JP2012040742A - インクジェット用インクおよびこれを用いたマーキング方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】このインクジェット用インクは、少なくとも、色材、樹脂、および溶剤を含んで成り、発泡ポリスチレン成型体の表面にマーキングされる非水性のインクジェット用インクであって、溶剤の主成分が、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルおよび/またはジエチレングリコールジアルキルエーテルであることを特徴とするものである。また、本発明に係る発泡ポリスチレン成型体表面へのマーキングシステム1は、ドロップ・オン・デマンド方式のインクジェットプリンタのプリントヘッド19のノズル孔20から、前記のインクジェット用インクを吐出して発泡ポリスチレン成型体8の表面にマーキングすることを特徴とするものである。
【選択図】図1
Description
一方、一般的に浸透性の材料を被印刷対象とする、ドロップ・オン・デマンド(以下、必要以外はDODと略称する)方式のインクジェットプリンタは、多数のノズル数を並べて用いるため、印刷する幅(高さ)が広いプリンタとして使用でき、大きな文字やデザインや内容物の図の表示も可能となる。しかしながら、ノズル孔数が多くなると、すべてのノズル孔から常にインクが吐出されるものでないため、吐出時間間隔が長かったノズルにおいては、ノズル孔表面でのインクの乾燥が生じやすい。そこで、このプリンタに使用するインクとしては、乾燥の遅い溶剤を使用するのが一般的である。
そして、スクリーン印刷用インクによる印刷物のような高い印字濃度を出すことは容易ではない。このような高い印字濃度を得るためには、溶剤と発泡ポリスチレン成型体との適度な溶解性と、印刷後のインクドットの適度な広がりとをバランスよく併有させなければならない。
[色材]:
本発明に用いる色材としては、染料および顔料のいずれを用いることも可能である。本発明に用いる染料としては油溶性の染料が好ましく、後で詳述する溶剤への溶解性が良好なものが特に好ましい。
「油溶性染料」;
本発明にて油溶性の染料としては、カラーインデックスナンバーで、ソルベントエロー2、14、16,19,21,34,48,56,79,93,95,98,133,137,147、ソルベントオレンジ 5,6,45,60,63、ソルベントレッド1,3,7,8,9,18,23,24,27,49,100,111,122、125,130,132,135,195,202,212、ソルベントブルー2,3,4、5,7,18,25,26,35,36,37,38,43,44,45,48,51,58,59,59:1,63,64、67,68,69、70,78,7983,94,97,98,99,100,101,102,104,105,111,112,122,124,128,129,132,136,137,138,139,143、ソルベントグリーン5,7,14,15,20,35,66,122,125,131、ソルベントブラック 1,3,6,27,28,29、ソルベントヴァイオレット13、ソルベントブラウン1,53等が挙げられ、これらを単独ないし2種以上混合して用いることができる。
これらの染料は、染料の持つ色価によって適正な使用量が変わるが、発泡ポリスチレン成型体の表面での高い視認性を得るためには、インク全体の3〜15重量%が用いられる。これらの染料がインク全体の3重量%よりも少ないと、視認性の効果が得られにくい。逆に、インク全体の15重量%よりも多いと、染料の析出が生じやすくなり、プリンタでの吐出の安定性が保てなくなる。
「顔料」;
本発明に用いる顔料としては、有機顔料、無機顔料を問わず、印刷および塗料としての技術分野で一般に使用されているものを使用できる。
例えば、無機顔料としては、酸化チタン、ベンガラ、コバルトブルー、群青、紺青、カーボンブラック、カオリン、シリカ等を例示できる。
また、有機顔料としては、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、縮合多環顔料、銅フタロシアニン顔料などが例示できる。これらの顔料は単独で用いてもよいし、適宜組み合わせて使用できる。また、これらの顔料は、前述した染料と組み合わせて用いることも可能である。
また、インクジェット用インクに適正に分散させる観点から、顔料の粒子径は、微細なものが好ましい。この微細化については、公知の種々の技術を利用することができる。かかる粒子径としては、平均粒子径で0.01〜1μm程度であれば良いが、沈降等を避けるために0.3μm以下が好ましい。また、これらの顔料は、インク全量に対して0.1〜20重量%の範囲で含有されることが好ましい。
本発明にて、顔料の良好な分散を得るための顔料分散剤として、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエステルポリアミン、ステアリルアミンアセテート等を使用できる。本発明においては、エステル構造の分散剤を用いることが、経時におけるインクの安定性および間欠吐出時の吐出性能の安定性からいっそう好ましい。
本発明のインクジェット用インクに用いる溶剤としては、前記の染料を良く溶解させるものが好ましい。また、顔料の分散を良好とするものが好ましい。
しかしながら、本発明のインクは、発泡ポリスチレン成型対へのマーキングを行うものであるため、発泡ポリスチレン成型体の表面における適度な乾燥性と浸透性、並びに発泡ポリスチレン成型体に対する微量の溶解性および非溶解性を必要とする。また、発泡ポリスチレン成型体に対する溶解性がポリスチレン発泡部を極端に溶解するものであれば、著しい凹みを発泡ポリスチレン成型体に生じさせるため、適切な溶解性の調整を必要とする。また、DOD式のプリントヘッドのノズル孔の閉塞を防ぐことのできる適度な乾燥性も備える必要がある。
一方で、染料に対する溶解性、樹脂に対する溶解性、あるいは発泡ポリスチレン成型体への微量な溶解性を調整するためには、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル、またはこれら由来のグリコールアセテート等を用いることができる。更には、N−メチルピロリドン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン系、γ−ブチルラクトン、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル等も、非水性の溶剤の一部として用いることができる。
上記したジエチレングリコールアルキルエーテルは、粘度調整、染料溶解性、乾燥性調整の観点より、アルキル基の炭素数が1〜5であるものが好ましい。このようなジエチレングリコールモノアルキルエーテルとしては、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が例示される。
また、ジエチレングリコールジアルキルエーテルとしては、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等が例示される。
本発明においては、発泡ポリスチレン成型体へのインクの定着性を付与するために樹脂を用いる。この樹脂は、色材との相溶性、溶剤への溶解性、および色材の発色効果を備えていることが必要である。
このような条件を満たす樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、石油樹脂、クマロンインデン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、塩酢ビ系樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、ブチラール樹脂、マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂から成る群より選ばれた1種または2種以上の樹脂が挙げられる。
上記した種々の樹脂は、好ましい粘度適性および密着性の観点からインク全体の3〜20重量%を用いる。樹脂の含有率がインク全体の3重量%未満では、発泡ポリスチレン成型体に対する密着性、耐摩擦性の効果が十分発揮されない。また、樹脂の含有率が20重量%を超えると、インクの粘度特性や吐出の安定性が得られない。また、染料の溶解性も低下するため、良好な視認性を得にくくなる。
一方で、吐出量を多くしただけでは、ポリスチレンの溶解や凹みにのみ消費されるだけであり、印字濃度が高くならないことを確認した。そこで、着弾したドットをすみやかに広げる調整することにより著しい発色および印字濃度アップを引き出せることを見いだした。すなわち、発泡ポリスチレン成型体の表面にて、そのドット径を50〜150μmの範囲まで大きく拡大させることで、発泡ポリスチレン表面で色材の濃度を濃く見せることができる。
前記した印字濃度アップを図るうえで、発泡ポリスチレンにおいてインク液滴の広がりを適宜調整するためには、上記の処方に加えて、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサンを0.01〜2重量%用いる。このポリエーテル変性ジメチルポリシロキサンを用いることで、ドット径を拡大させることができる。
他方で、印字濃度を更に高くするためには、より素早くドット径を拡大させるとよいことも判明した。そこで、更にポリアルキレングリコールアルキレンエーテルアセテートをインク全体の0.01〜2重量%用いることを見出した。これにより、ドット径がすばやく拡大してドット間の隙間を迅速に覆うようになり、下地である発泡ポリスチレンの白色を隠蔽してインクの印字濃度アップ効果を発揮させることができた。
このように良好なドット径の拡大は、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサンを0.01〜2重量%およびポリアルキレングリコールアルキレンエーテルアセテートを0.01〜2重量%の両者を用いることにより得られ、発泡ポリスチレン上でのインク液滴の広がりにおいて顕著な効果を発揮し、視認性の顕著な向上化につながった。
尚、本発明のインクにおいては、上記した色材、溶剤、樹脂、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン、アルキレングリコールエーテルアセテートとともに、更に、界面活性剤、酸化防止剤等を添加しても構わない。
マーキングシステム1に用いるインクKは溶剤を使用しているので、印字の休止時間が長くなると、ノズル孔20の周囲やオリフィスプレート19の表面でインクKが固化してノズル孔20からのインク吐出不良を生じやすくなる。その復旧には、インクタンク(図示省略)を加圧することでノズル孔20から多量のインクKを溢れ出させる、いわゆるパージ動作が効果的である。しかしながら、インクKの捨て量が多くなるために経済的でない。そこで、休止時間が上記した所定時間Tより長いが比較的短い場合は、以下で説明するサブイジェクションパルスで対応する。一方で、休止時間が長くサブイジェクションパルスでは復旧できない場合に、パージ動作を行う。
尚、ベルトコンベア4の搬送速度により左右されるが、上流側センサ5から印字用センサ6までにかかる搬送時間が、前記した所定時間Tよりも必ず長い場合は、非吐出時間計時手段11の機能を省略し、上流側センサ5による発泡ポリスチレン成型体8の検知出力をそのままトリガとすることも可能である。すなわち、発泡ポリスチレン成型体8が上流側センサ5側方に到達する度に、毎回サブイジェクション動作を実行させるようにしても構わない。
しかしながら、乾燥の条件は、熱量を与えればその分乾燥が速くなるから良いというものでなく、熱量の与えすぎは、発泡ポリスチレン成型体の表面の溶解に関与して視認性の低下を招くことがある。従って、前記した所定範囲の温度、風量、風圧による温風の供給が必要となる。尚、エネルギー消費の観点から、工場内での余熱をこのような乾燥に用いることが好ましい。このような余熱の活用ができない場合は、温風の温度調整、風量調整付のドライヤー等を使用しても構わない。
[実施例1]
まず、ジエチレングリコールモノメチルエーテル46重量部とジエチレングリコールジエチルエーテル29.7重量部を量りとり、これらを攪拌しながらソルベントブラック3の12重量部とフェノール樹脂(タマノル100S:荒川化学工業社製)12重量部を加え十分に混合して溶解させ、溶解液を調製した。この溶解液に、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン0.15重量部とポリアルキレングリコールアルキレンエーテルアセテート0.15重量部を加えて、更に攪拌した。この混合溶解液を目開き1.0μmのフィルターでろ過して、実施例1のインクジェット用インクを得た。
ジエチレングリコールモノメチルエーテル52重量部とジエチレングリコールジエチルエーテル28.7重量部を量りとり、これらを攪拌しながら、ソルベントブルー5の9重量部とアクリル樹脂(JONCRYL611:BASAFジャパン社製)10重量部を加え十分に混合して溶解させ、溶解液を調製した。この溶解液に、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン0.25重量部とポリアルキレングリコールアルキレンエーテルアセテート0.05重量部を加えて、更に攪拌した。この混合溶解液を開き目1.0μmのフィルターでろ過して、実施例2に係るインクジェット用インクを得た。
ジオクチルフタレート89重量部を量りとり、これを攪拌しながら、ソルベントブラック3の5重量部とロジンエステル(エステルガムAAL:荒川化学工業社製)6重量部を加え十分に混合して溶解させ、溶解液を調製した。この混合溶解液を開き目1.0μmのフィルターでろ過して、比較例1に係るインクジェット用インクを得た。
トリエチレングリコールモノブチルエーテル5重量部とジブチルフタレート88.5重量部を量りとり、これらを攪拌しながら、ソルベントブルー5の1.5重量部とロジンエステル(エステルガムAAL:荒川化学工業社製)5重量部を加え十分に混合して溶解させ、溶解液を調製した。この混合溶解液を開き目1.0μmのフィルターでろ過して、比較例2に係るインクジェット用インクを得た。
尚、表1中に示した物性項目のうち、
「粘度(mPa・s)」は、東機産業社製の粘度測定器RE−80Lを使用して測定した。
「反射濃度」は、印字部分の反射濃度をマクベス社製のRD918反射濃度計で測定した。濃度値が大きければ印字濃度(色材濃度)が高く印字の視認性が良いことを示している。更に、印字時点から1時間後の反射濃度も測定している。このとき、当初測定値から80%以上の低下があれば×と評価する。しかしながら、80%以上の低下を示したものはなかった。
「ドット径(μm)」は、インク滴が発泡ポリスチレン成型体の表面に着弾して形成されたドットがその後広がったときの直径を拡大鏡で測定した。評価は、大、大中△、小の順に、視認性が小さくなることを示している。
「視認性」は、印字されたマーキング部位を観察者が10m離れた位置から観察したときに文字を判別できるか否かで判定した。判定結果は「良」、「良△」、「不良」の順に評価が下がる。
「印字後の凹みと凹み量」は、目視および指触にて発泡ポリスチレン成型体表面の凹みを確認した。
「乾燥性」は、発泡ポリスチレン成型体への印字後10秒経過したときに印字部分を指で触りインキが指に付着するか否かで確認した。
「耐摩擦性」は、発泡ポリスチレン成型体自体が脆いので、インクで印字した部位の表面を指で擦り、剥離しやすさを比較評価した。良、不良、×の順に悪い評価を示している。
「保存安定性」は、インクジェットインキを密閉状態で40℃で3ケ月保存した後の粘度を測定した。粘度増加率は次式で算出した。
粘度増加率(%)=放置後粘度/初期粘度:
評価で、○は初期粘度がヘッド温度にて15mPa・s未満、かつ(2)、(3)の評価で粘度増加率がいずれも5%未満である場合を示している。×は上記以外の場合を示している。
「ヘッド温度変化追随性」は、シェアーモード式の256チャンネルのプリントヘッドを用い、周波数5KHzによる高速連続印字運転を10分間行なって、吐出の安定性(ドット抜けの状況)を測定した。
「ノズル面放置による吐出不良」は、印字停止後に0.5時間放置して再印字開始時のドット抜けの状況を観察したものである。
前記した各物性項目に関しては、後出の表3、表4中の記載も同じである。
印字物の濃度は1.3であった。この印字物は、10mの距離からの目視による確認において、スクリーン印刷に匹敵する視認性(表中の良)を有していた。また、スクリーン印刷において印字物に顕著に見られていた印字物の凹みも0.3mm以下と小さく、目視では判別のできない良好な表面状態が保たれていた。
尚、表2は実施例1のインクで印刷されたマーキング部位を、温風の温度と乾燥時間を変えて乾燥させた場合の反射濃度を示している。表2から明らかなように、前記のマーキング部位を強制的に乾燥させるためには50℃〜70℃の温風による3秒間以内の乾燥が好ましいことが判る。
この実施例1のインクを用いた印字物について、耐摩擦性、密閉状態での保存安定性、連続の高速印字テストおよびヘッド温度追随性、ノズル面放置による吐出不良の有無もあわせて評価したが、いずれも良好な特性であった。
そして、印字物を確認したところ、図4に示した写真のようであった。図4(a)の写真に、発泡ポリスチレン成型体の素地である白地の表面40と、DOD式インクジェットプリンタを用いて実施例2のインクが表面40に吹きつけられて形成されたマーキング部分41を示す。図4(a)におけるマーキング部分41を顕微鏡で見た拡大写真を図4(b)に示す。これらの写真から判るように、スクリーン印刷に匹敵する視認性を有していた。
そして、印字物を確認したところ、図5に示した写真のようであった。図5(a)の写真には、発泡ポリスチレン成型体の素地である白地の表面40と、DOD式インクジェットプリンタを用いて比較例2のインクが表面40に吹きつけられて形成されたマーキング部分41Aを示す。図5(a)におけるマーキング部分41Aを顕微鏡で見た拡大写真を図5(b)に示す。これらの写真から判るように、インクの濃度を上げるために染料の含有量の増加を試みたが、この溶剤系での染料の溶解が充分でなく、マーキング部分41Aにおけるインクそのものの濃度アップは困難であった。
表3、表4に示す配合比で各成分を実施例1と同様の方法により、混合、溶解、ろ過させて実施例2〜12および比較例1〜7のインクを調製し、同じDOD式のインクジェットプリンタで印字物の作成を行なった。実施例9および比較例7は、カーボンブラックを使用するため、これらの組成を横型のサンドミルにて分散させ、分散タイプのインクジェット用インクとして試作した。
比較例5のワックスタイプのインクは、150℃に加熱溶融させて試作し、プリントヘッド部も120℃に加熱してノズル孔からインクを吐出させた。
実施例1のインクを256チャンネルのインクジェットプリンタに用い、インク不吐出のあいだにノズル孔内のインクのメニスカスを微小振動させてインクの固着乾燥を防止するマーキングシステムのサブイジェクション動作について確認した。これらの結果を下記の表5(a),(b)に示す。表5(a)はサブイジェクションを実施しない場合の、放置時間とドット抜けのあったチャンネル数との関係を示している。表5(b)はサブイジェクションを実施した場合の、放置時間とドット抜けのあったチャンネル数との関係を示している。表5(a),(b)から明らかなように、微小振動パルスを用いたサブイジェクション動作を実行することで、不吐出ドット数の数を著しく低減できたことが判る。
3 プリントヘッド
7 ドライヤー
8 発泡ポリスチレン成型体
9 CPU
10 振動手段
11 非吐出時間計時手段
12 振動制御手段
13 マーキング部位乾燥手段
20 ノズル孔
21 電圧印加器
24,24A メニスカス
25 温度センサ
26 風量センサ
27 風圧センサ
28 速度センサ
30 クォーツクロック回路
41 マーキング部分
K インク
T 所定時間
Claims (12)
- 少なくとも、色材、樹脂、および溶剤を含んで成り、発泡ポリスチレン成型体の表面にマーキングされる非水性のインクジェット用インクであって、溶剤の主成分が、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルおよび/またはジエチレングリコールジアルキルエーテルであることを特徴とするインクジェット用インク。
- ジエチレングリコールモノアルキルエーテルおよびジエチレングリコールジアルキルエーテルの双方を含んで成り、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルとジエチレングリコールジアルキルエーテルとの含有比率が、90重量部:10重量部〜50重量部:50重量部である請求項1に記載のインクジェット用インク。
- ジエチレングリコールジアルキルエーテルの含有率が、インク全体の15重量%以上40重量%以下である請求項1に記載のインクジェット用インク。
- 樹脂の含有率が、インク全体の3重量%以上20重量%以下である請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のインクジェット用インク。
- ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサンを含んで成り、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサンの含有率が、インク全体の0.01重量%以上2重量%以下である請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のインクジェット用インク。
- ポリアルキレングリコールアルキレンエーテルアセテートを含んで成り、ポリアルキレングリコールアルキレンエーテルアセテートの含有率が、インク全体の0.01重量%以上2重量%以下である請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のインクジェット用インク。
- ポリエーテル変性ジメチルシロキサンおよびポリアルキレングリコールアルキレンエーテルアセテートの双方を含んで成り、ポリエーテル変性ジメチルシロキサンとポリアルキレングリコールアルキレンエーテルアセテートとの含有比率が、10重量部:10重量部〜10重量部:1重量部である請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のインクジェット用インク。
- 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のインクジェット用インクを、ドロップ・オン・デマンド方式のインクジェットプリンタのノズル孔から吐出して発泡ポリスチレン成型体の表面にマーキングすることを特徴とする発泡ポリスチレン成型体表面へのマーキング方法。
- インクジェットプリンタのノズル孔から吐出されるインクジェット用インクの粒径が55μm以上75μm以下である請求項8に記載のマーキング方法。
- インクジェットプリンタが、ノズル孔内のインクを振動させる振動手段と、ノズル孔からインクジェット用インクが吐出されていない時間を計時する非吐出時間計時手段と、非吐出時間計時手段により計時された非吐出時間が、予め設定されている所定時間を上回ったとき、次回のインク吐出前に振動手段を作動させてノズル孔内のインクを振動させる振動制御手段とを備えている請求項8または請求項9に記載のマーキング方法。
- インクジェットプリンタが、インクジェット用インクを発泡ポリスチレン成型体の表面にマーキングした後に発泡ポリスチレン成型体の表面におけるインクジェット用インクのマーキング部位に温風を吹きつけるマーキング部位乾燥手段を備えている請求項8から請求項10までのいずれか一項に記載のマーキング方法。
- マーキング部位乾燥手段により発泡ポリスチレン成型体の表面に吹きつけられる温風の温度が35℃以上65℃以下であり、前記温風の風量が200リットル/分以上700リットル/分以下であり、前記温風の風圧が250Pa以上450Pa以下であり、インクジェットプリンタに対して相対移動する発泡ポリスチレン成型体の搬送速度が8メートル/分以上である請求項11に記載のマーキング方法。
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