JP5199574B2 - 生分解性ポリマーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明に関する生分解性ポリマーは、水溶性(吸湿性)がなく、成型加工が可能で、優れた水崩壊性および生分解性を有し、例えば、使用後、トイレに流すことが可能な衛生用品の素材として有用であり、本発明は、その製造方法に関する。
現在、生分解性を有するポリマーを含め、多くのポリマーの製造方法としては、溶融重合法が多く用いられているが、この方法ではポリマーの溶融粘度が高いために取り出しが困難であったり、取り出したポリマーが大きな塊状態になりフィルムなどへの成型加工ができないことがある。
ポリマーを成形加工する場合、押出し機を使用しペレットにした後フィルムなどに成形加工する方法が一般的である。上記方法で得られたポリマーはその形状が大きな塊状であるためにそのままでは押出し機にポリマーを投入できないので、成型加工することができない。従って成型前準備過程において塊状のポリマーを裁断や粉砕を行い、破片化が必要となる。破砕方法としては液体窒素を用いた凍結粉砕が一般的に知られているが、この方法では多量の液体窒素を必要とするためコストが大きく、経済的ではない。
このような溶融重合法の問題を解決した重合法として、非特許文献1において、すでに非水分散重合法に関するポリウレタン粉末を製造する基本的な重合法が開示され、公知である。また、特許文献1には、分散剤としてメタクリル酸ラウリルのような長鎖アルキル基を有するモノマーとメタクリル酸メチル、アクリルアミドのようなモノマーとの共重合体を用いる非水分散重合法によるポリウレタン粉末の製造法が開示されている。また、特許文献2には、非水分散重合用分散剤および該分散剤を用いたウレタン組成物の製造法が開示されている。これらの開示文献では、いずれもポリエステルポリオールなどのポリオールと、鎖延長剤(1,4−ブタンジオールなどの低分子ジオール)と、ジイソシアネート化合物とを、分散剤を含む有機溶媒中で分散反応させ、ポリウレタン粉末を得ているが、イミン結合を含む化合物を使用した例は知られていない。
一方、特許文献3、特許文献4、非特許文献2および非特許文献3にイミン結合を有するポリマー(以下「イミンポリマー」という)の製造が開示されているが、何れも有機溶媒中でモノマーを均一に溶かしイミンポリマーを製造しており、非水分散重合法によりイミンポリマーを製造した例はない。また、有機溶媒中で製造するために充分な分子量を得ることができていない。
発明者らが検討した結果、無溶剤でポリマーを製造する一般的な方法である溶融重合法でイミンポリマーを製造しても高分子量のポリマーを得ることができないことがわかっている。その原因としては、重合時に短時間で溶融粘度が急激に上昇し、溶融ポリマーが充分に混合できないためである。また、得られたポリマーの溶融粘度が高いうえにガラスやステンレスに対する親和性が高いため、反応器からの取り出しが困難であり、反応器に残存したポリマーの除去に多大な労力を割くことになる。
特公昭57−29485号公報 特開平1−245013号公報 特開2003−73470号公報 国際公開2004/003044号パンフレット 日本接着協会誌、9、183(1973) J.MACROMOL.SCI.-CHEM., A1(7), 1161-1249(1967) CHEM. COMMUN., 1522-1524(2005)
本発明の目的は、裁断および粉砕などの成型前準備過程を不要とする形態にて製造可能で、かつ得られたポリマーが高分子量である生分解性部位とイミン部位とを有する生分解性ポリマーの製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定の分散剤を用いることによって、これまで実施された例のないイミンを含有する化合物を効果的に分散できることを見出し、裁断および粉砕などの成型前準備過程を不要とする形態にて製造可能な生分解性ポリマーの製造方法を完成させた。また、しかも驚くべきことに得られたポリマーが高分子量であることを見いだし本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の生分解性ポリマーの製造方法は、
生分解性部位とイミン部位とを有する生分解性ポリマーの製造方法であって、
少なくとも、
(A)生分解性部位を含む化合物と、
(B)イミン部位を含む化合物と、
(C)連結剤とを、
(D)分散剤を含有する有機溶媒中で分散重合させることを特徴とする。
本発明の製造方法は、
前記(A)と、(B)と、(C)と、
(E)鎖延長剤とを、
(D)分散剤を含有する有機溶媒中で分散重合させてもよい。
前記生分解性ポリマーの重量平均分子量が1万〜100万の範囲にあることが好ましい。
前記有機溶媒が、脂肪族炭化水素、エステル系溶媒、および芳香族溶媒から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記分散剤が、分岐状ポリオレフィンユニットと脂肪族ポリエステルユニットとを有することが好ましい。
前記分散剤がアルケニル無水コハク酸とポリオールとを脱水縮合させた樹脂であることが好ましい。
前記分散剤がジカルボン酸とペンタエリスリトールとを脱水縮合させたポリエステルの残水酸基の一部に脂肪酸を脱水縮合させたアルキッド樹脂が好ましい。
前記分散剤が不飽和結合含有ジカルボン酸とポリオールとの脱水縮合で得られるポリオールの水酸基の一部が残存する樹脂にエチレン性不飽和単量体をグラフト重合させた後、残存する水酸基をマスキングした樹脂であることが好ましい。
前記分散剤が不飽和結合含有ジカルボン酸とポリオールとの脱水縮合で得られるポリオールの水酸基の一部が残存する樹脂の残存する水酸基をマスキングした後、エチレン性不飽和単量体をグラフト重合させた樹脂であることが好ましい。
前記マスキングを行うマスキング剤がモノイソシアナート化合物であることが好ましい。
本発明の生分解性ポリマーの製造方法によって製造された生分解性ポリマーは、分散剤を含有する有機溶媒中で製造するため、大きな塊状となることが無く、成形する際に裁断および粉砕などの合成後の成型前準備過程が不要で、かつ高分子量の生分解性ポリマーを提供することが可能である。
本発明の生分解性ポリマーの製造方法は、生分解性部位とイミン部位とを有する生分解性ポリマーの製造方法であって、(A)生分解性部位を含む化合物と、(B)イミン部位を含む化合物と、(C)連結剤とを、(D)分散剤を含有する有機溶媒中で、または(A)生分解性部位を含む化合物と、(B)イミン部位を含む化合物と、(C)連結剤と、(E)鎖延長剤とを、(D)分散剤を含有する有機溶媒中で分散重合させることを特徴とする。
〔(A)生分解性部位を含む化合物〕
本発明に用いる(A)生分解性部位を含む化合物は、本発明の目的を阻害せず、かつ生分解性を有する化合物であればいかなる化学構造を有していてもよく、低分子化合物、オリゴマーまたはポリマーのいずれでもよい。このような(A)生分解性部位を含む化合物としては、例えば、低分子化合物、ポリエステル類、オリゴエステル類、ポリアミド類、オリゴアミド類、ポリ(アミド-エステル)類、オリゴ(アミド-エステル)類、ポリペプチド類、オリゴペプチド類、ポリエーテル類またはオリゴエーテル類などが挙げられる。これらは、本発明の製造方法によって得られる生分解性ポリマーの生分解性部位を構成し、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、本発明の(A)生分解性部位を含む化合物は、官能基を2個以上有しており、2個であることが好ましい。該官能基は生分解性部位を含む化合物の主鎖の両末端に位置することが好ましい。このような官能基としては、カルボキシル基、水酸基またはアミノ基が挙げられ、それぞれ同一でも、異なっていてもよい。
(A)生分解性部位を含む化合物として低分子化合物を用いる場合には、炭素数1〜100、好ましくは炭素数2〜50であり、分子内に水酸基、アミノ基またはカルボキシル基などの官能基を2つ以上有する化合物であり、たとえば、2価の脂肪族アルコール類、二塩基酸類、ヒドロキシカルボン酸類、2価の脂肪族アミン類、アミノ酸類を用いることができる。このような本発明に用いる低分子化合物としては、たとえば、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコールおよび1,4−シクロヘキサンジオールなどの2価の脂肪族アルコール類;
コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スべリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸およびテレフタル酸などの二塩基酸類;
グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ吉草酸、2−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシカプリン酸、リンゴ酸およびクエン酸などのヒドロキシカルボン酸類;
エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、2,2’−(エチレンジオキシ)ビス(エチルアミン)、3,3’−イミノビス(プロピルアミン)およびN−メチル−3,3’−イミノビス(プロピルアミン)などの2価の脂肪族アミン類;
バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、グ
ルタミン酸およびリジンなどのアミノ酸類などが挙げられる。
(A)生分解性部位を含む化合物としてポリエステル類またはオリゴエステル類を用いる場合には、2価の脂肪族アルコール類と二塩基酸類との脱水反応で製造し得る形の化学構造を有するポリエステル類またはオリゴエステル類が挙げられる。
前記2価の脂肪族アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、オリゴエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、オリゴプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコールおよび1,4−シクロヘキサンジオールなどが挙げられる。前記二塩基酸類としては、例えば、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸またはテレフタル酸などが挙げられる。これらの構成モノマーは、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記ポリエステル類またはオリゴエステル類としては、ヒドロキシカルボン酸類の脱水反応により製造され得る形の化学構造を有するポリエステル類またはオリゴエステル類や、ラクトン類の開環重合反応により製造され得る形の化学構造を有するポリエステル類またはオリゴエステル類も挙げられる。
前記ヒドロキシカルボン酸類としては、例えば、グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ吉草酸、2−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシカプリン酸、リンゴ酸およびクエン酸などが挙げられる。前記ラクトン類としては、例えば、ベンジルマロラクトナート、マライトベンジルエステル、3−〔(ベンジルオキシカルボニル)メチル〕−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、N−ベンジルオキシカルボニル−L−セリン−β−ラクトン、β−ブチロラクトン、ピバロラクトン、β−ベンジルマロラクトナート、γ−ブチロラクトンおよびγ−バレロラクトンなどが挙げられる。これらの構成モノマーは、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、上記ポリエステル類またはオリゴエステル類としては、上記二塩基酸類、上記2価の脂肪族アルコール類および上記ヒドロキシカルボン酸類をそれぞれ1種類以上用いた脱水反応により製造され得る形の化学構造を有するポリエステル類またはオリゴエステル類も挙げられる。
(A)生分解性部位を有する化合物としてポリアミド類またはオリゴアミド類を用いる場合には、2価の脂肪族アミン類と二塩基酸類との脱水反応により製造され得る形の化学構造を有するポリアミド類またはオリゴアミド類が挙げられる。
前記2価の脂肪族アミン類としては、例えば、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、2,2’−(エチレンジオキシ)ビス(エチルアミン)、3,3’−イミノビス(プロピルアミン)およびN−メチル−3,3’−イミノビス(プロピルアミン)などが挙げられる。前記二塩基酸類としては、例えば、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸およびテレフタル酸などが挙げられる。これらの構成モノマーは、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記ポリアミド類またはオリゴアミド類としては、例えば、ピロリドンまたはε−カプロラクタムなどのラクタム類の開環重合反応により製造される形の化学構造を有するポリアミド類またはオリゴアミド類も挙げられる。これらの構成モノマーは、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)生分解性部位を含む化合物としてポリ(アミド-エステル)類またはオリゴ(ア
ミド-エステル)類を用いる場合には、二塩基酸類と2価の脂肪族アミン類と2価の脂肪
族アルコール類との脱水反応により製造される形の化学構造を有するポリ(アミド-エス
テル)類またはオリゴ(アミド-エステル)類が挙げられる。
前記二塩基酸類としては、例えば、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸およびテレフタル酸などが挙げられる。前記2価の脂肪族アミン類としては、例えば、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、2,2’−(エチレンジオキシ)ビス(エチルアミン)、3,3’−イミノビス(プロピルアミン)およびN−メチル−3,3’−イミノビス(プロピルアミン)などが挙げられる。前記2価の脂肪族アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、オリゴエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、オリゴプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコールまたは1,4−シクロヘキサンジオールなどが挙げられる。これらの構成モノマーは、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記ポリ(アミド-エステル)類またはオリゴ(アミド-エステル)類としては、ラクタム類とラクトン類との開環重合反応により製造され得る形の化学構造を有するポリ(アミド-エステル)類またはオリゴ(アミド-エステル)類も挙げられる。
前記ラクタム類としては、例えば、ピロリドンおよびε−カプロラクタムなどが挙げられる。前記ラクトン類としては、例えば、ベンジルマロラクトナート、マライトベンジルエステル、3−〔(ベンジルオキシカルボニル)メチル〕−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、N−ベンジルオキシカルボニル−L−セリン−β−ラクトン、β−ブチロラクトン、ピバロラクトン、β−ベンジルマロラクトナート、γ−ブチロラクトンおよびγ−バレロラクトンなどが挙げられる。これらの構成モノマーは、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、上記ポリ(アミド-エステル)類またはオリゴ(アミド-エステル)類としては、モルホリン−2,5−ジオンなどのデプシペプチド類の開環重合反応により製造される形の化学構造を有するポリ(アミド-エステル)類またはオリゴ(アミド-エステル)類も挙げられる。これらの構成モノマーは、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)生分解性部位を含む化合物としてポリペプチド類またはオリゴペプチド類を用いる場合には、例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、グリシン、アスパラギン酸、グルタミン酸およびリジンなどのアミノ酸類の脱水反応により製造される形の化学構造を有するポリペプチド類またはオリゴペプチド類
が挙げられる。これらの構成モノマーは、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)生分解性部位を含む化合物としてポリエーテル類またはオリゴエーテル類を用いる場合には、例えばポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールなどのポリエーテル類、または、オリゴエチレングリコールおよびオリゴプロピレングリコールなどのオリゴエーテル類が挙げられる。
本発明に用いる(A)生分解性部位を含む化合物は、生分解性と成形物などの機械物性とを良好にする観点から、好ましくは、ポリエステル類、オリゴエステル類、ポリ(アミド-エステル)類、オリゴ(アミド-エステル)類またはポリエーテル類であり、より好ましくは、ポリエステル類、オリゴエステル類、ポリ(アミド-エステル)類またはオリゴ
(アミド-エステル)類であり、さらに好ましくは、ポリエステル類またはオリゴエステ
ル類である。特に好ましくは、1種以上の炭素数1〜48の2価のアルコール類と1種以上の炭素数2〜10の二塩基酸類とからなるポリエステル類もしくはオリゴエステル類、または、1種以上の炭素数2〜10のヒドロキシカルボン酸類からなるポリエステル類もしくはオリゴエステル類である。
(A)生分解性部位を含む化合物の分子量は、水崩壊性および生分解性を良好にするために、好ましくは100〜10万、より好ましくは400〜3万、さらに好ましくは1000〜1万の範囲である。
次に、本発明の製造方法で用いられる(B)イミン部位を含む化合物について説明する。
〔(B)イミン部位を含む化合物〕
本発明に用いるイミン部位を含む化合物(B)は、本発明の目的を阻害せず、かつ1つ以上のイミン結合を有する化合物であればいかなる化学構造を有していてもよく、低分子化合物、オリゴマーまたはポリマーのいずれでもよい。このようなイミン部位を含む化合物(B)としては、その構造を特に限定するわけではないが、例えば、下記一般式(1)または一般式(1’)で表される化合物が挙げられる。これらの化合物を、本発明に用いるイミン部位を含む化合物(B)として、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
Figure 0005199574
上記式(1)および(1’)中、R1〜R8は、それぞれ独立に炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Y1〜Y6は、それぞれ独立に−CR=N−または−N=CR−を表し、Rは水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を表し、kは0〜1000の整数を表す。X3およびX4は、カルボキシル基、水酸基またはアミノ基を表し、それぞれ同一でも、異なっていてもよい。
上記式(1)または(1’)のうち、式(1)が好ましい。
上記式(1)および(1’)中のR1〜R8は、イミン部位を構成する基を表しており、本発明の目的を阻害しない限りどのような化学構造の基を用いてもよい。R1〜R8が表す炭素数1〜20の炭化水素基には、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基および芳香族炭化水素基が含まれ、より具体的には、同種または異種の、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、1つ以上のエステル結合を有する炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、1つ以上のエーテル結合を有する炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、1つ以上のアミド結合を有する炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、または芳香族炭化水素基を有する炭素数7〜20の脂肪族炭化水素基などが挙げられる。さらに、本発明の目的を阻害しなければ、これらの有機基がいかなる置換基を有していてもよい。
これらの中では、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、1つ以上のエステル結合を有する炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、1つ以上のエーテル結合を有する炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基および炭素数6〜20の芳香族炭化水素基が好ましく、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、1つ以上のエーテル結合を有する炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基および炭素数6〜20の芳香族炭化水素基がより好ましい。
上記式(1)および(1’)中のY1〜Y6は、それぞれ独立に−CR=N−または−N=CR−を表し、これらは同一でも異なっていてもよい。上記式(1)では、Y1および
2が同時に−N=CR−または−CR=N−であること、Y1が−CR=N−かつY2
−N=CR−であること、あるいは、Y1が−N=CR−かつY2が−CR=N−であるこ
とが好ましい。上記式(1’)では、Y3およびY5が同時に−N=CR−かつY4および
6が同時に−CR=N−であること、またはY3およびY5が同時に−CR=N−かつY4およびY6が同時に−N=CR−であることが好ましい。
上記Y1〜Y6のRはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を表す。生分解性ポリマーの水崩壊性の観点から、好ましくは水素原子または炭素数1〜15の脂肪族炭化水素基であり、さらに好ましくは水素原子または炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基であり、特に好ましくは水素原子または炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基である。
上記式(1)および(1’)中のkは0〜1000の整数を表し、0〜100の範囲が好ましく、0〜50の範囲がより好ましく、0〜20の範囲がさらに好ましい。
本発明に用いるイミン部位を含む化合物(B)の分子量を特に限定するわけではないが、優れた水崩壊性および生分解性を発揮するためには、5万以下が好ましく、1万以下がより好ましく、2000以下がさらに好ましい。
本発明で用いられる(C)連結剤について説明する。
〔(C)連結剤〕
本発明に用いる(C)連結剤は、(A)生分解性部位を含む化合物と、(B)イミン部位を含む化合物とを連結して生分解性ポリマーを製造できるもの、または(A)生分解性部位を含む化合物と、(B)イミン部位を含む化合物と、(E)鎖延長剤とを連結して生分解性ポリマーを製造できるものであれば、どのようのものでもよい。本製造方法で使用される(C)連結剤としては、例えば、ホスゲン、炭酸エステル類またはクロロギ酸エステル類、一般式(2)で表される酸クロライド(以下、単に「酸クロライド」という。)、一般式(3)で表されるジイソシアネート化合物(以下「イソシアネート類」という)などが挙げられる。
Figure 0005199574
式(2)および(3)中、R’は、炭素数1〜20の2価の炭化水素基を表す。R’が表す炭素数1〜20の2価の炭化水素基には、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基および芳香族炭化水素基が含まれ、より具体的には、炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基、1つ以上のエーテル結合を有する炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基、1つ以上のエステル結合を有する炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基、1つ以上のアミド結合を有する炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基、または芳香族炭化水素基を有する炭素数7〜20の2価の脂肪族炭化水素基などが挙げられる。
これらの中では、生分解性および水崩壊性を良好にする観点から、好ましくは炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基、1つ以上のエーテル結合を有する炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基、1つ以上のエステル結合を有する炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基、1つ以上のエーテル結合を有する炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基または1つ以上のエステル結合を有する炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基または1つ以上のエーテル結合を有する炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基である。
次に、それぞれの(C)連結剤の具体例を挙げると、クロロギ酸エステル類としては、例えば、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸プロピル、クロロギ酸ブチル、クロロギ酸フェニルなどが挙げられ、炭酸エステル類としては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネートまたはジベンジルカーボネートなどが挙げられる。酸クロライドとしては、例えば、コハク酸クロリド、シュウ酸クロリド、マロン酸クロリド、グルタル酸クロリド、アジピン酸クロリド、ピメリン酸クロリド、スベリン酸クロリド、アゼライン酸クロリド、セバシン酸クロリド、ウンデカン二酸クロリド、ドデカン二酸クロリドまたはテレフタル酸クロリドなどが挙げられ、イソシアネート類のとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、4,4‘−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネートなどが挙げられる。これらの中では、クロロギ酸エチル類、炭酸エステル類、酸クロライドまたはイソシアネート類が好ましく、炭酸エステル類、酸クロライドまたはイソシアネート類がより好ましく、さらに好ましくは、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、コハク酸クロリド、アジピン酸クロリド、テトラメチレンジイソシアネートまたはヘキサメチレンジイソシアネートである。
本発明で用いられる(E)鎖延長剤について説明する。
〔(E)鎖延長剤〕
本発明の製造方法では、(E)鎖延長剤として一般式(4−1)で表される化合物(以下「化合物(4−1)」という)を同時に使用し、(A)生分解性部位を含む化合物と、(B)イミン部位を含む化合物と、化合物(4−1)とを(C)連結剤で連結させた生分解性ポリマーを製造することができる。
Figure 0005199574
式(4−1)中のR’は、上記式(2)中のR’と同義であり、Z1およびZ2は、互いに独立にカルボキシル基、水酸基、またはアミノ基を表す。
本発明で用いられる(D)分散剤について詳細に説明する。
〔(D)分散剤〕
本発明で用いる(D)分散剤とは、後述する有機溶媒中で、(B)イミン部位を含む化合物、および得られる生分解性ポリマーを安定して分散させる効果を有するものであり、(A)生分解性部位を含む化合物をも同時に安定して分散させる効果を有するものが好ましい。
本発明で用いる(D)分散剤としては、上記のような効果のあるものであれば、どのようなもでもよく、分岐状ポリオレフィンユニットと脂肪族ポリエステルユニットとを有することが好ましい。
本発明では分散剤としては、
(1)アルケニル無水コハク酸とポリオールとを脱水縮合させた樹脂、
(2)ジカルボン酸とペンタエリスリトールとを脱水縮合させたポリエステルの残水酸基の一部に脂肪酸を脱水縮合させたアルキッド樹脂、
(3)不飽和結合含有ジカルボン酸とポリオールとの脱水縮合で得られるポリオールの水酸基の一部が残存する樹脂にエチレン性不飽和単量体をグラフト重合させた後、残存する水酸基をマスキングした樹脂、
(4)不飽和結合含有ジカルボン酸とポリオールとの脱水縮合で得られるポリオールの水酸基の一部が残存する樹脂の残存する水酸基をマスキングした後、エチレン性不飽和単量体をグラフト重合させた樹脂、
を用いることがより好ましい。
これらの分散剤の中で、さらに好ましいものは、(1)、(3)または(4)である。
上記アルケニル無水コハク酸とは、例えばα−オレフィンを無水マレイン酸上に間接的に置換して付加するいわゆるエン−合成によって得られる既知化合物などである。
アルケニル無水コハク酸としては、炭化水素基を有する無水コハク酸類、不飽和炭化水素基を有する無水コハク酸類またはポリアルケニル無水コハク酸類が挙げられる。具体的には、炭化水素基を有する無水コハク酸類としては、例えば、デシル無水コハク酸、オクタデシル無水コハク酸、ヘキサデシル無水コハク酸、オクチル無水コハク酸、ドデシル無水コハク酸、テトラデシル無水コハク酸などが挙げられ、不飽和炭化水素基を有する無水コハク酸類としては、例えば、ドデシル無水コハク酸、ノネニル無水コハク酸、オクタデセニル無水コハク酸、オクテニル無水コハク酸、テトラデセニル無水コハク酸、デセニル無水コハク酸、ヘキサデセニル無水コハク酸、ドコセニル無水コハク酸またはドデセニル無水コハク酸などが挙げられ、ポリアルケニル無水コハク酸類としては、ポリブテニル無水コハク酸などが挙げられる。この中で、ポリアルケニル無水コハク酸類が好ましい。また、アルケニルコハク酸も用いることができる。これらを単独あるいは2種以上を併用し
てもよい。
上記ポリオールとは、分子内に少なくとも2個の水酸基を有する化合物であり、ポリアルキレンエーテルグリコール、ジオールとジカルボン酸を重合させて得られるポリエステル、及びこれらの混合物が用いられる。
また上記アルキッド樹脂で用いられるジカルボン酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族二塩基酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族二塩基酸が用いられる。
上記不飽和結合含有ジカルボン酸とはマレイン酸、イタコン酸などがあり、さらにその無水物でも使用できる。
エチレン性不飽和単量体としては、不飽和結合含有ジカルボン酸の不飽和結合と反応する不飽和結合を有するエチレン性モノマーなら、どのようなものでもよく、既知化合物を用いることができ、ビニル類、プロペニルまたはイソプロペニル基を有する脂肪族不飽和炭化水素、アクリル酸脂肪族炭化水素エステル類、アクリル酸脂環式炭化水素エステル類、メタクリル酸脂肪族炭化水素エステル類またはメタクリル酸脂環式炭化水素エステル類などが挙げられる。具体的には、ビニル類としては、例えば1−オクテン、1−ノネン、2−ノネン、1−デセン、2−デセン、1−ヘプタデセン、2−ヘプタデセン、2−メチル−1−ノネン、2−メチル−1−デセン、2−メチル−1−ドデセン、2−メチル−1−ヘキサデセンまたは2−メチル−1−ヘプタデセンなどが挙げられ、アクリル酸脂肪族炭化水素エステル類としては、例えばアクリル酸n−ノニル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−オクチル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸オクタデシル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルブチル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸n−ヘプチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸ベヘニルまたはアクリル酸イソヘキサデシルなどが挙げられ、アクリル酸脂環式炭化水素エステル類としては、例えばアクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、アクリル酸ノルボルニルまたはアクリル酸イソボルニルなどが挙げられ、メタクリル酸脂肪族炭化水素エステル類としては、例えばメタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸3,5,5−トリメチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸オクタデシルまたはメタクリル酸ベヘニルなどが挙げられ、メタクリル酸脂環式炭化水素エステル類としては、例えばメタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ノルボルニルまたはメタクリル酸イソボルニルなどが挙げられる。これらのエチレン性不飽和単量体を単独あるいは2種以上併用して使用することができる。これらの中で、アクリル酸脂肪族炭化水素エステル類、メタアクリル酸脂肪族炭化水素類が好ましく、メタアクリル酸脂肪族炭化水素エステル類がより好ましい。
(3)で不飽和結合含有ジカルボン酸とポリオールとの脱水縮合することまたは、(4)で不飽和結合含有ジカルボン酸とポリオールとの脱水縮合で得られるポリオールの水酸基の一部が残存する樹脂の残存する水酸基をマスキングすることにより不飽和結合含有ポリマーが得られる。これらの不飽和結合含有ポリマーとエチレン性不飽和単量体とを反応する方法は、特に制限はなく、反応開始剤としてラジカル開始剤を用いる通常のエチレン性不飽和単量体の重合法が利用できる。
また、水酸基をマスキングする試薬(マスキング剤)としては水酸基と反応する官能基を分子内に1つ有し、他の末端基が非水分散重合反応系で不活性な官能基を有する化合物であれば特に限定されないが、例えばイソシアン酸エチル、イソシアン酸ブチル、イソシ
アン酸ヘキシル、イソシアン酸オクチルなどのモノイソシアナート化合物が挙げられる。残存する水酸基をマスキングする方法は、特に制限はなく、通常、上記のモノイソシアナート化合物と残存する水酸基とをウレタン化する方法で行う。
分散剤として特に好ましいものは、(1)においてアルケニル無水コハク酸としてポリアルケニル無水コハク酸類を用いたものまたは、(3)または(4)においてエチレン性不飽和単量体としてアクリル酸脂肪族炭化水素エステル類、メタアクリル酸脂肪族炭化水素類を用いたものである。
本発明で用いる有機溶媒について説明する。
〔有機溶媒〕
本発明の製造方法に用いる有機溶媒としては、以下の(1)〜(3)を同時に満たす有機溶剤であれば、どのような有機溶剤でもよい。
(1)(A)生分解性部位を含む化合物、(B)イミン部位を含む化合物および(C)連結剤と反応しないこと。
(2)(C)連結剤の反応性を低下させないこと。
(3)得られる生分解性ポリマーが不溶または難溶であること。
また、(A)生分解性部位を含む化合物および(B)イミン部位を含む化合物の溶解度が小さいことが好ましい。
上記の条件を満たす有機溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素、エステル系溶媒、および芳香族溶媒が挙げられる。
具体的には、脂肪族炭化水素としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、シクロイヘキサン、イソオクタンなどの炭素数が3〜20である脂肪族炭化水素が挙げられ、エステル系溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミルなどの炭素数が3〜20である各種エステル類や、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネト等の炭素数が3〜20である各種アルコキシ基を有するエステル類などが挙げられ、芳香族溶媒としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの炭素数が6〜20である芳香族溶媒を挙げることができる。
本発明で用いる有機溶媒は、安定した分散状態で生分解性ポリマーを製造する観点から得られた生分解性ポリマーが不溶であることが有機溶媒を選定する上で最も重要である。上記のような生分解性ポリマー製造時の分散性を向上する観点から、脂肪族炭化水素または芳香族溶媒が好ましく、脂肪族炭化水素がより好ましく、脂肪族炭化水素の中でも、ヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、オクタンがさらに好ましい。
〔生分解性ポリマーの製造方法〕
次に、本発明の生分解性ポリマーの製造方法について、以下に詳細に説明する。ここで述べる生分解性部位およびイミン部位について説明する。生分解性部位とは、前記(A)生分解性部位を含む化合物より導かれる2価以上の有機基を意味する。また、イミン部位とは、一般式(1−2)および(1’−2)で表される前記(B)イミン部位を含む化合物から導かれる2価の有機基を意味する。
Figure 0005199574
上記式(1−2)および(1’−2)中、R1〜R8、Y1〜Y6およびkは、前記式(1)および(1’)と同義である。
本発明の生分解性ポリマーの製造方法は、生分解性部位とイミン部位とを有する生分解性ポリマーの製造方法であって、少なくとも、前記(A)生分解性部位を含む化合物と、(B)イミン部位を含む化合物と、(C)連結剤とを、(D)分散剤を含有する有機溶媒中でまたは(A)生分解性部位を含む化合物と、(B)イミン部位を含む化合物と、(C)連結剤と、(E)鎖延長剤(化合物(4−1))とを、(D)分散剤を含有する有機溶媒中で分散重合させることを特徴とする。
本発明における生分解性部位とイミン部位とを連結させる化学結合としては、本発明の目的を阻害しなければどのような化学構造であっても構わないが、例えば、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合またはカーボネート結合である。
このような化学結合を可能にするために、(A)生分解性部位を含む化合物および(B)イミン部位を含む化合物が保有しなければならない官能基としては、前述したようにカルボキシル基、水酸基またはアミノ基が挙げられる。なお、これらの官能基の組み合わせは多様である。
また、(A)生分解性部位を含む化合物と、(B)イミン部位を含む化合物と、前記化合物(4−1)と、前記(C)連結剤とを、(D)分散剤を含有する有機溶媒中で分散重合させることにより生分解性部位とイミン部位とを有する生分解性ポリマーを製造することもできる。この場合の生分解性部位とイミン部位とを連結させる化学結合としては、一般式(5)で表される結合(以下「結合(5)」という)である。
Figure 0005199574
式(5)中、R’は上記式(2)中のR’と同義であり、X1およびX2は、それぞれ独立にエステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合またはカーボネート結合を表す。なお、これらの官能基の組み合わせは多様である。
<官能基の組み合せの具体例>
具体的に結合の種類による前記官能基の組み合わせを説明する。
生分解性部位とイミン部位とをエステル結合で連結された生分解性ポリマーを製造する場合、両部位に使用される官能基はカルボキシル基と水酸基の2種である。そして、その組み合わせとしては、2個のカルボキシル基を有する生分解性部位を含む化合物と2個の水酸基を有するイミン部位を含む化合物との組み合わせ、2個の水酸基を有する生分解性
部位を含む化合物と2個のカルボキシル基を有するイミン部位を含む化合物との組み合わせ、または各々1個のカルボキシル基と1個の水酸基を有する生分解性部位を含む化合物とイミン部位を含む化合物との組み合わせが挙げられる。さらに、X1およびX2がエステル結合である結合(5)で連結された生分解性ポリマーを製造する場合、該結合を導く(E)鎖延長剤として、下記一般式(4−2)で表される化合物(以下「化合物(4−2)」ともいう。)を新たに使用する。従って、新たな組み合わせが生じる。その組み合わせを表1に示す。
Figure 0005199574
式(4−2)中、R’は、上記式(2)中のR’と同義であり、Z3およびZ4は、互いに独立にカルボキシル基または水酸基を表す。
Figure 0005199574
次に、アミド結合、またはX1およびX2がアミド結合である結合(5)で連結された生
分解性ポリマーを製造する場合の組み合わせについて述べる。
アミド結合で連結された生分解性ポリマーを製造する場合は、2個のカルボキシル基を有する生分解性部位を含む化合物と2個のアミノ基を有するイミン部位を含む化合物との組み合わせ、2個のアミノ基を有する生分解性部位を含む化合物と2個のカルボキシル基を有するイミン部位を含む化合物との組み合わせ、または各々1個のカルボキシル基と1個のアミノ基を有する生分解性部位を含む化合物とイミン部位を含む化合物との組み合わせが挙げられる。さらに、X1およびX2がアミド結合である結合(5)で連結された生分解性ポリマーを製造する場合、該結合を導く(E)鎖延長剤として一般式(4−3)で表される化合物(以下「化合物(4−3)」ともいう。)を新たに使用する。その組み合わせを表2に示す。
Figure 0005199574
式(4−3)中、R’は、上記式(2)中のR’と同義であり、Z5およびZ6は、互いに独立にカルボキシル基またはアミノ基を表す。
Figure 0005199574
次に、ウレタン結合またはX1およびX2がウレタン結合である結合(5)で連結された生分解性ポリマーを製造する場合の組み合わせについて述べる。
ウレタン結合で連結された生分解性ポリマーを製造する場合は、2個の水酸基を有する生分解性部位を含む化合物と2個のアミノ基を有するイミン部位を含む化合物との組み合わせ、2個のアミノ基を有する生分解性部位を含む化合物と2個の水酸基を有するイミン部位を含む化合物との組み合わせ、または各々1個の水酸基と1個のアミノ基を有する生分解性部位を含む化合物とイミン部位を含む化合物との組み合わせが挙げられる。さらに
、X1およびX2がウレタン結合である結合(5)で連結された生分解性ポリマーを製造する場合、該結合を導く(E)鎖延長剤として一般式(4−4)で表される化合物(以下「化合物(4−4)」ともいう。)を新たに使用する。その組み合わせを表3に示す。
Figure 0005199574
式(4−4)中、R’は、上記式(2)中のR’と同義であり、Z7およびZ8は、互いに独立に水酸基またはアミノ基を表す。
Figure 0005199574
次に、ウレア結合またはX1およびX2がウレア結合である結合(5)で連結された生分解性ポリマーを製造する場合の組み合わせについて述べる。
ウレア結合で連結された生分解性ポリマーを製造する場合は、2個のアミノ基を有する生分解性部位を含む化合物と2個のアミノ基を有するイミン部位を含む化合物との組み合わせが挙げられる。さらに、X1およびX2がウレア結合である結合(5)で連結された生分解性ポリマーを製造する場合、該結合を導く(E)鎖延長剤として一般式(4−5)で表される化合物(以下「化合物(4−5)」ともいう。)を新たに使用する。その組み合わせを表4に示す。
Figure 0005199574
式(4−5)中、R’は、上記式(2)中のR’と同義であり、Z9およびZ10はアミ
ノ基を表す。
Figure 0005199574
次に、カーボネート結合またはX1およびX2がカーボネート結合である結合(5)で連結された生分解性ポリマーを製造する場合の組み合わせについて述べる。
カーボネート結合で連結された生分解性ポリマーを製造する場合は、2個の水酸基を有する生分解性部位を含む化合物と2個の水酸基を有するイミン部位を含む化合物との組み合わせが挙げられる。さらに、X1およびX2がカーボネート結合である結合(5)で連結された生分解性ポリマーを製造する場合、該結合を導く(E)鎖延長剤として一般式(4−6)で表される化合物(以下「化合物(4−6)」ともいう。)を新たに使用する。その組み合わせを表5に示す。
Figure 0005199574
式(4−6)中、R’は、上記式(2)中のR’と同義であり、Z11およびZ12は水酸基を表す。
Figure 0005199574
以上、連結させる結合の種類によって、(A)生分解性部位を含む化合物と(B)イミン部位を含む化合物とが保有すべき官能基が異なり、またその組み合わせも異なることも記載した。ここで、本発明の生分解性ポリマーの製造方法において使用する生分解性部位を含む化合物とイミン部位を含む化合物とをまとめると、以下のようになる。
まず、生分解性部位を含む化合物とその製造方法について説明する。
上記(A)生分解性部位を含む化合物としては、2個の官能基を有する生分解性部位を含む化合物を通常は用いる。2個の官能基を有する生分解性部位を含む化合物としては、2個のカルボキシル基を有する生分解性部位を含む化合物、2個の水酸基を有する生分解性部位を含む化合物、1個のカルボキシル基と1個の水酸基を有する生分解性部位を含む化合物、2個のアミノ基を有する生分解性部位を含む化合物、1個のカルボキシル基と1個のアミノ基を有する生分解性部位を含む化合物、1個の水酸基と1個のアミノ基を有する生分解性部位を含む化合物などが挙げられる。
上記2個の官能基を有する生分解性部位を含む化合物の製造方法としては、例えば、2個のカルボキシル基を有する生分解性部位を含む化合物の場合は、カルボキシル基/水酸基のモル比が1より大きい条件で二塩基酸類と2価の脂肪族アルコール類とから脱水反応で製造する方法、またはカルボキシル基/アミノ基のモル比が1より大きい条件で二塩基酸類と2価の脂肪族アミン類とから脱水反応で製造する方法などが挙げられる。また、2個の水酸基を有する生分解性部位を含む化合物の場合は、カルボキシル基/水酸基のモル
比が1より小さい条件で二塩基酸類と2価の脂肪族アルコール類とから脱水反応で製造する方法などが挙げられる。また、1個のカルボキシル基と1個の水酸基を有する生分解性部位を含む化合物の場合は、ヒドロキシカルボン酸類の脱水反応で製造する方法などが挙げられる。また、2個のアミノ基を有する生分解性部位を含む化合物の場合は、カルボキシル基/アミノ基のモル比が1より小さい条件で二塩基酸類と2価の脂肪族アミン類とから脱水反応で製造する方法などが挙げられる。さらに、1個のカルボキシル基と1個のアミノ基を有する生分解性部位を含む化合物の場合は、アミノ酸類から脱水反応で製造する方法などが挙げられる。1個の水酸基と1個のアミノ基を有する生分解性部位を含む化合物の場合は、カルボキシル基/(水酸基とアミノ基との和)のモル比が1より小さい条件で、二塩基酸類、2価の脂肪族アルコール類および2価の脂肪族アミン類から脱水反応で製造する方法などが挙げられる。
次に、上記(B)イミン部位を含む化合物としては、2個の官能基を有するイミン部位を含む化合物を通常は用いる。2個の官能基を有するイミン部位を含む化合物は、上記一般式(1)または(1’)で表される化合物である。
このような2個の官能基を有するイミン部位を含む化合物は、公知の方法で製造することができる。Y1〜Y6のRが水素である2個の官能基を有するイミン部位を含む化合物の場合は、例えば、各々所望の官能基を有するアルデヒド化合物とアミン化合物との脱水反応より2個の官能基を有するイミン部位を含む化合物が得られる。Y1〜Y6のRが炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基である2個の官能基を有するイミン部位を含む化合物の場合は、例えば、各々所望の官能基を有するケトン化合物とアミン化合物との反応より2個の官能基を有するイミン部位を含む化合物が得られる。
<生分解性ポリマーの製造方法の具体的態様>
上記2個の官能基を有する生分解性部位を含む化合物と、2個の官能基を有するイミン部位を含む化合物とを前述の(C)連結剤を用いて連結させることにより、本発明の生分解性ポリマーを製造することができる。
本発明の製造方法は、両者を連結させる化学結合の種類によって使用する(C)連結剤の種類が異なる。以下に両者を連結させる化学結合の種類と(C)連結剤の組み合わせについて説明する。
まず、両者を連結させる化学結合がエステル結合、アミド結合あるいはX1および/ま
たはX2がエステル結合もしくはアミド結合である結合(5)である場合は、(C)連結
剤としてクロロギ酸エステル類を使用する。また、(C)連結剤として酸クロライドを使用してもX1および/またはX2がエステル結合もしくはアミド結合である結合(5)である生分解性ポリマーを製造することができる。さらに(C)連結剤としてイソシアネート類を用いた場合、X1およびX2がアミド結合である結合(5)である生分解性ポリマーを製造することができる。
次に、両者を連結させる結合がウレタン結合、ウレア結合、カーボネート結合あるいはX1および/またはX2がウレタン結合、ウレア結合もしくはカーボネート結合である結合(5)である場合は、(C)連結剤としてホスゲン、または炭酸エステル類を使用する。また、(C)連結剤としてイソシアネート類を使用してもX1および/またはX2がウレタン結合もしくはウレア結合である結合(5)である生分解性ポリマーを製造することができる。
ここで、本製造方法における構成部位の組み合わせと(C)連結剤との組み合わせとしては、連結部位がエステル結合の場合は、前記のエステル結合で連結された生分解性ポリ
マーで例示した構成部位の組み合わせなどとクロロギ酸エステル類との組み合わせを使用する。また、連結部位がアミド結合の場合は、前記のアミド結合で連結された生分解性ポリマーで例示した構成部位の組み合わせなどとクロロギ酸エステル類との組み合わせを使用する。次に、連結部位が、X1およびX2がエステル結合である結合(5)の場合は、表1で例示した構成部位の組み合わせなどとクロロギ酸エステル類との組み合わせを使用する。連結部位が、X1およびX2がアミド結合である結合(5)の場合は、表2で例示した構成部位の組み合わせなどとクロロギ酸エステル類との組み合わせを使用する。さらに、これらの組み合わせを2種以上併用してもよく、また、エステル結合の場合に例示した組み合わせと、アミド結合の場合に例示した組み合わせと、X1およびX2がエステル結合またはアミド結合である結合(5)に例示した組み合わせとを、2種以上互いに併用してもよい。
連結部位がウレタン結合の場合は、前記のウレタン結合で連結された生分解性ポリマーで例示した構成部位の組み合わせなどとホスゲンまたは炭酸エステル類との組み合わせを使用する。また、連結部位がウレア結合の場合は、前記のウレア結合で連結された生分解性ポリマーで例示した構成部位の組み合わせなどとホスゲンまたは炭酸エステル類との組み合わせを使用する。また、連結部位がカーボネート結合の場合は、前記のカーボネート結合で連結された生分解性ポリマーで例示した構成部位の組み合わせなどとホスゲンまたは炭酸エステル類との組み合わせを使用する。さらに、連結部位が、X1およびX2がウレタン結合である結合(5)の場合は、表3で例示した構成部位の組み合わせなどとホスゲンまたは炭酸エステル類との組み合わせを使用する。連結部位が、X1およびX2がウレア結合である結合(5)の場合は、表4で例示した構成部位の組み合わせなどとホスゲンまたは炭酸エステル類との組み合わせを使用する。連結部位が、X1およびX2がカーボネート結合である結合(5)の場合は、表5で例示した構成部位の組み合わせなどとホスゲンまたは炭酸エステル類との組み合わせを使用する。さらに、これらの組み合わせを2種以上併用してもよく、また、ウレタン結合の場合に例示した組み合わせ、ウレア結合の場合に例示した組み合わせ、カーボネート結合で例示した組み合わせ、ならびに、X1および
/またはX2がウレタン結合、ウレア結合もしくはカーボネート結合である結合(5)で
例示した組み合わせの中から2種以上を互いに併用しても構わない。
(C)連結剤として酸クロライドを使用する場合、X1および/またはX2がエステル結合もしくはアミド結合である結合(5)を有する生分解性ポリマーが、前記のそれぞれの連結部位で例示した生分解性部位を含む化合物とイミン部位を含む化合物との組み合わせと異なる。酸クロライドの場合のそれぞれの具体例を表6に示す。また、表6に例示した構成部位の組み合わせの中から2種以上併用しても構わない。
Figure 0005199574
また、(C)連結剤として酸クロライドを使用する場合、(E)鎖延長剤として一般式(4−7)で表される化合物(以下「化合物(4−7)」という)を併用することもできる。化合物(4−7)を併用した場合の構成部位の組み合わせを表7に示す。表7に例示した組み合わせの中から2種以上併用しても構わない。
Figure 0005199574
式(4−7)中、R’は、上記式(2)中のR’と同義であり、Z13および/またはZ14は水酸基もしくはアミノ基を表す。
Figure 0005199574
(C)連結剤としてイソシアネート類を使用する場合、X1および/またはX2がウレタン結合、ウレア結合もしくはアミド結合である結合(5)を有する生分解性ポリマーが得られるが、前記のそれぞれの連結部位で例示した生分解性部位を含む化合物とイミン部位を含む化合物との組み合わせと異なる。イソシアネート類の場合の具体例を表8に示す。また、表8に例示した構成部位の組み合わせの中から2種以上併用しても構わない。
Figure 0005199574
また、(C)連結剤としてイソシアネート類を使用する場合、(E)鎖延長剤として一般式(4−8)で表される化合物(以下「化合物(4−8)」という)を併用することもできる。化合物(4−8)を併用した場合の構成部位の組み合わせを表9に示す。表9に例示した組み合わせの中から2種以上併用しても構わない。
Figure 0005199574
式(4−8)中、R’は、上記式(2)中のR’と同義であり、Z15および/またはZ16は水酸基、アミノ基もしくはカルボキシル基を表す。
Figure 0005199574
本製造方法において、生分解性部位を含む化合物とイミン部位を含む化合物との使用モル比は、通常、0.5〜2.0の範囲であり、好ましくは0.8〜1.5の範囲であり、より好ましくは0.9〜1.1の範囲である。
本製造方法において(E)鎖延長剤を使用する場合、その使用量は、生分解性部位を含む化合物100重量部に対し、0.01〜50重量部の範囲であり、好ましくは0.1〜30重量部の範囲であり、より好ましくは0.5〜20重量部の範囲であり、さらに好ましくは1〜10重量部の範囲である。
連結剤の使用量は、構成部位に含まれる官能基の総モル数に対して、通常、0.25〜4.0倍モル、好ましくは0.3〜3.0倍モル、より好ましくは0.4〜2.0倍モル、さらに好ましくは0.45〜1.5倍モルの範囲である。
連結剤としてホスゲン、クロロギ酸エステル類および酸クロライドを使用した場合は、通常、副生するハロゲン化水素を中和するために、塩基を使用する。その塩基としては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリオクチルアミン、トリイソオクチルアミン、N,N’−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチル−n−オクチルアミン、N,N−ジメチルイソプロピルアミン、トリス(2−エチルヘキシル)アミン、N,N−ジメチルエチルアミン、N,N−ジエチルメチルアミン、N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン、N,N−ジ
メチルシクロヘキシルアミン、トリベンジルアミン、トリフェニルアミン、N−ベンジルジエチルアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ピコリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−エチル−N−メチルアニリン、2,6−ルイチジンなどが挙げられる。これらの中では、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリオクチルアミン、トリイソオクチルアミン、N,N’−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチル−n−オクチルアミン、N,N−ジメチルイソプロピルアミン、トリス(2−エチルヘキシル)アミン、ピリジンが好ましく、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、ピリジンがより好ましい。塩基は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。この製造方法での塩基の使用量は、ホスゲンおよびクロロギ酸エステル類の使用モル数に対して、通常、1.5〜6.0倍モル、好ましくは2.2〜5.0倍モル、より好ましくは2.4〜4.0倍モルの範囲である。
連結剤として炭酸エステル類を用いた場合は、上記生分解部位を含む化合物と、上記イミン部位を含む化合物と、上記連結剤との反応を促進させるために、触媒を添加することが好ましい。触媒としては、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ナトリウムメトキシドまたはチタニル(IV)アセチルアセトナートが挙げられる。
上記触媒は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、上記触媒の使用量は、生分解部位を含む化合物とイミン部位を含む化合物と連結剤との総重量に対して、通常、10〜1000ppm、好ましくは30〜800ppm、より好ましくは80〜500ppmの範囲である。また、(E)鎖延長剤を使用した場合の上記触媒の使用量は、生分解部位を含む化合物とイミン部位を含む化合物と鎖延長剤と連結剤との総重量に対して、通常、10〜1000ppm、好ましくは30〜800ppm、より好ましくは80〜500ppmの範囲である。
連結剤としてイソシアネート類を用いて連結部位が、X1およびX2がウレタン結合である結合(5)の場合は、上記生分解部位を含む化合物と、上記イミン部位を含む化合物と、上記連結剤との反応を促進させるために、触媒を添加することが好ましい。
上記触媒としては、例えば、スタナスオクテート(オクチル酸錫(II))、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウレート(ジラウリン酸ジブチル錫(IV))、ジオクチル錫ジラウレート、ナトリウムo−フェニルフェネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、塩化第二錫、塩化第二鉄、第二オクテート鉄、コバルトオクテート、ナフテン酸亜鉛、トリエチルアミンまたはトリエチレンジアミンなどが挙げられる。好ましくは、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウレート、ナトリウムo−フェニルフェネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、塩化第二錫または塩化第二鉄である。
上記触媒は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、上記触媒の使用量は、生分解部位を含む化合物、イミン部位を含む化合物および連結剤であるジイソシアネート類の総重量に対して、通常、10〜1000ppm、好ましくは30〜800ppm、より好ましくは80〜500ppmの範囲である。また、(E)鎖延長剤を使用した場合の上記触媒の使用量は、生分解部位を含む化合物、イミン部位を含む化合物、鎖延長剤および連結剤であるジイソシアネート類の総重量に対して、通常、10〜1000ppm、好ましくは30〜800ppm、より好ましくは80〜500ppmの範囲である。
本発明の製造方法において、(D)分散剤は、(A)生分解性部位を含む化合物と(B
)イミン部位を含む化合物の総重量に対して通常は、0.01〜10重量%、好ましくは
0.1〜5重量%用いる。また、(E)鎖延長剤を使用した場合、(D)分散剤は、(A
)生分解性部位を含む化合物、(B)イミン部位を含む化合物および(E)鎖延長剤の総重量に対して通常は、0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%用いる。
有機溶媒の使用量は、(A)生分解性部位を含む化合物と(B)イミン部位を含む化合物 100重量部に対して10〜1000重量部の範囲が好ましく、30〜500重量部
の範囲がより好ましく、50〜200重量部の範囲がさらに好ましい。また、(E)鎖延長剤を使用した場合の有機溶媒の使用量は、(A)生分解性部位を含む化合物と(B)イミン部位を含む化合物と(E)鎖延長剤 100重量部に対して10〜1000重量部の
範囲が好ましく、30〜500重量部の範囲がより好ましく、50〜200重量部の範囲がさらに好ましい。
本発明の製造方法は、(A)生分解性部位を含む化合物と、(B)イミン部位を含む化合物と、(C)連結剤とを、(D)分散剤を含有する有機溶媒中で、または(A)生分解性部位を含む化合物と、(B)イミン部位を含む化合物と、(E)鎖延長剤と、(C)連結剤とを、(D)分散剤を含有する有機溶媒中で分散重合させることを特徴とし、各成分(A)〜(E)等を加える順番や、その他の製造条件については、特に限定はない。
成分を加える順番としては、例えば(A)生分解性部位を含む化合物、(B)イミン部位を含む化合物、(D)分散剤、(C)連結剤の順であることが好ましい。また、(E)鎖延長剤を使用する場合は、(A)生分解性部位を含む化合物、(E)鎖延長剤、(B)イミン部位を含む化合物、(D)分散剤、(C)連結剤の順であることが好ましい。
次に、(A)生分解性部位を含む化合物と、上記(B)イミン部位を含む化合物と、(C)連結剤との反応順序は、(A)生分解性部位を含む化合物と(B)イミン部位を含む化合物と(C)連結剤とを同時に反応させてもよく、(A)生分解性部位を含む化合物または(B)イミン部位を含む化合物のどちらか一方と(C)連結剤とを先に反応させた後、もう一方の部位を含む化合物を反応させてもよい。さらに(C)連結剤を追加添加し、未反応の官能基と反応させて生分解性ポリマーを高分子量化しても良い。また、(C)連結剤としてイソシアネート類を使用した場合は、(A)生分解性部位を含む化合物または(B)イミン部位を含む化合物のどちらか一方と大過剰のイソシアネート類とを先に反応させ、高真空の薄膜蒸発機などで未反応イソシアネート類を取り除いた後、もう一方の部位を含む化合物を反応させてもよし、未反応連結剤を取り除かず、もう一方の部位を含む化合物を反応させてもよい。
各成分を加える順番や反応の順序などの製造条件を特に限定する訳ではないが、良好な分散状態で重合反応を行う観点から、以下の方法で生分解性ポリマーの製造を行うことが好ましい。まず、(A)生分解性部位を含む化合物、および(B)イミン部位を含む化合物を加える。次に有機溶媒を加え、さらに(D)分散剤と必要に応じて触媒、塩基などの他成分を加えた後、攪拌して分散状態とする。最後に(C)連結剤を添加して分散重合を行う。また、(E)鎖延長剤を使用する場合は、(A)生分解性部位を含む化合物、(B)イミン部位を含む化合物および(E)鎖延長剤を加え、次に有機溶媒を加え、さらに(D)分散剤と必要に応じて触媒、塩基などの他成分を加えた後、攪拌して分散状態とし、最後に(C)連結剤を添加して分散重合を行う。
また、(A)生分解性部位を含む化合物および/または(B)イミン部位を含む化合物が室温で固体である場合は、溶融してから有機溶媒及び(D)分散剤を加えて攪拌し分散状態にすることが好ましい。また、有機溶剤を加えると上記構成成分の温度が低下するので、再度内温が上がるのを待って攪拌を行うことが、有機溶媒中での分散状態を良好にす
る観点から好ましい。
本発明の生分解性ポリマーの製造方法における反応温度は、用いられる有機溶媒の沸点、(A)生分解性部位を含む化合物、(B)イミン部位を含む化合物および生分解性ポリマーの融点にもよるが、10〜300℃の範囲が好ましく、80〜220℃の範囲がより好ましい。反応は、水分による連結剤の失活を防止するために、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
(A)生分解性部位を含む化合物および/または(B)イミン部位を含む化合物をそのまま反応器に入れ(C)連結剤との反応を行っても良いし、(A)生分解性部位を含む化合物および/または(B)イミン部位を含む化合物を再度充分に乾燥させてから反応器に入れ(C)連結剤との反応を行っても良い。また、(A)生分解性部位を含む化合物および/または(B)イミン部位を含む化合物を反応器に入れ、反応器内で減圧乾燥してから(D)連結剤との反応を行っても良い。
また本発明の製造方法は、通常その製造効率の観点から、製造装置(反応装置)内が攪拌されていることが好ましい。攪拌することが可能な攪拌装置としては、特に限定が無く、その撹拌翼としては、一般的な撹拌翼(タービン、パドル、傾斜パドル、ファウドラー翼、イカリ翼など)でもよいし、ディスパー、ホモミキサー等を用いてもよい。
生分解性ポリマーが所望の分子量に到達したら、(D)分散剤や触媒を取り除くために、前述の2成分が可溶かつポリマーが不溶であるようなヘキサン、ヘプタンなどの有機溶媒を使用して洗浄を行い、生分解性ポリマーを精製する。
連結剤としてクロロギ酸エステル類、酸クロライドまたはホスゲンを使用した場合、生分解性ポリマーが所望の分子量に到達したら、ハロゲン化水素と塩基との塩などの不純物を取り除くために、不純物が可溶かつポリマーが不溶であるようなメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの有機溶媒を使用して再沈殿や洗浄を行い、生分解性ポリマーを精製する。精製後、減圧乾燥、加熱乾燥などにより精製時使用した有機溶媒などの除去を行う。
上記の洗浄方法としては、ろ過器上で洗浄を行っても良いし、溶媒中に分散している生分解性ポリマーをろ過した後、スラッジングを行って洗浄しても良い。
洗浄した後、減圧ろ過または加圧ろ過を行い、減圧乾燥、加熱乾燥などにより反応溶媒や精製時使用した有機溶媒などの除去を行う。ろ過を行う前にデカンテーションし、ある程度、有機溶媒を取り除いてからろ過を行っても良い。また、ろ過を行わず、エバポレーターなどの機器を使用して有機溶剤を取り除いても良い。
以上のように(C)連結剤を用いた生分解性ポリマーの製造方法について説明したが、他の製造方法として縮合剤を用いる製造方法(以下「縮合剤法」という)がある。具体的には、少なくとも、(A)生分解性部位を含む化合物と、(B)イミン部位を含む化合物と、縮合剤とを、(D)分散剤を含有する有機溶媒中で、または(A)生分解性部位を含む化合物と、(B)イミン部位を含む化合物と、(E)鎖延長剤と、縮合剤とを、(D)分散剤を含有する有機溶媒中で分散重合させることにより生分解性部位とイミン部位とを有する生分解性ポリマーを製造する方法である。
以下に縮合剤法について詳細に説明する。
縮合剤法では、(C)連結剤を用いる方法(以下「連結剤法」という)と同様の(A)生分解性部位を含む化合物、(B)イミン部位を含む化合物、(D)分散剤、(E)鎖延長剤および有機溶媒を用いることができる。
縮合剤法で用いる縮合剤としては、本発明の製造方法で使用される縮合剤としては、例えば、ヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウム、ヨウ化2−ブロモ−1−メチルピリジニウム、2−クロロ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボレート、2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボレートなどが挙げられる。好ましくは、ヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウム、2−クロロ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボレート、2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボレートである。より好ましくは、ヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウム、2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボレートである。これらの縮合剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい
縮合剤法では、(A)生分解性部位を含む化合物と、(B)イミン部位を含む化合物と、縮合剤とを、(D)分散剤を含有する有機溶媒中で、または(A)生分解性部位を含む化合物と、(B)イミン部位を含む化合物と、(E)鎖延長剤と、縮合剤とを、(D)分散剤を含有する有機溶媒中で分散重合させることにより生分解性部位とイミン部位とをエステル結合あるいはアミド結合である生分解性ポリマーを製造することができる。
上記のことから、(A)生分解性部位を含む化合物、(B)イミン部位を含む化合物が有する2個の官能基は、カルボキシル基、水酸基またはアミノ基であり、2個の官能基は同一であっても異なっていてもよい。
また、(E)鎖延長剤を使用した場合はX1および/またはX2がエステル結合もしくはアミド結合である結合(5)である生分解性ポリマーを製造することができる。この場合は、化合物(4−1)のZ1とZ2は、カルボキシル基、水酸基またはアミノ基を表し、同一であっても異なっていてもよい。
連結剤法と同様に生分解性部位とイミン部位とを連結させる化学結合によって(A)生分解性部位を含む化合物と(B)イミン部位を含む化合物および/または(E)鎖延長剤
(化合物(4−1))が保有すべき官能基が定まり、これらの組み合わせも定まる。
まず、生分解性部位とイミン部位がエステル結合で連結された生分解性ポリマーを製造する場合は、連結剤法におけるエステル結合で連結された生分解性ポリマーの場合で例示した構成部位の組み合わせを用いることができる。また、結合(5)のX1およびX2がエステル結合である生分解性ポリマーを製造する場合は、連結剤法の表1で例示した構成部位の組み合わせを使用できる。これらの構成部位を単独あるいは2種以上併用してもよい。
次に、生分解性部位とイミン部位がアミド結合で連結された生分解性ポリマーを製造する場合は、連結剤法におけるアミド結合で連結された生分解性ポリマーの場合で例示した構成部位の組み合わせを用いることができる。また、結合(5)のX1およびX2がアミド結合である生分解性ポリマーを製造する場合は、連結剤法の表2で例示した構成部位の組み合わせを使用できる。これらの構成部位を単独あるいは2種以上併用してもよい。
さらに、上記のエステル結合および/または結合(5)のX1およびX2がエステル結合で例示した構成部位の組み合わせとアミド結合および/または結合(5)のX1およびX2がアミド結合で例示した構成部位の組み合わせをそれぞれ1種以上併用してもよい。
縮合剤法において、生分解性部位を含む化合物とイミン部位を含む化合物との使用モル比は、通常、0.5〜2.0の範囲であり、好ましくは0.8〜1.5の範囲であり、より好ましくは0.9〜1.1の範囲である。
縮合剤法において(E)鎖延長剤を使用する場合、その使用量は、生分解性部位を含む化合物100重量部に対し、0.01〜50重量部の範囲であり、好ましくは0.1〜30重量部の範囲であり、より好ましくは0.5〜20重量部の範囲であり、さらに好ましくは1〜10重量部の範囲である。
縮合剤の使用量は、構成部位に含まれるカルボキシル基の総モル数に対して、通常、1.0〜4.0倍モル、好ましくは1.1〜3.0倍モル、より好ましくは1.2〜2.6
倍モル、さらに好ましくは1.5〜2.5倍モルの範囲である。
縮合剤法ではハロゲン化水素が副生するので、通常、副生するハロゲン化水素を中和するために、塩基を使用する。その塩基としては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリオクチルアミン、トリイソオクチルアミン、N,N’−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチル−n−オクチルアミン、N,N−ジメチルイソプロピルアミン、トリス(2−エチルヘキシル)アミン、N,N−ジメチルエチルアミン、N,N−ジエチルメチルアミン、N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、トリベンジルアミン、トリフェニルアミン、N−ベンジルジエチルアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ピコリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−エチル−N−メチルアニリン、2,6−ルイチジンなどが挙げられる。これらの中では、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリオクチルアミン、トリイソオクチルアミン、N,N’−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチル−n−オクチルアミン、N,N−ジメチルイソプロピルアミン、トリス(2−エチルヘキシル)アミンが好ましく、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミンがより好ましい。塩基は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。この製造方法での塩基の使用量は、縮合剤の使用モル数に対して、通常、1.0〜6.0倍モル、好ましくは2.2〜5.0倍モル、より好ましくは2.4〜4.0倍モルの範囲である。
縮合剤法において、(D)分散剤は、(A)生分解性部位を含む化合物と(B)イミン部位を含む化合物の総重量に対して通常は、0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%用いる。また、(E)鎖延長剤を使用した場合、(D)分散剤は、(A)生分解性部位を含む化合物、(B)イミン部位を含む化合物および(E)鎖延長剤の総重量に対して通常は、0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%用いる。
有機溶媒の使用量は、(A)生分解性部位を含む化合物と(B)イミン部位を含む化合物 100重量部に対して10〜1000重量部の範囲が好ましく、30〜500重量部
の範囲がより好ましく、50〜200重量部の範囲がさらに好ましい。また、(E)鎖延長剤を使用した場合の有機溶媒の使用量は、(A)生分解性部位を含む化合物と(B)イミン部位を含む化合物と(E)鎖延長剤 100重量部に対して10〜1000重量部の
範囲が好ましく、30〜500重量部の範囲がより好ましく、50〜200重量部の範囲がさらに好ましい。
縮合剤法は、(A)生分解性部位を含む化合物と、(B)イミン部位を含む化合物と、縮合剤とを、(D)分散剤を含有する有機溶媒中で、または(A)生分解性部位を含む化合物と、(B)イミン部位を含む化合物と、(E)鎖延長剤と、縮合剤とを、(D)分散剤を含有する有機溶媒中で分散重合させることを特徴とし、各成分(A)〜(E)等を加える順番や、その他の製造条件については、特に限定はない。
成分を加える順番としては、例えば(A)生分解性部位を含む化合物、(B)イミン部位を含む化合物、(D)分散剤、縮合剤の順であることが好ましい。また、(E)鎖延長剤を使用する場合は、(A)生分解性部位を含む化合物、(E)鎖延長剤、(B)イミン部位を含む化合物、(D)分散剤、縮合剤の順であることが好ましい。
次に、(A)生分解性部位を含む化合物と、(B)イミン部位を含む化合物と、縮合剤との反応順序は、特に制限する訳ではないが、(A)生分解性部位を含む化合物と(B)イミン部位を含む化合物と縮合剤とを同時に反応させることが好ましい。
各成分を加える順番や反応の順序などの製造条件を特に限定する訳ではないが、良好な分散状態で重合反応を行う観点から、以下の方法で生分解性ポリマーの製造を行うことが好ましい。まず、(A)生分解性部位を含む化合物、および(B)イミン部位を含む化合物を加える。次に有機溶媒を加え、さらに(D)分散剤と塩基を加えた後、攪拌して分散状態とする。最後に縮合剤を添加して分散重合を行う。また、(E)鎖延長剤を使用する場合は、(A)生分解性部位を含む化合物、(B)イミン部位を含む化合物および(E)鎖延長剤を加え、次に有機溶媒を加え、さらに(D)分散剤と塩基を加えた後、攪拌して分散状態とし、最後に縮合剤を添加して分散重合を行う。
また、(A)生分解性部位を含む化合物および/または(B)イミン部位を含む化合物が室温で固体である場合は、溶融してから有機溶媒及び(D)分散剤を加えて攪拌し分散状態にすることが好ましい。また、有機溶剤を加えると上記構成成分の温度が低下するので、再度内温が上がるのを待って攪拌を行うことが、有機溶媒中での分散状態を良好にする観点から好ましい。
本発明の生分解性ポリマーの製造方法における反応温度は、用いられる有機溶媒の沸点、(A)生分解性部位を含む化合物、(B)イミン部位を含む化合物および生分解性ポリマーの融点にもよるが、10〜200℃の範囲が好ましく、20〜150℃の範囲がより好ましい。反応は、水分による縮合剤の失活を防止するために、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
(A)生分解性部位を含む化合物および/または(B)イミン部位を含む化合物をそのまま反応器に入れ(C)連結剤との反応を行っても良いし、(A)生分解性部位を含む化合物および/または(B)イミン部位を含む化合物を再度充分に乾燥させてから反応器に入れ(C)連結剤との反応を行っても良い。また、(A)生分解性部位を含む化合物および/または(B)イミン部位を含む化合物を反応器に入れ、反応器内で減圧乾燥してから(D)連結剤との反応を行っても良い。
また本発明の製造方法は、通常その製造効率の観点から、製造装置(反応装置)内が攪拌されていることが好ましい。攪拌することが可能な攪拌装置としては、特に限定が無く、その撹拌翼としては、一般的な撹拌翼(タービン、パドル、傾斜パドル、ファウドラー翼、イカリ翼など)でもよいし、ディスパー、ホモミキサー等を用いてもよい。
生分解性ポリマーが所望の分子量に到達したら、分散剤を取り除くために、分散剤が可溶かつポリマーが不溶であるようなヘキサン、ヘプタン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの有機溶媒を使用して洗浄を行い、生分解性ポリマーを精製する。
また、生分解性ポリマーが所望の分子量に到達したら、未反応縮合剤およびハロゲン化水素と塩基との塩やなどの不純物を取り除くために、縮合剤および不純物が可溶かつポリマーが不溶であるようなメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの有機溶媒を使用して洗浄を行い、生分解性ポリマーを精製する。
上記2つの洗浄の順番は、特に制限はないが、分散剤を取り除く洗浄を行った後に未反応縮合剤と不純物を取り除く洗浄を行うことが好ましい。
上記の洗浄方法としては、ろ過器上で洗浄を行っても良いし、溶媒中に分散している生分解性ポリマーをろ過した後、スラッジングを行って洗浄しても良い。未反応縮合剤と不純物を取り除く洗浄に関しては、洗浄を効率的に行う観点からろ過を行った後、上記有機溶媒中でスラッジングする方法が好ましい。
洗浄した後、減圧ろ過または加圧ろ過を行い、減圧乾燥、加熱乾燥などにより反応溶媒や精製時使用した有機溶媒などの除去を行う。ろ過を行う前にデカンテーションし、ある程度、有機溶媒を取り除いてからろ過を行っても良い。また、ろ過を行わず、エバポレーターなどの機器を使用して有機溶剤を取り除いても良い。
以上、本発明の生分解性ポリマーの製造方法について述べた。以下に本発明の製造方法で得られる生分解性ポリマーについて説明する。ここで述べる生分解性部位およびイミン部位は、本発明の生分解性ポリマーの製造方法で定義した生分解性部位およびイミン部位と同一である。
〔生分解性ポリマー〕
本発明の製造方法によって得られる生分解性ポリマーは、生分解性部位とイミン部位とを有することを特徴としており、上記生分解性部位と上記イミン部位とが連結した構造を有している。生分解性部位とイミン部位とを連結させる連結部位は、本発明の目的を阻害しなければどのような化学構造であっても構わない。このような連結を可能とする化学結合としては、例えば、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、カーボネート結合および上記結合(5)などが挙げられ、これらの化学結合は、単独あるいは2種以上有してもよい。
生分解性と水崩壊性を良好にする観点から、生分解性部位とイミン部位を連結させる化合結合としては、好ましくはエステル結合、ウレタン結合、ウレア結合、カーボネート結合または結合(5)であり、より好ましくはエステル結合、ウレタン結合または結合(5)であり、さらに好ましくはエステル結合または結合(5)である。結合(5)の中で生分解性と水崩壊性を良好にする観点から、好ましくはX1および/またはX2がエステル結合、ウレタン結合、ウレア結合またはカーボネート結合である結合(5)であり、より好ましくはX1および/またはX2がエステル結合またはウレタン結合である結合(5)である。
本発明で製造される生分解性ポリマーの生分解性部位としては、前述したように低分子化合物、ポリエステル類、オリゴエステル類、ポリアミド類、オリゴアミド類、ポリ(アミド−エステル)類、オリゴ(アミド−エステル)類、ポリペプチド類、オリゴペプチド類、ポリエーテル類またはオリゴエーテル類から導かれる2価の有機基などが挙げられ、これらの生分解性部位は単独あるいは2種以上有してもよい。これらの生分解性部位の中で生分解性および成形物の機械物性を良好にする観点から、好ましくはポリエステル類、オリゴエステル類、ポリ(アミド−エステル)類、オリゴ(アミド−エステル)類、またはポリエーテル類から導かれる2価の有機基であり、より好ましくはポリエステル類、オリゴエステル類、ポリ(アミド−エステル)類またはオリゴ(アミド−エステル)類から導かれる2価の有機基であり、さらに好ましくは、ポリエステル類またはオリゴエステル類から導かれる2価の有機基である。
本発明で製造される生分解性ポリマーのイミン部位としては、前述したように一般式(1−2)および(1’−2)で表される2価の有機基などが挙げられる。この中で、一般
式(1−2)および(1’−2)で表される2価の有機基が好ましい。
以上説明したように、本発明の製造方法によって得られる生分解性ポリマーは、生分解性部位とイミン部位とを連結させた形の化学構造を有し、生分解性部位とイミン部位とのモル比は、好ましくは1:9〜9:1の範囲であり、より好ましくは1:7〜7:1の範囲であり、さらに好ましくは1:5〜5:1の範囲であり、特に好ましくは1:3〜3:1の範囲である。
本発明の製造方法によって得られる好ましい生分解性ポリマーは、生分解性部位がポリエステル類、オリゴエステル類、ポリ(アミド-エステル)類、オリゴ(アミド-エステル)類またはポリエーテル類であり、イミン部位が前記の式(1−2)で表されるイミン部位であり、生分解性部位とイミン部位とを連結させる化学結合が、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、カーボネート結合または結合(5)である。
本発明の製造方法によって得られるより好ましい生分解性ポリマーは、生分解性部位がポリエステル類、オリゴエステル類、ポリ(アミド-エステル)類またはオリゴ(アミド-エステル)類であり、イミン部位が前記の式(1−2)で表されるイミン部位であり、生分解性部位とイミン部位とを連結させる化学結合が、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、カーボネート結合または結合(5)である。
本発明の製造方法によって得られる特に好ましい生分解性ポリマーは、生分解性部位がポリエステル類、オリゴエステル類、ポリ(アミド-エステル)類またはオリゴ(アミド-エステル)類であり、イミン部位が、前記の式(1−2)中のR1〜R3が炭素数1〜20
の脂肪族炭化水素基、1つ以上のエステル結合を有する炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、1つ以上のエーテル結合を有する炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基または炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であり、Y1およびY2がそれぞれ独立に−N=CR−または−CR=N−であるイミン部位であり、生分解性部位とイミン部位とを連結させる化学結合が、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、カーボネート結合または結合(5)である。
本発明の製造方法によって得られる最も好ましい生分解性ポリマーは、生分解性部位がポリエステル類、オリゴエステル類、ポリ(アミド-エステル)類またはオリゴ(アミド-エステル)類であり、イミン部位が、前記の式(1−2)中のR1〜R3が炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、1つ以上のエステル結合を有する炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、1つ以上のエーテル結合を有する炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基または炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であり、Y1およびY2がそれぞれ独立に−N=CR−または−CR=N−であり、Rが水素原子または炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基であるイミン部位であり、生分解性部位とイミン部位とを連結させる化学結合が、エステル結合、ウレタン結合、カーボネート結合または結合(5)である。
本発明の製造方法によって得られる生分解性ポリマーの分子量は特に限定されないが、成形物などとしての強度を考慮すると、重量平均分子量が好ましくは1万〜100万、より好ましくは2万〜50万の範囲である。
本発明の製造方法によって得られる生分解性ポリマーのガラス転移温度(Tg)は特に限定されないが、−120〜80℃、好ましくは−80〜70℃、より好ましくは−50〜60℃の範囲である。生分解性ポリマーのTgが前記範囲にあることにより、生分解性ポリマーは優れた生分解性および水崩壊性を示す。
[生分解性ポリマーの成形物]
本発明の製造方法によって得られる生分解性ポリマーは、その加工物について特に限定するわけではないが、例えば、成形加工することによりフィルム、シート、用途に適した形状の容器および不織布などの成形物にすることができる。この際、これら成形物中に、ポリエチレングリコール、ビニルアルコール、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネートなどの通常の生分解性ポリマーを含んでいても構わない。
本発明の製造方法によって得られる生分解性ポリマーには、目的に応じて各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、難燃剤、離型剤、無機添加剤、結晶核剤、耐電防止剤、顔料、アンチブロッキング剤などが挙げられる。
可塑剤としては、生分解性があって、かつ本発明の製造方法によって得られる生分解性ポリマーとの相溶性に優れるものが好適に用いられる。たとえば、1価もしくは多価脂肪酸エステル系可塑剤、1価もしくは多価脂肪族アルコールエステル系可塑剤、ポリアルキレングリコール系可塑剤、脂肪族ポリエステル系可塑剤などが挙げられる。具体的には、ジ−n−オクチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジベンジルフタレート等のフタル酸誘導体、ジイソオクチルフタレート等のイソフタル酸誘導体、ジ−n−ブチルアジペート、ジオクチルアジペート等のアジピン酸誘導体、ジ−n−ブチルマレート等のマレイン酸誘導体、トリ−n−ブチルシトレート等のクエン酸誘導体、モノブチルイタコネート等のイタコン酸誘導体、ブチルオレート等のオレイン酸誘導体、グリセリンモノリシノレート等のリシノール酸誘導体、トリクレジルフォスフェート、トリキシレニルフォスフェート等のリン酸エステル誘導体、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、乳酸、直鎖状乳酸オリゴマー、環状乳酸オリゴマーおよびラクチドなどが例示できる。特に、分子内に2個以上のカルボン酸エステル基を有する、クエン酸エステル、グリセリンエステル、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、セバシン酸エステル、アゼライン酸エステルおよびトリエチレングリコールエステルから選ばれた少なくとも1種のエステル化合物であることが好ましい。これらの可塑剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の製造方法によって得られる生分解性ポリマーへの、可塑剤、無機充填剤、分散剤、安定剤などの各種添加剤の添加は、たとえば、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、タンブラー型ミキサーなどを用いて混合した後、一軸または二軸スクリュー型押出機を用いて連続混練することにより行うことができる。ここで、生分解性ポリマーおよび充填剤等の分散性をより向上させるためには、二軸押出機の方が好ましい。
本発明製造方法によって得られるの生分解性ポリマーからなるフィルムまたはシートを得る方法としては特に制限がなく、公知の成形方法によりフィルム状またはシート状に成形される。T−ダイ成形法、インフレーション成形法、カレンダー成形法、熱プレス成型法などにより、フィルム状またはシート状に成形する方法が挙げられる。また、これらのフィルムやシートは少なくとも一方向に延伸されていてもよい。延伸法として特に制限はないが、ロール延伸法、テンター法、インフレーション法などが挙げられる。
本発明の製造方法によって得られる生分解性ポリマーからなる、用途に適した形状の成形物を得る方法としては、特に制限がなく、公知の方法で製造可能であり、例えば金型に押出成形や射出成形などを行う方法などが挙げられる。
本発明の製造方法によって得られる生分解性ポリマーの成形物の厚さは、その水崩壊性や生分解性を高めるために薄く成形することが好ましいが、強度や可とう性などを満足させるように自由に調整可能である。フィルムの好ましい厚みは、5〜300μmであり、10〜100μmがより好ましい。シートや容器状の成形物の厚みとしては0.1〜5m
mが好ましく、より好ましくは0.2〜2mmである。また、引張弾性率は、特にその値を限定するわけではないが、通常、1200MPa以下のものが好ましく、600MPa以下のものがさらに好ましい。引張強度は、特にその値を限定するわけではないが、10
〜100MPaの範囲が好ましく、15〜70MPaの範囲がより好ましく、20〜50MPaの範囲がさらに好ましい。
本発明の製造方法によって得られる生分解性ポリマーには、無機添加剤を添加することが可能であり、特定の無機添加剤を含有することにより、本発明の生分解性ポリマーの水崩壊性を高めることができる。このような無機添加剤としては、特に制限されないが、無機酸化物類、ゼオライト類が好ましく、より好ましくは無機酸化物類である。
上記無機酸化物類としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、珪酸白土、珪藻土、酸性白土などが挙げられ、ゼオライト類としては、フィリップサイト、モルデナイト、クリノプチロライト、ハーモトーム、メルリノイト、シャバサイト、エリオナイト、ナトロライト、ヒューランダイト、フォージャサイトなどが挙げられる。
上記無機添加剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。本発明の生分解性ポリマーと無機添加剤とを含有する生分解性ポリマー樹脂組成物の配合条件は、生分解性ポリマー100重量部に対して、無機添加剤が0.01〜50重量部の範囲であり、好ましくは無機添加剤が0.1〜40重量部の範囲であり、より好ましくは無機添加剤が0.5〜30重量部の範囲であり、さらに好ましくは1〜20重量部の範囲である。
上記無機添加剤の平均粒径としては、好ましくは30μm以下、より好ましくは10μm以下、特に好ましくは0.7〜5μmの範囲である。粒径が大きすぎるとフィルムの気孔の緻密性が悪くなり、小さすぎると樹脂への分散性が悪くなる。また、これらの無機添加剤は、例えば、成形物がフィルムである場合に、その通気性を向上させるために添加してもよい。
さらに、上記生分解性ポリマーから得られるフィルムの通気性を向上させるために、無機充填剤および/または有機充填材を添加することも可能である。無機充填材としては、炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、マイカ、などが挙げられる。これらの中では、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、タルク、クレーが好ましい。また、有機充填材としては、木粉、パルプ粉などのセルロース粉末が挙げられる。これらの充填剤は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記充填材の平均粒径としては、好ましくは30μm以下、より好ましくは10μm以下、特に好ましくは0.7〜5μmの範囲である。粒径が大きすぎるとフィルムの気孔の緻密性が悪くなり、小さすぎると樹脂への分散性が悪くなる。なお、平面状の未延伸シートにしたあと、縦方向に一軸延伸することにより、または縦および横方向に二軸延伸することによりフィルムは多孔化し通気性を有するフィルムとなる。
本発明の製造方法によって得られる生分解性ポリマーの不織布を得る方法としては特に制限がなく、公知の方法、例えば、乾式法、スパンボンド法、メルトブロー法、湿式法などにより製造される。すなわち、本発明の生分解性ポリマー、または該生分解性ポリマーと添加剤とを含む組成物を紡糸した後、ウェブを形成し、該ウェブを従来公知の方法により結合することにより得られる。
原料繊維の紡糸方法は、公知の紡糸方法が適用される。単独紡糸でも複合紡糸でもよく、特に、複合紡糸の形態としては、芯鞘型もしくは並列型複合紡糸が挙げられる。紡糸方
法としては、例えば、押出機を用いて溶融紡糸する溶融紡糸法、上記生分解性ポリマーもしくは組成物を溶媒に溶解して溶液とした後、該溶液をノズルから貧溶媒中に吐出させる湿式紡糸法、該溶液をノズルから乾燥気体中に吐出させる乾式紡糸等が適用される。溶融紡糸法には、一軸押出機、二軸押出機等の公知の押出機を用いることができる。
押出機の口金(ノズル)の口径は、必要とする繊維の直径(糸径)と、押出機の吐出速度や引き取り速度との関係によって適宜決定されるが、好ましくは0.1〜3.0mm程度である。いずれの紡糸法においても、紡糸後の繊維の延伸は必ずしも行う必要はないが、延伸を行う場合には、1.1〜10倍、好ましくは2〜8倍に延伸する。繊維の好ましい糸径は0.5〜40デニールである。また、本発明の不織布を構成する単繊維または複合繊維は、長繊維または短繊維のいずれでもよく、使用目的により適宜選択できる。
得られた繊維から、ウェブと呼ばれる繊維の塊状態を形成させる。ウェブの製造方法としては公知の方法を用いることができ、特に限定されない。例えば、フラットカード機、ローラカード機、ガーネット機等を用いるカード式、メルトブロー式が挙げられる。また、樹脂を紡糸する際、紡糸機のノズルから繊維が出るときに高速空気を吹き付け、気流に直角な穴あきコンベア上に集めてウェブを形成させるスパンボンド式でもよい。
このようにして得られたウェブから、本発明の生分解性ポリマーの不織布を得るには公知の方法を用いることができる。例えば、針により交絡させるニードルパンチ法、糸により交絡させるステッチボンド法、熱により接着させるサーマルボンド法、接着剤を利用するケミカルボンド法、レジンボンド法が挙げられる。本発明の不織布の目付けは、好ましくは1〜50g/m2であり、より好ましくは5〜20g/m2である。
[生分解性ポリマーの用途]
本発明の製造方法によって得られる生分解性ポリマーを含有してなる成形物は、その用途を特に限定するわけではないが、例えば、衛生用品を構成する部材(部品)、農園芸資材、土木築資材などとして使用することができる。すなわち、本発明の生分解性ポリマーを含有する素材を使用して衛生用品、農園芸資材、土木築資材などを製造することが可能であり、本発明の製造方法によって得られる生分解性ポリマーの用途としては、衛生用品が好適である。
衛生用品、農園芸資材、土木築資材などの製造法としては、本発明の製造方法によって得られる生分解性ポリマーを含有してなる樹脂組成物を所望の形状に成形加工することによって製造できるし、さらにその成形物を公知のホットメルト接着あるいは熱接着などの方法により相互に接着、固定して製造することができる。
上記衛生用品としては、例えば、生理用タンポンアプリケータ、生理用ナプキン、パンティーライナー、使い捨て紙おむつ、失禁用パッド等が挙げられる。
上記農園芸資材としては、例えば、マルチフィルム、育苗ポット、園芸テープ、果実栽培袋、杭、薫蒸シート、ビニールハウス用フィルムなどが挙げられる。
上記土木築資材としては、例えば、植生ネット、植生ポット、立体網状体、土木繊維、杭、断熱材などが挙げられる。
本発明の製造方法によって得られる生分解性ポリマーを含有してなる不織布は、例えば、生理用ナプキンの表面材、パンティーライナーのトップシート、使い捨ておむつのトップシートまたは果実栽培袋などとして使用することに適している。本発明の生分解性ポリマーを含有してなるフィルムは、例えば、生理用ナプキンの防濡材、パンティーライナーのバックシート、使い捨ておむつのバックシート、マルチフィルム、農園芸テープまたはビニールハウス用フィルムなどとして使用することに適している。本発明の生分解性ポリ
マー含有してなる容器状成形体やシートを筒状に加工したものは、例えば、生理用タンポンアプリケータなどとして使用することに適している。本発明の生分解性ポリマーを含有してなる容器状成形体は、例えば、育苗ポットまたは植生ポットなどとして使用することに適している。
また、場合によっては、吸収コア、漏れ防止や装着者の運動性向上を目的として使い捨ておむつの肢周りにギャザーなどを装備してもよい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
[1]ポリマーの分子量
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下「GPC」とも記す)により、ポリマーの分子量を求めた。標準物質にはポリスチレンを用いた。
<イミン部位を含む化合物の製造>
以下に生分解性ポリマーを構成するイミン部位を含む化合物の製造例について、具体的に示す。
<製造例1>
コンデンサー付きのディーンスターク、温度計、ガラス製攪拌羽根および滴下ロートを付けた300mLセパラブルフラスコに、テレフタルアルデヒド13.4g(0.1mol、アルドリッチ社製、純度99.0%)およびトルエン120mLを加え、ガラス製の攪拌羽根で攪拌し、氷水で3〜5℃に冷却した。2−エタノールアミン12.2g(0.2mol、和光純薬株式会社製、純度99.0%)を滴下ロートに入れ、30分でフラスコに滴下した。滴下した後、油浴で加熱し、水の副生が終了するまで加熱還流した。室温まで冷却し、析出物を濾別し、トルエン120mLを用いて濾過器上で洗浄した。得られた結晶を窒素雰囲気下、50℃で一晩乾燥し、淡黄色の固体としてN,N’−(1,4−フェニレンジメチリデン)ビス(エタノールアミン)(以下「イミン化合物1」という)21.2gを得た。イミン化合物1を重水素化DMSOに溶解して測定したプロトン核磁気共鳴スペクトル(1H-NMRスペクトル)から以下のように帰属し、イミン化合物1の生成を確認した。
1H-NMRスペクトル:δH 4.61(s,2H)、δH 3.67(s,8H)、δH 8.31(s,2H)、δH 7.71(s,4H)。
<製造例2>
2−エタノールアミンの代わりに2−(2−アミノエトキシ)エタノール21.46g(0.2mol、東京化成工業株式会社製、純度98.0%)を使用し、室温で3日間減圧乾燥した以外は製造例1と同様の反応操作を行い、淡黄色の固体のN,N’−(1,4−フェニレンジメチリデン)ビス(2−(2−アミノエトキシ)エタノール)(以下「イミン化合物2」という)28.3gを得た。イミン化合物2を重水素化DMSOに溶解して測定したプロトン核磁気共鳴スペクトル(1H-NMRスペクトル)から以下のように帰属し、イミン化合物2の生成を確認した。
1H-NMRスペクトル:δH4.58(t,2H)、δH3.44(m,8H)、3.68(m,8H)、δH8.37(s,2H)、δH7.79(s,4H)。
<製造例3>
テレフタルアルデヒドの代わりにヒドロキシアセトン18.5g(0.2mol、東京化成工業株式会社、純度80.0%)を使用した以外は製造例1と同様の反応操作を行い、2−(2−ヒドロキシエチルイミノ)プロパン−1−オール(以下「イミン化合物3」
という)28.2gを得た。イミン化合物3を重水素化DMSOに溶解してプロトン核磁気共鳴スペクトル(1H-NMRスペクトル)を測定した結果から、イミン化合物3は下記式(6)の化学構造を有していることを確認した。
Figure 0005199574
<製造例4>
テレフタルアルデヒドの代わりにピルビン酸2−ヒドロキシエチル26.0g(0.2mol)を使用した以外は製造例1と同様の反応操作を行い、2−ヒドロキシエチル2−(2−ヒドロキシエチルイミノ)プロパノエート(以下「イミン化合物4」という)35.6gを得た。イミン化合物4を重水素化DMSOに溶解してプロトン核磁気共鳴スペクトル(1H-NMRスペクトル)を測定した結果から、イミン化合物4は下記式(7)の化学構造を有していることを確認した。
Figure 0005199574
<両末端にOH基を有する生分解性部位を含む化合物の製造>
以下に生分解性ポリマーを構成する生分解性部位を含む化合物の製造例を具体的に示す。なお、二塩基酸と2価の脂肪族アルコールとから生分解性部位含有化合物を製造する際の終点確認、および製造した生分解性部位含有化合物の水酸基量を測定するために、生分解性部位を含む化合物の水酸基価測定を行った。その測定方法を以下に示す。
<アセチル価測定法>
クロロホルム(和光純薬工業株式会社製、1級試薬)400mL、70%過塩素酸(和光純薬工業株式会社製、特級試薬)4gおよび無水酢酸(和光純薬工業株式会社製、特級試薬)50mLよりアセチル化試薬を調製した。
このアセチル化試薬で両末端にOH基を有する生分解性部位を含む化合物をアセチル化し、クレゾールレッド−チモールブルー混合指示薬を十数滴加え、0.5Nアルコール性
水酸化ナトリウム溶液で滴定した。また、同時に空試験も実施した。これら滴定結果から以下の式よりアセチル価を求めた。
アセチル価[mg-KOH/g]=(V0−V1)×f×28.05/S
f;0.5Nアルコール性水酸化ナトリウム溶液のファクター
0;空試験に要した0.5Nアルコール性水酸化ナトリウム溶液の滴定量[mL]
1;両末端にOH基を有する生分解性部位のサンプルの試験に要した0.5Nアルコ
ール性水酸化ナトリウム溶液の滴定量[mL]
S;両末端にOH基を有する生分解性部位化合物のサンプル採取量[g]
<酸価測定方法>
両末端にOH基を有する生分解性部位を含む化合物をクロロホルム−メタノール混合溶剤に溶解し、ブロモチモールブルー−フェノールレッド混合指示薬を数滴添加し、0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定した。また、同時に空試験も実施した。これらの滴定結果から以下の式で酸価を求めた。
酸価[mg-KOH/g]=(V1−V0)×f×5.61/S
f;0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液のファクター
0;空試験に要した0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の滴定量[mL]
1;両末端にOH基を有する生分解性部位のサンプルの試験に要した0.1Nアルコ
ール性水酸化カリウム溶液の滴定量[mL]
S;両末端にOH基を有する生分解性部位化合物のサンプル採取量[g]
<水酸基価を求める方法>
水酸基価は以下の式より求めた。
水酸基価[mg-KOH/g]=アセチル価 + 酸価
<製造例5>
コンデンサー付き水分定量受器、温度計、曲管およびSUS製攪拌羽根を付けたガラス製1Lセパラブルフラスコに、琥珀酸320.4g(2.70mol)および1,4−ブタンジオール303.5g(3.30mol)を入れ、窒素気流下で180℃まで段階的に反応温度を上げた。180℃で生成水がほとんど認められなくなった時点で、1%2−エチルヘキサン酸すず(II)トルエン溶液1.32g(2−エチルヘキサン酸すず(II):0.033mmol、和光純薬工業株式会社製)を加え反応を継続した。さらに、200℃まで反応温度を上げ、反応物の水酸基価および酸価が、それぞれ57.6mg-
KOH/gおよび0.3mg-KOH/gになるまで反応を継続し、反応終了時に溶融物
をSUS製バットに排出した。両末端にOH基を有するポリブチレンサクシネート(以下「PBS」という)434.4gを得た。PBSの水酸基価および酸価を測定した結果、水酸基価が57.5mg-KOH/gであり、酸価が0.2mg-KOH/gであった。
<製造例6>
琥珀酸の使用量を288.4g(2.43mol)に変え、さらにアジピン酸39.7g(0.27mol、和光純薬工業株式会社製、純度99.5%)を使用して、水酸基価が57.7mg-KOH/gおよび酸価が0.4mg-KOH/gになるまで反応を継続した以外は製造例11と同様の反応操作を行い、両末端にOH基を有するポリブチレンサクシナートアジペート(以下「PBSA」という)480.7gを得た。PBSAの水酸基価および酸価を測定した結果、水酸基価が57.6mg-KOH/gであり、酸価が0.
3mg-KOH/gであった。
<分散剤の製造>
以下に分散剤の製造例について、具体的に示す。
<製造例7>
分散剤(1)の合成
平均分子量1000のヘキサメチレンアジペートを20g、無水マレイン酸0.98gを撹拌翼付の100mlの3つ口フラスコに入れ、窒素気流下、150℃で20時間撹拌
した。さらに20mmHgの減圧下、170℃まで徐々に温度を上げて撹拌した後、放冷したところ平均分子量2000の不飽和結合含有ポリオールが得られた。この不飽和結合含有ポリオール5gを100mlナス型フラスコに入れ、酢酸ブチル10gを加えたのち、窒素気流下110℃でラウリルメタクリレート10gと過酸化ベンゾイル0.4gを滴下ロートより30分で滴下した。2時間110℃を保った後、さらに130℃で2時間反
応した。次に、イソシアン酸エチル2gを加え、80℃で6時間反応した後、未反応物を5mmHgで留去し、分散剤(1)を得た。
<製造例8>
分散剤(2)の合成
東邦化学(株)製のポリブテニルコハク酸(PIBSA-2:酸価38.0mgKOH/g、ポリ
スチレン換算重量平均分子量3500)を20.0g、ポリエチレングリコール#1000(関東化学製)10.0g、オルトチタン酸テトライソプロピル0.02gを撹拌翼付きの100mlの丸底フラスコに入れ、窒素気流下、180℃で20時間反応させた。さらに5mmHgの減圧下、180℃で20時間反応した。次にイソシアン酸エチル4gを加え、80℃で6時間反応した後、未反応物を5mmHgで留去し、褐色のゴム状物である分散剤(2)が得られた。
[実施例1]
コンデンサー、温度計および攪拌羽根を付けた500mLのガラス製セパラブルフラスコに、PBSを100.0g(OH基;0.102mol)、イミン化合物1を11.3g(OH基;0.102mol)入れた。窒素雰囲気下で130℃で溶融した後、分散剤1を0.81g、及びオクタン110g(和光純薬工業株式会社製、特級試薬)を添加した後、撹拌回転数を1000rpmまで上げた。10%ジラウリン酸ジブチルすず(IV)オクタン溶液0.38g(ジラウリン酸ジブチルすず(IV):0.060mmol、和光純薬工業株式会社製、純度99.0%)を添加し、次に、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下「HDI」という)16.5g(NCO基;0.195mol、三井化学ポリウレタン株式会社製「タケネート700」、NCO含有量49.6重量%)を10分間で滴下し、滴下ロート内に残量するHDIを1.3gのオクタンで洗い流した。次いで、窒素雰囲気下で130℃で3時間反応を行った後、冷却、ろ過した。ろ別したポリマー粉体を70℃で12時間減圧乾燥し、121.4gのイミン含有PBSを得た。得られたイミン含有PBSの分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量が115,000であった。
[実施例2]
PBSの代わりにポリブチレンアジペートジオール(以下「PBA」という)を100.0g(OH基;0.100mol、三井化学ポリウレタン株式会社製「タケラックU−2420」、水酸基価56.1mg−KOH/g)使用し、イミン化合物1の使用量を1
1.0g(OH基;0.100mol)に変え、HDIの使用量を16.1g(NCO基;0.190mol)に変え、室温で3日間減圧乾燥した以外は実施例1と同様にして、イミン結合を有するポリブチレンアジペート(以下「イミン含有PBA」という)121.6gを得た。得られたイミン含有PBAの分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量が124,000であった。
[実施例3]
イミン化合物1の代わりにイミン化合物2を15.8g(OH;0.102mol)使用した以外は実施例1と同様にして、126.0gのイミン含有PBSを得た。得られたイミン含有PBSの分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量が102,000であった。
[実施例4]
イミン化合物1の代わりにイミン化合物2を15.4g(OH基;0.100mol)使用し、オクタンの代わりにヘプタン(和光純薬工業製、特級試薬)110gを使用し、PBAを90℃で溶融し、90℃で4時間30分反応した以外は実施例2と同様にして、125.2gのイミン含有PBAを得た。得られたイミン含有PBAの分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量が89,000であった。
[実施例5]
PBSの代わりにPBSを50.0g(OH基;0.051mol)およびPBAを50.0g(OH基;0.050mol)使用し、イミン化合物1の使用量を11.1g(
OH基;0.101mol)に変え、HDIの使用量を16.3g(NCO基;0.192mol)に変えた以外は実施例1と同様にして、イミン結合を有するポリブチレンアジペート−ポリブチレンサクシネート共重合体(以下「イミン含有PBA−PBS」という)121.0gを得た。得られたイミン含有PBA−PBSの分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量が104,000であった。
[実施例6]
PBSの代わりにPBAを100.0g(OH基;0.100mol)および1,4−ブタンジオールを4.6g(OH基;0.100mol)使用し、イミン化合物1の使用
量を22.0g(OH基;0.200mol)に変え、HDIの使用量を32.2g(NCO基;0.380mol)に変え、50℃で24時間減圧乾燥した以外は実施例1と同
様にして、イミン結合を有するポリブチレンアジペート−ブタンジオール共重合体(以下「イミン含有PBA−BD」という)151.9gを得た。得られたイミン含有PBA−BDの分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量が92,000であった。
[実施例7]
PBSの代わりにPBSを100.0g(OH基;0.102mol)およびポリエチレングリコールを10.1g(OH基;0.010mol、東邦化学工業株式会社製「P
EG−2000」、水酸基価57.1mg−KOH/g)使用し、イミン化合物1の使用
量を12.4g(OH基;0.112mol)に変え、HDIの使用量を18.2g(NCO基;0.214mol)に変え、50℃で24時間減圧乾燥した実施例1と同様にし
て、イミン結合を有するポリブチレンサクシネート−ポリエチレングリコール共重合体(以下「イミン含有PBS−PEG」という)133.8gを得た。得られたイミン含有PBS−PEGの分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量が125,000であった。
[実施例8]
PBSの代わりにPBSA100.0g(OH;0.102mol)を使用した以外は実施例1と同様にして、122.2gのイミン結合を有するポリブチレンサクシナートア
ジペート(以下「イミン含有PBSA」という)を得た。得られたイミン含有PBSAの分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量が112,000であった。
[実施例9]
PBSの代わりにPBSAを100.0g(OH;0.102mol)使用し、イミン化合物1の代わりにイミン化合物2を15.8g(OH;0.102mol)使用した以外は実施例1と同様にして、125.7gのイミン含有PBSAを得た。得られたイミン
含有PBSAの分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量が107,000であった。
[実施例10]
イミン化合物1の代わりにイミン化合物3を8.2g(OH;0.102mol)使用した以外は実施例1と同様にして、117.5gのイミン含有PBSを得た。得られたイ
ミン含有PBSの分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量が99,000であった。
[実施例11]
イミン化合物1の代わりにイミン化合物4を11.1g(OH;0.102mol)使
用した以外は実施例1と同様にして、121.7gのイミン含有PBSを得た。得られたイミン含有PBSの分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量が97,000であった。
[実施例12]
分散剤1の代わりに分散剤2を0.81g使用した以外は実施例1と同様にして、119.8gのイミン含有PBSを得た。得られたイミン含有PBSの分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量が106,000であった。
〔比較例1〕
コンデンサー、温度計および攪拌羽根を付けた200mLのガラス製セパラブルフラスコに、PBSを100.0g(OH基;0.102mol)、イミン化合物1を11.3g(OH基;0.102mol)入れた。窒素雰囲気下で130℃で溶融した後、1%ジラウリン酸ジブチルすず(IV)トルエン溶液0.89gを添加した。次に、HDI16.5gを10分間で滴下し、滴下ロート内に残量するHDIを1.3gのトルエンで洗い流した。次いで、窒素雰囲気下で130℃で3時間反応を行った。溶融ポリマーは高粘度であり排出が困難であった。ステンレス製バットに排出し、101.0gのイミン含有PBSを得た。得られたイミン含有PBSの分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量が58,000であった。比較例1は実施例1と比較し重量平均分子量が低く、充分な分
子量のイミン含有PBSを得られなかった。
〔比較例2〕
コンデンサー、温度計および攪拌羽根を付けた500mLのガラス製セパラブルフラスコに、PBSを100.0g(OH基;0.102mol)、イミン化合物1を11.3g(OH基;0.102mol)入れた。窒素雰囲気下で130℃で溶融した後、オクタン110gを添加した後、撹拌回転数を1000rpmまで上げた。10%ジラウリン酸ジブチルすず(IV)オクタン溶液0.38gを添加し、次に、HDI16.5gを10分間で滴下したところ、ポリマーが凝集したため撹拌を停止した。窒素雰囲気下で130℃で3時間反応を行った後、上澄をデカンテーションにより除いた。溶融ポリマーは高粘度であり排出が困難であった。ステンレス製バットに排出した。得られたポリマーの塊状物を70℃で24時間減圧乾燥し、95.2gのイミン含有PBSを得た。得られたイミン含有PBSの分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量が47,000であった。比較例1は実施例1と比較し重量平均分子量が低く、充分な分子量のイミン含有PBSを得られなかった。
〔比較例3〕
PBSの代わりにPBAを100.0g(OH基;0.100mol)使用し、イミン化合物1の使用量を11.0g(OH基;0.100mol)に変え、HDIの使用量を16.1g(NCO基;0.190mol)に変えた以外は比較例1と同様にして、98.3gのイミン含有PBAを得たが、溶融ポリマーは高粘度であり排出が困難であった。得られたイミン含有PBAの分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量が61,000であった。比較例3は実施例2と比較し重量平均分子量が低く、充分な分子量のイミン含有PBAを得られなかった。
〔比較例4〕
イミン化合物1の代わりにイミン化合物2を15.8g(OH;0.102mol)使用した以外は比較例1と同様にして、85.4gのイミン含有PBSを得たが、溶融ポリマーは高粘度であり排出が困難であった。得られたイミン含有PBAの分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量が55,000であった。比較例4は実施例3と比較し重量平均分子量が低く、充分な分子量のイミン含有PBSを得られなかった。
〔比較例5〕
イミン化合物1の代わりにイミン化合物2を15.4g(OH;0.100mol)使用した以外は比較例3と同様にして、80.5gのイミン含有PBAを得たが、溶融ポリマーは高粘度であり排出が困難であった。得られたイミン含有PBAの分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量が47,000であった。比較例5は実施例4と比較し重量平均分子量が低く、充分な分子量のイミン含有PBSを得られなかった。
〔比較例6〕
PBSの代わりにPBSを50.0g(OH基;0.051mol)およびPBAを50.0g(OH基:0.050mol)使用し、イミン化合物1の使用量を11.1g(OH基;0.101mol)に変え、HDIの使用量を16.3g(NCO基;0.192mol)に変えた以外は比較例1と同様にして、95.6gのイミン含有PBA−PBSを得たが、溶融ポリマーは高粘度であり排出が困難であった。得られたイミン含有PBA−PBSの分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量が58,000であった。比較例6は実施例5と比較し重量平均分子量が低く、充分な分子量のイミン含有PBSを得られなかった。
〔比較例7〕
PBSの代わりにPBSAを100.0g(OH基;0.102mol)使用した以外は比較例1と同様にして、98.5gのイミン含有PBSAを得たが、溶融ポリマーは高粘度であり排出が困難であった。得られたイミン含有PBAの分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量が59,000であった。比較例7は実施例8と比較し重量平均分子量が低く、充分な分子量のイミン含有PBSを得られなかった。
〔比較例8〕
PBSの代わりにPBSAを100.0g(OH基;0.102mol)使用し、イミン化合物1の代わりにイミン化合物2を15.8g(OH基;0.102mol)使用した以外は比較例1と同様にして、96.8gのイミン含有PBSAを得たが、溶融ポリマーは高粘度であり排出が困難であった。得られたイミン含有PBAの分子量をGPCで測定した結果、重量平均分子量が53,000であった。比較例8は実施例9と比較し重量平均分子量が低く、充分な分子量のイミン含有PBSを得られなかった。
<生分解性ポリマーの押出しフィルムの製造>
[実施例13〜18]
表10に示す生分解性ポリマーを用いた。生分解性ポリマーの粉体をフィーダーで単軸押出し機に供給し、125℃、吐出量約660g/hでストランドを引き、ペレタイザーでペレット化した。ペレットを70℃で2時間減圧乾燥した。このペレットをフィーダーでTダイを装着した単軸押出し機に供給し、120℃、巻取り速度1.3m/分で厚さ30μmの押出しフィルムを作製した。作製したフィルムの外観観察と引張り強度の測定を行った。その結果を表10に示す。
得られた生分解性ポリマーのフィルムの外観および機械物性は良好であった。
Figure 0005199574
本発明の製造方法によって得られた生分解性ポリマーは実用上十分な水崩壊性、吸収性を有しており、衛生用品等として用いることが可能である。

Claims (12)

  1. 生分解性部位とイミン部位とを有する生分解性ポリマーの製造方法であって、
    少なくとも、
    (A)生分解性部位を含む化合物と、
    (B)イミン部位を含む化合物と、
    (C)連結剤とを、
    (D)分散剤を含有する有機溶媒中で分散重合させることを特徴とし、
    前記(A)が官能基を2個以上有する化合物であり、
    前記(B)が下記一般式(1)または一般式(1’)で表わされる化合物である生分解性ポリマーの製造方法。
    Figure 0005199574
    (式(1)および(1')中、R 1 〜R 8 は、それぞれ独立に炭素数1〜20の炭化水素基を表し、1つ以上のエステル結合、1つ以上のエーテル結合、1つ以上のアミド結合、または置換基を有していてもよく、Y 1 〜Y 6 は、それぞれ独立に−CR=N−または−N=CR−を表し、Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を表し、kは0〜1000の整数を表し、X 3 およびX 4 は、カルボキシル基、水酸基またはアミノ基を表し、それぞれ同一でも、異なっていてもよい。)
  2. 前記生分解性部位と、前記イミン部位とを連結させる化学結合が、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、カーボネート結合、または下記一般式(5)で表わされる結合である請求項1に記載の生分解性ポリマーの製造方法。
    Figure 0005199574
    (式(5)中、R'は炭素数1〜20の2価の炭化水素基を表し、1つ以上のエーテル結合、1つ以上のエステル結合、または1つ以上のアミド結合を有していてもよく、X 1 およびX 2 は、それぞれ独立にエステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合またはカーボネート結合を表す。)
  3. 前記(A)が、生分解性部位を含む化合物の主鎖の両末端に官能基を有するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の生分解性ポリマーの製造方法。
  4. 前記(A)と、(B)と、(C)と、
    (E)鎖延長剤とを、
    (D)分散剤を含有する有機溶媒中で分散重合させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の生分解性ポリマーの製造方法。
  5. 前記生分解性ポリマーの重量平均分子量が1万〜100万の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の生分解性ポリマーの製造方法。
  6. 前記有機溶媒が、脂肪族炭化水素、エステル系溶媒、および芳香族溶媒から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の生分解性ポリマーの製造方法。
  7. 前記分散剤が、分岐状ポリオレフィンユニットと脂肪族ポリエステルユニットとを有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の生分解性ポリマーの製造方法。
  8. 前記分散剤がアルケニル無水コハク酸とポリオールとを脱水縮合させた樹脂であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の生分解性ポリマーの製造方法。
  9. 前記分散剤がジカルボン酸とペンタエリスリトールとを脱水縮合させたポリエステルの残水酸基の一部に脂肪酸を脱水縮合させたアルキッド樹脂であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の生分解性ポリマーの製造方法。
  10. 前記分散剤が不飽和結合含有ジカルボン酸とポリオールとの脱水縮合で得られるポリオールの水酸基の一部が残存する樹脂にエチレン性不飽和単量体をグラフト重合させた後、残存する水酸基をマスキングした樹脂であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の生分解性ポリマーの製造方法。
  11. 前記分散剤が不飽和結合含有ジカルボン酸とポリオールとの脱水縮合で得られるポリオールの水酸基の一部が残存する樹脂の残存する水酸基をマスキングした後、エチレン性不飽和単量体をグラフト重合させた樹脂であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の生分解性ポリマーの製造方法。
  12. 前記マスキングを行うマスキング剤がモノイソシアナート化合物である請求項10または11に記載の生分解性ポリマーの製造方法。
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