JPWO2006054402A1 - 半導体超微粒子を含有する組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は安価で発光強度が高く且つ発光の安定性の高い、半導体超微粒子を含む液体組成物及び樹脂組成物を提供することを目的として成された。水溶液中で半導体超微粒子の表面を陽イオン性分子が被覆した陽イオン性半導体超微粒子を合成し(S1)、この水溶液を疎水性イオン性液体に混合して撹拌する(S2、S4)。すると、水とイオン性液体とは分離するが、陽イオン性半導体超微粒子は水中からイオン性液体中にほぼ100%移動するから、上相の水を除去することで半導体超微粒子イオン性液体溶液を得ることができる(S5〜S7)。この状態でも発光強度は高く、励起光の連続照射に対する長時間の発光の安定性は高いが、さらに加熱処理を加えることにより(S8)、一層発光効率は改善される。イオン性液体型モノマーを用いることにより、重合を行って半導体超微粒子を含む樹脂組成物を得ることが可能である。

Description

本発明は、蛍光性や発光性を有する半導体超微粒子(量子ドット、ナノドット、半導体ナノクリスタル等と呼ばれることもある)を含有する液体組成物又は樹脂組成物と、これらを製造する方法に関する。
今日、半導体は様々な用途に広く利用されているが、半導体を超微粒子と呼ばれる粒径1〜100nm程度の粒子とすると、バルクとは異なる特有の性質を持つことが知られている。例えばCdSe、CdTeなどのカルコゲン化合半導体超微粒子はバンド構造が粒径依存性を有し、いわゆる量子閉じ込め効果を生じる。それにより、粒径によって異なる波長(色)の蛍光特性や発光特性を示すため、有機EL、蛍光マーカー、太陽電池、レーザ光源を始めとする様々な光学素子の材料としての応用が期待されている。こうしたカルコゲン化合半導体超微粒子に関する研究は盛んに行われており、例えば特許文献1には電子デバイス用材料として好適な発光特性を有する半導体超微粒子が開示されている。また、非特許文献1に記載されているように既に商品化されているものもある。
上記のような従来入手可能な半導体超微粒子は安定性の点で問題がある。即ち、励起光を照射し続けたときの発光強度の低下が顕著であるため、長時間の使用には適さない。また、低温条件下では発光特性が極端に低下するため、使用環境に制約がある。また、非常に高価であるため、用途が実験用等、特殊な用途に限定される。
価格が高いことの原因の一つはその製造方法にある。即ち、上記のように従来市販されている半導体超微粒子は、例えば特許文献2に開示されているようなガス中蒸発法で製造されている。ガス中蒸発法は、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で対象物質を加熱することで蒸発させ、その蒸気が雰囲気ガスと衝突して運動エネルギーを失い且つ急冷される過程で超微粒子を生成するものである。こうした製造方法は爆発の危険性がある上、粒子径の揃った超微粒子を多量に製造するのは困難であり、そのためにコストが高くつく。
一方、最近、上記方法に代わる半導体超微粒子の製造方法として、非特許文献2に記載のような水性合成法が提案されている。即ち、この方法は、カドミウム(Cd)イオンと水溶性チオール(R-SH:Rはアルキル基)が溶解した溶液にNaHX(Xは硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)などのカルコゲン類)水溶液を混合し、加熱成長させることで、カルコゲン化合半導体超微粒子(ここではCdX)の表面を水酸化チオール分子が被覆して成る水溶性半導体超微粒子が溶解した水溶液を生成するものである。
また、こうした水溶液中から水溶性半導体超微粒子を取り出す方法としては、カルコゲン化合半導体超微粒子の表面を被覆している水溶性チオールを配位子交換によって疎水性チオールに置換することで、或いは、カルコゲン化合半導体超微粒子の表面を被覆している水溶性チオールに界面活性剤を結合させて複合化することでクロロホルム等の有機溶媒への可溶性を高め、有機溶媒に溶解させた状態でポリマー(樹脂)として固体化する方法が知られている。
上記のような水性合成法は製造工程が比較的単純であり、大量生産に向くためコスト低減には有用である。しかしながら、水性合成法で製造される半導体超微粒子は、ガス中蒸発法で製造される半導体超微粒子に比べて発光強度が劣るという問題がある。また、発光強度の安定性は従来とほぼ同程度であり、殆ど改善はみられない。
また、ポリマーとして固体化することにより、半導体超微粒子の用途がさらに拡大するため、このような半導体超微粒子を樹脂中へ固定することに関して、従来より種々の方法が研究され、開示されてきた。半導体超微粒子を固体ポリマーに導入する方法の一例として、非特許文献3に記載された方法がある。これは、CdSe半導体超微粒子をZnSで被覆して疎水性とし、これと表面安定剤及びモノマーとをあらかじめ混合しておき、熱重合により樹脂化するという方法である。この方法によって得られる樹脂の蛍光量子収率(蛍光による吸収光子数と放出光子数の比率)は最高40%程度と比較的高いものの、樹脂化すると蛍光量子収率が2割程度低下してしまうという問題があった(非特許文献3の表)。また、この方法で得られる樹脂はフルカラーに対応可能であるという大きなメリットを有しているが、処理が高温法であるために、コスト的に改善の余地が残されていた。
半導体超微粒子を樹脂中へ固定する方法の他の例として、非特許文献4には、水溶性CdTe超微粒子を界面活性剤(オクタデシル-p-ビニルベンジルジメチルアンモニウム塩化物:OVDAC)で被覆してスチレンモノマー中への分散を可能とし、その後ラジカル重合させることにより透明固体ポリマーを得る方法が記載されている。しかし、この方法によって得ることができる樹脂では、蛍光量子収率が20%以下にとどまり、発光強度が不十分である。
特開2004−315661号公報 特開平5−261267号公報(段落0004) 特開2004−292632号公報 「ハイ・クォリティー、プロダクション・クォンティティーズ・オブ・セミコンダクター・ナノクリスタルズ・フォー・ザ・ナノテクノロジー・リサーチャー(High Quality, Production Quantities of Semiconductor Nanocrystals for the Nanotechnology Researcher)」、[online]、オーシャンフォトニクス株式会社、[平成16年11月11日検索]、インターネット<URL : http://www.oceanphotonics.com/pdf/CoreEviDots.pdf> ニコライ・ガポニック(Nikolai Gaponik)、他8名、「チオール-キャッピング・オブ・CdTe・ナノクリスタルズ: アン・オルタナティブ・トゥ・オルガノメタリック・シンセティック・ルーツ(Thiol-Capping of CdTe Nanocrystals: An Alternative to Organometallic Synthetic Routes)」、ザ・ジャーナル・オブ・フィジカル・ケミストリー(The Journal of Physical Chemistry)、B, 2002, 106, pp.7177-7185 ジンウック・リー(Jinwook Lee)、他4名、「フル・カラー・エミッション・フロム・II-VI・セミコンダクター・クワンタム・ドット-ポリマー・コンポジッツ(Full Color Emission from II-VI Semiconductor Quantum Dot-Polymer Composites)」、アドバンスト・マテリアルズ(Advanced Materials)、2000, 12, No.15, August 2, pp.1102-1105 ハオ・ツァン(Hao Zhang)、他7名、「フロム・ウォーター-ソリュブル・CdTe・ナノクリスタルズ・トゥ・フルオレセント・ナノクリスタル-ポリマー・トランスパレント・コンポジッツ・ユージング・ポリメリザブル・サーファクタンツ(From Water-Soluble CdTe Nanocrystals to Fluorescent Nanocrystal-Polymer Transparent Composites Using Polymerizable Surfactants)」、アドバンスト・マテリアルズ(Advanced Materials)、2003, 15, No.10, May 16, pp.777-780
本発明は上記のような課題に鑑みて成されたものであり、その第1の目的とするところは、製造工程が簡単な、半導体超微粒子を含有する液体組成物及び樹脂組成物を安価に得ることが可能な製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的とするところは、発光強度が高く且つ長時間の使用でも特性の劣化の少ない、また低温条件下でも高い発光特性を維持できる安定性の高い半導体超微粒子を含有する液体組成物、及びそうした液体組成物を製造する方法を提供することにある。さらにまた、本発明の目的とするところは、上記のような特性を備えた半導体超微粒子を含有する樹脂組成物及びそうした樹脂組成物を製造する方法を提供することにある。
課題を解決するための手段、及び発明の効果
上記課題を解決するために成された第1発明に係る半導体超微粒子を含有する液体組成物は、陽イオン性分子で表面が被覆された半導体超微粒子がイオン性液体中に分散されて成ることを特徴としている。
また上記課題を解決するために成された第2発明は、上記第1発明に係る半導体超微粒子を含有する液体組成物を製造する方法であって、
陽イオン性分子で表面が被覆された半導体超微粒子が水中に分散した水溶液を疎水性イオン性液体に加え、その混合液を撹拌し、その後に相分離した上相の水を除去することにより、半導体超微粒子が分散されて成るイオン性液体を得るようにしたことを特徴としている。
イオン性液体は不揮発性、不燃性、高イオン伝導性という特徴を有する一種の溶媒である。このイオン性液体中に半導体超微粒子を分散させた複合体(第1発明に係る液体組成物)にあっては、もともと安定なイオン性液体中で半導体超微粒子の表面を被覆する陽イオン性分子がその表面から離脱しにくくなっているために、半導体超微粒子同士がかたまったりくっついたりしにくく、その本来の特性を発揮し易い。それによって、蛍光強度が高く、しかもその蛍光特性が時間的に安定であって長時間、高い蛍光強度を維持し得る。また、-180℃以下のごく低温から120℃以上の高温までの幅広い温度範囲で高い蛍光を発し得る。
即ち、第1発明に係る半導体超微粒子を含有する液体組成物によれば、従来の水性合成法で製造される半導体超微粒子を含む水溶液に比べて、高い蛍光強度を得ることができ、しかも、その蛍光強度は時間的な安定性が良好であり、さらに使用温度条件も非常に広い。したがって、この半導体超微粒子を含有する液体組成物は、使用環境や使用条件の制約が少なく、幅広い用途に利用することができる。
なお、上記特許文献3には微粒子を含有する分散液にイオン性液体を添加し、微粒子をイオン性液体に取り込む技術が開示されているが、この方法は単に微粒子をイオン性液体中に濃縮させるのみであり、半導体超微粒子に対してこの技術を用いたとしても、その蛍光特性が向上したり、蛍光特性の劣化が防止されるものではなかった。一方、本発明は半導体超微粒子として陽イオン性分子によって表面が被覆された半導体超微粒子を用いるため、イオン性液体中で半導体超微粒子同士がきれいに分散し、先に述べたような優れた蛍光特性が発揮される。
また、第2発明に係る半導体超微粒子を含有する液体組成物の製造方法において、陽イオン性分子で表面が被覆された半導体超微粒子が水中に分散した水溶液は、従来知られている水性合成法などにより比較的容易に生成することができる。そして、こうした半導体超微粒子水溶液と疎水性のイオン性液体とを接触させて撹拌するだけで、上記のような優れた特性を有する半導体超微粒子イオン性液体溶液(半導体超微粒子を含有する液体組成物)を得ることができる。しかも、水溶液中からイオン性液体溶液中への半導体超微粒子の移動はきわめて効率良く行われ、水溶液中には半導体超微粒子は殆ど残留しない。
したがって、第2発明に係る製造方法は、簡便であって時間も掛からず大量生産に向いているため製造コストが低い。これにより、上述したような優れた特性を有する半導体超微粒子イオン性液体溶液を安価に提供することが可能となる。
また、第2発明に係る半導体超微粒子を含有する液体組成物の製造方法では、好ましくは、前記半導体超微粒子が分散されて成るイオン性液体に対し加熱処理を加えるとよい。加熱温度は80〜150℃とすることが、蛍光強度の向上のために特に有効である。このような加熱処理によって、半導体超微粒子を含有する液体組成物の蛍光強度はさらに向上する。
第1発明に係る半導体超微粒子を含有する液体組成物の一態様として、前記半導体超微粒子はカルコゲン化合半導体超微粒子であるものとすることができる。即ち、硫黄、セレン、テルル等の化合半導体超微粒子である。
一方、第1発明におけるイオン性液体としては従来より知られた各種の疎水性イオン性液体を使用することができるが、常温(室温)又は常温に近い温度条件下において液体状であり、空気中でも分解や劣化を起こさないような安定なものが望ましい。好適なイオン性液体の具体例としては、下記の一般式(1)〜(4)のいずれかで表されるカチオンと、アニオン(A-)より成るものを挙げることができる。
Figure 2006054402
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上記の式(1)〜(4)において、Rは炭素数12以下のアルキル基又はエーテル結合を含み炭素と酸素の合計数が12以下であるアルキル基を表し、式(1)においてR1、R2は炭素数1〜4のアルキル基又は水素原子を表す。式(1)においてRと、R1又はR2とは同一でないことが好ましい。また、式(3)、(4)において、xは1〜4の整数を表す。他方、アニオン(A-)としては例えば、ビス(トリフロロメチルスルホニル)イミド酸、過塩素酸、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、トリス(トリフロロメチルスルホニル)炭素酸、トリフロロメタンスルホン酸、ジシアンアミド、トリフロロ酢酸、有機カルボニル酸、又はハロゲンイオンより選ばれた少なくとも1種のものを使用することができる。
このようなイオン性液体中に迅速に半導体超微粒子を移動させるとともにそのイオン性液体中に安定的に半導体超微粒子を存在させるためには、上記イオン性液体に対する親和性が高いことが望ましく、半導体超微粒子の表面を被覆する陽イオン性分子として例えば四級アンモニウム基を有するイオン性有機分子を用いるとよい。
また、上記課題を解決するために成された第3発明に係る半導体超微粒子を含有する樹脂組成物は、陽イオン性分子で表面が被覆された半導体超微粒子が陽イオン性高分子中に分散されて成ることを特徴としている。即ち、当該半導体超微粒子を含有する樹脂組成物は、陽イオン性分子で表面が被覆された半導体超微粒子が、イオン性液体型モノマー中に分散されてなる半導体超微粒子モノマー溶液を重合することにより得られるものである。
さらに、上記課題を解決するために成された第4発明は、上記第3発明に係る半導体超微粒子を含有する樹脂組成物を製造する方法であって、
陽イオン性分子で表面が被覆された半導体超微粒子が水中に分散した水溶液を疎水性イオン性液体型モノマーに加え、その混合液を撹拌し、その後に相分離した上相の水を除去し、重合することにより、半導体超微粒子が分散されて成る陽イオン性高分子を得るようにしたことを特徴としている。
第3発明に係る半導体超微粒子を含有する樹脂組成物の一態様として、半導体超微粒子は、硫黄、セレン、テルル等の化合半導体超微粒子であるカルコゲン化合半導体超微粒子とすることができる。
イオン性液体型モノマーは、本発明に係るイオン性液体の一種であって、上述したようなイオン性液体の特性を持ち合わせているが、所定条件の下で重合してポリマーとなるという特性をさらに有するものである。本発明において好適に使用することができるイオン性液体型モノマーの具体例としては、下記の一般式(5)〜(8)のいずれかで表されるカチオンと、アニオン(A-)より成るものを挙げることができる。
Figure 2006054402
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上記式(5)〜(8)において、Rは炭素数12以下のアルキル基又はエーテル結合を含み炭素と酸素の合計数が12以下であるアルキル基を表し、式(5)においてR3、R4はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基を含み、R3、R4のいずれか又は両方に一箇所以上の二重結合を含む官能基を表す。式(5)においてRと、R3又はR4とは同一でないことが好ましい。また、式(7)、(8)において、xは1〜4の整数を表す。アニオン(A-)としては、本発明に係イオン性液体と同様のもの、すなわち例えば、ビス(トリフロロメチルスルホニル)イミド酸、過塩素酸、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、トリス(トリフロロメチルスルホニル)炭素酸、トリフロロメタンスルホン酸、ジシアンアミド、トリフロロ酢酸、有機カルボニル酸、又はハロゲンイオンより選ばれた少なくとも1種のものを使用することができる。
このイオン性液体型モノマーに陽イオン性分子で表面が被覆された半導体超微粒子を所定の方法により分散させたモノマー溶液(即ち、半導体超微粒子イオン性液体型モノマー溶液)を、重合することにより、半導体超微粒子が樹脂中に固定された樹脂組成物を得る際には、樹脂化を促進するために架橋剤を適量添加し、加熱処理や紫外線照射処理を行うだけでよく、簡便且つ安価である。しかも、樹脂化したとしても、発光強度の低下が殆ど起こることはなく、本発明に係る半導体超微粒子を含有する液体組成物の備える、上述したような種々の優れた特性が保持される。
また、第4発明に係る半導体超微粒子を含有する樹脂組成物の製造方法では、好ましくは、前記半導体超微粒子イオン性液体型モノマー溶液に対し、加熱処理を加えるとよい。加熱処理は、重合前、重合時又は重合後のいずれかにおいて行うことが好ましい。加熱温度は80〜150℃とすることが、蛍光強度の向上のために特に有効である。このような加熱処理によって、半導体超微粒子を含有する樹脂組成物の蛍光強度はさらに向上する。
すなわち、本発明では、上記のような優れた特性を備えた半導体超微粒子を含有する液体組成物、及び、同等の優れた特性を備えた半導体超微粒子を含有する樹脂組成物を得ることが可能である。したがって、液体状又は固体状のどちらかの組成物を用いるかを、利用形態や利用目的に応じて選択することができる。
本発明の一実施例による半導体超微粒子を含有する液体組成物の製造方法の製造工程を示すフローチャート。 図1に示した製造工程を模式的に示した図。 図2中の水溶液に含まれる陽イオン性半導体超微粒子の一例の模式図。 図2中のイオン性液体の一例を示す図。 半導体超微粒子水溶液と半導体超微粒子イオン性液体溶液との吸収スペクトル特性の比較を示す図。 半導体超微粒子水溶液と半導体超微粒子イオン性液体溶液との蛍光スペクトル特性の比較を示す図。 本実施例による半導体超微粒子イオン性液体溶液の時間的安定性の実験結果を示す図。 撹拌処理前後の半導体超微粒子水溶液と半導体超微粒子イオン性液体溶液との実際の蛍光の発生状況の比較を示す図。 半導体超微粒子水溶液と半導体超微粒子イオン性液体溶液との低温条件下での蛍光の発生状況の比較を示す図。 本発明の一実施例による半導体超微粒子を含有する樹脂組成物の製造方法の製造工程を示すフローチャート。 図10に示した製造工程を模式的に示した図。 図10中のイオン性液体型モノマーの一例を示す図。 半導体超微粒子水溶液と半導体超微粒子イオン性液体型モノマー溶液との吸収スペクトル特性の比較を示す図。 半導体超微粒子水溶液と半導体超微粒子イオン性液体型モノマー溶液との蛍光スペクトル特性の比較を示す図。 本発明の一実施例によって得た半導体超微粒子の重合前及び重合後の発光スペクトル特性を比較した図。
符号の説明
10…水
11…陽イオン性半導体超微粒子
12…イオン性液体
13…イオン性液体型モノマー
[本実施例の半導体超微粒子を含有する液体組成物の製造方法]
まず、本発明の一実施例による半導体超微粒子を含有する液体組成物の製造方法について説明する。図1はこの製造方法の製造工程を示すフローチャートである。
まず水溶液で陽イオン性分子で表面が被覆された半導体超微粒子(以下、陽イオン性半導体超微粒子という)の合成を行う(ステップS1)。これは従来知られている水性合成法(具体的には例えば上記非特許文献2に記載の方法)を利用することができる。このときに水溶液中に含まれる陽イオン性半導体超微粒子11は、図3に示すように、例えばテルル化カドミウム(CdTe)等の半導体超微粒子の表面を四級アンモニウム基を持つ陽イオン性分子が被覆している構造である。一方、これとは別に疎水性イオン性液体12を用意する。ここでは、図4に示すような構造を有するイミダゾリウムカチオンを構成要素とする疎水性イオン性液体を使用している。なお、本願発明者は自らこうしたイオン性液体を合成したが、同様の分子としては例えばフルカ(Fluka)社が市販するプロダクトNo.77896の1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム・ビス(トリフロロメチルサルホニル)イミド酸(1-butyl-3-methylimidazolium bis(trifluoromethylsulfonyl)imide)などがある。
そして、図2(a)、(b)に示すように、陽イオン性半導体超微粒子11が水10に溶解(分散)した水溶液(半導体超微粒子水溶液)をイオン性液体12に混合する(ステップS2)。イオン性液体12は疎水性であり、その比重(上記例では1.4程度)は水よりも大きいため、図2(c)に示すように上相が半導体超微粒子水溶液、下相がイオン性液体12と完全に上下二相に分離する(ステップS3)。
次に上記液体を所定時間、具体的には例えば数分程度、撹拌する(ステップS4)。なお、このステップにおいては、半導体超微粒子水溶液と疎水性のイオン性液体12とが十分に混合されればよく、より短時間で両者が混合されれば工程時間を短縮することが可能である。イオン性液体12は高イオン伝導性を有しており、水溶液中に存在する半導体超微粒子11はイオン性液体12に対して親和性が非常に高い陽イオン性分子で表面が被覆されている。そのため、撹拌によって、水溶液中の半導体超微粒子11はより存在し易いイオン性液体12中に次々に移動する。水とイオン性液体とは混じり合うことはないから、上記のように所定時間撹拌を行った後に、すぐに上下二相に相分離する。但し、半導体超微粒子11はその殆ど全てがイオン性液体12中に移動しており、図2(d)に示すように、上相は水10、下相が半導体超微粒子11を含むイオン性液体12となる(ステップS5)。 本願発明者らの実験によれば、数分程度の撹拌によって、上相の水中に残留する半導体超微粒子は検出不可能な程度にまで減少し、99.99%以上の半導体超微粒子がイオン性液体中に移動したことが確認できた。
その後に、デカンテーション及び乾燥によって上相の水10を除去し(ステップS6)、図2(e)に示すように、下相に残った半導体超微粒子イオン性液体溶液を取り出す(ステップS7)。この後に、特性を向上させるために、例えば80〜150℃の温度条件で1〜20分程度の加熱処理を施す(ステップS8)。なお、イオン性液体自体は不揮発性であるため、加熱処理によっても半導体超微粒子の含有濃度は一定に維持される。このようにして、半導体超微粒子を含有する液体組成物として半導体超微粒子イオン性液体溶液を得ることができる。
[本実施例の半導体超微粒子を含有する液体組成物の特性]
上記のようにして製造される半導体超微粒子を含有する液体組成物の特性を説明する。図5は図2(c)中のつまり撹拌処理前の上相の半導体超微粒子水溶液と図2(d)中のつまり撹拌処理後の下相の半導体超微粒子イオン性液体溶液との吸収スペクトル特性を比較した図、図6は所定の励起光を照射したときに放出される蛍光スペクトル特性を比較した図である。また、図8は図2(c)の状態の容器と図2(d)の状態の容器とにそれぞれ励起光を照射したときの蛍光の放出状態を捉えた図である。
図5より、吸収スペクトルについてはその形状及び大きさが水溶液とイオン性液体溶液とで殆ど変化しておらず、吸収特性が維持されていることが分かる。一方、図6より、蛍光強度はイオン性液体溶液のほうが水溶液よりも強くなっていることが分かる。定量的に表すべく蛍光量子収率φfで言うと、水溶液の場合にはφfが10〜20%であるのに対し、イオン性液体溶液ではφfが30%程度にまで改善される。このように、蛍光の発光効率は高くなる。また、図8で分かるように、撹拌後には上相の水は蛍光を放出しておらず、半導体超微粒子が殆ど完全にイオン性液体中に移動していることが分かる。即ち、上記製造方法により、当初水溶液中で合成した半導体超微粒子を無駄にすることなく、非常に有効に利用できることが分かる。
また、上記ステップS8の加熱処理によって、半導体超微粒子イオン性液体溶液の蛍光量子効率はさらに改善される。本願発明者の実験によれば、加熱処理によってφfは30%から50〜70%にまで改善される。一般に、半導体超微粒子が水中に存在している場合、半導体超微粒子の存在の安定性はあまり高くないため、半導体超微粒子水溶液を加熱処理すると水溶液中で急激な粒子成長が起こり、粒径が大きくなり過ぎて蛍光強度が激減したり粒子が黒色沈殿化を起こしたりする。それに対し、この半導体超微粒子イオン性液体溶液ではこうした不具合が発生するどころか、特性が改善されるという好ましい結果をもたらす。
図7は、蛍光を発生させるために励起光を連続的に照射した場合の蛍光強度の時間的変化を実測した結果を示す図である。図7に示すように、水溶液の場合には光の照射開始からすぐに蛍光強度の低下が始まり、90分経過後には1/2程度にまで下がってしまう。即ち、半減期は約1.5時間である。これに対し、イオン性液体溶液では励起光の照射開始から120分経過後でも数%程度の強度低下に収まり、半減期は約30時間である。このように、本実施例による半導体超微粒子を含有する液体組成物では長時間の使用に対する蛍光特性の安定性が向上する。
図9は、液体窒素(-196℃)で冷却したときの蛍光放出状態の相違を示す図である。このときには水溶液、イオン性液体溶液のいずれもが凍結している。図9に示すように、水溶液では蛍光強度が顕著に低下しているのに対し、イオン性液体溶液ではかなり高い蛍光強度を維持している。したがって、本実施例によるイオン性液体溶液はこうしたごく低温の環境下でも殆ど問題なく使用することができ、使用温度範囲が非常に広がる。実際上、-180℃以下のごく低い温度から120℃以上の高温までの幅広い温度範囲で、本実施例の半導体超微粒子を含有する液体組成物は高い蛍光強度を保つことが確認できた。
[本実施例の半導体超微粒子を含有する樹脂組成物の製造方法]
本発明の一実施例による半導体超微粒子を含有する樹脂組成物の製造方法について説明する。図10はこの製造方法の製造工程を示すフローチャートである。
まず水溶液で陽イオン性半導体超微粒子の合成を行う(ステップS11)。本樹脂に用いることができる陽イオン性半導体超微粒子は、上述の半導体超微粒子を含有する液体組成物において用いるものと同一のものであるため、上記ステップS1と同様の方法で合成を行えばよい。
イオン性液体型モノマー13を用意する。ここでは、図12に示すような構造を有するモノマーを構成要素とするイオン性液体型モノマーを使用している。
そして、陽イオン性半導体超微粒子11が水10に溶解(分散)した水溶液をイオン性液体型モノマー13に混合する(ステップS12)。この場合も、イオン性液体型モノマー13は疎水性であり、その比重が水よりも大きいため、図11(a)に示すように上相が半導体超微粒子水溶液、下相がイオン性液体型モノマー13と完全に上下二相に分離する(ステップS13)。
次に、上記液体を所定時間、具体的には例えば数分間程度、撹拌する(ステップS14)と、水溶液中の半導体超微粒子11がより存在し易いイオン性液体型モノマー13中に次々と移動し、所定時間撹拌を行った後には、上下二相に相分離する。このステップにおいては、半導体超微粒子水溶液と疎水性のイオン性液体型モノマー13とが十分に混合される程度に撹拌を行えばよい。図11(b)に示すように、上相が水10、下相が半導体超微粒子11を含むイオン性液体型モノマー13(すなわち、半導体超微粒子イオン性液体型モノマー溶液)となる(ステップS15)。
その後、デカンテーション及び乾燥によって上相の水10を除去し(ステップS16)、図11(c)に示すように、下相に残った半導体超微粒子イオン性液体型モノマー溶液を取り出す(ステップS17)。この後に、上述の液体組成物の場合(ステップS8)と同様に、蛍光量子効率をさらに向上させるために、例えば80〜150℃の温度条件で1〜20分程度の加熱処理を施す(ステップS18)。
続いて、こうして得た半導体超微粒子イオン性液体型モノマー溶液を凍結脱気後、架橋剤と開始剤を添加し、所定条件下、例えば温度条件60℃、3時間のような条件で重合を行う。ここでは、架橋剤として例えば10mol%のジエチレングリコールジメタクリレート及び開始剤として1mol%のAIBN(2,2'-アゾビスイソブチロニトリル)を使用し、ラジカル重合反応を進行させる。なお、重合は、加熱以外の方法で、例えば紫外線照射によって行っても構わない。このようにして、半導体超微粒子を含有する樹脂組成物を得ることができる。
なお、上記例では重合前に加熱処理を行ったが、同様の温度条件並びに時間条件において、重合後に加熱処理を行っても同様の効果を得ることができる。また、重合時に80〜150℃の温度条件で加熱処理を行う、すなわち通常の重合よりも高い温度条件で重合処理を行うことによっても、同様の効果を得ることが可能である。
[本実施例の半導体超微粒子を含有する樹脂組成物の特性]
上記のようにして製造される半導体超微粒子を含有する樹脂組成物の特性を説明する。この樹脂組成物の特性は、本発明に係る液体組成物の有する優れた特性を兼ね備えている。図13は図11(a)中のすなわち撹拌処理前の上相の半導体超微粒子水溶液と図11(b)中のすなわち撹拌処理後の下相の半導体超微粒子イオン性液体型モノマー溶液との吸収スペクトル特性を比較した図である。なお、本例では、2種類の異なるサイズ(直径が約2.0nm及び3.4nm)のCdTe超微粒子を用いている。図14は所定の励起光を照射したときに放出される蛍光スペクトル特性を比較した図である。図15は、本実施例によって得ることができる半導体超微粒子イオン性液体型モノマー溶液(重合前)及び半導体超微粒子を含有する樹脂組成物(重合後)の発光スペクトル特性を比較した図である。
図13より、半導体超微粒子水溶液と半導体超微粒子イオン性液体型モノマー溶液とでは、吸収スペクトルの形状及び大きさが殆ど変化しておらず、吸収特性が維持されていることが分かる。図14より、蛍光強度は半導体超微粒子イオン性液体型モノマー溶液の方が半導体超微粒子水溶液よりも強くなり、蛍光の発光効率が高くなることが確認される。蛍光量子収率φfは水溶液中の場合、10〜20%であるのに対し、半導体超微粒子イオン性液体型モノマー溶液中では、35〜65%に向上する。また、粒子の直径が大きくなると蛍光発光波長が高くなることから、粒子のサイズを調節することにより色相を変化させることが可能であることが分かる。
図15からは、重合を行っても発光強度の低下は殆ど発生することがなく、むしろ発光強度の上昇も起こり得ることが分かった。重合後の蛍光量子収率として50〜70%の値が得られており、従来報告されている値が40%以下であることと比較して、本発明に係る半導体超微粒子を含有する樹脂組成物が、従来提案されてきたものよりも遙かに優れた特性を有することが明らかとなった。
[本実施例の半導体超微粒子を含有する液体組成物及び樹脂組成物の応用分野]
以上説明したように本実施例による半導体超微粒子を含有する液体組成物及び半導体超微粒子を含有する樹脂組成物は、半導体超微粒子水溶液と同様の吸収スペクトルを有しながら蛍光量子収率は高く、高い強度で以て蛍光を放出し得る。また、励起光の連続照射に対する蛍光の放出の時間的安定性が高く、ごく低い温度環境下でも使用が可能であるという大きな利点を有している。これら半導体超微粒子を含有する液体組成物及び半導体超微粒子を含有する樹脂組成物は、両者共に優れた特性を有しているため、使用形態やその目的に応じて使い易いものを適宜選択することができ、その自由度や応用範囲はきわめて広い。
(1)電気化学発光(ELC)素子への応用: 例えば二枚の電極間に本発明に係る液体組成物又は樹脂組成物を保持する。この電極間に電圧を印加するとイオン性液体溶液中又は樹脂中の半導体超微粒子の粒子径に応じた波長の発光光が放出される。特に樹脂の場合、デバイス形状に応じた成形加工を容易に行うことができるというメリットがある。
(2)レーザ媒質への応用: 本発明に係る液体組成物又は樹脂組成物をレーザ媒質として励起レーザ光を照射すると、イオン性液体溶液中又は樹脂中の半導体超微粒子の粒子径に応じた長波長のレーザ光が出射される。この場合、強励起しても溶媒(イオン性液体)の気化泡発生が生じないという利点がある。特に、樹脂とした場合、容器が不要となるので容器壁による損失を防止し、大きな出力のレーザを得ることができる。
(3)蛍光センサへの応用: 検出対象物質を吸着するセンサ面に本発明に係る液体組成物又は樹脂組成物を保持する。通常、半導体超微粒子からは蛍光光が放出されるが、臭気成分、TNT火薬などの特定成分がセンサ面に吸着されると、半導体超微粒子からの蛍光光の輝度が下がったり蛍光光が放出されなくなったり、或いは蛍光光の発光波長(色)が変化したりする。これにより、検知対象成分が存在することが認識できる。また、一旦吸着した成分は加熱等の脱気処理により除去することができるが、イオン性液体は気化しないため加熱による変性や特性劣化もなく繰り返し再使用することができる。取り扱い易さや携帯性を向上させるために樹脂組成物を使用することももちろんできる。なお、こうした蛍光センサは、例えば食品管理、環境管理、地雷検知など、様々な用途に使用できる。
(4)太陽電池: 電流取り出し用の電極に接触して本発明に係る液体組成物又は樹脂組成物を保持する。これらの組成物に太陽光が照射されると、半導体超微粒子が電子を放出し、この電子が電極に流れることで電流が発生する。液体組成物を利用するか、樹脂組成物を利用するかによって、湿式か乾式かを選択することができる。樹脂の方が設置等の際に取り扱いが容易である上、液漏れの問題も存在しない。さらに、樹脂の場合には液体封止機構が不要となるため、軽量化も達成される。したがって、一般家屋の屋根の上に載置する場合等に有利である。
(5)インクへの応用: 各種インクに本発明に係る液体組成物又は樹脂組成物を分散させることにより、偽造防止用インクとする。インクの種類や印刷用途に合わせて、溶液か樹脂かを適宜選択すればよい。例えば、インクジェットプリンタなどに利用される吹き付け用液状インクには、本発明に係る液体組成物を適量添加すればよい。レーザプリンタや各種コピー機などに利用される粉末インクであるトナーには、微粉状の樹脂組成物を適量添加すればよい。本発明に係る半導体超微粒子は、所定波長の励起光が当たると、所定の波長(色)の蛍光光が放出される。この所定波長をコピー機の読み取り光の波長に合わせることにより、このインクを用いて印刷された印刷物をコピーすると、隠された文字や図形が出現して複写されたり、基となる原稿の色と異なる色で複写されるようにすることができ、偽造防止が可能となる。また、このことを利用すれば、印刷物の真贋判定を行うこともできる。本発明の半導体超微粒子を含有する組成物は、液体状であっても、樹脂状であっても、蛍光量子収率が高く、添加量が少なくても十分の発光強度を得ることができるため、コスト的に有利である。また、粒径が数nmであり、従来提案されてきた偽造防止インクに用いられてきた粒子の大きさと比較すると遙かに微細であるため、印刷機や複写機のノズル詰まりが発生することもないという長所も兼ね備えている。
(6)2光子吸収材料への応用: 本発明に係る液体組成物又は樹脂組成物に波長800nm付近の短パルスレーザ光を照射すると、500nmから600nmを中心波長とする発光が観測される。これは、同時に2つの励起光光子を吸収する2光子吸収によって引き起こされる蛍光発光現象である。2光子吸収の確率は光強度の2乗に比例することから、光強度が強い場合に特に顕著に観測される。2光子吸収材料はレーザ光の強度安定化や、強い放射光に対する光検出器の保護のために用いられるオプティカルリミッタ用の材料として応用することが提案されている。2光子吸収に伴う光化学反応を利用した三次元光記録用の材料も提案されている。後者の場合、2光子吸収が収束レーザ光の焦点近傍で優先的に進行することを利用し、記録媒体内に対する多層光記録が実現する。半導体超微粒子は比較的効率良く2光子吸収現象を示すことが知られており、オプティカルリミッタへの応用が可能である。本発明に係る液体組成物又は樹脂組成物は効率良く2光子吸収を起こすことを確認しており、容易に薄膜化が可能であり、安定性、光学的な透明性、コスト面などでもメリットが大きく、上記オプティカルリミッタや光メモリの他、各種の2光子吸収材料への応用が可能である。
なお、上記各実施例は一例であって、本発明の趣旨の範囲で適宜変形や修正を行っても、本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。

Claims (19)

  1. 陽イオン性分子で表面が被覆された半導体超微粒子がイオン性液体中に分散されて成る、半導体超微粒子を含有する液体組成物。
  2. 前記半導体超微粒子は、カルコゲン化合半導体超微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の半導体超微粒子を含有する液体組成物。
  3. 前記陽イオン性分子は四級アンモニウム基を有するイオン性有機分子であり、
    前記イオン性液体は、下記の一般式(1)〜(4)のいずれかで表されるカチオンと、アニオン(A-)より成るものであることを特徴とする請求項2に記載の半導体超微粒子を含有する液体組成物。
    Figure 2006054402
    Figure 2006054402
    Figure 2006054402
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    但し、上記式(1)〜(4)において、Rは炭素数12以下のアルキル基又はエーテル結合を含み炭素と酸素の合計数が12以下であるアルキル基を表し、式(1)においてR1、R2は炭素数1〜4のアルキル基又は水素原子を表す。式(3)、(4)において、xは1〜4の整数を表す。
  4. 陽イオン性分子で表面が被覆された半導体超微粒子が陽イオン性高分子中に分散されて成る、半導体超微粒子を含有する樹脂組成物。
  5. 前記半導体超微粒子は、カルコゲン化合半導体超微粒子であることを特徴とする請求項4に記載の半導体超微粒子を含有する樹脂組成物。
  6. 前記陽イオン性分子は四級アンモニウム基を有するイオン性有機分子であり、
    前記陽イオン性高分子は、下記の一般式(5)〜(8)のいずれかで表されるカチオンと、アニオン(A-)より成るイオン性液体型モノマーを重合して得られるものであることを特徴とする請求項5に記載の半導体超微粒子を含有する樹脂組成物。
    Figure 2006054402
    Figure 2006054402
    Figure 2006054402
    Figure 2006054402
    但し、上記式(5)〜(8)において、Rは炭素数12以下のアルキル基又はエーテル結合を含み炭素と酸素の合計数が12以下であるアルキル基を表し、式(5)においてR3、R4はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基を含み、R3、R4のいずれか又は両方に一箇所以上の二重結合を含む官能基を表す。式(7)、(8)において、xは1〜4の整数を表す。
  7. イオン性液体中に半導体超微粒子が分散した液体組成物を製造する方法であって、
    陽イオン性分子で表面が被覆された半導体超微粒子が水中に分散した水溶液を疎水性イオン性液体に加え、その混合液を撹拌し、その後に相分離した上相の水を除去することにより、半導体超微粒子が分散されて成るイオン性液体を得るようにしたことを特徴とする、半導体超微粒子を含有する液体組成物の製造方法。
  8. 前記半導体超微粒子が分散されて成るイオン性液体に対し、加熱処理を加えることを特徴とする請求項7に記載の半導体超微粒子を含有する液体組成物の製造方法。
  9. 前記半導体超微粒子はカルコゲン化合半導体超微粒子であることを特徴とする請求項7又は8に記載の半導体超微粒子を含有する液体組成物の製造方法。
  10. 前記陽イオン性分子は四級アンモニウム基を有するイオン性有機分子であり、
    前記イオン性液体は、下記の一般式(1)〜(4)のいずれかで表されるカチオンと、アニオン(A-)より成るものであることを特徴とする請求項9に記載の半導体超微粒子を含有する液体組成物の製造方法。
    Figure 2006054402
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    Figure 2006054402
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    但し、上記式(1)〜(4)において、Rは炭素数12以下のアルキル基又はエーテル結合を含み炭素と酸素の合計数が12以下であるアルキル基を表し、式(1)においてR1、R2は炭素数1〜4のアルキル基又は水素原子を表す。式(3)、(4)において、xは1〜4の整数を表す。
  11. 陽イオン性高分子中に半導体超微粒子が分散した樹脂組成物を製造する方法であって、
    陽イオン性分子で表面が被覆された半導体超微粒子が水中に分散した水溶液を疎水性イオン性液体型モノマーに加え、その混合液を撹拌し、その後に相分離した上相の水を除去し、重合することにより、半導体超微粒子が分散されて成る陽イオン性高分子を得ることを特徴とする半導体超微粒子を含有する樹脂組成物の製造方法。
  12. 前記重合前、重合時、重合後のいずれかにおいて加熱処理を加えることを特徴とする請求項11に記載の半導体超微粒子を含有する樹脂組成物の製造方法。
  13. 前記半導体超微粒子はカルコゲン化合半導体超微粒子であることを特徴とする請求項11又は12に記載の半導体超微粒子を含有する樹脂組成物の製造方法。
  14. 前記陽イオン性分子は四級アンモニウム基を有するイオン性有機分子であり、
    前記イオン性液体型モノマーは、下記の一般式(5)〜(8)のいずれかで表されるカチオンと、アニオン(A-)より成るものであることを特徴とする請求項13に記載の半導体超微粒子を含有する樹脂組成物の製造方法。
    Figure 2006054402
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    Figure 2006054402
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    但し、上記式(5)〜(8)において、Rは炭素数12以下のアルキル基又はエーテル結合を含み炭素と酸素の合計数が12以下であるアルキル基を表し、式(5)においてR3、R4はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基を含み、R3、R4のいずれか又は両方に一箇所以上の二重結合を含む官能基を表す。式(7)、(8)において、xは1〜4の整数を表す。
  15. 陽イオン性分子で表面が被覆された半導体超微粒子がイオン性液体型モノマー中に分散されて成る半導体超微粒子モノマー溶液を重合することにより得られる、半導体超微粒子を含有する樹脂組成物。
  16. 前記半導体超微粒子は、カルコゲン化合半導体超微粒子であることを特徴とする請求項15に記載の半導体超微粒子を含有する樹脂組成物。
  17. 前記陽イオン性分子は四級アンモニウム基を有するイオン性有機分子であり、
    前記イオン性液体型モノマーは、下記の一般式(5)〜(8)のいずれかで表されるカチオンと、アニオン(A-)より成るものであることを特徴とする請求項16に記載の半導体超微粒子を含有する樹脂組成物。
    Figure 2006054402
    Figure 2006054402
    Figure 2006054402
    Figure 2006054402
    但し、上記式(5)〜(8)において、Rは炭素数12以下のアルキル基又はエーテル結合を含み炭素と酸素の合計数が12以下であるアルキル基を表し、式(5)においてR3、R4はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基を含み、R3、R4のいずれか又は両方に一箇所以上の二重結合を含む官能基を表す。式(7)、(8)において、xは1〜4の整数を表す。
  18. 請求項1〜6、15〜17のいずれかに記載の液体組成物又は樹脂組成物をインク中に分散させたことを特徴とする偽造防止用インク。
  19. 請求項1〜6、15〜17のいずれかに記載の液体組成物又は樹脂組成物を含有し、2光子吸収を動作原理として作動することを特徴とする光機能性材料。

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