JP6663130B2 - 非水系インクジェット組成物 - Google Patents
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R1O−(R3O)m−R2 (1)
(式(1)中、R1及びR2は、各々独立に、炭素数1〜7のアルキル基を示し、R3は、炭素数1〜3のアルキレン基を示し、mは、1〜7の整数を示す。)
OH−(R5O)n−R4 (2)
(式(2)中、R4は、炭素数1〜7のアルキル基を示し、R5は、炭素数1〜3のアルキレン基を示し、nは、1〜7の整数を示す。)
本実施形態の非水系インクジェット組成物(以下、単に「インクジェット組成物」、「非水系組成物」、「組成物」ともいう。)は、ジケトピロロピロール顔料を含有する顔料と有機溶剤とを含む。また、当該有機溶剤は、グリコールエーテルを含有する。さらに、上記顔料の平均粒子径は、100nm以上240nm以下である。
本実施形態の顔料は、ジケトピロロピロール顔料を含有すれば特に限定されず、ジケトピロロピロール顔料のみであってもよく、ジケトピロロピロール顔料とジケトピロロピロール顔料以外の顔料(以下、「その他の顔料」ともいう。)との混合物であってもよい。
平均粒子径は、レーザー顕微鏡やコールターカウンター法等により測定される。ここで、「平均粒子径」とは、体積平均粒子径を意味する。
本実施形態の有機溶剤は、グリコールエーテルを含有する。中でも下記式(1)で表されるグリコールジエーテル(以下、「特定グリコールジエーテル」ともいう。)を含有するとジケトピロロピロール顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性が良好となるため好ましい。また、グリコールエーテルとしてさらに下記式(2)で表されるグリコールモノエーテル(以下、「特定グリコールモノエーテル」ともいう。)を含有すると、ジケトピロロピロール顔料を含有するインクのぬれ広がり性が良好となり、より彩度が良好となる傾向があるため好ましい。
R1O−(R3O)m−R2 (1)
式(1)中、R1及びR2は、各々独立に、炭素数1〜7のアルキル基を示し、R3は、炭素数1〜3のアルキレン基を示し、mは、1〜7の整数を示す。
OH−(R5O)n−R4 (2)
式(2)中、R4は、炭素数1〜7のアルキル基を示し、R5は、炭素数1〜3のアルキレン基を示し、nは、1〜7の整数を示す。
本実施形態の組成物は、主に組成物の粘度を調整する目的で、樹脂をさらに含んでもよい。樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、ロジン変性樹脂、フェノール樹脂、テルペン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂等の塩化ビニル樹脂、セルロースアセテートブチレート等の繊維系樹脂、及びビニルトルエン−α−メチルスチレン共重合体樹脂が挙げられる。これらの中でも、塩化ビニル樹脂が好ましく、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂がより好ましい。このような樹脂を含むことにより、得られる記録物の耐擦性がより向上する傾向にある。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
本実施形態のインクジェット記録方法は、上述した非水系組成物を用いて、被記録媒体にインクジェット法により記録を行う工程を有する。具体的には、上記非水系組成物の液滴を吐出し、被記録媒体、好ましくは低吸収性被記録媒体、に該液滴を付着させて画像を記録する。
本実施形態のインクジェット記録装置には、従来公知のインクジェットプリンターを用いることができる。インクジェットプリンターとしては、例えば、図1に示すようなインクジェットプリンター(以下、単に「プリンター」ともいう。)が挙げられる。
〔非水系組成物用〕
〔顔料〕
C.I.ピグメントレッド254(PR−254、平均粒子径170nm)(東京化成工業社製、商品名Pigment Red 254)
C.I.ピグメントレッド177(PR−177、平均粒子径175nm)
C.I.ピグメントレッド179(PR−179、平均粒子径183nm)
C.I.ピグメントレッド224(PR−224、平均粒子径168nm)
〔有機溶剤〕
ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(Hangzhou Xcolor Chemical Company社製商品名Pigment Red 177)
ジエチレングリコールジエチルエーテル(日本乳化剤社製商品名DEDG)
テトラエチレングリコールジメチルエーテル(東京化成工業社製商品名Tetraethylen Glycol Dimethyl Ether)
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(東京化成工業社製商品名Triethylen Glycol Monobutyl Ether)
テトラエチレングリコールモノブチルエーテル(KHネオケム社製商品名ブチセノール40)
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(東京化成工業社製商品名Dipropylene Glycol Monomethyl Ether)
エチレングリコールモノブチルエーテル(東京化成工業社製商品名Etylene Glycol Monobutyl Ether)
γ−ブチロラクトン(東京化成工業社製商品名γ-Butyrolactone)
δ−バレロラクトン (東京化成工業社製、商品名δ-Valerolactone)
〔樹脂〕
ソルバインCL(塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、日信化学工業社製商品名)
〔顔料分散剤〕
Solsperse37500(ルーブリゾール社製商品名)
〔界面活性剤〕
BYK−340(ビックケミージャパン社製商品名)
顔料として上記の一次粒子径170nmのピグメントレッド254(PR− 254)を準備した。次に、分散剤としてSolsperse37500(ビックケミージャパン社製商品名)を用い、上記顔料に対して質量比0.1〜 20質量%の範囲で分散剤の添加量を変えて分散液を作製することにより、所望の体積平均粒子径の分散液とする分散を行った。分散媒としては、インク組成物ごとに溶剤として最も含有量の多い溶剤を分散媒として用い顔料分散液とした。なお、一次粒径よりも小さい体積平均粒子径を有するPR− 254については、ボールミルにより粉砕処理して所望の体積平均粒子径のPR− 254を得た。
各材料を下記の表1及び表2に示す組成で混合し、十分に撹拌し、各組成物を得た。なお、下記の表1及び表2中、数値の単位は質量%であり、合計は100.0質量%である。
インクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、商品名「SC−S30650」)に被記録媒体である塩ビメディア(3M社製、型番「IJ180−10」)を搬入し、吐出ヘッドに実施例及び比較例で得られた各組成物を充填し、プラテンの温度を記録物の作製中及び記録物の作製後1分間の間45℃に保持し、塗布量10mg/inch2で、狙い解像度720×720dpiの条件下で、ベタパターンを作製し、各記録物を得た。なお、吐出不良により吐出が不足する部分があっても、不良箇所を補う操作は行わなかった。
実施例及び比較例で得られた各組成物を、インクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、商品名「SC−S30650」)に充填した。次いで、360ノズルを備えたインクジェットヘッドから周波数7kHzで吐出し、被記録媒体である塩ビメディア(3M社製、型番「IJ180−10」)にベタパターンを連続して300秒間形成し続けた(Lドット、600×600dpi)後、吐出を停止し、これを1シーケンスとした。その後、同様の操作を10シーケンス繰り返した。こうして得られた記録物のベタパターンから、インクのドット抜け、飛行曲がり、及び飛び散りを確認した。これらの現象が確認されたノズルを不良ノズルとし、全ノズル中の不良ノズルの割合をカウントし、吐出安定性を評価した。得られた結果を、表1及び表2に示す。
(評価基準)
4:不良ノズル数が0個
3:不良ノズル数が1〜2個
2:不良ノズル数が3〜4個
1:不良ノズル数が5個以上
得られた各記録物について、彩度(C*)の評価を行った。具体的には、得られた各記録物について、スペクトロリーノ(商品名、グレタグマクベス社製分光光度計)を用いてa*値b*値の測色を行い、C*を算出し、下記評価基準により彩度を評価した。なお、C*の値は、C*の算出値の小数点以下を四捨五入した整数値とした。得られた結果を、表1及び表2に示す。
(評価基準)
5:C*値が110以上
4:C*値が100〜109
3:C*値が90〜99
2:C*値が80〜89
1:C*値が79以下
実施例及び比較例で得られた各組成物を用いて、グレタグ濃度計(グレタグマクベス社製)を用いて測定した初期OD値が0.5、1.0、又は最大値となるようにDutyを調整した以外は、上記の記録物と同様にして記録物を得た。得られた記録物を、キセノンウェザーメーター(スガ試験機株式会社製)のチャンバー内に投入し、下記表3に示すような試験条件で、順に、40分間の光照射、20分間の光照射及び降水(降雨)、60分間の光照射、及び60分間の降水(降雨)を行うことを1サイクルとしたサイクル試験を行った。このサイクル試験を4週間連続して行い、4週間後にその記録物を取り出した。取り出した各記録物について、OD値をグレタグ濃度計(グレタグマクベス社製)を用いて測定し、OD値の残存率(%)を求めた。初期OD値が0.5、1.0、又は最大値の三種の記録物のうち残存率が最も低い記録物を評価の対象とし、下記評価基準により耐候性を評価した。得られた結果を、表1及び表2に示す。
(評価基準)
4:OD値残存率が90%以上
3:OD値残存率が80%以上90%未満
2:OD値残存率が70%以上80未満
1:OD値残存率が70%未満
得られた各記録物を、JIS K5701(ISO11628)に準じて、学振型摩擦堅牢度試験機(テスター産業株式会社製、商品名「AB−301」)に綿布(金巾20番)を取り付けた摩擦子で、荷重500gをかけて20往復擦った。そして、被記録媒体の記録物の擦過痕及び剥離を目視で観察し、下記評価基準により耐擦性を評価した。得られた結果を、表1及び表2に示す。
(評価基準)
4:20往復擦っても記録物の擦過痕及び剥離が認められない。
3:20往復擦った後、記録物の剥離が認められないが、擦過痕が認められる。
2:20往復擦った後、記録物の一部の剥離及び擦過痕が認められる。
1:20往復擦った後、記録物の一部を超えて剥離が認められる。
Claims (7)
- ジケトピロロピロール顔料を含有する顔料と、有機溶剤と、を含み、
前記有機溶剤は、下記式(1)で表されるグリコールジエーテル及び下記式(2)で表されるグリコールモノエーテルを含有するグリコールエーテルを含有し、
前記顔料の平均粒子径が、100nm以上240nm以下であり、
前記顔料の含有量が、該非水系インクジェット組成物の総量に対して、1.0質量%以上5.0質量%以下である、非水系インクジェット組成物。
R 1 O−(R 3 O) m −R 2 (1)
(式(1)中、R 1 及びR 2 は、各々独立に、炭素数1〜7のアルキル基を示し、R 3 は、炭素数1〜3のアルキレン基を示し、mは、1〜7の整数を示す。)
OH−(R 5 O) n −R 4 (2)
(式(2)中、R 4 は、炭素数1〜7のアルキル基を示し、R 5 は、炭素数1〜3のアルキレン基を示し、nは、1〜7の整数を示す。) - 前記ジケトピロロピロール顔料は、ジケトピロロピロール赤色顔料である、請求項1に記載の非水系インクジェット組成物。
- 前記グリコールジエーテル及び前記グリコールモノエーテルの合計含有量が、該非水系インクジェット組成物の総量に対して、10質量%以上90質量%以下である、請求項1又は2に記載の非水系インクジェット組成物。
- 前記有機溶剤は、環状ラクトン類をさらに含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の非水系インクジェット組成物。
- 前記非水系インクジェット組成物は、塩化ビニル樹脂をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の非水系インクジェット組成物。
- 塩化ビニル系樹脂を含む被記録媒体に付着させて用いるものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の非水系インクジェット組成物。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の非水系インクジェット組成物を用いて、被記録媒体にインクジェット法により記録を行う工程を有する、インクジェット記録方法。
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