JPWO2006049164A1 - 結像光学レンズユニット、及び光学レンズホルダー - Google Patents

結像光学レンズユニット、及び光学レンズホルダー Download PDF

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Abstract

光学レンズホルダーを、直径80ナノメートル以上300ナノメートル以下、長さ1ミクロンメートル以上200ミクロンメートル以下の多層チューブ形状のカーボンナノファイバーを添加物として含有する樹脂で成形し、この含有物の含有割合は1〜20重量%の範囲とする。これによって、結像光学レンズユニットにおいて、樹脂に加える添加物に起因する流動性や、樹脂自体が持つ熱膨張率、熱伝導性に起因する要因による、光学レンズホルダーを射出成形する際の形成精度の問題を解消して、形状精度を高め、また、複数のレンズの中心軸の軸ズレを防いで、複数のレンズの中心軸の軸合わせを容易とする。

Description

本発明は、結像光学レンズユニット、及び光学レンズホルダーに関する。
カメラモジュールはCCDやCMOSから構成されるイメージセンサなどの撮像センサーを備え、携帯電話や小型電子スチルカメラの撮像手段として採用されている。近年、このカメラモジュールは小型化や低価格化が進む一方で、市場はカメラモジュールに高い撮影画質も求めている。そのため、カメラモジュールが備える撮像センサーの画素数は増加してきている。
カメラモジュールは、撮像センサーに結像光学レンズユニットを組み合わせることで構成される。
このカメラモジュールの小型化は、結像光学レンズユニットが備えるレンズを薄くし、積層する構造とすることで進めている。
また、非球面樹脂レンズを採用することによって高画質と低価格の両方に対応することもされている。さらに、そのレンズを位置決めする光学レンズホルダーを樹脂成形することで結像光学レンズユニットを安価としている。上記の構成を採用することで市場の要求に対応している。
通常、結像光学レンズユニットは複数のレンズで構成される。このような結像光学レンズユニットにおいては、それぞれのレンズの相対的な位置関係が設計した位置にあるかどうかが非常に重要であることが知られている。このレンズの位置関係は、光学設計ツールによってシミュレーションを行うことができる。
前述したように、複数のレンズで構成される結像光学レンズユニットにおいては、それぞれのレンズが相対的に設計した位置にあるかどうかが非常に重要である。しかし、従来の樹脂成形のレンズホルダーは、レンズの位置決め部品として十分な精度を持っていない。通常の射出成形の寸法精度は、数mmの大きさの小型部品成形ではせいぜい10〜20ミクロンメートル程度である。また、幾何公差精度、例えば平面度に関しても同レベルである。
ところが、レンズの設計上の要求からは、各レンズの光学軸の同心度は数ミクロンメートル以下であることが求められ、かつ、それぞれのレンズの光学軸が、結像光学レンズユニットの光学軸と数分以内の傾きでなければならないことが求められる。
最近の結像光学レンズユニットのレンズ径は小さくなってきており、これに伴って、結像光学レンズユニットの鏡筒(光学レンズホルダー)についても、形状誤差が小さいことが要求されている。これに伴って、射出成形に用いられる樹脂についても、精密な形状を実現するための成形性が求められる。
例えば、直径3mmのレンズの傾きを7分以内にしたい場合は、レンズ直径の両端で6.4ミクロンメートル以内の高さの差しか許されない。
これは、一般的な設備で通常の成形材料を使用して成形した場合においては達成することが難しい数値である。
また、樹脂を構造材料とした場合、樹脂そのものの機械強度や剛性では不足な場合が多く、ほとんどの場合、ガラスファイバーを代表とする添加物を樹脂に混ぜて強度や剛性を確保している。
通常、ガラスファイバーの直径は数ミクロンメートル以上であり、長さは数百ミクロンメートルある。そのため、微視的な視点で見た場合には、ガラスファイバーは大きな構成物と見なされ、ミクロンメートル単位で見たとき、生成された樹脂成形物は均質とは見なせない。
図19は、PC(ポリカーボネート)にガラスファイバーを混練して成形された材料の顕微鏡写真を示している。図19に示すように、ガラスファイバーの周辺には、樹脂の充填が不足していることが観察される。
樹脂に添加されたガラスファイバーは、成形時に金型とこすれながら流動する。金型は、通常、鉄系の材料を使用して形成される。そのため、ガラスファイバーとの摩擦力は大きく、狭い部分では流動速度が小さくなる。細密な空間には充填しにくく、射出成形時の流動性の悪さも手伝って、金型の微細な形状に対する正確な転写が困難であることが指摘されている。
本発明が対象とする結像光学レンズユニットのような小型の部品においては、成形品の薄肉部分を形成する金型の流路部分は狭い。このように狭い流路部分は、樹脂の流れが相当に悪くなり、樹脂量が少なくなる。樹脂量が少ない部分は冷却速度が速くなるため、他の部分との間で冷えかたに差が生じる。この冷却状態の差異は、変形やヒケの原因となる。
例えば、冷却が進むと樹脂の粘度が高くなる。粘度が高い流路部分では、樹脂を流動させるために射出圧力が浪費される。そのため、粘度が高い流路部分とその下流側との間では、大きな圧力勾配が生じる。この大きな圧力勾配によって、結果的に流動末端部分に十分な圧力が伝わらなくなり、樹脂の充填不良や気泡などの不良の発生要因となる。このように、樹脂の流動性は成形精度の一要因と成っている。
薄肉の成形品の設計は、機能的・スペース的な要求から決まるものであるため、変形やヒケ、充填不良などがあるからと言って、簡単に設計変更することはできない。
また、通常、射出成形では、生産性と金型からの離型性を確保するために、実際の工程では、樹脂が冷え切る前に取り出している。
樹脂は熱膨張率が高いため、不均一な冷却速度は体積変化の不均一につながる。この不均一な体積変化は、成形品に内部応力を発生させることになる。したがって、成形品が完全に冷える前に金型から取り出した場合、前記した内部応力が解放される。このとき、高温の樹脂の剛性は低いため、解放された内部応力によって成形品は無視できない量で変形することがある。
また、一般に樹脂は熱伝導性が悪いため、強度が不足する高温での成形中や、取り出し直後において、冷えて縮まる量や方向に不均一が生じやすく、好ましくない変形やそりの原因となる。
本発明が対象とする光学レンズホルダーのように、その形状が円盤状あるいは円筒状の形状体は中心軸に対して対称であり、このような中心軸に対して対称な部材では前記した変形は大きく影響し、これらを組み合わせる際に大きな支障となる。
したがって、従来の結像光学レンズユニットおいては、光学レンズホルダーとレンズの良い位置関係を見つけるために、光学レンズホルダーやレンズの射出成形条件や、ゲート位置を含む金型の変更、修正をカットアンドトライ方式で繰り返すことによって、できるだけ単体での形状精度を高める努力がされている。成形されたレンズは、光学レンズホルダーに押し込むようにして組み立てが行われる。これによって、レンズと光学レンズホルダーとを組み合わせることで得られる結像光学レンズユニットが、目標とする性能を満足するようにしている。
つまり、光学レンズや光学レンズホルダーの単体の製造工程の段階ではある程度の不良の発生を容認し、光学レンズと光学レンズホルダーとを組み合わせて成る結像光学レンズユニットの段階で検査することで、良不良の判定を行っている。各単体が製造された後には、せいぜいレンズの光軸回りの回転位置を管理する程度に過ぎない。
光学レンズホルターの鏡筒を製造する成形技術において考慮される解決策の一つとしては、温度差や圧力勾配が大きくなる前に、できるだけ速く樹脂の充填を完了することが挙げられる。
また、他の解決策としては、光学レンズホルダーの成形精度によらずに、レンズの組立方法を工夫することで相対位置精度を確保することも考えられる。この場合には、絵やチャートを撮影して得られる撮像画像を参照し、6自由度の位置制御可能な装置で各レンズの良好な位置を定め、その位置で接着などの方法によってレンズを固定する。このレンズの組み立て方法によれば、部品の形状精度に依存しないため、光学レンズホルダーはレンズの位置決め部品として求められる厳しい精度要求を考慮しなくてよいという利点がある。
しかし、上記の方法は、数枚のレンズを摂動させながら最良の位置を探す必要があるため、組立に相当な時間がかかり、また必要とする設備価格も高価になる。そのため、採算面から見て好ましい方法でなく、現実的でない。
また、成形の作業自体は簡単となるが、組み立てに要する機械的な基準面や穴にはやはり高い形状精度が必要とされるため、全体的には必ずしも作業が容易となるとは限らない。
いずれにしても、成形品が現在の成形技術水準以上の成形品質であることが前提であり、金型の修正と成形条件の決定までに時間と費用がかかる。
したがって、上記したように、従来の結像光学レンズユニットは、樹脂に加える添加物に起因する流動性や、樹脂自体が持つ熱膨張率、熱伝導性に起因する要因によって、光学レンズホルダーを射出成形する際の成形精度の点で問題を有している。
また、この光学レンズホルダーの形成精度は、複数のレンズの中心軸に軸ズレを生じさせ、結像光学レンズユニットに求められる複数のレンズの中心軸の軸合わせに影響を与えることにもなる。
今後、画素数の増加と小型化に伴って、ますます複数レンズに求められる相対位置精度は厳しくなることが予想される。そのため、従来の結像光学レンズユニットにおける上記問題はより深刻となり、多くの無駄が発生し、経済的な損失が増大するおそれがある。
一方、上記したガラスファイバーの添加物に対して、最近、樹脂にカーボンナノファイバーを混ぜることにより、成形品の品質を向上させることが提案されている。
カーボンナノファイバーは、サブミクロンメートルの直径を持ち長さが数十ミクロンメートルである高アスペクト比の炭素繊維である。カーボンナノファイバーは単に細く長いだけでなく、高い強度を持ち、さらに屈曲に対しては極めて高い切断耐性を持ち、鋭角に折り曲げても破断・切断しないことが確認されている。
また、カーボンナノファイバーは金属並に高い熱伝導性を持っていることが知られている。また、熱的にも安定であり、樹脂の成形で使用する温度範囲では全く変性しないという特性を有している。さらに、ほぼ純粋な炭素原子のみで構成されているため、樹脂を汚染したり、化学変化を招いたりすることもない。
また、樹脂に適度な量を混ぜた材料は射出成形時に高い流動性を持つことが知られており、これらの性質を生かして樹脂成形材料への添加物としての用途が期待されている(非特許文献1参照)。
例えば、樹脂にカーボンナノファイバーを混ぜて射出成形したものの縦弾性係数は、そのカーボンナノファイバーの重量比率に沿ってほぼ線形に増加することが実験によって確認されている(非特許文献2のFig.3参照)。
遠藤守信著 「野原の奥、科学の先。」文屋 2004年 第99頁〜第104頁 日本機械学会(No03-11)材料力学部門講演会講演論文集 第111項〜第112項
樹脂にカーボンナノファイバーを適切な量を混練した材料を用いて射出成形することで、流動性や熱伝導性を向上させ、これにより、前記した問題点を解決することが期待される。
しかしながら、添加物として単にカーボンナノファイバーを用いただけでは、成形歪みを完全に無くすることは不可能であり、実際には、形状精度を高く維持しつつ、発生する形状の歪みを抑制するように、射出成形の諸条件を制御する必要がある。
例えば、光学レンズホルダーのように円盤状あるいは円筒状の形状体を射出成形するにより生成するには、種々の問題が予想される。従来のガラスファイバー混練樹脂では、添加物であるガラスファイバーの影響で流動性が悪いため、金型キャビティに樹脂を注入するゲート開口サイズを小さく(例えば0.2mm)することができず、望ましいゲート配置を実現することが困難である。
そこで、本発明は前記した従来の問題点を解決し、結像光学レンズユニットにおいて、樹脂に加える添加物に起因する流動性や、樹脂自体が持つ熱膨張率、熱伝導性に起因する要因による、光学レンズホルダーを射出成形する際の形成精度の問題を解消して、形状精度を高めることを目的とする。
また、複数のレンズの中心軸の軸ズレを防ぎ、結像光学レンズユニットに求められる複数のレンズの中心軸の軸合わせを容易とすることを目的とする。
本発明は、光学レンズユニットの態様、及び光学レンズホルダーの態様において、前記した樹脂の添加物による流動性、樹脂の射出成形時の熱膨張率、熱伝導率に起因して生じる問題点を解決する。
本発明は、光学レンズユニット及び光学レンズホルダーの態様における複数の形態に適用することができる。
本発明は、この複数の形態として、射出成形による光学レンズホルダーの形状精度を向上させる第1の形態、円盤状あるいは円筒状の光学レンズホルダーに射出形成時に生じる歪みを抑制する第2の形態、及び光学レンズホルダーにおいて複数のレンズの中心軸を容易に合わせる第3の形態がある。
本発明の第1の形態は、2枚以上の光学レンズと、この光学レンズのそれぞれを相対的に位置決めし固定するための光学レンズホルダーを備える。
各光学レンズは、レンズ光軸に垂直である垂直基準面と、前記レンズ光軸と平行かつ同心な中心軸を持つ同心基準面を備える。
一方、光学レンズホルダーは垂直座面と同心基準壁とを備える。垂直座面は、中心軸に垂直かつ互いに平行で、光学レンズの垂直基準面と当接し、同心基準壁は、中心軸と平行かつ同心な中心軸を持ち、かつ光学レンズホルダーの同心基準面の直径より小さい直径を持つ穴形状である。
そして、光学レンズホルダーは樹脂で成形され、直径80ナノメートル以上300ナノメートル以下、長さ1ミクロンメートル以上200ミクロンメートル以下の多層チューブ形状のカーボンナノファイバーを添加物として含有する。この含有物の含有割合は1〜20重量%の範囲である。
光学レンズホルダーを構成する樹脂材料は熱可塑性の樹脂材料とすることができ、例えば、ポリブチレンテレフタレートとすることができる。
カーボンナノファイバーは、サブミクロンメートルの直径を持ち長さが数十ミクロンメートルである高アスペクト比の炭素繊維である。カーボンナノファイバーは単に細く長いだけでなく、高い引張強度を持ち、さらに屈曲にたいしても極めて高い耐性を持ち、鋭角に折り曲げても破断・切断しないことが確認されている。また、金属並に高い熱伝導性を持っていることも知られている。また、樹脂の成形で使用する温度範囲では熱的にも安定であり、樹脂に化学的な変性を引き起こすこともない。
本発明の第1の形態では、上記の性質を持つカーボンナノファイバーを混ぜた樹脂を成形材料として射出成形することによって、以下の効果を得る。
カーボンナノファイバーは、ガラスファイバーに比較して非常に細く、樹脂にくまなく分散することが可能である。
樹脂に混ぜる量を適切に設定することにより、樹脂の金型内での流動が妨げられることなく、薄肉部分にも高速に充填することができる。
上記表1は、PBTとPCの混合材料にVGCF(カーボンナノファイバー)を5重量%混練した成形材料の射出成形時の条件と、VGCFを添加しないPBTとPCの混合材料を射出成形するときの条件を示している。
なお、使用した射出成形装置はスクリュー計量してプランジャーで金型に充填するタイプの射出成形装置であり、ソディックプラスチック社のTR18S3を用いている。
両者とも射出速度・ノズル温度などは同じ設定にしている。表1は、VGCFを5重量%混練した成形材料はP−V切換圧力、最高充填圧力が低く、流動性が良いことを示している。また、VGCFを5重量%混練した成形材料は背圧が半分以下であり、このことは成形材料が金型内にスムーズに充填されたことを示し、流動性が改善される。
また、VGCFの混練割合と流動性との関係は、測定により以下のデータを取得している。図1はPBTにVGCFの混練割合と流動性との関係を示す測定データであり、表2はその数値を示している。なお、ここでは、流動性を保圧によって評価している。測定では、保圧として、成形終了直前のスクリュー位置(10mm)での圧力値を用いている。
測定データから、PBTのみの材料の圧力は高く、VGCFの混練によって急減し、VGCF量の増加に従って高くなる傾向を示している。
さらに、カーボンナノファイバーの高い熱伝導性により、成形時の樹脂温度は速やかに成形品全体に伝熱し、より均一な温度分布が期待でき、冷却速度の不均一による変形が少ないことが期待される。その結果、レンズを位置決めする円筒状の薄肉部分の形状精度が向上する。
図2はPBTにVGCFを5重量%混練した材料で成形されたものの破断面を示している。図2(a)の画像例は倍率が7000倍であり、図2(b)の画像例は倍率が5000倍である。画像中で白い糸状の物体がVGCFであり、均一分散している状態を確認することができる。
また、図3はPBTにVGCFを混練した材料で成形された成形物の表面を示している。なお、図3は、前記した図19と同じ倍率で示している。図3に示す表面画像では、VGCFを確認することはできない。なお、画像中の斜めのスジは、金型表面に残る加工痕を転写したものであり、粒状構造は金型に付着するゴミによる影響であり、中央の線はウェルドラインである。
また、カーボンナノファイバーは、高い引張強度を持ち、樹脂に混ぜた量に応じて機械的強度が向上することが期待される。
図4と図5は、PBT(ポリブチレンテレフタレート)とPC(ポリカーボネート)にカーボンナノファイバーを混ぜた材料のヤング率を測定したグラフである。図4は混練割合が5重量%までを示し、図5は混練割合が5重量%〜20重量%の場合を示している。
また、表3はヤング率の値を示している。
これにより、PBTはVGCF(カーボンナノファイバー)を1重量%含有することでヤング率が50重量%増加し、その後5重量%までほぼ一定の値を維持した後、再び増加する。
また、PCはVGCF(カーボンナノファイバー)の量にほぼ比例してヤング率は増加する。なお、PBTにVGCFを5重量%混ぜた材料のヤング率は、3.1GPaである。このヤング率は、PBTに5重量%程度のガラスファイバーを混ぜた材料と同程度である。
また、カーボンナノファイバーは、樹脂に混ぜた量に比例して線膨張率が低下することが知られている。そのため、成形品を金型から取り出す際の収縮は小さく、通常の成形より冷えた状態で取り出すことが可能である。一般的に樹脂の剛性は温度が低い程高いため、より低温で成形品を取り出すことによって、内部応力による成形品の変形を抑制することができる。
図6はPBT(ポリブチレンテレフタレート)にカーボンナノファイバーを混ぜた材料の線膨張量を測定したグラフである。線膨張量はVGCF(カーボンナノファイバー)の量に応じて小さくなっている。なお、測定した試験片長さは10mm、温度範囲は20℃〜140℃である。線膨張率は、縦軸の読み(μm)/(140℃−20℃)×試験片長さ(10000)μmで与えられ、PBTにVGCFを5重量%混ぜた材料の線膨張率は、80/120×10000=6.6×10−5乗[m/m・k]となる。これは、PBTに10重量%程度のガラスファイバーを混ぜた材料と同等である。
VGCFを混練した材料は、ガラスファイバーを5〜10重量%いれたものと同等の機械的性質を持つと共に、ガラスファイバーをいれない材料以上の流動性を持っている。その性質により、速く充填が可能でかつ高温での変形が少ない射出成形を実現できるものである。
以上のように、本発明の第1の形態は、結像光学レンズユニット及びその光学レンズホルダーにカーボンナノファイバーを適用することにより、その良好な流動性、高い熱伝導性、高い引張強度、低い線膨張率によって、従来の樹脂材料で成形されたホルダーに比較して良好な形状精度で成形でき、レンズを設計値に近い位置に位置決めできることになり、良好な画像品質が得られる。
さらに、組立後の検査で発生する不良が減少し採算性の向上が期待できる。また、それぞれのレンズ毎に6自由度の位置制御が可能な装置によって、絵やチャートを撮影しながら最も良く映るレンズ位置を決定し、接着などの方法によってレンズを固定するといった、従来要していた作業を不要とすることができ、より簡単な装置でレンズ位置を固定することができるようになる。
また、カーボンナノファイバーは、高い熱伝導性を持つ。この高い熱伝導性により、完成した結像光学レンズユニットは熱が速やかに均一化し、熱応力の発生を押さえることができ、熱衝撃に強い性質となり、耐環境性の向上につながるという利点もある。
カーボンナノファイバーは、ガラスファイバーに比較して非常に細く、また樹脂に混ぜる量を適切に設定すれば樹脂の金型内での流動を妨げない。これにより、結像光学レンズユニットの金型の微細構造部分にも充填が可能となるため、微細で詳細な設計が可能になり、成形肉厚の精度を高めることができ、より小型で精密な結像光学レンズユニットの設計ができるという利点もある。
樹脂の流動性とカーボンナノファイバーを混ぜる範囲の関係は、樹脂材料によって差はあるが、10重量%前後を越えると流動性は低下する。剛性と強度はカーボンナノファイバーを混ぜる量に比例して向上するため、強さが欲しい場合は量を多くし、流動性を優先する場合は少なめに設定しバランスをとる。
上記したように、第1の形態によれば、形状精度を向上させることができる。
次に、本発明の第2の形態は、第1の形態において、光学レンズホルダーを円盤状又は円筒状の形状体とし、この形状体は、射出成形樹脂注入用ゲートを、中心軸を取り囲む内壁に連続的又は等角度間隔で備える構成とする。
円盤状あるは円筒状の光学レンズホルダーは中心軸について対称である。この光学レンズホルダーを射出成形によって成形する場合、射出成形部品の中心から外に向かって放射状に樹脂を流す形状のゲート配置とした場合には、樹脂は中心から外周に向かって流れた後、外周部において中心軸と平行の方向に流れると想定される。
本発明の第2の形態では、射出成形部品の中心から外に向かう放射状の樹脂の流れを、光学レンズホルダーの中心軸を取り囲む内壁に連続的又は等角度間隔で配列するゲート配置によって実現する。
このゲート配置により、樹脂は円盤状あるは円筒状の光学レンズホルダーの中心軸について対称に流動する。その結果、少なくとも中心軸まわりで見たとき、樹脂の不均一の発生は抑制され、結果的に成形歪みの発生も小さく抑えられる。
上記したゲート配置は、樹脂に添加する添加物として前記したカーボンナノファイバーを採用することで可能となる。従来のガラスファイバー混練樹脂では、添加物であるガラスファイバーの影響で流動性が悪く、金型キャビティに樹脂を注入するゲート開口サイズを小さく(例えば0.2mm)設定することができず、円盤状や円筒状の部品の中心軸を含む位置から放射状にゲート配置することは困難であるが、本発明のようにカーボンナノファイバーを1〜20重量%の範囲の含有割合で樹脂に含有させることで、ゲート開口サイズを小径とし、放射状に配置することができる。
光学レンズを保持する光学レンズホルダー(鏡筒)を本発明のゲート配置により成形することによって成形精度が高まり、実際に成形された鏡筒の円筒内径に内接する円の中心を鏡筒の設計上の中心に近くすることができる。また、発生する変形の形状についても、中心軸について対称であることが期待され、光学レンズホルダーにレンズを押し込んだ際に、そのレンズの中心は内接円の中心に近いところに収まり、レンズを正しく位置決めすることができる。
また、本発明の第2の形態は、光学レンズホルダーに限らず射出成形部品に適応することができる。この射出成形部品の形態によれば、樹脂で成形される射出成形部品であって、前記樹脂は、少なくとも1種類以上の添加物を含有し、この添加物は、直径80ナノメートル以上300ナノメートル以下、長さ1ミクロンメートル以上200ミクロンメートル以下の多層チューブ形状のカーボンナノファイバーであり、その割合は1〜20重量%の範囲である樹脂であり、円盤状または円筒状の形状であり、射出成形樹脂注入用のゲートを、射出成形部品の中心軸を取り囲む内壁に連続的又は等角度間隔で備える構成とする。第2の形態によれば、円盤状又は円筒状の形状体の成形歪みを抑制することができる。
次に、第3の形態は光学レンズホルダーに関し、円盤形状の光学レンズを内部に収納する円筒形状の光学レンズホルダーである。この光学レンズホルダーを成形する成形部材は、直径80ナノメートル以上300ナノメートル以下、長さ1ミクロンメートル以上200ミクロンメートル以下の多層チューブ形状のカーボンナノファイバーを添加物として含有する樹脂とする。さらに、成形部材の縦弾性率及び線膨張率を、光学レンズを成形する成形部材の縦弾性率及び線膨張率よりも小さく設定する。成形部材の縦弾性率は、1.6GPa〜3.1GPaの範囲とし、成形部材の線膨張率は、5×10の−5乗〜9×10の−5乗[m/m・k]の範囲とすることで、光学レンズが持つ縦弾性率及び線膨張率に合わせて設定することができる。
なお、PP(ポリプロピレン)にカーボンナノファイバー(VGCF)を混練した場合、縦弾性係数は混練比率1重量%あたり0.2GPaずつ上昇することが知られている。PPの素材の弾性率は1.4GPa程度であるため、VGCFを5重量%程度混練した場合には材料の縦弾性率は2.4GPaとなる。
また、成形材料はPBT(ポリブチレンテレフタレート)にVGCF(カーボンナノファイバー)を1〜7重量%混練することで、上記線膨張率を得ることができる。
樹脂光学レンズに多く使用される材料に、ポリオフィレン樹脂がある。その材料の横弾性係数は1.7GPa〜3.1GPaである。線膨張率は、6×10の−5乗〜9×10の−5乗[m/m・k]である。
上記した成形部材の縦弾性率の下限の1.6GPaは、ポリオフィレン樹脂から成る光学レンズの縦弾性率の下限の1.7GPaを基準とし、この値に同等であるがこの値よりも小さな値で定める。また、成形部材の縦弾性率の上限の3.1GPaはポリオフィレン樹脂から成る光学レンズの縦弾性率の上限の3.1GPaを基準とし、この値に同等であるがこの値よりも小さな値で定める。この値は、例えば、PBTにVGCFを5重量%混ぜることで得られる。
PCにガラスファイバーを混練して強化する場合、ガラスファイバーを20重量%程度混ぜて得られる、通常の強化グレードの弾性係数は6GPaであり、光学レンズよりも大きな弾性係数となる。これに対して、材料にVGCFを混練した樹脂を使って、弾性係数を1.7GPa〜3.1GPaに調整すれば、剛性がガラスファイバー入りの材料の半分以下の柔軟な光学レンズホルダーを作ることができる。かつ、ポリオフィレン樹脂で作られたレンズと弾性係数を揃えることが可能となる。
また、光学レンズホルダーの線膨張率を光学レンズの線膨張率以下で同等程度とすることによって、光学レンズ性能を向上させることができる。一般に、光学レンズホルダーの材料の線膨張率を光学レンズの材料の線膨張率よりも低く設定しておくことで、高温環境において、膨張した光学レンズを締め付けることで保持することができる。
一般に、線膨張率の低い材料は高温においても剛性が高い。そのため、光学レンズホルダーの線膨張率を低く、光学レンズの線膨張率と大きく異なる場合には、光学レンズは光学レンズホルダーよりも膨張する程度が高い。そのため、光学レンズの膨張は光学レンズホルダーで強く抑制され、光学レンズに応力が発生し変形することになる。応力が降伏応力内である場合であれば常温復帰時に変形が復元するが、応力が降伏応力を超えた場合には常温復帰時に変形が復元しないおそれがある。
また、逆に、光学レンズホルダーの線膨張率が光学レンズの材料の線膨張率よりも大きい場合には、高温時に光学レンズホルダーと光学レンズとの間に隙間が生じるという大きな問題が発生する。そこで、光学レンズホルダーの線膨張率を光学レンズの線膨張率以下で同等程度とすることで、光学レンズに復元不能と成らない程度の保持力を得ると共に、高温時においても光学レンズを確実に保持することができる。
本発明の第3の形態によれば、カーボンナノファイバーを添加物とすることで得られる、良好な流動性、高い熱伝導性、高い引張強度、低い線膨張率によって均一な形状の光学レンズホルダーを射出成形することができ、また、縦弾性係数及び線膨張率を光学レンズと同等でそれ以下とすることで、光学レンズを嵌め込む際の柔軟性を持たせることができる。
また、光学レンズホルダーの内径部は、その柔軟性によって光学レンズの外径部に倣うように変形し、光学レンズホルダーの中心軸と光学レンズの中心軸とのずれを抑制することができる。これによって、複数のレンズを組み合わせる場合、それぞれのレンズの中心軸がずれる量を小さくし、結像光学レンズユニットとしての品質の低下を抑える。
また、縦弾性係数を近い数値にすることによって、設計上において、光学レンズと光学レンズホルダーとを一体的に扱うことが可能となり、高品質なレンズユニットの開発が可能となる。さらには、線膨張率を近い数値にすることによって、結像光学レンズユニットの挙動が予想しやすくなり、さらに高品質なレンズユニットの開発が可能となる。
第3の形態によれば、光学レンズホルダーにおいて複数のレンズの中心軸を容易に合わせることができる。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、結像光学レンズユニットにおいて、樹脂に加える添加物に起因する流動性や、樹脂自体が持つ熱膨張率、熱伝導性に起因する要因による、光学レンズホルダーを射出成形する際の成形精度の問題を解消して、形状精度を高めることができる。
また、本発明によれば、複数のレンズの中心軸の軸ズレを防ぎ、結像光学レンズユニットに求められる複数のレンズの中心軸の軸合わせを容易とすることができる。
図1はPBTにVGCFの混練割合と流動性との関係を示す測定データである。 図2はPBTにVGCFを5重量%混練した材料で成形されたものの破断面を示す画像である。 図3はPBTにVGCFを混練した材料で成形されたものの表面を示す画像である。 図4はPBT又はPCにカーボンナノファイバーを混ぜた材料のヤング率の測定グラフである。 図5はPBTにカーボンナノファイバーを混ぜた材料のヤング率の測定グラフである。 図6はPBTにカーボンナノファイバーを混ぜた材料の線膨張量の測定グラフである。 図7は結像光学レンズユニットの光軸に沿った断面図を示す図である。 図8は円筒状の射出成形部品の断面斜視図である。 図9は円筒状の射出成形部品の断面斜視図である。 図10は円筒状の射出成形部品を成形する際の樹脂の流れを示す中心軸方向の断面図である。 図11は円筒状の射出成形部品を成形する際の樹脂の流れを示す中心軸と直交する方向の断面図である。 図12は円盤状の射出成形部品の斜視図である。 図13は本発明の第2の形態による構成例を説明するための図である。 図14は各成形条件による各測定箇所での厚みのばらつきを示す図である。 図15は本発明の光学レンズホルダーに光学レンズを嵌め込んだ組立状態を説明するための図である。 図16は光学レンズホルダーの中心軸方向から見た図である。 図17は光学レンズを中心軸方向から見た図である。 図18は従来の光学レンズホルダーに光学レンズを嵌め込んだ組立状態を説明するための図である。 図19はPC(ポリカーボネート)にガラスファイバーを混練して成形された材料の顕微鏡写真である。
符号の説明
1 光学レンズ
2 光学レンズ
3 光学レンズ
4 光学レンズホルダー
5 接着剤
6 接着剤
7 接着剤
8 光軸
9 垂直座面
10 同心基準壁
11 垂直座面
12 同心基準壁
13 垂直座面
14 同心基準壁
15 垂直基準面
16 同心基準面
17 垂直基準面
18 同心基準面
19 垂直基準面
20 同心基準面
21 射出成形部品
22 ゲート
23 中心軸
24 樹脂フロー矢印
25 樹脂フロー矢印
26 射出成形部品
27 ゲート
28 中心軸
29 樹脂フロー矢印
31 光学レンズホルダー
32 内径部
33 中心軸
34 光学レンズ
35 外径部
36 中心軸
37 光学レンズ内径部
38 レンズ外径部
39 円
40 光学レンズホルダー
41 内径部
42 中心軸
43 光学レンズ
44 外径部
45 中心軸
49 円
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良な形態における結像光学レンズユニット、及び光学レンズホルダーについて、図を参照しながら第1〜第3の実施の形態を詳細に説明する。
はじめに、本発明の結像光学ユニットの第1の実施の形態について図7,図8を用いて説明する。第1の形態は、射出成形による光学レンズホルダーの形状精度を向上させる形態に関する。
図7は、結像光学レンズユニットの光軸に沿った断面図を示している。図7において、結像光学レンズユニットは、光学レンズ1〜3と光学レンズホルダー4を備える。光学レンズ1〜3は、各光軸が光学レンズホルダー4の光軸と一致するように取り付けられる。図では、一致した状態の光軸8を一点鎖線で示している。各光学レンズ1〜3は光学レンズホルダー4に対して接着剤5〜7によって固定される。なお、光学レンズホルダー4は円筒形状であり、光学レンズ1〜3は平たい円板形状である。
図8は、結像光学レンズユニットの構成部品をわかりやすく見るために、それぞれの部品を分離して並べ、光軸に沿った断面で図示している。
各光学レンズは、レンズ光軸に垂直である垂直基準面と、レンズ光軸と平行で同心な中心軸を持つ同心基準面を備える。
例えば、光学レンズ1はレンズ光軸8に垂直な垂直基準面15と、レンズ光軸8と平行で同心な中心軸を持つ同心基準面16を備え、光学レンズ2はレンズ光軸8に垂直な垂直基準面17と、レンズ光軸8と平行で同心な中心軸を持つ同心基準面18を備え、光学レンズ3はレンズ光軸8に垂直な垂直基準面19と、レンズ光軸8と平行で同心な中心軸を持つ同心基準面20を備える。
一方、光学レンズホルダー4は、各光学レンズ1〜3を位置決めするために、その中心軸8に垂直かつ互いに平行で、光学レンズの垂直基準面と当接する垂直座面と、中心軸8と平行で同心な中心軸を持ち、かつ光学レンズの同心基準面の直径より小さい直径を持つ穴形状の同心基準壁とを備える。
例えば、光学レンズホルダー4は、光学レンズ1の垂直基準面15と当接する垂直座面9と、光学レンズ2の垂直基準面17と当接する垂直座面11と、光学レンズ3の垂直基準面19と当接する垂直座面13の各垂直座面を備え、光学レンズ1の同心基準面16に対応する同心基準壁10と、光学レンズ2の同心基準面18に対応する同心基準壁12と、光学レンズ3の同心基準面20に対応する同心基準壁14の各同心基準壁を備える。
なお、図7,図8では、光学レンズホルダーと光学レンズの各光軸は光軸が一致しているものとして、共通する光軸8で示している。
光学レンズ1、光学レンズ2、光学レンズ3は、それぞれレンズ作用の非球面形状を備えている。この非球面形状は、図7,8において湾曲した線で示した部分である。なお、非球面形状そのものは本発明に直接関係しないため、説明を省略する。また、それぞれのレンズの垂直基準面と同心基準面は、光軸に対して正しくできているものとする。また、図7,図8において、本発明の説明に直接関係しないレンズ面形状や面取りなどの詳細な形状、スペーサの類は省略して図示してある。
光学レンズホルダー4は、少なくとも1種類以上の添加物を含有する。添加物として、直径80ナノメートル以上300ナノメートル以下、長さ1ミクロンメートル以上200ミクロンメートル以下の多層チューブ形状の、いわゆるVGCFというカーボンナノファイバーを用いる。その混練割合は1〜20重量%の範囲とし、樹脂に添加して成形される。樹脂にカーボンナノファイバーを混ぜることにより、機械的な剛性が向上する。
カーボンナノファイバーは、ガラス繊維に比較して非常に細いため、ガラスファイバーでは転写できない数ミクロンの微細な金型表面を転写することができる。剛性が高く、転写性に優れているため、金型の形状を正確に再現することができ、光学レンズそれぞれを設計した位置に保持するための基準面と基準壁を再現することが容易となる。また、流動性を損ねないため、低温で射出成形することが可能となり、冷却速度が速く時間がかからないため、生産性に優れている。
機械的な剛性の向上は微量であっても、流動性や縦弾性率や線膨張率などの他の機械的性質の向上は期待でき、混練するカーボンナノファイバーの重量%に応じて増加する。カーボンナノファイバーを混練する適正な範囲は、前記した図1,2の縦弾性率(ヤング率)のグラフで得られる特性と、線膨張率のグラフで得られる特性から、1重量%程度から20重量%とすることができる。
一方、一般的なガラスファイバーを添加して得られる下位グレードに対応する特性を基準とする場合には、カーボンナノファイバーを3重量%程度から20重量%までの範囲が相当する。
ここで、成形精度を確保するためには流動性については高いことが求められ、線膨張率については低いことが求められる。そこで、流動性を損ねず、かつ低線膨張率を得られる3〜10重量%の範囲が好適である。
特にPBTはVGCFの割合が1重量%から剛性が50重量%程度向上する性質があり、流動性を確保しながら線膨張率の低減を図ることが可能であるため、光学レンズを保持する鏡筒材料に適している。
なお、結像光学レンズユニットの使用環境として高温環境が想定される場合は、流動性を多少犠牲にしてVGCFの割合を増やすことによって鏡筒に機械的な強さを増加させ、高温環境下での使用に耐えるように設定することができる。
以上のように、本発明の結像光学ユニットの第1の実施の形態によれば、カーボンナノファイバーを混ぜた樹脂材料で成形された結像光学レンズユニットのホルダーは、従来の方法で成形されたホルダーより優れた性能を発揮できるものである。
次に、本発明の結像光学ユニットの第2の実施の形態について図9〜図12を用いて説明する。第2の形態は、光学レンズホルダー等の円盤状又は円筒状の形状体の成形歪みを抑制する形態に関する。以下では、円盤状又は円筒状の射出成形部品を例として説明するが、この射出成形部品の適用としては、円盤状の光学レンズを保持する光学レンズホルダーが好適である。
図9は円筒状の射出成形部品の断面斜視図である。射出成形部品21は、中心軸23として同心円状に筒状の壁部を有する円筒状体である。円筒状体は、射出成形する樹脂を注入するゲート22を備える。図9に示すゲート22は、円筒状体の一方の端部側の内壁に環状に連続的にあるいは等角度間隔で形成される。
図10は、円筒状の射出成形部品を成形する際の樹脂の流れを示す断面図であり、中心軸を含む樹脂の流れを示している。図10中の矢印24は樹脂の流れを示し、ゲート22から注入された樹脂は、中心から外周に向かって放射状に流れ、円筒状体の外壁部分に至った後、中心軸23方向に沿って流れ、円筒状体の円筒壁部分を成形する。
円筒状体は中心軸23を通る中心部分に筒状の開口部が形成される。円筒状体を光学レンズホルダーに適用した場合には、この開口部の内壁部分に光学レンズを保持する。
図11は、円筒状の射出成形部品を成形する際の樹脂の流れを示す断面図であり、中心軸と直交する方向の流れを示している。図11中の矢印25は樹脂の流れる方向を示し、ゲート(図11には示していない)から注入された樹脂は、中心から外周に向かって矢印25の方向に放射状に流れる。
ここで、ゲート22は射出成形部品21の内壁に円を描くように薄い帯状に配置されている。ゲート22は射出成形部品21の中心軸23の軸対称であるため、図10及び図11において、矢印24,25で示される樹脂の流れる方向は、中心軸23からみて対称に流動し金型内に充填される。
図12は、円盤状の射出成形部品の斜視図である。図12において、円盤状の射出成形部品26は中心軸28を中心として、ほぼ円環状あるいはドーナツ状の形状であり、中心軸28が通る中心部分に開口部が形成されている。円盤状体を光学レンズホルダーに適用した場合には、この開口部の内壁部分に光学レンズを保持する。
射出成形部品26は、開口部の内壁部分にゲート27を有する。このゲート27から注入された樹脂は、中心から外周方向に向かって放射状に流れる。
ゲート27は、射出成形部品26の内壁に、中心軸28を中心として等角度間隔で薄い帯状に配置されている。ゲート27は射出成形部品26の中心軸28に軸対称であるため、樹脂は図12中の樹脂フロー矢印29で示した向きに中心軸28からみて対称流動し充填される。
円盤状であるため、中心軸28方向の寸法(厚み方向)は小さい。そのため、厚み方向の流れについては均一であると見なすことができる。
カーボンナノファイバーを混練した樹脂で成形される射出成形部品において、射出成形樹脂注入用のゲートを、中心軸を取り囲むように、連続的、または等角度間隔で、射出成形部品の内壁に配置することにより、中心軸に軸対称に樹脂を流動させて充填させることができる。
また、中心軸まわりで見たとき、樹脂が不均一に充填されたり、樹脂が不均一に冷却されるといった状態を低減し、結果的に成形歪みの発生を小さく抑えるという効果が期待できる。
第1の形態と同様に、カーボンナノファイバーは1重量%程度の混練で高い流動性を示すが、混練割合を工夫することによって剛性の向上や耐熱性の向上を実現できる。ただし、カーボンナノファイバーの混練割合が10重量%を越えると流動性は悪くなるため、好ましくは3〜10重量%の範囲が好適であり、強さと流動性のバランスを考えた適切な混練割合を設定する。
本発明の第2の形態は、特に、射出成形部品が小型で樹脂注入ゲートの設置に充分なスペースが得られない場合に有効であり、円盤状あるいは円筒状の射出成形部品の内壁に設けるゲートの断面の中心軸方向の厚みが0.2mm以下になるような場合でも射出成形が可能である。
ゲートを薄くすることで、射出成形後にゲートランナーと射出成形部品の切り離しが容易となり、切断による歪の発生が少なくなる効果が期待できる。
図13は、本発明の第2の形態による構成例を説明するための図である。ここでは、0.18mmの厚みの薄肉部品の例を示している。図13中の番号は、厚みのばらつきを測定する測定箇所を示している。
以下の表4は射出成形の成形条件を示し、表5は各成形条件による各測定箇所での厚みのばらつきを示している。
また、図14は表5の結果を図示している。
表4,表5及び図14に示すNo.1及びNo.2の測定例は、射出速度が高いほど厚み寸法のばらつきが少ないことを示している。
また、No.1及びNo.2の測定例では、射出速度は樹脂の流動性が良くなると向上する。一方、No.3〜No.5の測定例では、射出圧力を上げても、流動速度が小さい場合には放熱により粘度が増大して良好な流れが得られないため、厚みが減少する。
次に、本発明の結像光学レンズユニットの第3の実施の形態について図15〜図18を用いて説明する。第3の形態は、光学レンズホルダーにおいて複数のレンズの中心軸を容易に合わせる形態に関する。
中心軸に軸対称に高精度で成形された円盤状や円筒状の部品であっても、他の円盤状や円筒状の部品を組み合わせると、それぞれの中心軸が微妙にずれてしまい、想定した精度が得られない場合がある。結像光学レンズユニットでは、数ミクロンメートルの位置精度の変動が光学性能に大きく影響する。そのため、上記した中心軸のずれは、結像光学レンズユニットにとって大きな問題となる。
図15は本発明の光学レンズホルダーに光学レンズを嵌め込んだ組立状態を説明するための図である。なお、図18は、従来の光学レンズホルダーに光学レンズを嵌め込んだ組立状態を示している。
ここでは、光学レンズホルダーの材料としてVGCFを混練した樹脂を使用している。光学レンズホルダー40は内径部41を備え、この内径部41内に光学レンズ43の外形部44が嵌め込まれる。なお、光学レンズホルダー40の中心軸42と光学レンズ43の中心軸45とは必ずしも一致せず、軸ずれが発生している。なお、ここで、円49は仮想の理想的な円を示している。
中心軸に軸対称に高精度で成形された光学レンズホルダーにレンズを嵌め込む場合を、図16〜図18を用いて説明する。
図16は、光学レンズホルダーの中心軸方向から見た図である。図16において、光学レンズホルダー31は内径部32と中心軸33を備えている。一方、図17は光学レンズを中心軸方向から見た図であり、光学レンズホルダー31に嵌め込まれる。光学レンズ34はレンズの外径部35とレンズの中心軸36を備えている。
図18は、従来の光学レンズホルダーに光学レンズを嵌め込んだ組立状態を示しており、光学レンズホルダー31の内径部37及び光学レンズ34の外径部35は共に変形することにより、光学レンズホルダー31に光学レンズ34が嵌め込まれる。
光学レンズホルダー31に光学レンズ34を嵌め込んだものを中心軸方向から見た従来の組立状態図である。37は光学レンズホルダー31の少し変形した内径部,38は光学レンズ34の少し変形した外径部である。なお、図16〜図18では、仮想の理想的な円39からの偏差を強調して描いてある。
前記した本発明の第1、2の形態に示したように、樹脂にカーボンナノファイバーを混練した材料で射出成形することで光学レンズホルダーの形状精度は向上するが、図16,図17に示すように数ミクロンメートルの誤差を完全になくすことはできない。
光学レンズホルダー31の剛性が光学レンズ34の剛性よりも高い場合には、光学レンズ34を光学レンズホルダー31に嵌め込むと、図17に示すように、光学レンズ34の外径部35は変形し、中心軸36は光学レンズホルダー31の中心軸33からずれてしまう。
複数のレンズを組み合わせる場合には、各レンズの中心軸36が微妙にずれることになり、結像光学レンズユニットとしての品質が大きく低下するという問題が生ずる。
PCにガラスファイバーを混練して強化する場合、ガラスファイバーを20重量%程度混ぜた材料の弾性係数は6GPaとなる。この弾性係数は通常の強化グレードである。この弾性係数の数値で表される剛性は、ポリオフィレン樹脂で作られた光学レンズの剛性よりも高くなる。このような剛性の高い光学レンズホルダー内に、剛性の低い光学レンズを組み込むと、中心軸の位置ずれを光学レンズ側で吸収することになるため、光学レンズの内部応力が発生して、光学特性が劣化するおそれがある。
一方、本発明の形態において、樹脂にVGCFを混練した生成材料を使って、弾性係数を1.7GPa〜3.1GPaに調整すれば、剛性をガラスファイバー入りの材料の半分以下とする柔軟な光学レンズホルダーを作ることができ、さらに、ポリオフィレン樹脂で作られた光学レンズと弾性係数を揃えることが可能となる。
ポリオフィレン樹脂は樹脂光学レンズに多く使用される材料である。その材料の縦弾性係数は1.7GPa〜3.1GPaであり、線膨張率は6×10の−5乗〜9×10の−5乗である。
PBT(ポリブチレンテレフタレート)にVGCFを5重量%混練した樹脂で成形した光学レンズホルダーにおいては、縦弾性係数は3.1GPa程度になり、線膨張率は6.6×10の−5乗程度である。この数値は、通常の光学レンズに近い値である。例えばポリオフィレン樹脂の或るグレードの縦弾性係数は2.1GPaであり、線膨張率は7×10の−5乗である。PCにVGCFを1重量%混ぜた場合には、縦弾性係数は2.7GPaとなり、光学レンズにより近づけることができる。
VGCFは1重量%程度の混練で高い流動性を示すが、混練割合を工夫することによって剛性の向上や耐熱性の向上を実現できる。ただし、20重量%を越えると流動性は悪くなることが知られており、剛性と流動性を考慮して適切な混練割合を採用する。例えば、1重量%〜7重量%程度が好適である。
カーボンナノファイバーは、ガラスファイバーに比較して非常に細く、また柔軟であり、樹脂の流動性を高めるため、狭い流路でも樹脂の流動が高速でかつスムーズであるため、成形肉厚の精度が従来の樹脂に比較して高い。
さらに、上記したように、カーボンナノファイバーの混練割合を調整することによって弾性係数を光学レンズよりも低く少なくとも同等とすることで、光学レンズホルダーを柔軟でかつ均一な形状とすることができる。
これによって、図15において、光学レンズホルダー40の内径部41は、光学レンズ43の外径部44に倣うようにして、図18の場合よりも大きく変形する。
したがって、光学レンズ43側の変形を抑制し、光学レンズホルダー40側を変形させることで、光学レンズ43の光学特性の劣化を防ぐと共に、中心軸42と中心軸45とのずれを抑制する。
複数のレンズを組み合わせる場合、それぞれのレンズの中心軸45がずれる量が小さくなるため、結像光学レンズユニットとしての品質の低下は少ない。
また、光学レンズホルダーと光学レンズの弾性係数を近い数値にすることによって、光学レンズホルダーと光学レンズの設計上において一体的に扱うことが可能となり、高品質な結像光学レンズユニットの開発が可能となる。
さらに、光学レンズホルダーと光学レンズの線膨張率を近い数値にすることによって、結像光学レンズユニットの挙動が予想しやすくなり、さらに高品質な結像光学レンズユニットの開発が可能となる。

Claims (13)

  1. 2枚以上の光学レンズと、該光学レンズのそれぞれを相対的に位置決めし固定するために成形された光学レンズホルダーを備え、
    前記光学レンズのそれぞれは、レンズ光軸に垂直である垂直基準面と、前記レンズ光軸と平行かつ同心な中心軸を持つ同心基準面を備え、
    前記光学レンズホルダーは、その中心軸に垂直かつ互いに平行で前記垂直基準面と当接する垂直座面と、前記中心軸と平行かつ同心な中心軸を持ち、かつ前記同心基準面の直径より小さい直径を持つ穴形状の同心基準壁とを備え、
    前記光学レンズホルダーは樹脂で成形され、直径80ナノメートル以上300ナノメートル以下、長さ1ミクロンメートル以上200ミクロンメートル以下の多層チューブ形状のカーボンナノファイバーを添加物として含有し、
    当該含有物の含有割合は1〜20重量%の範囲であることを特徴とする結像光学レンズユニット。
  2. 請求の範囲第1項記載の結像光学レンズユニットにおいて、
    前記光学レンズホルダーを構成する樹脂材料を熱可塑性の樹脂材料としたことを特徴とする、結像光学レンズユニット。
  3. 請求の範囲第2項記載の結像光学レンズユニットにおいて、
    前記光学レンズホルダーを構成する熱可塑性の樹脂材料をポリブチレンテレフタレートとしたことを特徴とする結像光学レンズユニット。
  4. 請求の範囲第2項又は第3項記載の結像光学レンズユニットにおいて、
    前記光学レンズホルダーは円盤状又は円筒状の形状体であり、
    当該形状体は、射出成形樹脂注入用ゲートを、中心軸を取り囲む内壁に連続的又は等角度間隔で備えることを特徴とする結像光学レンズユニット。
  5. 2枚以上の光学レンズと、当該光学レンズを相対的に位置決めし固定する結像光学レンズユニットの光学レンズホルダーにおいて、
    当該光学レンズホルダーは、その中心軸に垂直かつ互いに平行な垂直座面と、前記中心軸と平行かつ同心な中心軸を持ち、レンズの直径より小さい直径を持つ穴形状の同心基準壁とを備え、
    前記光学レンズホルダーは樹脂で成形され、直径80ナノメートル以上300ナノメートル以下、長さ1ミクロンメートル以上200ミクロンメートル以下の多層チューブ形状のカーボンナノファイバーを添加物として含有し、
    当該含有物の含有割合は1〜20重量%の範囲であることを特徴とする結像光学レンズユニットの光学レンズホルダー。
  6. 請求の範囲第5項記載の光学レンズホルダーにおいて、
    前記ホルダーを構成する樹脂材料を熱可塑性の樹脂材料としたことを特徴とする、結像光学レンズユニットの光学レンズホルダー。
  7. 請求の範囲第6項記載の光学レンズホルダーにおいて、
    前記光学レンズホルダーを構成する熱可塑性の樹脂材料をポリブチレンテレフタレートとしたことを特徴とする、結像光学レンズユニットの光学レンズホルダー。
  8. 請求の範囲第6項又は第7項記載の光学レンズホルダーにおいて、
    前記光学レンズホルダーは円盤状又は円筒状の形状体であり、
    当該形状体は、射出成形樹脂注入用ゲートを、中心軸を取り囲む内壁に連続的又は等角度間隔で備えることを特徴とする結像光学レンズユニットの光学レンズホルダー。
  9. 円盤形状の光学レンズを内部に収納する円筒形状の光学レンズホルダーであって、
    当該光学レンズホルダーを成形する成形部材は、直径80ナノメートル以上300ナノメートル以下、長さ1ミクロンメートル以上200ミクロンメートル以下の多層チューブ形状のカーボンナノファイバーを添加物として含有する樹脂であり、
    当該成形部材の縦弾性率及び/又は線膨張率は、前記光学レンズを成形する成形部材の縦弾性率及び/又は線膨張率よりもそれぞれ小さいことを特徴とする、光学レンズホルダー。
  10. 請求の範囲第9項記載の光学レンズホルダーにおいて、
    前記成形部材の縦弾性率は、1.7GPa〜3.1GPaの範囲であることを特徴とする、光学レンズホルダー。
  11. 請求の範囲第9項記載の光学レンズホルダーにおいて、
    前記成形部材の線膨張率は、5×10の−5乗〜9×10の−5乗[m/m・k]の範囲であることを特徴とする、光学レンズホルダー。
  12. 請求の範囲第9項記載の光学レンズホルダーにおいて、
    成形材料はPBT(ポリブチレンテレフタレート)にカーボンナノファイバーを1〜7重量%混練したものであることを特徴とする光学レンズホルダー。
  13. 樹脂で成形される射出成形部品であって、前記樹脂は、少なくとも1種類以上の添加物を含有し、当該添加物は、直径80ナノメートル以上300ナノメートル以下、長さ1ミクロンメートル以上200ミクロンメートル以下の多層チューブ形状のカーボンナノファイバーであり、その割合は1〜20重量%の範囲である樹脂であり、
    円盤状または円筒状の形状であり、射出成形樹脂注入用のゲートを、射出成形部品の中心軸を取り囲む内壁に連続的又は等角度間隔で備えることを特徴とする射出成形部品。
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