JP6000130B2 - 新規なシグナルペプチドおよび組換えタンパク質の生成のためのその使用 - Google Patents

新規なシグナルペプチドおよび組換えタンパク質の生成のためのその使用 Download PDF

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Description

本発明は、シグナルペプチド、および真核発現系における組換えタンパク質の生成のためのその使用に関する。
シグナルペプチド(SP)は、タンパク質のN末端の端に位置する12〜30アミノ酸のセグメントであり、タンパク質を特定の細胞区画(オルガネラ)に向ける役目を有するかまたはタンパク質が細胞外媒体に向かうことを可能にする。
シグナルペプチドは、タンパク質を、それが成熟する粗面小胞体(RER)に進める。よって、タンパク質の合成の間に、「シグナル認識粒子」(SRP)が、シグナルペプチド(受容体-リガンド結合)と、シグナルペプチドが出現するリボソームとの両方に結合する。SRP/リボソーム複合体は、次いで、小胞体の表面に、膜受容体であるSRP受容体(それ自体は転位チャネル(PCC)に結合している)により動員される。この事象の間に、SRPが伸長因子であるeEF-1およびeEF-2のアクセスを遮断するので、タンパク質の合成は停止される。この動員の後に、GTPがGDPおよびPiに加水分解され、SRP粒子が放出される。
新生タンパク質は、成長するにつれ、チャネルをたどって小胞体の内腔へと完全に進む。シグナルペプチド(α-ヘリックス)の疎水性の性質も、膜のリン脂質との相互作用を可能にする。
この合成の間に、分泌を意図するタンパク質は、それらのシグナルペプチド(これは、膜への挿入部位としてのα-ヘリックス形を持続する)を保持し、このことにより、BIPのようなシャペロンタンパク質が、その折り畳みを確実にするために、合成されているポリペプチド鎖に結合することが可能になる。グリコシル化のような翻訳後修飾は、ERにおいて開始し、ゴルジにおいて完了し、ここでグリカンは成熟する。
シグナルペプチドのN末端の端は3つの領域、すなわちn領域、h領域およびc領域に分けられ、それぞれ異なる長さおよび特性を有する。n領域は、シグナルペプチドのN末端の端に位置するが、c領域はシグナルペプチドのC末端の端にある。h領域は、n領域とc領域との間に位置する。n領域およびh領域は、指向化が依存するシグナルペプチドのコアを構成するが、ペプチダーゼ切断はc領域に依存する。n領域はほとんどアルギニンを含有しないが、h領域は疎水性領域であることが知られている。c領域中の残基は、小さい非極性残基である傾向があることも知られている。
真核系における組換えタンパク質の発現の間に、シグナルペプチドの存在もしくは非存在またはシグナルペプチドの選択は、上記の組換えタンパク質の生産性、言い換えると、単位容量あたりの報告される導入遺伝子含有細胞により分泌されるタンパク質の量に直接影響しうる。
例えば、あるいくつかの異種タンパク質は、宿主細胞の生存または増殖にとって毒性であり、あるいくつかのその他のものは毒性でないが宿主細胞の増殖を阻害する。これらの場合では、このような毒性タンパク質の分泌は、細胞外媒体に向かい、異種組換えタンパク質の発現に連結した毒性または増殖阻害を回避することができる。
工業的生産の観点から、細胞外媒体に分泌可能な組換えタンパク質は、宿主細胞内に蓄積される組換えタンパク質よりもかなり有利である。なぜなら、分泌タンパク質の精製のプロセスは、細胞内に蓄積されたタンパク質のものよりも一般的により単純であるからである。さらに、このことは、興味対象タンパク質の活性に干渉するかまたは活性を低減しうる未成熟タンパク質の同時精製を免除できる。
さらに、全てのシグナルペプチドが同じ分泌力を有するのではないことに鑑みて、分泌されうるタンパク質の内因性シグナルペプチドは、問題のタンパク質の工業的生産のために常に十分に効率的なわけではない。
あるいくつかのシグナルペプチドが、あるいくつかの発現系における組換えタンパク質の発現のためにすでに設計されている。EP特許第0329127号は、酵母細胞における組換えタンパク質の発現を意図するシグナルペプチドについて記載している。EP特許第0356335号は、細菌における異種ポリペプチドの周辺質での生成を改善するための細菌シグナルペプチドについて記載している。
しかし、これらのシグナルペプチドは、抗体のような多数の治療用組換えタンパク質の生成にしばしば必須の発現系である哺乳動物細胞を含む高等真核細胞株における組換えタンパク質の発現を最適化することを可能にしない。
結果として、高等真核細胞株における組換えタンパク質の発現および分泌を改善することができる普遍的シグナルペプチドを利用可能にすることに対する多大な必要性が存在することになる。
本発明は、一方で、本発明者らが設計した異なるシグナルペプチドに結合した抗体の軽鎖と、他方で、IgG全体との分泌能力を本発明者らが研究している間に見出された予期せぬ発見に基づく。実際に、あるいくつかのシグナルペプチドは、免疫グロブリン軽鎖または免疫グロブリン全体の分泌を著しく増加することができる。
本発明の主題は、発現系における興味対象の組換えポリペプチドの生成および分泌のためのシグナルペプチドの使用であって、上記のシグナルペプチドを用いて分泌されるポリペプチドの量が、その天然シグナルペプチドを用いて分泌される上記のポリペプチドの量と少なくとも等しく、興味対象のポリペプチドの生物活性が、その天然シグナルペプチドにより生成される興味対象のポリペプチドのものと匹敵するように保持され、上記のシグナルペプチドが、式(I)の少なくとも12アミノ酸:
(X1)iX2X3X4SX5X6X7
(式中、(3ペプチドを含む)
- X1は、3〜6つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、iは、0または1に等しく、
- X2は、3〜9つまでの疎水性アミノ酸を含有するペプチドであり、
- X3は、少なくとも3つの連続または非連続ロイシンを含む3〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X4は、Ala、Thr、Ser、Gln、Ile、Metから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X5は、AlaまたはValであり、
- X6は、Gln、AsnまたはHisであり、
- X7は、AlaまたはCysである)
を含むが、但し、
- 上記のシグナルペプチドが、特定のタンパク質の天然前駆体を起源とする場合、上記の興味対象のポリペプチドは、該タンパク質とは異なり、
- シグナルペプチドが、MAWVWTLLFLMAAAQSAQAである場合、上記の興味対象のポリペプチドは、抗CD23抗体ではなく、
細胞外媒体に分泌されるために、いずれの興味対象のポリペプチドも上記のシグナルペプチドの1つと結合できる、
シグナルペプチドの使用である。
「シグナルペプチド」により、ポリペプチド鎖を特定の細胞区画(オルガネラ)に向ける役目を有するかまたはそれが細胞外媒体に向けられることを可能にする、ポリペプチド鎖内に位置する約10〜30アミノ酸のペプチド鎖を意味する。
本発明による上記のシグナルペプチドは、好ましくは、興味対象のポリペプチドのN末端の端に位置する。
シグナルペプチドの使用は、興味対象のポリペプチドの分泌割合を増加させることを可能にする。本発明で用いるシグナルペプチドは、特定のタンパク質と天然に会合しているシグナルペプチドとは異なることに注意されたい。
「興味対象の組換えポリペプチド」により、培養されている細胞の転写および翻訳機構によりインビトロで生成される、より一般的には上記のポリペプチドをコードする外因性DNAを受容した生細胞により(インビトロまたはインビボで)生成されるポリペプチドを意味する。
上記のシグナルペプチドは、天然シグナルペプチドを用いて分泌された興味対象の組換えポリペプチドの量と少なくとも等しい量で分泌される該ポリペプチドを生成することを可能にする。
さらに、本発明によるシグナルペプチドを用いて生成されるこのような興味対象のポリペプチドは、その天然シグナルペプチドにより生成される興味対象のポリペプチドの生物活性を保持する。
本発明によるシグナルペプチドは、興味対象の組換えポリペプチドを、インビトロ発現系、例えば細胞培養において生成することを可能にできる。
本発明によるシグナルペプチドは、興味対象の組換えポリペプチドを、インビボ発現系、例えばトランスジェニック動物、例えばヤギ、ヒツジ、バイソン、ラクダ、ウシ、ブタ、ウサギ、ウマ、ラット、マウスまたはラマにおいて生成することも可能にできる。
本発明によるシグナルペプチドは、天然シグナルペプチドを有するタンパク質の生成、または融合タンパク質もしくは人工タンパク質のような天然シグナルペプチドを有さないタンパク質の生成において用いることができる。
具体的な実施形態において、本発明は、上記のようなシグナルペプチドの使用であって、上記のシグナルペプチドが、式(II):
M(X1)iX2X3X4SX5X6X7
(式中、X1、i、X2、X3、X4、X5、X6およびX7は、式Iにおいて示す意味を有する)
で表される使用に関する。
上記のようなシグナルペプチドの使用の実施形態において、ペプチドX3は、少なくとも3つの連続ロイシンを有する。
「3つの連続ロイシン」により、次々に連続的かつ直接結合した3つのロイシン(他のアミノ酸はこれら3つのロイシンの間に挿入されない)を意味する。
上記のようなシグナルペプチドの使用の別の実施形態において、ペプチドX3は、少なくとも3つの非連続ロイシンを有する。
「3つの非連続ロイシン」により、3つのロイシンのうちの少なくとも1つが他の2つのロイシンのうちの1つと直接結合しておらず、ロイシンとは異なる少なくとも1つのアミノ酸が、3つのロイシンのうちの少なくとも2つの間に挿入されていることを意味する。
例えば、3つの非連続ロイシンは、互いに直接かつ連続的に結合している2つのロイシンを含むことができ、3つ目のロイシンはこれらの2つのロイシンにロイシンとは異なる少なくとも1つのアミノ酸を介して結合している。
例えば、3つの非連続ロイシンは、ロイシンとは異なる少なくとも1つのアミノ酸により互いに分けられていることもできる。言い換えると、これらの3つのロイシンは、各ロイシンの間に位置するロイシンとは異なる少なくとも1つのアミノ酸により互いに結合している。
具体的な実施形態において、本発明は、上記のようなシグナルペプチドの使用であって、
- X1、X2およびX4は、式Iにおいて示す意味を有し、
- i = 1、
- X3は、Ln (式中、nは、ロイシンの数であり、nは、3以上の数である)で表されるロイシンで構成されるペプチドであり、
- X4は、Ala、Thr、Ser、Gln、Ileから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X5は、Alaであり、
- X6は、GlnまたはAsnであり、
- X7は、Alaであり、
上記のペプチドが、次のアミノ酸配列:X1X2LnX4SAX6Aを含む使用に関する。
より具体的な実施形態において、本発明は、配列番号1のアミノ酸の配列(MRWSWIFLLLLSITSANA)により表されるシグナルペプチドの使用に関する。
別の具体的な実施形態において、本発明は、上記のようなシグナルペプチドの使用であって、
- X1およびX2は、式Iにおいて示す意味を有し、
- i = 1、
- X3は、3つの非連続ロイシン(そのうち2つのロイシンは、Gly、Ala、Val、Ile、Pro、Phe、Trpから選択される別の疎水性アミノ酸により分けられている)を含むペプチドであり、
- X4は、Ala、Thr、Ser、Gln、Ileから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X5は、Valであり、
- X6は、Hisであり、
- X7は、Cysであり、
上記のペプチドが、次のアミノ酸配列:X1X2X3X4SVHCを含む使用に関する。
より具体的な実施形態において、本発明は、配列番号2のアミノ酸の配列(MRWSWIFLFLLSITASVHC)により表されるシグナルペプチドの使用に関する(但し、このシグナルペプチドが、抗AMHRII抗体の重鎖の生成に利用されないことを条件とする)。配列番号2の配列により表されるシグナルペプチドは、配列番号28の配列(atgcgatggagctggatctttctcttcctcctgtcaataactgcaagtgtccattgc)により表される核酸によりコードされる。
別の具体的な実施形態において、本発明は、上記のようなシグナルペプチドの使用であって、
- X1、X2およびX4は、式Iにおいて示す意味を有し、
- i = 0、
- X3は、3つの非連続ロイシン(そのうち2つのロイシンは、Gly、Ala、Val、Ile、Pro、Phe、Trpから選択される別の疎水性アミノ酸により分けられている)を含むペプチドであり、
- X5は、Alaであり、
- X6は、Glnであり、
- X7は、Alaであり、
上記のペプチドが、次のアミノ酸配列:X2X3X4SAQAを含む使用に関する。
より具体的な実施形態において、本発明は、配列番号3のアミノ酸配列(MAWVWTLLFLMAAAQSAQA)により表されるシグナルペプチドの使用に関する(但し、このシグナルペプチドが、抗CD5抗体の重鎖または抗CD23抗体の生成に利用されないことを条件とする)。配列番号3の配列により表されるシグナルペプチドは、配列番号29の配列(atggcttgggtgtggaccttgctattcctgatggcagctgcccaaagtgcccaagca)により表される核酸によりコードされる。
インビトロ発現系は、当業者に既知の任意の発現系、例えば細菌、酵母、昆虫細胞またはその他の真核細胞株における異種タンパク質の発現でありうる。
有利には、本発明によるシグナルペプチドの使用は、高等真核細胞株において実行される。
より有利には、上記の高等真核細胞株は、SP2/0、(SP2/0-Ag 14)、NS0、その他のラットミエローマ、例えばIR983F、ヒトの株、例えばNamalwa、Wil-2、Jurkat、Molt-4、PER.C6、HEK293T/17、HEK293、HEK-293.2、Vero、Cos-1もしくはCos-7、BHK、CHO-K-1、CHO-Lec1、CHO-Lec10、CHO-Lec13、CHO Pro-5、CHO DX B11およびCHO DG44ならびにその他の株、例えばEBx、特にEB66K6H6およびP3X63Ag8.653およびYB2/0、CHO-SならびにHEK-293Fから選択できる。
本発明によるシグナルペプチドを用いて生成されるこのような興味対象の組換えポリペプチドは、任意の興味対象のタンパク質、または興味対象のタンパク質の一部分を形成するものでありうる。このような興味対象のポリペプチドは、例えば、ホルモン、免疫グロブリン酵素、免疫グロブリン全体もしくは免疫グロブリンに由来する任意のフラグメント、免疫応答に関与するタンパク質、例えばサイトカイン、インターロイキン、補体因子、キメラタンパク質またはその他の治療用タンパク質、例えば凝固因子、細胞外基質タンパク質もしくは可溶性受容体から選択できる。
有利な実施形態において、本発明によるシグナルペプチドは、細胞外媒体において興味対象の組換えポリペプチドを生成することを可能にし、上記のポリペプチドの1次構造および2次構造は、その天然シグナルペプチドを用いて生成されるポリペプチドのものと同一である。
本発明の具体的な実施形態において、本発明によるシグナルペプチドMRWSWIFLLLLSITSANAは、細胞外媒体において興味対象の組換えポリペプチドを生成することを可能にし、上記のポリペプチドの1次構造および2次構造は、その天然シグナルペプチドを用いて生成されるポリペプチドのものと同一である。
本発明の主題は、式IIIの少なくとも12アミノ酸の配列:
X1X2X3X4SX5X6X7
(式中、
- X1は、3〜6つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X2は、3〜9つまでの疎水性アミノ酸を含有するペプチドであり、
- X3は、少なくとも3つの連続ロイシンを含む3〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X4は、Ala、Thr、Ser、Gln、Ileから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X5は、Alaであり、
- X6は、GlnまたはAsnであり、
- X7は、Alaである)
を含むシグナルペプチドでもある。
上記のシグナルペプチドのh領域中に位置するロイシンは、ロイシンのひと続きを創出することを可能にする。
上記のシグナルペプチドにおいて、領域「SAX6A」は、ペプチダーゼ認識部位に相当する。X6により表されるアミノ酸は、グルタミンまたはアスパラギンでありうる(これらは同様の物理化学的特性を有するからである)。
有利な実施形態において、本発明によるシグナルペプチドは、式(IV):MX1X2X3X4SX5X6X7 (式中、X1、X2、X3、X4、X5、X6およびX7は、式IIIにおいて示す意味を有する)に相当する。
具体的な実施形態において、本発明は、式IIIまたは式IVに相当するシグナルペプチドであって、
- X3は、4つの連続ロイシンを含有するペプチドであり、
- ペプチドX1は、RWSであり、
-X2、X4およびX6は、式IIIにおいて示す意味を有し、
次の式:RWSX2X3X4SAX6Aに相当するシグナルペプチドに関する。
別の具体的な実施形態において、本発明は、式IIIまたは式IVに相当するシグナルペプチドであって、
- X3は、4つの連続ロイシンを含有するペプチドであり、
- ペプチドX2は、WIFであり、
- X1、X4およびX6は、式IIIにおいて示す意味を有し、
次の式;X1WIFX3X4SAX6Aに相当するシグナルペプチドに関する。
別の具体的な実施形態において、本発明は、式IIIまたは式IVに相当するシグナルペプチドであって、
- X3は、4つの連続ロイシンを含有するペプチドであり、
- ペプチドX4は、SITであり、
- X1、X2およびX6は、式IIIにおいて示す意味を有し、
次の式:X1X2X3SITSAX6Aに相当するシグナルペプチドに関する。
特に有利な実施形態において、本発明によるシグナルペプチドは、MRWSWIFLLLLSITSANA (配列番号1)のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
本発明の主題は、式IIIまたは式IVに相当するシグナルペプチドの1つをコードする核酸でもある。
具体的な実施形態において、本発明による核酸は、式IIIの少なくとも12アミノ酸:X1X2X3X4SX5X6X7
(式中、
- X1は、3〜6つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X2は、3〜9つまでの疎水性アミノ酸を含有するペプチドであり、
- X3は、少なくとも3つの連続ロイシンを含む3〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X4は、Ala、Thr、Ser、Gln、Ileから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X5は、Alaであり、
- X6は、GlnまたはAsnであり、
- X7は、Alaである)
を含むシグナルペプチドをコードする。
より具体的な実施形態において、本発明による核酸は、式(IV):M X1X2X3X4SX5X6X7 (式中、X1、X2、X3、X4、X5、X6およびX7は、式IIIにおいて示す意味を有する)のシグナルペプチドをコードする。
さらにより具体的な実施形態において、本発明による核酸は、式IIIまたは式IV(式中、
- X3は、4つの連続ロイシンを含有するペプチドであり、
- ペプチドX1は、RWSである)に相当するシグナルペプチドをコードする。
別のさらにより具体的な実施形態において、本発明による核酸は、式IIIまたは式IV(式中、
- X3は、4つの連続ロイシンを含有するペプチドであり、
- ペプチドX2は、WIFである)に相当するシグナルペプチドをコードする。
別のさらにより具体的な実施形態では、本発明による核酸は、式IIIまたは式IV(式中、
- X3は、4つの連続ロイシンを含有するペプチドであり、
- ペプチドX4は、SITである)に相当するシグナルペプチドをコードする。
本発明によるヌクレオチド配列は、本発明によるシグナルペプチドのアミノ酸配列から導き出すことができる。真核生物における各アミノ酸のそれぞれの遺伝子コドンは、当業者に知られている。
本発明の特に有利な実施形態において、本発明による核酸は、配列番号1:MRWSWIFLLLLSITSANAの配列により表されるペプチドをコードする。
より具体的には、このヌクレオチド配列は、次の配列(配列番号4):5'-atgcgatggagctggatcttcctgctgctgctgagcatcaccagcgccaacgcc-3'である。
本発明によるシグナルペプチドの1つをコードする核酸は、興味対象のポリペプチドをコードする核酸の5'端に、当業者に知られる任意の方法、例えばPCR技術により付加できる。
本発明の主題は、興味対象の組換えポリペプチドの前駆体であって、シグナルペプチドが、式(I)の少なくとも12アミノ酸:
(X1)iX2X3X4SX5X6X7
(式中
- X1は、3〜6つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、iは、0または1に等しく、
- X2は、3〜9つまでの疎水性アミノ酸を含有するペプチドであり、
- X3は、少なくとも3つの連続または非連続ロイシンを含む3〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X4は、Ala、Thr、Ser、Gln、Ile、Metから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X5は、AlaまたはValであり、
- X6は、Gln、AsnまたはHisであり、
- X7は、AlaまたはCysである)
を含むが、但し、
- 上記のシグナルペプチドが、特定のタンパク質の天然前駆体を起源とする場合、上記の興味対象のポリペプチドは、該タンパク質とは異なり、
- シグナルペプチドが、MAWVWTLLFLMAAAQSAQAである場合、上記の興味対象のポリペプチドは、抗CD23抗体ではなく、
細胞外媒体に分泌されるために、いずれの興味対象のポリペプチドも上記のシグナルペプチドの1つと結合できる、興味対象の組換えポリペプチドの前駆体でもある。
具体的な実施形態において、本発明による前駆体は、上記の式IIIまたは式IV (式中、X1、X2、X3、X4、X5、X6およびX7は、式IIIにおいて示す意味を有する)に相当するシグナルペプチドを含む。
具体的な実施形態において、本発明による前駆体は、次のアミノ酸配列:X1X2LnX4SAX6A (式中、
- X1は、3〜6つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X2は、3〜9つまでの疎水性アミノ酸を含有するペプチドであり、
- nは、ロイシンの数であり、3以上の数であり、
- X4は、Ala、Thr、Ser、Gln、Ileから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X6は、GlnまたはAsnである)
を含むシグナルペプチドを含む。
特に有利な実施形態において、本発明による興味対象のポリペプチドの前駆体は、次のアミノ酸配列:MRWSWIFLLLLSITSANA (配列番号1)からなるシグナルペプチドを含む。
別の具体的な実施形態において、本発明による前駆体は、次のアミノ酸配列:X1X2X3X4SVHC (式中、
- X1は、3〜6つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X2は、3〜9つまでの疎水性アミノ酸を含有するペプチドであり、
- X3は、3つの非連続ロイシン(そのうち2つのロイシンは、Gly、Ala、Val、Ile、Pro、Phe、Trpから選択される別の疎水性アミノ酸により分けられている)を含むペプチドであり、
- X4は、Ala、Thr、Ser、Glnから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドである)
を含むシグナルペプチドを含むが、但し、
上記のシグナルペプチドが、特定のタンパク質の天然前駆体を起源とする場合、上記の興味対象のポリペプチドは、該タンパク質とは異なる。
特に有利な実施形態において、本発明による興味対象のポリペプチドの前駆体は、次のアミノ酸配列:MRWSWIFLFLLSITASVHC (配列番号2)からなるシグナルペプチドを含むが、但し、
上記の興味対象のポリペプチドは、抗AMHRII抗体のガンマ鎖とは異なる。
別の具体的な実施形態において、本発明による前駆体は、次のアミノ酸配列:X2X3X4SAQA (式中、
- X2は、3〜9つまでの疎水性アミノ酸を含有するペプチドであり、
- X3は、3つの非連続ロイシン(そのうち2つのロイシンは、Gly、Ala、Val、Ile、Pro、Phe、Trp、Leuから選択される別の疎水性アミノ酸により分けられている)を含むペプチドであり、
- X4は、Ala、Thr、Ser、Gln、Metから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドである)
を含むシグナルペプチドを含むが、但し、
上記のシグナルペプチドが、特定のタンパク質の天然前駆体を起源とする場合、上記の興味対象のポリペプチドは、該タンパク質とは異なる。
特に有利な実施形態において、本発明による興味対象のポリペプチドの前駆体は、次のアミノ酸配列:MAWVWTLLFLMAAAQSAQA (配列番号3)からなるシグナルペプチドを含むが、但し、上記の興味対象のポリペプチドが、抗CD5抗体のガンマ鎖とは異なり、上記の興味対象のポリペプチドが、抗CD23抗体とは異なることを条件とする。
具体的な実施形態において、本発明によるこのような前駆体は、ホルモン、酵素、免疫グロブリン鎖、免疫グロブリン全体または免疫グロブリンに由来する任意のフラグメント、免疫応答に関与するタンパク質、例えばサイトカイン、インターロイキン、補体因子、キメラタンパク質またはその他の治療用タンパク質、例えば凝固因子、細胞外基質タンパク質もしくは可溶性受容体から選択される興味対象の組換えポリペプチドの前駆体である。
より具体的な実施形態において、本発明によるこのような前駆体は、抗体の軽鎖および/または抗体の重鎖から選択される興味対象の組換えポリペプチドの前駆体である。
本発明の主題は、本発明による興味対象の組換えポリペプチドの前駆体の1つをコードする核酸である。
本発明の主題は、上記の興味対象の組換えポリペプチドをコードする、上記の核酸を含む発現ベクターである。
具体的な実施形態において、本発明によるベクターは、遺伝学的手段、特に複製起点、プロモーターも含んで、上記の興味対象の組換えポリペプチドの発現を制御することを可能にする。
本発明による上記の発現ベクターは、上記の興味対象の組換えポリペプチドを高等真核細胞株において、一過性または安定的トランスフェクションの後に発現することができ、上記の株は、SP2/0、(SP2/0-Ag 14)、NS0、その他のラットミエローマ、例えばIR983F、ヒトの株、例えばNamalwa、Wil-2、Jurkat、Molt-4、PER.C6、HEK293T/17、HEK293、HEK-293.2、Vero、Cos-1もしくはCos-7、BHK、CHO-K-1、CHO-Lec1、CHO-Lec10、CHO-Lec13、CHO Pro-5、CHO DX B11およびCHO DG44ならびにその他の株、例えばEBx、特にEB66K6H6およびP3X63Ag8.653、YB2/0、CHO-SならびにHEK-293Fから有利に選択できる。
本発明は、
-式(I)の少なくとも12アミノ酸:
(X1)iX2X3X4SX5X6X7
(式中
- X1は、3〜6つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、iは、0または1に等しく、
- X2は、3〜9つまでの疎水性アミノ酸を含有するペプチドであり、
- X3は、少なくとも3つの連続または非連続ロイシンを含む3〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X4は、Ala、Thr、Ser、Gln、Ile、Metから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
- X5は、AlaまたはValであり、
- X6は、Gln、AsnまたはHisであり、
- X7は、AlaまたはCysである)
を含むシグナルペプチドをコードする核酸を、興味対象の組換えポリペプチドをコードする核酸の5'端に付加して、上記の興味対象の組換えポリペプチドの前駆体をコードする核酸を得ることと(但し、上記のシグナルペプチドが、特定のタンパク質の天然前駆体を起源とする場合、上記の興味対象のポリペプチドは、該タンパク質とは異なる)
- 先行する段階で得られた人工的核酸を発現ベクターにクローニングして、上記の興味対象の組換えポリペプチドの前駆体を発現できるベクターを得ることと、
-高等真核細胞株を、上記の人工的ヌクレオチド配列を含む発現ベクターでトランスフェクションし、上記のヌクレオチド配列を発現させることと、
- 培養培地に分泌された興味対象の組換えポリペプチドを回収することと
を含む、興味対象の組換えポリペプチドを生成する方法にも関する。
組換えポリペプチドの回収は、当業者に知られる任意の方法、例えば沈殿、遠心分離、クロマトグラフィー溶出により行うことができる。この段階は、ポリペプチドの精製の段階を伴うこともできる。
本発明による上記のプロセスで利用する発現ベクターは、当業者に知られる任意の発現ベクター、例えば一過性もしくは安定的トランスフェクションで高等真核細胞株においてポリペプチドをインビトロで発現することを可能にするベクターでありうる。
本発明による生成方法の具体的な実施形態において、真核細胞株は、SP2/0、(SP2/0-Ag 14)、NS0、その他のラットミエローマ、例えばIR983F、ヒトの株、例えばNamalwa、Wil-2、Jurkat、Molt-4、PER.C6、HEK293T/17、HEK293、HEK-293.2、Vero、Cos-1もしくはCos-7、BHK、CHO-K-1、CHO-Lec1、CHO-Lec10、CHO-Lec13、CHO Pro-5、CHO DX B11およびCHO DG44ならびにその他の株、例えばEBx、特にEB66K6H6、およびP3X63Ag8.653、YB2/0、CHO-SならびにHEK-293Fの細胞株から選択される。
本発明による生成方法の具体的な実施形態において、興味対象の組換えポリペプチドは、ホルモン、酵素、免疫グロブリン鎖、免疫グロブリン全体または免疫グロブリンに由来する任意のフラグメント、免疫応答に関与するタンパク質、例えばサイトカイン、インターロイキン、補体因子、キメラタンパク質または任意のその他の治療用タンパク質、例えば凝固因子、細胞外基質タンパク質、可溶性受容体から選択される。
本発明の具体的な実施形態において、本発明は:
-シグナルペプチドMRWSWIFLLLLSITSANAをコードする核酸を、免疫グロブリン鎖をコードする核酸の5'端に付加して、免疫グロブリン鎖の前駆体をコードする核酸を得ることと、
- 先行する段階で得られた人工的核酸を発現ベクターにクローニングして、免疫グロブリン鎖の前駆体を発現できるベクターを得ることと、
- PER.C6、YB2/0、CHO-SおよびHEK293から選択される高等真核細胞株を、上記の人工的ヌクレオチド配列を含む発現ベクターでトランスフェクションし、上記のヌクレオチド配列を発現させることと、
- 培養培地に分泌された抗体を回収することと
を含む、組換え抗体を生成する方法に関する。
本発明のより具体的な実施形態において、および抗体の生成の関係において、重鎖の生成のために用いるシグナルペプチドは、軽鎖の生成のために用いるものと同じである。
抗体の生成のための本発明のさらにより具体的な実施形態では、シグナルペプチドMRWSWIFLLLLSITSANAを用いて、上記の興味対象の抗体の重鎖および軽鎖の両方を生成する。
本発明を、例としてのみ、図面および以下の実施例により説明する。
図1は、シグナルペプチドをT125カッパ鎖の5'端に付加するために用いた原理を示す。矢印は、アセンブリPCRのために用いる異なるプライマーを示す。 図2Aは、抗CD20 (R603)抗体をコードする発現ベクターを調製し、IgG全体に対するSPの分泌力を評価することを可能にするために用いた原理を示す。箱は、ベクターにクローニングされる重鎖または軽鎖可変部分を表す。評価の対象となる最終的なベクターには、灰色の下線を付す。 図2Aは、抗RhD (R593)抗体をコードする発現ベクターを調製し、IgG全体に対するSPの分泌力を評価することを可能にするために用いた原理を示す。箱は、ベクターにクローニングされる重鎖または軽鎖可変部分を表す。評価の対象となる最終的なベクターには、灰色の下線を付す。 図3は、一過性トランスフェクションにおいて評価した、PER.C6細胞株における抗RhD抗体(R593)全体の分泌に対する12G4 (配列番号2の配列により表される)、XXII49 (配列番号3の配列により表される)およびMB7 (配列番号1の配列により表される)を含む3つのシグナルペプチドの影響の比較を示す。4つのカラムは、左から右に、その初期のシグナルペプチド(重鎖、軽鎖)、シグナルペプチド12G4、シグナルペプチドXXII49および本発明によるシグナルペプチドMB7にそれぞれ結合したR593抗体の分泌割合をそれぞれ表す。y軸は、培養培地に分泌されたR593抗体の濃度を表す。 図4は、一過性トランスフェクションにおいて評価した、YB2/0細胞株における抗CD20抗体(R603)全体の分泌に対する12G4、XXII49およびMB7を含む3つのシグナルペプチドの影響の比較を示す。4つのカラムは、左から右に、その初期のシグナルペプチド(重鎖、軽鎖)、シグナルペプチド12G4、シグナルペプチドXXII49および本発明によるシグナルペプチドMB7にそれぞれ結合したR603抗体の分泌割合をそれぞれ表す。y軸は、培養培地に分泌されたR603抗体の濃度を表す。 図5は、一過性トランスフェクションにおいて評価した、CHO-S細胞株における抗RhD抗体(R593)全体の分泌に対する12G4、XXII49およびMB7を含む3つのシグナルペプチドの影響の比較を示す。4つのカラムは、左から右に、その初期のシグナルペプチド(重鎖、軽鎖)、シグナルペプチド12G4、シグナルペプチドXXII49および本発明によるシグナルペプチドMB7にそれぞれ結合したR593抗体の分泌割合をそれぞれ表す。y軸は、培養培地に分泌されたR593抗体の濃度を表す。 図6は、一過性トランスフェクションにおいて評価した、細胞株HEK293における抗RhD抗体(R593)全体の分泌に対する12G4、XXII49およびMB7を含む3つのシグナルペプチドの影響の比較を示す。4つのカラムは、左から右に、その初期のシグナルペプチド(重鎖、軽鎖)、シグナルペプチド12G4、シグナルペプチドXXII49および本発明によるシグナルペプチドMB7にそれぞれ結合したR593抗体の分泌割合をそれぞれ表す。y軸は、培養培地に分泌されたR593抗体の濃度を表す。 図7は、PER.C6細胞株における、天然シグナルペプチドに関して異なるシグナルペプチドの関数としての平均生成の比較を示す。y軸は、本発明によるシグナルペプチド(12G4またはMB7)に結合した抗体の分泌割合と、その天然シグナルペプチドに結合した抗体の分泌割合との比率を表す。3つのカラムは、左から右に、シグナルペプチドMB7に結合したR603抗体の分泌割合、ならびにシグナルペプチド12G4およびシグナルペプチドMB7にそれぞれ結合したR593抗体の分泌割合をそれぞれ表す。 図8Aは、その天然シグナルペプチド(菱形)、シグナルペプチドXXII49 (四角)、シグナルペプチドMB7(三角)、およびシグナルペプチド12G4 (十字)にそれぞれ結合した抗CD20についてのトランスフェクション後の生存率の回復を示す。y軸は、生存率のパーセンテージを表す。x軸は、トランスフェクション後の日数を表す。結果は、3つの安定的プールの平均である。 図8Aは、その天然シグナルペプチド(菱形)、シグナルペプチドXXII49 (四角)、シグナルペプチドMB7(三角)、およびシグナルペプチド12G4 (十字)にそれぞれ結合した抗Rh(D) についてのトランスフェクション後の生存率の回復を示す。y軸は、生存率のパーセンテージを表す。x軸は、トランスフェクション後の日数を表す。結果は、3つの安定的プールの平均である。
実施例
実施例1:材料および方法
1.1 分析したペプチドシグナル
シグナルペプチドを天然に有するポリペプチド鎖をそれぞれ起源とする7つのシグナルペプチドを選択して、これらの7つの異なるシグナルペプチドの分泌力を分析する。
これらの7つのポリペプチド鎖は、それぞれ、抗AMHRII抗体のガンマ鎖(12G4、I-3673 CNCM)、抗CD5抗体のガンマ鎖(XXII49、未発表データ)、抗RhD抗体のガンマ鎖(D29、FR 2861078)、抗LDL受容体のガンマ鎖(5E5、I-3488 CNCM)、抗CD20抗体のカッパ鎖(Cat13、供給業者:DSMZ、ref. ACC 474)、T2リンパ球のTCR受容体のα鎖(HAVT20、Genbank受理番号H32536)およびヒトエリスロポエチン(EPO、Genbank受理番号AAI43226)である。
シグナルペプチドの分泌力は、2つの観点、すなわちその指向能力および切断されうる能力に従って評価する。
シグナルペプチドの分泌力の説明および予測は、以前に分析されている(Emanuelssonら、Nature Protocols 2、953-971 (2007))。
シグナルペプチド(SP)を、アルゴリズムSignalP V3.0に、SP融合タンパク質/抗Rh(D)抗体T125の軽鎖(FR2807767)の形で供した。
1.2 抗Rh(D)抗体T125の軽鎖の発現に対するSPの評価のための発現ベクターの構築
方法は各SPについて同一であり、これは、2つの一連のPCRにわかれる。第1のPCRは、プライマーP1およびP2を用いて行い、これらは、40〜50塩基のSPの合成と、配列の5'端でのNheI部位の組み込みとを可能にする。第2のPCRは、プライマーP3およびP2_Kappa_XbaIならびにマトリクスとしてプラスミドRSV-int_KT125 2stpを用いて並行して行う。これは、その後、カッパ鎖へのSPの連結と、3'端へのXbaIクローニング部位の組み込みとを可能にする。第3のPCRを、次いで行う。このアセンブリPCRは、プライマーP1およびP2_Kappa_XbaIを用いて行う(図1)。
ヌクレオチド組み込みの誤りを制限するために、プルーフリーディング酵素(proofstart Taq、Qiagen)をDNA増幅のために用い、サイクル数を制限する。
PCRは、以下の条件下で行う。
用いたプライマーを以下に示す。
ベクターRSV-int_KT125 2stpを、NheIおよびXbaIにより消化する。T125の軽鎖をコードするヌクレオチド配列に相当する725塩基のフラグメントを除去する。5028塩基のフラグメントを回収する。このように調製したPCR生成物も、NheIおよびXbaIにより消化する。消化の後のフラグメントを回収し、Nuleospin (登録商標) Extract (Clonetech)により精製する。このように消化したPCR生成物を、発現ベクターRSV-int KT125-2stpにおけるNheI部位とXbaI部位との間に、既に存在する軽鎖の代わりにクローニングする。PCR生成物の正しい挿入を、2つのプライマー:P1およびP2_Kappa_Xba1を用いるPCRにより確認する。シグナルペプチドの後の約750〜760塩基のアンプリコンが、ベクターが正しく構築された場合に得られるはずである。ベクターへのPCR生成物の正しい挿入は、配列番号27の配列(5'-CAGATGGCTGGCAACTAGAA-3')により表されるプライマー2BGHPAを用いる配列決定によっても確認する。
1.3 抗Rh(D)抗体T125および抗CD20抗体の発現に対するSPの評価のための発現ベクターの構築
以前と同じ原理(セクション1.2)で、抗AMHRII、抗CD5のSPおよび人工的SP MB7を、抗Rh(D)抗体T125および抗CD20抗体の重鎖および軽鎖に、以下の表に従う研究の最初の部分において作製したフラグメントのアセンブリPCR(表3)、従来のPCR (表2)または単純クローニング(表1)により付加する。
評価されるSPと融合した重鎖および軽鎖対のそれぞれを、次いで、図2Aまたは図2Bの図に従って逐次的にベクターHK463-25にクローニングする。各軽鎖の可変部分を、上記の表に従って増幅し、次いで、NheI/DraIIIにより消化した後に、それ自体がSpeI/DraIIIで消化されたベクターにライゲーションする。PCRおよび酵素消化によるスクリーニングを次いで行って、ベクターの形質転換に起因する細菌クローンを同定する。正しく作製されたクローンを次いで操作して、重鎖の可変部分を挿入する。このことは、ライゲーション前のベクターおよびPCR生成物のNheI/ApaI消化、細菌の変換および追従する細菌クローンを同定するためのスクリーニングにより行う。
このように構築された異なるベクターを、次いで、YB2/0、PER.C6、CHO-SおよびHEKにおける一過性トランスフェクションまたは株YB2/0およびPER.C6における安定的トランスフェクションにおいて評価した。
1.4 一過性トランスフェクション
YB2/0の場合、親の細胞を、トランスフェクションの1日前に(D-1) 2E5 cv/mlにてフラスコ中のEMS (Invitrogen、作製された培地)+5% FCS (Invitrogen)に播種する。エレクトロポレーションの日(D0)に、100μlのバッファーV(細胞株ヌクレオフェクターキットV,Lonza)に採取した4-mmキュベット(Biorad)あたり4E6細胞の遠心分離、これをAMAXAにより4μgのプラスミドDNAで、デバイスのプログラムT020を用いてヌクレオフェクションする。細胞を、P6プレートウェルで37℃、7% CO2にて3mlのEMS培地+5% FCS中で培養する。上清をELISAアッセイのためにD+5に回収する。
接着性PER.C6の場合、親の細胞を、トランスフェクションの24時間前(D-1)に 24ウェルプレートに1E6 cv/mlにて、DMEM (Fisher Bioblck Scientific) + 10% FCS中に播種する。トランスフェクションの日に、6:2の比率でのFuGENE(登録商標) HD (Roche)/DNA複合体を、DMEM中で15分間、周囲温度にて形成する。複合体(25μl)を、次いで、細胞上に、250μlのDMEM + 10%新鮮FCSの存在下で置き、37℃および10%のCO2にて4時間インキュベートする。この期間の最後に、250μlの完全培地を加え、上清を、培地中に分泌された分子の評価のためにD+5に回収する。
CHO-Sの場合、SPを、FreeStyleキットプロトコール(Invitrogen)に従って一過性トランスフェクションにおいて評価する。親の細胞を、トランスフェクションの24時間前に(D-1)エルレンマイヤーフラスコ(VWR)中で6E5細胞/mlにてFreeStyle CHO EM (Fisher Bioblock scientific)中に播種し、120 rpm、37℃、8% CO2でインキュベートする。トランスフェクションの日に、1:1の比率でのFreeStyle MAX試薬(Fisher Bioblock Scientific)/DNA複合体をOpti Pro SFM (Invitrogen)中で形成する。複合体を、次いで、予め遠心分離した細胞(懸濁されている)に入れ、1E6 c/mlにてcultiflask (Sartorius) (5ml)中のFreeStyle CHO EMに採取し、200 rpm、37℃、8%のCO2にてインキュベートする。上清を、培地中に分泌された分子の数の評価のためにD+5に回収する。
HEK293Fの場合、SPを、FreeStyleキットプロトコール(Invitrogen)に従って一過性トランスフェクションにおいて評価する。親の細胞を、トランスフェクションの24時間前に(D-1)エルレンマイヤーフラスコ中で6E5 cv/mlにてF17 293 EM培地(Fisher Bioblock Scientific)中に播種し、120 rpm、37℃、8% CO2にてインキュベートする。トランスフェクションの日に、2:1の比率での293Fectin/DNA複合体をOpti Pro SFM中で形成する。複合体を、次いで、予め遠心分離した細胞に入れ、1E6 c/mlにてF17 293 EM中に採取し、200 rpm、37℃、8%のCO2にてインキュベートする。上清を、培地中に分泌された分子のレベルの評価のためにD+5に回収する。
1.5 安定的トランスフェクション
評価を、トランスフェクタント(「安定的トランスフェクションプール」)に対して行って、多数のトランスフェクタント(数千)にわたって平均した発現のレベルに基づく異なる構築を比較する。
YB2/0の場合、安定的プール中のトランスフェクションは、次のようにして行う。
細胞は、安定的成長を有していなければならず、F150フラスコ(80 ml)中のEMS培地+5% FCS中で少なくとも4週間融解された。細胞を、1日前に2E5 cv/mlにてEMS培地+5% FCS中で継代培養する。
エレクトロポレーションの日に、細胞を、Gene Pulser Xcellシステム(BioRad)により、230Vの電圧および960μFの静電容量で4-mmキュベット(Biorad)中で5E6 cv (直鎖状プラスミドDNAを含有するエレクトロバッファーキット(Ozyme)からのqsf 500μlのエレクトロポレーションバッファー)でエレクトロポレーションする。エレクトロポレーションの後に、EMS培地+5% FCS中で24ウェルプレート(P24) (25000細胞/ウェル)に播種を行う。
D+3に、選択培地に入れて、以下の濃度を得る:EMS +5% FCS + G418 1g/l + 1%フェノールレッド。
D+7に、対応する培地を含むプレートに交換する。
D+10に、ウェルに著しい成長が見られたら、8ウェルの3つのP24プールを作製し、細胞を2E5 cv/mlにてF25中で継代培養し、最大生成(D+7に最大の生成)を行い、上清を回収し、FastELYSAを用いてアッセイする。
PER.C6の場合、親の細胞を、PERC6SF細胞にPermab培地(ThermoFisher)中で馴化させ、3週間、100 rpmの撹拌の下で培養する。エレクトロポレーションの2日前に、継代培養した細胞を5E5 cv/mlに、Permab培地に完全に変えて移す。エレクトロポレーションの日に、各プールを、4-mmキュベット中で6E6 cvについて8μgの直鎖状プラスミドDNAを用いる5回のエレクトロポレーションにより調製する。細胞を、製造業者の使用説明に従ってGene Pulser Xcell (BioRad)によりエレクトロポレーションする。
トランスフェクションの48時間後に、選択圧(125μg/mlでのG418)を細胞に加えて、細胞をおよそ4〜5週間培養に維持し、培養の容量を適合させて、各継代での3E5 cv/mlの濃度を維持する。細胞生存率が20%まで下落した後に、細胞を撹拌に付す。生存率が約50%に到達し85%にて、プールの生産性の評価を、D+7のバッチにおける培養物に対して行う。
各構築について、3つの異なるプールを細胞株および分析により行う。プールの生産性は、ng/mlで表す。
1.6 分泌された組換えタンパク質のレベルの評価
抗Rh(D)抗体T125の遊離カッパ鎖レベルの評価ならびにIgG1、抗CD20または抗Rh(D) T12の生成は、酵素結合免疫吸着(ELISA)技術により決定する。
培養上清中に存在する遊離カッパ鎖は、96ウェルプレートに吸着させたヤギ抗ヒトカッパ抗体(Caltag Lab)により2時間にわたって捕捉する。捕捉された抗体を、次いで、ビオチン化ヤギ抗ヒトカッパ抗体(Pierce)により顕色し、その後にペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジン(Pierce)を加える。各段階の間に4回洗浄を行って、複合体に含まれない反応性が低いタンパク質を除去する。顕色は、酵素基質PD (Sigma)を加え、反応を1N HClで停止することにより行う。読み取りは、分光光度計で492 nmにて行う。抗体濃度は、標準範囲内での比較において決定する。
一過性および安定的トランスフェクションにおいて生成されたIgG1を、供給業者の使用説明に従ってFast ELYSAキット(RD-biotech)により評価する。光学密度は、分光光度計で450 nmにて読み取る。抗体濃度は、キットに含まれる標準物質範囲との比較において決定する。
比較は、本発明によるシグナルペプチドにより分泌された抗Rh(D)抗体T125のカッパ鎖とその天然シグナルペプチドにより分泌されたものとの間で行う。
比較は、本発明によるシグナルペプチドの少なくとも1つを用いて生成された抗Rh(D)抗体T125または抗CD20抗体と、それぞれの抗体の天然シグナルペプチドによりそれぞれ生成されたものとの間でも行う。
抗Rh(D)抗体T125の軽鎖の天然シグナルペプチドは、配列番号30の核酸(atgagggtccccgctcagctcctggggctcctgctgctctggctcccaggtgccagatgt)によりコードされる。
抗Rh(D)抗体T125の重鎖の天然シグナルペプチドは、配列番号31の核酸(atggagtttgggctgagctgggttttcctcgttgctcttttaagaggtgtccagtgt)によりコードされる。
抗CD20抗体の軽鎖の天然シグナルペプチドは、配列番号32の核酸(atggattttcaagtgcagattttcagcttcctgctaatcagtgcttcagtcataatgtccagagga)によりコードされる。
抗CD20抗体の重鎖の天然シグナルペプチドは、配列番号33の核酸(atgggattcagcaggatctttctcttcctcctgtcagtaactacaggtgtccactcc)によりコードされる。
実施例2:抗体軽鎖の分泌に対するシグナルペプチドのインビトロ評価
これらの7つのシグナルペプチドの分泌力を、一過性トランスフェクションにおいて、株PER.C6、CHO-S、YB2/0においてインビトロで試験する。一過性トランスフェクションの方法は、上のセクションに記載する(セクション1.2を参照)。
2.1 株PER.C6における7つのシグナルペプチドの影響
4つの異なる週にわたって行った4回の一過性トランスフェクションから得られた結果により、SP間の著しい違いを観察することができる。
多重比較を、株PER.C6において異なるシグナルペプチドを用いて得られたIg軽鎖生成の平均(ng/mL)について行う(表4)。平均同士を区別するために今回用いた方法は、フィッシャーの最小有意差(LSD)手順である。多重範囲検定は、95.0% LSD法を用いて行う。これらの対は、95.0%信頼レベルにて統計的に有意な差を有する。
2つの同種の群が、Xの列を用いて同定される。各列において、Xを含有するレベルが平均の群を形成し、この中では統計的に有意な差はない。抗体XXII49およびD29の重鎖のシグナルペプチドは、Ig (抗Rh(D))軽鎖の生成において、抗体Cat13 (抗CD20)、HAVT20およびEPOのSPよりも有意により有効である。
異なるSP間で得られた生成における差はわずかだけである。それにもかかわらず、抗体XXII49および抗体D29の重鎖のSPは株PER.C6において異なり、抗体XXII49のものについてわずかに有利である。3つの最もよくないペプチドは、抗体Cat13、HAVT20およびEPOのものである。
2.2 株YB2/0における7つのシグナルペプチドの影響
5つの異なる週にわたって行った5回のトランスフェクションから得られた結果により、SP間の著しい違いを観察することができる。
多重比較を、株YB2/0において異なるシグナルペプチドを用いて得られたIg軽鎖生成の平均(ng/mL)について行う(表5)。平均同士を区別するために今回用いた方法は、フィッシャーの最小有意差(LSD)手順である。多重範囲検定は、95.0% LSD法を用いて行う。これらの対は、95.0%信頼レベルにて統計的に有意な差を有する。
5つの同種の群が、Xの列を用いて同定される。抗体XXII49の重鎖のSPは、12G4のものを除く全てのその他のペプチドよりも有意に有効である。一方、抗CD20 (Cat13)の軽鎖のSPは、HAVT20およびEPOのものとともにSPのうちで最もよくないことがわかる。
抗体XXII49、12G4およびD29の重鎖のSPは、最良のSPであることがわかり、XXII49のものが有利である。3つの最もよくないペプチドは、株PER.C6において前に観察されたことと同様に、抗体Cat13、HAVT20およびEPOのものである。
2.3 株CHO-Sにおける7つのシグナルペプチドの影響
4つの異なる週にわたって行った4回のトランスフェクションから得られた結果により、SP間の著しい違いを観察することができる。
多重比較を、株CHO-Sにおいて異なるシグナルペプチドを用いて得られたIg軽鎖生成の平均(ng/mL)について行う(表6)。平均同士を区別するために今回用いた方法は、フィッシャーの最小有意差(LSD)手順である。多重範囲検定は、95.0% LSD法を用いて行う。これらの対は、95.0%信頼レベルにて統計的に有意な差を有する。
3つの同種の群が、Xの列を用いて同定される。抗体XXII49の重鎖のSPは、抗体D29、Cat13、HAVT20およびEPOのものより有意に有効である。一方、その分泌力は、抗体12G4および5E5の重鎖のものと同様である。
抗体XXII49および12G4の重鎖のSPは、最良のSPであり、XXII49のものが有利である。3つの最もよくないペプチドは、株PER.C6およびYB2/0において前に観察されたことと同様に、抗体Cat13、HAVT20およびEPOのものである。
実施例3:免疫グロブリン全体の分泌に対するシグナルペプチドのインビトロ実証
インシリコおよびインビトロで同定された2つの最良のSP (XXII49および12G4)ならびに本発明による人工的SPであるMB7を試験して、免疫グロブリンの重鎖および軽鎖と融合したこれらのSPがもたらすことができる抗体全体の生産性における潜在的な増大を評価した。試験した抗体は、抗Rh(D) (R593)および抗CD20 (R603)である。異なる分子を、一過性トランスフェクションで株PER.C6、YB2/0、CHO-SおよびHEKにおいて、次いで安定的プールに対してPER.C6およびYB2/0において試験した。
問題の各株における一過性トランスフェクションおよび安定的トランスフェクションの方法は、上のセクションに記載する(1.4および1.5を参照)。
3.1 株PER.C6におけるシグナルペプチドの影響
3.1.1 一過性トランスフェクション
4つの異なる週にわたって行った4回の一過性トランスフェクションから得られた結果により、SP間の著しい違いを観察することができる。
本発明によるシグナルペプチドMB7を用いるR593抗体の平均分泌は、それ自体のシグナルペプチドに結合したR593抗体のものに対して1.80の係数で増加する。シグナルペプチド12G4およびシグナルペプチドXXII49も、株PER.C6におけるR593抗体の分泌割合をそれぞれ1.71および1.58の係数で増加できる(図3および表7)。
表7において、平均同士を区別するために今回用いた方法は、フィッシャーの最小有意差(LSD)手順である。多重範囲検定は、95.0% LSD法を用いて行う。これらの対は、95.0%信頼レベルにて統計的に有意な差を有する。
3.1.2. 安定的トランスフェクション
PER.C6細胞を、セクション1.5に記載するようにして、安定的プールを作製するためにトランスフェクションした。これらのトランスフェクションは、3週間にわたって反復して、一過性トランスフェクションにおいて得られた結果と比較した。
結果を表8および図7に示す。
表8において、平均同士を区別するために今回用いた方法は、フィッシャーの最小有意差(LSD)手順である。多重範囲検定は、95.0% LSD法を用いて行う。これらの対は、95.0%信頼レベルにて統計的に有意な差を有する。
バッチ生成を、3つの安定的プールに対して7日間にわたって行い、試料をFastELYSAによりアッセイした。D+7における生成の結果を統計学的に分析して、IgG1の分泌に対するシグナルペプチドの影響を比較した。統計分析は、抗CD20抗体(R603)および抗Rh(D) (R593)の両方についてシグナルペプチドMB7と天然ペプチド(WT)との間の有意な差を示す(表8)。
抗Rh(D)抗体について、シグナルペプチド12G4(重鎖)も、天然シグナルペプチド(WT)のものと有意に異なる平均を示す。
図7は、最適化シグナルペプチドと天然シグナルペプチドとの間の平均生成の比率を示す。あるレベルの生成が観察され、これは、MB7-R603の場合に1.3の係数でより大きく、MB7-R593の場合に1.2の係数でより大きい。このことは、よって、シグナルペプチドMB7が、生産性において真の増大をもたらすことを示す。
シグナルペプチド12G4を含有する抗Rh(D)抗体について、多重範囲検定により示される平均の有意な差は、1.15の係数で増加した生産性において反映される。
細胞生存率に対するシグナルペプチドの影響も、抗CD20抗体 (R603)の生成(図8A)または抗Rh(D)抗体(R593)の生成(図8B)について、PER.C6細胞株において研究した。抗CD20抗体(R603)について、トランスフェクションおよび選択圧の付加の後の生存率の回復は、天然ペプチドの存在下よりもシグナルペプチドMB7の存在下においてわずかにより迅速に生じることが観察される。このことは、安定的プールの確立において時間についてのわずかな利益をもたらす。なぜなら、MB7を含有する細胞を、天然シグナルペプチドを含有する細胞よりも1〜2日間前に撹拌に再び供することができるからである。抗CD20抗体は、細胞に蓄積し、細胞に対して毒性の影響を生じる。シグナルペプチドMB7は、抗体の分泌を増加させることにより、この毒性の影響を低減し、よって、細胞の回復を促進する。この効果は、抗CD20よりもよい生産性を有し、よって細胞内の抗体の蓄積によるこの毒性に供されない抗Rh(D)抗体を用いて観察されない(図8B)。
3.2 株YB2/0におけるシグナルペプチドの影響
3.2.1 一過性トランスフェクション
3つの異なる週にわたって行った3回の一過性トランスフェクションから得られた結果により、SP間の著しい違いを観察することができる(表9)。
表9において、平均同士を区別するために今回用いた方法は、フィッシャーの最小有意差(LSD)手順である。多重範囲検定は、95.0% LSD法を用いて行う。これらの対は、95.0%信頼レベルにて統計的に有意な差を有する。
本発明によるペプチドMB7を用いるR603抗体の平均分泌は、それ自体のシグナルペプチドに結合したR603抗体のものに対して1.75の係数で増加する(図4)。シグナルペプチド12G4およびシグナルペプチドXXII49も、株YB2/0におけるR603抗体の分泌割合をそれぞれ1.65および2.42の係数で増加できる。
3.2.2 安定的トランスフェクション
YB2/0細胞を、セクション1.5に記載するようにして、安定的プールを作製するためにトランスフェクションした。これらのトランスフェクションは、3週間にわたって反復して、一過性トランスフェクションにおいて得られた結果と比較した。
バッチ生成を、3つの安定的プールに対して7日間にわたって行い、試料をFastELYSAによりアッセイした。D+7における生成の結果を統計学的に分析して、IgG1の分泌に対するシグナルペプチドの影響を比較した。
シグナルペプチドMB7は、YB2/0細胞において、その天然シグナルペプチドのものと同じレベルのR603抗体の生産性を与える。
3.3 株CHO-Sにおけるシグナルペプチドの影響
3つの異なる週にわたって行った3回の一過性トランスフェクションから得られた結果により、SP間の著しい違いを観察することができる(表10)。
表10において、平均同士を区別するために今回用いた方法は、フィッシャーの最小有意差(LSD)手順である。多重範囲検定は、95.0% LSD法を用いて行う。これらの対は、95.0%信頼レベルにて統計的に有意な差を有する。
本発明によるペプチドMB7を用いるR593抗体の平均分泌は、それ自体のシグナルペプチドに結合したR593抗体のものに対して2.1の係数で増加する(図5)。シグナルペプチド12G4およびシグナルペプチドXXII49も、株CHO-SにおけるR593抗体の分泌割合をそれぞれ1.75および1.7の係数で増加できる。
3.4 株HEK293におけるシグナルペプチドの影響
3つの異なる週にわたって行った3回の一過性トランスフェクションから得られた結果により、SP間の著しい違いを観察することができる(表11)。
表11において、平均同士を区別するために今回用いた方法は、フィッシャーの最小有意差(LSD)手順である。多重範囲検定は、95.0% LSD法を用いて行う。これらの対は、95.0%信頼レベルにて統計的に有意な差を有する。
本発明によるペプチドMB7を用いるR593抗体の平均分泌は、それ自体のシグナルペプチドに結合したR593抗体のものに対して1.35の係数で増加する(図6)。シグナルペプチド12G4およびシグナルペプチドXXII49も、株HEK 293におけるR593抗体の分泌割合をそれぞれ1.45および1.44の係数で増加できる。
3.5 生成される分子の1次構造に対するシグナルペプチドの変化の影響
シグナルペプチドの変化が分泌される抗体の1次構造に何らかの影響を有するかを調べるために、物理化学的分析を質量分析およびエドマン法によるN末端配列決定により、YB2/0およびPER.C6における抗Rh(D)および抗CD20生成物の重鎖および軽鎖のレベルで、安定的トランスフェクションにおいて行った。
表12にまとめる質量分析の結果は、分析した16種の抗体について観察される質量が、シグナルペプチドの有効な切断について予測される理論的質量に相当することを示す。
よって、シグナルペプチドの改変は、生成される抗体のタンパク質配列に影響を有さない。

Claims (38)

  1. 発現系における興味対象の組換えポリペプチドの生成のためのシグナルペプチドの使用であって、前記シグナルペプチドが、式(I)の12〜30アミノ酸:
    (X1)iX2X3X4SX5X6X7
    (式中、
    - X1は、3〜6つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、iは、0または1に等しく、
    - X2は、3〜9つまでの疎水性アミノ酸を含有するペプチドであり、
    - X3は、少なくとも3つの連続または非連続ロイシンを含む3〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
    - X4は、Ala、Thr、Ser、Gln、Ile、Metから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
    - X5は、AlaまたはValであり、
    - X6は、AsnまたはHisであり、
    - X7は、AlaまたはCysである)
    を含むが、但し、
    - 前記シグナルペプチドが、特定のタンパク質の天然前駆体を起源とする場合、前記興味対象のポリペプチドは、該タンパク質とは異なり、
    細胞外媒体に分泌されるために、いずれの興味対象のポリペプチドも前記シグナルペプチドの1つと結合できる、
    シグナルペプチドの使用。
  2. 分泌されるポリペプチドの量が、その天然シグナルペプチドを用いる前記分泌されるポリペプチドの量に少なくとも相当する請求項1に記載のシグナルペプチドの使用。
  3. 前記普遍的シグナルペプチドが、式(II):
    M(X1)iX2X3X4SX5X6X7
    (式中、X1、i、X2、X3、X4、X5、X6およびX7は、請求項1に示す意味を有する)
    で表される請求項1または2に記載の使用。
  4. ペプチドX3が、少なくとも3つの連続ロイシンを含む請求項3に記載の使用。
  5. ペプチドX3が、少なくとも3つの非連続ロイシンを含む請求項3に記載の使用。
  6. - X1、X2およびX4が、請求項1に示す意味を有し、
    - i = 1、
    - X3が、Ln (式中、nは、ロイシンの数であり、nは、3以上の数である)で表されるロイシンで構成されるペプチドであり、
    - X4が、Ala、Thr、Ser、Gln、Ileから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
    - X5が、Alaであり、
    - X6が、Asnであり、
    - X7が、Alaであり、
    前記ペプチドが、以下のアミノ酸配列:X1X2LnX4SAX6Aを含む請求項3または4に記載の使用。
  7. - X1およびX2が、請求項1に示す意味を有し、
    - i = 1、
    - X3が、3つの非連続ロイシン(そのうち2つのロイシンは、Gly、Ala、Val、Ile、Pro、Phe、Trpから選択される別の疎水性アミノ酸により分けられている)を含むペプチドであり、
    - X4が、Ala、Thr、Ser、Gln、Ileから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
    - X5が、Valであり、
    - X6が、Hisであり、
    - X7が、Cysであり、
    前記ペプチドが、以下のアミノ酸配列:X1X2X3X4SVHCを含む請求項3または5に記載の使用。
  8. 発現系が、高等真核細胞株である請求項1〜7のいずれか1項に記載のシグナルペプチドの使用。
  9. 高等真核細胞株が、SP2/0、SP2/0-Ag 14、NS0、その他のラットミエローマ細胞株、ヒトの株、EBx細胞株、Vero、Cos-1もしくはCos-7、BHK、CHO-K-1、CHO-Lec1、CHO-Lec10、CHO-Lec13、CHO Pro-5、CHO DX B11、CHO DG44、P3X63Ag8.653、YB2/0およびCHO-Sから選択される請求項8に記載の使用。
  10. その他のラットミエローマ細胞株が、IR983Fである請求項9に記載の使用。
  11. ヒトの株が、Namalwa、Wil-2、Jurkat、Molt-4、PER.C6、HEK293T/17、HEK293、HEK-293.2およびHEK-293Fである請求項9に記載の使用。
  12. EBx細胞株が、EB66K6H6である請求項9に記載の使用。
  13. 発現系が、ヤギ、ヒツジ、バイソン、ラクダ、ウシ、ブタ、ウサギ、ウマ、ラット、マウスまたはラマから選択されるトランスジェニック動物である請求項1〜7のいずれか1項に記載のシグナルペプチドの使用。
  14. 興味対象の組換えポリペプチドが、ホルモン、酵素、免疫グロブリン鎖、免疫グロブリン全体もしくは免疫グロブリンに由来する任意のフラグメント、免疫応答に関与するタンパク質またはその他の治療用タンパク質から選択される請求項1〜13のいずれか1項に記載の使用。
  15. 免疫応答に関与するタンパク質が、サイトカイン、インターロイキン、補体因子またはキメラタンパク質から選択される請求項14に記載の使用。
  16. その他の治療用タンパク質が、凝固因子、細胞外基質タンパク質または可溶性受容体から選択される請求項14に記載の使用。
  17. 興味対象の組換えポリペプチドの生成のためであって、前記ポリペプチドの1次構造および2次構造が、その天然シグナルペプチドを用いて分泌されるポリペプチドのものと同一である請求項1〜16のいずれか1項に記載の使用。
  18. 式IIIの12〜30アミノ酸の配列:
    X1X2X3X4SX5X6X7
    (式中、
    - X1は、3〜6つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
    - X2は、3〜9つまでの疎水性アミノ酸を含有するペプチドであり、
    - X3は、少なくとも3つの連続ロイシンを含む3〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
    - X4は、Ala、Thr、Ser、Gln、Ileから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
    - X5は、Alaであり、
    - X6は、Asnであり、
    - X7は、Alaである)
    を含むシグナルペプチド。
  19. 式(IV):MX1X2X3X4SX5X6X7 (式中、X1、X2、X3、X4、X5、X6およびX7は、請求項18に示す意味を有する)のシグナルペプチド。
  20. 式(IV)のシグナルペプチドが、MRWSWIFLLLLSITSANAのアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる請求項18または19に記載のシグナルペプチド。
  21. 請求項18〜20のいずれか1項に記載のシグナルペプチドの1つをコードする核酸。
  22. 以下の配列:MRWSWIFLLLLSITSANAにより表されるペプチドをコードする請求項21に記載の核酸。
  23. シグナルペプチドが、式(I)の12〜30アミノ酸:
    (X1)iX2X3X4SX5X6X7
    (式中
    - X1は、3〜6つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、iは、0または1に等しく、
    - X2は、3〜9つまでの疎水性アミノ酸を含有するペプチドであり、
    - X3は、少なくとも3つの連続または非連続ロイシンを含む3〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
    - X4は、Ala、Thr、Ser、Gln、Ile、Metから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
    - X5は、AlaまたはValであり、
    - X6は、AsnまたはHisであり、
    - X7は、AlaまたはCysである)
    を含むが、但し、
    前記シグナルペプチドが、特定のタンパク質の天然前駆体を起源とする場合、興味対象のポリペプチドは、該タンパク質とは異なり、
    細胞外媒体に分泌されるために、いずれの興味対象のポリペプチドも前記シグナルペプチドの1つと結合できる、興味対象の組換えポリペプチドの前駆体。
  24. シグナルペプチドが、請求項18〜20のいずれか1項に記載のシグナルペプチドの1つである請求項23に記載の興味対象の組換えポリペプチドの前駆体。
  25. シグナルペプチドが、以下のアミノ酸配列:X1X2X3X4SVHC (式中、
    - X1は、3〜6つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
    - X2は、3〜9つまでの疎水性アミノ酸を含有するペプチドであり、
    - X3は、3つの非連続ロイシン(そのうち2つのロイシンは、Gly、Ala、Val、Ile、Pro、Phe、Trpから選択される別の疎水性アミノ酸により分けられている)を含むペプチドであり、
    - X4は、Ala、Thr、Ser、Glnから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドである)
    を含むが、但し、
    前記シグナルペプチドが、特定のタンパク質の天然前駆体を起源とする場合、前記興味対象のポリペプチドは、該タンパク質とは異なる、
    請求項23に記載の興味対象の組換えポリペプチドの前駆体。
  26. 前記興味対象の組換えポリペプチドが、ホルモン、酵素、免疫グロブリン鎖、免疫グロブリン全体もしくは免疫グロブリンに由来する任意のフラグメント、免疫応答に関与するタンパク質またはその他の治療用タンパク質から選択される請求項23〜25のいずれか1項に記載の興味対象の組換えポリペプチドの前駆体。
  27. 免疫応答に関与するタンパク質が、サイトカイン、インターロイキン、補体因子またはキメラタンパク質から選択される請求項26に記載の興味対象の組換えポリペプチドの前駆体。
  28. その他の治療用タンパク質が、凝固因子、細胞外基質タンパク質または可溶性受容体から選択される請求項26に記載の興味対象の組換えポリペプチドの前駆体。
  29. 請求項23〜25のいずれか1項に記載の興味対象の組換えポリペプチドの前駆体の1つをコードする核酸。
  30. 請求項29に記載の核酸を含有するベクター。
  31. -式(I)の12〜30アミノ酸:
    (X1)iX2X3X4SX5X6X7
    (式中
    - X1は、3〜6つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、iは、0または1に等しく、
    - X2は、3〜9つまでの疎水性アミノ酸を含有するペプチドであり、
    - X3は、少なくとも3つの連続または非連続ロイシンを含む3〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
    - X4は、Ala、Thr、Ser、Gln、Ile、Metから選択される2〜5つまでのアミノ酸を含有するペプチドであり、
    - X5は、AlaまたはValであり、
    - X6は、AsnまたはHisであり、
    - X7は、AlaまたはCysである)
    を含むシグナルペプチドをコードする核酸を、興味対象の組換えポリペプチドをコードする核酸の5'端に付加して、前記興味対象の組換えポリペプチドの前駆体をコードする核酸を得ることと(但し、前記シグナルペプチドが、特定のタンパク質の天然前駆体を起源とする場合、前記興味対象のポリペプチドは、該タンパク質とは異なる)
    - 先行する段階で得られた人工的核酸を発現ベクターにクローニングして、前記興味対象の組換えポリペプチドの前駆体を発現できるベクターを得ることと、
    -高等真核細胞株を、前記人工的ヌクレオチド配列を含む発現ベクターでトランスフェクションし、前記ヌクレオチド配列を発現させることと、
    - 培養培地に分泌された興味対象の組換えポリペプチドを回収することと
    を含む、興味対象の組換えポリペプチドを生成する方法。
  32. 真核細胞株が、SP2/0、SP2/0-Ag 14、NS0、その他のラットミエローマ細胞株、ヒトの株、EBx細胞株、Vero、Cos-1もしくはCos-7、BHK、CHO-K-1、CHO-Lec1、CHO-Lec10、CHO-Lec13、CHO Pro-5、CHO DX B11、CHO DG44、P3X63Ag8.653、YB2/0およびCHO-Sから選択される請求項31に記載の方法。
  33. その他のラットミエローマ細胞株が、IR983Fである請求項32に記載の方法。
  34. ヒトの株が、Namalwa、Wil-2、Jurkat、Molt-4、PER.C6、HEK293T/17、HEK293、HEK-293.2およびHEK-293Fである請求項32に記載の方法。
  35. EBx細胞株が、EB66K6H6である請求項32に記載の方法。
  36. 興味対象の組換えポリペプチドが、ホルモン、酵素、免疫グロブリン鎖、免疫グロブリン全体もしくは免疫グロブリンに由来する任意のフラグメント、免疫応答に関与するタンパク質またはその他の治療用タンパク質から選択される請求項32に記載の方法。
  37. 免疫応答に関与するタンパク質が、サイトカイン、インターロイキン、補体因子またはキメラタンパク質から選択される請求項36に記載の方法。
  38. その他の治療用タンパク質が、凝固因子、細胞外基質タンパク質または可溶性受容体から選択される請求項36に記載の方法。
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