JPH11322307A - 変性無機酸化物ゾル及びその製造方法 - Google Patents

変性無機酸化物ゾル及びその製造方法

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JPH11322307A
JPH11322307A JP13352398A JP13352398A JPH11322307A JP H11322307 A JPH11322307 A JP H11322307A JP 13352398 A JP13352398 A JP 13352398A JP 13352398 A JP13352398 A JP 13352398A JP H11322307 A JPH11322307 A JP H11322307A
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inorganic oxide
modified
quaternary ammonium
average particle
particle diameter
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JP13352398A
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Inventor
Fuminori Fukamachi
文範 深町
Kunihisa Tabuchi
訓久 田淵
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Konica Minolta Chemical Co Ltd
Original Assignee
Konica Minolta Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】樹脂やプラスチックフィルム、繊維、塗料及び
接着剤の透明性帯電防止剤の成分として、又は導電性フ
ィラー、ハードコート剤組成物、難燃剤、トナー用組成
物、化粧料、重合性組成物など、種々の用途に好適に使
用される微粒子状変性無機酸化物とそのオルガノゾルを
提供する 【解決手段】無機酸化物のヒドロゾルに、4級アンモニ
ウム塩溶液を添加することにより、表面が4級アンモニ
ウムイオンで被覆された変性無機酸化物コロイド粒子を
生成させ、濾過後、上記コロイド粒子を乾燥して、表面
が4級アンモニウムイオンで被覆された変性無機酸化物
コロイド粒子を製造する。または、無機酸化物のヒドロ
ゾルに、4級アンモニウム塩を有機溶媒に溶かした溶液
を接触させることにより、表面が4級アンモニウムイオ
ンで被覆された変性無機酸化物コロイド粒子を生成させ
るとともに、有機層に抽出し、分液操作により、上記コ
ロイド粒子を含む有機層を分離して、表面が4級アンモ
ニウムイオンで被覆された変性無機酸化物コロイド粒子
のオルガノゾルを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平均粒子径が2〜
100ミリミクロンの無機酸化物コロイド粒子表面を、
有機陽イオンで被覆することによって形成された、平均
粒子径が4〜500ミリミクロンの変性無機酸化物コロ
イド粒子のゾル及びその製造方法に関する。
【0002】本発明の変性無機酸化物ゾルは、樹脂やプ
ラスチックフィルム、繊維、塗料及び接着剤の透明性帯
電防止剤の成分として、又は導電性フィラー、ハードコ
ート剤組成物、難燃剤、トナー用組成物、化粧料、重合
性組成物など、種々の用途に好適に使用することができ
る。
【0003】
【従来の技術】既に種々の無機酸化物ゾルが知られてお
り、無機酸化物と有機化合物との複合化が検討されてい
る。例えば、特公−2593296号公報には、Al,
Ti,Sn等の陽性無機酸化物ヒドロゾルに陰イオン界
面活性剤を吸着させた紫外線吸収材が記載されている。
しかし、この方法では通常陰性である無機酸化物のヒド
ロゾルについては、ヒドロゾル中の陽イオンを水洗で完
全に除去してから、酸を加えて、陽性の無機酸化物ヒド
ロゾルにする必要が有る。そのため、作業効率上望まし
くなく、且つ水洗により多大な廃液を生じる。なおか
つ、通常無機酸化物の等電点はpH4〜10の範囲に有
ることが知られており、この領域を経て陰性から陽性に
する事から、途中の等電点付近で無機酸化物が凝集した
りゲル化するので、得られた変性無機酸化物の、分散性
が損なわれるなどの問題があった。
【0004】さらに、陽性のヒドロゾルに陰イオン界面
活性剤水溶液を加えて、変性無機酸化物を凝集沈降させ
た後は、濾取乾燥してから溶媒に分散するか、溶媒抽出
してオルガノゾルにするため、ヒドロゾルと陰イオン界
面活性剤水溶液を使用した中から変性無機酸化物を除い
た分は、ろ液や水層として、やはり多大な廃水となって
生じる。
【0005】また、これら従来の変性無機酸化物ゾルを
塗料や樹脂の成分として用いるには、決して満足できる
ものではなかった。すなわち、陰イオン界面活性剤を化
学吸着させているため、経時で吸湿して陰イオン界面活
性剤の遊離が発生し、塗膜や樹脂表面の性質劣化を招く
という問題があった。
【0006】特開昭62−183850号には、スズ化
合物のヒドロゾルをオルガノゾルにする方法として、蒸
留操作による溶媒置換が示されている。しかし、この場
合に得られるオルガノゾルは、大過剰な有機溶媒とエネ
ルギーを消費して水を留去しても、まだ1%もの水分が
残るばかりでなく、プロトン性有機溶媒によるオルガノ
ゾルに限られるという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の変性無機酸化物
ゾル、特に陰性の変性無機酸化物ゾルを塗料や樹脂の成
分として用いるには、決して満足できるものではなかっ
た。加えて製造方法としても、その洗浄や溶媒置換の際
に、多大な溶液とエネルギーを消費し、さらに、水洗や
分離又は抽出を行う際に、限外濾過法など特殊な設備を
必要とし、操作も煩雑である。
【0008】
【課題を解決するための手段】ヒドロゾル中で陰性の無
機酸化物は、負の表面電荷を有していることが知られて
いる。本発明者らは、その特徴に着目し無機酸化物を基
材としその表面を有機陽イオンで被覆することを検討し
た。その結果、4級アンモニウム塩を無機酸化物のヒド
ロゾルに添加すれば、無機酸化物表面を4級アンモニウ
ムイオンが均一に修飾し、この生成物を水洗、濾取、乾
燥したものは、無機酸化物の特徴を保持しつつ、有機溶
媒への分散性が良好で、透明な変性無機酸化物のオルガ
ノゾルが得られることを見いだした。この場合、4級ア
ンモニウム塩溶液を無機酸化物のヒドロゾルに添加すれ
ば良いが、4級アンモニウム塩の種類によっては、水溶
性が低く、希薄な溶液しか得られない場合も有る。この
点に対して、本発明者らは水溶性の低い4級アンモニウ
ム塩でも、有機溶媒への溶解性は高いことに着目し、水
と相互に溶解しない有機溶媒で4級アンモニウム塩溶液
を調製し、これを無機酸化物のヒドロゾルと混合させる
ことで、容易に変性無機酸化物のオルガノゾルが得られ
ることを見出した。
【0009】本発明は、下記一般式(I)と一般式(I
I)で示される4級アンモニウムイオンで表面修飾し
た、変性無機酸化物のゾル。他の発明は陰性無機酸化物
のヒドロゾルに、4級アンモニウム塩溶液を加えて、生
じる沈殿物を濾取乾燥することによる、変性無機酸化物
の製造方法に関する。また、他の発明は陰性無機酸化物
のヒドロゾルと、4級アンモニウム塩の有機溶媒溶液を
接触させることによる、変性無機酸化物とそのオルガノ
ゾルの製造方法に関する。
【0010】
【化1】
【0011】ここで、R1〜R6はアルキル基を示す。こ
こでいうアルキル基とは、直鎖脂肪族、枝分かれの有る
脂肪族に加えて、芳香族が含まれても良い。R1〜R4
アルキル基は低級アルキル基、または高級アルキル基
で、低級アルキル基と高級アルキル基の組み合わせでも
良い。低級アルキル基としては、好ましくはC1〜C4
で、とくに好ましくはメチル、エチルである。高級アル
キル基としては、好ましくはC12〜C18のアルキル
基で、とくに好ましくはドデシル、オクタデシルであ
る。好ましい置換基の組み合わせは、R1とR2がC1〜
C4のアルキル基であり、R3とR4がC12〜C18の
アルキル基である場合と、R1とR2及びR3がC1〜C
4のアルキル基であり、R4がC12〜C18のアルキ
ル基の場合である。R5とR6のアルキル基は低級アルキ
ル基、または高級アルキル基で、低級アルキル基と高級
アルキル基の組み合わせでも良い。R5の高級アルキル
基としては、好ましくはC12〜C18のアルキル基
で、とくに好ましくはドデシル、オクタデシルである。
【0012】本発明で用いる4級アンモニウムイオンは
陽イオン界面活性剤や相間移動触媒などとして知られて
おり、例えば脂肪族4級アンモニウム塩として、塩化テ
トラメチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウ
ム、臭化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラ−n−
ブチルアンモニウム、ヨウ化テトラ−n−ブチルアンモ
ニウム、テトラブチルアンモニウムハイドロゲンサルフ
ェート、塩化トリオクチルメチルアンモニム、臭化ラウ
リルトリメチルアンモニウム、臭化ジラウリルジメチル
アンモニウム等が、ベンザルコニウム塩として、塩化ベ
ンゼトニウム等が、アルキルピリジニウム塩として、塩
化N−ラウリルピリジニウム、塩化N−ラウリルピコリ
ニウム、塩化N−ラウリル−4−ピコリニウム、塩化N
−ベンジルピコリニウム等が、他に臭化トリメチルフェ
ニルアンモニウム、塩化トリメチルベンジルアンモニウ
ム、塩化トリエチルベンジルアンモニウム、塩化トリブ
チルベンジルアンモニウム、臭化トリエチルベンジルア
ンモニウム、イミダゾリニウム塩等が挙げられ、このう
ち特に臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化ジラ
ウリルジメチルアンモニウムを用いるのが好ましい。
【0013】本発明でオルガノゾルを形成する際に用い
る有機溶媒の例としては、メチルアルコール、エチルア
ルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、
アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、トルエ
ン、キシレン等の芳香族類、スチレンモノマー、アクリ
ル酸エステル、メタクリル酸エステルなどのモノマー類
が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、お互い
に組み合わせて用いても良い。
【0014】本発明において無機酸化物とは、例えば、
Al23、Y23、Sb23、In23、Bi23、T
iO2、ZrO2、SnO2、CeO2、TeO2、Sb2
3、Nb23、Ta23、ZnO等が挙げられる。
【0015】用いられる上記無機酸化物のコロイド粒子
は、公知の方法、例えば、イオン交換法、解膠法、加水
分解法、反応法等と呼ばれる方法により、2〜100ミ
リミクロン程度の平均粒子径を有する無機酸化物ヒドロ
ゾルの形態で容易に得られる。
【0016】上記のようなヒドロゾルに、4級アンモニ
ウム塩溶液を添加すると、負電荷を帯びた無機酸化物コ
ロイドの表面は、4級アンモニウムイオンで被覆されて
親油性となり、凝集して変性無機酸化物の沈殿を生じ
る。この沈殿物は、濾過、水洗した後、例えば、常圧下
や減圧下で、温度0〜150℃程度で乾燥される。上記
濾過は濾過助剤などを必要とせず、容易に行われる。ま
た、乾燥後の粉体は指で押さえると容易につぶせる程度
の凝集体である。そのため、凍結乾燥機やスプレードラ
イヤーなどで乾燥すると、非常に嵩密度の大きい粉体が
得られる。
【0017】ここで用いる、4級アンモニウム塩溶液の
溶媒としては、水または水と有機溶媒の混液が用いられ
る。有機溶媒を添加する目的は、水溶性の低い4級アン
モニウム塩の溶解度を上げることに有る。その添加量は
4級アンモニウム塩の溶解度が改善され、ヒドロゾルの
ゲル化を招かない程度であれば良く、好ましくは4級ア
ンモニウム塩溶液中の5〜50重量%である。また添加
する有機溶媒の種類については、水溶性有機溶媒が好ま
しく、さらに好ましくはアセトン、メチルアルコール、
エチルアルコール等が用いられる。なお、有機溶媒の添
加は必ずしも必要ではない。4級アンモニウム塩溶液の
4級アンモニウム塩濃度は、1〜10%程度が好まし
く、特に生産効率の面からは飽和溶液が好ましい。
【0018】こうして、得られた変性無機酸化物の粉体
に有機溶媒を加えると、室温下でも自然に解膠して、透
明な変性無機酸化物のオルガノゾルが得られる。より迅
速にオルガノゾルを得るために、撹拌を加えたり、40
〜120℃程度まで加温しても良い。超音波槽などの分
散機を用いても良いが、必ずしも必要ではない。変性無
機酸化物コロイドの粉体1重量部に対して、有機溶媒は
所望の量を用いれば良いが、10〜100重量部を加え
ると分散が容易である。得られるオルガノゾルは安定な
ので、分散後に10〜60%程度の濃度まで濃縮するこ
とができる。
【0019】また、本発明でオルガノゾルを形成する際
に用いる有機溶媒が水と互いに混じり合わない場合に
は、次の方法がある。すなわち、4級アンモニウム塩の
有機溶媒中溶液と無機酸化物のヒドロゾルとを混合して
接触させると、まず有機層から水層に4級アンモニウム
塩が移動し、負電荷を帯びた無機酸化物コロイドの表面
は、4級アンモニウムイオンで被覆されて親油性とな
り、生じた変性無機酸化物が有機層に移動する。その
後、水層と有機層とに分液し有機層を取り出すと、変性
無機酸化物のオルガノゾルが得られる。この操作は液液
抽出として既知の方法、装置等を用いて行えばよく、操
作温度は20〜120℃程度の範囲で行うことが出来る
が、分離を容易にするには40℃程度の温度で行うと都
合がよい。
【0020】本発明においては、ヒドロゾル中の無機酸
化物を変性するだけの4級アンモニウム塩を用いればよ
い。4級アンモニウムイオンは互いに2層吸着して親水
性が高くなる性質を有しているので、過剰に加えると変
性無機酸化物ゾルの親油性を低下させるばかりか、吸湿
を招くことがあるので、必要によって除去する。この2
層吸着は物理吸着であり、洗浄によって容易に除去でき
る。
【0021】また、4級アンモニウムイオンは、その機
構は定かでないが、陰性無機酸化物を化学的に修飾す
る。陰イオン界面活性剤と無機酸化物との間に起こる化
学吸着とは異なり、吸湿による修飾基の遊離といった問
題は生じないので、従来にない優れた性質を持つ。
【0022】
【作用】本発明の変性無機酸化物ゾルには透明性無機酸
化物が含有されており、しかもほとんどの有機溶媒に対
して、迅速且つ容易に分散できるから、任意の濃度のオ
ルガノゾルを極めて簡便に且つ自在に製造できる。
【0023】又、本発明の変性無機酸化物ゾルの製造方
法によれば、オルガノゾルの製造工程数を減ずることが
でき、収率にも優れ、しかも不要な廃液を出さないか
ら、生産性が著しく向上する作用がある。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下実施例
にもとづき具体的に説明するが、本発明はこれらの実施
例によって限定される物ではない。実施例の中で、%と
あるのは重量基準である。
【0025】実施例1 酸化スズ(SnO2)の透明なヒドロゾルとして、EP
S−6(山中化学製、濃度6%、pH=9.9)500
mlを撹拌し、臭化ラウリルトリメチルアンモニウムの
6%水溶液200mlを30分掛けて滴下する。滴下終
了後、さらに30分間撹拌を続けた。そうして生じた変
性酸化スズの白色沈殿物を濾過、水洗後、真空乾燥機で
恒量に達するまで乾燥する。乾燥して得られた粉体42
gに、メチルアルコールを400ml加え、60℃で3
0分撹拌し、わずかにゲル色で透明な変性酸化スズの1
0%オルガノゾルを得た。
【0026】このオルガノゾルを1ヶ月間室温で放置し
たが、失透や増粘といった変化はいっさい見られなかっ
た。
【0027】また、その粒度分布をレーザー光回折散乱
式粒度分布計(島津製作所製SALD−2000A)で
測定したところ、平均粒子径が370ミリミクロンだっ
た。このことは、透過型電子顕微鏡で観察しても確認さ
れた。
【0028】さらに、上記乾燥粉体を赤外スペクトルと
TG−DTA曲線を観察した。赤外スペクトルから酸化
スズとラウリルトリメチルアンモニウム基それぞれの特
性吸収が観察された。また、TG−DTA曲線から所定
量のラウリルトリメチルアンモニウム基に帰属する質量
減少が観察された。これによりラウリルトリメチルアン
モニウム基で表面修飾された酸化スズが得られたと確認
された。また、上記乾燥粉体の粉末X線回折スペクトル
を測定したところ、スズ石の構造を持ち、多結晶である
ことが確認された。
【0029】実施例2 臭化ジラウリルジメチルアンモニウムの1%水溶液2L
を撹拌し、酸化スズ(SnO2)の透明なヒドロゾルと
して、EPS−6(山中化学製、濃度6%、pH=9.
9)500mlを30分掛けて滴下する。そうして生じ
た変性酸化スズの白色沈殿物を減圧濾過、水洗後、70
℃の恒温乾燥機で恒量に達するまで乾燥する。乾燥して
得られた粉体47gに、トルエンを400ml加え、6
0℃で30分撹拌し、無色透明な変性酸化スズの12%
オルガノゾルを得た。
【0030】このオルガノゾルを1ヶ月間室温で放置し
たが、失透や増粘といった変化はいっさい見られなかっ
た。
【0031】また、その粒度分布を実施例1と同様にし
て測定したところ、測定下限である30ミリミクロン以
下だった。このことは、透過型電子顕微鏡で観察しても
確認された。
【0032】さらに、上記乾燥粉末を水中に没して、1
ヶ月間室温で放置したが、水中でのジラウリルジメチル
アンモニウムイオン濃度の増加は認められなかった。
【0033】実施例3 臭化ジラウリルジメチルアンモニウム18.5gをトル
エン500mlに溶解し、酸化スズ(SnO2)の透明
なヒドロゾルとして、EPS−6(山中化学製、濃度6
%、pH=9.9)500mlを加える。続いて40℃
で10分撹拌し、1時間静置すると、無色透明な2層に
分離する。下層を抜き去り、40℃のイオン交換水50
0mlを加えて10分撹拌し、1時間静置後、下層を抜
き去る。残る上層が変性酸化スズの9.5%オルガノゾ
ルとして得られる。
【0034】このオルガノゾルを室温で1ヶ月間放置し
たが、失透や増粘といった変化はいっさい見られなかっ
た。
【0035】また、その粒度分布を実施例1と同様にし
て測定したところ、測定下限である30ミリミクロン以
下だった。このことは、透過型電子顕微鏡で観察しても
確認された。
【0036】さらに、このオルガノゾルを70℃減圧濃
縮により、濃縮して変性酸化スズの60%オルガノゾル
にしても、失透や増粘といった変化はいっさい見られな
かった。
【0037】さらに、上記オルガノゾル中の溶媒である
トルエンを蒸散、濃縮して得られる乾燥粉体の赤外スペ
クトルを測定したところ、酸化スズとジラウリルジメチ
ルアンモニウム基それぞれの特性吸収が観察され、ジラ
ウリルジメチルアンモニウム基で表面修飾された酸化ス
ズが得られたと確認された。
【0038】実施例4 臭化ジラウリルジメチルアンモニウム18.5gをトル
エンに500mlに溶解し、アンチモンをドープした酸
化スズ(SnO2)の透明なヒドロゾルとして、SN−
38F(石原産業製)500mlを加える。続いて40
℃で10分撹拌し、1時間静置すると、無色透明な2層
に分離する。下層を抜き去り、40℃のイオン交換水5
00mlを加えて10分撹拌し、1時間静置後、下層を
抜き去る。残る上層が変性したアンチモンドープ酸化ス
ズのオルガノゾルとして得られる。
【0039】このオルガノゾルを室温で1ヶ月間放置し
たが、失透や増粘といった変化はいっさい見られなかっ
た。さらに、このオルガノゾルを70℃減圧濃縮によ
り、変成したアンチモンドープ酸化スズの60%オルガ
ノゾルにしても、失透や増粘といった変化はいっさい見
られなかった。
【0040】また、その粒度分布を実施例1と同様にし
て測定したところ、測定下限である30ミリミクロン以
下だった。このことは、透過型電子顕微鏡で観察しても
確認された。
【0041】さらに、上記オルガノゾル中の溶媒である
トルエンを蒸散、濃縮して得られる乾燥粉体の赤外スペ
クトルを測定したところ、酸化スズとジラウリルジメチ
ルアンモニウム基それぞれの特性吸収が観察された。加
えて蛍光X線分析からアンチモンの組成を測定し、ジラ
ウリルジメチルアンモニウム基で表面修飾されたアンチ
モンドープ酸化スズが得られたと確認された。
【0042】実施例5 実施例2と同様にして得られた粉体47gに、スチレン
モノマーを400ml加え、25℃で30分撹拌し、無
色透明なオルガノゾルを得た。
【0043】
【表1】 ここでいう修飾率とは、変性無機酸化物中の無機酸化物
質量を基準とした、4級アンモニウム基質量の百分率を
意味する。
【0044】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明における
変性無機酸化物とは、4級アンモニウムイオンで表面修
飾した無機酸化物のコロイド粒子であり、平均粒子径が
4〜500ミリミクロンと微細かつ、有機溶媒への分散
性に優れ、透明なオルガノゾルを形成する。従って、た
とえば樹脂やプラスチックフィルム、繊維、塗料及び接
着剤の透明性帯電防止剤の成分として、又は導電性フィ
ラー、ハードコート剤組成物、難燃剤、トナー用組成
物、化粧料、重合性組成物など、種々の用途に好適に使
用することが出来る。
【0045】また本発明の変性無機酸化物の製造方法
は、ヒドロゾル中の無機酸化物を4級アンモニウムイオ
ンで変性し、分散性の良い粉体で取り出す他、オルガノ
ゾルとしても取り出すので、製造工程中での凝集やゲル
化による劣化を免れ、また、製造工程が簡素化されて生
産性が向上する。しかも、従来のような限外濾過装置が
不要になるので、結局これらの要素により変性無機酸化
物を工業的に、しかも安価に製造できる等の効果があ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 9/04 C08K 9/04 C08L 101/00 C08L 101/00 C09C 3/08 C09C 3/08 C09D 7/12 C09D 7/12 Z C09J 11/04 C09J 11/04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2〜100ミリミクロンの平均粒子径を
    有する無機酸化物のコロイド粒子を核としてその表面
    が、有機陽イオンで被覆されることによって形成され
    た、平均粒子径が4〜500ミリミクロンの変性無機酸
    化物コロイド粒子。
  2. 【請求項2】 2〜100ミリミクロンの平均粒子径を
    有する無機酸化物のコロイド粒子を核としてその表面
    が、4級アンモニウムイオンで被覆されることによって
    形成された、平均粒子径が4〜500ミリミクロンの変
    性無機酸化物コロイド粒子。
  3. 【請求項3】 2〜100ミリミクロンの平均粒子径を
    有する無機酸化物のコロイド粒子を核としてその表面
    が、4級アンモニウムイオンで被覆されることによって
    形成された、平均粒子径が4〜500ミリミクロンの変
    性無機酸化物コロイド粒子からなり、そしてこれら全変
    性無機酸化物を5〜60重量%含む安定なゾル。
  4. 【請求項4】 平均粒子径が2〜100ミリミクロンの
    無機酸化物のコロイド粒子を、このゾルに含まれる当該
    無機酸化物として100重量部と、4級アンモニウム塩
    を10〜100重量部の比率に混合することを特徴とす
    る、請求項(2)に記載の変性無機酸化物コロイド粒子
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項(2)に記載の変性無機酸化物コ
    ロイド粒子で、無機酸化物が酸化スズであるか、酸化ス
    ズを成分として含む変性無機酸化物コロイド粒子。
  6. 【請求項6】 請求項(5)に記載の変性無機酸化物コ
    ロイド粒子の製造方法。
JP13352398A 1998-05-15 1998-05-15 変性無機酸化物ゾル及びその製造方法 Withdrawn JPH11322307A (ja)

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