JPWO2006016674A1 - インクジェット記録用油性白色インキ - Google Patents

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Abstract

本発明は、(a)平均粒子径が0.15〜0.25μmの酸化チタン、(b)樹脂、(c)有機溶媒、及び(d)非イオン性界面活性剤を含有するインクジェット記録用白色インキであって、前記非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレンフェニルエーテルから選択された少なくとも1種からなるインクジェットインキに関する。本発明によれば、吐出安定性及び長期放置後の回復性に優れたインクジェット記録用油性白色インキを提供することができる。

Description

本発明は、インクジェット記録用油性白インキ(以下単に「白色インキ」または「インキ」という場合がある)に関し、特に、安定した吐出性及び長期放置後の回復性が優れたインクジェット記録用油性白色インキに関する。
従来、インクジェット記録方式は、コンピューターなどからの電気信号に応じてインキの液滴をプリントヘッドあるいはスプレイノズルから高速で被記録材料に向けて噴射し、被記録材料のインキ受容層に印字する記録方式である。上記のインクジェット記録方式は、騒音が少なく、高速にて記録が可能なために、コピー、ファクシミリー、ポスター、ディスプレイなどに広く普及して来ている。これに伴い、これらのインクジェット記録方式に使用されるインキは、経時変化がなく、画像を形成した場合に十分な濃度を長期間安定に維持でき、被記録材料に印字される画像が優れた原稿再現性と十分な濃度を有することが要求される。
このために、使用されるインキは、ヘッドのノズルで目詰りしたり、インキカートリッジからヘッドに達するまでに通過する濾過フィルターを目詰りさせないことが要求されている。そのために、インキは、その密度、粘度、粒子径、濃度などのインキ特性を調整する必要がある。上記のインキは、一般に染料や顔料の着色剤と、これらを分散する分散剤や溶媒、必要に応じて添加剤にて構成されている。
とくに、インクジェット用白色インキは、明度の低い黒色系あるいは透明な被記録材料に印字することにより、視認性のよい印字物が得られ、種々の製品のマーキングにも有効である。さらに、上記の被記録材料に白色インキ以外の着色インキにて印字した場合、下地の色の影響を受けて鮮明に印字が再現できない。このために、下地に対する十分な隠蔽性を有する白色インキによって下地印刷を行って空いた下地を隠蔽し、その白地の上に他の着色インキで印字することが要求される。
しかしながら、上記の白色インキは、着色剤として酸化チタン顔料を使用しているが、従来の酸化チタン顔料を使用した白色インキは、保存中に顔料粒子の比重や使用溶媒などに起因して、とくに、アルコール系溶媒を用いた場合には、酸化チタン顔料が経時的に沈降・凝集することで、酸化チタン顔料の再分散性が低下する。このような課題を解決するために、白色顔料組成物(特許文献1)が提案されている。しかしながら、特許文献1に開示の白色顔料組成物では、アルミナ処理のみの酸化チタン顔料を、カルボキシル基を有するアクリル樹脂を分散剤として使用して、アルコール系溶媒に分散することにより、沈殿した白色顔料の再分散性が改良されているが、実作業ではインキ中の沈降した顔料の再分散を行わずそのままで使用できることが要望されている。また、酸化チタン顔料を白色顔料として使用した場合には、インキの保管時におけるインキの顔料の凝集沈降が進行しやすく、とくに、インクジェットインキに使用した場合には、プリンターを使用しない期間が長いと、吐出が安定しない場合や、プリンターのノズルを目詰りさせたり、最悪の場合ではプリンターのヘッドの交換が必要な場合が考えられる。
特開平6−107964号公報
従って、本発明の目的は、とくに吐出安定性及び長期放置後の回復性に優れたインクジェット記録用油性白色インキを提供する事である。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、(a)平均粒子径が0.15〜0.25μmの酸化チタン、(b)樹脂、(c)有機溶媒、及び(d)非イオン性界面活性剤を含有するインクジェット記録用油性白色インキであって、前記非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレン誘導体であるポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレンフェニルエーテルから選択された少なくとも1種からなるインクジェットインキに関する。
本発明者らは上記インクジェット記録用油性白色インキが、吐出を安定にし、かつ長期放置した場合でも、回復性に優れたインキであることを見い出し、本発明に至った。
本発明によれば、特定の白色顔料を特定の分散剤および溶媒に分散し、特定の界面活性剤を添加することにより、顔料の経時的耐沈降性が優れ、また吐出安定性が良く、更に長期放置後の溶媒揮発等によるノズルでインキの固形化が進行した場合でも回復性が非常に良いインキを提供することができる。
次に発明を実施するための最良の形態を挙げて、本発明をさらに詳しく説明する。本発明を特徴づけるa成分は、平均粒子径が0.15〜0.25μmの酸化チタン微粒子である。本発明に用いる酸化チタン微粒子はアルミニウムおよび/または珪素の酸化物で被覆されていることが好ましく、また、被覆酸化チタンはさらにSiH含有ポリシロキサンおよび/またはジメチルポリシロキサンにより0.01〜2.5質量%の割合で表面処理した白色顔料であることが好ましい。なお、本発明において「酸化物」とは無水の酸化物、含水酸化物および両者の混合物を意味する。
上記の酸化チタンとしては、公知のルチル型および/またはアナターゼ型の二酸化チタンが使用でき、好ましくはルチル型二酸化チタンを使用する。また、前記の酸化物(およびそれらの含水酸化物)としては、例えば、SiO、Alなどの酸化物や、SiO・nHO、Al・nHOなどの含水酸化物が挙げられ、好ましくはAlおよびその含水酸化物を用いる。前記のa成分は、上記の酸化物やその含水酸化物にて表面処理された状態での平均粒子径が0.15〜0.25μm、好ましくは0.15〜0.21μmの微粒子である。この際の酸化チタン微粒子と上記酸化物との質量比は特に限定されないが、一般的には酸化チタン微粒子100質量部当たり上記酸化物は約0.01〜30質量部である。
前記a成分の平均粒子径が、上記上限を超える場合には、得られるインキの下地に対する隠蔽性は上昇するが、保存中に顔料が凝集・沈降しやすく、保存安定性が悪くなる。また、印字中に印字ヘッドにインキが目詰りしやすくなる。一方、a成分の平均粒子径が、上記下限未満の場合には、保存中に顔料が沈降せず保存安定性はよいが、印字物の下地に対する隠蔽性が不足する。
前記のSiH含有ポリシロキサンとしては、例えば、下記一般式(1)に表わされるメチルハイドロジェンポリシロキサンを主成分とするものや、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサンおよびそれらの誘導体などSiH基を含有するポリシロキサン類などが挙げられ、中でも下記一般式(1)で表わされるメチルハイドロジェンポリシロキサンが好ましい。
下記式中のmは0以上の整数であり、nは1以上の整数であり、m+n=3〜500の整数である。より好ましいメチルハイドロジェンポリシロキサンの例としては、下記式においてm+n=10〜100のものが挙げられる。上記のm+nの値が高過ぎても、また、低過ぎても顔料の分散性が低下する。上記のメチルハイドロジェンポリシロキサンは、例えば、信越化学工業(株)からメチルハイドロジェンポリシロキサン[KF−99]の商品名にて入手して本発明で使用することができる。
Figure 2006016674
また、前記のジメチルポリシロキサンとしては、例えば、下記一般式(2)に表わされる直鎖型ジメチルポリシロキサンを主成分とするものなどが挙げられる。(nは1以上の整数を表わす。)
Figure 2006016674
上記のジメチルポリシロキサンは、例えば、信越化学工業(株)からジメチルポリシロキサン[KF−96]の商品名にて入手して本発明で使用することができる。
また、本発明で使用するa成分は、必要に応じて本発明の目的を妨げない範囲において、前記のポリシロキサンに、メチルフェニルシリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルなどのシリコーンオイルを併用して処理することができる。
本発明で使用するa成分の好ましい態様では、前記のアルミニウムおよび/または珪素の酸化物にて処理された酸化チタンを、更に前記のポリシロキサンを用いて被覆する。顔料に対する前記ポリシロキサンの被覆量は0.01〜2.5質量%、好ましくは0.3〜1.0質量%である。前記のポリシロキサンの被覆量が上記上限を超える場合には、得られるインキ中でa成分が沈降しやすくなる。一方、ポリシロキサンの被覆量が上記下限未満の場合には、得られるインキに十分な濃度の白色度が得られず、印字物の下地に対する隠蔽性が不足する。
また、本発明で使用するb成分は樹脂であり、高分子分散剤または定着樹脂である。上記の高分子分散剤としては、公知の高分子分散剤、例えば、ゼラチン、カゼイン、アルブミンなどのタンパク質類、アラビアゴム、トラガントゴムなどの天然ゴム、アルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸アンモニウムなどのアルギン酸誘導体、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体などのアクリル系共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体などのスチレン−アクリル系共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体などのアンモニウムまたはアミンの塩などが挙げられる。
上記塩としては、得られる重合体の少なくとも一部を構成する単量体として3級アミノ基含有単量体などのアミンの塩を有するアクリル酸エステルなどの単量体から構成されており、例えば、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどの単量体を使用した重合体および共重合体などのアミン塩が挙げられる。
好ましい高分子分散剤としては、重量平均分子量40,000〜60,000のアクリル系共重合体のアミン塩、とくに好ましくは3級アミン塩が挙げられる。上記の高分子分散剤としては、例えば、ビックケミー・ジャパン社から「Disperbyk(登録商標)−2050」などの商品名で入手して本発明で使用することができる。
前記の定着樹脂としては、(メタ)アクリル樹脂、すなわちアクリル樹脂またはメタクリル樹脂であることが好ましく、更に好ましい態様では、メチルメタクリレート単独の単独重合体もしくはメチルメタクリレートとブチルメタクリレートとの共重合体である。
また、本発明で使用するc成分は、a成分との濡れ性がよく、得られるインキの印字適性に有効であるグリコールエーテル類を主成分とする有機溶媒が挙げられる。
上記のグリコールエーテル類としては、例えば、ジまたはトリエチレングリコールのモノブチルエーテル;プロピレングリコールのモノブチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、またはモノメチルエーテル;ジプロピレングリコールのモノブチルエーテル、ジエチレングリコールのモノヘキシルエーテルなどのエーテルなど、およびそれらの混合物など、好ましくはジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルおよびトリエチレングリコールモノメチルエーテルから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
上記のc成分は、必要に応じて他の有機溶媒、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコール−モノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、ラクトン溶剤などを併用することができる。ラクトン溶剤はエステル結合による環状構造を持つ化合物であり、5員環構造のγ−ラクトン、6員環構造のδ−ラクトン、7員環構造のε−ラクトン等があり、例えば、例えばγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ヘキサラクトン、γ−ヘプタラクトン、δ−ヘプタラクトン、δ−オクタラクトン、δ−ノナラクトン、δ−デカラクトン、δ−ウンデカラクトン、ε−カプロラクトンおよびそれらの混合物を使用することができる。
本発明で使用するd成分は、非イオン界面活性剤で、ポリオキシアルキレン誘導体であるポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレンフェニルエーテルから選択された少なくとも1種からなる。中でもポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとポリオキシアルキレンモノ(またはジ)脂肪酸エステルの混合物が好ましく、常温20±5℃、大気圧下で液状である事が更に好ましい。
非イオン界面活性剤の添加量としては、a成分に対し20質量%〜100質量%が好ましく、前記範囲より、添加量が低い場合固化した場合の再溶解性が著しく低下する。
また前記範囲より添加量が多い場合は印字した際の乾燥性が低下し、また被膜強度を低下する。
またインク系への混和性と、固化した場合の再溶解性から非イオン界面活性剤のHLB(hydrophile−lipophile balance)値は10〜13が好ましい。
好ましい界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテルとしては、例えば日本油脂(株)社製HS−206、HS−208等の商品名で入手し使用でき、またポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては例えば、第一工業製薬(株)社製ノイゲンLP−70,ノイゲンLP−100、三洋化成(株)社製ナロアクティ HN70,ナロアクティ HN85、東邦化学(株)社製ペグノールO−6A、花王(株)社製エマルゲンLS−106,エマルゲンLS−114、日光ケミカルズ(株)社製NIKKOL BT−5,NIKKOL BT−7等の商品名で入手し使用でき、またポリオキシエチレンアルキルエーテルとポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステルの混合物としては、共栄社化学(株)社製フローレンD−90等の商品名で入手でき使用できる。
本発明のインキは、必要に応じて前記のグリコールエーテル類および/またはグリコール類を主成分とする溶剤に混合分散できる樹脂、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂類などの樹脂を含むことができる。また、本発明のインキには、ワックス、帯電防止剤、界面活性剤、粘度調整剤、可塑剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの公知の添加剤を、本発明の目的を妨げない範囲において添加して使用することができる。
本発明のインキは、上記の各成分を公知の方法で均一に混合して前記a成分を溶媒中に分散して調製する。調製方法としては、例えば、ペイントシェイカーにて直径0.8mmのジルコニアビーズにて1時間分散後、直径0.3mmのジルコニアビーズで5時間分散し、インキの粘度を4.0〜4.5mPa・sに調整する方法が挙げられる。なお、インキの粘度測定は、落球式粘度計(日本シーベルヘグナー(株)製のAMVn)にて測定した値である。上記のインキによる通常の被記録材料への印字は、市販のインクジェットプリンターを使用して行うことができる。
(実施例)
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、「部」および「%」は、特に断りのない限り、質量基準である。
下記のa成分、b成分、c成分及びd成分を前記の調製方法にて、均一に混合分散して粘度が4.0〜4.5mPa・sである本発明のインキV1を調製した。なお、a成分、b成分、c成分およびd成分は下記の通りである。
a成分:アルミナにて表面処理された平均粒子径0.21μmの二酸化チタンをさらにメチルハイドロジェンポリシロキサン(信越化学工業(株)製、メチルハイドロジェンポリシロキサンKF−99)にて0.75%処理した白色顔料6.0部
b成分:アクリル系高分子分散剤(ビックケミー・ジャパン社製、Disperbyk−2050、重量平均分子量50,000)1.4部、アクリル系樹脂(ローム&ハース社製、パラロイドB60)2.0部
c成分:ジエチレングリコールジエチルエーテル62.6部と、γ−バレロラクトン15.0部と、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル10.0部との混合溶剤
d成分:ノイゲンLP−70(第一工業製薬(株)社製 HLB10.5)3.0部
実施例1において使用されるノイゲンLP−70に代えて、ナロアクティ HN70(三洋化成(株)社製 HLB11.7)を3.0部使用した以外は、実施例1と同様にして実施例のインキV2を調整した。
実施例1において使用されるノイゲンLP−70に代えて、ナロアクティ HN−85(三洋化成(株)社製 HLB12.6)を3.0部使用し、γ−バレロラクトンをγ−ブチロラクトンに変更した以外は、実施例1と同様にして実施例のインキV3を調整した。
実施例1において使用されるノイゲンLP−70に代えて、フローレン D−90(共栄社化学(株)社製 HLB12.6)を3.0部使用した以外は、実施例1と同様にして実施例のインキV4を調整した。
実施例1において使用されるノイゲンLP−70に代えて、ポリオキシエチレンアルキルエーテル ペグノールO−6A(東邦化学(株)社製 HLB9.6)を3.0部使用した以外は、実施例1と同様にして実施例のインキV5を調製した。
実施例1において使用されるノイゲンLP−70に代えて、ポリオキシエチレンアルキルエーテル エマルゲンLS−114(花王(株)社製 HLB14.0)を3.0部使用した以外は、実施例1と同様にして実施例のインキV6を調製した。
[比較例1]
実施例1において使用されるノイゲンLP−70を添加しない以外は、実施例1と同様にして比較例のインキY1を調製した。
[比較例2]
実施例1において使用されるノイゲンLP−70に代えて、ポリグリセリン脂肪酸エステルのNIKKOL DECAGLYN 1−IS(日光ケミカルズ(株)社製 HLB12.0)を3.0部使用した以外は、実施例1と同様にして比較例のインキY2を調製した。
[比較例3]
実施例1において使用されるノイゲンLP−70に代えて、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのNIKKOL TO−30(日光ケミカルズ(株)社製 HLB11.0)を3.0部使用した以外は、実施例1と同様にして比較例のインキY3を調製した。
[比較例4]
実施例1において使用されるノイゲンLP−70に代えて、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルのNIKKOL MYO−10(日光ケミカルズ(株)社製 HLB11.0)を3.0部使用した以外は、実施例1と同様にして比較例のインキY4を調製した。
上記の実施例および比較例で得られた各インキを使用して、再溶解試験及びMJ−8000C(EPSON社製)にてノズル回復性及び吐出評価を行った。
(再溶解性試験)
シャーレにインキを1g取り、40℃下で3日放置し乾燥固化しているインキに再度インキを滴下し、その再溶解(分散)性を確認した。
評価:○:再溶解する。
△:一部再溶解する。
×:再溶解しない。
(間欠吐出)
インキを充填し、一時間連続印字を行った後、一時間放置し再度印字し吐出曲がり、ドット抜けの有無の確認と、クリーニング操作による回復性を評価した。
評価:○:曲がり、又はドット抜けがない。
△:曲がり、ドット抜けがあるがクリーニング数回以上で回復する。
×:曲がり、ドット抜けがあり、クリーニングを行っても回復しない。
(長期放置1)
インキを充填し、一日連続印字を行った後、35℃下で2週間放置し再度印字し吐出曲がり、ドット抜けの有無の確認と、クリーニング操作による回復性を評価した。
評価:○:曲がり、ドット抜けがあるがクリーニング1〜2回で回復する。
△:曲がり、ドット抜けがあるがクリーニング3回以上で回復する。
×:曲がり、ドット抜けがあり、クリーニングを行っても回復しない。
(長期放置2)
インキを充填し、一日連続印字を行った後、5℃〜25℃下で1ヶ月放置し再度印字し吐出曲がり、ドット抜けの有無の確認と、クリーニング操作による回復性を評価した。
評価:○:曲がり、ドット抜けがあるがクリーニング1〜2回で回復する。
△:曲がり、ドット抜けがあるがクリーニング3回以上で回復する。
×:曲がり、ドット抜けがあり、クリーニングを行っても回復しない。
Figure 2006016674
上記評価結果から本発明のインキは、前記の条件で長時間放置しても、曲がりや目詰まりが起こりにくく、また発生した場合でも速やかに復旧できる。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2004年8月12日出願の日本特許出願(特願2004−235273)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明によれば、本発明のインキは、印字ヘッドに目詰りが無く、印字トラブルの無い連続印刷ができ、プリンターを長期間使用しない場合でも、曲がりや目詰まりが起こりにくく、このような症状が発生した場合でも容易に復旧することができる。
この為メンテナンスの負荷を大きく減らす事ができる非常に優れたインクジェット記録用油性白色インキとして有効に使用することができる。

Claims (6)

  1. (a)平均粒子径が0.15〜0.25μmの酸化チタン、(b)樹脂、(c)有機溶媒、及び(d)非イオン性界面活性剤を含有するインクジェット記録用白色インキであって、前記非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレンフェニルエーテルから選択された少なくとも1種からなるインクジェットインキ。
  2. 前記非イオン性界面活性剤の含有量が上記酸化チタンに対して20質量%〜100質量%である、請求項1に記載のインクジェットインキ。
  3. 前記非イオン性界面活性剤のHLB値が10〜13である、請求項1または2に記載のインクジェットインキ。
  4. 前記酸化チタンが、アルミニウムおよび/または珪素の酸化物で被覆されている、請求項1〜3の何れか一項に記載のインクジェットインキ。
  5. 前記酸化チタンが、さらにSiH含有ポリシロキサンおよび/またはジメチルポリシロキサンで、0.01〜2.5質量%の割合で表面処理されている、請求項4に記載のインクジェットインキ。
  6. 前記有機溶媒(c)としてジエチレングリコールジエチルエーテルとラクトン類との混合溶剤からなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェットインキ。
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