JP2011173943A - 真珠光沢顔料を用いたインキ - Google Patents

真珠光沢顔料を用いたインキ Download PDF

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Abstract

【課題】光輝性に優れた印刷インキに関するもので、特に真珠光沢顔料の発色の向上を図ったインキに関するものであり、反射光の発色がより鮮やかな真珠光沢顔料を用いたインキを提供する。
【解決手段】少なくとも薄板状基材に金属化合物及び樹脂が被覆された真珠光沢顔料とバインダーからなる塗液において、真珠光沢顔料2が、少なくとも薄板状基材10、干渉層20、中間層30、反射層40、保護層50を含んでおり、且つ、前記真珠光沢顔料の屈折率が1.9以上であり、前記真珠光沢顔料の屈折率よりバインダーの屈折率を小さくし、真珠光沢顔料の屈折率と、バインダーの屈折率の差が1.0以上であることを特徴とする真珠光沢顔料を用いたインキ。
【選択図】図1

Description

本発明は、光輝性に優れた印刷インキに関するもので、特に真珠光沢顔料の発色の向上を図ったインキに関するものである。
真珠光沢インキは従来のプロセスカラー印刷インキ等では表現不可能な色調や光沢を有し、その意匠性から印刷インキのみならず、自動車塗料、建材塗料、各種プラスチック産業など多くの分野で採用されている。
真珠光沢インキはシェードとハイライトの色違いによる視覚的効果が特徴であるが、従来のインキ組成物では、反射光の発色が乏しいがために光輝性が不足し、十分な真珠光沢感は得られなかった。真珠光沢を向上させる手段として、塗膜を厚くする、パール濃度をあげる、パールの粒径を大きくするなどがあるが、オフセット印刷など印刷方式によっては困難であるなど印刷制約があった。
特許文献1では、インキ組成や粘度、印刷条件を調整して、低い顔料濃度でも良好な真珠光沢を示すオフセット印刷インキが開示されている。しかし柔らかな光沢が特徴のパールインキの発色の程度は限られており、強い輝度感並びに鮮やかな発色を表現することは困難であった。
特許文献2では、真珠光沢顔料の薄板状基材としてガラスを用い、雲母基材の真珠光沢インキよりも強い輝度感を示す真珠光沢インキが開示されているが、基材がガラスの場合に限られる技術であり、他の基材の真珠光沢顔料では応用することができないものであった。
特開平7―34021号公報 特開2001−262036号公報
本発明は前記従来技術に鑑みなされたものであり、その解決すべき問題は反射光の輝度が大きい真珠光沢顔料を用いたインキを提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1に係る発明としては、少なくとも薄板状基材に金属化合物及び樹脂が被覆された真珠光沢顔料とバインダーからなる塗液において、真珠光沢顔料が、少なくとも薄板状基材、干渉層、中間層、反射層、保護層を含んでおり、且つ、前記真珠光沢顔料の屈折率が1.9以上であり、前記真珠光沢顔料の屈折率よりバインダーの屈折率を小さくし、真珠光沢顔料の屈折率と、バインダーの屈折率の差が1.0以上であることを特徴とする真珠光沢顔料を用いたインキである。
また、請求項2に係る発明としては、前記真珠光沢顔料の薄板状基材が、雲母、合成雲母、アルミナ、シリカ、アルミニウム、ホウ珪酸ガラス、タルク、カオリン、銅、亜鉛、チタン、鉄のいずれかを用いることを特徴とする請求項1に記載の真珠光沢顔料を用いたインキである。
また、請求項3に係る発明としては、前記真珠光沢顔料の干渉層が、二酸化チタン、又は、酸化第二鉄、二酸化ジルコニウム、三硫化アンチモン、酸化鉛、セレン化亜鉛、硫化カドミウム、酸塩化ビスマス、塩化鉛、セリア、五酸化タンタル、硫化亜鉛、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化ネオジウム、三酸化アンチモン、酸化インジウム、シリカ、アルミナ、酸化錫のいずれかの金属化合物を用いて単層、あるいは2種類以上で多層被覆することを特徴とする請求項1〜2に記載の真珠光沢顔料を用いたインキである。
また、請求項4に係る発明としては、前記真珠光沢顔料の中間層が、錫、パラジウム、白金、金のいずれか、あるいは2種類以上含むことを特徴とする請求項1〜3に記載の真珠光沢顔料を用いたインキである。
また、請求項5に係る発明としては、前記真珠光沢顔料の反射層が、アルミニウム、チタン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、ロジウム、パラジウム、銀、錫、白金、金およびこれらからなる合金のいずれか、あるいは2種類以上含むことを特徴とする請求項1〜4に記載の真珠光沢顔料を用いたインキである。
また、請求項6に係る発明としては、前記真珠光沢顔料の保護層が、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂のいずれかを用いることを特徴とする請求項1〜5に記載の真珠光沢顔料を用いたインキである。
バインダーの屈折率と真珠光沢顔料の屈折率よりバインダーの屈折率を小さくすることにより、屈折率の差が大きくなり、バインダーと真珠光沢顔料の境界での光の反射量が大きくなり、干渉光の輝度が増大して強い真珠光沢を得ることができ、且つ、透明性が高く、反射率が高くなるため、反射・透過を繰り返すことから深みが生じ、強い光輝感を表現することができる真珠光沢顔料を用いたインキを提供することができる。
本発明における一実施例の真珠光沢顔料の構成概略図である。 本発明における一実施例の真珠光沢顔料とバインダーの構成概略図である。 観察面側Aが斜めからの場合の光の経路の軌道概略図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る真珠光沢顔料を用いたインキの好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明における一実施例の真珠光沢顔料の構成概略図である。
真珠光沢顔料2は、薄板状基材10の表面に干渉層20、反射層の粒子分布状態を制御するための中間層30、光を反射し、干渉色を強めるための反射層40、反射層を保護し、塗膜性能(耐薬品性、耐湿性など)を得るための保護層50を順に積層するように被覆され形成されている。
図2は、本発明における一実施例の真珠光沢顔料とバインダーの構成概略図である。
真珠光沢顔料を用いたインキ1は、真珠光沢顔料2とバインダー60と有機溶剤より構成されている。
図3は観察面側Aが斜めからの場合の光の経路を表しており、入射した光は反射層40、干渉層20、および薄板状基材10の各々の表面で反射し、行路差に差があるため干渉が生じ、干渉層20の厚みにより、特定の干渉色を示す。
真珠光沢顔料2の構成について以下に説明をする。
薄板状基材10について説明をする。
前記薄板状基材10は透明性が高く、鱗片状で、屈折率が低いものを用いる。
薄板状基材の材質としては、雲母、合成雲母、アルミナ、シリカ、アルミニウム、ホウ珪酸ガラス、タルク、カオリン、銅、亜鉛、チタン、鉄等が好ましく、特に好ましいのは雲母、合成雲母、アルミナ、シリカ、アルミニウムである。
前記薄板状基材の材質を用いたときの特徴としては、以下に示すものである。
まず、前記雲母は、屈折率が1.58であり、無色透明に近く、粒子の劈開性に優れており、薄片粒子が得られる。しかしながら、雲母には微量の鉄分が含有しており、焼成によって酸化鉄になるため、若干黄みを帯び、色味によっては黄味が目立つこともある。
また、前記合成雲母は、雲母に含まれる鉄分などの不純物を除去することで、くすみや濁りを解消した透明度の高い薄板状基材である。
また、前記シリカは、屈折率が1.45と雲母よりも低く、また透明性が非常に高いことから、くすみのない強い光沢を得ることができる薄板状基材である。
また、前記アルミナは、屈折率が1.78と高いが、透明性が高く表面平滑性が優れているため、強力な光輝感を有すため、干渉層との屈折率差が小さくても、通常の雲母基材の真珠光沢顔料と比較して鮮やかな色を得ることができる薄板状基材である。
また、前記ホウ珪酸ガラスは屈折率が1.47と低く、透明性が高いため、強い輝度感が得られる。また、硬度が高く耐熱性にも優れているため非常に安定な薄板状基材である。
また、前記タルクは屈折率が1.57であり、雲母と同程度であるが、粒子の表面平滑性が悪く、劈開性が悪いため端部に未剥離部分が残存し、それにより散乱光が増加し、干渉光が弱い。
また、前記カオリンは屈折率が1.55の白色天然鉱物である。吸水、吸着性があるため単体でベビーパウダーに用いられていた。さらに金属化合物を被覆することで真珠光沢を付与しファンデーションなどの化粧品に用いられている。
前述の材質とは異なり、アルミニウムは光を透過しないが、干渉層20とアルミニウムとの境界面からの反射が多いため、強い輝度をもった干渉色が得られることから、薄板状基材として用いることも可能である。
薄板状基材の形状にあっては、薄板状基材10の平均相当直径は5μm以上500μm以下で、平均厚さは0.1μm以上5μm以下、アスペクト比は5以上300以下を有するものがよい。小さい粒径では滑らかな光沢を表現でき、大きい粒径では、きらきらとした点在感のある輝きが表現できる。
次に、干渉層20について説明をする。
干渉層20は薄板状基材上に被覆され、任意の屈折率を持つことから、干渉色が発現する。その材質としては、ルチル型酸化チタン(屈折率:2.71)、アナターゼ型二酸化チタン(屈折率:約2.52)、酸化第二鉄(屈折率:約3.01)、二酸化ジルコニウム(屈折率:約2.23)、酸化鉛(屈折率:2.42)、セレン化亜鉛(屈折率:2.40)、硫化カドミウム(屈折率:2.5)、酸塩化ビスマス(屈折率:2.15)、五酸化タンタル(屈折率:2.20)、硫化亜鉛(屈折率:2.37)、酸化亜鉛(屈折率:1.95)、酸化カドミウム(屈折率:2.49)、酸化インジウム(屈折率:1.95)、シリカ(屈折率:1.45)、アルミナ(屈折率:1.78)、酸化錫(屈折率:1.9)を用い、好ましくルチル型酸化チタン、アナターゼ型二酸化チタン、酸化第二鉄であり、とりわけ耐候性やコスト面からルチル型二酸化チタンが望ましい。これらのいずれかを用いて単層、あるいは2種類以上で多層被覆する。
また、前記二酸化チタンにあっては、被覆厚さは0.02μm以上0.7μm以下の範囲内であるのが好ましく、0.02μm以下でも0.7μm以上でも干渉色を持たない。被覆厚みが増大すると銀、金、赤、紫、青、緑と干渉光の色が変化し、さらに被覆厚を上げると、金色の干渉から同一の順番で発色が再現される。
酸化第二鉄は、屈折率が3.01と非常に高いため顔料表面の反射率が高く、強い輝度が得られるという特徴がある。一方で赤みを帯びているため、薄板状基材に単体で被覆した場合は被覆厚みの変化に伴い、金色、オレンジ、赤の干渉色を有する。また、前記二酸化チタンの被覆層の表面に積層することで反射色を変化させる目的で使われることも多い。
干渉層の被覆厚みは、金属化合物の種類や要求される光輝性の程度、所望の干渉色等によっても異なるが、被覆層厚さが0.01〜1μm、特に0.02〜0.7μmとなるようにするのが好ましい。この被覆厚さが過度に薄いと十分な光沢が得られず、過度に厚いと経済性が損なわれる。
この干渉層の被覆厚みは、その被覆厚みを変えてゆくとその被覆厚さの増加に従って、反射光及び透過光が段階的に無彩色から種々の有彩色に変化する。例えば、ルチル型二酸化チタンを被覆した薄板状基材においては、二酸化チタン被覆の厚さが0.05μm付近では反射光及び透過光共にシルバー色であったものが、被覆厚さを増して約0.14μmにすると反射光は赤紫色、透過光は青緑色を呈し、更に被覆厚さ0.2μm程度になると反射光は黄緑色で透過光は赤色に変化する。これらの反射光及び透過光の色相は光の干渉現象によって起こるが、薄板状基材の表面が著しく平滑であれば光の散乱を防止することができるので、表面に凹凸を有する薄板状基材材質を二酸化チタンで被覆することにより鮮明で強い光輝性を得ることができる。
次に、中間層30について説明をする。
中間層は、反射層の粒子分布状態を制御するために用いるものであり、中間層の材質としては、錫、パラジウム、白金、金のいずれか、あるいは2種類以上を含むものである。金属層が形成されることで、金属粒子‐金属層間の吸着状態が良好なため、金属粒子を緻密に均一に析出させることができる。
中間層の厚さは30nm以下であることが望ましく、良好な輝度と干渉色が実現できる。
次に、反射層40について説明をする。
前記反射層40としては、反射率が高いものを用いる。反射層の材質としては、アルミニウム、チタン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、ロジウム、パラジウム、銀、錫、白金、金およびこれらからなる合金のいずれか、あるいは2種類以上を含むものの金属粒子である。
金属粒子の平均粒径は、表面平滑性と塗膜外観に優れることから50nm以下であることが好ましい。
次に、保護層50について説明をする。
保護層は、反射層を保護し、塗膜性能(耐薬品性、耐湿性など)を得るために用いるものであり、バインダー60と有機溶剤との混合溶液内にて分散しやすい樹脂材料を用いることが好ましい。
保護層の材質としては、アクリル系材料では、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルなどの多官能の(メタ)アクリレート化合物、ジイソシアネートと多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成された多官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。
またこれらの他にも、電離放射線型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。
次に、真珠光沢顔料を用いたインキにおける真珠光沢顔料の割合としては、真珠光沢顔料を用いたインキ中の真珠光沢顔料の含有量は過度に少ないと十分な光輝性を得ることができず、過度に多いと粘度が高くなり真珠光沢顔料の再分散が困難となり、真珠光沢顔料を用いたインキとしての流動性が損なわれることから、真珠光沢顔料を用いたインキ中に0.1重量部以上50重量部以下の範囲内とするのが好ましい。特に、真珠光沢顔料を用いたインキの粘度と色調、光輝性を維持するためには、真珠光沢顔料を用いたインキ中に1重量部以上40重量部以下の範囲で使用することが好ましい。
次に、本発明に係るバインダー60について以下に説明する。
バインダーは真珠光沢顔料を印刷物に固着させると共に均一に分散させるために含有される。
そのバインダーとしては、ポリエステル樹脂(屈折率:1.58)、アクリル樹脂(屈折率:1.50)、フルオレン樹脂(屈折率:1.60)、フェノール樹脂(屈折率:1.70)、酢酸ビニル(屈折率:1.46)、塩化ビニル(屈折率:1.54)、ポリカーボネート樹脂(屈折率:1.58)、ポリアミド樹脂(屈折率1.53)、ポリ塩化ビニデリン(屈折率:1.61)、メラミン樹脂(屈折率:1.60)フッ素樹脂(屈折率:1.35)、シリコーン樹脂(屈折率:1.45)等の樹脂が挙げられ、これらの樹脂は単独で用いてもよく、二種以上混合して用いてもよい。
本発明においては、低屈折率のバインダーを用いることを特徴としており、真珠光沢顔料の屈折率に対して1.0以上小さいことが望ましい。屈折率差が1.0より小さいと反射光の輝度が小さくなり、得られたインキ層は光輝感が乏しくなってしまう。
低屈折率のバインダーとして、(1)フッ素樹脂やシリコーン樹脂を用いる、(2)0.7μm以上5.0μm以下のフッ素樹脂あるいはフッ素含有アクリル樹脂やシリコーン樹脂をポリエステル樹脂やアクリル樹脂などの比較的屈折率の高い樹脂と混合する、(3)平均粒径2nm以上100nm以下のコロイダルシリカなどの低屈折率粒子をポリエステル樹脂やアクリル樹脂などに混合する、などがある。
真珠光沢顔料を用いたインキにおけるバインダーの割合は、5重量部以上50重量部以下が好ましく、バインダーの含有量が5重量部未満では、真珠光沢粉体の被印刷物への固着が不十分になってしまい、50重量部を超えると粘度が過度に高くなり、真珠光沢顔料を用いたインキの流動性が低下し、印刷適正不良となってしまう。
次に、本発明に係る有機溶剤について以下に説明する。
有機溶剤としては、真珠光沢顔料の分散溶媒として用いられ、一例としては、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレンなど芳香族炭化水素類、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのグリコール類、酢酸エチル、酢酸イソプロピルなどのエステル類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類が使用できる。これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、二種以上組み合わせて用いてもよい。
また、真珠光沢顔料を用いたインキにおける有機溶剤の含有量は、30重量部以上80重量部以下の範囲内であることが望ましく、有機溶剤の含有量が30重量部未満では、真珠光沢顔料の分散性が低下すると共に、真珠光沢顔料を用いたインキの流動性が低下し、印刷が困難となってしまい、80重量部以上では、前記真珠光沢顔料を用いたインキの乾燥が不足するため印刷適正不良となってしまう。加えて粘度が過度に低く流動性が高すぎるために印刷が困難となってしまう。
印刷方式に応じた適性な粘度は、オフセット印刷では100,000mPa・s程度、シルクスクリーン印刷では1,000〜50,000mPa・s、グラビア印刷では5〜200mPa・sであり、印刷方式毎に最適な粘度に調整し用いればよい。
同時に真珠光沢顔料の分散を安定化させるための分散剤、印刷されたインキから有機溶剤が乾燥するまでの間にインキ層表面が荒れることを防止させるためのレベリング剤などの添加剤を適宜添加させることができる。
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下に示す調整例にて、バインダーに真珠光沢顔料を加えて、それぞれの調整液を作成する。
(真珠光沢顔料の形成)
平均相当直径は30μm、平均厚さは1.3μmの雲母を薄板状基材とし、その薄板状基材表面に、錫塩の酸性溶液中で錫を析出させ、続いてチタン塩の酸性溶液中で二酸化チタンを析出させ焼成し、10nmの錫層及び0.5μmのルチル型二酸化チタンの干渉層を形成する。
次に、前記干渉層の表面に、キャタリストアクセレータ法により錫を担持することにより中間層を形成し、その後中間層表面にスパッタリング法により粒径20nmの銀粒子を形成して、反射層を形成する。
次に、形成された最表面がバインダーによる浸食を受けないように多官能の(メタ)アクリレート化合物樹脂を重合反応して析出させて保護層を被覆することにより、本発明に用いる真珠光沢顔料を準備し、以下の調整例に示す配合により作製した。
(調整例1)
ポリエステル樹脂を100重量部に対して、前記真珠光沢顔料を80重量部加え攪拌分散させて(調整液1)を作製した。
(調整例2)
アクリル樹脂を100重量部に対して、前記真珠光沢顔料を80重量部加え攪拌分散させて(調整液2)を作製した。
(調整例3)
フルオレン樹脂を100重量部に対して、前記真珠光沢顔料を80重量部加え攪拌分散させて(調整液3)を作製した。
(調整例4)
フェノール樹脂を100重量部に対して、前記真珠光沢顔料を80重量部加え攪拌分散させて(調整液4)を作製した。
(調整例5)
酢酸ビニル樹脂を100重量部に対して、前記真珠光沢顔料を80重量部加え攪拌分散させて(調整液5)を作製した。
(調整例6)
塩化ビニル樹脂を100重量部に対して、前記真珠光沢顔料を80重量部加え攪拌分散させて(調整液6)を作製した。
(調整例7)
ポリカーボネート樹脂を100重量部に対して、前記真珠光沢顔料を80重量部加え攪拌分散させて(調整液7)を作製した。
(調整例8)
ポリアミド樹脂を100重量部に対して、前記真珠光沢顔料を80重量部加え攪拌分散させて(調整液8)を作製した。
(調整例9)
メラミン樹脂を100重量部に対して、前記真珠光沢顔料を80重量部加え攪拌分散させて(調整液9)を作製した。
(調整例10)
フッ素樹脂を100重量部に対して、前記真珠光沢顔料を80重量部加え攪拌分散させて(調整液10)を作製した。
前記(調整液1)〜(調整液10)を、印刷可能な状態まで希釈するために、有機溶剤を120重量部加えて1時間混練して混合分散させ、真珠光沢顔料を用いたインキ(塗液1)〜(塗液10)を作製した。
なお、前記有機溶剤としてはシクロヘキサノンを55重量部と、キシレンを45重量部混合させたものを用いた。
前記作製した(塗液1)〜(塗液10)を用いて、270メッシュの乳剤厚10μmの
シルクスクリーン版上に各塗液を落とし、スキージなどにより膜厚約4μmになるようにPETフィルムへ印刷を施して、(実施例1)〜(実施例10)の試料を作製した。
次に、前記にて作製された(実施例1)〜(実施例10)の試料について、目視により反射輝度の評価をおこなった。その結果を(表1)に示す。
反射輝度の評価は、下記基準に従い行った。
3・・・ 明るい
2・・・ 中間
1・・・ 暗い
(表1)に示されるように、本発明の(実施例1)〜(実施例10)の真珠光沢顔料を用いたインキは、バインダーの屈折率と真珠光沢顔料の屈折率よりバインダーの屈折率を小さくすることにより、屈折率の差が大きくなり、バインダーと真珠光沢顔料の境界での光の反射量が大きくなり、青色の反射光の輝度が増大して強い真珠光沢を得ることができた。
1 真珠光沢顔料を含むインキ
2 真珠光沢顔料
10 薄板状基材
20 干渉層
30 中間層
40 反射層
50 保護層
60 バインダー
A 観察面側

Claims (6)

  1. 少なくとも薄板状基材に金属化合物及び樹脂が被覆された真珠光沢顔料とバインダーからなる塗液において、
    真珠光沢顔料が、少なくとも薄板状基材、干渉層、中間層、反射層、保護層を含んでおり、
    且つ、前記真珠光沢顔料の屈折率が1.9以上であり、前記真珠光沢顔料の屈折率よりバインダーの屈折率を小さくし、真珠光沢顔料の屈折率と、バインダーの屈折率の差が1.0以上であることを特徴とする真珠光沢顔料を用いたインキ。
  2. 前記真珠光沢顔料の薄板状基材が、雲母、合成雲母、アルミナ、シリカ、アルミニウム、ホウ珪酸ガラス、タルク、カオリン、銅、亜鉛、チタン、鉄のいずれかを用いることを特徴とする請求項1に記載の真珠光沢顔料を用いたインキ。
  3. 前記真珠光沢顔料の干渉層が、二酸化チタン、又は、酸化第二鉄、二酸化ジルコニウム、三硫化アンチモン、酸化鉛、セレン化亜鉛、硫化カドミウム、酸塩化ビスマス、塩化鉛、セリア、五酸化タンタル、硫化亜鉛、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化ネオジウム、三酸化アンチモン、酸化インジウム、シリカ、アルミナ、酸化錫のいずれかの金属化合物を用いて単層、あるいは2種類以上で多層被覆することを特徴とする請求項1〜2に記載の真珠光沢顔料を用いたインキ。
  4. 前記真珠光沢顔料の中間層が、錫、パラジウム、白金、金のいずれか、あるいは2種類以上含むことを特徴とする請求項1〜3に記載の真珠光沢顔料を用いたインキ。
  5. 前記真珠光沢顔料の反射層が、アルミニウム、チタン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、ロジウム、パラジウム、銀、錫、白金、金およびこれらからなる合金のいずれか、あるいは2種類以上含むことを特徴とする請求項1〜4に記載の真珠光沢顔料を用いたインキ。
  6. 前記真珠光沢顔料の保護層が、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂のいずれかを用いることを特徴とする請求項1〜5に記載の真珠光沢顔料を用いたインキ。
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