JP2006322985A - レンズ鏡筒 - Google Patents

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Abstract

【課題】 薄肉で偏肉部位があっても、ヒケのなく高精度で、強度異方性が少なく、帯電防止製が付与されたレンズ鏡筒を提供する。
【解決手段】 樹脂材料と、発泡性添加物、カーボンナノチューブ、層状珪酸塩及び必要に応じてガラスファイバー、カーボンファイバーとから構成されるレンズ鏡筒。
【選択図】 図2

Description

本発明は、カメラ、ビデオ等の光学機器及び、複写機等のオフィス機器に具備されるレンズ鏡筒に関わるものである。
従来、レンズ鏡筒は小型化・軽量化・薄肉化を視野に入れ、アルミダイキャストもしくは金属加工から、射出成形等によるプラスチック樹脂を用い成形されることが一般的になってきている。また、アルミや金属から樹脂材料への変更に伴う強度低下を補う目的で、特開平03-273051に記載されているように、ガラスファイバーやカーボンファイバーなどの補強材を樹脂材料に混ぜて成形することが行われている。
また、レンズ鏡筒の薄肉化については、樹脂材料の流動性を挙げる目的で、金型温度を高温に上昇して成形する高型温成形や、樹脂材料を高速で金型内へ流し込む高速射出成形機などが使用されている。
また、樹脂材料の改良も多く行われており、特に、流動性を上げる改良や、剛性を上げる改良がなされている。
さらに、レンズ鏡筒の薄肉化にともない、同じ部品内での肉厚差(偏肉)が顕著になっている。このような肉厚差は、厚肉部位にヒケと呼ばれる表面の凹みを発生させるため、形状精度を悪化させてしまう。そのため、成形加工に際しては、樹脂材料を高圧で型内に充填するとともに、充填完了後にやはり高圧で維持する(保圧工程)方法が取られている。
特開平3−273051号公報
しかしながら、ガラスファイバーやカーボンファイバーなどの補強材を樹脂材料に配合した場合、樹脂材料の成形性(流動性)を大幅に低下させるという問題があった。その為、特に3mm以下の薄肉レンズ鏡筒では、成形性を維持するために通常よりも高い金型温度にて成形し、樹脂材料が金型内で冷却固化する時間を長くする必要があった。しかしながら樹脂材料の冷却子か時間が長くなる為に、成形加工時間が長くなり、生産性を悪化させている。また、金型温度の上昇は、温度上昇に伴う型の熱膨張及びボルトなどで拘束された熱膨張により、組みあがりの精度を悪化させるとともに、スライドなど摺動個所のかじりの原因になるという問題がある。
また、高速射出機能を持った特殊な射出成形機を使用し、高速で型内へ樹脂を注入する場合には、非常に高価な射出成形機が必要になり、設備投資額が増えるという問題や、高速で成形することにより、樹脂中に添加されているガラスファイバーやカーボンファイバーが、樹脂の流れ方向に対して抵抗が少なくなるように配向する減少により、流れ方向と流れと直角方向とで収縮差、強度差が大きくなるという問題が発生している。
さらに、これら充填物の配向による異方性による流れ方向と直角方向とでの成形収縮量の差は、成形品の精度を悪化させると言う問題や、薄肉化にともなう成形樹脂製レンズ鏡筒の強度を維持する目的で添加されるカーボンファイバーが、非常に高価であり、生産性を低下させると言う問題を発生させている。
一方、流動性を上げる樹脂材料の改良や、剛性を上げる樹脂材料の改良は、樹脂材料のコスト上昇を引き起こすという問題が発生している。
さらに、厚肉部位のヒケを防止する目的で、樹脂材料を高圧で型内に充填するとともに、充填完了後にやはり高圧で維持する(保圧工程)方法は、型の磨耗やバリの発生を誘発し、型寿命が短くなるという問題を発生させていた。
以上述べてきたように、レンズ鏡筒の小型化・軽量化・薄肉化に伴い、成形加工性、投資、精度、生産性、に、様々な問題を発生させている。
本発明はかかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。即ち本発明は、樹脂製レンズ鏡筒であって、充填物として以下を採用している。
1.発泡性樹脂材料
2.熱分解性発泡体
3.不活性ガス
4.層状珪酸塩
5.カーボンナノチューブ
さらに、レンズ鏡筒に要求される物性により、以下の充填材が併用している。
6.カーボンファイバー
7.ガラスファイバー
以上述べたように、樹脂材料中に発泡性添加物、層状珪酸塩、カーボンナノチューブ及び必要に応じガラスファイバーやカーボンファイバーを添加された本発明のレンズ鏡筒は、ヒケのない高精度なレンズ鏡筒であると同時に、帯電防止機能を備えている。さらに本発明のレンズ鏡筒は、薄肉化が容易であり、良好な成形加工性、投資、生産性に優れたレンズ鏡筒である。
本発明は前記課題、すなわち小型化・軽量化・薄肉化レンズ鏡筒における成形加工性、投資、精度、生産性、における問題を解決する為に、発泡性樹脂材料、熱分解性発泡体、不活性ガス、層状珪酸塩、カーボンナノチューブを樹脂材料中への添加物として新たに採用し、さらにレンズ鏡筒に要求される物性により、カーボンファイバーや、ガラスファイバーなどの充填材を併用している。
成形加工性における流動性の問題については、樹脂材料中の流動性を阻害するガラスファイバーとカーボンファイバーを使用しないか、もしくは従来に比べ極めて少量の使用としている。添加物をなくす、もしくは少なくすることにより流動性が向上するが、反面、強度低下を引き起こす。本発明では、強度低下に対し、層状珪酸塩を新たな添加物として採用している。層状珪酸塩をナノレベルで樹脂材料中に分散させることにより、層間引力と層状物の強度により、添加された樹脂成形品の強度は飛躍的に向上する。さらに、樹脂材料中にナノレベルで分散した層状珪酸塩は、樹脂材料の流動性を阻害することは無く、むしろ滑材として、流動性を向上させることが確認された。
一方、レンズ鏡筒の厚肉部位におけるヒケに対しては、樹脂材料に発泡性樹脂材料をもちい、樹脂材料を型内に充填したときに樹脂材料中から型へ樹脂を発泡力によって押し付けることで解決できることを見出している。同様に、樹脂材料中に、熱分解性発泡体を添加することでも同様の効果が得られることが確認された。さらにのぞましくは、窒素や炭酸ガスなどの不活性ガスを樹脂中に溶解させ、それらガスを発泡剤とすることで、無害で環境にやさしい加工が行うことが出来る。これら発泡性材料を樹脂材料中に添加した材料は、添加前に比べて飛躍的に流動性が良くなっている。
レンズ鏡筒のうち、デジタルカメラなどは内部に半導体を多用している為、外部からの電気的衝撃に対して影響を受けやすいという性格を持っている。樹脂製レンズ鏡筒においては、レンズ鏡筒の摺動に伴う静電気発生や、外部からの静電気などによって電気的障害を受けることがある。本発明では、樹脂材料中への新たな添加物として、カーボンナノチューブを採用している。樹脂材料中にカーボンナノチューブを少量添加、分散させることにより、レンズ鏡筒の帯電防止性が飛躍的に向上することを確認している。
本発明で添加されたカーボンナノチューブは、他の添加物を阻害することなく、ナノレベルで分散し、成形性を損なうことが無いことを確認している。さらに、層状珪酸塩とカーボンナノチューブは、厚肉部位における発泡性添加物の発泡に際して、発泡の起点となる核材として働くことを確認しており、それにより発泡径を非常に小さくすることに成功している。発泡径が小さくなることにより、厚肉部位の発泡による局部的な強度低下をも防ぐことが出来たのである。
本発明の実施形態では、流動性が向上し、ヒケが発生しないことから、金型温度を高温にする必要は無く、また、高速射出成形機も必要としない。
また、本発明における樹脂としては、ポリカーボネート樹脂(PC),ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS),アクリルにトリルブダジエンスチレン樹脂(ABS),ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT),ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET),ポリスチレン樹脂(PS),ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE),ポリアミド樹脂(PA),液晶性樹脂(LCP),ポリオレフィン樹脂,PC/ABS・PC/PSなど前記樹脂の組み合わせよりなるアロイ樹脂の中から選ばれる少なくとも1種類の熱可塑性樹脂がより好ましい。
以上述べたように、レンズ鏡筒の樹脂材料中に発泡性添加物、層状珪酸塩、カーボンナノチューブを添加することにより、精度、機能、成形加工性、投資、生産性に優れたレンズ鏡筒を得るに至ったのである。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明する。
図1は本発明のレンズ鏡筒を組み込んだ、ズーム機能を備えたカメラ鏡筒の一部の構成要素を示す分解斜視図である。図1において1は固定筒、2は駆動筒、3は第1直進ガイド筒である。また、図2は図1の3で示された第1直進ガイド筒における本発明のレンズ鏡筒の断面図である。図2において、9は薄肉部、10は厚肉部、11はカム溝である。本発明によれば、厚肉部5では添加された発泡性樹脂もしくは発泡性添加物の発泡により、微細な発泡層が形成されており、薄肉部4では発泡層を形成する事はない。
図3は本発明図2の厚肉部断面の拡大図であり、16は樹脂材料、14はガラスファイバー、15は層状珪酸塩、12はカーボンナノチューブ、13は発泡部である。中央部分では発泡層が形成され、ガラスファイバーがランダムな方向に配列しているのに対し、表層付近では発泡層は形成されておらず、ガラスファイバーは一方向に配向している。また、層状珪酸塩は均一に分散しているが、カーボンナノチューブは表層付近では配向が見られ、密度が上昇している。中心層で形成される発泡層により、厚肉部で起きる収縮によるヒケが防止されており、また、個々の発泡体が形成されるときに起きる充填物の回転効果により、ガラスファイバーの配列がランダムになり、全方向での強度を維持する結果となっている。また、カーボンナノチューブは、表層付近で密度が高くなっているため、表面への露出が多くなりまたカーボンナノチューブ同士の導電ネットワークが高密度で形成されるため、表面での帯電電化を効率よく逃がすことが可能になっている。
図4は高い型温度で高速射出成形機を用いて従来の成形方法で加工した第1直進ガイド筒である。同図において17は樹脂の収縮により形成されたヒケである。また、全体に渡りガラスファイバーとカーボンファイバーが同一方向に配向している。薄肉部への流動性を上げる為に行った型温の上昇は、ヒケの発生をより容易にしており、発生したヒケにより厚肉部外周の精度(新円度、径寸法)が悪化し、また、ガラスファイバーやカーボンファイバーなどの充填物が配向しているために、配向方向と配向に直角方向とでの収縮差が大きく、均一な収縮を妨げられた為、型の形状精度から大きく離れる精度となっている。また、充填物の配向は、配向方向と配向に直角方向とでの強度差を生じさせており、図4紙面上下方向の、鏡筒を径方向につぶす荷重に対して弱い強度を示している。
図5は本発明図2の薄肉部断面の拡大図であり、16は樹脂材料、14はガラスファイバー、15は層状珪酸塩、12はカーボンナノチューブである。中央部分に比べ、表面付近でのガラスファイバーが一方向に配向している傾向が強い。しかしながら図4に示した従来方法に比較した場合、中心層でのガラスファイバーの配向は顕著に見られない。また、図3において示した本発明レンズ鏡筒の厚肉部位断面状態と同様に、層状珪酸塩は均一に分散している。カーボンナノチューブについても同様に、表層付近では配向が見られ、密度が上昇している。分散した層状珪酸塩により、中心層付近のガラスファイバーの流れ方向の配向が阻害される効果により、従来のものに比して中心層付近のガラスファイバーの配列は緩やかになっている。中心層付近のガラスファイバーの配向が緩やかな為、従来のレンズ鏡筒に比して、収縮差や強度の異方性は少ないものとなっている。また、カーボンナノチューブ同士の導電ネットワークが、表層付近において高密度で形成されるため、表面での帯電電化を効率よく逃がすことが可能になっている。
図6はズーム機能を備えたカメラ鏡筒において、図1に示す以外の構成要素を示しており、5は1群筒、7は第2直進ガイド筒、8は2群保持枠である。
次に、本発明実施例について解説する。
樹脂材料:ポリカーボネ-ト(PC)
充填材:ガラスファイバー30%
樹脂材料:ポリカーボネ-ト(PC)
充填材:カーボンファイバー20%
樹脂材料:ポリカーボネ-ト(PC)
充填材:発泡性樹脂材料5%
層状珪酸塩3%
ガラスファイバー20%
樹脂材料:ポリカーボネ-ト(PC)
充填材:発泡性樹脂材料5%
層状珪酸塩3%
カーボンナノチューブ3%
ガラスファイバー20%
樹脂材料:ポリカーボネ-ト(PC)
充填材:熱分解性発泡体ペレット50%
層状珪酸塩3%
カーボンナノチューブ3%
ガラスファイバー20%
樹脂材料:ポリカーボネ-トとアクリルニトリルブダジエンスチレン樹脂のアロイ(PC+ABS)
充填材:不活性ガスを浸透させたポリカーボネ-トペレットとアクリルニトリルブダジエンスチレン樹脂のアロイ50%
層状珪酸塩3%
カーボンナノチューブ3%
ガラスファイバー20%
樹脂材料:ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)
充填材:不活性ガスを浸透させたポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)50%
層状珪酸塩3%
カーボンナノチューブ3%
ガラスファイバー15%
実施例1及び実施例2は従来方式によるレンズ鏡筒である。樹脂材料としてポリカーボネ-ト(日本GEプラスチックス製レキサン)を使用し、強度の補強添加物としてガラスファイバー、カーボンファイバーを使用している。両従来方式により得られたレンズ鏡筒は、厚肉部位に目視においてヒケが見られ、厚肉部位外周の真円度も50ミクロン以上を示した。また、厚肉部位、薄肉部位ともにファイバー状充填物の配向性は大きかった。さらに、射出成形に際しては、流動性が悪く(最大射出圧力>200Mpa必要)、薄肉部位まで形状を転写させる必要性から、金型温度を110℃に上げ、さらに、高速射出(300mm/sec以上)が可能な成形機を使用する必要があった。その結果、金型温度を高温に設定した為、金型内での冷却時間は12秒必要となった。
実施例3は本発明によるレンズ鏡筒である。樹脂材料としてポリカーボネ-ト(日本GEプラスチックス製レキサン)を使用し、添加物として発泡性充填物(アゾジカルボンアミドADCA)を5%、層状珪酸塩(モンモリロナイト)を3%、補強材としてガラスファイバーを20%添加した。得られたレンズ鏡筒は、目視ではヒケは見られず、厚肉部位外周の真円度は20ミクロンから40ミクロンとなり、良好な真円度を示した。また、厚肉部位、薄肉部位ともに中心層付近ではファイバー状充填物の配向性は小さく、得られたレンズ鏡筒の径方向荷重に対する弾性率は、ガラスファイバー30%のものと同等の結果を示した。さらに、射出成形に際しては、流動性が良いため(最大射出圧力<170Mpa)通常の射出成形機で問題なく加工でき、金型温度も70℃で十分であった。その結果、冷却時間は6秒となり、加工時間が短縮された。
実施例4は本発明によるレンズ鏡筒である。樹脂材料としてポリカーボネ-ト(日本GEプラスチックス製レキサン)を使用し、添加物として発泡性充填物(アゾジカルボンアミドADCA)を5%、層状珪酸塩(モンモリロナイト)を3%、カーボンナノチューブを3%、補強材としてガラスファイバーを20%添加した。得られたレンズ鏡筒は、実施例3と同様に、目視ではヒケは見られず、厚肉部位外周の真円度は20ミクロンから40ミクロンとなり、良好な真円度を示した。また、厚肉部位、薄肉部位ともに中心層付近ではファイバー状充填物の配向性は小さく、得られたレンズ鏡筒の径方向荷重に対する弾性率は、ガラスファイバー30%のものと同等の結果を示した。また、得られたレンズ鏡筒外周面の電気抵抗は1×10E4と低い値を示し、とくに、電化を印加した後の残留電荷測定では、実施例2のカーボンファイバーを添加した従来のものよりも良い結果を示した。また、射出成形に際しては、流動性が良いため(最大射出圧力<170Mpa)通常の射出成形機で問題なく加工でき、金型温度も70℃で十分であった。その結果、冷却時間は6秒となり、加工時間が短縮された。
実施例5は本発明によるレンズ鏡筒である。樹脂材料としてポリカーボネ-ト(日本GEプラスチックス製レキサン)を使用し、添加物として熱分解性発泡体ペレット50%(永和化成(株)ポリスレンEB201)、層状珪酸塩(モンモリロナイト)を3%、カーボンナノチューブを3%、補強材としてガラスファイバーを20%添加した。得られたレンズ鏡筒は、実施例4と同様に、目視ではヒケは見られず、厚肉部位外周の真円度は20ミクロンから40ミクロンとなり、良好な真円度を示した。また、厚肉部位、薄肉部位ともに中心層付近ではファイバー状充填物の配向性は小さく、得られたレンズ鏡筒の径方向荷重に対する弾性率は、ガラスファイバー30%のものと同等の結果を示した。また、得られたレンズ鏡筒外周面の電気抵抗は1×10E4と低い値を示し、とくに、電化を印加した後の残留電荷測定では、実施例2のカーボンファイバーを添加した従来のものよりも良い結果を示した。また、射出成形に際しては、流動性が良いため(最大射出圧力<170Mpa)通常の射出成形機で問題なく加工でき、金型温度も70℃で十分であった。その結果、冷却時間は6秒となり、加工時間が短縮された。
実施例6は本発明によるレンズ鏡筒である。樹脂材料としてポリカーボネ-トとアクリルニトリルブダジエンスチレン樹脂のアロイ(日本GE製サイコラック)を使用し、添加物として不活性ガスを浸透させたポリカーボネ-トペレットとアクリルニトリルブダジエンスチレン樹脂のアロイ、層状珪酸塩(モンモリロナイト)を3%、カーボンナノチューブを3%、補強材としてガラスファイバーを20%添加した。なお、アロイペレットへのガスの浸透は、高圧容器中にペレットと炭酸ガスを入れ、23℃の温度で、容器内圧力を7Mpaに上げ、1時間保持し、作成されたものを使用した。得られたレンズ鏡筒は、実施例4と同様に、目視ではヒケは見られず、厚肉部位外周の真円度は15ミクロンから30ミクロンとなり、良好な真円度を示した。また、厚肉部位、薄肉部位ともに中心層付近ではファイバー状充填物の配向性は小さく、得られたレンズ鏡筒の径方向荷重に対する弾性率は、ガラスファイバー30%のものと同等の結果を示した。また、得られたレンズ鏡筒外周面の電気抵抗は1×10E4と低い値を示し、とくに、電化を印加した後の残留電荷測定では、実施例2のカーボンファイバーを添加した従来のものよりも良い結果を示した。また、射出成形に際しては、流動性が良いため(最大射出圧力<150Mpa)通常の射出成形機で問題なく加工でき、金型温度も50℃で十分であった。その結果、冷却時間は5秒となり、加工時間が短縮された。
実施例7は本発明によるレンズ鏡筒である。樹脂材料としてポリフェニレンスルフィド樹脂(大日本インキ製)、添加物として不活性ガスを浸透させたポリフェニレンスルフィド樹脂、層状珪酸塩(モンモリロナイト)を3%、カーボンナノチューブを3%、補強材としてガラスファイバーを15%添加した。なお、ペレットへのガスの浸透は、高圧容器中にペレットと炭酸ガスを入れ、23℃の温度で、容器内圧力を7Mpaに上げ、1時間保持し、作成されたものを使用した。得られたレンズ鏡筒は、実施例4と同様に、目視ではヒケは見られず、厚肉部位外周の真円度は20ミクロンから40ミクロンとなり、良好な真円度を示した。また、厚肉部位、薄肉部位ともに中心層付近ではファイバー状充填物の配向性は小さく、得られたレンズ鏡筒の径方向荷重に対する弾性率は、ガラスファイバー30%のものと同等の結果を示した。また、得られたレンズ鏡筒外周面の電気抵抗は1×10E4と低い値を示し、とくに、電化を印加した後の残留電荷測定では、実施例2のカーボンファイバーを添加した従来のものよりも良い結果を示した。また、射出成形に際しては、流動性が良いため(最大射出圧力<170Mpa)通常の射出成形機で問題なく加工できた。金型温度は樹脂の結晶化を促進する為に110℃としたが、冷却時間は5秒となった。
Figure 2006322985
ここで、表面抵抗率の測定は、JIS-K7149準処の4端子4探針方式を用い測定した(三菱化学製、測定レンジ:10-3〜107Ω)。また、レンズ鏡筒表面の帯電電位測定は、レンズ鏡筒をアースされたステージに置き、コロナ放電により電荷(0.1μA×2s=0.2μC)をチャージさせて、鏡筒表面に電荷を蓄積させ、放電停止後5s地点での電荷量を表面電位計によって測定する方法により測定した(ナノコート・ティーエス製コロナサーフ)。
ズーム機能を備えたカメラ鏡筒の一部の構成要素を示す分解斜視図である。 本発明のレンズ鏡筒の断面図。 本発明図2の厚肉部断面の拡大図。 従来の成形方法で加工したレンズ鏡筒断面図。 本発明の薄肉部断面拡大図。 ズーム機能を備えたカメラ鏡筒において、図1に示す以外の構成要素分解斜視図である。
符号の説明
1 固定筒
2 駆動筒
2b,2c 回転ガイド溝
3 第1直進ガイド筒
3a,3b 突起
3c 貫通カム穴
4 カム筒
5 一群筒
6 リング
7 第2直進ガイド筒
8 二群保持枠
9 薄肉部位
10 厚肉部位
11 カム溝
12 カーボンナノチューブ
13 発泡部
14 ガラスファイバー
15 層状珪酸塩
16 樹脂材料
17 ヒケ

Claims (11)

  1. 樹脂と無機添加物及び発泡層と非発泡層とから形成される事を特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 発泡層の発泡径が100ミクロン以下であることを特徴とする請求項1のレンズ鏡筒。
  3. ウエルド部位が無機添加物と樹脂とからなることを特徴とする請求項1のレンズ鏡筒。
  4. 発泡層における無機添加物の配向がランダムであり、表面層の配向が一定の方向に向いていることを特徴とする請求項1のレンズ鏡筒。
  5. 薄肉部位と薄肉部位の2倍から4倍の肉厚である厚肉部位とからなり、厚肉部位に発泡層を形成した事を特徴とする請求項1のレンズ鏡筒。
  6. 無機添加物が層状珪酸塩であることを特徴とする請求項1のレンズ鏡筒。
  7. 無機添加物がカーボンナノチューブとガラスファイバーであることを特徴とする請求項1のレンズ鏡筒。
  8. 無機添加物が層状珪酸塩とカーボンナノチューブ及びガラスファイバーであることを特徴とする請求項1のレンズ鏡筒。
  9. 無機添加物がカーボンナノチューブとカーボンファイバー及びガラスファイバーであることを特徴とする請求項1のレンズ鏡筒。
  10. 無機添加物が層状珪酸塩とカーボンナノチューブ、カーボンファイバー及びガラスファイバーであることを特徴とする請求項1のレンズ鏡筒。
  11. 樹脂材料が、少なくともポリカーボネート樹脂(PC),ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS),アクリルニトリルブダジエンスチレン樹脂(ABS),ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT),ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET),ポリスチレン樹脂(PS),ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE),ポリアミド樹脂(PA),液晶性樹脂(LCP),ポリオレフィン樹脂,PC/ABS・PC/PSなど前記樹脂の組み合わせよりなるアロイ樹脂の中から選ばれる少なくとも1種類である請求項1及至請求項10に記載のレンズ鏡筒。
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