JP3455964B2 - 樹脂組成物およびその用途 - Google Patents

樹脂組成物およびその用途

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JP3455964B2 JP2001226097A JP2001226097A JP3455964B2 JP 3455964 B2 JP3455964 B2 JP 3455964B2 JP 2001226097 A JP2001226097 A JP 2001226097A JP 2001226097 A JP2001226097 A JP 2001226097A JP 3455964 B2 JP3455964 B2 JP 3455964B2
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村 和 生 脇
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ポリ乳酸系樹脂とポリア
ルキレンカーボネートとからなる樹脂組成物およびその
用途に関する。詳しくは、本発明は、ポリ乳酸系樹脂と
ポリアルキレンカーボネートとからなり、柔軟性、透明
性、耐熱性およびガスバリア性などの特性に優れ、使用
後に自然環境下で分解性を有する樹脂組成物およびその
用途に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】一般に、柔軟性を有し、透明性と
耐熱性が優れる樹脂としては、軟質ポリ塩化ビニル、軟
質ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリエチレン
等の樹脂が知られている。しかしながら、これらの樹脂
は、使用後廃棄する際、ゴミの量を増すうえに、自然環
境下で殆ど分解されないために、埋設処理しても、半永
久的に地中に残留する。また投棄されたプラスチック類
により、景観が損なわれ海洋生物の生活環境が破壊され
るなどの問題が起こっている。
【0003】一方、生分解性を有する樹脂として、ポリ
乳酸及びポリ乳酸と他の脂肪族ポリエステルとのコポリ
マー(以下、ポリ乳酸類という。)、脂肪族多価アルコ
ールと脂肪族多価カルボン酸から誘導されるポリエステ
ル等が開発されている。これらの樹脂の中には、動物の
体内で数カ月から1年以内に100%生分解し、又は、
土壌や海水中に置かれた場合、湿った環境下では数週間
で分解を始め、約1年から数年で消滅するものがある。
さらに、生分解性を有する樹脂の分解生成物は、人体に
無害な乳酸と二酸化炭素と水になるという特性を有して
いる。
【0004】これらの生分解性を有する樹脂のうち、特
にポリ乳酸類は、近年、原料であるL一乳酸が発酵法に
より大量かつ安価に製造されるようになってきたこと、
剛性が強いという優れた特徴を有すること等により、そ
の利用分野の拡大が期待されている。しかしながら、ポ
リ乳酸類を、通常の押出成形等により成形加工すること
により得られた容器や包装材は、剛性には優れるもの
の、柔軟性に乏しく、ポリ乳酸類は、チューブやラップ
フィルムなど柔軟性を特徴とする包装材料用途には適し
ていない。
【0005】ポリ乳酸類に柔軟性を付与する技術として
は、一般に樹脂を軟質化する技術と同様に、可塑剤を添
加する方法、軟質ポリマーをブレンドする方法、他のモ
ノマーを共重合させる方法などが考えられる。しかしな
がら、可塑剤を添加する場合には、可塑剤が経時的にブ
リードアウトし、べたつきや透明性低下などの品質低下
を生じやすく、また、ガスバリア性、保香性などの物性
が低下しやすいという問題がある。また、軟質ポリマー
とブレンドする場合には、必ずしも相溶性がよくないた
め、透明性が低下しやすいという問題がある。さらに、
他のモノマーを共重合させる方法は、調製に大掛かりな
反応装置を用いる必要があり、反応に長時間を要するた
め、簡便な方法ではないという問題がある。
【0006】このため、ポリ乳酸類などの生分解性を有
する樹脂を含有する樹脂組成物であって、生分解性を有
する樹脂の優れた特性を損なうことなく、ガスバリア性
が向上し、経時的にブリードアウトなどが生じることの
ない、柔軟性の改良された樹脂組成物の出現が望まれて
いた。本発明者は、このような状況に鑑みて鋭意研究し
た結果、生分解性を有するポリ乳酸系樹脂と、特定のポ
リアルキレンカーボネートとからなる樹脂が、生分解性
を有し、かつ、柔軟性などの特性にも優れることを見出
して本発明を完成するに至った。
【0007】なお、特開平6−345956号公報で
は、ポリエチレンカーボネートとポリ(3-ヒドロキシ酪
酸)やポリカプロラクトンなどの微生物分解性合成高分
子および/または澱粉などの天然高分子からなる樹脂組
成物が開示されており、優れた生分解性が示されてい
る。しかし、フィルムなどの包装材料で重要な物性値で
ある透明性についてはあまり考慮されていなかった。ま
た、特開平11−140292号公報には、ポリ乳酸と
ポリカーボネートとを含む樹脂組成物が開示されてい
る。これによると、ガスバリア性については一切考慮さ
れておらず、また、記載のポリカーボネートはガラス転
移温度が低いことが予想されそのため、得られた樹脂組
成物のガスバリア性はポリ乳酸よりも悪くなることが予
想される。
【0008】
【発明の目的】本発明は、生分解性を有するポリ乳酸系
樹脂が本来有している優れた分解性に加え、柔軟性、透
明性、耐熱性およびガスバリア性に優れた樹脂組成物お
よびその用途を提供することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】本発明の樹脂組成物は、 (A)生分解性を有するポリ乳酸系樹脂:30〜95重
量部と (B)下記式(I)で表されるポリエチレンカーボネー
:70〜5重量部(ただし、(A)と(B)の合計を
100重量部とする)とからなる樹脂組成物であって、
該樹脂組成物から0.1mm厚さのプレスフィルムを形成し
た場合、そのヘイズ値が40%以下であることを特徴と
している。
【0010】
【化3】
【0011】〔Rは、エチレン
【0012】
【0013】表される基から選ばれる少なくとも1種
の基であり、nは、3〜15,000の整数を表
す。〕。
【0014】本発明の樹脂組成物では、前記生分解性を
有するポリ乳酸系樹脂(A):40〜90重量部と前記
ポリエチレンカーボネート(B):60〜10重量部
(ただし、(A)と(B)の合計を100重量部とす
る)とからなり、該樹脂組成物から0.1mm厚さのプレス
フィルムを形成した場合、そのヘイズ値が40%以下で
あるものが特に好ましい。
【0015】た、該樹脂組成物から0.5mm厚さのプレ
スシートを形成した場合、その23℃におけるヤング率
が2500MPa以下である樹脂組成物が好ましい。さ
らに、該樹脂組成物から0.1mm厚さのプレスフィルムを
形成した場合、その25℃での炭酸ガス透過係数が85 c
c mm/m2 day atm以下である樹脂組成物が好ましい。
【0016】このような本発明に係る樹脂組成物は、フ
ィルムの成形体の製造に好ましく用いられる。
【0017】
【発明の具体的説明】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明の樹脂組成物は、(A)生分解性を有す
るポリ乳酸系樹脂と、(B)ポリアルキレンカーボネー
トとを含有する。まずはこれらの各成分について説明す
る。
【0018】(A)生分解性を有するポリ乳酸系樹脂 本発明で用いる生分解性を有するポリ乳酸系樹脂(A)
としては、生分解性が認められるポリ乳酸系樹脂であれ
ばどのような構造であってもよく、いずれも好適に使用
することができる。本発明において、生分解性を有する
とは、たとえば、ISO14855(JISK695
3)「制御されたコンポスト条件下の好気的究極生分解
度および崩壊度の求め方」において、生分解することが
認められるものをいい、該求め方において半年以内に6
0%以上分解するものがより好ましい。
【0019】本発明において、生分解性を有するポリ乳
酸系樹脂(A)の具体例には、ポリ乳酸、乳酸−ヒドロ
キシカルボン酸共重合体や乳酸−脂肪族多価アルコール
−脂肪族多塩基酸共重合体等のコポリ乳酸、及び、ポリ
乳酸及び乳酸−ヒドロキシカルボン酸共重合体や乳酸−
脂肪族多価アルコール−脂肪族多塩基酸共重合体の混合
物等のポリマーブレンドやポリマーアロイ等が包含され
る。
【0020】ポリ乳酸系樹脂の原料としては、乳酸類及
びヒドロキシカルボン酸類、脂肪族多価アルコール類、
脂肪族多塩基酸類等が用いられる。乳酸類の具体例とし
ては、たとえば、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸又は
それらの混合物、又は、乳酸の環状2量体であるラクタ
イドを挙げることができる。
【0021】また、乳酸類と併用できるヒドロキシカル
ボン酸類の具体例としては、グリコール酸、3−ヒドロ
キシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草
酸、5ーヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸
を挙げることができ、さらに、ヒドロキシカルボン酸の
環状エステル中間体、たとえば、グリコール酸の2量体
であるグリコライドや6−ヒドロキシカプロン酸の環状
エステルであるε−カプロラクトンを挙げることができ
る。
【0022】また、乳酸類と併用できる脂肪族多価アル
コールの具体例としては、たとえば、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4
−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−へキサンジオール、1,9−ノナンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレング
リコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,
4−ベンゼンジメタノール等が挙げられる。
【0023】また、乳酸類と併用できる脂肪族多塩基酸
の具体例としては、たとえば、コハク酸、シュウ酸、マ
ロン酸、グルタル酸、アジビン酸、ビメリン酸、スベリ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ド
デカン二酸、フェニルコハク酸、1,4−フェニレンジ
酢酸等が挙げられる。これらは、単独で又は二種以上組
合わせて使用することができる。
【0024】本発明において用いることができるポリ乳
酸系樹脂の態様としては、以下の(1)〜(4)のよう
なものが挙げられる。 (1)乳酸ホモポリマー。 (2)50重量%以上の乳酸と、50重量%以下の乳酸
以外のヒドロキシカルボン酸から生成したコポリ乳酸。 (3)50重量%以上の乳酸と、50重量%以下の脂肪
族多価アルコールと脂肪族多塩基酸から生成したコポリ
乳酸。 (4)50重量%以上の乳酸と、50重量%以下の乳酸
以外のヒドロキシカルボン酸及び脂肪族多価アルコール
と脂肪族多塩基酸から生成したコポリ乳酸。
【0025】ここで、コポリ乳酸は、ランダム共重合体
であっても、ブロック重合体であっても、両者の混合物
であってもよい。本発明において好ましく用いることが
できるコポリ乳酸の態様は、たとえば、以下のようなも
のが挙げられる。 (1)50重量%以上の乳酸と、50重量%以下のカプ
ロン酸から生成した乳酸ブロック共重合体。 (2)50重量%以上の乳酸と、50重量%以下の1,
4−ブタンジオールとコハク酸から生成した乳酸ブロッ
ク共重合体。 (3)50重量%以上のポリ乳酸セグメントと、50重
量%以下のポリカプロン酸セグメントからなるブロック
共重合体。 (4)50重量%以上のポリ乳酸セグメントと、50重
量%以下のポリブチレンサクシネートセグメントからな
るブロック共重合体。
【0026】本発明において、ポリ乳酸系樹脂として
は、乳酸ホモポリマー、ポリ乳酸セグメントとポリブチ
レンサクシネートセグメント及び/又はポリカプロン酸
セグメントを有するブロックコポリマーを、特に好適に
用いることができる。本発明で好ましく用いられるポリ
乳酸系樹脂の重量平均分子量(Mw)や分子量分布は、
実質的に、成形加工が可能であれば特に制限されない。
【0027】本発明で用いられるポリ乳酸系樹脂の分子
量は、実質的に充分な機械物性を示すものであれば特に
制限されないが、一般的には、重量平均分子量(Mw)
として、1万〜50万が好ましく、3万〜40万がより
好ましく、5万〜30万がさらに好ましい。一般的に
は、重量平均分子量(Mw)が1万より小さい場合、機
械物性が充分でなかったり、逆に分子量が50万を越え
る場合、取扱困難となったり、不経済となったりする場
合がある。
【0028】これらの態様のポリ乳酸は、単独で用いる
こともできるし、任意の2種類以上の組合せで用いるこ
ともできる。本発明において、生分解性を有するポリ乳
酸系樹脂(A)の製造方法は、特に限定されるものでは
ないが、具体的にはたとえば以下の方法などを挙げるこ
とができる。 (1)乳酸又は乳酸類とヒドロキシカルボン酸類の混合
物を原料として、直接脱水重縮合する方法(たとえば、
特開平6−65360号に開示されている製造方法)。 (2)乳酸の環状二量体(ラクタイド)を溶融重合する
間接重合法(たとえば、米国特許第2,758,987
号に開示されている製造方法)。 (3)上記乳酸類やヒドロキシカルボン酸類の環状2量
体、たとえば、ラクタイドやグリコライド、あるいはε
−カプロラクトンのような環状エステル中間体を、触媒
の存在下、溶融重合する開環重合法(米国特許第4,0
57,537号)。
【0029】また、ポリ乳酸系樹脂を製造するにあた
り、グリセリン、トリメチロールプロパンのような脂肪
族多価アルコール、ブタンテトラカルボン酸のような脂
肪族多塩基酸、多糖類等のような多価アルコール類と、
一部共重合させてもよく、ジイソシアネート等のような
結合剤(高分子鎖延長剤)を用いて分子量を上げてもよ
い。
【0030】原料を直接脱水重縮合してポリ乳酸系樹脂
を製造する場合には、原料である乳酸類又は乳酸類とヒ
ドロキシカルボン酸類を、好ましくは有機溶媒、特にフ
ェニルエーテル系溶媒の存在下で共沸脱水縮合し、特に
好ましくは共沸により留出した溶媒から水を除き実質的
に無水の状態にした溶媒を反応系に戻す方法によって重
合することにより、本発明に適した強度を持つ高分子量
のポリ乳酸系樹脂を得ることができる。
【0031】本発明においては、ポリ乳酸を重合する際
の単量体系における乳酸成分の含有量は、50重量%以
上であり、60重量%以上が好ましく、70重量%以上
がより好ましく、80重量%以上がさらに好ましい。ポリエチレンカーボネート(B) 本発明におけるポリエチレンカーボネート(B)は、下
記式(I)で表される。
【0032】
【化5】
【0033】〔Rは、エチレン
【0034】
【0035】ありnは、3〜15,000、好まし
くは10〜10,000の整数を表す。〕
【0036】また、本発明で用いるポリエチレンカーボ
ネート(B)は、エチレン基以外に、本発明の特性を損
なわない範囲内で、好ましくはアルキレン基の20モル
%以下の範囲内で、他のアルキレン基を含有していても
良い。アルキレン基としては、プロピレン、メチレン、
トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキ
サメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメ
チレン、デカメチレン、ドデカメチレン、エチルエチレ
ン、1,2-ジメチルエチレン、1,1-ジメチルエチレン、プ
ロピルエチレン、1-エチル-2-メチルエチレン、ブチル
エチレン、ペンチルエチレン、ヘキシルエチレン、オク
チルエチレンなどの飽和脂肪族基、1,2-シクロペンチレ
ン、1,3-シクロペンチレン、1,2-シクロヘキシレン、1,
3-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキシレン、1,3-シク
ロヘキサンジメチレン、1,4シクロヘキサンジメチレ
ン、シクロヘキシルエチレンなどの脂環族基、ビニルエ
チレン、アリルエチレン、イソプロペニルエチレンなど
の不飽和脂肪族基が挙げられる。また、スチレン、ベン
ジルエチレン、m-フェニレン、p-フェニレン、4,4'-ジ
フェニレン、4,4'-ビスフェニレン-2,2-プロパン、4,4'
-ビスフェニレン-スルホン、トリフルオロメチルエチレ
ンなどの芳香族やヘテロ元素を含有する基、またはおよ
び一般式(II)
【化6】 (ただし、R 1 およびR 2 は、同一または異なる炭素数2
〜6個のアルキレン基を表し、pは1〜15の整数を表
す)で表される基を含有してもよい。ここで、上記一般
式(II)で表される基としては、pが1〜2の整数で表
される基が好ましく、具体的には、p=1の3−オキサ
ペンタニレン、3−オキサヘキサニレン、3−オキサヘ
プタニレン、3−オキサ−1−メチルペンタニレン、3
−オキサ−1−メチルヘキサニレン基等が好ましい。
【0037】本発明で用いるポリエチレンカーボネート
(B)としては、特に、上記式(I)においてRで表さ
れるアルキレン基の80モル%以上がエチレン基で構成
されていることが好ましく、90モル%以上がエチレン
基で構成されていることが特に好ましい。これらの中で
も特にポリエチレンカーボネートが好ましい。
【0038】本発明で用いるポリエチレンカーボネート
(B)の分子量は、特に制限はないが、一般的には、重
量平均分子量として、500〜100万であることが好
ましく、2000〜50万であることがより好ましく、
5000〜30万であることが特に好ましい。分子量は
GPCなど公知の方法で求めることができる。
【0039】また、本発明で用いるポリエチレンカーボ
ネート(B)は、ガラス転移温度が40℃以下であるこ
とが好ましい。ガラス転移温度が低いと、樹脂組成物に
柔軟性や耐衝撃性を付与できるため好ましい。なお、本
発明においてガラス転移温度は、通常のDSC(示差走
査熱量計)にて昇温速度10℃/分で観測される温度を
いう。
【0040】本発明で用いるポリエチレンカーボネート
(B)は、いかなる方法で製造されたものであってもよ
く、特に限定されるものではないが、代表的な製造方法
としては、(1)炭酸ジメチルなどの炭酸エステルとグ
リコールとのエステル交換により行う方法、(2)グリ
コールとホスゲンを反応させる方法、(3)環状カーボ
ネートを開環させる方法、(4)エポキシドと炭酸ガス
を亜鉛含有固体触媒成分下に共重合させる方法(特許第
2571269号、特許第2693584号)などが挙
げられ、所望の分子構造などにより適宜選択して製造す
ることができる。
【0041】樹脂組成物 本発明の樹脂組成物は、 (A)生分解性を有するポリ乳酸系樹脂:30〜95重
量部と (B)上述の式(I)で表されるポリエチレンカーボネ
ート:70〜5重量部(ただし、(A)と(B)の合計
を100重量部とする)とからなる。
【0042】本発明の樹脂組成物では、このうち特に、
ポリ乳酸系樹脂(A)は40〜90重量部含有すること
が好ましく、45〜80重量部含有することがより好ま
しく、50〜70重量部含有することが特に好ましい。
また、ポリエチレンカーボネート(B)は、60〜10
重量部含有することが好ましく、55〜20重量部含有
することがより好ましく、50〜30重量部含有するこ
とが特に好ましい。
【0043】このような本発明の樹脂組成物は、(A)
ポリ乳酸系樹脂と(B)ポリエチレンカーボネートとが
このような範囲であると、ポリ乳酸の特徴である透明
性、耐熱性を損なうことなく、柔軟性が付与され、さら
にはガスバリア性も向上するため好ましい。本発明に係
る樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、上
述の(A)成分および(B)成分以外の樹脂を少量含有
していてもよく、また、目的に応じて、各種安定剤、紫
外線吸収剤、難燃剤、内部離型剤、滑剤、可塑剤、有機
フィラー、無機フィラー、顔料、顔料分散剤などを含有
していてもよい。
【0044】このような本発明に係る樹脂組成物からな
るフィルムのヘイズ値は、40%以下であり、好ましく
は30%以下であり、さらに好ましくは20%以下であ
り、特に好ましくは10%以下である。なお、ヘイズ値
の測定には、樹脂組成物をよく乾燥させ、2枚の真鍮
板、アルミ板および離型フィルムの間に所定量をはさ
み、200℃で溶融させ、10MPaで1分間圧縮した
のち、0℃の温度に設定した圧縮成形機で再び10MP
aで圧縮冷却し、厚さ100μmに成形したフィルムを
用いた。
【0045】また、このフィルムの25℃での炭酸ガス
透過係数は、好ましくは85 cc mm/m2 day atm以下、さ
らに好ましくは80cc mm/m2 day atm以下、特に好ま
しくは75cc mm/m2 day atm以下の範囲にある。さら
に、このような本発明に係る樹脂組成物からなるシート
の23℃におけるヤング率は、好ましくは2500MP
a以下であり、さらに好ましくは2200〜50MPa
であり、特に好ましくは2000〜100MPaであ
る。
【0046】なお、ヤング率の測定には、樹脂組成物を
よく乾燥させ、2枚の真鍮板、アルミ板および離型フィ
ルムの間に所定量をはさみ、200℃で溶融させ、10
MPaで1分間圧縮したのち、0℃の温度に設定した圧
縮成形機で再び10MPaで圧縮冷却し、厚さ500μ
mに成形したシートを用いた。本発明の樹脂組成物は、
その製造方法を特に限定するものではなく、通常熱可塑
性樹脂からなる樹脂組成物を製造する場合の公知の製造
方法を適宜採用することができる。
【0047】具体的には、たとえば、上述したポリ乳酸
系樹脂などのポリ乳酸系樹脂(A)と、上述したポリ
チレンカーボネート(B)とを、高速撹拌機または低速
攪拌機などを用いて均一混合した後、充分な混練能力の
ある一軸あるいは多軸の押出機で溶融混練する方法を採
用することができる。また、たとえば、ヘンシェルミキ
サー、リボンブレンダー等で各原料を固体状で混合させ
たり、さらに押出機等を用いてポリマーを溶融させなが
ら混練させる方法を用いることもできる。さらには、減
圧装置、攪拌装置を備えた反応容器中で、加熱溶解し、
常圧あるいは減圧下で混練させる方法を用いることもで
きる。これらの中でも本発明においては、特に固体状で
混合された原料を二軸押出機にて180〜220℃の温
度範囲で溶融混合させる方法で調製した樹脂組成物が好
ましい。
【0048】上記のような方法で製造された樹脂組成物
は、ペレット、棒状、粉末などどのような形状であって
もよいが、ペレットの形状で取り出されるのが好まし
い。さらに、得られた樹脂組成物を固相重合することも
できる。固相重合では、樹脂組成物中の揮発性低分子を
除去し、分子量を向上させることができる。固相重合の
方法としては、充分に予備乾燥を行った樹脂組成物のペ
レットを、60〜120℃の温度範囲で10〜180分
間、窒素ガスなどの不活性気流下に保持し、結晶化さ
せ、次いで、90〜150℃の温度範囲で、0.5〜2
00時間、窒素ガスなどの不活性気流下あるいは減圧下
に保持することにより行うことができる。
【0049】本発明に係る樹脂組成物には、目的に応じ
て、各種安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、内部離型剤、
滑剤、可塑剤、有機フィラー、無機フィラー、顔料、顔
料分散剤などを添加することができる。これらを適宜添
加することで、所望の物性を有する成形品、フィルム、
シート、フィラメント、糸、テキスタイル等の加工品を
製造することができる。
【0050】また、本発明の樹脂組成物から得られる成
形品やフィルム、シート、フィラメント、糸、テキスタ
イル等の加工品を熱処理及び/又は延伸すると、高い透
明性、可撓性及び耐熱性を併せ有する高性能加工製品を
得ることができる。したがって、本発明の樹脂組成物
は、フィルム、延伸フィルム(特に二軸延伸フィル
ム)、射出成形体、ブロー成形体、積層体、テープ、不
織布、糸などの成形体の製造に好ましく用いられる。延
伸、熱処理条件(温度、温度変化・履歴、倍率、時間
等)は、所望の特性・性状を有する成形体とすることが
できれば、特に制限されない。
【0051】延伸条件は、通常、分解性高分子の種類、
熱的性質、分子量等を考慮して、適宜、設定することが
できる。延伸温度は、通常、分解性高分子のガラス転移
温度以上、融点以下の温度範囲内から選択され、たとえ
ば樹脂組成物に占めるポリ乳酸系樹脂の比率が相対的に
高い場合は、通常60〜160℃、好ましくは60〜1
00℃程度であるのが望ましい。延伸倍率は、一般的に
は、2〜20倍が好ましく、4〜15倍がより好まし
い。
【0052】熱処理温度は、一般に延伸温度より高い温
度が選択され、たとえば、樹脂組成物に占めるポリ乳酸
系樹脂の比率が相対的に高い場合には、通常80〜16
0℃、好ましくは120〜150℃程度であるのが望ま
しい。熱処理は、連続操作でも回分操作でもよい。たと
えば、本発明の樹脂組成物から得られるフィルムを熱処
理する場合には、熱処理条件を適宜選択することによ
り、Haze(曇度)が10%以下、伸びが20%以
上、120℃で10分加熱後も変形しないという性能を
有する高性能フィルムを容易に作成することできる。こ
のようにして、本発明の樹脂組成物から得られるフィル
ムを熱処理及び又は延伸することにより、高い透明性及
び可撓性に加え、ポリカプロラクトンあるいはポリブチ
レンサクシネート熱処理フィルムでは得ることができな
かった顕著に高い耐熱性を付与することができる。
【0053】本発明に係る成形前の樹脂組成物の形状
は、通常、ペレット、棒状、粉末等が好ましい。本発明
に係る樹脂組成物を混合機で均一にして、通常の成形条
件で射出成形、ブロー成形、圧縮成形等に供することが
できる。樹脂組成物の成形加工 本発明に係る樹脂組成物は、押出成形、射出成形、カレ
ンダー成形、ブロー成形、バルーン成形等の成形加工に
好適な材料である。
【0054】以下に、本発明に係る成形加工品の製造方
法を説明する。 (1)押出成形 押出成形においては、本発明に係る樹脂組成物を、一般
的なTダイ押出成形機で成形することにより、フィルム
やシートを成形することができる。 (2)射出成形 射出成形においては、本発明に係る樹脂組成物のペレッ
トを溶融軟化させて、室温以下(−10〜20℃)に保
持した金型に充填して、成形サイクル20〜35秒で成
形物が得られる。 (3)ブロー成形(射出ブロー成形、延伸ブロー成形、
ダイレクトブロー成形) たとえば、射出ブロー成形においては、本発明に係る樹
脂組成物のペレットを、一般的な射出ブロー成形機で溶
融して金型に充填することにより、予備成形体を得る。
得られた予備成形体をオーブン(加熱炉)中で再加熱し
た後に、室温以下(−10〜20℃)に保持された金型
内に入れて、圧力空気を送出してブローすることにより
ブローボトルを成形することができる。 (4)真空成形・真空圧空成形 上記(1)の押出成形と同様の方法により成形したフィ
ルムやシートを、予備成形体とする。得られた予備成形
体を加熱して、一旦、軟化させた後、一般的な真空成形
機を用いて、室温以下(−10〜20℃)に保持された
金型内で、真空成形、又は、真空圧空成形することによ
り、成形物を成形することができる。 (5)積層体成形 積層体成形においては、上記(1)の押出成形の方法で
得たフィルムやシートを他の基材と接着剤や熱でラミネ
ーションする方法や、上記(1)の押出成形の方法と同
様の方法でTダイから溶融樹脂を直接、紙、金属、プラ
スチックなどの基材上へ押出す押出ラミネーション法、
本発明の樹脂組成物などを別の押出機で各々溶融し、ダ
イヘッドで合流させて同時に押し出す共押出法、これら
を組み合わせた共押出ラミネーションなどの方法で積層
成形体を得ることができる。 (6)テープヤーン成形 テープヤーン成形においては、上記(1)の押出成形と
同様の方法により成形したフィルムやシートを特定の幅
にスリットし、60℃〜140℃の温度範囲で一軸に熱
延伸し、場合によってはさらに80℃〜160℃の温度
範囲で熱固定することで成形物を成形することができ
る。 (7)糸成形 糸成形においては、押出機を用い150〜220℃の温
度で溶融させ紡糸口金から吐出させる溶融紡糸法により
糸を得ることができる。所望によっては60℃〜100
℃の温度範囲で一軸に熱延伸し、場合によってはさらに
80℃〜140℃の温度範囲で熱固定することで糸を成
形することができる。 (8)不織布成形 不織布成形においては、スパンボンド法またはメルトブ
ローン法により成形体を成形することができる。スパン
ボンド法では、上記(7)の糸成形と同様の方法で、多
孔の紡糸口金を通し溶融紡糸し、紡糸口金の下部に設置
したエアーサッカを用いて延伸しウェブを形成し、捕集
面に堆積させ、さらにこれをエンボスロールと平滑ロー
ルにて圧着、熱融着させることで不織布を得ることがで
きる。メルトブローン法では、多孔の紡糸口金を通し吐
出された溶融樹脂が加熱気体吹出口から吹き出される高
速度の加熱気体と接触して微細なファイバーに繊維化さ
れ、さらに移動支持体上に堆積されることで不織布を得
ることができる。樹脂組成物の用途 本発明の樹脂組成物は、上述した種々の成形加工方法に
より成形することができ、特に限定されることなく様々
な用途に好適に使用することができる。たとえば、本発
明の樹脂組成物を成形して、ボールペン・シャープペン
シル・鉛筆等の筆記用具の部材、歯ブラシ、ステーショ
ナリーの部材、ゴルフ用ティー、始球式用発煙ゴルフボ
ール用部材、経口医薬品用カプセル、肛門・膣用座薬用
担体、皮膚・粘膜用貼付剤用担体、農薬用カプセル、肥
料用カプセル、種苗用カプセル、コンポスト、釣り糸用
糸巻き、釣り用浮き、漁業用擬餌、ルアー、漁業用ブ
イ、狩猟用デコイ、狩猟用散弾カプセル、食器等のキャ
ンプ用品、釘、杭、結束材、ぬかるみ・雪道用滑り止め
材、ブロック等として好適に使用することができる。
【0055】また、本発明の樹脂組成物は、フィルム、
通気性フィルムやシートの製造に好適な材料である。本
発明の樹脂組成物を含むフィルム、通気性フィルム又は
シートは、ショッピングバッグ、ゴミ袋、コンポストバ
ッグ、セメント袋、肥料袋、食品・菓子包装用フィル
ム、食品用ラップフィルム、農業用・園芸用フィルム、
温室用フィルム、ビデオやオーディオ等の磁気テープカ
セット製品包装用フィルム、フレキシブルディスク包装
用フィルム、フェンス、海洋用・河川用・湖沼用オイル
フェンス、粘着テープ、テープ、結束材、防水シート、
かさ、テント、土嚢用袋、セメント袋、肥料用袋等とし
て好適に使用することができる。
【0056】本発明の樹脂組成物から製造された成形
物、フィルム、通気性フィルム、又はシート等には、カ
レンダー法、押し出し法、スクリーン印刷法、グラビア
印刷法、凸版法、凹版法、ドクターブレード法、浸漬
法、スプレー法、エアブラシ法、静電塗装法等の公知の
後処理工程又は仕上工程を、目的に応じ、採用すること
ができる。
【0057】また、本発明の樹脂組成物から製造された
フィルム又はシートは、紙や他のポリマー等、他の材質
のシートと、ラミネートや貼り合わせ等により、多層構
造の積層体とすることもできる。さらに、本発明の樹脂
組成物は、柔軟性を有しており、発泡体としても好適に
使用できる。本発明の樹脂組成物によって製造できる発
泡体は、たとえば、弁当箱、食器、コンビニエンススト
アで販売されるような弁当や惣菜の容器、カップラーメ
ンのカップ、飲料の自動販売機で使用されるようなカッ
プ、鮮魚・精肉・青果・豆腐・惣菜等の食料品用の容器
やトレイ、鮮魚市場で使用されるようなトロバコ、牛
乳、ヨーグルト、乳酸菌飲料等の乳製品用の容器、炭酸
飲料・清涼飲料等の容器、ビール・ウィスキー等の酒類
ドリンク用の容器、化粧品容器、洗剤容器、漂白剤容
器、保冷箱、植木鉢、テープ、テレビやステレオ等の家
庭電化製品の輸送時に使用するための緩衝材、コンピュ
ーター・プリンター・時計等の精密機械の輸送時に使用
するための緩衝材、カメラ・眼鏡・顕微鏡・望遠鏡等の
光学機械の輸送時に使用するための緩衝材、ガラス・陶
磁器等の窯業製品の輸送時に使用するための緩衝材、遮
光材、断熱材、防音材等としても好適に使用することが
できる。
【0058】また、本発明の樹脂組成物を含む発泡体
は、医療用又は衛生用に好適に用いることができる。た
とえば、包帯、皮膚・粘膜用貼付剤用担体、三角巾、絆
創膏、タオル、使い捨てタオル、使い捨て濡れタオル、
おしぼり、雑巾、ティッシュー、清浄用・消毒用ぬれテ
ィッシュー、あかちゃんのおしりふき用ぬれティッシュ
ー、使い捨ておむつ、生理用・おりもの用ナプキン、生
理用タンポン、手術用・出産用血液吸収用タンポン、衛
生用カバーストック材、滅菌バッグ等に好適に用いるこ
とができる。
【0059】これら医療用又は衛生用の製品は、加熱や
蒸気による滅菌、エチレンオキサイドガスによる滅菌、
過酸化水素水やオゾンによる滅菌、紫外線や電磁波の照
射による滅菌、ガンマー線等の放射線の照射による滅
菌、エタノールや塩化ベンザルコニウム等の殺菌剤等を
用いた公知・公用の方法により滅菌、殺菌又は消毒のう
え、無菌包装をすることができる。また、HEPAフィ
ルターにより超清浄空気を層流で供給できるクリーンベ
ンチやクリーンルームの中に、工程を設置することによ
り、無菌状態及び又はエンドトキシン・フリーの状態で
製品を製造、包装することもできる。
【0060】さらに、本発明の樹脂組成物を含む発泡体
は、農業、漁業、林業、工業、建設土木業、運輸交通業
を包含する一般産業用途及びレジャー、スポーツを包含
するレクリエーション用途に好適に用いることができ
る。たとえば、農業用寒冷紗、オイル吸収材、軟弱地盤
補強材、人工皮革、フレキシブルディスクの裏地、土嚢
用袋、断熱材、防音材、クッション材、ベッド・椅子等
の家具用クッション材、床用クッション材、包装材、結
束材、ぬかるみ・雪道用滑り止め材等として好適に用い
ることができる。
【0061】本発明の樹脂組成物は、製糸条件、紡績条
件、編織条件、後処理条件、染色条件、加工条件を、目
的に応じて適宜設定することにより、所望の太さ、断面
形状、繊度(テックス、デニール、番手等)、引っ張り
強さ及び伸び率、結束強さ、耐熱性、捲縮度、吸水性、
吸油性、嵩高さ、腰の強さ、風合い等の物性や特性を有
する糸やテキスタイルに加工することができる。
【0062】本発明の樹脂組成物を加工して得られる糸
は、モノフィラメント、マルチフィラメント、ステープ
ルファイバー(スフ)、トウ、ハイバルクスフ、ハイバ
ルクトウ、紡績糸、混紡糸、加工糸、仮撚糸、異形断面
糸、中空糸、コンジュゲート糸、POY(部分配向
糸)、DTY(延伸加工糸)、POY−DTY、スライ
バー等をも包含する。また、本発明の樹脂組成物を加工
して得られるテキスタイルは織布、編物、不織布、紐や
縄を含む組物、綿状ハイバルクスフ、スライバー、多孔
質スポンジ、フェルト、紙、網等の繊維構造体と認識さ
れるもの一般を包含する。
【0063】したがって、本発明の樹脂組成物を加工し
て得られるテキスタイルは、一般衣料用又は医療用衣料
用の外衣、作業衣、手術着、ねまき、下着、肌着、裏
地、帽子、マスク、包帯、三角巾、ソックス、婦人用ス
トッキング、婦人用ファウンデーション(ブラジャー、
ショーツ等)、パンスト、タイツ、靴下、軍足、手袋、
軍手、タオル、ガーゼ、手拭い、カーペット、マット、
カーテン、壁紙、衣服芯材、自動車用内装材、マットレ
ス、袋、風呂敷、寝具、布団綿、枕カバー、毛布、シー
ツ、防寒着用断熱材、レース、テープ、合成又は人工の
人造皮革、合成又は人工の人造ファー、合成又は人工の
人造スウェード、合成又は人工の人造レザー、網状パイ
プ等に好適に用いることができる。
【0064】また、本発明の樹脂組成物を加工して得ら
れるテキスタイルは、医療用又は衛生用に好適に用いる
ことができる。たとえば、外科手術用縫合糸、包帯、三
角巾、絆創膏、タオル、使い捨てタオル、使い捨て濡れ
タオル、営業用ロールタオル、おしぼり、雑巾、ティッ
シュー、清浄用・消毒用ぬれティッシュー、あかちゃん
のおしりふき用ぬれティッシュー、使い捨ておむつ、消
毒綿、生理用・おりもの用ナプキン、生理用タンポン、
アンダーパッド、手術用・出産用血液吸収用タンポン、
衛生用カバーストック材、滅菌バッグ、生ゴミ用ネッ
ト、ゴミ袋等に好適に用いることができる。
【0065】これら医療用又は衛生用の製品は、上記発
泡体の場合と同様の方法により、滅菌、殺菌又は消毒の
うえ、無菌包装をすることができる。また、上記発泡体
の場合と同様の方法により、無菌状態及び又はエンドト
キシン・フリーの状態で製品を製造、包装することもで
きる。さらに本発明の樹脂組成物を加工して得られるテ
キスタイルは、農業、漁業、林業、工業、建設土木業、
運輸交通業を包含する一般産業用途及びレジャー、スポ
ーツを包含するレクリエーション用途に好適に用いるこ
とができる。たとえば、農業用寒冷紗、防虫防鳥網、ふ
るい、釣り糸、漁網、投網、延縄、オイル吸収材、網、
ロープ、ザイル、セイル(帆布)、幌、ターポリン、タ
イコン、コンテナバッグ、産業用通い袋、セメント袋、
肥料袋、濾過材、埋立工事用透水布、軟弱地盤補強用
布、人工皮革、製紙用フェルト、フレキシブルディスク
の裏地、テント、土嚢用袋、植林用ネット、断熱材、防
音材、遮光材、衝撃緩衝材、クッション材、結束材、ぬ
かるみ・雪道用滑り止め材、ネット状パイプ、土木建築
用水抜きパイプ等として好適に用いることができる。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、生分解性を有し、かつ
透明性、柔軟性、ガスバリア性を有し、経時的にブリー
ドアウトが生じることのない優れた樹脂組成物を提供す
ることができる。また、本発明に係る樹脂組成物は、成
形性に優れるものであって、種々の成形加工法により様
々な成形加工品に成形して用いることができ、得られた
成形加工品は、使用後廃棄する際に自然環境下で良好な
生分解性を示す。
【0067】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。なお、樹脂組成物等の物性の測定および
評価は以下の方法に従って行った。 (1)ガラス転移温度(Tg) 示差走査型熱量計Pyris-I型(パーキンエルマー
社製)を用いて測定した。あらかじめよく乾燥させた樹
脂から試料をサンプルパンに10mg秤量し、ヘリウム
雰囲気中、室温から200℃まで昇温(昇温速度 32
0℃/分)して200℃で10分間保持した後、−10
0℃まで急冷(降温速度 320℃/分)して−100
℃で10分間保持し、次いで200℃までの昇温(昇温
速度=10℃/分)過程で測定を行った。付属の解析ソ
フトでガラス転移温度を求めた。 (2)透明性(ヘイズ値) 所定の方法で得た厚さ100μmのプレスフィルムにつ
いて、23℃、相対湿度50%の条件中に3日間放置し
た後、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製)を用い
て、ヘイズを測定した。なお、ヘイズ値が小さいほど透
明性に優れることがわかる。 (3)柔軟性(ヤング率) 所定の方法で得た厚さ0.5mmのプレスシートについ
て、23℃、相対湿度50%の条件中に3日間放置した
後、ダンベル型の試料を切り出し、引張試験機インスト
ロン4501(インストロン社製)を用い、23℃、相
対湿度50%の条件下で、ひずみ速度100%/分の条
件で引張試験を行い、ヤング率を求めた。なお、ヤング
率が小さいほど柔軟性が大きいことがわかる。 (4)耐熱性の評価 所定の条件で成形した後、110℃で40分保持した厚
さ100μmのフィルムから、幅2mm、長さ2cmの
短冊状の試料を切り出し、TMA(セイコー電子工業
(株)製)を用い、0.1MPaの応力をかけ、窒素気
流下、毎分2℃/min.の昇温条件でクリープ試験を
実施し、10%以上の歪みになった温度で耐熱性を評価
した。評価基準は以下のとおりである。 ○:140℃を越える、 △:140〜90℃、 ×:
90℃未満 (5)ガスバリア性(炭酸ガス透過係数) 所定の方法で得た厚さ100μmのフィルムについて、
炭酸ガス透過性の評価を行った。25℃における炭酸ガ
ス透過係数をガス透過率測定装置GPM−250(ジー
エルサイエンス社製)を用いて測定した。なお、透過係
数の値が小さいほど、ガスバリア性に優れることがわか
る。 (6)分解性の評価 500μm厚、3cm×3cmのシートを作成し、これ
を温度58℃、水分量60重量%の堆肥(成分;籾殻、
生ゴミ、鶏糞、屎尿等)中に埋設し、分解性を観察し
た。 ○;180日以内に分解 ×;分解しない (7)フィルムの水蒸気バリア性 所定の方法で得られた厚さ約20μmのキャストフィル
ムについて、25℃相対湿度100%の条件で水蒸気透
過性を測定し、相対湿度90%の値に変換したもので評
価した。数字が小さいほど水蒸気バリア性は優れる。 (8)ダンベル片の引張強度、伸び率、曲げ強度、曲げ
弾性率 所定の方法で得られた試験片について、ASTM D−
790に準じて評価した。 (9)落下衝撃テスト 所定の方法で得た1000mlの容器に水を800ml
充填し、雰囲気温度20℃の条件下で1.5mの高さよ
りコンクリート床面に落下させ、容器が破損するまでの
回数を求めた。落下回数は、最大10回まで繰り返し
た。
【0068】
【実施例1】ポリ乳酸(三井化学製、レイシア、H−1
00)70重量部と、ポリエチレンカーボネート(測定
されたガラス転移温度13℃、重量平均分子量151,00
0)30重量部とを攪拌装置、留出管を装備したガラス
製反応器に仕込んだ。留出管は真空ポンプと減圧調整器
からなる真空装置に接続されており、蒸発物を留去可能
な構造となっている。
【0069】まず、反応器を120℃に加熱し、1Torr
の減圧にして、4時間保持し、樹脂中の水分を除去し
た。次いで、常圧に戻し210℃まで系を昇温した後、
50Torrの窒素雰囲気下で1時間30程混合した。その
後、系内を常圧に戻し、樹脂組成物(A1)を取り出し
た。次いで、樹脂組成物(A1)をよく乾燥させ、2枚
の真鍮板、アルミ板および離型フィルムの間に所定量は
さみ、200℃で溶融させ、10MPaで1分間圧縮し
たのち、0℃の温度に設定した圧縮成形機で再び10M
Paで圧縮冷却し、厚さ0.5mmのシートおよび厚さ
100μmのフィルムを成形した。成形したシート、フ
ィルムについて透明性、柔軟性、耐熱性、ガスバリア
性、分解性について評価を行った。結果を表1に示す。
【0070】
【実施例2】実施例1において、ポリ乳酸およびポリエ
チレンカーボネートの配合量を、ポリ乳酸60重量部、
ポリエチレンカーボネート40重量部としたことの他
は、実施例1と同様にして樹脂組成物(A2)を得た。
次いでこれを実施例1と同様に成形し、評価を行った。
結果を表1に示す。
【0071】
【実施例3】実施例1において、ポリ乳酸およびポリエ
チレンカーボネートの配合量を、ポリ乳酸50重量部、
ポリエチレンカーボネート50重量部としたことの他
は、実施例1と同様にして樹脂組成物(A3)を得た。
次いでこれを実施例1と同様に成形し、評価を行った。
結果を表1に示す。
【0072】
【実施例4】実施例1において、ポリ乳酸およびポリエ
チレンカーボネートの配合量を、ポリ乳酸40重量部、
ポリエチレンカーボネート60重量部としたことの他
は、実施例1と同様にして樹脂組成物(A4)を得た。
次いでこれを実施例1と同様に成形し、評価を行った。
結果を表1に示す。
【0073】
【実施例5】実施例1で用いたのと同じポリ乳酸70重
量部と、実施例1で用いたのと同じポリエチレンカーボ
ネート30重量部とを、真空乾燥機で室温で48時間乾
燥させたのち、シリンダ温度を200℃に設定したラボ
プラストミル(東洋精機(株)製)を用い、15分間樹
脂を混合し、樹脂組成物(A5)を得た。次いでこれを
実施例1と同様に成形し、評価を行った。結果を表1に
示す。
【0074】
【比較例1】実施例1で用いたのと同じポリ乳酸100
重量部のみを用い、実施例1と同様に成形、評価を行っ
た。結果を表1に示す。
【0075】
【比較例2】実施例1において、ポリ乳酸70重量部
と、ポリエチレンカーボネートの代わりにポリカプロラ
クトン(セルグリーン RH−7;ダイセル化学(株)
製)30重量部とを、実施例1と同様の方法で混合し樹
脂組成物(B1)を得た。次いでこれを実施例1と同様
に成形し、評価を行った。結果を表1に示す。柔軟性に
は優れるものの、透明性は低く、ガスバリア性も低いも
のであった。
【0076】
【比較例3】実施例1で用いたのと同じポリエチレンカ
ーボネート100重量部のみを用い、実施例1と同様に
成形し、評価を行った。結果を表1に示す。
【0077】
【比較例4】ポリ(3-ヒドロキシ酪酸)(Good Fellow C
ambridge社製)50重量部と、ポリエチレンカーボネー
ト50重量部とを、真空乾燥機を用い室温で48時間乾
燥させた後、シリンダ温度を190℃に設定したラボプ
ラストミル(東洋精機(株)製)を用い、15分間樹脂
を混合して樹脂組成物を得て、実施例1と同様に成形、
評価を行った。結果を表1に示す。透明性が劣るもので
あった。
【0078】
【比較例5】ポリ(3-ヒドロキシ酪酸)80重量部と、
ポリエチレンカーボネート20重量部とを用いた以外は
比較例4と同様に混合し、成形、評価を実施した。結果
を表1に示す。透明性が劣るものであった。
【0079】
【比較例6】プロピオラクトン(東京化成製)100重
量部と、塩化第一スズ0.072重量部、エチレングリ
コール0.78重量部とを、実施例1で用いた反応装置
に仕込み、充分に窒素置換を行った後、常圧窒素雰囲気
下140℃で3時間攪拌を行った。更に140℃、1To
rrの減圧下でさらに4時間攪拌を行い、ポリプロピオラ
クトンを得た。
【0080】次いで、同様の装置に、ポリプロピオラク
トン50重量部とポリエチレンカーボネート50重量部
とを仕込み、120℃、1Torrの減圧下で4時間保持
し、樹脂中の水分を除去した。次いで、常圧に戻し、2
00℃まで系を昇温した後、50Torrの窒素雰囲気下で
1時間30分溶融混合した。その後、系内を常圧に戻
し、樹脂組成物を得て、実施例1と同様に成形、評価を
行った。結果を表1に示す。透明性が劣るものであっ
た。
【0081】
【表1】
【0082】
【実施例6】充分に乾燥させたポリ乳酸80重量部と、
ポリエチレンカーボネート20重量部とを30mmφニ軸
押出機(プラスチック工業研究所製)にて、シリンダ温
度210℃の条件で混合し、樹脂組成物(A6)を得
て、実施例1と同様の評価を実施した。次いで、樹脂組
成物をTダイが装着された20mmφの押出機を用いてシ
リンダ温度190℃で混練、溶融して押出し、20℃に
設定されたロールにて冷却し、厚さ20μmのキャスト
フィルムを得た。成形性は良好であり、得られたフィル
ムは透明でしなやかなフィルムであった。このフィルム
について、水蒸気透過性の評価を実施した。結果を表2
に示す。
【0083】
【実施例7〜12】表2に示す配合量で実施例6と同様
の方法で混合、成形、評価を行った。結果を表2に示
す。
【0084】
【比較例7】ポリ乳酸について実施例6と同様の方法で
評価を実施した。実施例7〜12に比べフィルムは硬
く、水蒸気バリア性も実施例に比較して劣るものであっ
た。
【0085】
【表2】
【0086】
【実施例13】実施例6で得た樹脂組成物をよく乾燥さ
せ、2枚の真鍮板、アルミ板および離型フィルムの間に
所定量はさみ、200℃で溶融させ、10MPaで1分
間圧縮した後、0℃の温度に設定した圧縮成形機で再び
10MPaで圧縮冷却し、厚さ0.3mmのシートを成
形した。次いで、成形したシートをフィルム延伸装置に
より、80℃、2分間の余熱の後3×3倍に延伸、さら
に80℃で1分間そのまま保持することで、熱処理を行
い、厚さ約30μmの二軸延伸フィルムを得た。フィル
ムにはむらがなく、延伸性は良好であり、得られたフィ
ルムは透明であった。このフィルムのガスバリア性と水
蒸気透過性の評価を実施した。結果を表3に示す。実施
例6で得られた値に比べガスバリア性、水蒸気バリア性
ともに向上している。
【0087】
【実施例14、15】実施例7,8で得られた樹脂組成
物について実施例13と同様に成形、延伸および評価を
実施した。結果を表3に示す。
【0088】
【表3】
【0089】
【実施例16】(射出成形)実施例7で得られた樹脂組
成物を充分に乾燥した後、除湿乾燥機を付した射出成形
機を用い、シリンダー温度140〜190℃、ダイス温
度190℃にて、10℃に設定した金型に射出成形し引
張および曲げダンベル片の成形物を得た。得られたダン
ベル片の曲げ強度は56MPa、曲げ弾性率は1900
MPa、引張強度は43MPa、伸び率は190%であ
った。
【0090】
【実施例17】(紙ラミネーション成形)実施例7で得
られた樹脂組成物を充分に乾燥した後、除湿乾燥機を付
し、幅600mm、リップ幅0.8mmのTダイが装着
された押出機を用いて200℃において、混練、溶融
し、巻取り速度20m/分でクラフト紙(目付け75g
/m 2)上に押出した。このときの製膜性は、膜切れす
ることなく良好であった。
【0091】得られた紙ラミネート品の樹脂層の厚みは
20±2μmで、厚薄精度は良好であった。
【0092】
【実施例18】(延伸ブロー成形)実施例7で得られた
樹脂組成物を充分に乾燥した後、射出延伸ブロー成形機
にて、シリンダー温度140〜190℃で溶融させ、1
0℃に設定した金型に射出成形しコールドパリソン、重
量45gを得た。得られたパリソンを100℃に加熱軟
化させた後、ボトル形状を有した金型内へ移動し1MP
aの圧力エアーを吹き込み、縦3.5倍、横3倍にブロ
ー延伸し、口径75mm、高さ100mm、内容積10
00mlの円筒形のボトルを得た。壁面の厚みは0.2
mm、ヘイズは2%であった。
【0093】このブロー容器に、水800mlを充填
し、雰囲気温度20℃の条件で1,5mの高さよりコン
クリート床面に10回繰り返し落下させた結果、破損す
ることはなかった。
【0094】
【実施例19】(紡糸(マルチフィラメント)成形)実
施例7で得られた樹脂組成物を充分に乾燥した後、除湿
乾燥機を付した乾式紡糸機を用い、孔系0.2mm、孔
数20個を有するダイスにて温度210℃にて紡糸し半
延伸糸を得た。成形中の成形性は、糸切れする事もなく
良好に紡糸できた。得られた糸を80〜100℃の温度
で延伸し、120〜140℃の温度で熱固定した。得ら
れた繊維は、糸径5d、強度3.6±0.1g/dであ
った。
【0095】
【実施例20】(テープヤーン成形)実施例7で得られ
た樹脂組成物を充分に乾燥した後、除湿乾燥機を付した
ダイス幅600mm、リップギャップ0.8mmの60
mmの押出機で150〜210℃の温度で製膜し、厚み
100μmのフィルムを得た。次にフィルムを6mm幅
にスリットし、温度65〜80℃で5倍延伸した後、1
00〜120℃で熱固定した。得られたテープは、幅=
3.5mm、厚み=30μm、強度=3.9g/dであ
った。
【0096】
【実施例21】(不職布成形)実施例7で得られた樹脂
組成物を充分に乾燥した後、このペレットを210℃に
溶融し、孔径0.35mmの紡糸孔を90孔有する紡糸
口金を通して溶融紡糸し、紡糸口金面より1300mm
下に設置したエアーサッカを用いて引き取り、移動する
捕集面上に堆積させてウェブを形成した。この時の引取
り速度は約3500m/分であった。
【0097】次に、得られたウェブを温度80〜100
℃に加熱された金属エンボスロールと同温度に加熱され
た平滑な金属ロールとの間に通し、熱融着させ不織布を
得た。得られた不織布の短繊維繊度は2.5dで、不織
布の目付けは33g/m2であった。この不職布を90
℃のオーブン中で60秒間熱処理し、処理前後の寸法変
化から求めた収縮率は6.3%であった。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−140292(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/04 C08L 69/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)生分解性を有するポリ乳酸系樹脂:
    30〜95重量部と (B)下記式(I)で表されるポリエチレンカーボネー
    :70〜5重量部(ただし、(A)と(B)の合計を
    100重量部とする)とからなる樹脂組成物であって、 該樹脂組成物から0.1mm厚さのプレスフィルムを形成し
    た場合、そのヘイズ値が40%以下であることを特徴と
    する樹脂組成物; 【化1】 〔Rは、エチレン基であり、nは、3〜15,000の
    整数を表す。〕。
  2. 【請求項2】前記生分解性を有するポリ乳酸系樹脂
    (A):40〜90重量部と 前記ポリエチレンカーボネート(B):60〜10重量
    部(ただし、(A)と(B)の合計を100重量部とす
    る)とからなる樹脂組成物であって、 該樹脂組成物から0.1mm厚さのプレスフィルムを形成し
    た場合、そのヘイズ値が40%以下であることを特徴と
    する請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】該樹脂組成物から0.5mm厚さのプレスシー
    トを形成した場合、その23℃におけるヤング率が25
    00MPa以下であることを特徴とする請求項1または
    2に記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】該樹脂組成物から0.1mm厚さのプレスフィ
    ルムを形成した場合、その25℃での炭酸ガス透過係数
    が85 cc mm/m2 day atm以下であることを特徴とする請
    求項1〜3の何れかに記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4の何れかに記載の樹脂組成物
    からなる成形体。
  6. 【請求項6】前記成形体が、フィルムであることを特徴
    とする請求項5に記載の成形体。
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