JP2020193285A - 非水系インクジェットインキ組成物 - Google Patents

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篤美 白井
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Abstract

【課題】本発明は、優れた印刷性能を有し、光輝性が高く、かつ高発色の印刷物を得ることが可能な、主に非浸透性基材への印刷に適した非水系インクジェットインキ組成物に関する。【解決手段】少なくとも有機溶剤(A)と金属顔料(B)を含有する非水系インクジェットインキ組成物であって、前記有機溶剤(A)は、1気圧50℃の環境下で200分静置したときの質量減少率が、有機溶剤(A)全量に対して50〜80質量%であり、前記金属顔料(B)は、金属元素として、Al、In、Sn、Cu、Si、および、Agからなる群から選択される少なくとも1種を含有し、平均粒子径(D50)が0.1〜2μm、平均厚み(t)が1〜50nmであり、インキ組成物全量中に0.1〜5質量%含有することを特徴とする非水系インクジェットインキ組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、優れた印刷性能を有し、光輝性が高く、かつ高発色の印刷物を得ることが可能な、主に非浸透性基材への印刷に適した非水系インクジェットインキ組成物に関する。
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録部材に直接吐出し、付着させて文字や画像を得る記録方式である。この方式によれば、使用する装置の騒音が小さく、操作性がよいという利点を有するのみならず、カラー化が容易であり、かつ記録部材として普通紙を使用することができるという利点があるため、オフィスや家庭のみならず産業用途においてもデジタル印刷の出力機として利用されている。
また、産業用途においては、非水性(溶剤型、UV型)インクジェット用インキを搭載したPVC、PETなどの非浸透プラスチック基材に対して印刷が可能な印刷機が実際に市販され、屋内外の広告用途をはじめ様々な用途で用いられている。
一方で、インクジェット記録方式を用いた高精細な加飾を目的とする需要が高まっており、加飾の一つとして光輝性に着目したインクジェット印刷物に関する検討が盛んになされている。光輝性印刷物の作製は、従来用いられてきた金属箔を使った箔押し印刷、熱転写方式などが挙げられるが、これらは金属箔のロスが多く、コストがかかることが難点である。インクジェット記録方式を用いた光輝性印刷物の作製はコスト削減のためにも有用であり、非常に多くの注目を集めている。
例えば、溶剤としてアルキレングリコールエーテルおよびラクトンを含有し、特定の形状と制御された粒子径を有する金属顔料を用いることで高い金属光沢を有する画像形成が可能なインキ組成物が知られている(特許文献1参照)。しかしながら、含有されるラクトンとして挙げられているγ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンは、沸点が高く、乾燥が遅いという特徴を有している。このため、インキを揮発乾燥させることによって画像を形成する際に、乾燥遅延由来のドットにじみが発生し、画質と輝度が低下するという問題点がある。
また、特許文献2において、光輝性インキとカラーインキをともに用いた加飾印刷物の作製が可能なインキセットが開示されている。しかしながら、各インキ組成物を同時に吐出して印刷を行う方法は、光輝性インキの層を乾燥固着した上にカラーインキを重ねる印刷方法と比較して、高光沢な印刷物を得ることが困難であった。これはカラーインキのドットと光輝性インキのドットが乾燥固着する前にドット同士がくっつき、にじみが発生してしまうことでカラーインキの発色の低下と光沢度の低下が起こるためである。
さらに、特許文献3において、引火点が70℃以下のグリコールジエーテルと、グリコールモノエーテルとを含有させることで、インキの乾燥性を適度に制御し、光輝性を向上させることが開示されている。しかしながら、グリコールジエーテルの引火点のみに着目した場合、インキに含まれる溶剤全体の乾燥性挙動のコントロールができず、光輝性顔料の対流配向と、インキ塗膜収縮による光輝性顔料の配向の制御が困難である。
特開2018−154840号公報 特開2018−109182号公報 特開2016−150984号公報
本発明は、優れた印刷性能を有し、光輝性が高く、かつ高発色の印刷物を得ることが可能な、主に非浸透性基材への印刷に適した非水系インクジェットインキ組成物に関する。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、以下に示す実施形態により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、少なくとも有機溶剤(A)と、金属顔料(B)とを含有する非水系インクジェットインキ組成物であって、
前記有機溶剤(A)は、1気圧50℃の環境下で200分静置したときの質量減少率が、有機溶剤(A)全量に対して50〜80質量%であり、
前記金属顔料(B)が、金属元素として、Al、In、Sn、Cu、Si、および、Agからなる群から選択される少なくとも1種を含有し、
前記金属顔料(B)は、平均粒子径(D50)が0.1〜2μmであり、かつ、平均厚み(t)が1〜50nmであり、
前記金属顔料(B)の含有量が、インキ組成物全量に対して0.1〜5質量%であることを特徴とする非水系インクジェットインキ組成物に関する。
さらに本発明は、前記有機溶剤(A)において、1気圧での沸点が195℃以上である有機溶剤の含有量が、インキ組成物全量に対して10質量%以下であることを特徴とする上記非水系インクジェットインキ組成物に関する。
さらに本発明は、前記有機溶剤(A)が、アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a)を1種以上含有し、
前記アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a)の全含有量が、有機溶剤(A)全量に対して35〜80質量%であることを特徴とする上記非水系インクジェットインキ組成物に関する。
さらに本発明は、前記アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a)が、1気圧での沸点が165℃以下であるアルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a’)を、アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a)全量に対して、50質量%以上含有することを特徴とする上記非水系インクジェットインキ組成物に関する。
さらに本発明は、 前記アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a’)が、3−メトキシブタノールを含有することを特徴とする上記非水系インクジェットインキ組成物に関する。
さらに本発明は、前記有機溶剤(A)が、さらにアルキレングリコールジアルキルエーテル系溶剤および/またはアルキレングリコールモノアルキルエーテルモノアセテート系溶剤を含有することを特徴とする上記非水系インクジェットインキ組成物に関する。
さらに本発明は、さらにバインダー樹脂(C)として、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、および、ケトン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種をインキ組成物全量に対して0.1〜5質量%含有し、
前記バインダー樹脂(C)の重量平均分子量(Mw)が1,500〜30,000であることを特徴とする上記非水系インクジェットインキ組成物に関する。
さらに本発明は、さらに表面調整用添加剤(D)を、インキ組成物全量に対して0.01〜1質量%含有し、
前記表面調整用添加剤(D)が、3−メトキシブタノールに表面調製用添加剤(D)を0.5質量%添加したときの25℃における表面張力が、未添加の3−メトキシブタノールに比べ5.0mN/m以上低下する添加剤であることを特徴とする上記非水系インクジェットインキ組成物に関する。
さらに本発明は、非浸透基材への印刷用であることを特徴とする上記非水系インクジェットインキ組成物に関する。
さらに本発明は、基材に、上記非水系インクジェットインキ組成物を印刷したことを特徴とする印刷物に関する。
本発明により、優れた印刷性能を有し、光輝性が高く、かつ高発色の印刷物を得ることが可能な、主に非浸透性基材への印刷に適した非水系インクジェットインキ組成物を提供することが可能となった。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の一例を説明するものである。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される変形例も含まれる。
本発明では、少なくとも有機溶剤(A)と金属顔料(B)を含有する非水系インクジェットインキ組成物であって、
前記有機溶剤(A)は、1気圧50℃の環境下で200分静置したときの質量減少率が、有機溶剤(A)全量に対して50〜80質量%であり、
前記金属顔料(B)が、金属元素として、Al、In、Sn、Cu、Si、および、Agからなる群から選択される少なくとも1種を含有し、前記金属顔料(B)の平均粒子径(D50)が0.1〜2μm、かつ、厚さ(t)が1〜50nmであり、前記金属顔料(B)の含有量がインキ組成物全量に対し0.1〜5質量%であることで、優れた印刷性能を有し、光輝性が高く、かつ高発色の印刷物を得ることが可能な、主に非浸透性基材への印刷に適した非水系インクジェットインキ組成物を提供することを可能としている。以下に本発明の主要となる各成分について述べる。
[有機溶剤(A)]
本発明では、インキ組成物中に含まれる有機溶剤(A)は、1気圧50℃の環境下で200分静置したとき、その質量減少率が有機溶剤(A)全量に対して50〜80質量%であることにより、印刷時の乾燥性が良好になり、光輝性の高い印刷物が得られることを見出した。
光輝性インキは、印刷時に後述する鱗片状の金属顔料同士が良好に配向し、均一で平滑な表面の塗膜を形成する。この表面が平滑であるほど、散乱光が少ない光輝性の高い印刷物を作製することが可能となる。
インクジェット方式の場合、インキがプリンタヘッドから吐出された瞬間には、インキ組成物中の金属顔料は無秩序に分散されている。インキが基材に着弾した後、鱗片状の金属顔料はインキドット内で起こる有機溶剤の対流に従って対流配向が進行し、お互いに平行状態で配列する。有機溶剤の揮発が進むと、対流運動が弱まり、インキドットは収縮し、塗膜を形成する。インキが乾燥収縮して塗膜を形成する際、金属顔料は収縮配向することで、より平滑に重なり合った表面を形成する。インキ組成物に含まれる有機溶剤の揮発速度を制御することによって、金属顔料の対流配向と、塗膜収縮配向の速度をコントロールすることが可能である。
インキ組成物中の有機溶剤の揮発速度が遅過ぎる場合、金属顔料の対流配向は十分に行われるが、塗膜収縮速度が遅くなり、平滑な塗膜表面の作製が困難となり、印刷物の光輝性が低下する。また、インキドットが乾燥する前に別のインキドットと混じりあうことによるにじみによって印刷物の画質悪化が発生する。
一方、インキ組成物中の有機溶剤の揮発速度が速過ぎる場合、金属顔料の対流配向が十分に行われないまま溶剤が揮発し、インキドットが乾燥固化してしまうため、塗膜表面の平滑性が失われ、光輝性が低下してしまう。また、プリンタヘッドのインキ吐出孔にてインキが乾燥し易く、吐出孔をインキ固化物が塞いでしまうため、インキ不吐出による印刷物の画質悪化が発生する。
有機溶剤(A)を1気圧50℃の環境下で200分静置したとき、その質量減少率が有機溶剤(A)全量に対して50質量%未満の場合、有機溶剤の揮発速度が遅過ぎ、80質量%を超える場合、有機溶剤の揮発速度が速過ぎるため、上記のとおり光輝性の低下と画質悪化が発生する。
インキ組成物中の有機溶剤の揮発速度としては有機溶剤(A)を1気圧50℃の環境下で200分静置したとき、その質量減少率が有機溶剤(A)全量に対して50〜80質量%のとき、印刷時の乾燥性が良好となり、光輝性が高く、かつ高画質の印刷物の作製が可能となる。
なお、有機溶剤の質量減少率は、以下の方法で求めた値である。
インキ組成物中の有機溶剤と同じ質量比率で、有機溶剤のみの混合溶剤を準備し、混合溶剤約2.0gを金属メンタム缶に入れて精密天秤で溶剤質量(W1)を計量する。次に50℃のホットプレート上に200分間静置し、200分後にホットプレートから降ろして常温に戻った後に残留溶剤質量(W2)を精密天秤にて計量する。そして、(W1−W2)/W1×100(%)の式にて質量減少率を算出する。
さらに本発明は、前記有機溶剤(A)における1気圧での沸点が195℃以上である有機溶剤の含有量が、インキ組成物全量に対して10質量%以下(0質量%でも良い)であるとき、印刷時の乾燥性の観点でより優れた印刷性能を発揮することが可能となる。有機溶剤(A)における1気圧での沸点が195℃以上である有機溶剤の含有量は、インキ組成物全量に対して5質量%以下(0質量%でも良い)であることが好ましく、実質的に含まないことが特に好ましい。
前記有機溶剤(A)が、1気圧での沸点が195℃以上である有機溶剤をインキ組成物全量に対して10質量%を超えて含むとき、インキ組成物中の沸点195℃以上の有機溶剤の揮発速度が遅いため、塗膜収縮速度が遅くなり、インキドットのにじみの発生や、塗膜表面が粗くなることから、印刷物の光輝性低下と画質悪化が発生する。
また、インキの塗膜形成の観点からは、前記有機溶剤(A)が、1気圧での沸点が190℃以上である有機溶剤を実質的に含まないことがさらに好ましい。
さらに本発明では、前記有機溶剤(A)として、一般式1で表されるアルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a)を1種以上含有し、前記アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a)の全含有量が、有機溶剤(A)全量中35〜80質量%であり、さらに前記アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a)が、1気圧での沸点が165℃以下であるアルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a’)を、アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a)全量中、50質量%以上含有するとき、印刷時の乾燥性の観点でさらに優れた印刷性能を発揮することができる。

R1−(O−R2)n−OH [一般式1]

(R1は炭素数1〜8のアルキル基であり、直鎖状であっても分岐状であってもよく、炭素数1または2であることが好ましい。
R2は炭素数2〜6のアルキレン基であり、直鎖状であっても分岐状であってもよく、炭素数2〜5であることがより好ましく、炭素数3または4であることがさらに好ましい。
nは1〜4の整数を示し、1または2であることがより好ましい。)
一般式1で表されるアルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a)としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(1−メトキシ−2−プロパノール)、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシブタノールなどが挙げられ、これらのうち1種もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。中でも連続印刷安定性の点、臭気の点、および乾燥性の点から1−メトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシブタノールから選ばれる1種以上を含むことが好ましく、中でも、バインダー樹脂の溶解性の点から、3−メトキシブタノールを含むことが特に好ましい。
アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a)の全含有量は、連続印字安定性、インキの乾燥性の点から、有機溶剤(A)全量中35〜80質量%が好ましく、40〜70質量%がより好ましい。
また、インキの乾燥性の点から、1気圧での沸点が165℃以下であるアルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a’)を、アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a)全量中50質量%以上含有することがより好ましい。
1気圧での沸点が165℃以下であるアルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a’)としては、1−メトキシ−2−プロパノール(沸点121℃)および/または3−メトキシブタノール(沸点158℃)を含むことが好ましく、バインダー樹脂の溶解性の点から3−メトキシブタノールを含むことがより好ましい。
さらに、前記有機溶剤(A)に、一般式2で表されるアルキレングリコールジアルキルエーテル系溶剤および/または一般式3で表されるアルキレングリコールモノアルキルエーテルモノアセテート系溶剤を含有させることにより、吐出時と乾燥時の表面張力をコントロールし、さらなる高画質化を実現することができる。

R3−(O−R4)m−OR5 [一般式2]

(R3およびR5は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基であり、直鎖状であっても分岐状であってもよく、炭素数1または2であることが好ましい。
R4は炭素数2〜4のアルキレン基であり、直鎖状であっても分岐状であってもよく、炭素数2または3であることがより好ましい。
mは1〜4の整数を示し、1または2であることがより好ましい。)
一般式2で表されるアルキレングリコールジアルキルエーテル系溶剤としては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールメチルブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
これらのうち1種もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。中でもインキの保存安定性、乾燥性の点からジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルから選ばれる1種以上を含むことが好ましい。

R6−CO−(O−R7)l−OR8 [一般式3]

(R6は炭素数1〜6のアルキル基であり、直鎖状であっても分岐状であってもよく、炭素数1または2であることが好ましい。
R8は炭素数1〜6のアルキル基であり、直鎖状であっても分岐状であってもよく、炭素数1〜4であることが好ましい。
R7は炭素数2〜6のアルキレン基であり、直鎖状であっても分岐状であってもよく、炭素数2〜4であることが好ましい。
lは1〜6の整数を示し、1〜4であることが好ましく、1または2であることがより好ましい。)
一般式3で表されるアルキレングリコールモノアルキルエーテルモノアセテート系溶剤としては、例えば、(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、(ポリ)プロレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、(ポリ)ブチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート等が挙げられる。具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネートなどが挙げられる。
これらのうち1種もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。中でも、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテートから選ばれる1種以上を含むことが、印刷時の乾燥性の観点から特に好ましい。
本発明ではインキの粘度や吐出性の調整を目的として、その他の有機溶剤も併用することが出来る。その他の有機溶剤としては、乳酸エステル、アルコキシアルキルアミド、アルカンジオール、環状エーテル、複素環系溶剤、および炭化水素系溶剤などが挙げられる。
具体的には、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミド、N,N−ジブチル−β−ブトキシプロピオンアミド、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−2−オキサゾリジノン、2−ピロリドン(γ−ブチロラクタム)、1−メチル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、プロピレンカーボネートなどが挙げられるが印刷時の乾燥性の観点から、その他の有機溶剤も1気圧での沸点が195℃未満であることが好ましい。
[金属顔料(B)]
本発明の非水系インクジェットインキ組成物に使用される金属顔料(B)は、金属元素として、Al、In、Sn、Cu、Si、および、Agからなる群から選択される少なくとも1種を含有する。これら金属顔料は、印刷用途及び塗料用途のインキに一般的に使用される金属顔料であってよく、発色性及び耐光性等の必要となる用途に応じて適切な金属顔料を選択することができる。これらの金属顔料は、含有する金属元素が、金属元素単体として含まれるものでも良いし、金属元素を含む合金及び混合物として含まれるものでも良い。また、これら金属顔料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いても良い。
光輝性発色の観点からは、金属元素として、Al、In、および、Agからなる群から選択される少なくとも1種を含む金属顔料が好ましく、コストの観点からは、金属元素として、Alを含む金属顔料がより好ましい。
本発明の金属顔料(B)は、鱗片状の平板粒子であり、金属蒸着膜を破砕して作製されたものであることがより好ましい。平均粒子径(D50)の算出には、日機装社製 レーザー回折式粒度分布測定器(Microtrac MT3300EXII、粒子透過性:反射、計算モード:MT3000II)を用いた。
一般に、平均粒子径(D50)が小さすぎる場合、均一な平滑塗膜が得られにくくなり、印刷物の光輝性は低下する。一方、平均粒子径(D50)が大きい金属顔料の方が印刷物の光輝性は高くなる傾向があるが、インクジェットインキとして使用する場合、金属顔料の粗大粒子がノズル詰まりの原因となり、プリンタヘッドからの吐出性が悪化する。本発明では、平均粒子径(D50)が0.1〜2μmの金属顔料(B)を使用し、前記の有機溶剤(A)と組み合わせることで、印刷物の光輝性とプリンタヘッドからの吐出性を両立したインキが得られる。さらに、印刷物の光輝性とプリンタヘッドからの連続吐出安定性の観点から、0.2〜1.5μmであることがより好ましく、0.3〜1.2μmがさらに好ましく、0.5〜1.0μmが最も好ましい。
金属顔料(B)の平均厚み(t)は、走査型電子顕微鏡によって測定した。具体的には、金属顔料(B)をアセトンと混合し、金属顔料(B)の希薄分散液を作製し、ガラスプレート上で自然乾燥させた。このガラスプレートを走査型電子顕微鏡で真横から観察し、金属顔料の厚みを測定した。無作為で30個の粒子の厚みを測定し、その平均値を金属顔料(B)の平均厚み(t)とした。
本発明では、平均厚み(t)が1〜50nmの金属顔料(B)を使用することで、光輝性の高い印刷物を得ることを可能とする。平均厚み(t)が50nmを超える場合、印刷物の表面が平滑になりにくく、金属顔料のエッジ部分の乱反射により光輝性が低下してしまう。一方、平均厚み(t)が1nm未満の場合には、金属顔料の隠蔽性が不十分となり、光が一部透過してしまうためにやはり光輝性が低下してしまう。金属顔料(B)の平均厚み(t)は、さらに、連続吐出安定性とコストの観点から、5〜40nmであることがより好ましく、10〜30nmであることがさらに好ましく、15〜25nmであることが最も好ましい。
本発明の金属顔料(B)の全含有量は、インキ組成物全量を基準として、印刷物の光輝性の観点から0.1〜5質量%であることが好ましく、0.2〜4質量%であることがより好ましく、0.3〜3質量%であることがさらに好ましく、0.4〜2質量%であることが最も好ましい。
本発明の非水系インクジェットインキ組成物には、前記金属顔料(B)のほかに、着色剤を含有することもできる。着色剤としては、インクジェットインキに一般に用いられる有彩色の各種有機顔料、またはカーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化ジルコニム、アルミナ等の無彩色の無機顔料などが使用できる。
本発明に好ましく用いられる顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーで例示すると、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、16、17、20、24、55、74、83、86、87、93、109、110、117、120、125、124、128、129、137、138、139、147、148、150、151、153、154、155、166、168、170、171、172、174、176、180、185、188、C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、64、C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123、146、149、150、168、177、180、185、192、202、206、207、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、245、269、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64、C.I.ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントブラウン23、25、26、C.I.ピグメントブラック1、6、7等が挙げられる。
これら着色剤の、インキ組成物中の含有量は、保存安定性、インクジェット粘度適性の点から、20質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましく、5質量%以下が最も好ましい。
着色剤として用いる顔料の平均粒子径は、50〜350nmの微細粒子であることが好ましい。顔料の平均粒子径が50nm以上では耐光性と着色力が得られ、350nm以下ではインキの安定性や吐出性が良好になる。前記顔料の平均粒子径は、例えば、インクジェットインキを酢酸エチルで200〜1000倍に希釈し、日機装社製 MICROTRAC UPA150で測定した際の、メジアン径である。
[顔料分散剤]
本発明の一実施形態として金属顔料(B)や着色剤の分散性及びインキの保存安定性を向上させるために、顔料分散剤を使用することが可能である。顔料分散剤としては、従来既知の化合物を使用することできるが、吐出特性、インキの保存安定性の点から、塩基性官能基を有する樹脂型分散剤を使用することが好ましい。
使用することのできる市販の顔料分散剤としては、ルーブリゾール社製のソルスパース32000、76400、76500、J200、及びJ180等;ビックケミー社製のDisperbyk−161、162、163、164、165、166、167、及び168等;味の素ファインテクノ社製のアジスパーPB821、PB822等が挙げられる。前記顔料分散剤の含有量は、インキ組成物全量を基準として10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは5質量%以下である。顔料分散体の含有量が10質量%以下であると、インキ塗膜の白化現象が抑制されるため好ましい。
顔料分散剤の重量平均分子量(以下Mw)は、5,000〜50,000が好ましく、10,000〜45,000がより好ましい。Mwが5,000以上であれば、インキに使用される有機溶剤中での顔料分散剤自体の安定性が良好のため、顔料分散体の安定性が向上する。50,000以下であると、バインダー樹脂との相溶性が良好となり、インキ塗膜の白化現象が抑制され、発色性が良好になる。
さらに、顔料分散剤は、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比、Mw/Mnが2以下であることが好ましく、1.8以下であることがより好ましい。
Mw/Mnが2以下であることにより、顔料の分散粒子径のばらつきの少ない顔料分散体を得ることができ、顔料分散体の低粘度化と保存安定性の両立が可能となる。
顔料分散剤の酸価(mgKOH/g)は5〜20が好ましく、5〜15がより好ましい。アミン価(mgKOH/g)は5〜50が好ましく、20〜50がより好ましく、25〜40がさらに好ましい。顔料分散剤の酸価、アミン価が上記の範囲内である場合、顔料分散工程において、顔料分散体の粘度がインクジェットインキに相応しい程度の低粘度になるまでの時間が短くなり、さらに、インキの保存安定性が良好になるため好ましい。
ここで、「Mw、Mn」は、一般的なゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPC)によりポリスチレン換算分子量として求めることができる。本発明においては、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8320GPC)で、展開溶媒にDMFを用いたときのポリスチレン換算分子量である。
「酸価」とは、分散剤固形分1gあたりの酸価を表し、JIS K 0070に準じ、電位差滴定法によって求めた値である。「アミン価」とは、分散剤固形分1gあたりのアミン価を表し、0.1Nの塩酸水溶液を用い、電位差滴定法によって求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した値である。
本発明の非水系インクジェットインキ組成物に、着色剤としての有機顔料または無機顔料を含有する場合には、顔料誘導体も使用することができる。顔料誘導体は、顔料と顔料分散剤との吸着性を更に向上させ、保存安定性を良化させる目的で使用される。顔料誘導体としては、有機顔料残基に、スルホン酸基またはカルボキシル基等の酸性基を有する化合物が好ましく使用される。
顔料誘導体の含有量は、着色剤として用いる顔料に対して0.1〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましい。ここで0.1質量%以上であると、安定性、発色性が良好になり、20質量%以下であるとインキの粘度が好適な範囲で仕上がり、保存安定性が良好となるため好ましい
[バインダー樹脂(C)]
本発明の非水系インクジェットインキ組成物は、例えばクリアニス等でオーバーコート層を設けることにより、光輝性に優れ、耐久性のある画像を得ることができるが、バインダー樹脂(C)を含有することで、オーバーコート層を設けなくても耐久性に優れる画像を得ることができる。
バインダー樹脂(C)としては、インキ塗膜の耐擦過性、基材汎用性などの観点から、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、および、ケトン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を使用することが好ましい。これらの樹脂を単独で使用しても、2種類上を混合して使用しても良い。
また、バインダー樹脂(C)の重量平均分子量(Mw)は1,500〜30,000であることが好ましい。Mwが1,500以上の場合、耐久性に優れたインキ塗膜を得ることができる。一方、Mwが30,000を超える場合、金属顔料(B)の対流配向を阻害し、印刷物の光輝性が低下してしまうため好ましくない。Mwは、1,800〜20,000がより好ましく、2,000〜18,000がさらに好ましい。
なお、バインダー樹脂(C)の重量平均分子量(Mw)は、前記顔料分散剤と同様の方法で測定した値である。
使用できるバインダー樹脂(C)の市販品の具体例としては、三菱ケミカル社製のダイヤナール(登録商標)BRシリーズのアクリル樹脂として、BR−50、BR−52、MB−2539、BR−60、BR−64、BR−73、BR−75、MB−2389、BR−80、BR−82、BR−83、BR−84、BR−85、BR−87、BR−88、BR−90、BR−95、BR−96、BR−100、BR−101、BR−102、BR−105、BR−106、BR−107、BR−108、BR−110、BR−113、MB−2660、MB−2952、MB−3012、MB−3015、MB−7033、BR−115、MB−2478、BR−116、BR−117、BR−118、BR−122、ER−502;
ウイルバー・エリス社製のパラロイド(登録商標)シリーズのアクリル樹脂として、A−11、A−12、A−14、A−21、B−38、B−60、B−64、B−66、B−72、B−82、B−44、B−48N、B−67、B−99N、DM−55;
BASF社製のJONCRYL(登録商標)シリーズのスチレン−アクリル樹脂として、JONCRYL67、678、586、611、680、682、683、690、819、JDX−C3000、JDXC3080;
三菱ケミカル社製のニチゴーポリエスター(TM)シリーズのポリエステル樹脂として、TP−217,TP−220,TP−235,TP−236,TP−249,TP−290,TP−294,LP−011,LP−033,LP−035,LP−050,TP−219,LP−022、LP−050S50TO,SNT,NP−110S50EO,NP−120S45EO;
EVONIC社製のTego(登録商標)シリーズのポリエステル樹脂として、AddBond LTH;
EVONIC社製のTego(登録商標)シリーズのケトン系樹脂として、VariPlus SK、VariPlus AP、VariPlus1201;
荒川化学工業社製のケトン系樹脂K−90;
等が挙げられる。
なお、上記にない樹脂であっても、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、および、ケトン系樹脂のいずれかであって、重量平均分子量(Mw)が1,500〜30,000以下の樹脂であればいずれも使用できる。
バインダー樹脂(C)は、インキ組成物全量中に5質量%以下含むことができる。5質量%を超えると、金属顔料(B)に対するバインダー樹脂(C)の比率が高く、金属顔料(B)の対流配向を阻害し、印刷物の光輝性が低下してしまう。インキ組成物全量中に0.1質量%以上含まれると、記録媒体である基材表面へのインキの密着性が向上することから、0.1〜5質量%含むことが好ましく、0.15〜4質量%がより好ましく、0.2〜3質量%がさらに好ましい。
インキ組成物にバインダー樹脂を含有する場合、バインダー樹脂の影響で印刷塗膜に凹凸が生じる場合がある。その場合、凹凸の影響によって金属顔料が平滑に配向することが妨げられ、乱反射が起こり、塗膜表面が白く見えてしまう(白化現象)。本発明におけるバインダー樹脂(C)は、前述のとおり、樹脂の種類や重量平均分子量(Mw)、および添加量を前記の範囲内にすることで、このような白化現象を防止できる。
[表面調整用添加剤(D)]
本発明の有機溶剤(A)として含有することが好ましいアルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a)は、非水系インクジェットインキ組成物で一般的に使用される有機溶剤よりも表面張力が比較的高いために、印字濃度の不均一化が起こりやすく、その影響で特に低印字部の光輝性が低下する場合があることから、表面調整用添加剤(D)を添加することが好ましい。
本発明における表面調整用添加剤(D)は、3−メトキシブタノールに表面調整用添加剤を0.5質量%添加したときの25℃における表面張力を、未添加の3−メトキシブタノールに比べ5.0mN/m以上低下させる添加剤であり、より好ましくは、未添加の3−メトキシブタノールに比べ6.0mN/m以上低下させる添加剤である。
これにより、アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a)を有機溶剤(A)に含有する場合でも表面張力が適度になることで、印刷時のドット形成をコントロールでき、低印字部の光輝性を高くすることが可能である。
表面調整用添加剤(D)としては、シリコン系、シリコンアクリル系、アクリル系、フッ素系、アセチレングリコール系等の界面活性剤が挙げられるが、前記の通り3−メトキシブタノールに対する表面張力低下能力が5.0mN/m以上ある添加剤であれば、いずれも使用できる。
中でもアルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a)に対する表面張力低下能力から、シリコン系、シリコンアクリル系、アクリル系の界面活性剤を含有することが特に好ましい。
シリコン系の界面活性剤としては、例えば、ポリジメチルシロキサンのメチル基の一部に有機基を導入した変性ポリシロキサン化合物が挙げられる。
変性の例としては、ポリエーテル変性、メチルスチレン変性、アルコール変性、アルキル変性、アラルキル変性、脂肪酸エステル変性、エポキシ変性、アミン変性、アミノ変性、メルカプト変性などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらの変性の方法は組み合わせて用いることができる。
中でもポリエーテル変性ポリシロキサン化合物、アラルキル変性ポリシロキサン化合物が耐擦性等の点で好ましい。
ポリエーテル変性ポリシロキサン化合物の具体例としては、信越化学工業株式会社製のKF−353A、KF−354L、KF6017、X−22−6551、AW−3、日信化学工業株式会社製のSAG001、SAG002、SAG003、SAG005、SAG503A、SAG008、SAG010、東レ・ダウコーニング株式会社製の8019ADDITIVE、8029ADDITIVE、8032ADDITIVE、8054ADDITIVE、8526ADDITIVE、8616ADDITIVE、57ADDITIVE、67ADDITIVE、L7001、L7002、L7604、FZ2105、FZ2110、FZ2123、FZ2191、ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYK−300、302、306、307、333、330、377、エボニックデグサ社製のTEGO Glide 100,110、130、406、410、415、420、432、435、440、450等が挙げられる。
アラルキル変性ポリシロキサン化合物の具体例としては、ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYK−322、323、信越化学工業(株)社製のKF−410、東レダウコーニング(株)製のSM 7001EX、SM 7002EX等が挙げられる。
シリコンアクリル系の界面活性剤としては、例えば、アクリル樹脂と、シロキサン系化合物とのグラフト共重合物である、シロキサン変性アクリル樹脂が挙げられる。
シリコンアクリル系の界面活性剤の具体例としては、信越化学工業株式会社製のKP541、KP543、KP545、ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYK−3550、BYK−SILCLEAN3700、楠本化成株式会社製のLHP−810等が挙げられる。
アクリル系の界面活性剤としてはアクリル樹脂が挙げられ、具体例としては、ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYK−3440等が挙げられる。
表面調整用添加剤(D)の含有量は、インキ組成物全量を基準として、1質量%以下であることが好ましく、0.01〜1質量%であることがより好ましく、0.02〜0.5質量%であることがさらに好ましく、0.03〜0.15質量%であることが最も好ましい。
表面調整用添加剤(D)の添加量が多すぎる場合、添加剤が印刷時の塗膜界面に配向しきれないため、印刷物のモットリングが悪化し、特に印字率が高い部位において光輝性の低下が起きる場合がある。
[記録媒体]
本発明で用いられる記録媒体については特に限定はないが、軟質塩化ビニル、硬質塩化ビニル、ポリスチレン、発泡スチロール、PMMA、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、PET、ポリカーボネート等のプラスチック基材やこれらの混合品または変性品、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、段ボール等の紙基材、ステンレス、アルミ等の金属基材、ガラス等が挙げられる。
中でも、価格、加工性の点からは、軟質塩化ビニルシート、硬質塩化ビニルシート、段ボールが好ましく用いられ、特徴的に高画質で印刷できる点からは、非浸透性基材であるガラス、ステンレス、アルミが好ましく用いられる。
本発明の非水系インクジェットインキ組成物は、前記記録媒体にインクジェット法で印刷することにより、優れた光輝性をもつ印刷物を得ることができる。
また、本発明の非水系インクジェットインキ組成物は乾燥性が好適なため、金属顔料を含まないカラーインキと同時にインクジェット法で吐出する印刷方法においても、にじみの発生が抑えられ、高発色で光輝性の高いカラー画像を得ることが可能である。
[インキの製造方法]
本発明の非水系インクジェットインキ組成物は公知の方法によって製造することができるが、具体例として、以下の方法を挙げることができる。
まず金属顔料(B)を得るには、金属層を真空蒸着法によりシート状の基材またはシート状基材面の剥離用樹脂層上に形成する。この場合、剥離用樹脂層と金属層とを交互に多数積層させ、多層構造としても良い。そして、その積層物から剥離用樹脂層を境界として金属層を剥離し、それを粉砕し、微細化することによっていわゆるPVD顔料としての金属顔料(B)を得る。
得られた金属顔料は、単一もしくは混合有機溶剤、配合する場合にはバインダー樹脂、分散剤等を混合した後、ペイントシェーカー、サンドミル、ロールミル、メディアレス分散機、ディズパー撹拌等によって金属顔料分散体を作製することが可能である。
さらに着色剤を用いる場合は、同様に顔料を分散することで顔料分散体を調整する。
得られた金属顔料分散体に、所望のインキ特性を有するように、有機溶剤の残部、バインダー樹脂の残部、その他添加剤(たとえば表面調整剤)を添加することで非水系インクジェットインキ組成物が製造できる。
[インクジェットインキの物性]
本発明の非水系インクジェットインキ組成物は、インクジェットプリントヘッドからの吐出性、着弾後のドット形成の信頼性とのバランスの観点から、25℃における表面張力は20〜50mN/mであることが好ましく、21〜40mN/mであることがより好ましく、22〜30mN/mであることがさらに好ましい。同様の観点から、25℃における粘度は、1〜15mPa・sが好ましく、1.5〜10mPa・sがより好ましく、2〜6mPa・sであることがさらに好ましい。
なお、表面張力は、協和界面科学社製 自動表面張力計CBVP−Zを用いて、25℃の環境下で白金プレートをインキで濡らしたときの表面張力を測定した値である。粘度は、東機産業社製 TVE25L型粘度計を用いて、25℃の環境下で、50rpm時の粘度を測定した値である。
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に特に限定されるものではない。尚、以下の記載において、「部」及び「%」とあるものは特に断らない限りそれぞれ「質量部」、「質量%」を表す。
(金属顔料の平均粒子径(D50)、平均厚み(t)の測定)
金属顔料の平均粒子径(D50)は、日機装社製 レーザー回折式粒度分布測定器(Microtrac MT3300EXII)、粒子透過性:反射、計算モード:MT3000IIを用いて測定した。
また平均厚み(t)は、日本電子(株)製走査型電子顕微鏡(JSM−6390LA)を用い、前述の方法によって算出した。
使用した金属顔料は表1のとおりである。
使用したバインダー樹脂は表2のとおりである。
(表面調整用添加剤の表面張力低下能力)
3−メトキシブタノールに固形分0.5質量%となるように各種添加剤を加え、よく混合した後に表面張力を測定した。測定は、協和界面科学株式会社製 自動表面張力計 CBVP−Zを用いて、25℃環境下で、白金プレート使用したプレート法にて行った。使用した各種添加剤、および各種添加剤を加えた時の表面張力測定結果と、添加剤を加えていない溶剤との表面張力との差(Δ)について、表3に記載した。
(カラーインキセットの作製例)
顔料としてピグメントブルー15:4を20部、顔料分散剤としてソルスパース32000を10部、有機溶剤としてジエチレングリコールジエチルエーテル70部を混合し、ディスパーで予備分散した後、直径0.5mmのジルコニアビーズ1800gを充填した容積0.6Lのダイノーミルを用いて2時間本分散を行い、顔料分散液(Cyan)を得た。
ピグメントブルー15:4をピグメントレッド122に変更し、同様の操作にて顔料分散液(Magenta)を得た。
ピグメントブルー15:4をピグメントイエロー150に変更し、同様の操作にて顔料分散液(Yellow)を得た。
顔料分散液(Cyan)を20部、バインダー樹脂としてR6(アクリル系、Mw:30,000)を3.9部、表面調整用添加剤としてS1を0.1部、有機溶剤として3−メトキシブタノール50部、3−メトキシブチルアセテート26部をディスパーで撹拌を行いながら順次投入し、十分に均一になるまで攪拌した。その後、メンブランフィルターで濾過を行い、ヘッドつまりの原因となる粗大粒子を除去し本発明のインクジェット用シアンインキを作成した。
同様にして、顔料分散液(Magenta、Yellow)を用いてマゼンタインキ、イエローインキを作製し、カラーインキセットとした。
(実施例1)
金属顔料(B)としてM1(D50:0.6μm、t:20nmのAl顔料)を1部と、有機溶剤(A)として1−メトキシ−2−プロパノールを25部、3−メトキシブタノールを50部、ジエチレングリコールジエチルエーテルを24部をディスパーで撹拌を行いながら順次投入し、十分に均一になるまで攪拌した。その後、メンブランフィルターで濾過を行い、ヘッドつまりの原因となる粗大粒子を除去し本発明のインクジェット用光輝性インキ1を作製した。
作製したインキをVJ−628(武藤工業株式会社製インクジェットプリンタ)に充填し、ポリ塩化ビニルシートを印刷媒体として25℃環境下で印刷試験を行い、連続吐出安定性と光輝性(印字率100%)の評価を行った。結果を表4に示す。
(有機溶剤(A)の乾燥性試験)
有機溶剤(A)の1気圧50℃での乾燥性は、以下の方法で測定した。
インキ組成物中の有機溶剤(A)と同じ質量比率で混合溶剤を準備し、混合溶剤約2.0gを金属メンタム缶に入れて精密天秤で溶剤質量(W1)を計量した。つぎに50℃のホットプレート上に200分間静置し、200分後にホットプレートから降ろして常温に戻った後に残留溶剤質量(W2)を計量した。(W1−W2)/W1×100(%)の式にて質量減少率を算出した。
(連続吐出安定性評価)
上記プリンタにて光輝性インキ単色の印字率100%のベタ画像(幅1m×長さ10m)を印字し、印字後に発生したノズル抜けの程度を確認した。評価基準は下記のとおりであり、3以上を良好とした。
5:ノズル抜けなし
4:ノズル抜け2%未満
3:ノズル抜け5%未満
2:ノズル抜け10%未満
1:ノズル抜け10%以上
(光輝性評価)
上記プリンタにて光輝性インキ単色の印字率100%のベタ画像(各縦15cm×横3cm)を印字し、24時間室温で乾燥させた印刷物を光沢度計(BYK−Gardner社製 マイクロ−トリ−グロス)を用いて20°光沢値を測定することで光輝性の評価を行った。評価基準は下記のとおりであり、3以上を良好とした。
5:光沢値350以上
4:光沢値300以上、350未満
3:光沢値250以上、300未満
2:光沢値200以上、250未満
1:光沢値200未満
(実施例2〜実施例9、比較例1〜比較例5)
実施例1の有機溶剤(A)、金属顔料(B)を表4に記載の組成に替えて実施例1と同様の操作にて、光輝性インキ2〜9、比較用光輝性インキ1〜5を作製し、実施例1と同様の印刷評価を行った。結果を表4に示す。
(実施例10)
金属顔料(B)としてM1(D50:0.6μm、t:20nmのAl顔料)を1部と、バインダー樹脂(C)としてR1(Mw:18,000)を0.9部、表面調整用添加剤(B)としてS1を0.1部、1−メトキシ−2−プロパノールを25部、3−メトキシブタノールを50部、ジエチレングリコールジエチルエーテルを23部、をディスパーで撹拌を行いながら順次投入し、十分に均一になるまで攪拌した。その後、メンブランフィルターで濾過を行い、ヘッドつまりの原因となる粗大粒子を除去し本発明のインクジェット用光輝性インキを作製した。
作製したインキをVJ−628(武藤工業株式会社製インクジェットプリンタ)に充填し、ポリ塩化ビニルシートを印刷媒体として25℃環境下で印刷試験を行い、連続吐出安定性、光輝性(印字率100%、印字率20%)、白化性の評価を行った。
また、作製した光輝性インキと、シアン、マゼンタ、イエローのカラーインキセットをVJ−628(武藤工業株式会社製インクジェットプリンタ)に充填し、ポリ塩化ビニルシートを印刷媒体として25℃環境下で光輝性インキとカラーインキを同時吐出しての印刷試験を行い、カラーインキ発色性の評価を行った。
以上の結果を表5に示す。
(連続吐出安定性評価)
実施例1と同様に評価した。
(印字率100%での光輝性評価)
実施例1と同様に評価した。
(印字率20%での光輝性評価)
上記プリンタにて光輝性インキ単色の印字率20%のベタ画像(各縦3cm×横3cm)を印字し、24時間室温で乾燥させた印刷物を光沢度計(BYK−Gardner社製 マイクロ−トリ−グロス)を用いて20°光沢値を測定した。評価基準は下記のとおりであり、3以上を良好とした。
5:光沢値150以上
4:光沢値120以上、150未満
3:光沢値100以上、120未満
2:光沢値80以上、100未満
1:光沢値80未満
(白化性評価)
上記プリンタにて光輝性インキ単色の印字率100%のベタ画像(各縦15cm×横3cm)を印字し、24時間室温で乾燥させた印刷物を目視にて、鏡面映り込みがあるか、白く変色して鏡面映り込みがないか判定した。評価基準は下記のとおりであり、△以上を良好とした。
〇:全体的にはっきりとした輪郭の映り込みが見える
△:映り込みは見られるが輪郭がぼやけている
×:全体的に表面が白く濁っており、映り込みが見られない
(カラーインキ発色性評価)
光輝性インキとカラーインキ(シアン、マゼンタ、イエロー)セットを同時に上記プリンタにセットし、
I.光輝性インキ印字率30%とカラーインキ(各単色)印字率30%のかけあわせ画像
II.カラーインキ(各単色)の印字率30%のベタ画像(各縦3cm×横3cm)
を印字した。Iは、光輝性インキとカラーインキを同時に吐出して画像を形成した。印刷後、24時間室温で乾燥させた印刷物について、分光測色計(X―Rite社製 eXact)を用いて彩度を測定した。3色のカラーインキについて測色した後、最も彩度の変化率が大きい色味について評価を行った。評価基準は下記のとおりであり、3以上を良好とした。
5:Iの彩度が、IIの彩度に対して変化率10%以内
4:Iの彩度が、IIの彩度に対して変化率20%以内
3:Iの彩度が、IIの彩度に対して変化率30%以内
2:Iの彩度が、IIの彩度に対して変化率40%以内
1:Iの彩度が、IIの彩度に対して変化率40%超
(実施例11〜実施例23、比較例6〜比較例11)
実施例10に替えて有機溶剤(A)、金属顔料(B)、バインダー樹脂(C)、表面調整用添加剤(D)を表5に記載の組成にして、実施例10と同様の操作にて、光輝性インキを作製し、実施例10と同様の印刷評価を行った。結果を表5に示す。
(実施例24〜実施例31)
実施例10に替えて有機溶剤(A)、金属顔料(B)、バインダー樹脂(C)、表面調整用添加剤(D)を表6に記載の組成にして、実施例10と同様の操作にて、光輝性インキを作製した。
作製したインキをVJ−628(武藤工業株式会社製インクジェットプリンタ)に充填し、ポリ塩化ビニルシートを印刷媒体として25℃環境下で印刷試験を行い、連続吐出安定性、光輝性(印字率100%、印字率20%)、白化性の評価を行った(それぞれの評価方法は、実施例10と同様である)。結果を表6に示す。
(実施例32〜実施例41)
実施例10に替えて有機溶剤(A)、金属顔料(B)、バインダー樹脂(C)、表面調整用添加剤(D)を表7に記載の組成にして、実施例10と同様の操作にて、光輝性インキを作製した。
作製したインキをVJ−628(武藤工業株式会社製インクジェットプリンタ)に充填し、ポリ塩化ビニルシートを印刷媒体として25℃環境下で印刷試験を行い、連続吐出安定性、光輝性(印字率100%、印字率20%)、白化性の評価を行った(それぞれの評価方法は、実施例10と同様である)。結果を表7に示す。
なお、表3〜7中で使用した成分は以下の通りである。
(有機溶剤)
・MP(1−メトキシ−2−プロパノール、沸点121℃)
・MB(3−メトキシブタノール、沸点158℃)
・MMB(3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、沸点174℃)
・DPM(ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、沸点188℃)
・DMDG(ジエチレングリコールジメチルエーテル、沸点162℃)
・MEDG(ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、沸点176℃)
・DEDG(ジエチレングリコールジエチルエーテル、沸点189℃)
・DMTeG(テトラエチレングリコールジメチルエーテル、沸点275℃)
・MBA(3−メトキシブチルアセテート、沸点171℃)
・BGAc(エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、沸点192℃)
・EDGAc(ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、沸点218℃)
・GBL(ガンマ−ブチロラクトン、沸点204℃)
・乳酸エチル(L−乳酸エチル、沸点154℃)
(表面調整用添加剤)
・BYK−3550(商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製、シリコン変性アクリル)
・LHP―810(商品名、楠本化成株式会社製、アクリルシリコーン系重合物)
・KP541(商品名、信越化学工業株式会社製、(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー)
・BYK−322(商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサン)
・BYK−331(商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)
・BYK−333(商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)
・BYK−361N(商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製、アクリル系共重合物)
・BYK−3440(商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製、アクリル系共重合物)
表4、5の結果から、有機溶剤(A)質量減少率が、有機溶剤(A)全量に対して50〜80質量%であり、金属顔料(B)が、Al、In、Sn、Cu、Si、および、Agからなる群から選択される少なくとも1種を含有し、平均粒子径(D50)が0.1〜2μm、平均厚み(t)が1〜50nmであり、インキ組成物全量中に0.1〜5質量%含有することにより、連続吐出安定性、光輝性、カラーインキ発色性について高い水準で満たしている。
さらに、表6の結果から、バインダー樹脂(C)として、重量平均分子量Mwが30,000以下であるアクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、および、ケトン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種をインキ全量中に0.1〜5質量%含有することにより、白化せずに光沢度の高いインキが得られている。
また、表7の結果から、3−メトキシブタノールに添加することで表面張力を未添加の3−メトキシブタノールより5.0mN/m以上低下させる表面調整用添加剤(D)を含有することにより、低印字率での光輝性がより向上している。

Claims (10)

  1. 少なくとも有機溶剤(A)と、金属顔料(B)とを含有する非水系インクジェットインキ組成物であって、
    前記有機溶剤(A)は、1気圧50℃の環境下で200分静置したときの質量減少率が、有機溶剤(A)全量に対して50〜80質量%であり、
    前記金属顔料(B)が、金属元素として、Al、In、Sn、Cu、Si、および、Agからなる群から選択される少なくとも1種を含有し、
    前記金属顔料(B)は、平均粒子径(D50)が0.1〜2μmであり、かつ、平均厚み(t)が1〜50nmであり、
    前記金属顔料(B)の含有量が、インキ組成物全量に対して0.1〜5質量%であることを特徴とする非水系インクジェットインキ組成物。
  2. 前記有機溶剤(A)において、1気圧での沸点が195℃以上である有機溶剤の含有量が、インキ組成物全量に対して10質量%以下であることを特徴とする請求項1記載の非水系インクジェットインキ組成物。
  3. 前記有機溶剤(A)が、アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a)を1種以上含有し、
    前記アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a)の全含有量が、有機溶剤(A)全量に対して35〜80質量%であることを特徴とする請求項1または2記載の非水系インクジェットインキ組成物。
  4. 前記アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a)が、1気圧での沸点が165℃以下であるアルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a’)を、アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a)全量に対して、50質量%以上含有することを特徴とする請求項3記載の非水系インクジェットインキ組成物。
  5. 前記アルキレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤(a’)が、3−メトキシブタノールを含有することを特徴とする請求項4記載の非水系インクジェットインキ組成物。
  6. 前記有機溶剤(A)が、さらにアルキレングリコールジアルキルエーテル系溶剤および/またはアルキレングリコールモノアルキルエーテルモノアセテート系溶剤を含有することを特徴とする請求項4または5記載の非水系インクジェットインキ組成物。
  7. さらにバインダー樹脂(C)として、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、および、ケトン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種をインキ組成物全量に対して0.1〜5質量%含有し、
    前記バインダー樹脂(C)の重量平均分子量(Mw)が1,500〜30,000であることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の非水系インクジェットインキ組成物。
  8. さらに表面調整用添加剤(D)を、インキ組成物全量に対して0.01〜1質量%含有し、
    前記表面調整用添加剤(D)が、3−メトキシブタノールに表面調製用添加剤(D)を0.5質量%添加したときの25℃における表面張力が、未添加の3−メトキシブタノールに比べ5.0mN/m以上低下する添加剤であることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の非水系インクジェットインキ組成物。
  9. 非浸透基材への印刷用であることを特徴とする請求項1〜8いずれか記載の非水系インクジェットインキ組成物。
  10. 基材に、請求項1〜9いずれか記載の非水系インクジェットインキ組成物を印刷したことを特徴とする印刷物。
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