JP2017175163A - 発光装置または発光装置用蛍光体含有シート - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体ナノ粒子蛍光体の凝集による劣化を防止しながら作製できる蛍光体含有粒子を用いた発光装置、蛍光体含有シートを提供する。【解決手段】光源と、半導体ナノ粒子蛍光体と、重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂とを含み、前記半導体ナノ粒子蛍光体が前記樹脂中に分散された蛍光体含有粒子が透光性を有する媒体中に分散された波長変換部とを備える発光装置。半導体ナノ粒子蛍光体と、重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂とを含み、前記半導体ナノ粒子蛍光体が前記樹脂中に分散された蛍光体含有粒子が、シート状の透光性を有する媒体中に分散された、蛍光体含有シート。【選択図】図1
Description
本発明は、発光装置または発光装置用蛍光体含有シートに関する。
半導体ナノ粒子蛍光体(量子ドットとも呼ばれる)は、量子サイズ効果によりサイズ可変な(size−tuneable)電子特性から、商業的関心が持たれている。サイズ可変な電子特性は、生体標識、太陽光発電、触媒作用、生体撮像、LED、一般的な空間照明、及び電子発光ディスプレイなどの様々な用途に利用できる。
たとえば特表2013−505347号公報(特許文献1)には、各1次粒子が、1次マトリックス材料から構成されており、半導体ナノ粒子の集団を含み、各1次粒子は、表面コーティング材料の層が個別に与えられており、1次粒子がマイクロビーズの形態で与えられており、表面コーティング材料がポリマー材料を含む、コーティングされた複数の1次粒子が開示されている。このようにコーティングされた複数の1次粒子を作製することで、周囲環境および1次粒子作製後の処理工程に対して反応性を小さくすることができる。
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術では、1次マトリックス材料として、エポキシ、シリコーン、(メタ)アクリレートなどの樹脂や、シリカなどを用いている。半導体ナノ粒子蛍光体をシリコーンやアクリレートなどの封入材に直接配合すると、ナノ粒子が凝集し、光学特性が低くなるなど劣化したり、封入後に酸素が封入材を通ってナノ粒子の表面に移動して光酸化を起こして、その結果量子収率が低下するといった問題があった。
特許文献1では、このような問題を解決するために、予めポリマーやガラスなどのマトリックス材料中に複数の半導体ナノ粒子を保持し、その表面をコーティングした1次粒子を作製し、これをシリコーンやアクリレートなどのホストLED材料に埋め込む方法が提案されている(特許文献1の図8を参照)。しかしながら、この方法では、1次粒子のマトリックス材料がホストLED材料と同様であるため、1次粒子作製時にナノ粒子が凝集して光学特性が低くなるといった問題が依然として残っていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、半導体ナノ粒子蛍光体の凝集による劣化を防止しながら作製できる蛍光体含有粒子を用いた発光装置、蛍光体含有シートを提供することである。
本発明の発光装置は、光源と、蛍光体含有粒子が透光性を有する媒体中に分散された波長変換部と、を備え、前記蛍光体含有粒子は、半導体ナノ粒子蛍光体と、重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂とを含み、前記半導体ナノ粒子蛍光体が前記樹脂中に分散されており、前記イオン性液体が、下記一般式(I)
X+Y− (I)
で示され、一般式(I)中、X+は、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ホスホニウムイオン、脂肪族四級アンモニウムイオン、ピロリジニウム、スルホニウムから選択されるカチオンであり、Y−はアニオンであることを特徴とする。
X+Y− (I)
で示され、一般式(I)中、X+は、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ホスホニウムイオン、脂肪族四級アンモニウムイオン、ピロリジニウム、スルホニウムから選択されるカチオンであり、Y−はアニオンであることを特徴とする。
本発明はまた、光源と、蛍光体含有粒子が透光性を有する媒体中に分散された波長変換部と、を備える発光装置であって、前記蛍光体含有粒子は、半導体ナノ粒子蛍光体と、重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂とを含み、前記半導体ナノ粒子蛍光体が前記樹脂中に分散されており、前記イオン性液体が、下記一般式(I)
X+Y− (I)
で示され、一般式(I)中、X+はカチオンであり、Y−は、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド酸イオン、過塩素酸イオン、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)炭素酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、カルボン酸イオン、ハロゲンイオンから選択されるアニオンである発光装置についても提供する。
X+Y− (I)
で示され、一般式(I)中、X+はカチオンであり、Y−は、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド酸イオン、過塩素酸イオン、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)炭素酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、カルボン酸イオン、ハロゲンイオンから選択されるアニオンである発光装置についても提供する。
本発明はまた、光源と、蛍光体含有粒子が透光性を有する媒体中に分散された波長変換部と、を備える発光装置であって、前記蛍光体含有粒子は、半導体ナノ粒子蛍光体と、重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂とを含み、前記半導体ナノ粒子蛍光体が前記樹脂中に分散されており、前記イオン性液体が、下記一般式(I)
X+Y− (I)
で示され、一般式(I)中、X+は、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ホスホニウムイオン、脂肪族四級アンモニウムイオン、ピロリジニウム、スルホニウムから選択されるカチオンであり、Y−は、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド酸イオン、過塩素酸イオン、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)炭素酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、カルボン酸イオン、ハロゲンイオンから選択されるアニオンである、発光装置についても提供する。
X+Y− (I)
で示され、一般式(I)中、X+は、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ホスホニウムイオン、脂肪族四級アンモニウムイオン、ピロリジニウム、スルホニウムから選択されるカチオンであり、Y−は、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド酸イオン、過塩素酸イオン、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)炭素酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、カルボン酸イオン、ハロゲンイオンから選択されるアニオンである、発光装置についても提供する。
本発明の発光装置において、前記イオン性液体におけるカチオンは脂肪族四級アンモニウムイオンであることが好ましい。
また本発明の発光装置において、前記イオン性液体におけるアニオンはビストリフルオロメチルスルホニルイミド酸イオンであることが好ましい。
本発明の発光装置用蛍光体含有シートは、蛍光体含有粒子が、シート状の透光性を有する媒体中に分散された、発光装置に用いるための蛍光体含有シートであって、前記蛍光体含有粒子は、半導体ナノ粒子蛍光体と、重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂とを含み、前記半導体ナノ粒子蛍光体が前記樹脂中に分散されており、前記イオン性液体が、下記一般式(I)
X+Y− (I)
で示され、一般式(I)中、X+はイミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ホスホニウムイオン、脂肪族四級アンモニウムイオン、ピロリジニウム、スルホニウムから選択されるカチオンであり、Y−はアニオンであることを特徴とする。
X+Y− (I)
で示され、一般式(I)中、X+はイミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ホスホニウムイオン、脂肪族四級アンモニウムイオン、ピロリジニウム、スルホニウムから選択されるカチオンであり、Y−はアニオンであることを特徴とする。
本発明はまた、蛍光体含有粒子が、シート状の透光性を有する媒体中に分散された、発光装置に用いるための蛍光体含有シートであって、前記蛍光体含有粒子は、半導体ナノ粒子蛍光体と、重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂とを含み、前記半導体ナノ粒子蛍光体が前記樹脂中に分散されており、前記イオン性液体が、下記一般式(I)
X+Y− (I)
で示され、一般式(I)中、X+は、カチオンであり、Y−は、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド酸イオン、過塩素酸イオン、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)炭素酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、カルボン酸イオン、ハロゲンイオンから選択されるアニオンである発光装置用蛍光体含有シートについても提供する。
X+Y− (I)
で示され、一般式(I)中、X+は、カチオンであり、Y−は、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド酸イオン、過塩素酸イオン、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)炭素酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、カルボン酸イオン、ハロゲンイオンから選択されるアニオンである発光装置用蛍光体含有シートについても提供する。
本発明はまた、蛍光体含有粒子が、シート状の透光性を有する媒体中に分散された、発光装置に用いるための蛍光体含有シートであって、前記蛍光体含有粒子は、半導体ナノ粒子蛍光体と、重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂とを含み、前記半導体ナノ粒子蛍光体が前記樹脂中に分散されており、前記イオン性液体が、下記一般式(I)
X+Y− (I)
で示され、一般式(I)中、X+は、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ホスホニウムイオン、脂肪族四級アンモニウムイオン、ピロリジニウム、スルホニウムから選択されるカチオンであり、Y−は、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド酸イオン、過塩素酸イオン、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)炭素酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、カルボン酸イオン、ハロゲンイオンから選択されるアニオンである発光装置用蛍光体含有シートについても提供する。
X+Y− (I)
で示され、一般式(I)中、X+は、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ホスホニウムイオン、脂肪族四級アンモニウムイオン、ピロリジニウム、スルホニウムから選択されるカチオンであり、Y−は、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド酸イオン、過塩素酸イオン、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)炭素酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、カルボン酸イオン、ハロゲンイオンから選択されるアニオンである発光装置用蛍光体含有シートについても提供する。
本発明の発光装置用蛍光体含有シートにおいて、前記イオン性液体におけるカチオンは脂肪族四級アンモニウムイオンであることが好ましい。
本発明の発光装置用蛍光体含有シートにおいて、前記イオン性液体におけるアニオンはビストリフルオロメチルスルホニルイミド酸イオンであることが好ましい。
本発明によれば、半導体ナノ粒子蛍光体を重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂中に分散させた粒子(蛍光体含有粒子)とすることで、粒子を作製する際の半導体ナノ粒子蛍光体の凝集を防止でき、高い光学特性を維持することができ、粒子を作製後にも水分と酸素による半導体ナノ粒子蛍光体の劣化を減少させることができる。これにより、高い発光効率と、優れた化学安定性とを有し、取扱い性にも優れた蛍光体含有粒子を提供することができる。また、このようにして得られた蛍光体含有粒子は、現在利用されている蛍光体と同程度の大きさに作製することによって、現在商業利用されている蛍光体と同じような形態で利用することができ、これを利用した発光装置、蛍光体含有シートなどを提供することができる。
<蛍光体含有粒子>
(第1の実施態様の蛍光体含有粒子)
図1は、本発明の第1の実施態様の蛍光体含有粒子(マイクロビーズ)1を模式的に示す図である。本発明の蛍光体含有粒子1は、半導体ナノ粒子蛍光体2と、重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂3とを含み、前記半導体ナノ粒子蛍光体2が前記樹脂3中に分散されたものであることを特徴とする。
(第1の実施態様の蛍光体含有粒子)
図1は、本発明の第1の実施態様の蛍光体含有粒子(マイクロビーズ)1を模式的に示す図である。本発明の蛍光体含有粒子1は、半導体ナノ粒子蛍光体2と、重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂3とを含み、前記半導体ナノ粒子蛍光体2が前記樹脂3中に分散されたものであることを特徴とする。
本発明に用いられる「イオン性液体」とは、常温(たとえば25℃)でも溶融状態の塩(常温溶融塩)であり、以下の一般式(I)
X+Y− (I)
で示されるものが好ましい。
X+Y− (I)
で示されるものが好ましい。
上記一般式(I)中、X+は、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ホスホニウムイオン、脂肪族四級アンモニウムイオン、ピロリジニウム、スルホニウムから選択されるカチオンである。これらの中でも、大気中での空気および水分に対する安定性に優れるという理由から、脂肪族四級アンモニウムイオンが特に好ましいカチオンとして挙げられる。
また上記一般式(I)中、Y−は、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド酸イオン、過塩素酸イオン、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)炭素酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、カルボン酸イオン、ハロゲンイオンから選択されるアニオンである。これらの中でも、大気中での空気および水分に対する安定性に優れるという理由から、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド酸イオンが特に好ましいアニオンとして挙げられる。
本発明の蛍光体含有粒子1において用いられるイオン性液体は、重合性官能基を有する。重合性官能基を有するイオン性液体を用いることで、半導体ナノ粒子蛍光体の分散液として機能するイオン性液体を、重合性官能基によりそのまま重合させることができる。このように、半導体ナノ粒子蛍光体を分散させた状態で、重合性官能基を有するイオン性液体を重合し、重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂を形成することで、半導体ナノ粒子蛍光体を分散させた樹脂を固体化させる際に起こっていた凝集などを抑制することができる。また、上述のように、半導体ナノ粒子蛍光体を、重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂中に分散させるようにすることで、半導体ナノ粒子蛍光体が静電的に安定化し、半導体ナノ粒子蛍光体を強固に保護することができ、これによって空気、水分から半導体ナノ粒子蛍光体の表面を保護することができ、発光効率の高い発光装置を実現することができる。
イオン性液体が有する重合性官能基としては、特に制限されないが、加熱や触媒反応によって重合することができるようになるため、半導体ナノ粒子蛍光体は安定に分散できている液体の状態からそのまま分散状態を維持して固体化することができることから、(メタ)アクリル酸エステル基((メタ)アクリロイルオキシ基)であることが好ましい。
このような(メタ)アクリル酸エステル基を有するイオン性液体の好適な例としては、大気中での空気および水分に対する安定性に優れるという理由から、たとえば下記式
で示される2−(メタクリロイルオキシ)−エチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、下記式
で示される1−(3−アクリロイルオキシ−プロピル)−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドなどが挙げられる。
上述のような重合性官能基を有するイオン性液体は、従来公知の適宜のイオン性液体に、従来公知の適宜の手法で重合性官能基を導入することによって得ることができるが、市販品を用いても勿論よい。
また、半導体ナノ粒子蛍光体を分散させた状態で、重合性官能基を有するイオン性液体を重合させるための温度、時間などの条件は、用いる重合性官能基を有するイオン性液体の種類、量などに応じて好適な条件が適宜選択され、特に制限されるものではない。たとえば、重合性官能基を有するイオン性液体として2−(メタクリロイルオキシ)−エチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを用いる場合には、たとえば60〜100℃の温度で1〜10時間という条件で好適に重合させることができる。またたとえば重合性官能基を有するイオン性液体として1−(3−アクリロイルオキシ−プロピル)−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを用いる場合には、たとえば60〜150℃の温度で1〜10時間という条件で好適に重合させることができる。
なお、上記重合に触媒を用いる場合、用いる触媒は特に制限されるものではなく、従来公知のたとえばアゾビスイソブチロニトリル、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオナート)などを用いることができる。中でも、重合が速く進むという理由からは、アゾビスイソブチロニトリルを触媒として用いることが好ましい。
本発明の蛍光体含有粒子1における半導体ナノ粒子蛍光体2は、可視光の散乱がない単一の蛍光体粒子であり、従来公知の適宜の半導体ナノ粒子蛍光体を特に制限なく用いることができる。半導体ナノ粒子蛍光体を用いることで、粒径制御と組成制御による発光波長の制御を精密に行なうことができるという利点がある。
半導体ナノ粒子蛍光体の原料としては、特に制限されるものではなく、半導体ナノ粒子蛍光体として従来より用いられるCdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、InN、InP、InAs、InSb、AlP、AlS、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、PbS、PbSe、Si、Ge、MgS、MgSe、MgTeから選ばれる少なくともいずれかであってよい。さらに、半導体ナノ粒子蛍光体は、当業者に知られている二成分コア型、三成分コア型、四成分コア型、コアシェル型またはコアマルチシェル型、ドープされた半導体ナノ粒子蛍光体または傾斜した半導体ナノ粒子蛍光体であってよい。図1には、1種類の半導体ナノ粒子蛍光体を、複数、重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂中に分散させた場合を示している。
半導体ナノ粒子蛍光体は、その形状については特に制限されないが、球状、ロッド状、ワイヤ状など従来公知の適宜の形状の半導体ナノ粒子蛍光体を特に制限なく用いることができる。特に、形状制御による発光特性の制御の容易さという観点からは、球状の半導体ナノ粒子蛍光体を用いることが好ましい。
半導体ナノ粒子蛍光体の粒子径は、原料および所望の発光波長に応じて適宜選択することができ、特に制限されないが、1〜20nmの範囲内であることが好ましく、2〜5nmの範囲内であることがより好ましい。半導体ナノ粒子蛍光体の粒子径が1nm未満である場合には、体積に対する表面積の割合が増えることにより、表面欠陥が支配的となり効果が低下する傾向にあるためであり、また、半導体ナノ粒子蛍光体の粒子径が20nmを超える場合には、分散状態が低下し、凝集・沈降が生じる傾向にあるためである。ここで、半導体ナノ粒子蛍光体の形状が球状である場合には、粒子径は、たとえば粒度分布測定装置により測定された平均粒径もしくは電子顕微鏡により観察された粒子の大きさを指す。また半導体ナノ粒子蛍光体の形状がロッド状である場合には、粒子径は、たとえば電子顕微鏡により測定された短軸および長軸の大きさを指す。さらに、半導体ナノ粒子蛍光体の形状がワイヤ状である場合には、粒子径は、たとえば電子顕微鏡により測定された短軸および長軸の大きさを指す。
半導体ナノ粒子蛍光体の含有量(後述するように2種以上の半導体ナノ粒子蛍光体を用いる場合には総量)は、特に制限されないが、重合性官能基を有するイオン性液体100重量に対し0.001〜50重量部の範囲内であることが好ましく、0.01〜20重量部の範囲内であることがより好ましい。半導体ナノ粒子蛍光体の含有量が、重合性官能基を有するイオン性液体100重量部に対し0.001重量部未満である場合には、半導体ナノ粒子蛍光体からの発光が弱すぎる傾向にあるためであり、また、半導体ナノ粒子蛍光体の含有量が、重合性官能基を有するイオン性液体100重量部に対し50重量部を超える場合には、重合性官能基を有するイオン性液体中で均一に分散することが困難となる傾向にあるためである。
重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂中に半導体ナノ粒子蛍光体を分散させたもの(ポリマーマトリックス)を粒子状とする方法は特に制限されないが、たとえば、ポリマーマトリックスを物理的に粉砕し、所望のサイズにすることで、好適に製造することができる。
本発明の蛍光体含有粒子は、半導体ナノ粒子蛍光体の表面にイオン性液体を構成するイオンが配位することで、ナノ粒子を安定化し、これにより高い発光効率が付与される。また、半導体ナノ粒子蛍光体が、酸素、水分の透過率が低い重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂中に分散されていることで、粒子を作製する際の半導体ナノ粒子蛍光体の凝集を防止でき、高い光学特性を維持することができ、粒子を作製後にも水分と酸素による半導体ナノ粒子蛍光体の劣化を減少させることができる。これにより、半導体ナノ粒子蛍光体を励起発光させる際に光酸化が起きにくく、そのため優れた化学的安定性を有する。
本発明の蛍光体含有粒子の形状は、球状、ロッド状、ワイヤ状など従来公知の適宜の形状であってよいが、形状制御による発光特性の制御の容易さという観点からは、球状、特には真球状であることが好ましい。
本発明の蛍光体含有粒子の粒子径は、特に制限されないが、100nm〜30μmの範囲内であることが好ましく、1μm〜20μmの範囲内であることがより好ましい。蛍光体含有粒子の粒子径が100nm未満である場合には、蛍光体含有粒子1粒子あたりの表面積/体積比が大きくなるため、励起光の散乱によるロスが大きくなる傾向にあるためであり、また、蛍光体含有粒子の粒子径が30μmを超える場合には、従来蛍光体と同様のプロセスで透光性を有する媒体中に分散させることが困難になる傾向にあるためである。蛍光体含有粒子の粒子径が上述した範囲内であることで、取扱い性(ハンドリング性)がよく、現在利用されている蛍光体と同程度の大きさに作製することによって、現在商業利用されている蛍光体と同じような形態で、現行のプロセスを変更することなく利用することができ、これを利用した発光装置、蛍光体含有シートなどを提供することができる。なお、蛍光体含有粒子の粒子径は、光学顕微鏡や走査型顕微鏡(SEM)により観察された粒子の大きさ、または、粒度分布測定装置により測定された値を指す。
(第2の実施態様の蛍光体含有粒子)
図2は、本発明の第2の実施態様の蛍光体含有粒子(マイクロビーズ)11を模式的に示す図である。なお、図2において、図1に示した第1の実施態様の蛍光体含有粒子1と同様の構成を有する部分については同一の参照符を付して説明を省略する。
図2は、本発明の第2の実施態様の蛍光体含有粒子(マイクロビーズ)11を模式的に示す図である。なお、図2において、図1に示した第1の実施態様の蛍光体含有粒子1と同様の構成を有する部分については同一の参照符を付して説明を省略する。
図2に示す第2の実施態様の蛍光体含有粒子11では、半導体ナノ粒子蛍光体が、赤色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体12と、緑色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体13とを含む。図1に示した第1の実施態様の蛍光体含有粒子1では、半導体ナノ粒子蛍光体2は1種類のみであり、単一の蛍光波長を有するものであるのに対し、図2に示す第2の実施態様の蛍光体含有粒子11は、2種類の異なる蛍光波長を有する半導体ナノ粒子蛍光体をそれぞれ複数含む。このような蛍光体含有粒子を用いて、後述するような発光素子と組み合わせて発光装置を作製する場合に、発光装置間で個体差がでにくくすることができる。また、全領域にわたり発光色の均一性を向上することができる蛍光体含有粒子を得ることができる。なお、図2には、赤色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体と、緑色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体の2種類の半導体ナノ粒子蛍光体を複数用いた場合を示したが、さらに他の種類の半導体ナノ粒子蛍光体を含む3種類以上の半導体ナノ粒子蛍光体を含んでいてもよい。
半導体ナノ粒子蛍光体の含有量(後述するように2種以上の半導体ナノ粒子蛍光体を用いる場合には総量)は、特に制限されないが、重合性官能基を有するイオン性液体100重量に対し0.001〜50重量部の範囲内であることが好ましく、0.01〜20重量部の範囲内であることがより好ましい。半導体ナノ粒子蛍光体の含有量が、重合性官能基を有するイオン性液体100重量部に対し0.001重量部未満である場合には、半導体ナノ粒子蛍光体からの発光が弱すぎる傾向にあるためであり、また、半導体ナノ粒子蛍光体の含有量が、重合性官能基を有するイオン性液体100重量部に対し50重量部を超える場合には、重合性官能基を有するイオン性液体中で均一に分散することが困難となる傾向にあるためである。
また、図2に示した第2の実施態様の蛍光体含有粒子11において、赤色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体と、緑色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体との混合比率は特に制限されるものではないが、重量比で、赤色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体を100とした場合に緑色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体が10〜1000の範囲内であることが好ましく、20〜500の範囲内であることがより好ましい。赤色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体を100とした場合に緑色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体が10未満である場合には、赤色と緑色の発光強度の差により白色から大きくずれ、赤色に偏った発光色になる傾向にあるためであり、また、赤色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体を100とした場合に緑色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体が1000を超える場合には、赤色と緑色の発光強度の差により白色から大きくずれ、緑色に偏った発光色になる傾向にあるためである。
(第3の実施態様の蛍光体含有粒子)
図3は、本発明の第3の実施態様の蛍光体含有粒子(マイクロビーズ)21を模式的に示す図である。なお、図3において、図1に示した第1の実施態様の蛍光体含有粒子1と同様の構成を有する部分については同一の参照符を付して説明を省略する。図3に示す第3の実施態様の蛍光体含有粒子21は、樹脂22が架橋されたものである点で、図1に示した第1の実施態様の蛍光体含有粒子1と異なる(図1に示した第1の実施態様の蛍光体含有粒子1における樹脂は架橋されていない)。すなわち、図3に示す第3の実施態様の蛍光体含有粒子における樹脂は、架橋性材料が添加された、重合性官能基を有するイオン性液体に由来する。このように架橋性材料が添加された、重合性官能基を有するイオン性液体に由来する樹脂22を用いていることで、重合性官能基を有するイオン性液体を重合させる際、より強固に固体化させることができ、これにより波長変換部の安定性が向上するという利点がある。なお、樹脂22が架橋されていることは、X線光電子分光(XPS)による測定で確認することができる。
図3は、本発明の第3の実施態様の蛍光体含有粒子(マイクロビーズ)21を模式的に示す図である。なお、図3において、図1に示した第1の実施態様の蛍光体含有粒子1と同様の構成を有する部分については同一の参照符を付して説明を省略する。図3に示す第3の実施態様の蛍光体含有粒子21は、樹脂22が架橋されたものである点で、図1に示した第1の実施態様の蛍光体含有粒子1と異なる(図1に示した第1の実施態様の蛍光体含有粒子1における樹脂は架橋されていない)。すなわち、図3に示す第3の実施態様の蛍光体含有粒子における樹脂は、架橋性材料が添加された、重合性官能基を有するイオン性液体に由来する。このように架橋性材料が添加された、重合性官能基を有するイオン性液体に由来する樹脂22を用いていることで、重合性官能基を有するイオン性液体を重合させる際、より強固に固体化させることができ、これにより波長変換部の安定性が向上するという利点がある。なお、樹脂22が架橋されていることは、X線光電子分光(XPS)による測定で確認することができる。
架橋性材料としては、従来公知の適宜の架橋剤を用いればよく、特に制限されないが、たとえばジエチレングリコールジメタクリレート、1,1,1−トリメチルオルプロパントリアクリレートなどが挙げられる。中でも、架橋部位が多く強固に重合するという理由から、1,1,1−トリメチルオルプロパントリアクリレートを架橋性材料として用いることが好ましい。
架橋性材料を添加する場合、その添加量についても特に制限されないが、重合性官能基を有するイオン性液体100重量部に対し1〜50重量部の範囲内であることが好ましく、1〜30重量部の範囲内であることがより好ましい。架橋性材料の添加量が重合性官能基を有するイオン性液体100重量部に対し1重量部未満である場合には、架橋構造が進まずに樹脂の強度が弱い傾向にあり、また、架橋性材料の添加量が重合性官能基を有するイオン性液体100重量部に対し50重量部を超える場合には、半導体ナノ粒子蛍光体が安定に分散しないという傾向にあるためである。
なお、図3には、図1と同じく1種類の半導体ナノ粒子蛍光体を複数用いた場合を示したが、これに代えて、図2に示したように、赤色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体と、緑色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体の2種類を複数用いてもよいし、さらに他の種類の半導体ナノ粒子蛍光体を含む3種類以上の半導体ナノ粒子蛍光体を含んでいてもよい。
(第4の実施態様の蛍光体含有粒子)
図4は、本発明の第4の実施態様の蛍光体含有粒子(マイクロビーズ)31を模式的に示す図である。なお、図4において、図1に示した第1の実施態様の蛍光体含有粒子1と同様の構成を有する部分については同一の参照符を付して説明を省略する。図4に示す第4の実施態様の蛍光体含有粒子31は、最表面に透光性を有する被覆層32を備える点で、図1に示した第1の実施態様の蛍光体含有粒子1と異なる。このような透光性を有する被覆層32を最表面に備えることで、酸素、水分の透過率を低減することができ、その結果半導体ナノ粒子蛍光体の光酸化による劣化を抑制でき、半導体ナノ粒子蛍光体の化学的安定性をさらに向上させることができる。
図4は、本発明の第4の実施態様の蛍光体含有粒子(マイクロビーズ)31を模式的に示す図である。なお、図4において、図1に示した第1の実施態様の蛍光体含有粒子1と同様の構成を有する部分については同一の参照符を付して説明を省略する。図4に示す第4の実施態様の蛍光体含有粒子31は、最表面に透光性を有する被覆層32を備える点で、図1に示した第1の実施態様の蛍光体含有粒子1と異なる。このような透光性を有する被覆層32を最表面に備えることで、酸素、水分の透過率を低減することができ、その結果半導体ナノ粒子蛍光体の光酸化による劣化を抑制でき、半導体ナノ粒子蛍光体の化学的安定性をさらに向上させることができる。
被覆層32を形成する材料は、透光性を有する材料であれば特に制限はないが、金属酸化物、シリカベースの材料などの透光性を有する無機材料が好ましい。また被覆層32は、これらのいずれかの材料の中でも、バンドギャップが好ましくは3.0eV以上の無機材料であることが好ましい。バンドギャップが3.0eV以上で、紫外線を吸収する金属酸化物の無機材料としては、たとえばSiO2、ZnO、TiO2、CeO2、SnO2、ZrO2、Al2O3、ZnO:Mgなどが例示される。これらの中で、ZnO、TiO2、Al2O3、CeO2、SnO2は、バンドギャップが3.0eVに近いため、広い範囲の紫外線(紫外線のうち可視光に近い範囲まで)を吸収できる。また、SiO2、ZrO2、ZnO:Mgは、バンドギャップが3.0eVよりもかなり大きいため、波長のかなり短い紫外線だけを吸収し、可視光に近い範囲の紫外線は透過する。バンドギャップが3.0eV以上の無機材料で形成された被覆層32を最表面に備えることで、半導体ナノ粒子蛍光体と重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂の紫外線による劣化を抑制でき、結果として化学的安定性を向上できるという利点がある。なお、本発明において、無機材料が無機結晶であればなおよい。
<発光装置>
(第5の実施態様の発光装置)
図5は、本発明の第5の実施態様の発光装置41を模式的に示す図である。本発明は、図5に示すように、光源42と、上述した本発明の蛍光体含有粒子1が透光性を有する媒体43中に分散された波長変換部とを備える発光装置(LEDパッケージ)41についても提供する。上述のように、本発明の蛍光体含有粒子は取扱い性(ハンドリング性)がよく、現在利用されている蛍光体と同程度の大きさに作製することによって、現在商業利用されている蛍光体と同じような形態で、現行のプロセスを変更することなく利用することができる。図5に示す発光装置において、蛍光体含有粒子1以外の光源42、透光性を有する媒体43、枠体44、リード線45などは、従来公知の適宜のものを特に制限なく用いることができる。
(第5の実施態様の発光装置)
図5は、本発明の第5の実施態様の発光装置41を模式的に示す図である。本発明は、図5に示すように、光源42と、上述した本発明の蛍光体含有粒子1が透光性を有する媒体43中に分散された波長変換部とを備える発光装置(LEDパッケージ)41についても提供する。上述のように、本発明の蛍光体含有粒子は取扱い性(ハンドリング性)がよく、現在利用されている蛍光体と同程度の大きさに作製することによって、現在商業利用されている蛍光体と同じような形態で、現行のプロセスを変更することなく利用することができる。図5に示す発光装置において、蛍光体含有粒子1以外の光源42、透光性を有する媒体43、枠体44、リード線45などは、従来公知の適宜のものを特に制限なく用いることができる。
なお、図5には、図1に示した第1の実施態様の蛍光体含有粒子1を用いた場合を示したが、これに制限されるものではなく、図2〜図4に示した第2〜第4の実施態様の蛍光体含有粒子11,21,31を用いてもよいし、3種類以上の半導体ナノ粒子蛍光体を含んでいてもよい。
本発明の発光装置において、光源としては、特に制限されず、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)などを用いることができる。
本発明の発光装置41において、光源および蛍光体含有粒子を封入するための透光性を有する媒体としては、特に制限されず、エポキシ、シリコーンおよび(メタ)アクリレート、シリカガラス、シリカゲル、シロキサン、ゾルゲル、ヒドロゲル、アガロース、セルロース、エポキシ、ポリエーテル、ポリエチレン、ポリビニル、ポリジアセチレン、ポリフェニレンビニレン、ポリスチレン、ポリピロール、ポリイミド、ポリイミダゾール、ポリスルホン、ポリチオフェン、ポリホスフェート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアクリルアミド、ポリペプチド、ポリサッカライドなどが挙げられる。これらを複数組み合わせて透光性を有する媒体として用いてもよい。
(第6の実施態様の発光装置)
図6は、本発明の第6の実施態様の発光装置51を模式的に示す図である。なお、図6において、図5に示した第5の実施態様の発光装置41と同様の構成を有する部分については同一の参照符を付して説明を省略する。図6に示す第6の実施態様の発光装置51は、赤色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体が重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂中に分散された蛍光体含有粒子52と、緑色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体が重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂中に分散された蛍光体含有粒子53とを含む点で、図5に示した第5の実施態様の発光装置41と異なる。
図6は、本発明の第6の実施態様の発光装置51を模式的に示す図である。なお、図6において、図5に示した第5の実施態様の発光装置41と同様の構成を有する部分については同一の参照符を付して説明を省略する。図6に示す第6の実施態様の発光装置51は、赤色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体が重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂中に分散された蛍光体含有粒子52と、緑色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体が重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂中に分散された蛍光体含有粒子53とを含む点で、図5に示した第5の実施態様の発光装置41と異なる。
上述したように、本発明の蛍光体含有粒子は、取扱い性(ハンドリング性)がよく、現在利用されている蛍光体と同程度の大きさに作製することによって、現在商業利用されている蛍光体と同じような形態で、現行のプロセスを変更することなく利用することができる。第6の実施態様の発光装置51によれば、従来蛍光体と同様のプロセスで発光装置を製造し、さらに、異なる波長を有する半導体ナノ粒子蛍光体を含む蛍光体含有粒子を用いることで所望の発光色を示す発光装置を製造することができる。なお、第6の実施態様の発光装置51のように、赤色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体が重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂中に分散された蛍光体含有粒子52と、緑色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体が重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂中に分散された蛍光体含有粒子53とを組み合わせて用いる場合には、色再現性の高い白色発光を呈する発光装置を得ることができることから、青色発光する発光ダイオード(LED)、青色発光するレーザダイオード(LD)などを好適に用いることができる。
なお、図6に示した発光装置51において、赤色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体が重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂中に分散された蛍光体含有粒子52と、緑色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体が重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂中に分散された蛍光体含有粒子53との混合比率は特に制限されないが、重量比で、蛍光体含有粒子52を100とした場合に蛍光体含有粒子53が10〜1000の範囲内であることが好ましく、20〜500の範囲内であることがより好ましい。蛍光体含有粒子52を100とした場合に蛍光体含有粒子53が10未満である場合には、赤色と緑色の発光強度の差により白色から大きくずれ、赤色に偏った発光色になる傾向にあるためであり、また、蛍光体含有粒子52を100とした場合に蛍光体含有粒子53が1000を超える場合には、赤色と緑色の発光強度の差により白色から大きくずれ、緑色に偏った発光色になるという傾向にあるためである。
(第7の実施態様の発光装置)
図7は、本発明の第7の実施態様の発光装置61を模式的に示す図である。なお、図7において、図5に示した第5の実施態様の発光装置41と同様の構成を有する部分については同一の参照符を付して説明を省略する。図7に示す第7の実施態様の発光装置61は、媒体43中に、本発明の蛍光体含有粒子1以外に、半導体ナノ粒子蛍光体以外の蛍光体(従来型蛍光体)62が分散されてなる点で、図5に示した第5の実施態様の発光装置41と異なる。このように、本発明では、本発明の蛍光体含有粒子と、従来型の蛍光体とを組み合わせて、所望の発光色を有する発光装置を提供するようにしてもよい。
図7は、本発明の第7の実施態様の発光装置61を模式的に示す図である。なお、図7において、図5に示した第5の実施態様の発光装置41と同様の構成を有する部分については同一の参照符を付して説明を省略する。図7に示す第7の実施態様の発光装置61は、媒体43中に、本発明の蛍光体含有粒子1以外に、半導体ナノ粒子蛍光体以外の蛍光体(従来型蛍光体)62が分散されてなる点で、図5に示した第5の実施態様の発光装置41と異なる。このように、本発明では、本発明の蛍光体含有粒子と、従来型の蛍光体とを組み合わせて、所望の発光色を有する発光装置を提供するようにしてもよい。
このような従来型蛍光体62としては、たとえばα−サイアロン蛍光体、β−サイアロン蛍光体、JEM青色蛍光体(LaAl(Si6−zAlz)N10−zOz、γ−AlON蛍光体などの希土類付活酸窒化物蛍光体、YAG:Ce系蛍光体などの酸化物蛍光体、CASN蛍光体(CaAlSiN3)などの窒化物蛍光体などの無機蛍光体、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、ベンズイミダゾロン顔料、β−ナフトール顔料、ナフトールAS顔料、縮合アゾ顔料などのアゾ系顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、アントラキノン顔料、キノフタロン顔料、金属錯体顔料、ジケトピロロピロール顔料などの多環系顔料、染料レーキ顔料などの有機色素などが挙げられ、特に制限されるものではない。中でも、高い化学安定性と、高演色性を実現するためには、従来型蛍光体62として無機蛍光体を用いることが好ましい。
第7の実施態様の発光装置61において、蛍光体含有粒子1と従来型蛍光体との混合比率も特に制限されるものではなく、用いる半導体ナノ粒子蛍光体、従来型蛍光体の種類にもよるが、蛍光体含有粒子に含まれる半導体ナノ粒子蛍光体がCdSeであり、従来型蛍光体がβ−サイアロン蛍光体である場合、重量比で、蛍光体含有粒子を100とした場合に、従来型蛍光体が10〜1000の範囲内であることが好ましく、20〜500の範囲内であることがより好ましい。
なお、図7には、図1に示した第1の実施態様の蛍光体含有粒子1を用いた場合を示したが、これに制限されるものではなく、図2〜図4に示した第2〜第4の実施態様の蛍光体含有粒子11,21,31を用いてもよいし、3種類以上の半導体ナノ粒子蛍光体を含んでいてもよい。
<蛍光体含有シート>
(第8の実施態様の蛍光体含有シート)
図8は、本発明の第8の実施態様の蛍光体含有シート71を模式的に示す図である。本発明は、図8に示すように、本発明の蛍光体含有粒子1が、シート状の透光性を有する媒体72中に分散された蛍光体含有シート71についても提供する。上述したように、本発明の蛍光体含有粒子は、取扱い性(ハンドリング性)がよく、現在利用されている蛍光体と同程度の大きさに作製することによって、現在商業利用されている蛍光体と同じような形態で、現行のプロセスを変更することなく利用することができる。したがって、図8に示す第8の実施態様の蛍光体含有シート71のように、従来蛍光体の場合と同様の製造プロセスで蛍光体含有シートを製造することができる。このような本発明の蛍光体含有シートは、従来と同様に、液晶バックライト、白色LEDデバイスなどの用途に好適に用いることができる。
(第8の実施態様の蛍光体含有シート)
図8は、本発明の第8の実施態様の蛍光体含有シート71を模式的に示す図である。本発明は、図8に示すように、本発明の蛍光体含有粒子1が、シート状の透光性を有する媒体72中に分散された蛍光体含有シート71についても提供する。上述したように、本発明の蛍光体含有粒子は、取扱い性(ハンドリング性)がよく、現在利用されている蛍光体と同程度の大きさに作製することによって、現在商業利用されている蛍光体と同じような形態で、現行のプロセスを変更することなく利用することができる。したがって、図8に示す第8の実施態様の蛍光体含有シート71のように、従来蛍光体の場合と同様の製造プロセスで蛍光体含有シートを製造することができる。このような本発明の蛍光体含有シートは、従来と同様に、液晶バックライト、白色LEDデバイスなどの用途に好適に用いることができる。
さらに、本発明の蛍光体含有粒子を用いた蛍光体含有シートによれば、以下の(1)、(2)の理由により、蛍光体含有粒子を分散する媒体の材料の制約が緩和され、媒体の材料の選択の自由度が向上するという利点がある。
(1)半導体ナノ粒子蛍光体が剥き出しの状態で樹脂化する従来と比較して、蛍光体含有粒子に含まれ保護された状態で樹脂化すればよいので、製造時の半導体ナノ粒子蛍光体の劣化を気にしなくてよい。
(2)剥き出しの状態の半導体ナノ粒子蛍光体を媒体が含む従来と比較して、蛍光体含有粒子に保護された状態で使用されるので、使用による半導体ナノ粒子蛍光体の劣化を気にしなくてよい。
また、上述のように使用によるナノ粒子蛍光体の劣化を気にしなくてよいので、シートを保護するための部分が不要であり、省スペース化が可能であるという利点もある。すなわち、剥き出しの状態の半導体ナノ粒子蛍光体の劣化要因である水分、酸素を阻止するために従来必須であった保護のための部分をなくすことで、シートを薄くすることができる。より具体的には、エッジ部分を設ける必要がなく(あるいは少なく)なるため、面方向に関して省スペース化が可能となるとともに、保護のための保護層を設ける必要がなく(あるいは少なく)なるため、厚み方向に関して省スペース化が可能となる。
本発明の蛍光体含有シートに用いられる透光性を有する媒体72としては、本発明の発光装置において上述した透光性を有する媒体43と同様のものを好適に用いることができる。また、本発明の蛍光体含有粒子を分散させた、透光性を有する媒体をシート状に形成する方法としては、従来の蛍光体含有シートを製造するのと同様に、たとえばまず、蛍光体シート形成用の塗布液として蛍光体含有粒子を樹脂に分散した溶液(以下、「シート製造用蛍光体含有粒子分散シリコーン樹脂」とする)を作製する。シート製造用蛍光体含有粒子分散シリコーン樹脂は蛍光体含有粒子と樹脂を混合することにより得られる。付加反応型シリコーン樹脂を用いる場合は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を含有する化合物と、ケイ素原子に結合した水素原子を有する化合物を混合すると、室温でも硬化反応が始まることがあるので、さらにアセチレン化合物などのヒドロシリル化反応遅延剤をシート製造用蛍光体含有粒子分散シリコーン樹脂に配合して、ポットライフを延長することも可能である。また、添加剤として塗布膜安定化のための分散剤やレベリング剤、シート表面の改質剤としてシランカップリング剤等の接着補助剤等をシート製造用蛍光体含有粒子分散シリコーン樹脂に混合することも可能である。また、蛍光体沈降抑制剤としてアルミナ微粒子、シリカ微粒子、シリコーン微粒子等をシート製造用蛍光体含有粒子分散シリコーン樹脂に混合することも可能である。
流動性を適切にするために必要であれば、溶媒を加えて溶液とすることもできる。溶媒は流動状態の樹脂の粘度を調整できるものであれば、特に限定されない。例えば、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ヘキサン、テルピネオール等が挙げられる。
これらの成分を所定の組成になるよう調合した後、ホモジナイザー、自公転型攪拌機、3本ローラー、ボールミル、遊星式ボールミル、ビーズミル等の撹拌・混練機で均質に混合分散することで、シート製造用蛍光体含有粒子分散シリコーン樹脂が得られる。混合分散後、もしくは混合分散の過程で、真空もしくは減圧条件下で脱泡することも好ましく行われる。
次に、シート製造用蛍光体含有粒子分散シリコーン樹脂を基材上に塗布し、乾燥させる。塗布は、リバースロールコーター、ブレードコーター、スリットダイコーター、ダイレクトグラビアコーター、オフセットグラビアコーター、キスコーター、ナチュラルロールコーター、エアーナイフコーター、ロールブレードコーター、バリバーロールブレードコーター、トゥーストリームコーター、ロッドコーター、ワイヤーバーコーター、アプリケーター、ディップコーター、カーテンコーター、スピンコーター、ナイフコーター等により行うことができる。また、本発明の蛍光体シートはスクリーン印刷やグラビア印刷、平版印刷などの印刷法を用いても作製することもできる。印刷法を用いる場合には、特にスクリーン印刷が好ましく用いられる。
シートの乾燥は熱風乾燥機や赤外線乾燥機等の一般的な加熱装置を用いて行うことができる。シートの加熱硬化には、熱風乾燥機や赤外線乾燥機等の一般的な加熱装置が用いられる。この場合、加熱硬化条件は、通常、40〜250℃で1分〜5時間、好ましくは100℃〜200℃で2分〜3時間である。
なお、図8には、図1に示した第1の実施態様の蛍光体含有粒子1を用いた場合を示したが、これに制限されるものではなく、図2〜図4に示した第2〜第4の実施態様の蛍光体含有粒子11,21,31を用いてもよいし、3種類以上の半導体ナノ粒子蛍光体を含んでいてもよい。
(第9の実施態様の蛍光体含有シート)
図9は、本発明の第9の実施態様の蛍光体含有シート81を模式的に示す図である。なお、図9において、図8に示した第8の実施態様の蛍光体含有シート71と同様の構成を有する部分については同一の参照符を付して説明を省略する。図9に示す第9の実施態様の蛍光体含有シート81は、赤色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体が重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂中に分散された蛍光体含有粒子52と、緑色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体が重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂中に分散された蛍光体含有粒子53とを含む点で、図8に示した第8の実施態様の蛍光体含有シート71と異なる。
図9は、本発明の第9の実施態様の蛍光体含有シート81を模式的に示す図である。なお、図9において、図8に示した第8の実施態様の蛍光体含有シート71と同様の構成を有する部分については同一の参照符を付して説明を省略する。図9に示す第9の実施態様の蛍光体含有シート81は、赤色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体が重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂中に分散された蛍光体含有粒子52と、緑色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体が重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂中に分散された蛍光体含有粒子53とを含む点で、図8に示した第8の実施態様の蛍光体含有シート71と異なる。
上述したように、本発明の蛍光体含有粒子は、取扱い性(ハンドリング性)がよく、現在利用されている蛍光体と同程度の大きさに作製することによって、現在商業利用されている蛍光体と同じような形態で、現行のプロセスを変更することなく利用することができる。第9の実施態様の蛍光体含有シート81によれば、従来蛍光体と同様のプロセスで蛍光体含有シートを製造し、さらに、異なる波長を有する半導体ナノ粒子蛍光体を含む蛍光体含有粒子を用いることで、適宜の光源と組み合わせることで、所望の発光色を示す蛍光体含有シートを製造することができる。なお、第9の実施態様の蛍光体含有シート81のように、赤色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体が重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂中に分散された蛍光体含有粒子52と、緑色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体が重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂中に分散された蛍光体含有粒子53とを組み合わせて用いる場合には、色再現性の高い白色発光を呈する発光装置を得ることができることから、青色発光する発光ダイオード(LED)、青色発光するレーザダイオード(LD)などを光源として好適に組み合わせて用いることができる。
なお、図9に示した蛍光体含有シート81において、赤色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体が重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂中に分散された蛍光体含有粒子52と、緑色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体が重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂中に分散された蛍光体含有粒子53との混合比率は特に制限されないが、重量比で、蛍光体含有粒子52を100とした場合に蛍光体含有粒子53が10〜1000の範囲内であることが好ましく、20〜500の範囲内であることがより好ましい。蛍光体含有粒子52を100とした場合に蛍光体含有粒子53が10未満である場合には、赤色と緑色の発光強度の差により白色から大きくずれ、赤色に偏った発光色になる傾向にあるためであり、また、蛍光体含有粒子52を100とした場合に蛍光体含有粒子53が1000を超える場合には、赤色と緑色の発光強度の差により白色から大きくずれ、緑色に偏った発光色になるという傾向にあるためである。
(第10の実施態様の蛍光体含有シート)
図10は、本発明の第10の実施態様の蛍光体含有シート91を模式的に示す図である。なお、図10において、図8に示した第8の実施態様の蛍光体含有シート71と同様の構成を有する部分については同一の参照符を付して説明を省略する。図10に示す第10の実施態様の蛍光体含有シート91は、媒体72中に、本発明の蛍光体含有粒子1以外に、半導体ナノ粒子蛍光体以外の蛍光体(従来型蛍光体)62が分散されてなる点で、図8に示した第8の実施態様の蛍光体含有シート71と異なる。このように、本発明では、本発明の蛍光体含有粒子と、従来型の蛍光体とを組み合わせて、さらに適宜の光源と組み合わせることで、所望の発光色を有する発光装置を提供するようにしてもよい。
図10は、本発明の第10の実施態様の蛍光体含有シート91を模式的に示す図である。なお、図10において、図8に示した第8の実施態様の蛍光体含有シート71と同様の構成を有する部分については同一の参照符を付して説明を省略する。図10に示す第10の実施態様の蛍光体含有シート91は、媒体72中に、本発明の蛍光体含有粒子1以外に、半導体ナノ粒子蛍光体以外の蛍光体(従来型蛍光体)62が分散されてなる点で、図8に示した第8の実施態様の蛍光体含有シート71と異なる。このように、本発明では、本発明の蛍光体含有粒子と、従来型の蛍光体とを組み合わせて、さらに適宜の光源と組み合わせることで、所望の発光色を有する発光装置を提供するようにしてもよい。
このような従来型蛍光体62としては、第7の実施態様の発光装置61について上述したのと同様の蛍光体を好適に用いることができる。また、蛍光体含有粒子1と従来型蛍光体との混合比率も特に制限されるものではなく、好適な例として上述したとおりである。
なお、図10には、図1に示した第1の実施態様の蛍光体含有粒子1を用いた場合を示したが、これに制限されるものではなく、図2〜図4に示した第2〜第4の実施態様の蛍光体含有粒子11,21,31を用いてもよいし、3種類以上の半導体ナノ粒子蛍光体を含んでいてもよい。
1 蛍光体含有粒子、2 半導体ナノ粒子蛍光体、3 重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂、11 蛍光体含有粒子、12 赤色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体、13 緑色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体、21 蛍光体含有粒子、22 重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位および架橋性材料に由来する成分を含む樹脂、31 蛍光体含有粒子、32 被覆層、41 発光装置、42 光源、43 透光性を有する媒体、44 枠体、45 リード線、51 発光装置、52 赤色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体を含む蛍光体含有粒子、53 緑色の蛍光を発する半導体ナノ粒子蛍光体を含む蛍光体含有粒子、61 発光装置、62 従来型の蛍光体、71 蛍光体含有シート、72 透光性を有する媒体、81 蛍光体含有シート、91 蛍光体含有シート。
Claims (10)
- 光源と、蛍光体含有粒子が透光性を有する媒体中に分散された波長変換部と、を備える発光装置であって、
前記蛍光体含有粒子は、
半導体ナノ粒子蛍光体と、
重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂とを含み、
前記半導体ナノ粒子蛍光体が前記樹脂中に分散されており、
前記イオン性液体が、下記一般式(I)
X+Y− (I)
で示され、一般式(I)中、X+は、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ホスホニウムイオン、脂肪族四級アンモニウムイオン、ピロリジニウム、スルホニウムから選択されるカチオンであり、Y−はアニオンである、発光装置。 - 光源と、蛍光体含有粒子が透光性を有する媒体中に分散された波長変換部と、を備える発光装置であって、
前記蛍光体含有粒子は、
半導体ナノ粒子蛍光体と、
重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂とを含み、
前記半導体ナノ粒子蛍光体が前記樹脂中に分散されており、
前記イオン性液体が、下記一般式(I)
X+Y− (I)
で示され、一般式(I)中、X+はカチオンであり、Y−は、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド酸イオン、過塩素酸イオン、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)炭素酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、カルボン酸イオン、ハロゲンイオンから選択されるアニオンである、発光装置。 - 光源と、蛍光体含有粒子が透光性を有する媒体中に分散された波長変換部と、を備える発光装置であって、
前記蛍光体含有粒子は、
半導体ナノ粒子蛍光体と、
重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂とを含み、
前記半導体ナノ粒子蛍光体が前記樹脂中に分散されており、
前記イオン性液体が、下記一般式(I)
X+Y− (I)
で示され、一般式(I)中、X+は、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ホスホニウムイオン、脂肪族四級アンモニウムイオン、ピロリジニウム、スルホニウムから選択されるカチオンであり、Y−は、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド酸イオン、過塩素酸イオン、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)炭素酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、カルボン酸イオン、ハロゲンイオンから選択されるアニオンである、発光装置。 - 前記イオン性液体におけるカチオンが脂肪族四級アンモニウムイオンである、請求項3に記載の発光装置。
- 前記イオン性液体におけるアニオンがビストリフルオロメチルスルホニルイミド酸イオンである、請求項3または4に記載の発光装置。
- 蛍光体含有粒子が、シート状の透光性を有する媒体中に分散された、発光装置に用いるための蛍光体含有シートであって、
前記蛍光体含有粒子は、
半導体ナノ粒子蛍光体と、
重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂とを含み、
前記半導体ナノ粒子蛍光体が前記樹脂中に分散されており、
前記イオン性液体が、下記一般式(I)
X+Y− (I)
で示され、一般式(I)中、X+はイミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ホスホニウムイオン、脂肪族四級アンモニウムイオン、ピロリジニウム、スルホニウムから選択されるカチオンであり、Y−はアニオンである、発光装置用蛍光体含有シート。 - 蛍光体含有粒子が、シート状の透光性を有する媒体中に分散された、発光装置に用いるための蛍光体含有シートであって、
前記蛍光体含有粒子は、
半導体ナノ粒子蛍光体と、
重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂とを含み、
前記半導体ナノ粒子蛍光体が前記樹脂中に分散されており、
前記イオン性液体が、下記一般式(I)
X+Y− (I)
で示され、一般式(I)中、X+は、カチオンであり、Y−は、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド酸イオン、過塩素酸イオン、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)炭素酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、カルボン酸イオン、ハロゲンイオンから選択されるアニオンである、発光装置用蛍光体含有シート。 - 蛍光体含有粒子が、シート状の透光性を有する媒体中に分散された、発光装置に用いるための蛍光体含有シートであって、
前記蛍光体含有粒子は、
半導体ナノ粒子蛍光体と、
重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂とを含み、
前記半導体ナノ粒子蛍光体が前記樹脂中に分散されており、
前記イオン性液体が、下記一般式(I)
X+Y− (I)
で示され、一般式(I)中、X+は、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ホスホニウムイオン、脂肪族四級アンモニウムイオン、ピロリジニウム、スルホニウムから選択されるカチオンであり、Y−は、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド酸イオン、過塩素酸イオン、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)炭素酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、カルボン酸イオン、ハロゲンイオンから選択されるアニオンである、発光装置用蛍光体含有シート。 - 前記イオン性液体におけるカチオンが脂肪族四級アンモニウムイオンである、請求項8に記載の発光装置用蛍光体含有シート。
- 前記イオン性液体におけるアニオンがビストリフルオロメチルスルホニルイミド酸イオンである、請求項8または9に記載の発光装置用蛍光体含有シート。
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