JPWO2006077896A1 - 負圧式倍力装置 - Google Patents

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Abstract

ブレーキペダルを強く踏み込んだような場合に対しても高い応答性をもち、しかも簡素でコンパクトな構成の負圧式倍力装置を提供する。そのために、バルブピストン8の摺動円筒部8bの内周とサイレンサ27の外周との間に外気に直接連通する通路45を形成し、入力部材がバルブピストンに対して所定以上前進作動したときに、サイレンサ27を介さずに通路45より変圧室6に大気を直接導入可能とした。

Description

本発明は、車両用の負圧式倍力装置に関し、特にブレーキペダルを強く踏み込んだときに高い応答性を発揮できる負圧式倍力装置に関するものである。
一般に、負圧式倍力装置においては、ブレーキペダルが踏み込まれて、入力ロッドによりプランジャがバルブピストンに対して相対的に前進されると、負圧弁が負圧弁座に当接して変圧室と定圧室との連通を遮断し、プランジャが更に前進されると、大気弁座と大気弁とが開離され、外気よりサイレンサおよびフィルタを介して変圧室に大気が導入される。これにより、変圧室と定圧室との圧力差によってバルブピストンが前方に移動され、マスタピストンが押動されて、ブレーキペダルの踏力に応じたブレーキ油圧がマスタシリンダに発生される。
バルブピストンは変圧室と定圧室との圧力差に応じた作動力で反力部材を弾性変形してマスタピストンを押動するため、反力部材の弾性変形により、反力部材がプランジャを後方へ押圧する。これにより、プランジャが後退させられ、大気弁座が大気弁に着座して大気と変圧室との連通を遮断し、所望のブレーキ油圧を保持するようになっている。
ところで、ブレーキペダルを強く踏み込んだような場合には、変圧室に遅滞なく大気を導入することが必要であるが、サイレンサの通気抵抗等によって変圧室に十分な大気を導入することができず、ブレーキ作動の応答性を高めるうえでの限界となっている。特に近年、ブレーキ停止時間を短縮する要望に対し、その改善が求められている。
このような要望を満たすものとして、従来、特公平6−24922号公報に記載されているような負圧式倍力装置が知られている。係る特許公報に記載されたものは、弁ハウジング(バルブピストン)の外周にスリーブを設け、このスリーブと弁ハウジングとの間に後方チャンバ(変圧室)に開放する付加的な環状の通気路を形成している。スリーブの後端には付加的な弁体が形成され、弁体は第3の弁座に向けて偏倚され、通常は弁体によって第3の弁座が閉止されている。そして、ブレーキペダルが急激に踏み込まれた場合には、スリーブの後端に形成された弁体が第3の弁座から離間され、その結果、大気がフィルタより内側スペースおよび中間スペースを通って後方チャンバに流入するだけでなく、付加的な通気路を通って後方チャンバ内に流入されるようになるため、後方チャンバ内の圧力が急速に大気と等しくなり、ブレーキの応答性が高められる。
しかしながら、上記した特許公報に記載されたものにおいては、弁ハウジング(バルブピストン)の外側に付加的な通気路を形成するスリーブが設けられているため、負圧式倍力装置が大形化する問題があるとともに、付加的な通気路と外気との連通、遮断を行うために、第3の弁座を新たに設けなければならないため、製品の信頼性が低下する問題がある。しかも、弁ハウジングとスリーブはそれぞれ摺動することが必要であるが、その摺動支持部に弁ハウジングに作用するすべての荷重が作用するため、円滑な摺動を行うことが非常に難しく、初期の機能を安定して達成することが難しい問題があった。
本発明は係る従来の不具合を解消するためになされたもので、高い応答性をもち、しかも簡素でコンパクトな構成の負圧式倍力装置を提供することを目的とするものである。
第1の発明にかかる負圧式倍力装置の構成上の特徴は、ブースタシェルを区画部材により変圧室と定圧室とに区画し、該区画部材にバルブピストンの基端部を固着し、前記変圧室と定圧室の圧力差に基づく前記区画部材の出力を前記バルブピストンから出力ロッドに反力部材を介して伝達し、前記反力部材と連携して作用するプランジャとブレーキペダルによって軸動される入力ロッドとを連結して入力部材とし、負圧弁座および大気弁座を前記バルブピストンおよび前記プランジャに形成し、該負圧弁座および大気弁座に接離して前記変圧室を前記定圧室および大気に連通、遮断する負圧弁および大気弁を設け、該大気弁に大気を導入するサイレンサを設けた負圧式倍力装置において、前記バルブピストンの摺動円筒部の内周と前記サイレンサの外周との間に外気に直接連通する副通路を形成し、前記入力部材が前記バルブピストンに対して所定以上前進作動したときに前記副通路より前記変圧室に大気を導入可能としたことである。
第1の発明によれば、バルブピストンの摺動円筒部の内周とサイレンサの外周との間に外気に直接連通する副通路を形成し、入力部材がバルブピストンに対して所定以上前進作動したときに副通路より変圧室に大気を導入可能としたので、強いないしは急なブレーキペダルの踏み込み時においては、サイレンサを介さずに副通路より大気を導入することができ、応答性を高めることができる。しかも、バルブピストンの内周側で副通路を形成できるので、負圧式倍力装置をコンパクトに構成でき、円滑な作動を行うことができる。
第2の発明にかかる負圧式倍力装置の構成上の特徴は、第1の発明にかかる負圧式倍力装置において、中間に段差部を有する円筒状部材が前記バルブピストンの摺動円筒部の内周と前記サイレンサの外周との間に配置されて連通路を構成し、通常時は該連通路が閉止手段により閉止されて前記大気弁座との連通が遮断され、前記入力部材が前記バルブピストンに対して所定以上前進作動したとき前記連通路を開放して前記副通路と大気弁座とを連通するようにしたことである。
第2の発明によれば、中間に段差部を有する円筒状部材によって構成された連通路が、通常時は閉止手段により閉止されて大気弁座との連通が遮断され、入力部材がバルブピストンに対して所定以上前進作動したとき連通路を開放して副通路と大気弁座とを連通するようにしたので、強いないしは急なブレーキペダルの踏み込み時においても、既存の大気弁を介して変圧室に大気を導入することができる。従って、従来の負圧式倍力装置に簡素な構成を付加するだけで応答性を高めることができ、製品の信頼性も向上できるようになる。
第3の発明にかかる負圧式倍力装置の構成上の特徴は、第2の発明にかかる負圧式倍力装置において、前記閉止手段は、前記中間段差部に当接して前記連通路を閉止する弁体と、該弁体を中間段差部に当接する方向に付勢する付勢部材からなり、前記入力部材から延在した作動部が前記付勢部材に抗して前記弁体を前方に押圧して前記連通路を開放するようにしたことである。
第3の発明によれば、閉止手段は、中間段差部に当接して連通路を閉止する弁体と、弁体を中間段差部に当接する方向に付勢する付勢部材からなり、入力部材から延在した作動部が付勢部材に抗して弁体を前方に押圧して連通路を開放するようにしたので、入力部材がバルブピストンに対して所定以上前進作動されたとき、作動部によって連通路を確実かつ安定的に開放することができる。また、強いないしは急なブレーキペダルの踏み込み時に、入力部材がバルブピストンに作用力を及ぼすことによって、初期の作動振動を抑制することができる。
第4の発明にかかる負圧式倍力装置の構成上の特徴は、第3の発明にかかる負圧式倍力装置において、前記入力部材から延在した前記作動部は、ブレーキペダルによる入力部材の揺動方向に対し直角方向に伸びていることである。
第4の発明によれば、入力部材から延在した作動部材は、ブレーキペダルによる入力部材の揺動方向に対し直角方向に伸びているので、入力部材が上下方向に揺動しても、その揺動運動に影響されることなく弁体によって連通路を精度よく開放できる。また、連通路の上下方向のスペースをコンパクトにでき、ひいてはバルブピストンを小径にできる。
第5の発明にかかる負圧式倍力装置の構成上の特徴は、第2ないし第4の発明のいずれかにかかる負圧式倍力装置において、前記円筒状部材は前記バルブピストンに対し円周方向に位置決めされ、前記作動部を延在した作動部材を設け、該作動部材を前記円筒状部材に対して円周方向に位置規制する位置規制部を備え、前記作動部材は入力部材の揺動を許容しかつ揺動方向と直角方向には相対移動を規制する案内孔を有することである。
第5の発明によれば、円筒状部材はバルプピストンに対し円周方向に位置決めされ、作動部を延在した作動部材を設け、該作動部材を円筒状部材に対して円周方向に位置規制する位置規制部を備え、作動部材は入力部材の揺動を許容しかつ揺動方向と直角方向には相対移動を規制する案内孔を有するので、入力部材の揺動を確実かつ安定的に許容でき、負圧弁および大気弁の開閉を長期にわたって安定して行えるようになる。
第6発明にかかる負圧式倍力装置の構成上の特徴は、第5の発明にかかる負圧式倍力装置において、前記作動部材は、前記バルブピストンに前記入力部材、前記プランジャ、前記負圧弁および前記大気弁等を組付けた後、前記入力部材上に装着されて入力部材に対し後方位置が規制されることである。
第6の発明によれば、作動部材は、バルブピストンに入力部材、プランジャ、負圧弁および大気弁等を組付けた後、入力部材上に装着されて入力部材に対し後方位置が規制されるので、負圧式倍力装置の基本構成を組み付けた後に、高応答構成部分を順次組み込むことができ、生産性を大幅に高めることができる。
第7の発明にかかる負圧式倍力装置の構成上の特徴は、第1の発明にかかる負圧式倍力装置において、該副通路を開閉する弁体と、前記入力部材が前記バルブピストンに対して所定以上前進作動されたとき前記弁体を開放作動させる入力部材上の作動部材とを備え、該作動部材は、入力部材の揺動時にも干渉しない円形の内孔を有しており、前記作動部材は両端を一対の摺動案内部材によって半径方向に相対摺動可能に案内されているとともに、前記入力部材上で後方位置が規制されていることである。
第7の発明によれば、弁体を開放作動させる入力部材上の作動部材は、入力部材の揺動時にも干渉しない円形の内孔を有しているので、作動部材を任意の角度位相で装着することができ、作動部材の組付け位置を考慮する必要がない。これにより、構成を簡素化できるとともに、入力部材の揺動を確実かつ安定的に許容できることから、負圧弁および大気弁の開閉を長期にわたって安定して行えるようになる。
第8の発明にかかる負圧式倍力装置の構成上の特徴は、第7の発明にかかる負圧式倍力装置において、バルブピストンの摺動円筒部には、該摺動円筒部の内周との間で前記副通路を形成する円筒状部材が装着され、該円筒状部材に前記弁体によって開閉される連通路が形成され、前記作動部材は前記円筒状部材内に半径方向に僅かな隙間を介して収納されていることである。
第8の発明によれば、バルブピストンの摺動円筒部の内周に装着された円筒状部材内に、弁体を作動する作動部材が半径方向に僅かな隙間を介して収納されているので、入力部材の揺動に係わらず作動部材を円筒状部材内の中心位置に保持することができ、作動部材による弁体の開放作動を安定して行えるようになる。
第9の発明にかかる負圧式倍力装置の構成上の特徴は、第7または第8の発明にかかる負圧式倍力装置において、前記作動部材は、円周上複数の摺動案内部を放射状に突設した形状をなし、これら摺動案内部の各間で大気通路を形成していることである。
第9の発明によれば、前記作動部材は、円周上複数の摺動案内部を放射状に突設した形状をなし、これら摺動案内部の各間で大気通路を形成しているので、作動部材が円筒状部材内に半径方向に僅かな隙間を介して収納されているにも係わらず、大気通路を確保でき、大気の導入に支障を及ぼさない。
第1図は、本発明の第1の実施の形態を示す負圧式倍力装置の断面図である。第2図は、第1図のA−A線に沿って矢視した弁機構部分の拡大断面図である。第3図は、第2図のB−B線に沿って矢視した断面図である。第4図は、第2図のC−C線に沿って矢視した断面図である。第5図は、本発明の第2の実施の形態を示す負圧式倍力装置の断面図である。第6図は、第5図のD−D線に沿って矢視した断面図である。第7図は、本発明の第3の実施の形態を示す負圧式倍力装置の断面図である。第8図は、第7図の要部を拡大した断面図である。第9図は、第8図のE−E線に沿って矢視した断面図である。第10図は、入力部材が揺動した状態を示す作動状態図である。第11図は、第10図のF−F線に沿って矢視した断面図である。
以下、本発明に係る負圧式倍力装置の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。第1図に示すように、ブースタシェル1は、フロントシェル2およびリアシェル3から構成され、両シェル2,3間には、区画部材としてのフレキシブルなダイヤフラム4が外周縁のビードで気密的に挟着され、ブースタシェル1の内部を定圧室5と変圧室6とに区画している。ダイヤフラム4には円盤状のプレート7が定圧室5側で重合されている。ダイヤフラム4およびプレート7には円筒状のバルブピストン8の基端部8aの外周面が気密的に固着され、基端部8aの前端面が定圧室5に露出している。フロントシェル2には負圧導入管10が取付けられ、定圧室5は負圧導入管10を介してエンジンの吸気マニホールドに連通されてエンジン作動中は常に負圧に維持されている。
第2図に示すように、リアシェル3の中心部は、外方に屈曲されて円筒状の突出部3aが後方に向けて突設され、軸線上に貫通孔3bが形成されている。バルブピストン8には基端部8aから摺動円筒部8bが後方に突設され、摺動円筒部8bが貫通孔3bを貫通してリアシェル3の突出部3aから後方に突出されている。貫通穴3bの内周面と摺動円筒部8bの外周面との間にはシール9が介在され、変圧室6を大気から遮断している。
11はマスタシリンダで、マスタシリンダ11は第1図に示すように、後端部11aがフロントシェル2に形成された中心孔を貫通して定圧室5内に気密的に突出し、フランジ部11bがフロントシェル2の前面に当接している。フロントシェル2とリアシェル3とは、両シェルで構成されるブースタシェル1の軸線と外周との略中間位置で軸線と平行に延在する複数本、例えば2本のタイロッド12で結合されてマスタシリンダ11に固定されている。各タイロッド12にはダイヤフラム4に設けた各シール部の摺動穴が気密を保って夫々摺動自在に嵌合され、定圧室5と変圧室6との間の気密的な区画を維持している。
13はマスタシリンダ11に前後方向に摺動可能に嵌合されたマスタピストンで、マスタシリンダ11の後端部から定圧室5内に突出し、バルブピストン8の前端面近傍まで延在している。バルブピストン8とマスタピストン13との間には出力ロッド14が介在されている。バルブピストン8は定圧室5と変圧室6との室内の圧力差に基づくダイヤフラム4の出力を反力部材17を介して出力ロッド14に伝達し、出力ロッド14がマスタピストン13を前方に押動する。フロントシェル2とバルブピストン8の前端面との間にはリターンスプリング16が介在されバルブピストン8を後方に付勢している。
第2図に示すように、バルブピストン8には、前端面から後端面に向けて反力室孔8c、反力室孔8cに開口する反力室孔8cより小径の反力穴8d、大径の弁体収納孔8fが軸線上に順次穿設されている。反力室孔8cには環状凹溝8nが軸線方向に形成され、環状凹溝8nに出力ロッド14の後端に形成された環状突起14aが軸線方向に相対移動可能に嵌合されている。環状突起14aと基端部8aの底面との間で反力室15が形成され、反力室15内に弾性材料で形成された円盤状の反力部材17が収納されている。
21は先端軸部21aが反力穴8d内に摺動可能に延在されたプランジャで、先端軸部21aの先端面が反力穴8dに摺動自在に嵌合された当接部材19の後端面に当接している。プランジャ21の後端面には大気弁座21bが形成されている。
22はH字状のキー部材で、このキー部材22によってバルブピストン8に対するプランジャ21の相対移動量が規制される。キー部材22の両側の直線部の内側がプランジャ21に形成された環状の係合溝21c内に前後方向に所定量相対移動可能に侵入し、両端部は基端部8aと弁体収納孔8fとの間に半径方向に穿設された矩形穴8iに両直線部の外側面で摺接して外部に延在している。キー部材22の前後方向の肉厚寸法は、矩形穴8iの前後方向寸法より小さく、キー部材22はバルブピストン8に対しても前後方向に所定量だけ相対移動可能である。また、キー部材22は、バルブピストン8の外周側に突出した両端部にてリアシェル3の突出部3aの端面に当接可能である。これにより、バルブピストン8とプランジャ21とは、矩形穴8iおよび係合溝21cの幅を加算した距離からキー部材22の厚さを2倍した距離を減じた距離だけ軸線方向に相対移動することができる。
プランジャ21の後端には入力ロッド23が回動可能に連結され、入力ロッド23は塵芥等の通過を防止するフィルタ24および吸音機能を有するサイレンサ27を貫通して摺動円筒部8bより後方に延在し、ブレーキペダル25(第1図参照)に連結されている。かかるプランジャ21と入力ロッド23とにより、ブレーキペダル25によって軸動される入力部材20を構成している。
入力ロッド23とリアシェル3の突出部3aとの間には蛇腹26が固定され、バルブピストン8の摺動円筒部8bの外周を覆っている。蛇腹26の端面には円周上複数の通気穴26aが開口され、この通気穴26aよりサイレンサ27およびフィルタ24を介してバルブピストン8内に外気が導入されるようになっている。
変圧室6を定圧室5または大気に切換えて連通する弁機構30は、バルブピストン8の弁体収納孔8f内に形成された湾曲長円状の平面8jに直径線上の2個所で軸線に対して対称に突設された負圧弁座8kを有している。負圧弁座8kは平面8jに凸条が軸線を中心とする円弧に沿って彎曲した長円の周囲に突設して形成され、負圧弁座8kに取囲まれた通路8mはバルブピストン8の側壁を貫通して定圧室5に開口している。
プランジャ21の後端面には負圧弁座8kの内径側に大気弁座21bが形成されている。弁体収納孔8f内には円盤状の弁体31が前後方向に移動可能に遊嵌されている。弁体31の前端面には負圧弁座8kに接離して変圧室6と定圧室5とを連通、遮断する負圧弁31aが形成されている。弁体31の前端面の負圧弁31aより小径側には大気弁31bが環状に突設され、大気弁31bが大気弁座21bに接離して変圧室6と大気とを連通、遮断する。
弁体31の後端は弁体31の軸線方向の移動を許容するベローズ34により環状の保持体35に連結されている。保持体35は、入力ロッド23の中央部に係止されたリテーナ37との間に介在された圧縮スプリング38のバネ力により弁体収納孔8fの肩部に押圧されている。また、弁体31の後端面とリテーナ37との間には圧縮スプリング39が介在され、入力ロッド23に対して弁体31を前方に付勢している。これにより、通常(ブレーキの非作動時)は、大気弁31bを大気弁座21bに接触させて変圧室6と大気との連通を遮断するとともに、負圧弁31aを負圧弁座8kに対して僅かに離れた位置に保持して変圧室6と定圧室5とを互いに連通している。
バルブピストン8の摺動円筒部8bの開口部には、中間に段差部を有する円筒状部材41が、摺動円筒部8bの内周とサイレンサ27の外周との間に配置されている。円筒状部材41の前端側には摺動円筒部8bの内周に嵌合するスリーブ42が形成され、スリーブ42は保持体35より突設された突起35aに係合されて軸方向移動が規制され、保持体35に当接する位置に保持されている。円筒状部材41の中間部には、第3図にも示すように、内周に向かって鍔部が突設され、この鍔部の突設によって中間段差部43が形成されている。円筒状部材41の後端側には鍔部の内周に接続して後方に延在する環状壁44が設けられ、環状壁44はフィルタ24およびサイレンサ27の外周に嵌合されている。環状壁44の外周には摺動円筒部8bの内周に当接するリブ44aが円周上複数設けられ、これらリブ44a間で前記通気穴26aを介して外気と直接連通する副通路45を構成している。
環状壁44と中間段差部43との間には連通路46が円弧状に形成され、連通路46は環状壁44の外周と摺動円筒部8bの内周との間に設けられたフィルタ47を介して副通路45に常時連通されている。フィルタ47はサイレンサ27より通気抵抗が小さいため、連通路46より容易に大気を導入でき、しかも塵芥等の侵入を確実に防止できる。
中間段差部43と環状壁44の前端部に対向してリング状の弁体48が設けられ、弁体48はその後面をシール部材48aで構成され、前面をバックプレート48bで構成されている。弁体48のバックプレート48bと前記保持体35との間には圧縮スプリング49が圧縮した状態で介在され、圧縮スプリング49のバネ力によって通常弁体48のシール部材48aを中間段差部43の前端部に当接させ、連通路46を閉止している。これにより、通常(ブレーキの非作動時および通常作動時)は、弁体48によって連通路46を閉止する閉止手段を構成している。
リテーナ37には先端が前方に向けて突出した作動部50が形成され、作動部50はブレーキの非作動時および通常作動時において、弁体48の後面に所定の隙間を存して対向している。作動部50は第4図に示すように、ブレーキペダル25による入力ロッド23の揺動方向(第4図の矢印方向)に対して直角方向に伸延した外端に形成され、この作動部50に係合する弁体48には、直径方向の幅が狭くなった受け部48cが円周上2個所に設けられている。これにより、ブレーキペダル25の操作に伴う入力ロッド23の揺動方向における弁体48と作動部50との隙間を大きくでき、入力ロッド23の揺動運動を何ら妨げることなく、作動部50によって弁体48を開放作動できるようにしている。
次に、上記した第1の実施の形態に係る負圧式倍力装置の作動について説明する。ブレーキペダル25の通常の作動時においては、入力ロッド23によりプランジャ21が圧縮スプリング38のバネ力に抗して前進され、弁体31が圧縮スプリング39のバネ力により前進される。これにより、負圧弁31aが負圧弁座8kに当接して変圧室6と定圧室5との連通が遮断される。プランジャ21が更に前進されると、大気弁座21aと大気弁31bとが開離され、サイレンサ27およびフィルタ24を介してバルブピストン8内に導入された大気が、大気弁31bを介して変圧室6に流入する。これにより、変圧室6と定圧室5との間で圧力差が発生し、この圧力差によりダイヤフラム4、プレート7およびバルブピストン8が前方に移動され、出力ロッド14が反力部材17を介して前進される。従って、マスタピストン13が出力ロッド14により押動され、ブレーキペダル25の踏力に応じたブレーキ油圧がマスタシリンダ11に発生される。
なお、上記したブレーキペダル25の通常の作動時においては、バルブピストン8に対する入力ロッド23の相対移動量が小さく、リテーナ37の作動部50によって弁体48が作動されることはなく、連通路46は閉止状態に維持されている。
バルブピストン8はダイヤフラム4に作用する両室5,6内の圧力差に応じた作動力で反力部材17を弾性変形して出力ロッド14を介してマスタピストン13を押動する。反力部材17の弾性変形により、反力部材17が反力穴8dに流入して当接部材19を介してプランジャ21の先端軸部21aの先端部を後方へ押圧するため、プランジャ21が後退させられて大気弁座21aが大気弁31bに着座して大気と変圧室6との連通を遮断し、所望のブレーキ油圧を保持する。このとき、ブレーキペダル25を踏む力は、入力ロッド23を介してプランジャ21の先端軸部21aから反力部材17に伝達され、反力部材17が踏力に応じて弾性変形するので、運転者は反力を感じることができる。
ブレーキ作動後、ブレーキペダル25が開放されると、プランジャ21が圧縮スプリング38のバネ力によりバルブピストン8に対して後方に移動され、大気弁座21aが大気弁31bに当接して弁体31が圧縮スプリング39のバネ力に抗してバルブピストン8に対して相対的に後方に移動され、負圧弁31aが負圧弁座8kから開離される。これにより、定圧室5内の負圧が通路8mを通って変圧室6に導入され、変圧室6と定圧室5との室内の圧力差がなくなり、バルブピストン8、プレート7およびダイヤフラム4がリターンスプリング16のバネ力により後方に移動されるとともに、マスタピストン13が後方に移動されてマスタシリンダ11内の油圧が無くなる。
プランジャ21はキー部材22がリアシェル3の突出部3aの段部内面に当接するのと同時に停止し、バルブピストン8はキー部材22に当接して停止する。これにより、ブレーキの非作動時に負圧弁31aが負圧弁座8kに極めて接近した状態となり、ブレーキが掛けられたとき弁体31の前方移動により負圧弁31aが負圧弁座8kに迅速に当接することができる。
ところで、ブレーキペダル25が強くないしは急激に踏み込まれた場合には、入力ロッド23が通常作動時よりもバルブピストン8に対してより多く前進される。入力ロッド23がバルブピストン8に対して所定以上前進作動すると、リテーナ37の作動部50によって弁体48が圧縮スプリング49のバネ力に抗して押動されるので、弁体48が中間段差部43より離間され、連通路46を開放する。これにより、前述したようにサイレンサ27、フィルタ24、大気弁31bを介して変圧室6に流入される大気とは別に、サイレンサを介することなく、通路45よりフィルタ47、連通路46、および大気弁31bを介して変圧室6に大気が直接流入される。従って、サイレンサ27の通気抵抗に拘らず、変圧室6には十分な大気が遅滞なく導入され、急ブレーキ時の作動の応答性を高めることができる。また、入力ロッド23の作用力によって圧縮スプリング49を介してバルブピストン8が押されるため、初期の大気導入による作動振動を抑制することができる。
なお、弁体48を作動するリテーナ37の作動部50は、ブレーキペダル25の操作による入力ロッド23の揺動方向に対し直角方向に伸びて2点で弁体48に係合するようになっているので、全周で係合する場合に比較して、入力ロッド23の揺動運動を妨げることなく、弁体48によって連通路46を安定的に開放できる。また、連通路46の上下方向のスペースをコンパクトにでき、バルブピストン8を小径にできる。
第5図および第6図は、本発明の第2の実施の形態を示すもので、第1の実施の形態のものに比べて、より生産性を向上でき、かつ作動安定性を向上できる構成としたものである。従って、以下においては、第1の実施の形態と異なる点を主に説明し、同一構成部分については同一部品に同一の参照番号を付し、説明を省略する。
第5図において、ベローズ34を装着した環状の保持体35は、入力ロッド23の中央部に係止されたリテーナ37との間に介在された圧縮スプリング38のバネ力により弁体収納孔8fの肩部に押圧され、摩擦力によってバルブピストン8に対し実質的に回り止めされている。保持体35には、後方に延びるスカート部60が形成され、このスカート部60に係合穴61が例えば円周上2個所に形成されている。
バルブピストン8の摺動円筒部8bの開口部には、中間段差部43を有する円筒状部材41が、摺動円筒部8bの内周とサイレンサ27の外周との間に配置されている。円筒状部材41の前方には半径方向外方に弾性力を付与された弾性変形部62が形成され、弾性変形部62の先端に前記保持体35のスカート部60に形成した係合穴61に弾性力で係合するフック63が設けられている。これらフック63と係合穴61との係合により、円筒状部材41は保持体35に対して円周方向移動および軸方向移動が規制される。円筒状部材41には、第1の実施の形態で述べたと同様に、後方に延在する環状壁44が設けられ、環状壁44はフィルタ24およびサイレンサ27の外周に嵌合されている。環状壁44の外周には摺動円筒部8bの内周に当接する外周リブ44aが円周上複数設けられ、これら外周リブ44a間で上記した通気穴26aを介して外気と直接連通する副通路45を構成している。また、環状壁44と中間段差部43との間には連通路46が円弧状に形成(第3図参照)され、連通路46は環状壁44の外周と摺動円筒部8bの内周との間に設けられたフィルタ47を介して副通路45に常時連通されている。フィルタ47はサイレンサ27より通気抵抗が小さいため、連通路46より容易に大気を導入でき、しかも塵芥等の侵入を確実に防止できる。
中間段差部43と環状壁44の前端部に対向してリング状の弁体48が設けられ、弁体48はその後面をシール部材48aで構成され、前面をバックプレート48bで構成されている。弁体48のバックプレート48bと前記保持体35との間には圧縮スプリング49が圧縮した状態で介在され、圧縮スプリング49のバネ力によって通常弁体48のシール部材48aを中間段差部43の前端部に当接させ、連通路46を閉止している。弁体48には前方に延びたガイド部65が形成され、このガイド部65は弁体48の前進により保持体35のスカート部60の内周に嵌合して摺動ガイドされるようになっている。スカート部60によるガイド部65の摺動ガイド作用により、弁体48の移動をスムーズに行えるようにしている。
弁体48を作動する作動部材70は、入力ロッド23の中央部に係止されたリテーナ37とは別体に設けられている。作動部材70は、入力ロッド23上に係止されたスナップリング71とリテーナ37の後面との間に介挿されている。作動部材70とリテーナ37の後面との間には、ウェーブワッシャ72が介挿され、このウェーブワッシャ72のばね力によって作動部材70は間座73を介してスナップリング71に当接され、後方位置が規制されるようになっている。作動部材70には、第6図に示すように、ブレーキペダル25による入力ロッド23の揺動方向(第6図の上下方向)に細長く延び、かつ左右方向は入力ロッド23の径とほぼ同じ寸法の楕円状の案内穴75が形成され、これによって入力ロッド23の揺動を許容するとともに、揺動方向と直角な方向の移動を規制するようにしている。
また、作動部材70には、先端が前方に向けて突出した作動部77が形成され、作動部77はブレーキの非作動時および通常作動時において、弁体48の後面に所定の隙間を存して対向している。作動部77は第6図に示すように、入力ロッド23の揺動方向に対して直角方向に延在し、その外端が弁体48の後面に向けて屈曲され、弁体48の後面に対向されている。弁体48の内周には、直径方向の幅が狭くなった受け部48cが円周上2個所に形成され、これら受け部48cに作動部77の屈曲された外端が係合するようになっている。円筒状部材41の内周には、作動部77の外端を両側から隙間を有して挟み込む一対の内周リブ78が円周上2個所に形成され、これら一対の内周リブ78により、作動部材70を円筒状部材41に対して、軸方向には摺動案内し、円周方向には位置規制する位置規制部を構成している。従って、圧縮スプリング49によって作動部材70に回転モーメントが作用されても作動部材70は円周方向の移動を阻止され、入力ロッド23の揺動を安定的に維持できるようになる。
このようにして、作動部材70は、円筒状部材41を介して保持体35に対し回り止めされ、保持体35はバルブピストン8に対して摩擦力によって実質的に回り止めされているので、結局、作動部材70は、バルブピストン8に対して円周方向に位置決めされて組付けられることになる。
上記した第2の実施の形態においては、従来の負圧式倍力装置と同様にして、バルブピストン8内に、通常の負圧式倍力装置の構成部材、すなわち、負圧弁31a、大気弁31b、ならびに入力ロッド23、保持体35、リテーナ37および圧縮スプリング38、39等が装着される。
続いて、外周にフィルタ47を装着した円筒状部材41を、圧縮スプリング49を介在した弁体48を円筒状部材41の中間段差部43に係合させながら、バルブピストン8内の所定位置まで装着する。これにより、円筒状部材41のフック63が弾性力によって保持体35の係合穴61に係合し、円筒状部材41が円周方向および軸方向に位置決めされる。しかる後、入力ロッド23にウェーブワッシャ72、作動部材70、間座73およびスナップリング71が順次嵌装および装着され、スナップリング71によって作動部材70の後方位置が規制される。この際、作動部材70は円筒状部材41の一対の内周リブ(位置規制部)78の間に作動部77が嵌り合うように組み込まれ、ブレーキペダル25による入力ロッド23の揺動を許容した角度位置に位置決めされる。最後に、円筒状部材41の内周にフィルタ24およびサイレンサ27が装着される。
上記した第2の実施の形態によれば、ブレーキペダル25が強くないしは急激に踏み込まれた場合には、入力ロッド23が通常作動時よりもバルブピストン8に対してより多く前進され、弁体48が中間段差部43より離間されて連通路46を開放するので、サイレンサ27を介することなく、副通路45よりフィルタ47、連通路46、および大気弁31bを介して変圧室6に大気が直接流入される。従って、第1の実施の形態と同様に、ブレーキペダル25を強く、急激に踏み込んだ場合には、サイレンサ27の通気抵抗に拘らず、変圧室6には十分な大気が遅滞なく導入され、急ブレーキ時の作動の応答性を高めることができる。
また、作動部材70は、バルブピストン8に対して円周方向に位置決めされている円筒状部材41に設けた内周リブ(位置規制部)78により、円周方向に回り止めされているので、ブレーキペダル25の操作による入力ロッド23の揺動を確実かつ安定的に許容できる。従って、負圧弁31aおよび大気弁31bの開閉を長期にわたって安定して行えるようになり、安定したブレーキ性能を維持することができる。しかも、負圧式倍力装置の基本構成を組み付けた後に、高応答構成部分を順次組み込むことができるので、生産性を大幅に高めることができるようになり、通常機能の負圧式倍力装置か高応答機能を備えた負圧式倍力装置かの仕様選択も容易となり、生産変化への対応を迅速かつ容易に行うことができるようになる。
上記した第1および第2の実施の形態においては、バルブピストン8に対して摩擦力にて実質的に回り止めされている保持体35に円筒状部材41を係合することにより、円筒状部材41をバルブピストン8に対して円周方向に位置決めするようにしたが、バルブピストン8の内周に係合溝を設け、この係合溝に円筒状部材41の外周に形成した突起を係合させることにより、円筒状部材41をバルブピストン8に対し直接回り止めすることもできる。
第7図ないし第11図は、本発明の第3の実施の形態を示すもので、第1の実施の形態と異なる点は、上記した負圧式倍力装置に、緊急ブレーキ時にジャンピング特性を変化させて通常ブレーキ時より大きなブレーキ力を出力できる緊急ブレーキ機能を持たせるとともに、入力ロッド23がバルブピストン8に対して所定以上前進作動したときに副通路を開口する構成を若干変更したことである。従って、以下においては、第1および第2の実施の形態と異なる点を主に説明し、同一構成部分については同一部品に同一の参照番号を付し、説明を省略する。
第7図に示すように、バルブピストン8には、前端面から後端面に向けて反力室孔8c、反力室孔8cに開口する反力室孔8cより小径の反力穴8d、プランジャ収納孔8e、プランジャ収納孔8eより大径の弁体収納孔8fが軸線上に順次穿設されている。
H字状のキー部材22の両端部は、基端部8aとプランジャ収納孔8eとの間に半径方向に穿設された矩形穴8iに両直線部の外側面で摺接して外部に延在している。
変圧室6を定圧室5または大気に切換えて連通する弁機構30の湾曲長円状の平面8jは、バルブピストン8の弁体収納孔8fの断面部とプランジャ収納孔8eの後方延長部とによって形成され、2個の湾曲長円状の平面8jに第1負圧弁座8kが2個軸線に対して対称に突設されている。
弁体収納孔8fに前後方向に移動可能に遊嵌されている円盤状の弁体31の前端面には、第1負圧弁座8k(第1の実施の形態の負圧弁座8k)に接離して変圧室6と定圧室5とを連通、遮断する平面の第1負圧弁31a(第1の実施の形態の負圧弁31a)が形成されている。弁体31の前端面の第1負圧弁31aより小径側には大気弁31bが環状に突設され、大気弁31bが大気弁座21bに接離して変圧室6と大気とを連通、遮断する。
40はプランジャ21を取囲む弁座部材で、後方の円筒部40aはバルブピストン8のプランジャ収納孔8eの内周面にシール81によって気密的にシールされて軸線方向に摺動可能に嵌合されている。弁座部材40の円筒部40aの後端には大気弁座21bを包囲する第2負圧弁座40bが設けられ、第2負圧弁座40bは通常状態においては、第1負圧弁座8kより僅かに前方に位置していて、弁体31に当接していない。弁座部材40の円筒部40aの後端は、第1負圧弁座8kと円周方向にずれた位置、例えば2個の第1負圧弁座8kの間で部分的に大径側に拡大され、拡大した部分の第2負圧弁座40bが主な大気導入部40cとなっている。弁座部材40を後方に付勢する圧縮スプリング83が弁座部材40の円筒部40aの外周面に突設された環状突起40hとプランジャ収納孔8eの内周面に突設された環状段部8hとの間に介在されている。
弁座部材40の先端部にはプランジャ21の先端軸部21aの大径部に摺動可能に嵌合する環状の係合部40dが設けられ、係合部40dと円筒部40aとの間は2本の連結部40eで連結されている。2本の連結部40eは先端軸部21aの両側でH字状のキー部材22の両直線部に挟まれ、キー部材22の横棒部が一方の連結部40eの外周に当接し両直線部の内側面に形成された係止部が他方の連結部40eの外周に係合して抜け止めされている。これにより、弁座部材40はキー部材22によって回り止めされ、一対の大気導入部40cがキー部材22と同位相に保持され、2個の第1負圧弁座8kの間に位置される。2本の連結部40eは、環状突起8hに設けられた切欠き部、および環状突起8hに嵌合するプランジャ21の嵌合部に軸線方向に設けられた連通溝を通ってプランジャ収納孔8eから矩形穴8iに延在している。
バルブピストン8内には、矩形穴8iの前方に2面幅の係止部材収納溝8pが円周上2個所に形成され、係止部材収納溝8pに係止部材85が半径方向に移動可能に保持されている。係止部材85には弁座部材40の先端に形成された係合突起40fに係合する爪部85aが設けられ、係止部材85と弁座部材40の係合によって、第2負圧弁座40bが弁体31に対し前方に離れるように弁座部材40を圧縮スプリング83のバネ力に抗して通常位置に保持するようになっている。係止部材85の半径方向外端には、バルブピストン8に形成された環状溝8qに装着されたガータースプリング87が係合され、ガータースプリング87によって係止部材85を爪部85aが係合突起40fに係合する内側方向に付勢している。
係止部材85の内周面にはカム面85bが形成され、プランジャ21がバルブピストン8に対して所定量以上相対前進すると、プランジャ21がカム面85bを押圧して係止部材85をガータースプリング87の付勢力に抗して半径方向外方に押動し、爪部85aを係合突起40fから離脱させるようになっている。
なお、係止部材85より離脱された弁座部材40は、プランジャ21がバルブピストン8に対して所定量以上相対前進していない状態で弁座部材40がバルブピストン8に対して相対的に前進されると、再び係合されて、弁座部材40を通常位置に保持する。弁座部材40の係合部40dの後端がキー部材22に当接した状態で、キー部材22がリアシェル3の突出部3aの段部内面に当接した後に、バルブピストン8がリターンスプリング16のバネ力によって後退されると、弁座部材40がバルブピストン8に対して相対的に前進され、係合突起40fの先端面が爪部85aの端面に係合して爪部85aをガータースプリング87のバネ力に抗して押し広げて通過し、係合突起40fが再び爪部85aと係合して弁座部材40を通常位置に保持する。
バルブピストン8の摺動円筒部8bの開口部には、中間段差部91aを有する円筒状部材91が、摺動円筒部8bの内周とフィルタ24およびサイレンサ27の外周との間に配置されている。円筒状部材91の前方には半径方向内方に弾性力を付与された弾性変形部91bが円周上複数形成され、弾性変形部91bの先端に保持体135に形成した環状の係合溝135aに係合するフック91cが設けられている。保持体135は上記した圧縮スプリング38のバネ力により弁体収納孔8fの肩部に押圧されている。これらフック91cと係合溝135aとの係合により、円筒状部材91は保持体135に対して軸方向移動が規制されている。
円筒状部材91の中間部には、第8図にも示すように、内周に向かって鍔部が突設され、この鍔部の突設によって環状の中間段差部91aが形成されている。円筒状部材91の後端側には鍔部の内周に接続して後方に延在する環状壁91dが設けられ、環状壁91dはフィルタ24およびサイレンサ27の外周に嵌合されている。環状壁91dの外周には摺動円筒部8bの内周に当接するリブ91eが円周上複数設けられ、これらリブ91e間で前記通気穴26aを介して外気と直接連通する副通路93を構成している。
環状壁91dと環状段差部91aとの間には、第9図に示すように、連通路94が円弧状に形成され、連通路94は環状壁91dの外周と摺動円筒部8bの内周との間に装着されたフィルタ95を介して前記副通路93に常時連通されている。フィルタ95はサイレンサ27より通気抵抗が小さいため、連通路94より容易に大気を導入でき、しかも塵芥等の侵入を確実に防止できる。
中間段差部91aの前端部に対向してリング状の弁体96が設けられ、弁体96の後面にはシール部材96aが設けられている。弁体96と保持体135との間には圧縮スプリング97が圧縮した状態で介在され、圧縮スプリング97のバネ力によって通常弁体96のシール部材96aを中間段差部91aの前端部に当接させ、連通路94を閉止している。これにより、通常(ブレーキの非作動時および通常作動時)は、弁体96によって連通路94を閉止している。
弁体96を作動する作動部材100が、入力ロッド23上に係止された止めリング101とリテーナ37の後面との間に介挿されている。止めリング101とリテーナ37との間には、摺動案内部材を構成する一対のワッシャ103,104がそれぞれ半径方向に移動可能に設けられ、これら一対のワッシャ103,104の間に作動部材100が配置されている。作動部材100はリテーナ37と保持体135との間に介挿された圧縮スプリング38のバネ力によって、通常ワッシャ103,104を介して止めリング101に当接する位置に保持され、後方位置が規制されている。
作動部材100は入力ロッド23の揺動時にも干渉しない大きな円形の内孔100aを中心部に有しており、この内孔100aを入力ロッド23が貫通している。これにより、作動部材100が任意の角度位相で装着されても、ブレーキペダル25による入力ロッド23の揺動を許容できるようになっている。
作動部材100は、第9図に示すように、中心部に円形の内孔100aを有し、円周上に複数の摺動案内部100bを放射方向に突設させた形状をなしている。作動部材100は円筒状部材91の環状壁91d内に半径方向に僅かな隙間を介して収納され、実質的に半径方向にはほとんど移動できないようになっている。
一方、前記一対のワッシャ103、104は、作動部材100の内孔100aより小さく、かつ入力ロッド23の外径より十分に大きな内孔103aをそれぞれ有し、外径は環状壁91dの内径より十分に小さく形成され、入力ロッド23の揺動につれて半径方向に移動できるようになっている。一対のワッシャ103、104の各両端面は、作動部材100との間ならびにリテーナ37および止めリング101との間で互いに半径方向に相対摺動可能に案内する摺動案内部をなしている。そして、かかる摺動案内部は、入力ロッド23の揺動につれて、一対のワッシャ103、104が、リテーナ37、止めリング101および作動部材100との間で相対摺動しながら、半径方向に移動されるが、一対のワッシャ103、104が最大量移動されても、一対のワッシャ103、104、リテーナ37、止めリング101および作動部材100の相互の摺動案内作用が維持される関係に設定されている。
これにより、ブレーキペダル25の操作によって入力ロッド23(入力部材20)が揺動しても、常に作動部材100を円筒状部材91の環状壁91d内の中心位置に安定的に保持され、作動部材100と弁体96との位置関係を一定に保つようにしている。
作動部材100の各摺動案内部100bの外端は、前方に向けてそれぞれ屈曲されて作動部100dを形成しており、これら作動部100dはブレーキの非作動時および通常作動時において、弁体96の後面に所定の隙間を存して対向している。作動部材100の作動部100dは、入力部材20がバルブピストン8に対して所定以上前進作動されたとき、弁体96の内周部端面に当接して弁体96を圧縮スプリング97のバネ力に抗して押動するようになっている。
上記した第3の実施の形態に係る負圧式倍力装置の作動について説明すると、ブレーキペダル25の通常の作動時においては、ブレーキペダル25が踏まれて、入力ロッド23とともにプランジャ21が圧縮スプリング38のバネ力に抗して前進されると、弁体31が圧縮スプリング39のバネ力により前進され、第1負圧弁31aが第1負圧弁座8kに当接して変圧室6と定圧室5との連通を遮断する。プランジャ21が更に前進されると、大気弁座21bと大気弁31bとが開離され、サイレンサ27およびフィルタ24を介してバルブピストン8内に導入された大気が、大気弁31bを介して変圧室6に流入する。
これにより、変圧室6と低圧室5との間で圧力差が発生し、この圧力差によりダイヤフラム4、プレート7およびバルブピストン8が前方に移動され、出力ロッド14が反力部材17を介して前進される。従って、マスタピストン13が出力ロッド14により押動され、ブレーキペダル25の踏力に応じたブレーキ油圧がマスタシリンダ11に発生される。
なお、上記したブレーキペダル25の通常の作動時においては、バルブピストン8に対する入力ロッド23の相対移動量が小さいため、作動部材100の作動部100dによって弁体96が作動されることはなく、連通路94は閉止状態に維持されている。また、弁座部材40と係止部材85は第7図に示す係合状態に維持され、第2負圧弁座40bは弁体31より離間されている。
ブレーキペダル25が強くないしは急激に踏み込まれた場合には、入力ロッド23が通常作動時よりもバルブピストン8に対してより多く前進される。入力ロッド23がバルブピストン8に対して所定以上前進作動すると、作動部材100の作動部100dによって弁体96の内周部端面が圧縮スプリング97のバネ力に抗して押動されるので、弁体96が中間段差部91aより離間され、連通路94を開放する。これにより、前述したようにサイレンサ27、フィルタ24、大気弁31bを介して変圧室6に流入される大気とは別に、サイレンサ27を介することなく、副通路93よりフィルタ95、連通路94、および大気弁31bを介して変圧室6に大気が直接流入される。
従って、ブレーキペダル25を強く、急激に踏み込んだ場合には、バルブピストン8内の副通路93を介して、変圧室6に十分な大気が遅滞なく導入され、急ブレーキ時の作動の応答性を的確に高めることができる。また、入力ロッド23の作用力によって圧縮スプリング97を介してバルブピストン8が押されるため、初期の大気導入による作動振動を抑制することができる。
この際、ブレーキペダル25の操作により入力ロッド23が、第10図に示すように揺動するが、作動部材100は、入力ロッド23の揺動時にも干渉しない円形の内孔100aを有しているので、作動部材100を任意の角度位相で装着しても、入力ロッド23の揺動を阻害することがなく、入力ロッド23の揺動を確実かつ安定的に許容できるようになる。
なお、入力ロッド23が揺動すると、リテーナ37および止めリング101がワッシャ103、104に対して半径方向に相対摺動するが、入力ロッド23の揺動角が所定以上になると、入力ロッド23がワッシャ103、104の内孔103aに係合するため、ワッシャ103、104は作動部材100に対して半径方向に相対摺動しながら入力ロッド23によって半径方向に移動される。
従って、入力ロッド23が揺動しても、第10図および第11図に示すように、作動部材100は一対のワッシャ103、104の間に確実に保持され続けるとともに、作動部材100は円筒状部材91内の中心位置に保持される。従って、作動部材100の組付け位置を考慮する必要がないので、構成を簡素化できるとともに、入力部材20の揺動を確実かつ安定的に許容でき、負圧弁31aおよび大気弁31bの開閉を長期にわたって的確に制御できるようになる。
次に、運転者がブレーキペダル25を急速に踏み込んだ緊急ブレーキ時の作動について説明する。緊急ブレーキ特性は、ジャンピング特性を変化させて、通常ブレーキ時より大きな推進力が出力部材14に印加されることによって達成される。ジャンピング特性を変化させるためには、当接部材19と反力部材17との間の隙間を大きくすればよい。すなわち、大気弁31bを後方に移動させることによって、隙間を拡大し、当接部材19が反力部材17から反力を受けるまでの出力を大きくして、入力に対する出力の比率が無限大になるいわゆるジャンピング状態での出力を通常状態よりも大きくするようにしている。
入力に対する出力の比率が無限大になるジャンピング特性は、第1負圧弁31aが第1負圧弁座8kに当接し、大気弁31bが大気弁座21bから開離し始めてから当接部材19が反力部材17に当接するまでのプランジャ21の前進距離によって決まる。緊急ブレーキ時には、第2負圧弁座40bが弁体31に形成された第2負圧弁31cに当接して弁体31を後方に移動するので、大気弁31bが大気弁座21bから開離し始めてから当接部材19が反力部材17に当接するまでのプランジャ21の前進距離が通常ブレーキ時より大きくなって、その間に大気弁31bが大気弁座21bから開離される距離が大きくなり、変圧室6が急速かつ強制的に大気に連通され、通常ブレーキ時より大きい推力が出力部材14に出力されてジャンピング特性が高くなる。
運転者がブレーキペダル25を急速に踏み込んだ緊急ブレーキ時には、前述したようにプランジャ21がバルブピストン8に対して所定量以上相対前進されるため、プランジャ21の先端軸部21aの大径部が係止部材85のカム面85bを押圧して爪部85aが係合突起40fから離脱するように係止部材85がガータースプリング87のバネ力に抗して押動され、係止部材85より弁座部材40が解放される。これにより、弁座部材40は圧縮スプリング83のバネ力によってバルブピストン8に対して所定量後退され、第2負圧弁座40bが弁体31に当接して弁体31を後退させ、大気弁31bを大気弁座21bから開離させる。弁座部材40のバルブピストン8に対する後退は、矩形穴8iの後端面に当接したキー部材22に係合部40dの後端が当接することによって規制される。これにより、変圧室6が急速かつ強制的に大気と連通され、通常ブレーキ時より大きい推力が出力部材14に出力され、大きな液圧がマスタシリンダから送出される。出力が増大されると反力部材17が反力穴8d内に流入して当接部材19を介してプランジャ21を後方に押し戻すため、大気弁座21bが大気弁31bと当接して大気の流入を阻止し、緊急ブレーキ時の出力が決定される。
かかる緊急ブレーキ時においては、前述したようにバルブピストン8内にサイレンサ27を介することなく大気が遅滞なく導入されるので、緊急ブレーキ時の大きなブレーキ力を高感度に出力できるようになる。
上記した第3実施の形態によれば、弁体96を開放作動させる入力部材20上の作動部材100は、入力部材20の揺動時にも干渉しない円形の内孔100aを有しているので、作動部材100の組付け位置を考慮しなくても、ブレーキペダル25の操作による入力部材20の揺動を確実かつ安定的に許容できる。従って、負圧弁31aおよび大気弁31bの開閉を長期にわたって安定的に制御できるようになり、安定したブレーキ性能を維持することができる。
上記した第3実施の形態においては、バルブピストン8内への空気の通路を確保するために、作動部材100の円周上に放射方向に延びる複数の摺動案内部100bを形成した例で述べたが、作動部材100を円板状にて構成し、この円板の外周部円周上に多数の穴を貫通させて、これを大気通路とすることもできる。
なお、第3実施の形態における摺動案内部材を構成する一対のワッシャ103、104も、作動部材100と同様に、大気通路の確保のために放射方向に延びる摺動案内部を円周上複数形成した形状にすることもできる。
本発明に係る負圧式倍力装置は、ブレーキペダルの操作によってブレーキ力を出力する車両用ブレーキ系に用いるのに適している。

Claims (9)

  1. ブースタシェルを区画部材により変圧室と定圧室とに区画し、該区画部材にバルブピストンの基端部を固着し、前記変圧室と定圧室の圧力差に基づく前記区画部材の出力を前記バルブピストンから出力ロッドに反力部材を介して伝達し、前記反力部材と連携して作用するプランジャとブレーキペダルによって軸動される入力ロッドとを連結して入力部材とし、負圧弁座および大気弁座を前記バルブピストンおよび前記プランジャに形成し、該負圧弁座および大気弁座に接離して前記変圧室を前記定圧室および大気に連通、遮断する負圧弁および大気弁を設け、該大気弁に大気を導入するサイレンサを設けた負圧式倍力装置において、前記バルブピストンの摺動円筒部の内周と前記サイレンサの外周との間に外気に直接連通する副通路を形成し、前記入力部材が前記バルブピストンに対して所定以上前進作動したときに前記副通路より前記変圧室に大気を導入可能としたことを特徴とする負圧式倍力装置。
  2. 請求項1に記載の負圧式倍力装置において、中間に段差部を有する円筒状部材が前記バルブピストンの摺動円筒部の内周と前記サイレンサの外周との間に配置されて連通路を構成し、通常時は該連通路が閉止手段により閉止されて前記大気弁座との連通が遮断され、前記入力部材が前記バルブピストンに対して所定以上前進作動したとき前記連通路を開放して前記副通路と大気弁座とを連通するようにしたことを特徴とする負圧式倍力装置。
  3. 請求項2に記載の負圧式倍力装置において、前記閉止手段は、前記中間段差部に当接して前記連通路を閉止する弁体と、該弁体を中間段差部に当接する方向に付勢する付勢部材からなり、前記入力部材から延在した作動部が前記付勢部材に抗して前記弁体を前方に押圧して前記連通路を開放するようにしたことを特徴とする負圧式倍力装置。
  4. 請求項3に記載の負圧式倍力装置において、前記入力部材から延在した前記作動部は、ブレーキペダルによる入力部材の揺動方向に対し直角方向に伸びていることを特徴とする負圧式倍力装置。
  5. 請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の負圧式倍力装置において、前記円筒状部材は前記バルブピストンに対し円周方向に位置決めされ、前記作動部を延在した作動部材を設け、該作動部材を前記円筒状部材に対して円周方向に位置規制する位置規制部を備え、前記作動部材は入力部材の揺動を許容しかつ揺動方向と直角方向には相対移動を規制する案内孔を有することを特徴とする負圧式倍力装置。
  6. 請求項5に記載の負圧式倍力装置において、前記作動部材は、前記バルブピストンに前記入力部材、前記プランジャ、前記負圧弁および前記大気弁等を組付けた後、前記入力部材上に装着されて入力部材に対し後方位置が規制されることを特徴とする負圧式倍力装置。
  7. 請求項1に記載の負圧式倍力装置において、該副通路を開閉する弁体と、前記入力部材が前記バルブピストンに対して所定以上前進作動されたとき前記弁体を開放作動させる入力部材上の作動部材とを備え、該作動部材は、入力部材の揺動時にも干渉しない円形の内孔を有しており、前記作動部材は両端を一対の摺動案内部材によって半径方向に相対摺動可能に案内されているとともに、前記入力部材上で後方位置が規制されていることを特徴とする負圧式倍力装置。
  8. 請求項7に記載の負圧式倍力装置において、前記バルブピストンの摺動円筒部には、該摺動円筒部の内周との間で前記副通路を形成する円筒状部材が装着され、該円筒状部材に前記弁体によって開閉される連通路が形成され、前記作動部材は前記円筒状部材内に半径方向に僅かな隙間を介して収納されていることを特徴とする負圧式倍力装置。
  9. 請求項7または請求項8に記載の負圧式倍力装置において、前記作動部材は、円周上複数の摺動案内部を放射状に突設した形状をなし、これら摺動案内部の各間で大気通路を形成していることを特徴とする負圧式倍力装置。
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