかになるよう前記ワーク部材を形成する工程であるものとすることもできる。
また、立壁部を有するワーク部材を形成する態様の本発明の環状部材の製造方法において、前記工程(b)は、前記立壁部の内周面が所定の形状となるよう前記ワーク部材を形成する工程であるものとすることもできる。この場合、前記工程(b)は、前記所定の形状としてスプライン形状となるよう前記ワーク部材を形成する工程であるものとすることもできる。こうすれば、プレス加工を行なう際に立壁部側に粗材が流動しやすくなり、粗材に対するプレス加工を行なう際に要する荷重をより低減することができる。
さらに、立壁部を有するワーク部材を形成する態様の本発明の環状部材の製造方法において、前記工程(b)は、前記底部の中央の孔に対して前記外壁部と同一方向の第1立壁部と、前記底部の中央の孔に対して前記外壁部と反対方向の第2立壁部と、からなる前記立壁部を有する前記ワーク部材を形成する工程であるものとすることもできる。この場合、前記工程(c)は、前記形成したワーク部材から前記連結部を取り外した以降に該ワーク部材から前記第1立壁部を取り外す工程(c5)を含む工程であるものとすることもできる。
本発明の環状部材の製造方法において、前記環状部材は、遊星歯車機構におけるキャリアであるものとすることもできる。なお、環状部材としては、こうしたキャリア以外に、環状の環状部とこの環状部の外周に略直角に少なくとも一つの脚が形成されてなる脚付き環状部材であれば、如何なるものであっても構わない。
本発明の脚付き環状部材は、
環状の環状部と該環状部の外周に略直角に少なくとも一つの脚が形成されてなる脚付き環状部材であって、
環状の粗材に対する1回のプレス加工により形成された、中央に孔を有する円形の底部と、該底部の外周に前記脚を構成する脚部と該脚部を連結する連結部とからなるスカート状の外壁部と、からなるワーク部材から前記連結部を取り外すことにより形成されてなる、
ことを要旨とする。
この本発明の脚付き環状部材は、環状の粗材に対する1回のプレス加工により形成された、中央に孔を有する円形の底部と、底部の外周に脚部とこの脚部を連結する連結部とからなるスカート状の外壁部と、からなるワーク部材から連結部を取り外すことにより形成される。したがって、脚部における曲げ加工を行なうものに比して環状の粗材からより少ない製造工程で脚付き環状部材を製造することができると共に環状の粗材から脚付き環状部材を製造するのに要する時間を短縮することができる。
こうした本発明の脚付き環状部材において、前記ワーク部材は、前記外壁部における前記連結部の外径が前記脚部の外径より大きく形成されてなり、前記脚付き環状部材は、前記外壁部における前記連結部が前記脚部から脚方向に作用する力により削ぎ落とされるよう該連結部を取り外すことにより形成されてなるものとすることもできる。この場合、前記ワーク部材は、前記外壁部における前記連結部の内径が前記脚部の内径より大きく形成されてなるものとすることもできる。また、前記ワーク部材は、前記外壁部における前記連結部の内径が前記脚部の外径に略一致するよう形成されてなるものとすることもできる。
また、本発明の脚付き環状部材において、前記脚付き環状部材は、前記連結部を取り外すと共に前記ワーク部材の底部の孔を含む部分を切り落とすことにより形成されてなるものとすることもできる。また、前記ワーク部材は、前記脚部と前記連結部との接続部分である接続部の肉厚が該脚部の肉厚および該連結部の肉厚よりも薄く形成されてなるものとすることもできる。
さらに、本発明の脚付き環状部材において、前記ワーク部材は、前記連結部の肉厚が前記脚部の肉厚よりも薄く形成されてなるものとすることもできる。また、前記ワーク部材は、前記脚部の内側の前記底部への付け根が前記連結部の内側の前記底部への付け根に比して大きな半径をもって肉厚に形成されてなるものとすることもできる。
あるいは、本発明の脚付き環状部材において、前記脚付き環状部材は、前記形成したワーク部材から連結部を取り外した後に前記脚部の内径を広げることにより形成されてなるものとすることもできる。また、前記脚付き環状部材は、前記形成したワーク部材から連結部を取り外した後に前記脚部の前記連結部との連結部位のバリ取りを行なうことにより形成されてなるものとすることもできる。
本発明の脚付き環状部材において、前記脚付き環状部材は、前記形成したワーク部材から連結部を取り外した後に前記底部の少なくとも内側の面の粗さ又は平坦度の少なくとも一方を整えることにより形成されてなるものとすることもできる。この場合、前記環状の粗材は、表面に金属石けんを含む表面コーティングを施すボンデ処理が行なわれた粗材であり、前記脚付き環状部材は、前記金属石けんを取り除く処理を施してから前記面の粗さ又は平坦度の少なくとも一方を整えることにより形成されてなるものとすることもできる。
また、本発明の脚付き環状部材において、前記ワーク部材は、前記底部の中央の孔に沿って前記外壁部と同軸の円筒状の立壁部を有する部材であるものとすることもできる。
このワーク部材が立壁部を有する態様の本発明の環状部材の製造方法において、前記ワーク部材は、前記連結部の肉厚を前記脚部からの距離に応じて変化させることにより前記立壁部の端部までの長さを調整して形成されてなるものとすることもできる。この場合、前記ワーク部材は、前記脚部からの距離が大きいほど前記連結部の肉厚が滑らかに大きくなるよう形成されてなるものとすることもできる。
また、ワーク部材が立壁部を有する態様の本発明の脚付き環状部材において、前記ワーク部材は、前記立壁部の内周面が所定の形状に形成されてなるものとすることもできる。この場合、前記ワーク部材は、前記立壁部の内周面がスプライン形状に形成されてなるものとすることもできる。
さらに、ワーク部材が立壁部を有する態様の本発明の脚付き環状部材において、前記ワーク部材は、前記底部の中央の孔に対して前記外壁部と同一方向の第1立壁部と、前記底部の中央の孔に対して前記外壁部と反対方向の第2立壁部と、からなる前記立壁部が形成されてなるものとすることもできる。この場合、前記脚付き環状部材は、前記形成したワーク部材から前記連結部を取り外した以降に該ワーク部材から前記第1立壁部を取り外すことにより形成されてなるものとすることもできる。
本発明の脚付き環状部材において、前記脚付き環状部材は、遊星歯車機構におけるキャリアであるものとすることもできる。
キャリア20の外観を示す斜視図である。 図1のキャリア20をA−A面から見たAA視図である。 キャリア20の製造の様子の一例を示す工程図である。 粗材20aの外観を示す斜視図である。 ワーク部材20bの外観を示す斜視図である。 図5のワーク部材20bをA−A面から見たAA視図である。 図5のワーク部材20bをB−B面から見たBB視図である。 加工装置40の断面図である。 図8の加工装置40をA−A面から見たAA視図である。 図8の加工装置40をB−B面から見たBB視図である。 粗材20aからワーク部材20bを形成するときの加工装置40の断面図である。 図11の加工装置40のE−E断面の断面図である。 脚付き環状部材20cの外観を示す斜視図である。 図13のワーク部材20cをA−A面から見たAA視図である。 図13のワーク部材20cをB−B面から見たBB視図である。 剪断装置60の断面図である。 図16の剪断装置60をA−A面から見たAA視図である。 図16の剪断装置60のB−B面を示すBB視図である。 剪断装置60を用いてワーク部材20bから連結部27と内壁部24を含む部分とを切り落とす際の様子を示す説明図である。 図19の剪断装置60のE−E断面の断面図である。 脚付き環状部材20cの脚部26cの内径を広げる様子を示す説明図である。 脚付き環状部材20cのバリ取りを行なう部分を示す説明図である。 脚付き環状部材20cのコイニングを行なう部分を示す説明図である。 変形例のキャリア20の製造の様子の一例を示す工程図である。 内壁部付き脚付き環状部材20dの外観を示す斜視図である。 変形例の加工装置40Bの下側50bの一例を示す説明図である。 ワーク部材120bの外観を示す斜視図である。 図27のワーク部材120bをA−A面から見たAA視図である。 図27のワーク部材120bをB−B面から見たBB視図である。 ワーク部材220bの外観を示す斜視図である。 図30のワーク部材220bをA−A面から見たAA視図である。 図30のワーク部材220bをB−B面から見たBB視図である。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての環状部材の製造方法により製造されたキャリア20の外観を示す斜視図であり、図2は、図1のキャリア20をA−A面から見たAA視図である。実施例の製造方法により製造されるキャリア20は、図1および図2に示すように、中央に孔23が形成された環状の底部22と、底部22の外周に底部22に略直角に形成された4つの脚からなる脚部26と、底部22に対して脚部26とは反対側に中空軸として形成されたボス部28とから構成されている。
こうした実施例のキャリア20は、以下のように製造される。図3は、実施例のキャリア20を製造する様子を示す工程図である。キャリア20の製造は、まず、図4に例示する環状の粗材20aを準備する工程から始まる(工程S100)。粗材20aは、図4に示すように、内径R1および外径R2の環状部材として形成されている。この粗材20aは、具体的には、冷間鍛造可能な材質(例えば、低炭素鋼、低炭素合金鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金など)の棒材を準備し(工程S110)、準備した棒材に対して熱間鍛造や温間鍛造,冷間鍛造により中央に孔を有する環状の部材を形成し(工程S120)、形成した環状の部材に対して軟化処理を行なうと共に(工程S130)、環状の部材の表面のスケールを除去するためのショットブラストを行ない(工程S140)、環状の部材の形状を整形するためのC面切削(面取り)および幅切削を行ない(工程S150,S160)、ボンデ処理を施して(工程S170)、製造する。ここで、ボンデ処理は、後述するプレス加工を行なう際の加工装置と粗材20aとの摩擦抵抗を小さくするために、環状の部材の表面に化成皮膜(例えば、燐酸塩皮膜など)を形成させると共に形成させた化成皮膜の表面を金属石けんなどによりコーティングする処理である。なお、粗材20aを準備する工程は、本発明の中核をなさないので、これ以上の詳細な説明は省略する。
こうして粗材20aを準備すると、次に準備した環状の粗材20aに対して1回のプレス加工により図5ないし図7に例示するワーク部材20bを形成する(工程S200)。図5はワーク部材20bの外観の斜視図であり、図6は図5のワーク部材20bをA−A面から見たAA視図であり、図7は図5のワーク部材20bのB−B断面を示す断面図である。ワーク部材20bは、図5〜図7に示すように、直径R3の孔23bと孔23bの周りの内径R3且つ外径R4の略円筒状の内壁部24bとを中央に有する外径R6の円形の底部22bと、底部22bに対して内壁部24bと同じ側の底部22bの外周に底部22bに対して略垂直に形成された内径R5且つ外径R6の脚部26bと底部22bの側面および脚部26bに連結され底部22bの外径R6に略等しい内径R7且つ外径R8の連結部27bとからなる外壁部25bと、底部22bに対して外壁部25bとは反対側に内壁部24bの内径R3より若干大きい内径R9且つ底部22bの外径R6より小さい外径R10の中空軸の円筒状に形成されたボス部28bと、からなる。ここで、脚部26bの厚みD1((R6−R5)/2)は、連結部27bの厚みD2((R8−R7)/2)よりも肉厚に(厚みが大きく)形成されている。また、実施例では、外壁部25bにおける脚部26bと連結部27bとの接続部分を接続部29bという。この接続部29の厚みD4は、脚部26bの厚みD1や連結部27bの厚みD2よりも薄く形成されている。ワーク部材20bを形成する工程は、実施例では、図8に例示する加工装置40を用いて行なうものとした。図8は加工装置40の断面図であり、図9は図8の加工装置40をA−A面から見たAA視図であり、図10は図8の加工装置40をB−B面から見たBB視図である。なお、図8の加工装置40の断面は、図9の加工装置40のC−C断面および図10の加工装置40のD−D断面に相当する。加工装置40は、加工装置40内の上部に配置された上型41と、上型41に対して同軸上の下方に配置された下型50とから構成されている。上型41は、上型41内の中央下部に配置され粗材20aの内径R1より小さくワーク部材20bの内壁部24bの外径R4と略等しい外径R11の円筒状に形成された上型マンドレル42や、内周面が上型マンドレル42の外周面に接するよう中空軸として形成されると共に外周面の下端部がワーク部材20bの脚部26bの内径R5と略等しい外径R12の円の一部と連結部27bの内径R7と略等しい外径R13の円の一部とを交互とする形状に形成された上型パンチ43(図9参照)などからなる。下型50は、下型50内の中央上部に配置され上端部がワーク部材20bの孔23bの外径(内壁部24bの内径)R3と略等しい外径R14の円形に形成されると共に上端部から長さL1の位置から下方に向かってワーク部材20bのボス部28bの内径R9に略等しい外径R17に至るまで外径が段階的に大きくなるよう形成された下型マンドレル51や、内径R17の中空軸として形成されると共にワーク部材20bのボス部28bの外径R10と略等しい外径R18の円筒状に形成され粗材20aを載置するための下型パンチ52,内周面が下型パンチ52の外周面に接するよう中空軸として形成されると共に外周がワーク部材20bの底部22bの外径R6と略等しい外径R15の円の一部と連結部27bの外径R8と略等しい外径R16の円の一部とを交互とする形状に形成された第1ダイ53(図10参照),内周面が第1ダイ53の外周面に接するよう中空軸の円筒状に形成された第2ダイ54などからなる。ここで、下型パンチ52は、上下方向に移動可能に形成されている。また、第1ダイ53は、その上端部が第2ダイ54の上端部よりも長さL2だけ低い位置にあり、外周のうち外径R15に形成された部分が上型パンチ43の外径R12に形成された部分と対向し外径R16に形成された部分が上型パンチ43の外径R13に形成された部分と対向するよう配置されている。
図11は加工装置40を用いてワーク部材20bを形成している際の様子を説明する説明図であり、図12は図11の加工装置40のE−E断面の断面図である。ここで、図11の右側上部の加工装置40の断面は、図12の加工装置40のF−F断面に相当するものであり、図11の右側下部の加工装置40の断面は、右側上部の加工装置40の断面をさらに拡大したものです。粗材20aからワーク部材20bを形成する際には、まず、下型マンドレル51と同軸となるよう下型パンチ52の上端部の上部に環状の粗材20aを載置する。そして、その状態で上型41を下降させる。このとき、上型パンチ43は、粗材20aに当接すると、粗材20aと下型パンチ52とを押し下げながら更に下降する。上型マンドレル42は、下端部が下型マンドレル51の上端部に当接したときに下降を停止する。そして、下型パンチ43の上端部が第1ダイ53の上端部よりも低い所定位置に至るまで粗材20aを変形させながら上型41は下降し、上型41が下降を停止したときに、粗材20aは、上型パンチ43と下型マンドレル51と下型パンチ52と第1ダイ53と第2ダイ54とによって形成される形状、即ち、図5〜図7に示すワーク部材20bの形状に形成される。ここで、前述したように、ワーク部材20bの外壁部25bの脚部26bの厚みD1は連結部27bの厚みD2よりも肉厚に形成されるから、脚部26bの底部22bへの付け根の強度を確保すると共に塑性変形時に脚部26bの底部22bへの付け根にヒビが入ることによってワーク部材20bが破損してしまうのを抑制することができる。しかも、脚部26bの厚みD1を連結部27bの厚みD2よりも肉厚に形成することにより、厚みD1と厚みD2とを略同一に形成するものに比して、プレス加工の際に連結部27b側に流動する粗材(材料)の量を少なくすることができる。後述するように、この連結部27bは切り落とされるため、連結部27b側に流動する粗材の量を少なくすることにより、材料の無駄を少なくすることができる。また、この加工装置40を用いてワーク部材20bを形成する場合、上型パンチ43と第2ダイ54とによって形成される外壁部25bや下型マンドレル51と下型パンチ52と第1ダイ53とによって形成されるボス部28bの他に下型マンドレル51と上型パンチ43とによって略円筒状の内壁部24bを形成するから、プレス加工の際における粗材20aの流動方向を増やすことができ、粗材20aからワーク部材20bを形成するのに要する圧力を小さくすることができる。これにより、粗材20aから冷間鍛造によりワーク部材20bを形成することができる。この結果、熱間鍛造を行なうもののように粗材20aを加熱する必要がなく、冷却に要する時間を短縮することができる。また、熱間鍛造を行なうものに比して温度変化が小さいため、塑性変形をより精度よく行なうことができる。なお、加工装置40を用いてワーク部材20bを形成する際には、ワーク部材20bの底部22bの厚みD3と脚部26bの高さL3との和(連結部27bの高さ)は、第1ダイ53の上端部と第2ダイ54の上端部との長さL2よりも小さく形成される。
こうしてワーク部材20bを形成すると、形成したワーク部材20bから連結部27bを切り落として図13ないし図15に例示する脚付き環状部材20cを形成すると共に(工程310)、形成した脚付き環状部材20cに仕上げ処理(工程320〜工程350)を施して(工程S300)、上述したキャリア20を完成する。図13は脚付き環状部材20cの外観の斜視図であり、図14は図13の脚付き環状部材20cをA−A面から見たAA視図であり、図15は図13の脚付き環状部材20cをB−B断面を示す断面図である。脚付き環状部材20cは、図13〜図15に示すように、ワーク部材20bの内壁部24bの外径R4より若干大きい外径R19の孔23cを中央に有する外径R6の円形の底部22と、底部22の外周に底部22に対して略垂直に形成された内径R5且つ外径R6の4つの脚からなる脚部26cと、底部22cに対して脚部26cとは反対側に内径R19且つ外径R10の中空軸の円筒状に形成されたボス部28cとからなる。
実施例では、こうした脚付き環状部材20cを剪断装置60を用いて形成した。図16は剪断装置60の断面図であり、図17は図16の剪断装置60をA−A面から見たAA視図であり、図18は図16の剪断装置60をB−B面から見たB−B視図である。なお、図16の剪断装置60の断面は、図17の剪断装置60のC−C断面および図18の剪断装置60のD−D断面に相当する。剪断装置60は、図示するように、剪断装置60内の上部に配置された上型61と、上型61に対して同軸上の下方に配置された下型65とから構成されている。上型61は、上型61内の中央下部に配置され凹状に形成された下端部の内周が脚付き環状部材20cの孔23cの外径R19より僅かに大きい内径R20の円形に形成される共に外周が脚付き環状部材20cの脚部26cの内径R5と略等しい外径R21の円の一部と底部22cの外径R6(ワーク部材20bの連結部27bの内径R7)と略等しい外径R22の円の一部とを交互とする形状に形成された上型パンチ62(図17参照)などからなる。下型65は、下型65内の中央上部に配置され脚付き環状部材20cの孔23cの外径R19と略等しい外径R23の円筒状に形成されたマンドレル66や、内周面がマンドレル66の外周面に接すると共に外周が脚付き環状部材20cの底部22cの外径R6と略等しい外径R24の円の一部と外径R24より僅かに大きい外径R25の円の一部とを交互とする形状に形成され上端部がワーク部材20bを載置可能な形状に形成された下型パンチ67,内周面が下型パンチ67の外周面に接するよう中空軸の円筒状に形成されたダイ68などからなる。ここで、下側パンチ67は、上下方向に移動可能に形成されており、外周のうち外径R24に形成された部分が上型パンチ62の外径R21に形成された部分と対向し外径R25に形成された部分が上型パンチ62の外径R22に形成された部分と対向するよう配置されている。また、ダイ68は、外周が内径R25に形成された部分の上端部に径方向の外側に向かって傾斜する傾斜部が設けられている。図19は剪断装置60を用いてワーク部材20bから連結部27と内壁部24を含む部分とを切り落とす際の様子を示す説明図であり、図20は図19の剪断装置60の拡大図のE−E断面を示す断面図である。なお、図19の剪断装置60の断面は、図20のF−F断面に相当する。ワーク部材20bから連結部27bと内壁部24bを含む部分とを切り落とす際には、まず、マンドレル66と同軸となるよう且つワーク部材20bの脚部26bが下型パンチ67の外径R24に形成された部分と対向し連結部27bが下型パンチ67の外径R25に形成された部分と対向するようワーク部材20bを下側パンチ67の上端部の上部に載置する。そして、その状態で上型61を下降させる。このとき、上型パンチ62がワーク部材20bの底部22bに当接すると、上型61は、ワーク部材20bおよび下型パンチ67を押し下げながら更に下降する。そして、上型61が更に下降すると、図19および図20に示すように、上型パンチ62の下端部の内側とマンドレル66の上端部の外側とによる剪断力によりワーク部材20bの内壁部24bを含む部分が切り落とされ、上型パンチ62の下端部の外側の外径R22に形成された部分とダイ67の上端部の内側の外径R25に形成された部分との剪断力が連結部27bの底部22bへの付け根や接続部29bに作用することにより連結部27bが切り落とされる。即ち、ワーク部材20bは、底部22bが上型パンチ62に当接した状態で上型パンチ62により下方に押し下げられながらワーク部材20bのボス部28b側から内壁部24bを含む部分が切り落とされると共にボス部28b側(連結部26bの底部22bへの付け根側)から連結部27bが切り落とされるのである。このように連結部27bを切り落とすことにより、連結部27bを容易に切り落とすことができる。ここで、ワーク部材20bから連結部27bが切り落とされる際、前述したように、ワーク部材20bは脚部26bの厚みD1が連結部27bの厚みD2よりも肉厚になるよう形成されているから、脚部26bの底部22bへの付け根にヒビが入るのを抑制することができる。また、ワーク部材20bは、脚部26bの厚みD1や連結部27bの厚みD2に比して接続部29bの厚みD4が薄く形成されているから、接続部29bの厚みD4が脚部26bの厚みD1や連結部27bの厚みD2に略等しいものに比してワーク部材20bから連結部27bを切り落とすのに要する荷重(圧力)を小さくすることができる。こうして、中央に孔23cを有する円形の底部22cと、底部22cの外周に底部22cに対して略垂直に形成された4つの脚からなる脚部26cと、底部22cに対して脚部26cとは反対側に中空軸の円筒状に形成されたボス部28cと、からなる脚付き環状部材20cが形成される。
脚付き環状部材20cの仕上げ処理(工程S320〜S350)は、具体的には、図21に示すように、形成した脚付き環状部材20cの脚部26cの内径が大きくなるよう脚部26cを外側(図中矢印方向)に広げる処理(工程S320)、図22に例示するように、脚付き環状部材20cを形成する際に連結部27bを切り落とした断面(脚部26cの側面)のバリ取りを行なう処理(工程S330)、脚付き環状部材20cの表面にコーティングされた金属石けんを取り除く処理(工程S340)、図23に例示するように、脚付き環状部材20cの底部22cの表面(斜線部分)を滑らかに整えるコイニング処理(工程S350)とにより構成される。
このように、実施例のキャリア20の製造方法は、簡略化して説明すると、準備した粗材20aに対する1回のプレス加工による塑性変形により中央に孔23bを有する円形の底部22bと底部22bの外周に脚部26bとこの脚部26bを連結する連結部27bとからなるスカート状の外壁部25bとから構成されるワーク部材20bを形成し、形成したワーク部材20bから連結部27bを取り外してキャリア20を完成する。上述した工程からも解るように、粗材20aからキャリア20を完成するまでの工程において塑性変形は工程S200のプレス加工の1回しか行なわれないため、その後の塑性変形のために焼鈍を行なう必要がない。即ち、粗材20aからキャリア20を完成するまでの工程に焼鈍は不要となる。したがって、焼鈍工程や焼鈍の後の冷却工程を行なうために要する時間を短縮することができ、粗材20aからキャリア20を製造するまでの工程を少なくすることができると共に粗材20aからキャリア20を製造するまでに要する時間を短縮することができる。
以上説明した実施例のキャリア20の製造方法によれば、準備した環状の粗材20aに対する1回のプレス加工により中央に孔23bを有する円形の底部22bと底部22bの外周に脚部26bとこの脚部26bを連結する連結部27bとからなるスカート状の外壁部25bとから構成されるワーク部材20bを形成し、形成したワーク部材20bから連結部27bを取り外してキャリア20を完成するから、粗材20aからキャリア20を完成するまでの工程に焼鈍を行なう必要がない。この結果、粗材20aからキャリア20を完成するまでの工程を少なくすることができると共に粗材20aからキャリア20を完成するまでの時間を短くすることができる。また、実施例のキャリア20の製造方法によれば、冷間鍛造により粗材20aからワーク部材20bを形成するから、粗材20aを加熱したり形成されたワーク部材20bを冷却したりするのに要する時間は必要ない。この結果、粗材20aからキャリア20を完成するまでの時間を更に短くすることができる。
実施例のキャリア20の製造方法では、ワーク部材20bから連結部27bと内壁部24bを含む部分とを切り落とすのを同時に行なうものとしたが、同時に行なわないものとしてもよい。この場合のキャリア20の製造方法の一例を図24に示す。図24のキャリア20の製造方法は、図3の製造工程における工程S300に代えて工程S400を行なう点を除いて図3のキャリア20の製造方法と同一である。このキャリア20の製造方法では、形成したワーク部材20bから連結部27bを切り落として図25に示す内壁部付き脚付き環状部材20dを形成し(工程S410)、形成した内壁部付き脚付き環状部材20dの脚部26dの内径を広げ(工程S420)、内壁部付き脚付き環状部材20dを形成する際に切り落とした断面(底部22dの側面)のバリ取りを行ない(工程S425)、内壁部付き脚付き環状部材20dの脚部26dの側面のバリ取りを行ない(工程S430)、内壁部付き脚付き環状部材20dの表面にコーティングされた金属石けんを取り除き(工程S440)、内壁部付き脚付き環状部材20dから内壁部24dを含む部分を切り落として前述の図13〜図15に示した脚付き環状部材20cを形成し(工程S445)、底部22cの表面の粗さや平坦度を整えるコイニングを行ない(工程S450)、キャリア20を完成する。この変形例のキャリア20の製造方法でも、準備した環状の粗材20aに対する1回のプレス加工によりワーク部材20bを形成するから、実施例のキャリア20の製造方法と同様に、粗材20aからキャリア20を完成するまでの工程に焼鈍を行なう必要がない。この結果、粗材20aからキャリア20を製造するまでの工程を少なくすることができると共に粗材20aからキャリア20を製造するまでの時間を短くすることができる。また、実施例のキャリア20の製造方法と同様に、冷間鍛造により粗材20aからワーク部材20bを形成するから、粗材20aを加熱したり形成されたワーク部材20bを冷却したりするのに要する時間は必要ない。この結果、粗材20aからキャリア20を完成するまでの時間を更に短くすることができる。
実施例のキャリア20の製造方法では、ワーク部材20bから連結部27bと内壁部24bを含む部分とを切り落とすもとしたが、連結部27bだけを切り落として内壁部24bを含む部分については切り落とさないものとしてもよい。
実施例のキャリア20の製造方法では、1回のプレス加工によりワーク部材20bを形成する際には、前述の図5〜図7で示したように、内壁部24bやボス部28の内周面が滑らかな曲面となるようワーク部材20bを形成するものとしたが、内壁部24bやボス部28bの内周面が所定の形状(例えば、スプライン形状やセレーション形状など)となるようワーク部材20bを形成するものとしてもよい。内壁部24bの内周面をスプライン形状にする場合に用いられる加工装置40Bの下型50bの一例を図26に示し、この加工装置40Bにより形成されるワーク部材120bの一例を図27〜図29に示す。図26では、加工装置40Bの下型50bの下型マンドレル51bについて、前述の下型マンドレル51(図8参照)の上端部からその下方に長さL1の位置までの形状(下型マンドレル51におけるワーク部材20bの内壁部24bの形成に用いられる部分の形状)をスプライン形状に変更するものとした。なお、加工装置40Bは、下型マンドレル51bの形状が異なる点を除いて前述の加工装置40と同一のものを用いるものとした。また、図27は、変形例のワーク部材120bの外観の斜視図であり、図28は図27のワーク部材120bをA−A面から見たAA視図であり、図29は図27のワーク部材120bをB−B面から見たBB視図である。図27〜図29では、内壁部124bの内周面がスプライン形状となっている点を除いて図5〜図7のワーク部材20bと同一形状に形成されるため、同一形状に形成される部分については同一の符号を用いた。このような下型マンドレル51bを有する加工装置40Bを用いてワーク部材120bを形成することにより、プレス加工により内壁部124bが形成される際に内壁部124bの内周側の粗材20aの密閉状態が緩和されるから、内壁部124b側に粗材20aが流動しやすくなり、プレス加工を行なう際に要する荷重をより低減することができる。しかも、このように1回のプレス加工を行なう際に内壁部124bの内周面をスプライン形状とすることより、キャリア20を製造するまでの間に内壁部24の内周面をスプライン形状とする必要があるときなどには、プレス加工した後に内壁部24bの内周面をスプライン形状に形成する工程を設ける必要がなく、粗材20aからキャリア20を完成するまでの時間をより短くすることができる。この変形例では、内壁部124bの内周面をスプライン形状にするものとしたが、スプライン形状に限られず、プレス加工を行なう際に内壁部24b(124b)の内周側の粗材20aの密閉状態が緩和され、内壁部24b側に粗材20aが流動しやすくなる形状であれば、例えば、内壁部24bの内周面を凹凸形状などにするものとしてもよい。
実施例のキャリア20の製造方法では、粗材20aを準備した後の工程は冷間鍛造により行なうものとしたが、冷間鍛造に限られず、温間鍛造や熱間鍛造などにより行なうものとしてもよい。
実施例のキャリア20の製造方法では、粗材20aを準備した後の工程では焼鈍を行なわないものとしたが、焼鈍を行なってもよい。
実施例のキャリア20の製造方法では、ワーク部材20bの脚部26bの厚みD1が連結部27bの厚みD2よりも肉厚になるよう外壁部25bを形成するものとしたが、脚部26bの厚みD1が連結部27bの厚みD2と略同一になるよう外壁部25bを形成するものとしてもよいし、脚部26bの厚みD1が連結部27bの厚みD2よりも若干薄くなるよう外壁部25を形成するものとしてもよい。
実施例のキャリア20の製造方法では、連結部27bの内周に沿って連結部27bの厚みD2が略一様になるようワーク部材20bを形成するものとしたが、脚部26bからの距離が大きいほど即ち連結部27bの内周に沿って連結部27bの中央側ほど連結部227bの厚みが大きくなるようワーク部材20bを形成するものとしてもよい。図30は、この場合に形成されるワーク部材220bの外観の斜視図であり、図31は図30のワーク部材220bをA−A面から見たAA視図であり、図32は図30のワーク部材220bをB−B面から見たBB視図である。図31中、「D21」は実施例のワーク部材20bの連結部27bの厚みD2((R8−R7)/2)に相当する厚みであり、「D22」は厚みD21よりも肉厚となる厚みである。図30〜図32では、連結部227bの形状(厚み)や内壁部224bの端部の形状が異なっている点を除いて図5〜図7のワーク部材20bと同一形状に形成されるため、同一形状に形成される部分については同一の符号を用いた。いま、プレス加工によりワーク部材20bやワーク部材220bを形成するときを考える。このとき、実施例では、前述の図11で示したように、上型パンチ43と第2ダイ54とによって脚部26bと連結部227bとからなる外壁部25bが形成され、下型マンドレル51と下型パンチ52と第1ダイ53とによってボス部28bが形成され、下型マンドレル51と上型パンチ43とによって内壁部24bが形成される。この際、ボス部28bはその端部(図7中ボス部28bの下端部)側に下型パンチ52が配置されているため、下型パンチ52によってその端部側への延びが制限され、底部22bからボス部28bの端部までの長さがボス部28bの周に沿って略一定となる。しかしながら、内壁部24bは、その端部(図7中、内壁部24bの上端部)側がフリーになっているため、端部側への延びが制限されず、粗材20aの流動しやすさによって底部22bから内壁部24bの端部までの長さが内壁部24bの周に沿って一定にならず、内壁部24bの端部が波打った形状に形成されることがある。一般に、外壁部25bの厚みが厚いほど内壁部24b側に粗材20aが流動しやすくなるため、即ち、実施例のように脚部26aの厚みD1が連結部27bの厚みD2よりも肉厚で脚部26bや連結部27bの厚みが底部22bの外周に沿って略一定であるときには内壁部28のうち脚部26bに対向する位置に連結部27bに対向する位置よりも粗材20aが流動しやすくなるため、内壁部24bのうち脚部26bに対向する位置の底部22bから端部までの長さが連結部27bに対向する位置の底部22bから端部までの長さよりも長くなりやすく、内壁部24bの端部が波打った形状になりやすい。特に、内壁部24bのうち連結部27bの内周(底部22bの外周)に沿って連結部27bの略中央に対向する位置では、脚部26bからの距離が大きくて粗材20aが流動しにくいため、底部22bから内壁部24bの端部までの長さが短くなりやすい。これに対して、図30〜32に示したように、脚部22bからの距離が大きいほど即ち連結部227bの内周に沿って連結部227bの端部側から中央側に向かって厚みD21から厚みD22に厚みが大きくなるよう連結部227bを形成すれば、即ち、加工装置40の第2ダイ54に代えてこのような連結部227bが形成されるよう形成された図示しない第2ダイを有する図示しない加工装置を用いてプレス加工を行なえば、内壁部224bのうち連結部227bに対向する位置にも素材20aが流動しやすくなることによって粗材20aの流動しやすさの偏差が抑制される。これにより、底部22bから内壁部224bの端部までの長さが内壁部224bの周に沿って大きく変動するのを抑制することができ、内壁部224bの端部が波打った形状になるのを抑制することができる。この変形例では、連結部227bの内周に沿って連結部227bの端部側から中央側に向かって厚みD21から厚みD22に厚みが大きくなるよう連結部227bを形成することによって内壁部224bの端部が波打った形状となるのを抑制するものとしたが、これに限られず、脚部26bからの距離に応じて連結部27b(227b)の厚みを変化させることによって底部22bから内壁部24b(224b)の端部までの長さを調節するものであればよい。
実施例のキャリア20の製造方法では、加工装置40を用いてワーク部材20bを形成する際に、下型パンチ52を用いて底部22bからボス部28bの端部までの長さを制限するものとしたが、これに代えてまたは加えて、内壁部24bの端部側への延びを制限する部材を用いて底部22bから内壁部24bの端部までの長さを制限するものとしてもよい。また、底部22bからボス部28bの端部までの長さと底部22bから内壁部24bの端部までの長さとのうちいずれも制限しないものとしてもよい。以下、下型パンチ52に代えて、内壁部24bの端部側への延びを制限する部材を用いる場合について説明する。この場合には、粗材20aが内壁部24bの端部側に延びる場合とは逆に、外壁部25bの厚みが薄いほどボス部28b側に粗材20aが流動しやすくなるため、即ち、実施例のように脚部26bの厚みD1が連結部27bの厚みD2よりも肉厚で脚部26bや連結部27bの厚みが底部22bの外周に沿って略一定であるときには内壁部28bのうち連結部27bに対向する位置に脚部26bに対向する位置よりも粗材20aが流動しやすくなるため、ボス部28bの端部が波打った形状になりやすい。特に、連結部27bの内周に沿って連結部27bの略中央に対向する位置では、脚部26bからの距離が大きく粗材20aが流動しやすいため、底部22bからボス部28bの端部までの長さが長くなりやすい。これに対して、前述の図30〜図32に示したのと同様に、脚部22bからの距離が大きいほど即ち連結部227bの内周に沿って連結部227bの端部側から中央側に向かって厚みD21から厚みD22に厚みが大きくなるよう連結部227bを形成すれば、即ち、加工装置40の第2ダイ54に代えてこのような連結部227bが形成されるよう形成された図示しない第2ダイを有する図示しない加工装置を用いてプレス加工を行なえば、ボス部28bのうち連結部227bに対向する位置に素材20aが流動しにくくなることによって粗材20aの流動しやすさの偏差が抑制される。これにより、底部22bからボス部28bの端部までの長さがボス部28bの周に沿って大きく変動するのを抑制することができ、ボス部28bの端部が波打った形状になるのを抑制することができる。この変形例では、連結部227bの内周に沿って連結部227bの端部側から中央側に向かって厚みD21から厚みD22に厚みが大きくなるよう連結部227bを形成することによってボス部28bの端部が波打った形状となるのを抑制するものとしたが、これに限られず、脚部26bからの距離に応じて連結部227bの厚みを変化させることによって底部22bからボス部28bの端部までの長さを調節するものであればよい。
実施例のキャリア20の製造方法では、ワーク部材20bの脚部26bの外径R6と連結部27bの内径R7とが略一致するよう外壁部25bを形成するものとしたが、脚部26bの外径R6と連結部27bの内径R7とのうちいずれかが若干大きくなるよう外壁部25bを形成するものとしてもよい。
実施例のキャリア20の製造方法では、孔23bと孔23bの周りの内壁部24bとを中央に有する円形の底部22bなどからなるワーク部材20bを形成するものとしたが、底部22bは、孔23bの周りに内壁部24bを有しないものとしてもよい。
実施例のキャリア20の製造方法では、ワーク部材20bの連結部27bの底部22bへの付け根側から連結部27b方向への力を作用させることによりワーク部材20bから連結部27bを取り外すものとしたが、他の方法により、例えば、連結部27bの内側(外壁部25bの内側)から外側方向への力を作用させることによりワーク部材20bから連結部27bを取り外すものとしてもよい。この場合、連結部27bの外径R8が脚部26bの外径R6と略同一となるよう外壁部25bを形成するものとしてもよい。
実施例のキャリア20の製造方法では、ワーク部材20bから連結部27bを切り落として脚付き環状部材20cを形成した後に、脚付き環状部材20cの脚部26cの内径を広げ、脚部26cの側面のバリ取りを行ない、表面にコーティングされた金属石けんを取り除き、底部22cの表面の粗さや平坦度を整えるコイニングを行なうものとしたが、これらの工程のうちの一つ或いは複数の工程を行なわないものとしてもよい。
実施例のキャリア20の製造方法では、キャリア20は、中央に孔23が形成された円形の底部22と、底部22の外周に底部22に略直角に形成された4つの脚からなる脚部26と、底部22に対して脚部26とは反対側に中空軸の円筒状に形成されたボス部28とからなるものとしたが、ボス部28を有しないものとしてもよい。
実施例では、遊星歯車機構のキャリア20の製造方法について説明したが、こうした遊星歯車機構のキャリア20を製造する場合に限られず、環状の環状部とこの環状部の外周に略直角に少なくとも一つの脚が形成されてなる脚付き環状部材であれば如何なる脚付き環状部材の製造方法に適用するものとしてもよい。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、遊星歯車機構のキャリアなどの脚付き環状部材の製造産業に利用可能である。

Claims (42)

  1. 環状の環状部と該環状部の外周に略直角に少なくとも一つの脚が形成されてなる脚付き環状部材を製造する環状部材の製造方法であって、
    (a)環状の粗材を準備し、
    (b)該粗材に対する1回のプレス加工により、中央に孔を有する円形の底部と、該底部の外周に前記脚を構成する脚部と該脚部を連結する連結部とからなるスカート状の外壁部と、からなるワーク部材を形成し、
    (c)該形成したワーク部材から前記連結部を取り外して前記脚付き環状部材を形成する
    環状部材の製造方法。
  2. 少なくとも前記工程(b)以降は冷間鍛造により行なわれることを特徴とする請求項1記載の環状部材の製造方法。
  3. 少なくとも前記工程(b)以降は焼鈍を行なわないことを特徴とする請求項1または2記載の環状部材の製造方法。
  4. 請求項1ないし3いずれか記載の環状部材の製造方法であって、
    前記工程(b)は、前記外壁部における前記連結部の外径が前記脚部の外径より大きくなるよう前記ワーク部材を形成する工程であり、
    前記工程(c)は、前記外壁部における前記連結部が前記脚部から脚方向に作用する力により削ぎ落とされるよう該連結部を取り外す工程(c1)を含む工程である
    環状部材の製造方法。
  5. 前記工程(b)は、前記外壁部における前記連結部の内径が前記脚部の内径より大きくなるよう前記ワーク部材を形成する工程である請求項4記載の環状部材の製造方法。
  6. 前記工程(b)は、前記外壁部における前記連結部の内径が前記脚部の外径に略一致するよう前記ワーク部材を形成する工程である請求項4または5記載の環状部材の製造方法。
  7. 前記工程(c1)は、前記連結部を取り外すと共に前記ワーク部材の底部の孔を含む部分を切り落とす工程である請求項4ないし6いずれか記載の環状部材の製造方法。
  8. 前記工程(b)は、前記脚部と前記連結部との接続部分である接続部の肉厚が該脚部の肉厚および該連結部の肉厚よりも薄くなるよう前記ワーク部材を形成する工程である請求項1ないし7いずか記載の環状部材の製造方法。
  9. 前記工程(b)は、前記連結部の肉厚が前記脚部の肉厚よりも薄くなるよう前記ワーク部材を形成する工程である請求項1ないし8いずれか記載の環状部材の製造方法。
  10. 前記工程(b)は、前記脚部の内側の前記底部への付け根が前記連結部の内側の前記底部への付け根に比して大きな半径をもって肉厚になるよう前記ワーク部材を形成する工程である請求項1ないし9いずれか記載の環状部材の製造方法。
  11. 前記工程(c)は、前記形成したワーク部材から連結部を取り外した後に前記脚部の内径を広げる工程(c2)を含む工程である請求項1ないし10いずれか記載の環状部材の製造方法。
  12. 前記工程(c)は、前記形成したワーク部材から連結部を取り外した後に前記脚部の前記連結部との連結部位のバリ取りを行なう工程(c3)を含む工程である請求項1ないし11いずれか記載の環状部材の製造方法。
  13. 前記工程(c)は、前記形成したワーク部材から連結部を取り外した後に前記底部の少なくとも内側の面の粗さ又は平坦度の少なくとも一方を整える工程(c4)を含む工程である請求項1ないし12いずれか記載の環状部材の製造方法。
  14. 請求項13記載の環状部材の製造方法であって、
    前記工程(a)は、表面に金属石けんを含む表面コーティングを施すボンデ処理が行なわれた粗材を準備する工程であり、
    前記工程(c4)は、前記金属石けんを取り除く処理を施してから前記面の粗さ又は平坦度の少なくとも一方を整える工程である
    環状部材の製造方法。
  15. 前記工程(b)は、前記底部の中央の孔に沿って前記外壁部と同軸の円筒状の立壁部を有する前記ワーク部材を形成する工程である請求項1ないし14いずれか記載の環状部材の製造方法。
  16. 前記工程(b)は、前記連結部の肉厚を前記脚部からの距離に応じて変化させることにより前記立壁部の端部までの長さが調整されるよう前記ワーク部材を形成する工程である請求項15記載の環状部材の製造方法。
  17. 前記工程(b)は、前記脚部からの距離が大きいほど前記連結部の肉厚が滑らかに大きくなるよう前記ワーク部材を形成する工程である請求項16記載の環状部材の製造方法。
  18. 前記工程(b)は、前記立壁部の内周面が所定の形状となるよう前記ワーク部材を形成する工程である請求項15ないし17いずれか記載の環状部材の製造方法。
  19. 前記工程(b)は、前記所定の形状としてスプライン形状となるよう前記ワーク部材を形成する工程である請求項18記載の環状部材の製造方法。
  20. 前記工程(b)は、前記底部の中央の孔に対して前記外壁部と同一方向の第1立壁部と、前記底部の中央の孔に対して前記外壁部と反対方向の第2立壁部と、からなる前記立壁部を有する前記ワーク部材を形成する工程である請求項15ないし19いずれか記載の環状部材の製造方法。
  21. 前記工程(c)は、前記形成したワーク部材から前記連結部を取り外した以降に該ワーク部材から前記第1立壁部を取り外す工程(c5)を含む工程である請求項20記載の環状部材の製造方法。
  22. 前記環状部材は、遊星歯車機構におけるキャリアである請求項1ないし21いずれか記載の環状部材の製造方法。
  23. 環状の環状部と該環状部の外周に略直角に少なくとも一つの脚が形成されてなる脚付き環状部材であって、
    環状の粗材に対する1回のプレス加工により形成された、中央に孔を有する円形の底部と、該底部の外周に前記脚を構成する脚部と該脚部を連結する連結部とからなるスカート状の外壁部と、からなるワーク部材から前記連結部を取り外すことにより形成されてなる、
    脚付き環状部材。
  24. 請求項23記載の脚付き環状部材であって、
    前記ワーク部材は、前記外壁部における前記連結部の外径が前記脚部の外径より大きく形成されてなり、
    前記脚付き環状部材は、前記外壁部における前記連結部が前記脚部から脚方向に作用する力により削ぎ落とされるよう該連結部を取り外すことにより形成されてなる、
    脚付き環状部材。
  25. 前記ワーク部材は、前記外壁部における前記連結部の内径が前記脚部の内径より大きく形成されてなる、請求項24記載の脚付き環状部材。
  26. 前記ワーク部材は、前記外壁部における前記連結部の内径が前記脚部の外径に略一致するよう形成されてなる、請求項24または25記載の脚付き環状部材。
  27. 前記脚付き環状部材は、前記連結部を取り外すと共に前記ワーク部材の底部の孔を含む部分を切り落とすことにより形成されてなる、請求項23ないし26いずれか記載の脚付き環状部材。
  28. 前記ワーク部材は、前記脚部と前記連結部との接続部分である接続部の肉厚が該脚部の肉厚および該連結部の肉厚よりも薄く形成されてなる、請求項23ないし27いずれか記載の脚付き環状部材。
  29. 前記ワーク部材は、前記連結部の肉厚が前記脚部の肉厚よりも薄く形成されてなる、請求項23ないし28いずれか記載の脚付き環状部材。
  30. 前記ワーク部材は、前記脚部の内側の前記底部への付け根が前記連結部の内側の前記底部への付け根に比して大きな半径をもって肉厚に形成されてなる、請求項23ないし29いずれか記載の脚付き環状部材。
  31. 前記脚付き環状部材は、前記形成したワーク部材から連結部を取り外した後に前記脚部の内径を広げることにより形成されてなる、請求項23ないし30いずれか記載の脚付き環状部材。
  32. 前記脚付き環状部材は、前記形成したワーク部材から連結部を取り外した後に前記脚部の前記連結部との連結部位のバリ取りを行なうことにより形成されてなる、請求項23ないし31いずれか記載の脚付き環状部材。
  33. 前記脚付き環状部材は、前記形成したワーク部材から連結部を取り外した後に前記底部の少なくとも内側の面の粗さ又は平坦度の少なくとも一方を整えることにより形成されてなる、請求項23ないし32いずれか記載の脚付き環状部材。
  34. 請求項33記載の脚付き環状部材であって、
    前記環状の粗材は、表面に金属石けんを含む表面コーティングを施すボンデ処理が行なわれた粗材であり、
    前記脚付き環状部材は、前記金属石けんを取り除く処理を施してから前記面の粗さ又は平坦度の少なくとも一方を整えることにより形成されてなる、
    脚付き環状部材。
  35. 前記ワーク部材は、前記底部の中央の孔に沿って前記外壁部と同軸の円筒状の立壁部を有する部材である、請求項23ないし34いずれか記載の脚付き環状部材。
  36. 前記ワーク部材は、前記連結部の肉厚を前記脚部からの距離に応じて変化させることにより前記立壁部の端部までの長さを調整して形成されてなる、請求項35記載の脚付き環状部材。
  37. 前記ワーク部材は、前記脚部からの距離が大きいほど前記連結部の肉厚が滑らかに大きくなるよう形成されてなる、請求項36記載の脚付き環状部材。
  38. 前記ワーク部材は、前記立壁部の内周面が所定の形状に形成されてなる、請求項35ないし37いずれか記載の脚付き環状部材。
  39. 前記ワーク部材は、前記立壁部の内周面がスプライン形状に形成されてなる、請求項38記載の脚付き環状部材。
  40. 前記ワーク部材は、前記底部の中央の孔に対して前記外壁部と同一方向の第1立壁部と、前記底部の中央の孔に対して前記外壁部と反対方向の第2立壁部と、からなる前記立壁部が形成されてなる請求項35ないし39いずれか記載の脚付き環状部材。
  41. 前記脚付き環状部材は、前記形成したワーク部材から前記連結部を取り外した以降に該ワーク部材から前記第1立壁部を取り外すことにより形成されてなる、請求項40記載の脚付き環状部材。
  42. 前記脚付き環状部材は、遊星歯車機構におけるキャリアである請求項23ないし41いずれか記載の脚付き環状部材。







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