JP2017228618A - ヒートシンクの製造方法 - Google Patents

ヒートシンクの製造方法 Download PDF

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太浩 石黒
Takahiro Ishiguro
太浩 石黒
和幸 塚田
Kazuyuki Tsukada
和幸 塚田
寛史 井下
Hiroshi Ishita
寛史 井下
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Abstract

【課題】 ピンフィンの長さを均一化することが可能な新たなヒートシンクの製造方法を提供する。【解決手段】 複数のピンフィンを有するヒートシンクを、鍛造型を用いて製造する。前記鍛造型が、複数の孔が設けられた成形部を有している。提供される製造方法は、金属材料を前記成形部に向けてプレスすることで、前記金属材料の一部を前記複数の孔の内部に流入させる工程を有する。前記成形部の中央側に位置する前記孔では、前記成形部の外周側に位置する前記孔よりも、前記金属材料の流入抵抗が高い。【選択図】図2

Description

本明細書に開示の技術は、ピンフィンを有するヒートシンクの製造方法に関する。
鍛造によってピンフィンを有するヒートシンクを製造する方法が知られている。この製造方法に用いられる鍛造型は、ヒートシンクを成形するための成形部を備えており、その成形部には複数の孔が設けられている。このようなヒートシンクの一般的な製造方法では、金属材料が成形部に向けてプレスされる。すると、金属材料が塑性変形し、金属材料の一部が複数の孔内に流入する。複数の孔内に流入した部分が、ピンフィンとなる。
この製造方法では、金属材料の外周部では、プレス時に金属材料がさらに外周側に移動する流れが生じる。その結果、金属材料の外周部に加わる圧力が低下し、成形部の外周側に位置する孔への金属材料の流入量が少なくなる。このため、外周側のピンフィンが中央側のピンフィンよりも短くなるという問題がある。
特許文献1には、ピンフィンを成形するための各孔に対して裏側から背圧ピン(ノックアウトピン)を挿入する技術が開示されている。この方法では、各孔に流入した金属材料が背圧ピンに接触する。このため、ピンフィンの先端部の位置が背圧ピンによって規定される。したがって、この方法では、ピンフィンの長さを均一化することができる。
特開2015−050318号公報
上記の通り、特許文献1の技術によれば、ピンフィンの長さを均一化することができる。しかしながら、特許文献1のように背圧ピンを設けると、鍛造型が複雑化し、鍛造型の強度が低下する。したがって、本明細書では、ヒートシンクのピンフィンの長さを均一化することが可能な新たな製造方法を提供する。
本明細書が開示する製造方法では、複数のピンフィンを有するヒートシンクを鍛造型を用いて製造する。前記鍛造型は、複数の孔が設けられた成形部を有している。前記製造方法は、金属材料を前記成形部に向けてプレスすることで、前記金属材料の一部を前記複数の孔の内部に流入させる工程を有する。前記成形部の中央側に位置する前記孔では、前記成形部の外周側に位置する前記孔よりも、前記金属材料の流入抵抗が高い。
この製造方法では、成形部の外周側に位置する孔への金属材料の流入抵抗が小さい。したがって、プレス時に金属材料の外周部で金属材料がさらに外周側に移動する流れが生じても、成形部の外周側に位置する孔へ金属材料が流入し易い。その結果、成形部の中央部と外周部とで孔への金属材料の流入量の差が小さくなる。このため、この製造方法によれば、各ピンフィンの長さが均一なヒートシンクを製造することができる。
鍛造型10の縦断面図。 図1の範囲Xの拡大断面図。 ヒートシンクの製造工程の説明図。 ヒートシンクの製造工程の説明図。 変形例の貫通孔18の図2に対応する拡大断面図。
図1は、ピンフィンを有するヒートシンクを製造するための鍛造型10を示している。なお、ピンフィンは、ヒートシンクの基部から柱状に伸びるフィンである。鍛造型10は、パンチ12、ダイス14及び受圧型16を有している。パンチ12、ダイス14及び受圧型16は、それぞれ、金属製の型である。ダイス14は、受圧型16上に固定されている。ダイス14の下面14bの全体が、受圧型16の上面に接している。ダイス14の上面14aは平坦な平面である。ダイス14には、上面14aから下面14bまでダイス14を貫通する複数の貫通孔18が設けられている。上面14aの中央部(貫通孔18が設けられている範囲の上面14a)と貫通孔18が、ヒートシンクのピンフィンを成形するための成形部14cである。図示していないが、各貫通孔18は、上から見たときに、円形または多角形の断面形状を有している。複数の貫通孔18のうち、成形部14cの最外周部に配置されている貫通孔18bは、その他の貫通孔18a(貫通孔18bよりも成形部14cの中央側に配置されている貫通孔)とは構造が部分的に異なる。図2は、図1の範囲X内の部分の拡大断面図である。図2に示すように、貫通孔18aの内周面とダイス14の上面14aとの境界に位置する肩部19aの表面には、凹凸が設けられている。肩部19aの凹凸は、フライス等による切削により設けられた比較的大きい凹凸であってもよいし、ショットピーニング等により設けられた微小な凹凸であってもよい。これに対し、貫通孔18bの内周面とダイス14の上面14aとの境界に位置する肩部19bは、表面が滑らかである。肩部19bには、凹凸が設けられていない。貫通孔18aと貫通孔18bのその他の構造は互いに等しい。
図1に示すように、パンチ12は、ダイス14から間隔を開けてダイス14の上方に配置されている。パンチ12の下面12aは、ヒートシンクの金属材料をプレスするための面である。下面12aは、平坦な平面である。パンチ12は、図示しない駆動装置によって、ダイス14に対して進退動することができる。
次に、鍛造型10を用いたヒートシンクの製造方法について説明する。まず、図3に示すように、ダイス14の上面14aの中央部(すなわち、成形部14c)上に、板状の金属材料20を載置する。金属材料20によって全ての貫通孔18が覆われる。
次に、冷間鍛造によって金属材料20を加工する。より詳細には、図4に示すように、常温下で、パンチ12をダイス14に向かって下降させる。パンチ12の下面12aを金属材料20の上面に接触させ、パンチ12によって金属材料20をダイス14に向けてプレスする。これによって、金属材料20を塑性変形させる。このとき、図4において実線矢印で示すように、金属材料20の一部が各貫通孔18内に流入する。金属材料20のうちの各貫通孔18内に流入した部分が、ピンフィン20aとなる。金属材料20のうちの各貫通孔18内に流入しなかった部分が板状の基部20bとなる。このように、鍛造型10によって金属材料20を塑性変形させることで、基部20bから伸びる複数のピンフィン20aを有するヒートシンクが製造される。
金属材料20をプレスするときに、金属材料20の外周部では、図4において破線矢印で示すように、金属材料20がさらに外周側に向かって流動する。このように、金属材料20の外周部では金属材料20が外周側に向かって流れるため、最も外周側の貫通孔18b内の金属材料20に加わる圧力が、中央側の貫通孔18a内の金属材料に加わる圧力よりも小さくなる。他方、上述したように、貫通孔18aの肩部19aには凹凸が形成されているが、貫通孔18bの肩部19bの表面は滑らかである。このため、貫通孔18a内に金属材料が流入するときの抵抗は、貫通孔18b内に金属材料が流入するときの抵抗よりも大きい。大きい圧力が加わる貫通孔18aでは抵抗が大きく、相対的に小さい圧力が加わる貫通孔18bでは抵抗が小さい。このため、貫通孔18a内に流入する金属材料20の量と、貫通孔18b内に流入する金属材料20の量が略等しくなる。その結果、図4に示すように、貫通孔18a内のピンフィン20aの長さと、貫通孔18b内のピンフィン20aの長さとが略等しくなる。このように、この製造方法によれば、中央側に位置するピンフィン20aと外周側に位置するピンフィン20aの長さを均一化することができる。
以上に説明したように、本実施形態の製造方法によれば、簡単な構造の鍛造型10によって、ピンフィン20aの長さが均一なヒートシンクを製造することができる。特許文献1のような背圧ピンを設けないので、ダイス14の下面14bの略全体を受圧型16に接触させることができ、ダイス14に加わる圧力を受圧型16の広い面で受けることができる。したがって、鍛造型10の強度が高く、鍛造型10を長寿命化することができる。
また、プレス前の金属材料の一部に厚みが厚い部分(肉厚部)を設けることで、プレス時の金属材料中の圧力分布を調整し、ピンフィンの長さを均一化することも可能である。しかしながら、この技術では、プレス前に金属材料に肉厚部を設ける加工が必要である。これに対し、本実施形態の製造方法によれば、平板状の金属材料20からヒートシンクを製造することができる。プレス前に肉厚部を設ける加工が不要であるので、効率的にヒートシンクを製造することが可能となる。
また、プレス時に金属材料の一部を逃がすことで金属材料中の圧力分布を調整し、ピンフィンの長さを均一化することも可能である。しかしながら、この技術では、プレス時に逃がした部分の金属材料を、プレス後に切削等によって除去する必要がある。これに対し、本実施例の製造方法では、プレス時に金属材料20の一部を逃がさず、金属材料20の略全体がヒートシンクとなる。材料歩留まりが向上するとともに追加的な切削工程も不要となる。したがって、効率的にヒートシンクを製造することが可能となる。
なお、上述した実施形態では、図2のように中央側の貫通孔18aの肩部19aに凹凸を設けることで貫通孔18aの抵抗を高くした。しかしながら、図5に示すように、貫通孔18aの肩部19aの面取量を、貫通孔18bの肩部19bの面取量よりも小さくしてもよい。金属材料20は、変形が進むほど硬化して変形し難くなるという特性を有する。図5の貫通孔18aのように肩部19aの面取量が小さいと、肩部19aの近傍で金属材料20が局所的に変形(流動)するため、肩部19aの近傍で金属材料20が硬化が促進される。その結果、貫通孔18aへの金属材料20の流入抵抗が高くなる。他方、肩部19bの面取量が大きいので、貫通孔18bへの金属材料20の流入抵抗が小さくなる。したがって、図5の構造でも、貫通孔18aの抵抗を貫通孔18bの抵抗よりも大きくすることができる。なお、この場合、貫通孔18aの肩部19aに凹凸が設けられていなくてもよい。また、図2、図5以外の構造により、貫通孔18aの抵抗が貫通孔18bの抵抗よりも高くなっていてもよい。
また、上述した実施形態では、最も外周側の貫通孔18bの抵抗が低かった。しかしながら、外周側の複数列の貫通孔(例えば、最も外周側の貫通孔と、最も外周側から2番目の貫通孔)の抵抗が、それらの貫通孔よりも中央側の貫通孔の抵抗よりも低くなっていてもよい。
以上、実施形態について詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独あるいは各種の組み合わせによって技術有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの1つの目的を達成すること自体で技術有用性を持つものである。
10 :鍛造型
12 :パンチ
14 :ダイス
14c :成形部
16 :受圧型
18 :貫通孔
20 :金属材料
20a :ピンフィン
20b :基部

Claims (1)

  1. 複数のピンフィンを有するヒートシンクを鍛造型を用いて製造する方法であって、
    前記鍛造型が、複数の孔が設けられた成形部を有しており、
    前記方法が、金属材料を前記成形部に向けてプレスすることで、前記金属材料の一部を前記複数の孔の内部に流入させる工程を有し、
    前記成形部の中央側に位置する前記孔では、前記成形部の外周側に位置する前記孔よりも、前記金属材料の流入抵抗が高い、
    製造方法。
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