JP2018178020A - 活性光線硬化型インクジェットインク - Google Patents

活性光線硬化型インクジェットインク Download PDF

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Abstract

【課題】マット調の画像を得ることが可能であり、かつ長期保存性や吐出安定性に優れる活性光線硬化型インクジェットインクを提供すること。【解決手段】活性光線硬化型インクジェットインクは、不飽和炭素−炭素二重結合を2つ以上有し、重量平均分子量が5000〜15000であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、および/またはアミン構造を有さないポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーを含む活性光線重合性化合物と、ベンゾオキサゾール系の蛍光増白剤と、を含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、活性光線硬化型インクジェットインクに関する。
インクジェット記録方法は、簡易かつ安価に画像を形成できることから、各種印刷分野で用いられている。インクジェットインクの一種として、活性光線を照射されることで硬化するインクが知られている。活性光線硬化型のインクを用いて画像を形成する場合、当該インクの液滴を記録媒体の表面に着弾させ、着弾させた液滴に活性光線を照射する。これにより、液滴中の活性光線重合性化合物が重合し、硬化物(画像)が記録媒体の表面に形成される。活性光線硬化型のインクによる画像形成方法によれば、記録媒体の吸水性にかかわらず、高い密着性を有する画像を形成できるとの利点がある。
近年、上記画像形成方法を用いて、各種パッケージ等の印刷を行うことも検討されている。パッケージ用の画像には、折りや曲げといった後加工への耐性だけでなく、グロス調やマット調等、光沢制御が求められることがある。しかしながら、従来の活性光線硬化型のインクでは、マット調の硬化物(画像)が得られ難く、マット調の画像を得る際には、活性光線硬化型のインクの硬化物(画像)上に、オーバーニスをさらに塗布することが一般的であった。
一方、インクの硬化性を高めたり、得られる画像の黄変を抑制すること等を目的として、アミン変性(メタ)アクリレートオリゴマー等と共に蛍光増白剤を含む活性光線硬化型インクが提案されている(例えば、特許文献1)。また、低分子量のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと共に、蛍光増白剤(増感色素)を含む活性光線硬化型インクも提案されている(例えば、特許文献2)。
特開2011−213965号公報 特開2006−249155号公報
しかしながら、蛍光増白剤は、活性光線硬化型インクジェットインク中の他の成分(各種モノマーやオリゴマー等)との相溶性が低いことが多い。そして、特許文献1や特許文献2のように、活性光線硬化型インクジェットインクに蛍光増白剤を含めると、当該インクの保存時に蛍光増白剤が析出しやすく、当該インク中で成分分離が生じたり、結晶増白剤の結晶がインクジェットノズルの詰まりを引き起こすこと等があった。つまり、従来の蛍光増白剤を含む活性光線硬化型インクジェットインクでは、長期保存性や吐出安定性が十分でない、との課題があった。
また、上述のように、パッケージ用途等においてマットな表面を有する画像を得るためには、オーバーニスの塗布が必要とされてきた。しかしながら、工程の簡略化やコスト低減等の観点から、活性光線硬化型インクジェットインクの硬化物自体の光沢制御が求められていた。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものである。具体的には、マット調の画像を得ることが可能であり、かつ長期保存性や吐出安定性に優れる活性光線硬化型インクジェットインクを提供する。
本発明は、以下の活性光線硬化型インクジェットインクに関する。
[1]不飽和炭素−炭素二重結合を2つ以上有し、重量平均分子量5000〜15000であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、および/またはアミン構造を有さないポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーを含む活性光線重合性化合物と、ベンゾオキサゾール系の蛍光増白剤と、を含有する、活性光線硬化型インクジェットインク。
[2]前記蛍光増白剤が、下記一般式(1)で表される構造を有する、[1]に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
Figure 2018178020
(上記一般式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アミノ基から選ばれる置換基を表し(ただし、R〜Rから選ばれる2以上の基が結合して環を形成してもよい)、Aは、下記式(2)〜(4)で表されるいずれかの連結基を表す)
Figure 2018178020
[3]前記活性光線重合性化合物が、脂環構造または複素環構造を有するモノマーをさらに含む、[1]または[2]に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[4]ワックスをさらに含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクによれば、マット調の画像を得ることが可能である。さらに、当該活性光線硬化型インクジェットインクは、長期保存性に優れ、さらに吐出安定性も良好である。したがって、安定して各種印刷物を作製することが可能である。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインク(以下、単に「インク」とも称する)は、所定の重量平均分子量を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーおよび/またはアミン構造を有さないポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーを含む活性光線重合性化合物と、ベンゾオキサゾール系の蛍光増白剤と、を含む。本発明のインクは必要に応じて、上記オリゴマー以外の活性光線重合性化合物や、重合開始剤、ワックス、顔料、各種添加剤等をさらに含んでいてもよい。ここで、本明細書における(メタ)アクリレートとの記載には、アクリレートおよびメタクリレートのいずれか一方もしくは両方を含む。また同様に、「(メタ)アクリロイル基」には、アクリロイル基およびメタクリロイル基のいずれか一方もしくは両方を含む。
従来、マット調の画像を得ることが可能な活性光線硬化型インクジェットインクが求められている。一方、硬化性の向上や画像の黄変抑制等の目的で、活性光線硬化型インクジェットインクに蛍光増白剤を含めることが検討されていたが、蛍光増白剤はインク中の他の成分への溶解性が低く、インクから析出しやすかった。そのため、蛍光増白剤を含むインクでは、その長期保存性が悪く、さらにインクの吐出安定性も低下しやすい、との課題があった。
ここで、本発明者が鋭意検討したところ、特定の重量平均分子量を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーもしくはアミン構造を有さないポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーを含む活性光線重合性化合物と、ベンゾオキサゾール系の蛍光増白剤とを組み合わせることで、インク中での蛍光増白剤の安定性が高まり、インクの長期保存性が良好になったり、吐出安定性が高まったりすることが見出された。またさらに、これらを組み合わせると、マット調の画像が得られることも見出された。
その理由は定かではないが、以下のように推察される。ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーおよびポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーは、分子内に極性基として、ウレタン結合あるいはエステル結合を有する。そしてこれらの基が、蛍光増白剤が含むベンゾオキサゾール構造と相互作用することで、一般的に難溶性である蛍光増白剤の活性光線硬化性化合物等への溶解性が向上すると考えられる。また、このようなオリゴマーによる溶解性向上効果は、オリゴマー(活性光線重合性化合物)が重合反応し、固化することで失われる。つまり、本発明のインクでは、インク液滴に活性光線を照射することではじめて蛍光増白剤が析出し、硬化物(画像)の表面に微細な結晶を形成する。そして、蛍光増白剤による微細な結晶が、インクの硬化物に入射する光を乱反射することで、画像がマット調になると考えられる。
以下、本発明のインクが含む成分について説明する。
1.活性光線重合性化合物
活性光線重合性化合物は、活性光線の照射によって、架橋または重合する化合物である。ここで、活性光線とは、電子線や紫外線、α線、γ線、エックス線等であり、好ましくは紫外線および電子線である。本発明では、活性光線重合性化合物が、所定の重量平均分子量を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーおよびアミン構造を有さないポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーのうち、いずれか一方、もしくは両方を含む。活性光線重合性化合物が、これらを含むと、インク中における蛍光増白剤の溶解性が良好になりやすい。さらに、得られる硬化物(画像)が柔軟になりやすく、記録媒体の折りや曲げ等にも追従しやすくなる。ここで、活性光線重合性化合物には、通常、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーおよび/またはポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー以外の活性光線重合性化合物(以下、「その他の活性光線重合性化合物」とも称する)が含まれる。
活性光線重合性化合物が含むウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、分子中にウレタン結合および(メタ)アクリロイル基を含み、不飽和炭素−炭素二重結合を2個以上有し、さらに重量平均分子量が5,000〜15,000であるオリゴマーであれば特に制限されない。活性光線重合性化合物は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを一種のみ含んでいてもよく、二種以上含んでいてもよい。ここで、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの重量平均分子量が5000以上であると、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと蛍光増白剤との親和性が良好になり、インクの保存時に蛍光増白剤が析出し難くなる。一方、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの重量平均分子量が15000以下であると、インクの粘度が所望の範囲となり、インクジェットノズルからのインクの吐出安定性が高まりやすくなる。ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの重量平均分子量は、5000〜14000であることが好ましく、5000〜10000であることがより好ましい。
上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される値(ポリスチレン換算値)である。重量平均分子量は、例えば、高速液体クロマトグラフィー(日本Water社製の「Waters 2695(本体)」および「Waters 2414(検出器)」)に、カラム(Shodex(登録商標) GPC KF−806L(排除限界分子量:2×10、分離範囲:100〜2×10、理論段数:10000段/本、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm))を3本直列に配置し、測定することで特定することができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの25℃における粘度は、10000〜50000mPa・sであることが好ましく、10000〜30000mPa・sであることが吐出安定性の観点でより好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの構造は特に制限されないが、例えばポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレート、またはポリカーボネート系ウレタン(メタ)アクリレートであることが好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが、エステル結合、エーテル結合、またはカーボネート結合を有すると、インクの硬化物と記録媒体との接着性が高まりやすい。また、インクの硬化物の強靭性や柔軟性等も高まりやすい。
また、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、不飽和炭素−炭素二重結合を2個以上含んでいればよいが、2〜5個含んでいることがより好ましい。なお、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが有する不飽和炭素−炭素二重結合数は平均値である。また、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが含む不飽和炭素−炭素二重結合は、(メタ)アクリロイル基中の不飽和炭素−炭素二重結合であることが好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、各種モノマーを重合させること等により調製したものであってもよく、市販品であってもよい。ポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレートの市販品の例には、日本合成化学社製のUV−3010B(重量平均分子量(Mw):9,690、不飽和炭素−炭素二重結合の数:2)、UV−3200B(重量平均分子量(Mw):10,000、不飽和炭素−炭素二重結合の数:2)、UV−3520TL(重量平均分子量(Mw):14000、不飽和炭素−炭素二重結合の数:2)、UT−5454(重量平均分子量(Mw):10,000、不飽和炭素−炭素二重結合の数:2)、UT−5449(重量平均分子量(Mw):10,000、不飽和炭素−炭素二重結合の数:2)等が含まれる。
ポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートの市販品の具体例には、日本合成化学工業株式会社製のUV−3300B(重量平均分子量(Mw):13,000、不飽和炭素−炭素二重結合の数:2)、UV−6640B(重量平均分子量(Mw):5,000、不飽和炭素−炭素二重結合の数:2)等が含まれる。
ポリカーボネート系ウレタン(メタ)アクリレートの市販品の具体例には、日本合成化学工業株式会社製のUV−3310B(重量平均分子量Mw:5,000、不飽和炭素−炭素二重結合の数:2)、UV−3210EA(重量平均分子量(Mw):9,000、不飽和炭素−炭素二重結合数:2)、根上工業株式会社製のUN−9000PEP(重量平均分子量Mw:5,000、不飽和炭素−炭素二重結合の数:2)、UN−9200A(重量平均分子量Mw:13,000、不飽和炭素−炭素二重結合の数:2)等が含まれる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量は、活性光線重合性化合物の全量に対して、5質量%以上15質量%以下であることが好ましく、5質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。活性光線重合性化合物中のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの量を、5質量%以上15質量%以下とすることで、蛍光増白剤の溶解性が良好となり、さらにはインクのインクジェットノズルからの吐出安定性が良好となる。また、インクの硬化物の柔軟性も高くなる。
一方、活性光線重合性化合物が含むポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーは、分子中にエステル結合および(メタ)アクリロイル基を含み、かつアミン構造を有さないオリゴマーであれば特に制限されない。ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーがアミン構造を含むと、当該オリゴマーと蛍光増白剤との親和性が低くなり、インク中における蛍光増白剤の溶解性が不安定となるため、吐出安定性が低下したり、長期保存性も低下しやすい。活性光線重合性化合物は、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーを一種のみ含んでいてもよく、二種以上含んでいてもよい。
また、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーの25℃における粘度は、40〜1000mPa・sであることが好ましく、50〜700mPa・sであることがインクの吐出安定性の観点でより好ましい。
ここで、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーの構造は特に制限されず、例えば、水酸基を有するポリエステルオリゴマーと、(メタ)アクリル酸等の(メタ)アクリロイル基を有する化合物とを反応させた化合物とすることができる。ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーが含む不飽和炭素−炭素二重結合の数は、硬化物の強度を高める観点等から2以上であることが好ましく、2〜5であることがより好ましい。なお、上記不飽和炭素−炭素二重結合数は平均値である。また、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーが含む不飽和炭素−炭素二重結合は、(メタ)アクリロイル基中の不飽和炭素−炭素二重結合であることが好ましい。
ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーは、各種モノマーを重合させること等により調製したものであってもよく、市販品であってもよい。ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーの例には、BASF社製のLaromer(登録商標) PE9074(不飽和炭素−炭素二重結合の数:2、25℃粘度:7000〜13000mPa・s)、Sartomer社製のCN2270(不飽和炭素−炭素二重結合の数:2、25℃粘度:55mPa・s)、CN2273(不飽和炭素−炭素二重結合の数:2、25℃粘度:100mPa・s)、CN2303(不飽和炭素−炭素二重結合の数:6、25℃粘度:350mPa・s)、CN2302(不飽和炭素−炭素二重結合の数:16、25℃、粘度:300mPa・s)、CN2373(不飽和炭素−炭素二重結合の数:2、25℃粘度:100mPa・s)、ETERNAL CHEMICAL社製のETERCURE6361−100(不飽和炭素−炭素二重結合の数:8、25℃粘度:200mPa・s)、ETERCURE6362−100(不飽和炭素−炭素二重結合の数:12〜15、25℃粘度:600mPa・s)、東亞合成社製のM−6200(不飽和炭素−炭素二重結合の数:2、25℃粘度:700〜3700mPa・s)、M−6250(不飽和炭素−炭素二重結合の数:2、25℃粘度:300〜700mPa・s)等が含まれる。
上記ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量は、活性光線重合性化合物の全量に対して、5質量%以上20質量%以下であることが好ましく、5質量%以上15質量%以下であることがより好ましい。活性光線重合性化合物中のポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーの量を、5質量%以上20質量%以下とすることで、蛍光増白剤の溶解性が良好となり、さらにはインクのインクジェットノズルからの吐出安定性が良好となる。また、インクの硬化物の柔軟性も高まる。なお、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーはウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと比較して粘度が低いため、インクの全質量に対する量を、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを用いる場合より多くすることが可能である。
なお、上記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーおよびポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーの両方を含む場合、これらの合計量は活性光線重合性化合物の全量に対して5〜25質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。これらの合計量が当該範囲であると、インク中の蛍光増白剤の溶解性が良好になりやすい。また、インクの硬化物の柔軟性も高まりやすい。一方で、これらの量が多すぎると、膜の強度が低下することがあるが、20質量%以下であれば、強度の高い膜が得られやすい。
一方、その他の活性光線重合性化合物は、活性光線の照射により架橋または重合する化合物とすることが可能な化合物であれば特に制限されず、活性光線重合性の官能基を2つ以上有する化合物であってもよく、活性光線重合性の官能基を1つのみ有する化合物であってもよい。ここで、活性光線重合性化合物には、その他の活性光線重合性化合物が一種のみ含まれてもよく、二種以上含まれていてもよい。
また、その他の活性光線重合性化合物は、ラジカル重合性化合物であってもよく、カチオン重合性化合物であってもよいが、ラジカル重合性化合物であることが好ましい。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能な不飽和炭素−炭素二重結合を有する化合物(モノマー、オリゴマー、ポリマーあるいはこれらの混合物)とすることができる。ラジカル重合性化合物の例には、不飽和カルボン酸やその塩、不飽和カルボン酸エステル化合物(上記ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーを除く)、不飽和カルボン酸ウレタン化合物(上記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを除く)、不飽和カルボン酸アミド化合物及びその無水物、アクリロニトリル、スチレン、不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン、N−ビニルカプロラクタム等のN−ビニル化合物等が含まれる。不飽和カルボン酸の例には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等が含まれる。
なかでも、ラジカル重合性化合物は、不飽和カルボン酸エステル化合物、またはN−ビニル化合物が好ましい。不飽和カルボン酸エステル化合物は、より具体的には、(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましい。(メタ)アクリレート化合物は、モノマーだけでなく、オリゴマー、モノマーとオリゴマーの混合物、変性物、重合性官能基を有するオリゴマー等であってよい。
(メタ)アクリレート化合物の例には、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミルスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸およびt−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(メタ)アクリレート、シクロヘキシルアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート等を含む単官能の(メタ)アクリレート;トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA構造を有するジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、およびトリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等を含む2官能の(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレートおよびペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート等を含む3官能以上の(メタ)アクリレート;ポリエステルアクリレートオリゴマーを含む(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマー;ならびに、これらの変性物が含まれる。上記(メタ)アクリレートの変性物の例には、エチレンオキサイド基を挿入したエチレンオキサイド変性(EO変性)アクリレートや、プロピレンオキサイドを挿入したプロピレンオキサイド変性(PO変性)アクリレート等が含まれる。
また、ラジカル重合性化合物は、上述の(メタ)アクリレートと他の官能基(例えばエポキシ基等)を有する化合物とを重合したオリゴマーであってもよい。
ここで、ラジカル重合性化合物は、脂環構造または複素環構造を有する化合物を含むことが好ましく、脂環構造または複素環構造を有するモノマーを含むことがさらに好ましい。脂環構造または複素環構造を有するモノマーの例には、イソボルニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(メタ)アクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、N−ビニルカプロラクタム等が含まれる。活性光線重合性化合物は、これらの化合物を一種のみ含んでいてもよく、二種以上含んでいてもよい。その他の活性光線重合性化合物として、これらの脂環構造または複素環構造を有する化合物(特にモノマー)を含むと、蛍光増白剤を含むインクの長期保存性をさらに高めることが可能となる。
なお、脂環構造または複素環構造を有する化合物(特にモノマー)の含有量は、活性光線重合性化合物の全量に対して5〜95質量%であることが好ましく、10〜95質量%であることがより好ましい。脂環構造または複素環構造を有する化合物(特にモノマー)の含有量が上記範囲であると、インクの長期保存性が良好になりやすい。
また、ラジカル重合性化合物は、二官能以上の(メタ)アクリレート化合物(特にモノマー)を含むことも好ましい。活性光線硬化性化合物が、二官能以上の(メタ)アクリレート化合物を含むと、硬化物の強度が高まりやすい。二官能以上の(メタ)アクリレート(特にモノマー)の含有量は、活性光線重合性化合物の全量に対して1〜95質量%であることが好ましく、5〜95質量%であることがより好ましい。二官能以上の(メタ)アクリレートの含有量が上記範囲であると、インクの硬化性が良好になりやすい。
一方、カチオン重合性化合物の例には、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、およびオキセタン化合物等が含まれる。
ここで、活性光線重合性化合物(上記ウレタン(メタ)アクリレートモノマー、ポリエステル(メタ)アクリレートモノマー、脂環構造または複素環構造を有する化合物、二官能以上の(メタ)アクリレート等)の合計量は、インクの全質量に対して50〜95質量%であることが好ましく、70〜95質量%であることがより好ましい。これにより、インクの硬化物の記録媒体との密着性や、硬化物の強度が十分に高くなる。
2.蛍光増白剤
本発明のインクが含む蛍光増白剤は、ベンゾオキサゾール系の蛍光増白剤であればよく、インクは、当該蛍光増白剤を一種のみ含んでいてもよく、二種以上含んでいてもよい。蛍光増白剤は、一般に波長300〜450nm程度の光を吸収し、かつ波長400〜500nm程度の蛍光を発光する化合物である。蛍光増白剤の物理的原理や化学的性質については、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, Sixth Edition, Electronic Release, Wiley−VCH 1998等に示されている。
ベンゾオキサゾール系の蛍光増白剤は、ベンゾオキサゾール骨格を有し、かつ上記特性を有する化合物であれば特に制限されないが、下記一般式(1)で表されるベンゾオキサゾール系化合物であることが好ましい。これらの化合物は、インクの硬化後に結晶化しやすく、硬化物の光沢低下(マット調)への作用が比較的大きい傾向にある。当該効果が得られる理由の一つとして、分子構造に対称性が見られることが挙げられる。
Figure 2018178020
上記一般式(1)において、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。ただし、R〜Rから選ばれる2以上の基が結合して環を形成していてもよい。
上記アルキル基は、炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましく、直鎖状、分枝状、または環状のいずれの構造を有していてもよい。また、アルキル基は置換されていてもよい。置換基の例には、カルボキシル基やアルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子等が含まれる。
一方、上記一般式(1)において、Aは下記式(2)〜(4)で表されるいずれかの連結基を表す。
Figure 2018178020
式(2)〜(4)における*は、一般式(1)におけるベンゾオキサゾール基との結合手を表す。
上記一般式(1)で表される化合物は、上述の活性光線重合性化合物が含むウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーや、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーへの溶解性が高い。一方で結晶性が高く、活性光線重合性化合物の重合が開始すると、インクの硬化物表面に析出し、結晶化する。つまり、硬化物表面に、蛍光増白剤の結晶による凹凸を効果的に形成する。
上記の中でも、一般式(1)におけるAが式(4)で表される連結基である化合物が、インクや硬化物に対する着色が少ないとの観点から好ましい。
上記一般式(1)で表されるベンゾオキサゾール系の蛍光増白剤の市販品の例には、式中のAが式(2)の構造であるFLUORESCENT BRIGHTENER KCB(Xcolor Pigment社製)、式中のAが式(3)の構造であるFLUORESCENT BRIGHTENER OBやFLUORESCENT BRIGHTENER PB(共にXcolor Pigment社製)、式中のAが式(4)の構造であるFLUORESCENT BRIGHTENER OB−1やFLUORESCENT BRIGHTENER KSN(共にXcolor Pigment社製)等が含まれる。
蛍光増白剤は、インクの全質量に対して0.01質量%以上1.0質量%以下含まれることが好ましく、0.05〜0.5質量%含まれることがより好ましい。蛍光増白剤の含有量が0.01質量%以上であると、硬化物の表面に形成される結晶の凹凸を効果的に大きくすることが可能となり、硬化物(画像)をマット調にすることが容易となる。一方、蛍光増白剤が1.0質量%以下であれば、蛍光増白剤によって硬化物が着色され難くなり、インクが顔料等を含む場合には、その色調への影響が生じ難くなる。
なお、本発明のインクは、本発明の効果を損なわない範囲で、上記ベンゾオキサゾール系以外の蛍光増白剤を一部に含んでいてもよい。ベンゾオキサゾール系以外の蛍光増白剤の具体例には、クマリン系化合物や、スチレンビフェニル系化合物、ピラゾロン系化合物、スチルベン系化合物、ベンゼン及びビフェニルのスチリル誘導体、ビス(ベンザゾール−2−イル)誘導体、カルボスチリル、ナフタルイミド、ジベンゾチオフェン−5,5’−ジオキシドの誘導体、ピレン誘導体、ピリドトリアゾール等が含まれる。ただし、これらの量は、インクの長期保存性やインクジェットノズルからの吐出安定性の観点から、インクの全質量に対して3質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。
3.重合開始剤
本発明のインクは、重合開始剤を含んでいてもよい。活性光線重合性化合物を電子線等により硬化させる場合には、重合開始剤を必ずしも含む必要はないが、活性光線重合性化合物を紫外線等により硬化させる場合には、重合開始剤を含むことが好ましい。
重合開始剤の種類は、活性光線重合性化合物の種類に応じて適宜選択される。活性光線重合性化合物がラジカル重合性化合物を含む場合には、ラジカル系の重合開始剤が用いられ、活性光線重合性化合物がカチオン重合性化合物を含む場合には、カチオン系の重合開始剤が用いられる。
ラジカル系の重合開始剤には、分子内結合開裂型と分子内水素引き抜き型とがある。分子内結合開裂型の重合開始剤の例には、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等を含むアセトフェノン系の重合開始剤;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等を含むベンゾイン類の重合開始剤;2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド等を含むアシルホスフィンオキシド系の重合開始剤;ベンジルおよびメチルフェニルグリオキシエステル;等が含まれる。
分子内水素引き抜き型の重合開始剤の例には、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等を含むベンゾフェノン系の重合開始剤;2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等を含むチオキサントン系の重合開始剤;ミヒラーケトン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等を含むアミノベンゾフェノン系の重合開始剤;10−ブチル−2−クロロアクリドン;2−エチルアンスラキノン;9,10−フェナンスレンキノン;カンファーキノン;等が含まれる。
カチオン系の重合開始剤としては、光酸発生剤が挙げられる。光酸発生剤としては、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。
重合開始剤の含有量は、照射する活性光線や活性光線重合性化合物の種類などにもよるが、インクの全質量に対して0.01質量%〜10質量%であることが好ましい。
インクには、上記重合開始剤と併せて、重合開始助剤が含まれていてもよい。重合開始助剤の一例として、第3級アミン化合物が挙げられ、これらの中でも特に芳香族第3級アミン化合物が好ましい。芳香族第3級アミン化合物の例には、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸イソアミルエチルエステル、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、トリエチルアミンおよびN,N−ジメチルヘキシルアミン等が含まれる。これらの中でも、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸イソアミルエチルエステルが好ましい。これらの重合開始助剤は、インクに、一種のみ含まれてもよく、二種以上含まれていてもよい。
4.ワックス
本発明のインクは、ワックスを含んでいてもよい。ワックスの例には、分子量が1000未満である、ジアルキルケトン、脂肪酸エステル、脂肪酸アルコール、脂肪酸アミド、オイルゲル化剤等が含まれるが、この限りではない。
ここで、当該ワックスは、常温では固体であるが、加熱すると液体である化合物であることが好ましい。ワックスは、インクジェットノズルからの吐出時には、インク中の他の成分に溶解している。これに対し、記録媒体に着弾したインクの温度が記録媒体の表面温度まで低下すると、ワックスが析出し始める。そして、当該ワックスが硬化物表面に凹凸を形成することで、画像がさらにマット調になりやすくなる。また、インクがこのようなワックスを含むと、記録媒体に着弾したインク液滴がぬれ広がり難くなるため、高精細な画像が形成されやすくなる。ワックスの融点は、30℃以上150℃未満であることが好ましい。
ここで、ワックスの具体例には、ステアロン(18−ペンタトリアコンタノン)、16−ヘントリアコンタノン、12−トリコサノン、UNILIN(登録商標)425(Baker−Hughes社製)等の脂肪酸アルコール;脂肪酸エステル;ステアリン酸イヌリン・脂肪酸デキストリン(レオパールシリーズとして千葉製粉社より入手可能);L−グルタミン酸誘導体(味の素ファインテクノ社より入手可能);脂肪酸アミド(FATTY AMIDシリーズ、花王社より入手可能);ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル(日清オイリオ社より入手可能(商品名:ノムコートHK−G));ホホバエステル(池田物産社より入手可能(商品名:Floraester70));特開2005−126507号公報や特開2005−255821号公報に記載のオイルゲル化剤、等が含まれる。
また、脂肪酸アミドのさらなる具体例には、FATTY AMID E:エルカ酸アミド、FATTY AMID T:オレイン酸アミド、FATTY AMID O−N:硬化牛脂酸アミド(いずれも花王社より入手可能)、ニッカアマイドAP1:ステアリン酸アミド(日本化成社より入手可能)、GP−1:N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド(味の素ファイテクノ社より入手可能)等が含まれる。
ワックスは、インクの全質量に対して0.1質量%以上5質量%以下含まれることが好ましく、0.1〜3質量%含まれることがより好ましい。ワックスの含有量が0.1質量%以上であると、画像内に凹凸が形成されやすくなり、硬化物がマット調になりやすくなる。また、ワックスの含有量が5質量%以下であれば、ワックスが蛍光増白剤と活性光線重合性化合物との相溶性等に影響を及ぼし難い。
5.その他の成分
本発明のインクには、上述した成分以外にも、色材、分散剤、重合禁止剤、および界面活性剤などを含むその他の成分がさらに含まれていてもよい。これらの成分は、インク中に、一種のみ含まれていてもよく、二種以上含まれていてもよい。
色材は、染料または顔料のいずれであってもよいが、耐候性の良好な画像を形成する観点からは、色材は顔料であることが好ましい。顔料は、形成すべき画像の色彩等に応じて、例えば、黄(イエロー)顔料、赤またはマゼンタ顔料、青またはシアン顔料および黒顔料から選択することができる。
インクが色材を含む場合、その含有量(総量)は、インクの全質量に対して0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.4質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
分散剤の例には、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルとの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルとの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、およびステアリルアミンアセテート等が含まれる。
分散剤の含有量は、たとえば、顔料の全質量に対して20質量%以上70質量%以下とすることができる。
重合禁止剤の例には、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p−メトキシフェノール、t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1−ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p−ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5−ジ−t−ブチル−p−ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ−p−ニトロフェニルメチル、N−(3−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o−イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、およびシクロヘキサノンオキシム等が含まれる。
界面活性剤の例には、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、および脂肪酸塩類等を含むアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、およびポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等を含むノニオン性界面活性剤;アルキルアミン塩類、および第四級アンモニウム塩類等を含むカチオン性界面活性剤;ならびにシリコーン系やフッ素系の界面活性剤;が含まれる。
シリコーン系の界面活性剤の市販品の例には、KF−351A、KF−352A、KF−642およびX−22−4272、信越化学工業製、BYK307、BYK345、BYK347およびBYK348、ビッグケミー製(「BYK」は同社の登録商標)、ならびにTSF4452、東芝シリコーン社製が含まれる。
界面活性剤の含有量は、インクの全質量に対して、0.001質量%以上1.0質量%未満であることが好ましい。
6.活性光線硬化型インクジェットインクの物性
本発明のインクは、インクジェットヘッドからの吐出性をより高める観点からは、塗布時のインクジェットヘッドの温度における粘度が3mPa・s以上20mPa・s以下であることが好ましい。例えば、インクジェットヘッドの温度は、インクがワックスを含まない場合には50℃程度、インクがワックスを含む場合には80℃程度とすることができる。
インクジェットヘッドからの吐出性をより高める観点からは、インクが顔料を含有するときの顔料粒子の平均粒子径は0.08μm以上0.5μm以下であることが好ましく、最大粒子径は0.3μm以上10μm以下であることが好ましい。本明細書における顔料粒子の平均粒子径とは、データサイザーナノZSP、Malvern社製を使用して動的光散乱法によって求めた値を意味する。なお、色材を含むインクは濃度が高く、この測定機器では光が透過しないので、インクを200倍で希釈してから測定する。測定温度は常温(25℃)とする。
7.活性光線硬化型インクジェットインクの調製方法
本発明のインクは、前述の活性光線重合性化合物および蛍光増白剤と、必要に応じて重合開始剤やワックス、任意のその他の成分とを、加熱しながら混合することにより調製することができる。この際、得られた混合液を所定のフィルターで濾過することが好ましい。また、顔料および分散剤を含有するインクを調製するときは、顔料および分散剤が活性光線重合性化合物等に分散された顔料分散液をあらかじめ調製しておき、これに残りの成分を添加して加熱しながら混合してもよい。
顔料および分散剤の分散は、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、およびペイントシェーカーにより行うことができる。
8.活性光線硬化型インクジェットインクの用途
本発明のインクは、前述のように、マット調の画像を形成することができる。したがって、各種パッケージ等の印刷や、種々の印刷に適用することができる。
インクの使用方法としては、インクジェットヘッドのノズルからインクの液滴を吐出し、記録媒体に着弾させた後、活性光線を照射してインク液滴を硬化させる。
インクジェットヘッドは、オンデマンド方式およびコンティニュアス方式のいずれであってもよい。オンデマンド方式のインクジェットヘッドの例には、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型およびシェアードウォール型を含む電気−機械変換方式、ならびにサーマルインクジェット型およびバブルジェット(登録商標)型を含む電気−熱変換方式等が含まれる。また、インクジェットヘッドは、スキャン式およびライン式のいずれであってもよい。
ここで、インクの吐出安定性は、インクジェットヘッドから加熱したインクを吐出することで高めることができる。インクジェットヘッドから吐出する際のインクの温度は、35℃以上100℃以下であることが好ましく、吐出安定性をより高めるためには、35℃以上80℃以下であることがより好ましい。
なお、インク液滴を着弾させる記録媒体の温度は特に制限されないが、蛍光増白剤の結晶化を促進したり、インクがワックスを含む場合には、ワックスを固化させる等の観点からワックスの融点以下とすることが好ましく、40℃以下であることがより好ましく、35℃以下であることがさらに好ましい。
インクの吐出時の液滴量は、記録速度及び画質の面から、2pL以上50pL以下であることが好ましい。
また、インクを着弾させる記録媒体は、特に制限されない。記録媒体の例には、アート紙、コート紙、軽量コート紙、微塗工紙キャスト紙、および段ボールを含む塗工紙ならびに非塗工紙を含む吸収性の媒体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブタジエンテレフタレートを含むプラスチックで構成される非吸収性の記録媒体(プラスチック基材)、ならびに金属類およびガラス等の非吸収性の無機記録媒体が含まれる。
一方、インク液滴に照射する活性光線は、活性光線重合性化合物の種類によって適宜選択され、紫外線や電子線等とすることができる。
活性光線が紫外線である場合、光源の例には、蛍光管(低圧水銀ランプ、殺菌灯)、冷陰極管、紫外レーザー、数100Pa〜1MPaまでの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプおよびLED等が含まれる。インクを効率よく硬化させる観点から、照度100mW/cm以上の紫外線を照射することが可能な光源;具体的には、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプおよびLED等が好ましく、消費電力が少ないとの観点から、LEDがより好ましい。具体的には、PhoseonTechnology社製395nm、水冷LEDを用いることができる。
また、活性光線が紫外線である場合、その照射時の光量は、200mJ/cm以上1000mJ/cmであることが好ましい。上記光量が200mJ/cm以上であると、活性光線重合性化合物を十分に重合させて、硬化物の硬度を十分に高めることができる。一方、光量が過剰であると、記録媒体に影響を及ぼしたりすることがあるが、上記光量が1000mJ/cm以下であれば、このような不具合が生じ難い。当該観点から、照射する活性光線の光量は300mJ/cm以上800mJ/cm以下であることがより好ましく、350mJ/cm以上500mJ/cm以下であることがさらに好ましい。
一方、活性光線が電子線である場合、電子線の照射装置の例には、スキャニング方式、カーテンビーム方式、ブロードビーム方式等の電子線照射装置が含まれるが、処理能力の観点から、カーテンビーム方式の電子線照射装置であることが好ましい。電子線照射装置の例には、日新ハイボルテージ(株)製の「キュアトロンEBC−200−20−30」、AIT(株)製の「Min−EB」等が含まれる。
活性光線が電子線である場合、電子線照射の加速電圧は、十分な硬化を行うためには、30〜250kVとすることが好ましく、30〜100kVとすることがより好ましい。加速電圧が100〜250kVである場合、電子線照射量は30〜100kGyであることが好ましく、30〜60kGyであることがより好ましい。
ここで、記録媒体に着弾させたインクに、活性光線を照射するタイミングは特に制限されないが、通常、記録媒体にインクが着弾後0.001秒以上2.0秒以下の間に活性光線を照射することが好ましく、高精細な画像を形成する観点から、0.001秒以上1.0秒以下の間に照射することがより好ましい。
なお、硬化後の総インク膜厚は、2〜25μmであることが好ましい。「総インク膜厚」とは、記録媒体に描画されたインク膜厚の最大値である。
以下において、本発明の具体的な実施例を説明する。なお、これらの実施例によって、本発明の範囲は限定して解釈されない。
1.活性光線硬化型インクジェットインクの調製
1−1.材料
活性光線硬化型インクジェットインクの調製には、以下の材料を用いた。
[活性光線重合性化合物]
(ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー)
・ポリエステル系ウレタンアクリレートオリゴマー(UV−3520TL、日本合成化学工業社製、重量平均分子量:14000、不飽和炭素−炭素二重結合数:2)
・ポリエーテル系ウレタンアクリレートオリゴマー(UV−6640B、日本合成化学工業社製、重量平均分子量:5000、不飽和炭素−炭素二重結合数:2)
・ポリカーボネート系ウレタンアクリレートオリゴマー(UV−3210EA、日本合成化学工業社製、重量平均分子量:9000、不飽和炭素−炭素二重結合数:2)
・ポリエステル系ウレタンアクリレートオリゴマー(UV−3000B、日本合成化学工業社製、重量平均分子量:18000、不飽和炭素−炭素二重結合数:2)
・ウレタンアクリレートオリゴマー(UV−2750B、日本合成化学工業社製、重量平均分子量:3000、不飽和炭素−炭素二重結合数:2〜3)
(ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー)
・ポリエステルアクリレートオリゴマー(CN2373、SARTMER社製、不飽和炭素−炭素二重結合数:2)
・ポリエステルアクリレートオリゴマー(Etercure6361−100、ETERNAL CHEMICAL社製、不飽和炭素−炭素二重結合数:8)
・アミン変性ポリエステルアクリレートオリゴマー(CN550、SARTMER社製、不飽和炭素−炭素二重結合数:4)
(その他の活性光線重合性化合物)
・フェノキシエチルアクリレート(ビスコート#192、大阪有機化学工業社製)
・アクリロイルモルホリン(ACMO、KJケミカルズ社製)
・トリプロピレングリコールジアクリレート(M220、東亜合成社製)
・トリメチロールプロパントリアクリレート(A−TMPT、新中村化学社製)
[蛍光増白剤]
・下記式で表される、1,4−ビス(2−ベンゾオキサゾリル)ナフタレン(FLUORESCENT BRIGHTENER KCB、Xcolor Pigment社製)
Figure 2018178020
・下記式で表される2,5−ビス(5−tert−ブチル−2−ベンゾオキサゾリル)チオフェン(FLUORESCENT BRIGHTENER OB、Xcolor Pigment社製)
Figure 2018178020
・下記式で表される4,4’−ビス(2−ベンゾオキサゾリル)スチルベン(FLUORESCENT BRIGHTENER OB−1、Xcolor Pigment社製)
Figure 2018178020
・下記式で表される1,2−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)エテン(FLUORESCENT BRIGHTENER PF、Xcolor Pigment社製)
Figure 2018178020
・下記式で表される7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン(Hakkol P、昭和化学工業社製)
Figure 2018178020
[重合開始剤]
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(IRGACURE 819、BASF社製)
・2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(IRGACURE 369、BASF社製)
[ワックス]
・ラウリル酸アミド(ダイヤミッドY、日本化成社製)
[その他]
(重合禁止剤)
・4,4’−[(1,10−ジオキソ−1,10−デカンジイル)ビス(オキシ)]ビス[2,2,6,6−テトラメチル]−1−ピペリジジニルオキシ(Irgastab UV−10、BASF社製)
(界面活性剤)
・ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(BYK307、ビックケミージャパン社製)
(顔料分散剤)
・EFKA4130(BASF社製)
(顔料)
・Pigment Blue 15:4(大日精化社製)
1−2.シアン顔料分散液の調製
以下の手順で、シアン顔料分散液を調製した。顔料分散剤であるEFKA4130(BASF社製)9質量部、および活性光線重合性化合物であるトリプロピレングリコールジアクリレート(M220、東亜合成社製)71質量部をステンレスビーカーに入れ、これを65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱攪拌した。混合液を室温まで冷却し、さらに、顔料であるPigmentBlue15:4(大日精化社製)を20質量部加えた。当該溶液を、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れて密栓し、ペイントシェーカーにて5時間分散処理した。その後、ジルコニアビーズを除去して、シアン顔料分散液を得た。
1−3.活性光線硬化型インクジェットインクの調製
下記の表1に記載の組成にしたがい、各成分と上記顔料分散液とを混合して、50℃(ただし、実施例10および11は80℃)に加熱して攪拌した。その後、当該混合液を加熱しながら、ADVANTEC社製テフロン(登録商標)3μmメンブランフィルターで濾過を行い、インク試料を得た。なお、表の成分量は質量%である。
2.画像形成
[画像形成方法]
表1に記載の各活性光線硬化型インクジェットインクを用いて、OKトップコート(米坪量128g/m、王子製紙社製)に5cm×5cmのベタ画像を次の手順で形成した。ライン型インクジェット記録装置の吐出用記録ヘッドは、コニカミノルタ社製KM512LH(ノズル数512ノズル、ノズルピッチ360npi)のピエゾヘッドを用いた。インクジェットヘッドの温度は50℃(ただし、実施例10および11のみ、80℃)に設定し、吐出条件は、1滴の液滴量が42plとなる条件360dpi×360dpiの解像度にて、記録速度500mm/sの条件下1パスで記録した。
画像を形成した後、記録装置の下流部に配置したLEDランプ(Phoseon Technology社製、395nm、水冷LED)で、画像に紫外線を照射してインクを硬化した。このとき、積算光量として500mJ/cmの紫外線を照射した。
[評価方法]
得られた画像について以下の手法で光沢を評価した。また、活性光線硬化型インクジェットインクの長期安定性および吐出安定性を以下の手法で評価した。
(画像の光沢性)
日本電色工業社製の光沢計PG−IIを用いて、ベタ画像の60°光沢値を測定した。得られた光沢値について、以下の基準に従って評価した。
◎: 光沢値が20未満(マット)であり、面内における光沢ムラも見られない
○: 面内において光沢ムラが一部視認されるが、光沢値は20未満である
△: 光沢値が20以上50未満である
×: 光沢値が50以上である
なお、△以上を合格とした。
(活性光線硬化型インクジェットインクの長期安定性)
各活性光線硬化型インクジェットインクを70℃で、1ヵ月間保存した。その後、ADVANTEC社製テフロン(登録商標)3μmメンブランフィルターで濾過を行い、以下の基準に従って評価した。
○: 500mLのインクを濾過しても濾過圧の上昇がみとめられない
△: 500mLのインクを濾過した際に、前半に比べ後半で濾過圧の上昇がみとめられる
×: 500mLのインクを濾過することができない
なお、△以上を合格とした。
(吐出安定性)
各活性光線硬化型インクジェットインクのインクジェットノズルからの吐出安定性を、得られた画像のベタ部の状態から評価した。具体的には、以下の基準に従って目視で評価した。
○: ノズル欠や曲がりといった吐出不具合による白抜けが全く見られない
△: ノズル欠や曲がりといった吐出不具合による白抜けが1〜4か所で認められる
×: ノズル欠や曲がりといった吐出不具合による白抜けが5か所以上で認められる
なお、△以上を合格とした。
Figure 2018178020
表1に示すように、不飽和炭素−炭素二重結合を2つ以上有する重量平均分子量(Mw)5000〜15000のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、および/またはアミン構造を有さず、不飽和炭素−炭素二重結合を1つ以上有するポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーを含む活性光線重合性化合物と、ベンゾオキサゾール系の蛍光増白剤とを含む活性光線硬化型インクジェットインクによれば、マット調の画像を有する印刷物が得られた。さらに、当該活性光線硬化型インクジェットインクの長期保存性および吐出安定性が良好であった(実施例1〜11)。これらの活性光線硬化型インクジェットインクでは、インクの硬化時に蛍光増白剤が析出することで、マット調になったと推察される。またさらに、これらの活性光線硬化型インクジェットインクでは、上記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーやポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーと蛍光増白剤との親和性が良好であり、長期保存安定性や吐出安定性が良好になったと推察される。また特に脂環構造または複素環構造を有するモノマー(ACMO)を含む場合には、長期保存性が良好になりやすかった(実施例3〜7、および9〜11等)。ただし、蛍光増白剤の量が多くなると、長期保存性や吐出安定性が若干低下する傾向にあった(実施例8)。
これに対し、蛍光増白剤を含まない場合には、画像をマット調にすることができなかった(比較例1)。さらに、上記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーおよびポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーの両方を含まない場合には、長期保存性および吐出安定性の両方が低下した(比較例2)。さらにこの場合、ノズル詰まりが生じ、所望の画像が得られなかった。一方、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの重量平均分子量が大きすぎる場合には、吐出安定性が低下し、重量平均分子量が小さすぎる場合には長期保存性が低下した(比較例3および4)。また、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーがアミン構造を有する場合にも、吐出安定性が低下した(比較例5および6)。また、クマリン系の蛍光増白剤を含む場合には、画像に所望の質感が得られず、さらに長期保存性も低下した(比較例6)。
本発明に係る活性光線硬化型インクジェットインクによれば、マット調の画像を作製可能である。また、活性光線硬化型インクジェットインクの長期保存性が高く、さらにインクジェットノズルからの吐出安定性も優れている。したがって、本発明に係る活性光線硬化型インクジェットインクは、例えばパッケージ印刷等、種々の画像形成に適用可能である。

Claims (4)

  1. 不飽和炭素−炭素二重結合を2つ以上有し、重量平均分子量が5000〜15000であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、および/またはアミン構造を有さないポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーを含む活性光線重合性化合物と、
    ベンゾオキサゾール系の蛍光増白剤と、
    を含有する、活性光線硬化型インクジェットインク。
  2. 前記蛍光増白剤が、下記一般式(1)で表される構造を有する、
    請求項1に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
    Figure 2018178020
    (上記一般式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アミノ基から選ばれる置換基を表し(ただし、R〜Rから選ばれる2以上の基が結合して環を形成してもよい)、Aは、下記式(2)〜(4)で表されるいずれかの連結基を表す)
    Figure 2018178020
  3. 前記活性光線重合性化合物が、脂環構造、または複素環構造を有するモノマーをさらに含む、
    請求項1または2に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  4. ワックスをさらに含む、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
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