WO2023120069A1 - 積層体、物品、および物品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

MXeneを含み、所望の色調を呈する積層体と、該積層体を表面に有し、所望の色調を呈する物品を提供する。前記積層体は、1つまたは複数の層を含む層状材料の粒子を含む膜と、該膜に接する、板状酸化チタン粒子を含む酸化チタン層とを含み、前記層が、以下の式:M(式中、Mは、少なくとも1種の第3、4、5、6、7族金属であって、Tiを含み、Xは、炭素原子、窒素原子またはそれらの組み合わせであり、nは、1以上4以下であり、mは、nより大きく、5以下である)で表される層本体と、該層本体の表面に存在する修飾または終端T(Tは、水酸基、フッ素原子、塩素原子、酸素原子および水素原子からなる群より選択される少なくとも1種である)とを含み、前記板状酸化チタン粒子の二次元面は、前記膜の二次元面とのなす角度が-45°以上+45°以下の範囲にあり、前記板状酸化チタン粒子を含む酸化チタン層はそれ自体が透明無色であって、光の干渉により構造色を呈する層である。

Description

積層体、物品、および物品の製造方法
 本開示は、積層体、物品、および物品の製造方法に関する。
 近年、新規材料としてMXeneが注目されている。MXeneは、いわゆる2次元材料の1種であり、後述するように、1つまたは複数の層の形態を有する層状材料である。一般的に、MXeneは、かかる層状材料の粒子(粉末、フレーク、ナノシート等を含み得る)の形態を有する。現在、種々の分野へのMXeneの応用に向けて様々な研究がなされている。例えば、電気デバイスにおける電極や電磁シールド(EMIシールド)など、高い導電率を維持することが要求されるような用途への適用に向け、MXeneを含む材料に様々な特性を付与するため、MXeneの構造を変更することが検討されている。
特開平3-177557号公報
 例えば炭化チタン系のMXeneは、塗付性、導電性、優れたフレキシビリティ等の特性を活かし、EMIシールドや各種電極など様々な用途への展開が期待されている。上記炭化チタン系のMXeneは、黒色~紫色の単色であるが、この色調を変化させ、デザイン性を高めることができれば、上記MXeneを様々なアプリケーションへ適用するにあたり、設計の自由度をより高めることができる。
 無機材料に着色を施す方法として、有色の薄膜を無機材料表面に形成することが挙げられる。例えば特許文献1には、チタン材の表面に、酸素拡散層を表面層として形成することで、着色チタン材を得ている。しかし、基材が金属チタンであるがゆえに、塗付性が悪く、また、金属チタン以外の種々の材料を基材として有色の被膜を形成することができない。更にはフレキシビリティも乏しく、パターニングも難しい。本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、フレキシビリティに富む材料も含む、種々の材料を基材とすることができ、パターニングを容易に行うこともできる、MXeneを含み、所望の色調を呈する積層体と、該積層体を表面に有し、所望の色調を呈する物品と、該物品の製造方法を提供することにある。
 本発明の1つの要旨によれば、
 1つまたは複数の層を含む層状材料の粒子を含む膜と、該膜に接する、板状酸化チタン粒子を含む酸化チタン層とを含み、
 前記層が、以下の式:
  M
 (式中、Mは、少なくとも1種の第3、4、5、6、7族金属であって、Tiを含み、
  Xは、炭素原子、窒素原子またはそれらの組み合わせであり、
  nは、1以上4以下であり、
  mは、nより大きく、5以下である)
で表される層本体と、該層本体の表面に存在する修飾または終端T(Tは、水酸基、フッ素原子、塩素原子、酸素原子および水素原子からなる群より選択される少なくとも1種である)とを含み、
 前記板状酸化チタン粒子の二次元面は、前記膜の二次元面とのなす角度が-45°以上+45°以下の範囲にあり、
 前記板状酸化チタン粒子を含む酸化チタン層は、それ自体が透明無色であって、光の干渉により構造色を呈する層である、積層体が提供される。
 本開示によれば、積層体は、所定の1つまたは複数の層を含む層状材料の粒子を含む膜と、該膜に接する、板状酸化チタン粒子を含む酸化チタン層とを含み、前記板状酸化チタン粒子の二次元面は、前記膜の二次元面とのなす角度が-45°以上+45°以下の範囲にあり、前記板状酸化チタン粒子を含む酸化チタン層は、それ自体が透明無色であって、光の干渉により構造色を呈する層である。これにより、MXeneを含み、所望の色調を呈する積層体と、該積層体を表面に有し、所望の色調を呈する物品が提供される。また本開示によれば、前記物品の製造方法が提供される。
本実施形態の積層体を構成するMXeneを説明する模式断面図である。 本実施形態の積層体を模式的に示した断面図である。 本実施形態の物品を模式的に示した断面図である。 本実施形態に係る製造方法におけるMXene膜の作製に用いうる外部混合式多流体ノズルの1つの例を説明する概略模式図である。 本実施形態に係る製造方法におけるMXene膜の作製に用いうる外部混合式多流体ノズルの他の例を説明する概略模式図である。 実施例1のサンプルの外観を示す写真である。 実施例に係るサンプルの走査型電子顕微鏡写真である。 実施例2のサンプルの外観を示す写真である。 実施例3のサンプルの外観を示す写真である。 比較例のサンプルの外観を示す写真である。 比較例のサンプルの走査型電子顕微鏡写真である。
 (実施形態1:積層体)
 以下、1つの実施形態における積層体について詳述するが、本開示はかかる実施形態に限定されるものではない。
 本実施形態における積層体は、
 1つまたは複数の層を含む層状材料の粒子を含む膜と、該膜に接する、板状酸化チタン粒子を含む酸化チタン層とを含み、
 前記層が、以下の式:
  M
 (式中、Mは、少なくとも1種の第3、4、5、6、7族金属であって、Tiを含み、
  Xは、炭素原子、窒素原子またはそれらの組み合わせであり、
  nは、1以上4以下であり、
  mは、nより大きく、5以下である)
で表される層本体と、該層本体の表面に存在する修飾または終端T(Tは、水酸基、フッ素原子、塩素原子、酸素原子および水素原子からなる群より選択される少なくとも1種である)とを含み、
 前記板状酸化チタン粒子の二次元面は、前記膜の二次元面とのなす角度が-45°以上+45°以下の範囲にあり、
 前記板状酸化チタン粒子を含む酸化チタン層は、それ自体が透明無色であって、光の干渉により構造色を呈する層である。それにより、従来の黒色~紫色に限定されていたTi系のMXene膜と異なり、所望の色調を有し、平面だけでなく、球状などの立体、複雑形状の基材の表面にも形成でき、また、基材が例えば柔軟な基板の場合に追従して曲げることのできるフレキシビリティを兼ね備え、かつパターニングも容易にできる。その結果、MXeneを様々なアプリケーションへ適用するにあたり、設計の自由度をより高めることができる。
 以下では、本実施形態の積層体を構成する、1つまたは複数の層を含む層状材料の粒子を含む膜について説明する。上記層状材料は、層状化合物として理解され得、「M」とも表され、sは任意の数であり、従来、sに代えてxまたはzが使用されることもある。代表的には、nは、1、2、3または4であり得るが、これに限定されない。
 MXeneの上記式中、Mは、Tiのみであってもよく、または、Tiを含み、更に、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、MoおよびMnからなる群より選択される少なくとも1つを有していてもよい。Mが、Ti以外の元素を含む場合、Ti以外の元素は、V、CrおよびMoからなる群より選択される少なくとも1つであることがより好ましい。
 MXeneは、上記の式:Mが、以下のように表現されるものが知られている。
 TiC、TiN、(Ti,V)C、(Ti,Nb)C、Ti、Ti、Ti(CN)、(Ti,V)、(TiNb)C、(TiTa)C、(TiMn)C、(VTi)C、(CrTi)C、(MoTi)C、(WTi)C、Ti、(Ti,Nb)、(TiNb)C、(TiTa)C、(VTi)C、(CrTi)C、(MoTi)C、(WTi)C
 代表的には、上記の式において、Mがチタン、またはチタンとバナジウムであり、Xが炭素原子または窒素原子であり得る。例えば、MXeneの前駆体であるMAX相は、TiAlCであり、MXeneは、Tiである(換言すれば、MがTiであり、XがCであり、nが2であり、mが3である)。
 なお、本実施形態において、MXeneは、残留するA原子を比較的少量、例えば元のA原子に対して10質量%以下で含んでいてもよい。A原子の残留量は、好ましくは8質量%以下、より好ましくは6質量%以下であり得る。しかしながら、A原子の残留量は、10質量%を超えていたとしても、用途や使用条件によっては問題がない場合もあり得る。
 以下では、本実施形態に係るMXene粒子について図1を用いて説明する。
 本実施形態に係るMXene粒子は、図1(a)に模式的に例示する1つの層のMXene10a(単層MXene)を含む集合物、より具体的には、2以上のMXene10aを含む集合物である。MXene10aは、より詳細には、Mで表される層本体(M層)1aと、層本体1aの表面(より詳細には、各層にて互いに対向する2つの表面の少なくとも一方)に存在する修飾または終端T3a、5aとを有するMXene層7aである。よって、MXene層7aは、「M」とも表され、sは任意の数である。
 本実施形態に係るMXene粒子は、MXeneが、1つの層、または複数の層でありうる。複数の層のMXene(多層MXene)として、図1(b)に模式的に示す通り、2つの層のMXene10bが挙げられるが、これらの例に限定されない。図1(b)中の、1b、3b、5b、7bは、前述の図1(a)の1a、3a、5a、7aと同じである。多層MXeneの、隣接する2つのMXene層(例えば7aと7b)は、必ずしも完全に離間していなくてもよく、部分的に接触していてもよい。前記MXene10aは、上記多層MXene10bが個々に分離されて1つの層で存在するものであり、分離されていない多層MXene10bが、残存し、上記単層MXene10aと多層MXene10bの混合物である場合がある。上記多層MXeneを含む場合であっても、多層MXeneは、層間剥離処理を経て得られた、層数の少ないMXeneであることが好ましい。前記「層数が少ない」とは、例えばMXeneの積層数が10層以下であることをいう。以下、この「層数の少ない多層MXene」を「少層MXene」ということがある。少層MXeneの積層方向の厚みは、15nm以下であってもよく、さらに10nm以下であってもよい。また、単層MXeneと少層MXeneを併せて「単層・少層MXene」ということがある。
 上記MXeneは、その多くが単層・少層MXeneであってもよい。MXeneの多くが単層・少層MXeneであることによって、MXeneの比表面積を多層MXeneよりも大きくすることができ、その結果、積層体を、例えば導電性の求められる用途に用いた場合に、導電性の経時劣化を抑制できる。例えば、MXeneの積層数が10層以下かつ厚みが15nm以下、好ましくは10nm以下である、単層・少層MXeneが、全MXeneに占める割合で、例えば80体積%以上であってもよく、更に90体積%以上であってもよく、更には95体積%以上であってもよい。また、単層MXeneの体積が、少層MXeneの体積よりも多くてもよい。これらのMXeneの真密度は、存在形態により大きく変動はしないため、単層MXeneの質量が、少層MXeneの質量よりも多いともいえる。これらの関係にある場合、MXeneの比表面積を増大させることができ、例えば導電性の求められる用途に用いた場合に、導電性の経時劣化を抑制することができる。例えば、単層MXeneのみで膜が形成されていてもよい。
 本実施形態を限定するものではないが、MXeneの各層(上記のMXene層7a、7bに相当する)の厚さは、例えば1nm以上、30μm以下とすることができ、例えば1nm以上、5nm以下、更には1nm以上、3nm以下としてもよい(主に、各層に含まれるM原子層の数により異なり得る)。含まれうる多層MXeneの、個々の積層体について、層間距離(または空隙寸法、図1(b)中にΔdにて示す)は、例えば0.8nm以上、10nm以下、特に0.8nm以上、5nm以下、より特に約1nmであり、層の総数は、2以上、20,000以下でありうる。
 本実施形態の積層体35は、図2に模式的に示す通り、層状材料の粒子を含む膜(MXene膜)30の少なくとも一方の表面(図2ではMXene膜30の片方の面)に、MXene膜30に接する、板状酸化チタン粒子を含む酸化チタン層33を有する。なお、前記図2は、説明のために模式的に記載した断面図であって、MXene膜30と酸化チタン層33の各厚さや厚さの比率などは実際と異なることに留意されたい。本実施形態の積層体は、前記酸化チタン層が、それ自体透明無色であって、光の干渉により構造色を呈する。前記酸化チタン層は、厚さが例えば0nm超、更に例えば0.5nm以上、更には例えば1.0nm以上であって、例えば10μm以下で、光の干渉により構造色を呈すればよい。
 板状酸化チタン粒子は、後述する顕微鏡写真に示される通り、互いの粒子間の隙間が小さく、複数の板状酸化チタン粒子の二次元面は、ほぼ同一面でありうる。また前記板状酸化チタン粒子の二次元面は、前記膜の二次元面とのなす角度が-45°以上+45°以下の範囲にあり、該角度は絶対値が小さいほど好ましく、MXene膜と板状酸化チタン粒子の二次元面とは実質的に並行の状態にありうる。これらの構造を有することにより、光の干渉、例えばMXene膜の酸化チタン層と接する側の表面における反射光と、酸化チタン層の外気に晒されている側の表面における反射光が干渉する等して、構造色を呈することができると考えられる。なお、例えば非特許文献1では、MXene膜上に酸化チタン被膜を形成しているが、本実施形態に係る酸化チタン層とは形成方法が異なり、本実施形態に特有の板状酸化チタン粒子を含んでおらず、構造色を呈する酸化チタン層ではない。
 (実施形態2:積層体の形成された物品)
 図3に模式的に示す通り、本実施形態に係る物品37は、基材31と、上記MXene膜30と酸化チタン層33の積層された積層体35とを有する。なお、前記図3は、説明のために模式的に記載した断面図であって、基材31、MXene膜30および酸化チタン層33の各厚さや厚さの比率などは実際と異なりうることに留意されたい。また基材31は下記用途によって種々の形状をとりうる。例えば直方体、球体、多角形体等であってもよく、表面に凹凸を有していてもよい。物品を構成する基材として、例えば金属、セラミック、ガラス、ポリマーなどの単一材料からなる基材、これらのうちの2種以上の材料からなる複合基材が挙げられる。MXene膜は、導電性を示すことから、任意の適切な電気デバイスにおける電極や電磁シールド(EMIシールド)など、高い導電率を維持すること(初期導電率の低下を低減し、酸化を防止すること)が要求されるような用途に利用され得る。電極は、特に限定されないが、例えばキャパシタ用電極、バッテリ用電極、生体信号センシング電極、センサ用電極、アンテナ用電極などであり得る。本実施形態の積層体を使用することにより、より小さい容積(装置占有体積)でも、大容量のキャパシタおよびバッテリ、低インピーダンスの生体信号センシング電極、高感度のセンサおよびアンテナを得ることができる。物品には、部品または完成品が含まれ、上記電極等の他に、宝飾品、光学物品、装飾用品、玩具、包装用品等が含まれうる。
 (実施形態3:積層体の形成された物品の製造方法)
 以下、本実施形態における物品の製造方法について詳述するが、本開示はかかる実施形態に限定されるものではない。
 本実施形態の物品の製造方法は、
 (a)1つまたは複数の層を含む層状材料の粒子であって、
 前記層が、以下の式:
  M
 (式中、Mは、少なくとも1種の第3、4、5、6、7族金属であって、Tiを含み、
  Xは、炭素原子、窒素原子またはそれらの組み合わせであり、
  nは、1以上4以下であり、
  mは、nより大きく、5以下である)
で表される層本体と、該層本体の表面に存在する修飾または終端T(Tは、水酸基、フッ素原子、塩素原子、酸素原子および水素原子からなる群より選択される少なくとも1種である)とを含む、層状材料の粒子を準備すること、
 (b)基材に前記層状材料の粒子を適用して、基材の表面に該層状材料の粒子を含む膜を形成すること、
 (c)前記層状材料の粒子を含む膜にチタン含有酸溶液を接触させること
を含む。
 以下、本実施形態の物品の製造方法の各工程について詳述する。
・工程(a)
 所定のMXene粒子を準備する。MXene粒子の製造は限定されず、例えば次の方法で製造することができる。
 [MAX相のエッチング]
 所定の層状材料の粒子(MXene粒子)は、MAX相からA原子(および場合によりM原子の一部)を選択的にエッチング(除去および場合により層分離)することにより合成することができる。MAX相は、以下の式:
  MAX
 (式中、M、X、nおよびmは、上記の通りであり、Aは、少なくとも1種の第12、13、14、15、16族元素であり、通常はA族元素、代表的にはIIIA族およびIVA族であり、より詳細にはAl、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、P、As、SおよびCdからなる群より選択される少なくとも1種を含み得、好ましくはAlである)
で表され、かつ、Mで表される2つの層(各XがMの八面体アレイ内に位置する結晶格子を有し得る)の間に、A原子により構成される層が位置した結晶構造を有する。MAX相は、代表的にm=n+1の場合、n+1層のM原子の層の各間にX原子の層が1層ずつ配置され(これらを合わせて「M層」とも称する)、n+1番目のM原子の層の次の層としてA原子の層(「A原子層」)が配置された繰り返し単位を有するが、これに限定されない。
 上記MAX相は、既知の方法で製造することができる。例えばTiC粉末、Ti粉末およびAl粉末を、ボールミルで混合し、得られた混合粉末をAr雰囲気下で焼成し、焼成体(ブロック状のMAX相)を得る。その後、得られた焼成体をエンドミルで粉砕して次工程用の粉末状MAX相を得ることができる。
 MAX相からA原子(および場合によりM原子の一部)が選択的にエッチング(除去および場合により層分離)されることにより、A原子層(および場合によりM原子の一部)が除去されて、露出したM層の表面にエッチング液(通常、含フッ素酸の水溶液が使用されるがこれに限定されない)中に存在する水酸基、フッ素原子、塩素原子、酸素原子および水素原子等が修飾して、かかる表面を終端する。
 上記エッチングは、Fを含むエッチング液を用いて実施され得、例えば、フッ化リチウムおよび塩酸の混合液を用いた方法や、フッ酸を用いた方法などであってよい。エッチング液に、1価の金属イオンを含む金属化合物が含まれ、上記エッチングと同時に1価の金属イオンのインターカレーション処理を行ってもよい。1価の金属イオンを含む金属化合物として例えば下記のインターカレーション処理で用いるものが挙げられる。エッチング液中の1価の金属イオンを含む金属化合物の含有率は、0.001質量%以上とすることが好ましい。上記含有率は、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上である。一方、溶液中の分散性の観点からは、エッチング液中の1価の金属イオンを含む金属化合物の含有率を、10質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは1質量%以下である。
 [MXeneの層分離]
 上記エッチング後、適宜、任意の適切な後処理(例えば超音波処理、ハンドシェイクまたはオートマチックシェイカーなど)により、MXeneの層分離(デラミネーション、多層MXeneを単層MXeneに分離すること)を促進してもよい。なお、超音波処理は、せん断力が大きすぎてMXeneが破壊され得るので、アスペクト比がより大きい2次元形状のMXene(好ましくは単層MXene)を得ることが望まれる場合には、ハンドシェイクまたはオートマチックシェイカーなどにより適切なせん断力を付与することが好ましい。
 前記MXeneの層分離のために、下記のインターカレーション処理とデラミネーションを行ってもよい。
 (インターカレーション処理)
 例えば、前記エッチング処理により得られたエッチング処理物と、1価の金属イオンを含む金属化合物とを混合する工程を含む、1価の金属イオンのインターカレーション処理を行ってもよい。1価の金属イオンを含む金属化合物を構成する1価の金属イオンとして、リチウムイオン、ナトリウムイオン及びカリウムイオン等のアルカリ金属イオン、銅イオン、銀イオン、金イオン等が挙げられる。前記1価の金属イオンを含む金属化合物として、上記金属イオンと陽イオンが結合したイオン性化合物が挙げられる。例えば上記金属イオンの、ヨウ化物、リン酸塩、硫酸塩を含む硫化物塩、硝酸塩、酢酸塩、カルボン酸塩が挙げられる。前記1価の金属イオンとして、リチウムイオンが好ましく、1価の金属イオンを含む金属化合物として、リチウムイオンを含む金属化合物が好ましく、リチウムイオンのイオン性化合物がより好ましく、リチウムイオンのヨウ化物、リン酸塩、硫化物塩のうちの1以上が更に好ましい。金属イオンとしてリチウムイオンを用いれば、リチウムイオンに水和している水が最も負の誘電率を有するため、単層化しやすくなると考えられる。
 1価の金属イオンのインターカレーション処理用配合物に占める、1価の金属イオンを含む金属化合物の含有率は、0.001質量%以上とすることが好ましい。上記含有率は、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上である。一方、溶液中の分散性の観点からは、1価の金属イオンを含む金属化合物の含有率を、10質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは1質量%以下である。
 (デラミネーション)
 インターカレーションにより得られたインターカレーション処理物を用い、デラミネーションを行うことが挙げられる。例えば、インターカレーション処理物を、遠心分離し、上澄みを廃棄後に残りの沈殿物を水で洗浄する工程を含む、デラミネーションが挙げられる。デラミネーション処理の条件は特に限定されない。デラミネーションに用いる分散媒も特に限定されず、例えば、極性有機分散媒および水系分散媒のうちの1以上を用いて行うことが挙げられる。該極性有機分散媒および水系分散媒のうちの1以上を加えて撹拌し、遠心分離して上澄み液を回収することを、1回以上、好ましくは2回以上、10回以下繰り返し、単層・少層MXeneを含む上澄み液を、デラミネーション処理物として得ることが挙げられる。または、この上澄み液を遠心分離し、遠心分離後の上澄み液を廃棄して、単層・少層MXene含有クレイをデラミネーション処理物として得てもよい。
 ・工程(b)
 基材に前記層状材料の粒子を適用して、基材表面に該層状材料の粒子を含む膜(MXene膜)を形成する。基材に前記層状材料の粒子を適用する方法として、例えば、MXene粒子の分散体を用いることができる。分散体は懸濁液であってもよい。MXene粒子の分散体を用いたMXene膜の形成方法は特に限定されない。MXene粒子の分散体をそのままで、または適宜調整(例えば媒体液で希釈、またはバインダーを添加)して、基材に塗布してもよい。塗布方法として、例えば、1流体ノズル、2流体ノズル、エアブラシ等のノズルを用いて、スプレー塗布を行う方法、テーブルコーター、コンマコーター、バーコーターを用いたスリットコート、スクリーン印刷、メタルマスク印刷、スピンコート、ディップコート、滴下等が挙げられる。上記媒体液として、水系媒体液、有機系媒体液が挙げられる。上記MXene粒子の分散体を構成する媒体液は、代表的には水であり、場合により、水に加えて他の液状物質を比較的少量(全体基準で例えば30質量%以下、好ましくは20質量%以下)で含んでいてもよい。前記有機系媒体液として、例えばN-メチルピロリドン、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、エタノール、メタノール、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、酢酸などが挙げられる。
 スプレーすることによりMXene膜を得る場合、まず、MXene(粒子)を液状媒体中に含むスラリーを調製することが挙げられる。このようにして調製したスラリーを用いて、下記の通りスプレーを実施してMXene膜を製造してもよい。MXene膜は、スラリーの液状媒体に由来する液体成分が残留していても、実質的に存在していなくてもよい。MXene膜は、いわゆるバインダーを含まなくてもよい。
 図4を参照して、層状材料の粒子を液状媒体中に含むスラリー(流体)と、気体(別の流体)とをノズル20から別々に吐出して、該ノズル20の外部にて互いに衝突させ(混合し)、層状材料の粒子を基材31上に堆積させてMXene膜30を形成する方法を説明する。
 より詳細には、本実施形態に利用可能なノズル20は、外部混合式多流体ノズルと称されるノズルである。図5に外部混合式多流体ノズルの例を示す。この例の通り、ノズル20として図5のノズル20cの通り、ノズルの外部にてスラリーと気体とを渦流にて衝突させる構成を有するものが好ましい。
 図5を参照して、外部混合式多流体ノズル20cは、ノズル20cの外部にてスラリーSと気体Gとを渦流にて衝突させる構成を有する、外部混合渦流式多流体ノズルである。より詳細には、外部混合式多流体ノズル20cは、スラリーSを吐出して、別途、渦流(好ましくは高速旋回渦流)として吐出した気体Gと衝突させるように構成されたヘッド部Hを有する。例えば、ノズル20cを用いることにより、以下のようにして、スラリーSおよび気体Gの混合流体から、層状材料の粒子を含むミストMをスプレーすることができる。ノズル20cでは、気体Gを、ヘッド部Hに組み込まれた旋回部材(図示せず)に設けられた1つ以上のスパイラル溝(図示せず)に通過させて、気体吐出口(図示せず)から吐出することにより、気体Gの高速旋回渦流が発生する。スラリーSは、気体Gによる高速旋回渦流の負圧により、スラリーS用に設けられたノズル20c内部の流体供給管に導入され、流体供給管の先端の流体吐出口(図示せず)から吐出される。そして、ノズル20cのヘッド部Hの前方で、流体吐出口から吐出されたスラリーSが、気体吐出口から吐出された気体Gによる高速旋回渦流と衝突する(スラリーが微粒化される)。ヘッド部Hの前方で形成された混合流体(微粒化されたスラリーを含む)は、層状材料の粒子を含むミストMとして、ノズル20cからスプレーされる。かかる外部混合式多流体ノズル20cは、外部混合渦流式多流体ノズル(例えば、株式会社アトマックス製、アトマックスノズル)などであり得る。
 このようにして、ノズル20cにより、層状材料の粒子を液状媒体中に含むスラリーSと、気体Gとをノズル20cから別々に吐出して、ノズル20cの外部にて互いに衝突させることにより、スラリーSを極めて微粒で均質なミストMにすることができ、かつ、層状材料の粒子に強いせん断力を印加することができる。これにより、層状材料の粒子が凝集している場合には、凝集を解くことができ、層状材料の粒子が重なりあっている場合には、重なりを解くことができる。そして/あるいは、粒子が多層構造を有する粒子である場合には、層分離(デラミネーション)させることができる。
 スラリーSは、ノズル20cに対して加圧方式またはサクション方式のいずれで供給されてもよい。
 気体Gは、特に限定されず、例えば空気、窒素ガスなどであってよい。気体Gの圧力は適宜設定され得、例えば0.05~1.0MPa(ゲージ圧)であってよい。
 ミストMの粒径は、適宜調整され得、例えば1μm以上15μm以下であってよい。
 ノズル20cからスプレーされたミストMは、図4の通り、基材31の表面上に供給(塗布)され(スプレーコーティング)、層状材料の粒子が基材31上に堆積されてMXene膜30が形成される。ミストMに含まれる液体成分(スラリーSの液状媒体に由来する)は、基材31上に供給される間および/またはその後に、乾燥により少なくとも部分的に、好ましくは全部が、除去され得る。
 スプレーによるMXene膜の作製では、外部混合式多流体ノズル以外のノズルを用いてもよい。
 上記スプレーによるMXene膜の作製以外に、上記スラリーまたは上記デラミネーションにて得られた、MXene粒子を含む上澄み液を、吸引ろ過することによって、MXene膜を作製してもよい。より詳細には、MXene粒子の分散体として、例えばMXene粒子を含む上澄み液を、適宜調整(例えば水系媒体液で希釈)して、ヌッチェなどに設置したフィルター(MXene膜と共に所定の部材を構成するものであっても、最終的にMXene膜から分離されてもよい)を通じて吸引ろ過し、水系媒体液を少なくとも部分的に除去することによって、該フィルター上にMXene膜を形成することができる。フィルターは、特に限定されないが、メンブレンフィルターなどを使用し得る。上記吸引ろ過することで、前記バインダー等を使用せずにMXene膜を作製することができる。本実施形態のMXene粒子を用いれば、この様にバインダー等を使用せずにMXene膜を作製することができる。
 基材は、特に限定されず、任意の適切な材料から成り得る。基材は、例えば樹脂フィルム、金属箔、プリント配線基板、実装型電子部品、金属ピン、金属配線、金属ワイヤなどであってよい。例えば生体信号センシング電極に適した金属材料、樹脂等で形成された基板を適宜採用することができる。任意の適切な基材(MXene膜と共に所定の部材を構成するものであっても、最終的にMXene膜から分離されてもよい)上に塗工することにより、該基材上にMXene膜を形成することができる。
 乾燥は、自然乾燥(代表的には常温常圧下にて、空気雰囲気中に配置する)や空気乾燥(空気を吹き付ける)などのマイルドな条件で行っても、温風乾燥(加熱した空気を吹き付ける)、加熱乾燥、および/または真空乾燥などの比較的アクティブな条件で行ってもよい。本実施形態において「乾燥」は、前駆体中に存在し得る媒体液を除去することを意味する。前記乾燥は、例えば、常圧オーブンあるいは真空オーブンを用いて400度以下の温度で行ってもよい。
 MXene膜の形成および乾燥は、所望のMXene膜厚さが得られるまで適宜繰り返してもよい。例えば、スプレーと乾燥との組み合わせを複数回繰り返して実施してもよい。上記図4に示す方法、上記吸引ろ過によれば、バインダーを含むことなく、MXene膜を形成できる。MXene膜には、スラリーの液状媒体に由来する液体成分が残留していても、実質的に存在していなくてもよい。
 ・工程(c)
 前記層状材料の粒子(MXene粒子)を含む膜にチタン含有酸溶液を接触させて、板状酸化チタン粒子を含む酸化チタン層を形成する。
 チタン含有酸溶液として、チタンを含む無機酸塩および/または有機酸塩の溶液が挙げられる。前記無機酸塩として、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、過塩素酸、ヨウ化水素酸、臭化水素酸、フッ酸等のうちの1以上の塩が挙げられる。上記有機酸塩として例えば、酢酸、クエン酸、シュウ酸、安息香酸、ソルビン酸の塩などが挙げられる。好ましくはチタンを含む無機酸塩であり、より好ましくは硫酸チタンを少なくとも含むことである。溶液を構成する媒体液として、水系媒体液と有機系媒体液が挙げられ、好ましくは水系媒体液である。最も好ましくは硫酸チタンの水溶液である。
 前記チタンを含む無機酸塩および/または有機酸塩の濃度は、0.001M以上であることが好ましく、0.005M以上であることがより好ましい。また上記濃度は、0.1M未満であることが好ましく、0.05M以下であることがより好ましい。上記濃度は0.01Mであることがより更に好ましい。上記濃度範囲とすることで、MXene上にMXene由来のTiイオンが溶け出し、面の向きがほぼ同一の二次元面を有する複数の板状の酸化チタン粒子で構成された酸化チタン層が形成され、該酸化チタン層が光の干渉を引き起こし、構造色を呈すると考えられる。チタン含有酸溶液として、濃度が0.01Mの硫酸チタンの水溶液を用いることが特に好ましい。後述する実施例に示す通り、チタン系のMXene膜、特に炭化チタン系のMXeneと、上記濃度が0.01Mの硫酸チタン水溶液とを接触させることで、所望の構造色の酸化チタン層を容易に形成できるため特に好ましい。上記膜を接触させるときのチタン含有酸溶液の温度は、室温(常温)とすればよい。
 上記膜とチタン含有酸溶液を接触させる方法は特に限定されず、チタン含有酸溶液中に上記膜を浸漬させる他、上記膜の少なくとも片側の面の、全面または一部に酸化チタン層を形成するため、ノズルを用いて、スプレー塗布を行う方法、テーブルコーター、コンマコーター、バーコーターを用いたスリットコート、スクリーン印刷、メタルマスク印刷、スピンコート、滴下等を行うことができる。
 後述する実施例に示す通り、上記膜の少なくとも片側の面の一部をマスキングしてから、上記浸漬等を行って、所望の構造色の酸化チタン層を部分的に形成してもよい。
 以下、実施例を挙げて、本実施形態に係る積層体、物品および物品の製造方法をより具体的に説明する。本開示は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、前述および後述する趣旨に合致し得る範囲で、適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本開示の技術的範囲に包含される。
 (実施例1)
 以下に詳述する、(1)前駆体(MAX)の準備、(2)前駆体のエッチング、(3)エッチング後の洗浄、(4)Liのインターカレーション、(5)デラミネーションを順に実施して、MXene粒子をまず得た。
 (1)前駆体(MAX)の準備
 TiC粉末、Ti粉末およびAl粉末(いずれも株式会社高純度化学研究所製)を2:1:1のモル比で、ジルコニアボールを入れたボールミルに投入して24時間混合した。得られた混合粉末をAr雰囲気下にて1350℃で2時間焼成した。これにより得られた焼成体(ブロック状MAX)をエンドミルで最大寸法40μm以下まで粉砕した。これにより、前駆体(粉末状MAX)としてTiAlC粒子を得た。
 (2)前駆体のエッチング
 上記方法で調製したTiAlC粒子(粉末)を用い、下記エッチング条件でエッチングを行って、TiAlC粉末に由来する固体成分を含む固液混合物(スラリー)を得た。
 (エッチング条件)
 ・前駆体:TiAlC(目開き45μmふるい通し)
 ・エッチング液組成:49%HF 6mL、
           HO 18mL
           HCl(12M) 36mL
 ・前駆体投入量:3.0g
 ・反応容器:100mLアイボーイ
 ・エッチング温度:35℃
 ・エッチング時間:24h
 ・スターラー回転数:400rpm
 (3)エッチング後の洗浄
 上記スラリーを均等に2分割して、50mL遠沈管2本にそれぞれ挿入した。そして、遠心分離機を用いて3500G、5分間の条件で遠心分離を行った後、上澄み液を廃棄した。その後、(i)各遠沈管中の残りの沈殿物に純水35mLを追加し、(ii)ハンドシェイクにより撹拌、(iii)3500G、5分間の条件で遠心分離し、(iv)上澄み液を除去した。この(i)から(iv)の工程を10回繰り返した。そして最後に、3500G、5分間の条件で遠心分離を行ってTi-水分媒体クレイを得た。
 (4)Liインターカレーション
 上記方法で調製したTi-水分媒体クレイに対し、下記Liインターカレーションの条件の通り、Li含有化合物としてLiClを用い、20℃以上25℃以下で12時間撹拌して、Liインターカレーションを行った。Liインターカレーションの詳細な条件は以下の通りである。
 (Liインターカレーションの条件)
 ・Ti-水分媒体クレイ(洗浄後MXene):固形分0.75g
 ・LiCl:0.75g
 ・インターカレーション容器:100mLアイボーイ
 ・温度:20℃以上25℃以下(室温)
 ・時間:12h
 ・スターラー回転数:800rpm
 上記撹拌終了後、50mL遠沈管に移し替え、遠心分離機を用いて3500G、5分間の条件で遠心分離を行い、上澄み液を廃棄した。その後、(i)遠沈管中の残りの沈殿物に純水35mLを追加し、(ii)ハンドシェイクにより撹拌、(iii)3500G、5分間の条件で遠心分離し、(iv)上澄み液を除去した。この(i)から(iv)の工程を5回繰り返した。そして最後に、3500G、5分間の条件で遠心分離を行ってLiインターカレーション処理物を得た。
 (5)デラミネーションおよび水洗浄
 Liインターカレーションを行って得られたスラリーを、50mL遠沈管に投入し、遠心分離機を用いて3500Gの条件で遠心分離を行った後、上澄み液を廃棄した。次いで、(i)残りの沈殿物に純水40mLを追加してからシェーカーで15分間撹拌後に、(ii)3500Gで遠心分離し、(iii)上澄み液を単層・少層MXene含有液として回収した。この(i)~(iii)の操作を、合計4回繰り返して、単層・少層MXene含有上澄み液を得た。さらに、この上澄み液を、遠心分離機を用いて4300G、2時間の条件で遠心分離を行った後、上澄み液を廃棄し、残りの沈殿物として単層・少層MXene含有のMXeneクレイを得た。
 前記MXeneクレイと純水を混合し、固形分3.4wt%のMXeneスラリーを用意した。そして、ATOMAXノズル(株式会社アトマックス製 AM12)を用意し、前述のMXeneスラリーをプラスチックシリンジに入れ、シリンジポンプ(株式会社ワイエムシィ YSP-101)を押し出し速度5.0mL/minに設定したのち、MXene入りプラスチックシリンジをシリンジポンプにセットした。その後、工場圧空にATOMAXノズルとプラスチックホースを接続し、レギュレーターをスプレー塗布前に0.45MPaになるよう調整した。その後、基板としてPETフィルム(東レ株式会社 ルミラー(登録商標))の表面にMXeneを塗布した。塗布後ドライヤー(パナソニック株式会社、品番:EH5206P-A)で仮乾燥させ、もう一度アトマックスノズルでMXeneを塗布した。これを15回繰り返し、基板に数μmの厚さのMXene膜の形成された浸漬用試料を作製した。
 次に、30%硫酸チタン(IV)溶液(富士フイルム和光純薬株式会社製)を0.48g測り取り、純水49.52gと混合して、0.01M硫酸チタン水溶液50gを調製した。そして、この0.01M硫酸チタン水溶液に、前記浸漬用試料のMXene膜の一部が浸漬するよう浸し、常温で一日静置した。その後引き上げて乾燥させた。図6に得られたサンプルの外観の写真を示す(図6中の破線は追記したものである)。図6において、MXene膜の表面の破線で囲んだ領域がオレンジ色の酸化チタン層が形成されたことを確認した。
 上記MXene膜の表面に形成された酸化チタン層をSEM((株)日立ハイテクノロジーズ製電界放出型走査電子顕微鏡、品番:S-4800)で観察した。その電子顕微鏡写真を図7に示す。図7は、酸化チタン層を上面から撮影した電子顕微鏡写真である。図7において、MXene膜の表面に形成された、板状酸化チタン粒子を含む酸化チタン層は、板状酸化チタン粒子の間にびびの様な隙間が生じているが、該隙間は幅広ではなく、隣りあう板状酸化チタン粒子がパズル状に配置され、これらの板状酸化チタン粒子の二次元面はほぼそろっており、面一の状態にある。この板状の酸化チタン粒子で形成された、広い二次元面を有する酸化チタン層が光の干渉を起こし、オレンジ色の構造色を呈したと考えられる。
 (実施例2)
 実施例1と同様にMXeneスラリーを用意した。そして、基板を、ポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社カプトン(登録商標)フィルム)とする以外は、実施例1と同様にしてMXene膜を浸漬用試料として作製した。
 次に、実施例1と同様に、0.01M硫酸チタン水溶液50gを調製した。そして、この0.01M硫酸チタン水溶液に、前記浸漬用試料を浸し、常温で3日静置した。その後引き上げて乾燥させた。図8に得られたサンプルの外観の写真を示す(図8中の符号A、破線、一点鎖線および矢印は追記したものである)。図8において、MXene膜の表面に、虹色の酸化チタン層が形成されたことを確認した。詳細には、図8に示す破線で囲んだ領域Aにおいて、外側、例えば矢印の方向に向かって青色、緑色、黄色のグラデーションを呈し、更に破線から一点鎖線の方向へ向かって黄色、赤色、紫色のグラデーションを呈し、一点鎖線から更に外側の領域に向かって紫色、青色、緑色、黄色、赤色のグラデーションを呈していることを確認した。実施例2では、0.01M硫酸チタン水溶液への浸漬時間を実施例1よりも長くした。その結果、オレンジ系統の色から緑、青と色が変わり最終的に虹色となった。これは、硫酸チタン水溶液に放置すると徐々に酸化チタンの膜厚が厚くなるためであると考えられる。この現象を活用すれば、様々な色の酸化チタン層を含む積層体が得られることがわかった。
 (実施例3)
 実施例1と同様にMXeneスラリーを用意した。そして、基板を、ポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社カプトン(登録商標)フィルム)とする以外は、実施例1と同様にしてMXene膜を浸漬用試料として作製した。
 次に、MXene膜の一部を、ポリウレタン(大日精化工業社製、品番:D4090)で覆った。次いで、実施例1と同様に調製した0.01M硫酸チタン水溶液50gに、上記一部を覆った浸漬用試料を浸し、常温で4日静置した。その後引き上げて乾燥させた。図9に得られたサンプルの外観の写真を示す(図9中の符号B、C、破線および矢印は追記したものである)。図9において、MXene膜の表面に、パターニングされ、部分的に構造色を呈する酸化チタン層が形成されたことを確認した。詳細には、図9に示す破線で区切られた領域B、領域Cにおいて、例えば矢印の方向へ赤色、黄色、緑色、青色のグラデーション、2つの破線で囲まれた中央部分は濃い青色を呈した。また、中央部分には、上記ポリウレタンであらかじめ被覆したm字状の部分が、MXene膜の表面色から変化しておらず、パターニングできていることを確認した。
 (比較例)
 実施例2と同様にしてMXene膜を作製した。そして、使用する硫酸チタン水溶液を、実施例2と異なり濃度が0.1Mの硫酸チタン水溶液を用意した。0.1M硫酸チタン水溶液に、MXene膜を浸し、常温で3日静置した。その後、引き上げて乾燥させた。図10に得られたサンプルの外観の写真を示す。図10の写真を示す通り、MXene膜の表面は黒く、硫酸チタン水溶液の浸漬前後で色は変わらなかった。
 また、実施例1と同様にして、酸化チタン層の上面からのSEM顕微鏡観察を行った。図11にSEM写真を示す。この図11の電子顕微鏡写真から、表面に酸化チタンの結晶が成長しているが、板状になっていないことがわかる。構造色を呈する酸化チタン層の形成されたMXene膜を得るには、単に硫酸チタン水溶液に浸せばよいわけではなく、特定の濃度の硫酸チタンに浸し、酸化チタン粒子が板状に形成される必要があることがわかる。
 更に、前記実施例に示す通り、酸溶液との接触時間を増加させることにより、酸化皮膜の厚さは増加していると考えられ、更に、酸化皮膜の厚さが増加することによって、形成される酸化チタン層からは短い波長しか目に届かなくなる、つまり、酸化チタン層の色調はオレンジ系から青色または紫色へと変化すると考えられる。よって、酸溶液との接触時間が短い場合は構造色がオレンジ色系の色調であったが、酸溶液との接触時間が長い場合は、青色系または紫色系の色調となったと考えられ、酸溶液との接触時間を調整することで、所望の色調が得られると考えられる。様々な構造色を実現することで、積層体、および積層体を含む物品のデザイン性を高めることができる。
 本明細書の開示内容は、以下の態様を含み得る。
<1> 1つまたは複数の層を含む層状材料の粒子を含む膜と、該膜に接する、板状酸化チタン粒子を含む酸化チタン層とを含み、
 前記層が、以下の式:
  M
 (式中、Mは、少なくとも1種の第3、4、5、6、7族金属であって、Tiを含み、
  Xは、炭素原子、窒素原子またはそれらの組み合わせであり、
  nは、1以上4以下であり、
  mは、nより大きく、5以下である)
で表される層本体と、該層本体の表面に存在する修飾または終端T(Tは、水酸基、フッ素原子、塩素原子、酸素原子および水素原子からなる群より選択される少なくとも1種である)とを含み、
 前記板状酸化チタン粒子の二次元面は、前記膜の二次元面とのなす角度が-45°以上+45°以下の範囲にあり、
 前記板状酸化チタン粒子を含む酸化チタン層は、それ自体が透明無色であって、光の干渉により構造色を呈する層である、積層体。
<2> 前記MはTiである、<1>に記載の積層体。
<3> 基材と、該基材の表面に設けられた<1>または<2>に記載の積層体とを有する物品。
<4> (a)1つまたは複数の層を含む層状材料の粒子であって、
 前記層が、以下の式:
  M
 (式中、Mは、少なくとも1種の第3、4、5、6、7族金属であって、Tiを含み、
  Xは、炭素原子、窒素原子またはそれらの組み合わせであり、
  nは、1以上4以下であり、
  mは、nより大きく、5以下である)
で表される層本体と、該層本体の表面に存在する修飾または終端T(Tは、水酸基、フッ素原子、塩素原子、酸素原子および水素原子からなる群より選択される少なくとも1種である)とを含む、層状材料の粒子を準備すること、
 (b)基材に前記層状材料の粒子を適用して、基材の表面に該層状材料の粒子を含む膜を形成すること、
 (c)前記層状材料の粒子を含む膜にチタン含有酸溶液を接触させること
を含む、物品の製造方法。
<5> 前記チタン含有酸溶液は、硫酸チタン水溶液である、<4>に記載の物品の製造方法。
<6> 前記硫酸チタン水溶液は、硫酸チタンの濃度が0.001M以上、0.1M未満である、<5>に記載の物品の製造方法。
 本出願は、日本国特許出願である特願2021-209537号を基礎出願とする優先権主張を伴う。特願2021-209537号は参照することにより本明細書に取り込まれる。
 本実施形態の積層体および該積層体を有する物品は、任意の適切な用途に利用され得、例えば装飾品、電気デバイスにおける電極等として好ましく使用され得る。
  1a、1b 層本体(M層)
  3a、5a、3b、5b 修飾または終端T
  7a、7b MXene層
  10a、10b MXene粒子
  20 ノズル
  20c 外部混合式多流体ノズル
  30 MXene膜
  31 基材
  33 酸化チタン層
  35 積層体
  37 物品
  S スラリー
  G 気体
  M ミスト
  H ノズルのヘッド部

Claims (6)

  1.  1つまたは複数の層を含む層状材料の粒子を含む膜と、該膜に接する、板状酸化チタン粒子を含む酸化チタン層とを含み、
     前記層が、以下の式:
      M
     (式中、Mは、少なくとも1種の第3、4、5、6、7族金属であって、Tiを含み、
      Xは、炭素原子、窒素原子またはそれらの組み合わせであり、
      nは、1以上4以下であり、
      mは、nより大きく、5以下である)
    で表される層本体と、該層本体の表面に存在する修飾または終端T(Tは、水酸基、フッ素原子、塩素原子、酸素原子および水素原子からなる群より選択される少なくとも1種である)とを含み、
     前記板状酸化チタン粒子の二次元面は、前記膜の二次元面とのなす角度が-45°以上+45°以下の範囲にあり、
     前記板状酸化チタン粒子を含む酸化チタン層は、それ自体が透明無色であって、光の干渉により構造色を呈する層である、積層体。
  2.  前記MはTiである、請求項1に記載の積層体。
  3.  基材と、該基材の表面に設けられた請求項1または2に記載の積層体とを有する物品。
  4.  (a)1つまたは複数の層を含む層状材料の粒子であって、
     前記層が、以下の式:
      M
     (式中、Mは、少なくとも1種の第3、4、5、6、7族金属であって、Tiを含み、
      Xは、炭素原子、窒素原子またはそれらの組み合わせであり、
      nは、1以上4以下であり、
      mは、nより大きく、5以下である)
    で表される層本体と、該層本体の表面に存在する修飾または終端T(Tは、水酸基、フッ素原子、塩素原子、酸素原子および水素原子からなる群より選択される少なくとも1種である)とを含む、層状材料の粒子を準備すること、
     (b)基材に前記層状材料の粒子を適用して、基材の表面に該層状材料の粒子を含む膜を形成すること、
     (c)前記層状材料の粒子を含む膜にチタン含有酸溶液を接触させること
    を含む、物品の製造方法。
  5.  前記チタン含有酸溶液は、硫酸チタン水溶液である、請求項4に記載の物品の製造方法。
  6.  前記硫酸チタン水溶液は、硫酸チタンの濃度が0.001M以上、0.1M未満である、請求項5に記載の物品の製造方法。
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