JPWO2007004478A1 - 生分解性ポリマー、その製造方法および成形物ならびに用途 - Google Patents

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Abstract

本発明の課題は、水溶性(吸湿性)がなく、成形加工が可能で、優れた水崩壊性および生分解性を有する新規生分解性ポリマー、その製造方法およびその成形物ならびに用途を提供することにある。本発明の生分解性ポリマーは、分子内に1つ以上のイミン結合を有する生分解性ポリマーであって、該イミン結合が該生分解性ポリマーの主鎖構造の一部を形成することを特徴とする。前記生分解性ポリマーは、生分解性部位と、1つ以上のイミン結合を有するイミン部位とを含有し、かつ、該生分解性部位間を該イミン部位によって連結した形の化学構造を含有することが好ましい。

Description

本発明は、新規な生分解性ポリマーに関するものである。詳しくは、空気中の水分や少量の水分に対しては崩壊することなく安定して使用することができ、大量の水と接触することによって、その形状が崩壊する特性を有する水崩壊型生分解性ポリマー、その製造方法およびその成形物ならびに用途に関する。
現在、生理用タンポン、ナプキン、ライナーおよび使い捨ておむつ等の衛生用品の素材としては、ポリエチレン(以下「PE」と略す。)やポリプロピレン(以下「PP」と略す。)などの熱可塑性樹脂、脱脂綿および紙が一般的に使用されている。その中でもPEやPPなどの熱可塑性樹脂は、自由度の高い成形加工性を有しているために多用されている。
しかしながら、このような樹脂を素材とする成形物は、水との接触によりその形状が容易に崩壊しないため、使用後はトイレに流すことができない。これは、これらの成形物をトイレに流すと、トイレ配管や下水処理システムに閉塞を引き起こするためである。したがって、使用者は、使用した衛生用品をトイレに備え付けたゴミ箱に捨てたり、外出時には、外出先や訪問先での後処理の心配や気遣いから持ち帰って捨てるといったような煩わしさを強いられる場合がある。そのため、上記衛生用品、特に生理用品や使い捨ておむつは、使用後はトイレットペーパーなどと同様にトイレに放流処理することができれば、より衛生的であり便利でもある。
このような背景から、衛生用品の素材として、使用時は体液などにより崩壊せず、使用後はトイレ等に放出して大量の水と接触することによって崩壊する(水崩壊性)材料の開発が強く望まれている。
一般に、生分解性を有しない高分子素材を自然界へ廃棄もしくは放流する場合、環境に与える負荷が増大することが指摘されている。したがって、トイレなどへ放流する材料としては、環境負荷を低減する観点から、生分解性を有する素材が好ましく、その開発が望まれている。
さらに、従来から衛生用品の素材として使用されている紙は、吸水性が高くまた天然素材であるためにトイレに流すことができるなどの利点を有しているが、熱可塑性樹脂のように自由度の高い成形加工性を有していないために、肌触りなどの触感や外観が悪い。そのため、触感や外観が重視される生理用品の表面部材としての使用は不向きである。このことから、衛生用品などの素材には触感や外観を良好にするために、成形加工性の賦与も望まれている。
以上のことから衛生用品などに使用される素材においては、以下の3つの特性を満たす素材の創出が求められている。
1.空気中の水分や少量の水分に対しては強度劣化せずに安定であり、大量の水との接触、特に中性条件下での接触により容易に形状が崩壊する水崩壊性、
2.地球環境に負荷を与えない生分解性、
3.肌触りなどの触感や外観を良好に維持するための成型加工性。
以上の問題点を解決する方法として、特許文献1にポリ(3−ヒドロキシ酪酸)が開示されている。この例示では、熱可塑性生分解性プラスチックを使用することにより、生分解性および成形加工性の問題は解決できているが、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)は水崩壊性を有していないので、水崩壊性の問題を解決できていない。
この問題を改善した例として、特許文献2に塩基性条件下でポリ(3−ヒドロキシ酪酸)を水崩壊させる方法が開示されている。この方法は強塩基性条件(pH12以上)でエステル結合を加水分解させて水崩壊させるものである。しかしながら、エステル結合の加水分解の反応速度が遅いため、充分な水崩壊性が得られておらず、水崩壊性の問題を充分に解決するに至っていない。
また、塩基性条件での水崩壊性を改良した例として、特許文献3に弱塩基性条件(pH10)で水崩壊性を示すカルボキシル基を有するアクリルポリマーが開示されている。このカルボキシル基を有するアクリルポリマーは中性条件では耐水性を示し、トイレなどの水に塩基を添加し弱塩基性にすることにより水崩壊性を示すが、このポリマーには生分解性がなく、環境負荷の問題が残っている。
次に中性条件で水崩壊する例として、ポリビニルアルコールやポリエチレングリコールなどの水溶性樹脂を使用した特許文献4および特許文献5などが公開されている。しかしながら、この例では材料に水溶性樹脂が含まれるため、経時的に吸湿し、使用前に湿潤して表面がべとべとになったり、カビが発生したりする使用上の問題がある。
また、特許文献6には、生分解性プラスチック20〜80重量%と水溶性熱可塑性樹脂80〜20%とを混合して得られる生分解性樹脂組成物が開示されている。この生分解性樹脂組成物は、水溶性熱可塑性樹脂が水に溶解あるいは膨潤することにより、生分解性樹脂組成物の成形物の形状が破断、場合によっては崩壊するものであるが、使用している生分解性プラスチック自身に水崩壊性がないため、十分な水崩壊性を得ることができていない。また、水溶性熱可塑性樹脂を使用しているため、経時的に吸湿し、使用前に湿潤して表面がべとべとになったり、カビが発生したりする使用上の問題も含んでいる。
上述した以外に水崩壊性を向上させる方策として、化学的に加水分解し易い、イミン結合やアセタール結合などの化学結合を利用する方法が考えられるが、これまでに前述した3つの要求特性を満足する素材は見出されていない。
例えば、イミン結合(アゾメチン結合とも呼ぶ)を有するポリマーとしては、高い耐熱性を有し、酸性水溶液中でのみ容易な分解性を示すポリフェニルアゾメチンや中性水溶液中では全く分解性を示さない環状イミン構造を有するポリマー(特許文献7)などが公知である。
さらに、特許文献8、非特許文献1および非特許文献2には、種々のアゾメチンポリマーが開示されている。これらの文献は、水に対する分解性については特に言及していないが、開示されているアゾメチンポリマーは全て生分解性を有していない。また、アセタール結合を有するポリマーとしては、代表的なエンジニヤリングプラスティックの一つであるポリオキシメチレンを挙げることができる。このポリマーは、これを構成するアセタール結合という不安定な化学構造からは予想できない、優れた耐熱性・耐水性・耐久性を有し、プラスチック製水道管などの素材として用いられている。
このように化学的に加水分解し易い化学結合で構成させている高分子であっても、その水崩壊性を予想することや論ずることは極めて困難である。また、通常の使用では崩壊することなく、大量の水との接触により崩壊する水崩壊性と生分解性をあわせもつ実用的材料は知られていない。
特開昭63−302845号公報 欧州特許第0142950号 特公平7−57230号公報 特開平5−29211号公報 特開平6−134910号公報 特開平6−299077号公報 特開2003−73470号公報 WO2004/003044号 J.MACROMOL.SCI.-CHEM., A1(7), 1161-1249(1967) CHEM. COMMUN., 1522-1524(2005)
生理衛生用品などに用いられる材料には、以下の4つの課題が挙げられる。
1.保管時に空気中の水分を吸湿してベトツキなどの原因となる水溶性(吸湿性)がないこと。
2.使用時は体液などにより崩壊することなく通常と全く同様に使用することができ、使用後はトイレなどに放出して大量の水と接触した後に、その形状が崩壊する水崩壊性を有すること。
3.トイレなどに放出処理した後、微生物などにより分解されて自然環境への影響を最小限にできる生分解性を有すること。
4.肌触りなど触感や外観を良好に維持できる成形加工性を有すること。
従来技術では、生理衛生用品等の材料として求められている上記4つの課題を満足するものがなかった。
そこで、本発明の課題は、水溶性(吸湿性)がなく、成形加工が可能で、優れた水崩壊性および生分解性を有する新規生分解性ポリマー、その製造方法およびその成形物ならびに用途を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討した。その結果、特定のイミン結合を有するイミン部位と特定の生分解性部位とを併せ持つ高分子材料が、通常の状態ではベトツキなどの水溶性(吸湿性)や形状崩壊性がなく、大量の水と接触して初めてその形状が容易に崩壊し、また酸性水と接触した場合にはその形状がより速く崩壊することを見出した。さらに、驚くべきことに生分解性も向上することを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は下記[1]〜[19]を提供するものである。
[1]分子内に1つ以上のイミン結合を有する生分解性ポリマーであって、該イミン結合が該生分解性ポリマーの主鎖構造の一部を形成することを特徴とする生分解性ポリマー。
[2]前記生分解性ポリマーが、生分解性部位と、1つ以上のイミン結合を有するイミン部位とを含有し、かつ、該生分解性部位間を該イミン部位によって連結した形の化学構造を含有することを特徴とする[1]に記載の生分解性ポリマー。
[3]前記生分解性部位が、ポリエステル類、オリゴエステル類、ポリ(アミド-エステル)類、オリゴ(アミド-エステル)類またはポリエーテル類であることを特徴とする[2]に記載の生分解性ポリマー。
[4]前記イミン部位が下記一般式(1)で表されるイミン部位であることを特徴とする[2]に記載の生分解性ポリマー。
Figure 2007004478
式中、R1〜R3は、それぞれ独立に炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Y1およびY2は、それぞれ独立に−CR=N−または−N=CR−を表し、Rは水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を表し、kは0〜1000の整数を表す。
[5]前記生分解性部位と前記イミン部位とを連結させる化学結合が、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、カーボネート結合または下記一般式(2)で表される結合であることを特徴とする[2]に記載の生分解性ポリマー。
Figure 2007004478
式中、R’は炭素数1〜20の2価の炭化水素基を表し、X1およびX2は、それぞれ独立にエステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合またはカーボネート結合を表す。
[6]前記生分解性部位が、ポリエステル類、オリゴエステル類、ポリ(アミド-エステル)類、オリゴ(アミド-エステル)類またはポリエーテル類であり、前記イミン部位が、[4]に記載の一般式(1)で表されるイミン部位であり、前記生分解性部位と前記イミン部位とを連結させる化学結合が、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、カーボネート結合または[5]に記載の一般式(2)で表される結合であることを特徴とする[2]に記載の生分解性ポリマー。
[7]生分解性部位を含む化合物と、1個以上のイミン結合を有するイミン部位を含む化合物と、縮合剤とを反応させることを特徴とする生分解性ポリマーの製造方法
[8]前記縮合剤が、ヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウム、ヨウ化2−ブロモ−1−メチルピリジニウム、2−クロロ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボレートまたは2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボレートであることを特徴とする[7]に記載の生分解性ポリマーの製造方法。
[9]生分解性部位を含む化合物と、1個以上のイミン結合を有するイミン部位を含む化合物と、連結剤とを反応させることを特徴とする生分解性ポリマーの製造方法。
[10]前記連結剤がジイソシアネート類または炭酸エステル類であることを特徴とする[9]に記載の生分解性ポリマーの製造方法。
[11][1]〜[6]のいずれかに記載の生分解性ポリマーを含有してなることを特徴とする生分解性ポリマーの成形物。
[12]前記成形物が無機添加剤を含有することを特徴とする[11]に記載の生分解性ポリマーの成形物。
[13]前記成形物が、シート、フィルム、容器または不織布であることを特徴とする[11]に記載の生分解性ポリマーの成形物。
[14][1]〜[6]のいずれかに記載の生分解性ポリマーを含有することを特徴とする衛生用品。
[15]前記衛生用品が、生理用ナプキン、パンティーライナー、使い捨ておむつまたは生理用タンポンアプリケータから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[14]に記載の衛生用品。
[16][1]〜[6]のいずれかに記載の生分解性ポリマーを含有することを特徴とする農園芸資材。
[17]前記農園芸資材が、マルチフィルム、育苗ポット、園芸テープ、果実栽培袋、杭、薫蒸シートまたはビニールハウス用フィルムから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[16]に記載の農園芸資材。
[18][1]〜[6]のいずれかに記載の生分解性ポリマーを含有することを特徴とする土木建築資材。
[19]前記土木建築資材が、植生ネット、植生ポット、立体網状体、土木繊維、杭または断熱材から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[18]に記載の土木建築資材。
本発明により提供される新規な生分解性ポリマーは、優れた水崩壊性および生分解性を示す。また、本発明の生分解性ポリマーは水溶性(吸湿性)を有さないので、その成形物は空気中の水分や体液などにより表面状態が悪化したり、その形状が崩壊することがない。そのため、本発明の生分解性ポリマーから得られる成形物は、保管時や使用時には全く問題がなく、使用後はトイレや台所の流しなどに放流し、大量の水と接触して初めてその形状が崩壊する。しかも、この水崩壊性は中性条件下(pH7程度)においても発揮される。そして、放流処理後は下水処理工程や自然界で微生物などにより生分解され、自然環境を汚染することがない。また、本発明の生分解性ポリマーは優れた成形加工性を有するので、外観や肌触りなどの触感が良好な成形物を得ることができる。
図1は、実施例9および実施例10で行った、生分解性ポリマーからなるフィルムの水中浸漬後の引張強度経時変化を測定した結果を示すグラフである。
本発明における水崩壊性とは、大量の水と接触した場合、その形態が崩壊するものをいう。さらに好ましくは、JIS P 4501のトイレットペーパーのほぐれやすさ試験に準じて、蒸留水(pH7程度)中で11cm角のフィルムが520時間以下で4cm角以下になるものをいう。また、本発明における生分解性とは、ポリマー分子が下水処理工程や自然界などで微生物などにより低分子化合物に分解され、さらに炭酸ガスや水などに分解されるものをいう。さらに好ましくは、ISO14855に準じて、フィルムの生分解性試験で60%以上の生分解度を有するものである。
[生分解性ポリマー]
本発明に係る生分解性ポリマーは、分子内に1つ以上のイミン結合を有する生分解性ポリマーであって、該イミン結合が該生分解性ポリマーの主鎖構造の一部を形成する。好ましくは、少なくとも生分解性を有する生分解性部位と、1つ以上のイミン結合を有するイミン部位とを含有する。より好ましくは、前記生分解性部位間を前記イミン部位によって連結した形の化学構造を含有する。前記生分解性部位は、生分解性を有する低分子化合物、オリゴマーまたはポリマーからなり、前記イミン部位は、分子内に1個以上のイミン結合を有する低分子化合物、オリゴマーまたはポリマーからなる。
<生分解性部位>
上記生分解性部位は、本発明の目的を阻害せず、かつ生分解性を有する分子から導かれるものであればいかなる化学構造を有していてもよく、低分子化合物、オリゴマーまたはポリマーのいずれでもよい。このような生分解性部位を構成する分子としては、例えば、低分子化合物、ポリエステル類、オリゴエステル類、ポリアミド類、オリゴアミド類、ポリ(アミド-エステル)類、オリゴ(アミド-エステル)類、ポリペプチド類、オリゴペプチド類、ポリエーテル類またはオリゴエーテル類などが挙げられる。これらは、本発明の生分解性ポリマーの生分解性部位として、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記生分解性部位を構成する低分子化合物としては、炭素数1〜100、好ましくは炭素数2〜50であり、分子内に水酸基、アミノ基またはカルボキシル基などの官能基を2つ以上有する化合物であり、たとえば、2価の脂肪族アルコール類、二塩基酸類、ヒドロキシカルボン酸類、2価の脂肪族アミン類、アミノ酸類である。このような生分解性部位を構成する低分子化合物としては、たとえば、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコールおよび1,4−シクロヘキサンジオールなどの2価の脂肪族アルコール類;
コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スべリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸およびテレフタル酸などの二塩基酸類;
グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ吉草酸、2−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシカプリン酸、リンゴ酸およびクエン酸などのヒドロキシカルボン酸類;
エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、2,2’−(エチレンジオキシ)ビス(エチルアミン)、3,3’−イミノビス(プロピルアミン)およびN−メチル−3,3’−イミノビス(プロピルアミン)などの2価の脂肪族アミン類;
バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸およびリジンなどのアミノ酸類などが挙げられる。
上記生分解性部位を構成するポリエステル類またはオリゴエステル類としては、2価の脂肪族アルコール類と二塩基酸類との脱水反応で製造し得る形の化学構造を有するポリエステル類またはオリゴエステル類が挙げられる。
前記2価の脂肪族アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、オリゴエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、オリゴプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコールおよび1,4−シクロヘキサンジオールなどが挙げられる。前記二塩基酸類としては、例えば、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸またはテレフタル酸などが挙げられる。これらの構成モノマーは、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記ポリエステル類またはオリゴエステル類としては、ヒドロキシカルボン酸類の脱水反応により製造され得る形の化学構造を有するポリエステル類またはオリゴエステル類や、ラクトン類の開環重合反応により製造され得る形の化学構造を有するポリエステル類またはオリゴエステル類も挙げられる。
前記ヒドロキシカルボン酸類としては、例えば、グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ吉草酸、2−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシカプリン酸、リンゴ酸およびクエン酸などが挙げられる。前記ラクトン類としては、例えば、ベンジルマロラクトナート、マライトベンジルエステル、3−〔(ベンジルオキシカルボニル)メチル〕−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、N−ベンジルオキシカルボニル−L−セリン−β−ラクトン、β−ブチロラクトン、ピバロラクトン、β−ベンジルマロラクトナート、γ−ブチロラクトンおよびγ−バレロラクトンなどが挙げられる。これらの構成モノマーは、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、上記ポリエステル類またはオリゴエステル類としては、上記二塩基酸類、上記2価の脂肪族アルコール類および上記ヒドロキシカルボン酸類をそれぞれ1種類以上用いた脱水反応により製造され得る形の化学構造を有するポリエステル類またはオリゴエステル類も挙げられる。
上記生分解性部位を構成するポリアミド類またはオリゴアミド類としては、2価の脂肪族アミン類と二塩基酸類との脱水反応により製造され得る形の化学構造を有するポリアミド類またはオリゴアミド類が挙げられる。
前記2価の脂肪族アミン類としては、例えば、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、2,2’−(エチレンジオキシ)ビス(エチルアミン)、3,3’−イミノビス(プロピルアミン)およびN−メチル−3,3’−イミノビス(プロピルアミン)などが挙げられる。前記二塩基酸類としては、例えば、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸およびテレフタル酸などが挙げられる。これらの構成モノマーは、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記ポリアミド類またはオリゴアミド類としては、例えば、ピロリドンまたはε−カプロラクタムなどのラクタム類の開環重合反応により製造される形の化学構造を有するポリアミド類またはオリゴアミド類も挙げられる。これらの構成モノマーは、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記生分解性部位を構成するポリ(アミド-エステル)類またはオリゴ(アミド-エステル)類としては、二塩基酸類と2価の脂肪族アミン類と2価の脂肪族アルコール類との脱水反応により製造される形の化学構造を有するポリ(アミド-エステル)類またはオリゴ(アミド-エステル)類が挙げられる。
前記二塩基酸類としては、例えば、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸およびテレフタル酸などが挙げられる。前記2価の脂肪族アミン類としては、例えば、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、2,2’−(エチレンジオキシ)ビス(エチルアミン)、3,3’−イミノビス(プロピルアミン)およびN−メチル−3,3’−イミノビス(プロピルアミン)などが挙げられる。前記2価の脂肪族アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、オリゴエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、オリゴプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコールまたは1,4−シクロヘキサンジオールなどが挙げられる。これらの構成モノマーは、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記ポリ(アミド-エステル)類またはオリゴ(アミド-エステル)類としては、ラクタム類とラクトン類との開環重合反応により製造され得る形の化学構造を有するポリ(アミド-エステル)類またはオリゴ(アミド-エステル)類も挙げられる。
前記ラクタム類としては、例えば、ピロリドンおよびε−カプロラクタムなどが挙げられる。前記ラクトン類としては、例えば、ベンジルマロラクトナート、マライトベンジルエステル、3−〔(ベンジルオキシカルボニル)メチル〕−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、N−ベンジルオキシカルボニル−L−セリン−β−ラクトン、β−ブチロラクトン、ピバロラクトン、β−ベンジルマロラクトナート、γ−ブチロラクトンおよびγ−バレロラクトンなどが挙げられる。これらの構成モノマーは、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、上記ポリ(アミド-エステル)類またはオリゴ(アミド-エステル)類としては、モルホリン−2,5−ジオンなどのデプシペプチド類の開環重合反応により製造される形の化学構造を有するポリ(アミド-エステル)類またはオリゴ(アミド-エステル)類も挙げられる。これらの構成モノマーは、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記生分解性部位を構成するポリペプチド類またはオリゴペプチド類としては、例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、グリシン、アスパラギン酸、グルタミン酸およびリジンなどのアミノ酸類の脱水反応により製造される形の化学構造を有するポリペプチド類またはオリゴペプチド類が挙げられるこれらの構成モノマーは、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記生分解性部位を構成するポリエーテル類またはオリゴエーテル類としては、例えばポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールなどのポリエーテル類、または、オリゴエチレングリコールおよびオリゴプロピレングリコールなどのオリゴエーテル類が挙げられる。
上記生分解性部位は、生分解性と成形物などの機械物性とを良好にする観点から、好ましくは、ポリエステル類、オリゴエステル類、ポリ(アミド-エステル)類、オリゴ(アミド-エステル)類またはポリエーテル類であり、より好ましくは、ポリエステル類、オリゴエステル類、ポリ(アミド-エステル)類またはオリゴ(アミド-エステル)類であり、さらに好ましくは、ポリエステル類またはオリゴエステル類である。特に好ましくは、1種以上の炭素数1〜48の2価のアルコール類と1種以上の炭素数2〜10の二塩基酸類とからなるポリエステル類もしくはオリゴエステル類、または、1種以上の炭素数2〜10のヒドロキシカルボン酸類からなるポリエステル類もしくはオリゴエステル類である。
上記生分解性部位の分子量は、水崩壊性および生分解性を良好にするために、好ましくは100〜10万、より好ましくは400〜3万、さらに好ましくは1000〜1万の範囲である。
<イミン部位>
本発明の生分解性ポリマーを構成するイミン部位は、本発明の目的を阻害せず、かつ1つ以上のイミン結合を有する分子であればいかなる化学構造を有していてもよく、低分子化合物、オリゴマーまたはポリマーのいずれでもよい。このようなイミン部位を構成する分子としては、その構造を特に限定するわけではないが、例えば、下記一般式(1)または一般式(1’)で表される有機基が挙げられる。これらを、本発明の生分解性ポリマーのイミン部位として、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
Figure 2007004478
上記式(1)および(1’)中、R1〜R8は、それぞれ独立に炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Y1〜Y6は、それぞれ独立に−CR=N−または−N=CR−を表し、Rは水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を表し、kは0〜1000の整数を表す。上記式(1)または(1’)のうち、式(1)が好ましい。
上記式(1)および(1’)中のR1〜R8は、イミン部位を構成する基を表しており、本発明の目的を阻害しない限りどのような化学構造の基を用いてもよい。R1〜R8が表す炭素数1〜20の炭化水素基には、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基および芳香族炭化水素基が含まれ、より具体的には、同種または異種の、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、1つ以上のエステル結合を有する炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、1つ以上のエーテル結合を有する炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、1つ以上のアミド結合を有する炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、または芳香族炭化水素基を有する炭素数7〜20の脂肪族炭化水素基などが挙げられる。さらに、本発明の目的を阻害しなければ、これらの有機基がいかなる置換基を有していてもよい。
これらの中では、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、1つ以上のエステル結合を有する炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、1つ以上のエーテル結合を有する炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基および炭素数6〜20の芳香族炭化水素基が好ましく、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、1つ以上のエーテル結合を有する炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基および炭素数6〜20の芳香族炭化水素基がより好ましい。
上記式(1)および(1’)中のY1〜Y6は、それぞれ独立に−CR=N−または−N=CR−を表し、これらは同一でも異なっていてもよい。上記式(1)では、Y1およびY2が同時に−N=CR−または−CR=N−であること、Y1が−CR=N−かつY2が−N=CR−であること、あるいは、Y1が−N=CR−かつY2が−CR=N−であることが好ましい。上記式(1’)では、Y3およびY5が同時に−N=CR−かつY4およびY6が同時に−CR=N−であること、またはY3およびY5が同時に−CR=N−かつY4およびY6が同時に−N=CR−であることが好ましい。
上記Y1〜Y6のRはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を表す。生分解性ポリマーの水崩壊性の観点から、好ましくは水素原子または炭素数1〜15の脂肪族炭化水素基であり、さらに好ましくは水素原子または炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基であり、特に好ましくは水素原子または炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基である。
上記式(1)および(1’)中のkは0〜1000の整数を表し、0〜100の範囲が好ましく、0〜50の範囲がより好ましく、0〜20の範囲がさらに好ましい。
上記イミン部位の分子量を特に限定するわけではないが、優れた水崩壊性および生分解性を発揮するためには、5万以下が好ましく、1万以下がより好ましく、2000以下がさらに好ましい。
<連結部位>
上記生分解性部位と上記イミン部位とを連結させる連結部位は、本発明の目的を阻害しなければどのような化学構造であっても構わない。このような連結を可能とする化学結合としては、例えば、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、カーボネート結合および下記一般式(2)で表される結合(以下「結合(2)」ともいう。)などが挙げられる。
Figure 2007004478
式(2)中、R’は炭素数1〜20の2価の炭化水素基を表し、X1およびX2は、それぞれ独立にエステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合またはカーボネート結合を表す。
R’が表す炭素数1〜20の2価の炭化水素基には、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基および芳香族炭化水素基が含まれ、より具体的には、炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基、1つ以上のエーテル結合を有する炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基、1つ以上のエステル結合を有する炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基、1つ以上のアミド結合を有する炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基、または芳香族炭化水素基を有する炭素数7〜20の2価の脂肪族炭化水素基などが挙げられる。
これらの中では、生分解性および水崩壊性を良好にする観点から、好ましくは炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基、1つ以上のエーテル結合を有する炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基、1つ以上のエステル結合を有する炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基、1つ以上のエーテル結合を有する炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基または1つ以上のエステル結合を有する炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基または1つ以上のエーテル結合を有する炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基である。
1およびX2は、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合またはカーボネート結合を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。これらの中では、生分解性および水崩壊性を良好にする観点から、好ましくはエステル結合、ウレタン結合、ウレア結合またはカーボネート結合であり、より好ましくはエステル結合、ウレタン結合、またはカーボネート結合であり、さらに好ましくはエステル結合またはウレタン結合である。
上記連結部位として使用される化学結合は、生分解性部位とイミン部位とを連結させるために、1種単独で用いられても、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。生分解性および水崩壊性を良好にする観点から、連結部位として使用される化学結合としては、好ましくはエステル結合、ウレタン結合、カーボネート結合または結合(2)であり、より好ましくはエステル結合、ウレタン結合または結合(2)であり、さらに好ましくはエステル結合または結合(2)である。
以上説明したように、本発明の生分解性ポリマーは、生分解性部位とイミン部位とを連結させた形の化学構造を有し、生分解性部位とイミン部位との比は、好ましくは1:9〜9:1の範囲であり、より好ましくは1:7〜7:1の範囲であり、さらに好ましくは1:5〜5:1の範囲であり、特に好ましくは1:3〜3:1の範囲である。
本発明の好ましい生分解性ポリマーは、生分解性部位がポリエステル類、オリゴエステル類、ポリ(アミド-エステル)類、オリゴ(アミド-エステル)類またはポリエーテル類であり、イミン部位が上記式(1)で表されるイミン部位であり、生分解性部位とイミン部位とを連結させる化学結合が、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、カーボネート結合または結合(2)である。
本発明のより好ましい生分解性ポリマーは、生分解性部位がポリエステル類、オリゴエステル類、ポリ(アミド-エステル)類またはオリゴ(アミド-エステル)類であり、イミン部位が上記式(1)で表されるイミン部位であり、生分解性部位とイミン部位とを連結させる化学結合が、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、カーボネート結合または結合(2)である。
本発明の特に好ましい生分解性ポリマーは、生分解性部位がポリエステル類、オリゴエステル類、ポリ(アミド-エステル)類またはオリゴ(アミド-エステル)類であり、イミン部位が、上記式(1)中のR1〜R3が炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、1つ以上のエステル結合を有する炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、1つ以上のエーテル結合を有する炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基または炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であり、Y1およびY2がそれぞれ独立に−N=CR−または−CR=N−であるイミン部位であり、生分解性部位とイミン部位とを連結させる化学結合が、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、カーボネート結合または結合(2)である。
本発明の最も好ましい生分解性ポリマーは、生分解性部位がポリエステル類、オリゴエステル類、ポリ(アミド-エステル)類またはオリゴ(アミド-エステル)類であり、イミン部位が、上記式(1)中のR1〜R3が炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、1つ以上のエステル結合を有する炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、1つ以上のエーテル結合を有する炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であり、Y1およびY2がそれぞれ独立に−N=CR−または−CR=N−であり、Rが水素原子または炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基であるイミン部位であり、生分解性部位とイミン部位とを連結させる化学結合が、エステル結合、ウレタン結合、カーボネート結合または結合(2)である。
本発明の生分解性ポリマーの分子量は特に限定されないが、成形物などとしての強度を考慮すると、好ましくは1万〜100万、より好ましくは2万〜50万の範囲である。
本発明の生分解性ポリマーのガラス転移温度(Tg)は特に限定されないが、−120〜80℃、好ましくは−80〜70℃、より好ましくは−50〜60℃の範囲である。生分解性ポリマーのTgが前記範囲にあることにより、生分解性ポリマーは優れた生分解性および水崩壊性を示す。
[生分解性ポリマーの製造方法]
次に、本発明の生分解性ポリマーの製造方法について、以下に詳細に説明する。ここで述べる生分解性部位およびイミン部位は、本発明の生分解性ポリマーで定義した生分解性部位およびイミン部位と同一である。
本発明の生分解性ポリマーの製造方法は、生分解性部位とイミン部位とを連結させる化学結合の種類によって異なり一様ではない。生分解性部位とイミン部位とを連結させるためには、各部位を含む化合物が両者間の連結を可能とする特定の官能基を2個以上有する必要があり、2個が好ましい。また、このような官能基は、生分解性部位およびイミン部位を構成する分子の分子鎖の両末端に位置することが好ましい。前記官能基は、両部位間を如何なる化学結合で連結させるかによって定まる。
本発明における生分解性部位とイミン部位とを連結させる化学結合としては、本発明の目的を阻害しなければどのような化学構造であっても構わないが、例えば、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、カーボネート結合または上記結合(2)などが挙げられる。
このような化学結合を可能にするために、生分解性部位を含む化合物およびイミン部位を含む化合物が保有しなければならない官能基としては、カルボキシル基、水酸基またはアミノ基が挙げられる。なお、これらの官能基の組み合わせは多様である。
<官能基の組み合わせの具体例>
具体的に結合の種類による前記官能基の組み合わせを説明する。生分解性部位とイミン部位とをエステル結合で連結させた生分解性ポリマーを製造する場合、両部位に使用される官能基はカルボキシル基と水酸基の2種である。そして、その組み合わせとしては、2個のカルボキシル基を有する生分解性部位を含む化合物と2個の水酸基を有するイミン部位を含む化合物との組み合わせ、2個の水酸基を有する生分解性部位を含む化合物と2個のカルボキシル基を有するイミン部位を含む化合物との組み合わせ、または各々1個のカルボキシル基と1個の水酸基を有する生分解性部位を含む化合物とイミン部位を含む化合物との組み合わせが挙げられる。さらに、X1およびX2がエステル結合である結合(2)で連結させた生分解性ポリマーを製造する場合、該結合を導く化合物として、下記一般式(2’−1)で表される化合物(以下「化合物(2’−1)」ともいう。)を新たに使用する。従って、新たな組み合わせが生じる。その組み合わせを表1に示す。
Figure 2007004478
式(2’−1)中、R’は、上記式(2)中のR’と同義であり、Z1およびZ2は、互いに独立にカルボキシル基または水酸基を表す。
Figure 2007004478
次に、アミド結合、またはX1およびX2がアミド結合である結合(2)で連結させた生分解性ポリマーを製造する場合の組み合わせについて述べる。
アミド結合で連結させた生分解性ポリマーを製造する場合は、2個のカルボキシル基を有する生分解性部位を含む化合物と2個のアミノ基を有するイミン部位を含む化合物との組み合わせ、2個のアミノ基を有する生分解性部位を含む化合物と2個のカルボキシル基を有するイミン部位を含む化合物との組み合わせ、または各々1個のカルボキシル基と1個のアミノ基を有する生分解性部位を含む化合物とイミン部位を含む化合物との組み合わせが挙げられる。さらに、X1およびX2がアミド結合である結合(2)で連結させた生分解性ポリマーを製造する場合、該結合を導く化合物として一般式(2’−2)で表される化合物(以下「化合物(2’−2)」ともいう。)を新たに使用する。その組み合わせを表2に示す。
Figure 2007004478
式(2’−2)中、R’は、上記式(2)中のR’と同義であり、Z3およびZ4は、互いに独立にカルボキシル基またはアミノ基を表す。
Figure 2007004478
次に、ウレタン結合またはX1およびX2がウレタン結合である結合(2)で連結させた生分解性ポリマーを製造する場合の組み合わせについて述べる。
ウレタン結合で連結させた生分解性ポリマーを製造する場合は、2個の水酸基を有する生分解性部位を含む化合物と2個のアミノ基を有するイミン部位を含む化合物との組み合わせ、2個のアミノ基を有する生分解性部位を含む化合物と2個の水酸基を有するイミン部位を含む化合物との組み合わせ、または各々1個の水酸基と1個のアミノ基を有する生分解性部位を含む化合物とイミン部位を含む化合物との組み合わせが挙げられる。さらに、X1およびX2がウレタン結合である結合(2)で連結させた生分解性ポリマーを製造する場合、該結合を導く化合物として一般式(2’−3)で表される化合物(以下「化合物(2’−3)」ともいう。)を新たに使用する。その組み合わせを表3に示す。
Figure 2007004478
式(2’−3)中、R’は、上記式(2)中のR’と同義であり、Z5およびZ6は、互いに独立に水酸基またはアミノ基を表す。
Figure 2007004478
次に、ウレア結合またはX1およびX2がウレア結合である結合(2)で連結させた生分解性ポリマーを製造する場合の組み合わせについて述べる。
ウレア結合で連結させた生分解性ポリマーを製造する場合は、2個のアミノ基を有する生分解性部位を含む化合物と2個のアミノ基を有するイミン部位を含む化合物との組み合わせが挙げられる。さらに、X1およびX2がウレア結合である結合(2)で連結させた生分解性ポリマーを製造する場合、該結合を導く化合物として一般式(2’−4)で表される化合物(以下「化合物(2’−4)」ともいう。)を新たに使用する。その組み合わせを表4に示す。
Figure 2007004478
式(2’−4)中、R’は、上記式(2)中のR’と同義であり、Z7およびZ8はアミノ基を表す。
Figure 2007004478
次に、カーボネート結合またはX1およびX2がカーボネート結合である結合(2)で連結させた生分解性ポリマーを製造する場合の組み合わせについて述べる。
カーボネート結合で連結させた生分解性ポリマーを製造する場合は、2個の水酸基を有する生分解性部位を含む化合物と2個の水酸基を有するイミン部位を含む化合物との組み合わせが挙げられる。さらに、X1およびX2がカーボネート結合である結合(2)で連結させた生分解性ポリマーを製造する場合、該結合を導く化合物として一般式(2’−5)で表される化合物(以下「化合物(2’−5)」ともいう。)を新たに使用する。その組み合わせを表5に示す。
Figure 2007004478
式(2’−5)中、R’は、上記式(2)中のR’と同義であり、Z9およびZ10は水酸基を表す。
Figure 2007004478
以上、連結させる結合の種類によって、生分解性部位を含む化合物とイミン部位を含む化合物とが保有すべき官能基が異なり、またその組み合わせも異なることも記載した。ここで、本発明の製造方法において使用する生分解性部位を含む化合物とイミン部位を含む化合物とをまとめると、以下のようになる。
まず、生分解性部位を含む化合物とその製造方法について説明する。
上記2個の官能基を有する生分解性部位を含む化合物としては、2個のカルボキシル基を有する生分解性部位を含む化合物、2個の水酸基を有する生分解性部位を含む化合物、1個のカルボキシル基と1個の水酸基を有する生分解性部位を含む化合物、2個のアミノ基を有する生分解性部位を含む化合物、1個のカルボキシル基と1個のアミノ基を有する生分解性部位を含む化合物、1個の水酸基と1個のアミノ基を有する生分解性部位を含む化合物などが挙げられる。
上記2個の官能基を有する生分解性部位を含む化合物の製造方法としては、例えば、2個のカルボキシル基を有する生分解性部位を含む化合物の場合は、カルボキシル基/水酸基のモル比が1より大きい条件で二塩基酸類と2価の脂肪族アルコール類とから脱水反応で製造する方法、またはカルボキシル基/アミノ基のモル比が1より大きい条件で二塩基酸類と2価の脂肪族アミン類とから脱水反応で製造する方法などが挙げられる。また、2個の水酸基を有する生分解性部位を含む化合物の場合は、カルボキシル基/水酸基のモル比が1より小さい条件で二塩基酸類と2価の脂肪族アルコール類とから脱水反応で製造する方法などが挙げられる。また、1個のカルボキシル基と1個の水酸基を有する生分解性部位を含む化合物の場合は、ヒドロキシカルボン酸類の脱水反応で製造する方法などが挙げられる。また、2個のアミノ基を有する生分解性部位を含む化合物の場合は、カルボキシル基/アミノ基のモル比が1より小さい条件で二塩基酸類と2価の脂肪族アミン類とから脱水反応で製造する方法などが挙げられる。さらに、1個のカルボキシル基と1個のアミノ基を有する生分解性部位を含む化合物の場合は、アミノ酸類から脱水反応で製造する方法などが挙げられる。1個の水酸基と1個のアミノ基を有する生分解性部位を含む化合物の場合は、カルボキシル基/(水酸基とアミノ基との和)のモル比が1より小さい条件で、二塩基酸類、2価の脂肪族アルコール類および2価の脂肪族アミン類から脱水反応で製造する方法などが挙げられる。
次に、上記2個の官能基を有するイミン部位を含む化合物は、下記一般式(3)または(3’)で表される。
Figure 2007004478
上記式(3)および(3’)中のR1〜R8、Y1〜Y6およびkは、本発明の生分解性ポリマーで定義したイミン部位のものと同一であり、X3およびX4は、カルボキシル基、水酸基またはアミノ基を表し、それぞれ同一でも、異なっていてもよい。
このような2個の官能基を有するイミン部位を含む化合物は、公知の方法で製造することができる。Y1〜Y6のRが水素である2個の官能基を有するイミン部位を含む化合物の場合は、例えば、各々所望の官能基を有するアルデヒド化合物とアミン化合物との脱水反応より2個の官能基を有するイミン部位を含む化合物が得られる。Y1〜Y6のRが炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基である2個の官能基を有するイミン部位を含む化合物の場合は、例えば、各々所望の官能基を有するケトン化合物とアミン化合物との反応より2個の官能基を有するイミン部位を含む化合物が得られる。
<生分解性ポリマーの製造方法の具体的態様>
上記2個の官能基を有する生分解性部位を含む化合物と、2個の官能基を有するイミン部位を含む化合物とを連結させることにより、本発明の生分解性ポリマーを製造することができる。その製造方法は、両者を連結させる化学結合の種類によって異なり、縮合剤を用いる方法と連結剤を用いる方法の2つに大別される。前者は連結させる化学結合がエステル結合、アミド結合あるいはX1および/またはX2がエステル結合もしくはアミド結合である結合(2)の場合であり、後者はウレタン結合、ウレア結合、カーボネート結合あるいはX1および/またはX2がウレタン結合、ウレア結合もしくはカーボネート結合である結合(2)の場合である。
生分解性ポリマーの製造において、縮合剤を用いる製造方法を実施した後、連結剤を用いる製造方法を実施してもよいし、連結剤を用いる製造方法を実施した後、縮合剤を用いる製造方法を実施してもよい。
まず、縮合剤を用いる製造方法について説明する。2個の官能基を有する生分解性部位を含む化合物と、2個の官能基を有するイミン部位を含む化合物と、縮合剤とを反応させることによって、エステル結合、アミド結合あるいはX1および/またはX2がエステル結合もしくはアミド結合である結合(2)で連結させた生分解性ポリマーを製造することができる。
ここで、本製造方法における構成部位の組み合わせとしては、連結部位がエステル結合の場合は、前記のエステル結合で連結させた生分解性ポリマーで例示した構成部位の組み合わせなどを使用する。また、連結部位がアミド結合の場合は、前記のアミド結合で連結させた生分解性ポリマーで例示した構成部位の組み合わせなどを使用する。次に、連結部位が、X1およびX2がエステル結合である結合(2)の場合は、表1で例示した構成部位の組み合わせなどを使用する。連結部位が、X1およびX2がアミド結合である結合(2)の場合は、表2で例示した構成部位の組み合わせなどを使用する。さらに、これらの組み合わせを2種以上併用してもよく、また、エステル結合の場合に例示した組み合わせと、アミド結合の場合に例示した組み合わせと、X1およびX2がエステル結合またはアミド結合である結合(2)に例示した組み合わせとを、2種以上互いに併用してもよい。
本発明の製造方法で使用される縮合剤としては、例えば、ヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウム、ヨウ化2−ブロモ−1−メチルピリジニウム、2−クロロ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボレート、2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボレートなどが挙げられる。好ましくは、ヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウム、2−クロロ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボレート、2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボレートである。より好ましくは、ヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウム、2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボレートである。
上記縮合剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、上記縮合剤の使用量は、生分解性ポリマーの構成原料である生分解性部位を含む化合物およびイミン部位を含む化合物中に含まれるカルボキシル基の総モル数に対して、通常、1.0〜3.0倍モル、好ましくは1.1〜2.5倍モル、より好ましくは1.2〜2.0倍モルの範囲である。
この方法によって生分解性ポリマーを製造する際、ハロゲン化水素が副生するので、ハロゲン化水素を中和するために、通常塩基を使用する。その塩基としては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリオクチルアミン、トリイソオクチルアミン、N,N’−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチル−n−オクチルアミン、N,N−ジメチルイソプロピルアミン、トリス(2−エチルヘキシル)アミン、N,N−ジメチルエチルアミン、N,N−ジエチルメチルアミン、N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、トリベンジルアミン、トリフェニルアミン、N−ベンジルジエチルアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ピコリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−エチル−N−メチルアニリン、2,6−ルイチジンなどが挙げられる。これらの中では、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリオクチルアミン、トリイソオクチルアミン、N,N’−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチル−n−オクチルアミン、N,N−ジメチルイソプロピルアミン、トリス(2−エチルヘキシル)アミンが好ましく、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミンがより好ましい。
上記塩基は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、上記塩基の使用量は、縮合剤の使用モル数に対して、通常、1.0〜6.0倍モル、好ましくは2.2〜5.0倍モル、より好ましくは2.4〜4.0倍モルの範囲である。
本製造方法において、生分解性部位を含む化合物とイミン部位を含む化合物との使用モル比は、通常、0.5〜2.0の範囲であり、好ましくは0.8〜1.5の範囲であり、より好ましくは0.9〜1.1の範囲である。
上記縮合剤を用いる製造方法では、ジクロロメタン、クロロホルムなどの有機溶剤を使用することが好ましい。反応温度は、用いられる有機溶剤の沸点にもよるが、10〜100℃の範囲が好ましく、20〜50℃の範囲がより好ましい。反応は、水分による縮合剤の失活を防止するために、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
生分解性ポリマーが所望の分子量に到達したら、ハロゲン化水素と塩基との塩などの不純物を取り除くために、不純物が可溶かつポリマーが不溶であるようなメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの有機溶剤を使用して再沈殿や洗浄を行い、生分解性ポリマーを精製する。精製後、減圧乾燥、加熱乾燥などにより精製時使用した有機溶剤などの除去を行う。
以上、縮合剤を用いる製造方法について説明したが、X1およびX2がエステル結合またはアミド結合である結合(2)で連結された生分解性ポリマーを製造する場合、その他の手段として、下記一般式(4)で表される酸クロライド(以下、単に「酸クロライド」という。)を用いても製造することができる。
Figure 2007004478
式(4)中、R’は、上記式(2)中のR’と同義である。
具体的には、2個の水酸基を有する生分解性部位を含む化合物、2個の水酸基を有するイミン部位を含む化合物および酸クロライドの組み合わせ、または、2個のアミノ基を有する生分解性部位を含む化合物、2個のアミノ基を有するイミン部位を含む化合物および酸クロライドの組み合わせを使用することにより、X1およびX2がそれぞれエステル結合またはアミド結合である結合(2)で連結された生分解性ポリマーが得られる。この製造方法での酸クロライドの使用量は、上記の構成部位中に含まれる水酸基の総モル数に対し、通常、0.25〜4.0倍モル、好ましくは0.3〜3.0倍モル、より好ましくは0.4〜1.0倍モル、さらに好ましくは0.45〜0.6倍モルの範囲である。
上記酸クロリドを用いる製造方法によって生分解性ポリマーを製造する際には、通常、副生するハロゲン化水素を中和するために、縮合剤を用いる製造方法で例示した塩基を使用する。この塩基は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。この製造方法での塩基の使用量は、酸クロライド類の使用モル数に対して、通常、1.5〜6.0倍モル、好ましくは2.2〜5.0倍モル、より好ましくは2.4〜4.0倍モルの範囲である。
上記酸クロリドを用いる製造方法において、生分解性部位を含む化合物とイミン部位を含む化合物との使用モル比は、通常、0.5〜2.0の範囲であり、好ましくは0.8〜1.5の範囲であり、より好ましくは0.9〜1.1の範囲である。
上記酸クロライドを用いる製造方法では、ジクロロメタンやクロロホルムなどの有機溶剤を使用することが好ましい。反応温度としては、使用する溶剤の沸点にもよるが、−30〜100℃の範囲が好ましく、−10〜50℃の範囲がより好ましい。反応は、水分による酸クロライドの失活を防止するために、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
生分解性ポリマーが所望の分子量に到達したら、ハロゲン化水素と塩基との塩などの不純物を取り除くために、不純物が可溶かつポリマーが不溶であるようなメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの有機溶剤を使用して再沈殿や洗浄を行い、生分解性ポリマーを精製する。精製後、減圧乾燥や加熱乾燥などにより精製時に使用した有機溶剤などの除去を行う。
次に、連結剤を用いる製造方法について説明する。2個の官能基を有する生分解性部位を含む化合物と、2個の官能基を有するイミン部位を含む化合物と、連結剤とを反応させることによって、ウレタン結合、ウレア結合、カーボネート結合あるいはX1および/またはX2がウレタン結合、ウレア結合もしくはカーボネート結合である結合(2)で連結させた生分解性ポリマーを製造することができる。
ここで、本製造方法における構成部位の組み合わせとしては、連結部位がウレタン結合の場合は、前記のウレタン結合で連結された生分解性ポリマーで例示した構成部位の組み合わせなどを使用する。また、連結部位がウレア結合の場合は、前記のウレア結合で連結された生分解性ポリマーで例示した構成部位の組み合わせなどを使用する。また、連結部位がカーボネート結合の場合は、前記のカーボネート結合で連結された生分解性ポリマーで例示した構成部位の組み合わせなどを使用する。さらに、連結部位が、X1およびX2がウレタン結合である結合(2)の場合は、表3で例示した構成部位の組み合わせなどを使用する。連結部位が、X1およびX2がウレア結合である結合(2)の場合は、表4で例示した構成部位の組み合わせなどを使用する。連結部位が、X1およびX2がカーボネート結合である結合(2)の場合は、表5で例示した構成部位の組み合わせなどを使用する。さらに、これらの組み合わせを2種以上併用してもよく、また、ウレタン結合の場合に例示した組み合わせ、ウレア結合の場合に例示した組み合わせ、カーボネート結合で例示した組み合わせ、ならびに、X1および/またはX2がウレタン結合、ウレア結合もしくはカーボネート結合である結合(2)で例示した組み合わせの中から2種以上を互いに併用しても構わない。
本製造方法で使用される連結剤としては、例えば、ホスゲン、炭酸エステル類またはクロロギ酸エステル類などが挙げられる。クロロギ酸エステル類としては、例えば、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸プロピル、クロロギ酸ブチル、クロロギ酸フェニルなどが挙げられ、炭酸エステル類としては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネートまたはジベンジルカーボネートなどが挙げられる。これらの中では、クロロギ酸エチル類または炭酸エステル類が好ましく、炭酸エステル類がより好ましく、さらに好ましくは、ジメチルカーボネートまたはジエチルカーボネートである。
上記連結剤の使用量は、生分解性ポリマーの構成原料である生分解性部位を含む化合物とイミン部位を含む化合物とに含まれる水酸基またはアミノ基の総モル数に対して、通常、0.25〜4.0倍モル、好ましくは0.3〜3.0倍モル、より好ましくは0.4〜1.0倍モル、さらに好ましくは0.45〜0.6倍モルの範囲である。
連結剤として炭酸エステル類を用いた場合は、上記生分解部位を含む化合物と、上記イミン部位を含む化合物と、上記連結剤との反応を促進させるために、触媒を添加することが好ましい。触媒としては、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ナトリウムメトキシドまたはチタニル(IV)アセチルアセトナートが挙げられる。
上記触媒は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、上記触媒の使用量は、2個の官能基を有する生分解部位を含む化合物とイミン部位を含む化合物と連結剤との総重量に対して、通常、10〜1000ppm、好ましくは30〜800ppm、より好ましくは80〜500ppmの範囲である。
ホスゲンおよびクロロギ酸エステル類を連結剤として使用した場合は、通常、副生するハロゲン化水素を中和するために、縮合剤を用いる製造方法で例示した塩基を使用する。塩基は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。この製造方法での塩基の使用量は、酸クロライド類の使用モル数に対して、通常、1.5〜6.0倍モル、好ましくは2.2〜5.0倍モル、より好ましくは2.4〜4.0倍モルの範囲である。
本製造方法において、上記生分解性部位を含む化合物と上記イミン部位を含む化合物との使用モル比は、通常、0.5〜2.0の範囲であり、好ましくは0.8〜1.5の範囲であり、より好ましくは0.9〜1.1の範囲である。
上記連結剤を用いる製造方法では、炭酸エステル類を使用する場合は、必要に応じて、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフランまたはジメチルホルムアミドなどの有機溶剤を使用して製造してもよく、溶媒を使用せずに原料または生成物が溶融する条件で製造してもよい。また、ホスゲンまたはクロロギ酸エステル類を使用する場合は、上記の有機溶剤を使用することが好ましい。
反応温度は、必要に応じて用いられる有機溶剤の沸点にもよるが、連結剤として炭酸エステル類を使用する場合は50〜300℃の範囲が好ましく、60〜220℃の範囲がより好ましい。また、連結剤としてホスゲンまたはクロロギ酸エステル類を使用する場合は、−78〜60℃の範囲が好ましく、−10〜40℃の範囲がより好ましい。
反応は、連結剤が炭酸エステル類である場合は、副生するアルコールを除去するために、窒素やアルゴンなどの不活性ガス流通下または減圧下で行うことが好ましい。また、連結剤がホスゲンまたはクロロギ酸エステル類である場合は、大気中の水よる連結剤の失活を防止するために、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
生分解性ポリマーが所望の分子量に到達したら、製造時に有機溶剤を使用した場合は、生分解性ポリマーが不溶であるようなメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサンなどの有機溶剤を使用して再沈殿や洗浄を行い、生分解性ポリマーを精製してもよく、使用した有機溶剤を除去し、生分解性ポリマーを乾固させてもよい。一方、製造時に有機溶剤を使用しなかった場合は、溶融状態の生分解性ポリマーをそのまま排出することが好ましく、排出後、生分解性ポリマーを塩化メチレン、クロロホルムまたはジメチルホルムアミドなどの有機溶媒に溶解し、製造時に有機溶剤を使用した場合と同様の精製を行ってもよい。精製または排出などを行った後、生分解性ポリマーを減圧乾燥または加熱乾燥などを行う。
以上、連結剤を用いる製造方法について説明したが、X1およびX2がウレタン結合もしくはウレア結合である結合(2)で連結された生分解性ポリマーを製造する場合、その他の手段として、下記一般式(5)で表されるジイソシアネート化合物(以下、単に「ジイソシアネート類」ともいう。)を連結剤として用いて製造することもできる。
Figure 2007004478
式(5)中、R’は、上記式(2)中のR’と同義である。
具体的には、2個の水酸基を有する生分解性部位を含む化合物、2個の水酸基を有するイミン部位を含む化合物およびジイソシアネート類の組み合わせを使用することにより、X1およびX2がウレタン結合である結合(2)で連結された生分解性ポリマーが得られる。また、2個のアミノ基を有する生分解性部位を含む化合物、2個のアミノ基を有するイミン部位を含む化合物およびジイソシアネート類の組み合わせを使用することにより、X1およびX2がウレア結合である結合(2)で連結された生分解性ポリマーが得られる。X1および/またはX2がウレタン結合もしくはウレア結合である結合(2)で例示した組み合わせの中から、2種以上を互いに併用しても構わない。
上記ジイソシアネート類の使用量は、生分解性ポリマーの構成原料である生分解性部位を含む化合物とイミン部位を含む化合物とに含まれる水酸基またはアミノ基の総モル数に対して、通常、0.25〜4.0倍モル、好ましくは0.3〜3.0倍モル、より好ましくは0.4〜1.0倍モル、さらに好ましくは0.45〜0.6倍モルの範囲である。
連結部位が、X1およびX2がウレタン結合である結合(2)の場合は、上記生分解部位を含む化合物と、上記イミン部位を含む化合物と、上記連結剤との反応を促進させるために、触媒を添加することが好ましい。
上記触媒としては、例えば、スタナスオクテート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ナトリウムo−フェニルフェネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、塩化第二錫、塩化第二鉄、第二オクテート鉄、コバルトオクテート、ナフテン酸亜鉛、トリエチルアミンまたはトリエチレンジアミンなどが挙げられる。好ましくは、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウレート、ナトリウムo−フェニルフェネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、塩化第二錫または塩化第二鉄である。
上記触媒は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、上記触媒の使用量は、2個の官能基を有する生分解部位を含む化合物、イミン部位を含む化合物およびジイソシアネート類の総重量に対して、通常、10〜1000ppm、好ましくは30〜800ppm、より好ましくは80〜500ppmの範囲である。
本製造方法において、上記生分解性部位を含む化合物と上記イミン部位を含む化合物との使用モル比は、通常、0.5〜2.0の範囲であり、好ましくは0.8〜1.5の範囲であり、より好ましくは0.9〜1.1の範囲である。
上記連結剤を用いる製造方法では、必要に応じて、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフランまたはジメチルホルムアミドなどの有機溶剤を使用して製造してもよく、溶媒を使用せずに原料または生成物が溶融する条件で製造してもよい。
反応温度は、必要に応じて用いられる有機溶剤の沸点や生分解性部位を含む化合物および/またはイミン部位を含む化合物の融点にもよるが、10〜200℃の範囲が好ましく、20〜180℃の範囲がより好ましい。反応は、大気中の水と連結剤のイソシアネート基との反応を防止するために、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
上記生分解性部位を含む化合物と、上記イミン部位を含む化合物と、ジイソシアネート類との反応順序は、生分解性部位を含む化合物とイミン部位を含む化合物とジイソシアネート類とを同時に反応させてもよく、生分解性部位を含む化合物またはイミン部位を含む化合物のどちらか一方とジイソシアネート類とを先に反応させた後、もう一方の部位を含む化合物を反応させてもよい。また、生分解性部位を含む化合物またはイミン部位を含む化合物のどちらか一方と大過剰のジイソシアネート類とを先に反応させ、高真空の薄膜蒸発機などで未反応連結剤を取り除いた後、もう一方の部位を含む化合物を反応させてもよい。
生分解性ポリマーが所望の分子量に到達したら、製造時に有機溶剤を使用した場合は、生分解性ポリマーが不溶であるようなメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサンなどの有機溶剤を使用して再沈殿や洗浄を行い、生分解性ポリマーを精製してもよく、使用した有機溶剤を除去し、生分解性ポリマーを乾固させてもよい。一方、製造時に有機溶剤を使用しなかった場合は、溶融状態の生分解性ポリマーをそのまま排出することが好ましく、排出後、生分解性ポリマーを塩化メチレン、クロロホルムまたはジメチルホルムアミドなどの有機溶媒に溶解し、製造時に有機溶剤を使用した場合と同様の精製を行ってもよい。精製または排出などを行った後、生分解性ポリマーを減圧乾燥または加熱乾燥などを行う。ジイソシアネート類を用いた製造方法では、一軸または二軸スクリュー型押出機などの押出機やニーダーなどの混練機を使用して生分解性ポリマーの製造を行ってもよい。また、反応終了後または精製後にジイソシアネート類を添加することにより、未反応で残る水酸基またはアミノ基とイソシアネート基とを反応させ、生分解性ポリマーを高分子量化してもよい。
[生分解性ポリマーの成形物]
本発明の生分解性ポリマーは、その加工物について特に限定するわけではないが、例えば、成形加工することによりフィルム、シート、用途に適した形状の容器および不織布などの成形物にすることができる。この際、これら成形物中に、ポリエチレングリコール、ビニルアルコール、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネートなどの通常の生分解性ポリマーを含んでいても構わない。
本発明の生分解性ポリマーには、目的に応じて各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、難燃剤、離型剤、無機添加剤、結晶核剤、耐電防止剤、顔料、アンチブロッキング剤などが挙げられる。
可塑剤としては、生分解性があって、かつ本発明の生分解性ポリマーとの相溶性に優れるものが好適に用いられる。たとえば、1価もしくは多価脂肪酸エステル系可塑剤、1価もしくは多価脂肪族アルコールエステル系可塑剤、ポリアルキレングリコール系可塑剤、脂肪族ポリエステル系可塑剤などが挙げられる。具体的には、ジ−n−オクチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジベンジルフタレート等のフタル酸誘導体、ジイソオクチルフタレート等のイソフタル酸誘導体、ジ−n−ブチルアジペート、ジオクチルアジペート等のアジピン酸誘導体、ジ−n−ブチルマレート等のマレイン酸誘導体、トリ−n−ブチルシトレート等のクエン酸誘導体、モノブチルイタコネート等のイタコン酸誘導体、ブチルオレート等のオレイン酸誘導体、グリセリンモノリシノレート等のリシノール酸誘導体、トリクレジルフォスフェート、トリキシレニルフォスフェート等のリン酸エステル誘導体、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、乳酸、直鎖状乳酸オリゴマー、環状乳酸オリゴマーおよびラクチドなどが例示できる。特に、分子内に2個以上のカルボン酸エステル基を有する、クエン酸エステル、グリセリンエステル、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、セバシン酸エステル、アゼライン酸エステルおよびトリエチレングリコールエステルから選ばれた少なくとも1種のエステル化合物であることが好ましい。これらの可塑剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の生分解性ポリマーへの、可塑剤、無機充填剤、分散剤、安定剤などの各種添加剤の添加は、たとえば、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、タンブラー型ミキサーなどを用いて混合した後、一軸または二軸スクリュー型押出機を用いて連続混練することにより行うことができる。ここで、生分解性ポリマーおよび充填剤等の分散性をより向上させるためには、二軸押出機の方が好ましい。
本発明の生分解性ポリマーからなるフィルムまたはシートを得る方法としては特に制限がなく、公知の成形方法によりフィルム状またはシート状に成形される。T−ダイ成形法、インフレーション成形法、カレンダー成形法、熱プレス成型法などにより、フィルム状またはシート状に成形する方法が挙げられる。また、これらのフィルムやシートは少なくとも一方向に延伸されていてもよい。延伸法として特に制限はないが、ロール延伸法、テンター法、インフレーション法などが挙げられる。
本発明の生分解性ポリマーからなる、用途に適した形状の成形物を得る方法としては、特に制限がなく、公知の方法で製造可能であり、例えば金型に押出成形や射出成形などを行う方法などが挙げられる。
本発明の生分解性ポリマーの成形物の厚さは、その水崩壊性や生分解性を高めるために薄く成形することが好ましいが、強度や可とう性などを満足させるように自由に調整可能である。フィルムの好ましい厚みは、5〜300μmであり、10〜100μmがより好ましい。シートや容器状の成形物の厚みとしては0.1〜5mmが好ましく、より好ましくは0.2〜2mmである。また、引張弾性率は、特にその値を限定するわけではないが、通常、1200MPa以下のものが好ましく、600MPa以下のものがさらに好ましい。引張強度は、特にその値を限定するわけではないが、10〜100MPaの範囲が好ましく、15〜70MPaの範囲がより好ましく、20〜50MPaの範囲がさらに好ましい。
本発明の生分解性ポリマーには、無機添加剤を添加することが可能であり、特定の無機添加剤を含有することにより、本発明の生分解性ポリマーの水崩壊性を高めることができる。このような無機添加剤としては、特に制限されないが、無機酸化物類、ゼオライト類が好ましく、より好ましくは無機酸化物類である。
上記無機酸化物類としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、珪酸白土、珪藻土、酸性白土などが挙げられ、ゼオライト類としては、フィリップサイト、モルデナイト、クリノプチロライト、ハーモトーム、メルリノイト、シャバサイト、エリオナイト、ナトロライト、ヒューランダイト、フォージャサイトなどが挙げられる。
上記無機添加剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。本発明の生分解性ポリマーと無機添加剤とを含有する生分解性ポリマー樹脂組成物の配合条件は、生分解性ポリマー100重量部に対して、無機添加剤が0.01〜50重量部の範囲であり、好ましくは無機添加剤が0.1〜40重量部の範囲であり、より好ましくは無機添加剤が0.5〜30重量部の範囲であり、さらに好ましくは1〜20重量部の範囲である。
上記無機添加剤の平均粒径としては、好ましくは30μm以下、より好ましくは10μm以下、特に好ましくは0.7〜5μmの範囲である。粒径が大きすぎるとフィルムの気孔の緻密性が悪くなり、小さすぎると樹脂への分散性が悪くなる。また、これらの無機添加剤は、例えば、成形物がフィルムである場合に、その通気性を向上させるために添加してもよい。
さらに、本発明のフィルムの通気性を向上させるために、無機充填剤および/または有機充填材を添加することも可能である。無機充填材としては、炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、マイカ、などが挙げられる。これらの中では、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、タルク、クレーが好ましい。また、有機充填材としては、木粉、パルプ粉などのセルロース粉末が挙げられる。これらの充填剤は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記充填材の平均粒径としては、好ましくは30μm以下、より好ましくは10μm以下、特に好ましくは0.7〜5μmの範囲である。粒径が大きすぎるとフィルムの気孔の緻密性が悪くなり、小さすぎると樹脂への分散性が悪くなる。なお、平面状の未延伸シートにしたあと、縦方向に一軸延伸することにより、または縦および横方向に二軸延伸することによりフィルムは多孔化し通気性を有するフィルムとなる。
本発明の生分解性ポリマーの不織布を得る方法としては特に制限がなく、公知の方法、例えば、乾式法、スパンボンド法、メルトブロー法、湿式法などにより製造される。すなわち、本発明の生分解性ポリマー、または該生分解性ポリマーと添加剤とを含む組成物を紡糸した後、ウェブを形成し、該ウェブを従来公知の方法により結合することにより得られる。
原料繊維の紡糸方法は、公知の紡糸方法が適用される。単独紡糸でも複合紡糸でもよく、特に、複合紡糸の形態としては、芯鞘型もしくは並列型複合紡糸が挙げられる。紡糸方法としては、例えば、押出機を用いて溶融紡糸する溶融紡糸法、上記生分解性ポリマーもしくは組成物を溶媒に溶解して溶液とした後、該溶液をノズルから貧溶媒中に吐出させる湿式紡糸法、該溶液をノズルから乾燥気体中に吐出させる乾式紡糸等が適用される。溶融紡糸法には、一軸押出機、二軸押出機等の公知の押出機を用いることができる。
押出機の口金(ノズル)の口径は、必要とする繊維の直径(糸径)と、押出機の吐出速度や引き取り速度との関係によって適宜決定されるが、好ましくは0.1〜3.0mm程度である。いずれの紡糸法においても、紡糸後の繊維の延伸は必ずしも行う必要はないが、延伸を行う場合には、1.1〜10倍、好ましくは2〜8倍に延伸する。繊維の好ましい糸径は0.5〜40デニールである。また、本発明の不織布を構成する単繊維または複合繊維は、長繊維または短繊維のいずれでもよく、使用目的により適宜選択できる。
得られた繊維から、ウェブと呼ばれる繊維の塊状態を形成させる。ウェブの製造方法としては公知の方法を用いることができ、特に限定されない。例えば、フラットカード機、ローラカード機、ガーネット機等を用いるカード式、メルトブロー式が挙げられる。また、樹脂を紡糸する際、紡糸機のノズルから繊維が出るときに高速空気を吹き付け、気流に直角な穴あきコンベア上に集めてウェブを形成させるスパンボンド式でもよい。
このようにして得られたウェブから、本発明の生分解性ポリマーの不織布を得るには公知の方法を用いることができる。例えば、針により交絡させるニードルパンチ法、糸により交絡させるステッチボンド法、熱により接着させるサーマルボンド法、接着剤を利用するケミカルボンド法、レジンボンド法が挙げられる。本発明の不織布の目付けは、好ましくは1〜50g/m2であり、より好ましくは5〜20g/m2である。
[生分解性ポリマーの用途]
本発明の生分解性ポリマーを含有してなる成形物は、その用途を特に限定するわけではないが、例えば、衛生用品を構成する部材(部品)、農園芸資材、土木築資材などとして使用することができる。すなわち、本発明の生分解性ポリマーを含有する素材を使用して衛生用品、農園芸資材、土木築資材などを製造することが可能であり、本発明の生分解性ポリマーの用途としては、衛生用品が好適である。
衛生用品、農園芸資材、土木築資材などの製造法としては、本発明の生分解性ポリマーを含有してなる樹脂組成物を所望の形状に成形加工することによって製造できるし、さらにその成形物を公知のホットメルト接着あるいは熱接着などの方法により相互に接着、固定して製造することができる。
上記衛生用品としては、例えば、生理用タンポンアプリケータ、生理用ナプキン、パンティーライナー、使い捨て紙おむつ、失禁用パッド等が挙げられる。
上記農園芸資材としては、例えば、マルチフィルム、育苗ポット、園芸テープ、果実栽培袋、杭、薫蒸シート、ビニールハウス用フィルムなどが挙げられる。
上記土木築資材としては、例えば、植生ネット、植生ポット、立体網状体、土木繊維、杭、断熱材などが挙げられる。
本発明の生分解性ポリマーを含有してなる不織布は、例えば、生理用ナプキンの表面材、パンティーライナーのトップシート、使い捨ておむつのトップシートまたは果実栽培袋などとして使用することに適している。本発明の生分解性ポリマーを含有してなるフィルムは、例えば、生理用ナプキンの防濡材、パンティーライナーのバックシート、使い捨ておむつのバックシート、マルチフィルム、農園芸テープまたはビニールハウス用フィルムなどとして使用することに適している。本発明の生分解性ポリマー含有してなる容器状成形体やシートを筒状に加工したものは、例えば、生理用タンポンアプリケータなどとして使用することに適している。本発明の生分解性ポリマーを含有してなる容器状成形体は、例えば、育苗ポットまたは植生ポットなどとして使用することに適している。
また、場合によっては、吸収コア、漏れ防止や装着者の運動性向上を目的として使い捨ておむつの肢周りにギャザーなどを装備してもよい。
[実施例]
以下、実施例に基づいて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記実施例における評価方法は、以下の通りである。
[1]ポリマーの分子量
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下「GPC」という)により、ポリマーの分子量を求めた。標準物質にはポリスチレンを用いた。
[2]フィルムの引張強度および引張弾性率
ダンベル型に打ち抜いたフィルム試験片を、引張試験機を用いて、引張速度50mm/分で引張り、応力を測定することにより、引張破断強度および引張弾性率を求めた。
[3]水溶性試験
フィルムを35℃の蒸留水に24時間浸漬し、取り出したフィルムを乾燥してフィルムの重量を測定することにより、フィルムの水溶性試験を行った。35℃の蒸留水に24時間浸漬した後のフィルムの重量保持率が98%以上であるものを水溶性がないと判断した。
[4]水崩壊性試験
JIS P 4501のトイレットペーパーのほぐれやすさ試験に準じて、蒸留水(pH7程度)中でのフィルムの水崩壊性を試験した。11cm角のフィルムまたは不織布が520時間以下で4cm角以下になるものが水崩壊性を示したと判断した。
[5]生分解性試験
ISO14855に準じて、フィルムの生分解性試験を行った。フィルムの生分解度が60%以上であるものが生分解性を示したと判断した。
[6]繊度
JIS L 1015に準じて測定した。
[7]目付け
標準状態の試料から10cm角の試験片を作製し、平衡水分にした後、試験片の重量[g]を秤量し、得られた値を単位面積当りに換算して目付け[g/m2]とした。
[8]KGSM強力
JIS L 1096のストリップ法に準じて、長さ10cm、幅5cmの試験片を作製し、経方向(MD)と緯方向(CD)について伸長して、得られた破断時荷重[kg/5cm]を単位目付け当りに換算してKGSM強力とした。
〔イミン部位含有化合物の製造〕
以下に生分解性ポリマーを構成するイミン部位を含む化合物の製造例について、具体的に示す。
<製造例1>
コンデンサー付きのディーンスターク、温度計、ガラス製攪拌羽根および滴下ロートを付けた300mLセパラブルフラスコに、テレフタルアルデヒド13.4g(0.1mol、アルドリッチ社製、純度99.0%)およびトルエン120mLを加え、ガラス製の攪拌羽根で攪拌し、氷水で3〜5℃に冷却した。2−エタノールアミン12.2g(0.2mol、和光純薬株式会社製、純度99.0%)を滴下ロートに入れ、30分でフラスコに滴下した。滴下した後、油浴で加熱し、水の副生が終了するまで加熱還流した。室温まで冷却し、析出物を濾別し、トルエン120mLを用いて濾過器上で洗浄した。得られた結晶を窒素雰囲気下、50℃で一晩乾燥し、淡黄色の固体としてN,N’−(1,4−フェニレンジメチリデン)ビス(エタノールアミン)(以下「イミン化合物1」という)21.2gを得た。イミン化合物1を重水素化DMSOに溶解して測定したプロトン核磁気共鳴スペクトル(1H-NMRスペクトル)から以下のように帰属し、イミン化合物1の生成を確認した。
1H-NMRスペクトル:δH 4.61(s,2H)、δH 3.67(s,8H)、δH 8.31(s,2H)、δH 7.71(s,4H).
<製造例2>
2−エタノールアミンの代わりに2−(2−アミノエトキシ)エタノール21.46g(0.2mol、東京化成工業株式会社製、純度98.0%)を使用し、室温で3日間減圧乾燥した以外は製造例1と同様の反応操作を行い、淡黄色の固体のN,N’−(1,4−フェニレンジメチリデン)ビス(2−(2−アミノエトキシ)エタノール)(以下「イミン化合物2」という)28.3gを得た。イミン化合物2を重水素化DMSOに溶解して測定したプロトン核磁気共鳴スペクトル(1H-NMRスペクトル)から以下のように帰属し、イミン化合物2の生成を確認した。
1H-NMRスペクトル:δH4.58(t,2H)、δH3.44(m,8H)、3.68(m,8H)、δH8.37(s,2H)、δH7.79(s,4H).
<製造例3>
テレフタルアルデヒドの代わりにヒドロキシアセトン18.5g(0.2mol、東京化成工業株式会社、純度80.0%)を使用した以外は製造例1と同様の反応操作を行い、2−(2−ヒドロキシエチルイミノ)プロパン−1−オール(以下「イミン化合物3」という)28.2gを得た。イミン化合物3を重水素化DMSOに溶解してプロトン核磁気共鳴スペクトル(1H-NMRスペクトル)を測定した結果から、イミン化合物3は下記式(6)の化学構造を有していることを確認した。
Figure 2007004478
<製造例4>
テレフタルアルデヒドの代わりにピルビン酸2−ヒドロキシエチル26.0g(0.2mol)を使用した以外は製造例1と同様の反応操作を行い、2−ヒドロキシエチル2−(2−ヒドロキシエチルイミノ)プロパノエート(以下「イミン化合物4」という)35.6gを得た。イミン化合物4を重水素化DMSOに溶解してプロトン核磁気共鳴スペクトル(1H-NMRスペクトル)を測定した結果から、イミン化合物4は下記式(7)の化学構造を有していることを確認した。
Figure 2007004478
〔生分解性部位含有化合物の製造〕
<両末端にCOOH基を有する生分解性部位含有化合物の製造>
以下に生分解性ポリマーを構成する生分解性部位を含む化合物の製造例を具体的に示す。なお、二塩基酸と2価の脂肪族アルコールとから生分解性部位含有化合物を製造する際の終点確認、および製造した生分解性部位含有化合物のカルボキシル基量を測定するために、生分解性部位含有化合物の酸価測定を行った。その測定方法を以下に示す。
<酸価測定方法>
両末端にCOOH基を有する生分解性部位含有化合物をクロロホルムに溶解し、指示薬(ブロモチモールブルーメタノール溶液)を数滴添加し、0.05Nアルコール性KOH溶液で滴定し、以下の式で酸価を求めた。
酸価[mg-KOH/g]=2.805×f×V/S
f;0.05Nアルコール性KOH溶液のファクター
V;0.05Nアルコール性KOH溶液の滴定量[mL]
S;両末端にCOOH基を有する生分解性部位のサンプル採取量[g]
<製造例5>
コンデンサー付き水分定量受器、温度計、曲管、SUS製攪拌羽根を付けたSUS製1Lセパラブルフラスコに、琥珀酸202.5g(1.71mol、和光純薬工業株式会社製、純度99.5%)および1,4−ブタンジオール143.6g(1.56mol、和光純薬工業株式会社製、純度98.0%)を入れ、油浴で60℃まで加熱し、減圧下で30分間脱気した。脱気終了後、窒素吹き込みに切り替え、160℃まで段階的に反応温度を上げた。160℃で反応物の酸価が45.7mg-KOH/gになるまで反応を継続し、反応終了時に溶融物をSUS製バットに排出した。両末端にCOOH基を有するポリブチレンサクシネート(以下「PBS1」という)278.3gを得た。PBS1の酸価を測定した結果、45.2mg-KOH/gであった。また、PBS1の分子量をGPCで測定した結果、数平均分子量が3169であった。
<製造例6>
琥珀酸の使用量を351.1g(2.96mol)に変え、1,4−ブタンジオールの使用量を262.8g(2.86mol)に変え、180℃まで段階的に反応温度を上げ、180℃で酸価が19.0mg-KOH/gになるまで反応を継続した以外は製造例5と同様の反応操作を行い、両末端にCOOH基を有するポリブチレンサクシネート(以下「PBS2」という)485.4gを得た。PBS2の酸価は18.4mg-KOH/g、PBS2の数平均分子量は10312であった。
<製造例7>
琥珀酸の使用量を291.0g(2.45mol)に変え、1,4−ブタンジオールの使用量を188.5g(2.05mol)に変え、160℃で酸価が110.3mg-KOH/gになるまで反応を継続した以外は製造例5と同様の反応操作を行い、両末端にCOOH基を有するポリブチレンサクシネート(以下「PBS3」という)395.3gを得た。PBS3の酸価は108.6mg-KOH/g、PBS3の数平均分子量は1420であった。
<製造例8>
琥珀酸の使用量を305.9g(2.58mol)に変え、1,4−ブタンジオールの使用量を163.5g(1.78mol)に変え、160℃で酸価が224.5mg-KOH/gになるまで反応を継続した以外は製造例5と同様の反応操作を行い、両末端にCOOH基を有するポリブチレンサクシネート(以下「PBS4」という)385.1gを得た。PBS4の酸価は221.7mg-KOH/g、PBS4の数平均分子量は653であった。
<製造例9>
琥珀酸の使用量を305.9g(2.58mol)に変え、1,4−ブタンジオールの使用量を233.3g(2.54mol)に変え、180℃まで段階的に反応温度を上げ、180℃で酸価が11.2mg-KOH/gになるまで反応を継続した以外は、製造例5と同様の反応操作を行い、両末端にCOOH基を有するポリブチレンサクシネート(以下「PBS5」という)428.8gを得た。PBS5の酸価は10.9mg-KOH/g、PBS5の数平均分子量は17400であった。
<製造例10>
琥珀酸の使用量を206.9g(1.74mol)に変え、1,4−ブタンジオールの使用量を106.5g(1.12mol)に変え、さらにジエチレングリコール51.2g(0.48mol、純正化学工業株式会社製、純度99.0%)を使用して、酸価が46.6mg-KOH/gになるまで反応を継続した以外は製造例5と同様の反応操作を行い、両末端にCOOH基を有する琥珀酸/1,4−ブタンジオール/ジエチレングリコール共重合体(以下「PBDEGS」という)282.6gを得た。PBDEGSの酸価は45.5mg-KOH/g、PBDEGSの数平均分子量は2858であった。
<両末端にOH基を有する生分解性部位含有化合物の製造>
以下に生分解性ポリマーを構成する生分解性部位を含む化合物の製造例を具体的に示す。なお、二塩基酸と2価の脂肪族アルコールとから生分解性部位含有化合物を製造する際の終点確認、および製造した生分解性部位含有化合物の水酸基量を測定するために、生分解性部位含有化合物の水酸基価測定を行った。その測定方法を以下に示す。
<アセチル価測定方法>
クロロホルム(和光純薬工業株式会社製、1級試薬)400mL、70%過塩素酸(和光純薬工業株式会社製、特級試薬)4gおよび無水酢酸(和光純薬工業株式会社製、特級試薬)50mLよりアセチル化試薬を調製した。
このアセチル化試薬で両末端にOH基を有する生分解性部位含有化合物をアセチル化し、クレゾールレッド−チモールブルー混合指示薬を十数滴加え、0.5Nアルコール性水酸化ナトリウム溶液で滴定した。また、同時に空試験も実施した。これら滴定結果から以下の式よりアセチル価を求めた。
アセチル価[mg-KOH/g]=(V0−V1)×f×28.05/S
f;0.5Nアルコール性水酸化ナトリウム溶液のファクター
0;空試験に要した0.5Nアルコール性水酸化ナトリウム溶液の滴定量[mL]
1;両末端にOH基を有する生分解性部位のサンプルの試験に要した0.5Nアルコール性水酸化ナトリウム溶液の滴定量[mL]
S;両末端にOH基を有する生分解性部位化合物のサンプル採取量[g]
<酸価測定方法>
両末端にOH基を有する生分解性部位含有化合物をクロロホルム−メタノール混合溶剤に溶解し、ブロモチモールブルー−フェノールレッド混合指示薬を数滴添加し、0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定した。また、同時に空試験も実施した。これらの滴定結果から以下の式で酸価を求めた。
酸価[mg-KOH/g]=(V1−V0)×f×5.61/S
f;0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液のファクター
0;空試験に要した0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の滴定量[mL]
1;両末端にOH基を有する生分解性部位のサンプルの試験に要した0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の滴定量[mL]
S;両末端にOH基を有する生分解性部位化合物のサンプル採取量[g]
<水酸基価を求める方法>
水酸基価は以下の式より求めた。
水酸基価[mg-KOH/g]=アセチル価 + 酸価
<製造例11>
コンデンサー付き水分定量受器、温度計、曲管およびSUS製攪拌羽根を付けたガラス製1Lセパラブルフラスコに、琥珀酸320.4g(2.70mol)および1,4−ブタンジオール303.5g(3.30mol)を入れ、窒素気流下で180℃まで段階的に反応温度を上げた。180℃で生成水がほとんど認められなくなった時点で、1%2−エチルヘキサン酸すず(II)トルエン溶液1.32g(2−エチルヘキサン酸すず(II):0.033mmol、和光純薬工業株式会社製)を加え反応を継続した。さらに、200℃まで反応温度を上げ、反応物の水酸基価および酸価が、それぞれ57.6mg-KOH/gおよび0.3mg-KOH/gになるまで反応を継続し、反応終了時に溶融物をSUS製バットに排出した。両末端にOH基を有するポリブチレンサクシネート(以下「PBS6」という)434.4gを得た。PBS6の水酸基価および酸価を測定した結果、水酸基価が57.5mg-KOH/gであり、酸価が0.2mg-KOH/gであった。また、PBS6の分子量をGPCで測定した結果、数平均分子量が1951であった。
<製造例12>
琥珀酸の使用量を288.4g(2.43mol)に変え、さらにアジピン酸39.7g(0.27mol、和光純薬工業株式会社製、純度99.5%)を使用して、水酸基価が57.7mg-KOH/gおよび酸価が0.4mg-KOH/gになるまで反応を継続した以外は製造例11と同様の反応操作を行い、両末端にOH基を有するポリブチレンサクシナートアジペート(以下「PBSAジオール」という)480.7gを得た。PBSAジオールの水酸基価および酸価を測定した結果、水酸基価が57.6mg-KOH/gであり、酸価が0.3mg-KOH/gであった。また、PBSAジオールの分子量をGPCで測定した結果、数平均分子量が1947であった。
〔実施例1〕
コンデンサー、温度計および攪拌羽根を付けた500mLの4つ口フラスコに、PBS1を50.0g(COOH基;40.3mmol)、トリブチルアミンを22.9g(120.9mmol、和光純薬工業株式会社製、純度98.0%)、乾燥ジクロロメタンを350mL入れ、窒素雰囲気下で攪拌し溶解した。次に、ヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウム15.76g(60.5mmol、東京化成工業株式会社製、純度98.0%)を添加し、15分間放置した後にイミン化合物1を4.44g(20.2mmol)添加した。窒素雰囲気下で40〜42℃で12時間反応を行った。反応後、室温まで冷却し、反応液を窒素雰囲気下で乾燥メタノール1400mLに滴下し、綿状のポリマーを沈殿させた。この懸濁液を窒素で加圧濾過し、得たポリマーを窒素雰囲気下、30℃で一晩乾燥した。乾燥したポリマーを1400mLの乾燥メタノールに加え、窒素雰囲気下で攪拌し、洗浄し、加圧濾過を行った。再度、同様の洗浄作業を行い、窒素雰囲気下、50℃で一晩乾燥した。イミン結合を有するポリブチレンサクシネート(以下「イミン含有PBS」という)51.5gを得た。得られたイミン含有PBSの分子量をGPCで測定した結果、数平均分子量が26984であった。また、1H-NMRスペクトルを測定し、8.29ppmのイミン結合のメチンピークからイミン含有PBSにイミン結合が存在することを確認した。1H-NMRスペクトルを解析した結果、下記式(8)の化学構造を有していることを推定した。
Figure 2007004478
得られたイミン含有PBSを、115℃で3分間熱プレスし、厚みが15μm、30μm、100μmのフィルムを作製した。100μm厚のフィルムの引張強度は25.5MPa、引張弾性率は687MPaであった。このフィルムは、外観および肌触りともに良好であり、柔軟で強度が高かった。
100μm厚のフィルムを用いて水溶性試験を行った。その結果、フィルムの重量保持率は99.7%であり、水溶性がこのフィルムにないことが確認できた。また、15μm厚のフィルムを用いて水崩壊性試験を行った結果、11cm角のフィルムが119時間で1〜2cm角に崩壊し、そのときの数平均分子量は12700まで低下していた。また、30μm厚のフィルムを用いて生分解性試験を行った結果、生分解度が1週間後で32.5%、2週間後で66.4%、3週間後で81.0%、4週間後で92.3%であった。
〔実施例2〕
トリブチルアミンの使用量を18.3g(96.7mmol)に変え、ヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウムの使用量を12.6g(48.4mmol)に変えた以外は実施例1と同様にして、51.4gの綿状のイミン含有PBSを得た。得られたイミン含有PBSの分子量をGPCで測定した結果、数平均分子量が26035であった。また、実施例1と同様にしてイミン含有PBSの構造を確認し、実施例1と同様の化学構造を有することを確認した。
得られたイミン含有PBSを用いて、実施例1と同様にしてフィルムを作製した。100μm厚のフィルムの引張強度は24.5MPa、引張弾性率は678MPaであった。このフィルムは、外観および肌触りともに良好であり、柔軟で強度が高かった。
100μm厚のフィルムを用いて水溶性試験を行った。その結果、フィルムの重量保持率は99.8%であり、水溶性がこのフィルムにないことが確認できた。また、15μm厚のフィルムを用いて水崩壊性試験を行った結果、11cm角のフィルムが118.9時間で1〜2cm角に崩壊し、そのときの数平均分子量は11566まで低下していた。また、30μm厚のフィルムを用いて生分解性試験を行った結果、生分解度が1週間後で32.7%、2週間後で66.8%、3週間後で81.2%、4週間後で92.5%であった。
〔実施例3〕
トリブチルアミンの使用量を38.1g(201.5mmol)に変え、ヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウムの使用量を26.3g(100.8mmol)に変えた以外は実施例1と同様にして、51.6gの綿状のイミン含有PBSを得た。得られたイミン含有PBSの分子量をGPCで測定した結果、数平均分子量が31391であった。また、実施例1と同様にしてイミン含有PBSの構造を確認し、実施例1と同様の化学構造を有することを確認した。
得られたイミン含有PBSを用いて、実施例1と同様にしてフィルムを作製した。100μm厚のフィルムの引張強度は25.6MPa、引張弾性率は680MPaであった。このフィルムは、外観および肌触りともに良好であり、柔軟で強度が高かった。
100μm厚のフィルムを用いて水溶性試験を行った。その結果、フィルムの重量保持率は99.6%であり、水溶性がこのフィルムにないことが確認できた。また、15μm厚のフィルムを用いて水崩壊性試験を行った結果、11cm角のフィルムが118.7時間で1〜2cm角に崩壊し、そのときの数平均分子量は11077まで低下していた。また、30μm厚のフィルムを用いて生分解性試験を行った結果、生分解度が1週間後で32.4%、2週間後で66.3%、3週間後で80.9%、4週間後で91.8%であった。
〔実施例4〕
PBS1の代わりにPBS2を50.0g(COOH基;16.4mmol)使用し、トリブチルアミンの使用量を9.31g(49.2mmol)に変え、ヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウムの使用量を6.41g(24.6mmol)に変え、イミン化合物1の使用量を1.80g(8.20mmol)に変えた以外は実施例1と同様にして、49.5gの綿状のイミン含有PBSを得た。得られたイミン含有PBSの分子量をGPCで測定した結果、数平均分子量が30686であった。また、実施例1と同様にしてイミン含有PBSの構造を確認し、実施例1と同様の化学構造を有することを確認した。
得られたイミン含有PBSを用いて、実施例1と同様にしてフィルムを作製した。100μm厚のフィルムの引張強度は37.7MPa、引張弾性率は779MPaであった。このフィルムは、外観および肌触りともに良好であり、柔軟で強度が高かった。
100μm厚のフィルムを用いて水溶性試験を行った。その結果、フィルムの重量保持率は99.8%であり、水溶性がこのフィルムにないことが確認できた。また、15μm厚のフィルムを用いて水崩壊性試験を行った結果、11cm角のフィルムが240時間で2〜3cm角に崩壊し、そのときの数平均分子量は14400まで低下していた。また、30μm厚のフィルムを用いて生分解性試験を行った結果、生分解度が1週間後で28.5%、2週間後で58.6%、3週間後で77.3%、4週間後で89.7%であった。
〔実施例5〕
PBS1の代わりにPBS3を50.0g(COOH基;96.8mmol)使用し、トリブチルアミンの使用量を54.9g(290.4mmol)に変え、ヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウムの使用量を35.9g(145.2mmol)に変え、イミン化合物1の使用量を10.6g(48.4mmol)に変えた以外は実施例1と同様にして、57.1gの綿状のイミン含有PBSを得た。得られたイミン含有PBSの分子量をGPCで測定した結果、数平均分子量が31391であった。また、実施例1と同様にしてイミン含有PBSの構造を確認し、実施例1と同様の化学構造を有することを確認した。
得られたイミン含有PBSを用いて、実施例1と同様にしてフィルムを作製した。100μm厚のフィルムの引張強度は20.7MPa、引張弾性率は677MPaであった。このフィルムは、外観および肌触りともに良好であり、柔軟で強度が高かった。
100μm厚のフィルムを用いて水溶性試験を行った。その結果、フィルムの重量保持率は98.7%であり、水溶性がこのフィルムにないことが確認できた。また、15μm厚のフィルムを用いて水崩壊性試験を行った結果、11cm角のフィルムが8時間で1〜2cm角に崩壊し、そのときの数平均分子量は7245であった。また、30μm厚のフィルムを用いて生分解性試験を行った結果、生分解度が1週間後で40.5%、2週間後で77.5%、3週間後で87.6%、4週間後で95.3%であった。
〔実施例6〕
PBS1の代わりにPBS4を50.0g(COOH基;197.6mmol)使用し、トリブチルアミンの使用量を112.1g(592.8mmol)に変え、ヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウムの使用量を77.3g(296.4mmol)に変え、イミン化合物1の使用量を21.7g(98.8mmol)に変えた以外は実施例1と同様にして、68.2gの綿状のイミン含有PBSを得た。得られたイミン含有PBSの分子量をGPCで測定した結果、数平均分子量が32501であった。また、実施例1と同様にしてイミン含有PBSの構造を確認し、実施例1と同様の化学構造を有することを確認した。
得られたイミン含有PBSを用いて、実施例1と同様にしてフィルムを作製した。100μm厚のフィルムの引張強度は20.1MPa、引張弾性率は595MPaであった。このフィルムは、外観および肌触りともに良好であり、柔軟で強度が高かった。
100μm厚のフィルムを用いて水溶性試験を行った。その結果、フィルムの重量保持率は98.6%であり、水溶性がこのフィルムにないことが確認できた。また、15μm厚のフィルムを用いて水崩壊性試験を行った結果、11cm角のフィルムが2時間で1〜2cm角に崩壊し、そのときの数平均分子量は5490まで低下していた。また、30μm厚のフィルムを用いて生分解性試験を行った結果、生分解度が1週間後で46.3%、2週間後で80.0%、3週間後で90.0%、4週間後で96.0%であった。
〔実施例7〕
PBS1の代わりにPBS5を50.0g(COOH基;9.71mmol)使用し、トリブチルアミンの使用量を5.50g(29.1mmol)に変え、ヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウムの使用量を3.81g(14.6mmol)に変え、イミン化合物1の使用量を1.07g(4.86mmol)に変えた以外は実施例1と同様にして、49.4gのイミン含有PBSを得た。得られたイミン含有PBSの分子量をGPCで測定した結果、数平均分子量が27443であった。また、実施例1と同様にしてイミン含有PBSの構造を確認し、実施例1と同様の化学構造を有することを確認した。
得られたイミン含有PBSを用いて、実施例1と同様にしてフィルムを作製した。100μm厚のフィルムの引張強度は38.9MPa、引張弾性率は790MPaであった。このフィルムは、外観および肌触りともに良好であり、柔軟で強度が高かった。
100μm厚のフィルムを用いて水溶性試験を行った。その結果、フィルムの重量保持率は99.8%であり、水溶性がこのフィルムにないことが確認できた。また、15μm厚のフィルムを用いて水崩壊性試験を行った結果、11cm角のフィルムが520時間で3〜4cm角に崩壊し、そのときの数平均分子量は15460まで低下していた。また、30μm厚のフィルムを用いて生分解性試験を行った結果、生分解度が1週間後で28.0、2週間後で53.6%、3週間後で72.5%、4週間後で85.5%であった。
〔実施例8〕
PBS1の代わりにPBDEGSを50.0g(COOH基;40.6mmol)使用し、トリブチルアミンの使用量を16.8g(121.8mmol)に変え、ヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウムの使用量を15.9g(60.9mmol)に変え、イミン化合物1の使用量を4.5g(20.3mmol)に変えた以外は実施例1と同様にして、50.1gのイミン含有PBDEGSを得た。得られたイミン含有PBDEGSの分子量をGPCで測定した結果、数平均分子量が36700であった。また、実施例1と同様にしてイミン含有PBDEGSの構造を解析し、下記式(9)の化学構造を有することを推定した。
Figure 2007004478
得られたイミン含有PBDEGSを用いて、実施例1と同様にしてフィルムを作製した。100μmのフィルムの引張強度は30.9MPa、引張弾性率は520MPaであった。このフィルムは、外観および肌触りともに良好であり、柔軟で強度が高かった。
100μm厚のフィルムを用いて水溶性試験を行った。その結果、フィルムの重量保持率は99.8%であり、水溶性がこのフィルムにないことが確認できた。また、15μm厚のフィルムを用いて水崩壊性試験を行った結果、11cm角のフィルムが206時間で1mm〜1cm角に崩壊し、そのときの数平均分子量は12800まで低下していた。また、30μm厚のフィルムを用いて生分解性試験を行った結果、生分解度が1週間後で30.2%、2週間後で64.5%、3週間後で79.0%、4週間後で89.7%であった。
〔比較例1〕
イミン化合物1の代わりに1,4−ブタンジオールを0.753g(8.20mmol)使用した以外は実施例4と同様にして、綿状のポリブチレンサクシネート49.7gを得た。得られたポリブチレンサクシネートの分子量をGPCで測定した結果、数平均分子量が34465であった。
得られたポリブチレンサクシネートを用いて、実施例1と同様にしてフィルムを作製した。100μm厚のフィルムの引張強度は39.3MPa、引張弾性率は371MPaであった。このフィルムは、外観および肌触りともに良好であり、柔軟で強度が高かった。
100μm厚のフィルムを用いて水溶性試験を行った。その結果、フィルムの重量保持率は99.8%であり、水溶性がこのフィルムにないことが確認できた。上記のフィルムを用いて水崩壊性試験を行った結果、520時間後もフィルムは崩壊しなかった。さらに、この時のフィルムの数平均分子量は33531で分子量変化が認められない。また、同様のフィルムを用いて生分解性試験を行った結果、生分解度が1週間後で27.0%、2週間後で52.5%、3週間後で69.0%、4週間後で79.0%であり、イミン含有PBSの生分解性より劣っていた。
〔実施例9〕
コンデンサー、温度計および攪拌羽根を付けた200mLのガラス製セパラブルフラスコに、PBS6を100.0g(OH基;0.102mol)、イミン化合物1を11.3g(OH基;0.102mol)入れた。窒素雰囲気下で130℃で溶融した後、1%ジラウリン酸ジブチルすず(IV)トルエン溶液0.89g(ジラウリン酸ジブチルすず(IV):0.014mmol、和光純薬工業株式会社製、純度99.0%)を添加した。次に、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下「HDI」という)16.5g(NCO基;0.195mol、三井化学ポリウレタン株式会社製「タケネート700」、NCO含有量49.6重量%)を10分間で滴下し、滴下ロート内に残量するHDIを1.3gのトルエンで洗い流した。次いで、窒素雰囲気下で130℃で3時間反応を行った後、溶融ポリマーをステンレス製バットに排出し、101.0gのイミン含有PBSを得た。得られたイミン含有PBSの分子量をGPCで測定した結果、数平均分子量が26984であった。また、1H-NMRスペクトルを測定し、8.29ppmのイミン結合のメチンピークからイミン含有PBSにイミン結合が存在することを確認した。1H-NMRスペクトルを解析した結果、下記式(10)の化学構造を有していることを推定した。
Figure 2007004478
得られたイミン含有PBSを、130℃で5分間熱プレスし、厚みが15μm、30μmおよび100μmのフィルムを作製した。100μm厚のフィルムの引張強度は31.9MPa、引張弾性率は832MPaであった。このフィルムは、外観および肌触りともに良好であり、柔軟で強度が高かった。
100μm厚のフィルムを用いて水溶性試験を行った。その結果、フィルムの重量保持率は99.8%であり、水溶性がこのフィルムにないことが確認できた。また、15μm厚のフィルムを用いて水崩壊性試験を行った結果、11cm角のフィルムが259時間で1〜2cm角に崩壊し、そのときの数平均分子量は15800まで低下していた。また、100μm厚のフィルムを用いて水中浸漬後の引張強度経時変化を測定した結果、水中浸漬2時間で引張強度が12.2MPaまで低下した。水中浸漬後の引張強度経時変化を測定した結果を図1に示す。また、30μm厚のフィルムを用いて生分解性試験を行った結果、生分解度が1週間後で15.3%、2週間後で27.5%、3週間後で40.8%、4週間後で52.3%、5週間後で60.0%であった。
〔実施例10〕
PBS6の代わりにポリブチレンアジペートジオール(以下「PBAジオール」という)を100.0g(OH基;0.100mol、三井化学ポリウレタン株式会社製「タケラックU−2420」、水酸基価56.1mg−KOH/g)使用し、イミン化合物1の使用量を11.0g(OH基;0.100mol)に変え、HDIの使用量を16.1g(NCO基;0.190mol)に変えた以外は実施例9と同様にして、イミン結合を有するポリブチレンアジペート(以下「イミン含有PBA」という)115.1gを得た。得られたイミン含有PBAの分子量をGPCで測定した結果、数平均分子量が34850であった。また、1H-NMRスペクトルを測定し、8.29ppmのイミン結合のメチンピークからイミン含有PBAにイミン結合が存在することを確認した。1H-NMRスペクトルを解析した結果、下記式(11)の化学構造を有していることを推定した。
Figure 2007004478
得られたイミン含有PBAを用いて、実施例9と同様にしてフィルムを作製した。100μm厚のフィルムの引張強度は30.9MPa、引張弾性率は520MPaであった。このフィルムは、外観および肌触りともに良好であり、柔軟で強度が高かった。
100μm厚のフィルムを用いて水溶性試験を行った。その結果、フィルムの重量保持率は99.8%であり、水溶性がこのフィルムにないことが確認できた。また、15μm厚のフィルムを用いて水崩壊性試験を行った結果、11cm角のフィルムが3時間で1〜2cm角に崩壊し、そのときの数平均分子量は12930まで低下していた。また、100μm厚のフィルムを用いて水中浸漬後の引張強度経時変化を測定した結果、水中浸漬2時間で引張強度が7.1MPaまで低下した。水中浸漬後の引張強度経時変化を測定した結果を図1に示す。また、30μm厚のフィルムを用いて生分解性試験を行った結果、生分解度が1週間後で20.0%、2週間後で31.5%、3週間後で48.3%、4週間後で61.2%であった。
〔実施例11〕
イミン化合物1の代わりにイミン化合物2を15.8g(OH;0.102mol)使用した以外は実施例9と同様にして、95.3gのイミン含有PBSを得た。得られたイミン含有PBSの分子量をGPCで測定した結果、数平均分子量が30240であった。また、1H-NMRスペクトルを測定し、8.29ppmのイミン結合のメチンピークからイミン含有PBSにイミン結合が存在することを確認した。1H-NMRスペクトルを解析した結果、下記式(12)の化学構造を有していることを推定した。
Figure 2007004478
得られたイミン含有PBSを用いて、実施例9と同様にしてフィルムを作製した。100μm厚のフィルムの引張強度は29.9MPa、引張弾性率は785MPaであった。このフィルムは、外観および肌触りともに良好であり、柔軟で強度が高かった。
100μm厚のフィルムを用いて水溶性試験を行った。その結果、フィルムの重量保持率は99.7%であり、水溶性がこのフィルムにないことが確認できた。また、15μm厚のフィルムを用いて水崩壊性試験を行った結果、11cm角のフィルムが86時間で1〜2cm角に崩壊し、そのときの数平均分子量は15870まで低下していた。また、30μm厚のフィルムを用いて生分解性試験を行った結果、生分解度が1週間後で17.4%、2週間後で30.6%、3週間後で45.5%、4週間後で58.3%、5週間後で63.9%であった。
〔実施例12〕
イミン化合物1の代わりにイミン化合物2を15.4g(OH基;0.100mol)使用した以外は実施例10と同様にして、102.3gのイミン含有PBAを得た。得られたイミン含有PBAの分子量をGPCで測定した結果、数平均分子量が34200であった。また、1H-NMRスペクトルを測定し、8.29ppmのイミン結合のメチンピークからイミン含有PBAにイミン結合が存在することを確認した。1H-NMRスペクトルを解析した結果、下記式(13)の化学構造を有していることを推定した。
Figure 2007004478
得られたイミン含有PBAを用いて、実施例9と同様にしてフィルムを作製した。100μm厚のフィルムの引張強度は29.3MPa、引張弾性率は480MPaであった。このフィルムは、外観および肌触りともに良好であり、柔軟で強度が高かった。
100μm厚のフィルムを用いて水溶性試験を行った。その結果、フィルムの重量保持率は99.8%であり、水溶性がこのフィルムにないことが確認できた。また、15μm厚のフィルムを用いて水崩壊性試験を行った結果、11cm角のフィルムが2時間で1〜2cm角に崩壊し、そのときの数平均分子量は11950まで低下していた。また、30μm厚のフィルムを用いて生分解性試験を行った結果、生分解度が1週間後で33.0%、2週間後で45.5%、3週間後で59.3%、4週間後で75.6%であった。
〔比較例2〕
イミン化合物1を用いず、HDIの使用量を8.2g(NCO基;0.097mol)に変えた以外は実施例9と同様にして、80.5gのPBSを得た。得られたPBSの分子量をGPCで測定した結果、数平均分子量が24150であった。
得られたPBSを用いて、実施例9と同様にしてフィルムを作製した。100μm厚のフィルムの引張強度は67.4MPa、引張弾性率は455MPaであった。このフィルムは、外観および肌触りともに良好であり、柔軟で強度が高かった。
100μm厚のフィルムを用いて水溶性試験を行った。その結果、フィルムの重量保持率は99.6%であり、水溶性がこのフィルムにないことが確認できた。また、15μm厚のフィルムを用いて水崩壊性試験を行ったが、水崩壊性は認められなかった。また、30μm厚のフィルムを用いて生分解性試験を行った結果、生分解度が1週間後で5.2%、2週間後で15.7%、3週間後で23.6%、4週間後で37.7%、5週間後で46.8%であり、イミン含有PBSより生分解性が劣っていた。
〔比較例3〕
イミン化合物1を用いず、PBS6の代わりにPBAジオールを100.0g(OH基;0.100mol)使用し、HDIの使用量を8.0g(NCO基;0.095mol)に変えた以外は実施例9と同様にして、ポリブチレンアジペート(以下「PBA」という)91.6gを得た。得られたPBAの分子量をGPCで測定した結果、数平均分子量が45450であった。
得られたPBAを用いて、実施例9と同様にしてフィルムを作製した。100μm厚のフィルムの引張強度は72.5MPa、引張弾性率は250MPaであった。このフィルムは、外観および肌触りともに良好であり、柔軟で強度が高かった。
100μm厚のフィルムを用いて水溶性試験を行った。その結果、フィルムの重量保持率は99.7%であり、水溶性がこのフィルムにないことが確認できた。また、15μm厚のフィルムを用いて水崩壊性試験を行ったが、水崩壊性は認められなかった。また、30μm厚のフィルムを用いて生分解性試験を行った結果、生分解度が1週間後で10.1%、2週間後で16.0%、3週間後で25.2%、4週間後で40.3%であり、イミン含有PBAより生分解性が劣っていた。
〔実施例13〕
PBS6の代わりにPBS6を50.0g(OH基;0.051mol)およびPBAジオールを50.0g(OH基;0.050mol)使用し、イミン化合物1の使用量を11.1g(OH基;0.101mol)に変え、HDIの使用量を16.3g(NCO基;0.192mol)に変えた以外は実施例9と同様にして、イミン結合を有するポリブチレンアジペート−ポリブチレンサクシネート共重合体(以下「イミン含有PBA−PBS」という)112.5gを得た。得られたイミン含有PBA−PBSの分子量をGPCで測定した結果、数平均分子量が41200であった。また、1H-NMRスペクトルを測定し、8.29ppmのイミン結合のメチンピークからイミン含有PBA−PBSにイミン結合が存在することを確認した。1H-NMRスペクトルを解析した結果、下記式(14)の化学構造を有していることを推定した。
Figure 2007004478
得られたイミン含有PBA−PBSを用いて、実施例9と同様にしてフィルムを作製した。100μm厚のフィルムの引張強度は20.9MPa、引張弾性率は630MPaであった。このフィルムは、外観および肌触りともに良好であり、柔軟で強度が高かった。
100μm厚のフィルムを用いて水溶性試験を行った。その結果、フィルムの重量保持率は99.8%であり、水溶性がこのフィルムにないことが確認できた。また、15μm厚のフィルムを用いて水崩壊性試験を行った結果、11cm角のフィルムが200時間で1〜2cm角に崩壊し、そのときの数平均分子量は12930まで低下していた。また、30μm厚のフィルムを用いて生分解性試験を行った結果、生分解度が1週間後で25.3%、2週間後で38.5%、3週間後で50.7%、4週間後で61.3%であった。
〔比較例4〕
イミン化合物1を用いず、HDIの使用量を8.1g(NCO基;0.096mol)に変えた以外は実施例13と同様にして、ポリブチレンアジペート−ポリブチレンサクシネート共重合体(以下「PBA−PBS」という)81.6gを得た。得られたPBA−PBSの分子量をGPCで測定した結果、数平均分子量が30650であった。
得られたPBA−PBSを用いて、実施例9と同様にしてフィルムを作製した。100μm厚のフィルムの引張強度は69.1MPa、引張弾性率は389MPaであった。このフィルムは、外観および肌触りともに良好であり、柔軟で強度が高かった。
100μm厚のフィルムを用いて水溶性試験を行った。その結果、フィルムの重量保持率は99.7%であり、水溶性がこのフィルムにないことが確認できた。また、15μm厚のフィルムを用いて水崩壊性試験を行ったが、水崩壊性は認められなかった。また、30μm厚のフィルムを用いて生分解性試験を行った結果、生分解度が1週間後で8.3%、2週間後で16.3%、3週間後で30.9%、4週間後で50.7%であり、イミン含有PBA−PBSより生分解性が劣っていた。
〔実施例14〕
PBS6の代わりにPBAジオールを100.0g(OH基;0.100mol)および1,4−ブタンジオールを4.6g(OH基;0.100mol)使用し、イミン化合物1の使用量を22.0g(OH基;0.200mol)に変え、HDIの使用量を32.2g(NCO基;0.380mol)に変えた以外は実施例9と同様にして、イミン結合を有するポリブチレンアジペート−ブタンジオール共重合体(以下「イミン含有PBA−BD」という)90.5gを得た。得られたイミン含有PBA−BDの分子量をGPCで測定した結果、数平均分子量が20530であった。また、1H-NMRスペクトルを測定し、8.29ppmのイミン結合のメチンピークからイミン含有PBA−BDにイミン結合が存在することを確認した。1H-NMRスペクトルを解析した結果、下記式(15)の化学構造を有していることを推定した。
Figure 2007004478
得られたイミン含有PBA−BDを用いて、実施例9と同様にしてフィルムを作製した。100μm厚のフィルムの引張強度は40.9MPa、引張弾性率は753MPaであった。このフィルムは、外観および肌触りともに良好であり、柔軟で強度が高かった。
100μm厚のフィルムを用いて水溶性試験を行った。その結果、フィルムの重量保持率は99.9%であり、水溶性がこのフィルムにないことが確認できた。また、15μm厚のフィルムを用いて水崩壊性試験を行った結果、11cm角のフィルムが520時間で4cm角に崩壊し、そのときの数平均分子量は11050まで低下していた。また、30μm厚のフィルムを用いて生分解性試験を行った結果、生分解度が1週間後で10.7%、2週間後で21.8%、3週間後で35.7%、4週間後で49.3%、5週間後で55.8%、6週間後で62.3%であった。
〔比較例5〕
イミン化合物1を用いず、HDIの使用量を16.1g(NCO基;0.190mol)に変えた以外は実施例14と同様にして、ポリブチレンアジペート−ブタンジオール共重合体(以下「PBA−BD」という)81.6gを得た。得られたPBA−BDの分子量をGPCで測定した結果、数平均分子量が31450であった。
得られたPBA−BDを用いて、実施例9と同様にしてフィルムを作製した。100μm厚のフィルムの引張強度は75.3MPa、引張弾性率は544MPaであった。このフィルムは、外観および肌触りともに良好であり、柔軟で強度が高かった。
100μm厚のフィルムを用いて水溶性試験を行った。その結果、フィルムの重量保持率は99.7%であり、水溶性がこのフィルムにないことが確認できた。また、15μm厚のフィルムを用いて水崩壊性試験を行ったが、水崩壊性は認められなかった。また、30μm厚のフィルムを用いて生分解性試験を行った結果、生分解度が3.4%、2週間後で7.1%、3週間後で18.4%、4週間後で26.8%、5週間後で38.5%、6週間後で45.8%であり、イミン含有PBA−BDより生分解性が劣っていた。
〔実施例15〕
PBS6の代わりにPBS6を100.0g(OH基;0.102mol)およびポリエチレングリコールを10.1g(OH基;0.010mol、東邦化学工業株式会社製「PEG−2000」、水酸基価57.1mg−KOH/g)使用し、イミン化合物1の使用量を12.4g(OH基;0.112mol)に変え、HDIの使用量を18.2g(NCO基;0.214mol)に変えた以外は実施例9と同様にして、イミン結合を有するポリブチレンサクシネート−ポリエチレングリコール共重合体(以下「イミン含有PBS−PEG」という)90.5gを得た。得られたイミン含有PBS−PEGの分子量をGPCで測定した結果、数平均分子量が35705であった。また、1H-NMRスペクトルを測定し、8.29ppmのイミン結合のメチンピークからイミン含有PBS−PEGにイミン結合が存在することを確認した。1H-NMRスペクトルを解析した結果、下記式(16)の化学構造を有していることを推定した。
Figure 2007004478
得られたイミン含有PBS−PEGを用いて、実施例9と同様にしてフィルムを作製した。100μm厚のフィルムの引張強度は25.0MPa、引張弾性率は685MPaであった。このフィルムは、外観および肌触りともに良好であり、柔軟で強度が高かった。
100μm厚のフィルムを用いて水溶性試験を行った。その結果、フィルムの重量保持率は99.5%であり、水溶性がこのフィルムにないことが確認できた。また、15μm厚のフィルムを用いて水崩壊性試験を行った結果、11cm角のフィルムが180時間で1〜2cm角に崩壊し、そのときの数平均分子量は15852まで低下していた。また、30μm厚のフィルムを用いて生分解性試験を行った結果、生分解度が1週間後で17.3%、2週間後で30.5%、3週間後で45.2%、4週間後で55.5%、5週間後で64.2%であった。
〔比較例6〕
イミン化合物1を用いず、HDIの使用量を9.1g(NCO基;0.106mol)に変えた以外は実施例15と同様にして、ポリブチレンサクシネート−ポリエチレングリコール共重合体(以下「PBS−PEG」という)80.6gを得た。得られたPBS−PEGの分子量をGPCで測定した結果、数平均分子量が42521であった。
得られたPBS−PEGを用いて、実施例9と同様にしてフィルムを作製した。100μm厚のフィルムの引張強度は65.3MPa、引張弾性率は498MPaであった。このフィルムは、外観および肌触りともに良好であり、柔軟で強度が高かった。
100μm厚のフィルムを用いて水溶性試験を行った。その結果、フィルムの重量保持率は99.5%であり、水溶性がこのフィルムにないことが確認できた。また、15μm厚のフィルムを用いて水崩壊性試験を行ったが、水崩壊性は認められなかった。また、30μm厚のフィルムを用いて生分解性試験を行った結果、生分解度が1週間後で8.7%、2週間後で17.3%、3週間後で25.8%、4週間後で33.4%、5週間後で45.6%であり、イミン含有PBS−PEGより生分解性が劣っていた。
〔実施例16〕
コンデンサー付き水分定量受器、温度計、曲管およびSUS製攪拌羽根を付けたSUS製200mLセパラブルフラスコに、PBS6を100.0g(OH基;0.102mol)、イミン化合物1を11.3g(OH基;0.102mol)、炭酸ジエチルを12.3g(0.102mol、和光純薬工業株式会社製、純度98%)、ナトリウムメトキシドを0.03g(0.528mmol、和光純薬工業株式会社製、純度95%)入れた。120℃までゆっくりと昇温し、120℃で生成エタノールの留去がなくなるまで反応を継続した。さらに、減圧下、180℃で24時間反応させてイミン結合を有するポリカーボネート(以下「イミン含有PC」という)101.3gを得た。
得られたイミン含有PCの分子量をGPCで測定した結果、数平均分子量が25200であった。また、1H-NMRスペクトルを測定し、8.29ppmのイミン結合のメチンピークからイミン含有PCにイミン結合が存在することを確認した。1H-NMRスペクトルを解析した結果、下記式(17)の化学構造を有していることを推定した。
Figure 2007004478
得られたイミン含有PCを用いて、実施例9と同様にしてフィルムを作製した。100μm厚のフィルムの引張強度は21.0MPa、引張弾性率は578MPaであった。このフィルムは、外観および肌触りともに良好であり、柔軟で強度が高かった。
100μm厚のフィルムを用いて水溶性試験を行った。その結果、フィルムの重量保持率は99.5%であり、水溶性がこのフィルムにないことが確認できた。また、15μm厚のフィルムを用いて水崩壊性試験を行った結果、11cm角のフィルムが270時間で1〜2cm角に崩壊し、そのときの数平均分子量は13600まで低下していた。また、30μm厚のフィルムを用いて生分解性試験を行った結果、生分解度が1週間後で40.3%、2週間後で60.5%、3週間後で75.3%、4週間後で86.4%であった。
〔比較例7〕
イミン化合物1を用いず、炭酸ジエチルの使用量を6.2g(0.050mol)に変えた以外は実施例16と同様にして、ポリカーボネート(以下「PC」という)90.6gを得た。得られたPCの分子量をGPCで測定した結果、数平均分子量が26528であった。
得られたPCを用いて、実施例9と同様にしてフィルムを作製した。100μm厚のフィルムの引張強度は22.0MPa、引張弾性率は530MPaであった。このフィルムは、外観および肌触りともに良好であり、柔軟で強度が高かった。
100μm厚のフィルムを用いて水溶性試験を行った。その結果、フィルムの重量保持率は99.8%であり、水溶性がこのフィルムにないことが確認できた。また、15μm厚のフィルムを用いて水崩壊性試験を行ったが、水崩壊性は認められなかった。また、30μm厚のフィルムを用いて生分解性試験を行った結果、生分解度が1週間後で21.3%、2週間後で32.1%、3週間後で40.6%、4週間後で58.2%であり、イミン含有PCより生分解性が劣っていた。
〔実施例17〕
PBS6の代わりにPBSAジオール100.0g(OH;0.102mol)を使用した以外は実施例9と同様にして、100.3gのイミン結合を有するポリブチレンサクシナートアジペート(以下「イミン含有PBSA」という)を得た。得られたイミン含有PBSAの分子量をGPCで測定した結果、数平均分子量が31000であった。また、1H-NMRスペクトルを測定し、8.29ppmのイミン結合のメチンピークからイミン含有PBSAにイミン結合が存在することを確認した。1H-NMRスペクトルを解析した結果、下記式(18)の化学構造を有していることを推定した。
Figure 2007004478
得られたイミン含有PBSAを130℃で5分間熱プレスし、厚みが15μm、30μmおよび100μmのフィルムを作製した。100μm厚のフィルムの引張強度は28.5MPa、引張弾性率は632MPaであった。このフィルムは、外観および肌触りともに良好であり、柔軟で強度が高かった。
100μm厚のフィルムを用いて水溶性試験を行った。その結果、フィルムの重量保持率は99.7%であり、水溶性がこのフィルムにないことが確認できた。また、15μm厚のフィルムを用いて水崩壊性試験を行った結果、11cm角のフィルムが249時間で1〜2cm角に崩壊し、そのときの数平均分子量は16000まで低下していた。また、30μm厚のフィルムを用いて生分解性試験を行った結果、生分解度が1週間後で16.8%、2週間後で30.3%、3週間後で45.0%、4週間後で58.2%、5週間後で66.5%であった。
〔実施例18〕
PBS6の代わりにPBSAジオールを100.0g(OH;0.102mol)使用し、イミン化合物1の代わりにイミン化合物2を15.8g(OH;0.102mol)使用した以外は実施例9と同様にして、95.3gのイミン含有PBSAを得た。得られたイミン含有PBSAの分子量をGPCで測定した結果、数平均分子量が30450であった。また、1H-NMRスペクトルを測定し、8.29ppmのイミン結合のメチンピークからイミン含有PBSAにイミン結合が存在することを確認した。1H-NMRスペクトルを解析した結果、下記式(19)の化学構造を有していることを推定した。
Figure 2007004478
得られたイミン含有PBSAを130℃で5分間熱プレスし、厚みが15μm、30μmおよび100μmのフィルムを作製した。100μm厚のフィルムの引張強度は27.9MPa、引張弾性率は530MPaであった。このフィルムは、外観および肌触りともに良好であり、柔軟で強度が高かった。
100μm厚のフィルムを用いて水溶性試験を行った。その結果、フィルムの重量保持率は99.6%であり、水溶性がこのフィルムにないことが確認できた。また、15μm厚のフィルムを用いて水崩壊性試験を行った結果、11cm角のフィルムが75時間で1〜2cm角に崩壊し、そのときの数平均分子量は15240まで低下していた。また、30μm厚のフィルムを用いて生分解性試験を行った結果、生分解度が1週間後で19.1%、2週間後で33.5%、3週間後で49.7%、4週間後で63.9%であった。
〔比較例8〕
イミン化合物1を用いず、HDIの使用量を8.2g(NCO基;0.097mol)に変えた以外は実施例17と同様にして、80.5gのPBSAを得た。得られたPBSAの分子量をGPCで測定した結果、数平均分子量が24150であった。
得られたPBSを用いて、実施例9と同様にしてフィルムを作製した。100μm厚のフィルムの引張強度は65.2MPa、引張弾性率は436MPaであった。このフィルムは、外観および肌触りともに良好であり、柔軟で強度が高かった。
100μm厚のフィルムを用いて水溶性試験を行った。その結果、フィルムの重量保持率は99.8%であり、水溶性がこのフィルムにないことが確認できた。また、15μm厚のフィルムを用いて水崩壊性試験を行ったが、水崩壊性は認められなかった。また、30μm厚のフィルムを用いて生分解性試験を行った結果、生分解度が1週間後で5.7%、2週間後で16.9%、3週間後で25.0%、4週間後で38.9%、5週間後で50.8%であり、イミン含有PBSAより生分解性が劣っていた。
〔実施例19〕
イミン化合物1の代わりにイミン化合物3を8.2g(OH;0.102mol)使用した以外は実施例9と同様にして、97.7gのイミン含有PBSを得た。得られたイミン含有PBSの分子量をGPCで測定した結果、数平均分子量が29544であった。また、1H-NMRスペクトルを測定した結果を解析した結果、下記式(20)の化学構造を有していることを推定した。
Figure 2007004478
得られたイミン含有PBSを130℃で5分間熱プレスし、厚みが15μm、30μmおよび100μmのフィルムを作製した。100μm厚のフィルムの引張強度は29.0MPa、引張弾性率は577MPaであった。このフィルムは、外観および肌触りともに良好であり、柔軟で強度が高かった。
100μm厚のフィルムを用いて水溶性試験を行った。その結果、フィルムの重量保持率は99.9%であり、水溶性がこのフィルムにないことが確認できた。また、15μm厚のフィルムを用いて水崩壊性試験を行った結果、11cm角のフィルムが433時間で2〜3cm角に崩壊し、そのときの数平均分子量は19421まで低下していた。また、30μm厚のフィルムを用いて生分解性試験を行った結果、生分解度が1週間後で14.4%、2週間後で25.6%、3週間後で38.7%、4週間後で50.8%、5週間後で60.0%であった。
〔実施例20〕
イミン化合物1の代わりにイミン化合物4を11.1g(OH;0.102mol)使用した以外は実施例9と同様にして、98.3gのイミン含有PBSを得た。得られたイミン含有PBSの分子量をGPCで測定した結果、数平均分子量が31000であった。また、1H-NMRスペクトルを測定した結果を解析した結果、下記式(21)の化学構造を有していることを推定した。
Figure 2007004478
得られたイミン含有PBSを130℃で5分間熱プレスし、厚みが15μm、30μmおよび100μmのフィルムを作製した。100μm厚のフィルムの引張強度は28.7MPa、引張弾性率は598MPaであった。このフィルムは、外観および肌触りともに良好であり、柔軟で強度が高かった。
100μm厚のフィルムを用いて水溶性試験を行った。その結果、フィルムの重量保持率は99.8%であり、水溶性がこのフィルムにないことが確認できた。また、15μm厚のフィルムを用いて水崩壊性試験を行った結果、11cm角のフィルムが445時間で2〜3cm角に崩壊し、そのときの数平均分子量は19540まで低下していた。また、30μm厚のフィルムを用いて生分解性試験を行った結果、生分解度が1週間後で14.7%、2週間後で25.9%、3週間後で39.0%、4週間後で51.4%、5週間後で60.0%であった。
<生分解性ポリマー樹脂組成物>
〔実施例21〜29および参考例1〜4〕
表6に示す配合条件で生分解性ポリマーと無機添加剤とを混合し、さらにプラストミルで130℃、5分間溶融混合し、排出した生分解性ポリマー樹脂組成物を用いて、実施例9と同様にして15μm厚のフィルムを作成し、水崩壊性試験を実施した。その水崩壊時間を表6に示す。
Figure 2007004478
水崩壊性試験結果から生分解性ポリマー100重量部に対し、無機添加剤を0.01〜50重量部の範囲で配合した生分解性ポリマー樹脂組成物の水崩壊性は、無添加のものに比べ向上する。一方、無機添加剤を50重量部を超えて配合した生分解性ポリマー樹脂組成物は、水崩壊性の向上は認められなかった。
<生分解性ポリマーの不織布製造>
〔実施例30〜35および比較例9〜13〕
表7に示す生分解性ポリマーを用いた。紡糸温度210℃とし、孔数が72個のノズルを用いて溶融紡出した。この紡出糸条を20℃の冷却空気流で冷却した後、引き続きエアーサッカーを用いて引き取り速度3500m/分で引き取り、ネットコンベア−上に捕集堆積させてウェブを作製した。その後、ロール温度105℃、圧接面積率17%、線圧30kg/cmの条件で、エンボスロールとフラットロールとによってウェブを部分熱接着した。そして、スパンボンド法にて、繊度3.0デニール、目付け50g/m2の生分解性ポリマーの不織布を得た。得られた不織布について、KGSM強力(MD/CD)を測定するとともに、水崩壊性試験を行った。結果を表7に示す。
Figure 2007004478
本発明の生分解性ポリマーで製造した不織布(実施例30〜35)は、外観および肌触りともに良好であり、柔軟で充分な強度を有している。また、優れた水崩壊性も示した。一方、イミン結合を有しない生分解性ポリマーで製造した不織布(比較例9〜13)は外観、肌触りおよび強度は良好であるが、水崩壊性を示さなかった。

Claims (19)

  1. 分子内に1つ以上のイミン結合を有する生分解性ポリマーであって、該イミン結合が該生分解性ポリマーの主鎖構造の一部を形成することを特徴とする生分解性ポリマー。
  2. 前記生分解性ポリマーが、生分解性部位と、1つ以上のイミン結合を有するイミン部位とを含有し、かつ、該生分解性部位間を該イミン部位によって連結した形の化学構造を含有することを特徴とする請求項1に記載の生分解性ポリマー。
  3. 前記生分解性部位が、ポリエステル類、オリゴエステル類、ポリ(アミド-エステル)類、オリゴ(アミド-エステル)類またはポリエーテル類であることを特徴とする請求項2に記載の生分解性ポリマー。
  4. 前記イミン部位が下記一般式(1)で表されるイミン部位であることを特徴とする請求項2に記載の生分解性ポリマー。
    Figure 2007004478
    (式中、R1〜R3は、それぞれ独立に炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Y1およびY2は、それぞれ独立に−CR=N−または−N=CR−を表し、Rは水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を表し、kは0〜1000の整数を表す。)
  5. 前記生分解性部位と前記イミン部位とを連結させる化学結合が、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、カーボネート結合または下記一般式(2)で表される結合であることを特徴とする請求項2に記載の生分解性ポリマー。
    Figure 2007004478
    (式中、R’は炭素数1〜20の2価の炭化水素基を表し、X1およびX2は、それぞれ独立にエステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合またはカーボネート結合を表す。)
  6. 前記生分解性部位が、ポリエステル類、オリゴエステル類、ポリ(アミド-エステル)類、オリゴ(アミド-エステル)類またはポリエーテル類であり、
    前記イミン部位が、請求項4に記載の一般式(1)で表されるイミン部位であり、
    前記生分解性部位と前記イミン部位とを連結させる化学結合が、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、カーボネート結合または請求項5に記載の一般式(2)で表される結合であることを特徴とする請求項2に記載の生分解性ポリマー。
  7. 生分解性部位を含む化合物と、1個以上のイミン結合を有するイミン部位を含む化合物と、縮合剤とを反応させることを特徴とする生分解性ポリマーの製造方法
  8. 前記縮合剤が、ヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウム、ヨウ化2−ブロモ−1−メチルピリジニウム、2−クロロ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボレートまたは2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボレートであることを特徴とする請求項7に記載の生分解性ポリマーの製造方法。
  9. 生分解性部位を含む化合物と、1個以上のイミン結合を有するイミン部位を含む化合物と、連結剤とを反応させることを特徴とする生分解性ポリマーの製造方法。
  10. 前記連結剤がジイソシアネート類または炭酸エステル類であることを特徴とする請求項9に記載の生分解性ポリマーの製造方法。
  11. 請求項1〜6のいずれかに記載の生分解性ポリマーを含有してなることを特徴とする生分解性ポリマーの成形物。
  12. 前記成形物が無機添加剤を含有することを特徴とする請求項11に記載の生分解性ポリマーの成形物。
  13. 前記成形物が、シート、フィルム、容器または不織布であることを特徴とする請求項11に記載の生分解性ポリマーの成形物。
  14. 請求項1〜6のいずれかに記載の生分解性ポリマーを含有することを特徴とする衛生用品。
  15. 前記衛生用品が、生理用ナプキン、パンティーライナー、使い捨ておむつまたは生理用タンポンアプリケータから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項14に記載の衛生用品。
  16. 請求項1〜6のいずれかに記載の生分解性ポリマーを含有することを特徴とする農園芸資材。
  17. 前記農園芸資材が、マルチフィルム、育苗ポット、園芸テープ、果実栽培袋、杭、薫蒸シートまたはビニールハウス用フィルムから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項16に記載の農園芸資材。
  18. 請求項1〜6のいずれかに記載の生分解性ポリマーを含有することを特徴とする土木建築資材。
  19. 前記土木建築資材が、植生ネット、植生ポット、立体網状体、土木用繊維、杭または断熱材から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項18に記載の土木建築資材。

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