JP2006160002A - 負圧式倍力装置 - Google Patents

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坪内  薫
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Abstract

【課題】 ブレーキの急な踏み込みによる作動初期の振動や異音の発生を抑えることができる負圧式倍力装置を提供する。
【解決手段】 プランジャ21あるいは入力ロッド23等の入力部材とバルブピストン8との間に、ゴムあるいはスプリング等の弾性体で構成された力伝達手段42を配置した。力伝達手段42は、ブレーキペダルの急な踏み込み時に、入力部材とバルブピストン8との相対変位により大気弁が開弁してから最大量開弁するまでの間で入力部材に当接して力を伝達し、入力部材とバルブピストン8との相対変位を抑制するようにした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車両用の負圧式倍力装置に関し、特に急な踏み込みによる作動初期の振動や異音の発生を抑制できる負圧式倍力装置に関するものである。
一般に、負圧式倍力装置においては、ブレーキペダルが踏み込まれて、入力ロッドによりプランジャがバルブピストンに対して相対的に前進されると、負圧弁が負圧弁座に当接して変圧室と定圧室との連通を遮断し、プランジャが更に前進されると、大気弁座と大気弁とが開離され、変圧室に大気が導入される。これにより、変圧室と定圧室との圧力差によってバルブピストンが前方に移動され、マスタピストンが押動されて、ブレーキペダルの踏力に応じたブレーキ油圧がマスタシリンダに発生される。
バルブピストンは変圧室と定圧室との圧力差に応じた作動力で反力部材を弾性変形してマスタピストンを押動するため、反力部材の弾性変形により、反力部材がプランジャを後方へ押圧する。これにより、プランジャが後退させられ、大気弁座が大気弁に着座して大気と変圧室との連通を遮断し、所望のブレーキ油圧を保持する。
ところで、ブレーキペダルの急な踏み込みによる作動初期においては、大気弁座に対して大気弁が大きく開かれ、変圧室に大気が一気に導入される。このために、作動初期にマスタピストンがオーバシュートを起こし、このオーバシュートにより、ブレーキ作動初期に弁機構の作動が不安定となり、振動や異音が発生する問題がある。
このような問題に対処するために、従来、特許文献1に記載されているような負圧式倍力装置が知られている。
上記した特許文献1に記載されたものは、変圧室と大気との連通路を開閉する大気弁を第1大気弁と第2大気弁とで構成し、第2大気弁側にオリフィス通路を設け、負圧式倍力装置の非作動時には、第1大気弁と第2大気弁はともに閉弁して変圧室と大気との連通を遮断しており、負圧式倍力装置の作動時には、まず第1大気弁が開弁してオリフィス通路を介して大気を変圧室に導入し、その後第2大気弁が開弁して変圧室に十分な大気を導入するものであり、これによって作動初期における変圧室への過度の大気の導入を防止するようにしている。
特開2003−127851号公報(段落0006、0008、図2)
しかしながら、上記した特許文献1に記載されたものにおいては、オリフィス通路を介して変圧室に大気を導入する構成であるため、減衰効果を得るためには、オリフィス通路をかなり絞る必要があり、オリフィス通路を絞ることによる弊害を招く恐れがあった。
本発明は係る従来の不具合を解消するためになされたもので、オリフィス通路を用いることなく、バルブピストンとプランジャとの相対運動を抑制することにより、急な踏み込みによる作動初期の振動や異音の発生を抑えることができる負圧式倍力装置を提供することを目的とするものである。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、ブースタシェルを区画部材により変圧室と定圧室とに区画し、該区画部材にバルブピストンの基端部を固着し、前記変圧室と定圧室の圧力差に基づく前記区画部材の出力を前記バルブピストンから出力ロッドに反力部材を介して伝達し、前記反力部材と連携して作用するプランジャとブレーキペダルによって軸動される入力ロッドとを連結して入力部材とし、負圧弁座および大気弁座を前記バルブピストンおよび前記プランジャに形成し、該負圧弁座および大気弁座に接離して前記変圧室を前記定圧室および大気に連通、遮断する負圧弁および大気弁を設けた負圧式倍力装置において、前記入力部材とバルブピストンとの間に配置され、入力部材とバルブピストンとの間の相対変位により前記大気弁が開弁してから最大量開弁するまでの間で前記入力部材に当接して力を伝達する力伝達手段を設けたことを特徴とするものである。
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記力伝達手段は、前記プランジャとバルブピストンとの間に配置されるとともに弾性体で構成されていることを特徴とするものである。
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記力伝達手段は、前記入力ロッドとバルブピストンとの間に配置されるとともに弾性体で構成されていることを特徴とするものである。
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項2または請求項3において、前記弾性体は、ゴムで構成されていることを特徴とするものである。
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項2または請求項3において、前記弾性体は、スプリングで構成され、該スプリングが所定の初期荷重で取付けられていることを特徴とするものである。
請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請求項4において、前記弾性体は、前記バルブピストンに形成された直径線上に位置する2つの穴に嵌合する棒状のゴムからなり、該ゴムの先端部に前記プランジャの先端部に挿入されたフランジ部材が、ブレーキの非作動時において僅かな軸方向隙間を存して対向されていることを特徴とするものである。
上記のように構成した請求項1に係る発明によれば、プランジャとバルブピストンとの間の相対変位により大気弁が開弁してから最大量開弁するまでの間でプランジャに当接して力を伝達する力伝達手段を、プランジャとバルブピストンとの間に配置した構成であるので、力伝達手段によってプランジャとバルブピストンとの相対変位を抑制することができ、急なブレーキペダルの踏み込み時においても、変圧室への大気の過度の導入を防止することができ、ブレーキの応答性を損なうことなく、ブレーキ作動初期における振動や異音の発生を防止ないしは低減できる効果がある。
上記のように構成した請求項2に係る発明によれば、力伝達手段をプランジャとバルブピストンとの間に配置するとともに弾性体で構成したので、弾性体の減衰機能により、プランジャとバルブピストンとの相対変位を効果的に抑制でき、振動、異音を早期に収束することができる効果がある。
上記のように構成した請求項3に係る発明によれば、力伝達手段を入力ロッドとバルブピストンとの間に配置するとともに弾性体で構成したので、請求項2と同様に、弾性体の減衰機能により、プランジャとバルブピストンとの相対変位を効果的に抑制でき、振動、異音を早期に収束することができる効果がある。
上記のように構成した請求項4に係る発明によれば、弾性体はゴムで構成されているので、簡単な構成によって、プランジャとバルブピストンとの相対変位を抑制することができ、また、ゴムの形状によってプランジャとバルブピストンとの相対変位量に対する弾性反力を容易に設定できる効果がある。
上記のように構成した請求項5に係る発明によれば、弾性体はバネで構成され、該バネが所定の初期荷重で取付けられているので、初期設定荷重を高くとれ、また、バネ荷重も自由に設定できるので、プランジャとバルブピストンとの相対変位の抑制をより効果的に行える効果がある。
上記のように構成した請求項6に係る発明によれば、弾性体は、バルブピストンに形成された直径線上に位置する2つの穴に嵌合する棒状のゴムからなり、該ゴムの先端部にプランジャに挿入されたフランジ部材が、僅かな軸方向隙間を存して対向されているので、力伝達手段を限られたスペースに組み込むことができ、緊急ブレーキ時に出力を高める係止部材を含む機構を組み込んだ負圧式倍力装置にも、容易に適用できる効果がある。
以下、本発明に係る負圧式倍力装置の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、ブースタシェル1は、フロントシェル2およびリアシェル3から構成され、両シェル2,3間には、フレキシブルなダイヤフラム4が外周縁のビードで気密的に挟着され、ブースタシェル1の内部を定圧室5と変圧室6とに区画している。ダイヤフラム4には円盤状のプレート7が定圧室5側で重合され、ダイヤフラム4およびプレート7には円筒状のバルブピストン8の基端部8aの外周面が気密的に固着され、基端部8aの前端面が定圧室5に露出している。フロントシェル2には負圧導入管10が取付けられ、定圧室5は負圧導入管10を介してエンジンの吸気マニホールドに連通されてエンジン作動中は常に負圧に維持されている。
図2に示すように、リアシェル3の中心部は、外方に屈曲されて円筒状の突出部3aが後方に向けて突設され、軸線上に貫通孔3bが形成されている。バルブピストン8には基端部8aから摺動円筒部8bが後方に突設され、摺動円筒部8bが貫通孔3bを貫通してブースタシェル1の突出部3aから後方に突出されている。貫通穴3bの内周面と摺動円筒部8bの外周面との間にはシール9が介在され、変圧室6を大気から遮断している。
11はマスタシリンダで、後端部11aがフロントシェル2に形成された中心孔を貫通して定圧室5内に気密的に突出し、フランジ部11bがフロントシェル2の前面に当接している。フロントシェル2とリアシェル3とは、両シェルで構成されるブースタシェル1の軸線と外周との略中間位置で軸線と平行に延在する複数本、例えば2本のタイロッド12で結合されてマスタシリンダ11に固定されている。各タイロッド12にはダイヤフラム4に設けた各シール部の摺動穴が気密を保って夫々摺動自在に嵌合され、定圧室5と変圧室6との間の気密的な区画を維持している。
13はマスタシリンダ11に前後方向に摺動可能に嵌合されたマスタピストンで、マスタシリンダ11の後端部から定圧室5内に突出し、バルブピストン8の前端面近傍まで延在している。バルブピストン8とマスタピストン13との間には出力ロッド14が介在されている。バルブピストン8は定圧室5と変圧室6との室内の圧力差に基づくダイヤフラム4の出力を反力部材17を介して出力ロッド14に伝達し、出力ロッド14がマスタピストン13を前方に押動する。フロントシェル2とバルブピストン8の前端面との間にはリターンスプリング16が介在されバルブピストン8を後方に付勢している。
図2に示すように、バルブピストン8には、前端面から後端面に向けて反力室孔8c、反力室孔8cに開口する反力室孔8cより小径の反力穴8d、大径の弁体収納孔8eが軸線上に順次穿設されている。反力室孔8cには環状凹溝8fが軸線方向に形成され、環状凹溝8fに出力ロッド14の後端に形成された環状突起14aが軸線方向に相対移動可能に嵌合されている。環状突起14aと基端部8aの底面との間で反力室15が形成され、反力室15内に弾性材料で形成された円盤状の反力部材17が収納されている。
21は先端軸部21aが反力穴8d内に摺動可能に延在されたプランジャで、先端面が反力穴8dに摺動自在に嵌合された当接部材19の後端面に当接している。プランジャ21の後端面には大気弁座21bが形成されている。
22はH字状のキー部材で、両側の直線部の内側がプランジャ21に形成された環状溝21c内に侵入し、両端部はバルブピストン8の半径方向に穿設された矩形穴8gに両直線部の外側面で摺接して外部に延在している。これにより、バルブピストン8とプランジャ21とは、矩形穴8gおよび環状溝21cの幅を加算した距離からキー部材の厚さを2倍した距離を減じた距離だけ軸線方向に相対移動することができる。プランジャ21の後端には入力ロッド23が回動可能に連結され、入力ロッド23はフィルタ24を貫通して摺動円筒部8bより後方に延在し、ブレーキペダル25に連結されている。入力ロッド23とリアシェル3の突出部3aとの間には蛇腹26が固定され、バルブピストン8の摺動円筒部8bの外周を覆っている。
変圧室6を定圧室5または大気に切換えて連通する弁機構30は、バルブピストン8の弁体収納孔8e内に形成された湾曲長円状の平面に直径線上の2個所で軸線に対して対称に突設された負圧弁座8iを有している。負圧弁座8iは平面に凸条が軸線を中心とする円弧に沿って彎曲した長円の周囲に突設して形成され、負圧弁座8iに取囲まれた通路8jはバルブピストン8の側壁を貫通して定圧室5に開口している。プランジャ21の後端部に形成された拡張部21dの後面には弁体収納孔8e内周に形成される空気導入路を取囲むように大気弁座21bが形成されている。弁体収納孔8eには円盤状の弁体31が前後方向に移動可能に遊嵌されている。弁体31の前端面には負圧弁座8iに接離して変圧室6と定圧室5とを連通、遮断する負圧弁31aが形成されている。弁体31の前端面の負圧弁31aより小径側には大気弁31bが環状に突設され、大気弁31bが大気弁座21bに接離して変圧室6と大気とを連通、遮断する。
弁体31の後端は弁体31の軸線方向の移動を許容するベローズ34により環状の保持体35に連結されている。保持体35は弁体収納孔8eの内周に嵌合され、入力ロッド23の中央部に突設されたバネ受けとの間に介在された圧縮スプリング36のバネ力により弁体収納孔8eの肩部に押圧されている。弁体31の後端面と入力ロッド23との間には圧縮スプリング37が介在され、弁体31を前方に付勢している。弁体収納孔8eは、矩形穴8gを介して変圧室6に連通されている。
バルブピストン8の基端部8aには、矩形穴8gに開口する穴8kが形成され、この穴8kの底部に後方に向けて開口する環状凹溝8mが前記反力穴8dを取り囲むように軸線方向に形成されている。環状凹溝8mにはゴムからなるリング状の弾性体40が装着され、弾性体40の先端部40aはブレーキの非作動時においてプランジャ21のフランジ部21eに僅少な軸方向隙間を存して対向している。この僅少な軸方向隙間は、ブレーキペダル25が比較的穏やかに操作される通常の作動時においては、フランジ部21eが弾性体40に当接しない程度に設定されている。フランジ部21eに対面する弾性体40の先端部40aは、フランジ部21eに近づくにつれてその肉厚が薄くなるように先細形状をなしている。このように、バルブピストン8とプランジャ21との間に弾性体40を配置したことにより、ブレーキペダル25が比較的速く踏み込まれた場合には、バルブピストン8に対するプランジャ21の相対的な前進によって、そのフランジ部21eが弾性体40の先端部40aに当接し、プランジャ21の推力が弾性体40を介してバルブピストン8に伝えられる。
これにより、弾性体40の弾性反力がバルブピストン8に対するプランジャ21の相対移動の抵抗として働き、プランジャ21とバルブピストン8との相対運動が抑制される。しかるに、プランジャ21がその弾性反力に打ち勝つ推力によってさらに前進されると、弾性体40の先端部40aがその推力に応じて弾性変形され、プランジャ21はキー部材22に当接する位置まで相対移動できるようになっている。上記した弾性体40およびそれに関連する部材により、大気弁31bが開弁されてから最大量開弁するまでの間でプランジャ21に力を伝達する力伝達手段42を構成している。
次に、上記した実施形態に係る負圧式倍力装置の作動について説明する。ブレーキペダル25の通常の作動時においては、入力ロッド23によりプランジャ21が圧縮スプリング36のバネ力に抗して前進され、弁体31が圧縮スプリング37のバネ力により前進される。これにより、負圧弁31aが負圧弁座8iに当接して変圧室6と定圧室5との連通が遮断される。プランジャ21が更に前進されると、大気弁座21aと大気弁31bとが開離され、エアフィルタ24により濾過された大気が変圧室6に流入する。これにより、変圧室6と低圧室5との間で圧力差が発生し、この圧力差によりダイヤフラム4、プレート7およびバルブピストン8が前方に移動され、出力ロッド14が反力部材17を介して前進される。これにより、マスタピストン13が出力ロッド14により押動され、ブレーキペダル25の踏力に応じたブレーキ油圧がマスタシリンダ11に発生される。
バルブピストン8はダイヤフラム4に作用する両室5,6内の圧力差に応じた作動力で反力部材17を弾性変形して出力ロッド14を介してマスタピストン13を押動する。反力部材17の弾性変形により、反力部材17が反力穴8dに流入して当接部材19を介してプランジャ21の先端軸部21aの先端部を後方へ押圧するため、プランジャ21が後退させられて大気弁座21aが大気弁31bに着座して大気と変圧室6との連通を遮断し、所望のブレーキ油圧を保持する。このとき、ブレーキペダル25を踏む力は、入力ロッド23を介してプランジャ21の先端軸部21aから反力部材17に伝達され、反力部材17が踏力に応じて弾性変形するので、運転者は反力を感じることができる。
ブレーキペダル25が開放されると、プランジャ21が圧縮スプリング36のバネ力によりバルブピストン8に対して後方に移動され、大気弁座21aが大気弁31bに当接して弁体31が圧縮スプリング37のバネ力に抗してバルブピストン8に対して相対的に後方に移動され、負圧弁31aが負圧弁座8iから開離される。これにより、定圧室5内の負圧が通路8jを通って変圧室6に導入され、変圧室6と定圧室5との室内の圧力差がなくなり、バルブピストン8、プレート7およびダイヤフラム4がリターンスプリング16のバネ力により後方に移動されるとともに、マスタピストン13がリターンスプリング16のバネ力により後方に移動されてマスタシリンダ11内の油圧が無くなる。
プランジャ21はキー部材22がリアシェル3の突出部3aの段部内面に当接するのと同時に停止し、バルブピストン8はキー部材22に当接して停止する。これによりブレーキの非作動時に負圧弁31aが負圧弁座8iに極めて接近した状態となり、ブレーキが掛けられたとき弁体31の前方移動により負圧弁31aが負圧弁座8iに迅速に当接することができる。
ところで、ブレーキペダル25が比較的速く踏み込まれた場合、すなわち、緊急時のブレーキ操作ほどではないが、通常よりも速くブレーキ操作されたような場合には、プランジャ21が通常作動時よりもバルブピストン8に対してより多く前進しようとするので、一気に大気が導入されようとする。
しかしながら、本実施形態においては、力伝達手段42の付設により、以下に述べるように大気の過度の導入が抑制されるようになる。すなわち、ブレーキペダル25の急な踏み込みにより、入力ロッド23によりプランジャ21が圧縮スプリング36のバネ力に抗して前進されると、負圧弁31aが負圧弁座8iに当接して変圧室6と定圧室5との連通が遮断される。プランジャ21が更に前進されると、大気弁座21aが大気弁31bをより大きく開こうとするが、プランジャ21のさらなる前進は、プランジャ21のフランジ部21eが弾性体40に当接することにより、バルブピストン8に対するプランジャ21の相対運動が抑制され、大気弁座21bが大気弁31bより急激に開弁する抑止力として働く。従って、大気弁座21bが大気弁31bより急激に開弁するのが抑制され、大気弁31bより変圧室6に過度に大気が導入されるのを防止する。
これにより、大気が変圧室6に一気に導入されることによって惹き起こされるオーバシュートを防止し、作動初期においては、大気弁31bの開弁量を抑制して、振動や異音の発生を防止する。
図3は、本発明の第2の実施形態を示すもので、第1の実施形態と異なる点は、前記力伝達手段42を構成する弾性体を吊り構造の圧縮スプリング60にて構成した点、および弾性体の配置位置を入力ロッド23とバルブピストン8との間に変更した点である。従って、以下においては相違点のみについて説明し、同一構成部分は同一部品に同一の参照番号を付して詳細な説明を省略する。
第3の実施形態においては、圧縮スプリング36のバネ力によって弁体収納孔8eの肩部に押圧されている保持体35に突起35aが設けられ、この突起35aに弁体収納孔8eの内周に嵌合する筒体61が係合されて、軸方向移動を規制されている。筒体61の一端に形成した鍔部に係合可能なスプリング受け62と保持体35との間には、圧縮スプリング60が圧縮した状態で装着されている。スプリング受け62は圧縮スプリング60のバネ力により、通常筒体61の鍔部に係合する後端部に押圧され、ブレーキの非作動時においては、入力ロッド23に係止された圧縮スプリング36のスプリング受け36aの当接部36bに僅少な軸方向隙間を存して対向している。
かかる第2の実施形態によれば、通常よりも速くブレーキ操作されたような場合には、圧縮スプリング60によってバルブピストン8に対する入力ロッド23の相対運動が抑制され、第1の実施形態と同様な作用効果が期待できる。特に第2の実施形態においては、力伝達手段42が吊り構造の圧縮スプリング63によって構成されているので、弾性体としての圧縮スプリング63の設定荷重の調整を自由に行えるとともに、初期設定荷重を高めることができる。
図5に示す第3の実施形態は、前記力伝達手段42を構成する弾性体40を吊り構造の圧縮スプリングにて構成した点で、第2の実施形態と共通するが、その配置位置および構造において相違する。なお、以下においても同一部品に同一の参照番号を付して相違点のみについて説明する。
第3の実施形態においては、バルブピストン8の前端に円筒状の力伝達手段収納穴8nを形成し、この収納穴8nに吊りスプリング構造の力伝達手段42が収納される。かかる力伝達手段42は、収納穴8nに嵌合する半割構造の外筒45を備え、外筒45はその外周をバンド46で締付けられて一定以上開かないようになっている。外筒45の前端内周には、内筒47の前端外周に形成した環状の突起部47aが係合され、外筒45と内筒47は構造上一体化されている。外筒45の後端部に形成された鍔部に係合可能なスプリング受け48が外筒45内を軸方向に移動可能に収納され、スプリング受け48と内筒47との間に圧縮スプリング49が圧縮した状態で装着されている。スプリング受け48は圧縮スプリング49のバネ力により通常外筒45の鍔部に係合する後端部に押圧され、ブレーキの非作動時においては、プランジャ21のフランジ部21eに僅少な軸方向隙間を存して対向している。半割構造の外筒45の後端部には、収納穴8nの開口端部に係合可能な係合突起45aが円周上2個所に設けられ、この係合突起45aは、スリット等の形成によって半径方向外方に弾性力が与えられている。係合突起45aの後端外周にはテーパ面45bが形成されている。
上記した外筒45、バンド46、内筒47、スプリング受け48および圧縮スプリング49により、力伝達手段42が構成され、力伝達手段42は予めサブアッシー化されて力伝達手段収納穴8nに収納される。力伝達手段42が収納穴8nの前端側より外筒45の後端が底面に当接する位置まで装着されると、係合突起45aが外方に弾性復帰して収納穴8nの開口端部に係合し、力伝達手段42が抜け止めされる。なお、力伝達手段42を収納穴8nに装着する際、テーパ面45bの作用によって係合突起45aは半径方向内方に弾性変形され、力伝達手段42の装着を容易に行えるようにしている。
第3の実施形態によれば、吊りスプリング構造によって力伝達手段42を構成しているので、先に述べた第2の実施形態と同様に、弾性体としての圧縮スプリング49の設定荷重の調整を自由に行えるとともに、初期設定荷重を高めることができる。
図6に示す第4の実施形態は、前記力伝達手段42を、緊急ブレーキ時に出力を高める機構を備えた負圧式倍力装置に適用したもので、限られたスペース内に力伝達手段42を組み込めるようにしたものである。
すなわち、バルブピストン8内には、プランジャ21を取囲むように弁座部材50が軸線方向に摺動可能に嵌合され、バルブピストン8との間に設けた圧縮スプリング51のバネ力により後方に付勢されている。弁座部材50の後端には、前述した負圧弁座(以下においては便宜上第1負圧弁座という)8iとは円周方向にずれた円周上2個所に、第2負圧弁座50aが形成され、第2負圧弁座50aが大気導入部50bを構成している。第2負圧弁座50aは第1負圧弁座8iの外周側に位置していて、弁体31に当接可能となっている。
また、バルブピストン8内には、矩形穴8gの前方に係止部材収納溝8pが円周上2個所に形成され、係止部材収納溝8pに係止部材53が半径方向に移動可能に保持されている。係止部材53には弁座部材50の先端に形成された係合突起50cに係合する爪部53aが設けられ、係止部材53と弁座部材50の係合によって、第2負圧弁座50aが弁体31に対し前方に離れるように弁座部材50を圧縮スプリング51のバネ力に抗して通常位置に保持するようになっている。係止部材53には環状のガータースプリング54が嵌められ、係止部材53を爪部53aが係合突起50cに係合する内側方向に付勢している。
プランジャ21にはテーパ面21eが形成され、係止部材53の内周面にはカム面53bが形成され、プランジャ21がバルブピストン8に対して所定量以上相対前進すると、テーパ面21eがカム面53bに係合して係止部材53をガータースプリング54の付勢力に抗して外方に押動し、爪部53aを係合突起50cから離脱させるようになっている。
なお、係止部材53より離脱された弁座部材50は、プランジャ21がバルブピストン8に対して所定量以上相対前進していない状態で弁座部材50がバルブピストン8に対して相対的に前進されると、再び係合されて、弁座部材50を通常位置に保持する。弁座部材50の係合部50dの後端がキー部材22に当接した状態で、キー部材22がリアシェル3の突出部3aの段部内面に当接した後に、バルブピストン8がリターンスプリング16のバネ力によって後退されると、弁座部材50がバルブピストン8に対して相対的に前進され、係合突起50cの先端面に形成されたテーパ面が爪部53a端面に形成された傾斜面に係合して爪部53aをガータースプリング54のバネ力に抗して押し広げて通過し、係合突起50cが再び爪部53aと係合して弁座部材50を通常位置に保持する。
バルブピストン8の前端には、係止部材53が配置された直径線上に対し90度角度位相を異にする直径線上の2個所に、ゴム収納穴8qが形成され、これらゴム収納穴8qに棒状のゴム弾性体55がそれぞれ嵌合されている。ゴム弾性体55は、プランジャ21のフランジ部材56に近づくにつれてその肉厚が薄くなるように円錐形状をなしている。プランジャ21の先端部には、直径方向に突出するフランジ部材56が挿入され、このフランジ部材56はバルブピストン8に形成された切欠き8rに係合して回り止めされ、ゴム弾性体55に対面する角度位置に位置決めされている。そして、フランジ部材56はブレーキの非作動時においてゴム弾性体55の先端部に僅少な軸方向隙間を存して対向している。
緊急ブレーキ時には、プランジャ21がゴム弾性体55を強く圧縮してバルブピストン8に対して所定量以上相対前進される。プランジャ21のテーパ面21eが係止部材53のカム面53bを押圧して爪部53aが係合突起50cから離脱するように係止部材53が押動され、係止部材53より弁座部材50が解放される。これにより、弁座部材50は圧縮スプリング51のバネ力によってバルブピストン8に対して所定量後退され、第2負圧弁座50aが弁体31に当接して弁体31を後退させ、大気弁31bを大気弁座21aから開離させる。弁座部材50のバルブピストン8に対する後退は、矩形穴8gの後端面に当接したキー部材22に係合部50dの後端が当接することによって規制される。これにより、変圧室6が急速かつ強制的に大気と連通され、通常ブレーキ時より大きい推力が出力部材14に出力され、大きな液圧がマスタシリンダから送出される。出力が増大されると反力部材17が反力穴8d内に流入して当接部材19を介してプランジャ21を後方に押し戻すため、大気弁座21aが大気弁31bと当接して大気の流入を阻止し、緊急ブレーキ時の出力が決定される。
一方、ブレーキペダル25が緊急ブレーキ時ほどではないが、比較的早く踏み込まれた場合には、第1の実施形態で述べたと同様に、ゴム弾性体55により、バルブピストン8に対するプランジャ21の相対運動が抑制されるため、ゴム物性による減衰が作用して、作動初期における振動や異音の発生が防止される。
上記した第4の実施形態によれば、ゴム弾性体55およびこれを押圧するフランジ部材56が少ないスペースに組み込みできるので、緊急ブレーキ時に出力を高める機構を組み込んだ負圧式倍力装置においても、装置を大形にすることなく、既存の構造を利用して容易に実施できるようになる。
上記した実施の形態においては、力伝達手段42を、バルブピストン8とプランジャ21あるいは入力ロッド23との間に配置した例について延べたが、プランジャ21あるいは入力ロッド23との間でなくても、プランジャ21と入力ロッド23とを連結する入力部材とバルブピストン8との間であれば、同様な機能を達成できるものである。
本発明に係る負圧式倍力装置の第1の実施形態の断面図である。 図1のA−A線に沿って切断した弁機構部分の拡大断面図である。 第2の実施形態の弁機構部分の拡大断面図である。 図3のB−B線に沿って切断した断面図である。 第3の実施形態の弁機構部分の拡大断面図である。 第4の実施形態の弁機構部分の拡大断面図である。
符号の説明
1…ブースタシェル、2…フロントシェル、3…リアシェル、4…ダイヤフラム(区画部材)、5…定圧室、6…変圧室、8…バルブピストン、8i…負圧弁座、11…マスタシリンダ、13…マスタピストン、14…出力ロッド、15・・・反力室、16…リターンスプリング、17…反力部材、21…プランジャ、21b…大気弁座、22…キー部材、23…入力ロッド、25…ブレーキペダル、30…弁機構、31…弁体、31a…負圧弁、31b…大気弁、36,37…圧縮スプリング、40…弾性体、42…力伝達手段、49…圧縮スプリング、50…弁座部材、50a…第2負圧弁座、51…圧縮スプリング、53…係止部材、55…弾性体、56…フランジ部材、60…圧縮スプリング。

Claims (6)

  1. ブースタシェルを区画部材により変圧室と定圧室とに区画し、該区画部材にバルブピストンの基端部を固着し、前記変圧室と定圧室の圧力差に基づく前記区画部材の出力を前記バルブピストンから出力ロッドに反力部材を介して伝達し、前記反力部材と連携して作用するプランジャとブレーキペダルによって軸動される入力ロッドとを連結して入力部材とし、負圧弁座および大気弁座を前記バルブピストンおよび前記プランジャに形成し、該負圧弁座および大気弁座に接離して前記変圧室を前記定圧室および大気に連通、遮断する負圧弁および大気弁を設けた負圧式倍力装置において、前記入力部材とバルブピストンとの間に配置され、入力部材とバルブピストンとの間の相対変位により前記大気弁が開弁してから最大量開弁するまでの間で前記入力部材に当接して力を伝達する力伝達手段を設けたことを特徴とする負圧式倍力装置。
  2. 請求項1において、前記力伝達手段は、前記プランジャとバルブピストンとの間に配置されるとともに弾性体で構成されていることを特徴とする負圧式倍力装置。
  3. 請求項1において、前記力伝達手段は、前記入力ロッドとバルブピストンとの間に配置されるとともに弾性体で構成されていることを特徴とする負圧式倍力装置。
  4. 請求項2または請求項3において、前記弾性体は、ゴムで構成されていることを特徴とする負圧式倍力装置。
  5. 請求項2または請求項3において、前記弾性体は、スプリングで構成され、該スプリングが所定の初期荷重で取付けられていることを特徴とする負圧式倍力装置。
  6. 請求項4において、前記弾性体は、前記バルブピストンに形成された直径線上に位置する2つの穴に嵌合する棒状のゴムからなり、該ゴムの先端部に前記プランジャの先端部に挿入されたフランジ部材が、ブレーキの非作動時において僅かな軸方向隙間を存して対向されていることを特徴とする負圧式倍力装置。
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JP2013203306A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Advics Co Ltd 負圧式倍力装置

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