JP4003055B2 - 水ポンプ用軸受 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水ポンプ用軸受に関し、更に詳しくは、回転軸の一部に樹脂材を用いることで、軽量かつ低コストに製造することのできる水ポンプ用軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両等に搭載される水ポンプ(ウォータポンプ)用の軸受装置には、太軸部と細軸部とからなる中実一体物の回転軸と、この回転軸の太軸部に外挿されかつハウジングに固定された外輪と、太軸部の外周面とこれに対向する外輪の内周面のそれぞれに形成された軌道間に配置された転動体と、を有する転がり軸受ユニットが使用されている。
【0003】
図2は、従来の水ポンプ用軸受の構造を示す一部断面図である。
この水ポンプ用軸受は、太軸部11と細軸部12とからなる回転軸1と、太軸部11の周囲に配置された外輪2と、太軸部11と外輪2との間に配置された複数の転動体3,3,・・・とを有する。この回転軸1は、軸受鋼材を用いて旋削加工等により、大径の太軸部11と小径の細軸部12が形成されている。また、回転軸1の太軸部11の外周面11xには、所定の位置に2つの軌道溝11y,11yが形成され、これらに対向する外輪2の内周面2xにも、同様に2つの軌道溝2y,2yが形成されているとともに、これら軌道溝の間に複数の転動体3が嵌め入れられている。そして、これら対向する太軸部外周面11xと外輪内周面2xとから形成される軸受の環状空間は、潤滑油の保持と防水のために、外輪2両端部に配設されたシール部材4a,4bにより密閉されている。なお、太軸部11の外側端部(図示左方)には、エンジン等に繋がる入力用のプーリ等が取り付けられるとともに、他方の細軸部12の外側端部(図示右方)は、メカニカルシール等を介して水ポンプ内に配置され、インペラが取り付けられることとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、以上のような従来の水ポンプ用軸受においては、回転軸が軸受鋼材等を用いて製造されていることから、重量が重くなってしまうという問題があった。
【0005】
また、回転軸の太軸部と細軸部とを一体で形成することから、旋削や研磨等の加工が難しく、細軸部にも太軸部と同一の軸受鋼材等が使用されているために、細軸部に必要とされる防錆処理を施す際には、太軸部の軌道溝部をマスキングしなければならないなど、その加工費も高くなってしまうという問題もあった。
【0006】
そこで、この回転軸の軽量化と低コスト化を実現すべく、太軸部を中空状とする多数の提案や、特開2000−65070号等のように回転軸全体を中空一体物とする提案等がなされている。また、本出願人らも特開平9−25818号において、回転軸の細軸部を、太軸部の端部に固定した支持芯棒の周囲に合成樹脂を形射出成形することによって形成した水ポンプ用軸受についての提案を行なっている。
【0007】
しかしながら、この水ポンプが搭載される車両等の軽量化と更なるコスト低減が求められている現状においては、これらの提案によっても依然として問題は解消されたとは言えず、より以上の水ポンプ用軸受の軽量化とコストダウンが求められている。
【0008】
本発明は、上記する課題に対処するためになされたものであり、軽量かつ加工が容易で、軸受としての信頼性を損なうことなく低コストで製造することのできる水ポンプ用軸受を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、太軸部と細軸部とからなる回転軸と、この回転軸の太軸部の周囲に配置された外輪と、これら太軸部外周面と外輪内周面のそれぞれに形成された軌道溝間に配置された複数の転動体とを備える水ポンプ用軸受において、前記回転軸の太軸部が中空状に形成され、この太軸部の内周面における前記軌道溝の内面側にあたる位置には、該太軸部内面に突出する内面膨出部が形成されているとともに、前記細軸部は、前記内面膨出部を含む太軸部内周面に樹脂材料を充填し、この樹脂材料を該太軸部の一方の端部開口から軸方向に延出させて形成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明は、水ポンプ用軸受において、軌道溝が形成される太軸部を中空状とし、軸受寿命に影響しない回転軸の細軸部を、射出成形等を用いて樹脂材料により形成することによって、所期の目的を達成しようとするものである。
【0011】
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、回転軸の太軸部を中空状とすることで、この太軸部を、パイプ材を用いて転造加工等により製作することが可能となり、従来の太軸部に比して、軽量な回転軸を容易に製作することができるようになる。また、太軸部の軌道溝の形成に転造加工等を用いることにより、その内周面の内面膨出部と外周面の軌道溝の形成とを同時に形成することができ、加工時の手間を省略することが可能となる。更に、この細軸部となる樹脂材料は、太軸部内面に形成された内面膨出部を含む内周面に充填されていることから、細軸部の軸方向への抜けが防止され、併せて太軸部を内面から補強する効果を奏することができる。なお、この回転軸の細軸部は、樹脂材料により形成されていることから、防錆処理等を施す必要がない。
【0014】
なお、太軸部部材の規格を共通とすることで、一品一様である中実一体物の従来品に比べ、品種毎に異なる細軸部の長さ・径等のサイズ変化に、容易に対応することができるようになるという効果も奏することができる。
【0015】
そして、このような回転軸の構造により、水ポンプ用軸受全体としての軽量化とコストの低減を達成することが可能になる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しつつこの発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態における水ポンプ用軸受の構造を示す一部断面図である。なお、本実施の形態における水ポンプ用軸受も、基本的には従来例と同様の基本構造を有し、回転軸の外周面に2条の軌道溝が形成され、転動体としてボールを用いた構成を例示している。また、従来例と同様の機能を有する構成部材には、同じ符号を付記する。
【0017】
この水ポンプ用軸受も、太軸部11と細軸部12とからなる回転軸1と、太軸部11の周囲に配置された外輪2と、太軸部11と外輪2との間に配置された複数の転動体3,3,・・・とを有する。この回転軸1は、太軸部11に軸受鋼材等を用いたパイプ材が使用され、転造加工により、その外周面11xの所定位置に2つの軌道溝11y,11yが形成されているとともに、この軌道溝11yの裏側にあたる内周面11a側には、この転造によってそれぞれ軌道溝11に対応する2つの内面膨出部11b,11bが形成されている。また、これら内面膨出部11b,11bから太軸部11の一方の端部開口(図示右方)に至る太軸部内周面11aの所定部分には、細軸部12に連続して、例えばフェノール樹脂等の耐熱性を有する樹脂材料12aが射出成形により充填されている。
【0018】
そして、従来例と同様、これら太軸部11の軌道溝11y,11yに対向する外輪2の内周面2xにも、同様に2つの軌道溝2y,2yが形成され、これら太軸部11と外輪2の軌道溝の間に、複数の転動体3が嵌め入れられている。なお、これら対向する太軸部外周面11xと外輪内周面2xとから形成される軸受の環状空間は、潤滑油の保持と防水のために、外輪2両端部に配設されたシール部材4a,4bにより密閉されるとともに、太軸部11の外側端部(図示左方)には、エンジン等に繋がる入力用のプーリ等が取り付けられ、他方の細軸部12の外側端部(図示右方)は、メカニカルシール等を介して水ポンプ内に配置され、インペラが取り付けられることとなる。
【0019】
以上の構成により、この水ポンプ用軸受は、回転軸1の太軸部11が中空のパイプ材により形成され、かつ、その細軸部12も樹脂材料12aによって形成されていることから、中実の棒状鋼材を使用した従来例に比べ、非常に軽量に仕上げることができる。また、太軸部11が転造加工により形成され、細軸部12も射出成形により太軸部11と一体に形成できることより、旋削加工等により形成される従来例に比して、容易に製作することができるという利点もある。従って、本実施の形態における水ポンプ用軸受は、材料費および加工費の低減を達成することが可能となる。
【0020】
また、細軸部12が、軌道溝11y部裏面の内面膨出部11bを含む太軸部内周面11aに連続して形成されていることから、この内面膨出部11bが細軸部12の軸方向への抜け止めとして機能するとともに、樹脂材料12aが太軸部11を内面側から補強し、軸受としての強度や耐久性等を従来のものと同等とすることができる。
【0021】
なお、樹脂材料からなる細軸部12を形成する方法は、射出成形に限らず、予め別工程にて太軸部11の内径に嵌合する外径を有する棒状の細軸部を形成しておき、太軸部11に圧入する方法等を用いることもできる。しかしながら、この圧入時に、樹脂材料の硬さによっては軌道溝11y部位の寸法変化を伴うことが懸念されるため、太軸部11と細軸部12を一体に形成できる射出成形による方法が好ましい。
【0022】
また、転動体としてころを用いた円筒ころ軸受の場合も、太軸部外周面の軌道溝の内面側に相当する位置に、内面膨出部を形成すれば良い。
【0023】
更にまた、樹脂材料12aが充填される部位も、この例に限らず、入力用のプーリ等が取り付けられる太軸部11の外側端部(図示左方)まで、太軸部内面11a全体に充填しても良いことは言うまでもない。
【0024】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の水ポンプ用軸受によれば、回転軸の太軸部を中空状に形成し、細軸部を樹脂材料によって形成することにより、中実の棒状鋼材を使用した従来例に比べ、軽量にかつ容易に製作することができ、軸受全体としての材料費および加工費を低減することができる。
【0025】
また、回転軸の細軸部が、太軸部の軌道溝部裏面の内面膨出部を含む太軸部内周面に連続して形成されていることから、この内面膨出部部が細軸部の軸方向への抜け止めとして機能するとともに、樹脂材料が太軸部を内面側から補強し、軸受としての強度や耐久性等を従来のものと同等とすることができる。
【0026】
また、更にこの回転軸の細軸部は、防錆処理を施す必要がなく、太軸部を規格化し共通の部材とした場合、一品一様である従来の中実一体物の回転軸に比べ、品種毎に異なる細軸部の長さ・径等のサイズ変化に、容易に対応することができるようになるという効果も奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における水ポンプ用軸受の構造を示す一部断面図である。
【図2】従来の水ポンプ用軸受の構造を示す一部断面図である。
【符号の説明】
1 回転軸
2 外輪
2x 内周面
2y 軌道溝
3 転動体
4a,4b シール部材
11 太軸部
11a 内周面
11b 内面膨出部
11x 外周面
11y 軌道溝
12 細軸部
12a 樹脂材料
Claims (1)
- 太軸部と細軸部とからなる回転軸と、この回転軸の太軸部の周囲に配置された外輪と、これら太軸部外周面と外輪内周面のそれぞれに形成された軌道溝間に配置された複数の転動体とを備える水ポンプ用軸受において、
前記回転軸の太軸部が中空状に形成され、この太軸部の内周面における前記軌道溝の内面側にあたる位置には、該太軸部内面に突出する内面膨出部が形成されているとともに、前記細軸部は、前記内面膨出部を含む太軸部内周面に樹脂材料を充填し、この樹脂材料を該太軸部の一方の端部開口から軸方向に延出させて形成されていることを特徴とする水ポンプ用軸受。
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