JPWO2006068089A1 - 運動案内装置 - Google Patents

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Abstract

運動案内装置10は、軌道部材としての軌道レール11と、軌道レール11に複数のボール12を介して移動自在に取り付けられる移動部材13とを有している。また、運動案内装置10が有する複数のボール12は、軌道レール11と移動部材13との間に形成された負荷転走路15と、その負荷転走路15の一端と他端とを結ぶように移動部材13に形成された無負荷転走路19とから構成される無限循環路20に設置されている。そして、軌道レール11又は移動部材13は、複数のボール12と接触する転動体転走面の近傍が金属材料によって形成されており、その他の部分がFRPによって形成されている。このような構成を採用することによって、高強度および高剛性を有し、且つ、軽量化をも実現する運動案内装置10を提供することができる。

Description

本発明は、運動案内装置に係り、特に、転動体転走面近傍が金属材料によって構成され、その他の部分がFRPによって構成されている運動案内装置に関するものである。
従来から、リニアガイドや直線案内装置、ボールスプライン装置、ボールねじ装置などのような運動案内装置においては、かかる装置を構成する部材が繰り返し転動・摺動動作を伴うことから、その構成部材には、一般的に、高炭素クロム軸受鋼やステンレス鋼、肌焼鋼のような硬度の高い金属材料が採用されている。
しかし、近年の運動案内装置の適用範囲拡大の要請から、特に、軽量化した装置の実現が求められており、この要請に応えるために軽量化のためのアイデアが提案されてきている。例えば、下記特許文献1には、リニアガイド装置の軽量化を目的として、軌道部材としてのガイドレールを構成する部材にアルミニウム合金を用いたことを特徴とする発明が開示されている。
特開平02−309011号公報
ところが、上記特許文献1に記載の発明では、従来と同様に運動案内装置の主要な部材が金属材料によって構成されているので、ある程度の軽量化は達成できるとしても限界があり、近時のさらなる軽量化の要請に応えることには困難がある。また、軽量化材料の適用範囲が明確に示されていないので、開示されているガイドレール以外の形状を有するものや、リニアガイド装置以外の運動案内装置(例えば、直線案内装置、ボールスプライン装置、ボールねじ装置など)に対して上記特許文献1に係る発明を適用することが困難となっている。
一方、鋼などの金属材料並の強度および剛性を有し、且つ、軽量化をも実現する材料として、FRP(Fiber Reinforced Plastics:繊維強化プラスチック)が知られている。このFRPは、繊維と樹脂を用いることによってプラスチックを補強し、強度を著しく向上させることができるので、宇宙・航空産業をはじめ、バイク、自動車、鉄道、建設産業、医療分野など、さまざまな分野で用いられている材料である。
しかしながら、FRPは、金属材料と比較して耐摩耗性が劣るため、これまで運動案内装置に採用することが困難であった。
そこで本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、運動案内装置にFRPを適用することによって、軽量化を実現することができる新たな運動案内装置を提供することを目的とするものである。
本発明に係る運動案内装置は、軌道部材と、前記軌道部材に複数の転動体を介して移動自在に取り付けられる移動部材と、を備える運動案内装置であって、前記軌道部材又は前記移動部材は、前記複数の転動体と接触する転動体転走面の近傍が金属材料によって形成されており、その他の部分がFRPによって形成されていることを特徴とする。
本発明に係る別の運動案内装置は、軌道部材と、前記軌道部材に複数の転動体を介して移動自在に取り付けられる移動部材と、を備える運動案内装置であって、前記軌道部材又は前記移動部材は、前記複数の転動体と接触して転動体転走面を構成する金属材料から成る転走部と、前記転走部と接合して軌道部材又は移動部材を形成するFRPから成る軌道本体部又は移動本体部と、から構成されることを特徴とする。
また、本発明に係る運動案内装置において、前記転走部は、ヘルツ(Hertz)の理論によって求まる最大剪断応力深さ以上の最小厚さを有し、且つ、前記FRPの曲げ剛性E11(E1:縦弾性係数、I1:断面二次モーメント)が前記金属材料の曲げ剛性E22(E2:縦弾性係数、I2:断面二次モーメント)の5倍以上であることを満足する最大厚さを有することとすることができる。
さらに、本発明に係る運動案内装置において、前記転走部の前記最大厚さは、FRPの縦弾性係数をE1、FRPの断面二次モーメントをI1、FRPの厚さをh1、金属材料の縦弾性係数をE2、金属材料の断面二次モーメントをI2、金属材料の厚さをh2、としたときに、下記数式によって求まる厚さh2以下であることとすることができる。
Figure 2006068089
またさらに、本発明に係る運動案内装置において、前記FRPは、CFRP、GFRP、KFRPの少なくとも1つであることとすることができる。
さらにまた、本発明に係る運動案内装置において、前記金属材料と前記FRPとの接合は、接着接合、圧入接合又はボルト接合を含む接合方法によって行われることとすることができる。
また、本発明に係る運動案内装置では、前記FRPを構成する強化繊維がFRPの成型後に断ち切られることなく構成されていることが好適である。
さらに、本発明に係る運動案内装置において、前記FRPによって形成されている部分は、断絶することなく積層される強化繊維と、前記強化繊維の隙間を埋めるように設置される入れ子とを含む構造によって、その外郭形状を成型することができる。
また、本発明に係る運動案内装置は、前記軌道部材としてのねじ軸と、前記ねじ軸に前記複数の転動体を介して相対回転可能に取り付けられる前記移動部材としてのナットと、を備えたボールねじ装置として構成することができる。
なお、上記発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた発明となり得る。
本発明に係る運動案内装置は、複数の転動体と接触する転動体転走面が金属材料で構成され、その他の部分はFRPによって構成されているので、従来の運動案内装置と同等以上の強度および剛性を維持し、且つ、軽量化をも実現することができる。したがって、本発明に係る運動案内装置によれば、高強度および高剛性を有し、且つ、軽量化をも実現する運動案内装置を提供することができる。
図1は、本実施形態に係る運動案内装置の概略構造を説明するための斜視分断図である。 図2は、本実施形態に係る運動案内装置の縦断面図である。 図3は、本実施形態に係る軌道レールの構造を説明するための縦断面図である。 図4は、本発明が適用された移動部材の構造例を説明するための縦断面図である。 図5は、ヘルツ(Hertz)の理論を説明するために用いられる図であって、2物体の接触状態を示す図である。 図6Aは、物体Iおよび物体IIにおける主曲率面1の断面を示す図である。 図6Bは、物体Iおよび物体IIにおける主曲率面2の断面を示す図である。 図6Cは、転動体のような凸面曲率の場合における、曲率半径の設定方法を示す図である。 図6Dは、転走面のような凹面曲率の場合における、曲率半径の設定方法を示す図である。 図7Aは、主曲率面1を移動部材の移動方向から見た場合の図である。 図7Bは、主曲率面2を図7Aの場合に対して直角方向の真横から見た場合の図である。 図8は、長軸半径a、短軸半径bおよび最大剪断応力深さz1の関係を示す図である。 図9は、本実施形態に係る軌道レールにおいて、金属材料とFRPとが接合される部分を抜き出して単純化し、模式化したモデル図である。 図10は、金属材料の最大厚さを算出するための基本式をボールねじナット、スプラインナットのような移動部材用に変形するための考え方を説明する図である。 図11は、金属材料の最大厚さを算出するための基本式をボールねじ軸、スプラインシャフトなどの軸体用に変形するための考え方を説明する図である。 図12Aは、本実施形態に係る軌道本体部のみを示した縦断面図であり、特に、転走部の接合面が機械加工によって成形された場合を例示する図である。 図12Bは、本実施形態に係る軌道本体部のみを示した縦断面図であり、特に、転走部の接合面が強化繊維を積層することによって成形されている場合を例示する図である。 図12Cは、図12Bで示した本実施形態に係る軌道本体部における接合面の別の形態を例示する縦断面図である。 図13は、本発明に係る運動案内装置をボールねじ装置として構成した場合を例示する図である。
符号の説明
10 運動案内装置、11 軌道レール、11a,13a 負荷転走溝、11b ボルト取付孔、12 ボール、13 移動部材、13b 開口部、13c 上面、13d 雌ねじ、14 ねじ軸、15 負荷転走路、16 戻し路、17 ボール案内路、18 端蓋、19 無負荷転走路、20 無限循環路、21 スペーサ部材、30,40,41,42,44 転走部、31 軌道本体部、31a 接合面、31b 入れ子、43 移動本体部、50 ボールねじ装置、51 ねじ軸、52 ボール、53 ナット、f 強化繊維、t テーパー形状。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
なお、本明細書における「運動案内装置」は、例えば、工作機械などに用いられる転がり軸受全般や真空中で使用される無潤滑軸受、リニアガイドや直線案内装置、ボールスプライン装置、ボールねじ装置などのような、あらゆる転動・摺動動作を伴う装置を含むものである。
直線型の運動案内装置への適用例
図1および図2は、本実施形態に係る運動案内装置の一形態を示す図であり、特に、図1は、本実施形態に係る運動案内装置の概略構造を説明するための斜視分断図を示しており、図2は、本実施形態に係る運動案内装置の縦断面図を示している。
この運動案内装置10は、リニアモーションガイドとボールねじが組み合わされて一体構造となっている形式の運動案内装置10を示すものである。主な構造としては、軌道部材としての軌道レール11と、その軌道レール11に転動体としてのボール12…を介して移動自在に取り付けられた移動部材13とを備えている。また、移動部材13の中央部には、螺旋状のねじ溝が形成された開口部13bが設けられており、かかる開口部13bには、この開口部13bに導通するとともに、ボール12…を介して回転移動自在に取り付けられたねじ軸14が設けられている。
軌道レール11は概略U字形状の断面を有する長尺の部材であり、その内側両側面にはボール12を受け入れ可能な負荷転走溝11a…が左右2条ずつ軌道レール11の全長に亘って形成されている。軌道レール11には、その長手方向に適宜間隔をおいて複数のボルト取付孔11bが形成されている。これらボルト取付孔11bに螺着されるボルト(不図示)により、軌道レール11が所定の取付面、例えば工作機械のベッドの上面に固定されることになる。なお、図示の軌道レール11は直線状であるが、曲線状のレールが使用されることもある。
移動部材13は、鋼などの強度の高い金属材料に孔を空けた構造のブロックとして構成されている。この移動部材13には、軌道レール11が有する4条の負荷転走溝11a…とそれぞれ対向する4条の負荷転走溝13a…が設けられている。これら負荷転走溝11a,13aの組み合わせにより、軌道レール11と移動部材13との間に4条の負荷転走路15…が形成される。また、移動部材13の上面13cには複数(図1で見えているのは3本、実際には4本)の雌ねじ13d…が形成されている。これらの雌ねじ13d…を利用して、移動部材13が所定の取付面、例えば工作機械のサドルやテーブルの下面に固定されることになる。なお、移動部材13については、金属材料のみによって構成されるものだけでなく、鋼などの強度の高い金属材料と一体に射出成形された合成樹脂製の型成形体を含む構造とすることも可能である。
移動部材13には、4条の負荷転走路15…と並行して延びる4条の戻し路16…が形成されている。また、移動部材13は、その両端面に端蓋18を有しており、この端蓋18に形成されるアーチ状に陥没する図示しないボール案内溝によって、負荷転走路15…と戻し路16…との間でアーチ状に突出して形成されるボール案内路17…(図1では、1コーナ側のみ2条のボール案内路17…を、端蓋18を除いた状態で示す)を形成する。
端蓋18が移動部材13端部を構成する部材として確実に固定されることにより、それらの間に負荷転走路15…と戻し路16…とを結ぶボール案内路17…が形成される。戻し路16…とボール案内路17…とによってボール12の無負荷転走路19が構成され、その無負荷転走路19と負荷転走路15…との組み合わせによって無限循環路20が構成される。
また、本実施形態に係る運動案内装置10のボール12…間には、ボール12…よりも柔らかいスペーサ部材21が設置されている。なお、図1において例示するスペーサ部材21については、軌道レール11と移動部材13の間に設置されるものには帯状のスペーサ部材21が採用されており、一方、移動部材13とねじ軸14の間に設置されるものにはボール12…間に1個ずつ挿入されるリテーナとしてのスペーサ部材21が採用されている。ただし、スペーサ部材21の種類や設置の組み合わせについては、図1に例示するものに限られず、例えば、転動体であるボール12…の径以下の径を持つスペーサボールなどを採用することが可能である。このようにして設置されるスペーサ部材21は、ボール12…同士の干渉や衝突、ボール12…の脱落などを防止できるとともに、ボール12…の整列運動を実現し、さらにはスペーサ部材21の自己潤滑効果も相まって、運動案内装置10の耐摩耗性を大きく改良できるという効果を発揮する。
上述したスペーサ部材21の材質としては、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリエステル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK(登録商標))又はポリエーテルサルホン(PES)の少なくとも1つが含まれる樹脂によって構成することができる。そして、スペーサ部材21は、これらの内から選択される樹脂単体あるいは複合樹脂を素材とし、射出成形などによって一体に形成される。
ここで、本実施形態に係る運動案内装置10の特徴的な点として、軌道部材としての軌道レール11は、ボール12…と接触する転動体転走面(負荷転走溝11a…)の近傍が金属材料によって形成されており、その他の部分がFRPによって形成されていることが挙げられる。かかる特徴を有することによって、本実施形態に係る運動案内装置10は、従来の運動案内装置と同等以上の強度および剛性を維持し、且つ、軽量化をも実現することができる。
本実施形態に係る軌道レール11の構造を、図3を用いてより詳細に説明する。図3は、本実施形態に係る軌道レール11の構造を説明するための縦断面図である。
本実施形態に係る軌道レール11は、金属材料から成る転走部30と、FRPから成る軌道本体部31という2つの部材を接合することによって構成されている。金属材料から成る転走部30は、軌道レール11のうち、ボール12…と接触して転動体転走面を形成している負荷転走溝11a…の近傍部分を占める部材であり、高い強度と剛性が求められるとともに耐摩耗性をも必要とされる部材である。転走部30に用いられる金属材料としては、高炭素クロム軸受鋼やステンレス鋼、肌焼鋼のような硬度の高いものを採用できる他、アルミニウム合金やベリリウム銅、チタン合金などを採用することが可能である。
一方、軌道本体部31はFRPによって形成されており、本実施形態に係る運動案内装置10の軽量化を実現している。採用されるFRPの種類については、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics:炭素繊維強化プラスチック)、GFRP(Glass Fiber Reinforced Plastics:ガラス繊維強化プラスチック)、KFRP(Kevlar Fiber Reinforced Plastics:アラミド繊維強化プラスチック)の少なくとも1つであることが好適である。特に、CFRPは、強度の面で大変優れており、カーボン繊維の積層方向や積層数を変化させることによって、所望の形状に対して強度を持たせ、且つ、軽量化を図ることができるので、好ましい材料である。
なお、図1、図2および図3に示した本実施形態に係る運動案内装置10においては、軌道レール11のみを金属材料とFRPとで構成するようにしたが、本発明は、かかる実施形態に限られるものではなく、図4に示すように、移動部材13又はねじ軸14に対して適用することも可能である。すなわち、軌道レール11が有する4条の負荷転走溝11a…と協働して負荷転走路15…を形成している4条の負荷転走溝13a…の近傍を金属材料から成る転走部40…によって形成したり、4条の負荷転走路15…と並行して延びる4条の戻し路16…の近傍を金属材料から成る転走部41…によって形成したり、あるいは、ボール12…を介してねじ軸14が設置される開口部13bの近傍を金属材料から成る転走部42によって形成したり、さらには、ボール12…と接するねじ軸14の外周部分を金属材料から成る転走部44によって形成したりし、その他の部分をFRPから成る移動本体部43として構成することができる。軌道レール11だけでなく、移動部材13又はねじ軸14をもこのような金属材料とFRPとを接合した構造とすることによって、さらなる軽量化を実現することが可能となる。
また、金属材料から成る転走部30とFRPから成る軌道本体部31、金属材料から成る転走部40,41,42とFRPから成る移動本体部43、あるいは、金属材料から成る転走部44とFRPから成るねじ軸14のその他の部分との接合方法については、接着接合、圧入接合又はボルト接合のうちのいずれか、あるいはこれらを組み合わせた方法を採用することができる。
例えば、図3において示すような軌道レール11の場合には、接着剤を用いて接着接合することが好適である。また、図4において示すような移動部材13の場合、負荷転走溝13a…の近傍を形成する転走部40…にあっては接着剤を用いて接着接合することが好適であり、戻し路16…の近傍や開口部13bの近傍を形成する転走部41…,42にあっては圧入接合を採用することが好適である。圧入接合については、転走部41…,42の外周面、あるいは、戻し路16…や開口部13bの内周面にローレット加工を施し、圧入することによって確実に接合することができる。さらに、接合強度を増すためにボルト接合を採用することも可能であり、より確実な接合方法として、接着接合とボルト接合、圧入接合とボルト接合を組み合わせた接合方法を採用することも可能である。ただし、ボルト接合の場合には、ボルトの頭部などが運動案内装置10の動作に影響を与えないように配慮する必要がある。なお、ねじ軸14のような形状の部材に関しては、外観形状や材質などに応じて、適宜最適な接合方法を採用すればよい。
以上、図面を用いることによって本実施形態に係る運動案内装置10の構造上の特徴点を説明したが、次に、金属材料とFRPの設置基準について説明する。以下の説明によって、軽量化材料であるFRPの適用範囲が明確になる。
最小厚さについて
運動案内装置では、転がり軸受の寿命理論に基づき、ある深さで疲労が起こり、その部分が起点となって剥離が起こると考えられている。そのため、金属材料のみで構成する場合には、その深さをカバーする焼入れ深さが必要とされている。そこで、FRPに接合する金属材料については、この最大剪断応力深さをカバーする深さを最小厚さとすれば良い。具体的には、ヘルツ(Hertz)の理論から、二物体が接触する場合の曲率半径、荷重、材料特性が分かると接触楕円の半径(長軸および短軸)が計算できる。その半径より最大剪断応力深さが計算できる。以下、詳細に説明する。
図5は、ヘルツ(Hertz)の理論を説明するために用いられる図であって、2物体の接触状態を示す図である。図5のように、2個の回転楕円体が荷重Qで互いに押しつけられているとき、物体Iと物体IIの曲面は、互いに直交する2つの主曲率面を持ち、その面内には、それぞれの物体の最大曲率と最小曲率が含まれている。そして、曲線の曲率半径をrとすると、曲率ρは、ρ=1/rで表される。以後、曲率ρおよび曲率半径rについては、例えば物体Iの主曲率面1の場合、曲率ρI1,曲率半径rI1で表す。つまり、1番目の添字は物体を表し、2番目の添字は主曲率面を表している。
なお、主曲率面1および主曲率面2の断面をそれぞれ図6Aおよび図6Bに示しておく。図6Aは、図5における物体Iおよび物体IIにおける主曲率面1の断面を示す図であり、図6Bは、図5における物体Iおよび物体IIにおける主曲率面2の断面を示す図である。
また、曲率ρには符号を付け、図6Cのように、物体表面が凸面で曲率中心が物体内部にある場合を「正」、図6Dのように、物体表面が凹面で曲率中心が物体外部の空間にある場合を「負」とする。
求めた曲率ρI1,ρI2,ρII1,ρII2から、まずはヘルツ(Hertz)係数、すなわち接触楕円の長短軸半径の係数μ,νという係数値を求めておく必要がある。そして、ヘルツ(Hertz)係数を求めるためには、はじめに補助変数cosτを計算する。補助変数cosτは、以下の数式(数2)によって表される。
Figure 2006068089
ここで、上記数式(数2)の分子は主曲率差といわれており、分母は主曲率和といわれて以下の数式(数3)によって表される。
Figure 2006068089
続いて、ヘルツ(Hertz)の誘導に従って、補助変数cosτより係数μ,νを求める。係数μ,νは、通常は補助変数cosτの値に対して一覧表示されており、転動体と転走面の適合度(r/Da)の代表的なものだけを抜粋して示すと、下表のようになる。
Figure 2006068089
ここで、ボールとボール転走面が接触している状態を表す模式図として、図7Aおよび図7Bを示す。図7Aは、主曲率面1を移動部材の移動方向から見た場合の図であり、図7Bは、主曲率面2をそれと直角方向の真横から見た場合の図である。
ボール径はDaで示されており、ボール転走面はボールとの適合度をf、いわゆる曲率半径がfDaで長手方向に一直線に延びた溝となっている。図7Aおよび図7Bでは、Qという荷重が加えられて、ボールとボール転走面との接触部には弾性変形が生じ、長軸半径a、短軸半径bからなる接触楕円が形成され、接触応力σmaxが発生している状態となっている。
そして、一般に転がり運動装置の場合には、ボールとボール転走面は同一材料、すなわち縦弾性係数Eとポアソン比1/mは等しいとして扱えるので、この接触楕円の長軸半径a、短軸半径bは次式(数4)のように与えられることになる。
Figure 2006068089
以上のようにして求めた長軸半径a、短軸半径bと図8に示す図から、最大剪断応力深さz1を求めることができる。ちなみに、図3において示した本実施形態に係る軌道レール11の場合の転走部30の最小厚さについては、z1=0.082の値を求めることができ、転走部30は、0.082mm以上の最小厚さがあれば良いことになる。
最大厚さについて
無限循環路を構成する鋼などの金属材料は、長さに比べて厚さが薄いため、加工時の曲がりを避ける事は困難である。矯正で曲がりを低減する事は出来るが、ゼロにする事は不可能である。この曲がりを含んだ金属材料をFRPに接合すると、金属材料が非常に薄い場合はFRPの形状に沿うので製品に影響はないが、ある程度の厚みがあるとFRPの形状に影響を与え、結果として製品の真直度が悪くなる。そこで、FRPへの影響が問題ない程度の厚さを最大厚さとする必要がある。そして、曲げ剛性はEI(E:縦弾性係数、I:断面二次モーメント)で表すことができ、このFRPの曲げ剛性EIが金属材料の曲げ剛性の5倍以上ならば問題ないといえる。
そして、例えば、図3において示したような軌道レール11について検討すると、金属材料から成る転走部30では、加工に際して図面の左右方向の曲がりが大きくなってしまうので、この紙面の左右方向の剛性について検討する必要がある。
検討対象である図3中の矢印αで示される部分を抜き出して単純化すると、図9において示されるようなモデル図として模式化することができる。金属材料から成る転走部30とFRPから成る軌道本体部31の厚さ方向の合計寸法は、図3の場合{(60−45)/2}=7.5mmであるから、図9で示すように、金属材料から成る転走部30の厚さはh、FRPから成る軌道本体部31の厚さは(7.5−h)として表すことができる。
そして、上述したように、FRPの曲げ剛性EIが金属材料の曲げ剛性の5倍以上ならば問題ないといえるから
FRPの縦弾性係数をE1
FRPの断面二次モーメントをI1
FRPの厚さをh1
金属材料の縦弾性係数をE2
金属材料の断面二次モーメントをI2
金属材料の厚さをh2
としたときに、金属材料から成る転走部30の最大厚さは、下記数式(数5)によって求まる厚さh2以下であればよい。
Figure 2006068089
この数式(数5)に対して、図9に示す本実施形態に係る軌道レール11の条件を代入すると、例えば以下のような結果(数6)となり、
Figure 2006068089
転走部30の最大厚さは、2.16mm以下であれば良いことになる。
なお、上述した転走部30の最大厚さの算出手段は、図3に示したような本実施形態に係る軌道レール11のような形状のみでなく、例えば、戻し路16…の近傍や開口部13bの近傍を形成する転走部41…,42やボールねじナット、スプラインナットのような移動部材に適用することが可能であり、さらに、ボール12…を介して回転移動自在に取り付けられたねじ軸14のようなボールねじ軸やスプラインシャフトのような軸体に適用することも可能である。
図4に示すような転走部41…,42や、図10に示すようなボールねじナット、スプラインナットのような移動部材に適用する場合には、上述した数式(数5)を下記のような数式(数7)に変形することによって、金属材料の最大厚さを算出することが可能となる。なお、d1はFRPの外径を、d2は金属材料の内径を示している。
Figure 2006068089
また、図1および図2に示すようなねじ軸14や、図11に示すようなボールねじ軸、スプラインシャフトなどの軸体に適用する場合には、上述した数式(数5)を下記のような数式(数8)に変形することによって、金属材料の最大厚さを算出することが可能となる。なお、dは金属材料の外径を示している。
Figure 2006068089
以上、金属材料とFRPの設置基準について説明した。次に、FRPの具体的な成型方法についての詳細な説明を行う。以下で説明するFRPの好適な成型方法を採用することによって、高強度で長寿命の運動案内装置を得ることができる。
FRPの成型方法
いうまでもなく、FRPは、グラスファイバーなどの強化繊維を合成樹脂の中に入れて強度を向上させた材料である。そして、その成型方法としては、型に強化繊維を敷き、硬化剤を混合した樹脂を脱泡しながら多重積層してゆくハンドレイアップ法やスプレイアップ法のほか、あらかじめ強化繊維と樹脂を混合したシート状のものを金型で圧縮成型するSMC(Sheet Molding Compounds)プレス法などが知られている。しかしながら、本発明が対象とするような運動案内装置にあっては、転動体や移動部材などの構成部材が相互に及ぼす力だけではなく、案内対象などの外部から加わる圧力の影響が考えられるので、強化繊維の積層方向が非常に重要となるだけでなく、強化繊維を断ち切ることなく強度を維持した状態で複雑な部材形状を成型する必要がある。
例えば、図12Aは、上述したリニアモーションガイドとボールねじが組み合わされて一体構造となっている形式の運動案内装置10に用いられる軌道レール11において、金属材料から成る転走部30を設置する前の軌道本体部31のみを示した縦断面図である。この軌道本体部31においては、図12A中の符号βで示す破線円内の拡大図からも明らかな通り、後に設置される負荷転走溝11aからの負荷の方向を考慮すると、転走部30が接合される部分では、縦方向の強化繊維fが強度・耐力をもたせる上で重要となる。そして、この軌道本体部31を最も簡易に製作するには、図12Aにおいて示されるように、転走部30の接合面31aを機械加工によって成形する方法が考えられる。
しかしながら、図12Aで示すように、強化繊維fを機械加工によって断ち切ってしまうことは、強度の低下をもたらす原因となるため、運動案内装置を構成する部材の成型方法として好ましいものではない。そこで、本実施形態に係る軌道本体部31では、図12Bに示すように、軌道本体部31の形状に沿って強化繊維fを積層し、強化繊維fの断絶がない状態で軌道本体部31を構成するようにした。このように、強化繊維fが断ち切られない状態で運動案内装置の構成部材を構成することにより、高強度で長寿命の運動案内装置を得ることが可能となる。
なお、図12Aおよび図12Bでは、強化繊維fを縦方向に積層した場合のみを例示して説明したが、強化繊維fの積層方向は、成型対象となる部材の外郭形状や加わる外部負荷の影響等を考慮して決定すれば良く、さらに、その積層方向は、縦方向・横方向のみでなく斜め方向や縦横斜めの方向を組み合わせた積層方向など、あらゆる積層構造を採用することが可能である。
また、部材の外郭形状が複雑な場合には、単に強化繊維fを積層していくだけではその形状を成型できない場合がある。そのような場合には、図12B中の符号γで示す破線円内の拡大図にあるように、部材内部に入れ子31bを挿入することによって複雑な部材形状を実現することが可能となる。この入れ子31bの材質については、強化繊維fと同一材料で成型されたFRP製のブロックを採用できるほか、アルミ押出品、アルミ鋳造品、樹脂、鉄、銅、発泡樹脂などを採用することができる。また、入れ子31bの材形としては、軽量化を考慮して、アルミ部材についてはある程度強度を持たせるために内部をハニカム構造としたり、鉄や銅などについては中空構造としたりすることが可能である。
さらに、図12Bでは、軌道本体部31に形成される接合面31aの縦断面形状をR形状を含む形状としたが、例えば図12Cに示すように、軌道本体部31の接合面31aを、強化繊維fが積層し易いようなテーパー形状tを含む縦断面形状とすることができる。このように、接合面31aをR形状やテーパー形状tを含む形状に変形するなど、可能な範囲で形状変更をすることによっても、強化繊維fを断絶することなく複雑な外郭形状を持った部材を成型することが可能となる。すなわち、形状の工夫によって入れ子31bという余分な部材の導入を省くことができれば、製造コストや材料コストを抑制し、しかも高強度で長寿命の軌道本体部31を得ることが可能となる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。すなわち、本実施形態では、リニアモーションガイドとボールねじが組み合わされて一体構造となっている形式の運動案内装置10に対して、本発明を適用した場合について説明した。しかし、本発明は、あらゆる運動案内装置、例えば、工作機械などに用いられる転がり軸受全般や真空中で使用される無潤滑軸受、リニアガイドや直線案内装置、ボールスプライン装置、ボールねじ装置などに適用することが可能である。
また、上述した本実施形態に係る運動案内装置では、転動体としてのボール12が無限循環路20を無限に循環するように構成される場合について例示したが、転動体はローラとして構成されるものであっても良いし、さらに、転動体が無限に循環する形式のものだけではなく、有限タイプのものであっても良い。
さらに、上述した本実施形態に係る運動案内装置は、軌道部材としての軌道レール11と移動部材13とが、転動体であるボール12を介して設置されている場合について例示した。しかし、本発明はこのような転がり案内動作を伴う装置ばかりでなく、例えば、ボールやローラなどの転動体を介さずに軌道部材と移動部材が設置されるような、すべり動作を伴う運動案内装置に対しても適用可能である。
またさらに、上述した本実施形態に係る運動案内装置では、図12Bを例示することによって入れ子31bの挿入方法を説明したが、本発明は、もちろん図示する形態に限られるものではなく、成型対象となる部材の外郭形状や加わる外部負荷の影響等を考慮した上で、より好適な入れ子31bの形状や挿入場所を決定することが可能である。
さらにまた、本実施形態に係る運動案内装置は、例えば、図13において示されるようなボールねじ装置として構成することが可能である。すなわち、本発明に係る運動案内装置を、軌道部材としてのねじ軸51と、このねじ軸51に複数のボール52を介して相対回転可能に取り付けられる移動部材としてのナット53と、を備えたボールねじ装置50として構成し、ねじ軸51やナット53とボール52が接触する転動体転走面の近傍を金属材料によって形成し、その他の部分をFRPによって形成することが可能である。ボールねじ装置50をこのように構成することによって、高強度および高剛性を有し、且つ、軽量化をも実現する装置を提供することができる。
なお、以上の様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。

Claims (9)

  1. 軌道部材と、
    前記軌道部材に複数の転動体を介して移動自在に取り付けられる移動部材と、
    を備える運動案内装置であって、
    前記軌道部材又は前記移動部材は、前記複数の転動体と接触する転動体転走面の近傍が金属材料によって形成されており、その他の部分がFRPによって形成されていることを特徴とする運動案内装置。
  2. 軌道部材と、
    前記軌道部材に複数の転動体を介して移動自在に取り付けられる移動部材と、
    を備える運動案内装置であって、
    前記軌道部材又は前記移動部材は、
    前記複数の転動体と接触して転動体転走面を構成する金属材料から成る転走部と、
    前記転走部と接合して軌道部材又は移動部材を形成するFRPから成る軌道本体部又は移動本体部と、
    から構成されることを特徴とする運動案内装置。
  3. 請求項2に記載の運動案内装置において、
    前記転走部は、
    ヘルツ(Hertz)の理論によって求まる最大剪断応力深さ以上の最小厚さを有し、且つ、
    前記FRPの曲げ剛性E11(E1:縦弾性係数、I1:断面二次モーメント)が前記金属材料の曲げ剛性E22(E2:縦弾性係数、I2:断面二次モーメント)の5倍以上であることを満足する最大厚さを有することを特徴とする運動案内装置。
  4. 請求項3に記載の運動案内装置において、
    前記転走部の前記最大厚さは、
    FRPの縦弾性係数をE1
    FRPの断面二次モーメントをI1
    FRPの厚さをh1
    金属材料の縦弾性係数をE2
    金属材料の断面二次モーメントをI2
    金属材料の厚さをh2
    としたときに、下記数式によって求まる厚さh2以下であることを特徴とする運動案内装置。
    Figure 2006068089
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の運動案内装置において、
    前記FRPは、CFRP、GFRP、KFRPの少なくとも1つであることを特徴とする運動案内装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の運動案内装置において、
    前記金属材料と前記FRPとの接合は、接着接合、圧入接合又はボルト接合を含む接合方法によって行われることを特徴とする運動案内装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の運動案内装置において、
    前記FRPを構成する強化繊維がFRPの成型後に断ち切られることなく構成されていることを特徴とする運動案内装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の運動案内装置において、
    前記FRPによって形成されている部分は、断絶することなく積層される強化繊維と、前記強化繊維の隙間を埋めるように設置される入れ子とを含む構造によって、その外郭形状が成型されていることを特徴とする運動案内装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の運動案内装置において、
    前記運動案内装置が、
    前記軌道部材としてのねじ軸と、
    前記ねじ軸に前記複数の転動体を介して相対回転可能に取り付けられる前記移動部材としてのナットと、
    を備えたボールねじ装置として構成されることを特徴とする運動案内装置。
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