JP6000130B2 - 新規なシグナルペプチドおよび組換えタンパク質の生成のためのその使用 - Google Patents
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Description
シグナルペプチドは、タンパク質を、それが成熟する粗面小胞体(RER)に進める。よって、タンパク質の合成の間に、「シグナル認識粒子」(SRP)が、シグナルペプチド(受容体-リガンド結合)と、シグナルペプチドが出現するリボソームとの両方に結合する。SRP/リボソーム複合体は、次いで、小胞体の表面に、膜受容体であるSRP受容体(それ自体は転位チャネル(PCC)に結合している)により動員される。この事象の間に、SRPが伸長因子であるeEF-1およびeEF-2のアクセスを遮断するので、タンパク質の合成は停止される。この動員の後に、GTPがGDPおよびPiに加水分解され、SRP粒子が放出される。
この合成の間に、分泌を意図するタンパク質は、それらのシグナルペプチド(これは、膜への挿入部位としてのα-ヘリックス形を持続する)を保持し、このことにより、BIPのようなシャペロンタンパク質が、その折り畳みを確実にするために、合成されているポリペプチド鎖に結合することが可能になる。グリコシル化のような翻訳後修飾は、ERにおいて開始し、ゴルジにおいて完了し、ここでグリカンは成熟する。
例えば、あるいくつかの異種タンパク質は、宿主細胞の生存または増殖にとって毒性であり、あるいくつかのその他のものは毒性でないが宿主細胞の増殖を阻害する。これらの場合では、このような毒性タンパク質の分泌は、細胞外媒体に向かい、異種組換えタンパク質の発現に連結した毒性または増殖阻害を回避することができる。
さらに、全てのシグナルペプチドが同じ分泌力を有するのではないことに鑑みて、分泌されうるタンパク質の内因性シグナルペプチドは、問題のタンパク質の工業的生産のために常に十分に効率的なわけではない。
(X1)iX2X3X4SX5X6X7
(式中、(3ペプチドを含む)
- X1は、3〜6つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、iは、0または1に等しく、
- X2は、3〜9つまでの疎水性アミノ酸を含有するペプチドであり、
- X3は、少なくとも3つの連続または非連続ロイシンを含む3〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X4は、Ala、Thr、Ser、Gln、Ile、Metから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X5は、AlaまたはValであり、
- X6は、Gln、AsnまたはHisであり、
- X7は、AlaまたはCysである)
を含むが、但し、
- 上記のシグナルペプチドが、特定のタンパク質の天然前駆体を起源とする場合、上記の興味対象のポリペプチドは、該タンパク質とは異なり、
- シグナルペプチドが、MAWVWTLLFLMAAAQSAQAである場合、上記の興味対象のポリペプチドは、抗CD23抗体ではなく、
細胞外媒体に分泌されるために、いずれの興味対象のポリペプチドも上記のシグナルペプチドの1つと結合できる、
シグナルペプチドの使用である。
本発明による上記のシグナルペプチドは、好ましくは、興味対象のポリペプチドのN末端の端に位置する。
シグナルペプチドの使用は、興味対象のポリペプチドの分泌割合を増加させることを可能にする。本発明で用いるシグナルペプチドは、特定のタンパク質と天然に会合しているシグナルペプチドとは異なることに注意されたい。
上記のシグナルペプチドは、天然シグナルペプチドを用いて分泌された興味対象の組換えポリペプチドの量と少なくとも等しい量で分泌される該ポリペプチドを生成することを可能にする。
さらに、本発明によるシグナルペプチドを用いて生成されるこのような興味対象のポリペプチドは、その天然シグナルペプチドにより生成される興味対象のポリペプチドの生物活性を保持する。
本発明によるシグナルペプチドは、興味対象の組換えポリペプチドを、インビボ発現系、例えばトランスジェニック動物、例えばヤギ、ヒツジ、バイソン、ラクダ、ウシ、ブタ、ウサギ、ウマ、ラット、マウスまたはラマにおいて生成することも可能にできる。
M(X1)iX2X3X4SX5X6X7
(式中、X1、i、X2、X3、X4、X5、X6およびX7は、式Iにおいて示す意味を有する)
で表される使用に関する。
「3つの連続ロイシン」により、次々に連続的かつ直接結合した3つのロイシン(他のアミノ酸はこれら3つのロイシンの間に挿入されない)を意味する。
「3つの非連続ロイシン」により、3つのロイシンのうちの少なくとも1つが他の2つのロイシンのうちの1つと直接結合しておらず、ロイシンとは異なる少なくとも1つのアミノ酸が、3つのロイシンのうちの少なくとも2つの間に挿入されていることを意味する。
例えば、3つの非連続ロイシンは、互いに直接かつ連続的に結合している2つのロイシンを含むことができ、3つ目のロイシンはこれらの2つのロイシンにロイシンとは異なる少なくとも1つのアミノ酸を介して結合している。
例えば、3つの非連続ロイシンは、ロイシンとは異なる少なくとも1つのアミノ酸により互いに分けられていることもできる。言い換えると、これらの3つのロイシンは、各ロイシンの間に位置するロイシンとは異なる少なくとも1つのアミノ酸により互いに結合している。
- X1、X2およびX4は、式Iにおいて示す意味を有し、
- i = 1、
- X3は、Ln (式中、nは、ロイシンの数であり、nは、3以上の数である)で表されるロイシンで構成されるペプチドであり、
- X4は、Ala、Thr、Ser、Gln、Ileから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X5は、Alaであり、
- X6は、GlnまたはAsnであり、
- X7は、Alaであり、
上記のペプチドが、次のアミノ酸配列:X1X2LnX4SAX6Aを含む使用に関する。
- X1およびX2は、式Iにおいて示す意味を有し、
- i = 1、
- X3は、3つの非連続ロイシン(そのうち2つのロイシンは、Gly、Ala、Val、Ile、Pro、Phe、Trpから選択される別の疎水性アミノ酸により分けられている)を含むペプチドであり、
- X4は、Ala、Thr、Ser、Gln、Ileから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X5は、Valであり、
- X6は、Hisであり、
- X7は、Cysであり、
上記のペプチドが、次のアミノ酸配列:X1X2X3X4SVHCを含む使用に関する。
- X1、X2およびX4は、式Iにおいて示す意味を有し、
- i = 0、
- X3は、3つの非連続ロイシン(そのうち2つのロイシンは、Gly、Ala、Val、Ile、Pro、Phe、Trpから選択される別の疎水性アミノ酸により分けられている)を含むペプチドであり、
- X5は、Alaであり、
- X6は、Glnであり、
- X7は、Alaであり、
上記のペプチドが、次のアミノ酸配列:X2X3X4SAQAを含む使用に関する。
有利には、本発明によるシグナルペプチドの使用は、高等真核細胞株において実行される。
より有利には、上記の高等真核細胞株は、SP2/0、(SP2/0-Ag 14)、NS0、その他のラットミエローマ、例えばIR983F、ヒトの株、例えばNamalwa、Wil-2、Jurkat、Molt-4、PER.C6、HEK293T/17、HEK293、HEK-293.2、Vero、Cos-1もしくはCos-7、BHK、CHO-K-1、CHO-Lec1、CHO-Lec10、CHO-Lec13、CHO Pro-5、CHO DX B11およびCHO DG44ならびにその他の株、例えばEBx、特にEB66K6H6およびP3X63Ag8.653およびYB2/0、CHO-SならびにHEK-293Fから選択できる。
X1X2X3X4SX5X6X7
(式中、
- X1は、3〜6つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X2は、3〜9つまでの疎水性アミノ酸を含有するペプチドであり、
- X3は、少なくとも3つの連続ロイシンを含む3〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X4は、Ala、Thr、Ser、Gln、Ileから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X5は、Alaであり、
- X6は、GlnまたはAsnであり、
- X7は、Alaである)
を含むシグナルペプチドでもある。
- X3は、4つの連続ロイシンを含有するペプチドであり、
- ペプチドX1は、RWSであり、
-X2、X4およびX6は、式IIIにおいて示す意味を有し、
次の式:RWSX2X3X4SAX6Aに相当するシグナルペプチドに関する。
- X3は、4つの連続ロイシンを含有するペプチドであり、
- ペプチドX2は、WIFであり、
- X1、X4およびX6は、式IIIにおいて示す意味を有し、
次の式;X1WIFX3X4SAX6Aに相当するシグナルペプチドに関する。
- X3は、4つの連続ロイシンを含有するペプチドであり、
- ペプチドX4は、SITであり、
- X1、X2およびX6は、式IIIにおいて示す意味を有し、
次の式:X1X2X3SITSAX6Aに相当するシグナルペプチドに関する。
具体的な実施形態において、本発明による核酸は、式IIIの少なくとも12アミノ酸:X1X2X3X4SX5X6X7
(式中、
- X1は、3〜6つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X2は、3〜9つまでの疎水性アミノ酸を含有するペプチドであり、
- X3は、少なくとも3つの連続ロイシンを含む3〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X4は、Ala、Thr、Ser、Gln、Ileから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X5は、Alaであり、
- X6は、GlnまたはAsnであり、
- X7は、Alaである)
を含むシグナルペプチドをコードする。
さらにより具体的な実施形態において、本発明による核酸は、式IIIまたは式IV(式中、
- X3は、4つの連続ロイシンを含有するペプチドであり、
- ペプチドX1は、RWSである)に相当するシグナルペプチドをコードする。
- X3は、4つの連続ロイシンを含有するペプチドであり、
- ペプチドX2は、WIFである)に相当するシグナルペプチドをコードする。
別のさらにより具体的な実施形態では、本発明による核酸は、式IIIまたは式IV(式中、
- X3は、4つの連続ロイシンを含有するペプチドであり、
- ペプチドX4は、SITである)に相当するシグナルペプチドをコードする。
より具体的には、このヌクレオチド配列は、次の配列(配列番号4):5'-atgcgatggagctggatcttcctgctgctgctgagcatcaccagcgccaacgcc-3'である。
(X1)iX2X3X4SX5X6X7
(式中
- X1は、3〜6つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、iは、0または1に等しく、
- X2は、3〜9つまでの疎水性アミノ酸を含有するペプチドであり、
- X3は、少なくとも3つの連続または非連続ロイシンを含む3〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X4は、Ala、Thr、Ser、Gln、Ile、Metから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X5は、AlaまたはValであり、
- X6は、Gln、AsnまたはHisであり、
- X7は、AlaまたはCysである)
を含むが、但し、
- 上記のシグナルペプチドが、特定のタンパク質の天然前駆体を起源とする場合、上記の興味対象のポリペプチドは、該タンパク質とは異なり、
- シグナルペプチドが、MAWVWTLLFLMAAAQSAQAである場合、上記の興味対象のポリペプチドは、抗CD23抗体ではなく、
細胞外媒体に分泌されるために、いずれの興味対象のポリペプチドも上記のシグナルペプチドの1つと結合できる、興味対象の組換えポリペプチドの前駆体でもある。
具体的な実施形態において、本発明による前駆体は、次のアミノ酸配列:X1X2LnX4SAX6A (式中、
- X1は、3〜6つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X2は、3〜9つまでの疎水性アミノ酸を含有するペプチドであり、
- nは、ロイシンの数であり、3以上の数であり、
- X4は、Ala、Thr、Ser、Gln、Ileから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X6は、GlnまたはAsnである)
を含むシグナルペプチドを含む。
特に有利な実施形態において、本発明による興味対象のポリペプチドの前駆体は、次のアミノ酸配列:MRWSWIFLLLLSITSANA (配列番号1)からなるシグナルペプチドを含む。
- X1は、3〜6つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X2は、3〜9つまでの疎水性アミノ酸を含有するペプチドであり、
- X3は、3つの非連続ロイシン(そのうち2つのロイシンは、Gly、Ala、Val、Ile、Pro、Phe、Trpから選択される別の疎水性アミノ酸により分けられている)を含むペプチドであり、
- X4は、Ala、Thr、Ser、Glnから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドである)
を含むシグナルペプチドを含むが、但し、
上記のシグナルペプチドが、特定のタンパク質の天然前駆体を起源とする場合、上記の興味対象のポリペプチドは、該タンパク質とは異なる。
特に有利な実施形態において、本発明による興味対象のポリペプチドの前駆体は、次のアミノ酸配列:MRWSWIFLFLLSITASVHC (配列番号2)からなるシグナルペプチドを含むが、但し、
上記の興味対象のポリペプチドは、抗AMHRII抗体のガンマ鎖とは異なる。
- X2は、3〜9つまでの疎水性アミノ酸を含有するペプチドであり、
- X3は、3つの非連続ロイシン(そのうち2つのロイシンは、Gly、Ala、Val、Ile、Pro、Phe、Trp、Leuから選択される別の疎水性アミノ酸により分けられている)を含むペプチドであり、
- X4は、Ala、Thr、Ser、Gln、Metから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドである)
を含むシグナルペプチドを含むが、但し、
上記のシグナルペプチドが、特定のタンパク質の天然前駆体を起源とする場合、上記の興味対象のポリペプチドは、該タンパク質とは異なる。
より具体的な実施形態において、本発明によるこのような前駆体は、抗体の軽鎖および/または抗体の重鎖から選択される興味対象の組換えポリペプチドの前駆体である。
具体的な実施形態において、本発明によるベクターは、遺伝学的手段、特に複製起点、プロモーターも含んで、上記の興味対象の組換えポリペプチドの発現を制御することを可能にする。
-式(I)の少なくとも12アミノ酸:
(X1)iX2X3X4SX5X6X7
(式中
- X1は、3〜6つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、iは、0または1に等しく、
- X2は、3〜9つまでの疎水性アミノ酸を含有するペプチドであり、
- X3は、少なくとも3つの連続または非連続ロイシンを含む3〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X4は、Ala、Thr、Ser、Gln、Ile、Metから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X5は、AlaまたはValであり、
- X6は、Gln、AsnまたはHisであり、
- X7は、AlaまたはCysである)
を含むシグナルペプチドをコードする核酸を、興味対象の組換えポリペプチドをコードする核酸の5'端に付加して、上記の興味対象の組換えポリペプチドの前駆体をコードする核酸を得ることと(但し、上記のシグナルペプチドが、特定のタンパク質の天然前駆体を起源とする場合、上記の興味対象のポリペプチドは、該タンパク質とは異なる)
- 先行する段階で得られた人工的核酸を発現ベクターにクローニングして、上記の興味対象の組換えポリペプチドの前駆体を発現できるベクターを得ることと、
-高等真核細胞株を、上記の人工的ヌクレオチド配列を含む発現ベクターでトランスフェクションし、上記のヌクレオチド配列を発現させることと、
- 培養培地に分泌された興味対象の組換えポリペプチドを回収することと
を含む、興味対象の組換えポリペプチドを生成する方法にも関する。
-シグナルペプチドMRWSWIFLLLLSITSANAをコードする核酸を、免疫グロブリン鎖をコードする核酸の5'端に付加して、免疫グロブリン鎖の前駆体をコードする核酸を得ることと、
- 先行する段階で得られた人工的核酸を発現ベクターにクローニングして、免疫グロブリン鎖の前駆体を発現できるベクターを得ることと、
- PER.C6、YB2/0、CHO-SおよびHEK293から選択される高等真核細胞株を、上記の人工的ヌクレオチド配列を含む発現ベクターでトランスフェクションし、上記のヌクレオチド配列を発現させることと、
- 培養培地に分泌された抗体を回収することと
を含む、組換え抗体を生成する方法に関する。
抗体の生成のための本発明のさらにより具体的な実施形態では、シグナルペプチドMRWSWIFLLLLSITSANAを用いて、上記の興味対象の抗体の重鎖および軽鎖の両方を生成する。
実施例1:材料および方法
1.1 分析したペプチドシグナル
シグナルペプチドを天然に有するポリペプチド鎖をそれぞれ起源とする7つのシグナルペプチドを選択して、これらの7つの異なるシグナルペプチドの分泌力を分析する。
これらの7つのポリペプチド鎖は、それぞれ、抗AMHRII抗体のガンマ鎖(12G4、I-3673 CNCM)、抗CD5抗体のガンマ鎖(XXII49、未発表データ)、抗RhD抗体のガンマ鎖(D29、FR 2861078)、抗LDL受容体のガンマ鎖(5E5、I-3488 CNCM)、抗CD20抗体のカッパ鎖(Cat13、供給業者:DSMZ、ref. ACC 474)、T2リンパ球のTCR受容体のα鎖(HAVT20、Genbank受理番号H32536)およびヒトエリスロポエチン(EPO、Genbank受理番号AAI43226)である。
シグナルペプチドの分泌力の説明および予測は、以前に分析されている(Emanuelssonら、Nature Protocols 2、953-971 (2007))。
シグナルペプチド(SP)を、アルゴリズムSignalP V3.0に、SP融合タンパク質/抗Rh(D)抗体T125の軽鎖(FR2807767)の形で供した。
方法は各SPについて同一であり、これは、2つの一連のPCRにわかれる。第1のPCRは、プライマーP1およびP2を用いて行い、これらは、40〜50塩基のSPの合成と、配列の5'端でのNheI部位の組み込みとを可能にする。第2のPCRは、プライマーP3およびP2_Kappa_XbaIならびにマトリクスとしてプラスミドRSV-int_KT125 2stpを用いて並行して行う。これは、その後、カッパ鎖へのSPの連結と、3'端へのXbaIクローニング部位の組み込みとを可能にする。第3のPCRを、次いで行う。このアセンブリPCRは、プライマーP1およびP2_Kappa_XbaIを用いて行う(図1)。
以前と同じ原理(セクション1.2)で、抗AMHRII、抗CD5のSPおよび人工的SP MB7を、抗Rh(D)抗体T125および抗CD20抗体の重鎖および軽鎖に、以下の表に従う研究の最初の部分において作製したフラグメントのアセンブリPCR(表3)、従来のPCR (表2)または単純クローニング(表1)により付加する。
このように構築された異なるベクターを、次いで、YB2/0、PER.C6、CHO-SおよびHEKにおける一過性トランスフェクションまたは株YB2/0およびPER.C6における安定的トランスフェクションにおいて評価した。
YB2/0の場合、親の細胞を、トランスフェクションの1日前に(D-1) 2E5 cv/mlにてフラスコ中のEMS (Invitrogen、作製された培地)+5% FCS (Invitrogen)に播種する。エレクトロポレーションの日(D0)に、100μlのバッファーV(細胞株ヌクレオフェクターキットV,Lonza)に採取した4-mmキュベット(Biorad)あたり4E6細胞の遠心分離、これをAMAXAにより4μgのプラスミドDNAで、デバイスのプログラムT020を用いてヌクレオフェクションする。細胞を、P6プレートウェルで37℃、7% CO2にて3mlのEMS培地+5% FCS中で培養する。上清をELISAアッセイのためにD+5に回収する。
評価を、トランスフェクタント(「安定的トランスフェクションプール」)に対して行って、多数のトランスフェクタント(数千)にわたって平均した発現のレベルに基づく異なる構築を比較する。
細胞は、安定的成長を有していなければならず、F150フラスコ(80 ml)中のEMS培地+5% FCS中で少なくとも4週間融解された。細胞を、1日前に2E5 cv/mlにてEMS培地+5% FCS中で継代培養する。
エレクトロポレーションの日に、細胞を、Gene Pulser Xcellシステム(BioRad)により、230Vの電圧および960μFの静電容量で4-mmキュベット(Biorad)中で5E6 cv (直鎖状プラスミドDNAを含有するエレクトロバッファーキット(Ozyme)からのqsf 500μlのエレクトロポレーションバッファー)でエレクトロポレーションする。エレクトロポレーションの後に、EMS培地+5% FCS中で24ウェルプレート(P24) (25000細胞/ウェル)に播種を行う。
D+7に、対応する培地を含むプレートに交換する。
D+10に、ウェルに著しい成長が見られたら、8ウェルの3つのP24プールを作製し、細胞を2E5 cv/mlにてF25中で継代培養し、最大生成(D+7に最大の生成)を行い、上清を回収し、FastELYSAを用いてアッセイする。
各構築について、3つの異なるプールを細胞株および分析により行う。プールの生産性は、ng/mlで表す。
抗Rh(D)抗体T125の遊離カッパ鎖レベルの評価ならびにIgG1、抗CD20または抗Rh(D) T12の生成は、酵素結合免疫吸着(ELISA)技術により決定する。
培養上清中に存在する遊離カッパ鎖は、96ウェルプレートに吸着させたヤギ抗ヒトカッパ抗体(Caltag Lab)により2時間にわたって捕捉する。捕捉された抗体を、次いで、ビオチン化ヤギ抗ヒトカッパ抗体(Pierce)により顕色し、その後にペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジン(Pierce)を加える。各段階の間に4回洗浄を行って、複合体に含まれない反応性が低いタンパク質を除去する。顕色は、酵素基質PD (Sigma)を加え、反応を1N HClで停止することにより行う。読み取りは、分光光度計で492 nmにて行う。抗体濃度は、標準範囲内での比較において決定する。
比較は、本発明によるシグナルペプチドの少なくとも1つを用いて生成された抗Rh(D)抗体T125または抗CD20抗体と、それぞれの抗体の天然シグナルペプチドによりそれぞれ生成されたものとの間でも行う。
抗Rh(D)抗体T125の重鎖の天然シグナルペプチドは、配列番号31の核酸(atggagtttgggctgagctgggttttcctcgttgctcttttaagaggtgtccagtgt)によりコードされる。
抗CD20抗体の軽鎖の天然シグナルペプチドは、配列番号32の核酸(atggattttcaagtgcagattttcagcttcctgctaatcagtgcttcagtcataatgtccagagga)によりコードされる。
抗CD20抗体の重鎖の天然シグナルペプチドは、配列番号33の核酸(atgggattcagcaggatctttctcttcctcctgtcagtaactacaggtgtccactcc)によりコードされる。
これらの7つのシグナルペプチドの分泌力を、一過性トランスフェクションにおいて、株PER.C6、CHO-S、YB2/0においてインビトロで試験する。一過性トランスフェクションの方法は、上のセクションに記載する(セクション1.2を参照)。
4つの異なる週にわたって行った4回の一過性トランスフェクションから得られた結果により、SP間の著しい違いを観察することができる。
多重比較を、株PER.C6において異なるシグナルペプチドを用いて得られたIg軽鎖生成の平均(ng/mL)について行う(表4)。平均同士を区別するために今回用いた方法は、フィッシャーの最小有意差(LSD)手順である。多重範囲検定は、95.0% LSD法を用いて行う。これらの対は、95.0%信頼レベルにて統計的に有意な差を有する。
5つの異なる週にわたって行った5回のトランスフェクションから得られた結果により、SP間の著しい違いを観察することができる。
多重比較を、株YB2/0において異なるシグナルペプチドを用いて得られたIg軽鎖生成の平均(ng/mL)について行う(表5)。平均同士を区別するために今回用いた方法は、フィッシャーの最小有意差(LSD)手順である。多重範囲検定は、95.0% LSD法を用いて行う。これらの対は、95.0%信頼レベルにて統計的に有意な差を有する。
抗体XXII49、12G4およびD29の重鎖のSPは、最良のSPであることがわかり、XXII49のものが有利である。3つの最もよくないペプチドは、株PER.C6において前に観察されたことと同様に、抗体Cat13、HAVT20およびEPOのものである。
4つの異なる週にわたって行った4回のトランスフェクションから得られた結果により、SP間の著しい違いを観察することができる。
多重比較を、株CHO-Sにおいて異なるシグナルペプチドを用いて得られたIg軽鎖生成の平均(ng/mL)について行う(表6)。平均同士を区別するために今回用いた方法は、フィッシャーの最小有意差(LSD)手順である。多重範囲検定は、95.0% LSD法を用いて行う。これらの対は、95.0%信頼レベルにて統計的に有意な差を有する。
抗体XXII49および12G4の重鎖のSPは、最良のSPであり、XXII49のものが有利である。3つの最もよくないペプチドは、株PER.C6およびYB2/0において前に観察されたことと同様に、抗体Cat13、HAVT20およびEPOのものである。
インシリコおよびインビトロで同定された2つの最良のSP (XXII49および12G4)ならびに本発明による人工的SPであるMB7を試験して、免疫グロブリンの重鎖および軽鎖と融合したこれらのSPがもたらすことができる抗体全体の生産性における潜在的な増大を評価した。試験した抗体は、抗Rh(D) (R593)および抗CD20 (R603)である。異なる分子を、一過性トランスフェクションで株PER.C6、YB2/0、CHO-SおよびHEKにおいて、次いで安定的プールに対してPER.C6およびYB2/0において試験した。
問題の各株における一過性トランスフェクションおよび安定的トランスフェクションの方法は、上のセクションに記載する(1.4および1.5を参照)。
3.1.1 一過性トランスフェクション
4つの異なる週にわたって行った4回の一過性トランスフェクションから得られた結果により、SP間の著しい違いを観察することができる。
本発明によるシグナルペプチドMB7を用いるR593抗体の平均分泌は、それ自体のシグナルペプチドに結合したR593抗体のものに対して1.80の係数で増加する。シグナルペプチド12G4およびシグナルペプチドXXII49も、株PER.C6におけるR593抗体の分泌割合をそれぞれ1.71および1.58の係数で増加できる(図3および表7)。
PER.C6細胞を、セクション1.5に記載するようにして、安定的プールを作製するためにトランスフェクションした。これらのトランスフェクションは、3週間にわたって反復して、一過性トランスフェクションにおいて得られた結果と比較した。
結果を表8および図7に示す。
表8において、平均同士を区別するために今回用いた方法は、フィッシャーの最小有意差(LSD)手順である。多重範囲検定は、95.0% LSD法を用いて行う。これらの対は、95.0%信頼レベルにて統計的に有意な差を有する。
図7は、最適化シグナルペプチドと天然シグナルペプチドとの間の平均生成の比率を示す。あるレベルの生成が観察され、これは、MB7-R603の場合に1.3の係数でより大きく、MB7-R593の場合に1.2の係数でより大きい。このことは、よって、シグナルペプチドMB7が、生産性において真の増大をもたらすことを示す。
3.2.1 一過性トランスフェクション
3つの異なる週にわたって行った3回の一過性トランスフェクションから得られた結果により、SP間の著しい違いを観察することができる(表9)。
本発明によるペプチドMB7を用いるR603抗体の平均分泌は、それ自体のシグナルペプチドに結合したR603抗体のものに対して1.75の係数で増加する(図4)。シグナルペプチド12G4およびシグナルペプチドXXII49も、株YB2/0におけるR603抗体の分泌割合をそれぞれ1.65および2.42の係数で増加できる。
YB2/0細胞を、セクション1.5に記載するようにして、安定的プールを作製するためにトランスフェクションした。これらのトランスフェクションは、3週間にわたって反復して、一過性トランスフェクションにおいて得られた結果と比較した。
バッチ生成を、3つの安定的プールに対して7日間にわたって行い、試料をFastELYSAによりアッセイした。D+7における生成の結果を統計学的に分析して、IgG1の分泌に対するシグナルペプチドの影響を比較した。
シグナルペプチドMB7は、YB2/0細胞において、その天然シグナルペプチドのものと同じレベルのR603抗体の生産性を与える。
3つの異なる週にわたって行った3回の一過性トランスフェクションから得られた結果により、SP間の著しい違いを観察することができる(表10)。
本発明によるペプチドMB7を用いるR593抗体の平均分泌は、それ自体のシグナルペプチドに結合したR593抗体のものに対して2.1の係数で増加する(図5)。シグナルペプチド12G4およびシグナルペプチドXXII49も、株CHO-SにおけるR593抗体の分泌割合をそれぞれ1.75および1.7の係数で増加できる。
3つの異なる週にわたって行った3回の一過性トランスフェクションから得られた結果により、SP間の著しい違いを観察することができる(表11)。
本発明によるペプチドMB7を用いるR593抗体の平均分泌は、それ自体のシグナルペプチドに結合したR593抗体のものに対して1.35の係数で増加する(図6)。シグナルペプチド12G4およびシグナルペプチドXXII49も、株HEK 293におけるR593抗体の分泌割合をそれぞれ1.45および1.44の係数で増加できる。
シグナルペプチドの変化が分泌される抗体の1次構造に何らかの影響を有するかを調べるために、物理化学的分析を質量分析およびエドマン法によるN末端配列決定により、YB2/0およびPER.C6における抗Rh(D)および抗CD20生成物の重鎖および軽鎖のレベルで、安定的トランスフェクションにおいて行った。
よって、シグナルペプチドの改変は、生成される抗体のタンパク質配列に影響を有さない。
Claims (38)
- 発現系における興味対象の組換えポリペプチドの生成のためのシグナルペプチドの使用であって、前記シグナルペプチドが、式(I)の12〜30アミノ酸:
(X1)iX2X3X4SX5X6X7
(式中、
- X1は、3〜6つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、iは、0または1に等しく、
- X2は、3〜9つまでの疎水性アミノ酸を含有するペプチドであり、
- X3は、少なくとも3つの連続または非連続ロイシンを含む3〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X4は、Ala、Thr、Ser、Gln、Ile、Metから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X5は、AlaまたはValであり、
- X6は、AsnまたはHisであり、
- X7は、AlaまたはCysである)
を含むが、但し、
- 前記シグナルペプチドが、特定のタンパク質の天然前駆体を起源とする場合、前記興味対象のポリペプチドは、該タンパク質とは異なり、
細胞外媒体に分泌されるために、いずれの興味対象のポリペプチドも前記シグナルペプチドの1つと結合できる、
シグナルペプチドの使用。 - 分泌されるポリペプチドの量が、その天然シグナルペプチドを用いる前記分泌されるポリペプチドの量に少なくとも相当する請求項1に記載のシグナルペプチドの使用。
- 前記普遍的シグナルペプチドが、式(II):
M(X1)iX2X3X4SX5X6X7
(式中、X1、i、X2、X3、X4、X5、X6およびX7は、請求項1に示す意味を有する)
で表される請求項1または2に記載の使用。 - ペプチドX3が、少なくとも3つの連続ロイシンを含む請求項3に記載の使用。
- ペプチドX3が、少なくとも3つの非連続ロイシンを含む請求項3に記載の使用。
- - X1、X2およびX4が、請求項1に示す意味を有し、
- i = 1、
- X3が、Ln (式中、nは、ロイシンの数であり、nは、3以上の数である)で表されるロイシンで構成されるペプチドであり、
- X4が、Ala、Thr、Ser、Gln、Ileから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X5が、Alaであり、
- X6が、Asnであり、
- X7が、Alaであり、
前記ペプチドが、以下のアミノ酸配列:X1X2LnX4SAX6Aを含む請求項3または4に記載の使用。 - - X1およびX2が、請求項1に示す意味を有し、
- i = 1、
- X3が、3つの非連続ロイシン(そのうち2つのロイシンは、Gly、Ala、Val、Ile、Pro、Phe、Trpから選択される別の疎水性アミノ酸により分けられている)を含むペプチドであり、
- X4が、Ala、Thr、Ser、Gln、Ileから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X5が、Valであり、
- X6が、Hisであり、
- X7が、Cysであり、
前記ペプチドが、以下のアミノ酸配列:X1X2X3X4SVHCを含む請求項3または5に記載の使用。 - 発現系が、高等真核細胞株である請求項1〜7のいずれか1項に記載のシグナルペプチドの使用。
- 高等真核細胞株が、SP2/0、SP2/0-Ag 14、NS0、その他のラットミエローマ細胞株、ヒトの株、EBx細胞株、Vero、Cos-1もしくはCos-7、BHK、CHO-K-1、CHO-Lec1、CHO-Lec10、CHO-Lec13、CHO Pro-5、CHO DX B11、CHO DG44、P3X63Ag8.653、YB2/0およびCHO-Sから選択される請求項8に記載の使用。
- その他のラットミエローマ細胞株が、IR983Fである請求項9に記載の使用。
- ヒトの株が、Namalwa、Wil-2、Jurkat、Molt-4、PER.C6、HEK293T/17、HEK293、HEK-293.2およびHEK-293Fである請求項9に記載の使用。
- EBx細胞株が、EB66K6H6である請求項9に記載の使用。
- 発現系が、ヤギ、ヒツジ、バイソン、ラクダ、ウシ、ブタ、ウサギ、ウマ、ラット、マウスまたはラマから選択されるトランスジェニック動物である請求項1〜7のいずれか1項に記載のシグナルペプチドの使用。
- 興味対象の組換えポリペプチドが、ホルモン、酵素、免疫グロブリン鎖、免疫グロブリン全体もしくは免疫グロブリンに由来する任意のフラグメント、免疫応答に関与するタンパク質またはその他の治療用タンパク質から選択される請求項1〜13のいずれか1項に記載の使用。
- 免疫応答に関与するタンパク質が、サイトカイン、インターロイキン、補体因子またはキメラタンパク質から選択される請求項14に記載の使用。
- その他の治療用タンパク質が、凝固因子、細胞外基質タンパク質または可溶性受容体から選択される請求項14に記載の使用。
- 興味対象の組換えポリペプチドの生成のためであって、前記ポリペプチドの1次構造および2次構造が、その天然シグナルペプチドを用いて分泌されるポリペプチドのものと同一である請求項1〜16のいずれか1項に記載の使用。
- 式IIIの12〜30アミノ酸の配列:
X1X2X3X4SX5X6X7
(式中、
- X1は、3〜6つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X2は、3〜9つまでの疎水性アミノ酸を含有するペプチドであり、
- X3は、少なくとも3つの連続ロイシンを含む3〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X4は、Ala、Thr、Ser、Gln、Ileから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X5は、Alaであり、
- X6は、Asnであり、
- X7は、Alaである)
を含むシグナルペプチド。 - 式(IV):MX1X2X3X4SX5X6X7 (式中、X1、X2、X3、X4、X5、X6およびX7は、請求項18に示す意味を有する)のシグナルペプチド。
- 式(IV)のシグナルペプチドが、MRWSWIFLLLLSITSANAのアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる請求項18または19に記載のシグナルペプチド。
- 請求項18〜20のいずれか1項に記載のシグナルペプチドの1つをコードする核酸。
- 以下の配列:MRWSWIFLLLLSITSANAにより表されるペプチドをコードする請求項21に記載の核酸。
- シグナルペプチドが、式(I)の12〜30アミノ酸:
(X1)iX2X3X4SX5X6X7
(式中
- X1は、3〜6つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、iは、0または1に等しく、
- X2は、3〜9つまでの疎水性アミノ酸を含有するペプチドであり、
- X3は、少なくとも3つの連続または非連続ロイシンを含む3〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X4は、Ala、Thr、Ser、Gln、Ile、Metから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X5は、AlaまたはValであり、
- X6は、AsnまたはHisであり、
- X7は、AlaまたはCysである)
を含むが、但し、
前記シグナルペプチドが、特定のタンパク質の天然前駆体を起源とする場合、興味対象のポリペプチドは、該タンパク質とは異なり、
細胞外媒体に分泌されるために、いずれの興味対象のポリペプチドも前記シグナルペプチドの1つと結合できる、興味対象の組換えポリペプチドの前駆体。 - シグナルペプチドが、請求項18〜20のいずれか1項に記載のシグナルペプチドの1つである請求項23に記載の興味対象の組換えポリペプチドの前駆体。
- シグナルペプチドが、以下のアミノ酸配列:X1X2X3X4SVHC (式中、
- X1は、3〜6つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X2は、3〜9つまでの疎水性アミノ酸を含有するペプチドであり、
- X3は、3つの非連続ロイシン(そのうち2つのロイシンは、Gly、Ala、Val、Ile、Pro、Phe、Trpから選択される別の疎水性アミノ酸により分けられている)を含むペプチドであり、
- X4は、Ala、Thr、Ser、Glnから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドである)
を含むが、但し、
前記シグナルペプチドが、特定のタンパク質の天然前駆体を起源とする場合、前記興味対象のポリペプチドは、該タンパク質とは異なる、
請求項23に記載の興味対象の組換えポリペプチドの前駆体。 - 前記興味対象の組換えポリペプチドが、ホルモン、酵素、免疫グロブリン鎖、免疫グロブリン全体もしくは免疫グロブリンに由来する任意のフラグメント、免疫応答に関与するタンパク質またはその他の治療用タンパク質から選択される請求項23〜25のいずれか1項に記載の興味対象の組換えポリペプチドの前駆体。
- 免疫応答に関与するタンパク質が、サイトカイン、インターロイキン、補体因子またはキメラタンパク質から選択される請求項26に記載の興味対象の組換えポリペプチドの前駆体。
- その他の治療用タンパク質が、凝固因子、細胞外基質タンパク質または可溶性受容体から選択される請求項26に記載の興味対象の組換えポリペプチドの前駆体。
- 請求項23〜25のいずれか1項に記載の興味対象の組換えポリペプチドの前駆体の1つをコードする核酸。
- 請求項29に記載の核酸を含有するベクター。
- -式(I)の12〜30アミノ酸:
(X1)iX2X3X4SX5X6X7
(式中
- X1は、3〜6つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、iは、0または1に等しく、
- X2は、3〜9つまでの疎水性アミノ酸を含有するペプチドであり、
- X3は、少なくとも3つの連続または非連続ロイシンを含む3〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X4は、Ala、Thr、Ser、Gln、Ile、Metから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X5は、AlaまたはValであり、
- X6は、AsnまたはHisであり、
- X7は、AlaまたはCysである)
を含むシグナルペプチドをコードする核酸を、興味対象の組換えポリペプチドをコードする核酸の5'端に付加して、前記興味対象の組換えポリペプチドの前駆体をコードする核酸を得ることと(但し、前記シグナルペプチドが、特定のタンパク質の天然前駆体を起源とする場合、前記興味対象のポリペプチドは、該タンパク質とは異なる)
- 先行する段階で得られた人工的核酸を発現ベクターにクローニングして、前記興味対象の組換えポリペプチドの前駆体を発現できるベクターを得ることと、
-高等真核細胞株を、前記人工的ヌクレオチド配列を含む発現ベクターでトランスフェクションし、前記ヌクレオチド配列を発現させることと、
- 培養培地に分泌された興味対象の組換えポリペプチドを回収することと
を含む、興味対象の組換えポリペプチドを生成する方法。 - 真核細胞株が、SP2/0、SP2/0-Ag 14、NS0、その他のラットミエローマ細胞株、ヒトの株、EBx細胞株、Vero、Cos-1もしくはCos-7、BHK、CHO-K-1、CHO-Lec1、CHO-Lec10、CHO-Lec13、CHO Pro-5、CHO DX B11、CHO DG44、P3X63Ag8.653、YB2/0およびCHO-Sから選択される請求項31に記載の方法。
- その他のラットミエローマ細胞株が、IR983Fである請求項32に記載の方法。
- ヒトの株が、Namalwa、Wil-2、Jurkat、Molt-4、PER.C6、HEK293T/17、HEK293、HEK-293.2およびHEK-293Fである請求項32に記載の方法。
- EBx細胞株が、EB66K6H6である請求項32に記載の方法。
- 興味対象の組換えポリペプチドが、ホルモン、酵素、免疫グロブリン鎖、免疫グロブリン全体もしくは免疫グロブリンに由来する任意のフラグメント、免疫応答に関与するタンパク質またはその他の治療用タンパク質から選択される請求項32に記載の方法。
- 免疫応答に関与するタンパク質が、サイトカイン、インターロイキン、補体因子またはキメラタンパク質から選択される請求項36に記載の方法。
- その他の治療用タンパク質が、凝固因子、細胞外基質タンパク質または可溶性受容体から選択される請求項36に記載の方法。
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