JP5508189B2 - インキ、シート及び成形品 - Google Patents
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Description
本発明の光拡散性樹脂組成物は、所望のパターンを形成するための印刷用途であればとくに限定されないが、特にシルクスクリーン印刷用が好ましい。以下、光拡散性樹脂組成物に含まれる各成分について、説明する。
本発明における樹脂バインダーとしては、例えば、アクリルウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、セルロース誘導体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、光重合反応性樹脂、紫外線硬化型樹脂等が挙げられる。また、これらは1種または2種以上を用いることができる。
本発明における光拡散剤は、ルチル型の白色針状または白色柱状酸化チタンである。これにより光拡散性および耐候性のバランスに優れた光拡散性樹脂組成物が得られる。
本発明の光拡散性樹脂組成物は、シルクスクリーン印刷や他の一般印刷用としてのインキ、塗料、接着剤等として用いることができる。インキ、塗料、接着剤には、その他必要に応じて、各種添加剤を含有してもよい。インキの調整方法は、特に限定されないが、例えば、樹脂バインダーに有機溶媒を混合、撹拌して、溶解または分散させ、そこに光拡散剤を加えて、さらに分散させて、インキを得ることができる。
本発明のシートは、透明基材と、透明基材の表面にパターン形成された着色層と、を備える。また、本発明のシートは、着色層を覆う透明樹脂層と、黒色または有色樹脂層と、をさらに積層した構造であってもよい。
図1(a)に示すように、透明基材1を用意する。続けて、透明基材1上に、本発明の光拡散性樹脂組成物を用いたインキを用いて所望のパターンを印刷する。これにより、透明基材1の表面にパターン形成された着色層2が形成される(図1(b))。続けて、着色層2を覆うように、透明樹脂層3を形成し、(図1(c))、さらに黒色樹脂層4を形成する。このようにして、図1(d)に示すようなシート10が得られる。
本発明の成形品は、上記のシートを用いて得られるものである。成形品としては、例えば、携帯電話、携帯情報端末、電子リモコン、電卓などの電子機器の操作ボタンなどが挙げられる。
以下、参考形態の例を付記する。
<1>
(A)樹脂バインダー
(B)ルチル型の白色針状または白色柱状酸化チタンからなる光拡散剤
を含み、印刷用途であることを特徴とする光拡散性樹脂組成物。
<2>
<1>に記載の光拡散性樹脂組成物において、
(B)光拡散剤100重量部に対し、(A)樹脂バインダーを35重量部〜300重量部を含むことを特徴とする光拡散性樹脂組成物。
<3>
<1>または<2>に記載の光拡散性樹脂組成物において、
(B)光拡散剤のアスペクト比(繊維長/繊維径)が7〜100であることを特徴とする光拡散性樹脂組成物。
<4>
<1>または<2>に記載の光拡散性樹脂組成物において、
(B)光拡散剤の繊維長が、0.1〜40μmであることを特徴とする光拡散性樹脂組成物。
<5>
<1>乃至<4>いずれか一項に記載の光拡散性樹脂組成物を用いたインキ。
<6>
<1>乃至<4>いずれか一項に記載の光拡散性樹脂組成物を用いた接着剤。
<7>
透明基材と、前記透明基材の表面にパターン形成された着色層と、を備え、
前記着色層が<1>乃至<4>いずれか一項に記載の光拡散性樹脂組成物から構成されることを特徴とするシート。
<8>
<7>記載のシートにおいて、
前記着色層上に、前記着色層を覆う透明樹脂層をさらに備えたことを特徴とするシート。
<9>
<8>記載のシートにおいて、
前記透明樹脂層上に、黒色または有色樹脂層が形成されたことを特徴とするシート。
<10>
<7>乃至<9>いずれか一項に記載のシートを用いた成形品。
繊維長が1.68μm、繊維径が0.13μm、アスペクト比が12.9でルチル型の白色針状または白色柱状酸化チタン100重量部に対して、飽和ポリエステル樹脂を112重量部、イソホロンを115重量部、シクヘキサノンを100重量部、消泡剤を6重量部混合して光拡散インキを作製した。
得られた光拡散インキを用いて、透明ポリカーボネートフィルムにスクリーン印刷によって、拡散層を形成して、続けて、着色層を覆うように、株式会社セイコーアドバンス製UV 5510 で透明樹脂層を形成し、さらに株式会社セイコーアドバンス製SG740 710で黒色樹脂層を形成し、拡散シートを作製した。
このようにして、得られた拡散シートは、極めて高度の光拡散性能と耐候性を有していた。また、光拡散インキによるスクリーン印刷も良好に行うことが出来た。
繊維長が2.86μm、繊維径が0.21μm、アスペクト比が13.6でルチル型の白色針状または白色柱状酸化チタン100重量部に対して、飽和ポリエステル樹脂を112重量部、イソホロンを115重量部、シクヘキサノンを100重量部、消泡剤を6重量部混合して光拡散インキを作製した。
得られた光拡散インキを用いて、透明ポリカーボネートフィルムにスクリーン印刷によって、拡散層を形成して、続けて、着色層を覆うように、株式会社セイコーアドバンス製UV 5510 で透明樹脂層を形成し、さらに株式会社セイコーアドバンス製SG740 710で黒色樹脂層を形成し、拡散シートを作製した。
このようにして、得られた拡散シートは極めて高度の光拡散性能と耐候性を有していた。また、光拡散インキによるスクリーン印刷も良好に行うことが出来た。
繊維長が5.15μm、繊維径が0.27μm、アスペクト比が19.1でルチル型の白色針状または白色柱状酸化チタン100重量部に対して、飽和ポリエステル樹脂を112重量部、イソホロンを115重量部、シクヘキサノンを100重量部、消泡剤を6重量部混合して光拡散インキを作製した。得られた光拡散インキを用いて、透明ポリカーボネートフィルムにスクリーン印刷によって、拡散層を形成して、続けて、着色層を覆うように、株式会社セイコーアドバンス製UV 5510 で透明樹脂層を形成し、さらに株式会社セイコーアドバンス製SG740 710で黒色樹脂層を形成し、拡散シートを作製した。
このようにして、得られた拡散シートは極めて高度の光拡散性能と耐候性を有していた。また、光拡散インキによるスクリーン印刷も良好に行うことが出来た。
繊維長が15μm、繊維径が0.45μm、アスペクト比が33.3で白色針状結晶の八チタン酸カリウム繊維100重量部に対して、飽和ポリエステル樹脂を112重量部、イソホロンを115重量部、シクヘキサノンを100重量部、消泡剤を6重量部混合して光拡散インキを作製した。得られた光拡散インキを用いて、透明ポリカーボネートフィルムにスクリーン印刷によって、拡散層を形成して、続けて、着色層を覆うように、株式会社セイコーアドバンス製UV 5510で透明樹脂層を形成し、さらに株式会社セイコーアドバンス製SG740 710で黒色樹脂層を形成し、拡散シートを作製した。
このようにして、得られた拡散シートは光拡散性能を有していなかった。また、光拡散インキによるスクリーン印刷は良好に行うことが出来なかった。
平均粒子径が3.0μm、屈折率1.55のアクリル酸エステル共重合物100重量部に対して、飽和ポリエステル樹脂を112重量部、イソホロンを115重量部、シクヘキサノンを100重量部、消泡剤を6重量部混合して光拡散インキを作製した。得られた光拡散インキを用いて、透明ポリカーボネートフィルムにスクリーン印刷によって、拡散層を形成して、続けて、着色層を覆うように、株式会社セイコーアドバンス製UV 5510で透明樹脂層を形成し、さらに株式会社セイコーアドバンス製SG740 710で黒色樹脂層を形成し、拡散シートを作製した。
このようにして、得られた拡散シートは光拡散性能を有するが十分な効果を発揮しなかった。また、光拡散インキによるスクリーン印刷は良好に行うことが出来た。
蛍光顔料100重量部に対して、飽和ポリエステル樹脂を112重量部、イソホロンを115重量部、シクヘキサノンを100重量部、消泡剤を6重量部混合して光拡散インキを作製した。得られた光拡散インキを用いて、透明ポリカーボネートフィルムにスクリーン印刷によって、拡散層を形成して、続けて、着色層を覆うように、株式会社セイコーアドバンス製UV 5510で透明樹脂層を形成し、さらに株式会社セイコーアドバンス製SG740 710で黒色樹脂層を形成し、拡散シートを作製した。
このようにして、得られた拡散シートは光拡散性能を有するが耐候性が悪く実用性がなかった。また、光拡散インキによるスクリーン印刷は良好に行うことが出来た。
平均粒子径が0.21μm、ルチル型酸化チタン100重量部に対して、飽和ポリエステル樹脂を112重量部、イソホロンを115重量部、シクヘキサノンを100重量部、消泡剤を6重量部混合して光拡散インキを作製した。得られた光拡散インキを用いて、透明ポリカーボネートフィルムにスクリーン印刷によって、拡散層を形成して、続けて、着色層を覆うように、株式会社セイコーアドバンス製UV 5510で透明樹脂層を形成し、さらに株式会社セイコーアドバンス製SG740 710で黒色樹脂層を形成し、拡散シートを作製した。
このようにして、得られた拡散シートは、良好な耐候性は得られたが、光拡散性能を有しなかった。また、光拡散インキによるスクリーン印刷は良好に行うことが出来た。
2 着色層
3 透明樹脂層
4 黒色樹脂層
10 シート
Claims (7)
- (A)樹脂バインダー
(B)ルチル型の白色針状または白色柱状酸化チタンからなる光拡散剤
を含み、(A)樹脂バインダーが、飽和ポリエステル樹脂であり、印刷用途である光拡散性樹脂組成物を用いたインキ。 - 請求項1に記載のインキにおいて、
(B)光拡散剤のアスペクト比(繊維長/繊維径)が7〜100であることを特徴とするインキ。 - 請求項1または2に記載のインキにおいて、
(B)光拡散剤の繊維長が、0.1〜40μmであることを特徴とするインキ。 - 透明基材と、前記透明基材の表面にパターン形成された着色層と、を備え、
前記着色層が請求項1乃至3いずれか一項に記載のインキを前記透明基材上に印刷することで構成されることを特徴とするシート。 - 請求項4記載のシートにおいて、
前記着色層上に、前記着色層を覆う透明樹脂層をさらに備えたことを特徴とするシート。 - 請求項5記載のシートにおいて、
前記透明樹脂層上に、黒色または有色樹脂層が形成されたことを特徴とするシート。 - 請求項4乃至6いずれか一項に記載のシートを用いた成形品。
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