JP2014019842A - インクジェット組成物、インクジェット記録装置、および記録物 - Google Patents

インクジェット組成物、インクジェット記録装置、および記録物 Download PDF

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Abstract

【課題】耐擦性に優れ、しかもノズルの目詰まりを低減でき、かつ保存安定性に優れるインク組成物、およびそれを用いたインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】色材と、1,2−ペンタンジオールと、1,2−ヘキサンジオールとを含み、
前記1,2−ペンタンジオールの含有量は、0質量%超過20質量%未満であるインク組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、インク組成物と、これを用いたインクジェット記録装置、およびその記録物とに関する。
インクジェット記録用ヘッドのノズルから吐出させた微小なインク滴によって画像や文字を記録するインクジェット記録装置は、従来、主に紙等のインク吸水性の被記録媒体表面への記録に利用されてきた。このようなインクジェット記録装置に用いられるインク組成物としては、各種の染料および/または顔料等の色材を高沸点有機溶剤、および水の混合物に溶解ないし分散させたものが広く利用されている。かかる高沸点有機溶剤は、低揮発性および保水能力に優れていることから、インクジェット記録用ヘッドのノズルの乾燥防止に寄与している。
一方、紙等の吸水性の被記録媒体だけではなく、印刷本紙、合成紙、フィルム等のインク非吸収性または低吸収性の被記録媒体に対してもインクジェット記録装置により記録可能なインク組成物が要求されている。このような要求に対して、インク非吸収性または低吸収性の被記録媒体に記録可能なインク組成物が幾つか提案されている(たとえば、特許文献1〜4参照)。
特開2007−217671号公報 特開2008−101192号公報 特開2009−67909号公報 特開2010−7054号公報
しかしながら、従来提案されているインク組成物は、グリセリンを初めとする高沸点有機溶剤を含有するため、インク非吸収性または低吸収性の被記録媒体上に記録した際に、インクの乾燥が遅くなる傾向があった。その結果、記録された画像や文字の耐擦性が低下し、さらにベタ部等のインク量の多い部分においては濃淡ムラが発生しやすい傾向があった。
その一方で、高沸点有機溶剤を含有しないインク組成物は、インクジェット記録用ヘッドのノズルの乾燥を防止することができずノズルの目詰まりが生じやすくなると共に、主溶媒に対して溶解性の低い有機溶剤がインクから分離しインクの保存安定性も低下する傾向があった。
そこで、本発明に係る幾つかの態様は、前記課題を解決することで、種々の被記録媒体に対して印刷可能なインク組成物およびインクジェット記録装置を提供するものであり、すわなち、インク吸収性、インク低吸収性、さらにはインク非吸収性のいずれの被記録媒体上に記録した際においても、濃淡ムラ抑制および耐擦性に優れ、しかもノズルの目詰まりを低減でき、かつ保存安定性に優れるインク組成物、およびそれを用いたインクジェット記録装置を提供するものである。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
色材と、1,2−ペンタンジオールと、1,2−ヘキサンジオールとを含み、前記1,2−ペンタンジオールの含有量は、0質量%超過20質量%未満である、インク組成物。
[適用例2]
デービス法のHLB値が3.0〜7.8のグリコールエーテル、消泡剤、難溶解性アルカンジオールから選択される一種以上を含み、
1,2−ペンタンジオール及び1,2−ヘキサンジオールの総量と、デービス法のHLB値が3.0〜7.8のグリコールエーテル、消泡剤、難水溶性アルカンジオールとの総量の質量比は、3:1〜15:1である、適用例1に記載のインク組成物。
[適用例3]
標準沸点280℃以上のアルキルポリオールを実質的に含有しない、適用例1又は2に記載のインク組成物。
[適用例4]
前記1,2−ペンタンジオール及び前記1,2−ヘキサンジオール以外の標準沸点190℃以上250℃以下のアルキルポリオールをさらに含む、適用例1ないし3のいずれか一例に記載のインク組成物。
[適用例5]
デービス法によるHLB値が3.0〜7.8の範囲内であるのグリコールエーテルを含む適用例1ないし4のいずれか一例に記載のインク組成物。
[適用例6]
消泡剤を含む適用例1ないし5のいずれか一例に記載のインク組成物。
[適用例7]
インク組成物中の標準沸点190℃以上250℃以下のアルキルポリオールの総量が10質量%以上30質量%以下である、適用例1ないし6のいずれか一例に記載のインク組成物。
[適用例8]
前記色材が樹脂分散剤によって分散された顔料であり、
分散後の前記色材の平均粒子径が80nm以上140nm以下である、適用例1ないし7のいずれか一例に記載のインク組成物。
[適用例9]
適用例1ないし8のいずれか一例に記載のインク組成物を用いて記録を行う記録装置。
[適用例10]
適用例1ないし8のいずれか一例に記載のインク組成物が記録された記録物。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。以下に説明する実施の形態は、本発明の一例を説明するものである。また、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。
1.インク組成物
1.1.色材
本実施の形態に係るインク組成物は、色材を含んでなる。色材としては、染料または顔料が挙げられるが、耐水性、耐ガス性、耐光性等を有する観点から顔料であることが好ましい。
このような顔料としては、公知の無機顔料、有機顔料、カーボンブラックのいずれも用いることができる。これらの顔料は、インク組成物全量に対して0.5質量%以上20質量%以下の範囲で含まれることが好ましく、1質量%以上10質量%以下の範囲で含まれることがより好ましい。
前記顔料をインク組成物に適用するためには、顔料が水中で安定的に分散保持できるようにする必要がある。その方法としては、水溶性樹脂および/または水分散性樹脂等の樹脂分散剤にて分散させる方法(以下、この方法により処理された顔料を「樹脂分散顔料」と記載する)、水溶性界面活性剤および/または水分散性界面活性剤の界面活性剤にて分散させる方法(以下、この方法により処理された顔料を「界面活性剤分散顔料」と記載する)、顔料粒子表面に親水性官能基を化学的・物理的に導入し、前記の樹脂あるいは界面活性剤等の分散剤なしで水中に分散および/または溶解可能とする方法(以下、この方法により処理された顔料を「表面処理顔料」と記載する)等が挙げられる。本実施の形態に係るインク組成物は、前記の樹脂分散顔料、界面活性剤分散顔料、表面処理顔料のいずれも用いることができ、必要に応じて複数種混合した形で用いることもできるが、少なくとも樹脂分散顔料を含有していることが好ましい。
樹脂分散顔料に用いられる樹脂分散剤としては、ポリビニルアルコール類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α―メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α―メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等およびこれらの塩が挙げられる。これらの中でも、疎水性官能基を有するモノマーと親水性官能基を持つモノマーとの共重合体、疎水性官能基と親水性官能基とを併せ持つモノマーからなる重合体が好ましい。共重合体の形態としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれの形態でも用いることができる。
前記樹脂分散剤の分子量は、重量平均分子量として1,000〜100,000の範囲であることが好ましく、3,000〜10,000の範囲であることがより好ましい。分子量が前記範囲であることにより、顔料が水中で安定的に分散し、またインク組成物に適用した際の粘度制御等がしやすい。
また、酸価としては30〜300の範囲であることが好ましく、50〜150の範囲であることがより好ましい。酸価がこの範囲であることにより、顔料粒子の水中での分散性が安定的に確保でき、またこれを用いたインク組成物にて記録された記録物の耐水性が良好となる。
以上述べた樹脂分散剤としては市販品を用いることもできる。詳しくは、ジョンクリ67(重量平均分子量:12,500、酸価:213)、ジョンクリル678(重量平均分子量:8,500、酸価:215)、ジョンクリル586(重量平均分子量:4,600、酸価:108)、ジョンクリル611(重量平均分子量:8,100、酸価:53)、ジョンクリル680(重量平均分子量:4,900、酸価:215)、ジョンクリル682(重量平均分子量:1,700、酸価:238)、ジョンクリル683(重量平均分子量:8,000、酸価:160)、ジョンクリル690(重量平均分子量:16,500、酸価:240)(以上商品名、BASFジャパン株式会社製)等が挙げられる。
また、界面活性剤分散顔料に用いられる界面活性剤としては、アルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アシルメチルタウリン酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸塩、アルキル硫酸エステル塩、硫酸化オレフィン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、モノグリセライトリン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、アルキルピリジウム塩、アルキルアミノ酸塩、アルキルジメチルベタイン等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミド、グリセリンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル等のノニオン性界面活性剤が挙げられる。
前記樹脂分散剤または前記界面活性剤の顔料に対する添加量は、顔料100質量部に対して好ましくは1質量部〜100質量部であり、より好ましくは5質量部〜50質量部である。この範囲であることにより、顔料の水中への分散安定性が確保できる。
以上に述べた樹脂分散顔料、界面活性剤分散顔料、表面処理顔料を水中に分散させる方法としては、樹脂分散顔料については顔料と水と樹脂分散剤、界面活性剤分散顔料については顔料と水と界面活性剤、表面処理顔料については表面処理顔料と水、また各々に必要に応じて水溶性有機溶剤・中和剤等を加えて、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、ジェットミル、オングミル等の従来用いられている分散機にて行なうことができる。この場合、樹脂で分散された顔料の粒子径としては、体積基準の平均粒子径で20nm〜500nmの範囲になるまで、より好ましくは50nm〜300nmの範囲になるまで分散することが顔料の水中での分散安定性を確保する点で好ましく、より好ましくは80nm〜140nmになるまで分散することが発色性、耐擦性の点で好ましい。なお、樹脂分散剤に用いられる樹脂は水溶性樹脂であっても、水中で粒子状態で存在している水不溶性樹脂であっても良い。
本明細書における平均粒子径は、特に異なりの無い限り体積基準のものである。測定方法としては、例えば、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。粒度分布測定装置としては、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、日機装株式会社製のマイクロトラックUPA)が挙げられる。
1.2.「1,2−ペンタンジオール」
本実施の形態に係るインク組成物は、1,2−ペンタンジオール(標準沸点;210℃)を0質量%超過20質量%未満の範囲で含んでなる。また、本願発明は標準沸点280℃以上のアルキルポリオールを実質的に含有しない。当該ポリオールは、従来良好な保湿剤として用いられてきたが、記録媒体上での速乾性が求められるインク組成物の場合、当該ポリオールを含ませることが出来ない。しかし、本実施の形態に係るインク組成物は、1,2−ペンタンジオールを含むことで、保存安定性を損なうことなく、インク非吸収性または低吸収性の被記録媒体に印刷した際の速乾性、インクジェット記録用ヘッドの目詰まり防止剤、他の溶剤や界面活性剤のインクビヒクル中への可溶剤としての特性、及びインク非吸収性または低吸収性の非記録媒体に対する濡れ性向上効果を有し、加えて、紙等の吸水性の被記録媒体に対する吸収性、さらに、紙等の吸水性の被記録媒体に印刷した際の発色性も向上する。これにより、種々の被記録媒体に対して濃淡ムラを低減させ、にじみのない高発色な画像を記録することができると共に、インクジェット記録用ヘッドのノズルの目詰まりを低減させることができる。また、1,2−ペンタンジオールは後述する1,2−ヘキサンジオールと同様に難溶解性の有機溶剤の可溶化効果を有し、かつ、1,2−ヘキサンジオールよりも顔料や染料、及び樹脂の分散安定性の阻害効果も低いという特性を有する。
また、本実施の形態に係るインク組成物において、1,2−ペンタンジオールは、多量にインク中に含ませると顔料の分散安定性を阻害し、インク組成物としての保存安定性が劣化してしまう事、かつ、記録媒体上で乾燥性が低下してしまう事より、添加量はインク組成物中で20質量%未満が好ましい。
前記1,2−ペンタンジオールの含有量は、被記録媒体への濡れ性及び浸透性を向上させて濃淡ムラを低減させる効果や、インク保存安定性及び吐出信頼性を確保する観点から、インク組成物全量に対して0.5質量%以上10質量%以下の範囲で含まれることが好ましい。0.5質量%未満であると、他の溶剤や界面活性剤のインクビヒクル中への可溶剤としての効果が不十分となり保存安定性が低下したり、インクジェット記録用ヘッドからインクを吐出する際の吐出安定性が低下したりする場合があった。またインク組成物の乾燥性が高まることで、インクジェット記録用ヘッドのノズルの目詰まりが発生する場合がある。一方、20質量%よりも大きくなると、顔料の分散安定性が低下し、かつ、インク組成物の乾燥性が低下することで、画像の濃淡ムラが目立ち、画像の定着性が低下する場合がある。また、インク組成物粘度をインクジェット記録方式に適した範囲に調整し難くなる。
なお、本明細書における「実質的に含まない」とは、添加する意義を十分に発揮する量以上含有させないことを意味する。これを定量的に言えば、標準沸点280℃以上のアルキルポリオールが、着色インクの総質量(100質量%)に対して、1.0質量%以上含まないことであり、0.5質量%以上含まないことがより好ましく、0.1質量%以上含まないことがさらに好ましく、0.05質量%以上含まないことがさらにより好ましい。
1.3.「1,2−ヘキサンジオール」
インク組成物は、被記録媒体への濡れ性及び浸透性を向上させて濃淡ムラを低減させる効果や、インク保存安定性及び吐出信頼性を確保する観点から、1,2−ヘキサンジオール(標準沸点224℃)を含有する事が好ましい。この場合の含有量は、インク組成物全量に対して0.5質量%以上10質量%以下の範囲で含まれることが好ましい。より好ましくは1質量%以上7質量%以下である。
0.5質量%未満であると、インク組成物の保存安定性が低下し、またインク組成物の乾燥性が高まることで、インクジェット記録用ヘッドのノズルの目詰まりが発生する場合がある。一方、10質量%よりも大きくなると、インク組成物の乾燥性が低下することで、画像の濃淡ムラが目立ち、画像の定着性が低下する場合がある。また、インク組成物粘度をインクジェット記録方式に適した範囲に調整し難くなる。
1,2−ヘキサンジオールと1,2−ペンタンジオールとを併用する事によって、保湿性、吐出安定性、難溶解性溶剤の可溶化(保存安定性)を両立する事が出来るという顕著な効果が得られる。
また、1,2−ヘキサンジオールには、1,2−ペンタンジオール以上に難溶解性溶剤の可溶化及び吐出安定性を向上させる効果があり、両者を含ませることによって、インク組成物としての難溶解性溶剤の可溶化(保存安定性の向上)、吐出安定性の向上等のバランスを取ることが出来る。よって、1,2−ヘキサンジオールを含ませる場合、1,2−ヘキサンジオールと1,2−ペンタンジオールとの総量は1質量%以上20質量%以下であると好ましく、2質量%以上20質量%以下である事が一層好ましい。
1.4.アルキルポリオール類
本実施の形態に係るインク組成物は、1,2−ペンタンジオールと1,2−ヘキサンジオール以外の標準沸点190〜250℃の範囲内であるアルキルポリオール類をさらに含んでなることが好ましい。本実施の形態に係るインク組成物は、前述の沸点範囲を満たすアルキルポリオール類を含むことで、被記録媒体種の影響をあまり受けずに、より一層インク組成物の濡れ性、浸透性、乾燥性を制御することできる。これにより、種々の被記録媒体に対して定着性に優れた画像を記録することができると共に、インクジェット記録用ヘッドのノズルの目詰まりを低減させることができる。
さらに本実施の形態に係るインク組成物に含まれる標準沸点190℃以上250℃以下のアルキルポリオール類の総量は、記録媒体上での乾燥性及びヘッド内での保存安定性の観点から10質量%以上30質量が好ましい。
1,2−ペンタンジオールと1,2−ヘキサンジオール以外の標準沸点190℃以上250℃以下のアルキルポリオールとしては、例えば、1,2−ブタンジオール(沸点194℃)、エチレングリコール(沸点196℃)、1,2−エタンジオール(沸点197℃)、1,2−プロパンジオール(沸点188℃)、2−メチルペンタン−2,4−ジオール(沸点197℃)、ジブチレングリコール(沸点202℃)、1,3−ブチレングリコール(沸点207℃)1,3−ブタンジオール(沸点208℃)、1,3−プロパンジオール(沸点210℃)、3−メチル−1,3−ブタンジオール(沸点203℃)、2−メチル−1,3−プロパンジオール(沸点214℃)、及び2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(沸点210℃)、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール(沸点226℃)、1,2−ヘプタンジオール(沸点227℃)、1,4−ブタンジオール(沸点230℃)、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール(沸点230℃)、ジプロピレングリコール(沸点230℃)、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(沸点244℃)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(沸点249℃)、及び1,6−ヘキサンジオール(沸点250℃)が挙げられる。上述された溶剤の中でも、1,2−ブタンジオール(沸点194℃)、1,3−ブタンジオール(沸点208℃)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(沸点249℃)、3−メチル−1,3−ブタンジオール(沸点203℃)を含むことがより好ましい。なお、プロピレングリコール(沸点188℃)は上述の沸点の範囲には含まれない。
1.5.グリコールエーテル類
本実施の形態に係るインク組成物は、デービス法により算出されたHLB値が3.0〜7.8の範囲内であるグリコールエーテル類を含んでなることが好ましい。本実施の形態に係るインク組成物は、前述のHLB値範囲を満たすグリコールエーテル類を含むことで、被記録媒体種の影響をあまり受けずに濡れ性・浸透速度を制御することできる。これにより、種々の被記録媒体、特にインク非吸収性または低吸収性の被記録媒体に対して濃淡ムラが少ない鮮明な画像を記録することができる。
ここで、本実施の形態において用いられるグリコールエーテル類のHLB値は、デービスらが提唱した化合物の親水性を評価する値であり、たとえば文献「J.T.Davies and E.K.Rideal,“Interface Phenomena”2nd ed.Academic Press,New York 1963」中で定義されているデービス法により求められる数値で、下記の式(1)によって算出される値をいう。
HLB値=7+Σ[1]+Σ[2] ・・・・・(1)
(但し、[1]は親水基の基数を表し、[2]は疎水基の基数を表す。)
下記の表1に、代表的な親水基および疎水基の基数を例示する。
Figure 2014019842
本実施の形態に係るインク組成物に含まれるグリコールエーテル類は、デービス法により算出されたHLB値が3.0〜7.8の範囲内であり、3.0〜7.8の範囲内であることが好ましい。HLB値が3.0未満であるとグリコールエーテル類の疎水性が高まり、主溶媒である水との親和性が低下してインクの保存安定性が低下する場合がある。HLB値が7.8より大きくなると、被記録媒体への濡れ性・浸透性の効果が減少し、画像の濃淡ムラが目立つ場合がある。特に、疎水表面であるインク非吸収性または低吸収性記録媒体への濡れ性の効果は顕著に低下する傾向がある。前記HLBのより良好な範囲は4.2〜7.1である。
このようなグリコールエーテル類の具体例としては、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノイソヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノイソヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノイソヘキシルエーテル、エチレングリコールモノイソヘプチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソヘプチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソヘプチルエーテル、エチレングリコールモノオクチルエーテル、エチレングリコールモノイソオクチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソオクチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソオクチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルペンチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルペンチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−メチルペンチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−メチルペンチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。これらは、1種単独または2種以上を混合して使用することができる。
前記例示したグリコールエーテル類の中でも、そのグリコールエーテル類中に含まれるアルキル基が分岐構造を有することがより好ましい。アルキル基が分岐構造を有するグリコールエーテル類を含有することで、特にインク非吸収性または低吸収性の被記録媒体に対して濃淡ムラが少ない鮮明な画像を記録することができる。具体的には、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノイソヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノイソヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノイソヘキシルエーテル、エチレングリコールモノイソヘプチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソヘプチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソヘプチルエーテル、エチレングリコールモノイソオクチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソオクチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソオクチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルペンチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルペンチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−メチルペンチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−メチルペンチルエーテル等が挙げられる。
前記グリコールエーテル類中に含まれるアルキル基の分岐構造の中でも、発色性をさらに高める観点から、2−メチルペンチル基、2−エチルペンチル基、2−エチルヘキシル基がさらに好ましく、2−エチルヘキシル基が特に好ましい。具体的には、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルペンチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルペンチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−メチルペンチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−メチルペンチルエーテル等が挙げられ、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル等が特に好ましい。
前記グリコールエーテル類の含有量は、被記録媒体への濡れ性および浸透性を向上させて濃淡ムラを低減させる効果や、インク保存安定性および吐出信頼性を確保する観点から、インク組成物全量に対して0.05質量%以上6質量%以下の範囲で含まれることが好ましい。0.05質量%未満であると、インク組成物の濡れ性、浸透性、乾燥性が乏しくなってしまい、鮮明な画像が得られにくく、また印刷濃度(発色性)が不充分である場合がある。また、6質量%よりも大きくなると、インクの粘度が高くなりヘッドの目詰まりが発生したり、インク組成物中に完全に溶解しないことにより保存安定性が得られなかったりする場合がある。
また、本実施の形態に係るインク組成物中の前記アルキルポリオール類は、デービス法により算出されたHLB値が3.0〜7.8の範囲内であるグリコールエーテル類のインクビヒクル中への可溶化剤という特性を有する。
1.6.樹脂粒子
樹脂粒子には、主として後述するインクジェット記録装置における乾燥装置により樹脂皮膜を形成し被記録媒体上に定着させる効果を持つポリマー粒子と、記録された記録物の表面に滑沢を付与し耐擦性を向上させるワックス粒子と、が含まれる。本実施の形態に係るインク組成物には、樹脂粒子としてポリマー粒子とワックス粒子とを併用して添加することが好ましい。なお、樹脂粒子の熱変形温度は40℃以上であることが好ましい。以下、ポリマー粒子およびワックス粒子について詳細に説明する。
1.6.1.ポリマー粒子
ポリマー粒子を構成する樹脂としては、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリルアミド系樹脂、エポキシ系樹脂およびこれらの混合物からなる群より選択されるものが好ましくは挙げられる。これらの樹脂はホモポリマーまたはコポリマーして利用されて良く、単相構造または複相構造(コアシェル型)の何れのものとして利用されてよく、より具体的には、たとえばポリアクリル酸エステルもしくはその共重合体、ポリメタクリル酸エステルもしくはその共重合体、ポリアクリロニトリルもしくはその共重合体、ポリシアノアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリスチレンもしくはそれらの共重合体、石油樹脂、クロマン・インデン樹脂、テルペン樹脂、ポリ酢酸ビニルもしくはその共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルエーテル、ポリ塩化ビニルもしくはその共重合体、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、フッ素ゴム、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール、ポリブタジエンもしくはその共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、天然樹脂等が挙げられる。この中で、特に分子構造中に疎水性部分と親水性部分とを併せ持つものが好ましい。
前記のようなポリマー粒子としては、公知の材料・方法で得られるものを用いることもできる。たとえば特公昭62−1426号公報、特開平3−56573号公報、特開平3−79678号公報、特開平3−160068号公報、特開平4−18462号公報等に記載のものを用いてもよい。また、市販品を用いることもでき、たとえばマイクロジェルE−1002、マイクロジェルE−5002(以上商品名、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001、ボンコート5454(以上商品名、大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE1014(商品名、日本ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−200(商品名、サイデン化学株式会社製)、ジョンクリル7100、ジョンクリル390、ジョンクリル711、ジョンクリル511、ジョンクリル7001、ジョンクリル632、ジョンクリル741、ジョンクリル450、ジョンクリル840、ジョンクリル74J、ジョンクリルHRC−1645J、ジョンクリル734、ジョンクリル852、ジョンクリル7600、ジョンクリル775、ジョンクリル537J、ジョンクリル1535、ジョンクリルPDX−7630A、ジョンクリル352J、ジョンクリル352D、ジョンクリルPDX−7145、ジョンクリル538J、ジョンクリル7640、ジョンクリル7641、ジョンクリル631、ジョンクリル790、ジョンクリル780、ジョンクリル7610(以上商品名、BASFジャパン株式会社製)、タケラックWS−5000、タケラックWS−6021、タケラックW−6010、タケラックW−6020、タケラックW−6061、タケラックW−605、タケラックW−635、タケラックW−5030、タケラックW−5661(以上商品名、三井化学株式会社製)、レザミンD−1060、レザミンD−4051、レザミンD−4052、レザミンD−4080、レザミンD−4200、レザミンD−6300、レザミンD−6455(以上商品名、大日精化株式会社製)が挙げられる。
上記のポリマー粒子は、以下に示す方法で得られ、そのいずれの方法でもよく、必要に応じて複数の方法を組み合わせてもよい。その方法としては、所望のポリマー粒子を構成する成分の単量体中に重合触媒(重合開始剤)と分散剤とを混合して重合(すなわち乳化重合)する方法、親水性部分を持つポリマーを水溶性有機溶剤に溶解させその溶液を水中に混合した後に水溶性有機溶剤を蒸留等で除去することで粒子を得る方法、ポリマーを非水溶性有機溶剤に溶解させその溶液を分散剤と共に水溶液中に混合して粒子を得る方法等が挙げられる。上記の方法は、用いるポリマーの種類・特性に応じて適宜選択することができる。ポリマーを微粒子状態に分散する際に用いることのできる分散剤としては、特に制限はないが、アニオン性界面活性剤(たとえばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ラウリルリン酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩等)、ノニオン性界面活性剤(たとえばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル)が挙げられ、これらを単独あるいは二種以上を混合して用いることができる。
以上述べたポリマー粒子を構成する成分の熱変形温度(ガラス転移温度又は最低造膜温度(MFT)のいずれかを示す)が、40℃以上であるものを少なくとも1種含んでいることが好ましい。熱変形温度40℃以上である成分を含むことにより、後述する第2工程(乾燥工程)においてより強固な樹脂皮膜が形成される効果が高い。そのため、記録された画像の耐擦性がさらに良好となる。またインクジェット記録式ヘッドのノズル先端でのインクの目詰まりが発生しにくい。一方、熱変形温度が40℃未満である成分のみからなるポリマー粒子を用いた場合、後述する第2工程(乾燥工程)を経ても強固な樹脂被膜が形成されにくく記録された画像の耐擦性が不良となる場合がある。さらにノズル先端でインク固化物が発生して目詰まりが発生しやすくなる場合がある。
酢酸ビニル系ポリマー粒子の体積基準の平均粒子径は、水性インク組成物の保存安定性・吐出安定性を確保する点から、好ましくは5nm〜2,000nmの範囲であり、より好ましくは50nm〜800nmの範囲である。
1.6.2.ワックス粒子
本実施の形態に係るインク組成物は、ワックス粒子を含んでいてもよい。ワックス粒子を添加することにより、主として後述するインクジェット記録方法における第2工程(乾燥工程)により樹脂皮膜を形成し被記録媒体上に定着させる効果を持つ酢酸ビニル系ポリマー粒子と相乗して、記録された記録物の表面に滑沢を付与し耐擦性を向上させる効果がある。本実施の形態に係るインク組成物には、酢酸ビニル系ポリマー粒子とワックス粒子とを併用して添加することが好ましい。以下、ワックス粒子について詳細に説明する。
前記ワックス粒子を構成する成分としては、たとえばカルナバワックス、キャンデリワックス、みつろう、ライスワックス、ラノリン等の植物・動物系ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト等の鉱物系ワックス;カーボンワックス、ヘキストワックス、ポリオレフィンワックス、ステアリン酸アミド等の合成ワックス類、α−オレフィン・無水マレイン酸共重合体等の天然・合成ワックスエマルジョンや配合ワックス等を単独あるいは複数種を混合して用いることができる。この中で好ましいワックスの種類としては、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、特にポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスである。ワックス粒子としては市販品をそのまま利用することもでき、たとえばノプコートPEM17(商品名、サンノプコ株式会社製)、ケミパールW4005(商品名、三井化学株式会社製)、AQUACER515、AQUACER593(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)等が挙げられる。
ワックス粒子の体積基準の平均粒子径は、水性インク組成物の保存安定性・吐出安定性を確保する点から、好ましくは5nm〜400nmの範囲であり、より好ましくは20nm〜100nmの範囲である。また、ワックス粒子は、上述の熱可塑性樹脂と同様に熱変形温度は40℃以上であることが一層好ましい。
以上述べたワックス粒子の含有量は、インク組成物全量に対して、固形分換算で0.1質量%〜5質量%の範囲であることが好ましい。この範囲内であることにより、インク非吸収性または低吸収性の被記録媒体上においても、インク組成物を固化・定着させることができる。なお、ワックス粒子と、ワックス粒子以外のポリマー粒子を併用する事によりより一層優れた効果を得る事が出来る。
ポリマー粒子及びワックス粒子を併用した場合に記録された画像の耐擦性が良好となる理由はいまだ明らかではないが、下記のように推察される。ポリマー粒子を構成する成分は、インク非吸収性または低吸収性の被記録媒体及び水不溶性の着色剤に対して良好な親和性を有するため、第2工程(乾燥工程)において樹脂皮膜を形成する際に色材を包み込みながら被記録媒体上に強固に定着する。一方、ワックス粒子の成分は、樹脂皮膜の表面にも存在しており、樹脂皮膜表面の摩擦抵抗を低減する特性を有する。これにより、外部からの擦れによって削れにくく、かつ被記録媒体から剥がれにくい樹脂皮膜を形成することができるため、記録された画像の耐擦性が向上するものと推察される。
ポリマー粒子とワックス粒子とを併用する場合の含有比率は、固形分換算の質量基準でポリマー粒子:ワックス粒子=1:1〜5:1の範囲であることが好ましい。この範囲内であると、前述した機構が良好に働くため記録された画像の耐擦性が良好となる。
1.7.界面活性剤
本実施の形態に係るインク組成物は、界面活性剤をさらに含んでもよい。インク組成物に界面活性剤を含有させることにより、被記録媒体上に均一に濡れ拡がる作用が付与される。これにより、濃淡ムラが少ない鮮明な画像を記録することが可能となる。
このような効果を有する界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤であることが好ましい。ノニオン系界面活性剤の中でも、特に本実施の形態に係るインク組成物に含まれる前記グリコールエーテル類と前記アルキルポリオール類との相溶性・相乗効果に優れるものとして、シリコーン系界面活性剤および/またはアセチレングリコール系界面活性剤がより好ましい。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリシロキサン系化合物等が好ましく用いられ、ポリエーテル変性オルガノシロキサン等が挙げられる。より詳しくは、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−348(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学株式会社製)等が挙げられる。シリコーン系界面活性剤の含有量は、インク組成物全量に対して、好ましくは1.0質量%以下である。
アセチレングリコール系界面活性剤は、他のノニオン系界面活性剤と比較して、表面張力および界面張力を適正に保つ能力に優れているという特性を有する。これにより、アセチレングリコール系界面活性剤を含有するインク組成物は、表面張力およびヘッドノズル面等のインクと接触するプリンター部材との界面張力を適正に保つことができるため、これをインクジェット記録方式に適用した場合、吐出安定性を高めることができる。また、アセチレングリコール系界面活性剤は、前記グリコールエーテル類と前記アルキルポリオール類と同様に被記録媒体に対して良好な濡れ性・浸透剤として作用するため、これを含んでなるインク組成物により記録された画像は濃淡ムラや滲みの少ない高精細なものとなる。アセチレングリコール系界面活性剤の含有量は、インク組成物全量に対して、好ましくは1.0質量%以下である。
アセチレングリコール系界面活性剤として、たとえばサーフィノール104、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、104S、420、440、465、485、SE、SE−F、504、61、DF37、CT111、CT121、CT131、CT136、TG、GA(以上全て商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)、オルフィンB、Y、P、A、STG、SPC、E1004、E1010、PD−001、PD−002W、PD−003、PD−004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4051、AF−103、AF−104、AK−02、SK−14、AE−3(以上全て商品名、日信化学工業株式会社製)、アセチレノールE00、E00P、E40、E100(以上全て商品名、川研ファインケミカル株式会社製)等が挙げられる。
1.7.1.消泡剤
本実施形態のインクは、消泡剤を含み得る。これによって、インク組成物内での気泡発生を抑制し、吐出安定性が良好なインク組成物を得る事が出来る。
上記消泡剤としては、以下に限定されないが、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤、及びアセチレングリコール系消泡剤が挙げられる。これらの中でも、表面張力及び界面張力を適正に保持する能力に優れており、かつ、起泡を殆ど生じさせないため、シリコーン系消泡剤、アセチレングリコール系消泡剤が好ましい。また、消泡剤のグリフィン法に基づくHLB値は6以下が好ましく、5以下がより好ましい。HLB値が低い溶剤は消泡剤として機能する一方で難溶解性を示す。しかし、本願発明の1,2−ペンタンジオールを用いる事によって、溶解性が良好となる。
消泡剤としては、特に限定されないが、例えば、市販品を用いることができ、詳しくは、BYK−011、BYK−012、BYK−017、BYK−018、BYK−019、BYK−020、BYK−021、BYK−022、BYK−023、BYK−024、BYK−025、BYK−028、BYK−038、BYK−044、BYK−080A、BYK−094、BYK−1610、BYK−1615、BYK−1650、BYK−1730、BYK−1770(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)サーフィノールDF37、DF110D、DF58、DF75、DF220、MD−20、エンバイロジェムAD01(以上全て商品名、日信化学工業社(Nissin Chemical Industry Co.,Ltd.)製)が挙げられる。
消泡剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
消泡剤の含有量は、着色インクの総質量(100質量%)に対して、0.01質量%以上1質量%以下の範囲であることが好ましい。
1.8.ピロリドン誘導体
本実施の形態に係るインク組成物は、ピロリドン誘導体をさらに含んでもよい。これを含んだインク組成物は、特にポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなるフィルム系のインク非吸収性の被記録媒体を用いた場合、インク組成物の小滴を付着させた際の濡れ拡がりが均一となって、ベタ画像においても濃淡ムラや滲みの少ない、くっきりとした鮮明な画像が得られるという特性を有する。その理由は定かではないが、ピロリドン誘導体の分子骨格構造に含まれるピロリドン構造がフィルム系の被記録媒体に対する親和性が高いため、それを含むインク組成物においてもフィルムに対する濡れ性が向上するものと推察される。また、ピロリドン誘導体は前記グリコールエーテル類やアルキルポリオール類との相溶性にも優れているため、本実施の形態に係るインク組成物は優れた保存安定性および吐出安定性の両立が可能となる。さらにピロリドン誘導体は乾燥後には皮膜成分として機能するため、記録された画像の耐擦性向上にも寄与する。
ピロリドン誘導体としては、たとえばN−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、N−ブチル−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
以上述べたピロリドン誘導体は、本実施の形態に係るインク組成物に所望の特性を与えられるのに必要なだけ加えることができるが、好ましい添加量はインク組成物全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であり、より好ましくは1質量%〜5質量%の範囲である。この範囲内であれば、上述した特性をインク組成物に付与することができ、インク組成物の粘度をインクジェット記録方式において適正な範囲に調整しやすい。
1.9.その他の添加剤
本実施の形態に係るインク組成物には、さらにその特性を向上させる観点から、以上に述べた構成成分の他に、必要に応じて浸透溶剤、保湿剤、防腐・防かび剤、pH調整剤、キレート化剤等を添加することができる。
また、本願発明は浸透性、保湿性、メディア対応性を考慮して、難水溶性のアルカンジオールを含ませても良い。軟水溶性のアルカンジオールとは炭素数8以上のアルカンジオールの事を示す。これらに該当する溶剤としては、例えば、1,2−オクタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、4,4−ジメチル−1,2−ペンタンジオールが挙げられる。
1.10.水
本実施の形態に係るインク組成物は、水を含んでなる事が好ましい。水は、前記インク組成物の主となる媒体であり、後述する第2工程(乾燥工程)において蒸発飛散する成分である。水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水または超純水のようなイオン性不純物を極力除去したものであることが好ましい。また、紫外線照射または過酸化水素添加等により滅菌した水を用いると、顔料分散液およびこれを用いたインク組成物を長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。
1.11.インク組成物の物性
インク組成物のpHは、中性ないしアルカリ性であることが好ましく、7.0〜10.0の範囲内であることがより好ましい。pHが酸性であると、インク組成物の保存安定性および分散安定性が損なわれることがある。また、インクジェット記録装置内のインク流路に用いられている金属部品の腐食等の不具合が発生しやすくなる。pHは、前述したpH調整剤を用いて中性ないしアルカリ性に調整することができる。
インク組成物の粘度は、20℃において1.5mPa・s〜15mPa・sの範囲であることが好ましい。この範囲内であれば、後述する第1工程においてインクの吐出安定性を確保することができる。
インク組成物の表面張力は、25℃において15mN/m〜40mN/mであることが好ましく、20mN/m〜35mN/mであることがより好ましい。この範囲内であれば、後述する第1工程においてインクの吐出安定性を確保することができ、インク非吸収性または低吸収性の被記録媒体に対する適正な濡れ性を確保することができる。
1.12.その他
本願発明において、水に対して溶解性の低い、デービス法のHLB値が3.0〜7.8のグリコールエーテル、消泡剤、難溶解性アルカンジオールから選択される一種以上が含まれているインク組成物の場合、1,2−ペンタンジオール及び1,2−ヘキサンジオールの総量と、デービス法のHLB値が3.0〜7.8のグリコールエーテル、消泡剤、難水溶性アルカンジオールとの総量の質量比は、保存安定性の観点から、3:1〜15:1である事が好ましい。より好ましくは5:1〜12:1である。
1.12.インク組成物の製造方法
本実施の形態に係るインク組成物は、前述した材料を任意な順序で混合し、必要に応じて濾過等をして不純物を除去することにより得られる。ここで、色材は、あらかじめ水性媒体中に均一に分散させた状態に調製した上で混合した方が、取り扱いの簡便さ等から好ましい。
各材料の混合方法としては、メカニカルスターラー、マグネチックスターラー等の撹拌装置を備えた容器に順次材料を添加して撹拌混合する方法が好適に用いられる。濾過方法としては、遠心濾過、フィルター濾過等を必要に応じて行なうことができる。
2.インクジェット記録装置
本実施の形態に係るインクジェット記録装置は、インクジェット記録ヘッドから被記録媒体上に前述のインク組成物の液滴を吐出して画像を形成する第1工程と、前記第1工程時または前記第1工程後において、乾燥機構により前記被記録媒体を加熱して前記被記録媒体上の前記インク組成物を乾燥させる第2工程と、を含むことを特徴とする。以下、各工程について詳細に説明する。
2.1.第1工程
本実施の形態に係るインクジェット記録装置における第1の工程は、インクジェット記録ヘッドから被記録媒体上に前述したインク組成物の液滴を吐出して画像を形成する工程である。
インクジェット記録ヘッドは、前述したインク組成物を微細なノズルより液滴として吐出して該液滴を被記録媒体に付着させる方式であれば、いかなる方法も使用することができる。インクジェット記録ヘッドの方式として、たとえば以下の4つの方式が挙げられる。
第1の方式は、静電吸引方式と呼ばれるもので、ノズルとノズルの前方に置いた加速電極の間に強電界を印加し、ノズルからインクを液滴状で連続的に噴射させ、インク滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏向電極に与えて記録する方式、あるいはインク滴を偏向することなく印刷情報信号に対応して噴射させる方式である。
第2の方式は、小型ポンプでインク液に圧力を加え、ノズルを水晶振動子等で機械的に振動させることにより、強制的にインク滴を噴射させる方式である。噴射したインク滴は噴射と同時に帯電させ、インク滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏向電極に与えて記録する。
第3の方式は、圧電素子を用いる方式であり、インク液に圧電素子で圧力と印刷情報信号を同時に加え、インク滴を噴射・記録させる方式である。
第4の方式は、熱エネルギーの作用によりインク液を急激に体積膨張させる方式であり、インク液を印刷情報信号にしたがって微小電極で加熱発泡させ、インク滴を噴射・記録させる方式である。
被記録媒体としては、所望に応じてどのようなものを用いてもよい。その中でも、本実施の形態に係るインクジェット記録装置では、インク非吸収性または低吸収性の記録媒体を好適に用いることができる。なお、本明細書において「インク非吸収性及び低吸収性の記録媒体」とは、「ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m2以下である記録媒体」を示す。このブリストー法は、短時間での液体吸収量の測定方法として最も普及している方法であり、日本紙パルプ技術協会(JAPAN TAPPI)でも採用されている。試験方法の詳細は「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法2000年版」の規格No.51「紙及び板紙−液体吸収性試験方法−ブリストー法」に述べられている。
インク非吸収性の記録媒体としては、たとえばインクジェット印刷用に表面処理をしていない(すなわち、インク吸収層を形成していない)プラスチックフィルム、紙等の基材上にプラスチックがコーティングされているものやプラスチックフィルムが接着されているもの等が挙げられる。ここでいうプラスチックとしては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。インク低吸収性の記録媒体として、アート紙、コート紙、マット紙等の印刷本紙が挙げられる。
2.2.第2工程
本実施の形態に係るインクジェット記録装置における第2の工程は、前記第1工程時および前記第1工程後の少なくとも一方において、乾燥機構により被記録媒体上の前記インク組成物を乾燥させる工程である。第2工程を組み込むことにより、被記録媒体上に付着させた前記インク組成物中に含有される液媒体(具体的には、水、グリコールエーテル類、アルキルポリオール類)が速やかに蒸発飛散して、前記インク組成物中に好ましく用いられるピロリドン誘導体および/またはポリマー粒子の皮膜が形成される。これにより、インク吸収層を有しないプラスチックフィルムのようなインク非吸収性の被記録媒体上においても、濃淡ムラが少ない高画質な画像を短時間で得ることができる。また、前記インク組成物中に好ましく用いられるピロリドン誘導体および/またはポリマー粒子の皮膜を形成させることで被記録媒体上にインク乾燥物が接着するため画像が定着する。
第2工程は、インク組成物中に存在する液媒体の蒸発飛散を促進させるものであれば特に限定されない。第2工程に用いられる方法として、第1工程時および第1工程後の少なくとも一方で被記録媒体に熱を加える機構、第1の工程後に被記録媒体上のインク組成物に風を吹きつける機構、さらにそれらを組み合わせる方法等が挙げられる。具体的には、強制空気加熱、輻射加熱、電導加熱、高周波乾燥、マイクロ波乾燥等が好ましく用いられる。
第2工程において熱を与える際の温度範囲は、インク組成物中に存在する液媒体の蒸発飛散を促進することができれば特に制限はないが、40℃以上であればその効果が得られ、好ましくは40℃〜80℃であり、より好ましくは40℃〜60℃の範囲である。温度が80℃を超える場合、被記録媒体の種類によっては変形等の不具合が生じて第2工程後の被記録媒体の搬送に支障が生じたり、被記録媒体が室温まで冷えた際に収縮等の不具合が起こったりする場合がある。
また、第2の工程における加熱時間は、インク組成物中に存在する液媒体が蒸発飛散し、かつ好ましく用いられるピロリドン誘導体および/または樹脂粒子の皮膜を形成することができれば特に制限はなく、用いる液媒体種・樹脂粒子種・印刷速度を加味して適宜設定することができる。
3.実施例
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
3.1.インク組成物の調製
3.1.1.顔料分散液1の調製
本実施例で使用するインク組成物は、色材として水不溶性の顔料を使用した。顔料をインク組成物に添加する際には、あらかじめ該顔料を樹脂分散剤で分散させた顔料分散液を用いた。
なお、顔料分散液1は、以下のようにして調製した。まず、下記の顔料65部をスチレン−アクリル酸系分散樹脂であるジョンクリル611(商品名:BASFジャパン株式会社製)35部、水酸化カリウム1.70部、イオン交換法と逆浸透法により精製した超純水250部を混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行った。得られた水分散液を孔径5μmのメンブランフィルターにて濾過することで、固形分濃度が20%(顔料固形分:15%)のブラック顔料分散液1を得た。得られた分散原液をガラス繊維濾紙GA−100(商品名:アドバンテック東洋社製)で濾過して粗大粒子を除き、顔料濃度が15質量%となるように調整した。また、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(商品名「マイクロトラックUPA」、日機装株式会社製)で顔料分散液1の平均粒子径を測定したところ、110nmであった。
3.1.2.顔料分散液2の調製
ジルコニアビーズによるボールミルにて15時間分散を実施する以外は、上記、「3.1.1.顔料分散液1の調製」と同様にして、固形分濃度が20%(顔料固形分:15%)のブラック顔料分散液2を得た(平均粒子径:90nm)。なお平均粒子径の測定装置はマイクロトラックUPAである(以下同様)。
3.1.3.顔料分散液3の調製
ジルコニアビーズによるボールミルにて7時間分散を実施する以外は、上記、「3.1.1.顔料分散液1の調製」と同様にして、固形分濃度が20%(顔料固形分:15%)のブラック顔料分散液3を得た(平均粒子径:130nm)。
3.1.4.顔料分散液4の調製
ジルコニアビーズによるボールミルにて4時間分散を実施する以外は、上記、「3.1.1.顔料分散液1の調製」と同様にして、固形分濃度が20%(顔料固形分:15%)のブラック顔料分散液4を得た(平均粒子径:150nm)。
以下に、顔料分散液の製造に使用した顔料種を示す。
C.I.ピグメントブラック7(ブラック顔料分散液に使用)。
3.1.5.インク組成物の調製
上記の「3.1.1.顔料分散液1の調製〜3.1.4.顔料分散液4の調製」で調製された各顔料分散液を用いて、表2および表3に示す材料組成にて材料組成の異なるインク組成物を調製した。各インク組成物は、表2および表3に示す材料を容器中に入れ、マグネチックスターラーにて2時間混合撹拌した後、孔径10μmのメンブランフィルターにて濾過してゴミや粗大粒子等の不純物を除去することにより調製した。なお、表2中の数値は、全て質量%を示し、イオン交換水はインク全量が100質量%となるように添加した。
Figure 2014019842
Figure 2014019842
表2および表3において商品名で記載した各材料は、以下の通りである。
BYK−348(ビックケミー・ジャパン株式会社製、シリコーン系界面活性剤)
・サーフィノールDF110D(日信化学株式会社製、アセチレングリコール系消泡剤)
・AQUACER515(ビックケミー・ジャパン株式会社製、ポリエチレンワックスエマルジョン(35%分散液))
・レザミンD−1060(大日精化株式会社製、ポリカーボネート系のウレタン系樹脂からなる樹脂粒子を含むエマルジョン)
・タケラックW−5030(三井化学株式会社製、ポリエーテル系のウレタン系樹脂からなる樹脂粒子を含むエマルジョン)
・AQUACER507(ビックケミー・ジャパン株式会社製、ポリエチレンワックス粒子を含むエマルジョン)
・アルマテックスE118BF、アルマテックスE208(三井化学株式会社製)。
3.2.インク組成物の評価
3.2.1.ヘッドの目詰まり性
表2に示した各インク組成物を、インクジェット記録方式のプリンターであるインクジェットプリンター(製品名「PX−G930」、セイコーエプソン株式会社製、ノズル解像度:180dpi)のヘッド内に充填した。充填後、ノズルチェックパターンを印刷して充填不良・ノズル目詰まりのないことを確認してから、プリンターの電源をOFFにして、ヘッドをホームポジションに戻した状態(すなわちヘッドにキャップした状態)にして、40℃/10〜20%RHの環境下で二週間放置した。放置後、必要に応じてクリーニング動作を行ってノズルチェックパターンを印刷してノズルの吐出状況を観察することで、インク組成物のインクジェットヘッドの目詰まり性を評価した。その評価基準を以下に示すと共に、その評価結果を表4に示す。
A:クリーニング動作が3回以内で、全ノズルからインク組成物が正常吐出された。
B:クリーニング動作が4回〜6回の範囲内で、全ノズルからインク組成物が正常吐出された。
C:クリーニング動作が7回〜10回の範囲内で、全ノズルからインク組成物が正常吐出された。
D:全ノズルからインク組成物が正常吐出されるまでにクリーニング動作が11回以上必要であった。
E:クリーニング動作を11回以上行っても正常吐出されないノズルがあった。
Figure 2014019842
3.2.2.インク組成物の保存安定性
表2に示した各インク組成物を、各々サンプル瓶内に密封して60℃環境下にて1週間放置した。放置後のインクの粘度変化、およびインク成分の分離・沈降・凝集状況を観察することにより、インク組成物の保存安定性を評価した。その評価基準を以下に示すと共に、その評価結果を表5に示す。
<粘度変化>
A:調製直後の粘度と比較して変化率が±5%未満。
B:調製直後の粘度と比較して変化率が±5%以上±10%未満。
C:調製直後の粘度と比較して変化率が±10%以上±20%未満。
D:調製直後の粘度と比較して変化率が±20%以上。
<インク成分の分離・沈降・凝集>
A:インク成分の分離・沈降・凝集が無い。
B:インク成分の分離・沈降・凝集のうちのいずれかがわずかに見られる。
C:インク成分の分離・沈降・凝集のうちのいずれかが明確に見られる。
D:インク成分の分離・沈降・凝集のうちのいずれかが著しい。
Figure 2014019842
3.2.3.記録物の印刷濃度測定
被記録媒体としてインク吸収性の上質紙(商品名「55PW8R」、リンテック株式会社製)を使用した。また、インクジェット記録方式のプリンターとして、紙案内部に温度が可変できるヒーターを取り付けたインクジェットプリンター(製品名「PX−G930」、セイコーエプソン株式会社製、ノズル解像度:180dpi)を用いた。
インクジェットプリンターにインク組成物のいずれかを充填して、上記記録媒体に印刷した。印刷パターンとしては、横720dpi、縦720dpiの解像度で、100%のdutyで印刷できる塗り潰しパターンを作製しこれを用いた。記録条件は、プリンターのヒーター設定を「記録面の温度が40℃となる設定」とした。さらに、記録中および記録直後の記録物に対して80℃の温度の風を送風することにより乾燥処理を行った。なお、前記送風の強度は、被記録媒体表面での風速が2〜5m/秒程度となる状態とした。また、記録直後の送風時間は1分間とした。このような条件で印刷したときの印刷物の印刷濃度(O.D.値)を測定した。測定には、ポータブル反射濃度計RD−19T(商品名、サカタインクスエンジニアリング株式会社製)を用いた。その結果を表6に示す。また印刷物の印刷濃度の評価基準は、以下のとおりである。
A:O.D.値が1.4以上を示す。
B:O.D.値が1.3以上1.4未満を示す。
C:O.D.値が1.3以上1.3未満を示す。
D:O.D.値が1.2未満を示す。
Figure 2014019842
3.2.4.記録物の耐擦性評価
被記録媒体としてインク吸収性の上質紙(商品名「55PW8R」、リンテック株式会社製)、低吸収性の印刷本紙(商品名「PODグロスコート」、王子製紙株式会社製)、インク非吸収性のポリプロピレンフィルム(商品名「SY51M 2.6mil.PPWhite TC RP37 2.2mil.HIGH DENSITY WHITE」、UPM RAFLATA社製、以下「SY51M」と略記する)を使用した。また、インクジェット記録方式のプリンターとして、紙案内部に温度が可変できるヒーターを取り付けたインクジェットプリンター(製品名「PX−G930」、セイコーエプソン株式会社製、ノズル解像度:180dpi)を用いた。
インクジェットプリンターにインク組成物のいずれかを充填して、上記記録媒体に印刷した。印刷パターンとしては、横720dpi、縦720dpiの解像度で、100%のdutyで印刷できる塗り潰しパターンを作製しこれを用いた。記録条件は、プリンターのヒーター設定を「記録面の温度が40℃となる設定」とした。さらに、記録中および記録直後の記録物に対して80℃の温度の風を送風することにより乾燥処理を行った。なお、前記送風の強度は、被記録媒体表面での風速が2〜5m/秒程度となる状態とした。また、記録直後の送風時間は1分間とした。
その後、室温(25℃)環境下の実験室にて5時間放置した記録物の記録面を学振型摩擦堅牢度試験機(製品名「AB−301」、テスター産業株式会社製)を用いて、荷重200g下、綿布にて10回擦ったときの記録面の剥がれ状態や綿布へのインク移り状態を確認することにより耐擦性を評価した。その評価基準を以下に示すと共に、その評価結果を表7に示す。
A:10回擦ってもインク剥がれ・綿布へのインク移りが認められなかった。
B:10回擦った後インク剥がれまたは綿布へのインク移りがわずかに認められた。
C:10回擦った後インク剥がれまたは綿布へのインク移りが認められた。
D:10回擦り終わる前にインク剥がれまたは綿布へのインク移りが認められた。
Figure 2014019842
3.2.5.印刷物の濃淡ムラ評価
記録媒体として、低吸収性の印刷本紙(商品名「PODグロスコート」、王子製紙株式会社製)、インク非吸収性のポリプロピレンフィルム(商品名「SY51M 2.6mil.PPWhite TC RP37 2.2mil.HIGH DENSITY WHITE」、UPM RAFLATA社製、以下「SY51M」と略記する)を使用した。また、インクジェット記録方式のプリンターとして、紙案内部に温度が可変できるヒーターを取り付けたインクジェットプリンター(製品名「PX−G930」、セイコーエプソン株式会社製、ノズル解像度:180dpi)を用いた。
印刷パターンとしては、横720dpi、縦720dpiの解像度で、50%〜100%の範囲のdutyで10%刻みで印刷できる塗り潰しパターンを作製しこれを用いた。その他の印刷条件は、上記「3.3.3.印刷物の印刷濃度測定」と同様にした。
このような条件で記録したときの記録物の濃淡ムラ(発色、光沢ムラ)を目視で確認した。その評価基準を以下に示すと共に、その評価結果を表8に示す。なお、濃淡ムラは本願発明においては必須の解決課題ではない。
A:duty80%以上でも濃淡ムラが認められなかった。
B:duty70%まで濃淡ムラが認められなかった。
C:duty60%まで濃淡ムラが認められなかった。
D:duty60%以下でも濃淡ムラが認められた。
Figure 2014019842
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。

Claims (10)

  1. 色材と、1,2−ペンタンジオールと、1,2−ヘキサンジオールとを含み、
    前記1,2−ペンタンジオールの含有量は、0質量%超過20質量%未満であるインク組成物。
  2. デービス法のHLB値が3.0〜7.8のグリコールエーテル、消泡剤、難溶解性アルカンジオールから選択される一種以上を含み、
    1,2−ペンタンジオール及び1,2−ヘキサンジオールの総量と、デービス法のHLB値が3.0〜7.8のグリコールエーテル、消泡剤、難水溶性アルカンジオールとの総量の質量比は、3:1〜15:1である、請求項1に記載のインク組成物。
  3. 標準沸点280℃以上のアルキルポリオールを実質的に含有しない、請求項1又は2に記載のインク組成物。
  4. 前記1,2−ペンタンジオール及び前記1,2−ヘキサンジオール以外の標準沸点190℃以上250℃以下のアルキルポリオールをさらに含む、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のインク組成物。
  5. デービス法によるHLB値が3.0〜7.8の範囲内であるのグリコールエーテルを含む請求項1ないし4のいずれか一項に記載のインク組成物。
  6. 消泡剤を含む請求項1ないし5のいずれか一項に記載のインク組成物。
  7. インク組成物中の標準沸点190℃以上250℃以下のアルキルポリオールの総量が10質量%以上30質量%以下である、請求項1ないし6のいずれか一項に記載のインク組成物。
  8. 前記色材が樹脂分散剤によって分散された顔料であり、
    分散後の前記色材の平均粒子径が80nm以上140nm以下である、請求項1ないし7のいずれか一項に記載のインク組成物。
  9. 請求項1ないし8のいずれか一項に記載のインク組成物を用いて記録を行う記録装置。
  10. 請求項1ないし8のいずれか一項に記載のインク組成物が記録された記録物。
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