JP4270982B2 - ホイールディスクの製造方法 - Google Patents

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本発明は、ホイールリムと接合されてホイールを形成するホイールディスクの製造方法に関するものである。
例えば、自動車用ホイールとして、ホイールリムの所定接合部位の内周面に、ホイールディスクに形成されたフランジ部を内嵌して溶接してなる、いわゆる2ピースタイプのホイールが良く知られている。この2ピースタイプのホイールにあって、ホイールディスクの製造工程としては、所定の平板形状の板状基材をプレス加工することにより形成する方法がある。この製造方法では、一般的に、中央領域に凹部を形成してなる受け皿形状とした後、ハブ孔を設けるハブ取付部と、該ハブ取付部から半径方向外側からディスク表面方向に隆起し、かつ飾り孔を設ける隆起部とを具備するディスク主板部を形成する。その後、このディスク主板部の周方に連成された延出部を、ディスク軸方向とほぼ平行となるように折り曲げてフランジ部を形成する。このように、ホイールディスクは、ディスク主板部を成形する絞り加工工程と、フランジ部を成形するフランジ形成工程とにより成形される。
ここで、ホイールディスクにあっては、ほぼ均一な板厚の板状基材から成形されるものであり、プレス加工により部分的に延伸又は収縮して厚肉化又は薄肉化される。このため、ホイールの強度又は耐久性に大きく影響する特定部位が、所定の肉厚を有することとなるように、このホイールディスクを成形する板状基材の板厚が設定されるようになっている。
ところで、自動車用ホイールは、自動車を構成する各種部品にあって、最も重要な保安部品の一つであることから、様々な規格が存在し、該規格を満足する要求性能が求められている。このような要求性能として、自動車に装着された場合における耐久性能を確認する、回転曲げ耐久試験(試験方法JIS D 4103)及び半径方向負荷耐久試験(試験方法JIS D 4103)があり、これら耐久試験を所定レベル以上で満足することが必要とされる。ここで、回転曲げ耐久試験は、一定速度で回転するホイールのハブ取付面に曲げモーメントを与える試験であることから、ハブ取付面で破壊が発生し易い。そのため、このハブ取付面が充分な強度を発揮できる肉厚となるように、板状基材の板厚を決定することとしている。
ところが、この板厚の板状基材から成形されたホイールディスクにあって、例えばフランジ部は、必要以上の厚肉形状となっている。このような厚肉形状は、ホイールを重量増加させている要因であることから、自動車の走安性や燃費等の性能にとって好ましくない。このため、フランジ部を薄肉化する加工を行うようにした製造方法が種々提案されている。このフランジ部を薄肉加工する方法として、該フランジ部の内側を内型ダイスにより支持し、外側を円環形状のパンチによりディスク表面側から背面方向にしごき加工して、延伸及び薄肉化する方法が一般的である。このしごき加工によりフランジ部を延伸及び薄肉化されることから、予め板状基材の原単位を縮小することができ、ホイールディスクの軽量化が図れる。
その他の加工方法として、ディスク主板部を絞り加工する工程にあって、フランジ部を成形する延出部に予め鋸波状の部分を成形し、ここを延伸することにより薄肉化する方法も提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2003−117624号公報
ところで、上述したフランジ部を薄肉化するしごき加工にあって、該フランジ部では、板厚方向で内側に比して外側の変形量が大きくなる、いわゆる剪断変形を生じている。ここで、このしごき加工の、一回の加工量を大きくすると、フランジ部の外表面にひびや割れ等を生じることがある。このため、しごき加工により延伸して薄肉化する薄肉化量は、一回のしごき加工で、加工前の板厚に比して30%を越えないようにすることことが好ましい。さらに、前記ひびや割れ等の不具合の発生率や、加工時の稼働率等を考慮すると、生産工程上にあっては、この薄肉化量が20%を越えないようにすることが、適正にフランジ部を形成する望ましい加工条件であると言える。また、このしごき加工を複数回行うことにより、累積の薄肉化量を大きくすることも可能であるが、累積した変形量が大きくなると、ひびや割れ等の不具合が生じ易くなる。このため、しごき加工を複数回行うようにした場合にあっても、適正なフランジ部を成形するには、当初の板厚の30%を越えないようにすることが好ましい加工条件である。
一方、自動車用ホイールを軽量化するため、ホイールリムも薄肉化されている。ホイールリムは、ホイールディスクに比して薄肉化し易く、上述した半径方向負荷耐久試験により変形を生じない程度の板厚となるように設定することが可能である。したがって、上述したホイールディスクに比して、約30%〜50%程度薄肉の板状材料から成形されている場合が一般的である。このため、上述のように薄肉化する加工をしていないフランジ部に比して、該フランジ部が接合する所定接合部位は、30%〜50%薄肉形状となっている。このように互いに板厚の異なるフランジ部と所定接合部位とを隅肉溶接により接合したホイールにあっては、自動車の走行中に作用する種々の応力により、薄肉である所定接合部位に応力集中が発生し易く、所定接合部位が破壊の基点となり得る。このような応力集中を回避するためには、ホイールリムの所定接合部位とフランジ部との板厚をほぼ同じ厚さとすることにより、ホイール耐久性を充分に発揮させることが可能となる。しかしながら、上述のように、フランジ部をしごき加工によって30%を越えて薄肉化することはひびや割れ等を生じる可能性があることから、両者を同じ板厚とすることができていなかった。このため、ホイールリムの所定接合部位に、該所定接合部位に比して厚肉形状のフランジ部が接合されており、ホイールの耐久性が充分に発揮されていなかった。
さらに、上述したように、フランジ部をしごき加工する場合にあって、材料組成の偏在化や、加工時に生じるずれ等によって、部分的に変形量の多寡が生じ、加工後のフランジ部の周端面が、周方向に沿ってうねったような不均一な形状となり易い。特に、しごき加工の一回の加工量を大きく設定すると、顕著となる。このような不均一な形状のフランジ部を隅肉溶接した場合には、周方向に均等に接合力を発揮させることができないことから、応力集中を生じやすく、充分な耐久性を発揮できないことともなり得る。
本発明は、上述した問題を解決し、しごき加工により、フランジ部をホイールリムの所定接合部位とほぼ同等の板厚に成形可能とするようにしたホイールディスクの製造方法を提案することを目的とするものである。
本発明は、上述したように絞り加工工程とフランジ形成工程とを備えるホイールディスクの製造方法において、
前記フランジ形成工程が、
ホイールリムの所定接合部位に内嵌するフランジ完成外径に比して径大な屈曲外周面を形成するように、ディスク背面側に配する第一の内型ダイスと、該屈曲外周面の周径に合致した環状加工部を備える外型パンチとにより、延出部を折り曲げ加工し、かつ外型パンチの環状加工部によりしごき加工を行い、該延出部に比して延伸及び薄肉化された屈曲周部を形成する屈曲加工工程を行った後、
該屈曲加工工程の第一の内型ダイスに比して径小な内側支持周面を備えた第二の内型ダイスと、フランジ完成外径にほぼ合致した環状しごき部を備えるしごきパンチとにより、前記屈曲周部を、第二の内型ダイスの内側支持周面に倣うようにして、延伸及び薄肉化するしごき加工工程を行うとともに、
屈曲加工工程及びしごき加工工程のいずれにあっても、夫々の工程でのしごき加工後の板厚に合致する環幅からなる環状保持リングを、内型ダイスの、しごき加工による延伸位置に周設して、該しごき加工を行うことにより、延伸されてなる周端面を周方向に沿って平面形状とするようにした
ことを特徴とする。
ここで、フランジ部が接合する、ホイールリムの所定接合部位としては、ビードシート部の内周面やドロップ部の内周面等がある。また、環状加工部及び環状しごき部にあっては、延出部や屈曲周部に直接加工接触する部分であり、パンチの加工進行方向の内側周縁に形成されている構成や、パンチの内周面から内側に突成するように形成されている構成等とすることができる。また、フランジ完成外径にほぼ合致した、しごきパンチの環状しごき部としては、しごき加工によって形成されるフランジ部が所望の外径となるように形成されているものである。したがって、例えば、しごき加工後にスプリングバック現象によって、環状しごき部の加工径よりも拡径する場合には、この拡径した後にフランジ部が完成径となるように、該環状しごき部の加工径が設定されることも含む。
かかる製造方法にあっては、屈曲加工工程により、所望のフランジ部形状に比して、外径と内径とを夫々に径大とする屈曲周部を形成した後、該屈曲加工工程の第一の内型ダイスより径小の第二の内型ダイスと、フランジ完成外径に成形するしごきパンチとによって、この屈曲周部をしごき加工することにより所望のフランジ部を形成するようにしている。このしごき加工工程では、屈曲周部の内周面と第二の内型ダイスとの間に所定の隙間が存在することとなるから、しごきパンチが屈曲周部を外側からしごき加工するに従って、該屈曲周部が、第二の内型ダイスの内側支持内周面に倣うようにして、延伸及び薄肉化することとなる。このため、このしごき加工にあっては、屈曲周部が内型ダイスによって内側の変形を妨げられないことから、板厚方向の外側、内側共に延伸変形することとなり得る。この延伸変形では、上述した従来のしごき加工のように、板厚方向で生じる剪断変形が抑制されることとなる。したがって、かかる本発明のしごき加工工程では、屈曲周部を比較的大きく変形させても、割れやひび等が発生し難く、上述した従来のしごき加工に比して、延伸変形量と薄肉化量とをそれぞれ増大させることが可能である。尚、ここで、延伸変形量と薄肉化量とを増大することは、薄肉化を進行することである。例えば、生産工程上にあっても、板状基材の板厚に比して約30%〜60%薄肉化と、この薄肉化に伴う延伸変形とを、適正に行うことができる。而して、かかるフランジ部成形工程によれば、従来の製造方法に比して、板状基材の原単位をさらに縮小し、製造費用を低減することができると共に、一層軽量化されたホイールディスクを適正に成形することが可能である。
また、本発明のフランジ形成工程にあっては、上述のように、屈曲周部の内周面を第二の内型ダイスによって変形を妨げないようにしたしごき加工であるから、この内型ダイスやしごきパンチに、加工時に作用する負荷力も低減されることとなる。したがって、これらダイスやパンチ等の加工治具の寿命を延ばすことができ、該加工治具の修正加工や新規制作にかかる費用を縮小でき、ホイールディスクの製造費用を低減できるという優れた利点も生じる。
上述した屈曲加工工程にあっては、延出部を折り曲げ加工すると共に、外型パンチの環状加工部によりしごき加工を行い、該延出部に比して延伸及び薄肉化された屈曲周部を形成するようにした製造方法としている。かかる製造方法にあっては、屈曲加工工程に用いる第一の内型ダイスと外型パンチとにより、折り曲げ加工と共にしごき加工を行うようにしたものである。このように屈曲加工工程でしごき加工を行うことにより、次のしごき加工工程による変形量を少なくすることもできるから、一度に大きく変形させることがなく、割れやひび等の不具合の発生する可能性を一層低下させることができる。
また、上述したフランジ形成工程が、しごき加工を複数回行うようにすると共に、各しごき加工の、内型ダイス及びしごきパンチを、前工程に比して径小な内側支持周面及び環状しごき部を備えるものとした製造方法が提案される。かかる製造方法にあっては、上述したように、屈曲周部の内側を拘束することなく、板厚方向で内側、外側共に変形させるしごき加工を複数回行うものであり、各しごき加工による変形量を累積してなる総変形量を一層大きくすることが可能である。また、各しごき加工毎の変形量を比較的小さくすることにより、各しごき加工による屈曲周部や加工治具に作用する負荷力を小さくできるから、延伸及び薄肉化を一層適正かつ容易に行うことが可能である。また、複数回に分割してしごき加工を行うことにより、フランジ部の軸方向長や板厚を適切かつ容易に制御することも可能である。尚、ここで各しごき加工は、加工順序に従って、順に径小となる内側支持周面を備えた第二の内型ダイスを夫々に用いる。また、しごきパンチにあっても、順に径小とする環状しごき部を備えたものと用い、最後のしごき加工に、フランジ完成外径に合致する環状しごき部を備えるしごきパンチを用いるようにする。
このようなフランジ形成工程が、フランジ部の板厚を、ホイールリムの所定接合部位の板厚とほぼ同等になるように成形した製造方法が提案される。これは、上述したように、フランジ部と、該フランジ部が接合するホイールリムの所定接合部位との板厚をほぼ同じ厚さとすることにより、走行中にホイールに作用する力によって、いずれか一方に応力集中することを防ぎ、該フランジ部及び所定接合部位の耐久性を向上させるようにしたものである。一般的に、ホイールディスクを形成する板状基材の板厚は、ホイールリムの板厚に比して約30%〜60%厚肉となっている。したがって、上述した本発明のしごき加工によって、ホイールリムの板厚と同等となるように約30%〜60%薄肉化してなるフランジ部を、適正かつ容易に形成する。
一方、屈曲加工工程、及びしごき加工工程のいずれにあっても、しごき加工後の板厚に合致する環幅からなる環状保持リングを、しごき加工による延伸位置に配して該しごき加工を行うことにより、延伸される周端面を周方向に沿って略均一な平面形状とするようにしている。ここで、一般的に、しごき加工では、材料組織の偏在化やパンチ及びダイス等の加工治具による負荷力の微小な偏り等によって、延伸及び薄肉化量が部分的に変化し易い。そのため、しごき加工による延伸端の周端面は、変化量の多寡によって、延伸方向にうねったような形状になり得る。このような形状の周端面を隅肉溶接すると、周方向で溶接強度が異なることとなり、ホイールの耐久性や走安性が充分に発揮できないことともなり得る。このため、かかる製造方法にあっては、しごき加工によって延伸する周端面を、環状保持リングによって、周方向に沿って均一な平面形状になるように形成したものである。これにより、フランジ形成工程により形成されるフランジ部は、周端面がほぼ均一な平面形状となり、周方向にほぼ均一な強度を充分発揮し得る隅肉溶接を行うことが可能である。尚、この環状保持リングは、しごき加工時に、当該しごき加工により延伸される変形量を考慮して配置する必要があり、変形量が異なると配する位置も異なることとなる。この環状保持リングは、屈曲加工工程でしごき加工する場合や、しごき加工工程のいずれにも用いることができ、好ましくは、全てのしごき加工時に使用することが良い。また、環状保持リングは、内型ダイスと別個のものとすることや、内型ダイスの所定位置に一体的に形成されてなるものとすることのいずれとしても良い。
また、上述した板状基材が、円盤形状であるとした製造方法が提案される。このように、円盤形状の板状基材を、絞り加工工程やフランジ形成工程によりプレス加工することによって、周方向に亘ってほぼ等しく変形させることができる。このため、局部的な偏肉化を防ぐことができ、周方向でほぼ均一な形状のホイールディスクを比較的容易に成形することが可能である。また、絞り加工工程によって形成される、ディスク主板部の周方に連成された延出部が、周方向に亘って均一な形状となるから、上述した屈曲加工工程及びしごき加工工程によって、周方向に亘って一層均一に延伸及び薄肉化してなるフランジ部を適正かつ容易に成形できる。
本発明のホイールディスクの製造方法は、フランジ完成外径に比して径大な屈曲外周面を形成するように、ディスク背面側に配する第一の内型ダイスと、該屈曲外周面の周径に合致した環状加工部を備えた外型パンチとにより、屈曲周部を形成する屈曲加工工程を行った後、該第一の内型ダイスに比して径小な内側支持周面を備えた第二の内型ダイスと、フランジ完成外径にほぼ合致した環状しごき部を備えたしごきパンチとにより、前記屈曲周部を、第二の内型ダイスの内側支持周面に倣うようにして、延伸及び薄肉化するしごき加工工程を行うことによって、フランジ部を形成するフランジ部形成工程を行うようにしたから、しごき加工工程では、屈曲周部が板厚方向の外側、内側共に延伸変形することとなり、上述した従来のしごき加工に比して、割れやひび等の不具合を生じることなく、延伸変形量と薄肉化量とを増大させることができる。而して、本発明の製造方法によれば、従来に比して、板状基材の原単位をさらに縮小し、製造費用を低減することができると共に、一層軽量化されてなるホイールディスクを適正に成形することが可能である。一方、本発明のしごき加工工程にあっては、該加工時に加工治具に作用する負荷力が低減されることとなり、該加工治具の寿命を延ばすことができる。而して、加工治具に要する費用を縮小でき、製造費用を低減することも可能である。
また、上述した屈曲加工工程で、延出部を折り曲げ加工すると共に、外型パンチの環状加工部によりしごき加工を行い、該延出部に比して延伸及び薄肉化された屈曲周部を形成するようにしているから、屈曲加工工程によりしごき加工を行うことにより、次のしごき加工工程による変形量を少なくすることができ、割れやひび等の不具合の発生する可能性を一層低下できる。
また、上述したフランジ形成工程が、しごき加工を複数回行うようにすると共に、各しごき加工の、内型ダイス及びしごきパンチを、前工程に比して径小な内側支持周面及び環状しごき部を備える製造方法とすることにより、各しごき加工による変形量を累積してなる総変形量を一層大きくすることができる。また、各しごき加工毎の変形量を比較的小さくし、屈曲周部や加工治具に作用する加工負荷を減少させることもできるため、当該しごき加工工程を一層適正かつ容易に行い得る。さらに、複数回に分割してしごき加工を行うことにより、フランジ部の軸方向長や板厚を適切かつ容易に制御できる。
このようなフランジ形成工程が、フランジ部の板厚を、ホイールリムの所定接合部位の板厚とほぼ同等になるように成形した製造方法にあっては、本発明のしごき加工により、所定接合部位とほぼ同じ板厚に薄肉化してなるフランジ部を適切かつ容易に形成でき、このフランジ部及び所定接合部位を接合してなるホイールの耐久性を向上させ得る。
一方、上述した屈曲加工工程、及びしごき加工工程のいずれにあっても、しごき加工後の板厚に合致する環幅からなる環状保持リングを、しごき加工による延伸下方に配して該しごき加工を行うことにより、延伸される周端面を周方向に沿って略均一な平面形状とするようにしているから、該環状保持リングによってかかる周端面を形成することにより、該フランジ部とホイールリムとを隅肉溶接した接合部が適正な接合強度を発揮できる。
また、上述した板状基材が、円盤形状であるとした製造方法にあっては、絞り加工工程やフランジ形成工程におけるプレス加工によって、周方向に亘ってほぼ等しく変形させることができるから、局部的な偏肉化を防ぐことができ、周方向でほぼ均一な形状のホイールディスクを比較的容易に成形することが可能である。そして、屈曲加工工程及びしごき加工工程によって、周方向に亘って一層均一に延伸及び薄肉化してなるフランジ部を適正かつ容易に成形できる。
本発明にかかる、自動車用のホイールディスク5の製造方法を添付図面に従って説明する。
図1は自動車用スチールホイール1の縦断面図である。この自動車用スチールホイール1は、ホイールリム2と、ハブ孔4をその中央に具備するホイールディスク5とからなる2ピースタイプのホイールである。ここで本実施形態例では、ホイールリム2及びホイールディスク5にスチール材を用いた、いわゆるスチールホイールとしている。かかる自動車用スチールホイール1は、ホイールリム2のドロップ部3の内周面に、ホイールディスク5のフランジ部11を内嵌させ、フランジ部11の周端縁12を隅肉溶接によりドロップ部3に接合することにより一体化される。この隅肉溶接には、アーク溶接、レーザー溶接等の公知技術を用いることができる。尚、隅肉溶接の代わりに、スポット溶接して接合することも可能である。
図2は、自動車用スチールホイール1のホイールディスク5の斜視図である。このホイールディスク5には、中央にハブ孔4を有すると共に、その半径方向外側に位置し周方向に互いに均等間隔で六個のボルト孔6が形成されている。そして、ホイールディスク5の背面の、このボルト孔6の半径方向外側に、自動車のハブと圧着するハブ取付面10が周成されている(図1参照)。このホイールディスク5にあって、ハブ孔4からハブ取付面10までがハブ取付部7である。さらに、このハブ取付部7の半径方向外側から、ディスク表面(意匠面)方向に向かって隆起する隆起部8が形成されている。そして、この隆起部8の外側傾斜面13に周方向に複数個の飾り孔9がほぼ均等間隔で形成されている。この隆起部8及び飾り孔9は、意匠性の向上、剛性の向上、軽量化、放熱性の向上等の役割を果たしている。尚、この隆起部8及び飾り孔9は、ホイールの種類により配設されないものもある。ここで、前記ハブ取付部7と隆起部8とからディスク主板部14が構成されている。さらに、このディスク主板部14の外周縁には、ホイール軸方向と略平行のフランジ部11が形成されている。ここで、本発明にあっては、後述するように、ホイールディスク5のフランジ部11は、ホイールリム2のドロップ部3と、ほぼ同等の板厚となるように薄肉化されている。
ここで、本実施形態例にあっては、自動車用スチールホイール1の一例として、リム径が15inchサイズのホイールを用いている。ここで、ホイールディスク5は、フランジ部11の外径(完成外径)Lが約340mmである。そして、後述する、ホイールディスク5を形成する板状基材30の板厚Tが約4.5mmである。また、ホイールリム2のドロップ部3の板厚が約2.7mmである。すなわち、フランジ部11は、本発明の製造方法によって板状基材30から約40%薄肉化されている。尚、板状基材30の板厚Tは、上述したホイールディスク5のハブ取付面10が、回転曲げ耐久試験(試験方法JIS D 4103)により充分な強度を発揮できるような厚さに成形されるように設定したものである。また、ホイールリム2のドロップ部3の板厚は、該ホイールリム2が、半径方向負荷耐久試験(試験方法JIS D 4103)により変形を生じない強度を発揮できる厚さとなるようにして設定している。
次に、本発明にかかるホイールディスク5の製造方法について説明する。
ホイールディスク5は、プレス機器によるプレス加工を主な加工工程としている。この加工工程としては、上述したディスク主板部14を成形する絞り加工工程、フランジ部11を成形するフランジ形成工程、ハブ孔4とボルト孔6と飾り孔9とを成形する孔開け加工工程、全体の形状を整えるコイニング工程から構成されている。ここで、フランジ形成工程が、本発明の要部である。
以下、工程順序に従って、順次詳細に説明する。
まず、図3に表す円盤形状の板状基材30を用意する。この板状基材30は、所定の略正方形状としたスチール製平板29から打抜き加工することにより、円盤形状に形成されている。そして、この板状基材30には、中心に略四角形のハブ基孔32を形成し、該ハブ基孔32がこれ以降の工程における基準位置となる。
上記の板状基材30から、図4の絞り加工工程により、ディスク主板部14を形成する。ここで、本実施形態例にあっては、絞り加工工程を三回の絞り加工により行う。第一の絞り加工では、上記の板状基材30(図4(イ))から、ハブ基孔32を中心とする円穴の凹部19を形成し、受皿状品31を得る(図4(ロ))。その後、第二の絞り加工により、ハブ基孔32を基準として、受皿状品31から、隆起部8、ハブ取付面10、ボルト孔周囲の形状等を形成し、ディスク状品33を得る(図4(ハ))。そして、このディスク状品33を再加工する第三の絞り加工により、形状の寸法精度を整え、ディスク状品34を形成する(図4(ニ))。このようにして、ハブ取付部7及びディスク主板部14の形状がほぼ形作られたディスク状品34を得る。尚、このディスク状品34にあっては、ディスク主板部14の周方に連成された延出部35を有している。この延出部35は、このような絞り加工工程にあって絞り加工されていないため、板状基材30の板厚からほぼ変化していない。
次に、本発明の要部にかかるフランジ形成工程を説明する。
フランジ形成工程にあっては、上述のディスク状品34の延出部35を、ディスク軸方向とほぼ平行に折り曲げる屈曲加工工程を行う。ここで、屈曲加工工程では、折り曲げ加工と共に、該折り曲げ加工により外周となる外側からしごき加工を実行する。次に、屈曲加工工程で形成した屈曲周部36(図5参照)を、しごき加工工程によりしごき加工して、所望のフランジ部11を形成するようにしている。
屈曲加工工程にあっては、図5(イ)のように、ディスク状品34のディスク主板部14を、その背面側から支持する第一の内型ダイス20と、表面側から支持するフロートダイ21とにより挟持する。ここで、第一の内型ダイス20とフロートダイ21とは、ディスク状品34の中央に形成されているハブ基孔32により、該ディスク状品34との相対位置を決めている。さらに、この内型ダイス20の、ディスク背面方向の下部に、この屈曲加工工程により形成される屈曲周部36の板厚Pと合致する環幅の環周面25を有する環状保持リング部24が形成されている。ここで、この環状保持リング部24は、屈曲加工工程のしごき加工による延伸変形量を予め算出して得た、屈曲周部36の周端が形成される所定位置に設けられている。そして、所定内径の環状加工部22を備えてなる外型パンチ23を、フロートダイ21の外周面に沿って、ディスク状品34の表面側から背面方向に向かって進行させる。これにより、延出部35を軸方向と略平行になるように折り曲げながら、その外側をしごき加工していき、図5(ロ)のように、屈曲周部36を形成する。ここで、この環状加工部22は曲面形状に形成されており、延出部35の外表面を傷付けることがないようにしている。また、屈曲周部36には、外型パンチ23の環状加工部22の加工内径Fと合致した周径の屈曲外周面37が形成されてなる。尚、この屈曲周部36の周端は、前記環状保持リング部24によって、しごき加工による延伸変形の終了位置が規定され、周方向に亘って平面形状となるような周端面(図示省略)に形成される。
この屈曲加工工程は、第一の内型ダイス20と外型パンチ23とにより、延出部35を折り曲げる屈曲加工としごき加工とを行い、所望のフランジ部11の完成外径Lに比して径大な屈曲外周面37を備えた屈曲周部36を形成する。本実施形態例にあっては、第一の内型ダイス20の内周支持面26のダイス外径Dを約337mmとし、外型パンチ23の環状加工部22の加工内径Fを約344.4mmとした。したがって、上述したフランジ部11の完成外径Lの約340mmに比して径大な屈曲外周面37を有する屈曲周部36が形成されている。ここで、屈曲周部36の板厚Pは、約3.7mmとなっており、板状基材30の板厚Tの約4.5mmから約18%薄肉化したこととなる。また、この屈曲加工工程では、延出部35を第一の内型ダイス20の内周支持面26に沿うように折り曲げながら、しごき加工していく工程であるから、内側が内周支持面26によってしごき加工による変形を妨げられる。このため、屈曲周部36は、内側に比して外側の変形量が大きい状態(いわゆる剪断変形状態)となっている。
さらに、このしごき加工によって、屈曲周部36は、約5mm延伸している。この延伸変形量及び、上記の薄肉化量は、第一の内型ダイス20の内周支持面26のダイス外径Dと、外型パンチ23の環状加工部22の加工内径Fとから決定される。そして、この延伸変形量に合致する位置に、上記した環状保持リング部24が設けられており、かかる屈曲加工工程を行うようにしている。
次に、しごき加工工程を行う。かかるしごき加工工程では、上述した第一の内型ダイス20に比して径小な内周支持面44を備えた第二の内型ダイス40と、フランジ部11の完成外径Lに合致した環状しごき部41を備えたしごきパンチ42とにより、屈曲加工工程で形成した屈曲周部36をしごき加工する。そして、このしごき加工により、所望のフランジ部11を成形する。ここで、環状しごき部41は曲面形状に形成されており、しごき加工によって屈曲周部36の外表面を傷つけないようにしている。このしごき加工工程にあっては、先ず、図6(イ)のように、ディスク主板部14を、ディスク背面側から第二の内型ダイス40により支持すると共に、ディスク表面側からフロートダイ43により支持することによって挟持する。ここで、屈曲周部36の内周面と、第二の内型ダイス40の内周支持面44との間に、周方向に亘って隙間が生じている(図7(イ)参照)。この隙間は、第一の内型ダイス20の内周支持面26のダイス外径Dと第二の内型ダイス40の内周支持面44のダイス外径Kとの差である。さらに、この内型ダイス40の、ディスク背面方向の下部に、フランジ部11の板厚Cに合致する環幅の環周面45を有する環状保持リング部46が形成されている。ここで、この環状保持リング部46は、上述の屈曲加工工程と同様に、しごき加工工程によるしごき加工の延伸変形量を予め算出して得た所定位置に設けられている。
そして、フロートダイ43の外周に沿って、ディスク表面側から背面方向に向かって、上記したしごきパンチ42を進出作動させる。このしごきパンチ42が、屈曲周部36を外側からしごき加工していくことにより、図7(イ)から図7(ロ)のように、該屈曲周部36が第二の内型ダイス40の内周支持面44に沿って倣うように変形すると共に、延伸及び薄肉化していく。このしごき加工の過程にあって、屈曲周部36は第二の内型ダイス40の内周支持面44に倣うまで変形を妨げられないことから、内側も充分に変形することとなる。したがって、このしごき加工工程のしごき加工は、板厚方向で内側、外側共に延伸変形させている。すなわち、内側に比して外側が大きく変形する剪断変形が比較的小さく、上述した屈曲加工工程により生じた剪断変形量を増大させない。このため、このしごき加工加工工程のしごき加工では、割れやひび等を発生させることなく、屈曲周部36の延伸及び薄肉化量を大きくすることができる。こうして、図6(ロ)のように、所望のフランジ部11が形成される。尚、しごき加工工程にあっても、このフランジ部11の周端縁12は、前記環状保持リング部46によって、しごき加工による延伸変形の終了位置が規定され、周方向に亘って平面形状となるような周端面38に形成される。
本実施形態例にあっては、第二の内型ダイス40の内周支持面44のダイス外径Kを約334.6mmとし、しごきパンチ42の環状しごき部41の内径を完成外径Lに合致する約340mmとした。このため、第二の内型ダイス40と、上記の第一の内型ダイス20のとの外径差が2.4mmであり、該第二の内型ダイス40の内周支持面44と屈曲周部36との間に約1.2mmの隙間が生じることとなっている。また、しごき加工により形成されたフランジ部11の板厚Cは、約2.7mmとなり、屈曲周部36の板厚Pの約3.7mmから約27%薄肉化したこととなる。したがって、このフランジ形成工程により、板状基材30の板厚Tの約4.5mmから、約40%薄肉化したこととなっている。そして、このフランジ部11の板厚Cが、ホイールリム2のドロップ部3の板厚とほぼ同じとなる。
さらに、このしごき加工工程により、屈曲周部36に比して約8mm延伸してなるフランジ部11を形成している。この延伸変形量及び、上記の薄肉化量は、第二の内型ダイス40の内周支持面44のダイス外径Kと、しごきパンチ42の環状しごき部41の内径(完成外径L)とから決定される。そして、この延伸変形量に合致する位置に、上記した環状保持リング部46が設けられており、かかるしごき加工工程を行うようにしている。このように、しごき加工工程は、上述した屈曲加工工程により延伸及び薄肉化した後でも、さらなる延伸及び薄肉化が可能である。したがって、本発明にかかるフランジ形成工程により、延出部35から約30%を越えるような薄肉化してなるフランジ部11を適正に成形することができる。
上述のように、フランジ形成工程によりフランジ部11を形成した後、孔開け加工工程(図示省略)により、ホイールディスク5のディスク主板部14に、ボルト孔6、ハブ孔4、飾り孔9を孔開け加工する。そして、コイニング工程(図示省略)によって、かかるホイールディスク5の、ディスク主板部14の形状を正確に整える。これにより、所望のホイールディスク5を得る。そして、図示しない製造工程により成形されたホイールリム2に、当該ホイールディスク5を嵌合し、フランジ部11をドロップ部3に溶接することにより自動車用スチールホイール1となる(図1参照)。
このように、本発明のホイールディスクの製造方法にあっては、屈曲加工工程により折り曲げ加工した後、該屈曲加工工程の第一の内型ダイス20よりも径小な第二の内型ダイス40としごきパンチ42とによってしごき加工するしごき加工工程により、延伸及び薄肉化してなるフランジ部11を形成するようにしたものである。このしごき加工工程では、屈曲周部36を板厚方向の内側、外側共に延伸することができるから、割れやひび等が生じることなく、延伸変形量と薄肉化量とを増大することが可能である。また、このようなしごき加工にあっては、延伸変形量を周方向に亘ってほぼ均一となるように制御し易いという優れた利点もある。而して、本発明にかかるフランジ形成工程により、生産工程上にあっても、板状基材30の板厚から、約30%を越える薄肉化してなるフランジ部11を、適正かつ容易に成形することができる。したがって、本実施形態例のように、フランジ部11を、ホイールリム2のドロップ部3とほぼ等しい板厚にすることもできる。これにより、この自動車用スチールホイール1は、自動車走行中等で生じる応力がフランジ部11及びドロップ部3の両者にほぼ同じように作用することとなり、当該ホイール1の耐久性を向上させ得る。尚、本製造方法により成形されたホイールディスク5は、ディスク主板部14が所望の板厚に形成してなるものであるから、自動車用スチールホイール1は、ディスク主板部14の板厚に大きく影響する回転曲げ耐久試験における耐久性を充分に満足できる。さらに、半径方向負荷耐久試験における耐久性も充分に満足できる。
また、本実施形態例にあっては、環状保持リング部24,46を配してしごき加工していることから、フランジ部11の周端面38を周方向に亘ってほぼ均一に平面形状とすることができ、ホイールリム2との隅肉溶接を適正に行うことが可能である。したがって、本自動車用スチールホイール1は、充分な接合強度により接合されてなり、ホイールの耐久性や走安性を適正に発揮することができる。尚、この環状保持リング部24、46は、第一の内型ダイス20、第二の内型ダイス40とそれぞれ別に形成されており、所定位置に配置されるようにした構成とすることもできる。
また、本発明の製造方法は、フランジ部11を延伸及び薄肉化して形成するものであるから、板状基材30の原単位を小さくすることができる。これにより、ホイールディスク5の軽量化と製造費用とを低減することができる。
さらに、本発明の製造方法にあっては、フランジ部11を、屈曲加工工程のしごき加工としごき加工工程との両方で延伸及び薄肉化するようにしたものであるから、加工時に、内型ダイスや外型パンチ及びしごきパンチ等の加工治具に作用する負荷力を低減することができ、これら加工治具の寿命を延ばすことが可能である。特に、しごき加工工程のしごき加工では、しごきパンチに作用する負荷力が、従来のように、屈曲周部36の内周面を内型ダイスにより支持した状態で加工した場合に比して、低下することとなる。このように、加工治具の寿命が延びることにより、治具の再加工や新規作成等に要する費用を削減できるから、ホイールディスクの製造費用を低減することが可能となる。
また、上述した実施形態例にあっては、円盤形状の板状基材30からホイールディスク5を成形するようにしたから、上述した絞り加工工程及びフランジ形成工程のプレス加工が、周方向に亘ってほぼ等しく変形させ易く、局部的な偏肉化を防ぐことができる。このため、周方向でほぼ均一な形状のホイールディスク5を比較的容易に成形することができる。また、ディスク主板部14の延出部35が、周方向に亘って、ほぼ均一な板厚と半径方向幅とに形成されることから、上述したフランジ形成工程により、周方向に亘って一層均一に延伸及び薄肉化してなるフランジ部11を成形できる。一方、この板状基材30に代わって、略正方形状の平板の、四つの角部を円弧状に打抜き加工してなる形状の板状基材から、本発明の製造方法に従ってホイールディスクを形成することも可能である。かかる板状基材から成形されたホイールディスクは、周方向にほぼ均等間隔で四箇所のアーチ状の周端縁が形成されてなるフランジ部を有することとなる。このようなフランジにあっても、上述した本亜発明のフランジ形成工程により、延伸及び薄肉化することができるから、上述した実施形態例とほぼ同じ作用効果を発揮するものとなり得る。
上述したように、本実施形態例にあっては、屈曲加工工程で折り曲げ加工としごき加工とを行うようにした製造方法であるが、その他の方法として、屈曲加工工程では折り曲げ加工のみを行い、しごき加工工程によってしごき加工を行うようにすることも可能である。これにより、フランジ部11は板厚方向で内側と外側の両方が延伸変形することとなるから、ひびや割れ等を一層生じにくく、変形量を大きく設定することが可能である。さらにまた、しごき加工工程を複数回に分割して行うようにして、延伸変形量や薄肉化量を一層大きくしたり、一層精度の高い板厚や長さに成形することもできる。ここで、複数回のしごき加工工程を行う場合には、内型ダイス及びしごきパンチを工程順に従って徐々に径小とし、最後のしごき加工により所望のフランジ部11を形成できるようにする。このような製造方法にあっても、上述した実施形態例とほぼ同じ作用効果を生じるホイールディスク5を成形することが可能である。
また、上述の実施形態例にあっては、フランジ部11を、ホイールリム2のドロップ部3と同じ板厚とするようにした製造方法であるが、これに限らず、ホイール用途に応じて、その必要性能を充足する所望の板厚に成形するように設定可能である。すなわち、本発明にかかるフランジ形成工程は、用途、形状、材質に応じた形状のフランジ部となるように、延伸及び薄肉化する変形量を適宜設定することができる。例えば、本実施形態例と同様の15inchサイズの自動車用スチールホイール1にあっても、ディスク形状や板状基材30の板厚などが異なる場合には、所望のフランジ部11となるように、異なる形状の各パンチやダイス等を用いて成形することができる。また、上述した、フランジ部11をドロップ部3に接合する自動車用スチールホイール1の他、ビードシート部にフランジ部を接合するホイールにあっても、該ビードシート部の板厚とほぼ同じ板厚となるように、該フランジ部を成形することができる。このように、ホイールリム2の所定接合部位に応じて、適切な形状のフランジ部を形成することが可能である。
本発明のホイールディスクの製造方法にあっては、上述した自動車用スチールホイール1だけでなく、プレス加工により成形する各種ホイールに適用可能である。例えば、アルミニウム合金板から成形されるアルミニウム製ホイールのホイールディスクを製造することもできる。また、自動車だけでなく、オートバイ等のホイールディスクを製造する場合にも用いられる。
自動車用スチールホイール1の縦断面図である。 ホイールディスク5の斜視図である。 本発明にかかる、円盤形状の板状基材30を表す平面図である。 ホイールディスク5を成形する、絞り加工工程の形態変化を表す説明図である。 本発明にかかる、フランジ形成工程の屈曲加工工程を表す説明図である。 本発明にかかる、フランジ形成工程のしごき加工工程を表す説明図である。 しごき加工工程における、屈曲周部36の変形態様を説明する詳細図である。
符号の説明
1 自動車用スチールホイール
2 ホイールリム
3 ドロップ部(所定接合部位)
5 ホイールディスク
7 ハブ取付部
10 ハブ取付面
11 フランジ部
14 ディスク主板部
20 第一の内型ダイス
22 環状加工部
23 外型パンチ
24 環状保持リング部(環状保持リング)
26 内周支持面
30 板状基材
35 延出部
36 屈曲周部
37 屈曲外周面
38 周端面
40 第二の内型ダイス
41 環状しごき部
42 しごきパンチ
44 内周支持面
46 環状保持リング部(環状保持リング)
L 完成外径(フランジ完成外径)

Claims (4)

  1. 板状基材から、中央にハブ孔を設けるハブ取付部、及び該ハブ取付部の半径方向外側にディスク表面方向に隆起し、複数の飾り孔を設ける隆起部を備えてなるディスク主板部を形成する絞り加工工程と、
    該ディスク主板部の周方に連成された延出部を、ホイール軸方向とほぼ平行となるように折り曲げ、フランジ部を形成するフランジ形成工程とを具備するホイールディスクの製造方法において、
    前記フランジ形成工程が、
    ホイールリムの所定接合部位に内嵌するフランジ完成外径に比して径大な屈曲外周面を形成するように、ディスク背面側に配する第一の内型ダイスと、該屈曲外周面の周径に合致した環状加工部を備える外型パンチとにより、延出部を折り曲げ加工し、かつ外型パンチの環状加工部によりしごき加工を行い、該延出部に比して延伸及び薄肉化された屈曲周部を形成する屈曲加工工程を行った後、
    該屈曲加工工程の第一の内型ダイスに比して径小な内側支持周面を備えた第二の内型ダイスと、フランジ完成外径にほぼ合致した環状しごき部を備えるしごきパンチとにより、前記屈曲周部を、第二の内型ダイスの内側支持周面に倣うようにして、延伸及び薄肉化するしごき加工工程を行うとともに、
    屈曲加工工程及びしごき加工工程のいずれにあっても、夫々の工程でのしごき加工後の板厚に合致する環幅からなる環状保持リングを、内型ダイスの、しごき加工による延伸位置に周設して、該しごき加工を行うことにより、延伸されてなる周端面を周方向に沿って平面形状とするようにした
    ことを特徴とするホイールディスクの製造方法。
  2. フランジ形成工程が、しごき加工工程を複数回行うようにすると共に、各しごき加工工程の内型ダイス及びしごきパンチを、前工程に比して径小な内側支持周面及び環状しごき部を備えるものとしたことを特徴とする請求項1に記載のホイールディスクの製造方法。
  3. フランジ形成工程が、フランジ部の板厚を、ホイールリムの所定接合部位の板厚とほぼ同じとするように成形したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のホイールディスクの製造方法。
  4. 板状基材が、円盤形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のホイールディスクの製造方法。
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