JPH09194777A - インクジェット記録用水系インク - Google Patents

インクジェット記録用水系インク

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JPH09194777A
JPH09194777A JP1016396A JP1016396A JPH09194777A JP H09194777 A JPH09194777 A JP H09194777A JP 1016396 A JP1016396 A JP 1016396A JP 1016396 A JP1016396 A JP 1016396A JP H09194777 A JPH09194777 A JP H09194777A
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JP
Japan
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ink
water
group
polyester
dye
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JP1016396A
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English (en)
Inventor
Tadashi Sakuma
正 佐久間
Tetsuya Ueno
哲也 上野
Kuniyasu Kawabe
邦康 河辺
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク吐出量が十分であり、一層高い印字濃
度を得ることのできるインクジェット記録用水系インク
の提供。 【解決手段】 染料を含有する本発明のインクジェット
記録用水系インクは、下記式(1)で表される化合物を
含有させたことを特徴とする。 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は同一の又は異なる
1 〜C10のアルキル基又はアリール基を示し、R5
びR6 は同一の又は異なるC1 〜C10のアルキル基、ア
リール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基又はエポ
キシ基を示し、m及びnは同一の又は異なる0〜100
0の整数を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用水系インクに関するものであり、更に詳しくは、イ
ンク吐出量が十分であり、且つ印字濃度が一層高まった
インクジェット記録用水系インクに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】インク
ジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液
滴を記録部材に直接吐出、付着させて、文字や画像を得
る記録方式である。この方式によれば、使用する装置が
低騒音で操作性がよいという利点を有するのみならず、
カラー化が容易であり且つ記録部材として普通紙が使用
できるという利点も有するため、近年広く用いられてい
る。インクの吐出方式としては、プリンタヘッドに圧電
素子を利用した圧電式と、発熱抵抗素子のヒータを利用
した熱ジェット式とが、パーソナルプリンタとして広く
用いられている。
【0003】インクジェット記録方式における印字像の
印字濃度は、着色剤の種類やノズルから吐出されるイン
ク液滴の大きさに依存し、同じ着色剤を用いた場合には
インク液滴の大きさが小さい方が高い印字濃度が得られ
る。この場合、インク液滴の大きさを決定するパラメー
タの一つにインクの表面張力がある。そこで、インク中
に表面張力を調整するための各種の物質をを添加する試
みがなされている。しかしながら、カラー印刷等におい
て高い印字品質が一層要求されている今日においては、
特に、分散系という特殊な条件下におけるインク液滴の
微小化は未だ十分でなく、十分に高い印字濃度は得られ
ていなかった。また、インク液中に小泡等が存在するこ
とによりインク吐出量も十分ではなく、そのため、印字
濃度の低下という課題もあった。
【0004】従って、本発明の目的は、インク吐出量が
十分であり、一層高い印字濃度を得ることのできるイン
クジェット記録用水系インクを提供することにある。ま
た、本発明の目的は、特に、サスペンション等の分散系
インクにおいて、一層高い印字濃度を得ることのできる
インクジェット記録用水系インクを提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく本
発明者は鋭意検討したところ、インクの表面張力を調整
する物質として特定の化合物を用いることにより、イン
ク液滴を極めて微小化させ、且つインク液中の小泡発生
を抑制しインクを十分に吐出させて、印字濃度を高め得
ることを知見した。
【0006】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
であり、染料を含有するインクジェット記録用水系イン
クにおいて、下記式(1)で表される化合物を含有させ
たことを特徴とするインクジェット記録用水系インクを
提供することにより上記目的を達成したものである。
【0007】
【化5】 (式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は同一の又は異なる
1 〜C10のアルキル基又はアリール基を示し、R5
びR6 は同一の又は異なるC1 〜C10のアルキル基、ア
リール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基又はエポ
キシ基を示し、m及びnは同一の又は異なる0〜100
0の整数を示す。)
【0008】また、本発明は、インクジェット記録用水
系インクの好ましい製造方法として、下記式(2)で表
されるジオール成分と、二価以上の多価カルボン酸、そ
の酸無水物及びその低級アルキルエステルからなる群か
ら選ばれる1種以上の酸成分とを共縮重合して得られる
酸価が3〜70KOHmg/gのポリエステルを、染料
と共に溶剤に溶解させ、中和剤を加えて該ポリエステル
中のカルボキシル基をイオン化し、次いで下記式(1)
で表される化合物を含有する水を加えた後、上記溶剤を
留去して水系に転相することを特徴とするインクジェッ
ト記録用水系インクの製造方法を提供するものである。
【0009】
【化6】 (式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は同一の又は異なる
1 〜C10のアルキル基又はアリール基を示し、R5
びR6 は同一の又は異なるC1 〜C10のアルキル基、ア
リール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基又はエポ
キシ基を示し、m及びnは同一の又は異なる0〜100
0の整数を示す。)
【0010】
【化7】 (式中、Rはエチレン又はプロピレン基を示し、x及び
yは同一の又は異なる1以上の整数を示し、かつx+y
の平均値は2〜7である。)
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録用水
系インクは、上記式(1)で表される化合物を含有させ
たことを特徴とするものである。上記式(1)において
1 、R2 、R3 及びR4 は好ましくは同一の又は異な
るC1 〜C5 の低級アルキル基又はフェニル基であり、
m及びnは、好ましくはそれぞれ1〜1000(特に1
0〜100)の整数であり、R5 及びR6 は好ましくは
同一の又は異なるC1 〜C5 の低級アルキル基又はフェ
ニル基である。
【0012】上記式(1)で表される化合物のうち、下
記式(3)で表わされる化合物を用いることが、インク
調製の際における泡の発生の抑制及びインクの表面張力
の調整の点から特に好ましい。
【0013】
【化8】
【0014】〔式中、mは0〜1000(特に1〜10
00)の整数を示す。〕
【0015】上記式(1)又は(3)で表される化合物
としては市販品も使用することができる。そのような市
販品としては、例えば信越シリコーン社製のKF96、
66、69、KS68、604、607A、602、6
03、KM73、73A、73E、72、72A、72
C、72F、82F、70、71、75、80、83
A、85、89、90、68−1F、68−2F(商品
名)等が挙げられる。
【0016】上記式(1)で表される化合物の配合量に
特に制限はないが、本発明のインクジェット記録用水系
インク中に、0.001〜2重量%配合されることが好
ましい。該化合物の配合量が0.001重量%に満たな
いとインク調製時に泡が発生し易く、又、インク内での
小泡の除去が難しく、2重量%を超えると泡の発生は抑
えられるものの、印字の際、インク内でハジキが発生し
印字品質の低下が起こる場合があるので、上記範囲内と
することが好ましい。更に好ましくは、上記式(1)で
表される化合物の配合量は、本発明のインクジェット記
録用水系インク中に、0.005〜0.5重量%であ
る。
【0017】本発明のインクジェット記録用水系インク
において、上記式(1)で表される化合物と共に用いら
れる染料としては、インクジェット用インクとして通常
用いられている染料を特に制限無く用いることができ
る。例えば、油性染料、分散染料、直接染料、酸性染料
及び塩基性染料等として知られている各種染料を用いる
ことができる。例えば、上記分散染料としては、以下に
限定されるものではないが、特に好ましい具体例として
は、C.I.ディスパーズイエロー5、42、54、6
4、79、82、83、93、99、100、119、
122、124、126、160、184:1、18
6、198、199、204、224及び237;C.
I.ディスパーズオレンジ13、29、31:1、3
3、49、54、55、66、73、118、119及
び163;C.I.ディスパーズレッド54、60、7
2、73、86、88、91、92、93、111、1
26、127、134、135、143、145、15
2、153、154、159、164、167:1、1
77、181、204、206、207、221、23
9、240、258、277、278、283、31
1、323、343、348、356及び362;C.
I.ディスパーズバイオレッド33;C.I.ディスパ
ーズブルー56、60、73、87、113、128、
143、148、154、158、165、165:
1、165:2、176、183、185、197、1
98、201、214、224、225、257、26
6、267、287、354、358、365及び36
8;並びにC.I.ディスパーズグリーン6:1及び9
等が挙げられる。上記各種染料は、本発明のインクジェ
ット記録用水系インク中に、1〜30重量%配合される
ことが好ましい。該染料の配合量が1重量%に満たない
と印字濃度が不十分であり、30重量%を超えると本発
明のインクを後述するようなサスペンションとした場合
にサスペンション粒径の経時安定性が低下し、粒径増大
の傾向があるので、上記範囲内とすることが好ましい。
更に好ましくは、上記染料の配合量は、本発明のインク
ジェット記録用水系インク中に、1.5〜25重量%で
ある。
【0018】上記式(1)で表される化合物及び染料を
含有する本発明のインクジェット記録用水系インクにお
ける配合組成に特に制限は無く、インクジェット記録用
水系インクの配合組成として従来公知の如何なる配合組
成をも用いることができる。例えば、本発明のインクジ
ェット記録用水系インクは、上記式(1)で表される化
合物及び染料に加えて、従来公知の各種添加剤、例えば
多価アルコール類のような湿潤剤、分散剤、クロロメチ
ルフェノール系等の防黴剤及び/又はEDTA等のキレ
ート剤等を更に含有してもよい。
【0019】上記湿潤剤としては、例えばエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジエチレン
グリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチル
エーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エ
チレングリコールモノブチルエーテル、メチルカルビト
ール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチ
ルカルビトールアセテート、ジエチルカルビトール、ト
リエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、チオジグリコール等の多価アル
コール及びそのエーテル、アセテート類、N−メチル−
2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、
トリエタノールアミン、ホルムアミド、ジメチルホルム
アミド等の含窒素化合物類、ジメチルサルフォキサイド
の一種又は二種以上を使用することができる。これらの
湿潤剤の配合量に特に制限はないが、上記インク中に好
ましくは0.1〜50重量%配合することができ、更に
好ましくは0.1〜30重量%配合することができる。
【0020】上記式(1)で表される化合物を含有させ
たことを特徴とする本発明のインクジェット記録用水系
インクは、例えば、水を媒体とした溶液系として好まし
く用いられる。また、本発明のインクジェット記録用水
系インクは、水を媒体としたサスペンション等の分散系
としても好ましく用いられる。該分散系としては、例え
ば、染料と分散質とが互いに別個の相に分かれているも
のや、染料が分散質中に取り込まれているもの等がある
が、本発明のインクジェット記録用水系インクは、何れ
の分散系としても用いることができる。特に好ましく
は、分散系として、上記染料を封入したポリエステルサ
スペンションを用いることがインクの耐水性の一層の向
上の点から好ましい。かかる分散系に上記式(1)で表
される化合物を用いることで、インク調製時における泡
の発生を抑制することができ、且つ上記ポリエステルサ
スペンションの粒子径を極めて小さくすることができる
ので、インク吐出性がよく、印字濃度が高く且つ耐水性
の一層向上した印字像を得ることができる。
【0021】染料を封入した上記ポリエステルサスペン
ションを含有する上記インクジェット記録用水系インク
について説明すると、該インクにおいては上記染料は、
少なくともポリエステルによって形成されるミセル中に
封入されている。そして、該インクは、染料を封入した
上記ポリエステルのミセルが水中にサスペンションとし
て存在してなるものである。
【0022】上記ポリエステルとしては、染料を少なく
ともその内部に封入し得るミセルを形成し得るものであ
れば特に制限無く用いることが出来る。かかるポリエス
テルとして本発明において特に好ましく用いられるもの
は、下記式(2)で表されるジオール成分と、二価以上
の多価カルボン酸、その酸無水物及びその低級アルキル
エステルからなる群から選ばれる1種以上の酸成分とを
共縮重合して得られる酸価(JIS K 0070に基
づく)が3〜70KOHmg/gのポリエステルであ
る。
【0023】
【化9】 (式中、Rはアルキレン基、例えばエチレン又はプロピ
レン基を示し、x及びyは同一の又は異なる1以上の整
数を示し、かつx+yの平均値は2〜7である。)
【0024】上記ポリエステルは、DSC(示差走査熱
計量)により測定されるTg(ガラス転移点)が25℃
以上であることも好ましい。Tgが25℃に満たないと
該ポリエステルがプリンタのノズル内で固化し、ノズル
の詰まりが起こる場合がある。また、印刷された紙を重
ね置きするとインクの紙写りが起こるおそれがある。
【0025】また、上記ポリエステルは、その数平均分
子量が500〜100000であることが、印刷後のイ
ンクの耐水性及びサスペンションの形成性の点から好ま
しい。
【0026】上記ポリエステルは、本発明のインクジェ
ット記録用水系インク中に1〜50重量%配合されるこ
とが好ましく、2〜30重量%配合されることが更に好
ましい。上記ポリエステルの配合量が1重量%に満たな
いと印字濃度が不十分であり、50重量%を超えるとサ
スペンションのインクとしての保存安定性が低下した
り、特にインクジェットプリンタで用いるときにノズル
先端部でのインク蒸発に伴うインクの増粘やサスペンシ
ョンの凝集が起こることによってプリンタヘッドの目詰
まりが起こる場合があるので、上記範囲内とすることが
好ましい。
【0027】本発明のインクジェット記録用水系インク
が、染料を封入した上記ポリエステルサスペンションか
らなる場合には、該染料として油性染料を用いることが
良好な封入性の観点から好ましい。上記油性染料として
は、以下に限定されるものではないが、特に好ましい具
体例としては、例えば、C.I.ソルベント・ブラック
3、7、27、29及び34;C.I.ソルベント・イ
エロー14、16、19、29、56及び82;C.
I.ソルベント・レッド1、3、8、18、24、2
7、43、51、72、73、132及び218;C.
I.ソルベント・バイオレット3;C.I.ソルベント
・ブルー2、11及び70;C.I.ソルベント・グリ
ーン3及び7;並びにC.I.ソルベント・オレンジ2
等が挙げられる。染料を封入した上記ポリエステルサス
ペンションの粒子径は、上記式(1)で表される化合物
の作用により、一般に0.01〜0.5μm程度の小さ
なものとなる。
【0028】本発明のインクジェット記録用水系インク
は、圧電式及び熱ジェット式のインクジェットプリンタ
ーの何れにも使用することができる。
【0029】次に、本発明のインクジェット記録用水系
インクの好ましい製造方法について、該インクが染料を
封入したポリエステルサスペンションからなる場合を例
にとり説明する。
【0030】上記インクは、いわゆる転相乳化によって
好ましく製造される。以下、かかる転相乳化について説
明する。上記転相乳化は、上記ポリエステルを、上記染
料と共に溶剤に溶解させ、中和剤を加えて該ポリエステ
ル中のカルボキシル基をイオン化し、次いで上記式
(1)で表される化合物を含有する水を加えた後、上記
溶剤を留去して水系に転相することからなる。
【0031】先ず、上記ポリエステル及び上記染料を、
溶剤に溶解させる。この場合、該ポリエステル及び該染
料は、該溶剤100重量部に対して、それぞれ5〜50
重量部及び0.1〜50重量部溶解させることがサスペ
ンション形成の点から好ましい。上記溶剤としては、特
に限定されないが例えば、アセトン、メチルエチルケト
ン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、メチルイソプ
チルケトン、メチルイソプロピルケトン等のケトン系溶
剤が挙げられ、これらのうちメチルエチルケトンが好ま
しく用いられる。
【0032】次に、上記ポリエステル及び染料の溶液に
中和剤を加える。これにより、該ポリエステル中のカル
ボキシル基をイオン化する。該中和剤としては、上記溶
剤に溶解し得るものであって且つ該カルボキシル基をイ
オン化し得るものであれば特に制限無く用いることがで
きる。そのような中和剤としては、例えばアンモニア
水、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリ
ウム等の一価の無機塩のアルカリ水溶液、アリルアミ
ン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、エチ
ルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、2−エ
チルヘキシルアミン、3−エトキシプロピルアミン、ジ
イソブチルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミ
ン、トリ−n−オクチルアミン、t−ブチルアミン、s
ec−ブチルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプ
ロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、n−プ
ロパノールアミン、ブタノールアミン、2−アミノ−4
−ペンタノール、2−アミノ−3−ヘキサノール、5−
アミノ−4−オクタノール、3−アミノ−3−メチル−
2−ブタノール、モノエタノールアミン、ジエタノール
アミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールア
ミン、イソプロパノールアミン、ネオペンタノールアミ
ン、ジグリコールアミン、エチレンジアミン、1,3−
ジアミノプロパン、1,2−ジアミノプロパン、1,6
−ジアミノヘキサン、1,9−ジアミノノナン、1,1
2−ジアミノドデカン、二量体脂肪酸ジアミン、2,
2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,
4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレ
ンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、N−アミノ
プロピルピペラジン、N−アミノプロピルジピペリジプ
ロパン、ピペラジン等のアミン類等を挙げることができ
る。特に、上記中和剤として水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、トリエチルアミン及びジメチルエタノールア
ミンを用いると得られるサスペンションの安定性が一層
向上するので好ましい。就中、上記中和剤として水酸化
ナトリウム及び水酸化カリウムを用いると得られるサス
ペンションの耐熱性も向上するのでより好ましい。上記
中和剤の使用量は、少なくとも上記ポリエステル中のカ
ルボキシル基をイオン化できる量であれば良い。
【0033】上記中和剤の添加後、上記溶液に上記式
(1)で表される化合物を含有する水を加えて転相を起
こさせる。これにより、染料が封入されたポリエステル
のサスペンションが水相中に生じる。また、該サスペン
ションの粒子径は、上記式(1)で表される化合物の作
用により極めて小さくなる。加える水〔上記式(1)で
表される化合物を含有する水〕の量は、上記中和剤添加
後の溶液100重量部に対して100〜300重量部で
あることが好ましい。また、上記式(1)で表される化
合物の配合量は、最終的に得られるインク中に0.00
1〜2重量%となるような量であることが好ましい。
【0034】転相が完了した後、系を減圧下に加熱する
ことにより、上記溶剤を除去すると共に、所定量の水を
除去することにより、所望の濃度を有する本発明のイン
クジェット用水系インクが得られる。
【0035】また、上記製造方法の別法として、上記転
相の際には上記式(1)で表される化合物を添加せず、
代わりに、上記溶剤の除去後に該化合物を添加してもよ
い。
【0036】
【実施例】次に、実施例により、本発明のインクジェッ
ト記録用水系インクを更に詳細に説明する。しかしなが
ら、本発明は、かかる実施例に制限されるものでないこ
とはいうまでもない。
【0037】〔製造例1(ポリエステルサスペンション
の製造)〕ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1150g、
フマール酸380g、ハイドロキノン1.5gをガラス
製2リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、ステン
レス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管をこ
れに取りつけた。マントルヒーター中で、窒素気流下に
て210℃にて攪拌しつつ反応せしめた。重合度はAS
TM E28−51Tに準ずる軟化点より追跡を行い、
軟化点が100℃に達した時反応を終了した。得られた
ポリエステルは淡黄色の固体であり、DSCによるTg
は56.2℃であった。また、JIS K 0070に
基づく該ポリエステルの酸価は30.9KOHmg/g
であり、数平均分子量(ゲルバーミエーションクロマト
グラフィーでポリスチレン換算)は2,600であっ
た。次に、上記ポリエステル150g、油性染料(オリ
エント化学製、VALIFAST BLACK 3820 )35g、及びメ
チルエチルケトン500gをセパラブルフラスコに入
れ、フラスコ内をN2 置換後、攪拌して上記ポリエステ
ル及び油性染料をメチルエチルケトンに完全溶解させ
た。引き続き、ジメチルエタノールアミン8.84gを
加えて上記ポリエステル中のカルボキシル基をイオン化
した。更に、イオン交換水960gを滴下して撹拌した
後、減圧下で40℃に加熱してメチルエチルケトンを除
去し、染料を封入したポリエステルサスペンションの1
5重量%水系分散体を得た。
【0038】〔製造例2(ポリエステルサスペンション
の製造)〕製造例1で得られたポリエステル150g、
油性染料(保土谷化学製、Aizen Spilon Yellow GRLH s
pecial)30g、及びメチルエチルケトン500gをセ
パラブルフラスコに入れ、フラスコ内をN2 置換後、攪
拌して上記ポリエステル及び油性染料をメチルエチルケ
トンに完全溶解させた。引き続き、水酸化ナトリウム
4.30gを加えて上記ポリエステル中のカルボキシル
基をイオン化した。更に、0.20gの信越シリコーン
製KM−71を含有するイオン交換水960gを滴下し
て撹拌した後、減圧下で40℃に加熱してメチルエチル
ケトンを除去し、染料を封入したポリエステルサスペン
ションの15重量%水系分散体を得た。
【0039】〔実施例1〕 ・製造例1で得られたポリエステルサスペンションの水系分散体 80g ・ジエチレングリコール 10g ・グリセリン 9.8g ・信越シリコーン製KM−71 0.20g ・アセチレノールEL 0.20g 上記の成分を混合し、得られた分散液を5ミクロンのフ
ィルターによって濾過し、ゴミ及び粗大粒子を除去して
インクを得た。このインクを用い、市販のキャノン製マ
イクロバブルジェットプリンター(型番BJ−10V
L)で印字し、インク吐出量、印字濃度、にじみ、耐水
性及び目詰まり性を下記の方法で評価した。
【0040】<インク吐出量>印字は、PPC用再生紙
〔日本加工製紙(株)社製〕を用いてベタ印字を行い、
印字前と印字後のインクカートリッジの重量を測定し、
その変化量からインク吐出量を算出した。 <印字濃度>印字は、PPC用再生紙〔日本加工製紙
(株)社製〕を用いてベタ印字を行い、室内にて24時
間自然乾燥させた後、その光学濃度をマクベス濃度計R
D918(マクベス社製)で測定した。 <にじみ>PPC用再生紙〔日本加工製紙(株)社製〕
に英数文字を印字し、1時間以上放置した後、顕微鏡及
び目視で文字のシャープさや文字より発生するヒゲ状の
にじみの度合を評価した。 <耐水性>PPC用再生紙〔日本加工製紙(株)社製〕
にベタ印字し、1時間以上放置した後、静水中に垂直に
10秒間浸漬し、そのまま垂直に引き上げた。室内にて
自然乾燥させた後、ベタ印字部及び印字されていない白
色部の光字濃度をマクベス濃度計RD918(マクベス
社製)で測定した。 <目詰まり性>市販のキャノン製マイクロバブルジェッ
トプリンター(型番BJ−10VL)で、10分間連続
して英数文字を印字した後、プリンターを停止し、キャ
ップをせずに40℃、25%RHの環境下、2週間放置
した。放置後再び英数文字を印字し、放置前と同等の印
字が得られるまでに要した目詰まり復帰動作の回数を調
べた。
【0041】〔実施例2〕 ・製造例2で得られたポリエステルサスペンションの水系分散体 80g ・ジエチレングリコール 10g ・グリセリン 9.8g ・アセチレノールEL 0.20g 上記の成分を混合し、得られた分散液を5ミクロンのフ
ィルターによって濾過し、ゴミ及び粗大粒子を除去して
インクを得た。得られたインクを用いて実施例1と同様
の評価をした。
【0042】〔比較例1〕市販のキャノン製マイクロバ
ブルインクジェットプリンター(型番BJ−10VL)
に使用されている水性染料を用いて実施例1と同様の評
価をした。
【0043】実施例1及び2並びに比較例1における評
価結果から、上記式(1)で表される化合物を含有させ
た本発明のインクジェット記録用水系インク(実施例1
及び2)においては、市販のインク(比較例1)と同程
度のインク吐出量及び印字濃度が維持されたままで、耐
水性、にじみの防止性及び目詰まり防止性が一層向上す
ることが分かった。
【0044】
【発明の効果】以上、詳述した通り、本発明のインクジ
ェット記録用水系インクによれば、上記式(1)で表さ
れる化合物を含有させることにより、インク吐出量が良
好な、印字濃度の高い印字像を得ることができる。ま
た、耐水性、にじみの防止性及び目詰まり防止性が向上
する。更に、染料をポリエステルサスペンションに封入
することにより、染料の有する発色性が損なわれること
なくインクの耐水性が一層向上する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 染料を含有するインクジェット記録用水
    系インクにおいて、下記式(1)で表される化合物を含
    有させたことを特徴とするインクジェット記録用水系イ
    ンク。 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は同一の又は異なる
    1 〜C10のアルキル基又はアリール基を示し、R5
    びR6 は同一の又は異なるC1 〜C10のアルキル基、ア
    リール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基又はエポ
    キシ基を示し、m及びnは同一の又は異なる0〜100
    0の整数を示す。)
  2. 【請求項2】 上記染料がポリエステルサスペンション
    に封入されている、請求項1記載のインクジェット記録
    用水系インク。
  3. 【請求項3】 上記ポリエステルサスペンションが、下
    記式(2)で表されるジオール成分と、二価以上の多価
    カルボン酸、その酸無水物及びその低級アルキルエステ
    ルからなる群から選ばれる1種以上の酸成分とを共縮重
    合して得られる酸価が3〜70KOHmg/gのポリエ
    ステルを、染料と共に溶剤に溶解させ、中和剤を加えて
    該ポリエステル中のカルボキシル基をイオン化し、次い
    で水を加えた後、上記溶剤を留去して水系に転相して得
    られたものである、請求項2記載のインクジェット記録
    用水系インク。 【化2】 (式中、Rはエチレン又はプロピレン基を示し、x及び
    yは同一の又は異なる1以上の整数を示し、かつx+y
    の平均値は2〜7である。)
  4. 【請求項4】 下記式(2)で表されるジオール成分
    と、二価以上の多価カルボン酸、その酸無水物及びその
    低級アルキルエステルからなる群から選ばれる1種以上
    の酸成分とを共縮重合して得られる酸価が3〜70KO
    Hmg/gのポリエステルを、染料と共に溶剤に溶解さ
    せ、中和剤を加えて該ポリエステル中のカルボキシル基
    をイオン化し、次いで下記式(1)で表される化合物を
    含有する水を加えた後、上記溶剤を留去して水系に転相
    することを特徴とするインクジェット記録用水系インク
    の製造方法。 【化3】 (式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は同一の又は異なる
    1 〜C10のアルキル基又はアリール基を示し、R5
    びR6 は同一の又は異なるC1 〜C10のアルキル基、ア
    リール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基又はエポ
    キシ基を示し、m及びnは同一の又は異なる0〜100
    0の整数を示す。) 【化4】 (式中、Rはエチレン又はプロピレン基を示し、x及び
    yは同一の又は異なる1以上の整数を示し、かつx+y
    の平均値は2〜7である。)
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016044200A (ja) * 2014-08-20 2016-04-04 コニカミノルタ株式会社 インクジェットインクおよびインクジェット記録方法
CN105567006A (zh) * 2016-03-15 2016-05-11 冠利得商标制品(苏州)有限公司 一种环保型丝印油墨
CN111748240A (zh) * 2019-03-27 2020-10-09 精工爱普生株式会社 水性喷墨用组合物及其制造方法以及记录物的制造方法
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