JP2015151463A - インク組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】間欠特性に優れたインク組成物を提供することを目的とする。【解決手段】顔料と、水と、前記顔料を分散させるポリマー分散剤と、を含み、標準沸点280℃以上のアルキルポリオールを実質的に含まず、前記ポリマー分散剤が、構成単位として、炭素数8以上のアルキル基を有する(メタ)アクリレートと、繰り返し単位数が3以上のエチレンオキシ基を有するポリエチレングリコール(メタ)アクリレートと、を有する重合体を含み、前記ポリマー分散剤の重量平均分子量が、10000以上90000未満である、インク組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、インク組成物に関する。
インクジェット記録方法は、比較的単純な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げており、各性能について種々の検討がなされている。例えば、特許文献1には、記録メディアを加熱することだけで、非吸水性記録メディアに高画質で印字できる水性インクジェットインクを提供することを目的として、記録メディアを加熱して印字するのに用いる水性インクジェットインクであって、少なくとも水不溶性樹脂で被覆された顔料、固形分として2%以上10%以下のインク溶解性樹脂、グリコールエーテルもしくは1,2−アルカンジオールから選ばれる水溶性有機溶剤、及びシリコーン系もしくはフッ素系の界面活性剤を含有することを特徴とする水性インクジェットインクが開示されている。
特開2008−208153号公報
従来、顔料を分散させるためには、特許文献1に記載されているように水不溶性樹脂を用いて顔料を被覆する方法が知られている。しかしながら、従来の顔料を分散させるために用いる樹脂(以下、「ポリマー分散剤」ともいう。)は、水には安定的に分散できるものの、有機溶媒への分散安定性には乏しい。そのため、従来のポリマー分散剤を用いると、インクジェットノズル口においてインク組成物中の水の蒸発が進みインク組成が有機溶媒リッチとなった場合、顔料が凝集し吐出不良を生じる、すなわち間欠特性に乏しいという問題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、間欠特性に優れたインク組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、所定のポリマー分散剤を用いることにより上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
顔料と、水と、前記顔料を分散させるポリマー分散剤と、を含み、
標準沸点280℃以上のアルキルポリオールを実質的に含まず、
前記ポリマー分散剤が、構成単位として、炭素数8以上のアルキル基を有する(メタ)アクリレートと、繰り返し単位数が3以上のエチレンオキシ基を有するポリエチレングリコール(メタ)アクリレートと、を有する重合体を含み、
前記ポリマー分散剤の重量平均分子量が、10000以上90000未満である、
インク組成物。
〔2〕
前記炭素数8以上のアルキル基を有する(メタ)アクリレートが、炭素数8以上25以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを含む、前項〔1〕のインク組成物。
〔3〕
前記炭素数8以上のアルキル基を有する(メタ)アクリレートの含有量が、前記重合体の総量に対し、3.0質量%以上15質量%以下であり、
前記ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートの含有量が、前記重合体の総量に対し、3.0質量%以上15質量%以下である、前項〔1〕又は〔2〕のインク組成物。
〔4〕
前記重合体が、構成単位として、炭素数1〜7のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、芳香族基を有する(メタ)アクリレート、及び芳香族基を有するビニル系化合物からなる群より選ばれる1種以上のモノマーを、前記重合体の総量に対し、50質量%以上さらに有する、前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のインク組成物。
〔5〕
前記ポリマー分散剤の酸価が、30mgKOH/g以上120mgKOH/g以下である、前項〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のインク組成物。
〔6〕
前記ポリマー分散剤の水への溶解度が、40%以上である、前項〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のインク組成物。
〔7〕
環状窒素化合物及び非プロトン性極性溶媒の少なくともいずれかをさらに含む、前項〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のインク組成物。
〔8〕
前記ポリマー分散剤の含有量が、前記顔料の総量に対して、15〜70質量%である、前項〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載のインク組成物。
〔9〕
35℃以上に加熱された被記録媒体に記録される、前項〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載のインク組成物。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔インク組成物〕
本実施形態のインク組成物は、顔料と、水と、前記顔料を分散させるポリマー分散剤と、を含み、標準沸点280℃以上のアルキルポリオールを実質的に含まず、前記ポリマー分散剤が、構成単位として、炭素数8以上のアルキル基を有する(メタ)アクリレートと、繰り返し単位数が3以上のエチレンオキシ基を有するポリエチレングリコール(メタ)アクリレートと、を有する重合体を含み、前記ポリマー分散剤の重量平均分子量が、10000以上90000未満である。
従来、インク組成物に用いられているポリマー分散剤は、顔料の水への分散性と有機溶媒への分散性を両立するものではなかった。そのため、インクジェットヘッドのノズル口が被記録媒体からの輻射熱によって加熱されることにより、インク組成物に含まれる水分量が減少し、有機溶媒量が相対的に増加した場合には、分散性が十分ではなくなり、ひいては間欠特性が低下するという問題がある。また、間欠特性の低下は、連続印字安定性の低下にも影響する。さらに、長期間プリンターを使用しない場合にも同様に、インク組成物に含まれる水分量が減少し有機溶媒量が相対的に増加するため、目詰まり回復性が低下するという問題が生じる。
この点において、本実施形態のインク組成物は、所定のモノマーを有するポリマー分散剤を用いることにより、顔料の水への分散性と有機溶媒への分散性を両立することができる。これにより、間欠特性、連続印字安定性、及び目詰まり回復性に優れたインク組成物を得ることができる。
〔顔料〕
本実施形態のインク組成物は、顔料を含む。本実施形態のインク組成物がブラックインクである場合に使用されるカーボンブラックとしては、特に限定されないが、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製)、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700等(以上、コロンビアカーボン(Carbon Columbia)社製)、Rega1 400R、Rega1 330R、Rega1 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等(キャボット社(CABOT JAPAN K.K.)製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color B1ack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4(以上、デグッサ(Degussa)社製)が挙げられる。
本実施形態のインク組成物がホワイトインクである場合に使用される顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントホワイト 6、18、21、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、白色の中空樹脂粒子及び高分子粒子が挙げられる。
本実施形態のインク組成物がイエローインクである場合に使用される顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180が挙げられる。
本実施形態のインク組成物がマゼンタインクである場合に使用される顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントレッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48:2、48:5、57、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、又はC.I.ピグメントヴァイオレット 19、23、32、33、36、38、43、50が挙げられる。
本実施形態のインク組成物がシアンインクである場合に使用される顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66、C.I.バットブルー 4、60が挙げられる。
また、上記以外の顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメント グリーン 7,10、C.I.ピグメントブラウン 3,5,25,26、C.I.ピグメントオレンジ 1,2,5,7,13,14,15,16,24,34,36,38,40,43,63が挙げられる。
顔料の含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは0.10〜6.0質量%であり、より好ましくは0.50〜4.0質量%である。顔料の含有量が0.10質量%以上であることにより、発色性がより向上する傾向にある。また、顔料の含有量が6.0質量%以下であることにより、連続印字安定性、間欠特性、及び目詰まり回復性がより向上する傾向にある。
〔水〕
本実施形態のインク組成物は、水を含む。水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水のような、イオン性不純物を極力除去したものが挙げられる。また、紫外線照射又は過酸化水素の添加等によって滅菌した水を用いると、インクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができる。これにより貯蔵安定性がより向上する傾向にある。
水の含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは30〜80質量部であり、より好ましくは50〜75質量部である。水の含有量が上記範囲内であることにより、連続印字安定性、間欠特性、及び目詰まり回復性がより向上する傾向にある。
〔ポリマー分散剤〕
本実施形態のインク組成物は、顔料を分散させるポリマー分散剤を含む。ポリマー分散剤は、構成単位として、炭素数8以上のアルキル基を有する(メタ)アクリレートと、繰り返し単位数が3以上のエチレンオキシ基(−CH2CH2O−)を有するポリエチレングリコール(メタ)アクリレートと、を有する重合体を含む。
炭素数8以上のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル、n−ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、n−ステアリル(メタ)アクリレート、ノナデシル、イコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ヘキサコシルが挙げられる。このなかでも、炭素数8以上25以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートが好ましく、炭素数8以上18以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートがより好ましい。このようなモノマーを用いることにより、顔料の有機溶媒への分散性がより向上し、間欠特性、連続印字安定性、及び目詰まり回復性により優れたインク組成物を得ることができる。なお、炭素数8以上のアルキル基は、直鎖状のものでも、分岐状のものでもよい。
炭素数8以上のアルキル基を有する(メタ)アクリレートの含有量は、重合体の総量に対し、好ましくは3.0質量%以上15質量%以下であり、より好ましくは3.0質量%以上12.5質量%以下であり、さらに好ましくは3.0質量%以上10質量%以下である。炭素数8以上のアルキル基を有する(メタ)アクリレートの含有量が3.0質量%以上であることにより、間欠特性、連続印字安定性、及び目詰まり回復性がより向上する。また、炭素数8以上のアルキル基を有する(メタ)アクリレートの含有量が15質量%以下であることにより、顔料の水への分散性がより向上する。
上記ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートのエチレンオキシ基の繰り返し単位数は、3以上であり、好ましくは10以上600以下であり、より好ましくは100以上500以下である。エチレンオキシ基の繰り返し単位数が3以上であることにより、連続印字安定性、間欠特性、及び目詰まり回復性がより向上する。
上記ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、好ましくは80以上であり、より好ましくは100以上1000以下であり、さらに好ましくは150以上800以下である。重量平均分子量が80以上であることにより、連続印字安定性、間欠特性、及び目詰まり回復性がより向上する。
上記ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートの含有量は、重合体の総量に対し、好ましくは3.0質量%以上15質量%以下であり、より好ましくは3.0質量%以上13質量%以下であり、さらに好ましくは3.0質量%以上12質量%以下である。そのポリエチレングリコール(メタ)アクリレートの含有量が3.0質量%以上であることにより、顔料の水への分散性がより向上する。また、そのポリエチレングリコール(メタ)アクリレートの含有量が15質量%以下であることにより、間欠特性、連続印字安定性、及び目詰まり回復性がより向上する。
炭素数8以上のアルキル基を有する(メタ)アクリレートに対する、繰り返し単位数が3以上のエチレンオキシ基を有するポリエチレングリコール(メタ)アクリレートの含有量の比(後者/前者)は、質量基準で、好ましくは1/7〜7/1であり、より好ましくは1/5〜5/1であり、さらに好ましくは1/3〜3/1である。その含有量の比が1/7以上であることにより、間欠特性、連続印字安定性、及び目詰まり回復性がより向上する傾向にある。また、その含有量の比が7/1以下であることにより、顔料の水への分散性がより向上する傾向にある。
ポリマー分散剤に含まれる重合体は、構成単位として、炭素数1〜7のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、芳香族基を有する(メタ)アクリレート、芳香族基を有するビニル系化合物、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート、グリシジル基又はエポキシ基を有する(メタ)アクリレート、芳香族基を有しないビニル系化合物、脂環族基を有する(メタ)アクリレート、ジエン系化合物、ニトリル系化合物、アクリルアミド系化合物、及びマレイミド系化合物からなる群より選ばれる1種以上のモノマーを含んでもよい。このなかでも、構成単位として、炭素数1〜7のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、芳香族基を有する(メタ)アクリレート、及び芳香族基を有するビニル系化合物からなる群より選ばれる1種以上のモノマーを含む重合体が、間欠吐出安定性の点で好ましい。
炭素数1〜7のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、芳香族基を有する(メタ)アクリレート、及び芳香族基を有するビニル系化合物の合計の含有量は、重合体の総量に対し、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上90質量%以下であり、さらに好ましくは70質量%以上85質量%以下である。炭素数1〜7のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、芳香族基を有する(メタ)アクリレート、及び芳香族基を有するビニル系化合物の含有量が50質量%以上であることにより、間欠特性、連続印字安定性、及び目詰まり回復性がより向上する傾向にある。また、炭素数1〜7のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、芳香族基を有する(メタ)アクリレート、及び芳香族基を有するビニル系化合物の含有量が90質量%以下であることにより、顔料の水への分散性がより向上する傾向にある。
炭素数1〜7のアルキル基を有する(メタ)アクリレートにおけるアルキル基は、直鎖状及び分岐状のいずれであってもよい。炭素数1〜7のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリフルオロメチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
芳香族基を有する(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、o−メトキシフェニル(メタ)アクリレート、m−メトキシフェニル(メタ)アクリレート、p−メトキシフェニル(メタ)アクリレートが挙げられる。このなかでも、ベンジル(メタ)アクリレートが好ましい。
芳香族基を有するビニル系化合物としては、特に限定されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレンが挙げられる。
ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルグリコサイドが挙げられる。
グリシジル基又はエポキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、α−エチルアクリル酸−3,4−エポキシブチル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチルが挙げられる。
芳香族基を有しないビニル系化合物としては、特に限定されないが、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、イソプロペニルグリシジルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、ビニルシクロヘキセンモノオキサイドが挙げられる。
脂環族基を有する(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジエトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−t−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(t−ブトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(シクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチル−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンが挙げられる。
ジエン系化合物としては、特に限定されないが、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンが挙げられる。
ニトリル系化合物としては、特に限定されないが、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルが挙げられる。
アクリルアミド系化合物としては、特に限定されないが、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、o−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド、m−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド、p−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
マレイミド系化合物としては、特に限定されないが、例えば、フェニルマレイミド、ヒドロキシフェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、ベンジルマレイミドが挙げられる。
上記以外のモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルが挙げられる。
上記各モノマーは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ポリマー分散剤の重量平均分子量は、10000以上90000未満であり、好ましくは20000以上87500以下であり、より好ましくは30000以上85000以下である。ポリマー分散剤の重量平均分子量が10000以上であることにより、インクの保存安定性がより向上する。また、ポリマー分散剤の重量平均分子量が90000未満であることにより、吐出安定性がより向上する。ポリマー分散剤の重量平均分子量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
ポリマー分散剤の分子量分布について、多分散度(Mw/Mn)は、好ましくは1.5以上4.5以下であり、より好ましくは2.0以上4.0以下であり、さらに好ましくは2.5以上3.5以下である。ポリマー分散剤の多分散度が1.5以上であることにより、連続印字安定性がより向上する。また、ポリマー分散剤の多分散度が4.5以下であることにより、吐出安定性がより向上する。ポリマー分散剤の多分散度は、実施例に記載の方法により測定することができる。
ポリマー分散剤の含有量は、顔料の総量に対して、好ましくは15〜70質量%であり、より好ましくは20〜65質量%であり、さらに好ましくは25〜60質量%である。ポリマー分散剤の含有量が15質量%以上であることにより、顔料の水への分散性がより向上する傾向にある。また、ポリマー分散剤の含有量が70質量%以下であることにより、間欠特性、連続印字安定性、及び目詰まり回復性がより向上する傾向にある。
ポリマー分散剤の酸価は、好ましくは30mgKOH/g以上120mgKOH/g以下であり、より好ましくは30mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であり、さらに好ましくは30mgKOH/g以上85mgKOH/g以下である。ポリマー分散剤の酸価が30mgKOH/g以上であることにより、顔料の水への分散性がより向上する傾向にある。また、ポリマー分散剤の酸価が120mgKOH/g以下であることにより、間欠特性、連続印字安定性、及び目詰まり回復性がより向上する傾向にある。ポリマー分散剤の酸価は、実施例に記載の方法により測定することができる。
ポリマー分散剤の水への溶解度は、好ましくは40%以上であり、より好ましくは50%以上100%以下であり、さらに好ましくは60%以上80%以下である。ポリマー分散剤の水への溶解度が40%以上であることにより、顔料の水への分散性がより向上する傾向にある。また、ポリマー分散剤の水への溶解度が100%以下であることにより、間欠特性、連続印字安定性、及び目詰まり回復性がより向上する傾向にある。ポリマー分散剤の水への溶解度は、実施例に記載の方法により測定することができる。
ポリマー分散剤で分散された顔料の平均粒子径は、好ましくは25nm以上300nm以下であり、より好ましくは50nm以上250nm以下であり、さらに好ましくは75nm以上200nm以下である。ポリマー分散剤で分散された顔料の平均粒子径が25nm以上であることにより、間欠吐出安定性がより向上する傾向にある。また、ポリマー分散剤で分散された顔料の粒子径が300nm以下であることにより、連続印字安定性がより向上する傾向にある。ポリマー分散剤の粒子径は、実施例に記載の方法により測定することができる。
ポリマー分散剤のTgは、好ましくは40℃以上120℃以下であり、より好ましくは50℃以上100℃以下であり、さらに好ましくは60℃以上80℃以下である。ポリマー分散剤のTgが40℃以上であることにより、インクの保存安定性がより向上する傾向にある。また、ポリマー分散剤のTgが120℃以下であることにより、耐擦性がより向上する傾向にある。ポリマー分散剤のTgは、実施例に記載の方法により測定することができる。
〔コアシェル型ポリマー粒子〕
本実施形態に係るインク組成物は、コアシェル型ポリマー粒子を含んでもよい。コアシェル型ポリマー粒子は、ガラス転移温度Aの樹脂を含むコア部と、該コア部の表面に形成された、ガラス転移温度Bの樹脂を含むシェル部と、を有するコアシェル型重合体粒子である。ここで、ガラス転移温度Aはガラス転移温度Bより高いことが好ましい。このような重合体粒子を用いることにより、吐出前においては、ノズル内でシェル部が溶融することを抑制できるため吐出安定性に優れる傾向にある。また、吐出後においては、加熱によってシェル部が溶融した後、コア部が溶出して、被記録媒体に対するインク組成物の密着性、被膜の耐擦性がより向上する傾向にある。
(コア部)
コア部に含まれる樹脂のTg(A)は、35℃以下が好ましく、20℃以下がより好ましく、5℃以下がさらに好ましく、特に好ましくは−5℃以下である。コア部に含まれる樹脂のTg(A)が35℃以下であることにより、シェル部が溶融した後、容易にコア部が溶出できるため、密着性により優れる傾向にある。また、コア部に含まれる樹脂のTg(A)が−80℃以上であることにより、インク組成物の保存安定性が優れる傾向にある。
コア部及び後述するシェル部に含まれる樹脂は単独重合体であっても共重合体であってもよい。コア部及び後述するシェル部に含まれる樹脂が単独重合体である場合、単独重合体のTgは各種文献(例えばポリマーハンドブック等)に記載されているものを使用することができる。また、コア部及び後述するシェル部に含まれる樹脂が共重合体である場合、共重合体のTgは、各種単独重合体のTgn(単位:K)と、単量体の質量分率(Wn)とから下記FOX式によって算出することができる。
1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・+Wn/Tgn
ここで Wn ;各単量体の質量分率
Tgn;各単量体のホモポリマーのTg(単位:K)
Tg ;共重合体のTg(単位:K)
単独重合体としては、特に限定されないが、例えば、2−エチルヘキシルアクリレートホモポリマー(Tg:−70℃)、2−エチルヘキシルメタクリレートホモポリマー(Tg:−10℃)、2−ヒドロキシエチルアクリレートホモポリマー(Tg:−15℃)、2−ヒドロキシエチルメタクリレートホモポリマー(Tg:55℃)、2−ヒドロキシブチルアクリレートホモポリマー(Tg:−7℃)、2−ヒドロキシブチルメタクリレートホモポリマー(Tg:26℃)、2−メトキシエチルアクリレートホモポリマー(Tg:−50℃)、4−ヒドロキシブチルアクリレートホモポリマー(Tg:−80℃)、iso−オクチルメタクリレートホモポリマー(Tg:−45℃)、iso−ブチルアクリレートホモポリマー(Tg:43℃)、iso−ブチルメタクリレートホモポリマー(Tg:53℃)、iso−プロピルアクリレートホモポリマー(Tg:−3℃)、iso−プロピルメタクリレートホモポリマー(Tg:81℃)、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレートホモポリマー(Tg:20℃)、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートホモポリマー(Tg:18℃)、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートホモポリマー(Tg:18℃)、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドホモポリマー(Tg:134℃)、n−ブチルアクリレートホモポリマー(Tg:−54℃)、tert−ブチルアクリレートホモポリマー(Tg:43℃)、tert−ブチルメタクリレートホモポリマー(Tg:20℃)、アクリルアミドホモポリマー(Tg:179℃)、アクリル酸ホモポリマー(Tg:106℃)、アクリロニトリルホモポリマー(Tg:125℃)、イソアミルアクリレートホモポリマー(Tg:−45℃)、イソブチルアクリレートホモポリマー(Tg:−26℃)、イソブチルメタアクリレートホモポリマー(Tg:48℃)、イソボルニルアクリレートホモポリマー(Tg:94℃)、イソボルニルメタクリレートホモポリマー(Tg:155℃〜180℃)、イタコン酸ホモポリマー(Tg:100℃)、エチルアクリレートホモポリマー(Tg:−22℃〜−24℃)、エチルカルビトールアクリレートホモポリマー(Tg:−67℃)、エチルメタクリレートホモポリマー(Tg:65℃)、エトキシエチルアクリレートホモポリマー(Tg:−50℃)、エトキシエチルメタクリレートホモポリマー(Tg:15℃)、エトキシジエチレングリコールアクリレートホモポリマー(Tg:−70℃)、オクチルアクリレートホモポリマー(Tg:−65℃)iso−オクチルアクリレートホモポリマー(Tg:−70℃)、シクロヘキシルアクリレートホモポリマー(Tg:15℃〜19℃)、シクロヘキシルメタクリレートホモポリマー(Tg:66℃〜83℃)、ジシクロペンタニルアクリレートホモポリマー(Tg:120℃)、ジシクロペンタニルメタクリレートホモポリマー(Tg:175℃)、スチレンホモポリマー(Tg:100℃)、ステアリルアクリレートホモポリマー(Tg:35℃)、ターシャリーブチルアクリレートホモポリマー(Tg:41℃)、ターシャリーブチルメタクリレートホモポリマー(Tg:107℃)、テトラデシルアクリレートホモポリマー(Tg:24℃)、テトラデシルメタクリレートホモポリマー(Tg:−72℃)、テトラヒドロフルフリルアクリレートホモポリマー(Tg:−12℃)、テトラヒドロフルフリルメタクリレートホモポリマー(Tg:60℃)、ノニルアクリレートホモポリマー(Tg:58℃)、フェノキシエチルアクリレートホモポリマー(Tg:−22℃)、フェノキシエチルメタクリレートホモポリマー(Tg:54℃)、ブチルアクリレートホモポリマー(Tg:−56℃)、ブチルメタクリレートホモポリマー(Tg:20℃)、プロピルアクリレートホモポリマー(Tg:3℃)、プロピルメタクリレートホモポリマー(Tg:35℃)、ヘキサデシルアクリレートホモポリマー(Tg:35℃)、ヘキサデシルメタクリレートホモポリマー(Tg:15℃)、ヘキシルアクリレートホモポリマー(Tg:−57℃)、ヘキシルメタクリレートホモポリマー(Tg:−5℃、ベンジルアクリレートホモポリマー(Tg:6℃)、ベンジルメタクリレートホモポリマー(Tg:54℃)、ペンチルアクリレートホモポリマー(Tg:22℃)、ペンチルメタクリレートホモポリマー(Tg:−5℃)、マレイン酸ホモポリマー(Tg:130℃)、メタクリル酸ホモポリマー(Tg:185℃)カルボキシエチルアクリレートホモポリマー(Tg:37℃)、メチルアクリレートホモポリマー(Tg:8℃)、メチルメタクリレートホモポリマー(Tg:105℃)、メトキシエチルアクリレートホモポリマー(Tg:−50℃)、メトキシメタクリレートホモポリマー(Tg:−16℃)、ラウリルアクリレートホモポリマー(Tg:−3℃〜15℃)、ラウリルメタクリレートホモポリマー(Tg:−65℃)、酢酸ビニルホモポリマー(Tg:32℃)が挙げられる。なお、Tgはホモポリマーの製造方法や立体規則性によって異なる場合があるため、上記に限定されない。
コア部に含まれる樹脂のTg(A)は、樹脂が単独重合体である場合にはその単独重合体を選択することにより制御できる。また、樹脂が共重合体である場合には上記単独重合体のTgと上記FOX式とを考慮することにより制御することができる。
また、コア部に含まれる樹脂としては、特に限定されないが、例えば、親水性(メタ)アクリレートモノマー単位、炭素数が3以上のアルキル基を有する疎水性(メタ)アクリレートモノマー単位、環状構造を有する疎水性(メタ)アクリレートモノマー単位、(メタ)アクリルアミドモノマー単位又はそのN−置換誘導体、芳香族ビニル化合物モノマー単位、及びカルボン酸モノマー単位の少なくともいずれかを有する重合体が好ましい。このなかでも、炭素数が3以上のアルキル基を有する疎水性(メタ)アクリレート、及び芳香族ビニル化合物を有する重合体が好ましい。
親水性(メタ)アクリレートモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、α−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。このなかでも、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートが好ましい。ここで「親水性」とは、水100mL(20℃)に対する溶解度が0.3g以上であることをいう。
炭素数が3以上のアルキル基を有する疎水性(メタ)アクリレートモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等の炭素数が3以上のアルキル基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。このなかでも、ラウリル(メタ)アクリレートが好ましい。ここで「疎水性」とは、水100mL(20℃)に対する溶解度が0.3g未満であることをいう。
環状構造を有する疎水性(メタ)アクリレートモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートが挙げられる。
(メタ)アクリルアミドモノマー又はそのN−置換誘導体としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリル(メタ)アミド等の(メタ)アクリルアミド又はそのN−置換誘導体が挙げられる。
芳香族ビニル化合物モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、ジビニルベンゼンが挙げられる。
カルボン酸モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられる。このなかでも、(メタ)アクリル酸が好ましい。ここで、「カルボン酸モノマー単位」とは、カルボキシル基と重合性不飽和基を有する重合性モノマー単位をいう。
上記モノマーは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
コア部に含まれる樹脂を構成する全繰り返し単位のうち、疎水性モノマーに由来する繰り返し単位の含有量は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。疎水性モノマーに由来する繰り返し単位の含有量が上記範囲であることにより、加熱処理等を行うことによって被記録媒体上に記録された画像の表面に疎水性被膜が形成されるので耐擦性がより向上する傾向にある。
コア部に含まれる樹脂は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。コア部に含まれる樹脂が2種以上である場合は、最も高いガラス転移温度を有する樹脂のガラス転移温度をガラス転移温度Aとする。
(シェル部)
シェル部に含まれる樹脂のTg(B)は、50℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましい。また、シェル部に含まれる樹脂のTg(B)は、120℃以下が好ましく、より好ましくは90℃以下である。シェル部に含まれる樹脂のTg(B)が120℃以下であることにより、被記録媒体上でシェル部が溶融しやすいため、密着性により優れる傾向にある。また、インク組成物を吐出する際にインク組成物を予め加熱する場合に、シェル部に含まれる樹脂のTg(B)が50℃以上であることにより、コアシェル型の構造を崩壊させずに重合体粒子を記録ヘッドから吐出することが可能となり、ノズル内における重合体粒子の溶着をより抑制できるため、吐出安定性により優れる傾向にある。
シェル部に含まれる樹脂としては、(メタ)アクリレートモノマー単位とカルボン酸モノマー単位とを有する樹脂が好ましい。このような樹脂を用いることにより、シェル部の表面にカルボキシル基を存在させることができる。これにより、重合体粒子の分散安定性がより向上するとともに、インク組成物の粘度が比較的低くなるため、吐出安定性がより向上する傾向にある。上記(メタ)アクリレートモノマー単位としては、特に限定されないが、例えば、親水性(メタ)アクリレートモノマー単位、炭素数が3以上のアルキル基を有する疎水性(メタ)アクリレートモノマー単位、環状構造を有する疎水性(メタ)アクリレートモノマー単位が挙げられる。(メタ)アクリレートモノマー単位及びカルボン酸モノマー単位の具体例は、コア部に含まれる樹脂を構成するモノマー単位について上述したものと同様のものが挙げられ、モノマーは1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
シェル部に含まれる樹脂を構成する全繰り返し単位のうち、(メタ)アクリル酸エステル及び不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位の含有量は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましい。
シェル部に含まれる樹脂を構成する全繰り返し単位のうち、親水性モノマーに由来する繰り返し単位の含有量は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましい。親水性モノマーに由来する繰り返し単位の含有量が上記範囲であることにより、シェル部の周りに水和層が形成されるので、インク組成物中における重合体粒子の分散安定性が向上する傾向にある。また、重合体粒子がノズルに付着することをより効果的に抑制することができるので、記録用ヘッドのノズルからの吐出安定性がより良好となる傾向にある。
シェル部に含まれる樹脂は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。シェル部に含まれる樹脂が2種以上である場合は、最も低いガラス転移温度を有する樹脂のガラス転移温度をガラス転移温度Bとする。
上記重合体粒子の粒子径φ(単位:nm)は、30nm〜500nmであることが好ましく、30nm〜200nmであることがより好ましく、30nm〜150nmであることがさらに好ましい。重合体粒子の粒子径が上記範囲にあることにより、インク組成物中における重合体粒子の分散安定性がより向上する傾向にある。なお、重合体粒子の粒子径(φ)は、動的光散乱法あるいは透過型電子顕微鏡等で観察することにより求めることができる体積基準の平均粒子径を意味する。
上記重合体粒子のコア部の質量(c)とシェル部の質量(s)との比率(c/s)は、0.4〜4.0であることが好ましく、0.5〜2.5であることがより好ましく、0.6〜2.0であることが特に好ましい。また、上記重合体粒子が(c/s)/φ≧0.01の関係を満たす場合、重合体粒子の大きさにかかわらずコア部の質量とシェル部の質量とのバランスが良好となるため、インク組成物の吐出安定性と被記録媒体に記録された画像の耐擦性とが共に向上する傾向にある。
重合体の架橋度は、テトラヒドロフラン(THF)を用いて重合体のゲル分率(以下、「THFゲル分率」ともいう。)を測定することにより定量化できる。重合体粒子のTHFゲル分率は、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましい。重合体粒子のTHFゲル分率が上記範囲内であることにより、被記録媒体に記録された画像の耐擦性がより向上する傾向にある。また、上記重合体粒子のコア部やシェル部を構成する重合体は、それぞれ非架橋であることが特に好ましい。非架橋であることにより吐出安定性がより向上する傾向にある。
THFゲル分率は、例えば以下のようにして測定することができる。コアシェル型重合体粒子約10gをテフロン(登録商標)シャーレへ秤り取り、120℃で1時間乾燥して成膜する。得られた膜をTHFに20℃で24時間浸漬したものを100メッシュのフィルターでろ過し、さらに20℃で24時間再乾燥させて、次式からTHFゲル分率(%)を求めることができる。
THFゲル分率(%)=(再乾燥後の質量/元の質量)×100
重合体粒子のインク組成物中の含有量(固形分換算)は、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、0.5質量%以上20質量%以下が好ましく、0.6質量%以上15質量%以下がより好ましく、0.7質量%以上10質量%以下がさらに好ましい。重合体粒子の含有量が0.5質量%以上であることにより、耐擦性、密着性により優れる傾向にある。また、重合体粒子の含有量が20質量%以下であることにより、吐出安定性により優れる傾向にある。
ここで、本明細書におけるコアシェル型重合体粒子は、コア部を形成する樹脂がコア部に局在化し、シェル部を形成する樹脂がシェル部に局在化していればよく、コア部とシェル部との境界が厳密に明確でない重合体粒子であってもよい。
(重合体粒子の合成方法)
重合体粒子の合成方法については特に限定されないが、例えば公知の乳化重合法又はこれを適宜に組み合わせることによって容易に合成することができる。具体的には、一括混合重合法、モノマー滴下法、プレエマルション法、シード乳化重合法、多段階乳化重合法(二段乳化重合法等)、転相乳化重合法等が挙げられる。
以下、シェル部を先に合成する重合方法について説明するが合成方法は以下に制限されない。まず、反応性乳化剤を用いて上述の親水性モノマーを含むプレエマルション溶液を調製し、該プレエマルション溶液を重合開始剤とともに水系媒体中に滴下、重合反応することでシェル部を合成することができる。
次に、得られたシェル部を重合場として、コア部を重合し、本実施形態に係る重合体粒子を合成する。具体的には、シェル部を含有する水系分散媒体中に上述の疎水性モノマーを含むモノマー混合物を滴下し、コア部を重合し、重合体粒子とする。このように、シェル部をコア部の重合場とする場合、モノマー混合物には乳化剤を用いなくともよい。
かかる多段階乳化重合法によれば、反応性乳化剤を用いてシェル部を合成し、乳化剤フリーでコア部を合成することができるため、インク組成物中の乳化剤の含有量を容易に0.01質量%以下とすることができる。インク組成物において、含有される乳化剤の含有量が0.01質量%以下であると、インク界面(大気−インクにおける気液界面、インク収容容器等のインク接触部材−インクにおける固液界面)におけるインク成分の凝集が抑制され、保存安定性に優れるため好ましい。
〔標準沸点280℃以上のアルキルポリオール〕
本実施形態のインク組成物は、標準沸点280℃以上のアルキルポリオールを実質的に含まない。標準沸点280℃以上のアルキルポリオールを実質的に含まないことにより、定着性特に湿摩擦試験による定着性がより向上する。標準沸点280℃以上のアルキルポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、グリセリンが挙げられる。なお、「標準沸点280℃以上のアルキルポリオールを実質的に含まない」とは、標準沸点280℃以上のアルキルポリオールの含有量が、インク組成物の総量に対し、好ましくは0〜0.50質量%であることをいい、好ましくは0質量%であることをいう。
〔環状窒素化合物及び非プロトン性極性溶媒〕
本実施形態のインク組成物は、目詰まり回復性をより向上させる観点から、環状窒素化合物及び非プロトン性極性溶媒の少なくともいずれかをさらに含むことが好ましい。環状窒素化合物及び非プロトン性極性溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ピロリドン系、イミダゾリジノン系、スルホキシド系、ラクトン系、アミドエーテル系が代表例として挙げられる。なかでも2−ピロリドン、N−アルキル−2−ピロリドン、1−アルキル−2−ピロリドン、γ‐ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、DMSO、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾールが挙げられる。
環状窒素化合物及び非プロトン性極性溶媒の含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは5.0〜35質量%であり、より好ましくは10〜30質量%であり、さらに好ましくは15〜25質量%である。環状窒素化合物及び非プロトン性極性溶媒の含有量が5.0質量%以上であることにより、目詰まり回復性がより向上する傾向にある。また、環状窒素化合物及び非プロトン性極性溶媒の含有量が35質量%以下であることにより、高速印刷性がより向上する傾向にある。
〔その他の溶剤〕
本実施形態におけるインクは、上記以外のその他の溶剤をさらに含んでもよい。上記以外のその他の溶剤としては、特に限定されないが、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、及びtert−ペンタノール等のアルコール類又はグリコール類が挙げられる。その他の溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
その他の溶剤の沸点は、好ましくは140〜280℃であり、より好ましくは160〜260℃であり、さらに好ましくは180〜240℃である。その他の溶剤の沸点が上記範囲内であることにより、間欠特性がより向上する傾向にある。
その他の溶剤の含有量は、インクの総量に対して、好ましくは5.0〜25質量%であり、より好ましくは10〜20質量%である。
〔界面活性剤〕
本実施形態で用いるインク組成物は、界面活性剤を含むことが好ましい。界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤が挙げられる。インク組成物がこれらの界面活性剤を含むことにより、布帛に付着したインク組成物の乾燥性が一層良好となり、かつ、高速印刷が可能となる。
これらの中でも、インク組成物への溶解度が大きくなりインク組成物中に異物が一層発生し難くなるため、シリコーン系界面活性剤がより好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール及び2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキサイド付加物、並びに2,4−ジメチル−5−デシン−4−オール及び2,4−ジメチル−5−デシン−4−オールのアルキレンオキサイド付加物から選択される一種以上が好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、オルフィン104シリーズやオルフィンE1010等のEシリーズ(エアプロダクツ社(Air Products Japan, Inc.)製商品名)、サーフィノール465やサーフィノール61(日信化学工業社(Nissin Chemical Industry CO.,Ltd.)製商品名)などが挙げられる。アセチレングリコール系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ素系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物が挙げられる。フッ素系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、S−144、S−145(旭硝子株式会社製);FC−170C、FC−430、フロラード−FC4430(住友スリーエム株式会社製);FSO、FSO−100、FSN、FSN−100、FS−300(Dupont社製);FT−250、251(株式会社ネオス製)などが挙げられる。フッ素系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリシロキサン系化合物、ポリエーテル変性オルガノシロキサン等が挙げられる。シリコーン系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、具体的には、具体的には、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学株式会社製)等が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、インク組成物の総量に対し、好ましくは0.1〜5質量%であり、より好ましくは0.1〜3.0質量%である。界面活性剤の含有量が上記範囲内であることにより、被記録媒体に付着したインク組成物の濡れ性がより向上する傾向にある。
本実施形態のインク組成物は、35℃以上に加熱された被記録媒体に記録されるものであることが好ましい。加熱温度は、好ましくは35℃以上であり、より好ましくは40℃以上110℃以下であり、さらに好ましくは45℃以上120℃以下である。加熱温度が上記範囲内であることにより、高速印刷性がより向上する傾向にある。
例えば、本実施形態のインク組成物を、インクジェット記録方法に用いる場合、被記録媒体を加熱するには、例えば、プラテンヒーター、IRヒーターあるいは温風ヒーターを用いればよい。また、本実施形態のインク組成物は、本発明の作用効果をより有効かつ確実に発揮する点から、インクジェット記録方法に用いられるインク組成物であることが好ましい。
〔被記録媒体〕
被記録媒体としては、例えば、吸収性又は非吸収性の被記録媒体が挙げられる。特に、インクジェット記録方法では、水溶性インク組成物の浸透が困難な非吸収性被記録媒体から、インク組成物の浸透が容易な吸収性被記録媒体まで、様々な吸収性能を持つ被記録媒体に幅広く適用できる。
吸収性被記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、インクの浸透性が高い電子写真用紙などの普通紙、インクジェット用紙(シリカ粒子やアルミナ粒子から構成されたインク吸収層、あるいは、ポリビニルアルコール(PVA)やポリビニルピロリドン(PVP)等の親水性ポリマーから構成されたインク吸収層を備えたインクジェット専用紙)から、インクの浸透性が比較的低い一般のオフセット印刷に用いられるアート紙、コート紙、キャスト紙等が挙げられる。
非吸収性被記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチック類のフィルムやプレート、鉄、銀、銅、アルミニウム等の金属類のプレート、又はそれら各種金属を蒸着により製造した金属プレートやプラスチック製のフィルム、ステンレスや真鋳等の合金のプレート等が挙げられる。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
下記の実施例及び比較例において使用したインク組成物用の主な材料は、以下の通りである。
〔顔料及びポリマー分散剤〕
顔料分散液1〜12(下記製造方法により製造した。)
〔コアシェル型ポリマー粒子〕
コアシェル型ポリマー粒子(下記製造方法により製造した。)
〔環状窒素化合物〕
2−ピロリドン
〔非プロトン性極性溶媒〕
ジメチルスルホキシド
〔その他の溶剤〕
1,2−ヘキサンジオール
プロピレングリコール
〔界面活性剤〕
BYK−348(シリコーン系界面活性剤、BASF社製)
〔標準沸点280℃以上のアルキルポリオール〕
グリセリン
〔顔料分散液1〜12の調製方法〕
攪拌機、温度計、還流管及び滴下ロートを備えた反応容器を窒素置換した後、メチルエチルケトン300質量部を入れ、スチレン40質量部、メチルメタクリレート40質量部、ラウリルアクリレート5質量部、ラウリルメタクリレート5質量部、メトキシポリエチレングリコール400アクリレートAM−90G(新中村化学工業株式会社製)5質量部、アクリル酸5質量部、過硫酸アンモニウム0.2質量部、t―ドデシルメルカプタン0.3質量部を滴下ロートに入れて4時間かけて反応容器に滴下しながらポリマー分散剤を重合反応させた。その後、反応容器にメチルエチルケトンを添加して40質量%のポリマー分散剤1の溶液を調製した。
上記ポリマー分散剤溶液の一部を取り、株式会社日立製作所製L7100システムのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、溶剤をTHFとして測定したときのスチレン換算分子量は58000であった。また、多分散度(Mw/Mn)の値は3.1であった。
また、上記ポリマー分散剤溶液40質量部とシアン顔料としてクロモファインブルー C.I.Pigment Blue15:3(大日精化工業株式会社製、商品名、以下「PB15:3」ともいう)30質量部、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液100質量部、メチルエチルケトン30質量部を混合し、アルティマイザー25005(スギノマシン株式会社製)で8パスの分散処理を行った。その後、イオン交換水を300質量部添加して、ロータリーエバポレーターを用いてメチルエチルケトンの全量と水の一部を留去して、0.1mol/Lの水酸化ナトリウムで中和してpH9に調整した。シアン顔料の体積平均粒径を粒度分布計で測定しながら、体積平均粒径が100nmとなるまで分散してから、3μmのメンブレンフィルターでろ過して固形分(ポリマー分散剤と顔料)が20質量%である顔料分散液1を得た。
酸価は、京都電子工業社(Kyoto Electronics Manufacturing Co.,Ltd.)製のAT610を用いて測定を行い、以下の数(1)式に数値をあてはめて算出した。
酸価(mg/g)=(EP1−BL1)×FA1×C1×K1/SIZE (1)
(上記の数式中、EP1は滴定量(mL)、BL1はブランク値(0.0mL)、FA1は滴定液のファクター(1.00)、C1は濃度換算値(5.611mg/mL)(0.1mo1/L KOH 1mLの水酸化カリウム相当量)、K1は係数(1)、SIZEは試料採取量(g)をそれぞれ表す。)
また、ポリマー分散剤の水への溶解度は、OECD法TESTNo.105により測定した。
モノマー組成を表1に記載のモノマー組成に変更してポリマー分散剤2〜12の溶液を調製した以外は、上記と同様の方法により顔料分散液2〜12を得た。評価結果を表1に示す。
Figure 2015151463
〔コアシェル型ポリマー粒子水分散液の調製方法〕
反応容器に滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備え、イオン交換水100質量部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過硫酸アンモニウムを0.2質量部添加した。次いで、スチレン20質量部、メチルアクリレート17質量部、メチルメタクリレート30質量部、及びアクリル酸5質量部を含むモノマー溶液を、反応容器に滴下して、シェル部になるポリマーを重合した。その後、過硫酸カリウム0.2質量部、スチレン50質量部、及びn−ブチルアクリレート22質量部を含む混合液を滴下して70℃で攪拌しながら重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5に調整して0.3μmのフィルターでろ過することによりコアシェル型ポリマー粒子分散液を調製した。
上記で得られたコアシェル型ポリマー粒子について、JIS K7121に準拠した示差走査熱量測定(DSC)を行い、コア部を構成するポリマー及びシェル部を構成するポリマーのガラス転移温度Tg(℃)をそれぞれ求めた。コア部を構成するポリマーのガラス転移温度Tg(℃)は、39であり、シェル部を構成するポリマーのガラス転移温度Tg(℃)は、76であった。なお、示差走査熱量計には、セイコー電子株式会社製、型式「DSC6220」を使用した。
また、上記で得られたコアシェル型ポリマー粒子をマイクロトラックUPA(日機装株式会社)により測定して、コアシェル型ポリマー粒子の平均粒子径φ(nm)を求めた。コアシェル型ポリマー粒子の平均粒子径は、35nmであった。
〔インク組成物の調製方法(実施例1〜8、比較例1〜4)〕
容器に、上記で得られた顔料分散液を顔料濃度が2質量部となるように添加し、上記で得られたコアシェル型ポリマー粒子分散液を固形分濃度が1質量部となるように添加し、さらに1,2−ヘキサンジオール6質量部、2−ピロリドン19質量部、プロピレングリコール10質量部、界面活性剤(ビックケミー株式会社製、商品名「BYK−348」)1質量部、純水を合計100質量部となるように添加して、マグネチックスターラーで2時間混合撹拌した後、孔径5μmのPTFE製メンブレンフィルターを用いてろ過することにより各インク組成物を得た。
〔連続印字安定性試験〕
プリンター PX−G930(セイコーエプソン株式会社製)の一部を改造して、インクジェット記録時に被記録媒体を加熱調節できるプリンターとした。このプリンターのインクカートリッジに上記で得られたインク組成物を充填した。そして、縦720dpi×横720dpiの解像度で、60℃のA4判ポリ塩化ビニルコート紙上にインク組成物を吐出し、100℃で2分間乾燥することにより、シアンのベタパターンによる記録サンプルを作製した。温度40℃、相対湿度20%の環境下で、最大8時間までこの操作を繰り返してインク組成物を吐出し、安定してインク組成物の液滴がノズルから吐出されなくなるまでの時間を測定した。得られた時間に基づいて、下記評価基準により連続印字安定性を評価した。
(評価基準)
A:吐出開始から8時間たっても、1度も不吐出や吐出乱れ等が観察されなかった。
B:吐出開始から2時間以上8時間未満で、不吐出や吐出乱れ等が観察された。
C:吐出開始から1時間以上2時間未満で、不吐出や吐出乱れ等が観察された。
C:吐出開始から1時間未満で、不吐出や吐出乱れ等が観察された。
〔間欠特性試験〕
プリンター PX−G930(セイコーエプソン株式会社製)の一部を改造して、インクジェット記録時に被記録媒体を加熱調節できるプリンターとした。このプリンターを用いて、温度40℃、相対湿度20%の環境下で間欠印刷時における吐出安定性の評価を行った。まず、全てのノズルから正常にインク組成物が吐出されることを確認した。そして、インク組成物をA4判ポリ塩化ビニルコート紙上に吐出した後、温度40%、相対湿度20%の環境下で2分間の休止時間を設け、再度、A4判ポリ塩化ビニルコート紙上にインク組成物を吐出した。二回目の吐出において、A4判ポリ塩化ビニルコート紙上に付着した1滴目のドットの位置と、狙い位置とのドットの位置ずれを光学顕微鏡で測定した。得られたドットの位置ずれに基づいて、下記評価基準により間欠特性を評価した。
(評価基準)
A:ドットの位置ずれが10μm以下であった。
B:ドットの位置ずれが10μmを超え20μm以下であった。
C:ドットの位置ずれが20μmを超え30μm以下であった。
D:ドットの位置ずれが30μm超過であった。
〔目詰まり回復性試験〕
プリンター PX−G930(セイコーエプソン株式会社製)を用いて、このプリンターのインクカートリッジに上記で得られたインク組成物を充填し、縦720dpi×横720dpiの解像度で、A4判OPP用紙に印刷して全ノズルでインク組成物が吐出されることを確認した。その後、プリンターを温度40℃相対湿度20%の環境下に30日放置した。放置後、再び全ノズルよりインク組成物が吐出し、初期と同等の印刷が可能となるまでに必要とされたクリーニングの回数を計測した。クリーニングの回数に基づいて、下記評価基準により目詰まり回復性を評価した。
(評価基準)
A:1回から3回のクリーニングで全てのノズルからインク組成物が吐出された。
B:4回から6回のスクリーニングで全てのノズルからインク組成物が吐出された。
C:7回以上のクリーニングで全てのノズルからインク組成物が吐出された。
D:クリーニングではいずれかのノズルからインク組成物が吐出できなかった。
〔定着性試験〕
プリンター PX−G930(セイコーエプソン株式会社製)を用いて、このプリンターのインクカートリッジに上記で得られたインク組成物を充填し、縦720dpi×横720dpiの解像度で、A4PPC用紙に印刷して全ノズルでインク組成物が吐出されることを確認した。そして、60℃のA4判ポリ塩化ビニルコート紙上にインク組成物を吐出し、100℃で2分乾燥することにより、シアンのベタパターンによる記録サンプルを作製した。その後、摩擦に対する染色堅牢度試験方法(JIS L−0849)に規定されている摩擦試験機II形(学振形)に準拠した学振式耐擦性試験機AB−301(テスタ
ー産業株式会社製)により耐擦性を評価した。
(評価基準)
A:試験領域の1%未満の剥離しか観測されない。
B:試験領域の1%以上〜5%未満の剥離が観測された。
C:試験領域の5%以上〜10%未満の剥離が観測された。
D:試験領域の10%以上の剥離が観測された。
Figure 2015151463
実施例1〜8のインク組成物は、記録ヘッドのノズルからの連続印字安定性及び間欠特性が良好となり、かつ目詰まり回復性が良好となる結果が得られた。
比較例1のインク組成物は、ポリマー分散剤が、構成単位として、繰り返し単位3以上のエチレンオキシ基を有するポリエチレングリコール(メタ)アクリレートを有していないため、間欠特性及び目詰まり回復性が劣っていた。
比較例2のインク組成物は、ポリマー分散剤が、構成単位として、炭素数8以上のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを有していないため、連続印字安定性及び間欠特性が劣っていた。
比較例3のインク組成物は、ポリマー分散剤が、構成単位として、繰り返し単位数が3以上のエチレンオキシ基を有するポリエチレングリコール(メタ)アクリレート及び炭素数8以上のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを有していないため、連続印字安定性、間欠特性、及び目詰まり回復性が劣っていた。
比較例4のインク組成物は、ポリマー分散剤の重量平均分子量が105000と大きいため、連続印字安定性、間欠特性、及び目詰まり回復性が劣っていた。比較例5のインク組成はグリセリンが入っているので耐擦性が悪かった。比較例6のインク組成はコアシェル樹脂が入っていないので耐擦性が悪かった。

Claims (9)

  1. 顔料と、水と、前記顔料を分散させるポリマー分散剤と、を含み、
    標準沸点280℃以上のアルキルポリオールを実質的に含まず、
    前記ポリマー分散剤が、構成単位として、炭素数8以上のアルキル基を有する(メタ)アクリレートと、繰り返し単位数が3以上のエチレンオキシ基を有するポリエチレングリコール(メタ)アクリレートと、を有する重合体を含み、
    前記ポリマー分散剤の重量平均分子量が、10000以上90000未満である、
    インク組成物。
  2. 前記炭素数8以上のアルキル基を有する(メタ)アクリレートが、炭素数8以上25以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを含む、請求項1のインク組成物。
  3. 前記炭素数8以上のアルキル基を有する(メタ)アクリレートの含有量が、前記重合体の総量に対し、3.0質量%以上15質量%以下であり、
    前記ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートの含有量が、前記重合体の総量に対し、3.0質量%以上15質量%以下である、請求項1又は2のインク組成物。
  4. 前記重合体が、構成単位として、炭素数1〜7のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、芳香族基を有する(メタ)アクリレート、及び芳香族基を有するビニル系化合物からなる群より選ばれる1種以上のモノマーを、前記重合体の総量に対し、50質量%以上さらに有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインク組成物。
  5. 前記ポリマー分散剤の酸価が、30mgKOH/g以上120mgKOH/g以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインク組成物。
  6. 前記ポリマー分散剤の水への溶解度が、40%以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインク組成物。
  7. 環状窒素化合物及び非プロトン性極性溶媒の少なくともいずれかをさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインク組成物。
  8. 前記ポリマー分散剤の含有量が、前記顔料の総量に対して、15〜70質量%である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインク組成物。
  9. 35℃以上に加熱された被記録媒体に記録される、請求項1〜8のいずれか1項に記載のインク組成物。
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