JP2009537151A - ヒトoct−2変異体ペプチド鎖、核酸、および方法 - Google Patents

ヒトoct−2変異体ペプチド鎖、核酸、および方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009537151A
JP2009537151A JP2009511234A JP2009511234A JP2009537151A JP 2009537151 A JP2009537151 A JP 2009537151A JP 2009511234 A JP2009511234 A JP 2009511234A JP 2009511234 A JP2009511234 A JP 2009511234A JP 2009537151 A JP2009537151 A JP 2009537151A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amino acid
seq
peptide chain
oct
eukaryotic cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009511234A
Other languages
English (en)
Inventor
ドレイ,ハイマンテイ
リユー,ジン
Original Assignee
セントカー・インコーポレーテツド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by セントカー・インコーポレーテツド filed Critical セントカー・インコーポレーテツド
Publication of JP2009537151A publication Critical patent/JP2009537151A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/46Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
    • C07K14/47Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals
    • C07K14/4701Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals not used
    • C07K14/4702Regulators; Modulating activity
    • C07K14/4705Regulators; Modulating activity stimulating, promoting or activating activity

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

ホモ・サピエンス(Homo sapiens)OCT−2変異体ペプチド鎖が開示される。これらのペプチド鎖をコードしているポリヌクレオチド、これらのポリヌクレオチドを含む細胞、および前記物質を使用する方法がまた開示される。

Description

本発明は、ホモ・サピエンス(Homo sapiens)OCT−2変異体ペプチド鎖、これらのペプチド鎖をコードしているポリヌクレオチド、これらのポリヌクレオチドを含む細胞、および前記物質を使用する方法に関する。
抗体のようなタンパク質の大規模な商業生産は、典型的には、培養真核細胞によるタンパク質の発現に依っている。一般に、mRNAのコピー数を増加することがタンパク質の発現増加をもたらすことは、当該技術分野において認識されている。さらに、サイレンシングRNA(siRNA)のような生物活性RNAは、細胞において望ましくない効果を生じる遺伝子の発現を防ぐために有用である。培養真核細胞によるタンパク質の大規模生産および生物活性RNA技術は、共に、それぞれタンパク質をコードしているRNAまたは生物活性RNAへの遺伝子の効率的な転写に依存している。しかしながら、低いタンパク質発現または低いRNA転写レベルは、これらの技術の使用において遭遇される共通の問題である。
OCT−2タンパク質およびその既知の相同体は、このタンパク質に対して応答性の遺伝子からRNA転写物の生産を増加することができる転写因子である。ホモ・サピエンスOCT−2(配列番号:2)の顕著な生物活性形態物は、463個のアミノ酸残基からなり、そして抑制ドメイン、DNA結合ドメインおよび活性化ドメインを含有する(図1)。OCT−2タンパク質のDNA結合ドメインは、OCT−2応答性遺伝子のプロモーターまたは調節領域中に共通配列5’−TNATTTGCAT−3’(配列番号:15;ここで、Nはいずれかの核酸残基である)を有する「オクタマー(octamer)部位」に結合する。参照、非特許文献1。DNAに結合の後、OCT−2タンパク質の活性化ドメインは、RNA転写物を生産できる活性RNAポリメラーゼIIタンパク質複合体の形成を安定化させるために、ホモ・サピエンスのコ・アクチベータータンパク質OBF−1(配列番号:8)と相互作用すると考えられる。参照、非特許文献2。OCT−2の活性は、OCT−2応答性遺伝子からのRNA転写物の生産における増加をもたらす活性RNAポリメラーゼIIタンパク質複合体の生成速度を増加させる。
遺伝子は、自然に、OCT−2応答性であってもよく、あるいは遺伝子工学的に、遺伝子のプロモーターまたは調節領域中に「オクタマー」DNA配列を挿入することによってOCT−2応答性にされてもよい。結論として、低レベルのタンパク質発現または低い生物活性RNAレベルが、OCT−2単独の過発現によるか、またはOCT−2応答性遺伝子の転写を増加するためのOBF−1コ・アクチベータータンパク質によって増加できることが期待される。かくして、新規なOCT−2組成物およびOCT−2応答性遺伝子の発現または転写を増加させる効率的方法に対するニーズが存在する。
Muller et al.Nature 336:544(1988) Boss,Current Opin.In Immunol.9:107(1997)
本発明の1つの態様は、ペプチド鎖のカルボキシ末端における5個のアミノ酸残基がアミノ酸配列アスパラギン−プロリン−セリン−Xaa−グリシン(配列番号:18)[ここで、XaaはいずれかのL−アミノ酸である]を含む、配列番号:6のアミノ酸残基1
〜447に対して少なくとも90%同一性をもつアミノ酸配列を有するペプチド鎖をコードしている配列を有する核酸を含む単離核酸である。
本発明のその他の態様は、ペプチド鎖のカルボキシ末端における5個のアミノ酸残基がアミノ酸配列アスパラギン−プロリン−セリン−Xaa−グリシン(配列番号:18)[ここで、XaaはいずれかのL−アミノ酸である]を含む、配列番号:6のアミノ酸残基1〜447に対して少なくとも90%同一性をもつアミノ酸配列を有する単離ペプチド鎖である。
本発明のその他の態様は、OCT−2応答性遺伝子を含む真核細胞を提供し;第1のペプチド鎖のカルボキシ末端における5個のアミノ酸残基がアミノ酸配列アスパラギン−プロリン−セリン−Xaa−グリシン(配列番号:18)[ここで、XaaはいずれかのL−アミノ酸である]を含む、配列番号:6のアミノ酸残基1〜447に対して少なくとも90%同一性をもつアミノ酸配列を有する第1のペプチド鎖をコードしている核酸を含む第1の核酸を真核細胞に提供し;そして真核細胞において第1のペプチド鎖を発現し、これによって、OCT−2応答性遺伝子の発現が、第1の核酸を提供されなかった対照真核細胞に比較して増加される:という段階を含む、真核細胞によるOCT−2応答性遺伝子の発現を増加する方法である。
本発明のその他の態様は、OCT−2応答性遺伝子を含む真核細胞を提供し;ペプチド鎖のカルボキシ末端における5個のアミノ酸残基がアミノ酸配列アスパラギン−プロリン−セリン−Xaa−グリシン(配列番号:18)[ここで、XaaはいずれかのL−アミノ酸である]を含む、配列番号:6のアミノ酸残基1〜447に対して少なくとも90%同一性をもつアミノ酸配列を含む第1のペプチド鎖をコードしている核酸を含む第1の核酸を真核細胞に提供し;配列番号:10のアミノ酸配列を有する第2のペプチド鎖をコードしている第2の核酸を真核細胞に提供し;そして真核細胞において第1のペプチド鎖および第2のペプチド鎖を発現し、これによって、OCT−2応答性遺伝子の発現が、第1および第2の核酸を提供されなかった対照真核細胞に比較して増加される:という段階を含む、真核細胞によるOCT−2応答性遺伝子の発現を増加する方法である。
本発明のその他の態様は、OCT−2応答性遺伝子を含む真核細胞を提供し;ペプチド鎖のカルボキシ末端における5個のアミノ酸残基がアミノ酸配列アスパラギン−プロリン−セリン−Xaa−グリシン(配列番号:18)[ここで、XaaはいずれかのL−アミノ酸である]を含む、配列番号:6のアミノ酸残基1〜447に対して少なくとも90%同一性をもつアミノ酸配列を有する第1のペプチド鎖をコードしている核酸を含む第1の核酸を真核細胞に提供し;そして真核細胞において第1のペプチド鎖を発現し、これによって、OCT−2応答性遺伝子の転写が、核酸を提供されなかった対照真核細胞に比較して増加される:という段階を含む、真核細胞によるOCT−2応答性遺伝子の転写を増加する方法である。
本発明のその他の態様は、OCT−2応答性遺伝子を含む真核細胞を提供し;ペプチド鎖のカルボキシ末端における5個のアミノ酸残基がアミノ酸配列アスパラギン−プロリン−セリン−Xaa−グリシン(配列番号:18)[ここで、XaaはいずれかのL−アミノ酸である]を含む、配列番号:6のアミノ酸残基1〜447に対して少なくとも90%同一性をもつアミノ酸配列を有する第1のペプチド鎖をコードしている核酸を含む第1の核酸を真核細胞に提供し;配列番号:10のアミノ酸配列を有する第2のペプチド鎖をコードしている第2の核酸を真核細胞に提供し;そして真核細胞において第1のペプチド鎖および第2のペプチド鎖を発現し、これによって、OCT−2応答性遺伝子の転写が、第1および第2の核酸を提供されなかった対照真核細胞に比較して増加される:という段階を含む、真核細胞によるOCT−2応答性遺伝子の転写を増加する方法である。
本明細書において引用される、限定されるものではないが特許および特許出願を含む、すべての公表物は、完全な記述をとおして引用によって本明細書に組み入れられている。
本明細書および請求項において使用されるように、単数形態物「a」、「and」および「the」は、文脈が別に明白に指示しない限り、複数引用物を含む。かくして、例えば、「a cell」に関しては、1個以上の細胞に関する引用であり、そして当業者にとって既知のその等価物を含む。
別に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する当該技術分野における熟達者によって普通に理解されるような同じ意味を有する。本明細書に記述されるものと類似または等価のすべての組成物および方法が、本発明の実行または教示において使用されてもよいが、代表的な組成物および方法が本明細書では記述される。
用語「ペプチド鎖」は、鎖を形成するようにペプチド結合によって連結された少なくとも2個のアミノ酸残基を含む分子を意味する。50個以上のアミノ酸の大ペプチド鎖は、「ポリペプチド」または「タンパク質」として言及されてもよい。50個未満のアミノ酸の小ペプチド鎖は、「ペプチド」として言及されてもよい。
用語「核酸」は、鎖を形成するように連結された少なくとも2個の核酸残基を含む分子を意味する。そのような核酸残基はDNAまたはRNAにおいて見出だされるそれらのものであってもよい。
用語「同一性(identity)」は、2種の整列ペプチド鎖間の同一性パーセントを意味する。2種のペプチド鎖間の同一性は、the default settings of the AlignX module of Vector NTI v.9.0.0(Invitrogen Corp.,Carslbad,CA)を使用して、対を組ませる(pair−wise)アミノ酸配列の整列によって決定することができる。AlignXは、CLUSTALWアルゴリズムを使用して、対を組ませるアミノ酸配列の整列を実施する。
用語「真核細胞」は、遺伝物質が少なくとも1つの膜境界のある核中に組織される細胞を意味する。
用語「OCT−2応答性遺伝子」は、RNAをコードしていて、そして直接的に、オクタマーの(octameric)共通5’−TNATTTGCAT−3’(配列番号:15)OCT−2DNA結合性ハーフサイト(half−site)へのOCT−2またはOCT−2相同体の結合を介してOCT−2活性に応答するか、または間接的にOCT−2活性に応答する核酸を意味する。OCT−2応答性遺伝子によってコードされているRNAは、小さい干渉RNA、サイレンシングRNAまたはリボザイムとしてそれ自体において機能性であってもよい。また、OCT−2応答性遺伝子によってコードされているRNAは、ペプチド鎖を生産するために翻訳されてもよい。
用語「発現する」は、核酸によってコードされているペプチド鎖の検出可能な生産を意味する。
用語「骨髄腫細胞」は、多発性骨髄腫を有する生物体から得られるか、または誘導されるがん性形質細胞、ならびにそのようながん性形質細胞とその他の細胞(例えば、抗体産生BALB/cマウス脾臓細胞または抗体をコードしている核酸により安定にトランスフ
ェクトされた真核細胞)の融合から形成されるハイブリドーマ細胞の両方を指す。
本発明の1つの態様は、ペプチド鎖のカルボキシ末端における5個のアミノ酸残基がアミノ酸配列アスパラギン−プロリン−セリン−Xaa−グリシン(配列番号:18)[ここで、XaaはいずれかのL−アミノ酸である]を有する、配列番号:6のアミノ酸残基1〜447に対して少なくとも90%同一性をもつアミノ酸配列を含むペプチド鎖をコードしている核酸を含む単離核酸である。
当業者は、本発明の核酸によってコードされているペプチド鎖が、そのアミノまたはカルボキシ末端において第2の異種ペプチド鎖に融合されてもよいことを認識できる。そのような異種ペプチド鎖は、タグ、ドメイン、アミノ酸リンカー配列または他のペプチド鎖類であってもよい。ペプチド鎖タグの例は、ヘキサヒスチジン、flu抗原およびFcドメインを含む。ペプチド鎖ドメインは、例えば、転写活性化ドメインおよび触媒活性のあるドメイン、例えばペルオキシダーゼまたはクロラムフェニカルアセチルトランスフェラーゼならびに他の別のタンパク質ドメインを含んでもよい。アミノ酸リンカー配列は、立体的に拘束されないペプチド鎖、例えば、多数のグリシン、セリンまたはプロリンアミノ酸残基を含有するそれらのペプチド鎖であってもよい。当業者は、異種タンパク質の融合体をコードしている核酸を生成するための標準技術を認識することができる。
左旋性アミノ酸(L−アミノ酸)残基は、20種の天然に存在するL−アミノ酸およびこれらのアミノ酸の天然に存在する翻訳後修飾体、例えば、セレノシステインおよびピロリジンを含む。
本発明の単離核酸の1つの実施態様では、ペプチド鎖のカルボキシ末端における5個のアミノ酸残基は、配列番号:16または配列番号:17において示される配列を有する。
その他の実施態様では、本発明の単離核酸は、配列番号:4をコードしている核酸配列を含む。配列番号:4はホモ・サピエンスOCT−2クローン#38変異体ペプチド鎖のアミノ酸配列である。配列番号:4のアミノ酸配列をコードしている代表的な核酸配列は配列番号:3において示される。
その他の実施態様では、本発明の単離核酸は、配列番号:6をコードしている核酸配列を含む。配列番号:6はホモ・サピエンスOCT−2クローン#19変異体ペプチド鎖のアミノ酸配列である。配列番号:6のアミノ酸配列をコードしている代表的な核酸配列は配列番号:5において示される。
本発明のその他の実施態様は、本発明の単離核酸を含む細胞である。そのような細胞は、原核、真核または古細菌細胞であってもよい。そのような細胞は、本発明の単離核酸からのペプチド鎖の発現のため、または本発明の単離核酸の増殖のために適当であることが好ましい。
本発明のその他の態様は、ペプチド鎖のカルボキシ末端における5個のアミノ酸残基がアミノ酸配列アスパラギン−プロリン−セリン−Xaa−グリシン(配列番号:18)[ここで、XaaはいずれかのL−アミノ酸である]を有する、配列番号:6のアミノ酸残基1〜447に対して少なくとも90%同一性をもつアミノ酸配列を含む単離ペプチド鎖である。当業者は理解できるように、本発明のペプチド鎖は、第2の異種ペプチド鎖に融合されてもよい。そのようなペプチド鎖融合体は、アミノまたはカルボキシ末端融合体を生成するために標準の分子生物学技術を用いて生成することができる。あるいはまた、そのようなペプチド鎖融合体は、ペプチド鎖を融合するためのインビトロの化学的カップリング技術によって生成でき、そしてアミノ末端融合体、カルボキシ末端融合体、またはア
ミノ酸側鎖融合体を生成することができる。
本発明の単離ペプチド鎖のその他の実施態様では、ペプチド鎖のカルボキシ末端における5個のアミノ酸残基は、配列番号:16または配列番号:17において示されるアミノ酸配列を有する。
その他の実施態様では、本発明の単離ペプチド鎖は配列番号:4において示されるアミノ酸配列を有する。
その他の実施態様では、本発明の単離ペプチド鎖は配列番号:6において示されるアミノ酸配列を有する。
本発明のその他の態様は、OCT−2応答性遺伝子を含む真核細胞を提供し;第1のペプチド鎖のカルボキシ末端における5個のアミノ酸残基がアミノ酸配列アスパラギン−プロリン−セリン−Xaa−グリシン(配列番号:18)[ここで、XaaはいずれかのL−アミノ酸である]を有する、配列番号:6のアミノ酸残基1〜447に対して少なくとも90%同一性をもつアミノ酸配列を有する第1のペプチド鎖をコードしている第1の核酸を真核細胞に提供し;そして真核細胞において第1の核酸によってコードされている第1のペプチド鎖を発現し、これによって、OCT−2応答性遺伝子の発現が、第1の核酸を提供されなかった対照真核細胞に比較して増加される:という段階を含む、真核細胞によるOCT−2応答性遺伝子の発現を増加する方法である。
本発明の方法において有用な真核細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞のような哺乳動物由来の細胞,およびSP2/0細胞(American Type Culture Collection(ATCC),Manasas,VA,CRL−1581)およびC463A細胞のような骨髄腫細胞を含む。C463A細胞およびC463A細胞の作成はUS20030166146A1に記述されており、これは引用によって完全に本明細書に組み入れられている。そのような真核細胞は動物血清を欠如する化学的規定培地における増殖のために適応されてもよい。
用語「OCT−2応答性遺伝子」は先に定義されている。OCT−2応答性遺伝子によってコードされているRNAは、小さい干渉RNA、サイレンシングRNAまたはリボザイムとしてそれ自体において機能性であってもよい。また、OCT−2応答性遺伝子によってコードされているRNAは、ペプチド鎖を生産するために翻訳されてもよい。そのようなペプチド鎖は、抗体鎖、抗体鎖のフラグメント、触媒的に活性なペプチド鎖、受容体アゴニストペプチド鎖、受容体アンタゴニストペプチド鎖、および細胞における発現に望ましいいずれかの機能をもつ他のペプチド鎖であってもよい。
真核細胞は、そのような遺伝子が細胞中に存在する場合の、OCT−2応答性遺伝子を含む。OCT−2応答性遺伝子は、自然にOCT−2応答性であるOCT−2応答性遺伝子になるように、部位特異的または任意の組み換えによって改変されたネイティブ遺伝子であってもよい。ネイティブ遺伝子は、ネイティブ遺伝子のプロモーターまたは調節領域中に、OCT−2結合部位を含有する核酸を導入することによってOCT−2応答性にさせることができる。あるいはまた、遺伝子は、OCT−2活性の結果として生産される転写アクチベーターに応答性のプロモーターまたは調節領域を含有する核酸を導入することによって、間接的にOCT−2応答性にさせることができる。また、外因性OCT−2応答性遺伝子が、真核細胞中に導入されてもよい。そのような外因性OCT−2応答性遺伝子は、例えば、免疫グロブリンプロモーターのようなOCT−2応答性プロモーターの制御下の抗体軽鎖または重鎖遺伝子構築物であってもよい。部位特異的、標的化組み換えは、また、内因性のOCT−2応答性調節領域またはプロモーターの制御下に外因性遺伝子
を置くように使用されてもよい。当該技術分野において周知の標準的分子生物学、組み換え遺伝子工学技術および細胞培養技術が、インビトロまたはインビボのいずれかのOCT−2応答性遺伝子の構築のために、ならびにOCT−2応答性遺伝子を含む真核細胞の同定のために使用することができる。
核酸は、周知の技術、例えば細胞融合、エレクトロポレーション、リポフェクション(lipofection)、ウイルス感染、およびリン酸カルシウム沈降に基づく技術によって、本発明の方法において真核細胞に提供されてもよい。当業者は真核細胞に核酸を提供するための他の技術を認識できる。
OCT−2応答性遺伝子の発現は、OCT−2応答性遺伝子によってコードされているペプチド鎖のレベルまたは活性が対照真核細胞に比較して増加される場合に、対照真核細胞に比較して増加される。ペプチド鎖レベルは、例えば、SDS−PAGEのような当該技術分野において既知のいかなる手段によって測定されてもよい。ペプチド鎖の活性レベルは、ペプチド鎖の活性に特異的な活性アッセイを使用して測定することができる。例えば、抗体ペプチド鎖の発現は、SDS−PAGEによって測定されてもよく、そして抗体の抗原結合活性は、当該技術分野において周知の標準ELISA技術を使用して測定されてもよい。ペプチド鎖レベルまたは活性は、いずれか適当な単位を用いて数値として表現され、そして必要ならば正規化されてもよい。正規化は、第2のペプチド鎖のレベル、サンプル中の細胞数を使用することによって、または例えば、経過時間に基づいて、達成することができる。
本発明の方法の1つの実施態様では、第1のペプチド鎖のカルボキシ末端における第1の5個のアミノ酸残基は配列番号:16または配列番号:17において示される配列を有する。
本発明の方法のその他の実施態様では、第1のペプチド鎖は配列番号:4において示されるアミノ酸配列を有する。
本発明の方法のその他の実施態様では、第1のペプチド鎖は配列番号:6において示されるアミノ酸配列を有する。
本発明の方法のその他の実施態様では、真核細胞は骨髄腫細胞である。本発明の方法において有用な骨髄腫細胞系の例は、SP2/0、NSO(European Collection of Cell Cultures(ECACC),Salisbury,Wiltshire,UK,ECACC No.85110503)、FO(ATCC CRL−1646)およびAg653(ATCC CRL−1580)細胞系を含み、これらはマウスから得られた。ヒトから得られ、そして本発明の方法において有用な骨髄腫細胞系の例はU266細胞系(ATCC CRL−TIB−196)である。C463A骨髄腫細胞系もまた、本発明の方法において有用であり、そして化学的規定培地において成長可能なSP2/0由来の細胞系の例である。当業者は他の骨髄腫細胞系を認識できる。
本発明の方法のその他の実施態様では、真核細胞は、SP2/0、C463AおよびCHO細胞からなる群から選ばれる。これらの細胞類の各々は、インビトロ培養のために適当であり、そして高レベルでペプチド鎖を発現する能力を有するという共通の性質を有する。
本発明のその他の態様は、OCT−2応答性遺伝子を含む真核細胞を提供し;ペプチド鎖のカルボキシ末端における5個のアミノ酸残基がアミノ酸配列アスパラギン−プロリン
−セリン−Xaa−グリシン(配列番号:18)[ここで、XaaはいずれかのL−アミノ酸である]を有する、配列番号:6のアミノ酸残基1〜447に対して少なくとも90%同一性をもつアミノ酸配列を有する第1のペプチド鎖をコードしている第1の核酸を真核細胞に提供し;配列番号:8または配列番号:10において示されるアミノ酸配列を有する第2のペプチド鎖をコードしている第2の核酸を真核細胞に提供し;そして真核細胞において第1のペプチド鎖および第2のペプチド鎖を発現し、これによって、OCT−2応答性遺伝子の発現が、第1および第2の核酸を提供されなかった対照真核細胞に比較して増加される:という段階を含む、真核細胞によるOCT−2応答性遺伝子の発現を増加する方法である。配列番号:8はホモ・サピエンスOBF−1ペプチド鎖のアミノ酸配列である。配列番号:8のアミノ酸配列をコードしている代表的な核酸配列は、配列番号:7において示される。配列番号:10はムス・ムスクルスOBF−1ペプチド鎖のアミノ酸配列である。配列番号:10のアミノ酸配列をコードしている代表的な核酸配列は、配列番号:9において示される。
本発明の方法の1つの実施態様では、第1のペプチド鎖のカルボキシ末端における第1の5個のアミノ酸残基は配列番号:16または配列番号:17において示される配列を有する。
本発明の方法のその他の実施態様では、OCT−2応答性遺伝子は抗体遺伝子、例えば重鎖または軽鎖遺伝子であってもよい。
本発明の方法のその他の実施態様では、第1のペプチド鎖は配列番号:4において示されるアミノ酸配列を有する。
本発明の方法のその他の実施態様では、第1のペプチド鎖は配列番号:6において示されるアミノ酸配列を有する。
本発明の方法のその他の実施態様では、真核細胞は骨髄腫細胞である。
本発明の方法のその他の実施態様では、真核細胞は、SP2/0、C463AおよびCHO細胞からなる群から選ばれる。
本発明のその他の態様は、OCT−2応答性抗体遺伝子を含む真核細胞を提供し;配列番号:4または配列番号:6において示される配列を有する第1のペプチド鎖をコードしている第1の核酸を真核細胞に提供し;そして真核細胞において第1の核酸によってコードされている第1のペプチド鎖を発現し、これによって、OCT−2応答性抗体遺伝子の発現が、第1の核酸を提供されなかった対照真核細胞に比較して増加される:という段階を含む、真核細胞によるOCT−2応答性抗体遺伝子の発現を増加する方法である。
本発明の方法の1つの実施態様では、真核細胞は、SP2/0、C463AおよびCHO細胞からなる群から選ばれる。
本発明のその他の態様は、OCT−2応答性遺伝子を含む真核細胞を提供し;配列番号:4または配列番号:6において示される配列を有する第1のペプチド鎖をコードしている第1の核酸を真核細胞に提供し;配列番号:10において示されるアミノ酸配列を有する第2のペプチド鎖をコードしている第2の核酸を真核細胞に提供し;そして真核細胞において第1のペプチド鎖および第2のペプチド鎖を発現し、これによって、OCT−2応答性抗体遺伝子の発現が、第1および第2の核酸を提供されなかった対照真核細胞に比較して増加される:という段階を含む、真核細胞によるOCT−2応答性抗体遺伝子の発現を増加する方法である。
本発明の方法の1つの実施態様では、真核細胞は、SP2/0、C463AおよびCHO細胞からなる群から選ばれる。
本発明のその他の態様は、OCT−2応答性遺伝子を含む真核細胞を提供し;ペプチド鎖のカルボキシ末端における5個のアミノ酸残基がアミノ酸配列アスパラギン−プロリン−セリン−Xaa−グリシン(配列番号:18)[ここで、XaaはいずれかのL−アミノ酸である]を有する、配列番号:6のアミノ酸残基1〜447に対して少なくとも90%同一性をもつアミノ酸配列を有する第1のペプチド鎖をコードしている核酸を含む第1の核酸を真核細胞に提供し;そして真核細胞において第1のペプチド鎖を発現し、これによって、OCT−2応答性遺伝子の転写が、核酸を提供されなかった対照真核細胞に比較して増加される:という段階を含む、真核細胞によるOCT−2応答性遺伝子の転写を増加する方法である。
OCT−2応答性遺伝子の転写は、OCT−2応答性遺伝子によってコードされているRNA転写物のレベルまたは活性が対照真核細胞に比較して増加される場合に、対照真核細胞に比較して増加される。RNA転写物レベルは、例えば、RT−PCRおよびノーザンブロットのような当該技術分野において既知のいかなる手段によって測定されてもよい。RNA転写物の活性レベルは、例えば、RNA転写物の活性に特異的なリボザイム活性アッセイ、サイレンシングRNAアッセイまたはアンチセンスRNAアッセイを使用して測定することができる。RNA転写物レベルまたは活性は、いずれか適当な単位を用いて数値として表現され、そして必要ならば正規化されてもよい。正規化は、第2のRNA転写物のレベル、サンプル中の細胞数を使用することによって、または例えば、経過時間に基づいて、達成することができる。
本発明のその他の態様は、OCT−2応答性遺伝子を含む真核細胞を提供し;ペプチド鎖のカルボキシ末端における5個のアミノ酸残基がアミノ酸配列アスパラギン−プロリン−セリン−Xaa−グリシン(配列番号:18)[ここで、XaaはいずれかのL−アミノ酸である]を有する、配列番号:6のアミノ酸残基1〜447に対して少なくとも90%同一性をもつアミノ酸配列を有する第1のペプチド鎖をコードしている核酸を含む第1の核酸を真核細胞に提供し;配列番号:10のアミノ酸配列を有する第2のペプチド鎖をコードしている第2の核酸を真核細胞に提供し;そして真核細胞において第1のペプチド鎖および第2のペプチド鎖を発現し、これによって、OCT−2応答性遺伝子の転写が、第1および第2の核酸を提供されなかった対照真核細胞に比較して増加される:という段階を含む、真核細胞によるOCT−2応答性遺伝子の転写を増加する方法である。
本発明は次に示す実施例に関してさらに記述される。これらの実施例は、本発明の態様を単に具体的に説明することであり、そして本発明の限定を意図するものではない。
ホモ・サピエンスOCT−2変異体タンパク質をコードしているcDNAの単離
ホモ・サピエンスOCT−2クローン#38(配列番号:4)およびホモ・サピエンスOCT−2クローン#19(配列番号:6)変異体タンパク質をコードしている2種のcDNAが単離され、そして配列決定された。ホモ・サピエンスOCT−2クローン#38変異体タンパク質(配列番号:4)をコードしているcDNA(配列番号:3)およびホモ・サピエンスOCT−2クローン#19変異体タンパク質(配列番号:6)をコードしているcDNA(配列番号:5)は、ホモ・サピエンスcDNAライブラリー(Stratagene Inc,.La Jolla,CA)から標準ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術を使用して単離された。
これらのホモ・サピエンスOCT−2タンパク質変異体をコードしている配列番号:4および配列番号:6のPCR増幅において使用された正プライマーおよび逆プライマーの核酸配列は、配列番号:11(正プライマー)および配列番号:12(逆プライマー)において示される。これらのプライマーは、寄託M36653に記述された核酸配列を使用して設計された。寄託M36653は、CDS 1およびCDS 2と呼ばれる2個のオープンリーディングフレームを含有し、そしてホモ・サピエンスOCT−2タンパク質をコードしている。このホモ・サピエンスOCT−2タンパク質はCDS 1によってコードされていると予測される。正(配列番号:11)および逆(配列番号:12)プライマーは、寄託M36653におけるCDS 1に隣接している5’非翻訳領域(UTR)および寄託M36653によって記述された核酸配列のCDS 1に対して3’に位置される配列に特異的である。これらのプライマーを用いるPCRは、これらの2種のプライマーの結合部位の間に位置されるいかなるライブラリー核酸配列も増幅する。これらのプライマーを用いるPCRから得られる増幅されたDNAフラグメントが単離され、pCDNA3.1発現ベクター(Invitrogen Inc.,Carlsbad,CA)中にクローン化され、そして標準分子生物学技術を使用して配列決定された。
配列決定、概念的翻訳および多配列整列分析(図2)が、ホモ・サピエンスOCT−2クローン#38タンパク質およびホモ・サピエンスOCT−2クローン#19タンパク質をコードしている2種のユニーク核酸配列が単離されたことを示した。この分析は、これらの2種のクローンが、寄託NP_002689によって記述された野生型、原型ホモ・サピエンスOCT−2タンパク質(配列番号:1)および寄託M36653のCDS 1(配列番号:13)によってコードされていると推定されるホモ・サピエンスOCT−2タンパク質(配列番号:14)とは異なるホモ・サピエンスOCT−2変異体タンパク質をコードしていることを示した。図2の多タンパク質配列の整列において見られるように、ホモ・サピエンスOCT−2クローン#38タンパク質配列(配列番号:4)およびホモ・サピエンスOCT−2クローン#19タンパク質配列(配列番号:6)の両者は、寄託NP_002689によって記述された野生型、原型ホモ・サピエンスOCT−2タンパク質配列(配列番号:2)において見出だされる12のカルボキシ末端アミノ酸残基(配列番号:19)を欠いている。さらに、図2の多タンパク質配列の整列において見られるように、ホモ・サピエンスOCT−2クローン#38タンパク質配列(配列番号:4)およびホモ・サピエンスOCT−2クローン#19タンパク質配列(配列番号:6)の両者は、寄託M36653のCDS 1によってコードされていると推定されるホモ・サピエンスOCT−2タンパク質(配列番号:14)の位置166〜181において見出だされる11のアミノ酸残基配列を欠いている。最後に、また多タンパク質配列の整列(図2)は、ホモ・サピエンスOCT−2クローン#19タンパク質配列(配列番号:6)が、野生型、原型ホモ・サピエンスOCT−2(配列番号:2)、クローン#38タンパク質配列(配列番号:4)、および寄託M36653のCDS 1によってコードされていると推定されるホモ・サピエンスOCT−2タンパク質(配列番号:14)における位置116において見出だされるプロリン(P)残基の代わりに、位置116においてセリン(S)アミノ酸残基を有することを示した。多配列整列分析は、CLUSTALWアルゴリズムおよびCLUSTALWデフォルトセッティング(default setting)を使用して実施された。これらの結果は、2種の新ホモ・サピエンスOCT−2タンパク質変異体が単離され、そして同定されたことを例証している。
OCT−2変異体タンパク質およびOBF−1の過発現が抗体遺伝子転写物および発現レベルを増加する
ホモ・サピエンスOCT−2クローン#38変異体タンパク質(配列番号:4)単独での、およびムス・ムスクルスOBF−1(配列番号:10)の過発現と組み合わせての、その安定な過発現は、C463A細胞における組み換え抗体重鎖および軽鎖遺伝子転写物
(図3)および発現レベル(図4)を増加した。
この実験のための対照C463A細胞は、標準方法を使用して、重鎖発現ベクターおよび軽鎖発現ベクターにより安定にコ・トランスフェクトされた。OCT−2をトランスフェクトされた細胞は、重鎖発現ベクター、軽鎖発現ベクター、およびホモ・サピエンスOCT−2クローン#38(配列番号:4)をコードしているpcDNA3.1/hOCT−2ベクターにより安定にコ・トランスフェクトされた。OCT−2およびOBF−1をトランスフェクトされた細胞は、重鎖発現ベクター、軽鎖発現ベクター、pcDNA3.1/hOCT−2、およびムス・ムスクルスOBF−1(配列番号:10)をコードしているpcDNA3.1/mOBF−1ベクターにより安定にコ・トランスフェクトされた。
C463A細胞はムス・ムスクルスSP2/0骨髄腫細胞から得られ、そして化学的規定培養培地における成長のために適応された。重鎖および軽鎖発現ベクターは、完全ヒト腫瘍壊死因子−α(TNF−α)特異的モノクローナル抗体の重鎖および軽鎖をコードしている。重鎖発現ベクターおよび軽鎖発現ベクターによる重鎖および軽鎖の発現を進める免疫グロブリンプロモーターは、オクタマーの共通(5’−TNATTTGCAT−3’;配列番号:15)OCT−2DNA結合性ハーフサイトを含有する。このOCT−2DNA部位は、重鎖発現ベクターおよび軽鎖発現ベクターからの重鎖および軽鎖遺伝子転写物をOCT−2活性に対して応答性にさせる。重鎖発現ベクター、軽鎖発現ベクター、pcDNA3.1/hOCT−2およびpcDNA3.1/mOBF−1ベクターは各々、それらがコードしている種々のタンパク質を構成的に発現する。
トランスフェクションは、標準方法を用いて約1x10C463A細胞のエレクトロポレーションによって実施された。対照C463A細胞は、重鎖発現ベクター4μg、軽鎖発現ベクター4μgおよびpcDNA3.1の2μgを用いるエレクトロポレーションによって安定にトランスフェクトされた。OCT−2 C463A細胞は、重鎖発現ベクター4μg、軽鎖発現ベクター4μgおよびpcDNA3.1/hOCT−2の2μgを用いて安定にトランスフェクトされた。OCT−2 463A細胞は、重鎖発現ベクター4μg、軽鎖発現ベクター4μg、pcDNA3.1/hOCT−2の2μgおよびpcDNA3.1/mOBF−1の2μgを用いて安定にトランスフェクトされた。MHX(ミコフェノール酸、ヒポキサンチンおよびキサンチン)および標準方法が使用されて、重鎖発現ベクターおよび軽鎖発現ベクターにより安定にトランスフェクトされた細胞が選別された。G418および標準方法が使用されて、pcDNA3.1/hOCT−2およびpcDNA3.1/mOBF−1を用いて安定にトランスフェクトされた細胞が選別された。次いで、標準方法を用いてELISAアッセイが実施されて、重鎖発現ベクターおよび軽鎖発現ベクターによってコードされている完全ヒト組み換え腫瘍壊死因子−α(TNF−α)特異的モノクローナル抗体の最高発現を有するクローンが同定された(図4)。
ホモ・サピエンスOCT−2クローン#38変異体タンパク質単独の安定な発現は、対照細胞に比較して組み換え抗体遺伝子転写物および発現レベルを増加した(図3および図4)。ホモ・サピエンスOCT−2クローン#38(配列番号:4)変異体タンパク質およびムス・ムスクルスOBF−1タンパク質(配列番号:10)の安定な同時発現は、対照細胞およびOCT−2クローン#38変異体タンパク質(配列番号:4)のみを発現する細胞に比較して組み換え抗体の発現をさらに増加した(図3および図4)。一緒に考えるとこれらの結果は、ホモ・サピエンスOCT−2クローン#38変異体タンパク質が、遺伝子の活性化を促進するようにOCT−2DNA結合部位に結合可能な生物活性を有し、そしてムス・ムスクルスOBF−1タンパク質と相互作用して、OCT−2応答性遺伝子発現を活性化することが可能である。
本発明は、ここに、完全に記述されており、多くの変更物および修飾物が、添付された請求項の精神および範囲を逸脱することなく、それに対して作成できることは当業者には明らかである。
ホモ・サピエンスOCT−2ペプチド鎖(配列番号:2)の機能性ドメイン。図面は一定の比率ではない。 野生型、原型ホモ・サピエンスOCT−2タンパク質(NP_002689;配列番号:2);ホモ・サピエンスOCT−2クローン#19変異体タンパク質(クローン#19;配列番号:6);ホモ・サピエンスOCT−2クローン#38変異体タンパク質(クローン#38;配列番号:4);および寄託M36653のコーディング配列1(CDS 1)によってコードされていると推定されるホモ・サピエンスOCT−2タンパク質(配列番号:14);の多配列整列分析。 単独およびムス・ムスクルス(Mus musculus)OBF−1タンパク質(配列番号:10)と組み合わせて、ホモ・サピエンスOCT−2クローン#38変異体タンパク質(配列番号:4)の過発現が、真核生物C463A細胞におけるOCT−2応答性抗体重鎖および軽鎖遺伝子の転写物レベルを増加する。 ホモ・サピエンスOCT−2クローン#38変異体タンパク質(配列番号:4)単独での、およびムス・ムスクルス(Mus musculus)OBF−1タンパク質(配列番号:10)と組み合わせての、その過発現が、真核生物C463A細胞におけるOCT−2応答性抗体遺伝子の発現レベルを増加する。

Claims (28)

  1. ペプチド鎖のカルボキシ末端における5個のアミノ酸残基がアミノ酸配列アスパラギン−プロリン−セリン−Xaa−グリシン(配列番号:18)[ここで、XaaはいずれかのL−アミノ酸である]を有する、配列番号:6のアミノ酸残基1〜447に対して少なくとも90%同一性をもつアミノ酸配列を含むペプチド鎖をコードしている核酸を含む単離核酸。
  2. ペプチド鎖のカルボキシ末端における5個のアミノ酸残基が配列番号:16または配列番号:17において示される配列を有する、請求項1の単離核酸。
  3. 配列番号:4において示されるアミノ酸配列を有するペプチド鎖をコードしている請求項2の単離核酸。
  4. 配列番号:6において示されるアミノ酸配列を有するペプチド鎖をコードしている請求項2の単離核酸。
  5. 請求項1、2、3または4の単離核酸を含む細胞。
  6. ペプチド鎖のカルボキシ末端における5個のアミノ酸残基がアミノ酸配列アスパラギン−プロリン−セリン−Xaa−グリシン(配列番号:18)[ここで、XaaはいずれかのL−アミノ酸である]を有する、配列番号:6のアミノ酸残基1〜447に対して少なくとも90%同一性をもつアミノ酸配列を含む単離ペプチド鎖。
  7. ペプチド鎖のカルボキシ末端における5個のアミノ酸残基が配列番号:16または配列番号:17において示される配列を有する、請求項6の単離ペプチド鎖。
  8. 配列番号:4において示されるアミノ酸配列を有する、請求項7の単離ペプチド鎖。
  9. 配列番号:6において示されるアミノ酸配列を有する、請求項7の単離ペプチド鎖。
  10. a)OCT−2応答性遺伝子を含む真核細胞を提供し;
    b)第1のペプチド鎖のカルボキシ末端における5個のアミノ酸残基がアミノ酸配列アスパラギン−プロリン−セリン−Xaa−グリシン(配列番号:18)[ここで、XaaはいずれかのL−アミノ酸である]を有する、配列番号:6のアミノ酸残基1〜447に対して少なくとも90%同一性をもつアミノ酸配列を有する第1のペプチド鎖をコードしている核酸を含む第1の核酸を真核細胞に提供し;そして
    c)真核細胞において第1の核酸によってコードされている第1のペプチド鎖を発現し、これによって、OCT−2応答性遺伝子の発現が、第1の核酸を提供されなかった対照真核細胞に比較して増加される:
    という段階を含む、真核細胞によるOCT−2応答性遺伝子の発現を増加する方法。
  11. 第1のペプチド鎖のカルボキシ末端における第1の5個のアミノ酸残基が配列番号:16および配列番号:17において示される配列を有する、請求項10の方法。
  12. 第1のペプチド鎖が配列番号:4において示されるアミノ酸配列を有する、請求項11の方法。
  13. 第1のペプチド鎖が配列番号:6において示されるアミノ酸配列を有する、請求項11の方法。
  14. 真核細胞が骨髄腫細胞である、請求項10の方法。
  15. 真核細胞が、SP2/0、C463AおよびCHO細胞からなる群から選ばれる、請求項10の方法。
  16. a)OCT−2応答性遺伝子を含む真核細胞を提供し;
    b)ペプチド鎖のカルボキシ末端における5個のアミノ酸残基がアミノ酸配列アスパラギン−プロリン−セリン−Xaa−グリシン(配列番号:18)[ここで、XaaはいずれかのL−アミノ酸である]を有する、配列番号:6のアミノ酸残基1〜447に対して少なくとも90%同一性をもつアミノ酸配列を有する第1のペプチド鎖をコードしている核酸を含む第1の核酸を真核細胞に提供し;
    c)配列番号:8または配列番号:10において示されるアミノ酸配列を有する第2のペプチド鎖をコードしている第2の核酸を真核細胞に提供し;そして
    d)真核細胞において第1のペプチド鎖および第2のペプチド鎖を発現し、これによって、OCT−2応答性遺伝子の発現が、第1および第2の核酸を提供されなかった対照真核細胞に比較して増加される:
    という段階を含む、真核細胞によるOCT−2応答性遺伝子の発現を増加する方法。
  17. 第1のペプチド鎖のカルボキシ末端における第1の5個のアミノ酸残基が、配列番号:16または配列番号:17において示される配列を有する、請求項16の方法。
  18. 第1のペプチド鎖が配列番号:4において示されるアミノ酸配列を有する、請求項17の方法。
  19. 第1のペプチド鎖が配列番号:6において示されるアミノ酸配列を有する、請求項17の方法。
  20. 真核細胞が骨髄腫細胞である、請求項16の方法。
  21. 真核細胞が、SP2/0、C463AおよびCHO細胞からなる群から選ばれる、請求項16の方法。
  22. OCT−2応答性抗体遺伝子が抗体遺伝子である、請求項10または16の方法。
  23. a)OCT−2応答性遺伝子を含む真核細胞を提供し;
    b)ペプチド鎖のカルボキシ末端における5個のアミノ酸残基がアミノ酸配列アスパラギン−プロリン−セリン−Xaa−グリシン(配列番号:18)[ここで、XaaはいずれかのL−アミノ酸である]を有する、配列番号:4または6のアミノ酸残基1〜447に対して少なくとも90%同一性をもつアミノ酸配列を有する第1のペプチド鎖をコードしている核酸を含む第1の核酸を真核細胞に提供し;そして
    c)真核細胞において第1のペプチド鎖を発現し、これによって、OCT−2応答性遺伝子の転写が、核酸を提供されなかった対照真核細胞に比較して増加される:
    という段階を含む、真核細胞によるOCT−2応答性遺伝子の転写を増加する方法。
  24. 真核細胞が、SP2/0、C463AおよびCHO細胞からなる群から選ばれる、請求項23の方法。
  25. 真核細胞がC463Aである、請求項24の方法。
  26. a)OCT−2応答性遺伝子を含む真核細胞を提供し;
    b)ペプチド鎖のカルボキシ末端における5個のアミノ酸残基がアミノ酸配列アスパラギン−プロリン−セリン−Xaa−グリシン(配列番号:18)[ここで、XaaはいずれかのL−アミノ酸である]を含む、配列番号:4または6のアミノ酸残基1〜447に対して少なくとも90%同一性をもつアミノ酸配列を有する第1のペプチド鎖をコードしている核酸を含む第1の核酸を真核細胞に提供し;
    c)配列番号:10のアミノ酸配列を有する第2のペプチド鎖をコードしている第2の核酸を真核細胞に提供し;そして
    d)真核細胞において第1のペプチド鎖および第2のペプチド鎖を発現し、これによって、OCT−2応答性遺伝子の転写が、第1および第2の核酸を提供されなかった対照真核細胞に比較して増加される:
    という段階を含む、真核細胞によるOCT−2応答性遺伝子の転写を増加する方法。
  27. 真核細胞が、SP2/0、C463AおよびCHO細胞からなる群から選ばれる、請求項26の方法。
  28. 真核細胞がC463Aである、請求項27の方法。
JP2009511234A 2006-05-17 2007-05-17 ヒトoct−2変異体ペプチド鎖、核酸、および方法 Pending JP2009537151A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US80112706P 2006-05-17 2006-05-17
PCT/US2007/069151 WO2007137121A2 (en) 2006-05-17 2007-05-17 Human oct-2 variant peptide chains, nucleic acids, and methods

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009537151A true JP2009537151A (ja) 2009-10-29

Family

ID=38724016

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009511234A Pending JP2009537151A (ja) 2006-05-17 2007-05-17 ヒトoct−2変異体ペプチド鎖、核酸、および方法

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP2023962B1 (ja)
JP (1) JP2009537151A (ja)
DK (1) DK2023962T3 (ja)
ES (1) ES2437224T3 (ja)
WO (1) WO2007137121A2 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005017121A2 (en) * 2003-08-14 2005-02-24 Exelixis, Inc. Mbcats as modifiers of the beta-catenin pathway and methods of use

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005017121A2 (en) * 2003-08-14 2005-02-24 Exelixis, Inc. Mbcats as modifiers of the beta-catenin pathway and methods of use

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6012024664; Genes Dev.,Vol.2,No.12A(1988)p.1570-1581 *
JPN6012024666; Nucleic Acids Res.,Vol.19,No.1(1991)p.43-51 *
JPN6012024668; J.Biol.Chem.,Vol.267,No.35(1992)p.24960-24965 *

Also Published As

Publication number Publication date
ES2437224T3 (es) 2014-01-09
EP2023962B1 (en) 2013-09-11
EP2023962A2 (en) 2009-02-18
DK2023962T3 (da) 2013-11-11
WO2007137121A3 (en) 2008-07-17
WO2007137121A2 (en) 2007-11-29
EP2023962A4 (en) 2009-11-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2020210185B2 (en) Chimeric antigen receptors and uses thereof
US10273479B2 (en) β-actin promoters and uses thereof
JP6573331B2 (ja) 同起源の抗体可変領域遺伝子セグメントをクローニングおよび発現させるための迅速な方法
KR101494072B1 (ko) 변이된 글루타민 합성효소 유전자를 포함하는 벡터 및 이를 이용한 목적 단백질의 생산방법
KR102288857B1 (ko) 신규한 진핵 세포 및 관심 생성물의 재조합 발현 방법
KR102288232B1 (ko) 신규한 진핵 세포 및 관심 생성물의 재조합 발현 방법
JPH07133298A (ja) ヒトIL−2レセプターγ鎖分子
JP4892474B2 (ja) 3重螺旋構造を有するタンパク質の製造方法
CA2561702C (en) Methods for altering protein production rates
AU2006277568A1 (en) Expression vector and methods of producing high levels of proteins
US7888117B2 (en) Human OCT-2 variant peptide chains, nucleic acids, and methods
DK2396410T3 (en) Process for producing protein
JP2009537151A (ja) ヒトoct−2変異体ペプチド鎖、核酸、および方法
WO2005070448A2 (en) Methods of use for secreted frizzled-related protein 3 (sfrp-3) in the prevention and treatment of disease
JP4958905B2 (ja) ペプチド鎖発現を増大させるための物質および方法
JP2017070224A (ja) 遺伝子発現用カセット及びその産生物
US9315565B2 (en) Method for producing protein
WO2005040380A1 (ja) げっ歯類動物の免疫応答調節蛋白質
WO2000023468A1 (fr) Proteines humaines stam2a et stam2b et adnc codant ces molecules
JP2001037482A (ja) ヒト蛋白質とcDNA[1]

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100302

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120522

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20120821

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120824

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20120828

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120925