JP2005062835A - レンズ鏡筒 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄肉成形性の良く、成形時の金型磨耗を低減することができるレンズ鏡筒を提供する。
【解決手段】少なくとも次の構成要素A、Bをもつ導電性樹脂組成物から成形されるレンズ鏡筒とする。
A:カーボンナノチューブ又は/及び気相成長炭素繊維
B:樹脂
【選択図】図1

Description

本発明は、カメラ等の光学機器に具備されるレンズ鏡筒の改良に関するものである。
従来、レンズ鏡筒は小型化・軽量化・薄肉化を視野に入れ、プラスチック樹脂を用い成形されることが一般的であるが、外部からの電荷による機器故障の防止を目的として鏡筒本体に導電性を付与させることが必須となっている。すなわち、レンズ鏡筒に使用される樹脂材料に導電性材料である炭素繊維を配合させることで鏡筒本体に導電性を付与し、電荷を鏡筒側に逃がすという解決策が採られている。機器故障の例としては、デジタルカメラ内部の電気回路につながる端子に、外部からの蓄積電荷が落ちることで発生する誤動作(画像の乱れ等)等である。しかしながら、この炭素繊維の配合により、樹脂材料の成形性(流動性)を大幅に低下させる、また流動性の悪化に伴い成形金型の磨耗が大きくなり、型修正に膨大な費用がかかるといった課題が発生する。さらに重量の増加にもつながる。したがって、小型化・軽量化・薄肉化の妨げとなっている。
また、昨今樹脂に前述の炭素繊維等に代表される導電性材料を配合することによって、より高い導電性を有する樹脂組成物の提案が行われている。例えば、炭素繊維などの導電性材料の配合量を増加する方法や複数の導電性材料を併用する方法などが挙げられる。前述の導電性材料の配合増量により高い導電性が得られるものの、材料の成形性(流動性)の悪化・衝撃強度など力学的特性の低下が問題となっていた。一方、前述の複数の導電性材料併用による高導電化としては、炭素繊維とカーボンブラックとを併用する技術が例として挙げられる。例えば、特許文献1や特許文献2などで提案されているが、これらは導電性の向上は見られるが、成形性(流動性)や力学特性といった点で十分なものではなかった。
以上より、炭素繊維の含有量を減少させるか、もしくは無くさない限り、成形性等において優れた樹脂材料を得るのは難しい。つまり、導電性と成形性の両立は困難である。
特開平11−116818号公報 特開2001−131426号公報
前述のように樹脂材料に炭素繊維を配合し導電性を付与させ機器故障への解決策としているが、これにより樹脂材料の成形性(成形時の流動性等)を大幅に低下させる、また流動性の悪化に伴い成形金型の磨耗が大きくなり、型修正に膨大な費用がかかるといった課題が発生する。さらに重量の増加にもつながる。
したがって小型化・軽量化・薄肉化・低コスト化にとって、この炭素繊維の配合が最善の方法とは言い難い。すなわち、現在使用されている炭素繊維の使用を無くすかもしくは減少させ、かつ成形性を損なわず、型磨耗の少ない炭素繊維の代替を用い導電性を付与させることが望まれていた。
また、ガラス繊維や炭素繊維を含有した樹脂は流動性が悪いため、レンズ鏡筒を薄肉化させることが困難であり、流動性を上げるためにガラス繊維や炭素繊維の含有を低減させると所定の剛性が得られないという問題があった。
また、ガラス繊維や炭素繊維は成形時の樹脂流動によって配向するため、樹脂の収縮率に異方性を生じ、レンズ鏡筒において高い寸法精度を得ることも困難であった。
さらに、ガラス繊維や炭素繊維は成形時に金型を磨耗させ、金型の寿命を短くする。例えばズームレンズ鏡筒ユニットを構成するレンズ鏡筒には高精度を要する嵌合部を備えており、レンズ鏡筒ユニットを構成する各種レンズ鏡筒において、いずれかの金型が磨耗した場合でも、すべての構成部品の金型を製作し直す必要があり、金型のコストが問題となっている。
(発明の目的)
本発明の目的は、薄肉成形性の良く、成形時の金型磨耗を低減することのできるレンズ鏡筒を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、少なくとも次の構成要素A、Bをもつ導電性樹脂組成物から成形されるレンズ鏡筒とするものである。
A:カーボンナノチューブ又は/及び気相成長炭素繊維
B:樹脂
同じく上記目的を達成するために、請求項8に記載の発明は、少なくとも下記の構成要素A、Bからなる複合材料によって成形されるレンズ鏡筒とするものである。
構成要素A:層状珪酸塩
構成要素B:熱可塑性樹脂
同じく上記目的を達成するために、請求項20に記載の発明は、少なくとも下記の構成要素A、Bからなり、構成要素Aが1〜20重量%の範囲内で含有されている複合材料によって射出成形され、平均肉厚が1.0mm以下であるレンズ鏡筒とするものである。
構成要素A:有機オニオムイオン含有層状珪酸塩
構成要素B:芳香族ポリカーボネート系樹脂
同じく上記目的を達成するために、請求項24に記載の発明は、少なくとも下記の構成要素A,B,Cからなる複合材料によって成形されているレンズ鏡筒とするものである。
構成要素A:カーボンナノチューブ又は/及び気相成長炭素繊維
構成要素B:層状珪酸塩
構成要素C:熱可塑性樹脂
同じく上記目的を達成するために、請求項38に記載の発明は、少なくとも下記の構成要素A,B,Cからなり、構成要素Bが1〜20重量%の範囲内で含有されている複合材料によって射出成形され、平均肉厚が1.0mm以下であるレンズ鏡筒とするものである。
構成要素A:カーボンナノチューブ又は/及び気相成長炭素繊維
構成要素B:有機オニオムイオン含有層状珪酸塩
構成要素C:芳香族ポリカーボネート系樹脂
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。この実施形態に関するレンズ鏡筒は、少なくとも次の構成要素A,Bをもつ導電性樹脂組成物から成形される。
A:カーボンナノチューブ及び気相成長炭素繊維
B:樹脂
図1に、レンズ鏡筒の樹脂組成概略図を示している。
前記構成要素Aはカーボンナノチューブ又は/及び気相成長炭素繊維であるが、ここでいうカーボンナノチューブとは、気相成長法・アーク放電法・レーザー蒸発法などで生成される単層ナノチューブや多層ナノチューブを指し、気相成長炭素繊維とは、上記気相成長法により気相で結晶を成長させることで得られる不連続な炭素繊維や黒鉛繊維を指す。これらは針状、コイル状、チューブ状、カップ状の形態など任意の形態をとることができる。また、これらを2種類以上ブレンドしたものでもよい。構成要素Aの製造方法は前記のいずれの方法もしくはそれ以外の方法もとることができ、特別に制限されるものではない。例えば特開平08−198611号公報や特開2002−348741号公報などに開示されている方法などが挙げられる。
これらの構成要素Aは、平均単繊維直径が1〜200nmの範囲内であるのが好ましい。1nm未満では繊維として製造することが困難になる場合がある。一方、200nmを越えると、所望の導電性を得ることができない場合がある。より好ましくは1〜150nm、更に好ましくは1〜100nm、とりわけ1〜50nmの範囲内であるのが好ましい。
前記構成要素Bは、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂のどちらも使用することができる。
かかる熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ、フェノール(レゾール型・ノボラック型)、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、アルキド、アクリル、グアナミン、ジアリルフタレート、アリルエステル、フラン、イミド、ウレタン、ユリア、メラニン、キシレン、ポリイミド等が挙げられる。またこれらの共重合体や変性体も使用することができる。さらに、これらを2種類以上ブレンドした樹脂なども使用することができる。
かかる熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリルニトリルブダジエンスチレン(ABS)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアリレート(PAR)、ポリカーボネート(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン(PE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリケトン(PK)、ポリメチレンメタクリレート(PMMA)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、液晶ポリエステル等のポリエステル、ポリオキシメチレン(POM)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリスルホン(PSU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリブチレン等のポリオレフィン、スチレン系の樹脂、フェノール(ノボラック型など)フェノキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブダジエン系、ポリイソプレン系、フッ素系等の熱可塑エラストマー等が挙げられる。またこれらの共重合体や変性体も使用することができる。さらに、これらを2種類以上アロイ・ブレンドした樹脂なども使用することができる。
また、耐衝撃性向上を目的として、上記熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂にその他のエラストマーもしくはゴム成分を添加してもよい。
樹脂としては、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)、アクリルにトリルブダジエンスチレン樹脂(ABS)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリスチレン樹脂(PS)、ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)、ポリアミド樹脂(PA)、液晶性樹脂(LCP)、ポリオレフィン樹脂、PC/ABS、PC/PSなど前記樹脂の組み合わせよりなるアロイ樹脂の中から選ばれる少なくとも1種類の熱可塑性樹脂がより好ましい。また、鏡筒本体の表面抵抗率を1×100Ω/sq以上で1×1013Ω/sq以下とする。
また、第1の実施形態に係る構成要素Cとして、目的に応じて更に以下のような添加剤を含有してもよい。添加剤の例として、充填剤(シリカ、シリコーン、変性シリコーンオイル、セリサイト、セピオライト、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、ガラスビーズ、グラファイト、ゾノトライト、ワラステナイト、チタン酸カリウムウィスカ、ホウ酸アルミニウムウィスカ、ホウ酸亜カルシウム、ホウ酸亜鉛、ポリリン酸カルシウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、二硫化モリブデン、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、高分子など)、導電性付与材(金属系、金属酸化物系など)、難燃剤(ハロゲン系(臭化樹脂など)、アンチモン系(三酸化アンチモン、五酸化アンチモンなど)、リン系、有機酸金属塩系(有ホウ酸金属塩、カルボン酸金属塩、芳香族スルホンイミド金属塩など)、無機系(亜鉛、酸化亜鉛、ジルコニウム化合物など)、窒素系(シアヌル酸、イソシアヌル酸、メラミン、メラミンシアヌレート、メラミンホスフェート、窒素化グアニジンなど)、フッ素系(PTFEなど)、シリコーン系(シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、ポリオルガノシロキサンなど)、金属水酸化物系(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなど)、難燃助剤(酸化カドミウム、酸化亜鉛、酸化第一銅、酸化第二銅、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化スズ、酸化チタンなど)、顔料、染料、滑剤(シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなど)、離型剤、相溶化剤、分散剤(シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなど)、結晶核剤、可塑剤(リン酸エステルなど)、熱安定剤、酸化防止剤、着色防止剤、紫外線吸収剤、流動性改質剤、発泡剤、抗菌剤、制振剤、防臭剤、摺動性改質剤、帯電防止剤(ポリエーテルエステルアミドなど)等が挙げられる。またこれらは単独でも2種類以上ブレンドしたものでも使用することができる。
第1の実施形態に係るレンズ鏡筒は、射出成形により成形されるが、成形に用いられる導電性樹脂組成物の形態としては、ペレット・スタンパブルシート・プリプレグ・SMC・BMC等を使用することができるが、最も望ましいのはペレットである。前記導電性樹脂組成物のペレットは、所望量の樹脂とカーボンナノチューブ及び気相成長炭素繊維を溶融混練し、押し出し、ペレタイズすることによって得られたものを示すが、これには長繊維ペレットも含まれる。長繊維ペレットとは、特公昭63−37694号公報に示されるような、繊維がペレットの長手方向に、ほぼ平行に配列し、ペレット中の繊維長さが、ペレット長さと同一またはそれ以上のものを指す。また、前記導電性樹脂組成物の溶融混練にはバンバリーミキサ・ロール・ブランベンダー・単軸混練押し出し機・二軸混練押し出し機・ニーダーなどが使用されるが、最も望ましいのは二軸混練押し出し機である。
以下、実施例1によって第1の実施形態を、更に詳細に説明する。
第1の実施形態に関する評価を行うために、径30mm×長さ20mm×平均厚さ0.6mmのレンズ鏡筒を第1の実施形態の構成要素を用いて作成した。なお、従来はレンズ鏡筒(鏡筒本体)の肉厚は1.0mm近くが限度であったが、レンズ鏡筒をカーボンナノチューブ又は/及び気相成長炭素繊維を含有する導電性樹脂組成物により成形することにより、上記のように0.6mmでも成形可能であり、第1の実施形態によれば平均肉厚が1.0mm以下のもので成形可能である。このレンズ鏡筒に関する評価項目及びその方法を下記する。
1−1.表面抵抗率
表面抵抗率とは、試料表面の単位面積あたりの抵抗を示すものであり、JIS−K7149準処の4端子4探針方式を用い測定することができる。4端子4探針方式とは4本等間隔に並んだ4探針の外側2本より電流を流し、内側2本により抵抗率を算出するという測定法である。用いた測定器は低抵抗率計ロレスタGP MCP−T600(三菱化学製、測定レンジ:10−3〜107Ω)であり、本測定では10サンプル測定し、それらの平均値を用いた。
1−2.帯電電位
ここでいう帯電電位とは、試料表面に存在する電荷量を示し、試料の帯電防止性を直接示すものである。測定法としては、レンズ鏡筒をアースされたステージに置き、コロナ放電により電荷(0.1μA×2s=0.2μC)をチャージさせて、鏡筒表面に電荷を蓄積させ、放電停止後5s地点での電荷量を表面電位計によって測定する方法である。用いた測定器はコロナサーフ(ナノコート・ティーエス製)であり、本測定では10サンプル測定し、それらの平均値を用いた。測定方法は図2に示される通りである。
1−3.充填ピーク圧力
ここでいう充填ピーク圧とは、射出成形においてキャビティに樹脂が充填した時の最大圧力であり、樹脂の流動性を評価する一つの要素となるものである。つまり、これを比較項目として用いることで樹脂材料の成形性比較を行うことができる。用いた成形機は住友重機SG50(スクリュ径φ22)である。
1−4.型磨耗量
ここでいう型磨耗量とは、型材がS55Cである金型キャビティの一部により削れ易いアルミニウム(A1050P)を用い、それぞれの材料で1万shots成形を行うことで、その削れ量について重量を用いて表わしたものである。
本実施例1で用いた各構成要素の種類および表記について以下に示す。
構成要素A
NT1:気相成長多層ナノチューブMWNT(平均単繊維直径=約10nm、ハイペリオン・キャタリシス・インターナショナル・インク製)
NT2:気相成長多層ナノチューブVGNF(平均単繊維直径=約80nm、昭和電工製)
NT3:気相成長多層ナノチューブVGCF(平均単繊維直径=約150nm、昭和電工製)
構成要素B
PC:ポリカーボネート樹脂(日本GEプラスチックス製レキサン121R−111)
PPS:ポリフェニレンスルフィド樹脂(大日本インキ製LR−1G)
構成要素C
SI:変性シリコーンオイル(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン製BY16−799)
TI:チタン酸カリウム繊維(大塚化学製ティスモD)
(実施例1−1,1−2,1−8,1−9)
十分に乾燥した所望量の構成要素A15wt%含有のマスターバッチ(ベース樹脂日本GEプラスチックス製LEXAN 131−111、ハイペリオン・キャタリシス・インターナショナル・インク製)とBをドライブレンドし、その後二軸押出機のメインホッパから投入し、十分に溶融・混練された状態で押し出し、ストランドを冷却後ペレタイザを用いペレット化する。得られたペレットを住友重機SG50(スクリュ径φ22)成形機にて、径30mm×長さ20mm×平均厚さ0.6mmのレンズ鏡筒を成形する。成形条件は金型温度125℃、射出速度80mm/s、ノズル設定温度315℃、保圧102MPaとする。
(実施例1−3,1−4)
十分に乾燥した所望量の構成要素Bを二軸押出機のメインホッパから投入し、十分に溶融・混練された状態で押し出しながら、構成要素Aをサイドフィーダより投入し、樹脂をカーボンナノチューブ中に含浸させ押し出す。押出されたストランドを冷却後ペレタイザを用いペレット化する。得られたペレットを住友重機SG50(スクリュ径φ22)成形機にて、径30mm×長さ20mm×平均厚さ0.6mmのレンズ鏡筒を成形する。成形条件は金型温度125℃、射出速度80mm/s、ノズル設定温度315℃、保圧102MPaとする。
(実施例1−5,1−6)
実施例1,2,8,9で行う作業に加え、構成要素A及びBを十分に溶融・混練された状態で押し出しながら、所望量の構成要素Cをサイドフィーダより投入する。
(実施例1−7)
十分に乾燥した所望量の構成要素A15wt%含有のマスターバッチ(ベース樹脂Ticona製FORTRON0214、ハイペリオン・キャタリシス・インターナショナル・インク製)とBをドライブレンドし、その後二軸押出機のメインホッパから投入し、十分に溶融・混練された状態で押し出し、ストランドを冷却後ペレタイザを用いペレット化する。得られたペレットを住友重機SG50(スクリュ径φ22)成形機にて、径30mm×長さ20mm×平均厚さ0.6mmのレンズ鏡筒を成形する。成形条件は金型温度115℃、射出速度80mm/s、ノズル設定温度325℃、保圧102MPaとする。
(比較例1−1)
炭素繊維20wt%含有の樹脂(帝人化成製、パンライトB7730R)を用い、住友重機SG50(スクリュ径φ22)成形機にて、径30mm×長さ20mm×平均厚さ0。6mmのレンズ鏡筒を成形する。成形条件は金型温度135℃、射出速度100mm/s、ノズル設定温度325℃、保圧71MPaとする。
(比較例1−2)
炭素繊維10wt%含有の樹脂(帝人化成製、パンライトB7110R)を用い、住友重機SG50(スクリュ径φ22)成形機にて、径30mm×長さ20mm×平均厚さ0。6mmのレンズ鏡筒を成形する。成形条件は金型温度135℃、射出速度100mm/s、ノズル設定温度325℃、保圧71MPaとする。
Figure 2005062835
表1の結果より、カーボンナノチューブ又は/及び気相成長炭素繊維を含有する導電性樹脂組成物で作成したレンズ鏡筒(以下、CNT鏡筒)と従来のレンズ鏡筒(以下、CF鏡筒)との比較について述べる。
1−1.表面抵抗率・帯電電位
表面抵抗率に関しては比較例1−1のCF鏡筒の方が低い値を示しているものの、帯電電位に関しては実施例1−1〜1−9のCNT鏡筒の方が低い値を示している。これは、CF・CNTそれぞれの径や形状の違いに起因する導電ネットワーク形成状態の違いによるものと考えられるが、本発明において一つの主要目的となる帯電防止性について評価するには、実際の帯電量を比較するべきである。つまり、帯電電位を用いて比較すべきであり、CNT鏡筒の方が優れることがわかる。
1−2.カーボンファイバの含有量
CF鏡筒においてカーボンファイバを10〜20wt%使用しているのに対し、CNT鏡筒においては構成要素Aが最小0.5wt%であっても十分な帯電防止性が得られていることがわかる。したがって、含有物の減少により軽量化・低コスト化という点でCNT鏡筒のほうが優れている。つまり、カーボンナノチューブはカーボンファイバと比べて軽量であるため、材料重量及び鏡筒の重量が減少する。また、上述のようにカーボンファイバの代替としてカーボンナノチューブを用いることで、極少量で所望の導電性を得ることができるため、結果的に材料コストを低減することができるからである。
1−3.充填ピーク圧
充填ピーク圧を比較するとCNT鏡筒の方が低い値を示している。つまり、成形性・流動性が良好であることが認められる。CF鏡筒と比較し、35〜55%の圧力で作成できるということである。すなわちCNT鏡筒の方が、課題となっている型磨耗の低減や薄肉成形性において優れている。
1−4.型磨耗量
型磨耗量を比較すると、上記充填ピーク圧の高い流動性の悪い材料ほど型磨耗量が多くなり、CNT・CFそれぞれの含有材に歴然とした差があることがわかる。
以上より、カーボンナノチューブ又は/及び気相成長炭素繊維を用いることで,従来のレンズ鏡筒よりも導電性・帯電防止性および成形性(流動性)に優れたレンズ鏡筒を得ることができたと言える。更には、流動性が良いので成形金型は磨耗が少なくなり、従来のように型修正に膨大な費用がかかるといった事が無くなり、コスト面でも優れたものとなる。
次に、上記のようにカーボンナノチューブ又は/及び気相成長炭素繊維を含有する導電性樹脂組成物で作成されたレンズ鏡筒の一例を、図3及び図4に示す。
図3および図4は本発明の第1の実施形態に係るカメラのレンズ鏡筒を示す図であり、詳しくは、図3は鏡筒の一部の構成要素を示す分解斜視図、図4は鏡筒のその他の構成要素を示す分解斜視図であり、これらの図を用いてその構成について説明する。
図3において、ズームレンズ鏡筒ユニット全体を収納している固定筒1の内周には、メスヘリコイド1aと2本の直線溝1bが形成され、不図示のカメラ本体に取り付けられている。駆動筒2は前記固定筒1の内側に配置されており、外周の結像面側にはオスヘリコイドと平歯車が一体的に形成された平歯ヘリコイド2aが形成され、前記固定筒1のメスヘリコイド1aとヘリコイド結合しており、内周結像面側及び被写体側(図3中左側)には周方向に回転ガイド溝2cと2bが、光軸方向には2本の駆動溝2dが、それぞれ形成されている。前記駆動筒2の内側には第1直進ガイド筒3が配置されており、その内面には2本の直線溝3dが、外面結像面側と被写体側(図3中左側)にはそれぞれ突起3a及び3bが、それぞれ植設されると共に2本の貫通カム穴3cが形成されており、前記複数個の突起3a,3bが前記回転ガイド溝2c,2bに挿嵌することで、直進ガイド筒3に対し駆動筒2は自由に回転可能で、光軸方向には一体的に動くように保持されることとなる。また、結像面側外周に設けられた凸部3eが固定筒1の直線溝1bと嵌合し、光軸方向にはシフト移動自由であるが回転規制された状態で結合している。
図4において、前記第1直進ガイド筒3の内側にはカム筒4が配置されており、内面には後述の一、二群レンズを駆動するカム溝4bと4cがそれぞれ3本形成されると共に2個の貫通穴4aが設けられている。一群筒5は前記カム筒4の内側に配置され、内部には一群レンズを保持すると共に内周部には2本の直線リブ5aが形成され、外周部には3本のカムピン10が植設されている。該カムピン10は前記カム溝4bと嵌合して一群レンズをカム軌跡に沿って駆動する。
6はナットリングであり、曲げ部6aに設けられた穴部と前記貫通穴4aが一致した状態で駆動ピン9が螺合して、前記カム筒4とナットリング6及び駆動ピン9は一体となる。前記駆動ピン9は、前記貫通カム穴3cを貫通して駆動溝2dと嵌合している。前記一群筒5の内側には更に第2直進ガイド筒7が配置されており、外周には3本の貫通直線穴7fと直線溝7eが形成され、直線溝7eは前記直線リブ5aと嵌合し一群筒5と回転方向は一体的に光軸方向は自由に移動できるように結合されている。また、結像面側にはフランジ7bと複数の突起7aが形成され、前記ナットリング6はこの間に回転自由で、光軸方向には規制された状態で結合されている、即ち、カム筒4と第2直進筒7は回転は自由で、光軸方向は一体的に動くように結合されている。更にフランジ7bに形成された2本の凸部7dが第1直進ガイド筒3の直線溝3dと嵌合し、光軸方向には移動自由であるが、回転規制された状態で結合している。
8は二群レンズを保持する二群保持枠であり、外周には二群ピン8aが植設されており、前記直線溝7fにより回転規制されつつ前記カム溝4cと嵌合して二群レンズをカム軌跡に沿って駆動する。
以上の構成において、不図示の駆動ギアにより平歯へリコイド2aに回転動力が与えられると、駆動筒2は固定筒1内部のヘリコイド1aに沿って回転しながら図3中左方向へ移動する。この回転は駆動ピン9を介してカム筒4へ伝えられ、該カメラ筒4も貫通カム穴3cのカムに沿って回転しながら図3中左方向へ移動する。前記カム筒4が回転を行うと一群レンズを保持する一群筒5及び二群レンズを保持する二群保持枠8はカム溝4b及び4cに沿ってそれぞれ図3中左方向へ直進移動する。これは、一,二群レンズが光軸方向に移動されることで撮影レンズの変倍動作が行われ、いわゆるズーミング動作が達せられるのであり、前述のカーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維を含有する導電性樹脂組成物により成形されるレンズ鏡筒においては、前述のように薄肉の鏡筒を実現でき、光軸と垂直な平面内を平行にシフトする際にスムーズな動作を維持しつつ、かつ小型にすることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
(1)レンズ鏡筒を、熱可塑性樹脂(構成要素B)に層状珪酸塩(構成要素A)を含有した複合材料によって成形する。上記層状珪酸塩としては、特に限定しないが、通常1層の厚みが7〜15Å(オングストローム)程度の層状粘土鉱物を用いる。層状粘土鉱物とは、モンモリロナイト、ヘクトライト、サポライト、スティブンサイト、バイデライト、ノントロナイト等のスメクタイト系鉱物、バーミュライト、ハロイサイト、マイカ等が挙げられ、これらは天然のものでも合成されたものでもよい。また、これらの層状粘土鉱物は単独でも複数種を併用することもできる。
(2)構成要素Aの層状珪酸塩の層間に存在する陽イオン交換能力をもった無機イオンを、層状珪酸塩の層間を拡大させる役割を有する有機オニオムイオンに置換する。有機オニオムイオンとは、アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、ホスホニウムイオン、スルホニウムイオンなどのオニオムイオンを有する有機物であり、分子中にアルキル基、フェニル基、アルキレン基等を有し、これらと水素、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、ニトロ基、スルホン基及びそれらの誘導体とが共有結合した構造をもっている。また、これらの有機オニオムイオンは単独でも、複数種を併用することもできる。
(3)レンズ鏡筒を成形する複合材料中に層状珪酸塩を1〜20重量%含有させる。層状珪酸塩が1重量%未満の場合には機械的強度や弾性率が小さく、レンズ鏡筒に要求される所定の剛性及びガスバリア性が得られないおそれがある。一方、20重量%以上の場合には、熱可塑性樹脂に対する層状珪酸塩の分散性が悪くなり、レンズ鏡筒の靭性の低下が大きくなるため、破壊しやすくなるおそれがある。
(4)熱可塑性樹脂中に層状珪酸塩が、その層構造を失って、単層で分散していることが好ましい。つまり、層状珪酸塩の層間に熱可塑性樹脂が介入することで、層状珪酸塩と熱可塑性樹脂との界面が大きくなり、レンズ鏡筒の剛性向上が得られる。この層間距離が35Å以上であり、単層もしくは5層以下の多層物が層状珪酸塩の50%以上、好ましくは70%以上で分散している状態を示す。
(5)構成要素Bの熱可塑性樹脂として、芳香族ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド、芳香族ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂を用いる。この中でも最も好適なのは芳香族ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイドである。
(6)前記の熱可塑性樹脂が、その側鎖または主鎖に官能基を導入してなる変性熱可塑性樹脂であることが好ましい。変性により導入される官能基としては、例えば酸無水物基、カルボン酸基、水酸基、チオール基、エステル基、エーテル基、チオエーテル基、スルホン酸基、ホスホン酸基、ニトロ基、アミノ基、オキサゾリン基、アミド基、ウレア基、ウレタン基、エポキシ基、ハロゲン基等の官能基、またはベンゼン環、ピリジン環、チオフェン環、ピロール環、フラン環等の芳香環を用いることが好ましいが、これに限定されるものではない。これより変性樹脂中での層状珪酸塩の分散性が更に向上するため、層状珪酸塩によるレンズ鏡筒の成形性、機械的特性及びガスバリア性等の向上の効果が十分に発現される。
(7)レンズ鏡筒を成形する複合材料に構成要素Cとして、相溶化剤を含有する。一般的に熱可塑性樹脂と層状珪酸塩は親和性に乏しいために、熱可塑性樹脂中に層状珪酸塩が均一に分散できない、もしくは熱可塑性樹脂と層状珪酸塩の相互作用が小さくなる。よって、レンズ鏡筒に含有することによって期待される層状珪酸塩の効果を十分に発現できないおそれがある。相溶化剤の存在下で、親和性の乏しい層状珪酸塩と熱可塑性樹脂のなじみが良くなり、層状珪酸塩が熱可塑性樹脂中に均一に分散する、および熱可塑性樹脂との相互作用が大きくなるために、含有した層状珪酸塩によるレンズ鏡筒の成形性、機械的特性及びガスバリア性等の向上の効果が十分に発現される。相溶化剤とは層状珪酸塩と熱可塑性樹脂の両方に親和性をもつ化合物のことであり、具体例としてはβ−プロピルラクタム、γ−ブチルラクタム、σ−バレロラクタム、ε−カプロラクタムおよびその重合体、β−プロピルラクトン、γ−ブチロラクトン、σ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどのラクトン類およびその重合体、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−エチルトリメトキシシランなどのシラン系カップリング剤およびトリステアリルチタネートオソプロポキシド、トリドデシルベンゼンスルホニルチタネートイソプロポキシドなどのチタネート系カップリング剤、熱可塑性樹脂のオリゴマーが挙げられる。これらは単独で用いても複数種を併用することもできる。
(8)構成要素Cとして用いる相溶化剤の含有量を、構成要素Aの層状珪酸塩に対して1〜200重量%とする。相溶化剤の含有量が1重量%未満の場合には構成要素Aの層状珪酸塩と構成要素Bの熱可塑性樹脂との親和性及び熱可塑性樹脂中の層状珪酸塩の分散性が十分でないために、レンズ鏡筒として要求される剛性及びガスバリア性が得られないおそれがある。一方、相溶化剤の含有量が層状珪酸塩に対して200重量%以上の場合には、複合材料を作製する際の混練性、レンズ鏡筒の成形性が悪化するおそれがある。
(9)レンズ鏡筒を成形する複合材料に構成要素Dとして、ガラス繊維及び炭素繊維を含有する。ガラス繊維および炭素繊維は従来使用されているものが用いられ、繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用いるものなら特に限定はなく、例えば長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストランド、ミルドファイバーなどから選択して用いることができる。またガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーンなど繊維状だけでなく粒状も用いることができる。ガラス繊維および炭素繊維はどちらか一方、あるいは両方を併用して用いても良い。ガラス繊維及び炭素繊維の含有量は複合材料に対して1〜40重量%であることが好ましい。好ましくは5〜30重量%であり、さらに好ましくは10〜20重量%である。含有量が1重量%以下の場合はガラス繊維及び炭素繊維によるレンズ鏡筒の剛性向上への寄与が小さく、40重量%以上の場合には、熱可塑性樹脂中の層状珪酸塩の分散性を妨げるために層状珪酸塩による本発明の効果が著しく低減するおそれがある。さらに従来のガラス繊維や炭素繊維を含有した複合材料によって成形されたレンズ鏡筒にみられた課題(薄肉部の未充填、金型の磨耗)も生じるおそれがある。
図7に、レンズ鏡筒を成形する複合材料に構成要素A,B,Dを用いた場合の構成図を示しており、図中、61は構成要素A(層状珪酸塩)、62は構成要素B(ポリマー)、63は構成要素Bに導入した官能基、64は構成要素D(ガラス繊維又は炭素繊維)である。
(10)レンズ鏡筒を成形する複合材料には、本発明の効果を損なわない範囲で各種の添加剤を含有することができる。具体例としては熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、離型剤、滑剤、摺動剤、着色剤、高分子架橋剤、高耐熱剤、蛍光増白剤、蓄光顔料、流動改質剤、結晶核剤、無機および有機の抗菌剤、光触媒系防汚剤、赤外線吸収剤、フォトクロミック剤などを挙げることができる。
(11)レンズ鏡筒の各部品を射出成形によって成形するのが好ましい。この方法によりレンズ鏡筒の生産性が向上する。
(12)レンズ鏡筒の各部品の平均肉厚を1.0mm以下とする。従来は平均肉厚を1.0mmより大きくせざるを得えなかったが、上記(1)の構成要素のレンズ鏡筒の各部品でレンズ鏡筒ユニットを構成した場合(後述の図5では、厚さ0.6mmとしている)、その小型化及び軽量化を達成することが出来る。
(13)レンズ鏡筒を成形する複合材料に、構成要素Aとして有機オニオムイオンを含有した層状珪酸塩を、構成要素Bとして芳香族ポリカーボネート樹脂を含有する。芳香族ポリカーボネート樹脂は加水分解によって、分子量の低下を引き起こすため、層状珪酸塩のような親水性の無機物を含有した場合、剛性や衝撃強度のような機械的物性が低下してしまう恐れがある。そこで、構成要素Bとして芳香族ポリカーボネート樹脂を用いる場合、構成要素Aとしては、層状珪酸塩の層間に有機オニオムイオンを含有して疎水化を施したものを用いるのが好ましい。
以下、第2の実施形態をさらに詳細に説明する。
まず、上記の構成要素A,B、もしくは構成要素A〜C、もしくは構成要素A〜Dの複合材料によって成形されたレンズ鏡筒の一例について、図5を用いて説明する。
図5は差動型の二群ズームレンズ鏡筒の構造を示している。固定筒51はレンズ鏡筒全体を収納しており、固定筒51に形成されたメスヘリコイド51aが、カム筒52の平歯ヘリコイド52aと結合することによって、カム筒52は固定筒51に対して光軸を中心に回転しながら光軸方向に進退可能に保持される。また、固定筒51から突出した駆動ギア53がカム筒52の平歯ヘリコイド52aの平歯部分とすることによって、カム筒52は固定筒51内で動力を受けて、回転しながら光軸方向に繰り出す。前群筒54の内側には不図示の前群レンズ、シャッタ機構などが保持されている。前群筒54には複合オスヘリコイド54aが形成されており、カム筒52の複合メスヘリコイド52bと結合している。後群筒55には不図示の後群レンズが保持されている。後群筒55のカムピン55aはカム筒52のカム溝52cとカム結合しており、直進溝55bが前群筒54の直進キー54cとキー結合している。直進キーリング56はキー部56aが前群筒54の直進溝54bとキー結合している。また切り欠き部56bはカム筒52の凸部52dとある回転位相で組み合わされ、それ以外の回転位相では外れないバヨネット機構になっている。この直進キーリング56への後方には直進ガイド57があり、ネジ等により取り付けられ、張り出したキー部57aは固定筒51のキー溝51cとキー結合している。
以上のように構成されたレンズ鏡筒ではカム筒52が矢印Zの方向に回転し、固定筒51から繰り出すと同時に前群筒54及び後群筒55が所定の光学条件(変倍動作及び合焦動作のための条件)を満足するようにカム筒52内で繰り出す。これにより、本レンズ筒を備えたカメラによる撮影が可能となる。尚、固定筒51はカメラ本体に取り付けられ又は一体成形される。
次に、レンズ鏡筒の特性の評価項目及び評価方法を示す。
(a)射出成形最高充填圧力
外径30mm×長さ20mm×厚さ0.6mmのレンズ鏡筒を射出成形機(SG50:住友重機械工業,スクリュ径φ22)によって、射出成形を行った際の最高充填圧力である。この値が小さいほど充填に要する圧力が低く、流動性が良好であることを示す。
(b)レンズ鏡筒剛性
図6において、外径30mm×長さ20mm×厚さ0.6mmのレンズ鏡筒を矢印Pで示す方向に圧縮し、1mmの変位を生じさせるのに要した荷重である。
(c)曲げ弾性率
ASTM D790に基づいて、曲げ弾性率を測定した。尚、用いた試験片の板厚は4mmである。5サンプルを測定し、それらの平均値を求めた。
(d)真円度
外径30mm×長さ20mm×厚さ0.6mmのレンズ鏡筒を成形し、真円度測定器により真円度を測定した。最大半径と最小半径の差で評価し、この値が小さいほど真円性が良好であることを示す。
(e)ガスバリア性(窒素ガス透過係数)
レンズ鏡筒を構成する複合材料からなる成形体(厚み0.6mm)を作製し、その窒素ガス透過係数をASTM D1434に準じて測定した。
(f)金型磨耗量
金型のキャビティの一部をアルミニウム(Al050P)で作製し(25×25×1.5の成形品において、アルミニウム駒の領域は10×25)、各々の材料で1万shot成形後、そのアルミニウム製の駒の重量変化を測定した。この値が大きいほど金型の磨耗量(削れ量)が大きいことを示す。
(実施例2−1)
構成要素Aとして、モンモリロナイト(クニピアF:クニミネ工業)5重量%と、構成要素BとしてPC(ポリカーボネート樹脂L1225Y:帝人化成)95重量%とを二軸押出機(ZE40A−40D:ベルストルフ社製、スクリュ径:φ40,L/D:40)にてシリンダ温度270℃で溶融混練し、押し出されたストランドを冷却後、ペレタイザを用いてペレット化した。
(実施例2−2)
構成要素Aとして、モンモリロナイト(クニピアF:クニミネ工業)5重量%と、構成要素BとしてPPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂FZ−2200−A5:大日本インキ化学工業)95重量%とを二軸押出機(ZE40A−40D:ベルストルフ社製,スクリュ径:φ40,L/D:40)にてシリンダ温度300℃で溶融混練し、押し出されたストランドを冷却後、ペレタイザを用いてペレット化した。
(実施例-2−3)
構成要素Aとして、ジメチルジステアリルアンモニウムイオンで有機化したモンモリロナイト(クニピアD:クニミネ工業)3重量%と、構成要素BとしてPC(ポリカーボネート樹脂L1225Y:帝人化成)97重量%とを二軸押出機(ZE40A−40D:ベルストルフ社製、スクリュ径:φ40,L/D:40)にてシリンダ温度270℃で溶融混練し、押し出されたストランドを冷却後、ペレタイザを用いてペレット化した。
(実施例2−4)
上記実施例2−3において、構成要素Aのジメチルジステアリルアンモニウムイオンで有機化したモンモリロナイト(クニピアD:クニミネ工業)の含有量を20重量%、構成要素BのPC(ポリカーボネート樹脂L1225Y:帝人化成)を80重量%とした以外は、実施例2−3と同様である。
(実施例2−5)
構成要素Aとして、トリn−ブチルドデシルホスホニウムイオンで有機化したマイカ(ME/412:コープケミカル)5重量%と、構成要素BとしてPPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂FZ−2200−A5:大日本インキ化学工業)95重量%とを二軸押出機(ZE40A−40D:ベルストルフ社製,スクリュ径:φ40,L/D:40)にてシリンダ温度300℃で溶融混練し、押し出されたストランドを冷却後、ペレタイザを用いてペレット化した。
(実施例2−6)
構成要素Aとして、ジメチルジステアリルアンモニウムイオンで有機化したモンモリロナイト(クニピアD:クニミネ工業)5重量%と、構成要素BとしてPC(ポリカーボネート樹脂L1225Y:帝人化成)と変性シリコーンオイル(X−22−162C:信越化学工業(株)製)を反応させ、カルボキシル変性させたPC樹脂95重量%とを二軸押出機(ZE40A−40D:ベルストルフ社製,スクリュ径:φ40,L/D:40)にてシリンダ温度270℃で溶融混練し、押し出されたストランドを冷却後、ペレタイザを用いてペレット化した。
(実施例2−7)
構成要素Aとして、ジメチルジステアリルアンモニウムイオンで有機化したモンモリロナイト(クニピアD:クニミネ工業)に構成要素Cのシランカップリング剤(KBM−903:信越化学工業(株)製)で処理(クニピアDに対して1重量%)を施したもの5重量%と、構成要素BとしてPC(ポリカーボネート樹脂L1225Y:帝人化成)と変性シリコーンオイル(X−22−162C:信越化学工業(株)製)を反応させ、カルボキシル変性させたPC樹脂95重量%とを二軸押出機(ZE40A−40D:ベルストルフ社製,スクリュ径:φ40,L/D:40)にてシリンダ温度270℃で溶融混練し、押し出されたストランドを冷却後、ペレタイザを用いてペレット化した。
(実施例-2−8)
構成要素Aとして、モンモリロナイト(クニピアF:クニミネ工業)に構成要素Cのオキサゾリン基含有水溶性ポリマー(エポクロスRAS−1005:(株)日本触媒)で処理(クニピアFに対して200重量%)を施したもの5重量%と、構成要素BとしてPPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂FZ−2200−A5:大日本インキ化学工業)95重量%とを二軸押出機(ZE40A−40D:ベルストルフ社製,スクリュ径:φ40,L/D:40)にてシリンダ温度300℃で溶融混練し、押し出されたストランドを冷却後、ペレタイザを用いてペレット化した。
(実施例2−9)
構成要素Aとして、ジメチルジステアリルアンモニウムイオンで有機化したモンモリロナイト(クニピアD:クニミネ工業)に構成要素Cのシランカップリング剤(KBM−903:信越化学工業(株)製)で処理(クニピアDに対して2重量%)を施したもの5重量%と、構成要素BとしてPC(ポリカーボネート樹脂L1225Y:帝人化成)と変性シリコーンオイル(X−22−162C:信越化学工業(株)製)を反応させ、カルボキシル変性させたPC樹脂85重量%と、構成要素Dとしてガラス繊維(旭ファイバーグラス(株)製)10重量%とを二軸押出機(ZE40A−40D:ベルストルフ社製,スクリュ径:φ40,L/D:40)にてシリンダ温度270℃で溶融混練し、押し出されたストランドを冷却後、ペレタイザを用いてペレット化した。
(実施例2−10)
構成要素Aとして、トリn−ブチルドデシルホスホニウムイオンで有機化したマイカ(ME/412:コープケミカル)に構成要素Cのシランカップリング剤(KBM−903:信越化学工業(株)製)で処理(ME/412に対して2重量%)を施したもの10重量%と、構成要素BとしてPPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂FZ−2200−A5:大日本インキ化学工業)60重量%と、構成要素Dとしてガラス繊維(旭ファイバーグラス(株)製)30重量%を二軸押出機(ZE40A−40D:ベルストルフ社製,スクリュ径:φ40,L/D:40)にてシリンダ温度300℃で溶融混練し、押し出されたストランドを冷却後、ペレタイザを用いてペレット化した。
(実施例2−11)
構成要素Aとして、ジメチルジステアリルアンモニウムイオンで有機化したモンモリロナイト(クニピアD:クニミネ工業)に構成要素Cのシランカップリング剤(KBM−903:信越化学工業(株)製)で処理(クニピアDに対して1重量%)を施したもの5重量%と、構成要素BとしてPC(ポリカーボネート樹脂L1225Y:帝人化成)と変性シリコーンオイル(X−22−162C:信越化学工業(株)製)を反応させ、カルボキシル変性させたPC樹脂90重量%と、構成要素Dとして炭素繊維(東邦レーヨン(株)製)5重量%とを二軸押出機(ZE40A−40D:ベルストルフ社製,スクリュ径:φ40,L/D:40)にてシリンダ温度270℃で溶融混練し、押し出されたストランドを冷却後、ペレタイザを用いてペレット化した。
(比較例-2−1)
構成要素Bのみであり、構成要素BとしてPC(ポリカーボネート樹脂L1225Y:帝人化成)を100重量%用いた。
(比較例2−2)
構成要素Bとして、構成要素Dのガラス繊維が30重量%含有したPC(ポリカーボネート樹脂G3130H:帝人化成(株)製)を100重量%用いた。
(比較例2−3)
構成要素Bとして、構成要素Dのガラス繊維が40重量%含有したPPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂,FZ−2140:大日本インキ化学工業(株)製)を100重量%用いた。
(比較例2−4)
構成要素Bとして、構成要素Dの炭素繊維が10重量%含有したPC(ポリカーボネート樹脂B7110R:帝人化成(株)製)を100重量%用いた。
上記の実施例2−1,2−3,2−4,2−6,2−7,2−9,2−11、比較例2−1,2−2,2−4で得られたペレットを120℃で4時間以上乾燥後、射出成形機(SG50:住友重機械工業,スクリュ径φ22)にて、シリンダ温度280℃,金型温度130℃で射出成形して成形品を作製し、また、上記の実施例2−2,2−5,2−8,2−10、比較例2−3で得られたペレットを120℃で4時間以上乾燥後、射出成形機(SG50:住友重機械工業,スクリュ径φ22)にて、シリンダ温度305℃、金型温度130℃で射出成形して成形品を作製した。作製した成形品で前記の試験を行い、その評価結果をまとめて表2に示す。
Figure 2005062835
表2の結果から明らかなように、第2の実施形態の構成要素Aと構成要素Bからなるレンズ鏡筒である実施例2−1〜2−8は、比較例2−1に比べて成形性及び寸法精度を損なうことなく、レンズ鏡筒としての特性(剛性、ガスバリア性)を向上させている。図6はレンズ鏡筒の特性評価法(剛性)を説明するための図であり、従来に比べて例えば圧力Pに対して強いものとなる。
また、構成要素A,B,C,Dからなる複合材料で成形されたレンズ鏡筒である実施例2−9及び2−11は、従来のレンズ鏡筒である比較例2−2,2−4に比べて同等の剛性を備えつつ、成形性(薄肉への充填性)、真円度、ガスバリア性が著しく向上している。
さらに、従来問題となっていた金型磨耗も低減できる。さらに構成要素BとしてPPSを用いた実施例2−10においても比較例2−3に比べて、レンズ鏡筒の特性を大きく向上させているのが分かる。
(第3の実施形態)
さらに、本発明の第3の実施形態について説明する。
レンズ鏡筒に関する評価を行うために、径30mm×長さ25mm×平均厚さ0.7mmのレンズ鏡筒を第3の実施形態の構成要素を用い作成した。なお、従来はレンズ鏡筒(鏡筒本体)の肉厚は1.0mm近くが限度であったが、レンズ鏡筒をカーボンナノチューブ又は/及び気相成長炭素繊維かつ層状粘土鉱物を含有する複合材料を用い成形することにより、上記のように0.7mmでも成形可能であり、第3の実施形態によれば平均肉厚が1.0mm以下のもので成形可能である。このレンズ鏡筒に関する評価項目及びその方法を下記する。
3−1.表面抵抗率
表面抵抗率とは、試料表面の単位面積あたりの抵抗を示すものであり、成形品の導電性比較の指標となるものである。これはJIS−K7149準処の4端子4探針法及びJIS−K6911準処の2重リングプローブ法を用い測定することができるが、ここで用いた測定器は前記JIS準処の低抵抗率計ロレスタGP MCP−T600(三菱化学製,測定レンジ:10−3〜107Ω)・高抵抗率計ハイレスタUP MCP−T450(三菱化学製,測定レンジ:106〜1013Ω)である。本測定では10サンプル測定し、それらの平均値を用いた。
3−2.帯電電位
ここでいう帯電電位とは、試料表面に存在する電荷量を示し、試料の帯電防止性を直接示すものである。測定法としては、レンズ鏡筒をアースされたステージに置き、コロナ放電により電荷(0.1μA×2s=0.2μC)をチャージさせて、鏡筒表面に電荷を蓄積させ、放電停止後5s地点での電荷量を表面電位計によって測定する方法である。用いた測定器はコロナサーフ(ナノコート・ティーエス製)であり、本測定では10サンプル測定し、それらの平均値を用いた。測定方法は、先の図2に示される通りである。
3−3.充填ピーク圧力
ここでいう充填ピーク圧とは、射出成形においてキャビティに樹脂が充填した時の最大圧力であり、樹脂の流動性を評価する一つの要素となるものである。つまり、これを比較項目として用いることで樹脂材料の成形性比較を行うことができる。用いた成形機は住友重機SG50(スクリュ径φ22)である。
3−4.レンズ鏡筒剛性
図6において、外径30mm×長さ25mm×厚さ0.7mmのレンズ鏡筒を矢印Pで示す方向に圧縮し、1mmの変位を生じさせるのに要した荷重である。
3−5.曲げ弾性率
ASTM D790に基づいて、曲げ弾性率を測定した。尚、用いた試験片の板厚は4mmである。5サンプルを測定し、それらの平均値を求めた。
3−6.真円度
外径30mm×長さ25mm×厚さ0.7mmのレンズ鏡筒を成形し、真円度測定器により真円度を測定した。最大半径と最小半径の差で評価し、この値が小さいほど真円性が良好であることを示す。
3−7.ガスバリア性(窒素ガス透過係数)
レンズ鏡筒を構成する複合材料からなる成形体(厚み0.7mm)を作製し、その窒素ガス透過係数をASTM D1434に準じて測定した。
3−8.金型磨耗量
金型のキャビティの一部をアルミニウム(Al050P)で作製し(25×25×1.5の成形品において、アルミニウム駒の領域は10×25)、各々の材料で1万shot成形後,そのアルミニウム製の駒の重量変化を測定した。この値が大きいほど金型の磨耗量(削れ量)が大きいことを示す。
本実施例3で用いた構成要素Aの種類および表記について以下に示す。
構成要素A
NT1:気相成長多層ナノチューブMWNT(平均単繊維直径=約10nm,ハイペリオン・キャタリシス・インターナショナル・インク製)
NT2:気相成長多層ナノチューブVGNF(平均単繊維直径=約80nm,昭和電工製)
NT3:気相成長多層ナノチューブVGCF(平均単繊維直径=約150nm,昭和電工製)
(実施例3−1)
構成要素AとしてNT1を5重量%、構成要素Bとして,モンモリロナイト(クニピアF:クニミネ工業)5重量%と,構成要素CとしてPC(ポリカーボネート樹脂L1225Y:帝人化成)90重量%とを二軸押出機(ZE40A−40D:ベルストルフ社製、スクリュ径:φ40,L/D:40)にてシリンダ温度270℃で溶融混練し、押し出されたストランドを冷却後、ペレタイザを用いてペレット化した。
(実施例3−2)
構成要素AとしてNT2を5重量%、構成要素Bとして、モンモリロナイト(クニピアF:クニミネ工業)5重量%と、構成要素CとしてPC(ポリカーボネート樹脂L1225Y:帝人化成)90重量%とを二軸押出機(ZE40A−40D:ベルストルフ社製、スクリュ径:φ40,L/D:40)にてシリンダ温度270℃で溶融混練し、押し出されたストランドを冷却後、ペレタイザを用いてペレット化した。
(実施例3−3)
構成要素AとしてNT3を5重量%,構成要素Bとして,モンモリロナイト(クニピアF:クニミネ工業)5重量%と、構成要素CとしてPC(ポリカーボネート樹脂L1225Y:帝人化成)90重量%とを二軸押出機(ZE40A−40D:ベルストルフ社製、スクリュ径:φ40,L/D:40)にてシリンダ温度270℃で溶融混練し、押し出されたストランドを冷却後、ペレタイザを用いてペレット化した。
(実施例3−4)
構成要素AとしてNT1を0.5重量%,構成要素Bとして、モンモリロナイト(クニピアF:クニミネ工業)5重量%と、構成要素CとしてPC(ポリカーボネート樹脂L1225Y:帝人化成)94.5重量%とを二軸押出機(ZE40A−40D:ベルストルフ社製,スクリュ径:φ40,L/D:40)にてシリンダ温度270℃で溶融混練し、押し出されたストランドを冷却後、ペレタイザを用いてペレット化した。
(実施例3−5)
構成要素AとしてNT1を20重量%,構成要素Bとして、モンモリロナイト(クニピアF:クニミネ工業)5重量%と、構成要素CとしてPC(ポリカーボネート樹脂L1225Y:帝人化成)75重量%とを二軸押出機(ZE40A−40D:ベルストルフ社製、スクリュ径:φ40,L/D:40)にてシリンダ温度270℃で溶融混練し、押し出されたストランドを冷却後、ペレタイザを用いてペレット化した。
(実施例3−6)
構成要素AとしてNT1を5重量%、構成要素Bとして,モンモリロナイト(クニピアF:クニミネ工業)5重量%と、構成要素CとしてPPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂FZ−2200−A5:大日本インキ化学工業)90重量%とを二軸押出機(ZE40A−40D:ベルストルフ社製,スクリュ径:φ40,L/D:40)にてシリンダ温度300℃で溶融混練し、押し出されたストランドを冷却後、ペレタイザを用いてペレット化した。
(実施例3−7)
構成要素AとしてNT1を5重量%、構成要素Bとして,ジメチルジステアリルアンモニウムイオンで有機化したモンモリロナイト(クニピアD:クニミネ工業)3重量%と、構成要素CとしてPC(ポリカーボネート樹脂L1225Y:帝人化成)92重量%とを二軸押出機(ZE40A−40D:ベルストルフ社製、スクリュ径:φ40,L/D:40)にてシリンダ温度270℃で溶融混練し、押し出されたストランドを冷却後、ペレタイザを用いてペレット化した。
(実施例3−8)
上記実施例3−7において、構成要素Bのジメチルジステアリルアンモニウムイオンで有機化したモンモリロナイト(クニピアD:クニミネ工業)の含有量を20重量%、構成要素CのPC(ポリカーボネート樹脂L1225Y:帝人化成)を75重量%とした以外は、実施例3−7と同様である。
(実施例3−9)
構成要素AとしてNT1を5重量%,構成要素Bとして、トリn−ブチルドデシルホスホニウムイオンで有機化したマイカ(ME/412:コープケミカル)5重量%と、構成要素CとしてPPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂FZ−2200−A5:大日本インキ化学工業)90重量%とを二軸押出機(ZE40A−40D:ベルストルフ社製、スクリュ径:φ40,L/D:40)にてシリンダ温度300℃で溶融混練し、押し出されたストランドを冷却後、ペレタイザを用いてペレット化した。
(実施例3−10)
構成要素AとしてNT1を5重量%、構成要素Bとして,ジメチルジステアリルアンモニウムイオンで有機化したモンモリロナイト(クニピアD:クニミネ工業)5重量%と、構成要素CとしてPC(ポリカーボネート樹脂L1225Y:帝人化成)と変性シリコーンオイル(X−22−162C:信越化学工業(株)製)を反応させ、カルボキシル変性させたPC樹脂90重量%とを二軸押出機(ZE40A−40D:ベルストルフ社製、スクリュ径:φ40,L/D:40)にてシリンダ温度270℃で溶融混練し、押し出されたストランドを冷却後、ペレタイザを用いてペレット化した。
(実施例3−11)
構成要素AとしてNT1を5重量%、構成要素Bとして,ジメチルジステアリルアンモニウムイオンで有機化したモンモリロナイト(クニピアD:クニミネ工業)に構成要素Dのシランカップリング剤(KBM−903:信越化学工業(株)製)で処理(クニピアDに対して1重量%)を施したもの5重量%と、構成要素CとしてPC(ポリカーボネート樹脂L1225Y:帝人化成)と変性シリコーンオイル(X−22−162C:信越化学工業(株)製)を反応させ、カルボキシル変性させたPC樹脂90重量%とを二軸押出機(ZE40A−40D:ベルストルフ社製,スクリュ径:φ40,L/D:40)にてシリンダ温度270℃で溶融混練し、押し出されたストランドを冷却後、ペレタイザを用いてペレット化した。
(実施例3−12)
構成要素AとしてNT1を5重量%、構成要素Bとして,モンモリロナイト(クニピアF:クニミネ工業)に構成要素Dのオキサゾリン基含有水溶性ポリマー(エポクロスRAS−1005:(株)日本触媒)で処理(クニピアFに対して200重量%)を施したもの5重量%と、構成要素CとしてPPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂FZ−2200−A5:大日本インキ化学工業)90重量部とを二軸押出機(ZE40A−40D:ベルストルフ社製,スクリュ径:φ40,L/D:40)にてシリンダ温度300℃で溶融混練し、押し出されたストランドを冷却後、ペレタイザを用いてペレット化した。
(実施例3−13)
構成要素AとしてNT1を5重量%、構成要素Bとして,ジメチルジステアリルアンモニウムイオンで有機化したモンモリロナイト(クニピアD:クニミネ工業)に構成要素Dのシランカップリング剤(KBM−903:信越化学工業(株)製)で処理(クニピアDに対して2重量%)を施したもの5重量%と、構成要素CとしてPC(ポリカーボネート樹脂L1225Y:帝人化成)と変性シリコーンオイル(X−22−162C:信越化学工業(株)製)を反応させ、カルボキシル変性させたPC樹脂80重量%と、構成要素Eとしてガラス繊維(旭ファイバーグラス(株)製)10重量%とを二軸押出機(ZE40A−40D:ベルストルフ社製、スクリュ径:φ40,L/D:40)にてシリンダ温度270℃で溶融混練し、押し出されたストランドを冷却後、ペレタイザを用いてペレット化した。
(実施例3−14)
構成要素AとしてNT1を5重量%、構成要素Bとして,トリn−ブチルドデシルホスホニウムイオンで有機化したマイカ(ME/412:コープケミカル)に構成要素Dのシランカップリング剤(KBM−903:信越化学工業(株)製)で処理(ME/412に対して2重量%)を施したもの10重量%と、構成要素CとしてPPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂FZ−2200−A5:大日本インキ化学工業)55重量%と、構成要素Eとしてガラス繊維(旭ファイバーグラス(株)製)30重量%を二軸押出機(ZE40A−40D:ベルストルフ社製、スクリュ径:φ40,L/D:40)にてシリンダ温度300℃で溶融混練し、押し出されたストランドを冷却後、ペレタイザを用いてペレット化した。
(実施例3−15)
構成要素AとしてNT1を5重量%、構成要素Bとして,ジメチルジステアリルアンモニウムイオンで有機化したモンモリロナイト(クニピアD:クニミネ工業)に構成要素Dのシランカップリング剤(KBM−903:信越化学工業(株)製)で処理(クニピアDに対して1重量%)を施したもの5重量%と、構成要素CとしてPC(ポリカーボネート樹脂L1225Y:帝人化成)と変性シリコーンオイル(X−22−162C:信越化学工業(株)製)を反応させ、カルボキシル変性させたPC樹脂85重量%と、構成要素Eとして炭素繊維(東邦レーヨン(株)製)5重量%とを二軸押出機(ZE40A−40D:ベルストルフ社製,スクリュ径:φ40,L/D:40)にてシリンダ温度270℃で溶融混練し、押し出されたストランドを冷却後、ペレタイザを用いてペレット化した。
(比較例3−1)
構成要素Cのみであり、構成要素CとしてPC(ポリカーボネート樹脂L1225Y:帝人化成)を100重量%用いた。
(比較例3−2)
構成要素Cとして、構成要素Eのガラス繊維が30重量%含有したPC(ポリカーボネート樹脂G3130H:帝人化成(株)製)を100重量%用いた。
(比較例3−3)
構成要素Cとして、構成要素Eのガラス繊維が40重量%含有したPPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂、FZ−2140:大日本インキ化学工業(株)製)を100重量%用いた。
(比較例3−4)
構成要素Cとして,構成要素Eの炭素繊維が10重量%含有したPC(ポリカーボネート樹脂B7110R:帝人化成(株)製)を100重量%用いた。
上記実施例3−1,3−2,3−3,3−4,3−5,3−7,3−8,3−10,3−11,3−13,3−15,比較例3−1,3−2,3−4で得られたペレットを120℃で4時間以上乾燥後、射出成形機(SG50:住友重機械工業、スクリュ径φ22)にて,シリンダ温度280℃、金型温度130℃で射出成形して成形品を作製し、また、上記の実施例3−6,3−9,3−12,3−14,比較例3−3で得られたペレットを120℃で4時間以上乾燥後、射出成形機(SG50:住友重機械工業、スクリュ径φ22)にて、シリンダ温度305℃、金型温度130℃で射出成形して成形品を作製した。
作製した成形品で前記の試験を行い、その評価結果をまとめて、表3および表4に示す。
Figure 2005062835
Figure 2005062835
表3と表4の結果から明らかなように、第3の実施形態の構成要素Aと構成要素Bと構成要素Cからなるレンズ鏡筒である実施例3−1〜3−12は、比較例3−1に比べて成形性及び寸法精度を損なうことなく、レンズ鏡筒としての特性(剛性、ガスバリア性、導電性)を向上させている。図6はレンズ鏡筒の特性評価法(剛性)を説明するための図であり、従来に比べて例えば圧力Pに対して強いものとなる。
また、比較例3−4と実施例3−4を比較すると表面抵抗率は前者のほうが低い値を示しているものの、帯電電位に関しては後者のほうが低い値を示している。これは、CF・CNTそれぞれの径や形状の違いに起因する導電ネットワーク形成状態の違いによるものと考えられるが、第3の実施形態において一つの主要目的となる帯電防止性について評価するには、実際の帯電量を比較するべきである。つまり、帯電電位を用いて比較すべきであり、実施例における鏡筒の方が優れていることがわかる。
また、構成要素A,B,C,D,Eからなる複合材料で成形されたレンズ鏡筒である実施例3−13及び3−15は、従来のレンズ鏡筒である比較例3−2,3−4に比べて同等の剛性を備えつつ、成形性(薄肉への充填性)、真円度、ガスバリア性、導電性が著しく向上している。さらに、ガラス繊維・炭素繊維の使用量低減及び成形性の改善により、従来問題となっていた金型磨耗も低減できる。さらに構成要素CとしてPPSを用いた実施例3−14においても比較例3−3に比べて、レンズ鏡筒の特性を大きく向上させているのが分かる。
本発明の第1の実施形態に係るレンズ鏡筒の樹脂組成概略図である。 本発明の第1の実施形態に係るレンズ鏡筒の帯電防止性評価方法概略図である。 本発明の第1の実施形態に係るズーム機能を備えたカメラのレンズ鏡筒の一部の構成要素を示す分解斜視図である。 同じく本発明の第1の実施形態に係るズーム機能を備えたカメラのレンズ鏡筒の一部の構成要素を示す分解斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るレンズ鏡筒を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態レンズ鏡筒の特性評価法(剛性)を説明するための斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係わるレンズ鏡筒を成形する複合材料の構成図である。
符号の説明
1 固定筒
2 駆動筒
2a,2b 回転ガイド溝
3 第1直進ガイド筒
3a,3b 突起
3c 貫通カム穴
4 カム筒
5 一群筒
7 第2直進ガイド筒
8 二群レンズ保持枠
51 固定筒
51a 複合メスヘリコイド
51b 長穴
51c キー溝
52 カム筒
52a 平歯ヘリコイド
52b 複合メスヘリコイド
52c カム溝
52d 凸部
53 駆動ギア
54 前群筒
54a 複合オスヘリコイド
54b 直進溝
54c 直進キー
55 後群筒
55a カムピン
55b 直進溝
56 直進キーリング
56a キー部
56b 切り欠き部
57 直進ガイド
57a キー部
61 構成要素A(層状珪酸塩)
62 構成要素B(ポリマー)
63 構成要素Bに導入した官能基
64 構成要素D(ガラス繊維又は炭素繊維)

Claims (45)

  1. 少なくとも次の構成要素A,Bをもつ導電性樹脂組成物から成形されるレンズ鏡筒。
    A:カーボンナノチューブ又は/及び気相成長炭素繊維
    B:樹脂
  2. 導電性樹脂組成物100重量中に、構成要素AおよびBが、次の範囲内で含有されることを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡筒。
    構成要素A:0.5重量%〜20重量%
    構成要素B:99.5重量%〜80重量%
  3. 構成要素Aが、平均単繊維直径が1〜200nmの範囲内であることを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズ鏡筒。
  4. 成形後の表面抵抗率が1×100Ω/sq以上で1×1013Ω/sq以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
  5. 構成要素Bが、少なくともポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)、アクリルニトリルブダジエンスチレン樹脂(ABS)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリスチレン樹脂(PS)、ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)、ポリアミド樹脂(PA)、液晶性樹脂(LCP)、ポリオレフィン樹脂、PC/ABS、PC/PSを少なくとも含む樹脂の組み合わせよりなるアロイ樹脂の中から選ばれる少なくとも1種類の樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
  6. 射出成形により形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
  7. 導電性樹脂組成物に構成要素Cとして少なくとも、ガラス繊維、炭素繊維、ピッチ系、PAN系の炭素繊維、シリコーン、シリコーンオイル、シランのいずれかをさらに含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
  8. 少なくとも下記の構成要素A、Bからなる複合材料によって成形されるレンズ鏡筒。
    構成要素A:層状珪酸塩
    構成要素B:熱可塑性樹脂
  9. 構成要素Aの層状珪酸塩の層間に有機オニウムイオンを含有していることを特徴とする請求項8に記載のレンズ鏡筒。
  10. 構成要素Aの層状珪酸塩の含有量は、複合材料に対して1〜20重量%であることを特徴とする請求項8に記載のレンズ鏡筒。
  11. 構成要素Aの層状珪酸塩は構成要素Bの熱可塑性樹脂中に、その層間距離が35オングストローム以上で分散していることを特徴とする請求項8に記載のレンズ鏡筒。
  12. 構成要素Bの熱可塑性樹脂は、芳香族ポリカーボネート系樹脂及びそのアロイ化樹脂、ポリフェニレンサルファイド、芳香族ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂であることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
  13. 構成要素Bの熱可塑性樹脂が、その側鎖または主鎖に官能基を導入した変性熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
  14. レンズ鏡筒を構成する複合材料に構成要素Cとして相溶化剤をさらに含有していることを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
  15. 構成要素Cの相溶化剤の含有量は、構成要素Aの層状珪酸塩に対して0.5〜200重量%であることを特徴とする請求項14に記載のレンズ鏡筒。
  16. レンズ鏡筒を構成する複合材料に構成要素Dとしてガラス繊維及び/又は炭素繊維相溶化剤をさらに含有していることを特徴とする請求項8〜15のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
  17. 構成要素Dのガラス繊維及び/又は炭素繊維の含有量は複合材料に対して1〜40重量%であることを特徴とする請求項16に記載のレンズ鏡筒。
  18. 射出成形によって成形されていることを特徴とする請求項8〜17のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
  19. 成形後の平均肉厚が1.0mm以下であることを特徴とする請求項8〜18のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
  20. 少なくとも下記の構成要素A、Bからなり、構成要素Aが1〜20重量%の範囲内で含有されている複合材料によって射出成形され、平均肉厚が1.0mm以下であることを特徴とするレンズ鏡筒。
    構成要素A:有機オニオムイオン含有層状珪酸塩
    構成要素B:芳香族ポリカーボネート系樹脂
  21. 構成要素Bの芳香族ポリカーボネート系樹脂が、その側鎖または主鎖に官能基を導入した変性樹脂であることを特徴とする請求項20に記載のレンズ鏡筒。
  22. レンズ鏡筒を構成する複合材料に構成要素Cとして相溶化剤をさらに含有し、構成要素Cの含有量は構成要素Aの有機オニオムイオン含有層状珪酸塩に対して1〜200重量%であることを特徴とする請求項20に記載のレンズ鏡筒。
  23. レンズ鏡筒を構成する複合材料に構成要素Dとしてガラス繊維及び/又は炭素繊維をさらに含有し、構成要素Dの含有量は複合材料に対して1〜40重量%であることを特徴とする請求項20〜22のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
  24. 少なくとも下記の構成要素A,B,Cからなる複合材料によって成形されているレンズ鏡筒。
    構成要素A:カーボンナノチューブ又は/及び気相成長炭素繊維
    構成要素B:層状珪酸塩
    構成要素C:熱可塑性樹脂
  25. 構成要素Aのカーボンナノチューブ又は/及び気相成長炭素繊維の含有量は、前記請求項1に記載の複合材料に対して0.5〜20重量%であることを特徴とする請求項24に記載のレンズ鏡筒。
  26. 構成要素Aのカーボンナノチューブ又は/及び気相成長炭素繊維の平均単繊維直径が1〜200nmの範囲内であることを特徴とする請求項24又は25に記載のレンズ鏡筒。
  27. 鏡筒本体が,表面抵抗率1×100Ω/sq以上で1×1013Ω/sq以下であることを特徴とする請求項24〜26のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
  28. 構成要素Cが、少なくともポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)、アクリルニトリルブダジエンスチレン樹脂(ABS)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリスチレン樹脂(PS)、ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)、ポリアミド樹脂(PA)、液晶性樹脂(LCP)、ポリオレフィン樹脂、PC/ABS、PC/PS等上記樹脂の組み合わせよりなるアロイ樹脂の中から選ばれる少なくとも1種類の樹脂であることを特徴とする請求項24〜27のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
  29. 構成要素Bの層状珪酸塩の層間に有機オニウムイオンを含有していることを特徴とする請求項24〜28のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
  30. 構成要素Bの層状珪酸塩の含有量は、複合材料に対して1〜20重量%であることを特徴とする請求項24〜29のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
  31. 構成要素Bの層状珪酸塩は構成要素Cの熱可塑性樹脂中に、その層間距離が35オングストローム以上で分散していることを特徴とする請求項24〜30のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
  32. 構成要素Cの熱可塑性樹脂が、その側鎖または主鎖に官能基を導入した変性熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項24〜31のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
  33. レンズ鏡筒を構成する複合材料に構成要素Dとして相溶化剤をさらに含有していることを特徴とする請求項24〜32のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
  34. 構成要素Dの相溶化剤の含有量は構成要素Bの層状珪酸塩に対して0.5〜200重量%であることを特徴とする請求項33に記載のレンズ鏡筒。
  35. レンズ鏡筒を構成する複合材料に構成要素Eとしてガラス繊維及び/又は炭素繊維をさらに含有していることを特徴とする請求項24〜34のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
  36. 構成要素Eのガラス繊維及び/又は炭素繊維の含有量は複合材料に対して1〜40重量%であることを特徴とする請求項35に記載のレンズ鏡筒。
  37. 成形後の平均肉厚が1.0mm以下であることを特徴とする請求項24〜36のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
  38. 少なくとも下記の構成要素A,B,Cからなり、構成要素Bが1〜20重量%の範囲内で含有されている複合材料によって射出成形され、平均肉厚が1.0mm以下であることを特徴とするレンズ鏡筒。
    構成要素A:カーボンナノチューブ又は/及び気相成長炭素繊維
    構成要素B:有機オニオムイオン含有層状珪酸塩
    構成要素C:芳香族ポリカーボネート系樹脂
  39. 構成要素Aのカーボンナノチューブ又は/及び気相成長炭素繊維の含有量は、前記請求項38に記載の複合材料に対して0.5〜20重量%であることを特徴とする請求項38に記載のレンズ鏡筒。
  40. 構成要素Aのカーボンナノチューブ又は/及び気相成長炭素繊維の平均単繊維直径が1〜200nmの範囲内であることを特徴とする請求項38又は39に記載のレンズ鏡筒。
  41. 成形後の表面抵抗率が1×100Ω/sq以上で1×1013Ω/sq以下であることを特徴とする請求項38〜40のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
  42. 構成要素Bの層状珪酸塩は構成要素Cの熱可塑性樹脂中に、その層間距離が35オングストローム以上で分散していることを特徴とする請求項38〜41のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
  43. 構成要素Cの芳香族ポリカーボネート系樹脂が、その側鎖または主鎖に官能基を導入した変性樹脂であることを特徴とする請求項38〜42のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
  44. レンズ鏡筒を構成する複合材料に構成要素Dとして相溶化剤をさらに含有し、構成要素Dの含有量は構成要素Bの有機オニオムイオン含有層状珪酸塩に対して1〜200重量%であることを特徴とする請求項38〜43のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
  45. レンズ鏡筒を構成する複合材料に構成要素Eとしてガラス繊維及び/又は炭素繊維をさらに含有し、構成要素Eの含有量は複合材料に対して1〜40重量%であることを特徴とする請求項38〜44のいずれかに記載のレンズ鏡筒。
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