JP2008231225A - 樹脂エマルジョン、インクジェット記録用水性インク組成物、記録方法、及び記録物 - Google Patents

樹脂エマルジョン、インクジェット記録用水性インク組成物、記録方法、及び記録物 Download PDF

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Abstract

【課題】保存安定性及び防腐効果に優れた樹脂エマルジョンと、これを用いたインクジェット記録用水性インク組成物、記録方法、及び記録物を提供すること。
【解決手段】本発明の樹脂エマルジョンは、樹脂粒子と水を含み、さらに有機溶剤を含むこと、特に、前記有機溶剤がグリセリン、グリコールエーテル類、及びアルカンジオール類からなる群から選択された1種以上を含むことにより、前記課題を解決したものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、保存安定性及び防腐効果に優れた樹脂エマルジョンと、これを用いたインクジェット記録用水性インク組成物、記録方法、及び記録物に関する。
インクジェット記録方法は、インクの小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法である。インクとしては、一般に各種の水溶性染料を水または水と水溶性有機溶剤とに溶解させたものが使用されている。このような水溶性染料を含むインクにより形成された画像は耐水性や耐光性に劣ることが一般に指摘されている。
これに対して、顔料を水性媒体に分散させて得られたインクは、耐水性及び耐光性に優れる。例えば、顔料を界面活性剤や高分子分散剤で分散した水性顔料インクが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。しかしながらこれらのインクでは、記録物の印字濃度を上げる為に着色剤のインク含有量を増やすと、それに伴いインク粘度も急激に増加してしまう場合があった。また顔料をインク中に安定に分散させるためには過剰の界面活性剤または高分子分散剤が必要であり、気泡発生や消泡性低下を原因とする印字安定性の悪化を引き起こす場合があった。
これらの課題を解決するために、顔料表面に一定量以上の表面活性水素あるいはその塩を導入して、界面活性剤や高分子分散剤等の分散剤がなくても顔料単独で水系溶媒に分散させることができる、表面改質顔料分散液が開示されている(例えば特許文献3、4参照)。このような分散剤を必要としない、いわゆる自己分散型顔料は、着色剤としてインクに用いた場合、画像のOD値(光学濃度)が高くなる、またインク中の粘度を適正な範囲に合わせやすいため取扱いが容易である、分散剤と種々の添加溶媒との相溶性を考慮する必要がない、等の特徴により種々開発されている。その表面にはカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホン基、アンモニウム基等の親水性官能基が、直接あるいはアルキル基、アリール基等を介して間接に結合してなる。
一方で、顔料を着色剤とするインクによる画像は一般に定着性が劣るという課題がある。すなわち、顔料を着色剤とするインクにより得られた画像は、着色剤成分が記録媒体表面近くに残りやすい。よって、着色剤の記録媒体表面への定着が十分でないと、画像を指で擦った場合に画像が汚れる、あるいは、マーカーペン等で画像をマーキングした場合に画像が汚れるなどの指触性および耐擦過性において十分な印字が得られない。着色剤の記録媒体への定着性を改善するため、インク組成物に樹脂を添加する提案がなされている。この樹脂は結着剤として着色剤を強固に記録媒体上に固定するものと考えられる。
樹脂を含んだインク組成物としては、顔料と樹脂エマルジョンとを水に分散させたインクが提案されている。樹脂エマルジョンの例としては、特定の造膜温度を有する樹脂を添加して定着性を確保したもの(例えば特許文献5)や、ガラス転移点、平均粒子径、最低造膜温度、ゼータ電位等の物性が互いに異なる二種を用いて、高いOD値と定着性を得たもの(例えば特許文献6、7)等が挙げられる。
しかしながら樹脂エマルジョンの保存安定性や防腐性が悪い場合があり、そのためにこれを添加したインク組成物も、安定したインクジェット特性、すなわち保存安定性や吐出安定性が得られない場合があった。
特開昭64−6074号公報 特開昭64−31881号公報 特開平10−195360号公報 特開平10−330665号公報 特開2004−115589号公報 特開2004−204079号公報 WO2004/029164号公報
本発明は前記の課題を解決するためになされたものである。すなわち本発明の目的とするところは、保存安定性及び防腐効果に優れた樹脂エマルジョンと、これを用いたインクジェット記録用水性インク組成物、記録方法、及び記録物を提供することにある。
本発明者らは調査研究の結果、樹脂エマルジョンが有機溶剤を含むこと、特に、前記有機溶剤がグリセリン、グリコールエーテル類、及びアルカンジオール類からなる群から選択された1種以上を含むことにより、前記課題を解決する樹脂エマルジョンを得ることができることを見出した。すなわち本発明の構成は以下の通りである。
(1)本発明の樹脂エマルジョンは、樹脂粒子と水を含む樹脂エマルジョンであって、さらに有機溶剤を含むことを特徴とする。
(2)本発明の樹脂エマルジョンは、前記有機溶剤がグリセリン、グリコールエーテル類、及びアルカンジオール類からなる群から選択された1種以上を含むことを特徴とする。
(3)本発明の樹脂エマルジョンは、前記有機溶剤の樹脂エマルジョン中の濃度が3重量%以上30重量%以下であることを特徴とする。
(4)本発明の樹脂エマルジョンは、前記グリコールエーテル類の樹脂エマルジョン中の濃度が3重量%以上20重量%以下であることを特徴とする。
(5)本発明のインクジェット記録用水性インク組成物は、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の樹脂エマルジョンと色材とを含んでなることを特徴とする。
(6)本発明のインクジェット記録用水性インク組成物は、前記色材が顔料であることを特徴とする(7)本発明のインクジェット記録用水性インク組成物は、前記顔料が自己分散型顔料であることを特徴とする。
(8)本発明のインクジェット記録用水性インク組成物は、前記樹脂エマルジョンに含まれる樹脂粒子のインク組成物中の濃度が1重量%以上10重量%以下であることを特徴とする。
(9)本発明のインクジェット記録方法は、前記(5)〜(8)に記載のインクジェット記録用インク組成物を用いて画像を形成することを特徴とする。
(10)本発明のインクジェット記録物は、前記(5)〜(8)に記載のインクジェット記録用インク組成物を用いて画像が形成されてなることを特徴とする。
以下、本発明について、その好ましい実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の樹脂エマルジョンは、樹脂粒子と水を含み、インクジェット記録用水性インク組成物に用いる場合、特にガラス転移温度Tgが室温以上であるものを用いた場合には、色材が記録媒体中に染み込むことを抑制してその発色性を向上させることができる。また、特にTgが室温以下であるものを用いた場合には、インクが乾燥するのに伴って樹脂粒子同士及び樹脂粒子が色材に融着することで色材を記録媒体上に定着させることができる。
これらの樹脂粒子としては、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリルアミド系樹脂、エポキシ系樹脂からなる群より選択される1種または2種以上であることが好ましい。これらの樹脂はホモポリマーとして使用されても良く、またコポリマーして使用されても良い。
本発明においては樹脂粒子として単粒子構造のものを利用することができる。一方、本発明においてはコア部とそれを囲むシェル部とからなるコア・シェル構造を有する樹脂粒子を利用することも可能である。本発明において「コア・シェル構造」とは、「組成の異なる2種以上のポリマーが粒子中に相分離して存在する形態」を意味する。従って、シェル部がコア部を完全に被覆している形態のみならず、コア部の一部を被覆しているものであっても良い。また、シェル部ポリマーの一部がコア粒子内にドメインなどを形成しているものであっても良い。さらに、コア部とシェル部の中間にさらにもう一層以上、組成の異なる層を含む3層以上の多層構造を持つものであっても良い。
本発明において用いられる樹脂粒子は、公知の乳化重合によって得ることができる。すなわち、不飽和ビニル単量体(不飽和ビニルモノマー)を重合触媒および乳化剤を存在させた水中において乳化重合することによって得ることができる。
不飽和ビニル単量体としては、一般的に乳化重合で使用されるアクリル酸エステル単量体類、メタクリル酸エステル単量体類、芳香族ビニル単量体類、ビニルエステル単量体類、ビニルシアン化合物単量体類、ハロゲン化単量体類、オレフィン単量体類、ジエン単量体類等が挙げられる。
さらに、具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、グリシジルアクリレート等のアクリル酸エステル類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類;および酢酸ビニル等のビニルエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシアン化合物類;塩化ビニリデン、塩化ビニル等のハロゲン化単量体類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル単量体類;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;ブタジエン、クロロプレン等のジエン類;ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルピロリドン等のビニル単量体類;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマール酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸類;アクリルアミドおよびN,N'−ジメチルアクリルアミド等のアクリルアミド類;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、および2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等の水酸基含有単量体類が挙げられる。
また本発明にあっては、上記モノマー由来の分子として、重合可能な二重結合を二つ以上有する架橋性単量体によって架橋された構造を有するものを使用することができる。重合可能な二重結合を二つ以上有する架橋性単量体の例としては、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2'−ビス(4−アクリロキシプロピロキシフェニル)プロパン、2,2'−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン等のジアクリレート化合物、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート等のトリアクリレート化合物、ジトリメチロールテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のテトラアクリレート化合物、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のヘキサアクリレート化合物、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリブチレングリコールジメタクリレート、2,2'−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン等のジメタクリレート化合物、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート等のトリメタクリレート化合物、メチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼンが挙げられ、これらを単独または2種以上混合して使用する事ができる。
また、コア・シェル構造の樹脂微粒子は、公知の手法により、一般的には多段階の乳化重合などによって製造される。例えば、特開平4−76004号公報で開示されている方法によって製造することができる。重合に用いられる不飽和ビニル単量体の例としては、上記したものが同様に挙げられる。
また、上記のコア部へのエポキシ基の導入は、エポキシ基を有する不飽和ビニル単量体として、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等を他の不飽和ビニル単量体と共重合する方法、あるいは一種以上の不飽和ビニル単量体を重合してコア粒子を調製する際にエポキシ化合物を同時に添加し、複合化させる方法を挙げることができる。重合の容易さや重合安定性等の点から前者の方法が好ましい。
また、乳化重合の際に使用される重合開始剤、乳化剤、分子量調整剤は常法に準じて使用することができる。
重合開始剤としては、通常のラジカル重合に用いられるものと同様のものが用いられ、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、過酸化ジブチル、過酢酸、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルヒドロキシパーオキシド、パラメンタンヒドロキシパーオキシド等が挙げられる。特に、前述の如く、重合反応を水中で行う場合には、水溶性の重合開始剤が好ましい。
乳化剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムの他、一般にアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤または両性界面活性剤として用いられているもの、およびこれらの混合物が挙げられ、これらを単独または2種以上混合して使用する事ができる。
樹脂粒子を乳化重合で製造する場合、特にアニオン性の樹脂粒子から構成されるポリマーエマルジョンを乳化重合で製造する場合においては、樹脂粒子表面にはカルボキシル基やスルホン酸基のような負の極性基が存在するためpHが酸性側に傾き、粘度上昇や凝集が起こりやすい。そこで通常は塩基性物質による中和が行われる。この塩基性物質としては、アンモニア、有機アミン類、無機水酸化物等を用いることができる。ポリマーエマルジョンおよび水性インク組成物の長期保存安定性、吐出安定性の観点から、この中でも特に一価の無機水酸化物(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム)が好ましい。上記中和剤の添加量は、ポリマーエマルジョンのpHが7.5〜9.5の範囲、好ましくは7.5〜8.5の範囲となるように適宜決定される。
インク組成物の長期保存安定性、吐出安定性の観点から、本発明に好ましい樹脂粒子の粒径は5nm〜400nmの範囲であり、より好ましくは50nm〜200nmの範囲である。
さらに、本発明のインクジェット記録用水性インク組成物に含まれる樹脂エマルジョンは、有機溶剤を含む。上述した乳化重合工程の後に有機溶剤を添加することで、より高い樹脂エマルジョンの保存安定性、防腐効果を得ることができる。
本発明の樹脂エマルジョンは、有機溶剤を含むことを特徴とする。有機溶剤としては、十分な保存安定性及び防腐効果を得るために、グリセリン、グリコールエーテル類、及び及びアルカンジオール類からなる群より選択された1種以上を含むことが好ましく、中でも特に、グリコールエーテル類を用いることが好ましい。
有機溶剤として用いることのできるグリコールエーテル類としては、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジピロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等を挙げることができ、中でも特に、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルを用いることが好ましい。また、アルカンジオール類としては、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等を挙げることができ、中でも特に、1,2−ヘキサンジオールを用いることが好ましい。
また、以上述べてきた有機溶剤を添加する前、または添加した後に、より良好な保存安定性を得るために、保存安定性を損なわない範囲の条件で加熱処理を施しても良い。
有機溶剤の樹脂エマルジョン中の濃度は、樹脂エマルジョンの粘度変化をより小さく抑えるために、3重量%以上30重量%以下であることが好ましい。
また同様の理由で、グリコールエーテル類の樹脂エマルジョン中の濃度は、3重量%以上20重量%以下であることが好ましい。
本発明のインクジェット記録用水性インク組成物は、上記で述べた樹脂エマルジョンと色材とを含む。
本発明のインク組成物に含まれる色材は、染料、顔料のいずれであっても良いが、顔料を用いることが好ましい。
染料としては、特にその種類を限定することなく、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料、などインクジェット記録に使用する各種染料を使用することができる。例えば、C.I.アシッドイエロー17、23、42、44、79、142、C.I.アシッドレッド52、80、82、249、254、289、C.I.アシッドブルー9、45、249、C.I.アシッドブラック1、2、24、94、C.I.フードブラック1、2、C.I.ダイレクトイエロー1、12、24、33、50、55、58、86、132、142、144、173、C.I.ダイレクトレッド1、4、9、80、81、225、227、C.I.ダイレクトブルー1、2、15、71、86、87、98、165、199、202、C.I.ダイレクトブラック19、38、51、71、154、168、171、195、C.I.リアクティブレッド14、32、55、79、249、C.I.リアクティブブラック3、4、35等を用いることができる。これらの染料は一種または二種以上用いることができ、インク組成物に対して0.5重量%〜15重量%含有することが好ましい。
顔料としては、特別な制限なしに無機顔料、有機顔料を使用することができる。無機顔料としては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。
本発明で好ましいカーボンブラックの具体例としては、No.2300、900、MCF88、No.20B、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No2200B(以上三菱化学(株)製)、カラーブラックFW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、プリテックス35、U、V、140U、スペシャルブラック6、5、4A、4、250(以上デグサ社製)、コンダクテックスSC、ラーベン1255、5750、5250、5000、3500、1255、700(以上コロンビアカーボン社製)、リガール400R、330R、660R、モグルL、モナーク700、800、880、900、1000、1100、1300、1400、エルフテックス12(キャボット社製)等が挙げられる。これらのカーボンブラックは一種又は二種以上の混合物として用いても良い。また、これらの顔料は水性インク組成物全量に対して0.5重量%〜15重量%の添加が好ましい。
本発明で好ましい有機顔料の具体例としては下記のものが挙げられる。シアンインク組成物に使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15:3、15:4、15:34、16、22、60等;C.I.バットブルー4、60等が挙げられる。マゼンタインク組成物に使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、168、184、202、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。イエローインク組成物に使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14C、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、119、110、114、128、129、138、150、151、154、155、180、185、等が挙げられる。オレンジインク組成物に使用される顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ36、43等が挙げられる。グリーンインク組成物に使用される顔料としては、C.I.ピグメントグリーン7、36等が挙げられる。なお、これらの有機顔料は本発明に好適なものの一例の記載であり、これらによって本発明が限定されるものではない。これらの有機顔料は一種または二種以上の混合物として用いて良い。また、これらの有機顔料は、インク組成物に対して0.5重量%〜15重量%程度含有することが好ましい。
本発明のインクジェット記録用水性インク組成物に含まれる顔料としては、分散剤なしに水に分散可能な顔料と水とを含有する自己分散型顔料、または、樹脂を介して水に分散可能とされた顔料のどちらであっても良いが、自己分散型顔料を用いることがより好ましい。
自己分散型顔料は、顔料表面に多数の親水性官能基及び/またはその塩を、直接または多価の基等を介して間接的に結合させたもので、分散剤なしに水性媒体中に分散及び/または溶解することが可能である。具体的には、真空プラズマなどの物理的処理や次亜塩素酸ナトリウムやオゾン等の酸化剤を用いた化学的処理により、官能基又は官能基を含んだ分子を顔料の表面にグラフトさせることによって得ることができる。本発明において、一つの顔料粒子にグラフトされる官能基は単一でも複数種であってもよい。グラフトされる官能基の種類及びその程度は、インク中での分散安定性、色濃度、及びインクジェットヘッド前面での乾燥性等を考慮しながら適宜決定されてよい。
本発明において用いられる上記顔料は、例えば特開平8−3498号公報記載の方法によって得ることができる。
また、上記顔料として市販品を利用することも可能であり、好ましい例としては黒色顔料としてカーボンブラックを原料としたオリエント化学工業株式会社製のマイクロジェットCW1等が挙げられる。
自己分散型顔料を色材として含有するインクは、通常の顔料を分散させるために含有させる分散剤が必要ないため、分散剤に起因する大幅な粘度上昇が抑えることができる。そのためインク組成物中に顔料をより多く含有することが可能となり、記録物のOD値を十分に高めることができる。
本発明において、上記樹脂エマルジョンに含まれる樹脂粒子は水性インク組成物全量に対して1重量%〜10重量%の範囲で含まれることが好ましい。1重量%未満であるときには所望されるOD値や定着性が不充分である場合があり、10重量%よりも多いときには急激な粘度上昇、吐出不安定等の不具合が発生する恐れがある。
本発明のインクジェット記録用インク組成物には、印字品質を向上させる点から、界面活性剤を含有させることが好ましい。界面活性剤としては、一般的に使用されるアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤から選択できるが、この中でもノニオン性界面活性剤が特に好ましい。ノニオン性界面活性剤の具体例としては、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル等が挙げられ、これらを用いることにより、イオン性の界面活性剤と比較して発泡の少ないインク組成物を得ることができる。さらにノニオン性界面活性剤の中でも、アセチレングリコール系界面活性剤が、発泡がほとんど無いインク組成物を得ることができ、インクジェット記録に用いる場合、特に好ましい。このようなアセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2、4、7、9−テトラメチル−5−デシン−4、7−ジオール、3、6−ジメチル−4−オクチン−3、6−ジオール、3、5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、またはこれらの物質それぞれにおける複数の水酸基それぞれにエチレンオキシ基若しくはプロピレンオキシ基を平均1〜30個付加してなる物質等が挙げられる。また、アセチレングリコール系界面活性剤としては、市販品を用いることもでき、例えば、「オルフィンE1010」及び「オルフィンSTG」(以上、日信化学工業(株)製)等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。アセチレングリコール系界面活性剤の含有量は、本発明のインク組成物中、好ましくは0.1重量%〜3重量%であり、さらに好ましくは0.5重量%〜1.5重量%である。
本発明のインクジェット記録用インク組成物には、ノズル目詰まりを防止して信頼性をより高めるために、水溶性グリコール類を含有させることが好ましい。このような水溶性グリコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、分子量2000以下のポリエチエングリコール、1、3−プロピレングリコール、イソブチレングリコール、1、4−ブタンジオール、1、3−ブタンジオール、1、5−ペンタンジオール、1、2−ヘキサンジオール、1、6−ヘキサンジオール等の二価のアルコールや、グリセリン、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール等の三価以上のアルコール等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。水溶性グリコール類の含有量は、本発明のインク組成物中に好ましくは1重量%〜30重量%である。
さらに本発明のインクジェット記録用インク組成物は、溶剤として水以外に、有機溶剤を併用することもできる。このような有機溶剤としては、水と相溶性を有し、記録媒体へのインク組成物の浸透性及びノズル目詰まり性を向上させると共に、後述する浸透剤等のインク組成物中成分の溶解性を向上させるものが好ましく、例えば、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類、2−ピロリドン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホラン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を、本発明のインク組成物中に好ましくは0重量%〜10重量%で用いることができる。
本発明のインクジェット記録用インク組成物は、印字濃度の向上及び液安定性の観点から、そのpHを6〜11とすることが好ましく、7〜10とすることが更に好ましい。インク組成物のpHを前記範囲内とするためには、pH調整剤として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の無機アルカリ類、アンモニア、トリエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリプロパノールアミン等の炭素数6〜10の3級アミン類等を含有させることが好ましい。pH調整剤は、その1種又は2種以上を、本発明のインク組成物中に好ましくは0.01重量%〜2重量%で用いることができる。
本発明によれば、前述したインク組成物を使用して記録媒体に画像を形成する記録方法が提供される。本発明の記録方法の一実施形態は、インクジェット記録方式によって、前述のインク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印字を行うものである。本発明の記録方法を実施することによって、長期間放置してもインク粘度等の物性が変化することなく、インクジェット吐出特性が安定で良好な信頼性を確保できる。
また、本発明によれば、前述したインク組成物を使用して記録媒体に画像が形成されてなる記録物が提供される。本発明の記録物は、保存安定性が良好なインクを用いるため、インクジェット吐出特性が安定に記録され、さらにOD値が高く定着性にも優れる。
以上詳細に説明したように、本発明によれば、保存安定性及び防腐効果に優れた樹脂エマルジョンが提供される。さらにこれを用いたインクジェット記録用水性インク組成物は、OD値が高く定着性に優れ、さらに良好な保存安定性及び吐出安定性を得ることができる。また、これを用いた記録方法、及び記録物が好適に提供される。
以下、本発明の樹脂エマルジョンについて実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(樹脂エマルジョンベース1の調製)
攪拌機、還流コンデンサー、滴下装置、及び温度計を備えた反応容器に、イオン交換水900g及びラウリル硫酸ナトリウム1gを仕込み、攪拌下に窒素置換しながら70℃まで昇温した。内温を70℃に保ち、重合開始剤として過硫酸カリウム4gを添加し、溶解後、予めイオン交換水450g、ラウリル硫酸ナトリウム3gにアクリルアミド20g、スチレン365g、ブチルアクリレート545g、及びメタクリル酸30gを攪拌下に加えて作製した乳化物を、反応溶液内に連続的に4時間かけて滴下した。滴下終了後3時間の熟成を行った。得られた樹脂エマルジョンを常温まで冷却した後、イオン交換水と水酸化ナトリウム水溶液とを添加して固形分40重量%、pH8に調整した。得られた水性エマルジョンにおける樹脂粒子のガラス転移温度は−6℃であった。
(樹脂エマルジョンベース2の調製)
攪拌機、還流コンデンサー、滴下装置、及び温度計を備えた反応容器に、イオン交換水900g及びラウリル硫酸ナトリウム1gを仕込み、攪拌下に窒素置換しながら70℃まで昇温した。内温を70℃に保ち、重合開始剤として過硫酸カリウム4gを添加し、溶解後、予めイオン交換水450g、ラウリル硫酸ナトリウム3gにアクリルアミド20g、スチレン615g、ブチルアクリレート295g、及びメタクリル酸30gを攪拌下に加えて作製した乳化物を、反応溶液内に連続的に4時間かけて滴下した。滴下終了後3時間の熟成を行った。得られた樹脂エマルジョンを常温まで冷却した後、イオン交換水と水酸化ナトリウム水溶液とを添加して固形分40重量%、pH8に調整した。得られた水性エマルジョンにおける樹脂粒子のガラス転移温度は36℃であった。
(実施例1〜6及び比較例1、2 樹脂エマルジョンの調製)
表1に示す量の樹脂エマルジョンベース1または2(表1の値は樹脂エマルジョン中に含む樹脂粒子固形分量を示す)と、各種有機溶剤を混合し、全量が100重量%になるように超純水を添加して、実施例1〜6及び比較例1、2の各樹脂エマルジョンを得た。
Figure 2008231225
(樹脂エマルジョンの評価試験)
調製した実施例1〜6及び比較例1,2の樹脂エマルジョンA〜Hについて、下記の評価1及び2を行った。
<評価1:樹脂エマルジョンの保存安定性>
調製した各樹脂エマルジョン60gをそれぞれ100gプラスティックボトルに入れた後、密栓してから70℃環境下で1週間放置した。放置前後の各樹脂エマルジョンの粘度を振動式粘度計(山一電機(株)製)にて測定し、その変化率から以下の基準に基づいて保存安定性を判定した。
判定A;粘度変化率が±2.5%未満である場合
判定B;粘度変化率が±2.5%以上±5%未満である場合
判定C;粘度変化率が±5%を超える場合
<評価2:樹脂エマルジョンの防腐性>
調製した各樹脂エマルジョンをセイコーエプソン株式会社製のインクジェット記録装置EM−930Cのカートリッジに充填し、30℃で半年放置したときの細菌または黴等の微生物の発生状態を観察するため、インクを1gとり、25℃および30℃で4週間、寒天培地で培養して細菌や黴の増加状況を観察する方法で行った。
判定A;細菌や黴が100個以下である場合
判定B;細菌や黴が101個〜1000個以下である場合
判定C;細菌や黴が1001個以上である場合
以上、評価1及び2の判定結果を、表2にまとめて示す。
Figure 2008231225
表2中樹脂エマルジョンの評価結果から明らかなように、本発明の適用範囲内である実施例1〜6の樹脂エマルジョンA〜E及びGは、いずれの評価においても判定AまたはBを与え、良好な保存安定性と防腐効果を実現している。一方、有機溶剤を含まない比較例1及び2の樹脂エマルジョンF及びHは、十分な保存安定性や防腐効果が得られず判定Cを与える結果であった。
さらに以下、本発明のインク組成物について実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(顔料分散液Aの調製)
カーボンブラックS170(デグサ・ヒュルス社製)100gを水1kgに混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて粉砕した。この粉砕原液に次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度12%)1400gを滴下して、ボールミルで粉砕しながら5時間反応させ、さらに攪拌しながら4時間煮沸して湿式酸化を行った。得られた分散原液をガラス繊維濾紙GA−100(アドバンテック東洋社製)で濾過して、さらに水で洗浄した。得られたウェットケーキを水5kgに再分散して、逆浸透膜により電導度が2mS/cmになるまで脱塩および精製し、さらに顔料濃度が20重量%になるまで濃縮して自己分散顔料分散液Aを調製した。
(実施例7〜14及び比較例3 インク組成物の調製)
表3に示す量の樹脂エマルジョン(表3の値はインク中に含む樹脂粒子固形分量を示す)、顔料分散液A 30重量%、1,2−ヘキサンジオール 3重量%、オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) 0.6重量%、2−ピロリドン 2重量%、トリエチレングリコール 2重量%、グリセリン 8重量%、トリエチレングリコールモノブチルエーテル 4重量%を混合し、これにpHが7.5になるようにトリエタノールアミンを加え、さらに全量が100重量%になるように超純水を添加した。この混合液を室温にて2時間攪拌した後、ポリテトラフルオロエチレン製、孔径約8μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミテッド製)により濾過して、実施例7〜14及び比較例3の各インク組成物を得た。なお、グリセリン、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、及び1,2−ヘキサンジオールの配合割合は、樹脂エマルジョン中に含まれる成分を含んだ値である。
Figure 2008231225
(インク組成物の評価試験)
調製した実施例7〜14及び比較例3の各インク組成物について、下記の評価3〜6を行った。
<評価3:インク組成物の保存安定性>
調製した各インク組成物60gをそれぞれ100gプラスティックボトルに入れた後、密栓してから70℃環境下で1週間放置した。放置前後の各インク組成物の粘度を振動式粘度計(山一電機(株)製)にて測定し、その変化率から以下の基準に基づいて保存安定性を判定した。
判定A;粘度変化率が±2.5%未満である場合
判定B;粘度変化率が±2.5%以上±5%未満である場合
判定C;粘度変化率が±5%を超える場合
<評価4:インク組成物の吐出安定性>
調製した各インク組成物を上述のインクジェット記録装置EM−930Cに充填し、40℃環境において、べた及び罫線の含まれるパターンを連続印刷した。印刷中にノズルの抜けやインクの飛行曲がり等による印字の乱れがあった場合は、記録装置に付属の復帰動作(クリーニング)を都度行った。連続100ページ内に必要とされた上記クリーニングの回数を計測し、結果を以下の基準に基づいて判定した。
判定A;クリーニングを必要としなかった場合
判定B;3回未満のクリーニングを必要とした場合
判定C;3回以上のクリーニングを必要とした場合
<評価5:OD値の評価>
調製した各インク組成物を、インクジェット記録装置EM−930Cに充填し、100%べた印刷を行った。記録媒体は、中性普通紙としてゼロックスP、ゼロックス4024(以上、富士ゼロックス社製)、酸性普通紙としてEPP(セイコーエプソン社製)、再生紙としてゼロックスR(富士ゼロックス社製)の4種類を用い、記録物を得た。印刷後、各記録物を一般環境で1時間放置した後、グレタグ濃度計(グレタグマクベス社製)を用いてべた部分のOD値を測定した。そして、4種の記録物の平均値を求め、算出した平均OD値を以下の基準に基づいて判定した。
判定A;OD値が1.35以上
判定B;OD値が1.30以上1.35未満
判定C;OD値が1.30未満
<評価6:定着性の評価>
調製した各インク組成物を、インクジェット記録装置EM−930Cに充填し、べた及び文字の含まれるパターンを印刷した。得られた記録物を24時間自然乾燥させた後、ゼブラ社製のイエロー水性蛍光ペンZEBRA PEN2(商標)を用いて、印刷文字を筆圧300g/15mm2で擦り、ペン先に付着した汚れの有無を目視で観察した。その結果を以下の基準に基づいて判定した。
判定A;同一部分を2回擦っても全く汚れが生じない
判定B;1回の擦りまでは汚れが生じないが、2回の擦りでは汚れが生じる
判定C;1回の擦りで汚れが生じる
以上、評価3〜6の判定結果を、表4にまとめて示す。
Figure 2008231225
表4中インク組成物の評価結果から明らかなように、本発明の適用範囲内である実施例7〜14のインク組成物は、保存安定性や吐出安定性評価において判定AまたはBを与え、良好なインクジェット特性を得ることができており、且つOD値、定着性評価においても判定AまたはBを与え、所望の印字品質を得ることができている。一方、本発明の適用範囲外である比較例3のインク組成物は、OD値、定着性評価においては判定Aを与え、所望の印字品質を得ることができているが、安定した保存性、吐出性が確保できず判定Cを与える結果であった。

Claims (10)

  1. 樹脂粒子と水を含む樹脂エマルジョンであって、さらに有機溶剤を含むことを特徴とする樹脂エマルジョン。
  2. 前記有機溶剤がグリセリン、グリコールエーテル類、及びアルカンジオール類からなる群から選択された1種以上を含むことを特徴とする、請求項1に記載の樹脂エマルジョン。
  3. 前記有機溶剤の樹脂エマルジョン中の濃度が3重量%以上30重量%以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の樹脂エマルジョン。
  4. 前記グリコールエーテル類の樹脂エマルジョン中の濃度が3重量%以上20重量%以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂エマルジョン。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂エマルジョンと色材とを含んでなることを特徴とする、インクジェット記録用水性インク組成物。
  6. 前記色材が顔料であることを特徴とする、請求項5に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
  7. 前記顔料が自己分散型顔料であることを特徴とする、請求項6に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
  8. 前記樹脂エマルジョンに含まれる樹脂粒子のインク組成物中の濃度が1重量%以上10重量%以下であることを特徴とする、請求項5〜7のいずれか一項に記載のインクジェット記録用水性インク組成物。
  9. 請求項5〜8のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成物を用いて画像を形成することを特徴とする、記録方法。
  10. 請求項5〜8のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成物を用いて画像が形成されてなることを特徴とする、記録物。
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