JP2015193824A - 非水系インクジェットインク組成物、インク収容体、インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置 - Google Patents

非水系インクジェットインク組成物、インク収容体、インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】吐出安定性を維持しつつ、脱気工程への負荷を低減することができる非水系インクジェットインク組成物、インク収容体、インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置を提供する。【解決手段】本実施形態に係る非水系インクジェットインク組成物は、インク収容体に収容され、インク組成物に含まれる溶剤が有機溶剤により構成され、インク組成物における溶存酸素濃度が常温における飽和溶存酸素濃度の30%以上80%以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、非水系インクジェットインク組成物、インク収容体、インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置に関する。
従来、紙などの被記録媒体に、画像データ信号に基づき画像を形成する記録方法として、種々の方式が利用されている。このうち、インクジェット記録方式は、安価な装置で、必要とされる画像部のみにインクを吐出し被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを効率良く使用でき、ランニングコストが安い。さらに、インクジェット記録方式は騒音が小さいため、記録方法として優れている。
これらのインクジェット記録方式に使用されるインクとしては、主溶媒として水を用いる水系インクと、主溶媒として有機溶剤を用いる溶剤インク(非水系インク)とが一般に用いられている。溶剤インクは、顔料インクの1つで、インクの成分を水ではなく有機溶剤で分散させ高い耐水、耐光性を発揮する。溶剤インクは、塩化ビニールフィルム等に、インクを浸透させ固定することが出来るため、屋外で長期間使用することができる。溶剤インクには大別して、リアルソルベント(高溶剤)インクと、エコソルベント(低溶剤)インクの2つがある。エコソルベントインクは、低臭気性で人体や環境に配慮した有機溶剤に色材を分散している溶剤インクである。労働安全衛生法が定める有機溶剤に該当しない、有機溶剤中毒予防則に定める第1種および第2種有機溶剤に該当しない、あるいは消防法に定める設置環境の屋内作業場において局所排気装置の義務付対象外となる有機溶剤を使用することを特徴としている。
特開2003−313472号公報 特開2013−76037号公報
従来、水系インクはインクカートリッジ製造時に、カートリッジ内に封入するインクの溶存酸素濃度を十分低くする必要があった(例えば、特許文献1参照)。その理由は、インクの溶存酸素濃度が高いと、プリンタ内でインクに気泡が発生して吐出不良を起こすためである。この気泡は、インク中に溶けていた酸素によって生じる。このため、溶剤インクも水系インクと同様に十分な脱気が必要と考えられており、実際に溶剤インクについても溶存酸素濃度を十分低くするために脱気工程を行っていた(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、溶剤インクは飽和酸素濃度が高い為、脱気工程に長時間を要するという問題がある。
そこで、本発明は、吐出安定性を維持しつつ、脱気工程への負荷を低減することができる非水系インクジェットインク組成物、インク収容体、インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置を提供することを目的の一つとする。
本願発明者によれば、非水系インクは水系インクと比べて溶存酸素濃度を高めにしても吐出安定性が確保できることがわかり、脱気工程の短縮ができてコストダウンにつながることがわかった。その理由は、有機溶剤は水と比べて飽和酸素濃度が高く、酸素を多く溶かすことができるので、溶けている酸素が気泡になりにくい為と推測する。さらに、水の酸素を溶かす量(飽和酸素量)は水の温度が高いと低くなることが知られている。水系インクではインクの温度が高いほうが吐出不良が増える傾向があったのに対し、今回、溶剤インクでは温度が高いほうが吐出不良の発生が少ない傾向がみられ水とは反対の傾向があることが見出された。
すなわち、本発明は、下記のとおりである。
[1]
インク組成物に含まれる溶剤が有機溶剤により構成され、前記インク組成物における溶存酸素濃度が常温における飽和溶存酸素濃度の30%以上80%以下であり、インク収容体に収容された、非水系インクジェットインク組成物。
[2]
前記非水系インクジェットインク組成物の溶存酸素濃度が常温における飽和溶存酸素濃度の40%以上55%以下である、[1]記載の非水系インクジェットインク組成物。
[3]
前記有機溶剤として、アルキレングリコールアルキルエーテル類または環状エステル類の少なくともいずれかを含む、[1]又は[2]に記載の非水系インクジェットインク組成物。
[4]
前記有機溶剤として、アルキレングリコールアルキルエーテル類を主溶媒として含む、[3]に記載の非水系インクジェットインク組成物。
[5]
前記非水系インクジェットインク組成物は、重合性化合物を含まない、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の非水系インクジェットインク組成物。
[6]
前記非水系インクジェットインク組成物の粘度が20℃において5mPa・s以下である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の非水系インクジェットインク組成物。
[7]
インクジェットヘッドから吐出される際の前記非水系インクジェットインク組成物の温度が35℃以上である、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の非水系インクジェットインク組成物。
[8]
インクジェットヘッドから吐出される際の吐出周波数が1kHz以上200kHz以下である、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の非水系インクジェットインク組成物。
[9]
[1]〜[8]のいずれか一項に記載の非水系インクジェットインク組成物を収容したインク収容体。
[10]
[1]〜[8]のいずれか一項に記載の非水系インクジェットインク組成物を用いて記録を行うインクジェット記録方法。
[11]
[10]に記載のインクジェット記録方法を行うインクジェット装置。
本実施形態の非水系光硬化型インクジェットインク組成物収容体の一例を示す分解斜視図である。 本発明の実施形態に係るプリンターの構成を模式的に示す斜視図である。 表4における気泡消滅試験1の結果を示す図である。 表4における気泡消滅試験2の結果を示す図である。 表4における気泡消滅試験3の結果を示す図である。 表4における気泡消滅試験7の結果を示す図である。 表4における気泡消滅試験4の結果を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
[インク組成物]
本発明の一実施形態に係るインク組成物は、インク組成物に含まれる溶剤が有機溶剤により構成される、いわゆる非水系インク組成物である。「非水系インク組成物」とは、インク組成物の主な溶媒成分(揮発成分)が水以外の成分であるインク組成物であり、主な溶媒成分は例えば有機溶剤などの溶剤である。また、インク調製において主な溶媒成分として意図的に水を添加しないインク組成物であることが好ましく、不純物として不可避的に水分を含んでしまう場合は含まれる。組成物中の水の含有量は、例えば5質量%以下であり、1質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、0質量%であってもよい。また、本発明の一実施形態に係るインク組成物は、非水系のインクジェットインク組成物である。インクジェットインク組成物(以下、単にインク組成物ともいう)は、インクジェット法によりインクジェットヘッドから吐出して用いるインク組成物である。
本実施形態に係るインク組成物は、いわゆるエコソルベントインクであることが好ましい。上述したように、エコソルベントインクは、低臭気性で人体や環境に配慮した有機溶剤に色材を分散している溶剤インクである。労働安全衛生法が定める有機溶剤に該当しない、有機溶剤中毒予防則に定める第1種および第2種有機溶剤に該当しない、あるいは消防法に定める設置環境の屋内作業場において局所排気装置の義務付対象外となる有機溶剤を使用することを特徴としている。
以下、本実施形態に係るインク組成物に含まれる成分について、詳細に説明する。
(顔料)
本実施形態に係る非水系インク組成物は、顔料を含有する。非水系インク組成物には、従来の非水系インク組成物に通常用いられている無機顔料および有機顔料等の顔料を用いることができる。これらの顔料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料(例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等)、多環式顔料(フタロシアニン顔料、ペリレンおよびペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等)、染料レーキ(例えば、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等が挙げられる。また、無機顔料としては、カーボンブラック、二酸化チタン、シリカ、アルミナ等が挙げられる。
マゼンタまたはレッド系の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントレッド224等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー系の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー180等が挙げられる。
グリーンまたはシアン系の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36等が挙げられる。
ブラック系の無機顔料としては、カーボンブラック等が挙げられる。
本実施形態に係る非水系インク組成物に含まれる顔料としては、有機顔料であることが好ましい。非水系インク組成物中における有機顔料の分散性は、無機顔料の分散性よりも優れている。そのため、有機顔料は、無機顔料に比べて、非水系インク組成物の充填された容器内で均一に分布できる。
顔料の含有量は、非水系インク組成物の全質量に対して、0.5〜25質量%、好ましくは0.5〜15質量%、より好ましくは1〜10質量%である。
顔料の平均粒子径(d50)は、好ましくは10nm以上500nm以下であり、より好ましくは50nm以上400nm以下であり、特に好ましくは100nm以上300nm以下である。顔料の平均粒子径(d50)が上記範囲内にあると、非水系インク組成物中の顔料の分散性が一層良好となる。
なお、本発明における「平均粒子径(d50)」とは、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により個数基準の粒度分布測定を行なった場合に、粒子の累積存在確率が50%となったときの粒子径のことをいう。レーザー回折式粒度分布測定装置としては、たとえばナノトラック(Microtrac製、形式「UPA−150」)が挙げられる。
(有機溶剤)
本実施形態に係る非水系インク組成物は、有機溶剤を含有する。非水系インク組成物に使用する有機溶剤としては、低臭気性で人体や環境に配慮した有機溶剤に色材を分散している溶剤インクである。労働安全衛生法が定める有機溶剤に該当しない、有機溶剤中毒予防則に定める第1種および第2種有機溶剤に該当しない、あるいは消防法に定める設置環境の屋内作業場において局所排気装置の義務付対象外となる有機溶剤を使用することが好ましい。
このような有機溶剤としては、例えば、常温常圧下で液体のアルキレングリコールアルキルエーテル類、環状エステル類等が挙げられる。
アルキレングリコールアルキルエーテル類としては、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルや、アルキレングリコールジアルキルエーテル等が挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルトリエチエレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
アルキレングリコールジアルキルエーテルとしては、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
本実施形態に係る非水系インク組成物は、アルキレングリコールアルキルエーテル類を主溶媒として含むことが好ましい。「主溶媒」とは、インク組成物に含まれる溶媒のうちでもっとも多くの含有量を占める溶媒をいう。アルキレングリコールアルキルエーテル類の含有量は、非水系インク組成物の全質量に対して、その下限が、20%以上、40%以上、50%以上となるにしたがって好ましく、その上限が、95%以下、90%以下、80%以下となるにしたがって好ましい。アルキレングリコールアルキルエーテル類を主溶媒として含む非水系インク組成物は、他の有機溶媒を主溶媒として含む非水系インク組成物に比べて、光沢性、吐出安定性の面で優れる傾向にある。
環状エステル類は、エステル結合による環状構造を持つ化合物であり、5員環構造のγ−ラクトンや6員環構造のδ−ラクトン、7員環構造のε−ラクトン等があり、例えばγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ヘキサラクトン、γ−ヘプタラクトン、γ−オクタラクトン、γ−ノナラクトン、γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン、δ−バレロラクトン、δ−ヘキサラクトン、δ−ヘプタラクトン、δ−オクタラクトン、δ−ノナラクトン、δ−デカラクトン、δ−ウンデカラクトン、ε−カプロラクタムである。
ラクトン系溶剤は、本発明の好ましい態様においては5員環構造のγ−ラクトンであり、さらに好ましい態様においては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンである。
環状エステル類の含有量は、非水系インク組成物の全質量に対して、その下限が好ましくは3質量%以上であり、さらに好ましくは5質量%以上であり、その上限が好ましくは30質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以下である。これにより、ポリ塩化ビニル基材への浸透性、レベリング性、印字の乾燥性に優れるものとできる。
その他の有機溶剤としては、好ましくは炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤、エステル系溶剤等が挙げられる。
炭化水素系溶剤としては、脂肪族炭化水素(例えば、パラフィン、イソパラフィン)、脂環式炭化水素(例えば、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン等)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン、テトラリン等)等が挙げられる。このような炭化水素系溶剤としては、市販品を用いてもよく、IPソルベント1016、IPソルベント1620、IPクリーンLX(以上全て出光興産株式会社製の商品名)、Isopar(アイソパー)G、Isopar L、Isopar H、Isopar M、Exxsol D40、Exxsol D80、Exxsol D100、Exxsol D130、Exxsol D140(以上全て、Exxon社製の商品名)、NSクリーン100、NSクリーン110、NSクリーン200、NSクリーン220(以上全て、JX日鉱日石エネルギー株式会社の商品名)、ナフテゾール160、ナフテゾール200、ナフテゾール220(以上全て、JX日鉱日石エネルギー株式会社の商品名)等の脂肪族炭化水素系溶剤または脂環式炭化水素系溶剤や、ソルベッソ200(Exxon社製の商品名)等の芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。
アルコール系溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、イソアミルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、4−メチル−2ペンタノール、アリルアルコール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール等が挙げられる。
エステル系溶剤としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソペンチル、酢酸第二ブチル、酢酸アミル、酢酸メトキシブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、カプリル酸メチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が挙げられる。
有機溶剤としての炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤、エステル系溶剤何れか1つ以上の合計の含有量としては、非水系インク組成物の全質量に対して、好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上であり、さらに好ましくは60質量%以上であり、特に好ましくは70質量%以上であり、一層好ましくは80質量%であり、上限は限られるものではないが99.5質量%以下である。
全ての有機溶剤の含有量としては、非水系インク組成物の全質量に対して、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、上限は限られるものではないが99.5質量%以下が好ましい。
(バインダー樹脂)
また、本実施形態に係る非水系インク組成物は、上記成分の他に、インクの粘度を調整する目的でバインダー樹脂を添加してもよい。バインダー樹脂としては、例えばアクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、ロジン変性樹脂、フェノール樹脂、テルペン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂、セルロースアセテートブチレート等の繊維系樹脂、ビニルトルエン−α−メチルスチレン共重合体樹脂等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。なお、バインダー樹脂は、その添加量により記録媒体に対するインクの定着性をさらに良好とすることもできる。
(その他の成分)
本実施形態に係る非水系インク組成物には、非水系インク組成物の性能を高める観点から、前記顔料および有機溶剤の他に、通常の非水系インク組成物に含まれる成分を含有してもよい。このような成分としては、例えば、界面活性剤、分散剤、防腐剤・防かび剤、酸化防止剤、pH調整剤などが挙げられる。
界面活性剤は、インク流路に対する非水系インク組成物の濡れ性を高め、インク流路の洗浄性を高めるという観点から用いることができる。このような界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、または非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレン誘導体等が挙げられる。
シリコン系界面活性剤としては、ポリエステル変性シリコンやポリエーテル変性シリコンを用いることが好ましい。具体例としては、BYK−347、348、BYK−UV3500、3510、3530、3570(いずれもビックケミー・ジャパン社製)が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、フッ素変性ポリマーを用いることが好ましく、具体例としては、BYK−340(ビックケミー・ジャパン社製)が挙げられる。
また、ポリオキシエチレン誘導体としては、アセチレングリコール系界面活性剤を用いることが好ましい。具体例としては、サーフィノール82、104、465、485、TG(いずれもエアープロダクツジャパン社製)、オルフィンSTG、E1010(いずれも日信化学株式会社製)、ニッサンノニオンA−10R、A−13R(いずれも日油株式会社製)、フローレンTG−740W、D−90(共栄社化学株式会社製)、ノイゲンCX−100(第一工業製薬株式会社製)等が挙げられる。
分散剤は、顔料の分散安定性を向上させる観点から用いることができる。このような分散剤としては、通常の非水系インク組成物において用いられる任意の分散剤を用いることができる。分散剤としては、有機溶剤の溶解パラメーターが8〜11であるときに有効に作用する分散剤を用いることが好ましい。このような分散剤の具体例としては、ヒノアクトKF1−M、T−6000、T−7000、T−8000、T−8350P、T−8000E(いずれも武生ファインケミカル株式会社製)等のポリエステル系高分子化合物、Solsperse20000、24000、32000、32500、33500、34000、35200、37500(いずれもLUBRIZOL社製)、Disperbyk−161、162、163、164、166、180、190、191、192(いずれもビックケミー・ジャパン社製)、フローレンDOPA−17、22、33、G−700(いずれも共栄社化学株式会社製)、アジスパーPB821、PB711(いずれも味の素株式会社製)、LP4010、LP4050、LP4055、POLYMER400、401、402、403、450、451、453(いずれもEFKAケミカルズ社製)等が挙げられる。
防腐剤・防かび剤としては、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジンチアゾリン−3−オン(ICI社のプロキセルCRL、プロキセルBND、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルTN)等が挙げられる。
pH調整剤、溶解助剤、または酸化防止剤の例として、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、モルホリンなどのアミン類およびそれらの変成物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどの無機塩類、水酸化アンモニウム、四級アンモニウム水酸化物(テトラメチルアンモニウムなど)、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウムなどの炭酸塩類その他燐酸塩など、あるいはN−メチル−2−ピロリドン、尿素、チオ尿素、テトラメチル尿素などの尿素類、アロハネート、メチルアロハネートなどのアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレットなどのビウレット類など、L−アスコルビン酸およびその塩を挙げることができる。
本実施形態に係る非水系インク組成物は、重合性化合物を含まないことが好ましい。重合性化合物とは、紫外線硬化型インク組成物に含まれるような重合性化合物のことである。本実施形態に係る非水系インク組成物は、重合性化合物を含む紫外線硬化型インク組成物と比べて粘度を低くすることができ、脱気効率を向上させることができる。
(非水系インク組成物の物性)
本実施形態に係る非水系インク組成物における溶存酸素濃度は、常温(25℃)における飽和溶存酸素濃度の30%以上80%以下である。溶存酸素濃度(酸素飽和度)の上限は、70%以下、60%以下、55%以下、50%以下となるにしたがって好ましい。また、酸素飽和度の下限は、35%以上、40%以上となるにしたがって好ましい。上記数値範囲の上限は吐出安定性の点で好ましく、下限は脱気工程の短時間化の点で好ましい。
また、本実施形態に係る非水系インク組成物の20℃における粘度は、記録ヘッドの吐出能力を考慮し、5mPa・s以下であることが好ましい。これにより、非水系インクの吐出安定性を一層優れたものにできる。また粘度は、限られるものではないが、組成物の設計の自由度が高まる点で1mPa・s以上が好ましい。なお、粘度の測定は、粘弾性試験機MCR−300(Pysica社製)を用いて、20℃の環境下で、Shear Rate200時の粘度を読み取ることにより測定することができる。
本実施形態に係る非水系インク組成物は、記録品質とインクジェット用インクとしての信頼性とのバランスの観点から、20℃における表面張力が20mN/m以上50mN/mであることが好ましく、25mN/m以上40mN/m以下であることがより好ましい。なお、表面張力の測定は、自動表面張力計CBVP−Z(協和界面科学社製)を用いて、20℃の環境下で白金プレートをインクで濡らしたときの表面張力を確認することにより測定することができる。
(非水系インク組成物の調製方法)
本実施形態に係る非水系インク組成物は、公知の慣用方法によって製造することができる。色材として顔料を用いる場合には、最初に、顔料、分散剤、および有機溶剤(一部分)を混合した後、ボールミル、ビーズミル、超音波、またはジェットミル等で顔料分散液を調製し、所望のインク特性を有するように調整する。続いて、有機溶剤(残量)、およびその他の添加剤(例えば、界面活性剤やバインダー樹脂)を撹拌下に加えて非水系インク組成物を得ることができる。
(脱気方法)
その後、得られた非水系インク組成物を脱気処理して、インク収容体に収容する。非水系インク組成物を本発明で規定する溶存酸素濃度とする方法については、特に制限はなく、例えば、インク組成物を減圧下で処理すること、特には、気体透過性の膜から形成された中空糸中にインク組成物を通し、その外部を減圧にすることで効果的に脱気することができる。
気体透過性のある膜とは、溶液中から溶液中に溶解している気体のみを透過させる性質のある膜のことをいう。気体透過性のある膜の材質としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ(テトラフルオロエチレン)樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等があり、汎用性、加工性から良好である。具体的には、日東電工株式会社製中空糸膜モジュール(ニトセップ、例えばSF−13ILS等)、三菱レーヨン株式会社製中空糸膜モジュール(例えばMHF304KM等)等を用いることができる。
上記の脱気方法において、インクの酸素飽和度を低くしたい場合には、減圧装置による真空度を高めるか、インク組成物を長時間脱気処理する必要がある。このため、インク製造時の脱気工程への設備の拡充を必要とし、また脱気工程に要する時間が長時間になるという不利益がある。
本実施形態に係る非水系インク組成物によれば、後述する実施例により示されるように、同温環境において水系インクより、気泡消滅が速く、高温環境であればさらに気泡の消滅は速いため、印字安定性を維持するためのインク中の溶存酸素濃度は、常温下の飽和溶存酸素濃度の80%未満とする脱気工程で十分である。よって水系インクほどの脱気度を確保する必要がないため、製造時の脱気工程への設備の拡充を不要とし、また脱気工程に要する時間が短く低コスト化につながる。
[インク収容体]
本発明の一態様は、非水系インク組成物を収容したインク収容体である。本明細書において、「インク収容体」とは、容器及び包装体を包含する概念で、インク組成物を直接的又は間接的に収容するものをいう。インク収容体は、記録装置でインク組成物を使用する前に、インク組成物の保管、輸送に用いるものであり、使用する際にはインク収容体に収容されるインク組成物を記録装置に供給するものである。
インク収容体の態様としては、以下に限定されないが、例えば、インクカートリッジ、パック、ボトル、タンク、ビン、缶が挙げられる。これらの中でも、汎用されており、かつ、後述の水分透過度及び酸素透過度を所望の値に制御しやすいという観点から、インクカートリッジ、パック、ボトル、タンクが好ましく、パックがより好ましい。
図1に、本実施形態のインク収容体の一例を示す分解斜視図を示す。インクカートリッジ3は、インクが充填されるインクパック70と、インクパック70を内部に収めて保護する本体ケース76と蓋部78からなるカートリッジケース72からなる。インクパック70はインク供給口74を備える。本体ケース76は、切欠き部80及び溝部86を備え、蓋部78は、押さえ部82及び鉤部84を備える。インクカートリッジ3において、インクパック70は本体ケース76及び蓋部84内に収められ、その際、インク供給口74が切欠き部80に嵌め込まれた上で、押さえ部82と切欠き部80とに挟まれることで固定される。また、本体ケース76と蓋部84は、鉤部84が溝部86に嵌合することにより密閉される。なお、インクパック70及びカートリッジケース72が本実施形態の「インク収容体」に相当する。またインク収容体のうちのインクパック70のようなインク組成物を直接的に収容する構成を容器とよぶ。容器のみからなるインク収容体であってもよい。
インク収容体の使用態様としては、特に限定されないが、例えば、記録装置とは別体であるインク収容体を記録装置に装着し、装着された状態で、インク収容体からインク組成物を記録装置に供給するカートリッジのような態様(A)と、記録装置とは別体であるインク収容体から、インク組成物を記録装置のインクタンク等に供給するボトルのような態様(B)と、インク収容体が予め記録装置の一部として備え付けられた態様(C)と、が挙げられる。なお、態様(A)及び態様(C)の場合には、装着された収容体又は備え付けられたインク収容体から、インクチューブのような接続部を介して記録装置のヘッドにインク組成物を供給して、記録を行うことができる。また、態様(B)は、インク収容体から記録装置のインクタンク等にインク組成物を移した後、インクタンクからインクチューブのような接続部を介して記録装置のヘッドにインク組成物を供給して、記録を行うことができる。
〔構成部材〕
インクパック70等の容器を構成する部材の材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリスチレンのような樹脂;又はガラスのような無機物が挙げられる。なお、上記構成材料は、適当な比率で配合して用いても、複数種重ねて用いてもよい。
上記構成部材としては柔軟性や軽量化の点でフィルムが好ましい。部材の材料として、耐久性のよいフィルム材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリスチレンなどのプラスチックフィルムが挙げられる。このなかでも、高密度、低密度、又は線状低密度のポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体、及びポリスチレンが好ましい。フィルム材料は、積層フィルムであっても、延伸フィルムであってもよい。
インク収容体の容器の構成部材の酸素透過度は、好ましくは5.0cc・20μm/(m2・day・atm)以下であり、より好ましくは2.0cc・20μm/(m2・day・atm)以下であり、さらにより好ましくは1.0cc・20μm/(m2・day・atm)以下である。また、容器の構成部材の酸素透過度は0cc・20μm/(m2・day・atm)以上であり、限られるものではないが、0.1cc・20μm/(m2・day・atm)以上が、部材の設計の自由度の点で好ましい。酸素透過度が上記以下であることにより、保管中のインク組成物の溶存酸素量が変化しにくくなる傾向にある。なお、酸素透過度は、ISO 14663− 2:1999(Annex C)に定められた方法で測定することができる。
上記酸素透過度を向上させるため、インク収容体は、ガスバリア層を有していてもよい。ガスバリア層としては、特に限定されないが、例えば、アルミニウム層のような金属層、エチレンビニルアルコール共重合体層、ポリビニルアルコール層のような有機層が挙げられる。
容器の部材の総厚みは、好ましくは10μm以上であり、より好ましくは20μm以上であり、さらに好ましくは30μm以上であり、よりさらに好ましくは40μm以上であり、さらにより好ましくは70μm以上である。総厚みが10μm以上であることにより、収容されるインク組成物の水分含有量及び溶存酸素量が変化しにくく、インク収容体の強度が得られる傾向にある。また、総厚みは、好ましくは300μm以下であり、より好ましくは200μm以下であり、さらに好ましくは150μm以下である。総厚みが200μm以下であることにより、視認性や柔軟性がより向上する傾向にある。
インク収容体が収容可能なインク組成物の容量は、好ましくは100〜3,000mLであり、より好ましくは100〜2,000mLであり、さらに好ましくは100〜1,000mLであり、特に好ましくは100〜800mLであり、より特に好ましくは200〜800mLである。インク収容体の容量が上記範囲内であることにより、インク収容体の使用開始後、インク収容体中のインクの溶存酸素量が殆ど変わらない間に、インク組成物を使い切ることができることや、保管中のインク組成物の溶存酸素量が変化しにくいこと等の有利な効果がある。
インク収容体の水分透過率は、好ましくは20g/m2・24時間 以下であり、より好ましくは10g/m2・24時間 以下であり、さらに好ましくは5.0g/m2・24 時間以下である。水分透過率が20g/m2・24時間以下であることにより、収容されるインク組成物中の水分量が上昇し難い傾向にあり、顔料粒径に変化を生じにくくし、インクの長期保存安定性を一層良好にする傾向にある。また、インク収容体の水分透過率は、限られるものではないが、設計の自由度の点で、好ましくは0.10g/m2・24時間 以上であり、より好ましくは0.20g/m2・24時間 以上であり、さらに好ましくは1.0g/m2・24時間 以上であり、よりさらに好ましくは2.0g/m2・24時間 以上である。なお、水分透過率は、ガスクロマトグラフ法により測定することができる。
[インクジェット記録方法]
本実施の形態に係るインクジェット記録方法は、前述した非水系インク組成物の液滴を吐出し、低吸収性記録媒体に該液滴を付着させて画像を記録することを特徴とする。
本明細書において「低吸収性記録媒体」とは、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m2以下である記録媒体のことをいい、少なくとも被記録面がこの性質を備えていればよい。この定義によれば、本発明における「低吸収性記録媒体」には、水を全く吸収しない非吸収性記録媒体も含まれる。このブリストー法は、短時間での液体吸収量の測定方法として最も普及している方法であり、日本紙パルプ技術協会(JAPAN TAPPI)でも採用されている。試験方法の詳細は「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法2000年版」の規格No.51「紙及び板紙−液体吸収性試験方法−ブリストー法」に述べられている。
低吸収性記録媒体としては、具体的には、低吸収性の材料を含むシート、フィルム、繊維製品等が挙げられる。また、低吸収性記録媒体は、基材(例えば、紙、繊維、皮革、プラスチック、ガラス、セラミックス、金属等)の表面に、低吸収性の材料を含む層(以下、「低吸収性層」ともいう)を備えたものであってもよい。低吸収性の材料としては、特に限定されないが、オレフィン系樹脂、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、低吸収性記録媒体としては、塩化ビニル系樹脂を含む被記録面を有するものを好ましく用いることができる。塩化ビニル系樹脂の具体例としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−ビニルエーテル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−(メタ)アクリル酸共重合体、塩化ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−ウレタン共重合体等が挙げられる。なお、低吸収性記録媒体の厚み、形状、色、軟化温度、硬さ等の諸特性については特に制限されない。
上述した非水系インク組成物には、環状エステル類が含まれている。環状エステル類は、上述したように塩化ビニル系樹脂を溶解する作用を有している。そのため、本実施の形態に係るインクジェット記録方法によれば、塩化ビニル系樹脂を含む被記録面に上述した非水系インク組成物の液滴を付着させることで、定着性および表面乾燥性に一層優れた画像を記録することができる。
本実施の形態に係るインクジェット記録方法に用いるインクジェット記録装置は、特に限定されないが、ドロップオンデマンド型のインクジェット記録装置が好ましい。ドロップオンデマンド型のインクジェット記録装置には、記録ヘッドに配設された圧電素子を用いて記録を行う圧電素子記録方法を採用したもの、記録ヘッドに配設された発熱抵抗素子のヒーター等による熱エネルギーを用いて記録を行う熱ジェット記録方法を採用したもの等があるが、いずれの記録方法も採用することができる。また、本実施の形態に係る非水系インク組成物は、撥インク処理された吐出ノズル表面に対して不活性であるという利点を有するので、例えば撥インク処理された吐出ノズル表面を有するインクジェット記録用ヘッドから吐出させるインクジェット記録方法に有利に用いることができる
[インクジェット記録装置]
本発明の一態様は、上述したインクジェット記録方法を行うインクジェット記録装置である。
本実施形態に係るインクジェット記録装置には、従来公知のインクジェットプリンターを用いることができる。インクジェットプリンターとしては、例えば、 図1に示すようなインクジェットプリンター(以下、単に「プリンター」ともいう。)が挙げられる。
図2は、本実施形態におけるプリンター1の構成を示す斜視図である。図2に示すように、プリンター1は、インクジェット式記録ヘッド2を搭載すると共にインクカートリッジ3を着脱可能に装着するキャリッジ4と、インクジェット式記録ヘッド(インクジェットヘッド)2の下方に配設され記録媒体6が搬送されるプラテン5と、キャリッジ4を記録媒体6の媒体幅方向(主走査方向S)に移動させるキャリッジ移動機構7と、記録媒体6を媒体送り方向に搬送する媒体送り機構8と、を有するものである。加えて、プリンター1は、当該プリンター1全体の動作を制御する制御部CONTを有している。
記録ヘッド2は、収容したインク組成物をノズルから吐出させるキャビティーと、当該キャビティー毎に設けられた、インクに吐出の駆動力を付与する吐出駆動部と、当該キャビティー毎に設けられた、ヘッドの外へインク組成物を吐出するノズルと、を有する。キャビティー、並びにキャビティー毎に設けられる吐出駆動部及びノズルは、それぞれ互いに独立して、一のヘッドに複数個設けられていてもよい。吐出駆動部は、機械的な変形によりキャビティーの容積を変化させる圧電素子などの電気機械変換素子や、熱を発することによりインクに気泡を発生させ吐出させる電子熱変換素子などを用いて形成することができる。プリンタ1は、1色のインクにつきヘッドを1個設けていても複数個設けていてもよい。
インクカートリッジ3は、独立した複数のカートリッジからなり、カートリッジ毎に上述した非水系インク組成物が充填されている。なお、非水系インク組成物が充填されたカートリッジは、通常の印刷時にはキャリッジ4上に搭載されていなくてもよく、少なくともインク流路を洗浄する場合にキャリッジ4に装着されていればよい。
プラテン5はプラテンヒータを備え、被記録媒体を設定温度に加熱できるように構成されている。記録ヘッド2にはヒータは内臓されていない。ただし、被記録媒体の加熱により記録ヘッドの温度も結果的に上昇し、記録ヘッド2内に収容されたインクの温度も上昇する傾向にある。図示はしないが、プリンタ1は、プラテンヒーターよりも下流の記録媒体搬出経路にアフターヒーターを備えていてもよい。
上述した本実施形態に係る非水系インク組成物は、記録ヘッド2から吐出される。ここで、記録ヘッド2から吐出される際の非水系インク組成物の温度は35℃以上が好ましく、40℃以上がさらに好ましい。また、インクジェットヘッドから吐出される際の非水系インク組成物の温度は、80℃以下、70℃以下、60℃以下、50℃以下になるにしたがって好ましくなる。温度が高い場合、溶存酸素が高くても吐出安定性が良好になるという利点がある。非水系インク組成物は、ヘッド内やヘッドへインクを供給する過程において加温されて上記の温度となって吐出される場合や、ヘッドと対向するプラテンなどにおいて被記録媒体を加熱する熱をヘッドが受けて結果的にインクが上記の温度となって吐出される場合であってもよい。前者においては例えばインクの粘度を下げて吐出しやすくできる点で好ましく、後者においては記録媒体を加熱することで記録物の品質を良くできる点で好ましい。上記の吐出しやすい点や記録物の品質の点で、35℃以上とすることがより好ましい。
また、本実施形態では、記録ヘッド2から吐出される際の吐出周波数が1kHz以上200kHz以下であることが好ましい。吐出周波数が上記以下の場合、吐出安定性がより優れる点で好ましく、上記以上の場合、記録速度がより速い点で好ましい。吐出周波数は、1インク滴の吐出単位の吐出の周波数を意味する。吐出周波数の下限は、2以上、3以上、5以上、10以上、となるにしたがって記録速度の点で好ましく、吐出周波数の上限は、200以下、150以下、100以下、50以下となるにしたがって吐出安定性の点で好ましくなる。さらに言えば、記録速度を確保しつつ吐出安定性が一層優れる点で、20以下、15以下となるにしたがってより好ましく、一方、吐出安定性を確保しつつ記録速度が一層優れる点で、15以上、20以上となるにしたがってより好ましい。また、上記の吐出周波数は、本実施形態の記録方法における最大の吐出周波数とすることができる。この場合、最大の吐出周波数で行うことが記録速度を低下させない点で好ましいベタ画像(濃い画像)を記録する際に、吐出安定性を優れたものにできる。すなわち、インク滴を目いっぱい吐出するような画像を記録すると仮定した場合の吐出周波数である。
本実施形態に係るプリンター1としては、インクカートリッジ3をキャリッジ4に搭載した、いわゆるオンキャリッジタイプのプリンターを例示したが、これに限定されるものではない。例えば、非水系インク組成物が充填されたインク収容体(例えば、インクパック、インクカートリッジ等)をプリンター1の筐体等に装着して、インク供給チューブを介してヘッド2に供給する、いわゆるオフキャリッジタイプのプリンターであってもよい。
(インクの調製)
表1に示すように2種類の非水系のインク(溶剤インク)1,2を調製し、表2に示すように水を主溶媒とする水系インク(インク3)を調製し、表3に示すように紫外線硬化型のUVインク(インク4)を調製した。
表1の成分について本願明細書の実施形態との関係を説明すると下記の通りである。
ジエチレングリコールジエチルエーテル(沸点189℃)、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点300℃):アルキレングリコールアルキルエーテル類
γ-ブチロラクトン(沸点204℃):環状エステル類
乳酸エチル(沸点155℃):エステル系溶剤
3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(沸点174℃):アルコール系溶剤
ナフテゾール160(蒸留範囲157−179℃):炭化水素系溶剤
BYK331(ビックケミージャパン社製):界面活性剤
HM515(塩酢ビ樹脂、カネカ社製カネビニール):バインダー樹脂
P.Y.150:イエロー顔料
Solsperse32500(ルーブリゾール社製):顔料分散剤
表2のインク3(水系インク)の成分について説明すると下記の通りである。
グリセリン、1,2−ヘキサンジオール:有機溶剤
モビニール966A(日本合成化学 アクリル樹脂エマルジョン):樹脂エマルジョン
P.Y.150:イエロー顔料
Solsperse27000(ルーブリゾール社製):顔料分散剤
BYK333(ビックケミージャパン社製):界面活性剤
イオン交換水:主溶媒
表3のインク4(UVインク)の成分について説明すると下記の通りである。
イソボルニルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート:重合性化合物
DarocurTPO(チバスペシャリティケミカル社製):光重合開始剤
BYK−UV3500(ビックケミージャパン社製):界面活性剤
P.Y.155:イエロー顔料
Solsperse32000(ルーブリゾール社製):顔料分散剤
各インク1〜4について20℃における粘度を測定した。粘度の測定は、粘弾性試験機MCR−300(Pysica社製)を用いて、20℃の環境下で、Shear Rate200時の粘度を読み取ることにより測定した。
粘度の測定結果においてA,Bに分類した。A,Bの評価基準は下記の通りである。結果は表1〜3に示している。
A:粘度5mPa・s以下
B:粘度5mPa・s超
(気泡消滅性試験)
まず、インクとインクに混入した気泡の消滅時間との関係を調査した。気泡消滅性試験では、非水系インクとしてインク1のみを使用し、水系インクとしてインク3を使用した。具体的には、インク1、3について、25℃において酸素が十分溶け酸素濃度がこれ以上上昇しないような飽和溶存酸素濃度に対し、脱気して溶存酸素濃度を調整したインクの溶存酸素濃度の比(酸素飽和度)が各例の値となるよう、脱気時間を調整して脱気したインクを用意した。表4に各例におけるインクの種類と酸素飽和度を示す。
酸素飽和度は下記式にて示される。なお、酸素濃度測定は全て25℃で行い、飽和溶存酸素濃度は、下記式において100%を意味する。溶存酸素濃度の測定は、セントラル科学社製DOメーター UC−12−SOL型を用いて行った。なお、インク3についての溶存酸素濃度の測定は、セントラル科学社製DOメーター UC−12型(水系インク組成物用)を用いた。
酸素飽和度=(各例のインクの25℃における溶存酸素濃度/25℃における当該インクの飽和酸素濃度)×100
上記溶存酸素計の測定単位はmg/Lである。当該溶存酸素計による、25℃におけるインクの飽和酸素濃度は以下の値であった。
(各インクの飽和酸素濃度)
インク1、2、4(溶剤インク、UVインク): 40mg/L
インク3(水系インク):8mg/L
気泡消滅性試験の方法について説明する。まず、ガスバリア性のある透明インクパックに、各インクを700mL充填し空気が残らないように密封し、その際、パック内の上部にφ2mm前後の気泡を入れた。パック中のインクを表4に示す温度になるようパックを加温した状態で観察した。マイクロスコープにて1分間隔で気泡外観とスケールを撮影して、気泡の直径を測定した。なお、直径を測定することで体積もおのずと算出できるため、体積についてはここでは論じない。上記パックには、エチレン-ビニルアルコール共重合体フィルム製の厚み100μmの低透気性(ガスバリア性)フィルムを用いた。フィルムの酸素透過度は、1.0cc・20μm/(m2・day・atm)であった。
図3は表4における気泡消滅試験1の結果を示す図であり、図4は試験2の結果を示す図であり、図5は試験3の結果を示す図であり、図6は試験7の結果を示す図であり、図7は試験4の結果を示す図である。各図3〜7において、縦軸は観察された気泡の直径を示し、横軸は日(day)を示す。
図3に示すように、25℃のインク1(飽和酸素濃度)の気泡消滅には、約2日の時間がかかる。すなわち、25℃の飽和酸素濃度のインクでは、インク流路に混入した気泡がトラップできなければ、そのままヘッド内へ入り、吐出不良を起こすことになる。
図4に示すように、60℃のインク1(飽和酸素濃度)の気泡消滅には、約0.07日の時間がかかる。図3と比較し、高温であれば気泡消滅が速いことがわかる。これは、水性インク(飽和酸素濃度)が60℃環境では、気泡が拡大してしまった事例とは明らかに異なる現象である。このため、非水系インクの場合には、気泡を消滅させるためには、温度を高くすることが有効であることがわかった。ここで例として上記温度で評価を行ったもので、当該温度自体に大きな意味はない。
図5に示すように、25℃のインク1(酸素飽和度30%)の気泡消滅には、約0.06日の時間がかかった。
図6に示すように、25℃のインク3(酸素飽和度10%)の気泡消滅には、約0.45日の時間がかかった。このように、酸素飽和度が低いにも関わらず、図5のインク1より気泡消滅が遅いことがわかる。
図7に示すように、飽和酸素濃度の水系インク(インク3)で温度を60℃にしたところ、気泡は消滅せずむしろ増大した。さらに、表2の試験5,6に示すように、水系インクでは、酸素飽和度を飽和にした場合、各温度において何れも気泡が増大し消滅しなかった。すなわち、水系インクの場合、酸素飽和度が飽和であれば温度が低くても気泡は消失しないことがわかる。また、表2の試験8に示すように、60℃において酸素飽和度を10%にした場合も気泡が消滅しないことから、水系インクの場合には温度が高いと酸素濃度が低くても気泡が消滅しないことがわかった。このため、水系インクの場合には、気泡を消滅させるには、酸素飽和度を低くすること、温度を低くすることが必要であることがわかった。
この気泡消滅性試験を通して、本実施形態に係る非水系インクは、同温環境において水性インクより、気泡消滅が速く、高温環境であればさらに気泡の消滅は速いことがわかった。これは、非水系インクの場合は、飽和酸素濃度が高いためであり、溶存酸素濃度と飽和酸素濃度との差分の酸素量が非水系インク中に溶け込むことが可能であることに起因するものと思われる。すなわち、非水系インクの溶存酸素濃度(酸素飽和度)は、水性インクほど低くなくとも良いため、脱気モジュールを使用して脱気する工程に要する時間が短くでき、低コスト化につながることを意味する。
(記録評価)
次に、各インクについて記録評価を行った。具体的には、気泡消滅性試験と同様に各インクを用意し、パックに収容しインクジェットプリンター(セイコーエプソンSC−S30650)に装着しヘッドの1ノズル列にインクを充填した。実施例1〜3、6、8、比較例1〜4、8は、プラテンヒーター及びプラテンヒーターよりも下流のメディア搬出経路にあるアフターヒーターを使用して記録媒体を加熱するようにした。他の例は、プラテンヒーターは使用せず、アフターヒーターは使用してアフターヒーターにおけるメディア加熱は同様に行った。
記録媒体(ポリ塩化ビニルシート、ローランドDG社製、SV−G−1270G)をプリンタにセットし、720×720dpiの記録解像度のベタパターンを記録した。20分間連続で記録した。記録終了時のノズルプレートの温度を測定し、表5の各例の吐出温度とした。表5のプラテンヒーターを使用した例は表の温度になるようにプラテンヒーターを調整した状態で記録を行った。ノズル内のインクもノズルプレートの温度とあっていた。ヘッド内やインク流路においてインク加温は行わなかったが記録中にノズルが記録媒体から熱を受け35℃程度のインク温度になった。インク滴の吐出の周波数が各例の周波数となるよう駆動制御を行った。吐出周波数に合わせてキャリッジ速度も調整した。プリンタから排出された記録媒体の記録物評価に用いる部分は、排出後、常温で1日放置した。インク4については、記録面を395nmにピーク波長を有するLEDで500mJ/cm2の照射エネルギーで照射した。
(吐出安定性)
連続印刷終了時に吐出検査を行った。全ノズル(360個)のうちの不吐出ノズル数を確認した。なお、不吐出ノズルと判断したものについて検査したところ、ノズルに対応する圧力室に気泡が混入していた。
評価基準は以下の通りである。結果を表5に示す。
◎:不吐出ノズル無
○:2個以下
△:3〜5個
×:6個以上
(インク脱気効率性)
インク調整後、インク調製時に用いたインク調製用窯から直径5mmのインク送給管を介してインクパックにインクを送給した。インク送給管の途中に中空糸膜を用いた脱気モジュールを設け脱気モジュールの減圧を5.3kPaとし、インクを送給しながら脱気した。パックに送給されたインクの酸素飽和度が各例の値となるようにインク送給速度を調整して行った。送給速度が遅いとパックへの送給に長時間を要する。
評価基準は以下の通りである。結果を表5に示す。
◎:インク送給速度150mL/分超
○:インク送給速度100mL/分超150mL/分以下
×:インク送給速度100mL/分以下
(摩擦堅牢性)
評価用記録物のパターン表面を、JIS L 0849に基づいて、I型試験機にて乾式試験を行った。その後、試験綿布の色移りのOD値をスペクトロリーノ(グレタグマクベス社製)にて測定し評価した。
評価基準は以下の通りである。結果を表5に示す。
◎: 0.2以下
○: 0.2超0.3以下
×: 0.3超
(光沢性)
評価用記録物のパターン表面を、20°光沢をMULTI GLOSS 268(コニカミノルタ株式会社製)にて測定した。
評価基準は以下の通りである。結果を表5に示す。
○:光沢度30以上
△:光沢度25以上30未満
×:光沢度25未満
光沢が高い場合、特にフィルムなどの光沢性を有する記録媒体において、記録物のパターン部とフィルム地の光沢度が近く違和感のない記録物とできるため好ましい。
表5に示す結果から、非水系インクを加温無しの状態で使用する場合はインク製造時の脱気工程における酸素飽和度は50%未満に、インクを加温有の状態で使用する場合はインク製造時の脱気工程における酸素飽和度は80%未満に、それぞれ脱気することで、印字安定性を確保したインクジェット用インクを提供することが可能となることがわかった。
表5に示した評価結果についてさらに考察すると以下の通りである。
実施例4では記録時にヘッドが常温であったため、吐出安定性はやや低い傾向が見られた。
実施例6は、実施例1と比較して吐出安定性が一層優れ、ヘッドの駆動周波数が低かったためであると推測する。このことから、吐出安定性を高くして高速の記録を可能とする場合に本願発明が特に有用であることがわかった。
実施例7に示す結果から、低温の場合に吐出安定性が下がる傾向が見られることがわかる。
実施例8では、実施例2と比較して、非グリコールエーテル溶剤組成のインク2は光沢度が低い点で劣ることがわかる。また、インク2は、乾燥性が高く高温ではノズルでインクが乾燥により増粘し吐出安定性が低下する傾向がみられた。
1…プリンター、2…インクジェット式記録ヘッド、3…インクカートリッジ、4…キャ
リッジ、5…プラテン、6…記録媒体、7…キャリッジ移動機構、8…媒体送り機構、70…インクパック、72…カートリッジケース、74…インク供給口、76…本体ケース、78…蓋部。

Claims (11)

  1. インク組成物に含まれる溶剤が有機溶剤により構成され、前記インク組成物における溶存酸素濃度が常温における飽和溶存酸素濃度の30%以上80%以下であり、インク収容体に収容された、非水系インクジェットインク組成物。
  2. 前記非水系インクジェットインク組成物の溶存酸素濃度が常温における飽和溶存酸素濃度の40%以上55%以下である、
    請求項1記載の非水系インクジェットインク組成物。
  3. 前記有機溶剤として、アルキレングリコールアルキルエーテル類または環状エステル類の少なくともいずれかを含む、
    請求項1又は2に記載の非水系インクジェットインク組成物。
  4. 前記有機溶剤として、アルキレングリコールアルキルエーテル類を主溶媒として含む、
    請求項3に記載の非水系インクジェットインク組成物。
  5. 前記非水系インクジェットインク組成物は、重合性化合物を含まない、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の非水系インクジェットインク組成物。
  6. 前記非水系インクジェットインク組成物の粘度が20℃において5mPa・s以下である、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の非水系インクジェットインク組成物。
  7. インクジェットヘッドから吐出される際の前記非水系インクジェットインク組成物の温度が35℃以上である、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の非水系インクジェットインク組成物。
  8. インクジェットヘッドから吐出される際の吐出周波数が1kHz以上200kHz以下である、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の非水系インクジェットインク組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の非水系インクジェットインク組成物を収容したインク収容体。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の非水系インクジェットインク組成物を用いて記録を行うインクジェット記録方法。
  11. 請求項10に記載のインクジェット記録方法を行うインクジェット装置。
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