JPH0823979A - ヒト・コラーゲン発現ベクターおよびヒト・コラーゲンの製造方法 - Google Patents

ヒト・コラーゲン発現ベクターおよびヒト・コラーゲンの製造方法

Info

Publication number
JPH0823979A
JPH0823979A JP6164433A JP16443394A JPH0823979A JP H0823979 A JPH0823979 A JP H0823979A JP 6164433 A JP6164433 A JP 6164433A JP 16443394 A JP16443394 A JP 16443394A JP H0823979 A JPH0823979 A JP H0823979A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
collagen
molecule
expression vector
cells
human
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6164433A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Kitajima
隆 北嶋
Masahiro Tomita
正浩 冨田
Roisu Piitaa
ピーター・ロイス
Toshiyasu Kato
俊康 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to JP6164433A priority Critical patent/JPH0823979A/ja
Publication of JPH0823979A publication Critical patent/JPH0823979A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、精製分離の容易な、生体内に
存するのと同一の3本鎖構造を持つヒト・コラーゲンタ
ンパク質を製造する方法およびそれに使用する発現ベク
ターを提供することにある。 【構成】ヒト・コラーゲン遺伝子を挿入して作製される
組換えウイルスであって、コラーゲン分子中のプロリン
を水酸化する能力を備えた昆虫細胞に対して感染力を有
する発現ベクターである。また該発現ベクターを、コラ
ーゲン分子中のプロリン残基を水酸化する能力を有する
昆虫細胞に感染させることにより、ヒト生体内に存する
のと同等な3本鎖構造を有するコラーゲン分子を該細胞
に生産させることを特徴とするヒト・コラーゲンの製造
方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒト・コラーゲンの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コラーゲンは生体タンパク質としては最
も存在量の多いタンパク質であり、生体組織・器官の構
造維持など、生体において重要な機能を担っていること
は良く知られているところである。このことからコラー
ゲンは生体の損傷を修復するための生物素材(バイオマ
テリアル)として有用なものであると考えられている。
例えばバイオマテリアルとしてコラーゲンは、熱傷など
の皮膚損傷部位の被覆材として用いられ、治癒改善が報
告されている(Surg. Forum ,10,303(1960),J. Surg.
Res., 10,485-491(1960))。コラーゲンはこの様な移植
用の代用皮膚として利用されるばかりでなく、経口摂取
する事により関節リューマチが抑制されるという用途へ
の可能性(II型コラーゲン)(Lancet, 342,799(1993)
および Science, 261,1727-1730(1993))なども指摘さ
れている。また、細胞や器官の培養技術においても有用
な素材として利用されている。このようなバイオマテリ
アルとしてのコラーゲンの原材料としてはこれまで主に
ブタ、ウシなどの大型動物の皮革が用いられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】コラーゲンは生体移植
用のバイオマテリアルとして有用な物質であるが、従来
用いられているコラーゲンはブタ・ウシなどヒト以外の
大型動物由来のものである。コラーゲンは免疫原性の低
いタンパク質ではあるが、異種動物のコラーゲンをヒト
生体内に移植、埋入あるいは投与した場合には免疫反応
が低頻度ながら惹起されると報告されている(J.Immuno
l. 136,877-882(1986),Biomaterials 11,176-180(199
0))。従って人体に直接適用するバイオマテリアルとし
ては、ヒト由来のコラーゲンを用いることが望ましいと
考えられる。しかしながら、コラーゲンを直接ヒト組織
から得ることには以下のような問題が指摘される。まず
第一にヒト組織を扱うという倫理的な問題がある。また
その問題が解決されたとしても、直接ヒト生体組織から
コラーゲンを大量に得ることは容易ではなく、さらに得
られたコラーゲンはその分子間に様々な架橋結合などの
修飾が見られるため、精製操作が煩雑であるという問題
点がある。
【0004】上記の問題を解決する手段として遺伝子工
学的手法によるコラーゲン製造法が可能であると推定さ
れるが、これまでに報告された例は少ない。その理由と
しては以下の様なことが推定される。第一にコラーゲン
は分子量が10万を超える分子であって、通常高分子で
あるほど外来遺伝子を宿主細胞に導入するための発現ベ
クターの作製が煩雑となり、また生産量としても低いと
言われていること。第二にタンパク質の構造の問題が指
摘される。コラーゲンは繊維状分子であり、しかも3本
のポリペプチド鎖が会合して「らせん」構造をとってい
る。このような構造は遺伝子から翻訳された一次産物が
さらに複数の修飾を受けることによって形成されるが
(N.Engl.J. Med. 311, 376-386(1984))、コラーゲン
を修飾する反応を行う能力は、どのような細胞にも備わ
っているとは推定されない。従って、これまでに報告さ
れた例では、動物体における主要なコラーゲン生産細胞
である線維芽細胞あるいはそれに類似した性質を持つ細
胞を宿主として用いることが遺伝子組み換え技術による
コラーゲンの生産には適切であると考えられている。例
えばSchniekeらは(Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 84,764-7
68(1987))マウス繊維芽細胞Mov13株を宿主としてヒトI
型α1鎖の遺伝子を導入し、その遺伝子産物を生産させ
ることに成功している。そして合成されたコラーゲン分
子は生体内の分子と同様3本鎖「らせん」構造をとって
いることが示された。
【0005】しかしこの例において得られるコラーゲン
は分子構造としては正常であるが、ヒト、マウスそれぞ
れのコラーゲン遺伝子産物からなるハイブリッドのコラ
ーゲン分子であった。またV型α1コラーゲンを生産し
ているハムスター肺細胞を宿主として、ヒトV型α2コ
ラーゲンを生産した例も報告されているが(J.Biol.Che
m. 264, 20683-20687(1989))この例においても得られ
たコラーゲンは、α1鎖がハムスター由来で、α2鎖が
ヒト由来であるハイブリッド分子であった。純粋にヒト
由来のコラーゲン分子から構成される3本鎖分子を生産
した例としては、I型コラーゲンについてはGeddisらの
報告がある(Matrix, 13,399-405(1990))。彼らはヒト
線維芽肉腫細胞HT1080株を宿主として、ヒトI型α1遺伝
子発現ベクターを導入し、ヒトI型コラーゲンタンパク
質を3本鎖構造をもつ分子として生産出来ることを報告
した。ここに得られたコラーゲン分子は純粋にヒト型で
あるが、この分子は生体内では希にしか見られないI型
α1鎖の3本鎖であって、正常な生体内に見られるα1
鎖2分子とα2鎖1分子からなるI型3本鎖分子とは異
なる。
【0006】II型コラーゲンについてはFertalaらが同
じくHT1080細胞を宿主とし、ヒトII型α1遺伝子を導入
した例を報告している(Biochem.J. 298, 31-37(199
4))。この例においては生産された組換えコラーゲンは
3本鎖構造を取っておりしかも、「らせん」構造が形成
され、その安定性も生体内に見られるのと同様の特性を
備えている。さらにこの報告では培養液1lあたり0.
5〜1mgという従来の生産量をはるかに超える生産量
が達成されている。しかしながら、以上の2例で用いら
れている宿主HT1080細胞は、本来IV型コラーゲンを合成
しており、導入した遺伝子由来のII型コラーゲンを、内
在性のIV型コラーゲンから分離精製する必要がある。
【0007】以上の如くこれまでに、3本鎖構造をもつ
ヒトコラーゲンを遺伝子組換えで製造する手法として
は、線維芽細胞などのコラーゲン生産細胞を宿主とする
方法により達成されているが、その方法においては宿主
細胞に由来する内在性コラーゲンと導入された遺伝子に
よって合成されるコラーゲンとが共存する事になり、そ
れらを分離する操作が必要となるという問題点が指摘さ
れる。これに対して導入したコラーゲン遺伝子を優先的
に発現させ、宿主細胞において選択的にヒトコラーゲン
を生産させるというコラーゲンの製造方法についてはこ
れまでに知見がない。よって、本発明の課題は、コラー
ゲン遺伝子を導入した宿主細胞において、導入遺伝子に
由来するヒトコラーゲンタンパク質のみが選択的に合成
され、かつ天然型に近い分子構造をもつ分子として生成
されるよう製造する方法を開発する事にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め種々検討した結果、線維芽細胞などのコラーゲン生産
細胞に見られるコラーゲンタンパク質分子に対する翻訳
後修飾機能と類似の機能が備わっている昆虫細胞を見い
だし、この細胞を宿主として、コラーゲン遺伝子を組み
込んだウイルス発現ベクターを感染させることにより、
3本鎖構造をもつヒト型コラーゲンを製造させる方法を
考案し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明の要旨は上記の発現ベクター
を用いて、コラーゲンの翻訳後修飾機能の一つであるプ
ロリン水酸化酵素活性を有する昆虫細胞に、このベクタ
ーを感染させ、次のような特性〜、即ちバクテリ
アコラーゲナーゼに対して感受性である、3本鎖分子
である、ペプシンに耐性なポリペプチド配列を有す
る、3本鎖分子間に共有結合性の架橋結合を有しな
い、を備えたタンパク質分子を生成させることにあり、
以下の1)〜7)の手段のいずれかによって達成され
る。
【0010】1) 宿主にヒト・コラーゲン産生能を与
える発現ベクターであって、コラーゲン分子中のプロリ
ン残基を水酸化する能力を備えた昆虫細胞に対し感染可
能なウイルスDNA配列と、ヒト・コラーゲンcDNA
とを共に有するヒト・コラーゲン発現ベクター。 2) 上記宿主がSf9細胞である1)に記載のヒト・
コラーゲン発現ベクター。 3) 上記宿主がTN5細胞である1)に記載のヒト・
コラーゲン発現ベクター。 4) 上記ウイルスがバキュロウイルスである1)〜
3)のいずれかに記載のヒト・コラーゲン発現ベクタ
ー。 5) 上記ヒト・コラーゲンがIII型コラーゲンである
1〜4)のいずれかに記載のヒト・コラーゲン発現ベク
ター。
【0011】6) 上記1)に記載の発現ベクターを、
コラーゲン分子中のプロリン残基を水酸化する能力を有
する昆虫細胞に感染させることにより、タンパク質を生
産させるヒト・コラーゲンの製造方法。 7) 上記6)に記載のタンパク質が以下の特性〜
を有するヒト・コラーゲンの製造方法。 バクテリアコラゲナーゼによって消化される 3本のポリペプチド鎖が会合した3本鎖分子である 3本鎖分子内に、ペプシンに耐性のポリペプチド部分
を有する 3本鎖分子間に共有結合性の架橋構造を有しない
【0012】以下に本発明を詳しく説明する。 A.宿主細胞の選択 生体内のコラーゲンは一つ、また二つのコラーゲン遺伝
子の産物であるポリペプチドが3分子会合しかつ互いに
巻き付いてその分子内に「らせん」構造を有する、3本
鎖を単位分子とするタンパク質として生体内に存在す
る。この分子内の「らせん」構造は3本鎖分子としての
安定性を高めている。すなわち、「らせん」構造部分は
タンパク質分解酵素であるペプシン、トリプシン、キモ
トリプシンによって分解されない。そしてこの3本鎖分
子はコラゲナーゼによってのみ特異的に酵素消化され
る。昆虫Spodoptera frugiperda由来の細胞であるSf
9株及びTrichoplusia ni由来の細胞TN5株について
検討した結果、これらの細胞がコラーゲンを製造するた
めの宿主細胞として適切であることが明かとなった。即
ち本発明者らは、これらの細胞がコラーゲン分子中のプ
ロリン残基を水酸化してヒドロキシプロリンに変換する
能力を持つことを明らかにした。この反応は、コラーゲ
ン3本鎖分子の形成ならびにその内部に形成される「ら
せん」構造の安定化に寄与していると言われており、プ
ロリン水酸化酵素(proryl-4-hydroxylase)という酵素
によって行われる。
【0013】プロリンを水酸化する酵素の活性は、次の
ような状態のコラーゲン分子、即ち 3H−プロリンで標
識され、かつそのプロリン残基が水酸化されていないコ
ラーゲン分子を基質として反応させ、その結果生成され
320を測定することによって示すことができる。上
記の方法によって測定した結果、昆虫細胞Sf9株およ
びTN5株は、プロリン水酸化酵素の活性を有している
ことが示され、コラーゲン分子を遺伝子工学的手法によ
り製造させるための宿主細胞として適切であることが明
かとなった。
【0014】Sf9細胞ならびにTN5細胞は、バキュ
ロウイルウスの宿主細胞として広く用いられている細胞
である。しかしながらこれらの細胞が、コラーゲン分子
の修飾反応を行う機能を有することについてはこれまで
に知見されていなかった。よって本発明においてこれら
の昆虫細胞を用いることは、バキュロウイルスの宿主と
して適切であるという公知の事実に立脚するものではな
く、コラーゲンを合成させる為に好適な宿主であるとい
う未知の事象を解明した事によって成立する概念であ
る。従って、本発明において用いられる宿主は上記した
Sf9およびTN5細胞に限られるものではなく、コラ
ーゲン分子のプロリン残基を水酸化する能力を持つ細胞
であればどのような細胞でも良い。
【0015】B.組換ウイルスの作製方法 本発明において、コラーゲン遺伝子を有する発現ベクタ
ーを作製するために用いるウイルスは、上記のプロリン
水酸化酵素活性を有する細胞に対して感染力を持つウイ
ルスであれば、それらを用いることができる。その一例
として、例えばバキュロウイルス(Baculoviridae)に
属するAutographa californica nuclearpolyhedrosis v
irus; AcMNPV)は上記酵素活性を有するSf9細
胞ならびにTN5細胞に感染する能力を持つため、発現
ベクターを作製するためのウイルスとして本発明のコラ
ーゲンの製造法に用いることができる。バキュロウイル
スとしてはこの他にBombyx mori nuclear polyhedorsis
virusなども利用することが出来ると考えられる。
【0016】バキュロウイルスをベクターとする遺伝子
組み換え技術は近年盛んに研究され、真核生物のタンパ
ク質を大量に製造する系として非常に有用であるとされ
ている(Mol.Cell Biol. 3, 2156-2165(1983))。コラ
ーゲン遺伝子を有するウイルス発現ベクターを作製する
方法は、例えばAcMNPVを用いて以下のように行う
ことができる。即ち、AcMNPVの構造遺伝子である
ポリヘドリン遺伝子配列の全てまたはその一部と適切な
ウイルス遺伝子のプロモーター配列をともに有するプラ
スミドに、常法に従いそのプロモーター直下に転写方向
をそろえてヒトコラーゲン遺伝子cDNA配列を挿入す
る。ここに作製された組換えプラスミドはトランスファ
ーベクターと称される。トランスファーベクターのDN
Aと野生型バキュロウイルスDNAを同時に遺伝子導入
法(トランスフェクション)によってSf9細胞あるい
はTN5細胞に導入することができる。
【0017】トランスファーベクターDNAとウイルス
DNAは、それらが導入された細胞内においてそれぞれ
が有するポリヘドリン遺伝子配列間で相同組み換えを引
き起こすことができ、結果としてウイルスDNAにコラ
ーゲン遺伝子配列が挿入された組み換えウイルス、即ち
コラーゲン発現ベクターが生成される。この組み換えウ
イルスにおいてはコラーゲン遺伝子が挿入されたことに
よってポリヘドリン遺伝子は分断され、ポリヘドリンタ
ンパク質を合成する能力を失うが、ポリヘドリンタンパ
ク質はウイルスの感染能力には関与しないため、得られ
た組換えウイルスは、野生型ウイルスが感染できる細胞
に対しては同じように感染させることができる。
【0018】コラーゲンには十数種類の型が知られてお
り、それらをコードする遺伝子はそれぞれクローニング
され、塩基配列が解明されている(「Connective Tissu
e and Its Heritable Disorders」 pp145-165, Weily-L
iss Inc.発行(1992))。そして、これらの遺伝子はいず
れも通常の遺伝子組換え技術(例えば「Molecular Clon
ing」第2版, Cold Spring Harbor Laboratory Press発
行(1989))によって上記のトランスファーベクターを作
製することが可能であり、かつ組換ウイルスを取得する
ことが可能であるので、本発明で用いるコラーゲン遺伝
子はこれらのクローニングされたコラーゲン遺伝子のど
れであってもよい。なお、以上のような組み換えウイル
スの作製方法については、コラーゲン遺伝子以外の種々
な遺伝子について、その方法がすでに報告されており
(例えば 「Baculovirus Expression Vetors」 W.H.Fre
eman and Company発行(1992))、本発明においても原理
的に同様の方法を用いている。
【0019】C.コラーゲンの生産と産物の特性解析 上記の組換えウイルス発現ベクターが感染した細胞にお
いてコラーゲンが組換えタンパク質として合成されてい
ることは以下の(1)、(2)によって調べることがで
きる。 (1)発現ベクターによるコラーゲン産物の確認 ヒトおよび動物体内のコラーゲンは通常ペプシン処理等
によって3本鎖分子間の架橋結合を破壊する事によって
可溶化され抽出される。この操作によって抽出されるコ
ラーゲンには次の主に4種類の分子状態のコラーゲンが
認められる。
【0020】即ち、 分子間の架橋結合が一部残存するために3本鎖分子を
単位とする分子が2分子以上結合した高分子。その分子
量は300KDa以上である。 γコラーゲン:分子内のペプシンに耐性な領域である
「らせん」構造に対応する分子で、アテロコラーゲンと
も称される分子。プロコラーゲン3本鎖分子からプロペ
プチドおよびテロペプチド配列が分解除去された構造に
等しい(分子量約300KDa)。 αコラーゲン:上記の分子が単量体に解離した分子
(分子量約100KDa)。 βコラーゲン:上記の分子の2量体(分子量約20
0KDa)。 の4種類である。
【0021】コラーゲンはSDSポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動法(Nature, 227, 680-685(1970))において
は、分子量通りには泳動されないため、上記の分子種を
含む生体から抽出されたコラーゲンをマーカーとして同
時に泳動し、上記の分子のそれぞれの移動度との比較か
ら発現ベクターによって生産される組換えコラーゲンの
分子量およびその会合状態を同定する。コラーゲン発現
ベクターを感染させた宿主細胞およびコラーゲン遺伝子
が挿入されていない野生型ウイルスを感染させた宿主細
胞を約2日培養した後、それぞれの細胞から抽出される
タンパク質を、SDSポリアクリルアミド電気泳動によ
って解析した。その結果、還元状態(メルカプトエタノ
ール存在下)で電気泳動を行った場合には、発現ベクタ
ーを感染させた細胞に分子量約150KDaのタンパク
質が認められた。このタンパク質は野生型ウイルスの感
染細胞には認められないことから、導入したコラーゲン
遺伝子に由来することが明らかである。またこのタンパ
ク質はその分子量からプロコラーゲンであると考えられ
る。
【0022】これらのコラーゲンと推定される分子は細
胞内、および細胞外の培養液中何れにも検出される。さ
らに、これらのタンパク質試料を電気泳動後、Matsudai
raらの方法(J Biol. Chem. 261, 10035-10038(1987))
に従ってナイロン膜あるいはニトロセルロース膜に転写
し、抗コラーゲン抗体との反応性を調べることができ
る。そして、上記の分子量150KDaの分子はこの抗
体と特異的に結合することが示される(4図B参照)。
【0023】(2)コラーゲナーゼ感受性 上記(1)のタンパク質試料をバクテリアコラーゲナー
ゼで処理し、コラーゲナーゼに対する感受性を調べるこ
とが出来る。その結果、上記(1)において発現ベクタ
ーによって導入されたコラーゲン遺伝子に由来すると推
定される分子量150KDaの分子は、コラーゲナーゼ
処理によって消化されるタンパク質であることが示され
る。以上(1)、(2)の結果によって、本発明の発現
ベクターは宿主細胞にヒト・コラーゲンを合成させる能
力を有することが示される。さらに発現ベクターによっ
て生産された組換えコラーゲン産物の中に、「らせん」
構造を有する3本鎖分子が存在することは以下の(3)
のようにして調べることができる。
【0024】(3)ペプシン処理 上記(1)のタンパク質試料を酸性条件下にてペプシン
消化し、ペプシン耐性な構造を有するかを調べることに
より、このタンパク質試料に3本鎖分子が存在している
ことを示すことができる。即ち、ペプシン処理を施した
タンパク質試料を、非還元および還元条件下のSDSポ
リアクリルアミドゲル電気泳動に供した。その結果、上
記(1)のタンパク質試料にはペプシン処理前に非還元
状態で分子量が450KDaである分子が認められ、こ
の分子はペプシン処理後消失し、新たに分子量約300
KDaの分子が出現する。この分子量約300KDaの
分子はラットのγコラーゲンと電気泳動度が一致した。
また還元条件下ではこの分子量300KDaの分子は解
離しており、分子量約100KDaの分子のみが検出さ
れた。即ちこの結果はペプシン処理前に検出される分子
量約450KDaの分子はプロコラーゲン3本鎖分子で
あって、その内部にペプシン耐性な領域、即ち3重「ら
せん」構造を有していることを示す(図6参照)。以上
の結果から、本発明の発現ベクターは、宿主細胞におい
て生体内に見られるのと同等な特性即ち、3本鎖分子で
あってその内部にペプシン耐性な「らせん」構造を有す
るコラーゲンを合成させる能力を持つことが示される。
【0025】(4)組換えコラーゲンが生体内に見られ
るような3本鎖分子間に共有結合的な架橋構造を有しな
い事は以下の結果によって示される。即ち、SDSポリ
アクリルアミドゲル電気泳動においては、ラット組織か
ら抽出された架橋を有するコラーゲン分子に相当する分
子は、発現ベクターを感染させた細胞からは検出されな
かった(図7参照)。
【0026】D.組換えコラーゲンの精製方法 本発明で用いられるSf9細胞あるいはTN5細胞は、
懸濁培養することにより大量培養化が可能である。例え
ば、2×108ないし2×109個のSf9細胞を発現ベ
クターに感染させた後、100ml〜1lの培養液でス
ピナーフラスコで培養することが可能である。これを適
当な時間培養した後、細胞を集めタンパク質を大量に抽
出することが出来る。
【0027】前項(3)に記載のとおり、発現ベクター
を感染させた宿主細胞においては、「らせん」構造を有
する3本鎖コラーゲン分子が合成されているが、同時に
正常な3本鎖分子を形成しなかったコラーゲンも存在し
た。即ち、例えば図6のBに示すようにペプシン処理後
その非還元条件下における分子量が約100KDaであ
る分子が認められる。この分子はペプシン耐性ではある
が正常な3本鎖コラーゲンとは異なり、非還元条件下に
おいても解離しており正常な「らせん」構造を持たない
分子と推定される。本発明が目的とする「らせん」構造
を有する3本鎖コラーゲン分子は、それ以外の状態のコ
ラーゲン分子から以下の原理に従って簡単に分離精製す
ることが出来る。即ち、生体内と同等の「らせん」構造
を有する分子はペプシンに耐性であるが、3重「らせ
ん」構造を有しない分子はペプシンによって消化される
ため、正常な3本鎖分子以外のコラーゲン分子は分解除
去することができる。この処理は同時にコラーゲン以外
の細胞タンパク質も分解除去する。さらに正常な3本鎖
分子は適当な塩濃度では3本鎖分子同士が集合して繊維
化する能力を有する。以上の性質を利用して、発現ベク
ター感染細胞から抽出された全タンパク質をはじめに直
接ペプシン処理し非コラーゲン性タンパク質を分解除去
するとともに、「らせん」構造を有しないコラーゲンも
分解除去する。
【0028】ついでこの試料溶液を適当な塩濃度溶液に
変え、これによって3本鎖コラーゲンを繊維化させる。
これを遠心分離操作によって沈澱物として回収する。さ
らにこの沈澱を酸性溶液に溶かした後、中性緩衝液に対
して透析することによって再び3本鎖コラーゲンを繊維
化させ沈澱させることができる。そして以上の溶解・繊
維化・沈澱の操作をさらに繰り返すことによって、ペプ
シンに耐性な3重「らせん」構造を有するアテロコラー
ゲンを高度に純化することができる。
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。 A.宿主細胞のプロリン水酸化酵素活性の測定 (1)酵素活性測定用基質の調製 Kivirikkoらの方法(Methods in Enzymology, 82,245-3
04(1982))に従って、ニワトリ16日胚(66個)より
頭蓋骨を摘出し、これを終濃度で0.3Mのα,α’−
ジピリジル(和光純薬)を含む20mlのModified Kre
bs' Medium(15.7mM Na2HPO4/1.6mM KH2PO4/111.2mM NaC
l/5.4mM KCl/1.3mM MgCl2/4.0mM NaHCO3/13.0mM glucos
e, pH7.4)を培養液として30分間培養し、L-[4-3H]pr
oline(アマシャム社)0.5mCiを添加し、さらに
4時間培養した。培養された上記頭蓋骨から基質コラー
ゲンは以下の様に抽出された。
【0030】頭蓋骨をEDTAとソイビーントリプシ
ンインヒビターをそれぞれ終濃度で1mMおよび0.0
1%含む0.1M酢酸にいれポリトロンにて破砕し、さ
らにこれを4℃で24時間撹拌して、コラーゲンを抽出
した。 次に上記の抽出液を0.1M酢酸に対して透析したの
ち、不溶性物質を遠心分離で除去し、さらに0.4MN
aCl/0.1MTris・HCl(pH7.4)に対
して4℃で透析した。 上記の液に硫酸アンモニウムを液量1ml当たり1
66.7mg加えて溶解し30%飽和とし、4℃で24
時間静置したのち、12,000g30分遠心して、コ
ラーゲンを沈澱として回収した。 上記の沈澱物を0.2MNaCl/50mMTri
s・HCl(pH7.8)に懸濁し、同組成の溶液に対
して透析した後、37℃で1.5時間静置した。プロリ
ン残基が既に水酸化されているコラーゲンはこの操作に
よって繊維化するため、これを遠心して除去した。以上
の操作によって、プロリンが3Hによって標識され、か
つ水酸化されていないコラーゲン基質溶液が得られた。
【0031】(2)細胞抽出液の調製 1×107個の昆虫細胞Sf9を牛胎児血清およびアス
コルビン酸それぞれを終濃度で10%および50μg/
ml含むグレース培養液(ギブコ社)中に28℃で24
時間培養した。また6.6×106個のヒト皮膚線維芽
細胞を牛胎児血清を10%、およびアスコルビン酸を5
0μg/ml含むイーグルMEM(ギブコ社)中に37
℃で16時間培養した。これらの細胞を1000g15
分の遠心によって集め、それぞれを氷冷した細胞溶解液
(0.2M NaCl/ 0.1Mグリシン/50μMジ
チオスレイトール/0.01%ソイビーントリプシンイ
ンヒビター/20mMTris・HCl(pH7.
5))に懸濁した。この懸濁液の凍結溶解操作を3回繰
りかえした後、この懸濁液を250g6分間遠心した。
その上清1容積に対し上記の細胞溶解液を19容積加え
たものを酵素活性測定用の細胞抽出液とした。この抽出
液のタンパク質濃度はLowry法によって求めた。
【0032】(3)水酸化酵素活性の測定:下表1に示
す溶液を表記の通り混合し、37℃で酵素反応を行っ
た。
【0033】 表 1 蒸留水 880μl Tris・HCl(pH7.8) 100μl ウシ血清アルブミン(20mg/ml) 200μl カタラーゼ 100μl 2mMジチオスレイトール 100μl 20mMアスコルビン酸 200μl 1mM FeSO4・7H2O 100μl 細胞抽出液(上記(2)) 200μl 基質コラーゲン溶液(上記(1)) 20μl 10mM α−ケトグルタル酸 100μl 計 2ml
【0034】30分後、トリクロロ酢酸を終濃度で5%
となるように加え反応を停止させた。これを4℃で4時
間おいた後、1000g5分間遠心し上清を回収した。
この上清をあらかじめ5%TCAで平衡化したDowe
xカラム(AG50W X8,200-400mesh、H+form)
にかけ、素通りで溶出される32Oの放射活性を測定し
た。その結果Sf9細胞は0.63×106cpm/m
g proteinのプロリン水酸化酵素活性を有して
いた。この値はヒト線維芽細胞に匹敵する値である。
【0035】B.コラーゲン発現ベクターの作製 (1)ヒトIII型α1鎖cDNAの単離 ヒトIII型α1鎖コラーゲンの遺伝子は既にクローニン
グされその塩基配列が報告されている(Biochem.J. 26
0,509-516(1989) およびEMBL遺伝子データベース登
録名HSCOL3AI/Accession Number:X14420)。その配列
を配列番号6に示す。本発明においてはヒトIII型α1
cDNAは以下のようにしてヒト胎盤由来cDNAライ
ブラリーより単離された。すなわち、ヒト・線維芽細胞
からChomcynski and Sacchi(Anal.Biochem. 162, 156-
159(1987))の方法に従い全RNAを調製し、ファルマ
シア社製cDNA合成キットを用いてその全RNAから
cDNAを合成した。そしてこのcDNAを鋳型として
配列番号6の塩基番号561から1151の間の配列を
polymerase chain reaction法(「PCR Technology」、S
tockton Press 発行(1989))により増幅した。その結果
得られた590bpのDNA断片をプローブとして、λ
gt11をベクターとするヒト胎盤cDNAライブラリー
(クロンテック社、Code No. CLHL1008b)を常法(「Mo
lecular Cloning」第2版, Cold Spring Harbor Labora
tory Press発行(1989))に従ってスクリーニングした。
そしてプローブによって検出された陽性クローンとして
5.4KbのcDNA配列を有するファージクローンを
得た。
【0036】このcDNA配列の制限酵素地図は、配列
番号6の配列から予測される図1に示す制限酵素地図と
一致した。さらにこのcDNA配列の両末端の塩基配列
を決定したところ、この5.4KbDNA断片は配列番
号6に示す塩基配列の塩基番号39番から5460まで
を含むことが示された。即ち、このcDNA配列は、ヒ
トIII型α1コラーゲンのcDNAであり、図1の下に
矢印で示す通りそのcDNAのタンパク質翻訳領域を全
て含むと推定された。
【0037】(2)メリチンシグナルを含むプラスミド
ベクターの作製 トランスファーベクターpAcYM1(J.Gen.Virol.,
173,674-682(1987))が有するポリヘドリンプロモータ
ーの3’端に、ミツバチ(Apis melifica)のタンパク
質メリチンのシグナルペプチド配列(Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA.79, 2260-2263(1982))に対応する合成塩
基配列を挿入し、分泌シグナル配列を付与した新たなト
ランスファーベクターを構築した。その構築方法は図2
に示す通りである。即ちメリチンのシグナルペプチド配
列をコードする塩基配列を2部分に分けて、以下の4種
類のオリゴヌクレオチドをDNAシンセサイザーにより
合成した。
【0038】5'GATCACCATGAAATTCTT
AGTCAACGTTGCCCTCG3'(配列番号1) 5'TAAAAACAAGGGCAACGTTGACTA
AGAATTTCATGG 3'(配列番号2) 5'TTTTTATGGTCGTGTACATTTCTT
ACATCTATGCG3'(配列番号3) 5'GATCCGCATAGATGTAAGAAATGT
ACACGTCCA3'(配列番号4)
【0039】そして、オリゴヌクレオチドとの5’
末端をT4ポリヌクレオチドキナーゼ(東洋紡績)によ
りリン酸化した後、と、とをそれぞれ混合し、
65℃で5分間インキュベートした後、37℃で30分
間放置することによりそれぞれのオリゴヌクレオチドを
アニーリングさせて2本鎖DNAに変換した。次に、こ
れら2種類の2本鎖DNAをT4DNAリガーゼ(東洋
紡績)により連結した。得られたDNAは、両末端に制
限酵素BamHI切断部位と連結可能な配列を持つが、
その5’側末端は連結した後、再びBamHIで切断す
ることが出来ない。このようにして〜のオリゴヌク
レオチドを結合させて得られるDNA配列をT4ポリヌ
クレオチドキナーゼを用いてリン酸化した後、あらかじ
め制限酵素BamHIで消化しかつ切断末端をアルカリ
フォスファターゼ(ベーリンガー社)により脱リン酸化
したpAcYM1ベクターと連結することによりプラス
ミドpAc−Melを得た。
【0040】(3)組換えトランスファーベクターの作
製 図3に示すようにヒトIII型コラーゲン遺伝子を挿入し
た組換えトランスファーベクターを以下の(a)〜
(f)の手順によって作製した。 (a)上記(1)で得られた陽性ファージクローンDN
Aを制限酵素EcoRIで消化し、アガロース電気泳動
により目的とする5.4kbのヒトIII型コラーゲンα
1cDNA断片を分離・精製した。 (b)このDNA断片をあらかじめ制限酵素EcoRI
で消化しかつ、アルカリフォスファターゼでリン酸基を
除去したプラスミドpUC118(宝酒造)と混合し、
T4DNAリガーゼで結合してプラスミドp3A1を得
た。 (c)オリゴヌクレオチド5'ATTATTTTGGCA
CAAGATCTTCAGGAAGCTGTTG3'(配
列番号5)をDNAシンセサイザーにより合成した。こ
の配列は、配列番号6のヒトIII型α1鎖・mRNA
(cDNA)の塩基番号160から188の塩基配列に
対応し、さらに下線で示すように制限酵素BglIIによ
って認識される配列を挿入したものである。このオリゴ
ヌクレオチドの5’末端をT4ポリヌクレオチドキナー
ゼを用いてリン酸化し、これをプライマーとして、イン
ビトロミュータジェネシスキット(アマシャム社)を用
いて、部位特異的突然変異法(Nucleic Acids Researc
h, 14, 9679 (1986))により、プラスミドp3A1に制
限酵素BglIIの切断部位を導入した。
【0041】(d)次に、上記(c)で作製されたプラ
スミドp3A1−Bを制限酵素KpnIで切断した後、
配列番号6の配列の塩基番号4550の制限酵素Nde
I切断部位に対応する部位のみが消化されるようにNd
eIによって部分消化を行った。これによって生ずる
7.66KbのDNA断片をアガロース電気泳動によっ
て分離・精製し、さらにその両末端をT4DNAポリメ
ラーゼ(東洋紡績)で平滑末端にした後、T4DNAリ
ガーゼにより環状化してプラスミドp3A1−3Dを得
た。このプラスミドp3A1−3Dはプラスミドp3A
1からcDNAの3’非翻訳領域の大部分を除いたもの
となる。 (e)得られたプラスミドp3A1−3Dを制限酵素B
glIIで消化した後、プラスミドpUC118に由来す
る制限酵素BamHI認識部位のみが切断されるように
部分消化を行い、アガロース電気泳動により4.4kb
のDNA断片を分離・精製した。 (f)上記(e)の4.4KbDNA断片を、あらかじ
め制限酵素BamHIで切断しリン酸基を除去したpA
c−Melと混合し、T4DNAリガーゼで結合した。
その結果ヒトIII型α1cDNA断片がpAc−Mel
のポリヘドリンプロモーターと同一の転写方向でその直
下に挿入されたプラスミドpAc3A1を得た。ここに
得られたトランスファーベクターpAc3A1は、ヒト
III型α1鎖のシグナル配列を除くアミノプロペプチド
からカルボキシルプロペプチドまでの領域をコードする
塩基配列を有する。
【0042】(4)組換えウイルスの作製 上記(3)で得られたプラスミドpAc3A1のDNA
1μgと野生型AcMNPVのDNA100ngを8μ
lの滅菌水に溶解した後、8μlのリポフェクチン(ギ
ブコ社)と混合し、室温で15分放置した。これを、あ
らかじめ10%ウシ胎児血清を含むグレイス培地(ギブ
コ社)で培養した後培養液を無血清培地・SF900−
II(ギブコ社)に交換した1×106個のSf9細胞
に添加した。この細胞をさらに28℃で3日間培養した
後、培養上清を回収した。この培養上清の一部を、別途
培養してあるSf9細胞に感染させたのち、1%寒天を
含む上記培地を細胞上に重層し固化させた。培養3日
後、ウイルスの感染部位にプラークが生じる。pAc3
A1とAcMNPVとの間に相同組換えのおきたプラー
クはそのプラーク内の細胞が多角体を形成しないため透
明に見え、多角体が形成されて細胞が濁って見える野生
型ウイルス感染プラークと区別できる。この組換えのお
きたウイルスプラークの寒天部位を切り出して、組換ウ
イルスを回収した。ここに得られた組換えウイルスAc
3A1をさらに1×106個のSf9細胞に感染させ、
28℃で3日間培養し、この間に増殖して培養上清中に
遊離したAc3A1ウイルスを回収した。この感染操作
をもう一度繰り返して最終的に1×108個/mlの組
換えウイルスAc3A1の懸濁液を得た。
【0043】(5)ヒトIII型コラーゲンの発現 得られたAc3A1ウイルスを多重感染率が10になる
ように1×106個のSf9細胞に感染させ、さらにこ
の細胞を10%牛胎児血清を含むグレイス培地中で、2
8℃において42時間培養した後、細胞および培養液そ
れぞれよりタンパク質試料を調製した。 (a)培養器よりピペッティングで細胞をはがし、5,
000rpmで5分間遠心することにより細胞を沈澱さ
せ培養上清から分別した。沈澱させた細胞をさらに燐酸
緩衝液(PBS)で2回洗浄し、100μlの蒸留水に
懸濁した後、凍結融解により細胞を破砕し、タンパク質
を抽出した。 (b)細胞を沈澱させた培養上清を回収し、これに30
%飽和となるよう硫酸アンモニウムを加えて溶解させ
た。これを4℃で3時間静置した後、10,000g、
30分4℃で遠心分離し、タンパク質の沈澱物を得た。
この沈澱物をさらに0.5M酢酸に溶解して0.5M酢
酸に対して透析した後凍結乾燥した。この乾燥物に10
0μlの蒸留水を加えて溶解した。
【0044】(c)上記(a)、(b)に用いたのと同
数の細胞に、野生型AcMNPVを感染させ上記と同様
の方法で細胞、および培養上清からタンパク質を調製し
た。 上記(a)〜(c)のタンパク質試料20μlにそれぞ
れ20μlの2×SDS−サンプル緩衝液(0.25M
トリス塩酸緩衝液、pH6.8/4% SDS/10
% 2−メルカプトエタノール/20% グリセロー
ル)を加えて混合し5分間100℃で熱処理した。そし
て熱処理された上記試料の15μlをSDSポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動(Nature 227, 680-685(1970))
に供し、泳動後ゲルをクマシーブリリアントブルーによ
って蛋白染色した。同時にラット皮膚よりペプシンで抽
出されたIII型コラーゲンを分子量マーカーとして泳動
した。 分子量マーカー:αコラーゲン([α1(III)]、分
子量100KDa βコラーゲン([α1(III)]2)、分子量200KDa γコラーゲン([α1(III)]3)、分子量30KDa)。
【0045】その結果、図4に示す様に分子量150k
Daの位置に発現ベクターに由来すると推定されるタン
パク質のバンドを認めた。このタンパク質はその分子量
から、III型プロコラーゲン(プロα1(III))と推定
された。そしてこのタンパク質は細胞内にも培養上清中
にも認められたが、その量は細胞中に多かった。一方、
野生型AcMNPVウイルスを感染させた細胞からは、
このタンパク質を検出来なかった。また、上記の試料を
同様に電気泳動した後、Matsudairaらの方法(J.Biol.C
hem. 261,10035-10038(1987)の方法に準じて、泳動さ
れたタンパク質をニトロセルロース膜BA85(S&S
社)に転写した。 次に、タンパク質が転写されたニト
ロセルロース膜をブロッキング液(3% BSA/50
mM トリス塩酸緩衝液 pH7.5/150mM N
aCl)で4℃において16時間処理した後、ブロッキ
ング液で500倍に希釈した抗ヒト/ウシ・III型コラ
ーゲン抗体(LSL社)と室温で1時間反応させた。こ
の抗体が反応するタンパク質をベクタステイン社のAB
Cキットで検出したところ、上記の150kDaのタン
パク質がこの抗体と反応することが確認された。
【0046】さらに、このタンパク質を高純度のバクテ
リア・コラゲナーゼ(アドバンス・バイオファクチャー
社)で消化することを試みた。即ち上記の(a)〜
(c)のタンパク質試料の10μlを凍結乾燥し、コラ
ゲナーゼ反応液(50mM トリス塩酸緩衝液、pH
7.5/2mM CaCl2)に溶解した後、2単位の
コラゲナーゼを加え37℃で2時間処理した。処理後の
試料をSDS電気泳動に供し、タンパク質をクマシーブ
リリアントブルーにで染色をした結果、図5に示すよう
に細胞ならびに培養液中に認められた150kDaのタ
ンパク質はコラゲナーゼにより消化されたことが示され
た。以上の結果より、組換えウイルスAc3A1を感染
させたSf9細胞中に検出される150kDaのタンパ
ク質は、ヒトIII型α1cDNAの翻訳産物であるIII型
プロコラーゲンであると判断された。加えて野生型ウイ
ルスが感染した細胞にはコラーゲナーゼによって消化さ
れるタンパク質が検出されなかったことから、宿主細胞
Sf9はコラーゲン様タンパク質を全くあるいはごく微
量しか合成していないことが示され、本発明の発現ベク
ターによって導入されたコラーゲン遺伝子は優先的に翻
訳されることが示唆された。
【0047】(6)組換えコラーゲンにおける3重「ら
せん」構造の確認 生体内に存する正常なIII型コラーゲン分子は、ペプシ
ンやトリプシンなどのプロテアーゼによる消化を受けな
い「らせん」構造領域(分子量約100KDa)を有す
る。「らせん」領域にはジスルフィド結合が存在するた
め、非還元状態(メルカプトエタノール非存在下)で電
気泳動するとコラーゲン分子は3本鎖のまま泳動され分
子量が約300KDaの分子として検出される。また還
元状態(メルカプトエタノール存在下)では3本鎖が解
離した単量体の分子(分子量約100KDa)として検
出されるはずである。この原理を利用して組換えコラー
ゲンにおける3重「らせん」構造の確認を行った。
【0048】即ち、上記(5)の(a)のタンパク質試
料を凍結乾燥した後、これに0.5M酢酸に100μg
/mlの濃度で溶解したペプシンを加え、4℃で16時
間処理した。処理後試料を凍結乾燥して酢酸を除き、S
DS−サンプルバッファー(還元条件)あるいは、メル
カプトエタノールを含まないSDSサンプルバッファー
(非還元条件)に溶解した。これらのタンパク質試料を
上記(5)に記載の方法で電気泳動し、クマシーブリリ
アントブルーによるタンパク質染色を行った。その結果
図6のAに示す通り、還元条件で電気泳動を行った場合
には、ペプシン処理前に150KDaであったバンドが
ペプシン処理によって消失し新たに100KDaのバン
ドが出現した。
【0049】この分子量の変化はプロα1(III)からプ
ロペプチドおよびテロペプチドが分解除去されてα1
(III)分子に変換されたことを示す。そして、コラー
ゲン分子が1本鎖で存在する場合はプロペプチド、テロ
ペプチド以外の配列も全てペプシンで完全に消化される
ことが知られているから、以上の結果は、発現ベクター
によって合成されたコラーゲンは1本鎖ではなく、また
その分子内部にペプシンに耐性な分子構造、即ち3重
「らせん」構造を有していることが推定される。さらに
図6のBに示すように非還元状態において電気泳動を行
うと実際に3本鎖分子が検出された。そしてこの3本鎖
分子はペプシンによりその分子量が450KDaから3
00KDaへ変化した。この変化はプロコラーゲン3本
鎖([プロα1(III)]3)がアテロコラーゲン3本鎖([α
1(III)]3に変換されたことを意味する。以上の結果か
ら、本発明の発現ベクターはそれが感染した細胞におい
て、生体内と同等な3本鎖構造を有するコラーゲンを生
産させる能力を持つことが示された。
【0050】(7)組換えコラーゲンの精製 上記(6)において本発明の発現ベクターが生体内と同
等な3本鎖コラーゲンを合成する能力を有することを示
したが、上記ベクターが感染したSf9細胞においては
それ以外の分子構造を持つ、おそらく修飾反応を不完全
に受けたコラーゲン分子も存在すると推定される。すな
わち図6のBに示す非還元状態では、3本鎖分子以外に
150KDa(ペプシン未処理)および100KDa
(ペプシン処理後)のバンドが検出されている。そこ
で、本発明が目的とする3本鎖状態のコラーゲンは次の
ようにして簡単に精製することができる。
【0051】2×108個のSf9細胞に多重感染率が
2−10になるようにAc3A1ウイルスを感染させ、
100mlのグレイス培地(10%牛胎児血清及び0.
1%プルロニックF−68を含む)に懸濁し、スピナー
フラスコに移した。これを40−50rpmで、28℃
において42時間スピナー培養した。遠心により細胞を
集め、PBSで2回洗浄した後、10mlの0.5Mの
酢酸に懸濁した。そして超音波処理により細胞を破砕
し、1mgのペプシンを加え4℃で24時間消化した。
次にこの溶液を10、000g 30分遠心して不溶性
物質を除去し上清を得た。この上清に、最終濃度で0.
7MとなるようにNaClを加え、4℃で16時間放置
した後、遠心操作によりコラーゲンの沈澱を集めた。コ
ラーゲンの沈澱を2mlの0.5Mの酢酸に溶解し、さ
らに0.02MのNa2HPO4に対して透析することに
よりコラーゲンを再び沈澱させた。遠心によりコラーゲ
ンを集め、再び0.5Mの酢酸に溶解した。以上の沈澱
と溶解のサイクルをもう一度繰り返し、最終的に2×1
8個の細胞から100〜500μgのコラーゲン標品
を得た。
【0052】この標品を非還元条件化でSDSポリアク
リルアミドゲル電気泳動したところ、図7に示すよう
に、分子量の指標となる精製ラットIII型コラーゲンの
3本鎖分子と一致する分子量のコラーゲンが検出され
た。そして低分子のコラーゲンは除去された。またラッ
ト生体組織から抽出されたコラーゲンに見られる架橋を
有するコラーゲンも上記精製物には検出されなかった。
即ち以上の精製操作により、ほとんどの分子がジスルフ
ィド結合によって結合している3本鎖分子であることが
示された。よって、生体内に存するのと同等な3本鎖コ
ラーゲンが比較的簡単な操作により、大量に得ることが
可能であることが示された。
【0053】
【発明の効果】本発明は次のような効果を有する。 (1)本発明において用いられる昆虫細胞は、ヒト線維
芽様細胞と類似したコラーゲンタンパク質の翻訳後修飾
能力を備えているため、導入された遺伝子によって合成
されるコラーゲンが生体内と同様な安定な3本鎖分子と
して形成されることを可能とする。 (2)本発明において用いられる宿主細胞由来のコラー
ゲンの合成は殆ど認められない。従って、ウイルスベク
ターによって導入された遺伝子に由来するコラーゲンの
みが選択的に宿主細胞で合成され、異種動物のコラーゲ
ンとの分離・精製が不要になるという従来の方法にはみ
られない効果を有する。 (3)本発明の方法によって合成される3本鎖コラーゲ
ンは、細胞外に分泌されるばかりでなく多量に細胞内に
蓄積される。従来の方法で用いられる線維芽細胞では殆
どの3本鎖コラーゲンは分泌されるため、培養液中に分
泌され希釈された少量のコラーゲンを濃縮後精製する必
要があった。さらに、発現されたコラーゲンは3本鎖分
子間に共有結合性の架橋結合を持たないため、精製に先
だって不溶化したコラーゲンを可溶化するという操作を
省くことができる。よって、コラーゲンを細胞内から直
接抽出することが可能となり、目的物の精製操作を簡便
化出来るという効果がある。
【0054】
【配列表】
【0055】配列番号:1 配列の長さ:35 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GATCACCATG AAATTCTTAG TCAACGTTGC CCTCG 35
【0056】配列番号:2 配列の長さ:36 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 TAAAAACAAG GGCAACGTTG ACTAAGAATT TCATGG 36
【0057】配列番号:3 配列の長さ:35 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 TTTTTATGGT CGTGTACATT TCTTACATCT ATGCG 35
【0058】配列番号:4 配列の長さ:33 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GATCCGCATA GATGTAAGAA ATGTACACGT CCA 33
【0059】配列番号:5 配列の長さ:34 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 ATTATTTTGG CACAAGATCT TCAGGAAGCT GTT
G 34
【0060】配列番号:6 配列の長さ:5460 配列の型:核酸 鎖の数:2本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDANA to mRNA 配列 CGGGCCCGGT GCTGAAGGGC AGGGAACAAC TTGATGGTGC TACTTTGAAC TGCTTTTCTT 60 TTCTCCTTTT TGCACAAAGA GTCTCATGTC TGATATTTAG ACATGATGAG CTTTGTGCAA 120 AAGGGGAGCT GGCTACTTCT CGCTCTGCTT CATCCCACTA TTATTTTGGC ACAACAGGAA 180 GCTGTTGAAG GAGGATGTTC CCATCTTGGT CAGTCCTATG CGGATAGAGA TGTCTGGAAG 240 CCAGAACCAT GCCAAATATG TGTCTGTGAC TCAGGATCCG TTCTCTGCGA TGACATAATA 300 TGTGACGATC AAGAATTAGA CTGCCCCAAC CCAGAAATTC CATTTGGAGA ATGTTGTGCA 360 GTTTGCCCAC AGCCTCCAAC TGCTCCTACT CGCCCTCCTA ATGGTCAAGG ACCTCAAGGC 420 CCCAAGGGAG ATCCAGGCCC TCCTGGTATT CCTGGGAGAA ATGGTGACCC TGGTATTCCA 480 GGACAACCAG GGTCCCCTGG TTCTCCTGGC CCCCCTGGAA TCTGTGAATC ATGCCCTACT 540 GGTCCTCAGA ACTATTCTCC CCAGTATGAT TCATATGATG TCAAGTCTGG AGTAGCAGTA 600 GGAGGACTCG CAGGCTATCC TGGACCAGCT GGCCCCCCAG GCCCTCCCGG TCCCCCTGGT 660 ACATCTGGTC ATCCTGGTTC CCCTGGATCT CCAGGATACC AAGGACCCCC TGGTGAACCT 720 GGGCAAGCTG GTCCTTCAGG CCCTCCAGGA CCTCCTGGTG CTATAGGTCC ATCTGGTCCT 780 GCTGGAAAAG ATGGAGAATC AGGTAGACCC GGACGACCTG GAGAGCGAGG ATTGCCTGGA 840 CCTCCAGGTA TCAAAGGTCC AGCTGGGATA CCTGGATTCC CTGGTATGAA AGGACACAGA 900 GGCTTCGATG GACGAAATGG AGAAAAGGGT GAAACAGGTG CTCCTGGATT AAAGGGTGAA 960 AATGGTCTTC CAGGCGAAAA TGGAGCTCCT GGACCCATGG GTCCAAGAGG GGCTCCTGGT 1020 GAGCGAGGAC GGCCAGGACT TCCTGGGGCT GCAGGTGCTC GGGGTAATGA CGGTGCTCGA 1080 GGCAGTGATG GTCAACCAGG CCCTCCTGGT CCTCCTGGAA CTGCCGGATT CCCTGGATCC 1140 CCTGGTGCTA AGGGTGAAGT TGGACCTGCA GGGTCTCCTG GTTCAAATGG TGCCCCTGGA 1200 CAAAGAGGAG AACCTGGACC TCAGGGACAC GCTGGTGCTC AAGGTCCTCC TGGCCCTCCT 1260 GGGATTAATG GTAGTCCTGG TGGTAAAGGC GAAATGGGTC CCGCTGGCAT TCCTGGAGCT 1320 CCTGGACTGA TGGGAGCCCG GGGTCCTCCA GGACCAGCCG GTGCTAATGG TGCTCCTGGA 1380 CTGCGAGGTG GTGCAGGTGA GCCTGGTAAG AATGGTGCCA AAGGAGAGCC CGGACCACGT 1440 GGTGAACGCG GTGAGGCTGG TATTCCAGGT GTTCCAGGAG CTAAAGGCGA AGATGGCAAG 1500 GATGGATCAC CTGGAGAACC TGGTGCAAAT GGGCTTCCAG GAGCTGCAGG AGAAAGGGGT 1560 GCCCCTGGGT TCCGAGGACC TGCTGGACCA AATGGCATCC CAGGAGAAAA GGGTCCTGCT 1620 GGAGAGCGTG GTGCTCCAGG CCCTGCAGGG CCCAGAGGAG CTGCTGGAGA ACCTGGCAGA 1680 GATGGCGTCC CTGGAGGTCC AGGAATGAGG GGCATGCCCG GAAGTCCAGG AGGACCAGGA 1740 AGTGATGGGA AACCAGGGCC TCCCGGAAGT CAAGGAGAAA GTGGTCGACC AGGTCCTCCT 1800 GGGCCATCTG GTCCCCGAGG TCAGCCTGGT GTCATGGGCT TCCCCGGTCC TAAAGGAAAT 1860 GATGGTGCTC CTGGTAAGAA TGGAGAACGA GGTGGCCCTG GAGGACCTGG CCCTCAGGGT 1920 CCTCCTGGAA AGAATGGTGA AACTGGACCT CAAGGACCCC CAGGGCCTAC TGGGCCTGGT 1980 GGTGACAAAG GAGACACAGG ACCCCCTGGT CCACAAGGAT TACAAGGCTT GCCTGGTACA 2040 GGTGGTCCTC CAGGAGAAAA TGGAAAACCT GGGGAACCAG GTCCAAAGGG TGATGCCGGT 2100 GCACCTGGAG CTCCAGGAGG CAAGGGTGAT GCTGGTGCCC CTGGTGAACG TGGACCTCCT 2160 GGATTGGCAG GGGCCCCAGG ACTTAGAGGT GGAGCTGGTC CCCCTGGTCC CGAAGGAGGA 2220 AAGGGTGCTG CTGGTCCTCC TGGGCCACCT GGTGCTGCTG GTACTCCTGG TCTGCAAGGA 2280 ATGCCTGGAG AAAGAGGAGG TCTTGGAAGT CCTGGTCCAA AGGGTGACAA GGGTGAACCA 2340 GGCGGCCCAG GTGCTGATGG TGTCCCAGGG AAAGATGGCC CAAGGGGTCC TACTGGTCCT 2400 ATTGGTCCTC CTGGCCCAGC TGGCCAGCCT GGAGATAAGG GTGAAGGTGG TGCCCCCGGA 2460 CTTCCAGGTA TAGCTGGACC TCGTGGTAGC CCTGGTGAGA GAGGTGAAAC TGGCCCTCCA 2520 GGACCTGCTG GTTTCCCTGG TGCTCCTGGA CAGAATGGTG AACCTGGTGG TAAAGGAGAA 2580 AGAGGGGCTC CGGGTGAGAA AGGTGAAGGA GGCCCTCCTG GAGTTGCAGG ACCCCCTGGA 2640 GGTTCTGGAC CTGCTGGTCC TCCTGGTCCC CAAGGTGTCA AAGGTGAACG TGGCAGTCCT 2700 GGTGGACCTG GTGCTGCTGG CTTCCCTGGT GCTCGTGGTC TTCCTGGTCC TCCTGGTAGT 2760 AATGGTAACC CAGGACCCCC AGGTCCCAGC GGTTCTCCAG GCAAGGATGG GCCCCCAGGT 2820 CCTGCGGGTA ACACTGGTGC TCCTGGCAGC CCTGGAGTGT CTGGACCAAA AGGTGATGCT 2880 GGCCAACCAG GAGAGAAGGG ATCGCCTGGT GCCCAGGGCC CACCAGGAGC TCCAGGCCCA 2940 CTTGGGATTG CTGGGATCAC TGGAGCACGG GGTCTTGCAG GACCACCAGG CATGCCAGGT 3000 CCTAGGGGAA GCCCTGGCCC TCAGGGTGTC AAGGGTGAAA GTGGGAAACC AGGAGCTAAC 3060 GGTCTCAGTG GAGAACGTGG TCCCCCTGGA CCCCAGGGTC TTCCTGGTCT GGCTGGTACA 3120 GCTGGTGAAC CTGGAAGAGA TGGAAACCCT GGATCAGATG GTCTTCCAGG CCGAGATGGA 3180 TCTCCTGGTG GCAAGGGTGA TCGTGGTGAA AATGGCTCTC CTGGTGCCCC TGGCGCTCCT 3240 GGTCATCCAG GCCCACCTGG TCCTGTCGGT CCAGCTGGAA AGAGTGGTGA CAGAGGAGAA 3300 AGTGGCCCTG CTGGCCCTGC TGGTGCTCCC GGTCCTGCTG GTTCCCGAGG TGCTCCTGGT 3360 CCTCAAGGCC CACGTGGTGA CAAAGGTGAA ACAGGTGAAC GTGGAGCTGC TGGCATCAAA 3420 GGACATCGAG GATTCCCTGG TAATCCAGGT GCCCCAGGTT CTCCAGGCCC TGCTGGTCAG 3480 CAGGGTGCAA TCGGCAGTCC AGGACCTGCA GGCCCCAGAG GACCTGTTGG ACCCAGTGGA 3540 CCTCCTGGCA AAGATGGAAC CAGTGGACAT CCAGGTCCCA TTGGACCACC AGGGCCTCGA 3600 GGTAACAGAG GTGAAAGAGG ATCTGAGGGC TCCCCAGGCC ACCCAGGGCA ACCAGGCCCT 3660 CCTGGACCTC CTGGTGCCCC TGGTCCTTGC TGTGGTGGTG TTGGAGCCGC TGCCATTGCT 3720 GGGATTGGAG GTGAAAAAGC TGGCGGTTTT GCCCCGTATT ATGGAGATGA ACCAATGGAT 3780 TTCAAAATCA ACACCGATGA GATTATGACT TCACTCAAGT CTGTTAATGG ACAAATAGAA 3840 AGCCTCATTA GTCCTGATGG TTCTCGTAAA AACCCCGCTA GAAACTGCAG AGACCTGAAA 3900 TTCTGCCATC CTGAACTCAA GAGTGGAGAA TACTGGGTTG ACCCTAACCA AGGATGCAAA 3960 TTGGATGCTA TCAAGGTATT CTGTAATATG GAAACTGGGG AAACATGCAT AAGTGCCAAT 4020 CCTTTGAATG TTCCACGGAA ACACTGGTGG ACAGATTCTA GTGCTGAGAA GAAACACGTT 4080 TGGTTTGGAG AGTCCATGGA TGGTGGTTTT CAGTTTAGCT ACGGCAATCC TGAACTTCCT 4140 GAAGATGTCC TTGATGTGCA GCTGGCATTC CTTCGACTTC TCTCCAGCCG AGCTTCCCAG 4200 AACATCACAT ATCACTGCAA AAATAGCATT GCATACATGG ATCAGGCCAG TGGAAATGTA 4260 AAGAAGGCCC TGAAGCTGAT GGGGTCAAAT GAAGGTGAAT TCAAGGCTGA AGGAAATAGC 4320 AAATTCACCT ACACAGTTCT GGAGGATGGT TGCACGAAAC ACACTGGGGA ATGGAGCAAA 4380 ACAGTCTTTG AATATCGAAC ACGCAAGGCT GTGAGACTAC CTATTGTAGA TATTGCACCC 4440 TATGACATTG GTGGTCCTGA TCAAGAATTT GGTGTGGACG TTGGCCCTGT TTGCTTTTTA 4500 TAAACCAAAC TCTATCTGAA ATCCCAACAA AAAAAATTTA ACTCCATATG TGTTCCTCTT 4560 GTTCTAATCT TGTCAACCAG TGCAAGTGAC CGACAAAATT CCAGTTATTT ATTTCCAAAA 4620 TGTTTGGAAA CAGTATAATT TGACAAAGAA AAATGATACT TCTCTTTTTT TGCTGTTCCA 4680 CCAAATACAA TTCAAATGCT TTTTGTTTTA TTTTTTTACC AATTCCAATT TCAAAATGTC 4740 TCAATGGTGC TATAATAAAT AAACTTCAAC ACTCTTTATG ATAACAACAC TGTGTTATAT 4800 TCTTTGAATC CTAGCCCATC TGCAGAGCAA TGACTGTGCT CACCAGTAAA AGATAACCTT 4860 TCTTTCTGAA ATAGTCAAAT ACGAAATTAG AAAAGCCCTC CCTATTTTAA CTACCTCAAC 4920 TGGTCAGAAA CACAGATTGT ATTCTATGAG TCCCAGAAGA TGAAAAAAAT TTTATACGTT 4980 GATAAAACTT ATAAATTTCA TTGATTAATC TCCTGGAAGA TTGGTTTAAA AAGAAAAGTG 5040 TAATGCAAGA ATTTAAAGAA ATATTTTTAA AGCCACAATT ATTTTAATAT TGGATATCAA 5100 CTGCTTGTAA AGGTGCTCCT CTTTTTTCTT GTCATTGCTG GTCAAGATTA CTAATATTTG 5160 GGAAGGCTTT AAAGACGCAT GTTATGGTGC TAATGTACTT TCACTTTTAA ACTCTAGATC 5220 AGAATTGTTG ACTTGCATTC AGAACATAAA TGCACAAAAT CTGTACATGT CTCCCATCAG 5280 AAAGATTCAT TGGCATGCCA CAGGGATTCT CCTCCTTCAT CCTGTAAAGG TCAACAATAA 5340 AAACCAAATT ATGGGGCTGC TTTTGTCACA CTAGCATAGA GAATGTGTTG AAATTTAACT 5400 TTGTAAGCTT GTATGTGGTT GTTGATCTTT TTTTTCCTTA CAGACACCCA TAATAAAATA 5460
【図面の簡単な説明】
【図1】 III型コラーゲンcDNAの制限酵素地図を
示す図である。
【図2】 プラスミドpAc−Melの作製方法を示す
図である。
【図3】 トランスファーベクターpAc3A1の作製
方法を示す図である。
【図4】 組換えコラーゲンの電気泳動像を示す図であ
る。Aはタンパク質染色である。Bは抗体との反応性を
示す図である。
【図5】 コラーゲナーゼ処理した組み替えコラーゲン
の電気泳動像を示す図である。
【図6】 ペプシン消化した組換えコラーゲンの電気泳
動像を示す図である。Aは還元条件下、Bは非還元条件
下で泳動した結果である。
【図7】 精製された組換えコラーゲンの電気泳動像を
示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 21/02 C12R 1:91) (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12N 5/00 B C12R 1:91) (72)発明者 加藤 俊康 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 宿主にヒト・コラーゲン産生能を与える
    発現ベクターであって、コラーゲン分子中のプロリン残
    基を水酸化する能力を備えた昆虫細胞に対して感染可能
    なウイルスDNAと、ヒト・コラーゲンcDNAとを有
    することを特徴とするヒト・コラーゲン発現ベクター。
  2. 【請求項2】 上記宿主がSf9細胞である請求項1に
    記載のヒト・コラーゲン発現ベクター。
  3. 【請求項3】 上記ウイルスがバキュロウイルスである
    請求項1または2に記載のヒト・コラーゲン発現ベクタ
    ー。
  4. 【請求項4】 上記ヒト・コラーゲンがIII型コラーゲ
    ンである請求項1〜3のいずれかに記載のヒト・コラー
    ゲン発現ベクター。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の発現ベクターを、コラ
    ーゲン分子中のプロリン残基を水酸化する能力を有する
    昆虫細胞に感染させることにより、タンパク質を生産さ
    せることを特徴とするヒト・コラーゲンの製造方法。
  6. 【請求項6】 上記タンパク質が以下の特性〜を有
    する請求項5に記載のヒト・コラーゲンの製造方法。 バクテリアコラゲナーゼによって消化される 3本のポリペプチド鎖が会合した3本鎖分子である 3本鎖分子内に、ペプシンに耐性のポリペプチド部分
    を有する 3本鎖分子間に共有結合性の架橋構造を有しない
JP6164433A 1994-07-15 1994-07-15 ヒト・コラーゲン発現ベクターおよびヒト・コラーゲンの製造方法 Pending JPH0823979A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6164433A JPH0823979A (ja) 1994-07-15 1994-07-15 ヒト・コラーゲン発現ベクターおよびヒト・コラーゲンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6164433A JPH0823979A (ja) 1994-07-15 1994-07-15 ヒト・コラーゲン発現ベクターおよびヒト・コラーゲンの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0823979A true JPH0823979A (ja) 1996-01-30

Family

ID=15793074

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6164433A Pending JPH0823979A (ja) 1994-07-15 1994-07-15 ヒト・コラーゲン発現ベクターおよびヒト・コラーゲンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0823979A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998018918A1 (en) * 1996-10-29 1998-05-07 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Stable expression of triple helical proteins
US6277600B1 (en) 1998-09-07 2001-08-21 Terumo Kabushiki Kaisha Trimeric chimera protein and collagen matrix containing chimera protein
JP2002315580A (ja) * 2001-04-18 2002-10-29 Japan Science & Technology Corp ヒト・コラーゲンを産生する形質転換カイコ
WO2003035126A1 (fr) * 2001-10-09 2003-05-01 Techno Network Shikoku Co., Ltd. Procede de production de materiau biologique, medicament, aliment, instrument medical, instrument de culture cellulaire et materiau a induction tissulaire
WO2004020470A1 (ja) * 2002-08-28 2004-03-11 Tissue Engineering Initiative Co., Ltd. システインプロテアーゼ処理コラーゲンの製造方法およびシステインプロテアーゼ処理コラーゲン
CN100335631C (zh) * 1996-10-29 2007-09-05 联邦科学及工业研究组织 三股螺旋蛋白的稳定表达
WO2010074081A1 (ja) 2008-12-22 2010-07-01 国立大学法人北海道大学 三重螺旋構造を有するタンパク質、およびその製造方法
EP2383338A1 (en) 2005-03-31 2011-11-02 Fuso Pharmaceutical Industries, Ltd. Process for production of human type III collagen
JP2016514708A (ja) * 2013-03-21 2016-05-23 コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガナイゼーション 三重らせんタンパク質の精製
US11697679B2 (en) 2017-11-14 2023-07-11 University Of Tsukuba Modified collagen protein and application of same

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6451557B1 (en) 1996-10-29 2002-09-17 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Method for producing, in yeast, a hydroxylated triple helical protein, and yeast host cells useful in said method
CN100335631C (zh) * 1996-10-29 2007-09-05 联邦科学及工业研究组织 三股螺旋蛋白的稳定表达
WO1998018918A1 (en) * 1996-10-29 1998-05-07 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Stable expression of triple helical proteins
US6277600B1 (en) 1998-09-07 2001-08-21 Terumo Kabushiki Kaisha Trimeric chimera protein and collagen matrix containing chimera protein
JP2002315580A (ja) * 2001-04-18 2002-10-29 Japan Science & Technology Corp ヒト・コラーゲンを産生する形質転換カイコ
WO2002086119A1 (fr) * 2001-04-18 2002-10-31 Japan Science And Technology Corporation Ver a soie transforme produisant du collagene humain
WO2003035126A1 (fr) * 2001-10-09 2003-05-01 Techno Network Shikoku Co., Ltd. Procede de production de materiau biologique, medicament, aliment, instrument medical, instrument de culture cellulaire et materiau a induction tissulaire
WO2004020470A1 (ja) * 2002-08-28 2004-03-11 Tissue Engineering Initiative Co., Ltd. システインプロテアーゼ処理コラーゲンの製造方法およびシステインプロテアーゼ処理コラーゲン
EP2383338A1 (en) 2005-03-31 2011-11-02 Fuso Pharmaceutical Industries, Ltd. Process for production of human type III collagen
EP2390326A1 (en) 2005-03-31 2011-11-30 Fuso Pharmaceutical Industries Ltd. Process of producing human type II collagen
WO2010074081A1 (ja) 2008-12-22 2010-07-01 国立大学法人北海道大学 三重螺旋構造を有するタンパク質、およびその製造方法
KR20110119650A (ko) 2008-12-22 2011-11-02 국립대학법인 홋가이도 다이가쿠 3중 나선구조를 갖는 단백질 및 그의 제조방법
US8470555B2 (en) 2008-12-22 2013-06-25 National University Corporation Hokkaido University Protein substance having triple helix structure and manufacturing method therefor
JP2016514708A (ja) * 2013-03-21 2016-05-23 コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガナイゼーション 三重らせんタンパク質の精製
EP2976352B1 (en) 2013-03-21 2021-08-18 Evonik Operations GmbH Purification of triple helical proteins
US11697679B2 (en) 2017-11-14 2023-07-11 University Of Tsukuba Modified collagen protein and application of same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN111944057B (zh) 一种重组人胶原蛋白肽及其应用
AU729880B2 (en) Recombinant vascular endothelial cell growth factor D (VEGF-D)
Robson et al. Characterization of lamprin, an unusual matrix protein from lamprey cartilage. Implications for evolution, structure, and assembly of elastin and other fibrillar proteins.
JPH04503206A (ja) ポリペプチドおよびこれをコードするdna
AU724706B2 (en) Novel procollagens
TW458984B (en) Novel mutant hIL-4 proteins as antagonists or partial agonists of human interleukin 4
US20080081353A1 (en) Production of recombinant human collagen
JPS61500251A (ja) ヘテロポリマ−系蛋白質
KR950001992B1 (ko) 배양된 세포내에서 바쿨로바이러스 벡터를 이용한 펩타이드의 제조방법
WO1994001557A1 (en) Bone formation-inducing protein
US6277600B1 (en) Trimeric chimera protein and collagen matrix containing chimera protein
KR100397244B1 (ko) 거핵구분화인자
Grover et al. The gene organization, chromosome location, and expression of a 55-kDa matrix protein (PRELP) of human articular cartilage
JPH0823979A (ja) ヒト・コラーゲン発現ベクターおよびヒト・コラーゲンの製造方法
SK156397A3 (en) Novel variants of apolipoprotein a-i and a pharmaceutical composition containing same
EP0892047A2 (de) Humanes und murines Semaphorin L
US20070083940A1 (en) Transformed silkworm producing human collagen
JPH01180900A (ja) 細胞接着活性ポリペプチド
DE19904800C1 (de) Partikel zur Gentherapie
JPS61129200A (ja) 新規な白血球インタ−フエロン
JP2002325584A (ja) 組換えヒトiv型コラーゲンペプチドとその製造方法
Wang et al. In vivo analysis of fibroin heavy chain signal peptide of silkworm Bombyx mori using recombinant baculovirus as vector
CA2560161A1 (en) Production of recombinant human collagen
KR970001236B1 (ko) 형질전환 성장인자 β2의 클로닝 및 발현
JPH02156896A (ja) 日本脳炎ウイルスの非構成蛋白質の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050510

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050928