JPWO2006106970A1 - 3重螺旋構造を有するタンパク質の製造方法 - Google Patents

3重螺旋構造を有するタンパク質の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、コラーゲン遺伝子を導入した宿主細胞において、外来遺伝子高発現ベクターへ導入した遺伝子に由来するヒト・コラーゲンタンパク質が大量に合成され単離精製が容易で、かつ天然型コラーゲン分子と実質的に同等な構造を有するヒト・コラーゲン分子の製造方法の提供を課題とする。また、本発明は、該製造方法によって製造されたコラーゲン分子を提供することも課題とする。上記課題を解決するために、種々の哺乳動物細胞のうちでもコラーゲン分子の発現量の少ない細胞を宿主として外来遺伝子を高発現可能なベクターにコラーゲン遺伝子コンストラクトを導入することにより、宿主細胞由来のコラーゲンの混在がほとんど見られないヒト・コラーゲンを大量に製造できることを見出した。

Description

本発明は、3重螺旋構造を有するタンパク質の製造方法に関する。より具体的には、ヒト・コラーゲンまたはヒト・コラーゲンの部分ペプチドの製造方法に関する。本発明の課題は生体にとって安全であり、精製取得の容易なヒト・コラーゲンおよびヒト・コラーゲンの部分ペプチドおよびその製造方法を提供することにある。さらに詳しくは、本発明は、ヒト・コラーゲンcDNAを挿入して得られる哺乳動物発現ベクターをチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞に安定形質導入することによるヒト・コラーゲンおよびヒト・コラーゲンの部分ペプチドの製造方法を提供することにある。
コラーゲンは皮膚・骨・軟骨をはじめ、ほぼ生体中の全組織に分布するタンパク質であり、細胞の足場となって組織・器官の構造を維持するなど、重要な機能を担っていることはよく知られている。一方コラーゲンは、繊維芽細胞から分泌されるコラゲナーゼおよび食細胞中に存在するコラゲナーゼにより分解される生体吸収性材料である。この様にコラーゲンは生体適合性があり、また、生体吸収性材料であるため生物素材として有用なものであると考えられている。これまでにコラーゲンは、生物素材として皮膚損傷部位の被覆材として用いられ、治癒改善が報告されている(非特許文献1および2)。
全コラーゲンのうち40%が皮膚に存在し、皮膚・腱では乾燥重量の70%以上がコラーゲンである。従ってコラーゲンは人工皮膚の開発において重要である。また、細胞や器官の培養技術においても有用な素材として利用されている。このことは現在進歩の著しい再生医療分野での応用も大いに期待できるものである。また、経口摂取することにより関節リューマチが抑制されるという用途への可能性(II型コラーゲン)なども指摘されている(非特許文献3および4)。このようなコラーゲンの原材料としてはこれまでは主にブタやウシなどヒト以外の大型動物の組織由来のものが用いられてきた。
Surg. Forum, 10, 303 (1960) J. Surg. Res., 10, 485-491 (1970) Lancet, 342, 799 (1993) Science, 261, 1727-1730 (1993) 特開平10−179169
このようにコラーゲンは再生医療や生体移植用の生物素材あるいは医薬品として有用な物質であるが、従来から用いられてきたコラーゲンはブタやウシなどヒト以外の大型動物の組織由来のものである。コラーゲンはもともと免疫原性の低いタンパク質ではあるが、異種動物のコラーゲンを生物素材としてヒト生体内に移植、埋入あるいは投与した場合には免疫反応が低頻度ながら惹起されることが報告されている(J. Immunol., 136, 877-882 (1986)、Biomaterials, 11, 176-180 (1990))。また、ウシにおけるプリオン汚染の問題が発生するに至って、ウシ由来のコラーゲンの使用が不可能となっている。さらにブタ等、現在コラーゲンの抽出に用いられている動物においてプリオン汚染と同様な問題が生じないという保証はない。以上の点において人体に直接適用する生物素材としては、ヒト由来コラーゲンの使用が望ましい。しかしながら、ヒト組織からコラーゲンを抽出、精製することは倫理的な問題や技術的な問題があるばかりでなく、得られたコラーゲンが不特定の架橋を形成するため、精製が困難になるという質的な問題点もある。
抗原性がなく、病原体混入の危険性を排除し、さらに単離精製の容易なコラーゲンを得るために、遺伝子組換えの技術を応用したコラーゲンの製造が検討されてきた(Biochem. Soc., 28, 350-353 (2000))。しかしながら、分子量10万以上のコラーゲン分子をコードするcDNAを宿主細胞に導入するための発現ベクターの作製は非常に煩雑なものとなる。また従来の方法では生産量も低く実用化には程遠いものであった。さらにコラーゲンは3本のポリペプチド鎖が会合して3重螺旋構造をとる分子であることが知られており、このような構造は遺伝子から翻訳された一次産物がさらに複数の修飾を受けることによって形成されるが(N. Engl. J. Med., 311, 376-386 (1984))、特定の細胞のみがこのような修飾能力を保有しているものと考えられている。
これまでにマウス線維芽細胞、ハムスター肺細胞等を宿主とした組換えヒト・コラーゲンの生産が試みられている(Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 84, 764-768 (1987)、J. Biol. Chem., 264, 20683-20687 (1989))。しかしこれらの例において得られるコラーゲンは分子構造としては正常であるが、ヒトと宿主細胞それぞれのコラーゲン遺伝子産物からなる混成コラーゲン分子であった。また、ヒトII型コラーゲンを発現させた例(Biochem. J., 298, 31-37 (1994))では、その生産量が培養液1Lあたり0.5〜1mgと低いものに過ぎず、さらにcDNA導入により発現させたII型コラーゲンに相当量の宿主由来IV型コラーゲンの混入が認められた。そのため、導入遺伝子由来のII型コラーゲンと内在性のII型コラーゲンと分離する必要があった。
また、以上の他に酵母(特表平7−501939号公報)、昆虫細胞(特開平8−23979号公報)、バシルス・ブレビス(特開平11−178574号公報)、大腸菌(特開2002−325584公報)を用いてヒト・コラーゲンを発現させた例も見られるが、コラーゲンペプチド発現後の修飾に動物細胞におけるそれとの差異のある危険性が考えられた。以上の如くこれまでに、示されてきたいかなる方法もヒト・コラーゲンを遺伝子組換えで製造する手段としては、量的、質的ともに満足できるものではなかった。また、これまでにコラーゲンのように3重螺旋構造を有するタンパク質を大量に製造する方法は検討されていなかった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、3重螺旋構造を有するタンパク質の製造方法を提供することにある。より具体的には、コラーゲン遺伝子を導入した宿主細胞において、外来遺伝子高発現ベクターへ導入した遺伝子に由来するヒト・コラーゲンタンパク質が大量に合成され単離精製が容易で、かつ天然型コラーゲン分子と実質的に同等な構造を有するヒト・コラーゲン分子の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために種々の検討を行った結果、種々の哺乳動物細胞のうちでもコラーゲン分子の発現量の少ない細胞を宿主として外来遺伝子を高発現可能なベクターにコラーゲン遺伝子コンストラクトを導入することにより、宿主細胞由来のコラーゲンの混在がほとんど見られないヒト・コラーゲンを大量に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。このような、導入したコラーゲン遺伝子を大量に発現させ、宿主細胞において優先的にヒト・コラーゲンを生産させるというコラーゲンの製造方法についてはこれまでに報告がない。
即ち、本発明者らは、3重螺旋構造を有するタンパク質の一つであるコラーゲンの発現量の少ない哺乳動物を宿主として外来遺伝子を高発現することが可能なベクターに、ヒト・コラーゲン遺伝子を導入して得られたコンストラクトを導入することによって、ヒト・コラーゲンを複雑な精製工程を必要とせず大量に製造方法を開発することに成功し、これにより本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の〔1〕〜〔15〕を提供するものである。
〔1〕以下の(a)から(c)の工程を含む、3重螺旋構造を有するタンパク質の製造方法。
(a)3重螺旋構造を有するタンパク質をコードするDNAをベクターに導入する工程
(b)該ベクターを用いた遺伝子導入により、哺乳動物細胞を形質転換させる工程
(c)該形質転換体を培養もしくは育種し、該細胞またはその培養上清から3重螺旋構造を有するタンパク質を回収する工程
〔2〕3重螺旋構造を有するタンパク質が、ヒト・コラーゲンまたはその部分ペプチドである〔1〕に記載の方法。
〔3〕ヒト・コラーゲンが少なくとも1種類以上のα鎖からなるヒト・コラーゲンである、〔2〕に記載の方法。
〔4〕ヒト・コラーゲンが、ヒト・I型コラーゲンである〔2〕に記載の方法。
〔5〕ヒト・I型コラーゲンがα1鎖とα2鎖の複合体である〔4〕に記載の方法。
〔6〕ヒト・コラーゲンが、ヒト・II型コラーゲンである〔2〕に記載の方法。
〔7〕ヒト・コラーゲンが、ヒト・III型コラーゲンである〔2〕に記載の方法。
〔8〕3重螺旋構造を有するタンパク質をコードするDNAが、以下の(a)または(b)に記載のDNAから選択される少なくとも1つのDNAである、〔1〕に記載の方法。
(a)配列番号:1、4、7、または10のいずれかに記載の塩基配列を含むDNA
(b)配列番号:1、4、7、または10のいずれかに記載の塩基配列を含むDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA
〔9〕哺乳動物細胞がチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である、〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の方法。
〔10〕哺乳動物細胞がヒト胎児腎蔵細胞(HEK293)である、〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の方法。
〔11〕3重螺旋構造を有するタンパク質をコードするDNAが導入されるベクターが、pNOW/CMV−AAである、〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の方法。
〔12〕〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載の方法に従って製造されたヒト・コラーゲン。
〔13〕以下の(a)または(b)に記載のDNAから選択される少なくとも1つのDNAが導入されたベクター。
(a)配列番号:1、4、7、または10のいずれかに記載の塩基配列を含むDNA
(b)配列番号:1、4、7、または10のいずれかに記載の塩基配列を含むDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA
〔14〕〔13〕に記載のベクターを保持する哺乳動物細胞。
〔15〕〔13〕に記載のベクター、または〔14〕に記載の哺乳動物細胞を含む、3重螺旋構造を有するタンパク質を製造するためのキット。
ヒトI型α1鎖コラーゲン発現コンストラクトを示す図である。それぞれ、hColIa1:ヒトI型α1鎖コラーゲンcDNA、PCMV:サイトメガロウイルスプロモーター、BGHPA:ウシ成長ホルモン遺伝子ポリA付加シグナル、PSVd:エンハンサーを欠失させたシミアンウイルス40プロモーター、DHFR:マウスジヒドロ葉酸還元酵素cDNA、SVpA:シミアンウイルス40ポリA付加シグナル、ColE1ori:大腸菌中での複製起点、Neor:哺乳動物細胞中での選択マーカー(G418耐性)および大腸菌中での選択マーカー(カナマイシン耐性)を示す。 ヒトI型α2鎖コラーゲン発現コンストラクトを示す図である。それぞれ、hColIa2:ヒトI型α2鎖コラーゲンcDNA、PCMV:サイトメガロウイルスプロモーター、BGHPA:ウシ成長ホルモン遺伝子ポリA付加シグナル、PSVd:エンハンサーを欠失させたシミアンウイルス40プロモーター、DHFR:マウスジヒドロ葉酸還元酵素cDNA、SVpA:シミアンウイルス40ポリA付加シグナル、ColE1ori:大腸菌中での複製起点、Neor:哺乳動物細胞中での選択マーカー(G418耐性)および大腸菌中での選択マーカー(カナマイシン耐性)を示す。 ヒトII型α1鎖コラーゲン発現コンストラクトを示す図である。それぞれ、hColIIa1:ヒトII型α1鎖コラーゲンcDNA、PCMV:サイトメガロウイルスプロモーター、BGHPA:ウシ成長ホルモン遺伝子ポリA付加シグナル、PSVd:エンハンサーを欠失させたシミアンウイルス40プロモーター、DHFR:マウスジヒドロ葉酸還元酵素cDNA、SVpA:シミアンウイルス40ポリA付加シグナル、ColE1ori:大腸菌中での複製起点、Neor:哺乳動物細胞中での選択マーカー(G418耐性)および大腸菌中での選択マーカー(カナマイシン耐性)を示す。 ヒトIII型α1鎖コラーゲン発現コンストラクトを示す図である。それぞれ、hColIIIa1:ヒトIII型α1鎖コラーゲンcDNA、PCMV:サイトメガロウイルスプロモーター、BGHPA:ウシ成長ホルモン遺伝子ポリA付加シグナル、PSVd:エンハンサーを欠失させたシミアンウイルス40プロモーター、DHFR:マウスジヒドロ葉酸還元酵素cDNA、SVpA:シミアンウイルス40ポリA付加シグナル、ColE1ori:大腸菌中での複製起点、Neor:哺乳動物細胞中での選択マーカー(G418耐性)および大腸菌中での選択マーカー(カナマイシン耐性)を示す。 培養上清中の組換えヒトI型コラーゲンのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による分析を示す写真である。レーン1:ヒトI型コラーゲン(100μg/mL)、レーン2:組換えI型コラーゲンを示す。 培養上清中の組換えヒトI型コラーゲンのペプシンによる分解産物のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による分析を示す写真である。レーン1:組換えヒトI型コラーゲン(185μg/mL)、レーン2:組換えI型コラーゲン(20倍濃縮)を示す。 精製組換えヒトI型コラーゲンおよびそのペプシン分解物のウエスタンブロッティングによる検出を示す写真である。A.抗ヒトI型コラーゲンα1鎖抗体による検出、レーン1:ヒトI型コラーゲン(50μg/mL)、レーン2:組換えI型コラーゲン、レーン3:組換えI型コラーゲンのペプシン分解物を示す。B.抗ヒトI型コラーゲンα2鎖抗体による検出、レーン1:ヒトI型コラーゲン(10μg/mL)、レーン2:組換えI型コラーゲン、レーン3:組換えI型コラーゲンのペプシン分解物を示す。 培養上清中の組換えヒトII型コラーゲンのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による分析を示す写真である。レーン1:ヒトII型コラーゲン(100μg/mL)、レーン2:組換えII型コラーゲンを示す。 培養上清中の組換えヒトII型コラーゲンのウエスタンブロッティングによる分析を示す写真である。レーン1:ヒトII型コラーゲン(10μg/mL)、レーン2:組換えII型コラーゲン(10倍希釈)を示す。 培養上清中の組換えヒトII型コラーゲンのペプシンによる分解産物のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による分析を示す写真である。レーン1:ヒトII型コラーゲン(100μg/mL)、レーン2:組換えII型コラーゲン(5倍濃縮)を示す。 培養上清中の組換えヒトII型コラーゲンのペプシンによる分解物のウエスタンブロッティングによる分析を示す写真である。レーン1:ヒトII型コラーゲン(10μg/mL)、レーン2:組換えII型コラーゲンを示す。 培養上清中の組換えヒトIII型コラーゲンのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による分析を示す写真である。レーン1:ヒトIII型コラーゲン(100μg/mL)、レーン2:組換えIII型コラーゲンを示す。 培養上清中の組換えヒトIII型コラーゲンおよびそのペプシン分解物のウエスタンブロッティングによる分析を示す写真である。レーン1:ヒトIII型コラーゲン(10μg/mL)、レーン2:組換えIII型コラーゲン(10倍希釈)、レーン3:組換えIII型コラーゲンペプシン分解物を示す。 培養上清中の組換えヒトIII型コラーゲン精製物のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による分析を示す写真である。A.I型コラーゲン、レーン1:ヒトI型コラーゲン、レーン2:組換えI型コラーゲンを示す。B.III型コラーゲン、レーン1:ヒトIII型コラーゲン、レーン2:組換えIII型コラーゲンを示す。
以下、本発明を実施するための最良の形態を示し、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明は、以下の(a)から(c)の工程を含む、3重螺旋構造を有するタンパク質の製造方法に関する。
(a)3重螺旋構造を有するタンパク質をコードするDNAをベクターに導入する工程
(b)該ベクターを用いた遺伝子導入により、哺乳動物細胞を形質転換させる工程
(c)該形質転換体を培養もしくは育種し、該細胞またはその培養上清から3重螺旋構造を有するタンパク質を回収する工程。
本発明の「3重螺旋構造を有するタンパク質」とは、3重螺旋構造を有する限り特に限定されないが、好ましくはコラーゲンまたはコレクチンを、より好ましくはコラーゲンを挙げることが出来る。3重螺旋構造を有するタンパク質とは、培養製造段階で3重螺旋が構築されるタンパク質であってもよいし、培養製造後の精製等の操作により3重螺旋構造が構成されるものであってもよい。3重螺旋構造を取りうるタンパク質であるが、1本鎖構造の状態で大量に製造させてもよい。
コラーゲンには20数種類の異なった型、またそれらを構成する約25種類のα鎖が存在することが知られており、それらをコードする遺伝子はそれぞれクローニングされ、塩基配列が解明されている("Connective Tissue and Its Heritable Disorders", pp145-165, Weily-Liss Inc.発行 (1992))。そして、これらの遺伝子はいずれも、当業者に公知の遺伝子組換え技術(例えば"Molecular Cloning"第2版, Cold Spring Harbor Laboratory Press発行 (1989))によって本発明において用いられる外来遺伝子を高発現することの可能なベクターに導入することが可能である。本発明で用いるヒト・コラーゲンcDNAはこれらのクローニングされたコラーゲンcDNAのどれであってもよく、またこれらコラーゲンの部分ペプチドも含む。
本発明のコラーゲンの由来は特に限定をされないが、好ましくは哺乳動物由来、より好ましくはヒト由来のコラーゲンを挙げることが出来る。
さらにコラーゲンのアミノ配列の一部を置換・欠失等改変したものや、コラーゲン由来でないアミノ酸配列を付加したものも本発明のコラーゲンに含まれる。また、ベクターを宿主哺乳動物細胞に導入し、タンパク分子を発現している形質導入細胞を得る方法は公知であり、本発明においても同様の方法を適用することができる。
上記の外来遺伝子高発現ベクターが導入された細胞においてコラーゲンが組換えタンパク質として合成されていることは以下によって調べることができる。すなわち市販のヒト・コラーゲンに特異的に結合する抗体を用いてウエスタンブロッティング等の免疫化学的な方法によりコラーゲンペプチドであることを確認することができる。通常コラーゲンはSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法(Nature, 227, 680-685 (1970))においては、分子量通りには泳動されないため、コラーゲンをマーカーとして同時に電気泳動後、Matsudairaらの方法(J. Biol. Chem., 261, 10035-10038 (1987))に従ってナイロン膜あるいはニトロセルロース膜に転写し、抗コラーゲン抗体との反応性を調べることができる。さらに発現ベクターによって生産された組換えコラーゲン産物の中に、3重螺旋構造を有する分子が存在することは次のようにして調べることができる。
通常の繊維性コラーゲンは、3つのサブユニット(α鎖)から形成される3本鎖の分子で、分子内に3重螺旋構造を有している。そして、3重螺旋構造を有するコラーゲンはペプシン消化に対して耐性を有することが知られている。そこで、上記の外来遺伝子高発現ベクターが導入された細胞の培養上清を酸性条件下にてペプシン消化し、ペプシン耐性な構造を有するかを調べることにより、このタンパク質試料に3本鎖分子が存在していることを示すことができる。
即ち、本発明においては、ペプシン処理を施したタンパク質試料を、還元条件下のSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動に供した。その結果、得られた組換えコラーゲンは天然コラーゲンと同様のペプシン耐性を示すことが明らかになり、上記の外来遺伝子高発現ベクターが導入された細胞の培養上清中にはペプシン処理に対して耐性の性質を有するコラーゲンペプチドが含まれると推察された。以上の結果から、本発明の発現ベクターは、宿主細胞において生体内に見られるのと同等な特性即ち、ペプシン耐性なコラーゲンを合成させる能力を持つことが示される。
本発明の3重螺旋構造を有するタンパク質の製造方法および精製方法を以下に示すが、これらの方法に限定されるものではない。
本発明で宿主細胞として培養に用いられる哺乳動物細胞は特に限定されないが、好ましくは、CHO細胞またはHEK293細胞を挙げることが出来る。
本発明で用いられるCHO細胞またはHEK293細胞は、懸濁培養することにより大量培養化が可能である。例えば、弱化ネオマイシンリン酸転位酵素遺伝子、マウスジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、ヒト・コラーゲンまたはヒト・コラーゲンの部分ペプチドをコードするcDNAを共に有するヒト・コラーゲン発現ベクターを形質導入して得られた組換えCHO細胞1×108〜1×109個を100mL〜1Lの培養液でシェーカーフラスコまたはスピナーフラスコで培養することが可能である。これを適当な時間培養した後、培養上清を集めタンパク質を大量に抽出することができる。
弱化ネオマイシンリン酸転位酵素遺伝子、マウスジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、ヒト・コラーゲンまたはヒト・コラーゲンの部分ペプチドをコードするcDNAを共に有するヒト・コラーゲン発現ベクターを形質導入して得られた組換えCHO細胞の培養上清においては、3重螺旋構造を有する3本鎖コラーゲン分子と同時に正常な3本鎖分子を形成しなかったコラーゲンも存在する。前述のように、3重螺旋構造を有しないコラーゲン分子はペプシンによって消化される。このため、3重螺旋構造を有しないコラーゲン分子はペプシンによって分解除去することができる。この処理によって同時にコラーゲン以外の培養上清中のタンパク質も分解除去することができる。以上の性質を利用して、弱化ネオマイシンリン酸転位酵素遺伝子、マウスジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、ヒト・コラーゲンまたはヒト・コラーゲンの部分ペプチドをコードするcDNAを共に有するヒト・コラーゲン発現ベクターを形質導入して得られた組換えCHO細胞の培養上清中に存在する全タンパク質を直接ペプシン処理し非コラーゲン性タンパク質を分解除去するとともに、3重螺旋構造を有しないコラーゲンも分解除去することができる。
本発明において対象とするヒト・コラーゲンは、現在知られているI型からXXI型コラーゲンを含むすべてのヒト・コラーゲンであり、これらのコラーゲンの部分ペプチドも含む。本発明のコラーゲンの型は特に制限をされないが、代表例として、I型、II型、III型、IV型、V型、VII型、IX型、XI型、XII型、XVII型、またはXVIII型等を挙げることが出来、このましくは、I型、II型、III型を挙げることが出来る。I、IV、V、IX、XI型はそれぞれ2,3種類のα鎖からなり、II、III、VII、XII、XVII、XVIII型はそれぞれ1種類のα鎖からなる。これらはそれぞれ、I型:[α1 (I)]2α2(I)、II型:[α1(II)]3、III型:[α1(III)]3、IV型[α1 (IV)]2α2(IV)、V型:[α1 (V)]2α2(V)とα1 (V)α2 (V)α3 (V)、VII型:[α1(VII)]3、IX型:α1 (IX)α2 (IX)α3 (IX)、XI型:α1 (XI)α2 (XI)α3 (XI)、XII型:[α1(XII)]3、XVII型:[α1(XVII)]3、またはXVIII型:[α1(XVIII)]3という分子構成を持つが、本発明のコラーゲンの分子構成は特に限定されるものではない。また、本発明のコラーゲンの分子構成は、天然のコラーゲン由来の分子構成に限定されるものでなく、種類のことなる3種類のα鎖を人為的に複合させてもよい。
本発明のI型コラーゲンのα1鎖をコードするDNAの塩基配列を配列番号:1に、I型コラーゲンのα2鎖をコードするDNAの塩基配列を配列番号:4に、II型コラーゲンのα1鎖をコードするDNAの塩基配列を配列番号:7に、III型コラーゲンのα1鎖をコードするDNAの塩基配列を配列番号:10にそれぞれ示す。
本発明のコラーゲンをコードするDNAとして、好ましくは配列番号:1、4、7、10のいずれかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、好ましくは配列番号:1、4、7、10のいずれかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドに、選択的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを挙げることが出来る。選択的にハイブリダイズするとは、あらかじめ定められた配列をもつ分子(すなわち第2のポリペプチド)がDNAまたはRNAの試料中に存在する場合、適切にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の下で、ハイブリダイズする、二本鎖になる、または本質的に互いにのみ結合する核酸分子を指す。ストリンジェントな条件とは、例えば、通常、42℃、2×SSC、0.1%SDSの条件であり、好ましくは50℃、2×SSC、0.1%SDSの条件であり、さらに好ましくは、65℃、0.1×SSCおよび0.1%SDSの条件であるが、これらの条件に特に制限されない。ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに影響する要素としては温度や塩濃度など複数の要素が考えられ、当業者であればこれら要素を適宜選択することで最適なストリンジェンシーを実現することが可能である。
本発明において製造されるコラーゲンは、N末端およびC末端にプロペプチドが結合している、プロコラーゲン分子の状態であってもよいし、プロペプチドが除去された状態であってもよい。
本発明において、「コラーゲンの部分ペプチド」とは、コラーゲンをコードするcDNAの20%以上(例えば20、30、40、50、60、70、80、90%)のポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドをいう。また、これらコラーゲンのアミノ酸配列の一部分を改変したものや、非コラーゲンアミノ酸配列を付加したものも含む。
本発明において「コラーゲン発現量の少ない哺乳動物細胞」とは、1×106細胞/mLで培養した場合に50ng/mL以下のコラーゲン生産量である細胞のことをいい、より好ましくは、CHO細胞、HEK293細胞を好適に挙げることができる。本発明において「高発現」とは、10μg/mL以上のコラーゲン発現、好ましくは50μg/mL以上のコラーゲン発現をいう。
本発明において「外来遺伝子を高発現することの可能なベクター」とは、例えば該ベクターに含まれる哺乳動物細胞における薬剤選択マーカー遺伝子の働きが微弱であるため哺乳動物細胞染色体上の転写の盛んな領域に選択的に挿入されることを特徴とするベクターであることをいい、好ましくはpNOW/CMV−AAベクターを挙げることができる。pNOW/CMV−AAベクターは特開平10−179169号公報に公知である。本発明において、培養方法は浮遊、付着培養いずれでもよい。
なお本明細書において引用された全ての先行技術文献は、参照として本明細書に組み入れられる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〕pNOW/CMV−AAベクターの調製
pNOW/CMV−AAベクターは公知の方法(特開平10−179169号公報)により調製したものを使用した。
〔実施例2〕コラーゲン発現ベクターの作製(1):ヒトI型α1鎖cDNAの単離
ヒトI型α1鎖コラーゲンの遺伝子は既にクローニングされ、その塩基配列が報告されている(EMBL遺伝子データベース登録名NM 000088)。その配列を配列番号:1に示す。ヒトI型α1cDNAはヒト精巣由来cDNAよりポリメラーゼ・チェーン・リアクション(PCR)法("PCR Technology", Stockton Press 発行 (1989))により増幅された。すなわち、ヒト精巣由来cDNA(ベクトン・ディッキンソン社)を鋳型として配列番号:2のオリゴヌクレオチド(GCGGCCGCCACCATGTTCAGCTTTGTGGACCTCCG)と配列番号:3のオリゴヌクレオチド(TTCTAGATTACAGGAAGCAGACAGGGCCAA)をプライマーとして配列番号:1の全長の配列をPCR法により増幅した。すなわち、市販のPCR増幅キット(TaKaRa LA Taq with GC Buffer:タカラバイオ社)を用い、94℃、5分間の加熱処理後、変性(94℃、20秒)、プライマーアニーリング(60℃、30秒)、増幅(72℃、3分30秒)の3ステップを35回繰り返し、更に72℃、7分間の処理をして反応を終了した。以後、本実施例に記載のPCR反応はすべて同様の反応サイクルにて実施した。得られたPCR産物をアガロースゲル電気泳動により分離し、PCR産物クローニングベクター(pT7Blue kits:Novagen社)とライゲーションキット(DNA ligation kit ver.2:タカラバイオ社)を用いて連結した。大腸菌XL−I Blue株に連結されたDNAを導入後、LB寒天培地(ディフコ社)上に出現したアンピシリン耐性の性質を有するコロニーを培養することによりプラスミドDNAが得られた。このプラスミドDNAより切り出したヒトI型α1鎖コラーゲンをコードするDNA断片と実施例1で調製した外来遺伝子高発現ベクターpNOW/CMV−AAのNot IとXba I切断物とをDNA ligation kit ver.2を用いて連結した。大腸菌XL−I Blue株に連結されたDNAを導入後、LB寒天培地上に出現したアンピシリン耐性の性質を有する1コロニーを培養することによりプラスミドDNA(pNOW−hColIa1、図1)が得られた。
〔実施例3〕コラーゲン発現ベクターの作製(2):ヒトI型α2鎖cDNAの単離
ヒトI型α2鎖コラーゲンの遺伝子は既にクローニングされその塩基配列が報告されている(EMBL遺伝子データベース登録名NM 000089)。その配列を配列番号:4に示す。ヒトI型α2cDNAはヒト肝臓由来cDNAよりPCR法により増幅された。すなわち、ヒト肝臓由来cDNA(和光純薬工業)を鋳型として配列番号:5のオリゴヌクレオチド(GCGGCCGCCACCATGCTCAGCTTTGTGGATACGCGGA)と配列番号:6のオリゴヌクレオチド(ACTAGTTTATTTGAAACAGACTGGGCCAAT)をプライマーとして配列番号:4の全長の配列をPCR法により増幅した。得られたPCR産物をアガロースゲル電気泳動により分離し、PCR産物クローニングベクター(pT7Blue kits:Novagen社)とライゲーションキット(DNA ligation kit ver.2:タカラバイオ社)を用いて連結した。大腸菌XL−I Blue株に連結されたDNAを導入後、LB寒天培地(ディフコ社)上に出現したアンピシリン耐性の性質を有する4コロニーを培養することによりプラスミドDNAが得られた。このプラスミドDNAより切り出したヒトI型α2鎖コラーゲンをコードするDNA断片と外来遺伝子高発現ベクターpNOW/CMV−AAのNot IとXba I切断物とをDNA ligation kit ver.2を用いて連結した。大腸菌XL−I Blue株に連結されたDNAを導入後LB寒天培地上に出現したアンピシリン耐性の性質を有する1コロニーを培養することによりプラスミドDNA(pNOW−hColIa2、図2)が得られた。
〔実施例4〕コラーゲン発現ベクターの作製(3):ヒトII型α1鎖cDNAの単離
ヒトII型α1鎖コラーゲンの遺伝子は既にクローニングされその塩基配列が報告されている(EMBL遺伝子データベース登録名NM 001844.1)。その配列を配列番号:7に示す。ヒトII型α1cDNAはヒト精巣由来cDNAよりPCR法により増幅された。すなわち、ヒト精巣由来cDNA(ベクトン・ディッキンソン社)を鋳型として配列番号:8のオリゴヌクレオチド(GGCCCCGCGGTGAGCCATGATTCGCCTCG)と配列番号:9のオリゴヌクレオチド(TCTAGATTACAAGAAGCAGACCGGCCCTAT)をプライマーとして配列番号:7の全長の配列をPCR法により増幅した。得られたPCR産物をアガロースゲル電気泳動により分離し、PCR産物クローニングベクター(pT7Blue kits:Novagen社)とライゲーションキット(DNA ligation kit ver.2:タカラバイオ社)を用いて連結した。大腸菌XL−I Blue株に連結されたDNAを導入後、LB寒天培地(ディフコ社)上に出現したアンピシリン耐性の性質を有する4コロニーを培養することによりプラスミドDNAが得られた。このプラスミドDNAより切り出したヒトII型α1鎖コラーゲンをコードするDNA断片と外来遺伝子高発現ベクターpNOW/CMV−AAのNot IとXba I切断物とをDNA ligation kit ver.2を用いて連結した。大腸菌XL−I Blue株に連結されたDNAを導入後LB寒天培地上に出現したアンピシリン耐性の性質を有する1コロニーを培養することによりプラスミドDNA(pNOW−hColIIa1、図3)が得られた。
〔実施例5〕コラーゲン発現ベクターの作製(4):ヒトIII型α1鎖cDNAの単離
ヒトIII型α1鎖コラーゲンの遺伝子は既にクローニングされその塩基配列が報告されている(EMBL遺伝子データベース登録名X14420)。その配列を配列番号:10に示す。ヒトIII型α1cDNAはヒト肝臓由来cDNAよりPCR法により増幅された。すなわち、ヒト肝臓由来cDNA(和光純薬工業)を鋳型として配列番号:11のオリゴヌクレオチド(GCGGCCGCCACCATGATGAGCTTTGTGCAAAAGGGGA)と配列番号:12のオリゴヌクレオチド(TCTAGATTATAAAAAGCAAACAGGGCCAAC)をプライマーとして配列番号:10の全長の配列をPCR法により増幅した。得られたPCR産物をアガロースゲル電気泳動により分離し、PCR産物クローニングベクター(pT7Blue kits:Novagen社)とライゲーションキット(DNA ligation kit ver.2:タカラバイオ社)を用いて連結した。大腸菌XL−I Blue株に連結されたDNAを導入後、LB寒天培地(ディフコ社)上に出現したアンピシリン耐性の性質を有する4コロニーを培養することによりプラスミドDNAが得られた。このプラスミドDNAより切り出したヒトIII型α1鎖コラーゲンをコードするDNA断片と外来遺伝子高発現ベクターpNOW/CMV−AAのNot IとXba I切断物とをDNA ligation kit ver.2を用いて連結した。大腸菌XL−I Blue株に連結されたDNAを導入後LB寒天培地上に出現したアンピシリン耐性の性質を有する1コロニーを培養することによりプラスミドDNA(pNOW−hColIIIa1、図4)が得られた。
〔実施例6〕ヒトI型コラーゲンの生産:発現ベクターpNOW−hColIa1とpNOW−hColIa2によるヒトI型コラーゲンの遺伝子導入とG418耐性初期クローンの確立
実施例2および3で得られたpNOW−hColIa1とpNOW−hColIa2の各々1μgをリポフェクチン法(キアゲン社製エフェクテントランスフェクション試薬)を用いて、25cm2の培養フラスコ中の150万個のDHFR欠損CHO細胞(CHO細胞DG44株;Dr.Gail Urlaubから譲受)に遺伝子導入した。導入方法は製造業者の使用説明書に従った。48時間後トリプシン処理により細胞を剥がし、細胞数の計測の後、50万個の細胞を100mLの0.8mg/mLのG418を含む10%透析ウシ胎児血清添加Iscove’s Modified Dalbecco’s Medium培地にて希釈後、96ウェルマイクロタイタープレート10枚(960ウェル)中に播き、5%炭酸ガス存在下で37℃、約3週間培養し、197ウェル中の生存細胞を1mLの0.8mg/mLのG418を含む10%透析ウシ胎児血清添加Iscove’s Modified Dalbecco’s Medium培地とともに24ウェルプレートに移しコンフルエントになるまで培養した。培養上清を廃棄した後PBS(インビトロジェン社)1mLを各ウェルに加え再び培養上清を廃棄した。これに0.5mLのCHO細胞用CD培地ProCHO4(タカラバイオ社)を加えて5%炭酸ガス存在下で37℃、96時間培養した。続いて培養上清中のヒトI型コラーゲンの生産量の検討を行なった。
〔実施例7〕pNOW−hColIa1とpNOW−hColIa2形質導入細胞クローンによるヒトI型コラーゲンの生産量の検定
生産量の検定はSDS−ポリアクリルアミド電気泳動法にて実施した。培養上清の12.5μLと等量のトリスSDSβ−MEサンプル処理液(第一化学)を混合し、95℃、5分間の熱処理を行なった。これをSDS−ポリアクリルアミドゲル(PAGEL、ATTO社)に重層し、電気泳動にて展開した。電気泳動終了後、ポリアクリルアミドゲルをクマシーブリリアントブルー染色液(アマシャムバイオサイエンス社)で処理することによりポリアクリルアミドゲル中のヒトI型コラーゲンの検出と定量を行なった。比較対照としては、12.5〜100μg/mLの濃度のヒトI型コラーゲン(コスモバイオ社)を同様に処理して用いた。
〔実施例8〕ヒトI型コラーゲンの生産
G418耐性細胞株のうち、ヒトI型コラーゲン産生が最も高かったクローンを継代培養し安定化させた。ヒトI型コラーゲンの産生レベルは、培地当たり85μg/mL(4日間)であった。
〔実施例9〕培養上清中の組換えヒトI型コラーゲンのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による分析
遺伝子増幅により得られたヒトI型コラーゲンを大量に生産している細胞クローンを細胞培養液IS CHO−CD(アイエスジャパン社)を用いて25cm2培養フラスコ中で1×106個/mLになるように調製した。これを5%炭酸ガス存在下に37℃で96時間培養した後培養液を回収し、遠心分離操作により細胞を除き培養上清とした。培養上清の12.5μLと等量のトリスSDSβ−MEサンプル処理液(第一化学社)を混合し、95℃、5分間の熱処理を行なった。これをSDS−ポリアクリルアミドゲル(PAGEL、ATTO社)に重層し、電気泳動にて展開した。以下のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動は同様にして実施した。電気泳動終了後、ポリアクリルアミドゲルをクマシーブリリアントブルー染色液(アマシャムバイオサイエンス社)で処理することによりポリアクリルアミドゲル中のヒトI型コラーゲンの検出を行なった。比較対照としては、100μg/mLの濃度のヒトI型コラーゲンを同様に処理して用いた。図5にヒトI型コラーゲン生産細胞クローンより得られた培養上清のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による分析結果を示す。培養上清中に組換えヒトI型コラーゲンα1鎖と考えられる150kDa、170kDaの位置のポリペプチドおよび組換えヒトI型コラーゲンα2鎖と考えられる130kDa、150kDaの位置のポリペプチドが検出された。
〔実施例10〕培養上清中の組換えヒトI型コラーゲンのペプシンによる分解とSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動による分析
ヒトI型コラーゲン生産細胞クローンより得られた培養上清のペプシン分解は99.7%酢酸を培養上清に最終濃度0.5Mになるように加え、これにペプシン(シグマ社)を最終濃度24ユニット/mLとなるように添加した後20℃、2時間で実施した。以下のペプシン分解は同様にして実施した。ペプシンによる分解によって得られたサンプルはSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分析を行なった。比較対照としては185μg/mLの市販の組換えヒトI型コラーゲン(ベクトン・ディッキンソン社)を用いた。図6にペプシンによる分解産物のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による分析結果を示す。ペプシン処理を施した場合、培養上清中の組換えヒトI型コラーゲンは市販のヒトI型アテロコラーゲンと同様にα1鎖と考えられる130kDaの位置のポリペプチドおよびα2鎖と考えられる120kDaの位置のポリペプチドとして検出された。このことはヒトI型コラーゲン生産細胞クローンより得られた培養上清中には天然型と実質的に同等のペプシン耐性の性質を持つ組換えヒトI型コラーゲンが含まれていることを示していた。
〔実施例11〕培養上清中の組換えヒトI型コラーゲンのウエスタンブロッティングによる分析
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動終了後のポリアクリルアミドゲルをトランスファー緩衝液に浸した後、常法に従ってポリアクリルアミドゲル中のヒトI型コラーゲンをPVDFメンブレンに転写した。ブロックエースによるブロッキングの後、2μg/mLの濃度の抗ヒトI型コラーゲンα1鎖抗体とそれに引き続いてホースラッディシュペルオキシダーゼ(HRP)標識抗ヤギIgG抗体を反応させた。反応した抗体はHRPの活性を検出する方法でTMBペルオキシダーゼ試薬(フナコシ社)を用いて行なった。比較対照としては、50μg/mLの組換えヒトI型コラーゲン(ベクトン・ディッキンソン社)を用いた。ヒトI型コラーゲンα2鎖の検出は抗ヒトI型コラーゲンα1鎖抗体のかわりに抗ヒトI型コラーゲンα2鎖抗体を用いて実施した。比較対照としては、10μg/mLのヒトI型コラーゲンを用いた。図7にウエスタンブロッティングによる分析結果を示す。培養上清中に抗ヒトI型コラーゲンα1鎖抗体が結合できる組換えヒトI型コラーゲンα1鎖と考えられる170kDaの位置のポリペプチドおよび抗ヒトI型コラーゲンα2鎖抗体が結合できる組換えヒトI型コラーゲンα2鎖と考えられる130kDa、150kDaの位置のポリペプチドが検出された。
〔実施例12〕培養上清中のヒトI型コラーゲンの精製
ヒトI型コラーゲンを含む培養上清100mLを用いて以下の様に精製を行った。
遠心濃縮フィルター(VIVASPIN20(MWCO10,000:ザルトリウス社)にて4℃で3,000rpmの遠心分離により0.45μmのメンブランフィルター(ミリポア社)でろ過した100mLの培養上清を30mLに濃縮した。
4℃で30mLの90%硫酸アンモニウム溶液を上記濃縮培養上清中に攪拌しながら徐々に加えて塩析し、全ての硫酸アンモニウムを加えてから1時間攪拌した。その後、氷中にて1時間静置した後、高速冷却遠心器にて4℃で18,000rpm×30分間遠心分離を行った。塩析によって不溶化した溶液中のコラーゲンは溶液上に浮くのでそれを回収し、5mLのD−PBS(シグマ社)で完全に溶解させた。これを0.45μmのメンブランフィルター(ミリポア社)でろ過した後にD−PBSで平衡化したSuperose 6(アマシャムバイオサイエンス社)を用いたゲルろ過により精製し、最初に出現するピークを分取した。集めたピークのフラクションをVIVASPIN6(MWCO100,000)で約20倍に濃縮し、濃縮したコラーゲン溶液にD−PBSを適量加えてさらに濃縮し、低分子フラグメントを除去した。このD−PBSを加える操作を少なくとも3回以上行った。
元の培養上清100mLにつき最終的に得られた精製コラーゲン溶液が約300μLになるように濃縮したものをSDS−PAGEにより電気泳動して精製度の確認を行った。
〔実施例13〕ヒトII型コラーゲンの生産試験:発現ベクターpNOW−hColIIa1によるヒトI型コラーゲンの遺伝子導入とG418耐性初期クローンの確立
1μgのpNOW−hColIIa1を25cm2の培養フラスコ中の150万個のCHO細胞DG44株にリポフェクチン法を用いて遺伝子導入した。導入方法は製造業者の使用説明書に従った。48時間後トリプシン処理により細胞を剥がし、細胞数の計測の後50万個の細胞を100mLの0.8mg/mLのG418を含む10%透析ウシ胎児血清添加Iscove’s Modified Dalbecco’s Medium培地にて希釈後、96ウェルマイクロタイタープレート10枚(960ウェル)中に播き、5%炭酸ガス存在下で37℃、約3週間培養し、126ウェル中の生存細胞を1mLの0.8mg/mLのG418を含む10%透析ウシ胎児血清添加Iscove’s Modified Dalbecco’s Medium培地とともに24ウェルプレートに移しコンフルエントになるまで培養した。培養上清を廃棄した後PBS(インビトロジェン社製)1mLを各ウェルに加え再び培養上清を廃棄した。これに0.5mLのCHO細胞用無血清培地細胞用CD培地ProCHO4(タカラバイオ社)を加えて5%炭酸ガス存在下で37℃、96時間培養した。続いて培養上清中のヒトII型コラーゲンの生産量の検討を行なった。
〔実施例14〕pNOW−hColIIa1形質導入細胞クローンによるヒトII型コラーゲンの生産量の検定
生産量の検定はSDS−ポリアクリルアミド電気泳動法にて実施した。培養上清の7.5μLと等量のトリスSDSβ−MEサンプル処理液(第一化学社)を混合し、95℃、5分間の熱処理を行なった。これをSDS−ポリアクリルアミドゲル(PAGEL、ATTO社)に重層し、電気泳動にて展開した。電気泳動終了後ポリアクリルアミドゲルをクマシーブリリアントブルー染色液(アマシャムバイオサイエンス社)で処理する事によりポリアクリルアミドゲル中のヒトII型コラーゲンの検出と定量を行なった。比較対照としては、12.5〜100μg/mLの濃度のヒトII型コラーゲン(コスモバイオ社)を同様に処理して用いた。
〔実施例15〕G418耐性細胞株の遺伝子増幅
G418耐性細胞株のうち、ヒトII型コラーゲン産生が最も高かったクローンを継代培養し安定化させた後に、MTXによる遺伝子増幅を行った。始めに5nMのMTXを含む培地で1週間、25nMのMTXを含む培地で1週間、50nMのMTXを含む培地で1週間、250nMのMTXを含む培地で3週間、1μMのMTXを含む培地でさらに3週間増幅させたところ、25nMのMTXの時点でヒトII型コラーゲンの産生レベルは培地当たり70μg/mL(4日間)に上昇した。遺伝子増幅に用いるMTX濃度は一般に10nM〜10μMの間の多段階とされ、最終濃度としては10μMがよく用いられるが、細胞に対する毒性の問題から高濃度暴露は安定な組換細胞株の樹立には問題がある。このため低濃度MTXで高生産性が達成できることも重要な評価基準となり、本実験では1μMまでとした。また通常セレクションを含めたMTX暴露期間は6〜12ヶ月とされるのに対して、本実験では約9週間で行った。こうした実験条件にも拘わらず有効なヒトII型コラーゲンの産生量増加がみられた。以下のG418耐性細胞株の遺伝子増幅も同様にして実施した。
〔実施例16〕培養上清中の組換えヒトII型コラーゲンのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による分析
遺伝子増幅により得られたヒトII型コラーゲンを大量に生産している細胞クローンを細胞培養液IS CHO−CD(アイエスジャパン社)を用いて25cm2培養フラスコ中で1×106個/mLになるように調製した。これを5%炭酸ガス存在下に37℃で96時間培養した後培養液を回収し、遠心分離操作により細胞を除き培養上清とした。培養上清の7.5μLと等量のトリスSDSβ−MEサンプル処理液(第一化学)を混合し、95℃、5分間の熱処理を行なった。これをSDS−ポリアクリルアミドゲル(PAGEL、ATTO社)に重層し、電気泳動にて展開した。以下のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動は同様にして実施した。電気泳動終了後ポリアクリルアミドゲルをクマシーブリリアントブルー染色液(アマシャムバイオサイエンス社)で処理することによりポリアクリルアミドゲル中のヒトII型コラーゲンの検出を行なった。比較対照としては、100μg/mLの濃度のヒトII型コラーゲン(コスモバイオ社)を同様に処理して用いた。図8にヒトII型コラーゲン生産細胞クローンより得られた培養上清のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による分析結果を示す。培養上清中に組換えヒトII型コラーゲンと考えられる170kDa、200kDaの位置のポリペプチドが検出された。
〔実施例17〕培養上清中の組換えヒトII型コラーゲンのウエスタンブロッティングによる分析
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動終了後のポリアクリルアミドゲルをトランスファー緩衝液に浸した後、常法に従ってポリアクリルアミドゲル中のヒトII型コラーゲンをPVDFメンブレンに転写した。ブロックエースによるブロッキングの後1μg/mLの濃度の抗ヒトII型コラーゲン鎖抗体(コスモバイオ社)とそれに引き続いてホースラッディシュペルオキシダーゼ(HRP)標識抗ウサギIgG抗体を反応させた。反応した抗体はHRPの活性を検出する方法でTMBペルオキシダーゼ試薬(フナコシ社)を用いて行なった。比較対照としては、10μg/mLのヒトII型コラーゲン(コスモバイオ社)を用いた。培養上清中に抗ヒトII型コラーゲン鎖抗体が結合できる組換えヒトII型コラーゲンと考えられる170kDaのポリペプチドが検出された(図9)。
〔実施例18〕培養上清中の組換えヒトII型コラーゲンのペプシンによる分解とSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動、およびウエスタンブロッティングによる分析
ペプシンによる分解によって得られたサンプルはSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分析を行なった。比較対照としては、100μg/mLのヒトII型コラーゲン(コスモバイオ社)を用いた。図10にペプシンによる分解産物のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による分析結果を示す。ペプシン処理を施した場合、培養上清中の組換えヒトII型コラーゲンは市販のヒトII型アテロコラーゲンと同様に130kDaのポリペプチドとして検出された。このことはヒトII型コラーゲン生産細胞クローンより得られた培養上清中には実質的に天然型と同等のペプシン耐性の性質を持つ組換えヒトII型コラーゲンが含まれていることを示していた。ウエスタンブロッティングによる分析においても同様の結果が得られた(図11)。
〔実施例19〕ヒトIII型コラーゲンの生産試験。発現ベクターpNOW−hColIIIa1によるヒトIII型コラーゲンの遺伝子導入とG418耐性初期クローンの確立
1μgのpNOW−hColIIIa1を用いて25cm2の培養フラスコ中の150万個のCHO細胞DG44株にリポフェクチン法を用いて遺伝子導入した。導入方法は製造業者の使用説明書に従った。48時間後トリプシン処理により細胞を剥がし、細胞数の計測の後30万個の細胞を100mLの0.8mg/mLのG418を含む10%透析ウシ胎児血清添加Iscove’s Modified Dalbecco’s Medium培地にて希釈後、96ウェルマイクロタイタープレート10枚(960ウェル)中に播き、5%炭酸ガス存在下で37℃、約3週間培養したところ、117ウェルにのみ細胞の生存が見られた(G418耐性株)。生存細胞を1mLの0.8mg/mLのG418を含む10%透析ウシ胎児血清添加Iscove’s Modified Dalbecco’s Medium培地とともに24ウェルプレートに移しコンフルエントになるまで培養した。培養上清を廃棄した後PBS(インビトロジェン社)1mLを各ウェルに加え再び培養上清を廃棄した。これに0.5mLのCHO細胞用無血清培地CHO−S−SFM II(インビトロジェン社)を加えて5%炭酸ガス存在下で37℃、72時間培養した。続いて培養上清中のヒトIII型コラーゲンの生産量の検討を行なった。
〔実施例20〕pNOW−hColIIIa1形質導入細胞クローンによるヒトIII型コラーゲンの生産量の検定
生産量の検定はドットブロット法にて実施した。ナイロンメンブレン上に72時間培養上清1μLと市販のヒトIII型コラーゲン(ベクトン・ディッキンソン社)のCHO細胞用無血清培地CHO−S−SFM IIによる2倍希釈系列(0.125〜8μg/mL)とCHO−S−SFM IIそれぞれ1μLをドットし、1時間の風乾、ブロックエースによるブロッキングの後1μg/mLの濃度の抗ヒトIII型コラーゲン抗体(コスモバイオ社)とそれに引き続いてHRP標識抗ウサギIgG抗体を反応させた。反応した抗体はスーパーシグナルウエストピコ試薬にてHRPの活性を検出する方法でルミノキャプチャーを用いて行なった。
〔実施例21〕G418耐性細胞株の遺伝子増幅
G418耐性細胞株のうち、ヒトIII型コラーゲン産生が最も高かったクローンを継代培養し安定化させた後に、MTXによる遺伝子増幅を行った。始めに15nMのMTXを含む培地で2週間、60nMのMTXを含む培地で2週間、250nMのMTXを含む培地で2週間、1μMのMTXを含む培地でさらに4週間増幅させたところ、ヒトIII型コラーゲンの産生レベルは培地当たり225μg/mL(3日間)に上昇した。
〔実施例22〕培養上清中の組換えヒトIII型コラーゲンのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による分析
遺伝子増幅により得られたヒトIII型コラーゲンを大量に生産している細胞クローンを細胞培養液IS CHO−CD(アイエスジャパン社)を用いて25cm2培養フラスコ中で1×106個/mLになるように調製した。これを5%炭酸ガス存在下に37℃で96時間培養した後、培養液を回収し、遠心分離操作により細胞を除き培養上清とした。培養上清の6μLと等量のトリスSDSβ−MEサンプル処理液(第一化学社)を混合し、95℃、5分間の熱処理を行なった。これをSDS−ポリアクリルアミドゲル(PAGEL、ATTO社)に重層し、電気泳動にて展開した。以下のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動は同様にして実施した。電気泳動終了後ポリアクリルアミドゲルをクマシーブリリアントブルー染色液(アマシャムバイオサイエンス社)で処理する事によりポリアクリルアミドゲル中のヒトIII型コラーゲンの検出を行なった。比較対照としては、100μg/mLの濃度のヒトIII型コラーゲン(ベクトン・ディッキンソン社)を同様に処理して用いた。図12にヒトIII型コラーゲン生産細胞クローンより得られた培養上清のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による分析結果を示す。培養上清中に組換えヒトIII型コラーゲンと考えられる140kDa、170kDaの位置のポリペプチドが検出された。
〔実施例23〕培養上清中の組換えヒトIII型コラーゲンのウエスタンブロッティングによる分析
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動終了後のポリアクリルアミドゲルをトランスファー緩衝液に浸した後、常法に従ってポリアクリルアミドゲル中のヒトIII型コラーゲンをPVDFメンブレンに転写した。ブロックエースによるブロッキングの後1μg/mLの濃度の抗ヒトIII型コラーゲン鎖抗体(コスモバイオ社)とそれに引き続いてホースラッディシュペルオキシダーゼ(HRP)標識抗ウサギIgG抗体を反応させた。反応した抗体はHRPの活性を検出する方法でTMBペルオキシダーゼ試薬(フナコシ社)を用いて行なった。比較対照としては、100μg/mLのヒトIII型コラーゲン(ベクトン・ディッキンソン社)を用いた。培養上清中に抗ヒトIII型コラーゲン鎖抗体が結合できる組換えヒトIII型コラーゲンと考えられる140kDa、170kDaの位置のポリペプチドが検出された(図13)。
ペプシン処理を施した場合、培養上清中の組換えヒトIII型コラーゲンは市販のヒトIII型アテロコラーゲン(ベクトン・ディッキンソン社)と同様に130kDaの位置のポリペプチドとして検出された。このことはヒトIII型コラーゲン生産細胞クローンより得られた培養上清中には天然型と実質的に同等のペプシン耐性の性質を持つ組換えヒトIII型コラーゲンが含まれていることを示していた。
〔実施例24〕培養上清中のヒトI型およびIII型コラーゲンの精製
ヒトI型またはIII型コラーゲンを含む培養上清100mLを用いて実施例12と同様に操作して精製を行った。元の培養上清100mLにつき最終的に得られた精製コラーゲン溶液が約300μLになるように濃縮したものをSDS−PAGEにより電気泳動して精製度の確認を行った(図14)。
本発明により、哺乳動物細胞を宿主として高水準かつ天然型により近い組換えヒト・コラーゲンの生産を可能にする発現ベクターおよびヒト・コラーゲン生産細胞を提供することができる。また、ヘテロトリマーのヒト・コラーゲン生産細胞を提供することもできる。
本発明の製造方法は、コラーゲンのみならず、3重螺旋構造を持つコレクチン等のタンパク質にも適用することが可能である。
さらに、本発明のコラーゲンの製造方法において、種類の異なるα鎖を同時に発現させることで、天然では本来製造されることのない(これまでに発見されていない)新規な分子構成の3重螺旋構造を持つコラーゲンを大量に製造できる可能性がある。これらの新規な分子構成の3重螺旋構造を持つコラーゲンは、既知のコラーゲンとは異なった性質を持っていることが考えられ、新規の材料としての応用が期待される。

Claims (15)

  1. 以下の(a)から(c)の工程を含む、3重螺旋構造を有するタンパク質の製造方法。
    (a)3重螺旋構造を有するタンパク質をコードするDNAをベクターに導入する工程
    (b)該ベクターを用いた遺伝子導入により、哺乳動物細胞を形質転換させる工程
    (c)該形質転換体を培養もしくは育種し、該細胞またはその培養上清から3重螺旋構造を有するタンパク質を回収する工程
  2. 3重螺旋構造を有するタンパク質が、ヒト・コラーゲンまたはその部分ペプチドである請求項1に記載の方法。
  3. ヒト・コラーゲンが少なくとも1種類以上のα鎖からなるヒト・コラーゲンである、請求項2に記載の方法。
  4. ヒト・コラーゲンが、ヒト・I型コラーゲンである請求項2に記載の方法。
  5. ヒト・I型コラーゲンがα1鎖とα2鎖の複合体である請求項4に記載の方法。
  6. ヒト・コラーゲンが、ヒト・II型コラーゲンである請求項2に記載の方法。
  7. ヒト・コラーゲンが、ヒト・III型コラーゲンである請求項2に記載の方法。
  8. 3重螺旋構造を有するタンパク質をコードするDNAが、以下の(a)または(b)に記載のDNAから選択される少なくとも1つのDNAである、請求項1に記載の方法。
    (a)配列番号:1、4、7、または10のいずれかに記載の塩基配列を含むDNA
    (b)配列番号:1、4、7、または10のいずれかに記載の塩基配列を含むDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA
  9. 哺乳動物細胞がチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 哺乳動物細胞がヒト胎児腎蔵細胞(HEK293)である、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  11. 3重螺旋構造を有するタンパク質をコードするDNAが導入されるベクターが、pNOW/CMV−AAである、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の方法に従って製造されたヒト・コラーゲン。
  13. 以下の(a)または(b)に記載のDNAから選択される少なくとも1つのDNAが導入されたベクター。
    (a)配列番号:1、4、7、または10のいずれかに記載の塩基配列を含むDNA
    (b)配列番号:1、4、7、または10のいずれかに記載の塩基配列を含むDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA
  14. 請求項13に記載のベクターを保持する哺乳動物細胞。
  15. 請求項13に記載のベクター、または請求項14に記載の哺乳動物細胞を含む、3重螺旋構造を有するタンパク質を製造するためのキット。
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