JP2728172B2 - スズ・アンチモン複合酸化物ゾルの製造方法 - Google Patents

スズ・アンチモン複合酸化物ゾルの製造方法

Info

Publication number
JP2728172B2
JP2728172B2 JP1041285A JP4128589A JP2728172B2 JP 2728172 B2 JP2728172 B2 JP 2728172B2 JP 1041285 A JP1041285 A JP 1041285A JP 4128589 A JP4128589 A JP 4128589A JP 2728172 B2 JP2728172 B2 JP 2728172B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tin
antimony
composite oxide
antimony composite
sol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1041285A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02221124A (ja
Inventor
昌亘 沓掛
一昭 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHOKUBAI KASEI KOGYO KK
Original Assignee
SHOKUBAI KASEI KOGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHOKUBAI KASEI KOGYO KK filed Critical SHOKUBAI KASEI KOGYO KK
Priority to JP1041285A priority Critical patent/JP2728172B2/ja
Publication of JPH02221124A publication Critical patent/JPH02221124A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2728172B2 publication Critical patent/JP2728172B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01GCOMPOUNDS CONTAINING METALS NOT COVERED BY SUBCLASSES C01D OR C01F
    • C01G30/00Compounds of antimony
    • C01G30/02Antimonates; Antimonites
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01GCOMPOUNDS CONTAINING METALS NOT COVERED BY SUBCLASSES C01D OR C01F
    • C01G19/00Compounds of tin
    • C01G19/02Oxides

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、スズ・アンチモン複合酸化物ゾルの製造方
法および導電性スズ・アンチモン複合酸化物粉末の製造
方法ならびに導電性スズ・アンチモン複合酸化物被膜付
基板に関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 スズ・アンチモン複合酸化物は、高い導電性を有する
ため、プラスチックあるいは塗料などに配合すると、導
電性を有するプラスチックあるいは導電性膜形成用塗料
などが得られる。
従来、導電性材料としてのスズ・アンチモン複合酸化
物粉末は、スズ塩の水溶液にアンチモンを含むアルカリ
水溶液を添加して中和して得られる沈澱を洗浄・乾燥・
焼成する方法、あるいはCVD(Chemical Vapor Depositi
on)法などによって製造されていた。しかしながら、最
近に至って、プラスチックあるいは塗料に配合した際
に、均一に分散し易く、高い導電性を示す微細なスズ・
アンチモン複合酸化物粉末の要求が高まり、スズ・アン
チモン複合酸化物をコロイド粒子として得る方法が種々
提案されている。
たとえば、特開昭62−230617号公報には、アンチモン
などの異種元素をドープした酸化スズゾルが開示されて
おり、該ゾルの製造方法として、異種元素をドープした
酸化錫粉末を、酸水溶液またはアルカリ水溶液中で加熱
処理する方法が記載されている。また、特開昭62−2230
19号公報には、スズ化合物およびアンチモン化合物と、
重炭酸アルカリ金属塩または重炭酸アンモニウム塩とを
反応させてゲルを生成した後、アンモニアを添加して水
熱処理することからなる結晶質酸化スズ・アンチモンゾ
ルの製造方法が開示されている。そしてまた、特開昭63
−112421号公報には、アンチモンをドープした易分散性
導電性酸化スズ粉末を製造する方法として、アンチモン
塩を含む第一スズ塩の溶液とアルカリ溶液との反応混合
物中に酸化剤を加えることによって直接に酸化物を得る
方法が記載されている。
しかしながら、従来の方法で得られるスズ・アンチモ
ン複合酸化物ゾルは、ゾルの状態では必ずしも満足のい
く導電性を有しておらず、また、導電性材料としてのス
ズ・アンチモン複合酸化物粉末は、分散性、導電性およ
び製造コストなどの点で満足のいくものではなかった。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決
しようとするものであって、粒子径が小さくかつ粒子径
分布が狭く、しかも水溶液中に存在していても高い導電
性を示すスズ・アンチモン複合酸化物ゾルの製造方法を
提供することを目的としている。
また本発明は、高温で焼成しなくとも高い導電性を示
し、しかも粒子径が小さく分散性に優れ、その上安価な
スズ・アンチモン複合酸化物粉末の製造方法を提供する
ことを目的としている。
さらに本発明は、高い導電性を示し、しかも透明性に
優れたスズ・アンチモン複合酸化物被膜が表面に設けら
れた導電性スズ・アンチモン複合酸化物被覆付基板を提
供することを目的としている。
発明の概要 本発明に係るスズ・アンチモン複合酸化物ゾルの製造
方法は、スズ化合物およびアンチモン化合物を含有する
水溶液または酸化スズ水和物および酸化アンチモン水和
物の分散液に過酸化水素を添加し、次いで加熱して水熱
処理することを特徴としている。
また、本発明に係る導電性スズ・アンチモン複合酸化
物粉末の製造方法は、スズ化合物およびアンチモン化合
物を含有する水溶液または酸化スズ水和物および酸化ア
ンチモン水和物の分散液に過酸化水素を添加し、次いで
加熱して水熱処理してスズ・アンチモン複合酸化物ゾル
を調製し、得られたゾルを乾燥することを特徴としてい
る。
さらに、本発明に係る導電性スズ・アンチモン複合酸
化物被膜付基板は、上記のようにして得られるスズ・ア
ンチモン複合酸化物ゾルを基板上に塗布するか、あるい
は上記のようにして得られる導電性スズ・アンチモン複
合酸化物粉末を含む塗布液を基板上に塗布することによ
って製造される。
発明の具体的説明 以下、本発明に係るスズ・アンチモン複合酸化物ゾル
の製造方法および導電性スズ・アンチモン複合酸化物粉
末の製造方法ならびに導電性スズ・アンチモン複合酸化
物被膜付基板について具体的に説明する。
本発明ではスズ化合物としては、スズ酸カリウム、ス
ズ酸ナトリウムなどのスズ酸アルカリ塩、スズ酸、塩化
第一スズ、塩化第二スズ、硫酸第一スズ、酢酸スズ、修
酸第一スズなどが用いられ、アンチモン化合物として
は、吐酒石(酒石酸アンチモニルカリウム)、アンチモ
ン酸カリウム、塩化アンチモン、硫酸アンチモンなどが
用いられる。
スズ化合物およびアンチモン化合物を含有する水溶液
を調製する際には、スズ酸アルカリ塩と吐酒石とを組合
せて用いたり、あるいは塩化スズと塩化アンチモンとを
組合せて用いることが好ましい。
また酸化スズ水和物および酸化アンチモン水和物の分
散液を調製するためには、スズ化合物の酸性水溶液また
はアルカリ水溶液と、アンチモン化合物のアルカリ水溶
液または酸性水溶液とを混合することにより中和反応さ
せて、共沈ゲルとする方法、塩化第二スズなどのスズ塩
水溶液を中和加水分解して得られる酸化スズ水和物ゲル
と塩化アンチモンなどのアンチモン水溶液を中和加水分
解して得られる酸化アンチモン水和物ゲルとを混合する
方法など公知の方法を使用することが可能である。
上記、水溶液または分散液中でのスズとアンチモンと
の割合は、Sb2O5/SnO2重量比で2/98〜32/68の範囲、好
ましくは6/94〜21/79の範囲に調製することが望まし
い。Sb2O5の量がSb2O5/SnO2の重量比で2/98未満である
と、導電性が小さくなる傾向が生じ、また、Sb2O5/SnO2
の重量比で32/68を超えると、やはり導電性が小さくな
る傾向が生ずる。
上記のようなスズ化合物およびアンチモン化合物を含
有する水溶液では、スズ化合物およびアンチモン化合物
は、酸化物として合計で0.1〜10重量%好ましくは0.5〜
2重量%の量で存在していることが望ましい。また酸化
スズ水和物および酸化アンチモン水和物の分散液では、
酸化スズ水和物および酸化アンチモン水和物は、酸化物
として合計で0.1〜10重量%好ましくは0.5〜2重量%の
量で存在していることが望ましい。
本発明では、上記のようなスズ化合物およびアンチモ
ン化合物を含有する水溶液を、必要に応じて陽イオン交
換樹脂を通してアルカリイオンを除去した後、この水溶
液に過酸化水素を添加し、次いで水熱処理するとスズ・
アンチモン複合酸化物ゾルが得られる。
上記水溶液中に含まれるアルカリイオンは、伝導度が
100μs/cm以下になるまで除去されていることが望まし
い。
添加する過酸化水素は、SnO2とSb2O5との合計モル数
1モルに対して、0.5モル以上好ましくは1.0〜30モルの
範囲で添加されることが望ましい。
また本発明では、酸化スズ水和物および酸化アンチモ
ン水和物の分散液を、上記水溶液の場合と同様にして、
必要に応じて公知の方法で処理して該分散液中に含まれ
るアルカリイオンを好ましくは該分散液の伝導度が100
μs/cm以下となるまで除去した後、過酸化水素を上記の
ような量で添加し、次いで加熱することにより水熱処理
を行なうと、スズ・アンチモン複合酸化物ゾルが得られ
る。
過酸化水素の添加は、該水溶液または該分散液に所定
量の10〜35重量%の過酸化水素水を添加した後、徐々に
加熱するか、または50℃以上に加熱された該水溶液また
は該分散液に所定量の10〜35重量%の過酸化水素水を徐
々に添加することもできる。
上記のようにしてスズ化合物およびアンチモン化合物
を含有する水溶液または酸化スズ水和物および酸化アン
チモン水和物の分散液に過酸化水素を添加した後、該水
溶液または分散液を加熱することによって水熱処理する
が、この水熱処理は、オートクレーブ中で、撹拌下に10
0〜370℃好ましくは150〜250℃の温度で、0.5〜40時間
行なうことが望ましい。
このようにして上記の水溶液または分散液を処理する
ことによって、スズ・アンチモン複合酸化物ゾルが得ら
れ、このゾルは粒子径が小さく、かつ粒子径分布が狭
く、しかも水溶液中に存在していても高い導電性を示
す。
上記水熱処理により得られたスズ・アンチモン複合酸
化物ゾルを、蒸発法または限外濾過膜法などの公知の方
法で濃縮し、酸化物として0.5〜30重量%好ましくは10
〜20重量%の範囲に濃度調整して、スズ・アンチモン複
合酸化物ゾルとすることが好ましい。
上記のようにして得られるスズ・アンチモン複合酸化
物ゾルは、コロイド粒子の平均粒子径が30mμ以下の範
囲にあり、その粒子径分布は非常に狭い範囲にあるた
め、このゾルを基板上に塗布して得られる被膜組成物
は、透明性に優れている。
次に導電性スズ・アンチモン複合酸化物粉末の製造方
法について説明すると、この導電性スズ・アンチモン複
合酸化物粉末は、上記のようにして得られたスズ・アン
チモン複合酸化物ゾルを乾燥することにより得られる。
スズ・アンチモン複合酸化物ゾルの乾燥は、通常の方法
で分散媒としての水を除去することによって行なわれ
る。
このようにして得られる導電性スズ・アンチモン複合
酸化物粉末は、高温で焼成しなくても高い導電性を示
す。これに対して従来公知の導電性酸化物粉末は、400
℃以上の高温で焼成して始めて導電性を示す。このよう
に本発明の方法で得られるスズ・アンチモン複合酸化物
ゾルまたは酸化物粉末は、焼成工程を必要としないの
で、安価に導電性酸化物を製造することができる。な
お、本発明の導電性スズ・アンチモン複合酸化物粉末の
製造方法では、スズ・アンチモン複合酸化物ゾルの水を
除去した後、高温で焼成して粉末とすることもできる
が、この焼成工程は必ずしも必要ではない。
次に導電性スズ・アンチモン複合酸化物被膜付基板に
ついて説明すると、この導電性スズ・アンチモン複合酸
化物被膜付基板は、上記のようなスズ・アンチモン複合
酸化物ゾルまたは該導電性スズ・アンチモン複合酸化物
粉末を含む塗布液を通常の方法で調製して、これを基板
上に通常の方法で塗布して得ることができる。
たとえば、上記スズ・アンチモン複合酸化物ゾルを、
基板上に塗布すると、導電性スズ・アンチモン複合酸化
物被膜付基板が得られる。また、該ゾルとバインダー樹
脂とを有機溶媒に分散した塗布液を基板上に塗布して
も、導電性スズ・アンチモン複合酸化物被膜付基板が得
られる。また、上記スズ・アンチモン複合酸化物粉末と
バインダー樹脂とを有機溶媒中に分散させて得られる塗
布液を、基板上に塗布しても、導電性スズ・アンチモン
複合酸化物被膜付基板が得られる。
このようにして得られた導電性スズ・アンチモン複合
酸化物被膜付基板は、高温に焼成しなくても高い導電性
を示す。
したがって本発明によれば、耐熱性に乏しい有機重合
体基板などの上にも高い導電性を示すスズ・アンチモン
複合酸化物被膜を形成することができる。
発明の効果 本発明によれば、粒子径が小さく、かつ粒子径分布が
狭く、しかも高温で焼成しなくとも高い導電性を示すス
ズ・アンチモン複合酸化物ゾルが得られ、このゾルは帯
電防止などの導電性材料としての用途に加えて、メガネ
のコート剤などとしても用いることができる。また、本
発明で得られる導電性スズ・アンチモン複合酸化物ゾル
は、基板上に塗布すれば、高温に焼成することなく高い
導電性を有する被膜を基板上に形成することができる。
また本発明で得られる導電性スズ・アンチモン複合酸
化物粉末は、分散媒への分散性が非常に良いうえに、焼
成することなく高い導電性を示すため、導電性被膜を形
成する際に用いることができる。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。
実施例1 Sb2O2/SnO2=20.8/79.2(重量比)となるようにスズ
酸カリウム19.84部および吐酒石5.43部を2475部の水に
溶解させた。この溶解液を陽イオン交換樹脂に通して脱
イオンを行ない、pH2.8の溶液を得た。
次にこの溶液を約100℃で20分間撹拌し、黄透明な液
を得た。この溶液2500部に35%過酸化水素水150部を徐
々に加え、再び約100℃にて30分間撹拌し、オートクレ
ーブで200℃で20時間撹拌しながら水熱処理を行なった
後、濃度を調整して、酸化物として10重量%のスズ・ア
ンチモン複合酸化物ゾルを得た。
このゾルのコロイド粒子径を電子顕微鏡法で測定した
ところ、平均粒子径は8mμであった。
このスズ・アンチモン複合酸化物ゾルの一部を110℃
で16時間乾燥して導電性スズ・アンチモン複合酸化物粉
末を得た。この複合酸化物粉末の結晶構造をX線回析で
調べたところ、酸化アンチモンが酸化スズ構造に固溶し
たスズ石構造を示していた。また、この粉末を100kg/cm
2Gの加圧下で粉体抵抗を測定したところ、600Ωcmであ
った。
次に上記ゾルを厚さ2mmの並板ガラスに#2バーコー
ターで塗布し、200℃で1時間乾燥して導電性スズ・ア
ンチモン複合酸化物被膜付基板を得た。
この被膜付基板の表面抵抗は、6.0×106Ω/□であ
り、被膜の厚さは0.5μmであった。
実施例2 Sb2O5/SnO2=10.5/89.5(重量比)となるようにスズ
酸カリウム22.32部および吐酒石2.71部を2475部の水に
溶解させた。この溶解液を陽イオン交換樹脂に通して脱
イオンを行ない、pH3.2の溶液を得た。
この液を約100℃にて20分間撹拌し、黄透明な液を得
た。この溶液2500部に35%過酸化水素水150部を加え、
再び約100℃にて30分間撹拌した後、オートクレーブで2
00℃、21時間撹拌しながら水熱処理を行ない、次いで濃
度を調整してスズ・アンチモン複合酸化物ゾルを得た。
このスズ・アンチモン複合酸化物ゾルの一部を実施例
1と同様にして導電性スズ・アンチモン複合酸化物粉末
を調製した。
この粉末を100kg/cm2Gの加圧下で粉体抵抗を測定した
ところ、289Ωcmであった。
実施例3 実施例2と同様にして作成した液に、35%過酸化水素
水を150部の代りに15部添加した後、約100℃、30分間撹
拌した後、オートクレーブで200℃、37時間水熱処理を
行ない、スズ・アンチモン複合酸化物ゾルを得た。
このゾルを110℃で乾燥後、100kg/cm2Gの加圧下で粉
体抵抗を測定したところ、160Ωcmであった。
実施例4 Sb2O5/SnO2=20.8/79.2(重量比)となるようにスズ
酸カリウム19.84部およびアンチモン酸カリウム4.27部
を水2476部に溶解させた。
この溶解液を陽イオン交換樹脂に通して脱イオンを行
ない、pH3.2の溶液を得た。
この溶液2500部に35%過酸化水素水150部を加え、約1
00℃にて40分間撹拌した後、オートクレーブに移し、20
0℃で20時間撹拌しながら水熱処理を行なって、スズ・
アンチモン複合酸化物ゾルを得た。
このゾルを110℃で乾燥後、100kg/cm2Gの加圧下で粉
体抵抗を測定したところ、3.9KΩcmであった。
実施例5 実施例1と同様であるが、オートクレーブによる水熱
処理条件を200℃、20時間の代りに200℃、4時間として
スズ・アンチモン複合酸化物ゾルを得た。このスズ・ア
ンチモン複合酸化物ゾルを110℃で乾燥した後、X線回
析で結晶構造を調べたところ、酸化アンチモンが酸化ス
ズ構造に固溶したスズ石構造を示していた。
また、乾燥粉末を100kg/cm2Gの加圧下で粉体抵抗を測
定したところ、1.06KΩcmであった。
次にこのスズ・アンチモン複合酸化物ゾルの固形分濃
度を約10%に調整した液を2mm厚の並板ガラスに#2バ
ーコーターで塗布し、200℃で1時間乾燥した後の塗膜
の表面抵抗は、3×106Ω/□であり、このときの塗膜
の厚さは0.7μであった。
比較例1 塩化第二スズ9.82部、三塩化アンチモン1.15部および
36%塩酸4.61部を水65.3部に混合溶解した。これを24.5
%の重炭酸アンモニウム水溶液78部に撹拌しながら1時
間で添加した。この時の沈澱生成ゲルのpHは8.1であっ
た。生成したゲルを濾液に塩素イオンが認められなくな
るまで良く濾過洗浄し、このゲル10部に1%アンモニア
水を撹拌しながら添加し、pH10.5のゲル状スラリーを作
った。このときの固形分濃度は約35%であった。次にこ
のゲル状スラリーをオートクレーブに移し、200℃で19
時間の水熱処理を行ない、透明で褐色の溶液を得た。こ
の液を110℃にて乾燥後、100kg/cm2Gの加圧下で粉体抵
抗を測定した10.5KΩ・cmであった。また、この粉末を
X線回析により結晶構造を調べたところ、実施例1と同
様スズ石の構造を示していた。透過型電子顕微鏡により
本溶液を観察すると、5〜6mμの粒子径であることがわ
かった。
比較例2 Sb2O2/SnO2=20.8/79.2(重量比)となるようにスズ
酸カリウム19.84部および吐酒石5.43部を2475部の水に
溶解させた。この溶解液を陽イオン交換樹脂に通して脱
イオンを行ない、pH2.8の溶液を得た。次にこの溶液を
約100℃で20分間撹拌し、黄透明な液を得た。この溶液2
500部に35%過酸化水素水150部を加え、再び約100℃に
て30分間撹拌して黄透明な溶液を得た。
この黄透明な溶液を水熱処理をしないで110℃、16時
間乾燥して導電性スズ・アンチモン複合酸化物粉末を得
た。
この粉末を100kg/cm2の加圧下で粉体抵抗を測定した
ところ、14.8KΩ・cmであった。
比較例3 Sb2O5/SnO2=10.5/89.5(重量比)となるようにスズ
酸カリウム22.32部および吐酒石2.71部を2475部の水に
溶解させた。この溶解液を陽イオン交換樹脂に通して脱
イオンを行ない、pH3.2の溶液を得た。この液を約100℃
にて20分間撹拌し、黄透明な液を得た。この溶液に過酸
化水素を加えることなく、オートクレーブで200℃、21
時間撹拌しながら水熱処理を行ない、ゲル状沈澱物を含
む液を得た。
この沈澱物を含む液を110℃で16時間乾燥して導電性
スズ・アンチモン複合酸化物粉末を得た。
この粉末を100kg/cm2Gの加圧下で粉体抵抗を測定した
ところ、216KΩ・cmであった。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スズ化合物およびアンチモン化合物を含有
    する水溶液、または酸化スズ水和物および酸化アンチモ
    ン水和物の分散液に過酸化水素を添加し、次いで水熱処
    理することを特徴とするスズ・アンチモン複合酸化物ゾ
    ルの製造方法。
  2. 【請求項2】スズ化合物およびアンチモン化合物を含有
    する水溶液、または酸化スズ水和物および酸化アンチモ
    ン水和物の分散液に過酸化水素を添加し、次いで水熱処
    理してスズ・アンチモン複合酸化物ゾルを調製し、得ら
    れたゾルを乾燥することを特徴とする導電性スズ・アン
    チモン複合酸化物粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項第1項記載のスズ・アンチモン複合
    酸化物ゾルまたは請求項第2項記載の導電性スズ・アン
    チモン複合酸化物粉末を含む塗布液を基板上に塗布して
    なる導電性スズ・アンチモン複合酸化物被膜付基板。
JP1041285A 1989-02-21 1989-02-21 スズ・アンチモン複合酸化物ゾルの製造方法 Expired - Fee Related JP2728172B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1041285A JP2728172B2 (ja) 1989-02-21 1989-02-21 スズ・アンチモン複合酸化物ゾルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1041285A JP2728172B2 (ja) 1989-02-21 1989-02-21 スズ・アンチモン複合酸化物ゾルの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02221124A JPH02221124A (ja) 1990-09-04
JP2728172B2 true JP2728172B2 (ja) 1998-03-18

Family

ID=12604175

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1041285A Expired - Fee Related JP2728172B2 (ja) 1989-02-21 1989-02-21 スズ・アンチモン複合酸化物ゾルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2728172B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE69130921T2 (de) * 1990-11-21 1999-06-24 Catalysts & Chem Ind Co Überzugslösung zur bildung eines durchsichtigen, leitfähigen films, verfahren zu deren herstellung, leitfähiges substrat, verfahren zur dessen herstellung, und anzeigevorrichtung mit einem durchsichtigen, leitfähigen substrat
CN111977687B (zh) * 2020-09-08 2024-03-26 锡矿山闪星锑业有限责任公司 一种胶体五氧化二锑的制作装置及方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62223019A (ja) * 1986-03-19 1987-10-01 Taki Chem Co Ltd 結晶質酸化スズ・アンチモンゾル及びその製造方法
JPS62278705A (ja) * 1986-05-26 1987-12-03 多木化学株式会社 透明導電材料
JPH0679964B2 (ja) * 1986-10-29 1994-10-12 三菱マテリアル株式会社 アンチモンド−プ酸化スズ粉末の製造法
JPH0228549B2 (ja) * 1986-12-19 1990-06-25 Taki Chemical Ketsushoshitsusankasuzu*anchimonzorunoseizohoho

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02221124A (ja) 1990-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2783417B2 (ja) ルチル型酸化チタンゾルの製造法
US4775412A (en) Aqueous sol of crystalline tin oxide solid solution containing antimony, and production thereof
EP0763573A2 (en) Flaky aluminum oxide and pearlescent pigment, and production thereof
US5273822A (en) Fibrous electrically-conductive filler and process for producing the same
JP4113938B2 (ja) 酸化タングステンの製造方法
US5756009A (en) Process for the production of an electro-conductive oxide particle
JP3515034B2 (ja) 酸化チタンゾル及びその製造方法
JPH0811693B2 (ja) チタニアゾルおよびその製造方法
JPH0649576B2 (ja) 陽に帯電した五酸化アンチモンゾル及びその製造法
JP2728172B2 (ja) スズ・アンチモン複合酸化物ゾルの製造方法
JPH07100611B2 (ja) 改質チタニアゾルの製造方法
JPS61141616A (ja) 導電性二酸化チタン微粉末及びその製造方法
CN1132885C (zh) 浅色片状导电颜料的制备方法
JP3609159B2 (ja) 針状導電性アンチモン含有酸化錫微粉末及びその製造方法
US5612087A (en) Method for preparing a fibrous electrically conductive filler
JPH06650B2 (ja) 酸化チタン・酸化セリウム複合系ゾルおよびこのゾルから形成された透明薄膜
DE4237355A1 (de) Elektrisch leitfähige Pigmente mit einer sie umhüllenden fluordotierten Zinnoxidschicht
JPH1111947A (ja) アンチモンドープ酸化錫粉末の製造方法とこれを含む塗料
JP4078660B2 (ja) 導電性酸化チタンとその製法およびこれを含有したプラスチック組成物
US4100074A (en) Antimony trioxide composition and process of producing the same
JPS62207717A (ja) 結晶質酸化スズゾル及びその製造方法
JP2858271B2 (ja) 導電性微粉末の製造方法
JP3222955B2 (ja) 透明導電性粉末及びその製造方法
JP2844012B2 (ja) 導電性微粉末およびその製造方法
JPH0134466B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees