JP4114422B2 - ベルト式無段変速機用転がり軸受 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車のベルト式無段変速機の回転軸を支持する為の転がり軸受の改良に関する。具体的には、CVTフルード(ATF兼用油を含む)として100℃での動粘度が10 mm 2 / sec 以下の低粘度のものを用い、しかも、アルミニウム合金製の剛性の低い変速機ケースに組み込んだ場合でも、十分な耐久性を確保できる構造を実現するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用の自動変速機用の変速ユニットとしてベルト式無段変速機が、例えば実公平8−30526号公報等に記載されている様に、従来から各種考えられ、その一部は実際に使用されている。図2は、この様なベルト式無段変速機の基本構造を略示している。このベルト式無段変速機は、互いに平行に配置された入力側回転軸1と出力側回転軸2とを有する。これら各回転軸1、2は、図示しない変速機ケースの内側に、それぞれ1対ずつの転がり軸受3、3により、回転自在に支持している。
【0003】
これら各転がり軸受3、3はそれぞれ、図3に詳示する様に、互いに同心に設けられた外輪4と内輪5とを有する。このうちの外輪4は、内周面に外輪軌道6を、内輪5は外周面に内輪軌道7を、それぞれ有する。そして、これら外輪軌道6と内輪軌道7との間に複数の転動体8、8を、保持器9により保持した状態で、転動自在に設けている。それぞれがこの様に構成される、上記各転がり軸受3、3は、それぞれの外輪4を上記変速機ケースの一部に内嵌固定し、それぞれの内輪5を上記入力側回転軸1又は上記出力側回転軸2に外嵌固定している。そして、この構成により、これら両回転軸1、2を上記変速機ケースの内側に、回転自在に支持している。尚、上記各転がり軸受3、3として従来は、外輪4、内輪5、各転動体8、8を、一般的な軸受鋼2種(SUJ2)により造ったものを使用していた。
【0004】
上記両回転軸1、2のうちの入力側回転軸1は、エンジン等の駆動源10により、トルクコンバータ或は電磁クラッチ等の発進クラッチ11を介して回転駆動される。又、上記入力側回転軸1の中間部で1対の転がり軸受3、3の間に位置する部分に駆動側プーリ12を設け、この駆動側プーリ12と上記入力側回転軸1とが同期して回転する様にしている。この駆動側プーリ12を構成する1対の駆動側プーリ板13a、13b同士の間隔は、駆動側アクチュエータ14で一方(図2の左方)の駆動側プーリ板13aを軸方向に変位させる事により調節自在である。即ち、上記駆動側プーリ12の溝幅は、上記駆動側アクチュエータ14により拡縮自在である。
【0005】
一方、上記出力側回転軸2の中間部で1対の転がり軸受3、3の間に位置する部分に従動側プーリ15を設け、この従動側プーリ15と上記出力側回転軸2とが同期して回転する様にしている。この従動側プーリ15を構成する1対の従動側プーリ板16a、16b同士の間隔は、従動側アクチュエータ17で一方(図2の右方)の従動側プーリ板16aを軸方向に変位させる事により調節自在である。即ち、上記従動側プーリ15の溝幅は、上記従動側アクチュエータ17により拡縮自在である。そして、この従動側プーリ15と上記駆動側プーリ12とに、無端ベルト18を掛け渡している。この無端ベルト18としては、金属製のものを使用している。
【0006】
上述の様に構成するベルト式無段変速機では、前記駆動源10から上記発進クラッチ11を介して上記入力側回転軸1に伝達された動力は、上記駆動側プーリ12から上記無端ベルト18を介して、上記従動側プーリ15に伝達される。尚、この無端ベルト18として従来から、押し付け方向に動力を伝達するものと、引っ張り方向に動力を伝達するものとが知られている。何れにしても、上記従動側プーリ15に伝達された動力は、上記出力側回転軸2から減速歯車列19、デファレンシャルギヤ20を介して駆動輪21、21に伝達される。上記入力側回転軸1と出力側回転軸2との間の変速比を変える場合には、上記両プーリ12、15の溝幅を互いに関連させつつ拡縮する。
【0007】
例えば、上記入力側回転軸1と出力側回転軸2との間の減速比を大きくする場合には、上記駆動側プーリ12の溝幅を大きくすると共に、上記従動側プーリ15の溝幅を小さくする。この結果、上記無端ベルト18の一部でこれら両プーリ12、15に掛け渡された部分の径が、上記駆動側プーリ12部分で小さく、上記従動側プーリ15部分で大きくなり、上記入力側回転軸1と出力側回転軸2との間で減速が行なわれる。反対に上記入力側回転軸1と出力側回転軸2との間の増速比を大きく(減速比を小さく)する場合には、上記駆動側プーリ12の溝幅を小さくすると共に、上記従動側プーリ15の溝幅を大きくする。この結果、上記無端ベルト18の一部でこれら両プーリ12、15に掛け渡された部分の径が、上記駆動側プーリ12部分で大きく、上記従動側プーリ15部分で小さくなり、上記入力側回転軸1と出力側回転軸2との間で増速が行なわれる。
【0008】
上述の様に構成され作用するベルト式無段変速機の運転時には、各可動部に潤滑油を供給して、これら各可動部を潤滑する。ベルト式無段変速機の場合に使用する潤滑油としては、CVTフルード(ATF兼用油を含む)を使用している。この理由は、金属製の無端ベルト18と駆動側、従動側両プーリ12、15との摩擦係合部の摩擦係数を増大し、且つ、安定させる為である。そして、上記CVTフルードを300cc/min 以上の流量で上記摩擦部に循環させ、この摩擦部を潤滑している。又、上記CVTフルードの一部は、前記各転がり軸受3、3の内部を(例えば20cc/min 以上の流量で)通過して、これら各転がり軸受3、3の転がり接触部を潤滑する。従って、これら各転がり軸受3、3の内部に、上記無端ベルト18と上記両プーリ12、15との摩擦に伴って発生する摩耗紛や、前記減速歯車列19部分での摩擦に伴って発生したギア紛等の異物が、CVTフルードに混入した状態で入り込む可能性が高い。この様な異物は、上記各転がり軸受3、3の転がり接触部を損傷して、その耐久性を低下させる原因となる。
【0009】
この為従来は、上記各転がり軸受3、3の軸受サイズを大きくしたり、或は各転動体8、8の直径Daを大きくする等により、上記各転がり軸受3、3の基本動定格荷重を大きくし、これら各転がり軸受3、3の寿命に余裕を持たせていた。ところが、この様に基本動定格荷重を確保すべく上記各転動体8、8の直径Daを大きくすると、上記ベルト式無段変速機の小型軽量化を図る為には、前記外輪4の肉厚Tを小さく(薄く)する必要がある。しかも、この外輪4を固定する前記変速機ケースの剛性が低い場合に、この様に外輪4の肉厚Tを小さくすると、この外輪4が弾性変形し易くなると共に、この変形に伴ってこの外輪4に過大な曲げ応力が加わり、上記各転がり軸受3、3の寿命が低下する可能性がある。
【0010】
例えば、社団法人日本トライボロジー学会のトライボロジー会議予定稿集(盛岡 1992−10)E−33の793〜796頁には、軌道輪に70MPaの曲げ応力を付与した状態で転がり軸受を運転した場合に、この転がり軸受の寿命が曲げ応力を付与しない場合に比べて1/4〜1/5に低下する事が記載されている。又、この様な寿命の低下を防止する為に、残留圧縮応力を付与した材料により上記軌道輪を造る事が有効である事が記載されている。ところが、この様な残留圧縮応力を付与した材料を用いるには、上記軌道輪に浸炭鋼を採用すると共に、この軌道輪の軌道面にショットピーニング等の機械加工を施す必要があり、コストが嵩む可能性がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
近年、ベルト式無段変速機の効率を確保し、運転時に発生する騒音を少なく抑えると共に、駆動側、従動側両プーリ12、15や無端ベルト18の摩耗を抑える事を目的に、CVTフルードとしてより粘度の低いものを使用する事が考えられている。この様な場合に、入力側、出力側各回転軸1、2を支持する為の転がり軸受3、3として標準的なものを使用すると、早期剥離が発生する可能性が大きくなると考えられる。即ち、ベルト変動に伴うラジアル方向及びアキシアル方向の振動の働きにより、外輪4及び内輪5が弾性変形し易くなると共に、これら外輪4及び内輪5に過大な曲げ応力が加わる。そして、この様な変形及び過大な曲げ応力に伴って、外輪軌道6及び内輪軌道7と転動体8、8の転動面との転がり接触部で滑りに基づく金属接触が発生し易くなり、この様な金属接触によりこれら外輪軌道6、内輪軌道7、転動体8、8の転動面で早期剥離が発生する可能性が大きくなる。
【0012】
即ち、ベルト式無段変速機の運転時に上記転がり軸受3の温度は100℃を超える場合があり、この転がり軸受3の内部に入り込んでこの転がり軸受3の転がり接触部を潤滑するCVTフルードの動粘度は、10mm2 /sec 以下の、相当に低い値となる。又、上記転がり接触部に供給されるCVTフルードの量が不足する傾向となる可能性もある。しかも、変速機ケースの剛性が小さい場合には、この変速機ケースに固定した外輪4が弾性変形し易くなり、この変形に伴って、上記転がり接触部で転動体8、8の差動、公転、スピンに基づく滑りが発生し易くなる。この結果、上述の様なCVTフルードの不足と相まって、上記転がり接触部で油膜切れが起こり易くなる。そして、この様な油膜切れが起こった場合には、上記外輪軌道6や転動体8、8の転動面が活性化された状態となり、例えば水素侵入による水素脆性剥離や金属接触に伴う表面疲労が促進し、早期剥離が発生する可能性が大きくなる。
【0013】
一方、ヘルツの弾性接触論によれば、転がり接触下での最大剪断応力は、軌道面からの深さが凡そ転動体の直径の2%の位置で発生すると計算されている。この場合に、最大剪断応力の発生する軌道輪の肉厚は、半無限大として計算されている。これに対して、標準的JIS名番の転がり軸受の場合、軌道輪の肉厚を、最大剪断応力の発生位置の10倍程度、即ち転動体8、8の直径の20%程度とする傾向にある。この理由は、軌道輪を剛性の高い部分に固定する場合は、この軌道輪の肉厚が転動体の直径の20%程度あれば、この軌道輪の肉厚を半無限大として考える上記ヘルツの弾性接触論が成り立ち、しかも、実験的に十分な耐久性を確保できると考えられている為である。従って、ベルト式無段変速機に組み込む転がり軸受3の場合、変速機ケースの剛性が低いと、この転がり軸受3の耐久性を確保すべく、この変速機ケースに固定する外輪4の肉厚を大きく(厚く)する必要がある。ところが、この様に外輪4の肉厚をただ単に大きくしただけでは、大型化に伴う重量増大や転がり抵抗の増大を徒に招く為、好ましくない。
【0014】
尚、特開平10−37951号公報には、内輪の肉厚に比べて外輪の肉厚を大きくする事により、工作機械用の転がり軸受の許容高速性能の向上を図る発明が記載されている。即ち、各転動体をセラミックス製とする事により、固定側軌道輪である外輪に加わる遠心力の低減を図り、更に、回転側軌道輪である内輪に生じる遠心力の低減を図るべく、この内輪の肉厚を2.5〜4.0mmとし、且つ、この内輪の肉厚を上記外輪の肉厚の2.0〜2.75倍とする構造が記載されている。但し、この構造で外輪の肉厚を内輪の肉厚よりも大きくする理由は、あくまでも内輪の肉厚を小さくする事による遠心力の低減が目的であり、剛性の低い部分に固定する外輪の弾性変形を防止する為のものではない。しかも、上記各転動体をセラミックス製のものとする為、材料コストや加工コストが嵩む事が避けられない。更には、外輪の肉厚が過大である為、後述する様に、転動体の転動面を損傷し易い。
本発明は、この様な事情に鑑みて、粘性の低いCVTフルードを使用し、しかも、アルミニウム合金製の様に、剛性の低い変速機ケースに外輪を固定する場合でも、転がり接触部を構成する外輪軌道6、内輪軌道7、転動体8、8の転動面に、早期剥離等の損傷が発生しにくいベルト式無段変速機用転がり軸受を実現すべく発明したものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明のベルト式無段変速機用転がり軸受は、外輪と、内輪と、複数個の転動体とを備える。
このうちの外輪は、内周面に外輪軌道を有する。
又、上記内輪は、外周面に内輪軌道を有する。
又、上記各転動体は、上記外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられている。
そして、上記外輪を変速機ケースに内嵌支持し、上記内輪を、入力側、出力側各回転軸の端部又は中間部等、ベルト式無段変速機を構成するプーリと共に回転する部分に外嵌支持して、このプーリを上記変速機ケースに回転自在に支持する。
【0016】
特に、本発明のベルト式無段変速機用転がり軸受に於いては、上記変速機ケースがアルミニウム合金製である。又、転がり接触部を潤滑する潤滑油が、100℃での動粘度が10mm2 /sec 以下のCVTフルードである。又、上記外輪の軸方向中央部で上記外輪軌道を設けた部分の最小肉厚(径方向に関する厚さ)をhとし、上記各転動体の直径をDaとした場合に、0.4Da≦h≦0.8Da、より好ましくは0.4Da≦h≦0.6Daを満たす。
【0017】
【作用】
上述の様に構成する本発明のベルト式無段変速機用転がり軸受の場合には、100℃での動粘度が10 mm 2 / sec 以下の粘度の低いCVTフルードを使用し、しかも、アルミニウム合金製の剛性の低い変速機ケースに組み込む場合でも、剥離寿命を十分に確保する事が可能になる。
即ち、アルミニウム合金製の様に、剛性の低い変速機ケースに外輪を固定する場合でも、この外輪の肉厚を徒に大きく(厚く)する事なく、この外輪が弾性変形したり、この変形に伴ってこの外輪に過大な応力が加わる事を防止できる。この為、粘度の低いCVTフルードを使用する事や、転がり軸受の内部に潤滑油を多量に(例えば20cc/min を大きく上回る程)流通させない事により、外輪軌道及び内輪軌道と各転動体の転動面との転がり接触部に介在させる油膜の強度を確保しにくい場合でも、この転がり接触部で金属接触の発生を防止して、剥離寿命を十分に確保する事が可能になる。従って、必要とする耐久性を確保する為に、上記転がり軸受を大型化する必要がなくなり、入力側回転軸及び出力側回転軸の回転支持部を小型且つ軽量に構成できると共に、回転抵抗の低減を図れる。この結果、ベルト式無段変速機の小型・軽量化及び伝達効率の向上を図れる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本発明の特徴は、ベルト式無段変速装置用の入力側、出力側両回転軸1、2(図2参照)を支持する為の転がり軸受3aの構造を工夫し、変速機ケースの剛性が低い場合でも、この転がり軸受3aの耐久性を十分に確保する点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図3に示した構造を含めて、従来から知られているベルト式無段変速機用転がり軸受と同様であるので、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0019】
本例の場合は、外輪4aの軸方向中央部で外輪軌道6を設けた部分の(径方向に関する)最小肉厚をhとし、各転動体8、8の直径をDaとした場合に、0.4Da≦h≦0.8Da、より好ましくは0.4Da≦h≦0.6Daを満たす様に、上記外輪4aの寸法を規制している。又、上記外輪4a及び内輪5の軸方向に関する幅Wを、1.2Da≦W≦2.5Daを満たす範囲に規制している。この様な本例の転がり軸受3aの場合には、100℃での動粘度が10 mm 2 / sec 以下の粘度の低いCVTフルードを使用し、しかも、アルミニウム合金製の剛性の低い変速機ケースに組み込む場合でも、剥離寿命を十分に確保する事が可能になる。
【0020】
即ち、アルミニウム合金製の、軽量ではあるが剛性の低い変速機ケースに上記外輪4aを固定する場合でも、この外輪4aの肉厚hを徒に大きく(厚く)する事なく、この外輪4aが弾性変形したり、この変形に伴ってこの外輪4aに過大な応力が加わる事を防止できる。この為、粘度の低いCVTフルードを使用したり、上記転がり軸受3aの内部に潤滑油を多量に(例えば20cc/min を大きく上回る程)流通させない事で、外輪軌道6及び内輪軌道7と各転動体8、8の転動面との転がり接触部に介在させる油膜の強度を確保しにくい場合でも、この転がり接触部で金属接触が発生する事を防止して、剥離寿命を十分に確保する事が可能になる。従って、必要とする耐久性を確保する為に、上記転がり軸受3aを大型化する必要がなくなり、入力側回転軸1及び出力側回転軸2の回転支持部を小型且つ軽量に構成できると共に、回転抵抗の低減を図れる。この結果、ベルト式無段変速機の小型・軽量化及び伝達効率の向上を図れる。
【0021】
尚、上記外輪4aの最小肉厚hが0.8Daを超える場合には、上記転がり軸受3aに転動体8、8を組み込みにくくなる。即ち、この転がり軸受3aを自動組立装置で組み立てる場合、通常最後に組み込む転動体8は、上記外輪4aを弾性変形させた状態で組み込む。この為、上記最小肉厚hが0.8Daを超える場合には、上記外輪4aを弾性変形させる為に必要な荷重が大きくなり、上記外輪4aや転動体8、8に損傷が生じ易くなったり、自動組立装置で組み立てる事ができなくなる可能性がある。一方、上記最小肉厚hが0.4Daよりも小さい場合には、上記外輪4aを固定する変速機ケースの剛性が低い場合に、この外輪4aが弾性変形し易くなって、上記外輪軌道6や内輪軌道7、各転動体8、8の転動面に早期剥離が生じる可能性がある。
【0022】
又、上記外輪4a及び内輪5の軸方向に関する幅Wは、これら外輪4a及び内輪5の弾性変形を防止する点からは、大きいほど好ましい。ところが、上記幅Wを大きくすると、これら外輪4a及び内輪5の質量も大きくなる。即ち、上記幅Wが2.5Daを超える場合には、上記外輪4a及び内輪5の質量が大きくなり過ぎて、ベルト式無段変速機の伝達効率が低下する可能性がある。一方、上記幅Wが1.2Daよりも小さい場合には、上記外輪4a及び内輪5の剛性が低下して、これら外輪4a及び内輪5が弾性変形し易くなる可能性がある。従って、上記幅Wは、1.2Da以上で2.5Da以下の範囲に収める事が好ましい。
【0023】
又、本例の場合、上記外輪4aの内周面と内輪5の外周面との間で複数の転動体8、8を設置した部分の両端開口部に、シール部材を設けていない。但し、駆動側、従動側各プーリ12、15や無端ベルト18(図2参照)の摩耗紛等、異物が多く侵入する可能性が大きい場合は、転がり軸受の軸方向寸法が許す限り、上記シール部材を設ける事が好ましい。この様なシール部材としては、TMシールの他、金属板製で非接触型のもの、接触型或は非接触型のニトリルシールやアクリルシール又はフッ素シール等を、使用温度を勘案して選択使用できる。
【0024】
又、上記各転動体8、8を転動自在に保持する保持器9の構造及び材質に関しては、特に限定しないが、使用時の回転速度が特に早い場合には、合成樹脂製の冠型保持器を使用する事が、保持器と転動体との間の摩擦を低減すると共に、硬い摩耗粉の発生を抑えて長寿命化を図る面からは好ましい。これに対して、大きな変動荷重が作用する為、保持器切れ(破断)の発生が考えられる様な場合には、金属製の波形保持器を使用する事が好ましい。
【0025】
更に、本例の場合、転がり軸受3aを構成する外輪4a、内輪5、転動体8、8を、それぞれ残留オーステナイト量γR が5〜15容量%である軸受鋼2種(SUJ2)により構成している。但し、ベルト式無段変速機内部に存在し、CVTフルードに混入して上記転がり軸受3aの転動体8、8の設置空間を通過する異物の量が多い場合には、外輪4a、内輪5、転動体8、8を構成する鋼材を浸炭処理若しくは浸炭窒化処理する事が好ましい。この様な処理により、上記外輪4a、内輪5、転動体8、8の表面の残留オーステナイト量を20〜45容量%とすると共に、この表面の硬度をHR C62〜67程度にすれば、上記異物によるこの表面の損傷を防止して、上記転がり軸受3aの耐久性向上を図れる。更に、この転がり軸受3aの使用温度が150℃以上に達する場合には、上記外輪4a、内輪5、転動体8、8に、残留オーステナイト量を0〜5%程度に抑える、寸法安定化処理を施す事が好ましい。この場合に、前記シール部材として、耐熱性ゴムを備えたものを使用する事も好ましい。
【0026】
又、本例の場合、上記転がり軸受3aの内部隙間を普通隙間とし、外輪軌道6及び内輪軌道7の断面形状の曲率半径を、何れも各転動体8、8の直径の0.52倍(0.52Da)としている。但し、上記内部隙間並びに上記各軌道6、7の断面形状の曲率半径を適正に規制して(小さく抑えて、例えば少なくとも内輪軌道7の曲率半径を0.51Daとして)、ラジアル方向のがたつき及びアキシアル方向のがたつきを抑制したり、上記各転動体8、8の転動面と外輪軌道6及び内輪軌道7との接触圧を均一にすれば、耐久性を中心とする性能を更に向上させる事も可能になる。又、転がり軸受3aが、図示の様な単列深溝型玉軸受の場合に限らず、アンギュラ型等の他の型式の玉軸受、更には円筒ころ軸受や円すいころ軸受、ニードル軸受等、他の軸受の場合でも、同様の作用・効果を得られる。
【0027】
【実施例】
次に、本発明の効果を確認する為に行なった実験に就いて説明する。実験では、次の表1に示す様な、外輪4aの最小肉厚hを転動体(玉)8、8の直径Daの0.4〜0.8倍とした何れも本発明の技術的範囲に属する10種類の試料(実施例1〜10)と、本発明の技術的範囲からは外れる4種類の試料(比較例1〜4)との、合計14種類の試料に就いて、それぞれの耐久性を測定した。尚、これら各試料は、JIS名番6209(内径d=45mm、外径D=85mm、幅W=19mm、玉径Da=11.906mm)、及び、JIS名番6310(内径d=50mm、外径D=110mm、幅W=27mm、玉径Da=11.906mm)の玉軸受を基(ベース)にし、それぞれの外輪の外径及び各玉の直径を変える事により、下記の表1に記載した寸法に調整した。
【0028】
【表1】
【0029】
そして、上記表1に記載した寸法の各転がり軸受3、3aを、図2に示す様なベルト式無段変速機に組み込んで、入力側回転軸1を変速機ケースに対し回転自在に支持する為に利用した。転がり接触部を構成する各面の粗さは、通常の転がり軸受と同様に、算術平均粗さRaで0.01〜0.03μmとした。又、軸受材料は、標準の軸受鋼2種(SUJ2、硬度=HR C60〜65)とした。更に、保持器9は、鉄製の波型プレス保持器を使用した。又、各転動体(玉)8、8は、SUJ2をずぶ焼き入れ、焼き戻しした後、研削仕上げをしたものとした。
【0030】
そして、次述する条件下で、目標時間を500時間とする耐久試験を行ない、試験後に転がり軸受3、3aを分解して、当該転がり軸受3、3aの構成部品の破損の有無の確認すると共に、L10寿命(定格疲れ寿命)を求めた。尚、今回行なった実験では、入力側回転軸1の回転支持部分に組み込む転がり軸受3、3(3a、3a)の耐久性を求める為、出力側回転軸2の回転支持部に組み込んだ転がり軸受3、3に関しては、十分な量(200cc/min )の潤滑油(CVTフルード)を供給した。そして、試験対象外の転がり軸受3、3に、試験対象の転がり軸受3、3(3a、3a)よりも前に損傷が発生しない様にした。
試験条件は次の通りである。
【0031】
試験装置 : 図2に示したベルト式無段変速機
試料個数 : 各試料毎に5個
判定方法 : 500時間運転後に分解。但し、途中で振動値が急上昇した場合にはその時点で打ち切り後、分解。
エンジンから入力側回転軸1への入力トルク : 250N・m(JIS名番6209及び6209ベースの軸受)、500N・m(JIS名番6310及び6310ベースの軸受)
入力側回転軸1の回転速度 : 6000min-1
潤滑油 : CVTフルード{40℃での動粘度=35mm2/sec =35×10-6m2/s (35cSt )、100℃での粘度=7mm2/sec =7×10-6m2/s (7cSt )}
潤滑油流量 : 10cc/min
軸受温度 : 120℃
尚、それぞれの転がり軸受ごとに、エンジントルクと転がり軸受の基本動定格荷重との比をほぼ同じにした。
【0032】
上述の様な条件で行なった実験の結果から、次の事が分かる。
先ず、本発明の技術的範囲に属する実施例1〜10に関しては、何れも目標時間である500時間に達するまで転がり軸受3aが損傷する事なく、運転を継続できた。又、このうちの実施例1〜3及び実施例6〜9に関しては、試験後に軌道面を確認したところ、研磨目が残っており、潤滑状態が良好であった。又、外輪4aの外周面にクリープに基づく損傷も認められなかった。
【0033】
一方、実施例4、5、10に関しては、転動体(玉)8、8に傷が見受けられた。この様な損傷は、外輪4aの肉厚hが十分に大きい事により、上記転動体(玉)8、8を転がり軸受3aに組み込む際に、上記外輪4aが弾性変形しにくくなって生じたと考えられる。従って、この様な転がり軸受3aの組立時に上記転動体8、8に傷を付きにくくすべく、上記外輪の肉厚hを0.4Da〜0.6Da(0.4Da≦h≦0.6Da)とする事がより好ましい事が分かる。
【0034】
又、本発明の技術的範囲からは外れる比較例1〜4に関しては、何れの場合も、早期に(84〜125時間経過した時点で)転がり接触部分に剥離を生じ、著しい振動を発生した。又、このうちの比較例1、3に関しては、軌道面を確認したところ、研磨目の一部が残っておらず、局所的な金属接触(メタルコンタクト)が生じていたと考えられる。又、外輪4の外周面にクリープに基づく損傷が認められ、このクリープに基づいて外輪負荷圏で転動体8、8の滑りが生じていたと考えられる。又、比較例2に関しては、外輪4の肉厚hが0.84Daと大き過ぎる為、転がり軸受3に転動体(玉)8、8を組み込む際に生じた損傷を起点として、早期に剥離が発生したと考えられる。又、比較例4に関しては、外輪4の肉厚hが0.31Daと小さ過ぎる為、比較例1、3と同様に、外輪4の弾性変形に伴う転がり接触部での金属接触に基づく損傷が、外輪軌道6に認められた。
【0035】
【発明の効果】
本発明のベルト式無段変速機用転がり軸受は、以上に述べた通り構成され作用するので、100℃での動粘度が10 mm 2 / sec 以下の粘性の低いCVTフルードを使用し、しかも外輪を剛性の低いアルミニウム合金製の変速機ケースに固定した場合でも、十分な耐久性を得られる。この為、耐久性を確保しつつ、ベルト式無段変速機の効率を向上させる事が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す、図3と同様の断面図。
【図2】本発明の対象となる転がり軸受を備えたベルト式無段変速機を組み込んだ車両の駆動系の略断面図。
【図3】転がり軸受を取り出して示す拡大断面図。
【符号の説明】
1 入力側回転軸
2 出力側回転軸
3、3a 転がり軸受
4、4a 外輪
5 内輪
6 外輪軌道
7 内輪軌道
8 転動体
9 保持器
10 駆動源
11 発進クラッチ
12 駆動側プーリ
13a、13b 駆動側プーリ板
14 駆動側アクチュエータ
15 従動側プーリ
16a、16b 従動側プーリ板
17 従動側アクチュエータ
18 無端ベルト
19 減速歯車列
20 デファレンシャルギヤ
21 駆動輪
Claims (1)
- 内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面に内輪軌道を有する内輪と、これら外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体とを備え、上記外輪を変速機ケースに内嵌支持し、上記内輪をベルト式無段変速機を構成するプーリと共に回転する部分に外嵌支持して、このプーリを上記変速機ケースに回転自在に支持するベルト式無段変速機用転がり軸受に於いて、上記変速機ケースがアルミニウム合金製であり、転がり接触部を潤滑する潤滑油が、100℃での動粘度が10mm2 /sec 以下のCVTフルードであり、上記外輪の軸方向中央部で上記外輪軌道を設けた部分の最小肉厚をhとし、上記各転動体の直径をDaとした場合に、0.4Da≦h≦0.8Daを満たす事を特徴とするベルト式無段変速機用転がり軸受。
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