JP2009191221A - インクジェット記録用油性白色インク組成物およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 インクジェットヘッドでの目詰まりが発生せず、吐出ノズル面の撥インク性を妨げない、安定した吐出が可能で、また、顔料濃度が高く、保存安定性に優れるインクジェット記録用油性白色インク組成物の提供。
【解決手段】 本発明のインクジェット記録用油性白色インク組成物は、アルミニウム等の酸化物で被覆された酸化チタン微粒子をさらにシロキサンで被覆した白色顔料を0.5質量%〜50質量%含有し、かつ、該白色顔料1質量部に対して分子内に塩基性基を有する直鎖型または分岐鎖型のポリエステル系分散剤を0.03質量部〜5質量部の割合で含有すると共に、同じく分子内に酸性基を有する重量平均分子量が5,000〜50,000の(メタ)アクリル系樹脂を0.01質量部〜5質量部の割合で含有し、グリコールエーテルジアルキルエーテル類を全溶剤中で5質量%〜100質量%の割合で含有して、20℃における粘度が3mPa.s〜15mPa.sとしたものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、保存安定性、経時安定性、印刷物の下地に対する隠蔽性及び吐出性が優れ、且つ、インクジェット記録ヘッドのインク吐出面の撥インク性を改良したインクジェット記録用油性白色インク組成物およびその製造方法に関する。
従来、インクジェット記録方式は、コンピューター等からの電気信号に応じてインクの液滴をプリントヘッド又はスプレイノズルから高速で被記録材料に向けて噴射し、被記録材料のインク受容層に印刷する記録方式である。このインクジェット記録方式は、騒音が少なく、高速にて印刷が可能なためにコピー、ファクシミリー、ポスター、ディスプレイなどに広く普及して来ている。また、インクジェット記録方式に使用されるインクは、経時変化がなく、画像を形成した場合に十分な濃度を長期間安定に維持でき、被記録材料に印刷された画像が優れた原稿再現性を有することが要求されている。このために、使用されるインクはヘッドのノズル、及びインクカートリッジからヘッドに達するまでに通過する濾過フィルターを目詰りさせないことが要求されている。
インクは、一般に染料又は顔料である着色剤とこれらを分散する分散剤、溶媒、必要に応じて添加剤とを配合して調製される。特に、インクジェット用白色インクは、明度の低い黒色系又は透明な被記録材料に印刷することにより、視認性のよい印刷物が得られ、種々の製品のマーキングにも有効である。さらに、上記の被記録材料に白色インク以外の着色インクにて印刷した場合、下地の色の影響を受けて鮮明に印刷が再現できない。このために、印刷後、下地に対する十分な隠蔽性を有する白色インクによって下地印刷を行って空いた下地を隠蔽し、その白地の上に他の着色インクで印刷することが要求される。
この白色インクは、一般に、着色剤として酸化チタン顔料を使用しているが、従来の酸化チタン顔料を使用した白色インクは、保存中に顔料粒子の比重や使用溶媒などに起因し、特に、アルコール系溶媒を用いた場合には、酸化チタン顔料が経時的に沈降・凝集して、酸化チタン顔料の再分散性が低下することがある。
また、酸化チタン顔料を白色顔料として使用した場合は、インクの保管時におけるインクの顔料の凝集沈降が進行しやすいとの性質を有することから、とりわけ、インクジェット記録装置にインクとして充填され、長時間使用されない場合には再使用時における吐出安定性に欠け、また、プリンターノズルを目詰まりさせ、最悪の場合ではプリンターヘッドの交換を余儀なくされる場合が生じる。
このような問題を解決するために、アルミナ処理した酸化チタン顔料を、カルボキシル基を有するアクリル樹脂を分散剤として使用してアルコール系溶媒に分散させたものが提案(特許文献1)されている。この白色顔料組成物では、沈殿した白色顔料の再分散性を改良することを目的としてなされたものであるが、実作業(インクジェット印刷作業)においては沈降した顔料の再分散を行わずそのままで使用できることが要望されており、不向きである。また、特許文献2〜5には、種々の酸化チタン分散体が提案されているが、いずれも水性インクに限られるものであり、水に分散させた場合には安定でも有機溶剤に分散させる場合には不安定となる場合が多く、インクジェットインクとして用いた場合には、インク中に沈殿が生じたり、ノズルの詰まりが起きたりしてしまう。このために、有機溶剤を特定した場合にあっても、印字物の下地に対する隠蔽性が大きく、また、顔料が沈降したり、液の粘度や顔料の粒度などが変化しない経時安定性に優れたインクジェット記録用油性白色インク組成物の開発が急務とされている。
また、インクジェット記録ヘッドにおいては、インク滴を吐出するノズルの吐出口が形成されたインク吐出面が撥インク性を有することが重要である。インクジェット式記録装置に用いられる記録ヘッドとしては、圧力発生素子の作用によってノズル開口部に連通する圧力室に圧力変動を生じさせ、この圧力変動によってノズル開口部からインク滴を吐出させるものが知られている。この種の記録ヘッドには、所謂ピエゾ方式の記録ヘッドがある。ピエゾ方式の記録ヘッドは、圧力発生素子として圧電振動子を用い、圧電振動子の変形(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)により圧力室内を加圧・減圧してインク滴を吐出させる。このような記録ヘッドでは、更なる高画質化や記録速度の向上を図る試みとして、ノズル列の数を増やすことで記録可能な色の種類を増やして更なる高画質化を図る試みがなされ、また、1つのノズル列を構成するノズル開口部の数を増やすことで記録速度の向上を図る試みがなされている。しかし、ヘッドのノズルが微細化されると、ノズルプレート部に付着・残留したインクにより、飛行曲がりやノズル詰まりが引き起こされやすくなる。そのため、ノズルプレートには撥インク処理が施されているが、インク吐出面の撥インク性が劣ると、インク滴の飛翔方向が曲がって画質を低下させるなど、ヘッドの性能を低下させる様々な問題を生ずる。ノズルからインク滴が吐出した後に、ノズル周辺のノズルプレート表面に付着しているインクがノズル内に戻ることなく、取り残されて残る。このような残留インクはワイピングにより拭き取られるが、撥インク性が劣ると、ワイピングによっても除去されずに残留し、長期間の使用においてインク成分がインク吐出面に付着してインク滴の飛翔の障害となり、曲がりや吐出欠といったトラブルが発生するといった問題がある。特に、白色インクは、含有する酸化チタンのノズル周辺への付着性が強いため、この現象が顕著に起こりやすい。そのため、インクジェットヘッドでの目詰まりが発生せず、吐出ノズル面の撥インク性を妨げない、安定した吐出が可能なインクジェット記録用油性白色インク組成物の開発が急務となっている。
本発明者等は、先に、インクジェット記録用油性白色インク組成物における酸化チタン顔料として、アルミニウムおよび/または珪素の酸化物で被覆され、かつ、平均一次粒子径が0.15μm〜0.25μmである酸化チタン微粒子を、SiH含有ポリシロキサンおよび/またはジメチルポリシロキサンで0.01質量%〜2.50質量%の割合でさらに被覆した白色顔料とすることにより、印字物の下地に対する隠蔽性が大きく、また、顔料が沈降したり、液の粘度や顔料の粒度などが変化しない経時安定性に優れたインクジェット記録用油性白色インク組成物とできることを示した(特許文献6)が、特許文献7〜9に示されるようなノズルプレート表層部分に撥インク処理が施されたインクジェット記録ヘッドとの組合せにおいて一定の課題があることが判明した。
特開平6−107964号公報 特開2006−274214 特開2002−348513 特開2004−536923 特表2004−256726 特開2004−263181 特開2006−82363 特開2007−106050 特開2006−51808
本発明の目的は、インクジェットヘッドでの目詰まりが発生せず、吐出ノズル面の撥インク性を妨げない、安定した吐出が可能で、また、顔料濃度が高く、保存安定性に優れるインクジェット記録用油性白色インク組成物、およびその製造方法を提供することにある。
本発明のインクジェット記録用油性白色インク組成物は、
(1) アルミニウムおよび/または珪素の酸化物で被覆され、かつ、平均一次粒子径が0.15μm〜0.25μmである酸化チタン微粒子を、SiH含有ポリシロキサンおよび/またはジメチルポリシロキサンで0.01質量%〜2.50質量%の割合でさらに被覆したものである白色顔料を0.5質量%〜50質量%含有し、かつ、
(2) 該白色顔料1質量部に対して分子内に塩基性基を有する直鎖型または分岐鎖型のポリエステル系分散剤を0.03質量部〜5質量部の割合で含有すると共に、
(3) 該白色顔料1質量部に対して分子内に酸性基を有する重量平均分子量が5,000〜50,000の(メタ)アクリル系樹脂を0.01質量部〜5質量部の割合で含有し、
(4) 溶剤としてグリコールエーテルジアルキルエーテル類を全溶剤中で5質量%〜100質量%の割合で含有して、20℃における粘度を3mPa.s〜15mPa.s
としたことを特徴とする。
前記分子内に塩基性基を有する直鎖型または分岐鎖型のポリエステル系分散剤が、塩基性基としてアミノ基、アミド基、イミド基、アミド含有基、イミド含有基から選ばれた少なくとも1種を有して該分散剤に顔料親和性を付与すると共に、直鎖型または分岐鎖型のポリエステル部分が該分散剤に溶剤に対する親和性を付与するものであって、該分散剤が水可溶性であることを特徴とする。
前記グリコールエーテルジアルキルエーテル類が、下記一般式(1)で示されるものから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする。
1 −(OC2 4 n −OR2 ・・・ (1)
(上記式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立して、メチル基またはエチル基を示し、nは2〜4の整数を示す)
前記溶剤として、グリコールエーテルジアルキルエーテル類の他に下記一般式(2)
Figure 2009191221
(上記式中、X1 およびX2 は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、またはアルケニル基を示し、mは1〜3の整数を示す)
で表される環状エステル類溶剤を含有することを特徴とする。
インクジェット記録用油性白色インク組成物が、ノズルプレート表層部分がフッ素および/またはシリコーンコーティングにより撥インク処理が施されたインクジェット記録ヘッドを備えたピエゾ方式のインクジェットプリンター用であることを特徴とする。
インクジェット記録用油性白色インク組成物が、主に、ポリ塩化ビニル基材への記録に用いられるものであることを特徴とする。
本発明のインクジェット記録用油性白色インク組成物の製造方法は、
(1) アルミニウムおよび/または珪素の酸化物で被覆され、かつ、平均一次粒子径が0.15μm〜0.25μmである酸化チタン微粒子を、SiH含有ポリシロキサンおよび/またはジメチルポリシロキサンで0.01質量%〜2.50質量%の割合でさらに被覆したものである白色顔料を0.5質量%〜50質量%含有し、かつ、
(2) 該白色顔料1質量部に対して分子内に塩基性基を有する直鎖型または分岐鎖型のポリエステル系分散剤を0.03質量部〜5質量部の割合で含有すると共に、
(3) 該白色顔料1質量部に対して分子内に酸性基を有する重量平均分子量が5,000〜50,000の(メタ)アクリル系樹脂を0.01質量部〜5質量部の割合で含有するように、 (4) グリコールエーテルジアルキルエーテル類溶剤を全溶剤中に5質量%〜100質量%の割合で含有する溶剤に添加して混合分散させ、20℃における粘度を3mPa.s〜15mPa.sとすることを特徴とする。
本発明のインクジェット記録用油性白色インク組成物は、インク吐出面の撥インク性を妨げず、インクジェットヘッドでの目詰まりが発生せず、安定した吐出が可能で、また、顔料の経時的耐沈降性が優れるものであり、また、印刷基材に対しての白色度の高い隠蔽性の優れた印刷物および視認性のよいマーキングが得られるものである。
本発明のインクジェット記録用油性白色インク組成物は、特定の無機金属酸化物で被覆すると共にシロキサン系物質にてさらに表面被覆した特定の平均粒子径を有する酸化チタンを白色顔料として採用し、かつ、分子内に塩基性基を有する直鎖型または分岐鎖型の脂肪酸エステル系分散剤を使用してグリコールエーテルジアルキルエーテル類溶剤等の有機溶剤中に分散させると共に、インク組成物中に分子内に酸性基を有するアクリル系樹脂を含有させることにより、インク吐出面の撥インク性を妨げず、インクジェットヘッドでの目詰まりが発生せず、安定した吐出が可能で、また、長期保存安定性、吐出安定性、印刷物の下地に対する隠蔽性に極めて優れたインクジェット記録用油性白色インク組成物が得られるとの知見に基づいてなされたものである。
以下、本明細書においては、「インクジェット記録用油性白色インク組成物」を、単に「白色インク」又は「インク」ということがある。また「酸化物」とは無水の酸化物、含水酸化物および両者の混合物を意味する。
インクジェット記録用油性白色インク組成物における白色顔料は、酸化チタン(酸化チタン微粒子)を使用して調製される。酸化チタンの具体例としては、公知のルチル型および/またはアナターゼ型の二酸化チタンが挙げられ、好ましくはルチル型二酸化チタンが挙げられる。白色顔料とするには、酸化チタン粒子をまずアルミニウムおよび/または珪素の酸化物により被覆する。これらの酸化物の具体例としては、SiO2 、Al2 3 などの酸化物、SiO2 ・nH2 O、Al2 3 ・nH2 O等の含水酸化物が挙げられ、好ましくはAl2 3 およびその含水酸化物が挙げられる。これらの酸化物で被覆された酸化チタンは、その平均一次粒子径が0.15μm〜0.25μmであり、好ましくは0.15μm〜0.21μmである。この平均一次粒子径がこの範囲内にあることにより、インク中における白色顔料の保存安定性に優れ、下地に対する隠蔽性が向上し、かつ、印刷中に印刷ヘッドにインクが目詰りすることを有効に防止することが可能となる。特に、保存安定性と下地に対する隠蔽性を同時に達成することが可能となる。酸化チタンと被覆酸化物との質量比は特に限定されないが、一般的には酸化チタン100質量部あたり0.01質量部〜30質量部である。
本発明にあっては、酸化物被覆された酸化チタンを、SiH含有ポリシロキサンおよび/またはジメチルポリシロキサンを用いてさらに被覆する。SiH含有ポリシロキサンの具体例としては、下記一般式(3):
Figure 2009191221
(上記式中、mは0以上の整数であり、nは1以上の整数である。)
で表わされるメチルハイドロジェンポリシロキサン、その誘導体、及びそれらを主成分とするものであり、好ましくは、上記一般式で表わされるメチルハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。このメチルハイドロジェンポリシロキサンの中でも、上記式中、(m+n)が3〜500の整数のものが好ましく、より好ましくは、(m+n)が10〜100の整数のものが挙げられる。この(m+n)の値がこの範囲内にあることにより白色顔料の分散性が好ましいものとなる。このメチルハイドロジェンポリシロキサンは、例えば信越化学工業(株)からメチルハイドロジェンポリシロキサン「KF−99」の商品名で入手可能であり、本発明で使用することができる。
また、ジメチルポリシロキサンの具体例としては、下記一般式(4):
Figure 2009191221
(上記式中、nは1以上の整数を表す。)
で表わされる直鎖型ジメチルポリシロキサン、その誘導体、及びそれらを主成分とするもの等が挙げられる。ジメチルポリシロキサンの具体例としては信越化学工業(株)からジメチルポリシロキサン「KF−96」の商品名で入手可能であり、本発明で使用することができる。
本発明においては、必要に応じて、上記のポリシロキサン系化合物に、メチルフェニルシリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルなどのシリコーンオイルを併用することができる。
酸化物被覆された酸化チタンに対するSiH含有ポリシロキサンおよび/またはジメチルポリシロキサン等による被覆割合は、0.01質量%〜2.50質量%、好ましくは0.01質量%〜1.0質量%である。被覆量がこの数値範囲内にあることによりインク中における白色顔料の沈降を抑制し、インクに対して十分な濃度の白色度を付与し、また印刷物の下地に対する隠蔽性を向上させることが可能となる。
インクジェット記録用油性白色インク組成物における白色顔料の含有量は、インク組成物中、0.5質量%〜50質量%、好ましくは1質量%〜40質量%、最も好ましくは5質量%〜30質量%となるように調整するとよい。インクの顔料含有量が0.5質量%未満になると印字濃度が不充分となることがあり、一方、50質量%を超えるとインク粘度の点からインク中に保湿成分等のインク添加剤を添加する量が制限され、インクジェットヘッドのノズル目詰まりが発生しやすくなったり、インクの粘度が高くなり安定吐出が得られないことがある。
次に、分散剤としては、分子内に塩基性基を有する、直鎖または分岐鎖型構造であるアルキルポリエステル系分散剤(単に、ポリエステル系分散剤ともいう)が添加される。塩基性基としては顔料親和性基を有するアミノ基、アミド基、イミド基、アミド含有基、イミド含有基が好ましい。ポリエステル部分は、グリコールエーテルジアルキルエーテル類からなる溶剤に対して親和性を有する。本発明におけるポリエステル系分散剤は、20℃の水に可溶性である。本発明においては、その詳細な理由は不明であるが、有機溶剤であるグリコールエーテルジアルキルエーテル類に対して水可溶性の分散剤が有効である。
本発明におけるポリエステル系分散剤としては、例えばビックケミー・ジャパン社製「Disperbyk−191」、ルブリゾール社製「SOLSPERSE9000」、同「SOLSPERSE20000」などの商品名で入手して本発明で使用することができる。
本発明におけるポリエステル系分散剤は、白色顔料1質量部に対して0.03質量部〜5質量部、好ましくは0.05質量部〜5質量部の割合で添加されるとよく、また、白色分散液中に0.1質量%〜30質量%、好ましくは2質量%〜20質量%含有させるとよい。
また、インクジェット記録用油性白色インク組成物中には、酸性基、好ましくはカルボン酸および/又はカルボン酸無水物を含有する(メタ)アクリル系樹脂が添加される。なお、(メタ)アクリル系樹脂はアクリル系樹脂、又はメタクリル系樹脂を意味する。酸性基を有する(メタ)アクリル系樹脂は、例えば、メタクリル酸アルキルエステル、および/又はアクリル酸アルキルエステルとアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等の酸性基を有するモノマー成分との共重合体が好ましい。本発明に用いられる樹脂としては、上記の中でもメタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体、マレイン酸−メタクリル酸エステル共重合体、無水マレイン酸−メタクリル酸エステル共重合体が特に好ましい。
(メタ)アクリル樹脂の分子量ならびにガラス転移温度(Tg)は任意であるが、本発明では(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量が500〜150000、好ましくは5000以上、より好ましくは8000以上であり、上限値が50000以下、より好ましくは40000以下である。また、(メタ)アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は60℃以上、特に80℃以上であるものが好ましい。なお、ガラス転移温度の上限は120℃程度である。重量平均分子量またはTgが上記範囲内であることにより、良好なインク保存安定性と、乾燥性、隠蔽性等が良好な印刷物が得られるという効果が特に顕著となるので好ましい。酸性基を有する(メタ)アクリル系樹脂は、インク組成物中に、白色顔料1質量部に対して0.01質量部〜5質量部、好ましくは0.05質量部〜5質量部含有させるとよい。
また、酸性基を有する(メタ)アクリル系樹脂と共に、必要に応じて他の樹脂を含有させてもよい。他の樹脂としては、例えばスチレンアクリル系樹脂、ロジン変成樹脂、フェノール樹脂、テルペン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂、セルロースアセテートブチレート等の繊維素系樹脂、ビニルトルエン−α−メチルスチレン共重合体樹脂等が挙げられる。
また、必要に応じて、酸化防止剤及び紫外線吸収剤等の安定剤、界面活性剤等を添加することができる。好ましい酸化防止剤としては、BHA(2,3−ジブチル−4−オキシアニソール)、BHT(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール)等を挙げることができ、その添加量はインク組成物全量に対して0.01質量%〜3.00質量%が好ましい。また、紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系化合物およびベンゾトリアゾール系化合物を挙げることができ、その添加量はインク組成物全量に対して0.01質量%〜0.5質量%が好ましい。また、界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、両性または非イオン系のいずれの界面活性剤も用いることができ、その添加量はインク組成物全量に対して0.5質量%〜4.0質量%が好ましい。
インクジェット記録用油性白色インク組成物における溶剤は、グリコールエーテルジアルキルエーテル類からなる。グリコールエーテルジアルキルエーテル類としては、好ましくは下記一般式(1)
1 −(OC2 4 n −OR2 ・・・ (1)
(式(1)中、R1 およびR2 は、それぞれ独立して、メチル基またはエチル基を示し、nは2〜4の整数を示す)
で表されるポリオキシエチレングリコールジメチルエーテル、ポリオキシエチレングリコールジエチルエーテルまたはポリオキシエチレングリコールエチルメチルエーテルが挙げられる。これらのグリコールエーテルジアルキルエーテルは、一種又は二種以上の組み合わせで用いることもできる。このようなグリコールエーテルジアルキルエーテルは、高沸点、低蒸気圧のものであることから、低臭気で安全性が高く、作業環境に優れるものである。
また、溶剤として、下記一般式(2)で表される環状エステル類溶剤をさらに含んでいてもよい。
Figure 2009191221
(上記式中、X1 およびX2 は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、またはアルケニル基を示し、mは1〜3の整数を示す)
本発明で使用する環状エステル類溶剤の具体例としては五員環構造のγ‐ラクトンや、六員環構造のδ‐ラクトン、七員環構造のε‐ラクトン等があり、例えばγ‐ブチロラクトン、γ‐バレロラクトン、γ‐カプロラクトン、γ‐カプリロラクトン、γ‐ラウロラクトン、δ‐バレロラクトン、δ‐ヘキサラクトン、δ‐ヘプタラクトン、ε‐カプロラクトンの単独、またはそれらの混合物を用いることができる。環状エステル類溶剤は、本発明の好ましい態様においては5員環のγ‐ラクトン類であり、さらに好ましい態様においては、γ‐ブチロラクトン、γ‐バレロラクトンである。環状エステル類溶剤を用いることによって、ポリ塩化ビニル基材に対する印刷品質をさらに改善することができる。
本発明のインクジェット記録用油性白色インク組成物における全溶剤中のグリコールエーテルジアルキルエーテル類の含有量は5質量%〜100質量%、好ましくは10質量%〜100質量%とするとよい。
インクジェット記録用油性白色インク組成物とするには、上記の各成分を公知の方法で均一に混合して白色顔料を溶媒中に分散して調製する。調製方法としては、例えばペイントシェイカーにてφ0.8mmのジルコニアビーズにて1時間分散後、φ0.3mmのジルコニアビーズで3時間分散し、インクの粘度を後述する範囲に調整する方法が挙げられる。なお、インクの粘度測定は、落球式粘度計(日本シーベルヘグナー(株)製のAMVn)にて測定した値である。
各成分の配合順序および配合の仕方は任意であって、例えば製造工程の各段階における配合物の性状や製造上の容易さ等を考慮して定めることができる。例えば、各成分は、一種類ずつ独立して配合することもできるし、各成分の供給ならびに配合をまとめて行って各成分の配合物を一度に得ることも可能である。また、2種または3種以上の成分を予め配合した後に、残りの他の成分と配合することもできる。この際、2種または3種以上の成分を予め配合しておく場合には、予め配合する成分の量は各成分の全量であっても、各成分の所要量の一部分であってもよい。
本発明におけるインク組成物は、20℃における粘度が、好ましくは3mPa・s〜15mPa・sになるように調製することが好ましく、また、表面張力が20mN/m〜50mN/mとなるように調製することが好ましい。表面張力が上記範囲内にあることにより、インクジェット記録用プリンタヘッドの表面の濡れ性を制御することができ、インク滴の吐出が容易となり、かつ、印刷された記録媒体の表面の濡れ性を制御することができ、良好な印刷が可能となる。
本発明によるインク組成物を吐出するインクジェット記録ヘッドのノズルプレートの材料は特に限定されないが、金属、セラミックス、シリコン、硝子又はプラスチック等で形成されることが好ましく、より好ましくはチタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、錫又は金等の単一材、あるいはニッケル−リン合金、錫−銅−リン合金、銅−亜鉛合金、又はステンレス鋼等の合金、ポリカーボネート、ポリサルフォン、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、又はポリサルフォン及び各種の感光性樹脂で形成されていることが好ましい。また、ノズルプレートの撥インク処理の方法は特に限定されないが、撥液膜は、シリコーン樹脂などの有機ケイ素化合物またはフロリナートなどの有機化合物を重合したシリコーン樹脂重合膜またはフッ素樹脂重合膜であることが好ましい。
本発明の油性インク組成物は、撥インク処理された吐出ノズル表面に対して不活性であるという利点を有する。従って、本発明の油性インク組成物は、例えば、撥インク処理された吐出ノズル表面を有するインクジェット記録用プリンタヘッドから吐出させるインクジェット記録方法に有利に用いることができる。また、従来の油性インクを撥インク処理ヘッドに用いた際の欠点、すなわち、撥インク処理ヘッドにおいて濡れ広がる現象、吐出が不安定になる現象、あるいはヘッドを腐蝕させる現象を防止することができる。
本発明によるインク組成物は、ノズルプレート表層部分に撥インク処理が施されてなるインクジェット記録ヘッドへの利用においても好適に用いることができる。本発明によるインク組成物と撥インク処理が施されたインクジェット記録ヘッドとの組合せにより、インクの飛行曲がりが発生し難く、記録紙上に良好な画像を記録することができる。本発明のインク組成物によれば、撥インク処理が施されたノズルプレートの表面状態を長期に渡って良好な状態に維持することができ、長期インク吐出安定性を実現することができる。
また、本発明のインクジェット記録用油性白色インク組成物は、記録媒体の種類を特に問わないが、本発明の効果が特に顕著に得られるのは、例えば、プラスチック基材、特に硬質または軟質ポリ塩化ビニル基材である。ポリ塩化ビニル基材としては、フィルム、シート等が例示される。本発明のインク組成物は、従来の油性インク組成物では難しかったポリ塩化ビニル基材における無処理表面への印刷を可能とするものであって、従来の受容層を有する記録媒体のごとく高価な記録媒体の使用を不要とする優れた効果を示す。なお、本発明によるインクジェット記録用油性白色インク組成物は、勿論インク受容性樹脂により表面処理された記録媒体に対しても優れた印刷性を有する。
以下、本発明の実施例及び比較例を示すが、これらの実施例は本発明を明確にするためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。尚、実施例及び比較例中の部は特に断らない限り、質量部とする。なお、平均粒子径(D50)は、日機装(株)製の粒度分析計マイクロトラックUPA150を使用して測定した値である。
(重合体の合成)
下記の方法により、重合体1〜8を得た。重量平均分子量は、東ソー(株)製の「HLC−8220GPC」にて、ポリスチレンを標準としたゲル浸透クロマトグラフ(GPC)により測定を行った。また、ガラス転移温度(Tg)は、島津製作所(株)製の示差走査熱量計「DSC−50」にて測定した。
(合成例1)・・重合体1の合成
攪拌機、温度計、環流コンデンサー付きのセパラブルフラスコにトルエン300部を仕込み、攪拌下に窒素置換しながら100℃まで昇温する。内温を100℃に保ち、メタクリル酸メチル 198部、メタクリル酸 2部、及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート4部との混合物を1.5時間かけて滴下した。滴下終了後、100℃で2時間反応させた後冷却して、無色透明のメタクリル酸メチルとメタクリル酸との共重合体溶液を得た。この共重合体の溶液を大量のヘキサン中に注いで攪拌した。ヘキサン中で沈殿した共重合体をガラスフィルターを用いて溶剤と分離し、更にヘキサンで洗浄した。ヘキサンを含んでいる共重合体を加熱減圧乾燥機に入れ、恒量に達するまで乾燥した。重合体1のTgは105℃であり、重量平均分子量は30000であった。
(合成例2)・・重合体2の合成
100℃に保たれたトルエン300部中に、メタクリル酸メチル 175部、メタクリル酸 25部、及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート8部との混合物を1.5時間かけて滴下した。合成例1と同様にして、重合体2を得た。重合体2のTgは108℃、重量平均分子量は15000であった。
(合成例3)・・重合体3の合成
100℃に保たれたトルエン300部中に、メタクリル酸メチル198部とマレイン酸2部、及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート4部との混合物を1.5時間かけて滴下した。合成例1と同様にして、重合体3を得た。重合体3のTgは105℃、重量平均分子量は30000であった。
(合成例4)・・重合体4の合成
100℃に保たれたトルエン300部中に、メタクリル酸メチル178部とメタクリル酸ブチル20部とマレイン酸2部、及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート4部との混合物を1.5時間かけて滴下した。合成例1と同様にして、重合体4を得た。重合体4のTgは95℃、重量平均分子量は30000であった。
(合成例5)・・重合体5の合成
100℃に保たれたトルエン300部中に、メタクリル酸メチル200部とt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート4部との混合物を1.5時間かけて滴下した。合成例1と同様にして、重合体5を得た。重合体5のTgは105℃、重量平均分子量は30000であった。
(合成例6)・・重合体6の合成
100℃に保たれたトルエン300部中に、メタクリル酸メチル150部とメタクリル酸ブチル50部とt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート4部との混合物を1.5時間かけて滴下した。合成例1と同様にして、重合体6を得た。重合体6のTgは79℃、重量平均分子量は30000であった。
(合成例7)・・重合体7の合成
100℃に保たれたトルエン300部中に、メタクリル酸メチル198部とマレイン酸2部、及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート 12部との混合物を1.5時間かけて滴下した。合成例1と同様にして、重合体7を得た。重合体7のTgは105℃、重量平均分子量は3000であった。
(合成例8)・・重合体8の合成
100℃に保たれたトルエン300部中に、メタクリル酸メチル198部とマレイン酸2部、及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1部との混合物を1.5時間かけて滴下した。合成例1と同様にして、重合体8を得た。重合体8のTgは105℃、重量平均分子量は100000であった。
(実施例1)
下記組成成分を、均一に混合分散して、粘度が20℃で4.3mPa・sである実施例1のインクを調製した。
・ 白色顔料(アルミナにて表面処理された平均一次粒子径0.21μmの二酸化チタンをさらにメチルハイドロジェンポリシロキサン(信越化学工業(株)製、メチルハイドロジェンポリシロキサンKF−99)にて0.25質量%処理したもの)
・・・ 12質量部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル ・・・ 60質量部
・γ−ブチロラクトン ・・・ 20質量部
・重合体1 ・・・ 5質量部
・塩基性基を有するポリエステル系分散剤(ビックケミー・ジャパン社製、Disperbyk−191) ・・・ 3質量部。
(実施例2)
実施例1において使用される重合体1に代えて、重合体2を使用する以外は、実施例1と同様にして実施例2のインク(粘度、20℃で4.0mPa・s)を調製した。
(実施例3)
実施例1において使用される重合体1に代えて、重合体3を使用する以外は、実施例1と同様にして実施例3のインク(粘度、20℃で4.3mPa・s)を調製した。
(実施例4)
実施例1において使用される重合体1に代えて、重合体4を使用する以外は、実施例1と同様にして実施例4のインク(粘度、20℃で4.1mPa・s)を調製した。
(実施例5)
実施例1において使用される分散剤1に代えて、塩基性基を有するポリエステル系分散剤2(ルブリゾール社製、SOLSPERSE 20000)を使用する以外は、実施例1と同様にして実施例5のインク(粘度、20℃で4.4mPa・s)を調製した。
(実施例6)
実施例5において使用される重合体1に代えて、重合体3を使用する以外は、実施例1と同様にして実施例6のインク(粘度、20℃で4.4mPa・s)を調製した。
(比較例1)
実施例1において使用される白色顔料に代えて、アルミナにて表面処理された平均一次粒子径0.21μmの二酸化チタンであって、さらにメチルハイドロジェンポリシロキサン(信越化学工業(株)製、メチルハイドロジェンポリシロキサンKF−99)にて処理していないものを使用した以外は、実施例1と同様にして比較例1のインク(粘度、20℃で4.3mPa・s)を調製した。
(比較例2)
実施例1において使用される白色顔料に代えて、アルミナにて表面処理された平均一次粒子径0.21μmの二酸化チタンをさらにメチルハイドロジェンポリシロキサン(信越化学工業(株)製、メチルハイドロジェンポリシロキサンKF−99)にて3質量%処理したものを使用した以外は、実施例1と同様にして比較例2のインク(粘度、20℃で4.2mPa・s)を調製した。
(比較例3)
実施例1において使用される重合体1に代えて、重合体5を使用する以外は、実施例1と同様にして比較例3のインク(粘度、20℃で4.4mPa・s)を調製した。
(比較例4)
実施例1において使用される重合体1に代えて、重合体6を使用する以外は、実施例1と同様にして比較例4のインク(粘度、20℃で4.1mPa・s)を調製した。
(比較例5)
実施例1において使用される重合体1に代えて、重合体7を使用する以外は、実施例1と同様にして比較例5のインク(粘度、20℃で4.0mPa・s)を調製した。
(比較例6)
実施例1において使用される重合体1に代えて、重合体8を使用する以外は、実施例1と同様にして比較例6のインク(粘度、20℃で4.5mPa・s)を調製した。
評価試験
上記で調製した各分散液及びインクを使用して、下記評価を行った。評価結果は、下記表1に記載した通りであった。なお、吐出評価、ノズル回復性は、インクジェットプリンター(MJ−8000C;セイコーエプソン社製、記録ヘッドにおけるノズルプレート表層部分がフッ素コーティングにより撥インク処理が施されている)によって行った。
評価1.経時安定性
60℃/4週間保管した前と後の数平均分散粒径を測定し、以下の基準で評価した。その結果を表1に示す。
評価A:保管後の数平均分散粒径から保管前の数平均分散粒径を引いた差が保管前の数平均分散粒径の±15%未満である。
評価B:保管後の数平均分散粒径から保管前の数平均分散粒径を引いた差が保管前の数平均分散粒径の±15%以上である。
評価2.沈降性
60℃/4週間保管した後、目視にてインキの沈降状態を観察する。
評価A:顔料の沈降が認められない。
評価B:顔料の沈降が認められる。
評価3.隠蔽性
透明塩化ビニルフィルムにベタ印字を実施しその濃度を透過濃度計で測定した。
評価A:透過濃度≧0.20 で、隠蔽性に優れている。
評価B:透過濃度<0.20 で、隠蔽性に劣る。
評価4.乾燥性
ベタ印字を行い、乾燥するまでの時間を計測した。
評価A:2分以内
評価B:2分以上。
評価5.吐出性
インクを1時間連続印刷した際の、ドット抜けの有無を目視観察する。
評価A:曲がり、又はドット抜けがない。
評価B:曲がり、ドット抜けがある。
評価6.ノズル回復性
インクを1時間連続印刷した後、1日放置し、再度印刷を行った際のドット抜けの有無を目視観察する。
評価A:ヘッドのノズル周辺の撥インク加工箇所にインクの付着が起きない。
評価B:ヘッドのノズル周辺の撥インク加工箇所にインクが付着する。
Figure 2009191221
評価結果によると、本発明のインクジェット記録用油性白色インク組成物は、経時安定性および保存安定性に優れていることから、使用時にインクを再分散して使用することもなく、印刷ヘッドに目詰まりのない連続印刷ができ、また、印刷基材に対して白色度の高く隠蔽性に優れた印刷物および視認性のよいマーキングが得られることがわかる。
本発明のインクジェット記録用油性白色インク組成物は、経時安定性および保存安定性が優れていることから、使用時にインクを再分散して使用することもなく、また、印刷ヘッドに目詰りのない連続印刷ができ、印刷基材に対して白色度の高い隠蔽性の優れた印刷物および視認性のよいマーキングが得られる。

Claims (7)

  1. (1) アルミニウムおよび/または珪素の酸化物で被覆され、かつ、平均一次粒子径が0.15μm〜0.25μmである酸化チタン微粒子を、SiH含有ポリシロキサンおよび/またはジメチルポリシロキサンで0.01質量%〜2.50質量%の割合でさらに被覆したものである白色顔料を0.5質量%〜50質量%含有し、かつ、
    (2) 該白色顔料1質量部に対して分子内に塩基性基を有する直鎖型または分岐鎖型のポリエステル系分散剤を0.03質量部〜5質量部の割合で含有すると共に、
    (3) 該白色顔料1質量部に対して分子内に酸性基を有する重量平均分子量が5,000〜50,000の(メタ)アクリル系樹脂を0.01質量部〜5質量部の割合で含有し、
    (4) 溶剤としてグリコールエーテルジアルキルエーテル類を全溶剤中で5質量%〜100質量%の割合で含有し、20℃における粘度を3mPa.s〜15mPa.s
    としたことを特徴とするインクジェット記録用油性白色インク組成物。
  2. 前記分子内に塩基性基を有する直鎖型または分岐鎖型のポリエステル系分散剤が、塩基性基としてアミノ基、アミド基、イミド基、アミド含有基、イミド含有基から選ばれた少なくとも1種を有して該分散剤に顔料親和性を付与すると共に、直鎖型または分岐鎖型のポリエステル部分が該分散剤に溶剤に対する親和性を付与するものであって、該分散剤が水可溶性であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用油性白色インク組成物。
  3. 前記グリコールエーテルジアルキルエーテル類が、下記一般式(1)で示されるものから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用油性白色インク組成物。
    1 −(OC2 4 n −OR2 ・・・ (1)
    (上記式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立して、メチル基またはエチル基を示し、nは2〜4の整数を示す)
  4. 前記溶剤として、グリコールエーテルジアルキルエーテル類の他に下記一般式(2)
    Figure 2009191221
    (上記式中、X1 およびX2 は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、またはアルケニル基を示し、mは1〜3の整数を示す)
    で表される環状エステル類溶剤を含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用油性白色インク組成物。
  5. インクジェット記録用油性白色インク組成物が、ノズルプレート表層部分がフッ素および/またはシリコーンコーティングにより撥インク処理が施されたインクジェット記録ヘッドを備えたピエゾ方式のインクジェットプリンター用であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用油性白色インク組成物。
  6. インクジェット記録用油性白色インク組成物が、ポリ塩化ビニル基材への記録に用いられるものであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用油性白色インク組成物。
  7. (1) アルミニウムおよび/または珪素の酸化物で被覆され、かつ、平均一次粒子径が0.15μm〜0.25μmである酸化チタン微粒子を、SiH含有ポリシロキサンおよび/またはジメチルポリシロキサンで0.01質量%〜2.50質量%の割合でさらに被覆したものである白色顔料を0.5質量%〜50質量%含有し、かつ、
    (2) 該白色顔料1質量部に対して分子内に塩基性基を有する直鎖型または分岐鎖型のポリエステル系分散剤を0.03質量部〜5質量部の割合で含有すると共に、
    (3) 該白色顔料1質量部に対して分子内に酸性基を有する重量平均分子量が5,000〜50,000の(メタ)アクリル系樹脂を0.01質量部〜5質量部の割合で含有するように、 (4) グリコールエーテルジアルキルエーテル類溶剤を全溶剤中に5質量%〜100質量%の割合で含有する溶剤に添加して混合分散させ、20℃における粘度を3mPa.s〜15mPa.sとすることを特徴とするインクジェット記録用油性白色インク組成物の製造方法。
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