JP3884264B2 - 自動車用ホイールディスクの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用ホイールディスクの製造方法に係り、詳しくは、ホイールディスクの熱放射孔の孔開け加工に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用ホイールは、リムの内周面に形成されたドロップ部又はビードシート部に、ホイールディスクのフランジ部を溶接して構成される、いわゆる2ピースタイプのものが主流となっており、リムとホイールディスクとをそれぞれ成形した後、相互を溶接することにより製造されることが一般的である。この2ピースタイプの自動車用ホイールのホイールディスクは、中央にハブ孔が形成されたハブ取り付け部と、ハブ取り付け部の周縁に形成された、外方向へ隆起するハット部と、該ハット部の外側へホイール軸方向に対し傾斜して連成され、周方向に複数の熱放射孔(飾り孔)が形成された、凸形状を成す湾曲肩部と、該湾曲肩部の外側にホイール軸方向とほぼ平行に形成された、リムと嵌合するフランジ部とから成る。ここで、熱放射孔とは、自動車用ホイールの湾曲肩部に形成されて、ブレーキ等により発せられた熱をディスク外部に逃がす役割を有するものであると共に、ホイールの表面(以下、意匠面)形状を成すものであるから、ホイールの意匠性に対する大きな要素となっている。
【0003】
このホイールディスクの製造方法としては、略正方形の平板状材料を、その四角部を円弧状に切り落としてなる周端縁を有する板状基材を用いて成形する。まず、この板状基材をプレス機器等を用いて所定の金型により絞り加工して、ハブ取り付け部、ハット部、湾曲肩部等の形状を形成すると共に、ハブ孔、及びボルト孔を孔開け加工する。この絞り加工は、それら形状を精度良く形成するため、複数工程に分けている場合が多い。そして、リストライク工程により湾曲肩部の外側部分を折り曲げてフランジ部を形成する。その後、湾曲肩部に熱放射孔を孔開け加工することにより、所望のホイールディスクを得ていることが一般的であった。
【0004】
このようなホイールディスク製造方法にあって、熱放射孔を孔開け加工する際には、既にホイールディスクは所定の完成形状となっているから、熱放射孔を加工する湾曲肩部は、ホイール軸方向に対し傾斜している。このような湾曲肩部にホイール軸方向から熱放射孔開け加工すると、孔開けパンチが湾曲肩部に接する際に滑る等して、バリが発生したり、孔開けパンチやダイスが欠ける等を生じ易くなるから、適正な精度で加工することが難しい。また、その加工面が人間の視線方向(ホイールに対し斜め上方)からはっきりと見ることができるため、ホイールの意匠性が低下することになり得る。そのため、この湾曲肩部に孔開け加工するには、傾斜した湾曲肩部に対しほぼ垂直に孔開け用パンチ及びダイスを作用させることにより、適正な形状に加工していた。例えば、図7のように、孔開けパンチa及びダイスdを、湾曲肩部7に対しほぼ垂直になるように、ホイール軸方向に対し所定の角度で傾斜させて熱放射孔開け用金型に組み込むと共に、この孔開けパンチaを該傾斜角度に沿って作動をさせるため、プレス機器cの垂直方向作動を該傾斜角方向作動に変換するカムbを設けた金型、いわゆるカム式孔開け用金型を用いて熱放射孔9の孔開け加工を行うようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このカム式孔開け用金型は金型構造が複雑であるため、所望の精度を満足するには、その制作に多大な費用が必要となっていた。また、プレス機の垂直方向(ホイール軸方向)の動きをカムにより傾斜角度の動きに変換することによって、孔開け用パンチとダイスとが相互に干渉することにより損傷し易く、それら部品の寿命が短くなるため、金型のメンテナンスに多くの時間と費用とが必要となる等の問題が生じていた。さらには、熱放射孔開け加工工程は、このように特殊な金型を用いるため、ホイールディスクを成形する他の加工工程と同時に行うことが困難であり、製造工程の合理化を妨げる要因ともなっていた。
【0006】
そのため、この熱放射孔開け加工を垂直方向に沿って加工する、いわゆる垂直式孔開け成形方法が従来より検討されてきた。例えば、特開2000−225432公報に開示されているように、ホイールディスク成形工程にあって、板状基材から、ハブ取り付け部及びハット部を成形した後、湾曲肩部が成形される前の平面形状の所定部に、熱放射孔開け加工を実施する方法が提案されている。ところが、この方法では、熱放射孔を形成した後に所定の湾曲肩部を形成する絞り加工を行うため、その絞り加工により熱放射孔に部分的に応力集中が働き、孔形状が変形することとなりえ、ホイールの意匠性の低下等が考えられた。そのため、変形した熱放射孔を修正する新たな工程が必要となるから、ホイールディスク製造工程の合理化に限界が生じることとなっていた。
【0007】
本発明は、かかる問題を解決し得る熱放射孔の孔開け加工工程を備えた自動車用ホイールディスクの製造方法を提案することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するための本発明としては、自動車用ホイールディスクの製造方法にあって、前記湾曲肩部の凸頂点における接平面がホイール軸方向に対してほぼ直角となるように、湾曲肩部を形成する肩部前形成工程と、この凸頂点部位にホイール軸方向とほぼ平行に孔開け加工することにより所望の熱放射孔を形成する穿孔工程と、ハット部と湾曲肩部間を、湾曲肩部がハット部に対して所定完成角度となるように湾曲する湾曲工程とを順次実行する一連の工程を備えることを特徴とするものである。
【0009】
かかる製造方法にあっては、肩部前形成工程において、湾曲肩部の凸頂点における接平面がホイール軸方向に対してほぼ直角となるように湾曲肩部を形成することにより、凸頂点部位に施す熱放射孔の孔開け加工を、ホイール軸方向とほぼ平行に行うことが可能となる。そのため、孔開け加工用のパンチの作動方向を、プレス機器の垂直方向(ホイール軸方向)とする、いわゆる垂直式孔開け成形方法を行うことが可能となるから、熱放射孔開け用金型の構造を、従来のカム式孔成形用金型に比して簡単にすることができる。これにより、この熱放射孔開け用金型は、ホイールディスクの形状を形成する絞り加工用金型と合体型にすることが可能となるから、この熱放射孔の孔開け加工を行う穿孔工程を、ホイールディスク形状を形成する加工工程と同時に行うことができるようになるため、ホイールディスクの製造工程を合理化することができ得る。尚、湾曲肩部の凸頂点における接平面とホイール軸方向とによりほぼ直角に形成される角度は、90±10度の範囲を好ましく用い得る。
【0010】
このような本発明にかかる製造方法にあっては、湾曲肩部を所望の凸形状に形成する肩部前形成工程の後に、穿孔工程によって熱放射孔を形成し、その後、湾曲工程によってこの湾曲肩部を所定完成角度となる傾斜面とするものである。そのため、熱放射孔を形成した後に湾曲肩部の形状を変形させることがないから、穿孔工程で形成した熱放射孔が他の加工工程により変形することがない。従って、穿孔工程で熱放射孔を精度良く形成すれば、別途修正加工をするような工程を設ける必要もなく、意匠性に優れ、かつ、所望の熱放熱性を有するホイールディスクを得ることができ、上述した垂直式孔開け成形によって得られる製造工程の合理化を一層進めることができるという優れた利点を有する。
【0011】
また、このような垂直式孔開け成形する垂直式孔成形用金型は、カム式孔成形用金型のように孔開け用パンチ及びダイスの作動方向を変換するような機構を必要としないから、孔開け用パンチ及びダイスを精度良く作動させることができるため、これら部品の疲労寿命を向上させることができ得る。さらに、金型の構造が比較的簡単なものとなるから、金型の製造費用を低減できると共に、メンテナンス性も向上する。このように、金型に関する製造費用や、設備維持費用等を低減することができるという優れた効果もある。
【0012】
本発明の製造方法では、肩部前形成工程の後に穿孔工程を行うから、様々な湾曲形状を有する湾曲肩部に対しても、適正な熱放射孔を形成することが可能である。また、穿孔工程後に湾曲工程を行うことにより、湾曲肩部がホイール軸方向に対してどのような完成角度を有するホイールディスクに対しても適用することができ得る。
【0013】
ここで、上記の肩部前形成工程と穿孔工程とを、ホイールディスクのハブ取り付け部及びハット部等を形成する絞り加工工程で行うようにしたことが提案される。一般的にハブ取り付け面、ハット部、湾曲肩部等の形状は、所定の金型を用いて絞り加工することにより形成される。尚、この絞り加工を複数回に分けて行うことにより、ホイールディスク形状の寸法精度を向上させている。ここで、熱放射孔開け加工に使用する垂直式孔成形金型は、上述したようにその構造が簡単であるから、他の工程に用いられる金型と合体型を形成することが比較的容易にできる。而るに、肩部成形工程を実行するための金型と、垂直式孔成形金型とを、絞り加工工程のいずれか加工工程の金型と夫々合体型とし、肩部前形成工程と穿孔工程とを絞り加工工程で同時に行うことにより、ホイールディスクの製造工程を大幅に削減することができる。さらには、合体型の金型を使用することにより、金型のメンテナンス等にかかる設備維持費用を低減できるという効果も生じる。
【0014】
さらに、湾曲工程を、フランジ部をホイール軸方向に対してほぼ平行となるように折曲げ加工するリストライク工程で行うことも提案される。ここで、リストライク工程にあって、ホイールディスクを保持するための冶具に、ハット部と湾曲肩部間を所定完成角度となるように湾曲加工させるための金型を用いるようにすれば、湾曲工程をリストライク工程と同時に行うことができる。これにより、ホイールディスクの製造工程を一層削減できる。また、湾曲工程用の金型と、リストライク工程用の金型とを合体型とすることにより、金型のメンテナンス等にかかる設備維持費用を低減でき得る。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を添付図面に従って説明する。
図1は自動車用スチールホイールAの縦断面図である。この自動車用スチールホイールAは、リム1と、ハブ孔3をその中央に具備するホイールディスク5とからなる。かかる自動車用スチールホイールAは、リム1のドロップ部2の内周面に、ホイールディスク5のディスクフランジ部11を内嵌させて、一体化される。さらに嵌合されたリム1とホイールディスク5は、隅肉溶接又はスポット溶接により接合される。尚、隅肉溶接には、アーク溶接、レーザー溶接等の公知技術を用いることができる。
【0016】
図2は、自動車用スチールホイールAのホイールディスク5の斜視図である。このホイールディスク5には、その周端縁にハブ孔フランジ部4が形成されたハブ孔3を中央に有し、その半径方向外側に位置し周方向に互いに均等間隔で五個のボルト孔6が形成されたハブ取り付け部10と、ハブ取り付け部10の周縁に外方向に隆起したハット部8と、このハット部8の外側へホイール軸方向に対し傾斜して連成され、周方向に16個の熱放射孔9が形成された、凸形状を成す湾曲肩部7と、この湾曲肩部7の外側にホイール軸方向とほぼ平行に形成されたフランジ部11とが備えられている。このハット部8及び熱放射孔9は、意匠性の向上、剛性の向上、軽量化、放熱性の向上等の役割を果たしている。尚、このボルト孔6及び飾り孔9は、自動車の種類によって、その個数が異なる場合もある。
【0017】
次に本発明の要部にかかるホイールディスク5の成形工程について、図3〜図6に従って説明する。
ホイールディスク5は、所定の略正方形状とした平板の合金鋼の四つの角部を、外側方向に凸形状となる円弧状に形成した板状基材Bを加工することにより成形される。板状基材Bを、プレス機器によって絞り加工によりホイールディスク5の形状を成形した後リストライク工程を行って、所望のホイールディスク5を得る。ここで、絞り加工は三回の工程に分けて実行される。尚、プレス機器による絞り加工を行う圧力負荷方向(垂直方向)は、ホイール軸方向とほぼ平行となるようにしている。以下各工程を詳細に説明する。
【0018】
第一の絞り加工工程について説明する。
図3(a)のように、上面が平面である環状の絞りダイス30の上に板状基材Bを置き、板状基材Bの上部側から、環状の皺押さえブロック32を押し当て、絞りダイス30と共に板状基材Bを挟圧する。そして、図3(b)のように絞りパンチ31を板状基材Bに押し圧することにより、板状基材Bを受け皿状品Cに成形する。同時に、次からの工程での材料の位置基準とする四角形のハブ基孔13が、板状基材Bを変形を支持する座面ブロック33の中央に設けられた孔開けパンチ34により形成される。尚、絞りパンチ31の中央部分には、孔開けパンチ34のダイスとなる、中心に四角形の穴が設けられた孔開けダイス35が配設されている。
【0019】
次に第二絞り加工工程について説明する。
図4(a)のように、上記第一絞り工程で成形した受け皿状品Cを、ハブ基孔13が下ディスク型41に設けられたロケーションピン42に挿入されて配置される。その後、図4(b)のように、上ディスク型40を、ロケーションピン42をガイドとして、受け皿基材Cを押し圧成形し、所望の形状のディスク状品Dを形成する。この第二絞り工程では、ハブ取り付け部10及びハット部8を形成すると共に、湾曲肩部7の凸頂点部位12における接平面がホイール軸方向に対してほぼ直角となるように湾曲肩部7を形成する。すなわち、第二絞り加工工程で、肩部前形成工程が実行される。これにより、湾曲肩部7の凸頂点部位12に熱放射孔9を形成するための孔開け加工を、ホイール軸方向(垂直方向)で行うことができるようになった。ここで、湾曲肩部7の凸頂点部位12における接平面とホイール軸方向とが形成する角度は、ホイール裏面方向から83度〜90度の範囲を好適として用いている。
【0020】
次に第三絞り加工工程について説明する。
図5(a)のように、上記第二絞り加工工程で成形したディスク状品Dを、上型であるパンチホルダー50と、下型であるダイスホルダー51により絞り加工することにより、ホイールディスク5の形状の寸法精度を整える。このパンチホルダー50には、熱放射孔9を孔開け加工する熱放射孔抜きパンチ52と、ハブ孔3を孔開け加工するハブ孔抜きパンチ53と、ボルト孔6を孔開け加工するボルト孔抜きパンチ54とが垂直方向、すなわちホイール軸方向とほぼ平行に設けられている。また、ダイスホルダー51には、前記各孔抜きパンチと共に、所定の孔開け加工を行うと共に、スクラップ(孔材)を排出する熱放射孔抜きダイス55と、ハブ孔抜きダイス56と、ボルト孔抜きダイス57とが垂直方向に配設されている。そして、図5(b)のように、ディスク状品Dをパンチホルダー50とダイスホルダー51で挟圧した状態で、各孔抜きパンチで孔開け加工を行い、所定の熱放射孔9、ハブ孔3、ボルト孔6を形成する。このように第三絞り加工工程により、ホイールディスク5の寸法精度を整えると共に、ハブ孔3、ボルト孔6、及び熱放射孔9と形成する。すなわち、第三絞り工程で、穿孔工程が実行される。このように、熱放射孔抜きパンチ52を垂直方向に作動させることにより、熱放射孔9の孔開け加工をするから、バリや割れ等の不具合が生じない適正な熱放射孔9を得ることができ得る。
【0021】
次に、リストライク工程について説明する。
図6(a)のように、上述のような三回の各絞り工程で形成したホイールディスク5を、上方からフロートダイ60と、下方から絞りパンチ61とに押し圧加工することにより、ハット部と湾曲肩部間を、湾曲肩部がハット部に対して所定完成角度となるように湾曲させる。その後、図6(b)のように、フロートダイ60と絞りパンチ61とで挟圧した状態で、フランジ絞りリング62により、ホイールディスク5の周縁部を折り曲げ加工して、ホイール軸方向とほぼ平行となるディスクフランジ部11を形成すると共に、ハブ孔絞りパンチ63によりハブ孔周端縁をホイール軸方向とほぼ平行となるように折り曲げ加工して、ハブ孔フランジ部4を形成する。このようにリストライク工程によって、ハット部と湾曲肩部間が所定完成角度となるように成形すると共に、ディスクフランジ部11及びハブ孔フランジ部4を形成する。すなわち、リストライク工程で、湾曲工程が実行される。ここで、湾曲工程では、湾曲肩部7の形状を変形させることがないため、第三絞り加工工程で形成した熱放射孔9が形状変化することはない。
【0022】
その後、意匠面等に表面仕上げ加工を施す。こうして、所望のホイールディスク5を得る。このような一連の成形工程により、自動車用ホイールディスクが製造される。
【0023】
このように、湾曲肩部7に熱放射孔9を形成する孔開け加工を、熱放射孔抜きパンチ52と熱放射孔抜きダイス55とを垂直方向(ホイール軸方向とほぼ平行)に作動させることにより行い得るから、この孔開け加工工程を、絞り成形加工と同時に実行できるため、ホイールディスク5の製造工程を削減することでき得る。また、このような製造工程に要する垂直式孔成形用金型は、従来のカム式孔成形用金型のように、加工に要する力の方向を変化させる必要がないため、その構造が比較的簡単なものとなる。そのため、高い精度を有する金型を製造することが容易であり、かつ、その精度を比較的容易に維持することができるから、金型の製造費用と、メンテナンス等の設備維持管理費用とを低減することができるという優れた利点がある。さらに、高精度の金型を使用することにより、孔開け不良等の不具合が発生することを防止することができるという効果もある。
【0024】
【発明の効果】
上述した本発明の自動車用ホイールディスクの製造方法は、湾曲肩部の凸頂点における接平面がホイール軸方向に対してほぼ直角となるように、湾曲肩部を形成する肩部前形成工程の後に、この凸頂点部位に熱放射孔をホイール軸方向に対してほぼ平行に孔開け加工する穿孔工程を行うようにしたから、孔開け加工用のパンチの作動方向がプレス機器の垂直方向(ホイール軸方向)となるため、熱放射孔開け用金型の構造を簡単にでき、絞り加工用金型と合体型にすることが可能となる。これにより、この熱放射孔の孔開け加工を、ホイールディスク形状を形成する加工工程と同時に行うことができ得るため、ホイールディスクの製造工程を合理化することができるという優れた効果が生じる。さらには、熱放射孔を形成する穿孔工程の後に、湾曲工程によって湾曲肩部を所定完成角度となる傾斜面とするから、穿孔工程で形成した熱放射孔が他の加工工程により変形することがないため、別途修正加工をするような工程を設ける必要もない。而して、ホイールディスクの製造工程を一層効率的に合理化することができるという優れた利点を生じる。
【0025】
また、このような熱放射孔開け用金型の構造が簡単になることにより、孔開け用パンチやダイス等の部品の疲労寿命を向上させることができ得ると共に、金型に関する製造費用や、設備維持費用等を低減することができるという優れた効果もある。
【0026】
肩部前形成工程と穿孔工程とを、ホイールディスクのハブ取り付け部及びハット部等を形成する絞り加工工程で行うことにより、ホイールディスクの製造工程を削減することができる。また、肩部成形工程を実行するための金型と、垂直式孔成形金型とを、絞り加工工程のいずれかの金型と夫々合体型とすることにより、金型のメンテナンス等にかかる設備維持費用を低減することができる。
【0027】
さらに、湾曲工程を、フランジ部をホイール軸方向に対してほぼ平行となるように折曲げ加工するリストライク工程で行うことにより、ホイールディスクの製造工程を一層削減できる。また、湾曲工程用の金型と、リストライク工程用の金型とを合体型とすることにより、金型のメンテナンス等にかかる設備維持費用を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車用スチールホイールAの縦断面図である。
【図2】ディスク5の斜視図である。
【図3】第一絞り加工工程を示す工程図である。
【図4】第二絞り加工工程を示す工程図である。
【図5】第三絞り加工工程を示す工程図である。
【図6】リストライク工程を示す工程図である。
【図7】従来の熱放射孔9の加工を表す成形図である。
【符号の説明】
A 自動車用スチールホイール
B 板状基材
1 リム
5 ホイールディスク
7 湾曲肩部
8 ハット部
9 熱放射孔
12 凸頂点部位
52 熱放射孔抜きパンチ
55 熱放射孔抜きダイス
Claims (3)
- 中央にハブ孔が形成されたハブ取り付け部と、
ハブ取り付け部の周縁に形成された、外方向へ隆起するハット部と、
該ハット部の外側へホイール軸方向に対し傾斜して連成され、周方向に複数の熱放射孔が形成された、凸形状を成す湾曲肩部と、
該湾曲肩部の外側にホイール軸方向とほぼ平行に形成された、リムと嵌合するフランジ部
とを備えた自動車用ホイールディスクの製造方法において、
前記湾曲肩部の凸頂点における接平面がホイール軸方向に対してほぼ直角となるように、湾曲肩部を形成する肩部前形成工程と、この凸頂点部位にホイール軸方向とほぼ平行に孔開け加工することにより所望の熱放射孔を形成する穿孔工程と、ハット部と湾曲肩部間を、湾曲肩部がハット部に対して所定完成角度となるように湾曲する湾曲工程とを順次実行する一連の工程を備えることを特徴とする自動車用ホイールディスクの製造方法。 - 肩部前形成工程と、穿孔工程とを、ホイールディスクのハブ取り付け部及びハット部を形成する絞り加工工程で行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載の自動車用ホイールディスクの製造方法。
- 湾曲工程を、フランジ部をホイール軸方向に対してほぼ平行となるように折曲げ加工するリストライク工程で行うようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動車用ホイールディスクの製造方法。
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