JPWO2016136675A1 - インクジェットインク - Google Patents

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Abstract

【課題】オンデマンド型のインクジェットプリンタに使用した際の間欠印刷性に優れ、印刷再開時に印字がかすれたりしにくい上、金属表面や低極性表面等に印刷後に指先等で繰り返しこすっても上記印字がかすれたり取れたりしにくいインクジェットインクを提供する。【解決手段】軟化点が70〜125℃であるフェノール樹脂、粘着付与剤、着色剤、および有機溶剤を配合した。有機溶剤としては炭素数1〜3のアルコールが好ましい。また粘着付与剤として、染料系の配合では、水酸基価が10〜45mgKOH/gのテルペンフェノール樹脂が好ましく、顔料系の配合では、酸価が2〜10mgKOH/gのロジンエステル樹脂が好ましい。

Description

本発明は非水性のインクジェットインクに関するものである。
例えばアルミ箔や缶詰の底蓋、上蓋等の金属、プラスチックフィルム、コート紙、ラミネート紙などの非吸収性の表面に、文字や図柄、あるいは画像など(以下「印字」と総称する場合がある。)をインクジェット印刷法によって印刷する場合、従来は印刷後の印字を加熱して乾燥させるのが一般的であった。
しかし近時、溶剤として有機溶剤のみを用いるか、もしくは溶剤として水を併用する場合でも水より有機溶剤を多くしていわゆる有機溶剤リッチの状態とすることで、速乾性を付与して加熱乾燥工程を省略可能としたHEATLESS INK(登録商標)等のインクジェットインクが開発され、実用化されつつある。
また近時、上記非吸収性の表面の中でも特に印字の定着性を向上させるのが難しい、アルミ箔や缶詰の底蓋、上蓋等の等の金属系の表面(以下「金属表面」と略記する場合がある。)や、あるいはポリプロピレンフィルム、ポリプロピレンラミネート紙等のポリオレフィン系の表面などの極性の低い材料からなる表面(以下「低極性表面」と略記する場合がある。)に対する印字の定着性を向上できる、速乾性のインクジェットインクを開発するべく、種々検討されている。
例えば医薬品のPTP包装(Press Through Package)を形成するアルミ箔の表面に薬剤名などを印刷するためや、あるいは缶詰の底蓋や上蓋に製造工場等の記号や賞味期限等を印刷するためにインクジェット印刷法を利用することが検討されているが、上記アルミ箔の表面や缶詰の底蓋、上蓋等の金属表面は上記のように非吸収性で、インクジェットインクが内部に浸透しないため、上記薬剤名などの印字を強固に定着させるのが難しい。
そこで、例えば特許文献1では着色剤、バインダ樹脂、および有機溶剤を含む非水性で速乾性のインクジェットインクに、さらにベンゾチアゾール環を有するカルボン酸を配合して、金属表面に対する印字の接着性を向上することが提案されている。
また特許文献2では、バインダ樹脂としてスチレン・マレイン酸樹脂を選択的に使用して、金属表面に対する印字の接着性を向上することが提案されている。
しかし特許文献1、2のインクジェットインクでは、かかる接着性の向上に基づいて上記金属表面や低極性表面等に対する印字の定着性を向上する効果は未だ十分ではなく、例えば指先等で繰り返しこすった際に上記印字がかすれたり取れたりしやすいという問題がある。
また特許文献1、2のインクジェットインクは、例えばオンデマンド型のインクジェットプリンタに使用した際にデキャップタイムが長くなると、ノズルが目詰まりして印刷再開時にかすれを生じやすいという問題もある。
デキャップタイムとは、オンデマンド型のインクジェットプリンタに複数設けられたノズルのうち、間欠印刷時に印刷パターンに基づいてインク滴が吐出されない待機状態とされたノズル内のインクジェットインクが、外気にさらされ続けている時間を指す。
通常、オンデマンド型のインクジェットプリンタには、その運転停止時にノズル内のインクジェットインクが外気にさらされることで乾燥して目詰まり等を生じないように、ノズルを閉じる(キャップする)機能が付与されているのが一般的である。
しかし印刷時には、かかるキャップは解除されているため、特に間欠印刷時に待機状態となるノズルは次にインク滴が吐出されるまでの間、ノズルが閉じられていない状態(デキャップの状態)が続き、ノズル内のインクジェットインクはその間、外気にさらされ続けることになる。
そのため上記時間、つまりデキャップタイムが長くなるほどノズルの目詰まりを生じやすくなる傾向がある。
特にインクジェットインクを瞬間的に加熱して気泡を発生させ、その体積増加分のインクを、ノズルを通してインク滴として吐出させるサーマル方式のインクジェットプリンタでは、印刷時に上記気泡の発生による溶剤の揮発と、それに伴う局所的な濃度の変動とが繰り返されることからバインダ樹脂等の固形分が析出しやすく、デキャップタイムにノズルの目詰まりを生じやすい傾向がある。
デキャップタイムにノズルの目詰まりを生じにくい特性を、以下では「間欠印刷性」の良否として評価することとする。ごく短いデキャップタイムで目詰まりを生じてしまうインクジェットインクは間欠印刷性が不良であり、目詰まりを生じないデキャップタイムが長ければ長いほど、インクジェットインクは間欠印刷性が良好であると評価できる。
医薬品の場合は、その種別等を確実に識別できるようにしなければならない。そのためPTP包装などの印字には、上記間欠印刷性の不良による目詰まりが原因で印刷時にかすれを生じたりしにくいだけでなく、前述したように指先等で繰り返しこすった際に上記印字がかすれたり取れたりしにくいことも求められる。
またポリオレフィン系の表面などの低極性表面に対する印字の定着性を向上するべく、例えば特許文献4ではバインダ樹脂としてポリアミド樹脂を含む非水性で速乾性のインクジェットインクに、上記ポリアミド樹脂に粘着性を付与する働きをする粘着付与剤として、テルペンフェノール樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、およびロジンエステル樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種を配合することが提案されている。
また特許文献5では、バインダ樹脂として酸価の異なる2種のポリアミド樹脂を併用するとともに、粘着付与剤としてロジン変性マレイン酸樹脂および/またはテルペンフェノール樹脂を配合することが提案されている。
さらに特許文献6では、バインダ樹脂としてのポリアミド樹脂、および粘着付与剤としてのロジン変性マレイン酸樹脂とともにチタンキレートを配合することが提案されている。
しかし特許文献4〜6のインクジェットインクはいずれも、上記低極性表面や、あるいは金属表面に対する印字の定着性を向上する効果が未だ十分でないだけでなく、貯蔵時の安定性が不十分で析出を生じやすい上、前述した間欠印刷性の不良による目詰まりが原因で印刷時にかすれを生じやすいといった問題もある。
特許文献7には、バインダ樹脂としてのポリアミド樹脂と、特定の水酸基価を有するテルペンフェノール樹脂および/またはロジンエステル樹脂とを併用することが提案されている。
かかる特許文献7の構成で、さらに着色剤として染料を配合したインクジェットインクによれば、特にポリオレフィン系などの低極性表面に対する印字の定着性を、特許文献4〜6のもの等の従来のインクジェットインクに比べて大きく向上できる。
しかし上記インクジェットインクは、特に金属表面に対する印字の定着性が未だ不十分で、依然として指先等で繰り返しこすった際に上記印字がかすれたり取れたりしやすいといった問題がある。
また、例えば白色を表現するためには着色剤として酸化チタン等の白色の顔料を使用する必要がある等、インクジェットインクの着色剤として顔料を使用することが求められる場合がある。
ところが特許文献7の構成で、なおかつ着色剤として顔料を配合したインクジェットインクでは、金属表面だけでなく低極性表面であっても印字の定着性が不十分になり、指先等で繰り返しこすった際に上記印字がかすれたり取れたりしやすくなるという問題がある。
特開平9−176531号公報 特開平10−245513号公報 特表2010−503741号公報 特開平10-140060号公報 特開2000-038530号公報 特開2000-178487号公報 特開2015−221887号公報
本発明の目的は、特にオンデマンド型のインクジェットプリンタに使用した際の間欠印刷性に優れ、印刷再開時に印字がかすれたりしにくい上、金属表面や低極性表面等に印刷後に指先等で繰り返しこすっても上記印字がかすれたり取れたりしにくいインクジェットインクを提供することにある。
本発明は、軟化点が70℃以上、125℃以下であるフェノール樹脂、粘着付与剤、着色剤、および有機溶剤を含んでいるインクジェットインクである。
本発明によれば、特にオンデマンド型のインクジェットプリンタに使用した際の間欠印刷性に優れ、印刷再開時に印字がかすれたりしにくい上、金属表面や低極性表面等に印刷後に指先等で繰り返しこすっても上記印字がかすれたり取れたりしにくいインクジェットインクを提供できる。
上述したように本発明は、軟化点が70℃以上、125℃以下であるフェノール樹脂、粘着付与剤、着色剤、および有機溶剤を含んでいるインクジェットインクである。
なお本発明ではフェノール樹脂の軟化点VT(℃)を、日本工業規格JIS K7206:1997「プラスチック−熱可塑性プラスチック−ビカット軟化温度(VST)試験方法」(ISO306:1994)に所載の試験方法に則って測定した測定値の上限値VTmax(℃)と下限値VTmin(℃)とから、式(1):
Figure 2016136675
によって求めた値でもって表すこととする。
フェノール樹脂は、本来的に金属表面や低極性表面等への接着性に優れている。
しかし、式(1)で求められる軟化点VT(℃)が70℃未満であるフェノール樹脂を含むインクジェットインクからなる印字は熱に対して弱く、印刷後に指先等で繰り返しこすった際の摩擦熱によって軟化してかすれたり取れたりしやくなる。
また軟化点VT(℃)とフェノール樹脂の分子量とは略比例関係にあり、軟化点VT(℃)が70℃未満であるフェノール樹脂は分子量が小さく、例えば皮脂等の低分子量の脂肪分によって溶解しやすいため、このことも、印刷後に指先等で繰り返しこすった際に印字がかすれたり取れたりしやすくなる原因となる。
一方、式(1)で求められる軟化点VT(℃)が125℃を超えるフェノール樹脂を含むインクジェットインクからなる印字は硬くかつ脆くなって、やはり印刷後に指先等で繰り返しこすった際にかすれたり取れたりしやすくなる。
また特にPTP包装を構成するアルミ箔等の、塑性変形しやすい表面に印刷した際には、当該表面の塑性変形に印字が十分に追従できずにかすれたり取れたりしやすくなる。
また、フェノール樹脂の分子量と有機溶剤に対する溶解性とは略反比例関係にあり、軟化点VT(℃)が125℃を超える分子量の大きいフェノール樹脂は有機溶剤に対する溶解性が低く、デキャップタイムにインクジェットインク中に析出しやすいため間欠印刷性が低下して印字のかすれを生じやすくなる。
またかすれにより膜形成が不完全となって、印刷後に指先等で繰り返しこすった際に印字がより一層簡単にかすれたり取れたりしやすくなる。
これに対し、軟化点VT(℃)が上記の範囲にあるフェノール樹脂を選択して使用することにより、上記種々の問題をいずれも解消できる。
また粘着付与剤は、金属表面や低極性表面等に対する印字の接着性をさらに向上するために機能する他、フェノール樹脂間に介在して印字の膜強度を高めたり、可撓性を向上したりするためにも機能する。そのため印刷後に指先等で繰り返しこすった際の印字のかすれや取れ等の発生をより一層良好に抑制できる。また、例えばPTP包装を構成するアルミ箔等の、塑性変形しやすい表面に対する印字の追従性をも向上できる。
したがって、かかる粘着付与剤を上記特定のフェノール樹脂と併用することにより、特にオンデマンド型のインクジェットプリンタに使用した際の間欠印刷性に優れ、印刷再開時に印字がかすれたりしにくい上、金属表面や低極性表面等に印刷後に指先等で繰り返しこすっても上記印字がかすれたり取れたりしにくいインクジェットインクを提供できる。
ちなみに特許文献1、3にはフェノール樹脂や、あるいは粘着付与剤であるテルペンフェノール樹脂、ロジン樹脂などがバインダ樹脂として例示されている。
しかしいずれの特許文献にも、バインダ樹脂としてフェノール樹脂を用いて実際に効果を検証した実施例は記載されていない上、当該フェノール樹脂の軟化点の範囲がインクジェットインクや印刷後の印字の特性に大きく係わっていること、そして軟化点の具体的な範囲などの、本願各請求項で規定した構成については一切記載されていない。
またいずれの特許文献にも、テルペンフェノール樹脂、ロジン樹脂を粘着付与剤としてフェノール樹脂に添加するのが上記特性を向上する上で有効であることや、その水酸基価、酸価の範囲がインクジェットインクや印刷後の印字の特性に係わっていること、そして水酸基価や酸価の好適な範囲などの、本願各請求項で規定した構成については、やはり一切記載されていない。
《フェノール樹脂》
フェノール樹脂としては、上記のように金属表面や低極性表面等に対する接着性を有し、なおかつ式(1)で求められる軟化点VT(℃)が70℃以上、125℃以下である種々のフェノール樹脂が挙げられる。この理由は先述したとおりである。
なお先述した効果をより一層向上することを考慮すると、フェノール樹脂の軟化点VT(℃)は、上記の範囲でも80℃以上、特に90℃以上であるのが好ましく、120℃以下、特に110℃以下であるのが好ましい。
フェノール樹脂としては、特に熱可塑性樹脂であるノボラック樹脂が好ましい。
またフェノール樹脂としては、それぞれ軟化点VT(℃)が上記の範囲にある、軟化点VT(℃)の異なる2種のフェノール樹脂を併用するのが好ましい。
軟化点VT(℃)の異なる2種のフェノール樹脂を併用すると、軟化点VT(℃)の低い方のフェノール樹脂による、良好な間欠印刷性を維持しながら、金属表面や低極性表面等に印刷した印字の膜強度や可撓性を向上する効果と、軟化点VT(℃)の高い方のフェノール樹脂による、上記印字を摩擦熱によって軟化しにくくするとともに皮脂等の脂肪分によって溶解しにくくする効果とをともに良好に発現させて、それぞれの特性に優れたインクジェットインクを形成できる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、上記2種のフェノール樹脂としては、軟化点VT(℃)が100℃未満のフェノール樹脂と、軟化点VT(℃)が100℃以上のフェノール樹脂の2種を併用するのが好ましい。
また2種のフェノール樹脂の質量比は、併用の効果をより一層向上することを考慮すると(軟化点の高い方のフェノール樹脂)/(軟化点の低い方のフェノール樹脂)=1/2〜2/1であるのが好ましく、特に1/1〜2/1であるのが好ましい。
ただしフェノール樹脂としては、インクジェットインクの汎用性等を考慮した場合、特定の軟化点VT(℃)を有する1種のみのフェノール樹脂を使用するのが好ましい場合もある。
すなわちインクジェットプリンタの顧客は、その印刷条件をメーカーによって設定された初期値ではなく、自社が見出して最適と考える値にカスタマイズした上でインクジェットプリンタを使用することがある。
例えばサーマル方式のインクジェットプリンタでは、インクジェットインクの加熱温度や印刷速度等が初期値から変更される場合がある。
ところが、例えば初期値より加熱温度が高めに設定されたり、印刷速度が低めに設定されてデキャップタイムが長くなったりしたインクジェットプリンタに、軟化点VT(℃)の異なる2種のフェノール樹脂を併用したインクジェットインクを使用すると、特に軟化点の高い方のフェノール樹脂が析出しやすくなる傾向がある。
そして析出によるノズルの目詰まりを生じやすくなって印字がかすれたり、連続吐出性が低下したりするといった問題を生じるおそれがある。
そのため2種のフェノール樹脂を併用する場合は、同じインクジェットプリンタ用であっても印刷条件の設定の違いによって、フェノール樹脂の組み合わせを変更するなどの対応が必要となる場合がある。
これに対し、特に前述した好適な範囲に入る適度な軟化点VT(℃)を有するフェノール樹脂を1種のみ選択して使用すると、例えば上述した軟化点の高いフェノール樹脂の析出によるノズルの目詰まりを抑制することなどができる。
そのため印刷条件の設定の違いに拘らず、2種のフェノール樹脂を併用する場合に近い、適度に良好な印刷をすることが可能となり、1種のみのフェノール樹脂を使用した単一の組成で、様々に印刷条件の設定の異なるインクジェットプリンタに対応できる汎用性の高いインクジェットインクを得ることができる。
フェノール樹脂の配合割合は、インクジェットインクの総量の2質量%以上であるのが好ましく、20質量%以下であるのが好ましい。
また、特にインクを循環させながらインク滴を形成して印刷するコンティニュアス型のインクジェットプリンタや、オンデマンド型のうちピエゾ素子の振動によってインク滴をノズルから吐出させるピエゾ方式のインクジェットプリンタに使用するインクジェットインクにおけるフェノール樹脂の配合割合は、上記の範囲でも3質量%以上であるのが好ましく、15質量%以下であるのが好ましい。
一方、オンデマンド型のうちサーマル方式のインクジェットプリンタに使用するインクジェットインクにおけるフェノール樹脂の配合割合は、上記の範囲でも3質量%以上であるのが好ましく、8質量%以下であるのが好ましい。
いずれのプリンタ用の場合も、フェノール樹脂の配合割合がそれぞれの範囲未満では、金属表面や低極性表面等に対する印字の定着性を向上する効果が得られないおそれがある。
一方、フェノール樹脂の配合割合が上記の範囲を超える場合には、インクジェットインクの粘度がそれぞれのプリンタに適した範囲を超えてしまい、特にサーマル方式のインクジェットプリンタでは周波数応答性が低下して吐出不良による印字のかすれなどを生じやすくなるおそれがある。
なお配合割合は、1種のみのフェノール樹脂を配合する場合は当該フェノール樹脂の配合割合であり、軟化点の異なる2種のフェノール樹脂を併用する場合は、当該2種のフェノール樹脂の合計の配合割合である。
《有機溶剤》
有機溶剤としては、上記フェノール樹脂や後述する粘着付与剤等の成分を良好に溶解または分散して均一なインクジェットインクを形成しうる種々の有機溶剤が使用可能である。
特にインクジェットインクに良好な揮発性を付与することや、環境への負荷を低減すること等を考慮すると炭素数1〜3のアルコールが好ましい。
炭素数1〜3のアルコールとしてはメタノール、エタノール、1−プロパノールおよび2−プロパノールのうちの1種または2種以上が挙げられる。
アルコールの選定のポイントは、特にサーマル方式のインクジェットプリンタに使用して加熱した際の揮発性、発泡性の良否、ならびにフェノール樹脂や粘着付与剤の溶解性の良否である。
すなわち揮発性、発泡性はメタノール>エタノール>2−プロパノール>1−プロパノールの順であり、フェノール樹脂や粘着付与剤の溶解性は1−プロパノール>2−プロパノール>エタノール>メタノールの順であるが、これらの特性の両立と、環境への負荷を低減することとを合わせ考慮するとエタノールが好ましい。
また揮発性、発泡性の良いエタノールを主成分として、フェノール樹脂や粘着付与剤の溶解性を補助するために2−プロパノールおよび/または1−プロパノール(以下「プロパノール」と総称する場合がある)を併用することも可能である。
また有機溶剤としては、フェノール樹脂や粘着付与剤の溶解をさらに補助したり、揮発性、速乾性を向上したりするための各種の有機溶剤を、上記炭素数1〜3のアルコールに少量添加してもよい。
有機溶剤の配合割合、すなわち炭素数1〜3のアルコールのうちの1種のみを単独で使用する場合はその配合割合、2種以上を併用したり、さらに他の有機溶剤を併用したりする場合はその合計の配合割合は、インクジェットインクの残量とする。
すなわちインクジェットインクを構成する他の成分を所定の割合で配合し、さらに総量が100質量%となるように有機溶剤を加えてインクジェットインクを調製すればよい。
《粘着付与剤》
粘着付与剤としては、先述したように金属表面や低極性表面等に対する印字の接着性を向上したり、フェノール樹脂間に介在して印字の膜強度や可撓性を向上したりするために機能する種々の粘着付与剤が使用可能である。
特に、テルペンフェノール樹脂およびロジンエステル樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種が好ましい。
《着色剤》
着色剤としては種々の染料、顔料等が挙げられる。
〈染料〉
染料としては、特に油溶性染料が好ましい。
油溶性染料は、炭素数1〜3のアルコールに分子レベルで溶解して析出を生じにくいため、インクジェットインクの間欠印刷性をより一層良好に向上できる。
また油溶性染料は、フェノール樹脂中に分子レベルで相溶するため印字の連続性、一体性、密着性を向上でき、金属表面や低極性表面等に印刷後に指先等で繰り返しこすった際の印字のかすれや取れ等の発生をより一層良好に抑制できる。
油溶性染料は、インクジェットインクの色目および色濃度に応じて1種または2種以上を適宜の割合で用いることができる。
油溶性染料の具体例としては、例えば下記の各種染料等が挙げられる。
(イエロー)
C.I.ソルベントイエロー2、14、15、16、19、21、32、56、61、65、76、79、80、81、82、83、88、89、90、91、151;保土谷化学工業(株)製のAIZEN(登録商標)S.B.N. Yellow 543、SPILON(登録商標) Yellow C−GNH、C−2GH;オリエント化学工業(株)製のOplas(登録商標)Yellow 140、VALIFAST(登録商標)YELLOW1101、1109、1151、1171、3108、3120、3150、3170、3180、4120、4121;中央合成化学(株)製のAlcohol Yellow Y−10、Oil Yellow CH;三菱化学(株)製のDIARESIN(登録商標)Yellow L3G。
(オレンジ)
C.I.ソルベントオレンジ1、2、5、6、11、14、20、36、41、44、45、54、56、57、58、59、62;オリエント化学工業(株)製のVALIFAST ORANGE1201、2210、3208、3209、3210。
(レッド)
C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、35、49、78、81、82、83、84、91、96、99、100、102、109、118、119、121、122、123、124、127、128、129、130、131、132、133、134、142、160、218、C.I.ディスパーズレッド9;オリエント化学工業(株)製のOrient Oil Pink OP、SPIRIT Red 102、VALIFAST Red 1308、1320、1355、1364、1388、2303、2320、3304、3306、3311、3312、3320、PINK 2310N;保土谷化学工業(株)製のAIZEN SPILON Fiery Red BH、Red C−GH、C−BH、Pink BH;中央合成化学(株)製のAL Red 2308、Alcohol Pink P−30。
(ブラウン)
C.I.ソルベントブラウン3、23、24、25、37、42、43、44、58。
(グリーン)
C.I.ソルベントグリーン3、16、21、22;オリエント化学工業(株)製のVALIFAST GREEN 1501。
(ブルー)
C.I.ソルベントブルー5、11、12、24、25、38、44、46、55、64、67、70、73、75;オリエント化学工業(株)製のOrient Oil Blue 603、VALIFAST Blue 1621、1631、2604、2606、2620、2670;保土谷化学工業(株)製のAIZEN SPILON Blue C−RH、GNH、S.P.T. Blue 121;中央合成化学(株)のAlcohol Blue B−10。
(バイオレット)
C.I.ソルベントバイオレット1、2、19、21;オリエント化学工業(株)製のVALIFAST VIOLET 1701、1704;保土谷化学工業(株)製のAIZEN SPILON Violet C−RH、ECH。
(ブラック)
C.I.ソルベントブラック3、5、7、22、23、25、27、28、29、30、34、35、43、47、123;オリエント化学工業(株)製のVALIFAST BLACK 1807、1815、3804、3807、3808、3820、3830、3840、3866、3870;BASF社製のOrasol(登録商標)Black X55、X45、X51、インストラプラスト社製のRLS(ソルベントブラック29)、CN(ソルベントブラック28)。
特に印字の耐光性を向上することを考慮すると、油溶性染料の中でも含金属染料が好ましい。
〈顔料〉
顔料としては、印字の耐光性、耐候性等を向上しうる、種々の無機顔料および/または有機顔料が使用可能である。
このうち無機顔料としては、例えば酸化チタン、酸化鉄等の金属化合物や、あるいはコンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造された中性、酸性、塩基性等の種々のカーボンブラックの1種または2種以上が挙げられる。
また有機顔料としては、例えばアゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、またはキレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えばフタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、またはキノフタロン顔料等)、染料キレート(例えば塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック等の1種または2種以上が挙げられる。
無機または有機の顔料は、インクジェットインクの色目に応じて1種または2種以上を用いることができる。例えばカーボンブラックで黒色を表現する場合、より青黒く見せるためにシアン顔料を添加してもよい。
また顔料は、インクジェットインク中での分散安定性を向上するために表面を処理してもよい。
また顔料は、例えば当該顔料を良好に分散させることができる任意の溶剤中に分散させた顔料分散液の状態で、インクジェットインクの製造に用いてもよい。
溶剤としては、炭素数1〜3のアルコールと良好に相溶しうる種々の有機溶剤が使用可能である。中でも炭素数1〜3のアルコール、特にエタノールが好ましい。また顔料分散液には、顔料を良好に分散させるために分散剤等を添加してもよい。
顔料としては、染料では表現できない白色を表現するための白顔料が好ましい。
また白顔料としては、特に隠蔽性に優れた酸化チタンが好ましく、当該酸化チタンとしては、ルチル型、アナターゼ型等の各種の酸化チタンがいずれも使用可能である。
酸化チタンは、インクジェットインク中への分散性を向上することと、印字に高い隠蔽性を付与することとを併せ考慮すると、平均粒子径が0.15μm以上、特に0.2μm以上であるのが好ましく、0.4μm以下、特に0.3μm以下であるのが好ましい。
白以外の色味の顔料の具体例としては、例えば下記の各種顔料等が挙げられる。
(イエロー顔料)
C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、14C、16、17、20、24、73、74、75、83、86、93、94、95、97、98、109、110、114、117、120、125、128、129、130、137、138、139、147、148、150、151、154、155、166、168、180、185、213、214。
(マゼンタ顔料)
C.I.ピグメントレッド5、7、9、12、48(Ca)、48(Mn)、49、52、53、57(Ca)、57:1、97、112、122、123、149、168、177、178、179、184、202、206、207、209、242、254、255。
(シアン顔料)
C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:3、15:4、15:6、15:34、16、22、60。
(ブラック顔料)
C.I.ピグメントブラック7。
(オレンジ顔料)
C.I.ピグメントオレンジ36、43、51、55、59、61、71、74。
(グリーン顔料)
C.I.ピグメントグリーン7、36。
(バイオレット顔料)
C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50。
《染料系配合》
〈粘着付与剤〉
着色剤として染料を使用するインクジェットインクにおいては、粘着付与剤として、水酸基価が10mgKOH/g以上、45mgKOH/g以下である、テルペンフェノール樹脂およびロジンエステル樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種を選択して用いるのが好ましい。
水酸基価が上記の範囲未満である粘着付与剤は極性が低すぎるため、特に前述した炭素数1〜3のアルコールに対する溶解性が不十分で、インクジェットインク中に良好に溶解させることができない。そのためインクジェットインクの貯蔵安定性が低くなって析出を生じやすくなる上、特にオンデマンド型のインクジェットプリンタに使用した際の間欠印刷性も不十分でデキャップタイムにノズルの目詰まりを生じやすくなる。
一方、水酸基価が45mgKOH/gを超える粘着付与剤は極性が高いため上記アルコールに良好に溶解でき、インクジェットインクの貯蔵安定性は向上できる。しかし、かかる水酸基価の高い粘着付与剤はアルコールの揮発に伴ってその溶解性が大きく変化するため、例えばオンデマンド型のインクジェットプリンタのノズル内で外気にさらされ続けた際にアルコールの揮発に伴ってインクジェットインクの粘度が大きく上昇しやすい。そのため間欠印刷性が不良でデキャップタイムにノズルの目詰まりを生じやすくなる。
これに対し、水酸基価が上記の範囲にある粘着付与剤は、炭素数1〜3のアルコールに対して低すぎずかつ高すぎない適度の溶解性を有するためインクジェットインク中に良好に溶解させることができ、当該インクジェットインクの貯蔵安定性を向上できる。また間欠印刷性を向上してデキャップタイムにノズルの目詰まりを生じにくくできる。
粘着付与剤としては、特にインクジェットインクのノズルからの吐出性を向上してできるだけ良好な間欠印刷性を確保することを考慮すると、テルペンフェノール樹脂が好ましい。
テルペンフェノール樹脂としては、例えばイソプレンが頭尾で順次結合した基本骨格(C)(ただしpは整数)を有するテルペンとフェノール類との共重合体であって、水酸基価が上記の範囲にある種々のテルペンフェノール樹脂が使用可能である。
かかるテルペンフェノール樹脂としては、例えばヤスハラケミカル(株)製のYSポリスターU130(水酸基価:25mgKOH/g)、YSポリスターU115(水酸基価:30mgKOH/g)や、アリゾナ・ケミカル社製のSYLVARES(登録商標) TP95(水酸基価:40mgKOH/g)等の1種または2種以上が挙げられる。
またロジンエステル樹脂としては、例えば一塩基性カルボン酸でアルキル化ヒドロフェナントレン核を有するアビエチン型またはピマリン型の樹脂酸を主体とするロジンとアルコール類とのエステルであって、水酸基価が上記の範囲にある種々のロジンエステル樹脂が使用可能である。
なおロジンとしては、例えばアビエチン酸、デキストロピマル酸等の不飽和結合を含む樹脂酸からなるものや、水素添加されたジヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸等を主体とする水添ロジン等が挙げられる。またアルコール類としては、例えばグリセリン、ペンタエリスリトール、トリエチレングリコール等が挙げられる。
かかるロジンエステル樹脂としては、例えばハリマ化成(株)製のKSU005(水酸基価:11.5mgKOH/g)、KSU007(水酸基価:26.8mgKOH/g)、DS−822(水酸基価:29mgKOH/g)、荒川化学工業(株)製のスーパーエステルA−125(水酸基価:25mgKOH/g)、ペンセル(登録商標)D−125(水酸基価:30mgKOH/g)、パインクリスタル(登録商標)KE−359(水酸基価:43mgKOH/g)、(株)理化ファインテク製のペンタリン(登録商標)CJ(水酸基価:40mgKOH/g)等の1種または2種以上が挙げられる。
粘着付与剤の配合割合は、インクジェットインクの総量の0.5質量%以上、特に1質量%以上であるのが好ましく、5質量%以下、特に3質量%以下であるのが好ましい。
粘着付与剤の配合割合がこの範囲未満では粘着性が不足して、金属表面や低極性表面等に印字を良好に定着できないおそれがある。
一方、粘着付与剤の配合割合が上記の範囲を超える場合には印刷後の印字が粘着性を生じて、当該印字を指先等で繰り返しこすった際にかすれたり取れたりしやすくなる結果、却って金属表面や低極性表面等に上記印字を良好に定着できないおそれがある。またインクジェットインクの貯蔵安定性が低下するおそれもある。
〈有機溶剤〉
有機溶剤のうち炭素数1〜3のアルコールとしては、前述したように揮発性、発泡性の良いエタノールを主成分として、フェノール樹脂や粘着付与剤の溶解性を補助するためにプロパノールを併用するのが好ましい。
かかる併用系におけるエタノールとプロパノールの配合割合は、質量比E/P(Eはエタノール、Pはプロパノールの質量を示す。)で表して1.0以上、特に2.0以上であるのが好ましく、6.0以下、特に4.0以下であるのが好ましい。
質量比E/Pがこの範囲未満ではプロパノールの量が過剰で、フェノール樹脂や粘着付与剤の溶解性が良すぎるため、先に説明したメカニズムによって間欠印刷性が低下して印字のかすれを生じやすくなるおそれがある。
一方、質量比E/Pが上記の範囲を超える場合にはエタノールの量が過剰で、フェノール樹脂や粘着付与剤の溶解性が不足してデキャップタイムに析出を生じやすいため、却って間欠印刷性が低下して印字のかすれを生じやすくなるおそれがある。
また炭素数1〜3のアルコールの配合割合は、インクジェットインクの総量の70質量%以上、特に75質量%以上であるのが好ましく、95質量%以下、特に90質量%以下であるのが好ましい。
炭素数1〜3のアルコールの配合割合がこの範囲未満では、インクジェットインクの粘度がそれぞれのプリンタに適した範囲を超えてしまい、特にサーマル方式のインクジェットプリンタでは周波数応答性が低下して、吐出不良によるかすれ等を生じやすくなるおそれがある。
また炭素数1〜3のアルコールは、サーマル方式のインクジェットプリンタに使用して加熱した際に気泡の生成成分として機能するが、その配合割合が上記の範囲未満では加熱しても気泡を良好に発生できず、ノズルを通して適正なインク滴を吐出できないおそれもある。
一方、炭素数1〜3のアルコールの配合割合が上記の範囲を超える場合には吐出安定性が低下するため、印刷速度をアップして印刷作業の生産性を向上できないおそれがある。
また有機溶剤としては、フェノール樹脂や粘着付与剤の溶解をさらに補助するための強溶剤を、上記炭素数1〜3のアルコールに少量添加してもよい。
強溶剤としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等のグリコールエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類等の1種または2種以上が挙げられる。
また、インクジェットインクの乾燥が速すぎると膜形成が不十分になって印字が脆くなりやすいので、当該乾燥を遅らせるために揮発性の低い溶剤を、上記炭素数1〜3のアルコールに少量添加してもよい。なおこれら揮発性の低い溶剤は、粘着付与剤の溶解性を補助するためにも機能する。
かかる揮発性が低く、かつ粘着付与剤の溶解性を補助する機能をする溶剤としては、例えば1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、シクロヘキサノール等の炭素数4〜6のアルコール類や、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、メトキシトリグリコール等、あるいはポリエチレングリコール類などの1種または2種以上が挙げられる。
上記各種溶剤の配合割合は、炭素数1〜3のアルコールによる上述した効果を良好に維持しながら、なおかつそれぞれの溶剤の添加効果を良好に発現させることを考慮すると、個別に、インクジェットインクの総量の0.5質量%以上であるのが好ましく、5質量%以下、特に3質量%以下であるのが好ましい。なおこれらの溶剤は配合しなくてもよい。
特に1−ブタノールを、インクジェットインクの総量の0.5質量%以上、2質量%以下の割合で配合するのが好ましい。
1−ブタノールの配合割合がこの範囲未満では、特に当該1−ブタノールによる、溶解性を補助する効果が不足したり、前述のとおり膜形成が不十分になって、印字が脆くなったりするおそれがある。一方、1−ブタノールの配合割合が上記の範囲を超える場合には、インクジェットインクの速乾性が損なわれるおそれがある。
《顔料系配合》
〈粘着付与剤〉
着色剤として顔料を使用するインクジェットインクにおいては、粘着付与剤として、酸価が2mgKOH/g以上、10mgKOH/g以下である、テルペンフェノール樹脂およびロジンエステル樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種を選択して用いるのが好ましい。
酸価が上記の範囲未満である粘着付与剤は極性が低すぎるため、特に前述した炭素数1〜3のアルコールに対する溶解性が不十分で、インクジェットインク中に良好に溶解させることができない。そのためインクジェットインクの貯蔵安定性が低くなって析出を生じやすくなる上、特にオンデマンド型のインクジェットプリンタに使用した際の間欠印刷性も不十分でデキャップタイムにノズルの目詰まりを生じやすくなる。
一方、酸価が上記の範囲を超える粘着付与剤は極性が高いため上記アルコールに良好に溶解でき、インクジェットインクの貯蔵安定性は向上できる。しかし、かかる酸価の高い粘着付与剤はアルコールの揮発に伴ってその溶解性が大きく変化するため、例えばオンデマンド型のインクジェットプリンタのノズル内で外気にさらされ続けた際にアルコールの揮発に伴ってインクジェットインクの粘度が大きく上昇しやすい。そのため間欠印刷性が不良でデキャップタイムにノズルの目詰まりを生じやすくなる。
これに対し、酸価が上記の範囲にある粘着付与剤は、炭素数1〜3のアルコールに対して低すぎずかつ高すぎない適度の溶解性を有するためインクジェットインク中に良好に溶解させることができ、当該インクジェットインクの貯蔵安定性を向上できる。また間欠印刷性を向上してデキャップタイムにノズルの目詰まりを生じにくくできる。
なお、上記の効果をより一層向上することを考慮すると、粘着付与剤の酸価は、上記の範囲でも特に3mgKOH/g以上であるのが好ましく、7mgKOH/g以下であるのが好ましい。
粘着付与剤としては、特に印字の定着性をさらに向上することを考慮すると、ロジンエステル樹脂が好ましい。
すなわち顔料系では、粘着付与剤としてテルペンフェノール樹脂を使用しても、前述した、指先等で繰り返しこすった際に印字がかすれたり取れたりしない定着性は確保できる。
しかし、特にポリオレフィン系等の低極性表面に対する印刷において求められる、印字上にセロハンテープを貼り付けたのち剥離する剥離試験に耐えうるより高い定着性を確保するためには、粘着付与剤としてロジンエステル樹脂を選択して使用するのが好ましい。
ロジンエステル樹脂としては、前述したように一塩基性カルボン酸でアルキル化ヒドロフェナントレン核を有するアビエチン型またはピマリン型の樹脂酸を主体とするロジンとアルコール類とのエステルであって、酸価が上記の範囲にある種々のロジンエステル樹脂が使用可能である。
かかるロジンエステル樹脂としては、例えば荒川化学工業(株)製のエステルガムAA−G(酸価:7mgKOH/g以下)、AA−L(酸価:7mgKOH/g以下)、A(酸価:7mgKOH/g以下)、AAV(酸価:7mgKOH/g以下)、AT(酸価:10mgKOH/g以下)、H(酸価:10mgKOH/g以下)、ハリマ化成(株)製のハリエスターTF(酸価:8mgKOH/g以下)、ハリタック8LJA(酸価:3〜10mgKOH/g)、SE10(酸価:2〜10mgKOH/g)等の1種または2種以上が挙げられる。
粘着付与剤の配合割合は、インクジェットインクの総量の1質量%以上、特に3質量%以上であるのが好ましく、8質量%以下、特に7質量%以下であるのが好ましい。
粘着付与剤の配合割合がこの範囲未満では粘着性が不足して、金属表面や低極性表面等に印字を良好に定着できないおそれがある。
一方、粘着付与剤の配合割合が上記の範囲を超える場合には印刷後の印字が粘着性を生じて、当該印字を指先等で繰り返しこすった際にかすれたり取れたりしやすくなる結果、却って金属表面や低極性表面等に上記印字を良好に定着できないおそれがある。またインクジェットインクの貯蔵安定性が低下するおそれもある。
〈有機溶剤〉
有機溶剤のうち炭素数1〜3のアルコールとしては、前述したように揮発性、発泡性の良いエタノールを主成分として、フェノール樹脂やロジンエステル樹脂の溶解性を補助するためにプロパノールを併用するのが好ましい。
かかる併用系におけるエタノールとプロパノールの配合割合は、前述した質量比E/Pで表して1.0以上であるのが好ましく、3.0以下であるのが好ましい。
質量比E/Pがこの範囲未満ではプロパノールの量が過剰で、フェノール樹脂やロジンエステル樹脂の溶解性が良すぎるため、先に説明したメカニズムによって間欠印刷性が低下して印字のかすれを生じやすくなるおそれがある。
一方、質量比E/Pが上記の範囲を超える場合にはエタノールの量が過剰で、フェノール樹脂やロジンエステル樹脂の溶解性が不足してデキャップタイムに析出を生じやすいため、却って間欠印刷性が低下して印字のかすれを生じやすくなるおそれがある。
また炭素数1〜3のアルコールの配合割合は、インクジェットインクの総量の65質量%以上、特に70質量%以上であるのが好ましく、95質量%以下、特に90質量%以下であるのが好ましい。
炭素数1〜3のアルコールの配合割合がこの範囲未満では、インクジェットインクの粘度がそれぞれのプリンタに適した範囲を超えてしまい、特にサーマル方式のインクジェットプリンタでは周波数応答性が低下して、吐出不良によるかすれ等を生じやすくなるおそれがある。
また炭素数1〜3のアルコールは、前述したようにサーマル方式のインクジェットプリンタに使用して加熱した際に気泡の生成成分として機能するが、その配合割合が上記の範囲未満では加熱しても気泡を良好に発生できず、ノズルを通して適正なインク滴を吐出できないおそれもある。
一方、炭素数1〜3のアルコールの配合割合が上記の範囲を超える場合には吐出安定性が低下するため、印刷速度をアップして印刷作業の生産性を向上できないおそれがある。
また有機溶剤としては、染料系配合において説明した各種の有機溶剤を、上記炭素数1〜3のアルコールに少量添加してもよい。
かかる各種の有機溶剤としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等のグリコールエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、シクロヘキサノール等の炭素数4〜6のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、メトキシトリグリコール等、あるいはポリエチレングリコール類などの1種または2種以上が挙げられる。
上記各種溶剤の配合割合は、炭素数1〜3のアルコールによる上述した効果を良好に維持しながら、なおかつそれぞれの溶剤の添加効果を良好に発現させることを考慮すると、個別に、インクジェットインクの総量の0.5質量%以上であるのが好ましく、5質量%以下、特に3質量%以下であるのが好ましい。なおこれらの溶剤は配合しなくてもよい。
特に1−ブタノールを、インクジェットインクの総量の0.5質量%以上、2質量%以下の割合で配合するのが好ましい。
1−ブタノールの配合割合がこの範囲未満では、特に当該1−ブタノールによる、溶解性を補助する効果が不足したり、前述のとおり膜形成が不十分になって、印字が脆くなったりするおそれがある。一方、1−ブタノールの配合割合が上記の範囲を超える場合には、インクジェットインクの速乾性が損なわれるおそれがある。
《その他の成分》
本発明のインクジェットインクには、さらに必要に応じて他のバインダ樹脂や界面活性剤、滑剤等を任意の割合で配合してもよい。
〈他のバインダ樹脂〉
他のバインダ樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂等の比較的硬質の樹脂が挙げられる。これらの樹脂を添加することで印字の硬度を高めて、金属表面や低極性表面等に印刷後に指先等で繰り返しこすった際のかすれや取れ等の発生をより一層良好に抑制できる。
〈界面活性剤〉
界面活性剤は、ノズルに対するインクジェットインクの濡れ性を調整して良好な吐出特性を確保したり、金属表面や低極性表面等に対する濡れ性を調整して印字の画質を向上したりするために機能する。
界面活性剤としては、例えばシリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の各種界面活性剤のうち、炭素数1〜3のアルコールに溶解可能な種々の界面活性剤が使用可能であるが、特にシリコーン系界面活性剤が好ましい。
シリコーン系界面活性剤は、例えば金属表面に印刷する場合、印刷後の印字中でポリエーテル鎖を金属表面の側に、シロキサン鎖を印字の表面に向けた状態で分布されるため、上記シロキサン鎖の特性に基づいて印字の表面のすべり性を向上するためにも機能する。
そのため金属表面に印刷後に指先等で繰り返しこすった際の、印字のかすれや取れ等の発生をより一層良好に抑制することもできる。
またポリオレフィン系の表面などの低極性表面に印刷する場合は、炭素数1〜3のアルコールが低極性表面で面方向に濡れ拡がるのを抑えるためにも機能する。
そのため、印刷の鮮明性を高めて画質を向上することもできる。
界面活性剤の配合割合は、インクジェットインクの総量の0.1質量%以上であるのが好ましく、3質量%以下であるのが好ましい。
〈滑剤〉
滑剤を配合することで、印字の耐スクラッチ性、耐摩耗性、耐転写性を向上できる。
滑剤としては、例えば飽和脂肪酸アミド、不飽和脂肪酸アミド、変性脂肪酸アミド等のうち炭素数1〜3のアルコールに溶解可能な種々の脂肪酸アミドが挙げられ、特にオレイン酸アミドが好ましい。
脂肪酸アミドの配合割合は、インクジェットインクの総量の0.1質量%以上であるのが好ましく、1.0質量%以下であるのが好ましい。
上記各成分を含む本発明のインクジェットインクは、前述したサーマル方式、ピエゾ方式等のオンデマンド型のインクジェットプリンタに好適に使用できる他、コンティニュアス型のインクジェットプリンタにも使用可能である。
そして本発明のインクジェットインクによれば、特にオンデマンド型のインクジェットプリンタに使用した際の間欠印刷性に優れ、印刷再開時に印字がかすれたりしにくい上、金属表面や低極性表面等に印刷後に指先等で繰り返しこすっても上記印字がかすれたり取れたりしにくいインクジェットインクを提供できるという特有の効果を奏する。
〈実施例1−1〉
下記の各成分を表1に示す割合で混合したのち、5μmのメンブランフィルタを用いてろ過してインクジェットインクを調製した。
(フェノール樹脂)
(1) ノボラック樹脂、DIC(株)製のフェノライト(登録商標)TD−2131、軟化点VT(℃)=80℃
(2) ノボラック樹脂、DIC(株)製のフェノライトTD−2090、軟化点VT(℃)=120℃
(粘着付与剤)
テルペンフェノール樹脂、ヤスハラケミカル(株)製のYSポリスターU115、水酸基価:30mgKOH/g
(有機溶剤)
エタノール
1−プロパノール
1−ブタノール
(染料)
C.I.ソルベントブラック29
(界面活性剤)
シリコーン系界面活性剤
Figure 2016136675
エタノールと1−プロパノールの質量比E/P=3.15であった。
〈実施例1−2〉
フェノール樹脂として、軟化点VT(℃)=91.5℃のノボラック樹脂〔DIC(株)製のフェノライトTD−2106〕3.0質量部と、軟化点VT=120℃のノボラック樹脂〔前出のDIC(株)製のフェノライトTD−2090〕3.0質量部とを併用したこと以外は実施例1−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈実施例1−3〉
フェノール樹脂として、軟化点VT(℃)=100℃のノボラック樹脂〔DIC(株)製のフェノライトTD−2093Y〕3.0質量部と、軟化点VT=120℃のノボラック樹脂〔前出のDIC(株)製のフェノライトTD−2090〕3.0質量部とを併用したこと以外は実施例1−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈実施例1−4〉
フェノール樹脂として、軟化点VT(℃)=80℃のノボラック樹脂〔前出のDIC(株)製のフェノライトTD−2131〕3.0質量部と、軟化点VT(℃)=91.5℃のノボラック樹脂〔前出のDIC(株)製のフェノライトTD−2106〕3.0質量部とを併用したこと以外は実施例1−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈実施例1−5〉
フェノール樹脂として、軟化点VT(℃)=80℃のノボラック樹脂〔前出のDIC(株)製のフェノライトTD−2131〕のみを6.0質量部配合したこと以外は実施例1−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈実施例1−6〉
フェノール樹脂として、軟化点VT(℃)=91.5℃のノボラック樹脂〔前出のDIC(株)製のフェノライトTD−2106〕のみを6.0質量部配合したこと以外は実施例1−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈実施例1−7〉
フェノール樹脂として、軟化点VT(℃)=100℃のノボラック樹脂〔前出のDIC(株)製のフェノライトTD−2093Y〕のみを6.0質量部配合したこと以外は実施例1−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈実施例1−8〉
フェノール樹脂として、軟化点VT(℃)=120℃のノボラック樹脂〔前出のDIC(株)製のフェノライトTD−2090〕のみを6.0質量部配合したこと以外は実施例1−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈実施例1−9〉
粘着付与剤として、水酸基価が10mgKOH/gであるテルペンフェノール樹脂を同量配合したこと以外は実施例1−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈実施例1−10〉
粘着付与剤として、水酸基価が40mgKOH/gであるテルペンフェノール樹脂〔前出のアリゾナ・ケミカル社製のSYLVARES TP95〕を同量配合したこと以外は実施例1−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈実施例1−11〉
粘着付与剤として、水酸基価が3mgKOH/gである水酸基価が3mgKOH/gであるテルペン樹脂〔ヤスハラケミカル(株)製のYSレジンPX800〕を同量配合したこと以外は実施例1−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈実施例1−12〉
粘着付与剤として、水酸基価が50mgKOH/gであるテルペンフェノール樹脂〔ヤスハラケミカル(株)製のYSポリスターT130〕を同量配合したこと以外は実施例1−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈実施例1−13〉
粘着付与剤として、水酸基価が30mgKOH/gであるロジンエステル樹脂〔荒川化学工業(株)製のペンセルD−125〕を同量配合したこと以外は実施例1−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈実施例1−14〉
粘着付与剤として、水酸基価が11.5mgKOH/gであるロジンエステル樹脂〔ハリマ化成(株)製のKSU005〕を同量配合したこと以外は実施例1−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈実施例1−15〉
粘着付与剤として、水酸基価が40mgKOH/gであるロジンエステル樹脂〔(株)理化ファインテク製のペンタリンCJ〕を同量配合したこと以外は実施例1−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈比較例1−1〉
フェノール樹脂として、軟化点VT(℃)=65℃のノボラック樹脂〔昭和電工(株)製のショウノール(登録商標)BRG−564G〕のみを6.0質量部配合したこと以外は実施例1−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈比較例1−2〉
フェノール樹脂として、軟化点VT(℃)=130℃のノボラック樹脂〔昭和電工(株)製のショウノールCKM−2432〕のみを6.0質量部配合したこと以外は実施例1−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈比較例1−3〉
フェノール樹脂に代えてスチレン・マレイン酸樹脂〔軟化点VT(℃)=105℃〕のみを6.0質量部配合したこと以外は実施例1−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。このものは特許文献2に記載のインクジェットインクを再現したものに相当する。
〈比較例1−4〉
粘着付与剤を配合せず、かつフェノール樹脂として、軟化点VT(℃)=80℃のノボラック樹脂〔前出のDIC(株)製のフェノライトTD−2131〕のみを7.5質量部配合したこと以外は実施例1−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈比較例1−5〉
フェノール樹脂を配合せず、かつ粘着付与剤としてのテルペンフェノール樹脂〔前出のヤスハラケミカル(株)製のYSポリスターU115、水酸基価:30mgKOH/g〕を7.5質量部配合したこと以外は実施例1−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈間欠印刷性評価〉
各実施例、比較例で調製したインクジェットインクをサーマル方式のインクジェットプリンタ〔ビデオジェット(株)製のPrint Mail Wide Array(プリントメールワイドアレイ)、設定解像度600×600dpi〕に使用して、インク滴が吐出されない状態でノズル内のインクジェットインクが外気にさらされているデキャップタイムの長さを変えながら、当該デキャップタイムの終了直後にノズルの目詰まり等を生じることなく明瞭な印刷が可能であったか否かを観察して、下記の基準で間欠印刷性を評価した。
○○:デキャップタイムが20分間以上でも明瞭な印刷が可能であった。極めて良好。
○:デキャップタイムが10分間以上、20分間未満であれば明瞭な印刷が可能であった。良好。
△:デキャップタイムが1分間以上、10分間未満であれば明瞭な印刷が可能であった。通常レベル。
×:デキャップタイムが1分間未満でないと明瞭な印刷ができなかった。不良。
〈耐擦過性評価〉
各実施例、比較例で調製したインクジェットインクを間欠印刷性評価で使用したとの同じインクジェットプリンタに使用して、アルミ箔の表面に0.2pt(線幅0.07mm)のバーコードを印刷した。
次いで、日本工業規格JIS L0849:2013「摩擦に対する染色堅ろう度試験方法」において規定された摩擦試験機I形〔(株)安田精機製作所製のNo.416クロッ
クメータ〕を用いて、印刷したバーコードを摩擦用白綿布によって一定速度で繰り返し摩擦した際の変化を観察して、下記の基準で耐擦過性を評価した。
○○:摩擦子の速度1200mm/minで10回こすってもバーコードに変化は見られなかった。極めて良好。
○:摩擦子の速度1200mm/minで10回こするとバーコードの一部に摩擦熱による伸びが見られたが、600mm/minで10回こすってもバーコードに変化は見られなかった。良好。
△:摩擦子の速度600mm/minで10回こするとバーコードの一部に摩擦熱による伸びが見られたが、欠けは見られなかった。通常レベル。
×:摩擦子の速度600mm/minで10回こするとバーコードの一部に欠けが見られた。不良。
〈耐油性評価〉
各実施例、比較例で調製したインクジェットインクを間欠印刷性評価で使用したとの同じインクジェットプリンタに使用して、アルミ箔の表面に0.2pt(線幅0.07mm)のバーコードを印刷した。
次いでバーコードの上に皮脂の代用として植物油を滴下して一定時間待ってからガーゼで拭き取った際の変化を観察して、下記の基準で耐油性を評価した。
○○:滴下から10秒間待ってから拭き取ってもバーコードに変化は見られなかった。極めて良好。
○:滴下から10秒間待ってから拭き取るとバーコードの一部に溶解による伸びが見られたが、滴下から5秒間待ってから拭き取ってもバーコードに変化は見られなかった。良好。
△:滴下から5秒間待ってから拭き取るとバーコードの一部に溶解による伸びが見られたが、欠けは見られなかった。通常レベル。
×:滴下から5秒間待ってから拭き取るとバーコードの一部に欠けが見られた。不良。
××:滴下から5秒間待ってから拭き取るとバーコードのほぼ全部が取れてしまった。極めて不良。
以上の結果を表2〜表5に示す。なお表中、粘着付与剤の種類の欄の符号はRo:ロジンエステル樹脂、Tp:テルペンフェノール樹脂、T:テルペン樹脂を示す。
Figure 2016136675
Figure 2016136675
Figure 2016136675
Figure 2016136675
表2〜表5の実施例1−1〜1−15、比較例1−3〜1−5の結果より、染料系の配合では、バインダ樹脂としてフェノール樹脂を用いるとともに粘着付与剤を併用することで、オンデマンド型のインクジェットプリンタに使用した際の間欠印刷性に優れるため印刷時に印字がかすれたりしにくい上、印刷後に指先等で繰り返しこすっても上記印字がかすれたり取れたりしにくいインクジェットインクを提供できることが判った。
ただし実施例1−1〜1−15、比較例1−1、1−2の結果より、上記の効果を得るためには、フェノール樹脂の軟化点VT(℃)が70℃以上、125℃以下である必要があること、その中でも80℃以上、特に90℃以上であるのが好ましく、120℃以下、特に110℃以下であるのが好ましいことが判った。
また実施例1−1〜1−4の結果より、上記の効果をより一層向上するためには、フェノール樹脂として、それぞれ軟化点VT(℃)が上記の範囲にある、軟化点VT(℃)の異なる2種のフェノール樹脂を併用するのが好ましいこと、特に軟化点VT(℃)が100℃未満のフェノール樹脂と、軟化点VT(℃)が100℃以上のフェノール樹脂の2種を併用するのが好ましいことが判った。
また実施例1−5〜1−8の結果より、1種のみのフェノール樹脂を使用する場合は、軟化点VT(℃)が上記より好ましい範囲にあるものを選択して使用することで、上記2種のフェノール樹脂を併用する場合に近い適度に良好な印刷をすることができ、上記1種のみのフェノール樹脂を含む同一の組成で、印刷条件の設定の異なる様々なインクジェットプリンタに対応できる汎用性の高いインクジェットインクが得られることが判った。
さらに実施例1−1、1−9〜1−15の結果より、粘着付与剤としては水酸基価が10mgKOH/g以上、45mgKOH/g以下であるものを用いるのが好ましいこと、できるだけ良好な間欠印刷性を確保することを考慮すると、粘着付与剤としてはテルペンフェノール樹脂が好ましいことが判った。
〈実施例2−1〉
下記の各成分を表6に示す割合で混合したのち、5μmのメンブランフィルタを用いてろ過してインクジェットインクを調製した。
(フェノール樹脂)
ノボラック樹脂、前出のDIC(株)製のフェノライトTD−2106、軟化点VT(℃)=91.5℃
(粘着付与剤)
ロジンエステル樹脂、荒川化学工業(株)製のエステルガムAA−G、酸価:4.4mgKOH/g
(有機溶剤)
エタノール
1−プロパノール
1−ブタノール
(顔料分散液)
酸化チタン:分散剤:エタノール(質量比)=50:5:45
(界面活性剤)
シリコーン系界面活性剤
(滑剤)
オレイン酸アミド
Figure 2016136675
エタノールの総量は、顔料分散液中に含まれるものを合わせて44.1質量部、エタノールと1−プロパノールの質量比E/P=1.47であった。
〈実施例2−2〉
粘着付与剤として、荒川化学工業(株)製のエステルガムAA−Gのうち酸価が3.6mgKOH/gであるものを同量配合したこと以外は実施例2−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈実施例2−3〉
粘着付与剤として、酸価が6.5mgKOH/gであるロジンエステル樹脂〔荒川化学工業(株)製のエステルガムAAV〕を同量配合したこと以外は実施例2−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈実施例2−4〉
粘着付与剤として、酸価が8.5mgKOH/gであるロジンエステル樹脂〔荒川化学工業(株)製のエステルガムH〕を同量配合したこと以外は実施例2−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈実施例2−5〉
粘着付与剤として、酸価が15mgKOH/gであるロジンエステル樹脂〔荒川化学工業(株)製のペンセルD−125〕を同量配合したこと以外は実施例2−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈実施例2−6〉
粘着付与剤として、テルペンフェノール樹脂〔前出のヤスハラケミカル(株)製のYSポリスターU115、水酸基価:30mgKOH/g〕を同量配合したこと以外は実施例2−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈実施例2−7〉
フェノール樹脂として、軟化点VT(℃)=80℃のノボラック樹脂〔前出のDIC(株)製のフェノライトTD−2131〕を同量配合したこと以外は実施例2−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈実施例2−8〉
フェノール樹脂として、軟化点VT(℃)=100℃のノボラック樹脂〔前出のDIC(株)製のフェノライトTD−2093Y〕を同量配合したこと以外は実施例2−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈実施例2−9〉
フェノール樹脂として、軟化点VT(℃)=120℃のノボラック樹脂〔前出のDIC(株)製のフェノライトTD−2090〕を同量配合したこと以外は実施例2−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈実施例2−10〉
エタノールの量を28.1質量部、1−プロパノールの量を37.0質量部として、エタノールの総量を、顔料分散液中に含まれるものを合わせて37.1質量部、エタノールと1−プロパノールの質量比E/P=1.00としたこと以外は実施例2−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈実施例2−11〉
エタノールの量を46.6質量部、1−プロパノールの量を18.5質量部として、エタノールの総量を、顔料分散液中に含まれるものを合わせて55.6質量部、エタノールと1−プロパノールの質量比E/P=3.00としたこと以外は実施例2−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈実施例2−12〉
エタノールの量を21.5質量部、1−プロパノールの量を43.6質量部として、エタノールの総量を、顔料分散液中に含まれるものを合わせて30.5質量部、エタノールと1−プロパノールの質量比E/P=0.70としたこと以外は実施例2−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈実施例2−13〉
エタノールの量を48.6質量部、1−プロパノールの量を16.5質量部として、エタノールの総量を、顔料分散液中に含まれるものを合わせて57.6質量部、エタノールと1−プロパノールの質量比E/P=3.50としたこと以外は実施例2−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈実施例2−14〉
エタノールの量を35.7質量部、1−プロパノールの量を30.4質量部として、エタノールの総量を、顔料分散液中に含まれるものを合わせて44.7質量部、エタノールと1−プロパノールの質量比E/P=1.47とするとともに、1−ブタノールを配合しなかったこと以外は実施例2−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈比較例2−1〉
フェノール樹脂に代えてポリアミド樹脂〔BASFジャパン(株)製のバーサミド(登録商標)759〕を同量配合したこと以外は実施例2−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈比較例2−2〉
粘着付与剤を配合せず、かつフェノール樹脂の量を10質量部としたこと以外は実施例2−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈比較例2−3〉
フェノール樹脂として、軟化点VT(℃)=65℃のノボラック樹脂〔前出の昭和電工(株)製のショウノール(登録商標)BRG−564G〕を同量配合したこと以外は実施例2−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈比較例2−4〉
フェノール樹脂として、軟化点VT(℃)=130℃のノボラック樹脂〔前出の昭和電工(株)製のショウノールCKM−2432〕を同量配合したこと以外は実施例2−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
上記各実施例、比較例で調製したインクジェットインクについて前述した間欠印刷性評価と、下記の各試験とを実施してその特性を評価した。
〈耐擦過性評価〉
各実施例、比較例で調製したインクジェットインクを間欠印刷性評価で使用したとの同じインクジェットプリンタに使用して、ポリプロピレンフィルムの表面に0.2pt(線幅0.07mm)のバーコードを印刷した。
次いで、日本工業規格JIS L0849:2013「摩擦に対する染色堅ろう度試験方法」において規定された摩擦試験機I形〔(株)安田精機製作所製のNo.416クロッ
クメータ〕を用いて、印刷したバーコードを摩擦用白綿布によって一定速度で繰り返し摩擦した際の変化を観察して、下記の基準で耐擦過性を評価した。
○:摩擦子の速度600mm/minで10回こすってもバーコードに変化は見られなかった。良好。
△:摩擦子の速度600mm/minで10回こするとバーコードの一部に摩擦熱による伸びが見られたが、欠けは見られなかった。通常レベル。
×:摩擦子の速度600mm/minで10回こするとバーコードの一部に欠けが見られた。不良。
〈耐油性評価〉
各実施例、比較例で調製したインクジェットインクを間欠印刷性評価で使用したとの同じインクジェットプリンタに使用して、ポリプロピレンフィルムの表面に0.2pt(線幅0.07mm)のバーコードを印刷した。
次いでバーコードの上に皮脂の代用として植物油を滴下して一定時間待ってからガーゼで拭き取った際の変化を観察して、下記の基準で耐油性を評価した。
○:滴下から5秒間待ってから拭き取ってもバーコードに変化は見られなかった。良好。
△:滴下から5秒間待ってから拭き取るとバーコードの一部に溶解による伸びが見られたが、欠けは見られなかった。通常レベル。
×:滴下から5秒間待ってから拭き取るとバーコードの一部に欠けが見られた。不良。
〈セロハンテープ剥離試験〉
各実施例、比較例で調製したインクジェットインクを間欠印刷性評価で使用したとの同じインクジェットプリンタに使用して、ポリプロピレンフィルムの表面にベタ印刷をした。
次いで、室温で24時間静置した後に上記ベタ印刷の上にセロハンテープ〔ニチバン(株)製のセロテープ(登録商標)〕を貼り付け、親指で10回こすりつけて90°剥離した際の状態を観察して、下記の基準で定着性を評価した。
○:ベタ印刷は全く剥離しなかった。良好。
△:ごくわずかにベタ印刷が剥離したが、通常レベル。
×:ベタ印刷が剥離した。不良。
以上の結果を表7〜表10に示す。なお表中、粘着付与剤の種類の欄の符号はRo:ロジンエステル樹脂、Tp:テルペンフェノール樹脂、T:テルペン樹脂を示す。
Figure 2016136675
Figure 2016136675
Figure 2016136675
Figure 2016136675
表7〜表10の実施例2−1〜2−14、比較例2−1、2−2の結果より、顔料系の配合でも、バインダ樹脂としてフェノール樹脂を用いるとともに粘着付与剤を併用することで、オンデマンド型のインクジェットプリンタに使用した際の間欠印刷性に優れるため印刷時に印字がかすれたりしにくい上、印刷後に指先等で繰り返しこすっても上記印字がかすれたり取れたりしにくいインクジェットインクを提供できることが判った。
ただし実施例2−1〜2−14、比較例2−3、2−4の結果より、上記の効果を得るためには、フェノール樹脂の軟化点VT(℃)が70℃以上、125℃以下である必要があること、その中でも80℃以上、特に90℃以上であるのが好ましく、120℃以下、特に110℃以下であるのが好ましいことが判った。
また実施例2−1〜2−6の結果より、特にポリオレフィン系等の低極性表面に対する印刷において求められるより高い定着性を確保するためには、粘着付与剤としてロジンエステル樹脂が好ましいこと、上記ロジンエステル樹脂としては酸価が2mgKOH/g以上、10mgKOH/g以下であるものを用いるのが好ましいことが判った。
さらに実施例2−1、2−10〜2−14の結果より、間欠印刷性をより一層向上するためには、エタノールとプロパノールの質量比E/Pが1.0以上であるのが好ましく、3.0以下、特に2.0以下であるのが好ましいこと、さらに1−ブタノールを併用するのが好ましいことが判った。

Claims (6)

  1. 軟化点が70℃以上、125℃以下であるフェノール樹脂、粘着付与剤、着色剤、および有機溶剤を含んでいるインクジェットインク。
  2. 前記有機溶剤は、炭素数1〜3のアルコールを少なくとも含んでいる請求項1に記載のインクジェットインク。
  3. 前記着色剤は染料であり、前記粘着付与剤はテルペンフェノール樹脂である請求項1または2に記載のインクジェットインク。
  4. 前記テルペンフェノール樹脂は、水酸基価が10mgKOH/g以上、45mgKOH/g以下である請求項3に記載のインクジェットインク。
  5. 前記着色剤は顔料であり、前記粘着付与剤はロジンエステル樹脂である請求項1または2に記載のインクジェットインク。
  6. 前記ロジンエステル樹脂は、酸価が2mgKOH/g以上、10mgKOH/g以下である請求項5に記載のインクジェットインク。
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