JP2003014083A - センターディファレンシャル装置及びプラネタリギヤ - Google Patents

センターディファレンシャル装置及びプラネタリギヤ

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JP2003014083A
JP2003014083A JP2002119042A JP2002119042A JP2003014083A JP 2003014083 A JP2003014083 A JP 2003014083A JP 2002119042 A JP2002119042 A JP 2002119042A JP 2002119042 A JP2002119042 A JP 2002119042A JP 2003014083 A JP2003014083 A JP 2003014083A
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pinion
sun gear
shaft
gear
pinion shaft
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JP2002119042A
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English (en)
Inventor
Kazuo Kanazawa
一男 金澤
Hiroshi Ishihara
弘志 石原
Susumu Kurosaki
晋 黒崎
Takao Nakagawa
隆夫 中川
Hirotaka Sato
裕貴 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Across Co Ltd
Subaru Corp
Kikuchi Co Ltd
Acros Corp
Original Assignee
Across Co Ltd
Kikuchi Co Ltd
Fuji Heavy Industries Ltd
Acros Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な差動制限トルクが得られ、耐久性に優
れたセンターディファレンシャル装置及びプラネタリギ
ヤを提供する。 【解決手段】 変速機からの変速出力が入力される第1
サンギヤと、リヤ出力軸56に設けられた第2サンギヤ
と、第1サンギヤ60及び第2サンギヤ63に各々噛合
するピニオン部材65の第1ピニオン61及び第2ピニ
オン64と、フロント出力軸54に連結されたキャリヤ
66に取付支持されたピニオン軸67でピニオン部材6
5を軸支するプラネタリギヤ式のセンターディファレン
シャル装置であって、ピニオン軸67をC/Cコンポジ
ットで構成すると共に、ピニオン軸67によってピニオ
ン部材を直接軸支する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、センターディファ
レンシャル装置及びプラネタリギヤに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、4輪駆動車は、エンジンからの
動力を、発進クラッチを介して変速機によって変速し、
この変速機によって変速された変速出力をセンターディ
ファレンシャル装置によってフロントディファレンシャ
ル装置とリヤディファレンシャル装置にトルク配分して
伝動し、フロントディファレンシャル装置によって減速
して前輪に伝動し、かつリヤディファレンシャル装置に
よって減速して後輪に伝達するように構成されている。
【0003】センターディファレンシャル装置は、比較
的コンパクトでかつ、前後輪へのトルク配分が可変調整
できるプラネタリギヤ式のセンターディファレンシャル
装置が広く使用されている。
【0004】プラネタリギヤ式センターディファレンシ
ャル装置を備えた4輪駆動車に関しては、例えば特許第
2652715号公報の先行技術がある。このセンター
ディファレンシャル装置について図5に示す要部断面図
及び図6に示すスケルトン図によって説明する。
【0005】符号101は変速機の出力軸であり、出力
軸101と、プロペラ軸を介してリヤディファレンシャ
ル装置に動力伝達するリヤドライブ軸102がブッシュ
103及びスラストベアリング104を介して同軸上に
回転自在に嵌合し、リダクションギヤ105がブッシュ
103を介して出力軸101に回転自在に嵌合し、これ
らリダクションギヤ105と出力軸101がボールベア
リング106を介してトランスミッションケース100
に支持されており、出力軸101と、リヤドライブ軸1
02と、リダクションギヤ105との間にセンターディ
ファレンシャル装置110が同軸上に配設されている。
なお、リダクションギヤ105はフロントディファレン
シャル装置に動力伝達するフロントドライブ軸107に
設けられたリダクションギヤ108に噛み合っている。
【0006】センターディファレンシャル装置110
は、入力側となる変速機の出力軸101に大径の第1サ
ンギヤ111が形成され、出力側のリヤドライブ軸10
2に小径の第2サンギヤ112が形成され、この第1サ
ンギヤ111に小径の第1ピニオン113が噛み合い、
第2サンギヤ112に大径の第2ピニオン114が噛み
合い、これら第1ピニオン113と第2ピニオン114
が単一のピニオン部材115に形成されている。
【0007】また、キャリヤ116の支持プレート11
7がリヤドライブ軸102にボールベアリング118を
介して取り付けられ、この支持プレート117とリダク
ションギヤ105が一体結合されると共に、両者間にピ
ニオン軸119が架設され、このピニオン軸119にニ
ードルベアリング120を介してピニオン部材115が
軸支されている。一方、ピニオン部材115は、その両
端がリダクションギヤ105及び支持プレート117に
対しスラストワッシャ122を介在して支持されてい
る。このピニオン軸119にはニードルベアリング12
0に給油するための給油孔121が穿設されている。ピ
ニオン軸119は、高炭素鋼または肌焼鋼が用いられ、
表面を硬化するために熱処理が施されている。
【0008】かかるリングギヤのない複合プラネタリギ
ヤを用いたセンターディファレンシャル装置110は、
第1サンギヤ111、第2サンギヤ112の歯数を適切
に設定することで作動機能を有し、かつ第1サンギヤ1
11と第1ピニオン113、第2サンギヤ112と第2
ピニオン114の各噛み合い半径を適切に設定すること
で基準トルク配分を後輪側に偏重にした不等トルク配分
が得られる。また、第1サンギヤ111、第2サンギヤ
112、第1ピニオン113、第2ピニオン114とを
例えばはすば歯車にしてスラスト荷重を発生させ、スラ
スト荷重によりスラストワッシャ122とピニオン部材
115の端面間に摩擦力を発生させ、かつ第1ピニオン
113、第2のピニオン114、ピニオン部材115の
軸受部、即ちニードルベアリング120に噛み合いによ
る分離荷重及び接線荷重の合成力が作用させて摩擦力が
生じるように設定することで差動制限機構が形成され
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記特許第26527
15号公報によると、ピニオン部材115には入力トル
クに応じたラジアル荷重が作用することから、ピニオン
部材115の軸受としてニードルベアリング120を配
置して、ピニオン軸119とピニオン部材115との間
の焼付きや、かじりの発生を回避するように構成されて
いる。また、ニードルベアリング120に代えてブッシ
ュを使用することができる。
【0010】しかし、ニードルベアリング120は、高
荷重に耐え得るが、コロ軸受けであり摩擦抵抗が小さ
い。一方、ブッシュによると滑り接触であることから摩
擦抵抗は大きくなるが、潤滑油が不足すると焼付きの発
生が懸念される。従って、悪路等、路面状況が悪い場合
等で走行負荷に応じて要求される差動制限トルクが高い
場合には、その対応を困難にしている。
【0011】ここで、通常、ピニオン部材115及びピ
ニオン軸119は、強度上金属材料が用いられるが、入
力トルクに応じた大きな差動制限トルクを得るためには
ニードルベアリング120やブッシュを外してピニオン
部材115をピニオン軸119によって直接軸支するこ
とによって両部品間の摩擦力を増大することが考えられ
る。この摩擦力を確保するために、一般に自動変速機用
の多板クラッチの摩擦材料として使用されるペーパ摩擦
材を使用すると効果的であるが、潤滑油として手動変速
機用の鉱物系の添加剤を含んだデフオイルを使用すると
耐久性が大きく低下して実用性に不適切である。また、
ピニオン部材115をピニオン軸119により直接軸受
けして摩擦力を確保すると、差動時の焼付きが発生して
耐久性が得られない。また、この焼付きを防止すべく強
制潤滑すると摩擦力が減少し、必要とされる差動制限ト
ルクが確保できなくなる。
【0012】従って、かかる点に鑑みなされた本発明の
第1の目的は、十分な入力トルクに応じた差動制限トル
クが得られ、安定した性能の確保と共に、耐久性に優れ
たセンターディファレンシャル装置を提供することにあ
る。
【0013】また、第2の目的は、構成の簡素化及び耐
久性に優れたプラネタリギヤを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する請求
項1に記載のセンターディファレンシャル装置の発明
は、変速機からの変速出力が入力される第1サンギヤ
と、一方の出力側の第2サンギヤと、該第1サンギヤ及
び第2サンギヤに各々噛合するピニオン部材の第1ピニ
オン及び第2ピニオンと、他方の出力側のキャリヤに取
付支持されたピニオン軸とを備え、上記ピニオン部材の
軸受穴にピニオン軸を挿通して上記ピニオン部材を軸支
するプラネタリギヤ式のセンターディファレンシャル装
置において、上記ピニオン軸は、C/Cコンポジットで
形成され、該ピニオン軸を上記軸受穴に挿通して上記ピ
ニオン部材を直接軸支したことを特徴とする。
【0015】請求項1の発明によると、ピニオン軸を、
他の部材との摺接時には十分な摩擦係数を備え、かつ自
己潤滑性を有するC/Cコンポジットによって構成し、
ピニオン部材をピニオン軸によって直接軸受けすること
から、ピニオン軸とピニオン部材との間に十分な摩擦力
を確保することができ、ピニオン軸とピニオン部材との
間の焼付きの発生を有効に防止して安定した性能を確保
しつつ入力トルクに応じた必要とする差動制限トルクが
確保できる。
【0016】また、従来の金属製のピニオン軸と比べて
大幅な軽量化が得られ、かつニードルベアリングやブッ
シュを介在することなく、ピニオン部材をピニオン軸に
よって直接軸支することから構成部品数の削減が得られ
ると共に、構造の簡素化が得られ、組立作業の簡素化及
び製造コストの大幅な低減が期待できる。
【0017】請求項2に記載のセンターディファレンシ
ャル装置の発明は、変速機からの変速出力が入力される
第1サンギヤと、一方の出力側の第2サンギヤと、該第
1サンギヤ及び第2サンギヤに各々噛合するピニオン部
材の第1ピニオン及び第2ピニオンと、他方の出力側の
キャリヤに取付支持されたピニオン軸とを備え、上記ピ
ニオン部材の軸受穴にピニオン軸を挿通して上記ピニオ
ン部材を軸支するプラネタリギヤ式のセンターディファ
レンシャル装置において、上記ピニオン軸を鋼材で形成
すると共に、上記ピニオン部材の軸受穴にC/Cコンポ
ジットの軸受が装着され、上記ピニオン軸を上記軸受内
に挿通してピニオン部材を軸支したことを特徴とする。
【0018】請求項2の発明によると、ピニオン部材の
軸受穴内に、C/Cコンポジットの軸受を装着し、鋼材
からなるピニオン軸によって直接軸受けすることによっ
て、ピニオン軸とピニオン部材に装着された軸受との間
に十分な摩擦力を確保することができ、ピニオン軸と軸
受との間の焼付きの発生を有効に防止して安定した性能
を確保しつつ入力トルクに応じた必要とする差動制限ト
ルクが確保できる。
【0019】また、ニードルベアリングを介在すること
なく、ピニオン部材に装着された軸受をピニオン軸によ
って直接軸支することから構成部品数の削減が得られる
と共に、構造の簡素化が得られ、組立作業の簡素化及び
製造コストの大幅な低減が期待できる。
【0020】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2のセンターディファレンシャル装置において、上記第
1サンギヤと第1ピニオン、第2サンギヤと第2ピニオ
ンの各ギヤ噛み合い点に作用する分離荷重及び接線荷重
の合成力がピニオン軸に作用することを特徴とする。
【0021】請求項3の発明によると、第1サンギヤと
第1ピニオン、第2サンギヤと第2ピニオンの各ギヤ噛
み合い点に作用する分離荷重及び接線荷重の合成力をピ
ニオン軸に作用させることによって、より有効的にピニ
オン軸とピニオン部材或いはピニオン軸と軸受との間に
十分な摩擦力を確保することができ、より確実に必要と
する差動制限トルクが確保できる。
【0022】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれかのセンターディファレンシャル装置において、
更に、上記第1サンギヤ、第2サンギヤ、第1ピニオ
ン、第2ピニオンをはすば歯車にし、第1サンギヤと第
1ピニオン、第2サンギヤと第2ピニオンのギヤ噛み合
い点に作用するスラスト荷重によって第2サンギヤとキ
ャリヤとの間に摩擦力を発生させることを特徴とする。
【0023】請求項4の発明によると、第1サンギヤと
第1ピニオン、第2サンギヤと第2ピニオンのギヤ噛合
い点に作用するスラスト荷重によって第2サンギヤとキ
ャリヤとの間に摩擦力を発生させることによって、該部
においても差動制限トルクを生成することができ、更に
差動制限トルクが確保できる。
【0024】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれかのセンターディファレンシャル装置において、
上記C/Cコンポジットは、曲げ強度が200〜120
0MPa、圧縮強度が100〜800MPa、層間剪断
強度が20〜600MPaであることを特徴とする。
【0025】請求項5の発明によると、通常のC/Cコ
ンポジットに比べ機械的強度に優れることから、大きさ
の増大を抑制しつつ要求強度を満たすことができ、セン
ターデファレンシャル装置の大きさの増大を有効的に抑
制することができる。
【0026】請求項6に記載のプラネタリギヤの発明
は、サンギヤと、該サンギヤに噛合するピニオン部材の
ピニオンと、キャリヤに取付支持されたピニオン軸とを
備え、上記ピニオン部材の軸受穴にピニオン軸を挿通し
て上記ピニオン部材を軸支するプラネタリギヤにおい
て、上記ピニオン軸は、C/Cコンポジットで形成さ
れ、該ピニオン軸を上記軸受穴に挿通して上記ピニオン
部材を直接軸支したことを特徴とする。
【0027】請求項6の発明によると、ピニオン軸をC
/Cコンポジットで構成し、かつこのピニオン軸によっ
てピニオン部材を直接軸支することによって、ピニオン
軸とピニオン部材との間に十分な摩擦力を確保すること
ができ、また、構成の簡素化及び軽量化が得られると共
に、ピニオン軸とピニオン部材との間の焼付きの発生を
有効に防止されて安定した性能を確保されて耐久性が向
上する。
【0028】請求項7に記載のプラネタリギヤの発明
は、サンギヤと、該サンギヤに噛合するピニオン部材の
ピニオンと、キャリヤに取付支持されたピニオン軸とを
備え、上記ピニオン部材の軸受穴にピニオン軸を挿通し
て上記ピニオン部材を軸支するプラネタリギヤにおい
て、上記ピニオン軸を鋼材で形成すると共に、上記ピニ
オン部材の軸受穴にC/Cコンポジットの軸受が装着さ
れ、上記ピニオン軸を上記軸受内に挿通してピニオン部
材を軸支したことを特徴とする。
【0029】請求項7の発明によると、ピニオン部材の
軸受穴内に、C/Cコンポジットの軸受を装着し、鋼材
からなるピニオン軸によって直接軸受けすることによっ
て、ピニオン軸とピニオン部材に装着された軸受との間
に十分な摩擦力を確保することができ、かつピニオン軸
と軸受との間の焼付きの発生を有効に防止して安定した
性能を確保しつつ入力トルクに応じた必要とする差動制
限トルクが確保できる。
【0030】また、ニードルベアリングを介在すること
なく、ピニオン部材に装着された軸受をピニオン軸によ
って直接軸支することから構成部品数の削減が得られる
と共に、構造の簡素化が得られ、組立作業の簡素化及び
製造コストの大幅な低減が期待できる。
【0031】請求項8に記載の発明は、請求項6または
7のプラネタリギヤにおいて、上記C/Cコンポジット
は、曲げ強度が200〜1200MPa、圧縮強度が1
00〜800MPa、層間剪断強度が20〜600MP
aであることを特徴とする。
【0032】請求項8の発明によると、通常のC/Cコ
ンポジットに比べ機械的強度に優れることから、大きさ
の増大を抑制しつつ要求強度を満たすことができ、プラ
ネタリギヤの大きさの増大を有効的に抑制することがで
きる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明のセンターディファ
レンシャル装置及びプラネタリギヤの第1実施の形態を
手動変速機の場合を例に実施の形態を図を参照して説明
する。
【0034】(第1実施の形態)本発明の第1実施の形
態を図1乃至図3を参照して説明する。図1はトランス
ミッションのスケルトン図、図2はセンターディファレ
ンシャル装置の要部断面図、図3はセンターディファレ
ンシャル装置の要部分解斜視図である。
【0035】図1において符号1はトランスミッション
ケースであり、トランスミッションケース1にトランス
ファケース2を介してエクステンションケース3が連結
されている。符号10はエンジンであり、エンジン10
のクランク軸11がフライホイール12を介して発進ク
ラッチ13に連結し、発進クラッチ13から中間軸14
が副変速機15に連結している。
【0036】副変速機15は、中間軸14と入力軸16
との間に常時噛み合い式のカウンターギヤ機構17とシ
ンクロ機構18が設けられ、高低2段に切換えるように
構成され、入力軸16が手動変速機30に入力される。
手動変速機30の出力軸19は入力軸16と平行に配置
され、エクステンションケース3内部のセンターディフ
ァレンシャル装置50に連結されている。出力軸19は
中空状で内部にフロントドライブ軸20が挿通され、セ
ンターディファレンシャル装置50がこのフロントドラ
イブ軸20を介して副変速機15の下方に配置されたフ
ロントディファレンシャル装置21に連結するものであ
り、このフロントディファレンシャル装置21から前輪
に伝動される。
【0037】また、エクステンションケース3内部で
は、手動変速機30の入力軸16と同一高さにリヤドラ
イブ軸23が配置され、リヤ出力軸56とリヤドライブ
軸23が一対のトランスファギヤ24、25を介して連
結している。そして、リヤドライブ軸23は、プロペラ
軸26及びリヤディファレンシャル装置27等を介して
後輪に伝動構成される。
【0038】手動変速機30は、常時噛合い式であっ
て、平行配置された入力軸16と出力軸19との間に第
1速ギヤ列31、第2速ギヤ列32、第3速ギヤ列3
3、第4速ギヤ列34、第5速ギヤ列35及びシンクロ
機構36、37、38が配置され、第1速ギヤ列31と
第2速ギヤ32との間にリバスーギヤ列39が配置され
ている。そして、シンクロ機構36、37、38を選択
的に作動することで、第1速から第5速のいずれかにシ
フトし、かつリバースギヤ列39を噛合することで後退
段を得るように構成されている。
【0039】センターディファレンシャル装置50は、
先端が中間部材51を介して出力軸19の外周にスプラ
イン結合された中空のセンターデフ入力軸52と、この
センターデフ入力軸52の内部に配置され先端が中間部
材53を介してフロントドライブ軸20にスプライン結
合された中空のフロント出力軸54と、フロント出力軸
54の内部に先端が臨まされたリヤ出力軸56を備え、
これらセンターデフ入力軸52、フロント出力軸54、
リヤ出力軸56が同軸上で相対回転自在に構成されてい
る。
【0040】センターデフ入力軸52の基端には大径の
第1サンギヤ60が一体に形成され、この第1サンギヤ
60に小径の第1ピニオン61が噛合される一方、リヤ
出力軸56の中間位置に一方の出力側となる小径の第2
サンギヤ63がスプライン嵌合され、この第2サンギヤ
63に大径の第2ピニオン64が噛合されている。これ
ら第1ピニオン61及び第2ピニオン64は軸受穴65
aを有する中空状のピニオン部材65に一体形成され、
他方の出力側となるキャリヤ66に固定されたピニオン
軸67の挿通によって軸支されている。
【0041】即ち、キャリヤ66には、前方からセンタ
ーデフ入力軸52が回転自在に挿入される一方、後方か
らリヤ出力軸56が回転自在に挿入され、空間中央に第
1サンギヤ60と第2サンギヤ63を格納する。そし
て、第1ピニオン61が第1サンギヤ60に噛み合い、
かつ第2ピニオン64が第2サンギヤ63に噛み合うよ
うにピニオン軸67が架設されたプラネタリギヤが形成
される。
【0042】ここで、このピニオン軸67は、その材料
として炭素繊維または炭素繊維織物或いは炭素糸に、熱
硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を含浸させたものを高温
・高圧下において焼成黒鉛化して形成したC/Cコンポ
ジットを使用する。通常のC/Cコンポジットの曲げ強
度は200MPa未満であるが、本実施の形態に使用さ
れるC/Cコンポジットは、曲げ強度が200MPa〜
1200MPa、圧縮強度が100MPa〜800MP
a、層間剪断強度が20MPa〜600MPaであるこ
とが望ましい。
【0043】このC/Cコンポジットは通常のC/Cコ
ンポジットに対して機械的強度に優れることから、大き
さの増大を抑制しつつ要求強度を満たすことができてプ
ラネタリギヤの大きさの増大が抑制される。この結果、
センターディファレンシャル装置50の大きさを有効的
に抑制することができる。
【0044】C/Cコンポジットは、軽量で耐熱性、耐
圧性、耐摩耗性に優れ、他の部材との摺接時には十分な
摩擦係数を備え、かつ含有する炭素成分が潤滑剤として
働く、いわゆる自己潤滑性を有する。従って、C/Cコ
ンポジット製のピニオン軸67を使用することで、軽量
化が得られると共に、摺接するピニオン部材65との間
に十分な摩擦力が得られ、かつ潤滑条件が不十分の場合
でもピニオン部材65との焼付きやピニオン軸67及び
ピニオン部材65の異常摩耗が回避できる。更に、C/
Cコンポジットは、組織がポーラス構造で、潤滑油の浸
透性及び保持性が良好であることから、より安定した潤
滑性が確保できる。
【0045】ピニオン軸67によって軸支された第1ピ
ニオン61と第2ピニオン64は、所定の間隔を隔てて
キャリヤ66の内部に配列される一方、キャリヤ66の
内周にハブ70が固設されている。ハブ70は第1サン
ギヤ60と第2サンギヤ63の間隙からセンタデフ入力
軸52の内部に延設されてフロント出力軸54の外周に
スプライン結合されている。そして、ピニオン軸67を
介してキャリヤ66に伝達された動力は、ハブ70、フ
ロント出力軸54を介してフロントドライブ軸20に伝
動される。一方、第2サンギヤ63を介してリヤ出力軸
56に伝達された動力は、トランスファギヤ24、25
を介してリヤドライブ軸23に伝動される。
【0046】また、キャリヤ66の後面には、リヤ出力
軸56にスラストベアリングを介して回転自在に支持さ
れた円筒状のクラッチハブ75が固設され、リヤ出力軸
56にはクラッチハブ75に対向するクラッチドラム7
6が固設され、クラッチハブ75とクラッチドラム76
との間にドライブプレート77、ドリブンプレート7
8、皿ばね79が配設されてイニシャルトルク発生部8
0が構成されている。イニシャルトルク発生部80は、
キャリヤ66とリヤ出力軸56の間のイニシャルトル
ク、即ち前後輪間に生じる差動回転に対して所定の差動
制限トルクを発生させるためのものであり、皿ばね79
による押圧力を適切に設定することによって、発生する
イニシャルトルクが設定される。
【0047】ここで、センターディファレンシャル装置
50は、第1サンギヤ60と第1ピニオン61、及び第
2サンギヤ63と第2ピニオン64の各噛み合いピッチ
半径を適切に設定することで、基準トルク配分が所望の
配分、たとえば後輪に偏重した不等トルク配分に設定す
ることができる。
【0048】また、第1サンギヤ60とハブ70との
間、ハブ70と第2サンギヤ63との間及び、第2サン
ギヤ63とキャリヤ66との間には、各々第1、第2、
第3の摩擦部材として第1フリクションワッシャ81、
第2フリクションワッシャ82、83、第3フリクショ
ンワッシャ83が各々配設されており、これら各フリク
ションワッシャ81、82、83及び、ピニオン軸67
とピニオン部材65の軸受穴65aの周面との間に発生
する摩擦力によってセンターディファレンシャル装置5
0自体に差動制限機構が構成される。
【0049】この場合、例えば第1サンギヤ60と第1
ピニオン61をはすば歯車で構成し、前進時に第1ピニ
オン61が第1サンギヤ60を後方、即ちハブ70側に
付勢するスラスト荷重が発生するように設定すると共
に、第2サンギヤ63と第2ピニオン64をはすば歯車
で構成して、前進時第2ピニオン64が第2サンギヤ6
3を前方、即ちハブ70側に付勢するスラスト荷重が発
生するように構成されている。
【0050】そして、前進時には、第1フリクションワ
ッシャ81及び第2フリクションワッシャ82が第1サ
ンギヤ60及び第2サンギヤ63によって各々ハブ70
に押圧されて摩擦力が発生する。一方、後退時には、第
2サンギヤ63のスラスト荷重は逆方向に発生し、第3
フリクションワッシャ83が第2サンギヤ63によって
キャリヤ66に押圧されて摩擦力を発生させる。
【0051】一方、第1サンギヤ60と第1ピニオン6
1及び第2サンギヤ63と第2ピニオン64の噛み合い
点に作用する分離荷重と接線荷重との合成力を、第1ピ
ニオン61、第2ピニオン63及びピニオン軸67の軸
支部分に作用させて、ピニオン部材65とピニオン軸6
7との間に摩擦力を発生させ、しかも入力トルクに応じ
た差動制限トルクを発生させることができる。
【0052】これらの摩擦力によってピニオン部材65
の回転に対して反対方向の摩擦トルク、即ち差動制限ト
ルクを発生させる。
【0053】ここで、前輪回転数と後輪回転数との大小
関係によりピニオン回転方向が変化し、これに伴い差動
制限トルクの作用具合も変わる。これにより前輪回転数
が後輪回転数より大きい状態の旋回、前輪スリップ時、
前輪回転数が後輪回転数より小さい状態の後輪スリップ
時には、差動制限トルクの差動が異なったものに自動的
に制御される。
【0054】次に、このように構成されたセンターディ
ファレンシャル装置50の作用について説明する。
【0055】停車または走行中に発進クラッチ13を切
断し、前進段にシフトすると、シンクロ機構36、37
または38により第1速乃至第5速のギヤ列31から3
5の何れか1つが入力軸16と同期しながら一体化して
選択される。そこで発進クラッチ13を接続すると、エ
ンジン10の動力が副変速機15を介して手動変速機3
0の入力軸16に入力され、選択された変速ギヤ列によ
る変速動力が出力軸19に伝動されれる。また停止時に
発進クラッチ13を切断した状態でリバースシフトする
と、リバースギヤ列36が噛合され、逆転した変速動力
が出力軸19に出力されて前進5段後進1段に変速され
れる。
【0056】出力軸19に伝導された変速動力は、セン
ターディファレンシャル装置50のセンターデフ入力軸
52を介して第1サンギヤ60に入力され、第1ピニオ
ン61を介してピニオン部材65に伝導される。
【0057】ここで、前進時には、センターディファレ
ンシャル装置50は、各歯車諸元により、前後輪へのト
ルク配分されて出力される。そしてキャリヤ66からの
動力は、ハブ70、フロント出力軸54、フロントドラ
イブ軸20、フロントディファレンシャル装置21を介
して前輪に伝動される。また、第2サンギヤ63の動力
は、リヤ出力軸56、トランスファギヤ24、25、リ
ヤドライブ軸23、プロペラ軸26、リヤディファレン
シャル装置27を介して後輪に伝導される。
【0058】この時、イニシャルトルク発生部80の皿
ばね79によるドライブプレート77とドリブンプレー
ト78の押圧力により発生するイニシャルトルクがキャ
リヤ66とリヤ出力軸56との間に付与されている。
【0059】前後輪に差回転が発生すると、第1ピニオ
ン61が第1サンギヤ60を後方及び第2ピニオン64
が第2サンギヤ63を前方に付勢するスラスト荷重が入
力トルクに応じて発生し、第1フリクションワッシャ8
1及び第2フリクションワッシャ82を介して入力側の
第1サンギヤ60と前輪側に伝動するキャリヤ66に設
けられたハブ70と、後輪側に伝動する第2サンギヤ6
3とキャリヤ66のハブ70との間に摩擦力が付与され
ると共に、第1サンギヤ60と第1ピニオン61及び第
2サンギヤ63と第2ピニオン64の噛み合い点に作用
する分離荷重と接線荷重との合成力が第1ピニオン6
1、第2ピニオン64及びピニオン軸67に作用して軸
受穴65aの周面とピニオン軸67、即ちとピニオン部
材65とピニオン軸67との間に入力トルクに応じた摩
擦力を発生させ、これらの摩擦力によってピニオン部材
65の差動回転に対して反対方向の摩擦トルク、即ち差
動制限トルクを発生させて走破性及び走行安定性を確保
する。
【0060】一方、後退時において、前後輪に差回転が
発生すると、第2サンギヤ63のスラスト荷重は逆方向
に発生し、第3フリクションワッシャ83が第2サンギ
ヤ63によってキャリヤ66に押圧されて摩擦力が発生
すると共に、第1サンギヤ60と第1ピニオン61及び
第2サンギヤ63と第2ピニオン64の噛み合い点に作
用する分離荷重と接線荷重との合成力が第1ピニオン6
1、第2ピニオン64及びピニオン軸67に作用してピ
ニオン部材65とピニオン軸67との間に摩擦力を発生
させ、これらの摩擦力によってピニオン部材65の回転
に対して反対方向の摩擦トルク、即ち差動制限トルクを
発生させて走破性及び走行安定性を確保する。
【0061】ここで、ピニオン軸67を、他の部材との
摺接時には十分な摩擦係数を備え、かつ自己潤滑性を有
するC/Cコンポジットによって構成することから、ピ
ニオン部材65の軸受穴65aにピニオン軸67を挿通
させてピニオン部材65ををピニオン軸67によって直
接軸受けすることによって、ピニオン軸67とピニオン
部材67との間に十分な摩擦力を確保することができ
る。従って、ピニオン軸67とピニオン部材65との間
の焼付きの発生を有効に防止しつつ必要とする差動制限
トルクが確保でき、悪路走行等における走破性及び走行
安定性が十分に達成できる。しかもプラネタリギヤのピ
ニオン軸67を構成するC/Cコンポジットは自己潤滑
性を有し、更に組織がポーラス構造で潤滑油の浸透性及
び保持性に優れ、安定した潤滑性が確保でき、焼付きや
ピニオン軸67及びピニオン部材65の異常摩耗が回避
でき耐久性が十分に確保できて長期に亘る安定した使用
が可能であると共に、潤滑油として一般の手動変速機用
のデフオイルを使用することも可能であり極めて実用性
の優れたものである。
【0062】また、従来の金属製のピニオン軸と比べて
大幅な軽量化が得られ、かつニードルベアリングやブッ
シュを介在することなく、ピニオン部材65を直接的に
ピニオン軸67によって軸支することから構成部品数の
削減が得られると共に、ピニオン軸67は潤滑油孔等が
不要で簡単な形状であることと相俟って、構造の簡素化
が得られ、組立作業の簡素化及び製造コストの大幅な低
減が期待できる。
【0063】なお、上記実施の形態では、ピニオン軸6
7全体をC/Cコンポジットによって形成したが、ピニ
オン軸67をC/Cコンポジットによって筒状に形成
し、その内部、即ち軸心側に鋼材からなる心材を一体的
に設けることも可能である。
【0064】(第2実施の形態)本発明の第2実施の形
態を図4を参照して説明する。図4は上記図2に対応す
るセンターディファレンシャル装置の要部断面図であ
り、対応する部分に同一符号を付することで該部の詳細
な説明を省略し、異なる部分を主に説明する。
【0065】第1ピニオン61及び第2ピニオン64が
一体形成されたピニオン部材65の軸受穴65a内にC
/Cコンポジットからなる円筒状の軸受68が一体的に
装着されている。一方、キャリヤ66に固定されたピニ
オン軸69は、鋼材によって形成され、軸受68内に挿
通すると共に、両端がキャリヤ66に固定されてピニオ
ン部材65をニードルベアリングを介在させることなく
直接軸支している。
【0066】従って、ピニオン部材65の軸受穴65a
内にC/Cコンポジットの軸受68を一体的に装着し、
鋼材のピニオン軸69を使用することで、ピニオン部材
65の軽量化が得られると共に、摺接する軸受68とピ
ニオン軸69との間に十分な摩擦力が得られ、かつ潤滑
条件が不十分の場合でも軸受68とピニオン軸69の焼
付きや軸受68及びピニオン軸69の異常摩耗が回避で
きる。
【0067】このように構成されたセンタディファレン
シャル装置50は、第1実施の形態と同様に、前進時に
は、各歯車諸元により、前後輪へのトルク配分されて出
力される。そしてキャリヤ66からの動力は、ハブ7
0、フロント出力軸54等を介して前輪に伝動される。
また、第2サンギヤ63の動力は、リヤ出力軸56から
リヤドライブ軸23等を介して後輪に伝導される。この
時、イニシャルトルク発生部80の皿ばね79によるド
ライブプレート77とドリブンプレート78の押圧力に
より発生するイニシャルトルクがキャリヤ66とリヤ出
力軸56との間に付与されている。
【0068】前後輪に差回転が発生すると、第1ピニオ
ン61が第1サンギヤ60を後方及び第2ピニオン64
が第2サンギヤ63を前方に付勢するスラスト荷重が入
力トルクに応じて発生し、第1フリクションワッシャ8
1及び第2フリクションワッシャ82を介して入力側の
第1サンギヤ60と前輪側に伝動するキャリヤ66に設
けられたハブ70と、後輪側に伝動する第2サンギヤ6
3とキャリヤ66のハブ70との間に摩擦力が付与され
ると共に、第1サンギヤ60と第1ピニオン61及び第
2サンギヤ63と第2ピニオン64の噛み合い点に作用
する分離荷重と接線荷重との合成力が第1ピニオン6
1、第2ピニオン64及びピニオン軸69に作用してピ
ニオン部材65に装着された軸受68とピニオン軸69
との間に入力トルクに応じた摩擦力を発生させ、これら
の摩擦力によって差動制限トルクを発生させて走破性及
び走行安定性を確保する。
【0069】一方、後退時において、前後輪に差回転が
発生すると、第2サンギヤ63のスラスト荷重は逆方向
に発生し、第3フリクションワッシャ83が第2サンギ
ヤ63によってキャリヤ66に押圧されて摩擦力が発生
すると共に、第1サンギヤ60と第1ピニオン61及び
第2サンギヤ63と第2ピニオン64の噛み合い点に作
用する分離荷重と接線荷重との合成力が第1ピニオン6
1、第2ピニオン64及びピニオン軸69に作用して軸
受68とピニオン軸69との間に摩擦力を発生させ、こ
れらの摩擦力によって差動制限トルクを発生させて走破
性及び走行安定性を確保する。
【0070】ここで、ピニオン軸69を鋼材によって形
成し、ピニオン部材65に装着される軸受68をC/C
コンポジットによって構成することから、ピニオン部材
65に装着された軸受68をピニオン軸69によって直
接軸受けすることによって、ピニオン軸69とピニオン
部材65との間に十分な摩擦力を確保することができ
る。従って、ピニオン軸69と軸受68との間の焼付き
の発生を有効に防止しつつ必要とする差動制限トルクが
確保でき、悪路走行等における走破性及び走行安定性が
十分に達成できる。しかも安定した潤滑性が確保でき、
焼付きやピニオン軸69及び軸受68の異常摩耗が回避
でき耐久性が十分に確保できて長期に亘る安定した使用
が可能である。
【0071】また、ニードルベアリングを介在すること
なく、ピニオン部材65に装着された軸受68を直接的
にピニオン軸69によって軸支することから構成部品数
の削減が得られると共に、ピニオン軸69は潤滑油孔等
が不要で簡単な形状であることと相俟って、構造の簡素
化が得られ、組立作業の簡素化及び製造コストの大幅な
低減が期待できる。
【0072】なお、本発明は、上記実施の形態に限定さ
れることなく発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可
能である。例えば上記各実施の形態では、手動変速機の
場合を例に説明したが、自動変速機に適用することもで
きる。また、上記実施の形態では、第2サンギヤからの
出力をリヤディファレンシャル装置に伝動し、キャリヤ
からの出力をフロントディファレンシャル装置に伝動す
るように構成したが、第2サンギヤからの出力をフロン
トディファレンシャル装置に伝動し、かつキャリヤから
の出力をリヤディファレンシャル装置に伝動することも
できる。また、プラネタリギヤは、センターディファレ
ンシャル装置に限定されることなく他の種々装置等に広
く使用することができる。
【0073】
【発明の効果】本発明によるセンターディファレンシャ
ル装置によると、変速機からの変速出力が入力される第
1サンギヤと、一方の出力側の第2サンギヤと、該第1
サンギヤ及び第2サンギヤに各々噛合するピニオン部材
の第1ピニオン及び第2ピニオンと、他方の出力側のキ
ャリヤに取付支持されたピニオン軸でピニオン部材を軸
支するプラネタリギヤ式のセンターディファレンシャル
装置において、ピニオン軸を、C/Cコンポジットによ
って構成してピニオン部材をピニオン軸によって直接軸
受けすることによって、或いは、ピニオン部材にC/C
コンポジットによって形成された軸受を装着しピニオン
軸を鋼材によって形成することによってピニオン軸とピ
ニオン部材との間に十分な摩擦力を確保することがで
き、焼付きの発生を有効に防止して安定した性能を確保
しつつ入力トルクに応じた必要とする差動制限トルクが
確保できる。
【0074】更に、ニードルベアリングやブッシュ等が
不要になり、構成部品数の削減が得られると共に、構造
の簡素化が得られ、組立作業の簡素化及び製造コストの
大幅な低減が期待できる。
【0075】また、C/Cコンポジットで構成されたピ
ニオン軸でピニオン部材を直接軸支したプラネタリギ
ヤ、或いはピニオン部材にC/Cコンポジットによって
形成された軸受を装着すると共にピニオン軸を鋼材によ
って形成したプラネタリギヤによると、ピニオン軸とピ
ニオン部材との間に十分な摩擦力を確保することができ
安定した性能を確保しつつ耐久性が向上し、かつ構成部
品数の削減が得られると共に構造の簡素化が得られ、組
立作業の簡素化及び製造コストの低減が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるセンターディファレンシャル装置
及びプラネタリギヤの第1実施の形態を示すトランスミ
ッションのスケルトン図である。
【図2】センターディファレンシャル装置の要部断面図
である。
【図3】センターディファレンシャル装置の要部分解斜
視図である。
【図4】本発明によるセンターディファレンシャル装置
及びプラネタリギヤの第2実施の形態を示すセンターデ
ィファレンシャル装置の要部断面図である。
【図5】従来のセンターディファレンシャル装置を示す
要部断面図である。
【図6】図5に示すセンターディファレンシャル装置の
スケルトン図である。
【符号の説明】
1 トランスミッションケース 2 トランスファケース 3 エクステンションケース 10 エンジン 13 発進クラッチ 16 入力軸 19 出力軸 20 フロントドライブ軸 21 フロントディファレンシャル装置 23 リヤドライブ軸 51 中間部材 52 センターデフ入力軸 53 中間部材 54 フロント出力軸 56 リヤ出力軸 60 第1サンギヤ 61 第1ピニオン 63 第2サンギヤ 64 第2ピニオン 65 ピニオン部材 65a 軸受穴 66 キャリヤ 67 ピニオン軸 68 軸受 69 ピニオン軸 70 ハブ 80 イニシャルトルク発生部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金澤 一男 東京都新宿区西新宿1丁目7番2号 富士 重工業株式会社内 (72)発明者 石原 弘志 東京都昭島市松原町2丁目14番8号 菊池 プレス工業株式会社内 (72)発明者 黒崎 晋 東京都昭島市松原町2丁目14番8号 菊池 プレス工業株式会社内 (72)発明者 中川 隆夫 埼玉県蕨市錦町2−16−27 株式会社アク ロス内 (72)発明者 佐藤 裕貴 埼玉県蕨市錦町2−16−27 株式会社アク ロス内 Fターム(参考) 3J027 FA34 FA37 FB02 HA05 HB03 HB16 HC02 HC03 HC12 HD01 HE01 HF09 HH01 3J063 AA02 AB12 AC12 BB11 BB46 CA05 CB02 CB03 CB41 XA33 XC05 XC07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変速機からの変速出力が入力される第1
    サンギヤと、一方の出力側の第2サンギヤと、該第1サ
    ンギヤ及び第2サンギヤに各々噛合するピニオン部材の
    第1ピニオン及び第2ピニオンと、他方の出力側のキャ
    リヤに取付支持されたピニオン軸とを備え、上記ピニオ
    ン部材の軸受穴にピニオン軸を挿通して上記ピニオン部
    材を軸支するプラネタリギヤ式のセンターディファレン
    シャル装置において、 上記ピニオン軸は、C/Cコンポジットで形成され、該
    ピニオン軸を上記軸受穴に挿通して上記ピニオン部材を
    直接軸支したことを特徴とするセンターディファレンシ
    ャル装置。
  2. 【請求項2】 変速機からの変速出力が入力される第1
    サンギヤと、一方の出力側の第2サンギヤと、該第1サ
    ンギヤ及び第2サンギヤに各々噛合するピニオン部材の
    第1ピニオン及び第2ピニオンと、他方の出力側のキャ
    リヤに取付支持されたピニオン軸とを備え、上記ピニオ
    ン部材の軸受穴にピニオン軸を挿通して上記ピニオン部
    材を軸支するプラネタリギヤ式のセンターディファレン
    シャル装置において、 上記ピニオン軸を鋼材で形成すると共に、上記ピニオン
    部材の軸受穴にC/Cコンポジットの軸受が装着され、
    上記ピニオン軸を上記軸受内に挿通してピニオン部材を
    軸支したことを特徴とするセンターディファレンシャル
    装置。
  3. 【請求項3】 上記第1サンギヤと第1ピニオン、第2
    サンギヤと第2ピニオンの各ギヤ噛み合い点に作用する
    分離荷重及び接線荷重の合成力がピニオン軸に作用する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のセンターデ
    ィファレンシャル装置。
  4. 【請求項4】 更に、上記第1サンギヤ、第2サンギ
    ヤ、第1ピニオン、第2ピニオンをはすば歯車にし、第
    1サンギヤと第1ピニオン、第2サンギヤと第2ピニオ
    ンのギヤ噛み合い点に作用するスラスト荷重によって第
    2サンギヤとキャリヤとの間に摩擦力を発生させること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセンター
    ディファレンシャル装置。
  5. 【請求項5】 上記C/Cコンポジットは、 曲げ強度が200MPa〜1200MPa、圧縮強度が
    100MPa〜800MPa、層間剪断強度が20MP
    a〜600MPaであることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載のセンターディファレンシャル装置。
  6. 【請求項6】 サンギヤと、該サンギヤに噛合するピニ
    オン部材のピニオンと、キャリヤに取付支持されたピニ
    オン軸とを備え、上記ピニオン部材の軸受穴にピニオン
    軸を挿通して上記ピニオン部材を軸支するプラネタリギ
    ヤにおいて、 上記ピニオン軸は、C/Cコンポジットで形成され、該
    ピニオン軸を上記軸受穴に挿通して上記ピニオン部材を
    直接軸支したことを特徴とするプラネタリギヤ。
  7. 【請求項7】 サンギヤと、該サンギヤに噛合するピニ
    オン部材のピニオンと、キャリヤに取付支持されたピニ
    オン軸とを備え、上記ピニオン部材の軸受穴にピニオン
    軸を挿通して上記ピニオン部材を軸支するプラネタリギ
    ヤにおいて、 上記ピニオン軸を鋼材で形成すると共に、上記ピニオン
    部材の軸受穴にC/Cコンポジットの軸受が装着され、
    上記ピニオン軸を上記軸受内に挿通してピニオン部材を
    軸支したことを特徴とするプラネタリギヤ。
  8. 【請求項8】 上記C/Cコンポジットは、 曲げ強度が200MPa〜1200MPa、圧縮強度が
    100MPa〜800MPa、層間剪断強度が20MP
    a〜600MPaであることを特徴とする請求項6また
    は7に記載のプラネタリギヤ。
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EP1460314A2 (en) * 2003-03-18 2004-09-22 Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha Differential apparatus
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