JP5383362B2 - 金属部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属部材の製造方法に関する。特に、振動波駆動装置用の振動体またはギヤ部材等の複数の突起部を備えた金属部材の製造方法に関する。
突起部を複数配列した金属部材として、特許文献1に示すような振動波駆動装置用の振動体がある。この振動体は円環状または円板状であって、その一方の面(上面)側には多数のくし歯状突起部が設けられており、反対面(下面)側はくし歯のない基底部があり、その面(下面)にはリング状の圧電素子が接合される。このタイプの振動体は、円板状のフライスカッターや砥石工具を用いて多数の放射状の溝を切る方法(切削加工又は研削加工)又は、鍛造加工を用いる方法により多数の突起部を形成している。なお、前記くし歯状突起部の役割は、振動体の振動を摩擦力により移動体に伝達して移動体を回転させる際の振動変位を大きくするためである。用途によっては、振動体の中心に出力軸を貫通させるための孔が設けられることもある。
一方、複数の突起部を備えた金属部材の他の例としては、特許文献2に示すような歯車がある。複数の突起部としての歯部を有する歯車(例えば、かさ歯車(ベベルギヤ))は、そこに軸を通すために芯抜きをした孔部を持つ。このような歯車も、切削加工又は研削加工を用いることにより歯部を形成する場合と、プレス装置を用いて鍛造加工により歯部を形成する場合がある。
特開平07−135785号公報 特開2001−205385号公報
切削加工や研削加工を用いる方法に比べて、鍛造加工を用いる方法は加工処理を簡素化できるため、低コストな加工方法である。
鍛造加工により多数の突起部を形成する為には、パイプまたは丸棒を輪切りにした円環あるいは円板の被加工物を用意し、この被加工物を直接プレス加工することにより前記突起部を形成することが考えられる。図6は、鍛造加工により被加工物に突起部を形成する様子を説明するための模式図である。図6(a)は断面図であり、図6(b)は斜視図である。図6に示すように円板状の被加工物111を用いて、固定用の金型(雌型)の外枠であるダイリング123の内径部に被加工物111を挿入して、直接、突起部を成形する。
しかし、この方法には以下に述べる課題がある。加圧用の金型(雄型)であるポンチ122が前記被加工物111に接した瞬間、雌型の金型に加わる応力が瞬間的に増大するため、雌型が破損しやすい。また、加圧と同時にポンチ122と雌型に挟まれた被加工物111の厚さを減少させるための力が金型に付与されるので、成形のために必要な総荷重が大きくなる。この点でも金型は破損しやすい。特に、凹凸が形成されたダイ124のうち、円板状の被加工物の外周下面に溝(突起部間の溝)を形成するための薄肉部124aに特に応力が集中する。溝の幅を狭くするほど、薄肉部124aは薄くなるので強度が低下してしまい、鍛造加工時に、薄肉部は破損する可能性が高まる。そのため、この薄肉部124aの強度を保つために、突起部間の溝の幅をある程度広くせざるを得ず、歯車や振動体の突起部の周方向の幅に制約が設けられていた。
そこで、本発明では、金属製の被加工物に対して、複数の突起部を任意の幅で容易に成形可能であって、且つ、成形時の金型の負担を低減することを目的とする。
本発明の金属部材の製造方法は、複数の突起部を有する金属部材の製造方法であって、金属製の板部材に、前記板部材の表面と垂直な方向の成分を有する荷重を加えてカップ状部材を作製する工程と、前記カップ状部材に、前記カップ状部材の底部の表面と垂直な方向の成分を有する荷重を加えて、金型により前記カップ状部材の開口端部に前記複数の突起部を形成する工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、複数の突起部を備えた金属部材を形成する際に、切削加工や研削加工を必要とせず、突起部形成の際の金型にかかる負荷を軽減することが可能となる。また、成形品の突起部間の溝を任意の幅で形成することが可能となる。
第1の実施形態におけるカップ状部材を作製する様子を示す模式図 第1の実施形態における突起部を形成する様子を示す模式図 第2の実施形態におけるカップ状部材を示す模式図 第2の実施形態における予備成形品を作製する様子を示す模式図 第2の実施形態における最終成形する様子を示す模式図 従来の鍛造成形を示す模式図
以下、図面を参照して本発明の例示的な実施の形態について詳細に説明する。本発明に用いられる金属部材としては、振動変位拡大用の突起部を備えた振動波駆動装置用の振動体や、出力伝達用の歯部を備えた歯車等が挙げられる。
(実施形態1)
本実施形態では、同一方向に突出する複数の突起部を備えた金属部材として、表面に振動拡大用の突起部が形成された振動波駆動装置用の振動体を例にあげて、その製造方法の説明を行う。振動波駆動装置とは、電気−機械エネルギー変換素子の1つである圧電素子を備えた振動体を有し、圧電素子に交番信号を供給することで振動体の表面に進行波を発生させ、この進行波を利用して振動体に接触する移動体を駆動するものである。
図1(a)に示すように、本実施形態ではまずプレス加工により打抜いた板部材であるステンレス(SUS420J2)の円板11−1を、絞り成形用の金型の位置決め板26の内径部に設置する。この板部材としては、ステンレスの他にも、SPC材、低合金鋼、高合金鋼、あるいは非鉄金属合金等からなる金属製の板部材が挙げられる。絞り成形用の金型は、雄型であるポンチ22と雌型とからなる。雌型は、凹部が形成されたダイ24と、ダイ24の保持部である外枠としてのダイリング23と、成形品を雌型から離型するためのノックアウト25と、位置決め板26とを備える。
図1(b)のように、ポンチ22を押し下げて、面外方向の成分(板部材の表面と垂直な方向の成分)を有する荷重を加える絞り成形を行うことにより、図1(c)に示すようなカップ状部材11−2を成形する。本発明においてカップ状部材とは、底部52と底部の外周に形成された側面53を有する容器状の形を示し、底部52には孔や凹みが形成されていてもよい。カップ状部材は、図1(c)に示すように、開口端部51の径方向の幅が最終的な成形品の突起部(図2(d)で示す55)の径方向の幅よりも小さく、側面53が最終的な成形品の突起部の高さ(径方向と垂直な方向の長さ)よりも高く形成するとよい。詳細は後述するが、このように成形することにより、側面53の高さが減じる過程で開口端部51の径方向の幅も同時に増大するため後工程の突起部を形成する際の金型にかかる負荷が低減される。また、突起部の体積の確保にも繋がる。
さらに、側面53を底部52に対して外側に広がる斜面となるように、つまり、カップ状部材の開口端部51の外径をカップ状部材の底部52の外径よりも大きく成形することで、後工程の突起部を形成する工程において、成形荷重が軽減されるため好ましい。これは、図2(b)のように、カップ状部材は成形過程で外側に広がるように変形するため、薄肉部34aの高さ方向にかかる荷重が低減するためである。
次に、このカップ状部材11−2を軟化させるため、例えば750℃で焼きなまし熱処理を施す。この熱処理は、後工程の突起を形成する鍛造加工において成形荷重を低下させ、塑性変形しやすいようにするためである。絞り加工の程度によっては、材料の加工硬化が余り進まずに変形抵抗もさほど増大せずに済むため、焼きなまし熱処理を省略できる場合もある。その後、カップ状部材11−2の表面に潤滑処理を施すと良い。潤滑処理としては、例えば二硫化モリブデンを主成分とする潤滑剤を塗布する。
図2(a)はカップ状部材11−2を突起部成形用の金型に投入して位置決めした状態を示している。この突起形成用の金型は、ダイリング33とダイ34及びノックアウト35とを備える雌型と、雄型であるポンチ32と、から成る。ダイ34にはカップ状部材が挿入される溝が円周上に形成され、この円周上の溝の中に、周方向に等間隔に配置された薄肉部34aが設けられている。この溝の内周壁は斜面になっており、溝の底部に近づくほど外周壁と内周壁とが接近して径方向における溝の幅が狭くなっている。この様な溝にすることにより、図2(a)(b)から分かるように、ポンチの下降と共に、カップ状部材の開口端部は外側に広がりやすく、内周壁が斜面となっていると、塑性流動を阻害しにくいため好ましい。塑性流動を阻害しにくい金型形状にすることで、金型破損及び成形品の欠陥(クラック、折れこみ等)が生じる可能性が低減される。
カップ状部材はダイリング33の内径部で位置決めされ、その開口端部は突起部間の溝を成形するための薄肉部34a(ダイ34の一部)の上端に接して配置される。
図2(b)はポンチ32の下降とともにカップ状部材の底部と垂直な方向の成分を有する荷重が加わり、カップ状部材が変形していく途中の様子を示している。この段階では、ポンチ32及び薄肉部34aに加わる荷重は比較的小さいが、それでもカップ状部材の形状が全体的に変形して11−3で示すように圧縮されていくと共に、カップ状部材11−3の開口端部には突起部が形成し始めている。そして、ポンチ32の下降とともに徐々に荷重が増大し、図2(c)に示すように下死点において全体の成形が終了し、図2(d)に示すような最終的な成形品11−4が得られる。
この鍛造加工による圧縮成形により、カップ状部材の開口端部51には突起部55が形成され、この突起部55の径方向における幅はカップ状部材の開口端部の幅より増大する。また、最終的な成形品の底部54の厚さはカップ状部材の底部52の厚さより薄くなる。このように、本実施の形態では、成形過程で金型各部、特に薄肉部34aに加わる応力は徐々に増加し、且つ、薄肉部に加わる周方向の力が小さいので、薄肉部34aの破損の可能性が低下する。また、カップ状部材の底部を薄くしていくことにより生じる余肉は外周側の突起部に逃がす(突起部形成用に用いられる)ので、ダイやノックアウトへの負荷も軽減し、変形や破損の可能性が低減される。カップ状部材の側面及び、突起部の形状は、鍛造加工にて突起部の径方向における幅、すなわち板厚を増大させるように変形させることができれば本実施形態で示した形状に限られない。例えば、突起部を内周側だけでなく、外周側も傾斜させたり、或いは一律な幅にしても構わない。
さらに、本実施形態では、被加工物である板部材として、ダイ34の溝における径方向の幅(つまり成形品の突起部の径方向の幅)よりも薄い板部材を用いることができるので、コストも低減する。以下にその理由を説明する。
図6に示す従来の方法では、被加工物の円板を作るには切削加工ではなくバンドソーを用いて丸棒を輪切りすることになるが、被加工物の厚さにバラツキが大きく、両面の平行度が良好とは言えなかった。さらに輪切りした面にはソーマークがあり表面粗さが大きかった。そのため成形品の部分的厚さにバラツキを生じ、特に個々の突起部高さにバラツキを生じやすかった。その上、成形された端面には前記被加工物のソーマークが残存し、それを除去するために研削加工などが必要であった。一方、上述したように、本実施形態では、被加工物として図1(a)に示す円板11−1のように、直径が最終的な成形品である振動体の直径より大きく、円板11−1の厚さは振動体の突起部の厚さより薄い板部材を用いることができる。よって、丸棒などと比較すると安価な圧延板を用いることができるので、両面の平行度や素材粗さも改善され、コストも低減することが可能となる。また、板部材の厚さが薄いので、底部を所定の厚さ(高さ)にする際の板厚の変化が少ないため、加工硬化が余り進行せず、底部の厚さを減じるために必要な応力も小さくなり、ダイやノックアウトの変形及び破損がさらに生じにくくなる。
また、本実施形態により作製される振動体は、振動エネルギーを確保するために振動体の突起部の質量を確保するとともに、薄肉部の周方向の幅を薄くすることができるため、隣接する突起部との間に形成される溝の幅をなるべく狭くすることが可能となる。つまり、突起部の周方向の幅を広くすることができ、移動体と接触する突起部の耐磨耗性を向上させることが可能となる。
さらに、振動波駆動装置において、圧縮成形により突起部の周方向の幅を増大させることは、耐磨耗性を向上させるだけでなく、不要振動の抑制という点でも効果を有する。これは、突起部自身の固有振動周波数が高くなるため、突起部自身に起因する不要振動が生じにくくなるためである。
本発明において、板部材に、板部材の表面と垂直な方向の成分を有する荷重を加えてカップ状部材に成形する方法としては、絞り成形に限らず、板部材を3次元的に変形させる方法であればよく、バーリング加工、張出し成形加工(エンボス加工)、あるいは皿押し出し加工(すりばち状成形)等を用いてもよい。
カップ状部材に、カップ状部材の底部の表面と垂直な方向の成分を有する荷重を加えて突起部を形成する方法としては、冷間鍛造加工に限らず、熱間鍛造、温間鍛造、あるいは、圧造加工にて板部材を成形しても構わない。
また、本実施形態を用いて、ステンレス(SUS420J2)からなる、外径48mm、底部の厚さ2.5mm、突起部の径方向の幅5mm、突起部の高さ4.5mmの振動体を作製した。突起部形成用に用いた金型は、ダイの薄肉部の周方向における幅(最も薄い部分)は0.6mm、高さ4.5mmである。このような振動体を作製する際、図6に示すような従来の方法で作製しようとすると3t以上の荷重を要し、薄肉部に瞬間的に大きな圧力がかかるため、破損する可能性が高かった。しかしながら、本実施形態の方法を用いて突起部を作成すると、薄肉部に瞬間的な荷重がかからず、また、総荷重も小さくなるため、成形時の金型の負担が低減される。
(実施形態2)
次に、実施形態2における振動体の突起部の成形方法について説明を行う。本実施形態では、カップ状部材の底部の中心に孔を設けた点と、カップ状部材を作製する工程と最終的な成形品を作製する工程との間にカップ状部材に予備成形を行う工程を有する点が実施形態2と異なる。
図3は絞り成形を終えたカップ状部材41−1を示している。このカップ状部材は、底部52の中心に円形孔41−1aがプレス打抜きにより開けられており、それ以外は実施形態1のカップ状部材と同様である。円形孔は、カップ状部材に成形する前の板部材の段階で開けてもよく、カップ状部材に成形する際、または成形した後に開けても良い。この円形孔は次の成形工程で中心位置を定めるためのものである。よって、このような貫通孔でなく凹みであってもよい。
図4(a)はカップ状部材にカップ状部材の底部52の表面と垂直な方向の成分を有する荷重を加えて突起部を成形する様子を示している。カップ状部材の円形孔はポンチ42の先端部にある位置決め用凸部42aにかん合して、カップ状部材41−1の中心と金型の中心が一致するようにしている。これにより、カップ状部材が圧縮される途中で偏心するのを防止している。カップ状部材の開口端部51はダイリング43の内径部で拘束される上、カップ状部材の底部52すなわちポンチ42と接触する部分が、図4(a)において底部の面と平行な方向にずれないように固定することができる。
このように円形孔を設けて中心位置を拘束した理由は、カップ状部材41−1の形状精度やその塑性変形特性の均一性に関係している。絞り加工ではその成形品の形状精度は材料自体の塑性変形能に着目すると、その異方性の程度によって影響されることが多い。異方性は材料によって結晶方位などとの関係で集合組織が異なることから生じる。例えば、圧延方向とそれと直交する方向とでは、伸び、加工硬化係数、弾性限界値及びヤング率の各特性が異なる。その結果、ランクフォード値(板材の異方性を表す特性値)やスプリングバック量(曲げた加工後、反力によってわずかに加工前の状態に戻る量)にも差異が生じてしまう。異方性が強く存在する板部材を絞り成形すると、カップ状部材の開口端部51には耳と呼ばれるうねりが出来る可能性がある。また、そのようなカップ状部材の開口部51は真円度が良好となりにくい。
そこで、本実施形態では異方性の強い材料であっても対応できるようにしている。すなわち、本実施形態では、カップ状部材に前記したように中心位置を拘束する孔等の手段を設ける。これにより変形途中において放射方向の変形が均等化する。その結果、圧縮されて出来る成形品の周方向の厚さバラツキが低減される。
図4(b)はカップ状部材が圧縮された状態41−2を示している。この成形工程は予備成形工程であり、最終的な成形品の形状にはせず、図4(c)に示すような突起部の低い、つまり突起部間の溝は浅い状態の予備成形品41−2にとどめている。このように予備成形すると、最終的な突起部を成形する場合、薄肉部に側力がほとんど生じないため、破損の可能性をより低減することができる。これは、ドリルで孔あけする場合に予め孔あけする位置にすり鉢状の凹みを設けておくと、ドリルの先端位置が固定されドリルが曲がって破損することを防止できることに似ている。予め溝を設ける位置に浅い溝を設けておけば、それがガイドになって最終的な深い溝すなわち高い突起部を容易に成形できる。
また、この予備成形品は最終的な突起部を成形する前に、中間熱処理(焼きなまし処理)しておくことが望ましい。この熱処理により、予備成形品が軟化し、全伸び量も増大するので、最終工程での変形抵抗が小さくなる。その結果、最終工程で用いる金型への負担や焼き付きの危険性を低減させる他、成形品自体の割れ発生の可能性も低減させることが出来る。再結晶化が進むことで前記した異方性による弊害が低減するという効果もある。
また、この突起部の体積が小さい(突起部間の溝が浅い)予備成形品41−2には新たに潤滑処理を施すことが望ましい。最終的な成形工程で金型への応力負担、特に薄肉部での焼付きが低減するからである。潤滑処理としては、例えば二硫化モリブデンを主成分とする潤滑剤を塗布する。
図5(a)は予備成形品を最終的な振動体の形状に成形する金型にセットした状態を示している。この時、予備成形品の突起部間の溝の周方向における幅は、それに対応する薄肉部44aの先端部における周方向の幅よりも広くしておく方が好ましい。このように予備成形品を成形することで、予備成形品41−2の突起部間の溝部とダイ44の薄肉部44aの周方向の位置合わせが容易になる。さらに、予備成形用の金型の薄肉部を厚くすることができ、破損しにくくなるという効果もある。
図5(b)は前記予備成形品41−2を最終的な形状の成形品41−3まで押しつぶした状態を示している。この時、予備成形品の中心部にあった円形孔41−2aは、図5(c)に示す最終成形品の孔41−3aとなり、円形孔41−2aより直径が小さくなっている。
以上説明したように、本実施形態では、カップ状部材の底部の中心に円形孔41−2aを設け、最終的な突起部を形成する工程の前に予備成形工程を設ける。円形孔を設けることにより、中心位置を拘束し、成形品の周方向の幅のバラツキを低減することができる。また、最終成形工程においても、この円形孔が存在することにより、面外方向の成分を有する荷重を加えた場合に円形孔の部分に余肉が逃げ、金型に過大な応力が加わることが防止される。また、予備成形工程を設けることにより、最終的な突起部を成形する際に、薄肉部に側力がほとんど生じないため、破損の可能性をさらに低減することができる。
また、各実施形態においては、振動体における振動拡大用の突起部を形成する例をあげて説明したが、本発明はこれに限られるものではない。つまり、同一方向に突出した複数の突起部を備える形状の金属加工物であれば、かさ歯車や、ハイポイド歯車等の類似する形状の部品に対しても上記成形方法が適用できる。
11−1 円板
11−2、41−1 カップ状部材
11−3 変形途中のカップ状部材
11−4 最終成形品
22、32、42、122 ポンチ
23、33、43、123 ダイリング
24、34、44、124 ダイ
25、35、45、125 ノックアウト
26 位置決め板
34a、44a、124a 薄肉部
41−1a、41−2a、41−3a 円形孔
41−2 予備成形品
41−3 最終成形品
111 被加工物(円板)
51 開口端部
52 カップ状部材の底部
53 側面
54 振動体の底部
55 突起部

Claims (9)

  1. 複数の突起部を有する金属部材の製造方法であって、
    金属製の板部材に、前記板部材の表面と垂直な方向の成分を有する荷重を加えてカップ状部材を作製する工程と、
    前記カップ状部材に、前記カップ状部材の底部の表面と垂直な方向の成分を有する荷重を加えて、金型により前記カップ状部材の開口端部に前記複数の突起部を形成する工程と、
    を有することを特徴とする金属部材の製造方法。
  2. 前記カップ状部材の開口端部の外径を前記カップ状部材の底部の外径よりも大きくなるように前記カップ状部材を作製することを特徴とする請求項1に記載の金属部材の製造方法。
  3. 前記カップ状部材を形成する工程と前記複数の突起部を形成する工程との間に、前記複数の突起部間の溝よりも浅い溝を予備成形する工程を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の金属部材の製造方法。
  4. 前記溝を予備成形する工程と前記複数の突起部を形成する工程との間に熱処理を行う工程を有することを特徴とする請求項3に記載の金属部材の製造方法。
  5. 前記カップ状部材の底部の中心に、孔もしくは凹みを設けることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の金属部材の製造方法。
  6. 前記突起部の径方向の幅よりも薄い厚さの板部材を用いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の金属部材の製造方法。
  7. 前記カップ状部材の開口端部の径方向の幅を、前記突起部の径方向の幅よりも薄くなるよう成形することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の金属部材の製造方法。
  8. 前記カップ状部材を作製する工程を、絞り加工、バーリング加工、張出し成形加工、及び皿押し加工のいずれかにて行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の金属部材の製造方法。
  9. 前記突起部を形成する工程を、鍛造加工又は圧造加工にて行うことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の金属部材の製造方法。
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