JP6663130B2 - 非水系インクジェット組成物 - Google Patents

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本発明は、非水系インクジェット組成物に関する。
インクジェット記録方法は、比較的単純な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。その中で、より安定して高品質な記録物を得ることについて種々の検討がなされている。
例えば、特許文献1には、特に、色再現性、色彩度の高い画像を得ることができる油性インクセットの提供を目的として、第1の油性インク、第2の油性インクおよび第3の油性インクがいずれも波長領域400〜700nmの範囲において記録媒体上での反射率が80%から5%に変わる波長領域を有する油性インクセットであって、第1の油性インクにおける反射率80%から5%に変わる波長領域において、第2の油性インクにおける反射率が第1の油性インクの反射率よりも連続して高く、且つ、第2の油性インクにおける反射率80%から5%に変わる波長領域において、第3の油性インクにおける反射率が前記第2の油性インクの反射率よりも連続して高く、さらに、前記第1の油性インク、第2の油性インクおよび第3の油性インクにおける色材がすべて異なる油性インクセットが開示されている。
特開2009−227812号公報
しかしながら、特許文献1に記載の油性インクを用いた場合には、油性インクに含有される顔料の平均粒子径が所定値以上であることに起因して、優れた吐出安定性を得ることはできない。
そこで、本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、得られる記録物の彩度に優れ、かつ吐出安定性に優れる、非水系インクジェット組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の課題を解決すべく鋭意検討した結果、少なくともジケトピロロピロール顔料を含有する顔料と所定の有機溶剤とを含む非水系インクジェット組成物を用いることで、優れた彩度の記録物を得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、ジケトピロロピロール顔料を含有する顔料と、有機溶剤と、を含み、前記有機溶剤は、グリコールエーテルを含有し、前記顔料の平均粒子径が、100nm以上240nm以下である、非水系インクジェット組成物である。このような非水系インクジェット組成物が本発明の課題を解決できる要因は下記のように考えられる。ただし、要因はこれらに限定されない。すなわち、従来の非水系の組成物において、該組成物に含まれる顔料を平均粒子径が240nm超のものとすることにより、得られる記録物の彩度を向上させることができる。しかしながら、顔料の平均粒子径が240nm超であることに主に起因して、優れた吐出安定性を得ることができない。一方、本実施形態の非水系組成物は、ジケトピロロピロール顔料を採用することで顔料自体の発色性を高めると共に、上記のグリコールエーテルを含むことで、得られる記録物に凝集ムラが生じることを抑制し、結果として、用いる顔料の平均粒子径が240nm以下であっても、得られる記録物の彩度が十分に優れるものとなる。また、顔料の平均粒子径が240nm以下であることに主に起因して、優れた吐出安定性を得ることもできる。
また、本発明に係る非水系インクジェット組成物において、前記ジケトピロロピロール顔料は、ジケトピロロピロール赤色顔料であると好ましく、前記有機溶剤は、下記式(1)で表されるグリコールジエテール及び下記式(2)で表されるグリコールモノエーテルを含有すると好ましい。
1O−(R3O)m−R2 (1)
(式(1)中、R1及びR2は、各々独立に、炭素数1〜7のアルキル基を示し、R3は、炭素数1〜3のアルキレン基を示し、mは、1〜7の整数を示す。)
OH−(R5O)n−R4 (2)
(式(2)中、R4は、炭素数1〜7のアルキル基を示し、R5は、炭素数1〜3のアルキレン基を示し、nは、1〜7の整数を示す。)
さらに、本発明に係る非水系インクジェット組成物において、前記顔料の含有量が、該非水系インクジェット組成物の総量に対して、1.0質量%以上5.0質量%以下であると好ましく、前記グリコールジエーテル及び前記グリコールモノエーテルの合計含有量が、該非水系インクジェット組成物の総量に対して、10質量%以上90質量%以下であると好ましく、前記有機溶剤は、環状ラクトン類をさらに含有すると好ましく、前記非水系インクジェット組成物は、塩化ビニル樹脂をさらに含むと好ましい。
加えて、本発明に係るインクジェット記録方法は、本発明に係る非水系インクジェット組成物を用いて、被記録媒体にインクジェット法により記録を行う工程を有する。
本発明の実施形態に係るプリンターの構成を模式的に示す斜視図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明はその要旨の範囲内で、適宜に変形して実施できる。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右などの位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
〔非水系インクジェット組成物〕
本実施形態の非水系インクジェット組成物(以下、単に「インクジェット組成物」、「非水系組成物」、「組成物」ともいう。)は、ジケトピロロピロール顔料を含有する顔料と有機溶剤とを含む。また、当該有機溶剤は、グリコールエーテルを含有する。さらに、上記顔料の平均粒子径は、100nm以上240nm以下である。
本実施形態の組成物は、ジケトピロロピロール顔料を含有する顔料と共に上記グリコールエーテルを含み、該顔料の平均粒子径が100nm以上240nm以下であることにより、得られる記録物の彩度に優れ、かつ吐出安定性に優れる。この要因は、次のように推察される(ただし、要因はこれに限定されない。)。従来の非水系の組成物において、該組成物に含まれる顔料を平均粒子径が240nm超のものとすることにより、得られる記録物の彩度を向上させることができる。しかしながら、顔料の平均粒子径が240超であることに主に起因して、優れた吐出安定性を得ることができない。一方、本実施形態の非水系組成物は、ジケトピロロピロール顔料を採用することで顔料自体の発色性を高めると共に、グリコールエーテルを含むことで、得られる記録物に凝集ムラが生じることを抑制する。それらの結果として、用いる顔料の平均粒子径が240nm以下であっても、得られる記録物の彩度が十分に優れるものとなる。また、顔料の平均粒子径が240nm以下であることに主に起因して、優れた吐出安定性を得ることもできる。
本実施形態において「非水系」とは、有機溶剤等を主要な溶媒として、水を主要な溶媒としない組成物である。なお、ここで「主要な溶媒」とは、組成物中の含有量が組成物100質量%に対して50質量%以上であることをいい、70質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。また、水を含有する場合は、組成物の調製において主な溶媒成分として意図的に水を添加しない組成物であることが好ましいが、不純物として不可避的に水分を含んでしまう場合であることが好ましい。組成物中の水の含有量は、組成物100質量%に対して3.0質量%以下が好ましく、2.0質量%以下がより好ましく、1.0質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以下がよりさらに好ましい。水の含有量の下限は特に限定されず、検出限界以下であってもよく、0.01質量%であってもよい。
組成物における水の含有量を調整する方法としては、例えば、組成物の各成分から水を除去する方法、具体的には有機溶剤に混入した水を除去する方法、組成物から水を除去する方法、及び組成物の調製時における水の混入を抑制する方法が挙げられる。このうち、有機溶剤に混入した水を除去する方法として、より具体的には、有機溶剤を蒸留精製する方法、水を選択的に透過する半透過膜に有機溶剤を透過させる方法、及び水を吸着する水吸着剤に有機溶剤に混入した水を選択的に吸着させる方法が挙げられる。これらの中では、水分量をより効率的かつ確実に低減できる観点から、蒸留精製する方法が好ましい。
本実施形態の非水系インクジェット組成物は、後述する顔料と有機溶剤とを含む。溶剤を含む組成物には大別して、リアルソルベント(高有機溶剤)組成物と、エコソルベント(低有機溶剤)組成物の2つがある。エコソルベント組成物は、低臭気性で人体や環境に配慮した組成物であり、労働安全衛生法が定める有機溶剤に該当しない、有機溶剤中毒予防則に定める第1種及び第2種有機溶剤にも該当しない、又は消防法に定める設置環境の屋内作業場において局所排気装置の義務付対象外となる有機溶剤を使用する。本実施形態の非水系組成物は、リアルソルベント組成物に用いられ得る有機溶剤と、エコソルベント組成物に用いられ得る有機溶剤のいずれも用いることができるが、中でもエコソルベント組成物に用いられ得る有機溶剤を含むことが好ましい。
本実施形態において「インクジェット組成物」は、インクジェット法により吐出して用いる組成物としての種々の用途に用いることができ、その用途は限定されない。用途として、具体的には、インク用が挙げられる。以下、本実施形態の組成物をインクジェット組成物の1実施形態である、インクジェット記録用インク組成物(以下、単に「インク組成物」ともいう。)として用いる場合についてより詳細に説明するが、本実施形態の組成物は、これに限定されない。
<顔料>
本実施形態の顔料は、ジケトピロロピロール顔料を含有すれば特に限定されず、ジケトピロロピロール顔料のみであってもよく、ジケトピロロピロール顔料とジケトピロロピロール顔料以外の顔料(以下、「その他の顔料」ともいう。)との混合物であってもよい。
ジケトピロロピロール顔料としては、ジケトピロロピロール骨格を有するものであれば特に限定されず、ジケトピロロピロール骨格にアルキル基等の置換基を有するものであってもよく、有しないもの(置換基が全て水素原子であるもの)であってもよい。ジケトピロロピロール顔料の具体例として、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド270、及びC.I.ピグメントレッド272のようなレッド系の有機顔料;並びに、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ73、及びC.I.ピグメントオレンジ81のようなオレンジ系の有機顔料が挙げられる。これらの中でも、より優れた彩度の記録物を得る観点から、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、及びC.I.ピグメントレッド264のレッド系の有機顔料が好ましく、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255がより好ましく、C.I.ピグメントレッド254がさらに好ましい。これらのジケトピロロピロール顔料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
ジケトピロロピロール顔料は、ジケトピロロピロール赤色顔料であることが好ましい。ジケトピロロピロール赤色顔料とは、赤色を呈し、ジケトピロロピロール骨格を有するものであり、例えば、上述したレッド系顔料であるジケトピロロピロール赤色顔料が挙げられる。なお、ここで「赤色を呈」すとは、インクジェット組成物にして白色記録媒体の全面を覆うように塗布した記録物について、スペクトロリーノ(グレタグマクベス社製)を用いて測色した、CIE表色系におけるL**h色空間における、hが−30°〜45°となることであり、また、hが−30°〜32°となることが好ましく、hが−30°〜30°となることがより好ましく、hが−30°〜25°となることがさらに好ましい。
ジケトピロロピロール顔料の含有量は、特に限定されないが、顔料の総量(100質量%)に対して、30質量%以上100質量%以下であり、50質量%以上100質量%以下であり、70質量%以上100質量%以下である。ジケトピロロピロール顔料の含有量がこのような範囲にある組成物を用いることにより、彩度により優れる傾向にある。
顔料の平均粒子径は、100nm以上240nm以下であり、好ましくは120nm以上230nm以下であり、より好ましくは150nm以上220nm以下である。顔料の平均粒子径が100nm以上であることにより、得られる記録物の彩度及び耐候性に優れる。また、顔料の平均粒子径が240nm以下であることにより、ジケトピロロピロール顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性に優れる。平均粒子径が上記範囲にある顔料を得るためには、特に限定されないが、粒子径が調整されている市販の顔料を準備してもよく、粒子径が異なる複数種の顔料を混合することにより平均粒子径を上記範囲に調整して準備してもよく、また、市販のジケトピロロピロール顔料を溶剤に混合した後、ボールミル、ビーズミル、超音波破砕、ジェットミル等で係る混合物を適宜粉砕処理することにより、平均粒子径や粒子径の分布を所望のものに調整してもよい。さらに、他の平均粒子径の調節方法としては、一次粒子径として小さい顔料を用意して、これを溶剤(一部又は全部)に混合する際に、分散剤の添加量を変えて分散を行うことを採用できる。すなわち、分散剤を十分添加すれば一次粒子同士の凝集が防げられて一次粒子とあまり変わらない粒径で分散でき小さい一次粒子径に基づく平均粒子径とすることができ、逆に分散剤の添加量を少なくすることにより、一次粒子を凝集させて二次粒子の粒径に基づく平均粒子径とすることができる。なお、この場合には、出発する顔料の一次粒径は、より小さいものを用いると平均粒子径の調節の自由度が高まるためより好ましい。さらに、平均粒子径の調節の自由度を高めたい場合には、入手した顔料を一旦上記のようにボールミル等によって粉砕し、より小さなものにしてから、分散剤による平均粒子径の調節を行ってもよい。
平均粒子径は、レーザー顕微鏡やコールターカウンター法等により測定される。ここで、「平均粒子径」とは、体積平均粒子径を意味する。
その他の顔料としては、ジケトピロロピロール顔料以外の顔料であれば特に限定されないが、例えば、従来の非水系インク組成物に通常用いられている無機顔料及び有機顔料等の顔料を用いることができる。これらのその他の顔料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
有機顔料としては、特に限定されないが、例えば、アゾ顔料(例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料)、多環式顔料(フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料)、染料レーキ(例えば、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、並びに昼光蛍光顔料が挙げられる。
無機顔料としては、特に限定されないが、例えば、カーボンブラック、二酸化チタン、シリカ、及びアルミナが挙げられる。
また、その他の顔料として、ジケトピロロピロール顔料以外のレッド系の有機顔料(以下、「その他のレッド系の有機顔料」ともいう。)及びジケトピロロピロール顔料以外のオレンジ系の有機顔料(以下、「その他のオレンジ系の有機顔料」ともいう。)を用いることも、吐出安定性及び耐擦性の点から好ましい。
その他のレッド系の有機顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド222、及びC.I.ピグメントレッド224が挙げられる。
その他のオレンジ系の有機顔料としては、特に限定されないが、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、及びC.I.ピグメントオレンジ64が挙げられる。
顔料の含有量は、組成物の総量(100質量%)に対して、好ましくは0.5質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは1.0質量%以上5.0質量%以下であり、さらに好ましくは2.0質量%以上4.0質量%以下であり、よりさらに好ましくは2.5質量%以上3.0質量%以下である。顔料の含有量が0.5質量%以上であることにより、得られる記録物の彩度及び耐候性により優れる傾向にあり、また、顔料の含有量が10質量%以下であることにより、得られる記録物の耐擦性及び吐出安定性により優れる傾向にある。
<有機溶剤>
本実施形態の有機溶剤は、グリコールエーテルを含有する。中でも下記式(1)で表されるグリコールジエーテル(以下、「特定グリコールジエーテル」ともいう。)を含有するとジケトピロロピロール顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性が良好となるため好ましい。また、グリコールエーテルとしてさらに下記式(2)で表されるグリコールモノエーテル(以下、「特定グリコールモノエーテル」ともいう。)を含有すると、ジケトピロロピロール顔料を含有するインクのぬれ広がり性が良好となり、より彩度が良好となる傾向があるため好ましい。
下記式(1)で表されるグリコールジエーテルと下記式(2)で表されるグリコールモノエーテルとを含有することが好ましく、下記式(1)で表されるグリコールジエーテルを下記式(1)で表されるグリコールジエーテルと下記式(2)で表されるグリコールモノエーテルの合計量(100質量%)に対して、50質量%超含有することがより好ましい。このような構成にすることにより、分散安定性が良好となり、吐出安定性が良好となるため好ましい。また耐擦性が良好となるため好ましい。
1O−(R3O)m−R2 (1)
式(1)中、R1及びR2は、各々独立に、炭素数1〜7のアルキル基を示し、R3は、炭素数1〜3のアルキレン基を示し、mは、1〜7の整数を示す。
OH−(R5O)n−R4 (2)
式(2)中、R4は、炭素数1〜7のアルキル基を示し、R5は、炭素数1〜3のアルキレン基を示し、nは、1〜7の整数を示す。
また、式(1)中、R1及びR2は、各々独立に、炭素数1〜5のアルキル基を示すことが好ましく、R3は、炭素数2〜3のアルキレン基を示すことが好ましく、mは、1〜6の整数を示すことが好ましい。さらに、式(2)中、R4は、炭素数1〜5のアルキル基を示すことが好ましく、R5は、炭素数2〜3のアルキレン基を示すことが好ましく、nは、1〜6の整数を示すことが好ましい。
特定グリコールジエーテルの具体例としては、特に限定されないが、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、及びジプロピレングリコールジエチルエーテルが挙げられる。これらの中でも、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、及びテトラエチレングリコールジメチルエーテルが好ましく、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルがより好ましい。このような好ましい特定グリコールジエーテルを含有することにより、得られる記録物の耐擦性がより優れ、より優れた吐出安定性を得られる傾向にある。特定グリコールジエーテルは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記特定グリコールジエーテルの中でも、引火点が、100℃以下であるものがより好ましく、90℃以下であるものがより好ましく、80℃以下であるものがより好ましい。引火点が100℃以下である特定グリコールジエーテルを用いることにより、得られる記録物の乾燥性に優れ、より優れた耐擦性が得られる傾向にある。
特定グリコールジエーテルの含有量は、組成物の総量(100質量%)に対して、好ましくは5.0質量%以上90質量%以下であり、より好ましくは20質量%以上80質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以上70質量%以下である。特定グリコールジエーテルの含有量がこのような範囲にあることにより、得られる記録物の彩度がより優れる傾向にある。なお、ここでの組成物中の特定グリコールジエーテルの含有量は、例えば分散液に用いた特定グリコールジエーテルも含む含有量である。
特定グリコールモノエーテルの具体例としては、特に限定されないが、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−プロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルトリエチエレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルが挙げられる。これらの中でも、エチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましく、トリエチレングリコールモノブチルエーテルがより好ましい。このような好ましい特定グリコールモノエーテルを含有することにより、得られる記録物の耐擦性がより優れ、より優れた吐出安定性を得られる傾向にある。特定グリコールモノエーテルは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記特定グリコールモノエーテルの中でも、引火点が、150℃以下であるものがより好ましく、100℃以下であるものがより好ましく、90℃以下であるものがより好ましく、80℃以下であるものがより好ましい。引火点が150℃以下である特定グリコールモノエーテルを用いることにより、得られる記録物の乾燥性に優れ、より優れた耐擦性が得られる傾向にある。
特定グリコールモノエーテルの含有量は、組成物の総量(100質量%)に対して、好ましくは5.0質量%以上80質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上60質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%以上40質量%以下である。特定グリコールモノエーテルの含有量がこのような範囲にあることにより、得られる記録物の彩度がより優れる傾向にある。なお、ここでの組成物中の特定グリコールモノエーテルの含有量は、例えば分散液に用いた特定グリコールモノエーテルも含む含有量である。
特定グリコールジエーテル及び特定グリコールモノエーテルの合計含有量は、組成物の総量(100質量%)に対して、好ましくは30質量%以上99.5質量%以下であり、より好ましくは40質量%以上95質量%以下であり、さらに好ましくは50質量%以上80質量%以下である。特定グリコールジエーテル及び特定グリコールモノエーテルの合計含有量がこのような範囲にあることにより、得られる記録物の彩度がより優れる傾向にある。なお、ここでの組成物中の特定グリコールジエーテル及び特定グリコールモノエーテルの合計含有量は、例えば分散液に用いた特定グリコールジエーテル及び特定グリコールモノエーテルも含む含有量である。
有機溶剤は、特定グリコールジエーテル及び特定グリコールモノエーテル以外のグリコールジエーテル(以下、「その他のグリコールジエーテル」ともいう。)及び/又はグリコールモノエーテル(以下、「その他のグリコールモノエーテル」ともいう。)を含有していてもよい。その他のグリコールジエーテルとしては、例えば、ヘプタエチレングリコールジメチルエーテルが挙げられ、また、その他のグリコールモノエーテルとしては、例えば、ヘプタエチレングリコールモノメチルエーテルが挙げられる。
有機溶剤は、環状ラクトン類をさらに含有することにより、耐擦性により優れる記録物が得られる傾向にある。環状ラクトン類としては、エステル結合による環状構造を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、5員環構造のγ−ラクトン、6員環構造のδ−ラクトン、及び7員環構造のε−ラクトンが挙げられる。環状ラクトン類の具体例としては、特に限定されないが、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ヘキサラクトン、γ−ヘプタラクトン、γ−オクタラクトン、γ−ノナラクトン、γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン、δ−バレロラクトン、δ−ヘキサラクトン、δ−ヘプタラクトン、δ−オクタラクトン、δ−ノナラクトン、δ−デカラクトン、δ−ウンデカラクトン、及びε−カプロラクタムが挙げられる。これらの中でも、5員環構造のγ−ラクトン及び6員環構造のδ−ラクトンが好ましく、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、及びδ−バレロラクトンがより好ましく、γ−ブチロラクトンがさらに好ましい。このような環状ラクトン類を含有することにより、耐擦性がより向上する傾向にある。環状ラクトン類は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
環状ラクトン類の含有量は、組成物の総量(100質量%)に対して、好ましくは1.0質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは3.0質量%以上40質量%以下であり、さらに好ましくは5.0質量%以上30質量%以下である。環状ラクトン類の含有量が1.0質量%以上であることにより、耐擦性により優れる傾向にあり、また、環状ラクトン類の含有量が50質量%以下であることにより、彩度により優れる傾向にある。なお、ここでの組成物中の環状ラクトン類の含有量は、例えば分散液に用いた環状ラクトン類も含む含有量である。
有機溶剤の含有量は、組成物の総量(100質量%)に対して、好ましくは35質量%以上95質量%以下であり、より好ましくは50質量%以上90質量%以下であり、さらに好ましくは60質量%以上90質量%以下である。なお、ここでの組成物中の有機溶剤の含有量は、例えば分散液に用いた有機溶剤も含む含有量である。
<樹脂>
本実施形態の組成物は、主に組成物の粘度を調整する目的で、樹脂をさらに含んでもよい。樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、ロジン変性樹脂、フェノール樹脂、テルペン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂等の塩化ビニル樹脂、セルロースアセテートブチレート等の繊維系樹脂、及びビニルトルエン−α−メチルスチレン共重合体樹脂が挙げられる。これらの中でも、塩化ビニル樹脂が好ましく、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂がより好ましい。このような樹脂を含むことにより、得られる記録物の耐擦性がより向上する傾向にある。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
塩化ビニル樹脂としては、特に限定されないが、例えば、塩化ビニルと、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、アクリル、マレイン酸、及びビニルアルコールからなる群より選択される1種又は2種以上との共重合体樹脂が挙げられる。この中でも、塩化ビニルと酢酸ビニルとの塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂が好ましく、ガラス転移温度が60℃以上80℃以下である塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂がより好ましい。上記アクリルとしては、塩化ビニルと共重合である化合物であれば特に限定されないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル等のメタクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸モノ−n−ブチル、フマル酸モノ−n−ブチル、イタコン酸モノ−n−ブチル等のカルボキシル基含有モノマー;水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類、アミド基含有モノマー類、グリシジル基含有モノマー類、シアノ基含有モノマー、水酸基含有アリル化合物、三級アミノ基含有モノマー、及びアルコキシシリル基含有モノマーが挙げられる。これらのアクリルは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
樹脂の含有量は、組成物の総量(100質量%)に対して、好ましくは0.1質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは0.3質量%以上5.0質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以上3.0質量%以下である。樹脂の含有量がこのような範囲にある組成物は、耐擦性により優れる傾向にある。
本実施形態の組成物は、上記の各成分の他に、従来の非水系インクジェット用インク組成物に用いられ得る任意の成分の1種又は2種以上を含んでもよい。そのような任意の成分として、具体的に、染料等の色材、界面活性剤、分散剤、浸透剤、保湿剤、溶解助剤、粘度調整剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、腐食防止剤、及び分散に影響を与える金属イオンを捕獲するためのキレート化剤その他の添加剤及び溶媒等が挙げられる。これらはそれぞれ、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
[インクジェット記録方法]
本実施形態のインクジェット記録方法は、上述した非水系組成物を用いて、被記録媒体にインクジェット法により記録を行う工程を有する。具体的には、上記非水系組成物の液滴を吐出し、被記録媒体、好ましくは低吸収性被記録媒体、に該液滴を付着させて画像を記録する。
本明細書において「低吸収性被記録媒体」とは、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m2以下である被記録媒体のことをいい、少なくとも被記録面がこの性質を備えていればよい。この定義によれば、本発明における「低吸収性被記録媒体」には、水を全く吸収しない非吸収性被記録媒体も含まれる。このブリストー法は、短時間での液体吸収量の測定方法として最も普及している方法であり、日本紙パルプ技術協会(JAPAN TAPPI)でも採用されている。試験方法の詳細は「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法2000年版」の規格No.51「紙及び板紙−液体吸収性試験方法−ブリストー法」に述べられている。
低吸収性被記録媒体としては、具体的には、低吸収性の材料を含むシート、フィルム、繊維製品等が挙げられる。また、低吸収性被記録媒体は、基材(例えば、紙、繊維、皮革、プラスチック、ガラス、セラミックス、金属等)の表面に、低吸収性の材料を含む層(以下、「低吸収性層」ともいう)を備えたものであってもよい。低吸収性の材料としては、特に限定されないが、例えば、オレフィン系樹脂、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、及び塩化ビニル系樹脂が挙げられる。
これらの中でも、低吸収性被記録媒体としては、塩化ビニル系樹脂を含む被記録面を有するものを好ましく用いることができる。塩化ビニル系樹脂の具体例としては、例えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−ビニルエーテル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−(メタ)アクリル酸共重合体、塩化ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、及び塩化ビニル−ウレタン共重合体が挙げられる。なお、低吸収性被記録媒体の厚み、形状、色、軟化温度、硬さ等の諸特性については特に制限されない。
本実施形態の非水系組成物は、上記の組成を有することにより、特に低吸収性被記録媒体、とりわけ塩化ビニル系樹脂を含む被記録媒体に対して、優れた彩度及び耐擦性という効果を発揮することができる。そのため、本実施形態に係るインクジェット記録方法によれば、特に低吸収性被記録媒体、とりわけ塩化ビニル系樹脂を含む被記録媒体に上記非水系組成物の液滴を付着させることで、彩度及び耐擦性に一層優れた画像を記録することができる。
本実施形態のインクジェット記録方法に用いるインクジェット記録装置は、特に限定されないが、ドロップオンデマンド型のインクジェット記録装置が好ましい。ドロップオンデマンド型のインクジェット記録装置には、記録ヘッドに配設された圧電素子を用いて記録を行う圧電素子記録方法を採用したもの、記録ヘッドに配設された発熱抵抗素子のヒーター等による熱エネルギーを用いて記録を行う熱ジェット記録方法を採用したもの等があるが、いずれの記録方法も採用することができる。以下、本実施形態のインクジェット記録装置の一例について、より詳細に説明する。
[インクジェット記録装置]
本実施形態のインクジェット記録装置には、従来公知のインクジェットプリンターを用いることができる。インクジェットプリンターとしては、例えば、図1に示すようなインクジェットプリンター(以下、単に「プリンター」ともいう。)が挙げられる。
図1は、本実施形態におけるプリンター1の構成を示す斜視図である。図1に示すように、プリンター1は、インクジェット式記録ヘッド2を搭載すると共にインクカートリッジ3を着脱可能に装着するキャリッジ4と、インクジェット式記録ヘッド(インクジェットヘッド)2の下方に配設され被記録媒体6が搬送されるプラテン5と、キャリッジ4を被記録媒体6の媒体幅方向(主走査方向S)に移動させるキャリッジ移動機構7と、被記録媒体6を媒体送り方向に搬送する媒体送り機構8と、を有するものである。加えて、プリンター1は、当該プリンター1全体の動作を制御する制御部CONTを有している。
記録ヘッド2は、収容した非水系組成物をノズルから吐出させるキャビティーと、当該キャビティー毎に設けられた、非水系組成物に吐出の駆動力を付与する吐出駆動部と、当該キャビティー毎に設けられた、ヘッドの外へ非水系組成物を吐出するノズルと、を有する。キャビティー、並びにキャビティー毎に設けられる吐出駆動部及びノズルは、それぞれ互いに独立して、一のヘッドに複数個設けられていてもよい。吐出駆動部は、機械的な変形によりキャビティーの容積を変化させる圧電素子等の電気機械変換素子や、熱を発することにより非水系組成物に気泡を発生させ吐出させる電子熱変換素子などを用いて形成することができる。プリンター1は、1種の非水系組成物につきヘッドを1個設けていても複数個設けていてもよい。
インクカートリッジ3は、独立した複数のカートリッジからなり、カートリッジ毎に上述した非水系組成物が充填されている。なお、非水系組成物が充填されたカートリッジは、通常の印刷時にはキャリッジ4上に搭載されていなくてもよく、少なくとも非水系組成物の流路を洗浄する場合にキャリッジ4に装着されていればよい。
プラテン5はプラテンヒーターを備え、被記録媒体を設定温度に加熱できるように構成されている。記録ヘッド2にはヒーターは内蔵されていない。ただし、被記録媒体の加熱により記録ヘッドの温度も結果的に上昇し、記録ヘッド2内に収容された非水系組成物の温度も上昇する傾向にある。図示はしないが、プリンター1は、プラテンヒーターよりも下流の被記録媒体搬出経路にアフターヒーターを備えていてもよい。
上述した本実施形態の非水系組成物は、記録ヘッド2から吐出される。ここで、記録ヘッド2から非水系組成物が吐出される際のプラテンの温度は35℃以上が好ましく、40℃以上がさらに好ましい。また、記録ヘッド2から非水系組成物が吐出される際のプラテンの温度は、80℃以下が好ましく、70℃以下がより好ましく、60℃以下が更に好ましく、50℃以下が特に好ましい。プラテンヒーターによりプラテンを上記範囲内の温度とすることで記録物の品質をより良好にできる点で好ましい。
また、本実施形態では、記録ヘッド2から吐出される際の吐出周波数が1.0kHz以上200kHz以下であることが好ましい。吐出周波数が上記以下の場合、吐出安定性がより優れる点で好ましく、上記以上の場合、記録速度がより速い点で好ましい。吐出周波数は、1非水系組成物滴の吐出単位の吐出の周波数を意味する。吐出周波数は、記録速度を更に高める観点から、2.0kHz以上が好ましく、3.0kHz以上がより好ましく、5.0kHz以上が更に好ましく、10kHz以上が特に好ましい。また、吐出周波数は、吐出安定性をより高める観点から、200kHz以下が好ましく、150kHz以下がより好ましく、100kHz以下が更に好ましく、50kHz以下が特に好ましい。さらに言えば、記録速度を確保しつつ吐出安定性に一層優れる点で、吐出周波数は、20kHz以下が好ましく、15kHz以下がより好ましい。一方、吐出安定性を確保しつつ記録速度に一層優れる点で、吐出周波数は、15kHz以上が好ましく、20kHz以上がより好ましい。
本実施形態のプリンター1としては、インクカートリッジ3をキャリッジ4に搭載した、いわゆるオンキャリッジタイプのプリンターを例示したが、これに限定されるものではない。例えば、非水系組成物が充填されたインク収容体(例えば、インクパック、インクカートリッジ等)をプリンター1の筐体等に装着して、インク供給チューブを介してヘッド2に供給する、いわゆるオフキャリッジタイプのプリンターであってもよい。
本実施形態のインクジェット記録装置には、複数の非水系組成物を有するインクセットを用いることができる。本実施形態のインクセットは、複数の本実施形態の非水系インクジェット組成物を有するものであってもよく、その他に、本実施形態の非水系インクジェット組成物とは異なる非水系組成物(その他の非水系組成物)をさらに有するものであってもよい。また、その場合には、インクセットは、本実施形態の非水系組成物をマゼンタインク、その他の非水系組成物をイエローインク、及びシアンインクとして有するインクセットであってもよく、本実施形態の非水系組成物をレッドインク、その他の非水系組成物をマゼンタインク、イエローインク、及びシアンインクとして有するインクセットであってもよい。色再現性をより優れたものとする観点で、本実施形態の非水系組成物をレッドインクとして用い、その他の非水系組成物であるマゼンタインク、イエローインク、及びシアンインクと併用することが好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本実施形態をより具体的に説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例及び比較例によって何ら限定されるものではない。
下記の実施例及び比較例において用いた非水系組成物用の主な材料は、以下の通りである。
〔非水系組成物用〕
〔顔料〕
C.I.ピグメントレッド254(PR−254、平均粒子径170nm)(東京化成工業社製、商品名Pigment Red 254)
C.I.ピグメントレッド177(PR−177、平均粒子径175nm)
C.I.ピグメントレッド179(PR−179、平均粒子径183nm)
C.I.ピグメントレッド224(PR−224、平均粒子径168nm)
〔有機溶剤〕
ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(Hangzhou Xcolor Chemical Company社製商品名Pigment Red 177)
ジエチレングリコールジエチルエーテル(日本乳化剤社製商品名DEDG)
テトラエチレングリコールジメチルエーテル(東京化成工業社製商品名Tetraethylen Glycol Dimethyl Ether)
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(東京化成工業社製商品名Triethylen Glycol Monobutyl Ether)
テトラエチレングリコールモノブチルエーテル(KHネオケム社製商品名ブチセノール40)
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(東京化成工業社製商品名Dipropylene Glycol Monomethyl Ether)
エチレングリコールモノブチルエーテル(東京化成工業社製商品名Etylene Glycol Monobutyl Ether)
γ−ブチロラクトン(東京化成工業社製商品名γ-Butyrolactone)
δ−バレロラクトン (東京化成工業社製、商品名δ-Valerolactone)
〔樹脂〕
ソルバインCL(塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、日信化学工業社製商品名)
〔顔料分散剤〕
Solsperse37500(ルーブリゾール社製商品名)
〔界面活性剤〕
BYK−340(ビックケミージャパン社製商品名)
(顔料分散液の調製)
顔料として上記の一次粒子径170nmのピグメントレッド254(PR− 254)を準備した。次に、分散剤としてSolsperse37500(ビックケミージャパン社製商品名)を用い、上記顔料に対して質量比0.1〜 20質量%の範囲で分散剤の添加量を変えて分散液を作製することにより、所望の体積平均粒子径の分散液とする分散を行った。分散媒としては、インク組成物ごとに溶剤として最も含有量の多い溶剤を分散媒として用い顔料分散液とした。なお、一次粒径よりも小さい体積平均粒子径を有するPR− 254については、ボールミルにより粉砕処理して所望の体積平均粒子径のPR− 254を得た。
顔料の体積平均粒子径は、得られた顔料分散液をジエチレングリコールジエチルエーテルにて1000ppm以下に希釈し、20℃の環境下でレーザー回折・散乱法(マイクロトラックUPA250、日機装株式会社製)によって測定された体積平均粒子径(メディアン径D50)の値を読み取ることにより測定した。その結果、平均粒子径が50nm、85nm、103nm、238nm、252nm、310nmのC.I.ピグメントレッド254が得られた。
[非水系組成物の調製]
各材料を下記の表1及び表2に示す組成で混合し、十分に撹拌し、各組成物を得た。なお、下記の表1及び表2中、数値の単位は質量%であり、合計は100.0質量%である。
Figure 0006663130
Figure 0006663130
〔記録物の作製〕
インクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、商品名「SC−S30650」)に被記録媒体である塩ビメディア(3M社製、型番「IJ180−10」)を搬入し、吐出ヘッドに実施例及び比較例で得られた各組成物を充填し、プラテンの温度を記録物の作製中及び記録物の作製後1分間の間45℃に保持し、塗布量10mg/inch2で、狙い解像度720×720dpiの条件下で、ベタパターンを作製し、各記録物を得た。なお、吐出不良により吐出が不足する部分があっても、不良箇所を補う操作は行わなかった。
(評価1)吐出安定性
実施例及び比較例で得られた各組成物を、インクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、商品名「SC−S30650」)に充填した。次いで、360ノズルを備えたインクジェットヘッドから周波数7kHzで吐出し、被記録媒体である塩ビメディア(3M社製、型番「IJ180−10」)にベタパターンを連続して300秒間形成し続けた(Lドット、600×600dpi)後、吐出を停止し、これを1シーケンスとした。その後、同様の操作を10シーケンス繰り返した。こうして得られた記録物のベタパターンから、インクのドット抜け、飛行曲がり、及び飛び散りを確認した。これらの現象が確認されたノズルを不良ノズルとし、全ノズル中の不良ノズルの割合をカウントし、吐出安定性を評価した。得られた結果を、表1及び表2に示す。
(評価基準)
4:不良ノズル数が0個
3:不良ノズル数が1〜2個
2:不良ノズル数が3〜4個
1:不良ノズル数が5個以上
(評価2)彩度
得られた各記録物について、彩度(C*)の評価を行った。具体的には、得られた各記録物について、スペクトロリーノ(商品名、グレタグマクベス社製分光光度計)を用いてa*値b*値の測色を行い、C*を算出し、下記評価基準により彩度を評価した。なお、C*の値は、C*の算出値の小数点以下を四捨五入した整数値とした。得られた結果を、表1及び表2に示す。
(評価基準)
5:C*値が110以上
4:C*値が100〜109
3:C*値が90〜99
2:C*値が80〜89
1:C*値が79以下
(評価3)耐候性
実施例及び比較例で得られた各組成物を用いて、グレタグ濃度計(グレタグマクベス社製)を用いて測定した初期OD値が0.5、1.0、又は最大値となるようにDutyを調整した以外は、上記の記録物と同様にして記録物を得た。得られた記録物を、キセノンウェザーメーター(スガ試験機株式会社製)のチャンバー内に投入し、下記表3に示すような試験条件で、順に、40分間の光照射、20分間の光照射及び降水(降雨)、60分間の光照射、及び60分間の降水(降雨)を行うことを1サイクルとしたサイクル試験を行った。このサイクル試験を4週間連続して行い、4週間後にその記録物を取り出した。取り出した各記録物について、OD値をグレタグ濃度計(グレタグマクベス社製)を用いて測定し、OD値の残存率(%)を求めた。初期OD値が0.5、1.0、又は最大値の三種の記録物のうち残存率が最も低い記録物を評価の対象とし、下記評価基準により耐候性を評価した。得られた結果を、表1及び表2に示す。
(評価基準)
4:OD値残存率が90%以上
3:OD値残存率が80%以上90%未満
2:OD値残存率が70%以上80未満
1:OD値残存率が70%未満
Figure 0006663130
(評価4)耐擦性
得られた各記録物を、JIS K5701(ISO11628)に準じて、学振型摩擦堅牢度試験機(テスター産業株式会社製、商品名「AB−301」)に綿布(金巾20番)を取り付けた摩擦子で、荷重500gをかけて20往復擦った。そして、被記録媒体の記録物の擦過痕及び剥離を目視で観察し、下記評価基準により耐擦性を評価した。得られた結果を、表1及び表2に示す。
(評価基準)
4:20往復擦っても記録物の擦過痕及び剥離が認められない。
3:20往復擦った後、記録物の剥離が認められないが、擦過痕が認められる。
2:20往復擦った後、記録物の一部の剥離及び擦過痕が認められる。
1:20往復擦った後、記録物の一部を超えて剥離が認められる。
表1及び表2に示す実施例及び比較例の対比により、本発明に係る非水系インクジェット組成物により、優れた彩度、耐光性、及び耐擦性の記録物が得られることが分かった。さらには、該非水系インクジェット組成物は、吐出安定性にも優れることが分かった。
1…プリンター、2…インクジェット式記録ヘッド、3…インクカートリッジ、4…キャリッジ、5…プラテン、6…被記録媒体、7…キャリッジ移動機構、8…媒体送り機構、70…インクパック、72…カートリッジケース、74…インク供給口、76…本体ケース、78…蓋部

Claims (7)

  1. ジケトピロロピロール顔料を含有する顔料と、有機溶剤と、を含み、
    前記有機溶剤は、下記式(1)で表されるグリコールジエーテル及び下記式(2)で表されるグリコールモノエーテルを含有するグリコールエーテルを含有し、
    前記顔料の平均粒子径が、100nm以上240nm以下であり、
    前記顔料の含有量が、該非水系インクジェット組成物の総量に対して、1.0質量%以上5.0質量%以下である、非水系インクジェット組成物。
    1 O−(R 3 O) m −R 2 (1)
    (式(1)中、R 1 及びR 2 は、各々独立に、炭素数1〜7のアルキル基を示し、R 3 は、炭素数1〜3のアルキレン基を示し、mは、1〜7の整数を示す。)
    OH−(R 5 O) n −R 4 (2)
    (式(2)中、R 4 は、炭素数1〜7のアルキル基を示し、R 5 は、炭素数1〜3のアルキレン基を示し、nは、1〜7の整数を示す。)
  2. 前記ジケトピロロピロール顔料は、ジケトピロロピロール赤色顔料である、請求項1に記載の非水系インクジェット組成物。
  3. 前記グリコールジエーテル及び前記グリコールモノエーテルの合計含有量が、該非水系インクジェット組成物の総量に対して、10質量%以上90質量%以下である、請求項1又は2に記載の非水系インクジェット組成物。
  4. 前記有機溶剤は、環状ラクトン類をさらに含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の非水系インクジェット組成物。
  5. 前記非水系インクジェット組成物は、塩化ビニル樹脂をさらに含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の非水系インクジェット組成物。
  6. 塩化ビニル系樹脂を含む被記録媒体に付着させて用いるものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の非水系インクジェット組成物。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載の非水系インクジェット組成物を用いて、被記録媒体にインクジェット法により記録を行う工程を有する、インクジェット記録方法。
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