JP7183569B2 - 非水系インクジェットインキ組成物 - Google Patents
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Description
前記有機溶剤(A)は、アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a)を1種以上と、アルキレングリコールモノアルキルエーテルモノアセテート系溶剤とを含有し、
前記アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a)が、3-メトキシブタノールを含有し、
前記アルキレングリコールモノアルキルエーテルモノアセテート系溶剤が、3-メトキシブチルアセテートを含有し、
前記アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a)の全含有量が、有機溶剤(A)全量中35質量%以上、70質量%以下であり、
前記3-メトキシブタノールの含有量が、前記非水系インクジェットインキ組成物全量中20質量%以上、60質量%以下であり、
前記表面調製用添加剤(B)は、3-メトキシブタノールに表面調製用添加剤を0.5質量%添加したときの25℃における表面張力が、未添加の3-メトキシブタノールに比べ6.0mN/m以上低下する、シリコン系および/またはシリコンアクリル系の界面活性剤を含有することを特徴とする非水系インクジェットインキ組成物に関する。
前記シロキサン変性アクリル樹脂が、アクリル樹脂とシロキサン系化合物とのグラフト共重合物であることを特徴とする上記非水系インクジェットインキ組成物に関する。
本発明では有機溶剤(A)として、下記一般式1で表されるアルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a)を1種以上含有することにより、印刷時の乾燥速度を向上させ、さらに連続印刷安定性やデキャップ性の観点で優れた印刷性能を発揮することを可能としている。
R1-(O-R2)n-OH [一般式1]
(R1は炭素数1~6のアルキル基であり、直鎖状であっても分岐状であってもよく、炭素数1または2であることが好ましい。
R2は炭素数2~6のアルキレン基であり、直鎖状であっても分岐状であってもよく、炭素数2~5であることがより好ましく、炭素数3または4であることがさらに好ましい。
nは1~4の整数を示し、1または2であることがより好ましい。)
また、インキの乾燥性の点から、1気圧の沸点165℃以下であるアルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a’)を、アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a)全量中50質量%以上含有することがより好ましい。
1気圧の沸点165℃以下であるアルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a’)としては、1-メトキシ-2-プロパノール(沸点121℃)、3-メトキシブタノール(沸点158℃)が好ましく、バインダー樹脂溶解性の点から3-メトキシブタノールがより好ましい。
R3-(O-R4)m-OR5 [一般式2]
(R3およびR5は、それぞれ独立に、炭素数1~4のアルキル基であり、直鎖状であっても分岐状であってもよく、炭素数1または2であることが好ましい。
R4は炭素数2~4のアルキレン基であり、直鎖状であっても分岐状であってもよく、炭素数2または3であることがより好ましい。
mは1~4の整数を示し、1または2であることがより好ましい。)
これらのうち1種もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。中でもインキの保存安定性、乾燥性の点からジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルを含むことが好ましい。
R6-CO-(O-R7)l-OR8 [一般式3]
(R6は炭素数1~6のアルキル基であり、直鎖状であっても分岐状であってもよく、炭素数1または2であることが好ましい。
R8は炭素数1~6のアルキル基であり、直鎖状であっても分岐状であってもよく、炭素数1~4であることが好ましい。
R7は炭素数2~6のアルキレン基であり、直鎖状であっても分岐状であってもよく、炭素数2~4であることが好ましい。
lは1~6の整数を示し、1~4であることが好ましく、1または2であることがより好ましい)
これらのうち1種もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。中でも、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メトキシブチルアセテートを含むことが、インキの保存安定性、乾燥性、塗膜耐性の点から特に好ましい。
具体的には、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、N,N-ジメチル-β-ブトキシプロピオンアミド、N,N-ジブチル-β-ブトキシプロピオンアミド、3-メチル-2-オキサゾリジノン、2-ピロリドン(γ-ブチロラクタム)、1-メチル-2-ピロリドン、ε-カプロラクタム、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン、プロピレンカーボネートなどが挙げられる。基材へのインキの浸透性の点から、3-メチル-2-オキサゾリジノン、2-ピロリドン(γ-ブチロラクタム)、ε-カプロラクトンがより好ましい。また、インキの保存安定性の観点からは3-メチル-2-オキサゾリジノン(沸点266℃)が好ましい。
アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a)は、非水系インクジェットインキ組成物で一般的に使用される溶剤よりも表面張力が比較的高く、高画質を得ることが困難である。本発明では、表面調整用添加剤(B)として、3-メトキシブタノールに表面調整用添加剤を0.5質量%添加したときの25℃における表面張力が、未添加の3-メトキシブタノールに比べ6.0mN/m以上低下する特徴を持つ添加剤を含有することで、アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤の表面張力を低下させ、印字率や基材の浸透性に関わらず高画質を実現することができた。
シリコン系の表面調整用添加剤としては、例えば、ポリジメチルシロキサンのメチル基の一部に有機基を導入した変性ポリシロキサン化合物であることが好ましい。変性の例として、ポリエーテル変性、メチルスチレン変性、アルコール変性、アルキル変性、アラルキル変性、脂肪酸エステル変性、エポキシ変性、アミン変性、アミノ変性、メルカプト変性などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらの変性の方法は組み合わせて用いることができる。
中でもポリエーテル変性ポリシロキサン化合物、アラルキル変性ポリシロキサン化合物が耐擦性等の点で好ましい。
シリコンアクリル系の表面調整用添加剤としては、例えば、アクリル樹脂と、シロキサン系化合物とのグラフト共重合物である、シロキサン変性アクリル樹脂であることが好ましい。
アラルキル変性ポリシロキサン化合物の例としては、例えば、ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYK-322、323、信越化学工業(株)社製のKF-410、東レダウコーニング(株)製のSM 7001EX、SM 7002EX等が挙げられる。
シリコンアクリル系の表面調整用添加剤として、例えば、信越化学工業株式会社製のKP541、KP543、KP545、ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYK-3550、BYK-SILCLEAN3700、楠本化成株式会社製のLHP-810等が挙げられる。
本発明の非水系インクジェットインキ組成物に使用される着色剤として、無機顔料、有機顔料及び染料等を用いることが出来る。これら着色剤は、印刷用途及び塗料用途のインキに一般的に使用される着色剤であってよく、発色性及び耐光性等の必要となる用途に応じて適切な着色剤を選択することができる。これら着色剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いても良い。
本発明の一実施形態として顔料を含むインキを構成する場合、顔料の分散性及びインキの保存安定性を向上させるために、顔料分散剤を使用することが好ましい。顔料分散剤としては、従来既知の化合物を使用することできるが、吐出特性、インキの保存安定性の点から、塩基性官能基を有する樹脂型分散剤を使用することが好ましい。
Mw/Mnが2以下であることにより、顔料の分散粒径のばらつきの少ない顔料分散体を得ることができ、顔料分散体の低粘度化と保存安定性の両立が可能となる。
「酸価」とは、分散剤固形分1gあたりの酸価を表し、JIS K 0070に準じ、電位差滴定法によって求めることが出来る。「アミン価」とは、分散剤固形分1gあたりのアミン価を表し、0.1Nの塩酸水溶液を用い、電位差滴定法によって求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した値をいう。
本発明に使用されるバインダー樹脂としては、インキ塗膜の耐擦過性、耐アルコール性、延伸性、光沢性、基材汎用性などの機能を発揮するものを使用できる。例えば、アクリル系樹脂、スチレン-アクリル系樹脂、スチレン-マレイン酸系樹脂、塩酢ビ系樹脂、塩ビ系樹脂、ロジン変性樹脂、エチレン-酢ビ系樹脂、テルペン系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等一般的に使用される樹脂が使用できる。これらバインダー樹脂を単独で使用しても、2種類上を混合しても良い。
ウイルバー・エリス社製のパラロイド(登録商標)シリーズのアクリル系樹脂として、A-11、A-12、A-14、A-21、B-38、B-60、B-64、B-66、B-72、B-82、B-44、B-48N、B-67、B-99N、DM-55;
BASF社製のJONCRYL(登録商標)シリーズのスチレン-アクリル系樹脂として、JONCRYL67、678、586、611、680、682、683、690、819、JDX-C3000、JDXC3080;
日信化学工業製のソルバイン(登録商標)シリーズの塩酢ビ系樹脂として、ソルバインCL、CNL、C5R、TA3、TA5R(懸濁重合品)、 ワッカー社製のVINNOL(登録商標)シリーズの塩酢ビ系樹脂として、VINNOL E15/45、E15/45M、E15/40M、E15/48A(乳化重合法品)、H15/50、H15/42、H14/36、E18/38、H40/43、H11/59、H15/45M(懸濁重合法品);
荒川化学社製のロジンエステル系樹脂として、スーパーエステル75、エステルガムHP、マルキッド33;
安原ケミカル社製のテルペンフェノール系樹脂として、YSポリスター T80;
サートマー社製のスチレン-マレイン酸系樹脂として、SMA2625P等が挙げられる。
塩化ビニルと酢酸ビニルの質量比として95:5~70:30が好ましく、90:10~80:20がより好ましい。
本発明で用いられる記録媒体については特に限定はないが、軟質塩化ビニル、硬質塩化ビニル、ポリスチレン、発泡スチロール、PMMA、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、PET、ポリカーボネート等のプラスチック基材やこれらの混合品または変性品、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、段ボール等の紙基材、ガラス、ステンレス、アルミ等の金属基材等が挙げられる。中でも、価格、加工性の点からは、軟質塩化ビニルシート、硬質塩化ビニルシート、段ボールが好ましく用いられ、特に高画質で印刷できる点からは、非浸透性基材であるガラス、ステンレス、アルミが好ましく用いられる。
本発明のインキは公知の方法によって製造することができるが、具体的には、以下のように行われる。まず始めに、単一もしくは混合有機溶剤、顔料、配合する場合にはバインダー樹脂、分散剤等を混合した後、ペイントシェーカー、サンドミル、ロールミル、メディアレス分散機等によって顔料を分散することで顔料分散体を調整し、得られた顔料分散体に、所望のインキ特性を有するように、有機溶剤の残部、バインダー樹脂の残部、その他添加剤(たとえば表面調整剤)を添加することで得られる。
本発明のインキは、インクジェットプリントヘッドからの吐出性、着弾後のドット形成の信頼性とのバランスの観点から、25℃における表面張力は20~50mN/mであることが好ましく、21~40mN/mであることがより好ましく、22~30mN/mであることがさらに好ましい。同様の観点から、25℃における粘度は、2~20mPa・sが好ましく、3~15mPa・sがより好ましく、5~12mPa・sであることがさらに好ましい。
なお、表面張力の測定は、協和界面科学社製 自動表面張力計CBVP-Zを用いて、25℃の環境下で白金プレートをインキで濡らしたときの表面張力を確認することにより測定することができる。粘度の測定は、東機産業社製 TVE25L型粘度計を用いて、25℃の環境下で、50rpm時の粘度を読み取ることにより測定することができる。
3-メトキシブタノールに固形分0.5質量%となるように各種添加剤を加え、よく混合した後に表面張力を測定した。測定は、協和界面科学株式会社製 自動表面張力計 CBVP-Zを用いて、25℃環境下で、白金プレート使用したプレート法にて行った。また、同様にジエチレングリコールジエチルエーテル、3-メトキシブチルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートについても測定した。各種添加剤を加えた時の表面張力測定結果、および添加剤を加えていない溶剤の表面張力との差(Δ)について、表1に記載した。
顔料としてピグメントブルー15:4を20部、顔料分散剤としてソルスパース32000を10部、ジエチレングリコールジエチルエーテル70部を混合し、ディスパーで予備分散した後、直径0.5mmのジルコニアビーズ1800gを充填した容積0.6Lのダイノーミルを用いて2時間本分散を行い、顔料分散液I(Cyan)を得た。ピグメントブルー15:4をピグメントレッド122に変更し、同様の操作にて顔料分散液I(Magenta)を得た。ピグメントブルー15:4をピグメントイエロー150に変更し、同様の操作にて顔料分散液I(Yellow)を得た。ピグメントブルー15:4をピグメントブラック7に変更し、同様の操作にて顔料分散液I(Black)を得た。
顔料としてピグメントブルー15:4を20部、顔料分散剤としてソルスパース32000を10部、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート70部を混合し、ディスパーで予備分散した後、直径0.5mmのジルコニアビーズ1800gを充填した容積0.6Lのダイノーミルを用いて2時間本分散を行い、顔料分散液II(Cyan)を得た。ピグメントブルー15:4をピグメントレッド122に変更し、同様の操作にて顔料分散液II(Magenta)を得た。ピグメントブルー15:4をピグメントイエロー150に変更し、同様の操作にて顔料分散液II(Yellow)を得た。ピグメントブルー15:4をピグメントブラック7に変更し、同様の操作にて顔料分散液II(Black)を得た。
顔料としてピグメントブルー15:4を20部、顔料分散剤としてソルスパース32000を10部、3-メトキシブタノール70部を混合し、ディスパーで予備分散した後、直径0.5mmのジルコニアビーズ1800gを充填した容積0.6Lのダイノーミルを用いて2時間本分散を行い、顔料分散液III(Cyan)を得た。ピグメントブルー15:4をピグメントレッド122に変更し、同様の操作にて顔料分散液III(Magenta)を得た。ピグメントブルー15:4をピグメントイエロー150に変更し、同様の操作にて顔料分散液III(Yellow)を得た。ピグメントブルー15:4をピグメントブラック7に変更し、同様の操作にて顔料分散液III(Black)を得た。
顔料分散液I(Cyan)を20部、バインダー樹脂としてダイヤナールBR-113を3.9部、表面調製用添加剤(B)としてBYK-3550を0.1部、3-メトキシブタノール50部、3-メトキシブチルアセテート26部をディスパーで撹拌を行いながら順次投入し、十分に均一になるまで攪拌した。その後、メンブランフィルターで濾過を行い、ヘッドつまりの原因となる粗大粒子を除去し本発明のインクジェット用シアンインキを作成した。同様にして、顔料分散液I(Magenta、Yellow、Black)を用いてマゼンタインキ、イエローインキ、ブラックインキを作成した。作成したインクジェット用インキを、1組のインキセットとしてVJ-628(武藤工業株式会社製インクジェットプリンタ)に充填し、ポリ塩化ビニルシートを印刷媒体として25℃環境下で印刷評価を行った。
実施例1の有機溶剤(A)ならびに表面調製用添加剤(B)を表2~5の組成に替えて、実施例1と同様の操作にて、インキセットを作製した。
顔料分散液II(Cyan)を20部、バインダー樹脂としてダイヤナールBR-113を3.9部、表面調製用添加剤(B)としてBYK-3550を0.1部、3-メトキシブタノール50部、3-メトキシブチルアセテート26部をディスパーで撹拌を行いながら順次投入し、十分に均一になるまで攪拌した。その後、メンブランフィルターで濾過を行い、ヘッドつまりの原因となる粗大粒子を除去し本発明のインクジェット用シアンインキを作成した。同様にして、顔料分散液II(Magenta、Yellow、Black)を用いてマゼンタインキ、イエローインキ、ブラックインキを作成した。作成したインクジェット用インキを、1組のインキセットとしてVJ-628(武藤工業株式会社製インクジェットプリンタ)に充填し、ポリ塩化ビニルシートを印刷媒体として25℃環境下で印刷評価を行った。
実施例23の有機溶剤(A)ならびに表面調製用添加剤(B)を表4、5の組成に替えて、実施例23と同様の操作にて、インキセットを作製した。
顔料分散液III(Cyan)を20部、バインダー樹脂としてダイヤナールBR-113を3.9部、表面調製用添加剤(B)としてBYK-3550を0.1部、3-メトキシブタノール26部、イプシロン-カプロラクトン10部、L-乳酸エチル40部をディスパーで撹拌を行いながら順次投入し、十分に均一になるまで攪拌した。その後、メンブランフィルターで濾過を行い、ヘッドつまりの原因となる粗大粒子を除去し本発明のインクジェット用シアンインキを作成した。同様にして、顔料分散液III(Magenta、Yellow、Black)を用いてマゼンタインキ、イエローインキ、ブラックインキを作成した。作成したインクジェット用インキを、1組のインキセットとしてVJ-628(武藤工業株式会社製インクジェットプリンタ)に充填し、ポリ塩化ビニルシートを印刷媒体として25℃環境下で印刷評価を行った。
実施例30の有機溶剤(A)ならびに表面調製用添加剤(B)を表4の組成に替えて、実施例30と同様の操作にて、インキセットを作製した。
作成したインキの粘度をE型粘度計(東機産業社製TVE-20L)を用いて、25℃回転数50rpmの条件で測定した。このインキを70℃の恒温機に保存し、経時前後でのインキの粘度変化を評価した。評価基準は下記のとおりであり、3以上を良好とした。
5:10週間保存後の粘度変化率が±10%未満
4:8週間保存後の粘度変化率が±10%未満
3:6週間保存後の粘度変化率が±10%未満
2:4週間保存後の粘度変化率が±10%未満
1:4週間保存後の粘度変化率が±10%以上
上記プリンタにてインキ各色印字率100%のベタ画像(幅1m×長さ10m)を印字し、印字後に発生したノズル抜けの程度を確認した。評価基準は下記のとおりであり、3以上を良好とした。
5:ノズル抜けなし
4:ノズル抜け2%未満
3:ノズル抜け5%未満
2:ノズル抜け10%未満
1:ノズル抜け10%以上
上記プリンタのヘッドに評価インキを充填し、初期でノズル抜けがないことを印字、確認したのち、一定時間放置し、再度印字した。このときノズル抜けが発生するか否かを確認した。評価基準は下記のとおりであり、3以上を良好とした。
5:1週間放置後もノズル抜けしない
4:1日放置後もノズル抜けしない
3:3時間放置後もノズル抜けしない
2:1時間放置後もノズル抜けしない
1:1時間放置でノズル抜けが発生する
上記プリンタにてインキ各色について印字率100%のベタ画像(各縦15cm×横3cm)を印字し、24時間室温で乾燥させた印刷物を学振型摩擦堅牢度試験機(テスター産業製 AB-301)により、摩擦子として金巾3号を用いて耐擦性評価を行った。荷重、往復回数を変え試験を行い、印字面の剥がれを評価した。評価基準は下記のとおりであり、3以上を良好とした。
5:1kg荷重、50往復で印字面が剥がれない
4:500g荷重、100往復で印字面が剥がれない
3:500g荷重、50往復で印字面が剥がれない
2:200g荷重、100往復で印字面が剥がれない
1:200g荷重、100往復で印字面が剥がれる
上記プリンタにてインキ各色について低印字率(10~40%)の均一ベタ画像(各縦1.5cm×横1.5cm)を印字し、印字後に目視にて低印字部の粒状感の有無を観察した。粒状感とは、ドットが融着することで下地が目立ち、画質が荒く見える現象である。印字率が低いほど粒状感が目立ちやすい。評価基準は下記のとおりであり、3以上を良好とした。
5:印字率10%にて粒状感なし
4:印字率20%にて粒状感なし
3・印字率30%にて粒状感なし
2:印字率40%にて粒状感なし
1:印字率40%にて粒状感あり
上記プリンタにてインキ各色について高印字率(100~200%)の均一ベタ画像(各縦1.5cm×横1.5cm)を印字し、印字後に目視にて高印字部のインキ濃度の不均一化の有無を観察した。インキ濃度不均一化とは、画像印字物の各部位の色濃度について、一定濃度で印字されている中央部位と比較した際に、画像の端部位から中央部位にかけて、濃度が低い部位と高い部位が表れ、中央部位が近づくにつれて濃度が一定化する現象である。濃度不均一化は印字率が高いほど発生しやすい。評価基準は下記のとおりであり、3以上を良好とした。
なお、印字率100%は各単色の100%ベタ画像、印字率120%はシアン、マぜンタ、イエローのうち2色の各60%重ね画像、印字率160%はシアン、マぜンタ、イエローのうち2色の各80%重ね画像、印字率200%はシアン、マゼンタ、イエローのうち2色の各100%重ね画像について評価した。
5:印字率200%にてインキ濃度の不均一化なし
4:印字率160%にてインキ濃度の不均一化なし
3:印字率120%にてインキ濃度の不均一化なし
2:印字率100%にてインキ濃度の不均一化なし
1:印字率100%にてインキ濃度の不均一化あり
上記プリンタの基材をポリ塩化ビニルシートからガラス板に変更し、印字率を変えながら(100~200%)ベタ画像の印刷を行った。非浸透性基材においては印字率が高いほど、乾燥が遅くなり、にじみが発生しやすくなる。目視にてにじみがみられない状態を作画可能と判断した。評価基準は下記のとおりであり、3以上を良好とした。
5:印字率200%にて作画可能
4:印字率160%にて作画可能
3:印字率120%にて作画可能
2:印字率100%にて作画可能
1:印字率100%にて作画不可能
・樹脂(「ダイヤナールBR-113」三菱ケミカル社製アクリル樹脂、重量平均分子量30,000、ガラス転移点75℃、酸価3.5)
・BYK-3550(商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製、シリコン変性アクリル)
・BYK-SILCLEAN3700(商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製、水酸基含有シリコン変性アクリル)
・LHP―810(商品名、楠本化成株式会社製、アクリルシリコーン系重合物)
・KP541(商品名、信越化学工業株式会社製、(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー)
・BYK-322(商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサン)
・BYK-331(商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)
・BYK-333(商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)
・BYK-361N(商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製、アクリル系共重合物)
・MP(3-メトキシプロパノール、沸点121℃)
・MB(3-メトキシブタノール、沸点158℃)
・MMB(3-メトキシメチルブタノール、沸点174℃)
・DPM(ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、沸点188℃)
・DPDM(ジプロピレングリコールジメチルエーテル、沸点171℃)
・MEDG(ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、沸点176℃)
・DEDG(ジエチレングリコールジエチルエーテル、沸点189℃)
・MBA(3-メトキシブチルアセテート、沸点171℃)
・BGAc(エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、沸点192℃)
・ECL(イプシロン-カプロラクトン、沸点253℃)
・DAA(ジアセトンアルコール、沸点166℃)
・乳酸エチル(L-乳酸エチル、沸点154℃)
Claims (6)
- 少なくとも、着色剤と、有機溶剤(A)と、バインダー樹脂と、表面調整用添加剤(B)とを含有する非水系インクジェットインキ組成物であって、
前記有機溶剤(A)は、アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a)を1種以上と、アルキレングリコールモノアルキルエーテルモノアセテート系溶剤とを含有し、
前記アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a)が、3-メトキシブタノールを含有し、
前記アルキレングリコールモノアルキルエーテルモノアセテート系溶剤が、3-メトキシブチルアセテートを含有し、
前記アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a)の全含有量が、有機溶剤(A)全量中35質量%以上、70質量%以下であり、
前記3-メトキシブタノールの含有量が、前記非水系インクジェットインキ組成物全量中20質量%以上、60質量%以下であり、
前記表面調製用添加剤(B)は、3-メトキシブタノールに表面調製用添加剤を0.5質量%添加したときの25℃における表面張力が、未添加の3-メトキシブタノールに比べ6.0mN/m以上低下する、シリコン系および/またはシリコンアクリル系の界面活性剤を含有することを特徴とする非水系インクジェットインキ組成物。 - 前記アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a)が、1気圧での沸点が165℃以下であるアルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a’)を、アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a)全量中、50質量%以上含有することを特徴とする請求項1記載の非水系インクジェットインキ組成物。
- 前記表面調製用添加剤(B)が、シロキサン変性アクリル樹脂であって、
前記シロキサン変性アクリル樹脂が、アクリル樹脂とシロキサン系化合物とのグラフト共重合物であることを特徴とする請求項1または2記載の非水系インクジェットインキ組成物。 - 前記有機溶剤(A)が、有機溶剤(A)のみを1気圧50℃の環境下で200分静置したとき、静置前後における質量減少率が50質量%以上であることを特徴とする請求項1~3いずれか記載の非水系インクジェットインキ組成物。
- 非浸透性基材への印刷用であることを特徴とする請求項1~4いずれか記載の非水系インクジェットインキ組成物。
- 基材に、請求項1~5いずれか記載の非水系インクジェットインキ組成物を印刷したことを特徴とする印刷物。
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